【実施例】
【0022】
図1は、本発明が適用される自動分析装置の概略構成図である。
図1において、ディスプレイ(表示部)やキーボード(入力部)等を有する操作部PC(動作制御部)1からの指示により、サンプル(試料)の入ったサンプル容器(試薬容器)2は分析部(生化学分析ユニット)にサンプル搬送ラインを用いて搬送される。サンプル容器2は搬送ラック3に架設されている。
【0023】
分析部に搬送されたサンプル容器2内のサンプルは、操作部PC1から指示された分析を行うため、サンプル容器2内からサンプルプローブ4により吸引され、反応ディスク5に架設した反応容器6に分注される。また、反応ディスク5の内周側に配置された試薬保冷庫7内に架設された試薬容器8から、予め取得した試薬容器8の情報に基づき所定の試薬を吸引するため、試薬容器8が試薬保冷庫7の蓋の開口部13の位置に移動される。試薬保冷庫7は、試薬を充填した円周上に配置された複数の試薬容器8を保冷し、試薬容器8から試薬を吸引するための少なくとも1つの蓋開口部13が形成されている。
【0024】
試薬容器8内の試薬が試薬プローブ9により吸引され、反応ディスク5に配置された反応容器6に分注される。反応容器6に注入されたサンプルと試薬とは、攪拌機構10によって攪拌される。これによる化学反応の発色を光源ランプ、分光用回折格子、光検知器により構成される光度計11で測光され分析が行われる。
【0025】
分析後は次のサンプルを分析するため、反応容器6は洗浄機構12により洗浄される。サンプル容器2を架設した搬送ラック3は、サンプル容器2から分析を行うためのサンプルが吸引された後、分析部から搬出される。
【0026】
なお、
図1に示した例では、試薬保冷庫7は2つ備えられ、一方は反応ディスク5の内周側に配置され、他方は反応ディスク5の外周側に配置されている。
図1中では、反応ディスク5の外周側に配置された試薬保冷庫7の蓋の一部を破断して示し、保冷されている複数の試薬容器8の一部が見えるようにしてある。
【0027】
図2は、システム化した本発明の一実施例である自動分析装置の全体概略構成図である。上述した
図1では一つの生化学分析ユニットにおける分析動作の流れを説明した。以降の例においては分析ユニットが4つある構成で説明する。
【0028】
図2において、システムは、操作部PC1、試料が収容された試料容器2が投入され、この試料容器2を架設するサンプラユニット14、サンプルバッファユニット15−1〜15−4、生化学分析ユニット16−1〜16−4、HUB17、を備えている。分析ユニットの種別は生化学分析ユニット、免疫分析ユニット(図示せず)の2種類がある。それぞれ分析項目によって使用用途がわかれている。組み合わせに制限は無く、生化学分析ユニット、免疫分析ユニットとも合計4つまでで自由に構成することができる。
【0029】
免疫分析ユニットは電気化学発光法によりサンプル中に微量に含まれるホルモン等の測定に用いられるが、本実施例では分析の流れ等、詳細については割愛する。
図2では生化学分析ユニット16−1(分析ユニット1)−生化学分析ユニット16−2(分析ユニット2)−生化学分析ユニット16−3(分析ユニット3)−生化学分析ユニット16−4(分析ユニット4)の計4つの分析ユニットからなるシステム構成である。
【0030】
分析ユニット1〜4のそれぞれには、AC給電線18−1〜18−4が接続されており、これが装置を導入する施設の電源設備に接続される。サンプラユニット14には1つのAC給電線18が接続されており、ここからAC電力(動作電力)が供給される。
【0031】
また、サンプルバッファユニット15−1〜15−4には、それぞれ1つのAC給電線18−1〜18−4が接続されており、ここからAC電力が供給される。サンプルバッファユニット15−1〜15−4のそれぞれへのAC電力の供給はサンプルバッファユニット15−1〜15−4のそれぞれに接続された分析ユニット16−1〜16−4のそれぞれに分配される構成である。サンプルバッファユニットと分析ユニットとは必ずセットで構成される。
【0032】
HUB17は、操作部PC1とイーサネット(登録商標)ケーブル19とによりLAN接続されている。また、HUB17はイーサネット(登録商標)ケーブル19で全てのユニット14、15−1〜15−4、16−1〜16―4に接続されている。なお、HUB17、操作部PC1、ユニット14、15−1〜15−4、16−1〜16―4は、ケーブル又は無線でネットワークに接続されていればよい。
【0033】
操作部PC1にはシステムを制御するソフトウェアがインストールされており、ソフトウェアが対象のユニットを制御する際には本イーサネット(登録商標)ケーブル接続で確立されたIPアドレス、およびネットワークを使用する。
【0034】
操作部PC1とHUB17はサンプラユニット14に接続されたAC分配給電線20から給電される。
【0035】
ユニット14、15−1〜15−4、16−1〜16−4の背面にはサンプル搬送ライン21が配置されている。上述の搬送ラック3は、サンプラユニット14へ架設される。その後、架設された搬送ラック3はサンプラユニット14からサンプル搬送ライン21を通り、指示された分析ユニット(16−1〜16−4のいずれか)のサンプルバッファユニット15−1〜15−4へと移動する。サンプルバッファユニット15−1〜15−4は、試料容器2を有する搬送ラック3を貯留した後、搬送ラック3の試料容器2が、サンプルバッファユニット15−1〜15−4のいずれかから分析ユニット16-1〜16−4のいずれかへ移動して、サンプルが分析ユニット16−1〜16−4のいずれかへと分注され、生化学項目の分析が実施される。
【0036】
分析ユニットへの分注が完了したサンプルラックは、サンプル搬送ライン21を通ってサンプラユニット14へ戻る。分析結果は、操作部PC1に表示される。
【0037】
次に、
図3を用いてシステム電源をオンとするための構成について説明する。システム電源のオンは、サンプラユニット14にある押しボタンスイッチ50を押下することで行う。押しボタンスイッチ50を押下すると、まず給電開始範囲22(破線)に示した操作部PC1、HUB17、サンプラユニット14のAC給電(動作電力の供給)がスタートし、これらが立ち上がる。給電開始範囲22にないサンプルバッファユニット15−1(ユニット1)と生化学分析ユニット16−1(ユニット1)は、まだこの時点では立ち上がらない。
【0038】
各ユニット(
図3ではサンプラユニット14、サンプルバッファユニット15−1(ユニット1)、生化学分析ユニット16−1(ユニット1))にはボードコンピュータ23とモータコントローラ24からなる中枢制御部25が備えられている。
【0039】
HUB17からのイーサネット(登録商標)ケーブル19はサンプラユニット14内の中枢制御部25のボードコンピュータ23につながっている。ボードコンピュータ23とモータコントローラ24とはVME(Versa module European)バスでつながっている。図示していないが、サンプルバッファユニット15−1(ユニット1)と生化学分析ユニット16−1(ユニット1)も同様に、HUB17からのイーサネット(登録商標)ケーブル19が内部の中枢制御部25のボードコンピュータ23につながっている。
【0040】
また、サンプルバッファユニット15−1、および分析ユニット16−1にはACリレー(電源オン機構)26が搭載されており、ACリレー26をオンとすることで設備側からのAC給電がAC給電線18−1からユニット1内になされ、中枢制御部25をはじめユニット1が立ち上がる。
【0041】
中枢制御部25は次ユニットのACリレー26と信号線27で結線されており、中枢制御部25からの給電開始信号をACリレー26に発行することができる。中枢制御部25が給電開始信号をACリレー26に発行すると、ACリレー26がオンし、設備側からのAC給電がユニット1内になされる。
【0042】
次に、
図4を用いてサンプラユニット14の電源オン後の動作について説明する。
図4の(A)において、AC給電が開始され操作部PC1とサンプラユニット14の中枢制御部25とが立ち上がると、モータコントローラ24に実装された専用マイコンから、HUB17等のネットワークを介して操作部PC1へDHCP(dynamic host configuration protocol)クライアント要求を行う。DHCPクライアント要求では、IPアドレスの割付要求を行う。
【0043】
操作部PC1にはDHCPサーバの機能が搭載されており、DHCPクライアント要求を受けた後、これを承認して、
図4の(B)に示すように、サーバにあるアドレステーブルを参照して、アドレステーブル内の優先順位に従いIPアドレスの自動割付を行う。
【0044】
図4の(B)に示す例では、サンプラユニット14からのDHCPクライアント要求を受け、操作部PC1がアドレステーブルを参照して、優先順位が一番高いIPアドレス(192.18.1.145)を割付する。
【0045】
IPアドレスの割付後、そのIPアドレスを確立済みとしてアドレステーブル内でマスクする。割付されたIPアドレスを使用することで、操作部PC1とサンプラユニット14とのネットワークは確立する。なお、操作部PC1自身には最初からTCP/IPの固定IPアドレス(例えば192.18.1.130)を設定しておき、この固定IPアドレスを使用することとする。
【0046】
最初のサンプラユニット14と操作部PC1とのネットワークの確立は、300sをシステムタイムアウトとし、その時間内はネットワークを確立するまで15sごとにリトライを実施する。15sごとにサンプラユニット14内の中枢制御部25がリブートして、中枢制御部25が立ち上がり後はDHCPクライアント要求を操作部PC1へ行う。専用マイコンを使用することで、中枢制御部25が立ち上がり後は速やかにDHCPクライアント要求を行うようにする。なお、システムタイムアウト時間経過後は、ネットワーク確立に失敗した旨のアラームを操作部PC1の表示部に表示するようにしても良い。
【0047】
次に、
図5を用いてユニット種別を確定する動作について説明する。ネットワーク確立後、
図5の(A)に示すように、操作部PC1のソフトウェアが確立したネットワークを経由してサンプラユニット14の中枢制御部25へアクセス後、ユニット種別の識別を行う。サンプラユニット14の中枢制御部25のモータコントローラ24の専用マイコンにはDHCPクライアント機能の他、DPRAM、およびROMの領域があり、DPRAMにユニット種別情報が格納されている。
【0048】
ユニット種別情報は、ROMに事前に書き込んでおいて電源立ち上げ後にROM情報をDPRAMへ書込んでも良いし、後からユニット種別を変更できるよう、例えばマイコンにロータリスイッチを割付けておいて、その割付を電源立ち上げ後にマイコン内で認識することで自身のユニット種別が何かを識別するようにし、DPRAMへ書込むようにしておいても良い。操作部PC1に格納されたソフトウェアがDPRAMの情報を確認することで、どのユニットとネットワークを確立したのかを識別する。ここでは操作部PC1のソフトウェアがDPRAMの情報を確認した結果、サンプラユニット14であると識別する。
【0049】
サンプラユニット14は電源立ち上げ後、サンプラユニット14の種別情報を自身のモータコントローラ24が有するDPRAMに持つので、どのユニットであろうとネットワーク確立後にソフトウェアがDPRAMの情報を確認することで、それが何のユニット種別であるかを識別する。
【0050】
次に、操作部PC1は、ユニット種別を識別した後、ソフトウェアにてIPアドレスとユニット種別を照合する。照合の結果、両方とも正しい場合にユニットを確定したとして、操作部PC1からユニットへブートファイルを転送する(
図5の(B))。ブートファイルのサンプラユニット14への転送により、サンプラユニット14のブートが完了する。操作部PC1からブートファイルのサンプラユニット14への転送は、起動完了信号をサンプラユニット14に出力することと同義である。
【0051】
なお、IPアドレスとユニット順番はセットが決まっており、サンプラユニット14はIPアドレス192.18.1.145、サンプルバッファユニット15−1(ユニット1)は192.18.1.131、生化学分析ユニット16−1(ユニット1)は192.18.1.132、サンプルバッファユニット15−2(ユニット2)は192.18.1.133、生化学分析ユニット16−2(ユニット2)は192.18.1.134、サンプルバッファユニット15−3(ユニット3)は192.18.1.135、生化学分析ユニット16−3(ユニット3)は192.18.1.136、サンプルバッファユニット15−4(ユニット4)は192.18.1.137、生化学分析ユニット16−4(ユニット4)は192.18.1.138となる。
【0052】
生化学分析ユニットと免疫分析ユニットとの識別は、DPRAMの情報で行う。また、照合の結果、IPアドレスとユニット種別が正しくなかった場合、DPRAMのユニット種別情報を優先する。ユニット種別結果を受け、再度、アドレス割付を実行するため、一度IPアドレスを切断し(取り消し)、再度のDHCPクライアント要求を受けた後、優先順位が高く、かつ、セットと想定される未使用IPアドレスを探して割付ける。その後、再度照合してブートファイルを転送する。ブートが完了したユニットについては、IPアドレスとユニット種別、そしてMACアドレスを操作部PC1に保存しておく。
【0053】
ブートが完了したユニットについては、仮にシステム立ち上げ途中やシステム立ち上がり後に何らかの理由でネットワークが切断された場合でも、DHCPクライアント要求が再度きた段階で、MACアドレスを元にIPアドレスとユニット種別を再度確立・登録する。こうすることで、ブート完了後はサンプルバッファユニット15−1〜15−4や分析ユニット16−1〜16−4等、複数あるユニットを間違うことなくネットワーク接続することができる。
【0054】
次に、
図6を用いて次ユニットへの給電開始動作について説明する。サンプラユニット14のブートが完了した後、
図6の(A)に示すように、サンプラユニット14の中枢制御部25は次のユニットであるサンプルバッファユニット15−1のACリレー26に対して信号線27を介して給電開始信号を発行する。
【0055】
給電開始信号が発行されると、次のユニットのACリレーがオンして、AC給電がユニット内へなされ立ち上がる(
図6の(B))。ここではサンプラユニット14がサンプルバッファユニット15−1(ユニット1)に給電開始信号を発行して、サンプルバッファユニット15−1(ユニット1)がAC給電を開始する。給電開始信号は、例えばDOを発行することで実現する。システム全体として給電のタイミングが一斉でないことから、突入電流の重なりを回避・抑制することができる。
【0056】
次に、
図7を用いてサンプルバッファユニット15−1(ユニット1)電源オン後の動作について説明する。
図4に示した動作と同様に、サンプルバッファユニット15−1(ユニット1)へのAC電力の供給が開始されると、サンプルバッファユニット15−1(ユニット1)の中枢制御部25が立ち上がり、モータコントローラ24に実装された専用マイコンから、操作部PC1へDHCPクライアント要求を行う。
【0057】
操作部PC1は新たなDHCPクライアント要求が発生し、IPアドレスの割付要求が行われた場合、その要求を承認後、アドレステーブルの優先順位に従い、確立していないIPアドレスを割付する。その後、
図5に示した動作と同様に、ソフトウェアでユニット種別の確定し、ブートファイルをサンプルバッファユニット15−1に転送する。上述したと同様に、ブートファイルのサンプルバッファユニット15−1への転送は、操作部PC1から起動完了信号をサンプルバッファユニット15−1に出力することと同義である。
【0058】
次に、
図8を用いてサンプルバッファユニット15−1(ユニット1)のブート完了後、生化学分析ユニット16−1(ユニット1)へ給電開始信号を発行する動作について説明する。
図8において、生化学分析ユニット16−1(ユニット1)はサンプルバッファ15−1からのAC分配給電線28によりACラインが生化学分析ユニットのACリレーへ結線されており、サンプルバッファユニット15−1(ユニット1)は生化学分析ユニット16−1(ユニット1)のACリレー26に対して給電開始信号を発行する。
【0059】
給電開始信号が発行されると、次ユニットである生化学分析ユニット16−1(ユニット1)のACリレー26がオンして、AC給電が生化学分析ユニット16−1内へなされ立ち上がる(動作電力の受電の開始)。その後、上述と同様にしてIPアドレスの割付要求を行い、さらに、ユニット種別を照合した後、操作部PC1からブートファイルが転送され(起動完了信号が出力される)、生化学分析ユニット16−1が次のユニットに給電開始信号を発行する。
【0060】
図4〜
図8を用いて説明した動作を順次繰り返すことで、最後のユニットである生化学分析ユニット16−4まで突入電流の重なりを回避・抑制しつつ、IPアドレスを自動設定・ユニット種別を確定していく。
【0061】
図9は、本発明の一実施例におけるシステム電源立ち上げ時の動作フローチャートである。また、
図10は、本発明の一実施例における操作PC1の要部のブロック及び各ユニット14、15-1〜15−4、16−1〜16−4に備えられた中枢制御部25の要部のブロックを示す図である。
【0062】
図9のステップS1において、サンプラユニット14の押しボタンスイッチ50を押下すると、給電開始信号がサンプラユニット14の中枢制御部25におけるボードコンピュータ23の電源オン判断部230に発行される。電源オン判断部230は給電信号が発行されると、電源がオンされたことを判断する。そして、押しボタンスイッチ50の押下により、サンプラユニット14、操作PC1、HUB17が立ち上がる。なお、
図10にはHUB17は省略してある。
【0063】
次に、ステップS2において、モータコントローラ24のアドレス割付要求部241は、電源オン判断部230から出力された電源オン信号による指令により、操作PC1のアドレス割付部100にDHCPクライアント要求を、イーサネット(登録商標)ケーブル19を介して行う。
【0064】
次に、ステップS3において、アドレス割付部100からDHCPクライアント要求(IPアドレス割付要求)が行われると、操作PC1のアドレス割付部100は、アドレステーブル101を参照し、アドレステーブル101に格納されたIPアドレスのいずれかをアドレス割付要求したユニットに割り付ける。そして、ユニット種別確認部102は、アドレス割付部100のネットワーク確立に応答して、アドレス割付要求部241に、記憶部242に格納されたユニット種別を識別するためのユニット種別確認要求を行う。アドレス割付要求部241は、ユニット種別情報が格納された記憶部242からユニット種別を読み込み、アドレス割付部100に送信する。これにより、ユニット種別が識別される。
【0065】
次に、ステップS4において、アドレス割付部100は、設定されたIPアドレスとユニット種別とが格納された照合部103を読み込んで、ユニットから送信されたユニット種別とIPアドレスとが正しいか否かを判断する。正しい場合は、アドレス割付部100は、ファイル転送部104に指令し、ファイル転送部104によりブートファイルをアドレス割付要求部241に転送される(起動完了信号の出力を意味する)。
【0066】
次に、ステップS5において、アドレス割付要求部241は、給電開始信号発生部243を指令し、給電開始信号発生部243は、次のユニットのリレーに対してオン信号を発生する。これにより、次のユニットにAC電力が供給される。
【0067】
次に、ステップS6において、次のユニットが操作PC1にDHCPクライアント要求を行う。
【0068】
そして、操作PC1は、DHCPクライアント要求が終了したか否かを判断し、終了していなければ、ステップS3に戻り、上述と同様な動作を行う。
【0069】
ステップS7において、操作PC1は、DHCPクライアント要求が終了したと判断した場合は、ステップS8において、システム構成が確定される。
【0070】
つまり、最後のユニットを認識した後、システム構成を確定して操作部PC1の表示部106に画面表示させ、システム構成が反映される。
【0071】
なお、DHCPクライアント要求が完了したかどうかは、タイムアウト時間を設け認識するようにする。これは、タイムアウト判断部105により判断され、タイムアウトとなると、タイムアウト判断部105から表示部106にその旨が送信される。
【0072】
また、給電開始信号発行後は、DHCPクライアント要求の待ち時間を、例えば30sをシステムタイムアウトとして設ける。上述のサンプラユニット14と同様に、15sごとに中枢制御部がリブートするが、リトライを設け30sまでにDHCPクライアント要求が行われた場合は次ユニットへの動作を継続し、行われなかった場合は最後にブート完了したユニットを終端としてシステム構成の完了と判断し、システム構成を確定する。
【0073】
本実施例では分析ユニット4まであるため、IPアドレスは192.18.1.138まで使用するが、分析ユニットが2までの場合は、IPアドレスは192.18.1.134までの使用となる。また、最大モジュール構成(ここでは4つ)に達した時点で、次ユニットへの動作は行わない。また、終端がサンプルバッファユニット(ユニットX)となった場合、分析ユニットとセットではないので操作部PC1にアラームを表示しても良い。
【0074】
いずれのケースでも、アラーム発生時は正常にシステム構成を反映できない可能性があるため、操作部PC1へマニュアルでシステム構成やIPアドレスを設定登録できるようにしておいても良い。
【0075】
以上のように、本発明によれば、複数のユニット(14、(15−1、16−1)、(15−2、16−2)、(15−3、16−3)、(15−4、16−4))の立ち上げ時の電源電流供給を上記複数のユニットに、一斉にではなく、順次実行するとともに、各ユニットへの電源電流投入時に、当該ユニットに対してアドレスを自動的に付与するように構成したので、システム電源オン時の突入電流を抑制しつつ、システムを構成するユニット種別を自動識別して、システム構成を自動設定可能な自動分析装置を実現することができる。
【0076】
また、本発明によれば、新たな分析ユニットおよび及びこれとセットとなったサンプルバッファユニットを増設する場合や既設の分析ユニット及びこれとセットとなったサンプルバッファユニットを交換等する場合にも、
図9に示した動作に従って、システム電源をオンとすることにより、突入電流を抑制しつつ、各ユニットにアドレスを自動的に付与することができる。
【0077】
なお、本実施例ではDHCPクライアントとサーバを利用したが、動的アドレス割付が可能な手段であれば、どのようなものを用いても構わない。
【0078】
また、システムの電源をオンとするための、押しボタンスイッチ50は、オペレータ等の作業員が行うこととしてもよいし、操作PC1の電源をオンとすることにより、押しボタンスイッチ50が自動的にオンとなるように構成することも可能である。
【0079】
また、上述した例においては、サンプルバッファユニットと分析ユニットとがセットとなっているが、サンプルバッファユニットが省略され、単数又は複数の分析ユニットがサンプラユニットに接続される例においても本発明は適用可能である。
【0080】
また、上述した例においては、分析ユニットのユニット種別を識別し、照合するように構成したが、分析ユニットにIPアドレスを付与するのみで、ユニット種別の識別は省略する例においても本発明は適用可能である。
【0081】
また、各ユニットにIPアドレスが設定され、自動分析装置のシステム構成がなされた後、自動分析装置の全体の電源がオフとされ、その後、再度、自動分析装置の電源が投入された場合は、上述した動作を再度行い、システム構成をしてもよい。あるいは、一度、システム構成をした後は、その結果を操作PC1が記憶しておき、再度、動作制御部1、サンプラユニット14の電源が投入された場合は、記憶したアドレスに基づき、起動完了信号を複数のユニットに対して、順次出力し、アドレス設定及びユニット種別識別動作を省略する構成とすることもできる。ただし、ユニットの増設等の変更があった場合は、あらためて各ユニットに対してアドレス設定等の動作を行う。
【0082】
また、言うまでもなく本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、種々変形が可能である。