(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記改質する工程の後、前記改質犠牲膜上に水素含有ガスを供給して、前記改質犠牲膜を水素終端する疎水加工工程を行う請求項1から請求項3のうち、いずれか一項に記載の半導体装置の製造方法。
前記改質する工程の後、前記改質犠牲膜上に、酸素含有ガスとシリコン含有ガスを供給してカバー膜を形成する疎水加工工程を行う請求項1から請求項3のうち、いずれか一項に記載の半導体装置の製造方法。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下に、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。
【0011】
本実施形態において処理する基板の構成について
図1、
図2を用いて説明する。
図1、
図2ではカンチレバー構造を採用したMEMSスイッチの製造方法を説明する。製造するにあたっては、
図1(a)の状態の基板に対して、
図1(b)から
図1(f)の順で処理し、更に
図2(g)から
図2(j)の順に処理をする。
【0012】
図1(a)に記載の基板100を説明する。ここでは、基板100上に、制御電極101、台座102、対向電極103が形成されている。制御電極101は後述する可動電極111を制御し、台座102は可動電極111を支持し、対向電極103は可動電極111と対となる電極である。詳細は後述する。
【0013】
図1(b)は、基板100、制御電極101、台座102、対向電極103上に犠牲膜104を形成した状態である。可動電極111を稼働可能とするために犠牲膜104は後の工程で除去される。犠牲膜104の形成方法は後述する。
【0014】
図1(c)は、犠牲膜104上にレジスト105を形成し、更にパターン106を形成した状態である。
【0015】
図1(d)は、パターン106に合わせて犠牲膜104をドライエッチングした状態である。これにより、台座102の表面が露出するよう孔107が形成された。ドライエッチングでは、既知のプラズマエッチングを行う。
【0016】
図1(e)は、レジスト105を除去した状態である。レジスト105は既知のプラズマアッシングで除去される。
【0017】
図1(f)は、台座102および犠牲膜104上にポリシリコン膜108を形成した状態の図である。ポリシリコン膜108は、後に加工されて可動電極111となる。ポリシリコン膜108は、台座102と電気的に接続される。
【0018】
続いて、
図2を説明する。
図2(g)は
図1(f)の後の処理状態である。ここでは、ポリシリコン膜108上にレジスト109を形成し、更にパターン110を形成した状態である。
【0019】
図2(h)は、パターン110に合わせてポリシリコン膜108をドライエッチングした状態である。これにより、ポリシリコン膜108は可動電極111の形状に加工された。エッチングでは、既知のプラズマエッチングを行う。
【0020】
図2(i)は、レジスト109を除去した状態である。レジスト109は既知のプラズマアッシングで除去される。
【0021】
図2(j)は、犠牲膜104をウエットエッチングで除去した状態の図である。これにより、可動電極111と制御電極101、対向電極103を離間させる。
【0022】
次に、以上説明したMEMSスイッチの製造方法に関して、発明者が見出した問題点を説明する。この方法では、例えば
図2(g)から
図2(h)にかけて、ポリシリコン膜108をプラズマエッチングしたり、あるいは
図2(h)から
図2(i)にかけて、レジスト109をプラズマアッシングで除去したりする工程が存在する。このときポリシリコン膜108がプラズマに晒されてダメージを受けて劣化し、その結果強度が低下する等の問題がある。
【0023】
劣化したポリシリコン膜108はウエットエッチングレートが高くなるという問題がある。そのため、犠牲膜104と可動電極111のウエットエッチングレートが近づいてしまう。そうなると、犠牲膜104をウエットエッチングする際、ポリシリコン膜108の劣化部分もエッチングされてしまう。そのような状態で可動電極111に電力を供給すると、劣化部分に電力が集中したり、あるいは電力が流れにくくなる等の問題がある。
【0024】
それを解決するために、犠牲膜104と可動電極111のウエットエッチングレートに差がつくよう、ウエットエッチングの選択性を持たせることが必要である。そこで本実施形態では、加工後のポリシリコン膜108よりも高ウエットエッチングレートを有する犠牲膜104を形成する。
【0025】
次に、
図3を用いて、犠牲膜104を形成する基板処理装置200の一例について説明する。
【0026】
(チャンバ)
まずチャンバを説明する。
基板処理装置200はチャンバ202を有する。チャンバ202は、例えば横断面が円形であり扁平な密閉容器として構成されている。また、チャンバ202は、例えばアルミニウム(Al)やステンレス(SUS)などの金属材料により構成されている。チャンバ202内には、基板としてのシリコン基板等の基板100を処理する処理空間205と、基板100を処理空間205に搬送する際に基板100が通過する搬送空間206とが形成されている。チャンバ202は、上部容器202aと下部容器202bで構成される。上部容器202aと下部容器202bの間には仕切り板208が設けられる。ここで処理される基板100は、
図1(a)に記載されている状態である。そのため、基板100には、制御電極101、台座102、対向電極103が形成されている。
【0027】
下部容器202bの側面には、ゲートバルブ149に隣接した基板搬入出口148が設けられており、基板100は基板搬入出口148を介して図示しない真空搬送室との間を移動する。下部容器202bの底部には、リフトピン207が複数設けられている。更に、下部容器202bは接地されている。
【0028】
処理空間205を構成する処理室は、例えば後述する基板載置台212とシャワーヘッド230で構成される。処理空間205内には、基板100が載置される基板載置部210が設けられている。基板載置部210は、基板100を載置する基板載置面211と、基板載置面211を表面に持つ基板載置台212、基板載置台212に内包された加熱源としてのヒータ213を主に有する。基板載置台212には、リフトピン207が貫通する貫通孔214が、リフトピン207と対応する位置にそれぞれ設けられている。ヒータ213には、ヒータ213の温度を制御する温度制御部220が接続される。
【0029】
基板載置台212はシャフト217によって支持される。シャフト217の支持部はチャンバ202の底壁に設けられた穴215を貫通しており、更には支持板216を介してチャンバ202の外部で昇降機構218に接続されている。昇降機構218を作動させてシャフト217及び基板載置台212を昇降させることにより、基板載置面211上に載置される基板100を昇降させることが可能となっている。尚、シャフト217下端部の周囲はベローズ219により覆われている。チャンバ202内は気密に保持されている。
【0030】
基板載置台212は、基板100の搬送時には、基板載置面211が基板搬入出口148に対向する位置まで下降し、基板100の処理時には、
図3で示されるように、基板100が処理空間205内の処理位置となるまで上昇する。
【0031】
具体的には、基板載置台212を基板搬送位置まで下降させた時には、リフトピン207の上端部が基板載置面211の上面から突出して、リフトピン207が基板100を下方から支持するようになっている。また、基板載置台212を基板処理位置まで上昇させたときには、リフトピン207は基板載置面211の上面から埋没して、基板載置面211が基板100を下方から支持するようになっている。
【0032】
処理空間205の上部(上流側)には、シャワーヘッド230が設けられている。
シャワーヘッド230は、蓋231を有する。蓋231はフランジ232を有し、フランジ232は上部容器202a上に支持される。更に、蓋231は位置決め部233を有する。位置決め部233が上部容器202aに勘合されることで、蓋231が固定される。
【0033】
シャワーヘッド230は、バッファ空間234を有する。バッファ空間234は、蓋231と位置決め部232で構成される空間をいう。バッファ空間234と処理空間205は連通している。バッファ空間234に供給されたガスはバッファ空間内232で拡散し、処理空間205に均一に供給される。ここではバッファ空間234と処理空間205を別の構成として説明したが、それに限るものではなく、バッファ空間234を処理空間205に含めてもよい。
【0034】
処理空間205は、主に上部容器202a、基板処理ポジションにおける基板載置台212の上部構造で構成される。処理空間205を構成する構造を処理室と呼ぶ。尚、処理室は処理空間205を構成する構造であればよく、上記構造にとらわれないことは言うまでもない。
【0035】
搬送空間206は、主に下部容器202b、基板処理ポジションにおける基板載置台212の下部構造で構成される。搬送空間206を構成する構造を搬送室と呼ぶ。搬送室は処理室の下方に配される。尚、搬送室は搬送空間205を構成する構造であればよく、上記構造にとらわれないことは言うまでもない。
【0036】
(ガス供給部)
続いてガス供給部を説明する。共通ガス供給管242には、第一ガス供給管243a、第二ガス供給管247a、第三ガス供給管249aが接続されている。
【0037】
第一ガス供給管243aを含む第一ガス供給系243からは第一処理ガスが主に供給され、第二ガス供給管247aを含む第二ガス供給系247からは主に第二処理ガスが供給され、第三ガス供給管249aを含む第三ガス供給系249からは主に不活性ガスが供給される。
【0038】
(第一ガス供給系)
第一ガス供給管243aの上流には、上流方向から順に、第一ガス供給源243b、流量制御器(流量制御部)であるマスフローコントローラ(MFC)243c、及び開閉弁であるバルブ243dが設けられている。第一処理ガスをプラズマ状態とするには、バルブ244dの下流にプラズマ生成部としてのリモートプラズマユニット(RPU)243eを設ける。
【0039】
そして、第一ガス供給管243aからは、第一ガスが、MFC243c、バルブ243d、共通ガス供給管242を介して、シャワーヘッド230内に供給される。第一処理ガスはRPU243eによりプラズマ状態とされる。
【0040】
第一処理ガスは処理ガスの一つであり、酸素含有ガスである。酸素含有ガスとしては、例えば酸素(O
2)ガスが用いられる。
【0041】
主に、第一ガス供給管243a、MFC243c、バルブ243、RPU243eにより、第一処理ガス供給系243が構成される。尚、第一処理ガス供給系243は、
第一ガス供給源243b、後述する水素含有ガス供給系を含めて考えてもよい。
【0042】
第一ガス供給管243aのバルブ243dよりも下流側には、水素含有ガス供給管245aの下流端が接続されている。水素含有ガス供給管245aには、上流方向から順に、水素含有ガス供給源245b、流量制御器(流量制御部)であるマスフローコントローラ(MFC)245c、及び開閉弁であるバルブ245dが設けられている。そして、水素含有ガス供給管245aからは、水素含有ガスが、MFC245c、バルブ245d、第一ガス供給管243a、RPU243eを介して、シャワーヘッド230内に供給される。後述するように、水素含有ガスを供給することで、犠牲膜104を水素終端させる。
【0043】
水素含有ガスは、例えば、水素(H
2)ガスや水(H
2O)ガスを用いることができる。
【0044】
主に、水素含有ガス供給管245a、MFC245c、及びバルブ245dにより、水素含有ガス供給系が構成される。尚、水素含有ガス供給系は、水素含有ガス供給源245b、第一ガス供給管243a、RPU243eを含めて考えてもよい。また、水素含有ガス供給系は、第一ガス供給系243に含めて考えてもよい。
【0045】
(第二ガス供給系)
第二ガス供給管247aには、上流方向から順に、第二ガス供給源247b、流量制御器(流量制御部)であるマスフローコントローラ(MFC)247c、及び開閉弁であるバルブ247dが設けられている。
【0046】
第二ガス供給管247aから、第二元素を含有するガス(以下、「第二処理ガス」)が、マスフローコントローラ247c、バルブ247d、共通ガス供給管242を介してシャワーヘッド230に供給される。
【0047】
第二処理ガスはシリコン(Si)を含む処理ガスである。すなわち、
第二処理ガスは、シリコン含有ガスとも呼ぶ。シリコン含有ガスとして、例えばジシラン(Si
2H
6)が用いられる。
【0048】
主に、第二ガス供給管247a、マスフローコントローラ247c、バルブ247dにより、第二処理ガス供給系247(シリコン含有ガス供給系ともいう)が構成される。
【0049】
(第三ガス供給系)
第三ガス供給管249aには、上流方向から順に、第三ガス源249b、流量制御器(流量制御部)であるマスフローコントローラ(MFC)249c、及び開閉弁であるバルブ249dが設けられている。
【0050】
第三ガス源249bは不活性ガス源である。不活性ガスは、例えば窒素(N
2)ガスである。
【0051】
主に、第三ガス供給管249a、マスフローコントローラ249c、バルブ249dにより、第三ガス供給系249が構成される。
【0052】
不活性ガス源249bから供給される不活性ガスは、基板処理工程では、容器202やシャワーヘッド230内に留まったガスをパージするパージガスとして作用する。後述する加熱工程で供給してもよい。
【0053】
(排気部)
チャンバ202の雰囲気を排気する排気部は、処理空間205の雰囲気を排気する排気部261で主に構成される。
【0054】
排気部261は、処理空間205に接続される排気管261aを有する。排気管261aは、処理空間205に連通するよう設けられる。排気管261aには、処理空間205内を所定の圧力に制御する圧力制御器であるAPC(AutoPressure Controller)261c、処理空間205の圧力を計測する第一の圧力検出部261dが設けられる。APC261cは開度調整可能な弁体(図示せず)を有し、後述するコントローラ280からの指示に応じて排気管261aのコンダクタンスを調整する。また、排気管261aにおいてAPC261cの上流側にはバルブ261bが設けられる。排気管261とバルブ261b、APC261c、圧力検出部261dをまとめて処理室排気部261と呼ぶ。
【0055】
排気管261aの下流側には、DP(Dry Pump。ドライポンプ)278が設けられる。DP278は、排気管261aを介して、処理空間205の雰囲気を排気する。
【0056】
(コントローラ)
基板処理装置200は、基板処理装置200の各部の動作を制御するコントローラ280を有している。コントローラ280は、
図4に記載のように、演算部(CPU)280a、一時記憶部280b、記憶部280c、送受信部280dを少なくとも有する。コントローラ280は、送受信部280dを介して基板処理装置200の各構成に接続され、上位コントローラや使用者の指示に応じて記憶部280cからプログラムやレシピを呼び出し、その内容に応じて各構成の動作を制御する。尚、コントローラ280は、専用のコンピュータとして構成してもよいし、汎用のコンピュータとして構成してもよい。例えば、上述のプログラムを格納した外部記憶装置(例えば、磁気テープ、フレキシブルディスクやハードディスク等の磁気ディスク、CDやDVD等の光ディスク、MO等の光磁気ディスク、USBメモリ(USB Flash Drive)やメモリカード等の半導体メモリ)282を用意し、外部記憶装置282を用いて汎用のコンピュータにプログラムをインストールすることにより、本実施形態に係るコントローラ280を構成することができる。また、コンピュータにプログラムを供給するための手段は、外部記憶装置282を介して供給する場合に限らない。例えば、インターネットや専用回線等の通信手段を用いても良いし、上位装置270から送受信部283を介して情報を受信し、外部記憶装置282を介さずにプログラムを供給するようにしてもよい。また、キーボードやタッチパネル等の入出力装置281を用いて、コントローラ280に指示をしても良い。
【0057】
尚、記憶部280cや外部記憶装置282は、コンピュータ読み取り可能な記録媒体として構成される。以下、これらを総称して、単に記録媒体ともいう。尚、本明細書において記録媒体という言葉を用いた場合は、記憶部280c単体のみを含む場合、外部記憶装置282単体のみを含む場合、または、その両方を含む場合がある。
【0058】
(基板処理工程)
次に、半導体製造工程を説明する。
ここでは、犠牲膜104を形成する工程と、犠牲膜104を改質する工程とを説明する。
【0059】
(犠牲膜形成工程)
ここでは、一般的なプラズマCVD装置を用いて形成する。例えば、一般的な並行平板プラズマ方式の基板処理装置を使用する。したがって、犠牲膜を形成する基板処理装置の説明は省略する。
【0060】
まず、プラズマCVD装置に、基板100を搬入する。基板100は
図1(a)に記載されている状態である。そのため、基板100には、制御電極101、台座102、対向電極103が形成されている。
【0061】
基板100を搬入後、基板100を所定温度に加熱したら、処理室にシリコン含有ガスと酸素含有ガスを供給する。シリコン含有ガスは、炭素成分やボロン成分等の不純物を含む。シリコン含有ガスとして、例えばオルトケイ酸テトラエチル(Si(OC
2H
5)
4。TEOSとも呼ぶ。)ガスが用いられる。酸素含有ガスとして、例えば酸素(O
2)ガスが用いられる。
【0062】
処理室に供給されたTEOSガスとO2ガスは互いに反応し、基板100の一部、制御電極101、台座102、対向電極103上に、犠牲膜104が形成される。
図5に記載のように、形成される犠牲膜104は、TEOSガスに含まれるシリコンおよび炭素成分と、O
2ガスの酸素成分とを含む、炭素含有SiO
2膜である。尚、シリコン含有ガスとして、シリコン成分およびボロン成分を含むガスを用いてもよい。この場合、
図5においては、炭素成分の替わりにボロン成分を含むボロン含有SiO
2膜が形成される。
【0063】
所定時間経過し、所望膜厚の炭素含有SiO
2膜が形成されたら、各処理ガスの供給を停止する。
【0064】
(犠牲膜の改質工程)
続いて、犠牲膜104の改質工程について説明する。犠牲膜104の改質工程では
図3に記載の基板処理装置200を用いる。以下に具体例を説明する。以下の説明において、基板処理装置を構成する各部の動作はコントローラ280により制御される。
【0065】
(基板搬入載置工程)
基板載置台212を基板100の搬送位置(搬送ポジション)まで下降させ、基板載置台212の貫通孔214にリフトピン207を貫通させる。その結果、リフトピン207が、基板載置台212表面よりも所定の高さ分だけ突出した状態となる。これらの動作と並行して、搬送空間206の雰囲気を排気し、隣接する真空搬送室(図示せず)と同圧、あるいは隣接する真空搬送室の圧力よりも低い圧力とする。尚、ここでは、前述した炭素等の不純物を含有した犠牲膜104が形成された基板100が搬入される。
【0066】
続いて、ゲートバルブ149を開いて、搬送空間206を隣接する真空搬送室と連通させる。そして、この真空搬送室から図示しない真空搬送ロボット用いて基板100を搬送空間206に搬入する。
【0067】
(基板処理ポジション移動工程)
所定の時間経過後、基板載置台212を上昇させ、基板載置面211上に基板100を載置し、さらに
図3に記載のように、基板処理ポジションまで上昇させる。
【0068】
(加熱工程)
基板載置台212が基板処理ポジションに移動したら、排気管262を介して処理室204の雰囲気を排気して、処理空間204の圧力を調整する。所定の圧力に調整しつつ、基板100の温度が所定の温度、例えば500℃から600℃に加熱する。
【0069】
不純物を含有した状態で加熱することで、犠牲膜104中のSi―Siや、Si―Oの結合度を高める。結合度を高めることで、SiO
2膜の骨格が確立される。加熱する際、第三ガス供給系から不活性ガスを供給する。不活性ガスを供給する替わりに第一ガス供給系からO
2ガスを供給してもよい。
【0070】
(改質工程)
所定時間基板100を加熱したら、加熱状態を維持しつつ、第一ガス供給系243からプラズマ状態のO
2ガスを供給する。O
2ガスは、
RPU243eによってプラズマ状態に変質される。
【0071】
図6に記載のように、酸素成分を含む酸素含有ガスをプラズマ状態とし、犠牲膜104に照射する。照射されたプラズマ中の酸素成分と、犠牲膜104中の炭素成分とが反応し、炭素成分を脱離させる。その際に、炭素成分が脱離した個所が空孔112となる。このようにして、犠牲膜104は空孔112を含む膜である改質犠牲膜113に改質される。酸素含有ガスは、犠牲膜を改質する性質を有することから、改質ガスとも呼ぶ。
【0072】
改質犠牲膜113は空孔112を内包するので、高ウエットエッチングレートを実現できる。したがって、改質犠牲膜は、後に形成する可動電極に対してエッチングの選択性を持つことができる。
【0073】
尚、脱離した炭素成分はプラズマ中の酸素成分と反応してCO
2ガスとなり、排気される。
【0074】
次に、比較例として、加熱工程を行わずに改質工程を行う場合を説明する。改質工程では、基板100を加熱すると共に、酸素含有ガスでプラズマ処理する。このように処理することで、SiO
2膜中の炭素成分を脱離させる。炭素成分が脱離した後、
図6と同様に空孔が形成される。
【0075】
空孔の形成と並行して基板100が加熱されるので、SiO
2膜は、空孔が形成された後も加熱される。ところで、基板100を加熱すると各成分の結合度が高くなるため、膜が収縮する。更に、比較例においては、犠牲膜中に空孔が形成されている。以上の点から、空孔を形成しつつ加熱を継続すると、犠牲膜が著しく収縮し、変形してしまう。この場合、改質犠牲膜113のウエットエッチングレートが低くなるという問題がある。
【0076】
また、犠牲膜が変形すると、その上に形成されるポリシリコン膜は、変形した犠牲膜の形状に合わせて形成される。そのため、ポリシリコン膜の下面が凹凸になる恐れがある。そのような状態で可動電極111に電力を供給すると、電力が凹凸部分に集中したり、あるいは電力が流れにくくなる等の問題がある。
【0077】
これに対して、本実施形態では、加熱工程にて結合度を高めてSiO
2膜の骨格を確立しているので、空孔が形成された状態で加熱したとしても、膜が収縮することが無く、したがって変形しない。そのため、高ウエットエッチングレートを実現できる。更には、犠牲膜104上に凹凸の無いポリシリコン膜を形成できる。
【0078】
(疎水加工工程)
所定時間O
2プラズマを照射したら、バルブ243dを閉にしてO
2プラズマの供給を停止する共に、バルブ245dを開としてH
2プラズマを供給する。水素含有ガス供給系245から供給された水素はRPU243eにてプラズマ状態とされる。
【0079】
基板100上に供給されたH
2プラズマは、改質犠牲膜113の表面のSi成分、O成分と反応し、改質犠牲膜113の表面は水素終端される。水素終端することで、改質犠牲膜113表面に疎水性を持たせる。
【0080】
このように疎水性を持たせることで、大気中の水分が改質犠牲膜113内部の空孔112に浸透することを抑制する。尚、ここでいう大気とは、例えば基板100を次の基板処理装置に移動する際等で接触する大気をいう。
【0081】
ここで、改質犠牲膜113内部に水分が浸透した場合を説明する。
図1から
図2で説明したように、犠牲膜104をウエットエッチングするまで、様々な工程が存在する。その内、例えばポリシリコン膜108を形成する工程では基板100を加熱処理するが、その際に犠牲膜104中の水分が熱膨張し、犠牲膜104が変形したり破壊されたりする恐れがある。
【0082】
犠牲膜104が変形等すれば、前述のようにポリシリコン膜108の下面は凹凸になる恐れがある。そのような状態で可動電極111に電力を供給すると、電力が凹凸部分に集中したり、あるいは電力が流れにくくなる等の問題がある。
【0083】
一方、本実施形態のように水素終端すると改質犠牲膜113内部に水分が浸透することがないので、犠牲膜104の変形等を抑制できる。すなわち、可動電極111に電力を供給した場合に、電力が凹凸部分に集中したり、あるいは電力が流れにくくなることを抑制できる。
【0084】
より良くは、水素含有ガスを供給する替わりに、第二ガス供給系247からシリコン含有ガスを供給すると共に、第一ガス供給系243から酸素含有ガスを供給して、
図7のように改質犠牲膜113上にカバー膜であるSiO
2膜114を形成することが望ましい。
【0085】
一般的に知られているように、水素終端をした場合、ポリシリコン等の密着性が低い。そのため、改質犠牲膜113上にポリシリコン膜108を形成しにくい。一方、SiO
2膜であれば、SiO
2膜中のシリコンや酸素成分とポリシリコンとが結合しやすいので、ポリシリコン膜108を容易に形成できる。
【0086】
所定時間経過し、改質犠牲膜113表面が水素終端されたら、もしくは所望膜厚のカバー膜が形成されたら、各処理ガスの供給を停止する。
【0087】
(基板搬出工程)
所望の膜厚の犠牲膜が形成されたら、基板載置台212を下降させ、基板10を搬送ポジションに移動する。搬送ポジションに移動後、搬送空間206から基板100を搬出する。
【0088】
以上に、本発明の実施形態を具体的に説明したが、本発明は上述の各実施形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能である。
【0089】
例えば、上述した各実施形態では、基板処理装置が行う成膜処理において、第一元素含有ガス(第一処理ガス)として酸素ガスを用いて改質する場合を説明したが、犠牲膜中の不純物と反応し脱離させる性質を有すればよく、例えば水(H
2O)ガスでも良い。