(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0012】
本願で説明するように、本発明の実施形態は、それぞれ所定の分周比(例えば、1、2、4、8、16、32、64、128、256など)を有する複数の分周回路を含む試験測定装置(例えば、オシロスコープ)に関する。例えば、各周波数分周回路(時に、プリスケーラと呼ばれる)は、その前の周波数分周回路の周波数に由来する、入ってくる信号の周波数を、2で分周するよう構成される。最大の分周には、可能な最大周波数分周と最低分解能の信号とをもたらす、複数の周波数分周回路の全セットを横断する必要がある。コントローラ・システム(ハードウェア又はハードウェア上のソフトウェア)は、イベント信号を繰り返し試験して、その信号の周波数を求める。求めた周波数に基づき、コントローラ・システムは、その信号に関する最適な分周比を選択する。最適な分周比は、ローカルのサンプリング・ハードウェアが信号の全エッジをカウント可能な程度に充分に周波数を低減しつつ、信号が受け入れ可能な周波数分周の最小値である。言い換えると、コントロール・システムは、求めた信号の周波数に基いて、最適な分周比を得るように、複数の分周回路を通過するパスを選択する。これは、イベント信号の周波数やその対応するイベントの周波数に関係なく、入力信号を単一の入力部から受けて、ハードウェアによって可能な最高分解能でサンプルすることを可能にする。また、コントロール・システムは、表示をリアル・タイムで更新可能とするため、求めた周波数を考慮した最適な表示トリガ・イベントを選択しても良い。コントローラ・システムは、継続的にイベント信号をモニタし、その周波数が変化すると、新しい分周比を選択する。コントローラ・システムは、所定のマージン(例えば、25メガ・ヘルツ(MHz))を含む周波数ヒステレシス処理を採用しても良く、これによって、信号の周波数は、新しい分周比を選択する前に、分周比の境界をマージンだけ超えるか又は下回らなければならない。これは、分周境界近くの周波数におけるチャタリングを低減する。また、コントロール・システムが、周波数の突然の急な変化を求めるのをサポートするのに、低分解能カウンタを採用しても良い。
【0013】
上述の実施形態を採用することによって、試験測定装置は、ユーザがポートを切り替える(これは、高速に動く複雑な信号で実行するのは、困難か又は不可能であろう)必要なしに、信号の周波数の全レンジを継続的に表示できる。更に、この実施形態は、チャタリングを防ぎつつ、その信号について最適な分周比を維持する。このように、上述の実施形態を採用することによって、結果として生じるオシロスコープは、機能性が増加し、エンド・ユーザに要求されることは減少する。
【0014】
本願で用いる用語、チャタリングは、しきい値又は境界近くに分類される信号特性のために、サンプリング回路間の切り替えを急速に行き来することを意味する。
【0015】
本願で用いる用語、分周比は、分周回路に関連した整数値であって、信号の周波数に除数として適用して、分周回路から、より低い周波数の信号が出力される結果をもたらすものを意味する。
【0016】
本願で用いる用語、最適な分周比は、信号が受けることが可能でありながら、ローカルのサンプリング・ハードウェアが信号の全エッジをカウントするのを確実なものにするのに充分な程度に信号の周波数を低くする、周波数分周の最小値を意味する。
【0017】
本願で用いる用語、Aトリガ・イベントは、例えば、特定の周波数レート/ウィンドウ、グリッチ、ラント・パルスなど、信号の取込みを開始する最初のトリガ・イベントを意味する。
【0018】
本願で用いる用語、Bイベントは、例えば、特定の周波数レート/ウィンドウ、グリッチ、ラント・パルスなど、Aトリガ・イベントによって開始された信号の捕捉に対する相対的な時間位置又は端部を特定する、1個又は複数(N)個の特定のトリガ・イベントを意味する。
【0019】
本願で用いる用語、周波数ヒステレシスは、分周回路が通常切り替えられるであろう信号周波数より上下両方向の周波数のマージンを意味し、新しい分周比に切り換わる前に信号周波数が全マージンを横断する必要がある。
【0020】
本願で用いる用語、収束推定値は、1つの解に収束するのに必要な推定最大反復回数を示す所定値を意味する。
【0021】
本願で用いる用語、最適表示トリガ・イベント・カウント値は、表示上で信号の高分解能と、ユーザに高速な視覚的フィードバックを与える高速な表示リフレッシュ・レート(例えば、毎秒3個の測定)とをもたらす測定及び表示されるトリガ・イベントの個数を意味する。
【0022】
本願で用いる用語、最適なイベント信号は、対応する入力信号中において、トリガされたイベントの発生を示す信号を意味する。
【0023】
本願で用いる用語、プリスケーラは、高い周波数の信号を、より低い周波数の信号へと変えるために用いる回路を意味する。
【0024】
図1は、1つ以上の入力信号125、例えば、被試験デバイス(DUT)121からの試験信号を受けるよう構成されるオシロスコープ100の実施形態のブロック図である。DUT121は、電気的又は光学的信号を介して通信を行うよう構成される任意の信号源としても良い。例えば、DUT121は、任意の形態のトランスミッタ又は1つ以上の信号プローブを介して結合された信号伝送媒体としても良い。DUT121は、試験を目的としたマニュアルでの交換は実質的に不可能な状態となる大量の複雑なデータ通信を行うとしても良い。
【0025】
オシロスコープ100は、入力信号125と、対応するカウントされたイベントを受けて、1つ以上のグラチクル(表示画面格子目盛)を有する表示装置125上に表示するよう構成される試験測定装置である。オシロスコープ100は、入力信号125を受けて、その入力信号をプリ調整、サンプリング等のためのローカルのハードウェアへと送る複数のポート105を有している。オシロスコープ100は、また、例えば、交流(AC)又は直流(DC)カップリング(結合)制御、トリガ・レベル制御、トリガ・レベル・ヒステレシスのしきい値及びマージンを変更するトリガ・レベル・ヒステレシス制御などのユーザの入力を受ける操作装置103を有している。操作装置103を用いることで、ユーザは、DUT121からの入力信号を試験でき、入力信号125をサンプルさせ、カウントさせて、表示装置125のグラチクル上に表示させることができる。オシロスコープ100は、説明を明快にするための例として提示していることに注意すべきであって、複数形式のオシロスコープに限定されると考えるべきではなく、本発明から離れることなく、複数の試験セットアップ(設定)を採用しても良い。
【0026】
図2は、オシロスコープ100のようなオシロスコープで使用するための自動周波数プリスケーラ200の実施形態のブロック図である。自動周波数プリスケーラ200は、入力回路201と、比較回路203と、高度(advanced)トリガ・モード制御ブロック204と、分周回路205と、スイッチ206〜207と、周波数レンジ・カウンタ209と、プロセッサ及びメモリ並びにソフトウェア制御部213を有するコントロール・システム210とを具えている。こうしたコンポーンネントは、入力回路201を介して入力信号を受けて、操作装置(例えば、操作装置103)を介してユーザに指示されたようにトリガ・レベル・ヒステレシス制御信号225、トリガ・レベル制御信号221及びカップリング制御信号223に基いて信号を調整し、入力信号からイベント信号を生成し、最適な分周比でイベント信号の周波数を分周し、表示グラチクル(例えば、表示装置101)上で表示するため、イベント信号のイベントをカウントする。
【0027】
入力回路201は、後段のコンポーンネントによるサンプリング/分析のために、入力信号(例えば、入力信号125)をプリ調整(precondition)する増幅回路や他の任意のコンポーンネントとしても良い。例えば、入力回路201は、後のコンポーンネントが、よりクリアに信号の変化を識別し、トリガする、などができるように、入力信号の利得を増加させる。入力回路201は、差動入力の結果としても良いことに注意すべきで、この場合、相補的な信号の対は、2つの入力端子を介して受け、相補的な信号間の差を入力回路201が受ける結果となるように合成される。
【0028】
比較回路203は、入力信号電圧を別の信号源からの対応する電圧と比較し、比較結果を前へ送ることができる任意の回路である。比較回路203は、ユーザ制御に基いて、トリガ・レベル制御信号221、カップリング制御信号223、トリガ・レベル・ヒステレシス制御信号225を受ける。トリガ・レベル制御信号221の電圧は、ユーザによって設定されたときにメモリ中に予め設定されるか、又は、プロセッサによって設定され、入力信号電圧と比較されて、A又はBイベントのようなトリガ・イベントが発生した時点を決定する。例えば、比較回路203は、トリガ・レベル制御信号221を用いて、いつAイベント又はN番目のBイベントが生じたかを決定し、結果として、いつ信号の捕捉を開始又は終了するかを決定しても良い。カップリング制御信号223は、ユーザの入力である。カップリング制御信号223は、信号がAC及びDC成分の両方を含んで受信されるときに、信号を捕捉するのにDCカップリングに設定されても良い。カップリング制御信号223は、また、信号のDC成分を除去し、AC成分のみを捕捉するために、ACに設定されても良い。こうして、比較回路203は、カップリング制御信号223に基いて、ユーザから受けたように、入力信号のDC成分を保持するか、又は、選択的に除去できる。トリガ・レベル・ヒステレシス制御信号225の入力は、不適当なトリガを排除して信号ノイズを除去するのをサポートする。例えば、トリガ・イベントを生じさせる信号値(例えば、電圧)を、トリガ・レベル・ヒステレシスによって、比較回路203にフィードバックさせることができる。すると、比較回路203は、イベントをトリガさせた信号値を、後の信号値と比較できる。もし後の信号値がマージン(例えば、2.5パーセント)よりも減少/増加していなければ、信号値中の変化は信号ノイズの結果とみなされ、2番目のトリガ・イベントは記録されない。比較回路203は、種々の入力を用いて信号を試験し、比較結果をイベント信号として後のコンポーンネントへと出力する。
【0029】
高度トリガ・モード制御ブロック204は、オプションの回路グループであり、より高度なトリガを捕捉し、そうしたイベントの発生を出力するよう構成される。具体的には、A及びBイベントは、ユーザが捕捉及びカウントを希望する任意のイベントである。A及びBイベントは、同じ形式のイベントでも良いし、又は、別々の形式のイベントとして選択されても良い(例えば、最初の立ち上がりエッジのAイベントと、最初の検出エラーのBイベント)。例えば、DUTから生じるエラーを試験しているユーザは、伝送された異常な信号イベント(例えば、A又はBイベント)を知りたいと望むかもしれない。典型的な異常信号は、ラント・パルス(有効なハイ(高)/ロー(低)レベルに達しないゼロでない信号の立ち上がり)、グリッチ(予期されるレンジを外れた振幅又は時間的/スペクトラム幅のパルス)又は予期しない周波数で発生する信号を含む。高度トリガ・モード204は、特定の信号形状/周波数を検出するか、又は、特定/予期されるパターンと認められない信号形状/周波数を検出するのに応じてトリガ処理することによって、ラント、グリッチなどのような、立ち上がり及び立ち下がり以外のイベントに関して、入力信号を試験し、こうしたトリガの結果をイベント信号として出力するよう構成される。高度トリガ・モード204は、全体的な図の明快さの理由から示さない補足的な配線を介してコントロール・システム210によって制御されるようにしても良い。比較回路203又は高度トリガ・モード204のイベント信号は、入力信号によってトリガされる全てのイベントを含むことに注意すべきである。従って、イベント信号は、入力信号と同じ周波数かもしれないし、同じ周波数でないかもしれない。
【0030】
スイッチ206は、1つ以上の制御ラインに基いて、全入力よりも少なく出力するよう構成される任意のスイッチである。スイッチ206は、比較回路203及び高度トリガ・モード204の出力端子に結合される。スイッチ206は、種々のトリガ・イベントをA又はBイベントとして捕捉可能とするように、コントロール・システム210からの入力に基いて、比較回路203の出力又は高度トリガ・モード204からのトリガ・モードのいずれかを選択できる。
【0031】
複数の分周回路205は、複数の分周比の1つで信号の周波数を分周できる複数の周波数分周回路の中の任意のグループである。複数の分周回路205のそれぞれは、プリスケーラと呼ばれることもあり、フィードバック信号を用いた再生(regenerative)周波数分周回路、フリップ・フロップに基づく回路、シフト・レジスタに基づく回路などのような、アナログ又はデジタル分周回路として実現できる。複数の分周回路205は、一連の回路(chain:チェーン)として実現されても良く、そのそれぞれが分周できる。例えば、各分周回路は、前の分周回路から受けた信号の周波数について、2の累乗の分周を実行するよう構成することができる。こうして、複数の分周回路205のより多数を横断した信号は、複数の分周回路のより少数を横断した信号に比較して、より大きな周波数の分周を受ける。2の累乗の分周を用いる場合、周波数分周回路205は、2、4、8、16、32、64、128、256などの分周比による周波数分周を提供できる。周波数を分周しない1の分周比を実現するには、分周回路205を避けて信号が送られる。2の累乗の分周を説明しているが、適切な回路を採用することで、任意の所望分周比のシーケンスを実現できることに注意すべきである。また、複数の分周回路205の全てを横断する信号は、最も高い分周比(例えば、256)が与えられるであろうが、複数の分周回路205の全てを横断することで、最も低い分解能と最も大きな量のジッタ/ノイズがもたらされるという結果になるであろうことにも注意すべきである。こうして、各イベント信号に関する最適な分周比が、後述のように、信号の周波数に従って、コントロール・システム210によって選択できる。選択されると、信号は、最適な分周比を実現するのに必要な個数の分周回路205だけを横断し、続いて、スイッチ207へ出力される。
【0032】
スイッチ207は、1つ以上の制御ラインに基いて、全入力よりも少ない数の出力をするよう構成される任意のスイッチである。スイッチ207は、複数の分周回路205の各出力端子に結合され、また、スイッチ206を介して比較回路203に直接結合される。スイッチ207は、コントロール・システム210からの入力に基いて、受けた複数の分周比のいずれかの出力を選択できる。
【0033】
周波数レンジ・カウンタ209は、信号の振動をカウントすることによって、イベント信号の周波数を測定するよう構成される任意のコンポーンネントである。周波数レンジ・カウンタ209は、比較回路203又は高度トリガ・モード204でのイベントの発生を示すスイッチ207の出力信号を受ける。スイッチ207の現在の設定に応じて、周波数レンジ・カウンタ209は、分周回路205による分周比にさらされた入力信号によってトリガされたイベントの振動、従って、周波数をカウントできる。周波数レンジ・カウンタ209の出力信号は、イベントのカウントされた周波数227である。こうして、周波数227は、表示装置101のグラチクルのようなスクリーン上での表示のために周波数レンジ・カウンタ209から前へと送られる。
【0034】
コントロール・システム210は、本願で開示される方法を実行できる任意の制御回路である。例えば、コントロール・システム210は、特定用途向け集積回路(ASIC)、デジタル・シグナル・プロセッサ(DSP)、又は他のプロセッシング回路として実現することもできる。いくつかの実施形態では、コントロール・システム210は、メモリからの命令を実行し、そこに記憶された命令で示される方法又は関連するステップを実行するよう構成される汎用プロセッサのプロセッサを含む。メモリは、プロセッサのキャッシュ、ランダム・アクセス・メモリ(RAM)、リード・オンリ・メモリ(ROM)、ソリッド・ステート・メモリ、ハード・ディスク・ドライブ又は他のメモリ形式として実現されても良い。コントロール・システム210中のメモリは、コンピュータ・プログラム生成物や他の命令をお記憶する非一時的な媒体として機能し、こうした生成物/命令を必要に応じて演算のためにプロセッサに供給する。コントロール・システム210は、ソフトウェア制御部213を含んでも良く、これは、本願で説明する方法のステップ(例えば、メモリ上に記憶され、プロセッサで実行される命令のような)を実行するよう構成されるファームウェア又はソフトウェア・モジュールであっても良い。また、ソフトウェア制御部210は、いくつかの実施形態では、ハードウェアで実現しても良い。コントロール・システム210は、周波数レンジ・カウンタ209から入力に基いて、比較回路203、高度トリガ・モード204、分周回路205、スイッチ206〜207及び周波数レンジ・カウンタ209を制御する。また、コントロール・システム210は、操作装置(例えば、操作装置103)を介してユーザから直接入力を受けても良い。また、いくつかの実施形態では、コントロール・システム210は、オシロスコープの操作装置(例えば、操作装置103)への変更に応じて、トリガ・レベル制御信号221、カップリング制御信号223及びトリガ・レベル・ヒステレシス制御信号225を、比較回路203や高度トリガ・モード制御ブロック204へ供給しても良い。コントロール・システム210は、後述のように、分周回路205及び周波数レンジ・カウンタ209を用いて、反復してイベント信号を試験してイベントの周波数を求め、それによって、そのイベント信号に関する最適な分周比を求める。また、コントロール・システム210は、広く周波数が変化するイベント信号を受け入れるのに必要となる異なる分周回路205の設定へと変更する。従って、コントロール・システム210は、分周回路によって周波数のフル・レンジを受け入れながら、単一の入力部から信号を受けることを可能にする。
【0035】
図3は、非漸増(non-incremental)型入力信号/イベント信号周波数変化に応答するよう構成された別の自動周波数プリスケーラ300の実施形態のブロック図である。自動周波数プリスケーラ300は、オシロスコープ100のようなオシロスコープで用いられる。自動周波数プリスケーラ300は、自動周波数プリスケーラ200と実質的に類似するが、追加の機能を含んでいる。自動周波数プリスケーラ300は、入力回路301と、比較回路303と、高度トリガ・モード制御ブロック304と、複数の分周回路305と、スイッチ306〜307と、コントロール・システム310と、ソフトウェア制御部313のモジュールと、高分解能(Hi-Res)周波数カウンタ309とを具え、これらは、入力回路201と、比較回路203と、高度トリガ・モード制御ブロック204と、複数の分周回路205と、スイッチ206〜207と、コントロール・システム210と、ソフトウェア制御部213と、周波数レンジ・カウンタ209とに、それぞれ実質的に類似する。比較回路303は、トリガ・レベル制御信号321、トリガ・レベル・ヒステレシス制御信号325及びカップリング制御信号323を受け、これらは、トリガ・レベル制御信号221、トリガ・レベル・ヒステレシス制御信号225及びカップリング制御信号223と実質的に類似する。更に、Hi−Res周波数カウンタ309の周波数327信号は、周波数レンジ・カウンタ209の周波数227信号と実質的に類似する。
【0036】
イベント信号周波数の急激で大幅な変化、例えば、5ナノ秒未満の1桁の変化の間に、プリスケーラ200は、その変化を識別するのに一時的に失敗するかもしれない。こうした急激で大幅な変化を、本願では、時として、非漸増(non-incremental)変化と呼ぶ。具体的な例としては、プリスケーラ200は、第1信号期間に基いて、MHzオーダーの小さな変化を探し、第2信号期間の開始時点において、数十GHzオーダーの変化に気づくのに失敗するかもしれない。プリスケーラ300は、この懸念を克服する低分解能(Low-Res)周波数カウンタ308を含んでいる。Low−Res周波数カウンタ308は、Hi−Res周波数カウンタ309と類似している。しかし、Low−Res周波数カウンタ308は、分周回路305から、常に最大分周比325信号を受け、ここで、この最大分周比325信号は、分周回路305によって信号に適用できる最大分周比の結果である。例えば、もし複数の分周回路305が、256の比まで分周可能なら、その最大分周比は256である。従って、Low−Res周波数カウンタ308は、常に、イベント信号で利用可能な最も低い分解能のビュー(View:視点、見方)を受ける。Low−Res周波数カウンタ308は、低分解能で発生する変化をカウントし、よって、信号の大きなスケールの変化に気づく。Low−Res周波数カウンタ308の出力は、制御データとしてコントロール・システム310へと送られる。コントロール・システム310は、Low−Res周波数カウンタ308の出力信号を用いて、いつ第1信号期間の周波数を推定するための微調整(fine adjustment)を行おうとする試みを止めて、第2信号期間に関連する新しい周波数の推定値を収束させるための粗調整を始めるかを決めることができる。信号の最低分解能バージョンは、最速変化バージョンでもあることに注意すべきである。従って、Low−Res周波数カウンタ308は、数マイクロ秒から数ミリ秒のオーダーで発生するイベントをカウントできる一方で、Hi−Res周波数カウンタ309は、数マイクロ秒から数秒のオーダーで発生するイベントをカウントできる。
【0037】
図4A〜4Bは、例えば、自動周波数プリスケーラ200又は300を有するオシロスコープ100を用いて、推定イベント信号周波数に基いて、イベント信号を自動的にプリスケールする方法400の実施形態のフローチャートである。方法400は、例えば、オシロスコープのポートに入力信号が挿入されたときに、ブロック401で始まる。方法400は、反復ループを採用し、よって、オシロスコープは、ブロック405で、この方法が完了したか判断する。言い換えると、オシロスコープは、後述のように、ループ中に用いられる複数のタスクが完了したかを判断する。もしそうなら、方法400は、終了ブロック403へ進む。もし違うなら、方法400は、ブロック407へ進み、入力信号の信号エッジ又は他の高度トリガが、比較回路/高度トリガ・モードをトリガし、Aイベント又はBイベントが生じたことを示したかを判断する。もしトリガが発生していないなら、方法400は、トリガが発生するまでブロック405へ戻る。トリガが発生したら、方法400はブロック409へ進む。
【0038】
ブロック409では、先の(last:最後の)トリガ・イベントからの経過時間が求められる。例えば、経過時間は、200フェムト秒(fs)分解能を有する54ビット・デルタ・カウンタを含むHFD118 SBTL ASICのような特定用途向け集積回路(ASIC)によって求めても良い。経過時間は、先の反復で使用されたBイベントの個数で割り算される。使用されるBイベントの個数は、1/3秒毎に表示を更新するのに必要とされるBイベントの個数と等しいとしても良い。経過時間は、先の反復で採用されたハードウェアの除数/分周比でも割り算される。Bイベントの個数及びハードウェアの除数で割り算したときの経過時間の結果は、経過時間結果として保存される。更に、先の反復において取られた測定回数を収束値に向かって1つ増加させ、先の反復よりも、もう1回多い測定がオシロスコープによって行われるようにする。測定回数の値を1つ増加させることによって、方法400は、後述のように、イベント信号の周波数推定値が、いつ実際の周波数に収斂するか判断が可能になる。
【0039】
ブロック411では、方法400は、システムが周波数推定値を現在獲得しつつあるか判断する。もしその推定値が既に周波数値に収束しているなら、方法400はステップ421に進む。もし方法400が周波数推定値を現在獲得しつつあるなら、方法400は、ステップ413へ進む。ステップ413では、現在採用されているハードウェア除数と、ステップ409で求められた経過時間結果とに基いて、全てのBイベントを抜かすことなく、1/3秒毎に表示を更新するのに必要とされるBイベントの個数が求められる(例えば、最適な表示トリガ・イベント・カウント値)。更に、推定信号周波数が、経過時間結果から求められる。推定信号周波数は、1/経過時間結果に等しい。毎秒所定回数(例えば、毎秒3回)の周波数更新を実現するための最適な表示トリガ・イベント・カウント値は、数学的には、次のように表現できる。
【0040】
数式1
最適表示トリガ・イベント・カウント値=(周波数/3)/(分周比)
【0041】
例えば、最適表示トリガ・イベント・カウント値は、毎秒13桁の精度が得られるように選択される。ユーザは、表示リフレッシュ・レートが遅くなるという犠牲を払っても、もっと高い精度を得るために、計算された最適表示トリガ・イベント・カウント値を覆しても良い。例えば、Bイベントをトリガするイベントをカウントした個数における各10個の増減に関して、精度の桁数を増減させても良い。
【0042】
ブロック415では、1つの分周回路に対応する1つの分周比が、ブロック413からのイベント信号の推定周波数に基いて選択される。例えば、もし推定周波数が1.25e
9より小さければ1の、2.50e
9より小さければ2の、5.0e
9より小さければ4の、10.0e
9より小さければ8の、20.00e
9より小さければ16の分周比が選択され、その他の推定周波数については32の分周比が選択される。分周比が選択されると、方法400はブロック417へ進み、ステップ409の増加させた測定回数が、予め定めた収束推定値(例えば、4に設定される)を超えたか判断する。もし違えば、方法400は、ブロック405に戻り、新たな反復を通り抜ける。もしそうであれば、推定周波数は、実際のイベント信号周波数であり、よって、方法400はブロック419へ進む。ブロック419では、ブロック413で計算されたBイベントの個数と、ブロック415で選択された分周比とに基いて、オシロスコープのシステムがセットアップされる。更に、周波数の推定が、ブロック419で完了する。次に、方法400は、ステップ405へ戻る。しかし、もし方法400がブロック419を横断した場合、方法400は、ブロック411で周波数推定ループから外れて、ブロック421へと進む。これは、将来の周波数推定について測定回数をゼロに設定し、推定値の獲得に関連する値を誤り(false:偽)に設定することによって、一部分では追従される。
【0043】
ブロック421では、実際の信号周波数が、先のブロックにおける推定値に基いて求められる。更に、トリガされたBイベントの個数のような累積的な統計値が、表示用に累積される。統計値としては、信号の最小値、最大値、平均及び標準偏差を含んでいても良い。これら統計値は、求めたイベント信号周波数及び行われた測定回数に基いて、求められる。続いて、方法400は、ブロック425に進み、ユーザが統計値をログ(log:記録)するか又は表示する要求をしたかを判断する。もし統計値がログされるのなら、方法400はブロック423に進み、統計値を
図6に示すような結果テーブル・ファイルにログする。また、統計値は、ユーザ入力に基づいて、そのログが取られた後は、表示/ログからクリアしても良い。方法400は、続いて、ステップ405に戻り、終了403か、又は、更に測定を行うかを判断する。
【0044】
もしロギングが必要ないなら、方法400は、ブロック427へと続く。ブロック427では、チャタリングを防ぐために、周波数ヒステレシス処理が採用される。この場合、イベント信号の周波数が、特定の分周比及び対応する分周回路に関連する上下の境界に近い場合に、チャタリングは生じる。もしイベント信号が、例えば、ノイズのために、その境界を繰り返し横断すると、オシロスコープは、その信号のための分周回路の再選択を繰り返し、チャタリングという結果になり得る。チャタリングを防ぐため、周波数ヒステレシス処理は、新しい分周比を選択する前に、周波数が、その対応する境界よりも、あるマージン(例えば、+又は−25MHz)より多く、上又は下に行くことを要求する。
【0045】
ブロック429では、方法400は、マージンを考慮した後に、イベント信号の周波数を異なる分周回路/分周比にマッピングするべきか判断する。例えば、各分周回路に関する上下の境界と共に、複数の境界の配列を用いても良い。計算された信号プラスマージンを、配列中の各境界に対して照合すると、イベント信号周波数を異なる分周回路にマッピングするべきか判断できる。もしそうであれば、方法400は、ブロック433に進み、新しい周波数推定値を取る準備をする。ブロック433に進むことは、本当の信号変化が生じたことを示し、よって、新しいシステムのセットアップが必要かもしれない。こうした場合、推定値を取るのに関連する値が、真(True)に設定され、その推定処理が開始される。例えば、分周比は、本当の周波数値に戻す反復処理のために、最大分周比にリセットされ、Bイベントの個数及び行うべき測定回数は初期値(例えば、ゼロ)などにリセットされる。
【0046】
もしイベント信号周波数が、境界をマージンよりも多く横断しないなら、いずれの横断もノイズとみなされ、よって、ブロック431で、現在の周波数推定値が維持される。続いて、方法400は、新しい周波数推定値を取るか、又は、複数の分周回路それぞれを変更することなく信号の分析を続けるか、のいずれかのために、ステップ405に戻る。自動周波数プリスケーラと共に、方法400を用いることによって、オシロスコープは、連続的にイベント信号の周波数を求め、求めた周波数に基いて、そのイベント信号に最適な分周比の分周回路を自動的に選択できる。従って、関連するサンプリング・ハードウェアの制約にかかわらず、単一の入力部を、自動的かつダイナミックに、どのような周波数でも受けるように構成できる。ある実施形態では、方法400は、ソフトウェア・コードを用いて実現しても良い。ブロック427、429、431及び433の周波数ヒステレシス処理は、ブロック425の結果に依存することがあることに注意すべきである。例えば、ブロック427、429、431及び433の周波数ヒステレシス処理は、ステップ421の間に生じても良く、また、イベント信号/入力信号についての統計値を蓄積しながら、必要な場合に、異なる分周回路を選択するのに利用しても良い。
【0047】
図5は、オシロスコープ100が、方法400に従った自動周波数プリスケーラ200又は300を利用し、自動周波数プリスケール信号を1兆当たり1区画(1 part per trillion)の精度で表示するというような、オシロスコープのグラチクル500の実施形態を示す。グラチクル500及び対応するユーザ・インタフェースは、Aトリガ・イベント及びN番目のBトリガ・イベントに従って補足された信号を描写する。グラチクル500上に示されるように、周波数に関係なく、信号を捕捉するのに単一の入力部を利用しながら、それでも非常に高いレベルの精度を維持する。示したケースでは、信号は、10.00000000001GHzで測定されている。
【0048】
図6は、方法400に従った自動周波数プリスケーラ200又は300のような自動周波数プリスケーラを利用するオシロスコープ100のようなオシロスコープのためのユーザ・インタフェース600の実施形態を示す。ユーザは、オシロスコープの操作装置と共に、ユーザ・インタフェース600を利用して、オシロスコープのコントロール・システムを操作する。示すように、オシロスコープは、イベント信号の信号源周波数を求め、それに応じてトリガを設定し、その結果を
図6に示すようにグラチクル上や対応するテーブル/ログ上に表示できる。本願で開示されるように、周波数測定技術と分周回路の制御を利用することによって、先に示したように、単一の入力部を利用しながら、より高い帯域及びより低い帯域の周波数の両方を捕捉し、表示できる。
【0049】
本発明の実施形態は、特に形成されたハードウェア上、ファームウェア上、デジタル・シグナル・プロセッサ、又は、プログラムされた命令に従って動作するプロセッサを含む特別にプログラムされた汎用コンピュータ上で動作しても良い。本願で用いられる用語「コントローラ」又は「プロセッサ」は、マイクロプロセッサ、マイクロコンピュータ、ASIC、専用ハードウェア・コントローラを含むことを意図している。本発明は、別の観点から見れば、1つ以上のコンピュータ(モニタリング・モジュールを含む)や他の装置で実行される1つ以上のプログラム・モジュールのようなコンピョータで利用可能なデータやコンピョータで実行可能な命令の形で実現されてもよい。一般に、プログラム・モジュールには、複数のルーチン、複数のプログラム、複数のオブジェクト、複数のコンポーンネント、複数のデータ構造などが含まれ、これらは、コンピュータなどの装置中のプロセッサで実行されたときに、特定のタスクを実行したり、抽象データ型(abstract data type)を実現する。コンピョータで実行可能な命令は、ハード・ディスク、光ディスク、リムーバブル記録媒体、ソリッド・ステート・メモリ、RAMなどのような非一時的なコンピュータ読み出し可能なメディアに記録しても良い。当業者にとっては当然ながら、複数のプログラム・モジュールの機能は、必要に応じて、種々の実施形態において、組み合わせたり、個別に分けたりしても良い。加えて、これら機能は、その全体又はその一部が、集積回路やFPGA(field programmable gate arrays)のようなファームウェアやハードウェアの形の等価なもので実現されても良い。特定のデータ構造は、本発明のいくつかの観点を実現するのに効率良く利用でき、こうしたデータ構造は、本願で言うコンピュータで実行可能な命令やコンピュータで利用可能なデータの範囲に含まれると考えられる。
【0050】
開示した内容の先に説明したバージョンには、記述したか又は当業者には明らかであろう多くの利点がある。そうだとしても、これら利点又は機能の全てが、開示される装置、システム又は方法の全てのバージョンで必要ということではない。
【0051】
加えて、この書かれた説明は、特定の機能に言及している。この明細書中の発明は、これら特定の機能の有り得る全ての組み合わせを含むと理解すべきである。例えば、特定の観点又は実施形態の状況において特定の機能が開示されているが、その機能は、可能な限り、別の観点又は実施形態という状況においても利用できる。
【0052】
また、2つ以上の定義されたステップ又は工程を有する方法に言及する場合、その定義されたステップ又は工程は、任意の順番又は同時に(ただし、その状況がこれらの可能性を排除しない限り)実行できる。
【0053】
説明の都合上、本発明の特定の実施形態を図示し、説明してきたが、本発明の趣旨と範囲から離れることなく、種々の変更を行って良いことが理解されよう。本発明の種々の概念は、例えば、次のように説明しても良い。
【0054】
本発明の概念1は、試験測定装置であって、
入力信号(125)を受けるよう構成される入力ポートと、
それぞれ上記入力信号中のイベントを示すイベント信号を所定の整数値でスケール(scale)する複数の分周比を用いる1つ以上の分周回路(205/305)と、
上記イベント信号の推定信号周波数を反復して求め(413)、上記推定信号周波数に基いて上記イベント信号のための分周比を自動的に求める(415)よう構成されるコントロール・システム(210/310)と
を具えている。
【0055】
本発明の概念2は、上記概念1の試験測定装置であって、上記イベント信号中のトリガ・イベントの個数をカウントし、そのカウント値を上記コントロール・システムへと送るよう構成される周波数レンジ・カウンタ(209/309)を更に具え、上記コントロール・システムが、更に、トリガ・イベントのカウントした個数に基いて経過時間結果(elapsed time result)を求める(409)よう構成され、また、上記コントロール・システムが、求めた上記経過時間結果に基いて、上記推定信号周波数を求める(413)ことを特徴としている。
【0056】
本発明の概念3は、上記概念2の試験測定装置であって、上記周波数レンジ・カウンタ(309)に加えて、低分解能周波数カウンタ(308)を更に具え、該低分解能周波数カウンタは、連続して最大分周比でスケールさせたイベント信号を受けて、イベント信号中の非漸増(non-incremental)周波数変化を検出するために、得られる低分解能カウント値をコントロール・システム(310)へ送る。
【0057】
本発明の概念4は、上記概念1の試験測定装置であって、このとき、上記コントロール・システムが、更に、
1秒当たり所定個数の測定値がもたらされる最適な表示トリガ・イベント・カウント値を求め(413)、
選択された上記分周比及び最適な表示トリガ・イベント・カウント値を用いてイベント信号を表示する(419)。
【0058】
本発明の概念5は、上記概念1の試験測定装置であって、反復して上記イベント信号の上記推定信号周波数を求める処理が、測定回数が所定の収束推定値を超えるまで、各反復毎に取られる測定回数を1つずつ増加させる処理を含んでいる。
【0059】
本発明の概念6は、上記概念1の試験測定装置であって、このとき、上記分周比を選択する処理は、周波数レンジのチャタリングを防止するため、第2除数を選択する前に、第1除数に関連するレンジから、マージンを加えて推定信号周波数を変化させることを要求する周波数ヒステレシス処理を用いる処理(427〜433)を含んでいる。
【0060】
本発明の概念7は、試験測定装置で実現される方法であって、この方法は、
1つの入力部を介して入力信号(125)を受ける処理と、
上記入力信号中のイベントを示すイベント信号の推定信号周波数を反復して求める処理(413)とを具え、
上記試験測定装置による信号処理のために、上記推定信号周波数に基いて、上記イベント信号のための分周比、対応する分周回路(205/305)を自動的に選択し、予め定めた整数値によって、選択された上記分周比で上記イベント信号をスケールする。
【0061】
本発明の概念8は、上記概念7の方法であって、
周波数レンジ・カウンタ(209/309)を用いて、上記イベント信号中のトリガ・イベントの個数をカウントする処理(409)と、
カウントされたトリガ・イベントの個数に基いて、経過時間結果を求める処理(409)と、
上記経過時間結果を用いて、上記推定信号周波数を求める処理(413)と
を更に具えている。
【0062】
本発明の概念9は、上記概念7の方法であって、このとき、上記分周比は、最大分周比でスケールされたイベント信号を連続的に受けて、上記イベント信号中の非漸増周波数変化を検出する低分解能カウンタ(309)に基いて選択される。
【0063】
本発明の概念10は、上記概念7の方法であって、
1秒当たり所定数の測定値をもたらす最適な表示トリガ・イベント・カウント値を求める処理(413)と、
選択された上記分周比と最適な表示トリガ・イベント・カウント値を用いて、試験測定装置のスクリーン上に上記イベント信号を表示する処理(419)と
を更に具えている。
【0064】
本発明の概念11は、上記概念7の方法であって、このとき、上記イベント信号の上記推定信号周波数を反復して求める処理は、各反復を引き継いだ測定の回数を、該測定の回数が予め定めた収束推定値を超える(417)まで、1つずつ増加させる処理(409)を含む。
【0065】
本発明の概念12は、上記概念7の方法であって、このとき、上記分周比を選択する処理は、周波数レンジのチャタリングを防止するため、第2除数を選択する前に、第1除数に関連するレンジから、マージンを加えて推定信号周波数を変化させることを要求する周波数ヒステレシス処理を用いる処理(427〜433)を含んでいる。
【0066】
本発明の概念13は、試験及び測定を実施するよう構成されるプロセッサで実行するためのコンピュータ・プログラムの生成物を蓄積した非一時的なコンピュータ読み出し可能媒体であって、上記コンピュータ・プログラムは、上記プロセッサに、
1つの入力部(201/301)を介して入力信号(125)を受ける処理と、
上記入力信号中のイベントを示すイベント信号の推定信号周波数を反復して求める処理(413)とを具え、
上記試験測定装置による信号処理のために、上記推定信号周波数に基いて、上記イベント信号のための分周比、対応する分周回路(205/305)を自動的に選択し、予め定めた整数値によって、選択された上記分周比で上記イベント信号をスケール(scale)する方法を実行させる。
【0067】
本発明の概念14は、上記概念13のコンピュータ読み出し可能媒体であって、このとき、実行される上記方法は、
1秒当たり所定数の測定値をもたらす最適な表示トリガ・イベント・カウント値を求める処理(413)と、
選択された上記分周比と最適な表示トリガ・イベント・カウント値を用いて、試験測定装置のスクリーン上に上記イベント信号を表示する処理(419)と
を更に具えている。
【0068】
本発明の概念15は、上記概念13のコンピュータ読み出し可能媒体であって、このとき、上記分周比を選択する処理は、周波数レンジのチャタリングを防止するため、第2除数を選択する前に、第1除数に関連するレンジから、マージンを加えて推定信号周波数を変化させることを要求する周波数ヒステレシス処理を用いる処理(427〜433)を含んでいる。