(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、食品安全の確保に対する要求は、これまで以上に重要さを増しており食品を生産する者にとっては最重要課題といってよい。また、一般消費者の味へのこだわりも日々向上しており、食品の味を変えることなく、迅速で確実な殺菌が求められている。
【0005】
本発明の目的は、食品の味を損なうことなく簡易に、迅速に且つ確実に食品を殺菌することができる殺菌装置及び該殺菌装置を用いた食品の製造方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の殺菌装置は、
所定重量に小分けされた食品を投入する開口部及び水切りを行う水切り部を有する殺菌用容器と、前記開口部によって形成される開口面の水平方向に対する角度を制御する角度制御部と、前記殺菌用容器に
前記所定重量に小分けされた食品を殺菌するのに必要な量の殺菌用水を注入する注入部と、
前記注入部により前記殺菌用容器に前記殺菌用水を注入した注入位置から前記殺菌用水を排出する排出位置まで、前記食品を投入した前記殺菌用容器を搬送する搬送部と、前記殺菌用容器内で前記食品を前記殺菌用水に浸漬する浸漬時間を制御することにより前記食品を殺菌する殺菌制御部と、を備え、前記角度制御部は、前記開口部から前記食品を投入した後であって前記注入部により前記殺菌用容器に前記殺菌用水を注入する前に、前記水切り部から前記殺菌用水が排出されないように前記角度を制御し、前記殺菌制御部により前記食品の殺菌を終えた後、前記水切り部から前記殺菌用水が排出されるように前記角度を制御
し、前記殺菌制御部は、前記搬送部による搬送速度及び前記注入位置から前記排出位置までの搬送距離の少なくとも一方を制御することにより前記浸漬時間を制御することを特徴とする。
【0008】
また、本発明の殺菌装置は、前記殺菌用水が微酸性電解水であることを特徴とする。
【0009】
また、本発明の殺菌装置は、前記殺菌用容器に投入される前記食品が一食分の麺類であることを特徴とする。
【0010】
また、本発明の殺菌装置は、前記食品が殺菌された後冷凍されることを特徴とする。
【0011】
また、本発明の食品の製造方法は、食品を投入する開口部及び水切りを行う水切り部を有する殺菌用容器の
前記水切り部から排水されないように前記開口部によって形成される開口面の水平方向に対する角度を制御する角度制御工程と、前記開口部から
所定重量に小分けされた前記食品を投入する投入工程と、前記殺菌用容器に
前記所定重量に小分けされた食品を殺菌するのに必要な量の殺菌用水を注入する注入工程と、
前記注入工程により前記殺菌用容器に前記殺菌用水を注入した注入位置から前記殺菌用水を排出する排出位置まで、前記食品を投入した前記殺菌用容器を搬送する搬送工程と、前記搬送工程による搬送速度及び前記注入位置から前記排出位置までの搬送距離の少なくとも一方を制御することにより前記殺菌用容器内で前記食品を前記殺菌用水に浸漬する浸漬時間を制御
して前記食品を殺菌する殺菌工程と、
前記排出位置において前記水切り部から前記殺菌用水が排出されるように前記角度を制御し、前記水切り部から前記殺菌用水を排出する殺菌用水排出工程と、を含むことを特徴とする。
【0012】
また、本発明の食品の製造方法は、前記殺菌用水が微酸性電解水であることを特徴とする。
【0013】
また、本発明の食品の製造方法は、前記殺菌用容器に投入される前記食品が一食分の麺類であることを特徴とする。
【0014】
また、本発明の食品の製造方法は、前記殺菌用水排出工程により前記水切り部から前記殺菌用水を排出した後、前記殺菌用容器から前記食品を排出する排出工程と、前記排出工程により前記殺菌用容器から排出された前記食品を冷凍する冷凍工程と、を更に含むことを特徴とする。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、食品の味を損なうことなく簡易に、迅速に且つ確実に食品を殺菌することができる殺菌装置及び該殺菌装置を用いた食品の製造方法を提供することができる。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態に係る冷凍麺製造装置について説明する。
図1は、実施の形態に係る冷凍麺製造装置の構成について説明するための図である。この実施の形態に係る冷凍麺製造装置2は、一食分の冷凍麺を製造するための装置であって、
図1に示すように、茹で部4、冷却部6、計量部8、殺菌装置10、冷凍部12及び包装部14を備えている。
【0018】
なお、この実施の形態においては、一食分の冷凍麺を殺菌及び製造する場合を例に挙げて説明するが一食分でなくとも製造に適した量で実施できるのは当然である。
【0019】
冷凍麺以外にもチルド麺、生麺、茹で麺などの他の麺類、麺類以外の食品を殺菌及び製造する場合にも本発明を適用することができる。また、麺類としては、パスタ、素麺、冷麦、うどん、そば等が挙げられる。
【0020】
また、この実施の形態においては、殺菌用水として微酸性電解水を例に挙げて説明するが、強酸性電解水や弱酸性電解水等のpHを問わない次亜塩素酸水、アルコール水溶液等食品の殺菌用途で使用することができる液体であればよい。
【0021】
また、殺菌装置10の説明においてはXYZ直交座標系を設定し、このXYZ直交座標系を参照して説明する。XYZ直交座標系は、
図1に示すように、Y軸が
図1の紙面に対して垂直方向となるように、Z軸が鉛直方向となるように、X軸がYZ平面に対して垂直方向となるように設定される。
【0022】
茹で部4は、乾麺を喫食可能になるまで茹でる。冷却部6は、菌の繁殖及び麺の伸びを防止するために、茹で部4により茹でられた麺を冷却する。計量部8は、冷却部6により冷却された麺を所定重量(一食分の重量)となるように小分けする。
【0023】
殺菌装置10は、計量部8により一食分量に小分けされた麺を殺菌するための装置であり、複数の殺菌用容器16、コンベア18、注入部20、制御部22、コンベア駆動部24及び回転角度制御部26を備えている。複数の殺菌用容器16は、所定間隔でコンベア18に取り付けられており、Y軸を回転軸として回転可能に構成されている。
図2は、殺菌用容器16の構成を示す図である。殺菌用容器16は、
図2に示すように、ZX平面に平行な2つの等脚台形状の面を有する容器であり、−X方向側の面に水切りを行う水切り部16a、及び+Z方向側に麺の投入、麺の排出及び後述する微酸性電解水の注入を行う開口部16bを有している。
【0024】
水切り部16aは、開口部16bによって形成される開口面の水平方向(X方向)に対する角度制御がなされることにより、水切りを行う。水切り部16aは、微酸性電解水のみが排出される(麺が排出されない)ように金網により構成されている。なお、水切り部16aは、金網に限らず、微酸性電解水のみが排出されるように構成されていればよく、例えば麺を通さない複数の小さな穴により形成されてもよい。
【0025】
殺菌用容器16は、開口部16bによって形成される開口面の水平方向(X方向)に対する角度制御がなされることにより、微酸性電解水を収容し(微酸性電解水を水切り部16aから排出しない)保持することができる。即ち、殺菌用容器16は、
図3に示すように、Y軸を回転軸として時計回りに所定角度回動することにより、殺菌用容器16内に収容されている麺及び微酸性電解水が水切り部16aから排出されるのを防止し、微酸性電解水を保持する。また、殺菌用容器16は、開口部16bによって形成される開口面の水平方向(X方向)に対する角度制御がなされることにより、微酸性電解水を水切り部16aから排出することができる。即ち、殺菌用容器16は、
図4に示すように、Y軸を回転軸として反時計回りに所定角度回動することにより、殺菌用容器16内に収容されていた微酸性電解水のみを水切り部16aから排出する。
【0026】
コンベア18は、ZX平面内を時計回りに駆動することにより、麺が殺菌用容器16に投入されてから殺菌用容器16から排出されるまで、即ち少なくとも注入部20から殺菌用容器16に微酸性電解水が注入された注入位置から殺菌用容器16内の微酸性電解水を排出する排出位置まで、殺菌用容器16(麺)を搬送する。注入部20は、ノズル20a及びバルブ駆動部20bを備えており、ノズル20aは、麺が投入された殺菌用容器16に殺菌用水として微酸性電解水を注入する。バルブ駆動部20bは、ノズル20aから流出される微酸性電解水の量を調整するためのバルブ(図示せず)の開閉を行う。
【0027】
微酸性電解水は、次亜塩素酸(HClO)水溶液のpHを5.0〜6.5に調整した微酸性の殺菌用水である。微酸性電解水は、従来から殺菌用途で食品添加物として使用されている次亜塩素酸ナトリウム(NaClO)水溶液(pHが9.0前後のアルカリ性)と比べて同じ塩素濃度でも、液中においてより殺菌効果の高い次亜塩素酸(HClO)の存在比率が高くなるため同じ効果を得るために必要な塩素濃度が低くてよい。塩素濃度が低ければ、食品への塩素臭の付着を防止することができ、食品の味を損なうことなく食品の殺菌を確実に行うことができる。なお、この実施の形態においては、微酸性電解水を殺菌用水として使用しているが、微酸性電解水以外の殺菌用水を使用してもよい。
【0028】
制御部22は、殺菌装置10の各部を統括的に制御し、特に殺菌用容器16内で麺を微酸性電解水に所定時間浸漬することにより麺を殺菌するための制御を行う。具体的には、制御部22は、開口部16bから麺を投入した後であって注入部20により殺菌用容器16に微酸性電解水を注入する前に、水切り部16aから微酸性電解水が排出されないように開口部16bによって形成される開口面の水平方向(X方向)に対する角度を制御し、麺の殺菌を終えた後、水切り部16aから微酸性電解水が排出されるように開口部16bによって形成される開口面の水平方向(X方向)に対する角度を制御する。
【0029】
制御部22には、コンベア駆動部24が接続されており、コンベア駆動部24は、コンベア18の駆動を制御する。制御部22は、コンベア駆動部24を制御することによりコンベア18を駆動させる。また、制御部22は、コンベア18による搬送速度を制御することにより、麺を微酸性電解水に浸漬させる浸漬時間(所定時間)を制御する。また、制御部22には、回転角度制御部26が接続されており、回転角度制御部26は、殺菌用容器16の回転角度を制御する。制御部22は、回転角度制御部26を制御することにより殺菌用容器16をY軸を回転軸として時計回りまたは反時計回りに回動または回転させる。また、制御部22には、バルブ駆動部20bが接続されており、制御部22は、バルブ駆動部20bを駆動させることによりバルブの開閉を制御する。
【0030】
なお、この実施の形態においては、制御部22はコンベア18による搬送速度を制御することにより浸漬時間を制御しているが、搬送速度の制御と併せて、または搬送速度の制御に代えて、コンベア18による搬送距離を制御することにより浸漬時間を制御してもよい。例えば、水切り部16aから微酸性電解水が排出される位置を変化させることにより、微酸性電解水が殺菌用容器16に注入されてから排出されるまでのコンベア18による搬送距離を変化させる。
【0031】
また、制御部22は、コンベア18により殺菌用容器16(麺)が麺排出位置まで搬送されたとき、殺菌用容器16の開口部16bから麺が排出されるように開口部16bによって形成される開口面の水平方向(X方向)に対する角度を制御する。即ち、制御部22は、回転角度制御部26を制御することにより殺菌用容器16をY軸を回転軸として時計回りまたは反時計回りに180度回転させる。殺菌用容器16内の麺は、殺菌用容器16が180度回転することにより開口部16bから排出される。
【0032】
冷凍部12は、殺菌装置10により殺菌され、殺菌装置10から排出された麺を所定形状に整えた後、冷凍する。包装部14は、冷凍部12により冷凍された麺を包装する。
【0033】
次に、図面を参照して、この実施の形態に係る冷凍麺製造装置2を用いて冷凍麺を製造する冷凍麺の製造方法について説明する。
図5は、冷凍麺を製造する方法について説明するためのフローチャートである。
【0034】
まず、茹で部4により喫食可能になるまで茹でられ、冷却部6により冷却され、計量部8により一食分量に小分けされた麺が殺菌用容器16内に投入されると(ステップS1)、制御部22は、麺が投入された殺菌用容器16の搬送を開始する。具体的には、制御部22は、コンベア駆動部24を制御することによりコンベア18を駆動させて、コンベア18に取り付けられている複数の殺菌用容器16を搬送する。コンベア駆動部24は、コンベア18の駆動停止を指示する制御信号を制御部22から取得するまで、コンベア18の駆動を継続させる。
【0035】
次に、制御部22は、所定の位置まで搬送されてきた殺菌用容器16について水切り部16aから排水されないように開口部16bによって形成される開口面の水平方向(X方向)に対する角度を制御する(ステップS2)。即ち、制御部22は、回転角度制御部26を制御することにより殺菌用容器16をY軸を回転軸として時計回りに回動させて、
図3に示すように開口部16bによって形成される開口面の水平方向(X方向)に対する角度を調整する。
【0036】
次に、制御部22は、注入部20を用いて殺菌用容器16に微酸性電解水を注入する(ステップS3)。具体的には、殺菌用容器16が注入部20により微酸性電解水を注入可能な位置まで搬送されると、制御部22は、バルブ駆動部20bを駆動させることにより図示しないバルブを開き、ノズル20aから微酸性電解水を流出させて、殺菌用容器16内に微酸性電解水を注入する。
【0037】
次に、制御部22は、殺菌用容器16内で麺を微酸性電解水に所定時間(この実施の形態では5秒間)浸漬させる(ステップS4)。この実施の形態において、コンベア18による搬送速度は、微酸性電解水が注入されてから排出されるまでの時間(浸漬時間)が5秒間となるように予め設定されている。なお、浸漬時間は、コンベア18による搬送速度を変化させることにより変更可能である。例えば、制御部22は、コンベア駆動部24を制御することにより、コンベア18による搬送速度を遅くして(または、速くして)浸漬時間を長く(または短く)する。麺は、微酸性電解水に5秒間浸漬されることにより殺菌される。
【0038】
次に、制御部22は、殺菌用容器16の水切り部16aから微酸性電解水を排出する(ステップS5)。具体的には、制御部22は、殺菌用容器16の水切り部16aから微酸性電解水のみが排出されるように開口部16bによって形成される開口面の水平方向(X方向)に対する角度を制御する。即ち、制御部22は、回転角度制御部26を制御することにより殺菌用容器16をY軸を回転軸として反時計回りに回動させて、
図4に示すように開口部16bによって形成される開口面の水平方向(X方向)に対する角度を調整する。
【0039】
次に、制御部22は、回転角度制御部26を制御することにより殺菌用容器16をY軸を回転軸として時計回りに回動させて、開口部16bによって形成される開口面がXY平面と平行となるように調整し、麺を排出する位置まで殺菌用容器16を搬送する。殺菌用容器16が麺を殺菌装置10から排出する位置に到達すると、制御部22は、殺菌用容器16から麺を排出する(ステップS6)。具体的には、回転角度制御部26を制御することにより殺菌用容器16をY軸を回転軸として時計回りまたは反時計回りに180度回転させて、殺菌用容器16の開口部16bから麺を排出する。殺菌装置10(殺菌用容器16)から排出された麺は、冷凍部12により所定形状に整えられた後に冷凍され、包装部14により包装される。
【0040】
なお、この実施の形態においては、制御部22はコンベア18による搬送速度を制御することにより浸漬時間を制御しているが、搬送速度の制御と併せて、または搬送速度の制御に代えて、コンベア18による搬送距離を制御することにより浸漬時間を制御してもよい。例えば、ステップS5の処理において、微酸性電解水の排出位置の調整、即ち微酸性電解水が排出されるように開口部16bによって形成される開口面の水平方向(X方向)に対する角度を調整する位置の制御を行うことにより、微酸性電解水が殺菌用容器16に注入されてから排出されるまでのコンベア18による搬送距離を変化させる。
【0041】
この実施の形態に係る殺菌装置10によれば、開口部16bによって形成される開口面を水平方向に対して傾けることにより水切りが行える水切り部16aを有する殺菌用容器16を備え、開口部16bによって形成される開口面の水平方向に対する角度を変化させることにより、水切り部16aから微酸性電解水を排出させない制御及び排出させる制御を行う。また、殺菌用水として殺菌効果が高い微酸性電解水を用いているため、短時間で麺を殺菌することができる。したがって、簡易な構成により麺を微酸性電解水に適切な時間浸漬させることができ、麺の味を損なうことなく簡易に、迅速に且つ確実に麺の殺菌を行うことができる。
【0042】
また、この実施の形態に係る冷凍麺の製造方法によれば、殺菌装置10を備えた冷凍麺製造装置2を用いて麺の殺菌を行うため、麺の味を損なうことなく簡易に、迅速に且つ確実に殺菌された冷凍麺を製造することができる。
【0043】
なお、上述の実施の形態に係る冷凍麺製造装置2の代わりに、
図6に示すような冷凍麺製造装置3を用いてもよい。冷凍麺製造装置3は、殺菌装置11を備えており、殺菌装置11は、
図1に示す殺菌装置10のコンベア18より搬送路が短くコンパクトなコンベア19を備えている。殺菌装置11によれば、麺が殺菌用容器16に存在していない時間を削減することができるため、殺菌用容器16の個数を減少させることができ、装置のコンパクト化及び低コスト化を図ることができる。
【0044】
また、上述の実施の形態においては、2つの等脚台形状の面を有する角柱状の殺菌用容器16を例に挙げて説明したが、殺菌用容器は水平方向に対して傾けることにより水切りが行える水切り部を有するものであればよい。例えば、殺菌用容器16の代わりに、
図7に示すようなZX平面に平行な2つの直角台形(脚と下底との間の内角が直角の台形)状の面を有する殺菌用容器17を用いてもよい。また、例えばZX平面に平行な2つの半円形状、または2つの四半円形状等の面を有する殺菌用容器を用いてもよい。殺菌用容器17及び他の例示した殺菌用容器については、殺菌用容器16と比較して殺菌用水の収容量を増加させることができる。
【実施例】
【0045】
(実施例1)
検体として大腸菌群10
3オーダーに表面を汚染させたパスタ100gを21個準備した。殺菌用容器16の水切り部16aから排水されないように殺菌用容器16を傾けた状態で、検体及び微酸性電解水460mlを殺菌用容器16内(体積662cm
3)に投入し、5秒間浸漬させた。この実験をすべての検体について行った。培養条件を温度35℃、時間48時間とし、一般生菌数を計測した。また、培養条件を温度35℃、時間24時間とし、大腸菌数及び大腸菌群数を計測した。計測結果を表1に示す。表1に示すように、大腸菌群10
3オーダーに表面を汚染させたパスタ100gを効果的に殺菌することができた。
【0046】
(実施例2)
検体として大腸菌群10
3オーダーに表面を汚染させた素麺100gを19個準備した。殺菌用容器16の水切り部16aから排水されないように殺菌用容器16を傾けた状態で、検体及び微酸性電解水460mlを殺菌用容器16内(体積662cm
3)に投入し、5秒間浸漬させた。この実験をすべての検体について行った。培養条件を温度35℃、時間48時間とし、一般生菌数を計測した。また、培養条件を温度35℃、時間24時間とし、大腸菌数及び大腸菌群数を計測した。計測結果を表2に示す。表2に示すように、大腸菌群10
3オーダーに表面を汚染させた素麺100gを効果的に殺菌することができた。
【0047】
(比較例1)
検体として大腸菌群10
3オーダーに表面を汚染させたパスタ100gを準備した。また、微酸性電解水との比較のため、麺の茹で汁を放置し増菌させることにより汚染水を作製した。殺菌用容器16の水切り部16aから排水されないように殺菌用容器16を傾けた状態で、検体及び汚染水460mlを殺菌用容器16内(体積662cm
3)に投入し、5秒間浸漬させた。培養条件を温度35℃、時間48時間とし、一般生菌数を計測した。また、培養条件を温度35℃、時間24時間とし、大腸菌数及び大腸菌群数を計測した。計測結果を表1に示す。表1に示すように、殺菌装置10により殺菌されていない検体については、実施例1の検体と比較して一般生菌及び大腸菌群が増殖していることを確認することができた。
【0048】
(比較例2)
検体として大腸菌群10
3オーダーに表面を汚染させた素麺100gを準備した。また、微酸性電解水との比較のため、麺の茹で汁を放置し増菌させることにより汚染水を生成した。殺菌用容器16の水切り部16aから排水されないように殺菌用容器16を傾けた状態で、検体及び汚染水460mlを殺菌用容器16内(体積662cm
3)に投入し、5秒間浸漬させた。培養条件を温度35℃、時間48時間とし、一般生菌数を計測した。また、培養条件を温度35℃、時間24時間とし、大腸菌数及び大腸菌群数を計測した。計測結果を表2に示す。表2に示すように、殺菌装置10により殺菌されていない検体については、実施例2の検体と比較して一般生菌及び大腸菌群が増殖していることを確認することができた。
【0049】
【表1】
【0050】
【表2】