(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【背景技術】
【0003】
本明細書で述べる背景技術の説明は、一般的な開示の内容を示す目的のためである。この背景技術の部分における記載だけでなく、出願時における先行技術となり得ない説明の態様の範囲内で、本願の発明者の研究は、明示的にも黙示的にも本開示に対する先行技術には該当しない。
【0004】
基板処理システムは、半導体ウエハなどの基板のエッチングおよび/または他の処理を実施するために用いられ得る。基板は、基板処理システムの処理チャンバ内の台座上に配置され得る。例えば、プラズマ励起化学気相堆積(PECVD)処理でのエッチング時に、1つ以上の前駆体を含むガス混合物が処理チャンバに導入され、プラズマが基板をエッチングするために照射される。
【0005】
基板の半径方向外縁部付近のプラズマのエッチング速度および/またはエッチングプロファイルを調整するために、エッジ連結リングが用いられてきた。エッジ連結リングは、一般に、基板の半径方向外縁部周辺の台座上に配置される。基板の半径方向外縁部における処理条件は、エッジ連結リングの位置、エッジ連結リングの内縁部の形状またはプロファイル、基板の上面に対するエッジ連結リングの高さ、エッジ連結リングの材料などを変更することによって修正できる。
【0006】
エッジ連結リングの交換は、望ましくない処理チャンバの開放を必要とする。つまり、エッジ連結リングのエッジ連結効果は、処理チャンバを開放せずには変更できない。エッジ連結リングがエッチング時にプラズマによって侵食されると、エッジ連結効果は変わる。エッジ連結リングの侵食の修正には、エッジ連結リングを交換するために処理チャンバの開放を必要とする。
【0007】
ここで
図1−2を参照すると、基板処理システムは、台座20とエッジ連結リング30を備えてよい。エッジ連結リング30は、1体または2つ以上の部分を備え得る。
図1−2の例では、エッジ連結リング30は、基板33の半径方向外縁部付近に配置されている第1の環状部32を備える。第2の環状部34は、第1の環状部から半径方向内側の基板33より下側に位置する。第3の環状部36は、第1の環状部32より下側に配置される。使用時には、基板33の露出部分をエッチングするために、プラズマ42が基板33に向けられる。基板33の均一なエッチングが生じるように、エッジ連結リング30はプラズマの成形を助けるように構成される。
【0008】
図2では、エッジ連結リング30が用いられた後に、エッジ連結リング30の半径方向内側部分の上面は、48で特定されるように侵食を示し得る。結果として、プラズマ42は、44で見られるように、基板33の半径方向内側部分のエッチングよりも速い速度でその半径方向外縁部をエッチングする傾向があってよい。
【発明の概要】
【0009】
基板処理システムは、処理チャンバと、処理チャンバ内に配置されている台座とを備える。エッジ連結リングは、台座の半径方向外縁部に隣接して配置される。第1のアクチュエータは、ロボットアームがエッジ連結リングを処理チャンバから取り出せるように、エッジ連結リングと台座との間に隙間を設けるために、エッジ連結リングを台座に対して上昇位置に選択的に動かすように構成されている。
【0010】
他の特徴では、エッジ連結リングの少なくとも一部より下側に昇降リングが配置される。第1のアクチュエータは昇降リングを付勢し、昇降リングはエッジ連結リングを付勢する。第1のアクチュエータと昇降リングとの間にピラーが配置される。ロボットアームは、エッジ連結リングと昇降リングが上昇位置にあるときは、エッジ連結リングを処理チャンバから取り除くように構成されている。ロボットアームにはホルダが接続されている。ホルダは、エッジ連結リングの自動センタリング機構と結合する自動センタリング機構を備える。エッジ連結リングは、昇降リングの自動センタリング機構と結合する自動センタリング機構を備える。
【0011】
他の特徴では、エッジ連結リングの少なくとも一部と昇降リングの下方に底部エッジ連結リングが配置されている。底部エッジ連結リングは、昇降リングの自動センタリング機構と結合する自動センタリング機構を備える。
【0012】
他の特徴では、昇降リングは、半径方向外向きに延びる突出部を備える。突出部は、その底部対向面上に形成された溝を含む。溝は、エッジ連結リングが上昇しているときにピラーによって付勢される。
【0013】
他の特徴では、処理チャンバの大気圧への開放を必要とせずに、ロボットアームがエッジ連結リングを処理チャンバから取り除く。第2のアクチュエータは、エッジ連結リングのエッジ連結プロファイルを変更するために、エッジ連結リングを昇降リングに対して動かすように構成されている。エッジ連結リングの少なくとも一部と昇降リングとの間には中間エッジ連結リングが配置されている。第2のアクチュエータがエッジ連結リングを昇降リングに対して動かすときは、中間エッジ連結リングは静止したままである。
【0014】
他の特徴では、エッジ連結リングのプラズマ対向面の侵食に応じて、コントローラが第2のアクチュエータを用いてエッジ連結リングを動かすように構成されている。コントローラは、エッジ連結リングが所定の回数のエッチングサイクルに曝された後に、第2のアクチュエータを用いてエッジ連結リングを自動的に動かすように構成されている。コントローラは、エッジ連結リングが所定の期間のエッチングに曝された後に、第2のアクチュエータを用いてエッジ連結リングを自動的に動かすように構成されている。
【0015】
他の特徴では、センサが、コントローラと連通してエッジ連結リングの侵食を検出するように構成されている。ロボットアームは、コントローラと連通してセンサの位置を調整するように構成されている。コントローラは、エッジ連結リングを、第1のエッジ連結効果を用いる第1の基板処理のために第2のアクチュエータを用いて第1の位置に動かし、次に、第1のエッジ連結効果とは異なる第2のエッジ連結効果を用いる第2の基板処理のために、第2のアクチュエータを用いて第2の位置に動かすように構成されている。
【0016】
基板処理システムにおいてエッジ連結リングを維持するための方法は、エッジ連結リングを処理チャンバ内の台座の半径方向外縁部に隣接して配置すること、第1のアクチュエータを用いてエッジ連結リングを台座に対して上昇位置に選択的に動かすこと、エッジ連結リングが上昇位置にあるときは、ロボットアームを用いて連結リングを交換すること、を含む。
【0017】
他の特徴では、この方法は、エッジ連結リングの少なくとも一部より下側に昇降リングを配置することを含む。アクチュエータは昇降リングを付勢し、昇降リングはエッジ連結リングを付勢する。この方法は、第1のアクチュエータと昇降リングとの間にピラーを配置することを含む。この方法は、ロボットアームにホルダを取り付けることを含む。ホルダは、エッジ連結リングの自動センタリング機構と結合する自動センタリング機構を備える。この方法は、昇降リングの自動センタリング機構と結合させるためにエッジ連結リングの自動センタリング機構を用いることを含む。
【0018】
他の特徴では、この方法は、エッジ連結リングの少なくとも一部および昇降リングより下側に底部エッジ連結リングを配置することを含む。この方法は、昇降リングの自動センタリング機構と結合させるために底部エッジ連結リングの自動センタリング機構を用いることを含む。昇降リングは、半径方向外向きに延びる突出部を備える。突出部は、その底部対向面に形成された溝を含む。溝は、エッジ連結リングが上昇しているときにピラーによって付勢される。
【0019】
他の特徴では、この方法は、第2のアクチュエータを用いてエッジ連結リングを昇降リングに対して動かし、エッジ連結リングのエッジ連結プロファイルを変更することを含む。この方法は、エッジ連結リングの少なくとも一部と昇降リングとの間に中間エッジ連結リングを配置することを含み、第2のアクチュエータがエッジ連結リングを昇降リングに対して動かすときは、中間エッジ連結リングは静止したままである。
【0020】
他の特徴では、この方法は、エッジ連結リングのプラズマ対向面の侵食に応じて、第2のアクチュエータを用いてエッジ連結リングを動かすことを含む。この方法は、エッジ連結リングが所定の回数のエッチングサイクルにさらされた後に、エッジ連結リングを自動的に動かすことを含む。この方法は、エッジ連結リングが所定の期間のエッチングにさらされた後に、エッジ連結リングを自動的に動かすことを含む。
【0021】
他の特徴では、この方法は、センサを用いてエッジ連結リングの侵食を検出することを含む。この方法は、エッジ連結リングを、第1のエッジ連結効果を用いる第1の基板処理のために第2のアクチュエータを用いて第1の位置に動かし、次に、第1のエッジ連結効果とは異なる第2のエッジ連結効果を用いる第2の基板処理のために、第2のアクチュエータを用いて第2の位置に動かすことを含む。
【0022】
本開示のさらなる分野の適用可能性は、実施するための形態、請求項、および図面から明らかになろう。実施するための形態および特定の例は、例示のみを目的としており、開示範囲を制限することを意図していない。
【図面の簡単な説明】
【0023】
本開示は、実施するための形態および添付図面からさらに詳しく理解されるだろう。
【0024】
【
図1】先行技術における台座およびエッジ連結リングを示す側断面図。
【0025】
【
図2】エッジ連結リングの侵食が生じた後の、先行技術における台座およびエッジ連結リングを示す側断面図。
【0026】
【
図3】本開示に従う台座、エッジ連結リング、およびアクチュエータの例を示す側断面図。
【0027】
【
図4】エッジ連結リングの侵食が生じた後の、
図3の台座、エッジ連結リング、およびアクチュエータを示す側断面図。
【0028】
【
図5】エッジ連結リングの侵食が生じ、アクチュエータが移動した後の、
図3の台座、エッジ連結リング、およびアクチュエータを示す側断面図。
【0029】
【
図6】本開示に従う別の位置に配置された台座、エッジ連結リング、およびアクチュエータの別の例を示す側断面図。
【0030】
【
図7】本開示に従う台座、エッジ連結リング、および電圧アクチュエータの別の例を示す側断面図。
【0031】
【
図8】侵食が生じ、電圧アクチュエータが移動した後の、
図7の台座、エッジ連結リング、および電圧アクチュエータを示す側断面図。
【0032】
【
図9】本開示に従う台座、エッジ連結リング、およびアクチュエータを備える基板処理チャンバの例を示す機能ブロック図。
【0033】
【
図10】本開示に従うエッジ連結リングを動かすためにアクチュエータを操作する方法例の工程を示すフローチャート。
【0034】
【
図11】本開示に従うエッジ連結リングを動かすためにアクチュエータを操作する方法の別の例の工程を示すフローチャート。
【0035】
【
図12】本開示に従う処理チャンバの外に配置されているアクチュエータによって移動可能なエッジ連結リングを備える処理チャンバの例を示す機能ブロック図。
【0036】
【
図13A】本開示に従うエッジ連結リングの左右の傾斜を示す例示図。
【
図13B】本開示に従うエッジ連結リングの左右の傾斜を示す例示図。
【0037】
【
図14】基板処理時にエッジ連結リングを動かす方法を示す例示図。
【0038】
【
図15】エッジ連結リングおよび昇降リングを備える台座の例を示す平面図。
【0039】
【
図16】エッジ連結リングおよび昇降リングの例を示す側断面図。
【0040】
【
図17】昇降リングによって持ち上げられているエッジ連結リングと、ロボットアームによって取り出されているエッジ連結リングの例を示す側断面図。
【0041】
【
図18】可動式エッジ連結リングおよび昇降リングの例を示す側断面図。
【0042】
【
図19】上昇位置にある
図18の可動式エッジ連結リングを示す側断面図。
【0043】
【
図20】昇降リングによって持ち上げられている
図18のエッジ連結リングと、ロボットアームによって取り出されているエッジ連結リングを示す側断面図。
【0044】
【
図21】可動式エッジ連結リングの例を示す側断面図。
【0045】
【
図22】アクチュエータによって持ち上げられ、ロボットアームによって取り出されている
図21のエッジ連結リングを示す側断面図。
【0046】
【
図23】処理チャンバを開放せずにエッジ連結リングを交換する方法を示す例示図。
【0047】
【
図24】侵食に伴いエッジ連結リングを動かし、処理チャンバを開放せずにエッジ連結リングを交換する方法を示す例示図。
【0048】
【
図25】侵食に伴いエッジ連結リングを持ち上げ、処理チャンバを開放せずにエッジ連結リングを交換する方法を示す例示図。
【0049】
図面では、類似および/または同一の要素を識別するために参照番号は再利用されてよい。
【発明を実施するための形態】
【0050】
本開示は、エッジ連結リングの1つ以上の部分が、基板処理システムにおいて基板または台座に対して垂直および/または水平に移動するようにする。この動きは、処理チャンバを開放する必要なしに、エッチング時または他の基板処理時における基板に対するプラズマのエッジ連結効果を変更する。
【0051】
次に
図3−5を参照すると、基板処理システムは、台座20およびエッジ連結リング60を備えている。エッジ連結リング60は、単一部分で構成されるか、2つ以上の部分が用いられてよい。
図3−5の例では、エッジ連結リング60は、基板33の半径方向外側に配置されている第1の環状部72を備えている。第2の環状部74は、基板33より下の第1の環状部72から半径方向内側に位置する。第3の環状部76は、第1の環状部72より下に配置されている。
【0052】
アクチュエータ80は、以下でさらに説明するように、エッジ連結リング60の1つ以上の部分を基板33に対して移動させるように様々な位置に配置されてよい。例えば、
図3では、アクチュエータ80は、エッジ連結リング60の第1の環状部72とエッジ連結リング60の第3の環状部76との間に配置されている。いくつかの例では、アクチュエータ80は、圧電アクチュエータ、ステッパモータ、空気圧式駆動、または他の適したアクチュエータを含んでよい。いくつかの例では、1つ、2つ、3つ、または4つ以上のアクチュエータが用いられる。いくつかの例では、複数のアクチュエータが、エッジ連結リング60の周りに均一に配置される。アクチュエータ80は、処理チャンバの内側または外側に配置されてよい。
【0053】
使用時には、基板33の露出した部分をエッチングするため、プラズマ82が基板33に向けられる。エッジ連結リング60は、基板33の均一なエッチングが生じるように、プラズマ電界の形成を助けるように配置される。
図4の84および86で見られるように、エッジ連結リング60の1つ以上の部分は、プラズマ82によって侵食され得る。侵食の結果、基板33の半径方向外端部周辺では基板33の不均一なエッチングが生じてよい。通常、処理が停止し、処理チャンバが開放されて、エッジ連結リングが交換される必要がある。
【0054】
図5では、アクチュエータ80を用いてエッジ連結リング60の1つ以上の部分を動かし、エッジ連結リング60の1つ以上の部分の位置を変更する。例えば、アクチュエータ80は、エッジ連結リング60の第1の環状部72を動かすために用いられてよい。この例では、アクチュエータ80は、エッジ連結リング60の第1の環状部72の端部86が基板33の半径方向外端部に対して高くなるように、エッジ連結リング60の第1の環状部72を上向きまたは垂直方向に動かす。その結果、基板33の半径方向外端部周辺のエッチング均一性は向上する。
【0055】
次に
図6を参照すると、理解できるように、アクチュエータは、1つ以上の他の位置に配置されて、水平や斜めなど他の方向に動いてよい。エッジ連結リングの部分の水平動作は、基板に対するエッジ連結効果を集中させるために実施されてよい。
図6では、アクチュエータ110は、エッジ連結リング60の半径方向外側に配置されている。さらに、アクチュエータ110は、水平(または左右)方向だけでなく垂直(または上下)方向にも動く。基板のエッチングが基板に対してエッジ連結リングの横オフセットを示すときは、水平再配置が用いられてよい。横オフセットは、処理チャンバを開放せずに修正されてよい。同様に、エッジ連結リングの傾動は、左右非対称を修正または生成するためにいくつかのアクチュエータを他のアクチュエータと異なるように作動させることによって実施されてよい。
【0056】
アクチュエータ110は、エッジ連結リングの環状部の間に配置されるのではなく、114で確認される半径方向の外壁または他の構造に取り付けられ得る。あるいは、アクチュエータ110は、116で確認される壁または他の構造によって下側から支えられてよい。
【0057】
次に
図7−8を参照すると、エッジ連結リング150および圧電アクチュエータ154の別の例が示されている。この例では、圧電アクチュエータ154は、エッジ連結リング150を動かす。圧電アクチュエータ154は、エッジ連結リング
150の第1の環状部72および第3の環状部76に搭載されている。
図8では、圧電アクチュエータ154は、エッジ連結リング150の第1の環状部72を動かして、第1の環状部72の端部156の位置を調整する。
【0058】
次に
図9を参照すると、プラズマを用いてエッチングを実施するための基板処理チャンバ500の例が示されている。基板処理チャンバ500は、基板処理チャンバ500の他の構成部品を囲みRFプラズマを含む処理チャンバ502を備える。基板処理チャンバ500は、上部電極504、および下部電極507を含む台座506を備える。エッジ連結リング503は、台座506に支持され、基板508を囲むように配置される。エッジ連結リング503を動かすために、1つ以上のアクチュエータ505が用いられてよい。操作時に、基板508は、上部電極504と下部電極507との間にある台座506の上に配置される。
【0059】
ほんの一例として、上部電極504は、処理ガスを導入および分配するシャワーヘッド509を備えてよい。シャワーヘッド509は、処理チャンバの上面に接続されている一端を含む軸部を備えてよい。基体は、一般に円筒形であり、処理チャンバの上面から離間している位置で軸部の反対端から半径方向外向きに延びる。シャワーヘッドの基体の基板対向面または面板は、処理ガスまたはパージガスが通る複数の穴を備える。あるいは、上部電極504は導電板を備えてよく、処理ガスは別の方法で導入されてよい。下部電極507は、非導電性の台座に配置されてよい。あるいは、台座506は、下部電極507として機能する導電板を含む静電チャックを備えてよい。
【0060】
RF発生システム510は、RF電圧を発生させて上部電極504および下部電極507のいずれか一方に出力する。上部電極504および下部電極507のいずれか他方は、DC接地またはAC接地されるか、浮動的であってよい。ほんの一例として、RF発生システム510は、整合式分配ネットワーク512によって上部電極504または下部電極507に供給されるRF電圧を発生するRF電圧発生器511を備えてよい。他の例では、プラズマは誘導的にまたは遠隔的に発生されてよい。
【0061】
ガス供給システム530は、1つ以上のガス源532−1、532−2、...、および532−N(一括してガス源532)を備える(Nがゼロよりも大きい整数の場合)。これらのガス源は、1つ以上の前駆体およびその混合物を供給する。これらのガス源は、パージガスも供給してよい。気化した前駆体が用いられてもよい。ガス源532は、弁534−1、534−2、...、および534−N(一括して弁534)、ならびにマスフローコントローラ536−1、536−2、...、および536−N(一括してマスフローコントローラ536)によってマニホールド540に接続される。マニホールド540の出力は、処理チャンバ502に供給される。ほんの一例として、マニホールド540の出力は、シャワーヘッド509に供給される。
【0062】
ヒータ542は、台座506に配置されているヒータコイル(図示せず)に接続され得る。ヒータ542は、台座506および基板508の温度を制御するために用いられ得る。弁550およびポンプ552は、処理チャンバ502から反応生成物を排出するのに用いられてよい。コントローラ560は、基板処理チャンバ500の構成部品を制御するために用いられ得る。コントローラ560はまた、エッジ連結リング503の1つ以上の部分の位置を調整するためにアクチュエータ505を制御するために用いられ得る。
【0063】
ロボット570およびセンサ572は、エッジ連結リングの侵食を計測するために用いられ得る。いくつかの例では、センサ572は深さゲージを備えてよい。ロボット570は、侵食を計測するためにエッジ連結リングと接している深さゲージを動かしてよい。あるいは、レーザ干渉計(ロボット570の有無に関わらず)が直接的な接触なしで侵食を計測するために用いられてよい。レーザ干渉計がエッジ連結リングに対する直視線上に配置されうる場合は、ロボット570は省略されてよい。
【0064】
基板の台座506の上への搬入出には別のロボット
アーム573が用いられてよい。さらに、
図15−23と共に以下でさらに説明するように、未使用のエッジ連結リングを昇降リング上に提供し、十分な磨耗後に使用済みのエッジ連結リングを交換するためにロボットアーム573が用いられてよい。基板およびエッジ連結リングの両方に同じロボットアーム573が用いられてよいが、専用のロボットアームが用いられてもよい。
【0065】
次に
図10を参照すると、エッジ連結リングを動かすためにアクチュエータを操作する方法600の例が示されている。610では、エッジ連結リングの少なくとも一部が基板に対して第1の位置に配置される。614では、基板処理システムが操作される。この操作には、基板のエッチングまたは他の処理が含まれてよい。618では、制御は、所定のエッチング期間または所定のエッチングサイクル回数が生じたか否かを決定する。618において所定の期間またはサイクルの回数を超えていないと決定された場合は、制御は614に戻る。
【0066】
所定の期間またはサイクルの回数を超えると、制御は624において、最大所定エッチング期間を超えたか、エッチングサイクルの最大回数が生じたか、および/または最大回数のアクチュエータ動作が生じたかを決定する。
【0067】
624が偽の場合は、アクチュエータを用いて制御はエッジ連結リングの少なくとも一部を動かす。エッジ連結リングの移動は、処理チャンバを開放せずに、自動で、手動で、またはこれらの組み合わせで実施できる。624が真の場合は、制御はメッセージを送信する、あるいはエッジ連結リングが補修/交換されるべきことを示す。
【0068】
次に
図11を参照すると、エッジ連結リングを動かすためにアクチュエータを操作する方法700の例が示されている。710では、エッジ連結リングの少なくとも一部が基板に対して第1の位置に配置される。714では、基板処理システムが操作される。この操作には、基板のエッチングまたは他の処理が含まれてよい。718では、制御は、エッジ連結リングの所定量の侵食が生じたかどうかを深さゲージまたはレーザ干渉計などのセンサを用いて決定する。718が偽の場合は、制御は714に戻る。
【0069】
所定量の侵食が生じたときは、制御は724において、最大量の侵食が生じたか否かを決定する。724が偽の場合は、制御はアクチュエータを用いてエッジ連結リングの少なくとも一部を動かす。エッジ連結リングの移動は、処理チャンバを開放せずに、自動で、手動で、またはこれらの組み合わせで実施できる。724が真の場合は、制御はメッセージを送信する、あるいはエッジ連結リングが補修/交換されるべきことを示す。
【0070】
上記に加えて、エッジ連結リングを動かす必要があるか否かの決定は、処理後の基板のエッチングパターンの検査に基づいてよい。アクチュエータは、チャンバを開放せずにエッジ連結リングのエッジ連結プロファイルを調整するために用いられてよい。
【0071】
次に
図12を参照すると、処理チャンバ800は、台座20の上に配置されているエッジ連結リング60を備えている。エッジ連結リング60は、処理チャンバ800の外に配置されている1つ以上のアクチュエータ804によって移動可能な1つ以上の部分を備える。この例では、第1の環状部72が移動可能である。アクチュエータ804は、機械的連動部810によってエッジ連動リング60の第1の環状部72に接続されてよい。例えば、機械的連動部810は、棒状部材を備えてよい。機械的連動部810は、処理チャンバ800の壁814にある穴811を貫通してよい。「O」リングなどのシール812が用いられてよい。機械的連動部810は、エッジ連結リング60の第3の環状部76などの1つ以上の構造にある穴815を貫通してよい。
【0072】
次に
図13Aおよび13Bを参照すると、エッジ連結リング830の左右の傾動が示されている。左右の傾動は、左右の不均衡を修正するために用いられてよい。13Aでは、基板とは反対側のエッジ連結リング830の部分830−1および830−2は、第1の配置840に配置されている。部分830−1および830−2は、一般に、エッジ連結リング830の部分832−1および832−2と位置合わせされてよい。アクチュエータ836−1および836−2は、部分830−1と832−1との間および830−2および832−2との間にそれぞれ配置されている。
【0073】
図13Bでは、アクチュエータ836−1および836−2は、エッジ連結リング830が
図13Aに示す第1の配置840とは異なる第2の配置850に動くように、エッジ連結リング830のそれぞれの部分を動かす。確認できるように、基板は処理の後に検査され、基板に対する傾斜は、処理チャンバを開放せずに必要に応じて調整されてよい。
【0074】
次に
図14を参照すると、基板の処理時にエッジ連結リングを動かす方法900が示されている。つまり、同じ処理チャンバ内の単一基板上で異なる処理が実施されてよい。エッジ連結リングのエッジ連結効果は、次の基板に進む前に、同じ処理チャンバ内の基板上で実施される複数の処理の間に調整されてよい。910では、基板は台座の上に配置され、エッジ連結リングの位置は必要に応じて調整される。914では、基板の処理が実施される。918で決定されるように基板の処理が終了したら、922において基板は台座から
取り除かれる。924では、別の基板が処理される必要があるかを制御が決定する。924が真の場合は、この方法は910に戻る。そうでない場合は、この方法は終了する。
【0075】
918が偽の場合で、基板が追加の処理を必要とする場合は、この方法は、930でエッジ連結リングの調整が必要かを決定する。930が偽の場合は、この方法は914に戻る。930が真の場合は、エッジ連結リングの少なくとも一部は934で1つ以上のアクチュエータを用いて動かされ、この方法は914に戻る。理解できるように、エッジ連結リングは、同じ処理チャンバ内の同じ基板の処理の間に調整されうる。
【0076】
次に
図15を参照すると、エッジ連結リング1014および昇降リング1018が台座1010の上面に隣接して、またその周囲に配置されている。エッジ連結リング1014は、上述のように、エッチング時に基板に隣接して配置される半径方向内端部を含む。昇降リング1018は、エッジ連結リング1014の少なくとも一部より下側に配置される。昇降リング1018は、ロボットアームを用いてエッジ連結リング1014を取り除くときに、エッジ連結リング1014を台座1010の表面より上側に持ち上げるのに用いられる。エッジ連結リング1014は、処理チャンバを大気圧に開放する必要なく取り除くことができる。いくつかの例では、以下に説明するように、昇降リング1018は、ロボットアームがエッジ連結リング1014を取り除くための隙間を提供するために、円周方向に間隔の開いた端部1020の間に開口部1019を必要に応じて含んでよい。
【0077】
次に
図16−17を参照すると、エッジ連結リング1014および昇降リング1018の例がさらに詳しく示されている。
図16に示す例では、台座は、一般に1021で認識される静電チャック(ESC)を含んでよい。ESC1021は、ESC板1022、1024、1030、および1032などの1つ以上の積層板を備えてよい。ESC板1030は中間ESC板に相当し、ESC板1032はESC台板に相当してよい。いくつかの例では、ESC板1024と1030との間にOリング1026が配置されてよい。特定の台座1010が示されているが、他の種類の台座も用いられうる。
【0078】
底部エッジ連結リング1034は、エッジ連結リング1014および昇降リング1018より下側に配置されてよい。底部エッジ連結リング1034は、ESC板1024、1030、1032、およびOリング1026に隣接して、またそれらの半径方向外側に配置されてよい。
【0079】
いくつかの例では、エッジ連結リング1014は、1つ以上の自動センタリング機構1040、1044、および1046を備えてよい。ほんの一例として、自動センタリング機構1040および1044は三角形の雌自動センタリング機構であってよいが、他の形状も用いられうる。自動センタリング機構1046は、傾斜面であってよい。昇降リング1018は、1つ以上の自動センタリング機構1048、1050、および1051を備えてよい。ほんの一例として、自動センタリング機構1048および1050は、三角形の雄自動センタリング機構であってよいが、他の形状も用いられうる。自動センタリング機構1051は、自動センタリング機構1046に対して相補的な形状を有する傾斜面であってよい。昇降リング1018の自動センタリング機構1048は、エッジ連結リング1014の自動センタリング機構1044と結合してよい。昇降リング1018の自動センタリング機構1050は、底部エッジ連結リング1034の自動センタリング機構1052と結合してよい。
【0080】
昇降リング1018は、さらに、半径方向外向きに延びる突出部1054を備える。突出部1054の底部対向面1057には溝1056が配置されてよい。溝1056は、アクチュエータ1064に接続されて選択的に垂直に動かされるピラー1060の一端によって付勢されるように構成されている。アクチュエータ1064は、コントローラによって制御されてよい。理解できるように、1つの溝、ピラー、およびアクチュエータが示されているが、昇降リング1018を上向き方向に付勢するために、追加の溝、ピラー、およびアクチュエータが昇降リング1018の周りに間隔を置いて円周方向に配置されてよい。
【0081】
図17では、ピラー1060およびアクチュエータ1064を用いた昇降リング1018によって上向き方向に持ち上げられているエッジ連結リング1014が示されている。エッジ連結リング1014は、ロボットアームによって処理チャンバから取り除くことができる。特に、ロボットアーム1102は、ホルダ1104によってエッジ連結リング1014に接続されている。ホルダ1104は、エッジ連結リング1014の自動センタリング機構1040と結合する自動センタリング機構1110を備えてよい。理解できるように、ロボットアーム1102およびホルダ1104は、昇降リング1018の自動センタリング機構1048を解除するため、エッジ連結リングを上向きに付勢してよい。その後、ロボットアーム1102、ホルダ1104、およびエッジ連結リング1014は、処理チャンバから取り出されうる。ロボットアーム1102、ホルダ1104、および新しいエッジ連結リングは、戻されて昇降リング1018の上に配置されうる。次に、昇降リング1018が下げられる。昇降リング1018の上に新しいエッジ連結リング1014を供給するために逆の操作が用いられてよい。
【0082】
あるいは、エッジ連結リング1014を昇降リング1018から取り外すためにロボットアーム1102およびホルダ1104を上向きに持ち上げるのではなく、ロボットアーム1102およびホルダ1104は、持ち上げられたエッジ連結リング1014の下方に接して配置できる。その後、昇降リング1018は下げられ、エッジ連結リング1014はロボットアーム1102およびホルダ1104の上に留まる。ロボットアーム1102、ホルダ1104、およびエッジ連結リング1014は、処理チャンバから取り除くことができる。昇降リング1018の上に新しいエッジ連結リング1014を供給するために逆の操作が用いられてよい。
【0083】
次に
図18−20を参照すると、可動式エッジ連結リング1238および昇降リング1018が示されている。
図18では、1つ以上のピラー1210が、ESC台板1032の穴1220、1224、および1228、底部エッジ連結リング1034、および昇降リング1018をそれぞれ通って1つ以上のアクチュエータ1214によって上下に動かされる。この例では、中間エッジ連結リング1240またはスペーサが、可動式エッジ連結リング1238と昇降リング1018との間に配置される。中間エッジ連結リング1240は、自動センタリング機構1244および1246を備えてよい。対応する自動センタリング機構1248が、可動式エッジ連結リング1238の上に設けられてよい。自動センタリング機構1248は、中間エッジ連結リング1240の自動センタリング機構1246と結合する。
【0084】
以上に詳述したように、可動式エッジ連結リング1238の上向き面の侵食は、使用時に発生し得る。これは、順次プラズマのプロファイルを変更し得る。可動式エッジ連結リング1238は、プラズマのプロファイルを変更するためにピラー1210およびアクチュエータ1214を用いて上向き方向に選択的に動かされてよい。
図19では、
図18の可動式エッジ連結リング1238が上昇位置に示されている。中間エッジ連結リング1240は静止したままである。最終的に、可動式エッジ連結リング1238は1回以上動かされ、その後、エッジ連結リング1238および中間エッジ連結リング1240は交換されてよい。
【0085】
図20では、アクチュエータ1214は下降状態に戻り、アクチュエータ1064は上昇状態に動かされる。エッジ連結リング1238および中間エッジ連結リング1240は、昇降リング1018によって持ち上げられ、可動式エッジ連結リング1238は、ロボットアーム1102およびホルダ1104によって取り除かれてよい。
【0086】
理解できるように、アクチュエータは、処理チャンバの中または処理チャンバの外に配置できる。いくつかの例では、エッジ連結リングは、カセット、ロードロック、搬送チャンバなどを介してチャンバに供給されてよい。あるいは、エッジ連結リングは、処理チャンバの外だが基板処理ツールの中に収容されてよい。
【0087】
次に
図21−22を参照すると、いくつかの例では昇降リングは省略できる。エッジ連結リング1310は、底部エッジ連結リング1034の上および台座の半径方向外端に配置される。エッジ連結リング1310は、1つ以上の自動センタリング機構1316および1320を備えてよい。エッジ連結リング1310は、さらに、アクチュエータ1214によって付勢され、ピラー1210の天面を受ける溝1324を備えてよい。自動センタリング機構1320は、対応する底部エッジ連結リング1034の自動センタリング機構1326に対して配置されてよい。いくつかの例では、自動センタリング機構1320および1326は傾斜面である。
【0088】
図22では、アクチュエータ1214およびピラー1210は、エッジ連結リング1310を上向きに付勢して、エッジ連結リング1310を取り除く、または侵食が生じた後にプラズマプロファイルを調整する。ロボットアーム1102およびホルダ1104は、エッジ連結リング1310より下側の位置に動かすことができる。自動センタリング機構1316は、ロボットアーム1102に接続されているホルダ1104の自動センタリング機構1110によって係合されてよい。ロボットアーム1102が溝1324とピラー1210との間の隙間を提供するために上向き方向に動く、または、ピラー1210が溝1324に隙間を提供するためにアクチュエータ1214によって下向きに動かされる、のいずれかである。
【0089】
次に
図23を参照すると、処理チャンバを大気圧に開放せずにエッジ連結リングを交換する方法1400が示されている。この方法は1404において、エッジ連結リングが昇降リング上に配置されているか否かを決定する。1404が偽の場合は、この方法は1408において、ロボットアームを用いてエッジ連結リングを昇降リング上の所定位置に動かす。エッジ連結リングが処理チャンバの昇降リング上に配置された後は、
1410において処理が行われる。この方法は1412において、上述の基準のいずれかを用いてエッジ連結リングが磨耗しているか否かを決定する。1412が偽の場合は、この方法は
1410に戻り、処理が再び行われ得る。1412においてエッジ連結リングが磨耗していると決定された場合は、エッジ連結リングは1416において交換され、この方法は
1410に移行する。
【0090】
次に
図24を参照すると、方法1500は、可動式エッジ連結リングの位置を必要に応じて侵食のオフセットに調整し、可動式エッジ連結リングが磨耗していると決定されたときに可動式エッジ連結リングを選択的に交換する。この方法は1502において、可動式エッジ連結リングが昇降リングの上に配置されているか否かを決定する。1502が偽の場合は、エッジ連結リングは1504において昇降リング上の所定位置に動かされ、この方法は1502移行する。
【0091】
1502が真の場合は、この方法は1506において、可動式エッジ連結リングの位置を調整する必要があるか否かを決定する。1506が真の場合は、この方法は、アクチュエータを用いて可動式エッジ連結リングの位置を調整し、1506に戻る。1506が偽の場合は、この方法は1510において処理を行う。1512においてこの方法は、可動式エッジ連結リングが磨耗しているか否かを決定する。偽であれば、この方法は1510に戻る。
【0092】
1512が真の場合は、この方法は1520において、可動式エッジ連結リングが最も高い(または、十分に調整された)位置にあるか否かを決定する。1520が偽の場合は、この方法は、1524においてアクチュエータ1214を用いて可動式エッジ連結リングの位置を調整し、1510に戻る。1520が真の場合は、この方法は、アクチュエータ1064、昇降リング1018、およびロボットアーム1102を用いて可動式エッジ連結リングを交換する。
【0093】
次に
図25を参照すると、処理チャンバを大気圧に開放せずにエッジ連結リングを交換する方法1600が示されている。1610において、昇降リングおよびエッジ連結リングは、アクチュエータを用いて上向きに付勢される。1620において、ロボットアームおよびホルダは、エッジ連結リングの下側に移動する。1624では、ロボットアームが上向きに動いてエッジ連結リングの自動センタリング機構を解除するか、昇降リングが下向きに動く。1628では、エッジ連結リングを持つロボットアームは、処理チャンバの外側に移動する。1632において、エッジ連結リングは、ロボットアームから取り外される。1636において、交換用のエッジ連結リングがロボットアームによって取り上げられる。1638では、エッジ連結リングが昇降リング上に配置され、1つ以上の自動センタリング機構を用いて位置合わせされる。1642において、ロボットアームは、自動センタリング機構のための十分な隙間を与えるために下げられ、チャンバから取り出される。1646では、昇降リングおよびエッジ連結リングが定位置に下げられる。
【0094】
上述の説明は、本質的に例示にすぎず、本開示、その適用、または使用を制限する意図は全くない。本開示の広義の教示は、様々な形態で実施できる。そのため、本開示は特定の例を含むが、他の補正は図面、明細書、および以下の請求項を検討すれば明らかになるため、真の開示範囲はそれほど制限されるべきではない。本明細書で用いられているように、A、B、およびCの少なくとも1つという表現は、非排他的論理を用いて論理(AまたはBまたはC)を意味すると解釈すべきであり、「Aの少なくとも1つ、Bの少なくとも1つ、およびCの少なくとも1つ」を意味すると解釈すべきではない。方法における1つ以上の工程は、本開示の原理を変更せずに異なる順番で(または同時に)実施されてよい。
【0095】
いくつかの実施形態では、コントローラは、上述の例の一部でありうるシステムの一部である。かかるシステムは、処理ツール、チャンバ、処理用のプラットフォーム、および/または特定の処理部品(ウエハ台座、ガス流システムなど)を含む半導体処理装置を備えうる。これらのシステムは、半導体ウエハまたは基板の処理前、処理中、および処理後にそれらの動作を制御する電子部品と統合されてよい。電子部品は「コントローラ」と呼ばれ、システムの様々な構成部品または補助部品を制御してよい。コントローラは、処理要件および/またはシステムの種類によって、処理ガスの供給、温度設定(例えば、加熱および/または冷却)、圧力設定、真空設定、電力設定、周波数(RF)発生器の設定、RF整合回路の設定、周波数設定、流量設定、液体供給設定、位置および操作の設定、ツールおよび他の搬送ツールならびに/または特定のシステムと接続もしくはインターフェースするロードロックに対するウエハの搬出入を含む、本明細書に開示される処理のいずれかを制御するようにプログラムされてよい。
【0096】
概して、コントローラは、命令を受け取り、命令を発行し、動作を制御し、洗浄動作を可能にし、エンドポイント測定を可能にするなどの様々な集積回路、ロジック、メモリ、および/またはソフトウェアを有する電子装置として定義されてよい。集積回路は、プログラム命令を格納するファームウェア形式のチップ、デジタル信号プロセッサ(DSP)、特定用途向け集積回路(ASIC)として定義されるチップ、および/または1つ以上のマイクロプロセッサ、もしくはプログラム命令(例えば、ソフトウェア)を実行するマイクロコントローラを含んでよい。プログラム命令は、様々な個別設定(またはプログラムファイル)の形式でコントローラに伝達される命令であって、特定の処理を半導体ウエハ上でもしくは半導体ウエハ用に、またはシステムに対して実行する動作パラメータを定義してよい。いくつかの実施形態では、動作パラメータは、プロセスエンジニアによって定義されるレシピの一部であって、1つ以上の層、材料、金属、酸化物、シリコン、二酸化シリコン、表面、回路、および/またはウエハダイの製作時における1つ以上の処理工程を実現してよい。
【0097】
いくつかの実施形態では、コントローラは、システムと統合または結合された、そうでなければシステムにネットワーク接続された、もしくはこれらが組み合わされたコンピュータの一部であってよく、またはそのコンピュータに結合されてよい。例えば、コンピュータは、「クラウド」内にある、または、ウエハ処理のリモートアクセスを可能にする全てもしくは一部のファブホストコンピュータシステムであってよい。コンピュータは、システムへのリモートアクセスを可能にして、製作操作の進捗状況を監視し、過去の製作操作の経歴を調査し、複数の製作操作から傾向または実施の基準を調査し、現在の処理のパラメータを変更し、現在の処理に続く処理工程を設定し、または新しい処理を開始してよい。いくつかの例では、リモートコンピュータ(例えば、サーバ)は、ネットワークを通じてプロセスレシピをシステムに提供でき、ネットワークにはローカルネットワークまたはインターネットを含んでよい。リモートコンピュータは、次にリモートコンピュータからシステムに連通されるパラメータおよび/もしくは設定のエントリまたはプログラミングを可能にするユーザインターフェースを含んでよい。いくつかの例では、コントローラは、1つ以上の操作時に実施される各処理工程のためのパラメータを特定するデータ形式の命令を受け取る。パラメータは、実施される処理の種類および、コントローラが接続または制御するように構成されているツールの種類に特有であってよいことを理解されたい。そのため、上述のように、コントローラは、例えば、互いにネットワーク接続されている1つ以上の離散コントローラを含み、本明細書で述べる処理や制御など共通の目的に向かって取り組むことにより配置されてよい。かかる目的で配置されたコントローラの例は、遠隔に(例えば、プラットフォームレベルまたは遠隔コンピュータの一部として)位置し、組み合わせてチャンバ上の処理を制御する1つ以上の集積回路と連通しているチャンバ上の1つ以上の集積回路である。
【0098】
限定を受けることなく、例示のシステムは、プラズマエッチングチャンバまたはモジュール、堆積チャンバまたはモジュール、スピンリンスチャンバまたはモジュール、金属めっきチャンバまたはモジュール、クリーンチャンバまたはモジュール、ベベルエッジエッチングチャンバまたはモジュール、物理気相堆積(PVD)チャンバまたはモジュール、化学気相堆積(CVD)チャンバまたはモジュール、原子層堆積(ALD)チャンバまたはモジュール、原子層エッチング(ALE)チャンバまたはモジュール、イオン注入チャンバまたはモジュール、トラックチャンバまたはモジュール、ならびに半導体ウエハの製作および/もしくは製造において関連してよいもしくは用いられてよいその他の半導体処理システムを含んでよい。
【0099】
上述のように、ツールによって実施される処理工程に応じて、コントローラは、1つ以上の他のツール回路もしくはモジュール、他のツール部品、クラスタツール、他のツールインターフェース、隣接するツール、近接するツール、工場全体に配置されたツール、メインコンピュータ、別のコントローラ、または半導体製造工場においてウエハ容器をツール位置および/もしくはロードポートに搬入出する材料搬送において用いられるツールと連通してよい。