(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6863714
(24)【登録日】2021年4月5日
(45)【発行日】2021年4月21日
(54)【発明の名称】センサ情報生成装置及びセンサ情報生成・取得システム
(51)【国際特許分類】
H04B 1/59 20060101AFI20210412BHJP
G08C 15/00 20060101ALI20210412BHJP
G01K 7/32 20060101ALI20210412BHJP
【FI】
H04B1/59
G08C15/00 D
G01K7/32 S
【請求項の数】4
【全頁数】11
(21)【出願番号】特願2016-213609(P2016-213609)
(22)【出願日】2016年10月31日
(65)【公開番号】特開2018-74442(P2018-74442A)
(43)【公開日】2018年5月10日
【審査請求日】2019年10月4日
(73)【特許権者】
【識別番号】000004330
【氏名又は名称】日本無線株式会社
(73)【特許権者】
【識別番号】000191238
【氏名又は名称】新日本無線株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100119677
【弁理士】
【氏名又は名称】岡田 賢治
(74)【代理人】
【識別番号】100115794
【弁理士】
【氏名又は名称】今下 勝博
(72)【発明者】
【氏名】高橋 英紀
(72)【発明者】
【氏名】藤原 陽敏
(72)【発明者】
【氏名】尾崎 正之
【審査官】
対馬 英明
(56)【参考文献】
【文献】
特開2015−087786(JP,A)
【文献】
特開2009−041938(JP,A)
【文献】
特開2007−232708(JP,A)
【文献】
特開2013−077973(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04B 1/00
H04B 1/30
H04B 1/59
H04B 1/72
H04B 11/00−13/02
G01K 1/00−19/00
G08C 13/00−25/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
センサ情報をセンサ情報取得装置に提供するセンサ情報生成装置であって、
前記センサ情報取得装置から質問信号を受信する受信アンテナと、
音波信号に変換された前記質問信号を所定時間だけ通過させることにより、前記質問信号に前記所定時間だけ遅延を施す遅延回路と、
電気信号に変換された前記質問信号に前記センサ情報で位相変調を施す位相変調回路と、
前記所定時間だけの遅延及び前記センサ情報による位相変調を施された前記質問信号を、前記センサ情報取得装置に応答信号として送信する送信アンテナと、
を備え、
前記受信アンテナ及び前記送信アンテナは、送受信共用アンテナであり、
前記送受信共用アンテナで受信された前記質問信号を二分配し、二分配した一方の前記質問信号であって、前記所定時間だけの遅延及び前記センサ情報による位相変調をこの順序で施された前記質問信号と、二分配した他方の前記質問信号であって、前記センサ情報による位相変調及び前記所定時間だけの遅延をこの順序で施された前記質問信号と、を合成し、合成した前記質問信号を前記送受信共用アンテナに出力する二分配回路、をさらに備える
ことを特徴とするセンサ情報生成装置。
【請求項2】
前記センサ情報は、物体の振動の情報であり、前記位相変調回路は、前記物体の振動に応じて、極板間の誘電体の挿入深さを変化させ容量を変化させる可変容量素子を備え、前記可変容量素子の容量に応じて、電気信号に変換された前記質問信号に位相変調を施す
ことを特徴とする、請求項1に記載のセンサ情報生成装置。
【請求項3】
前記センサ情報は、物体の振動の情報であり、前記位相変調回路は、前記物体の振動に応じて、振動発電素子の出力電圧を印加され容量を変化させる可変容量素子を備え、前記可変容量素子の容量に応じて、電気信号に変換された前記質問信号に位相変調を施す
ことを特徴とする、請求項1に記載のセンサ情報生成装置。
【請求項4】
請求項1から3のいずれかに記載のセンサ情報生成装置と、
前記センサ情報を前記センサ情報生成装置から取得するセンサ情報取得装置と、
を備えることを特徴とするセンサ情報生成・取得システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、センサ情報を生成するセンサ情報生成装置と、センサ情報を取得するセンサ情報取得装置と、を備えるセンサ情報生成・取得システムに関する。
【背景技術】
【0002】
センサ情報を生成するセンサ情報生成装置と、センサ情報を取得するセンサ情報取得装置と、を備えるセンサ情報生成・取得システムに関して、特願2016−067626の技術文献が存在しており、この技術文献の内容及び課題について説明する。
【特許文献1】特願2016−067626
【0003】
従来技術のセンサ情報生成・取得システムの構成を
図1に示す。センサ情報生成・取得システムS’は、センサ情報取得装置1’及びセンサ情報生成装置2’から構成される。センサ情報生成装置2’は、送受信共用アンテナ21’、遅延回路22’、振動発電素子23’、可変容量ダイオード24’及びインダクタ25’から構成される。
【0004】
センサ情報取得装置1’は、センサ情報生成装置2’に質問信号を送信する。送受信共用アンテナ21’は、センサ情報取得装置1’から質問信号を受信する。
【0005】
遅延回路22’は、SAW(Surface Acoustic Wave)回路等であり、櫛形電極22−1’により音波信号に変換された質問信号を、櫛形電極22−1’と対向する櫛形電極22−3’により反射させて、圧電基板22−2’により往復時間だけ伝搬させることにより、質問信号に往復時間だけ遅延を施す。
【0006】
センサ情報生成・取得システムS’は、物体の振動を検出する。振動発電素子23’は、圧電素子等であり、物体の振動に応じて、出力電圧を変化させる。可変容量ダイオード24’は、振動発電素子23’の出力電圧に応じて、容量を変化させる。櫛形電極22−3’は、可変容量ダイオード24’の容量に応じて、電極間のインピーダンスが変化され音波信号の反射率を変化させる。インダクタ25’は、櫛形電極22−3’で発生した高周波信号が振動発電素子23’に入力されることを阻止する。
【0007】
送受信共用アンテナ21’は、往復時間だけの遅延及び反射率に応じた振幅変調を施された質問信号を、センサ情報取得装置1’に応答信号として送信する。センサ情報取得装置1’は、センサ情報生成装置2’から応答信号を受信する。
【0008】
このように、各センサ情報生成装置2’が、各センサ情報生成装置2’固有の往復時間だけの遅延を質問信号に施すことにより、センサ情報取得装置1’は、質問信号と応答信号とを混信しないことができ、各センサ情報生成装置2’を識別することができる。そして、センサ情報生成装置2’が、反射率に応じた振幅変調を質問信号に施すことにより、センサ情報取得装置1’は、物体の振動の情報を応答信号から抽出することができる。さらに、センサ情報生成装置2’は、質問信号及び物体の振動に応じて、パッシブに応答するのみであり、無電源で動作することができ、設置や保守を容易にすることができる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
センサ情報生成装置2’は、反射率に応じた振幅変調を質問信号に施している。よって、センサ情報取得装置1’は、応答信号の振幅の変化が、各センサ情報生成装置2’との通信距離の相違から生じるものであるのか、各センサ情報生成装置2’での物体の振動の検出から生じるものであるのか、区別することができない。そして、応答信号の振幅の変化の原因を抽出するためには、センサ情報生成装置2’は、
図1で示した構成を設置するのみならず、物体の振動と無関係なリファレンス素子を設置する必要があり、センサ情報取得装置1’は、
図1で示した構成からの応答信号と、物体の振動と無関係なリファレンス素子からのリファレンス信号と、の差分を計測する必要がある。
【0010】
センサ情報生成装置2’は、反射前後の往復時間だけの遅延を質問信号に施している。よって、センサ情報生成装置2’において、最適なインピーダンス設計が困難であり、装置全体の設計や各回路の最適化や装置全体の低損失化が困難である。
【0011】
そこで、前記課題を解決するために、本開示は、センサ情報生成・取得システムの中で、(1)センサ情報取得装置において、各センサ情報生成装置との通信距離に関係なく、各センサ情報生成装置でのセンサ情報を抽出すること、及び、(2)センサ情報生成装置において、最適なインピーダンス設計を容易にするとともに、装置全体の設計や各回路の最適化や装置全体の低損失化を容易にすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
上記目的を達成するために、センサ情報生成装置において、音波信号に変換された質問信号を所定時間だけ通過させることにより、質問信号に所定時間だけ遅延を施すとともに、電気信号に変換された質問信号にセンサ情報で変調を施すにあたり、位相変調のみを施す又は位相変調及び振幅変調を独立に施すこととした。
【0013】
具体的には、本開示は、センサ情報をセンサ情報取得装置に提供するセンサ情報生成装置であって、前記センサ情報取得装置から質問信号を受信する受信アンテナと、音波信号に変換された前記質問信号を所定時間だけ通過させることにより、前記質問信号に前記所定時間だけ遅延を施す遅延回路と、電気信号に変換された前記質問信号に前記センサ情報で変調を施すにあたり、位相変調のみを施す又は位相変調及び振幅変調を独立に施す位相変調回路と、前記所定時間だけの遅延及び前記センサ情報による変調を施された前記質問信号を、前記センサ情報取得装置に応答信号として送信する送信アンテナと、を備えることを特徴とするセンサ情報生成装置である。
【0014】
この構成によれば、センサ情報生成装置は、センサ情報に応じた位相変調を質問信号に施している。よって、センサ情報取得装置は、各センサ情報生成装置との通信距離に関係なく、各センサ情報生成装置でのセンサ情報を抽出することができる。
【0015】
そして、センサ情報生成装置は、片道時間だけの遅延を質問信号に施している。よって、センサ情報生成装置は、最適なインピーダンス設計を容易にするとともに、装置全体の設計や各回路の最適化や装置全体の低損失化を容易にすることができる。
【0016】
また、本開示は、前記受信アンテナ及び前記送信アンテナは、送受信共用アンテナであり、前記送受信共用アンテナで受信された前記質問信号を二分配し、二分配した一方の前記質問信号であって、前記所定時間だけの遅延及び前記センサ情報による変調をこの順序で施された前記質問信号と、二分配した他方の前記質問信号であって、前記センサ情報による変調及び前記所定時間だけの遅延をこの順序で施された前記質問信号と、を合成し、合成した前記質問信号を前記送受信共用アンテナに出力する二分配回路、をさらに備えることを特徴とするセンサ情報生成装置である。
【0017】
この構成によれば、二分配回路を用いることにより、受信アンテナ及び送信アンテナを共用することができ、センサ情報生成装置を小型化・低価格化・低損失化することができる。なお、二分配回路に代えて、サーキュレータを用いるときには、センサ情報生成装置を小型化・低価格化することができない。
【0018】
また、本開示は、前記センサ情報は、物体の振動の情報であり、前記位相変調回路は、前記物体の振動に応じて、極板間の誘電体の挿入深さを変化させ容量を変化させる可変容量素子を備え、前記可変容量素子の容量に応じて、電気信号に変換された前記質問信号に位相変調を施すことを特徴とするセンサ情報生成装置である。
【0019】
この構成によれば、位相変調回路中の可変インピーダンス素子として、物体の振動に応じて極板間の誘電体の挿入深さを変化させる可変容量素子を用いるため、物体の動的な振動を検出するとともに、物体の静的な歪みを検出することができる。
【0020】
また、本開示は、前記センサ情報は、物体の振動の情報であり、前記位相変調回路は、前記物体の振動に応じて、振動発電素子の出力電圧を印加され容量を変化させる可変容量素子を備え、前記可変容量素子の容量に応じて、電気信号に変換された前記質問信号に位相変調を施すことを特徴とするセンサ情報生成装置である。
【0021】
この構成によれば、位相変調回路中の可変インピーダンス素子として、物体の振動に応じて振動発電素子の出力電圧を印加される可変容量素子を用いるため、物体の動的な振動を検出するとともに、位相変調回路の設計を容易にすることができる。
【0022】
また、本開示は、以上に記載のセンサ情報生成装置と、前記センサ情報を前記センサ情報生成装置から取得するセンサ情報取得装置と、を備えることを特徴とするセンサ情報生成・取得システムである。
【0023】
この構成によれば、センサ情報生成装置及びセンサ情報取得装置を備えるセンサ情報生成・取得システムにおいて、以上に記載の効果を奏することができる。
【発明の効果】
【0024】
このように、本開示によれば、センサ情報生成・取得システムの中で、(1)センサ情報取得装置において、各センサ情報生成装置との通信距離に関係なく、各センサ情報生成装置でのセンサ情報を抽出すること、及び、(2)センサ情報生成装置において、最適なインピーダンス設計を容易にするとともに、装置全体の設計や各回路の最適化や装置全体の低損失化を容易にすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【
図1】従来技術のセンサ情報生成・取得システムの構成を示す図である。
【
図2】本開示のセンサ情報生成・取得システムの概要を示す図である。
【
図3】本開示の第1のセンサ情報生成・取得システムの構成を示す図である。
【
図4】本開示の第2のセンサ情報生成・取得システムの構成を示す図である。
【
図5】本開示の位相変調回路の具体例を示す図である。
【
図6】本開示の第1の可変容量素子の具体例を示す図である。
【
図7】本開示の第1の可変容量素子の容量特性を示す図である。
【
図8】本開示の位相変調回路の位相特性を示す図である。
【
図9】本開示の第2の可変容量素子の具体例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0026】
添付の図面を参照して本開示の実施形態を説明する。以下に説明する実施形態は本開示の実施の例であり、本開示は以下の実施形態に制限されるものではない。
【0027】
本開示のセンサ情報生成・取得システムの概要を
図2に示す。センサ情報生成・取得システムSは、センサ情報取得装置1及びセンサ情報生成装置2−1、2−2、2−3から構成される。センサ情報生成・取得システムSは、例えば、橋梁Bの振動を検出する。センサ情報取得装置1は、例えば、橋梁Bの路肩に設置される。各センサ情報生成装置2−1、2−2、2−3は、例えば、橋梁Bの各車線の直下に設置される。
【0028】
センサ情報取得装置1は、センサ情報生成装置2−1、2−2、2−3に質問信号を送信する。各センサ情報生成装置2−1、2−2、2−3は、センサ情報取得装置1から質問信号を受信し、各所定時間だけの遅延及び橋梁Bの各車線の振動に応じた位相変調を施された質問信号を、センサ情報取得装置1に各応答信号として送信する。センサ情報取得装置1は、各センサ情報生成装置2−1、2−2、2−3から各応答信号を受信し、各センサ情報生成装置2−1、2−2、2−3での橋梁Bの各車線の振動の情報を抽出する。橋梁Bの各車線の振動の情報は、インターネットIを介して、管理者に通知される。
【0029】
このように、各センサ情報生成装置2−1、2−2、2−3が、各センサ情報生成装置2−1、2−2、2−3固有の各所定時間だけの遅延を質問信号に施すことにより、センサ情報取得装置1は、質問信号と応答信号とを混信しないことができ、各センサ情報生成装置2−1、2−2、2−3を識別することができる。そして、各センサ情報生成装置2−1、2−2、2−3が、橋梁Bの各車線の振動に応じた位相変調を質問信号に施すことにより、センサ情報取得装置1は、橋梁Bの各車線の振動の情報を応答信号から抽出することができる。さらに、各センサ情報生成装置2−1、2−2、2−3は、質問信号及び橋梁Bの各車線の振動に応じて、パッシブに応答するのみであり、無電源で動作することができ、橋梁Bの各車線の直下での設置や保守を容易にすることができる。
【0030】
本開示の第1のセンサ情報生成・取得システムの構成を
図3に示す。センサ情報生成・取得システムSは、センサ情報取得装置1及び単数又は複数のセンサ情報生成装置2から構成される。単数又は複数のセンサ情報生成装置2は、受信アンテナ21、遅延回路22、位相変調回路23及び送信アンテナ24から構成される。
【0031】
センサ情報取得装置1は、センサ情報生成装置2に質問信号を送信する。受信アンテナ21は、センサ情報取得装置1から質問信号を受信する。
【0032】
遅延回路22は、SAW(Surface Acoustic Wave)回路等であり、音波信号に変換された質問信号を所定時間Tだけ通過させることにより、質問信号に所定時間Tだけ遅延を施す。
図1に示した遅延回路22’は、反射型の遅延回路であるのに対して、
図3に示した遅延回路22は、通過型の遅延回路である。
【0033】
位相変調回路23は、
図5に示すバンドパスフィルタの位相特性を利用するもの等であり、電気信号に変換された質問信号にセンサ情報で変調を施すにあたり、位相変調のみを施す又は位相変調及び振幅変調を独立に施す。センサ情報の例として、振動、圧力、温度及び湿度等の情報が含まれる。独立な位相変調及び振幅変調の例として、位相変調器(可変移相器)と振幅変調器(可変アッテネータ)を独立に用意する。
図1に示した櫛形電極22−3’は、質問信号に振幅変調を施すのに対して、
図3に示した位相変調回路23は、質問信号に位相変調のみを施す又は位相変調及び振幅変調を独立に施す。
【0034】
送信アンテナ24は、所定時間Tだけの遅延及びセンサ情報による位相変調(及び独立の振幅変調)を施された質問信号を、センサ情報取得装置1に応答信号として送信する。センサ情報取得装置1は、センサ情報生成装置2から応答信号を受信する。
【0035】
本実施形態では、所定時間Tだけの遅延及びセンサ情報による位相変調(及び独立の振幅変調)をこの順序で施しているが、変形例として、センサ情報による位相変調(及び独立の振幅変調)及び所定時間Tだけの遅延をこの順序で施してもよい。
【0036】
図3の記載では、センサ情報生成・取得システムSは、単数のセンサ情報生成装置2から構成されている。変形例として、センサ情報生成・取得システムSは、複数のセンサ情報生成装置2から構成されていてもよい。このとき、1本の受信アンテナ21が、複数のセンサ情報生成装置2の間で共有されていてもよい。そして、1本の送信アンテナ24が、複数のセンサ情報生成装置2の間で共有されていてもよい。
【0037】
このように、センサ情報生成装置2は、センサ情報に応じた位相変調を質問信号に施している。よって、センサ情報取得装置1は、各センサ情報生成装置2との通信距離に関係なく、各センサ情報生成装置2でのセンサ情報を抽出することができる。
【0038】
そして、センサ情報生成装置2は、片道時間だけの遅延を質問信号に施している。よって、センサ情報生成装置2は、最適なインピーダンス設計を容易にするとともに、装置全体の設計や各回路の最適化や装置全体の低損失化を容易にすることができる。
【0039】
本開示の第2のセンサ情報生成・取得システムの構成を
図4に示す。センサ情報生成・取得システムSは、センサ情報取得装置1及び単数又は複数のセンサ情報生成装置2から構成される。単数又は複数のセンサ情報生成装置2は、送受信共用アンテナ25、二分配回路26、遅延回路22及び位相変調回路23から構成される。
【0040】
センサ情報取得装置1は、センサ情報生成装置2に質問信号を送信する。送受信共用アンテナ25は、センサ情報取得装置1から質問信号を受信する。
【0041】
二分配回路26は、ウィルキンソン型の二分配回路等であり、送受信共用アンテナ25で受信された質問信号を二分配する。二分配した各系統の質問信号について説明する。
【0042】
二分配した一方の質問信号については、まず、遅延回路22は、音波信号に変換された質問信号を所定時間Tだけ通過させることにより、質問信号に所定時間Tだけ遅延を施し、次に、位相変調回路23は、電気信号に変換された質問信号にセンサ情報で変調を施すにあたり、位相変調のみを施す又は位相変調及び振幅変調を独立に施す。
【0043】
二分配した他方の質問信号については、まず、位相変調回路23は、電気信号に変換された質問信号にセンサ情報で変調を施すにあたり、位相変調のみを施す又は位相変調及び振幅変調を独立に施し、次に、遅延回路22は、音波信号に変換された質問信号を所定時間Tだけ通過させることにより、質問信号に所定時間Tだけ遅延を施す。
【0044】
二分配回路26は、二分配した一方の質問信号であって、所定時間Tだけの遅延及びセンサ情報による位相変調(及び独立の振幅変調)をこの順序で施された質問信号と、二分配した他方の質問信号であって、センサ情報による位相変調(及び独立の振幅変調)及び所定時間Tだけの遅延をこの順序で施された質問信号と、を合成する。二分配された各系統の質問信号は、同一の遅延回路22、位相変調回路23及び回路長を逆向きに経由するため、二分配回路26で同相で合成されることができる。
【0045】
二分配回路26は、合成した質問信号を送受信共用アンテナ25に出力する。送受信共用アンテナ25は、所定時間Tだけの遅延及びセンサ情報による位相変調(及び独立の振幅変調)を施された質問信号を、センサ情報取得装置1に応答信号として送信する。センサ情報取得装置1は、センサ情報生成装置2から応答信号を受信する。
【0046】
このように、二分配回路26を用いることにより、送受信共用アンテナ25を用いることができ、センサ情報生成装置2を小型化・低価格化・低損失化することができる。なお、二分配回路26に代えて、サーキュレータを用いるときには、センサ情報生成装置2を小型化・低価格化することができない。
【0047】
本開示の位相変調回路の具体例を
図5に示す。
図5に示した位相変調回路23は、バンドパスフィルタの位相特性を利用するものであり、センサ情報に応じて容量を変化させる可変容量素子27をバンドパスフィルタの直列LC共振部分に備え、可変容量素子27の容量に応じて電気信号に変換された質問信号に位相変調を施す。
【0048】
本開示の第1の可変容量素子の具体例を
図6に示す。
図6では、センサ情報として、物体の振動の情報を想定している。位相変調回路23は、物体の振動に応じて、極板28間の誘電体29の挿入深さを変化させ容量を変化させる可変容量素子27−1を備え、可変容量素子27−1の容量に応じて、電気信号に変換された質問信号に位相変調を施す。
【0049】
本開示の第1の可変容量素子の容量特性を
図7に示す。
図6に示したLの長さが短いほど、極板28間の誘電体29の挿入深さは深くなる。
図6に示した極板28の厚さが厚いほど、極板28と誘電体29との間の隙間は狭くなる。極板28間の誘電体29の挿入深さが深くなるほど、そして、極板28と誘電体29との間の隙間が狭くなるほど、可変容量素子27−1の容量が大きくなることが確かめられる。
【0050】
本開示の位相変調回路の位相特性を
図8に示す。
図8では、
図5に示した可変容量素子27として、
図6に示した可変容量素子27−1を用いている。
図8に示したいずれの無線周波数においても、可変容量素子27−1の可変容量と位相変調回路23の位相変調角度とが一対一に対応していることが確かめられる。
図8に示した920MHzの無線周波数においては、可変容量素子27−1の可変範囲内で0度を中心として〜±20度の位相変調回路23の位相変調角度が得られていることが確かめられる。
【0051】
このように、位相変調回路23中の可変インピーダンス素子として、物体の振動に応じて極板28間の誘電体29の挿入深さを変化させる可変容量素子27−1を用いるため、物体の動的な振動を検出するとともに、物体の静的な歪みを検出することができる。
【0052】
本開示の第2の可変容量素子の具体例を
図9に示す。
図9でも、センサ情報として、物体の振動の情報を想定している。位相変調回路23は、物体の振動に応じて、振動発電素子30の出力電圧を印加され容量を変化させる可変容量ダイオード31を備え、可変容量ダイオード31の容量に応じて、電気信号に変換された質問信号に位相変調を施す。
【0053】
このように、位相変調回路23中の可変インピーダンス素子として、物体の振動に応じて振動発電素子30の出力電圧を印加される可変容量素子27−2を用いるため、物体の動的な振動を検出するとともに、位相変調回路23の設計を容易にすることができる。
【産業上の利用可能性】
【0054】
本開示のセンサ情報生成装置及びセンサ情報生成・取得システムは、橋梁等の構造物の検査等、センサ情報を応答器から質問器へと無線通信する用途に適用することができる。
【符号の説明】
【0055】
S、S’:センサ情報生成・取得システム
I:インターネット
B:橋梁
1、1’:センサ情報取得装置
2、2−1、2−2、2−3、2’:センサ情報生成装置
21:受信アンテナ
21’:送受信共用アンテナ
22、22’:遅延回路
22−1’、22−3’:櫛形電極
22−2’:圧電基板
23:位相変調回路
23’:振動発電素子
24:送信アンテナ
24’:可変容量ダイオード
25:送受信共用アンテナ
25’:インダクタ
26:二分配回路
27、27−1、27−2:可変容量素子
28:極板
29:誘電体
30:振動発電素子
31:可変容量ダイオード