特許第6864519号(P6864519)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6864519研磨用組成物、磁気ディスク基板の製造方法および磁気ディスクの研磨方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6864519
(24)【登録日】2021年4月6日
(45)【発行日】2021年4月28日
(54)【発明の名称】研磨用組成物、磁気ディスク基板の製造方法および磁気ディスクの研磨方法
(51)【国際特許分類】
   G11B 5/84 20060101AFI20210419BHJP
   B24B 37/00 20120101ALI20210419BHJP
   C09K 3/14 20060101ALI20210419BHJP
   C09G 1/02 20060101ALI20210419BHJP
   H01L 21/304 20060101ALN20210419BHJP
【FI】
   G11B5/84 A
   B24B37/00 H
   C09K3/14 550D
   C09G1/02
   !H01L21/304 622D
【請求項の数】5
【全頁数】17
(21)【出願番号】特願2017-70453(P2017-70453)
(22)【出願日】2017年3月31日
(65)【公開番号】特開2018-174009(P2018-174009A)
(43)【公開日】2018年11月8日
【審査請求日】2019年9月18日
(73)【特許権者】
【識別番号】000236702
【氏名又は名称】株式会社フジミインコーポレーテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100117606
【弁理士】
【氏名又は名称】安部 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100136423
【弁理士】
【氏名又は名称】大井 道子
(74)【代理人】
【識別番号】100154449
【弁理士】
【氏名又は名称】谷 征史
(74)【代理人】
【識別番号】100142239
【弁理士】
【氏名又は名称】福富 俊輔
(72)【発明者】
【氏名】大山 貴治
(72)【発明者】
【氏名】神谷 知秀
(72)【発明者】
【氏名】横道 典孝
【審査官】 中野 和彦
(56)【参考文献】
【文献】 特開2014−187348(JP,A)
【文献】 特開2015−203108(JP,A)
【文献】 特開2012−000700(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G11B 5/84
B24B 37/00
C09G 1/02
C09K 3/14
H01L 21/304
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
シリカ粒子を含む砥粒と、水と、を含む研磨用組成物であって、
前記砥粒は、小径側からの個数基準の累積粒度分布における累積0〜5%のD0−5粒子の平均アスペクト比が1〜1.25であり、小径側からの前記累積粒度分布における累積5%粒子径D5が30nm以下であり、かつ、全粒子の平均アスペクト比が1〜1.30である、研磨用組成物。
【請求項2】
前記砥粒は、小径側からの前記累積粒度分布における累積5%粒子径D5と累積50%粒子径D50との関係が、次式:0.3≦D5/D50;を満たす、請求項1に記載の研磨用組成物。
【請求項3】
磁気ディスク基板の研磨に用いられる、請求項1または2に記載の研磨用組成物。
【請求項4】
請求項1〜の何れか一項に記載の研磨用組成物を用意すること、および、
前記研磨用組成物を磁気ディスク基板に供給して該磁気ディスク基板を研磨することを含む、磁気ディスク基板の製造方法。
【請求項5】
請求項1〜の何れか一項に記載の研磨用組成物を磁気ディスク基板に供給して該磁気ディスク基板を研磨することを含む、磁気ディスク基板の研磨方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、研磨用組成物、該研磨用組成物を用いる磁気ディスク基板の製造方法および磁気ディスク基板の研磨方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、金属や半金属、非金属、その酸化物等の材料表面に対して、研磨用組成物を用いた研磨加工が行われている。例えば、高精度な表面が要求される研磨物の製造プロセスにおいては、一般に、より研磨効率を重視した研磨(一次研磨)と、最終製品の表面精度に仕上げるために行う最終研磨工程(仕上げ研磨工程)とが行われている。ニッケルリンめっきが施されたディスク基板(Ni−P基板)を研磨する用途で使用される研磨用組成物に関する従来技術として、特許文献1が挙げられる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2010−167553号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
近年、Ni−P基板等のディスク基板その他の基板について、より高品位の表面が要求されるようになってきており、かかる要求に対応し得る研磨用組成物の検討が種々行われている。例えば特許文献1には、研磨用組成物に含まれる含有成分(砥粒、ポリマー等)の工夫により、生産性を損なうことなく、研磨後の基板のスクラッチおよび表面粗さを低減できる技術が記載されている。しかし、このような技術によっても研磨後の表面品質に関する近年の要求レベルには充分に対応できない場合があった。
【0005】
そこで本発明は、研磨後の表面に存在するスクラッチの数を効果的に低減し得る研磨用組成物を提供することを目的とする。本発明の他の目的は、かかる研磨用組成物を用いた
ディスク基板の研磨方法を提供することである。関連する他の目的は、スクラッチ数の低減された表面を備えたディスク基板を製造する方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明によると、シリカ粒子を含む砥粒と、水と、を含む研磨用組成物が提供される。前記砥粒は、小径側からの個数基準の累積粒度分布における累積0〜5%のD0−5粒子の平均アスペクト比が1〜1.25であり、かつ、全粒子の平均アスペクト比が1〜1.30である。かかる研磨用組成物によると、研磨後の表面においてスクラッチの数を効果的に低減することができる。
【0007】
ここに開示される研磨用組成物の好ましい一態様では、前記砥粒は、小径側からの前記累積粒度分布における累積5%粒子径D5と累積50%粒子径D50との関係が、次式:0.3≦D5/D50;を満たす。このような砥粒のD5/D50比の範囲内であると、上述したスクラッチ数低減効果がより効果的に発揮され得る。
【0008】
ここに開示される研磨用組成物の好ましい一態様では、前記砥粒は、小径側からの前記累積粒度分布における累積5%粒子径D5が、30nm以下である。このような砥粒の累積5%粒子径の範囲内であると、上述したスクラッチ数低減効果がより良く発揮され得る。
【0009】
ここに開示される研磨用組成物は、例えば、磁気ディスク基板を研磨するための研磨用組成物として好適である。磁気ディスク基板の分野では、高容量化や高信頼性のために、よりスクラッチの少ない表面が求められている。したがって、磁気ディスク基板は、ここに開示される技術の好ましい適用対象となり得る。
【0010】
この明細書によると、また、磁気ディスク基板の製造方法が提供される。その製造方法は、ここに開示されるいずれかの研磨用組成物を用意すること、および、前記研磨用組成物を磁気ディスク基板に供給して該磁気ディスク基板を研磨することを包含する。この製造方法によると、スクラッチが高度に抑制された高品質の表面を有する磁気ディスク基板を製造することができる。ここに開示される研磨用組成物は、特に、磁気ディスク基板の最終研磨工程(仕上げ研磨工程)に好適である。
【0011】
この明細書によると、さらに、磁気ディスク基板の研磨方法が提供される。その研磨方法は、ここに開示されるいずれかの研磨用組成物を磁気ディスク基板に供給して該磁気ディスク基板を研磨することを含む。この研磨方法によると、スクラッチが高度に抑制された高品質の表面を実現することができる。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明の好適な実施形態を説明する。なお、本明細書において特に言及している事項以外の事柄であって本発明の実施に必要な事柄は、当該分野における従来技術に基づく当業者の設計事項として把握され得る。本発明は、本明細書に開示されている内容と当該分野における技術常識とに基づいて実施することができる。
【0013】
<砥粒>
ここに開示される研磨用組成物は砥粒を含む。この砥粒は、小径側からの累積粒度分布における累積0〜5%のD0−5粒子の平均アスペクト比が1〜1.25であり、かつ、全粒子の平均アスペクト比が1〜1.30である。ここでD0−5粒子とは、個数基準の累積粒度分布(小径側からの累積個数分布)において小径側からの累積が0〜5%の範囲内に該当する粒子径を有する粒子のことをいう。上記累積個数分布は、典型的には、横軸を粒子径とし、縦軸を累積個数(%)とするグラフにおいて、累積0%および粒子径の小径側の端(左下)から右上に延びて、累積100%および粒子径の大径側の端(右上)に到達する曲線によって表される。D0−5粒子は、小径側から個数基準で5%を占める小径粒子である。また、砥粒の全粒子とは、個数基準の累積粒度分布において小径側からの累積が0〜100%の範囲内に該当する粒子径を有するD0−100粒子、すなわち粒子全体のことである。ここに開示される砥粒は、相対的に小さい粒子径を有するD0−5粒子の平均アスペクト比が1〜1.25であり、かつ粒子全体の平均アスペクト比が1〜1.30であることにより、該粒子を含む研磨用組成物を用いた研磨後の表面においてスクラッチの数を効果的に低減することができる。
【0014】
上記のような効果が得られる理由としては、特に限定的に解釈されるものではないが、例えば以下のように考えられる。すなわち、砥粒の粒子全体の平均アスペクト比が1〜1.30を満たす研磨用組成物は、球形か球形に近い砥粒が転がり移動しやすくなるため加工が安定し、研磨後の表面品質が向上すると考えられる。しかし、例えば一般的な球形のシリカであっても小径側には形状が球形から歪んだ異形粒子を含むことがある。そのため、粒子全体の平均アスペクト比を低減しても、該小径の異形粒子が球形粒子に対する楔(くさび)の役割を果たすことで、球形粒子であっても局所的に砥粒が転がりにくくなる。そのため、研磨後の表面にスクラッチが生じやすくなる。これに対して、D0−5粒子の平均アスペクト比が1〜1.25である砥粒は、上記楔となり得る小径の粒子がより球形に近い形状である。そのような球形度の高い小径粒子は、研磨時において上記楔になりにくいため、局所的に砥粒が転がりにくくなる事象が生じ難い。このことがスクラッチの低減に寄与するものと考えられる。
【0015】
ここに開示される砥粒のD0−5粒子の平均アスペクト比は、通常は1.25以下であり、スクラッチをより良く低減する等の観点から、好ましくは1.24以下、より好ましくは1.23以下、さらに好ましくは1.22以下である。また、上記D0−5粒子の平均アスペクト比は、原理上1以上であり、その下限値は特に限定されないが、例えば1.05以上、典型的には1.08以上であり得る。ここに開示される技術は、例えば研磨用組成物における砥粒のD0−5粒子の平均アスペクト比が1.11以上1.21以下である態様で実施され得る。
【0016】
ここに開示される砥粒の粒子全体の平均アスペクト比は、1.30以下であることが適当である。粒子全体の平均アスペクト比の低減によって、砥粒が転がり移動しやすくなるため加工が安定し、スクラッチがより好ましく低減され得る。粒子全体の平均アスペクト比は、好ましくは1.28以下、より好ましくは1.25以下(例えば1.2以下)である。また、上記全粒子の平均アスペクト比は、原理上1以上であり、その下限値は特に限定されないが、例えば1.03以上、典型的には1.08以上であってもよい。
【0017】
砥粒のD0−5粒子の平均アスペクト比A0−5は、粒子全体の平均アスペクト比Aallより大きくてもよい。すなわち、A0−5>Aallであってもよい。あるいは、A0−5は、Aallより小さくてもよい。すなわち、A0−5<Aallであってもよい。
【0018】
上記砥粒のD0−5粒子および全粒子の平均アスペクト比は、使用する砥粒粒子の選択やその組み合わせによって調整することができる。例えば、より球形に近い小径の粒子をより大径の粒子と適切な重量比で混合したり、市販の砥粒から小径の異形粒子を取り除いたりすることによって、上述した砥粒の粒子全体およびD0−5粒子の平均アスペクト比をここに開示される適切な範囲に調整することができる。
【0019】
なお、この明細書中において、D0−5粒子および全粒子の平均アスペクト比はそれぞれ、該当する累積範囲における粒子の個数平均アスペクト比である。D0−5粒子および粒子全体の平均アスペクト比は、具体的には次の方法により求められる。すなわち、透過型電子顕微鏡(Transmission Electron Microscope:TEM、日立ハイテクノロジーズ社製STEM HD−2700)を用いて、測定対象の砥粒(1種類の砥粒粒子であってもよく、2種類以上の砥粒粒子の混合物であってもよい。)に含まれるTEMにて観察可能な1000個以上の粒子を、1視野内に100個程度観察可能な倍率(例えば200000倍〜400000倍)で撮影し、TEM画像を取得する。そして、各粒子画像に外接する最小の長方形について、その長辺の長さ(長径の値)を短辺の長さ(短径の値)で除した値を各粒子の長径/短径比(アスペクト比)として算出する。また、各粒子の画像から各粒子の面積を算出し、算出された面積と同一の面積を有する理想円(真円)の直径を各粒子の粒子径として算出する。すなわち、測定対象とする砥粒の累積粒度分布は、当該砥粒を構成する個々の粒子について上記算出された粒子径を横軸に、累積個数(%)を縦軸にプロットすることにより求められる。そして、上記所定個数の粒子のアスペクト比から、小径側からの上記累積粒度分布における所定の累積範囲の粒子の個数平均アスペクト比を算術平均することにより、D0−5粒子および全粒子の平均アスペクト比を求めることができる。上記各アスペクト比は、マウンテック社製画像解析ソフトウエアMacViewを用いて求めることができる。後述の実施例についても同様である。
【0020】
ここに開示される砥粒の粒子径は特に限定されないが、典型的には、小径側からの上記累積粒度分布における累積50%粒子径D50が5nm以上の砥粒が用いられることが好ましい。累積50%粒子径の増大によって、より高い研磨速度が実現され得る。上記累積50%粒子径は、研磨レート等の観点から、好ましくは10nm以上、より好ましくは15nm以上である。また、上記砥粒の累積50%粒子径は、例えば100nm以下であり得る。より高品質な表面を得るという観点から、上記累積50%粒子径は、例えば80nm以下、好ましくは60nm以下、より好ましくは50nm以下、さらに好ましくは40nm以下、特に好ましくは30nm以下である。ここに開示される技術は、例えば、上記累積50%粒子径が15nm以上35nm以下、さらには15nm以上30nm以下の砥粒を用いる態様で好ましく実施され得る。
【0021】
上記砥粒の小径側からの累積粒度分布における累積5%粒子径D5は、例えば30nm以下であり得る。このような累積5%粒子径の範囲内であると、上述したスクラッチ数低減効果がより良く発揮され得る。より高品質な表面を得るという観点から、上記砥粒の累積5%粒子径は、好ましくは28nm以下、より好ましくは25nm以下である。また、上記砥粒の累積5%粒子径は、例えば、1nm以上であり得る。製造容易性等の観点から、上記砥粒の累積5%粒子径は、例えば3nm以上、好ましくは5nm以上、より好ましくは10nm以上である。ここに開示される技術は、例えば、上記累積5%粒子径が8nm以上30nm以下、さらには10nm以上25nm以下の砥粒を用いる態様で好ましく実施され得る。
【0022】
スクラッチ数低減効果をより効果的に発揮させる観点から、小径側からの上記累積粒度分布における累積5%粒子径D5と累積50%粒子径D50との関係が、0.3≦D5/D50を満たすことが好ましい。ここに開示される技術は、例えば、砥粒のD5とD50との関係が、0.4≦D5/D50、より好ましくは0.5≦D5/D50である態様で好ましく実施され得る。
【0023】
(シリカ粒子)
ここに開示される研磨用組成物は、砥粒としてシリカ粒子を含む。上記砥粒に含まれるシリカ粒子は、シリカを主成分とする各種のシリカ粒子であり得る。ここで、シリカを主成分とするシリカ粒子とは、該粒子の90重量%以上(通常は95重量%以上、典型的には98重量%以上)がシリカである粒子をいう。使用し得るシリカ粒子の例としては、特に限定されないが、コロイダルシリカ(例えば、ケイ酸ソーダ法シリカ、アルコキシド法シリカ等)、フュームドシリカ、沈降シリカ等が挙げられる。ここに開示される研磨用組成物における砥粒は、上記のようなシリカ粒子の1種を単独でまたは2種以上を組み合わせて含むものであり得る。ここに開示される技術の一態様において、研磨用組成物に含まれる砥粒の全重量のうちシリカ粒子の重量は、例えば50重量%以上であってよく、70重量%以上であってもよく、85重量%以上であってもよく、95重量%以上であってもよく、99重量%以上であってもよい。シリカ粒子以外の砥粒を実質的に含有しない組成(例えば、シリカ粒子以外の砥粒の含有量が砥粒全体の0〜0.1重量%である組成)の研磨用組成物であってもよい。
【0024】
シリカの粒子形状は、砥粒のD0−5粒子およびD0−100粒子の平均アスペクト比が前記範囲を満たす限りにおいて特に限定されず、例えば球形であってもよく、非球形であってもよい。
【0025】
(シリカ粒子以外の粒子)
ここに開示される研磨用組成物は、シリカ粒子以外の粒子を含有することができる。シリカ粒子以外の粒子としては、無機粒子、有機粒子、および有機無機複合粒子のいずれも利用可能である。無機粒子の具体例としては、酸化セリウム粒子、酸化クロム粒子、二酸化チタン粒子、酸化ジルコニウム粒子、二酸化マンガン粒子、酸化亜鉛粒子、ベンガラ粒子等の酸化物粒子;窒化ケイ素粒子、窒化ホウ素粒子等の窒化物粒子;炭化ケイ素粒子、炭化ホウ素粒子等の炭化物粒子;ダイヤモンド粒子;炭酸カルシウムや炭酸バリウム等の炭酸塩;等が挙げられる。有機粒子の具体例としては、ポリメタクリル酸メチル(PMMA)粒子やポリ(メタ)アクリル酸粒子(ここで(メタ)アクリル酸とは、アクリル酸およびメタクリル酸を包括的に指す意味である。)、ポリアクリロニトリル粒子等が挙げられる。これらシリカ粒子以外の砥粒は、1種を単独でまたは2種以上を組み合わせて用いることができる。
【0026】
<研磨用組成物>
(水)
ここに開示される研磨用組成物は、典型的には、上述のような砥粒の他に、該砥粒を分散させる水を含有する。水としては、イオン交換水(脱イオン水)、純水、超純水、蒸留水等を好ましく用いることができる。
【0027】
ここに開示される研磨用組成物(典型的にはスラリー状の組成物)は、例えば、その固形分含量が0.5重量%〜30重量%である形態で好ましく実施され得る。上記固形分含量が1重量%〜20重量%である形態がより好ましい。
【0028】
<ポリマー>
ここに開示される研磨用組成物は、ポリマーを含有することが好ましい。ここでいうポリマーとは、同一(単独重合体;ホモポリマー)もしくは相異なる(共重合体;コポリマー)繰り返し構成単位を有する化合物をいい、典型的には重量平均分子量(Mw)が500以上(好ましくは1000以上)の化合物であり得る。かかるポリマーは水溶性の高分子であることが好ましい。ポリマーを研磨用組成物に含有させることにより、研磨後の面精度が向上し得る。ポリマーの種類としては特に制限はなく、アニオン性ポリマー、ノニオン性ポリマー、カチオン性ポリマー、両性ポリマーのいずれも使用可能である。そのなかでもアニオン性ポリマーを含むことが好ましい。アニオン性ポリマーとしては、カルボン酸系重合体、スルホン酸系重合体などが挙げられる。
ポリマーの具体例としては、例えば、ナフタレンスルホン酸ホルムアルデヒド縮合物、メチルナフタレンスルホン酸ホルムアルデヒド縮合物、アントラセンスルホン酸ホルムアルデヒド等のポリアルキルアリールスルホン酸系化合物;メラミンスルホン酸ホルムアルデヒド縮合物等のメラミンホルマリン樹脂スルホン酸系化合物;リグニンスルホン酸、変成リグニンスルホン酸等のリグニンスルホン酸系化合物;アミノアリールスルホン酸−フェノール−ホルムアルデヒド縮合物等の芳香族アミノスルホン酸系化合物;その他、ポリアクリル酸、ポリ酢酸ビニル、ポリマレイン酸、ポリイタコン酸、ポリビニルアルコール、ポリグリセリン、ポリビニルピロリドン、ポリビニルピロリドンポリアクリル酸共重合体、ポリビニルピロリドン酢酸ビニル共重合体、ジアリルアミン塩酸塩・二酸化硫黄共重合体、カルボキシメチルセルロース、カルボキシエチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、プルラン、キトサン等が挙げられる。水溶性高分子は、1種を単独でまたは2種以上を組み合わせて用いることができる。
【0029】
上記ポリマーの含有量(複数のポリマーを含む態様では、それらの合計含有量)は特に制限はないが、例えば0.0001重量%以上とすることが適当である。上記含有量は、研磨後の研磨対象物(例えば磁気ディスク基板)の表面平滑性等の観点から、好ましくは0.001重量%以上、より好ましくは0.01重量%以上、さらに好ましくは0.02重量%以上である。また、研磨レート等の観点から、上記含有量は、0.2重量%以下とすることが適当であり、好ましくは0.15重量%以下、例えば0.1重量%以下である。
【0030】
好ましい一態様では、ポリマーとしてスルホン酸系重合体が用いられる。ここでスルホン酸系重合体とは、該スルホン酸系重合体を構成するモノマー単位として、1分子中に少なくとも一つのスルホン酸基を有する単量体(モノマー)に由来する構成単位Xを含む重合体をいう。スルホン酸基を有する単量体としては、スチレンスルホン酸、イソプレンスルホン酸、ビニルスルホン酸、アリルスルホン酸、イソアミレンスルホン酸、2‐(メタ)アクリルアミド‐2‐メチルプロパンスルホン酸、メタリルスルホン酸等が挙げられる。スルホン酸系重合体は、上記スルホン酸基含有単量体に由来する構成単位Xを、1種または2種以上含んでいることが好ましい。また、スルホン酸基含有単量体以外の単量体に由来する成分を含有していてもよい。
【0031】
ここに開示されるスルホン酸系重合体の好適例として、実質的にスルホン酸基含有単量体由来の構成単位Xのみからなる高分子量のスルホン酸系重合体Aが挙げられる。換言すると、スルホン酸系重合体Aは、該重合体の分子構造に含まれる全構成単位のモル数に占める上記構成単位Xのモル数の割合(モル比)が99モル%以上(例えば99.9モル%以上、典型的には99.9〜100モル%)であることが好ましい。そのようなスルホン酸系重合体Aの例として、ここに開示されるスルホン酸基含有単量体の1種のみからなるホモポリマーやスルホン酸基含有単量体の2種以上からなる共重合体(コポリマー)が挙げられる。ホモポリマーの例として、ポリスチレンスルホン酸、ポリイソプレンスルホン酸、ポリビニルスルホン酸、ポリアリルスルホン酸、ポリイソアミレンスルホン酸等が例示される。
【0032】
上記スルホン酸系重合体Aの分子量は、研磨後の面精度を向上させる等の観点から、典型的には10×10以上、好ましくは20×10以上、より好ましくは30×10以上である。好ましい一態様において、スルホン酸系重合体Aの分子量は、40×10以上であってもよく、例えば45×10以上であってもよい。また、スルホン酸系重合体Aの分子量は、典型的には100×10以下であり、分散安定性や濾過性等の観点から、好ましくは80×10以下、より好ましくは60×10以下である。なお、スルホン酸系重合体Aの分子量としては、GPCにより求められる重量平均分子量(Mw)(水系、ポリエチレングリコール換算、溶媒:0.1M硝酸ナトリウム水溶液、流速:1ml/min、測定機器:東ソー社製HLC−8320GPC)を採用することができる。
【0033】
ここに開示されるスルホン酸系重合体の他の好適例として、(メタ)アクリル酸由来の構成単位とスルホン酸基含有単量体由来の構成単位Xとを含む低分子量の(メタ)アクリル酸/スルホン酸共重合体が挙げられる。なお、ここでいう「(メタ)アクリル酸」とは、アクリル酸およびメタクリル酸の一方または両方を包含する概念である。かかる(メタ)アクリル酸/スルホン酸共重合体は、上述したスルホン酸基含有単量体に由来する構成単位Xを、1種または2種以上含んでいてもよい。また、スルホン酸基含有単量体および(メタ)アクリル酸単量体以外の単量体に由来する成分を含有していてもよい。上記(メタ)アクリル酸/スルホン酸共重合体の例としては、(メタ)アクリル酸/イソプレンスルホン酸共重合体、(メタ)アクリル酸/2‐アクリルアミド‐2‐メチルプロパンスルホン酸共重合体、(メタ)アクリル酸/イソプレンスルホン酸/2‐アクリルアミド‐2‐メチルプロパンスルホン酸共重合体等が挙げられる。
【0034】
上記(メタ)アクリル酸/スルホン酸共重合体の分子量は、研磨後の面精度を向上させる等の観点から、典型的には500以上、好ましくは800以上、より好ましくは1000以上である。好ましい一態様において、(メタ)アクリル酸/スルホン酸共重合体の分子量は、1500以上であってもよく、例えば2000以上であってもよい。また、(メタ)アクリル酸/スルホン酸共重合体の分子量は、典型的には50000以下であり、分散安定性や濾過性等の観点から、好ましくは30000以下、より好ましくは20000以下、さらに好ましくは15000以下である。なお、(メタ)アクリル酸/スルホン酸共重合体の塩の分子量としては、GPCにより求められる重量平均分子量(Mw)(水系、ポリエチレングリコール換算、溶媒:0.1M硝酸ナトリウム水溶液、流速:1ml/min、測定機器:東ソー社製HLC−8320GPC)を採用することができる。
【0035】
ここで開示される研磨用組成物の好ましい一態様では、ポリマーとして、上述したスルホン酸系重合体Aと(メタ)アクリル酸/スルホン酸共重合体とが組み合わせて用いられる。スルホン酸系重合体Aと(メタ)アクリル酸/スルホン酸共重合体とを併用する場合、研磨用組成物におけるスルホン酸系重合体Aの含有量Wに対する(メタ)アクリル酸/スルホン酸共重合体の含有量Wの比(W/W)は、重量基準で、通常は1以上にすることが適当であり、好ましくは3以上、より好ましくは5以上、さらに好ましくは8以上である。上記比(W/W)の上限は特に限定されないが、通常は30以下にすることが適当であり、好ましくは25以下、より好ましくは20以下、さらに好ましくは15以下である。
【0036】
スルホン酸系重合体Aを用いる場合、研磨用組成物におけるスルホン酸系重合体Aの含有量は、例えば0.0001重量%以上とすることが適当であり、好ましくは0.0002重量%以上、より好ましくは0.001重量%以上、さらに好ましくは0.002重量%以上である。また、スルホン酸系重合体Aの含有量は、0.02重量%以下とすることが適当であり、好ましくは0.015重量%以下、例えば0.01重量%以下である。また、(メタ)アクリル酸/スルホン酸共重合体を用いる場合、研磨用組成物における(メタ)アクリル酸/スルホン酸共重合体の含有量は、例えば0.0001重量%以上とすることが適当であり、好ましくは0.001重量%以上、より好ましくは0.01重量%以上、さらに好ましくは0.02重量%以上である。また、(メタ)アクリル酸/スルホン酸共重合体の含有量は、0.2重量%以下とすることが適当であり、好ましくは0.15重量%以下、例えば0.1重量%以下である。
【0037】
(酸)
ここに開示される研磨用組成物は、研磨促進剤として酸を含む態様で好ましく実施され得る。好適に使用され得る酸の例としては、無機酸や有機酸(例えば、炭素原子数が1〜10程度の有機カルボン酸、有機ホスホン酸、有機スルホン酸、アミノ酸等)が挙げられるが、これらに限定されない。酸は、1種を単独でまたは2種以上を組み合わせて用いることができる。
【0038】
無機酸の具体例としては、リン酸、硝酸、硫酸、塩酸、次亜リン酸、ホスホン酸、ホウ酸、スルファミン酸等が挙げられる。
【0039】
有機酸の具体例としては、クエン酸、マレイン酸、リンゴ酸、グリコール酸、コハク酸、イタコン酸、マロン酸、イミノ二酢酸、グルコン酸、乳酸、マンデル酸、酒石酸、クロトン酸、ニコチン酸、酢酸、アジピン酸、ギ酸、シュウ酸、プロピオン酸、吉草酸、カプロン酸、カプリル酸、カプリン酸、シクロヘキサンカルボン酸、フェニル酢酸、安息香酸、クロトン酸、メタクリル酸、グルタル酸、フマル酸、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、グリコール酸、タルトロン酸、グリセリン酸、ヒドロキシ酪酸、ヒドロキシ酢酸、ヒドロキシ安息香酸、サリチル酸、イソクエン酸、メチレンコハク酸、没食子酸、アスコルビン酸、ニトロ酢酸、オキサロ酢酸、グリシン、アラニン、グルタミン酸、アスパラギン酸、バリン、ロイシン、イソロイシン、セリン、トレオニン、システイン、メチオニン、フェニルアラニン、トリプトファン、チロシン、プロリン、シスチン、グルタミン、アスパラギン、リシン、アルギニン、ニコチン酸、ピコリン酸、メチルアシッドホスフェート、エチルアシッドホスフェート、エチルグリコールアシッドホスフェート、イソプロピルアシッドホスフェート、フィチン酸、1−ヒドロキシエチリデン−1,1−ジホスホン酸、アミノトリ(メチレンホスホン酸)、エチレンジアミンテトラ(メチレンホスホン酸)、ジエチレントリアミンペンタ(メチレンホスホン酸)、エタン−1,1−ジホスホン酸、エタン−1,1,2−トリホスホン酸、エタン−1−ヒドロキシ−1,1−ジホスホン酸、エタンヒドロキシ−1,1,2−トリホスホン酸、エタン−1,2−ジカルボキシ−1,2−ジホスホン酸、メタンヒドロキシホスホン酸、2−ホスホノブタン−1,2−ジカルボン酸、1−ホスホノブタン−2,3,4−トリカルボン酸、α−メチルホスホノコハク酸、アミノポリ(メチレンホスホン酸)、メタンスルホン酸、エタンスルホン酸、アミノエタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸、2−ナフタレンスルホン酸等が挙げられる。
【0040】
研磨レートの観点から好ましい酸として、リン酸、硝酸、硫酸、スルファミン酸、フィチン酸、1−ヒドロキシエチリデン−1,1−ジホスホン酸、メタンスルホン酸等が例示される。なかでも硝酸、硫酸、リン酸、スルファミン酸、メタンスルホン酸が好ましい。
【0041】
研磨用組成物中に酸を含む場合、その含有量は特に限定されない。酸の含有量は、通常、0.1重量%以上が適当であり、0.5重量%以上が好ましく、0.8重量%以上(例えば1.2重量%以上)がより好ましい。酸の含有量が少なすぎると、研磨レートが不足しやすくなり、実用上好ましくない場合がある。酸の含有量は、通常、15重量%以下が適当であり、10重量%以下が好ましく、5重量%以下(例えば3重量%以下)がより好ましい。酸の含有量が多すぎると、研磨対象物の面精度が低下しやすくなり、実用上好ましくない場合がある。
【0042】
酸は、該酸の塩の形態で用いられてもよい。塩の例としては、上述した無機酸や有機酸の、金属塩(例えば、リチウム塩、ナトリウム塩、カリウム塩等のアルカリ金属塩)、アンモニウム塩(例えば、テトラメチルアンモニウム塩、テトラエチルアンモニウム塩等の第四級アンモニウム塩)、アルカノールアミン塩(例えば、モノエタノールアミン塩、ジエタノールアミン塩、トリエタノールアミン塩)等が挙げられる。
塩の具体例としては、リン酸三カリウム、リン酸水素二カリウム、リン酸二水素カリウム、リン酸三ナトリウム、リン酸水素二ナトリウム、リン酸二水素ナトリウム等のアルカリ金属リン酸塩およびアルカリ金属リン酸水素塩;上記で例示した有機酸のアルカリ金属塩;その他、グルタミン酸二酢酸のアルカリ金属塩、ジエチレントリアミン五酢酸のアルカリ金属塩、ヒドロキシエチルエチレンジアミン三酢酸のアルカリ金属塩、トリエチレンテトラミン六酢酸のアルカリ金属塩;等が挙げられる。これらのアルカリ金属塩におけるアルカリ金属は、例えば、リチウム、ナトリウム、カリウム等であり得る。
【0043】
ここに開示される研磨用組成物に含まれ得る塩としては、無機酸の塩(例えば、アルカリ金属塩やアンモニウム塩)を好ましく採用し得る。例えば、塩化カリウム、塩化ナトリウム、塩化アンモニウム、硝酸カリウム、硝酸ナトリウム、硝酸アンモニウム、リン酸カリウム等を好ましく使用し得る。
【0044】
酸およびその塩は、1種を単独でまたは2種以上を組み合わせて用いることができる。ここに開示される研磨用組成物の好ましい一態様において、酸(好ましくは無機酸)と、該酸とは異なる酸の塩(好ましくは無機酸の塩)とを組み合わせて用いることができる。
【0045】
(酸化剤)
ここに開示される研磨用組成物には、必要に応じて酸化剤を含有させることができる。酸化剤の例としては、過酸化物、硝酸またはその塩、過ヨウ素酸またはその塩、ペルオキソ酸またはその塩、過マンガン酸またはその塩、クロム酸またはその塩、酸素酸またはその塩、金属塩類、硫酸類等が挙げられるが、これらに限定されない。酸化剤は、1種を単独でまたは2種以上を組み合わせて用いることができる。酸化剤の具体例としては、過酸化水素、過酸化ナトリウム、過酸化バリウム、硝酸、硝酸鉄、硝酸アルミニウム、硝酸アンモニウム、ペルオキソ一硫酸、ペルオキソ一硫酸アンモニウム、ペルオキソ一硫酸金属塩、ペルオキソ二硫酸、ペルオキソ二硫酸アンモニウム、ペルオキソ二硫酸金属塩、ペルオキソリン酸、ペルオキソ硫酸、ペルオキソホウ酸ナトリウム、過ギ酸、過酢酸、過安息香酸、過フタル酸、次亜臭素酸、次亜ヨウ素酸、塩素酸、臭素酸、ヨウ素酸、過ヨウ素酸、過塩素酸、次亜塩素酸、次亜塩素酸ナトリウム、次亜塩素酸カルシウム、過マンガン酸カリウム、クロム酸金属塩、重クロム酸金属塩、塩化鉄、硫酸鉄、クエン酸鉄、硫酸アンモニウム鉄等が挙げられる。好ましい酸化剤として、過酸化水素、硝酸鉄、過ヨウ素酸、ペルオキソ一硫酸、ペルオキソ二硫酸および硝酸が例示される。少なくとも過酸化水素を含むことが好ましく、過酸化水素からなることがより好ましい。
【0046】
研磨用組成物中に酸化剤を含む場合、その含有量は、有効成分量基準で0.01重量%以上であることが好ましく、より好ましくは0.1重量%以上、さらに好ましくは0.3重量%である。酸化剤の含有量が少なすぎると、研磨対象物を酸化する速度が遅くなり、研磨レートが低下するため、実用上好ましくない場合がある。また、研磨用組成物中に酸化剤を含む場合、その含有量は、有効成分量基準で5重量%以下であることが好ましく、より好ましくは1重量%以下である。酸化剤の含有量が多すぎると、研磨対象物の面精度が低下しやすくなり、実用上好ましくない場合がある。
【0047】
(塩基性化合物)
研磨用組成物には、必要に応じて塩基性化合物を含有させることができる。ここで塩基性化合物とは、研磨用組成物に添加されることによって該組成物のpHを上昇させる機能を有する化合物を指す。塩基性化合物の例としては、アルカリ金属水酸化物、炭酸塩や炭酸水素塩、第四級アンモニウムまたはその塩、アンモニア、アミン、リン酸塩やリン酸水素塩、有機酸塩等が挙げられる。塩基性化合物は、1種を単独でまたは2種以上を組み合わせて用いることができる。
【0048】
アルカリ金属水酸化物の具体例としては、水酸化カリウム、水酸化ナトリウム等が挙げられる。
炭酸塩や炭酸水素塩の具体例としては、炭酸水素アンモニウム、炭酸アンモニウム、炭酸水素カリウム、炭酸カリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸ナトリウム等が挙げられる。
第四級アンモニウムまたはその塩の具体例としては、水酸化テトラメチルアンモニウム、水酸化テトラエチルアンモニウム、水酸化テトラブチルアンモニウム等の水酸化第四級アンモニウム;このような水酸化第四級アンモニウムのアルカリ金属塩(例えばナトリウム塩、カリウム塩);等が挙げられる。
アミンの具体例としては、メチルアミン、ジメチルアミン、トリメチルアミン、エチルアミン、ジエチルアミン、トリエチルアミン、エチレンジアミン、モノエタノールアミン、N−(β−アミノエチル)エタノールアミン、ヘキサメチレンジアミン、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、無水ピペラジン、ピペラジン六水和物、1−(2−アミノエチル)ピペラジン、N−メチルピペラジン、グアニジン、イミダゾールやトリアゾール等のアゾール類、等が挙げられる。
リン酸塩やリン酸水素塩の具体例としては、リン酸三カリウム、リン酸水素二カリウム、リン酸二水素カリウム、リン酸三ナトリウム、リン酸水素二ナトリウム、リン酸二水素ナトリウム等のアルカリ金属塩が挙げられる。
有機酸塩の具体例としては、クエン酸カリウム、シュウ酸カリウム、酒石酸カリウム、酒石酸カリウムナトリウム、酒石酸アンモニウム等が挙げられる。
【0049】
(その他の成分)
ここに開示される研磨用組成物は、本発明の効果が著しく妨げられない範囲で、界面活性剤、キレート剤、防腐剤、防カビ剤等の、研磨用組成物(例えば、Ni−P基板等のような磁気ディスク基板用の研磨用組成物)に使用され得る公知の添加剤を、必要に応じてさらに含有してもよい。
【0050】
研磨用組成物には、必要に応じて界面活性剤を含有させることができる。ここでいう界面活性剤とは、1分子中に少なくとも一つ以上の親水部位(典型的には親水基)と一つ以上の疎水部位(典型的には疎水基)とを有する化合物をいう。界面活性剤としては、特に限定されず、アニオン性界面活性剤、ノニオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤、両性界面活性剤のいずれも使用可能である。界面活性剤の使用により、研磨用組成物の分散安定性が向上し得る。界面活性剤は、1種を単独でまたは2種以上を組み合わせて用いることができる。
アニオン性界面活性剤の具体例としては、ポリオキシエチレンアルキルエーテル酢酸、ポリオキシエチレンアルキル硫酸エステル、アルキル硫酸エステル、ポリオキシエチレンアルキル硫酸、アルキル硫酸、アルキルベンゼンスルホン酸、アルキルリン酸エステル、ポリオキシエチレンアルキルリン酸エステル、ポリオキシエチレンスルホコハク酸、アルキルスルホコハク酸、アルキルナフタレンスルホン酸、アルキルジフェニルエーテルジスルホン酸、ポリアクリル酸、ラウリル硫酸ナトリウム、ラウリル硫酸アンモニウム、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸ナトリウム、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル硫酸アンモニウム、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル硫酸ナトリウム等が挙げられる。
アニオン性界面活性剤の他の具体例としては、ナフタレンスルホン酸ホルムアルデヒド縮合物、メチルナフタレンスルホン酸ホルムアルデヒド縮合物、アントラセンスルホン酸ホルムアルデヒド縮合物、ベンゼンスルホン酸ホルムアルデヒド縮合物等のポリアルキルアリールスルホン酸系化合物;メラミンスルホン酸ホルムアルデヒド縮合物等のメラミンホルマリン樹脂スルホン酸系化合物;リグニンスルホン酸、変成リグニンスルホン酸等のリグニンスルホン酸系化合物;アミノアリールスルホン酸−フェノール−ホルムアルデヒド縮合物等の芳香族アミノスルホン酸系化合物等が挙げられる。塩としては、ナトリウム塩、カリウム塩等のアルカリ金属塩が好ましい。
ノニオン性界面活性剤の具体例としては、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシアルキレンアルキルエーテル、ソルビタン脂肪酸エステル、グリセリン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンアルキルアミン、アルキルアルカノールアミド等が挙げられる。
カチオン性界面活性剤の具体例としては、アルキルトリメチルアンモニウム塩、アルキルジメチルアンモニウム塩、アルキルベンジルジメチルアンモニウム塩、アルキルアミン塩等が挙げられる。
両性界面活性剤の具体例としては、アルキルベタイン、アルキルアミンオキシド等が挙げられる。
【0051】
界面活性剤を含む態様の研磨用組成物では、界面活性剤の含有量を、例えば0.0005重量%以上とすることが適当である。上記含有量は、研磨後の表面の平滑性等の観点から、好ましくは0.001重量%以上、より好ましくは0.01重量%以上である。また、研磨レート等の観点から、上記含有量は、1重量%以下とすることが適当であり、好ましくは0.5重量%以下、例えば0.1重量%以下である。
【0052】
キレート剤の例としては、アミノカルボン酸系キレート剤および有機ホスホン酸系キレート剤が挙げられる。アミノカルボン酸系キレート剤の例には、エチレンジアミン四酢酸、エチレンジアミン四酢酸ナトリウム、ニトリロ三酢酸、ニトリロ三酢酸ナトリウム、ニトリロ三酢酸アンモニウム、ヒドロキシエチルエチレンジアミン三酢酸、ヒドロキシエチルエチレンジアミン三酢酸ナトリウム、ジエチレントリアミン五酢酸、ジエチレントリアミン五酢酸ナトリウム、トリエチレンテトラミン六酢酸およびトリエチレンテトラミン六酢酸ナトリウムが含まれる。有機ホスホン酸系キレート剤の例には、2−アミノエチルホスホン酸、1−ヒドロキシエチリデン−1,1−ジホスホン酸、アミノトリ(メチレンホスホン酸)、エチレンジアミンテトラキス(メチレンホスホン酸)、ジエチレントリアミンペンタ(メチレンホスホン酸)、エタン−1,1−ジホスホン酸、エタン−1,1,2−トリホスホン酸、エタン−1−ヒドロキシ−1,1−ジホスホン酸、エタン−1−ヒドロキシ−1,1,2−トリホスホン酸、エタン−1,2−ジカルボキシ−1,2−ジホスホン酸、メタンヒドロキシホスホン酸、2−ホスホノブタン−1,2−ジカルボン酸、1−ホスホノブタン−2,3,4−トリカルボン酸およびα−メチルホスホノコハク酸が含まれる。これらのうち有機ホスホン酸系キレート剤がより好ましく、なかでも好ましいものとしてエチレンジアミンテトラキス(メチレンホスホン酸)およびジエチレントリアミンペンタ(メチレンホスホン酸)が挙げられる。特に好ましいキレート剤として、エチレンジアミンテトラキス(メチレンホスホン酸)が挙げられる。
【0053】
防腐剤および防カビ剤の例としては、2−メチル−4−イソチアゾリン−3−オン、5−クロロ−2−メチル−4−イソチアゾリン−3−オン等のイソチアゾリン系防腐剤、パラオキシ安息香酸エステル類、フェノキシエタノール等が挙げられる。
【0054】
(研磨液)
ここに開示される研磨用組成物は、典型的には該研磨用組成物を含む研磨液の形態で研磨対象物(例えば磁気ディスク基板)に供給されて、該研磨対象物の研磨に用いられる。上記研磨液は、例えば、研磨用組成物を希釈(典型的には、水により希釈)して調製されたものであり得る。あるいは、研磨用組成物をそのまま研磨液として使用してもよい。すなわち、ここに開示される技術における研磨用組成物の概念には、研磨対象物に供給されて該研磨対象物の研磨に用いられる研磨液(ワーキングスラリー)と、希釈して研磨液として用いられる濃縮液との双方が包含される。このような濃縮液の形態の研磨用組成物は、製造、流通、保存等の際における利便性やコスト低減等の観点から有利である。濃縮倍率は、例えば1.5倍〜50倍程度とすることができる。濃縮液の貯蔵安定性等の観点から、通常は2倍〜20倍(典型的には2倍〜10倍)程度の濃縮倍率が適当である。
【0055】
研磨液における砥粒の含有量(複数種類の砥粒を含む場合には、それらの合計含有量)は特に制限されないが、典型的には0.1重量%以上であり、0.5重量%以上であることが好ましく、1重量%以上であることがより好ましく、1.5重量%以上であることがさらに好ましい。砥粒の含有量の増大によって、より高い研磨レートが実現される傾向にある。研磨後の基板の表面平滑性や研磨の安定性の観点から、通常、上記含有量は、20重量%以下が適当であり、好ましくは15重量%以下、より好ましくは10重量%以下、さらに好ましくは8重量%以下である。
【0056】
(pH)
ここに開示される研磨液のpHは特に制限されない。研磨液のpHは、例えば、12.0以下(典型的には0.5〜12.0)とすることができ、10.0以下(典型的には0.5〜10.0)としてもよい。研磨レートや面精度等の観点から、研磨液のpHは、7.0以下(例えば0.5〜7.0)とすることができ、5.0以下(典型的には1.0〜5.0)とすることがより好ましく、4.0以下(例えば1.0〜4.0)とすることがさらに好ましい。研磨液のpHは、例えば3.0以下(典型的には1.0〜3.0)とすることができる。研磨液において上記pHが実現されるように、必要に応じて有機酸、無機酸、塩基性化合物等のpH調整剤を含有させることができる。上記pHは、例えば、Ni−P基板等の磁気ディスク基板の研磨用の研磨液に好ましく適用され得る。
【0057】
(多剤型研磨用組成物)
なお、ここに開示される研磨用組成物は、一剤型であってもよいし、二剤型を始めとする多剤型であってもよい。例えば、該研磨用組成物の構成成分(典型的には、水以外の成分)のうち一部の成分を含むA液と、残りの成分を含むB液とが混合されて研磨対象物の研磨に用いられるように構成されていてもよい。好ましい一態様に係る多剤型研磨用組成物は、砥粒を含むA液(典型的には、分散剤を含んでもよい砥粒分散液)と、砥粒以外の成分(例えば、酸、水溶性高分子その他の添加剤)を含むB液とから構成されている。通常、これらは、使用前は分けて保管されており、使用時(研磨対象基板の研磨時)に混合され得る。混合時には、例えば過酸化水素等の酸化剤がさらに混合され得る。例えば、上記酸化剤(例えば過酸化水素)が水溶液(例えば過酸化水素水)の形態で供給される場合、当該水溶液は、多剤型研磨用組成物を構成するC液となり得る。
【0058】
(用途)
ここに開示される技術の適用対象は特に限定されない。ここに開示される技術によれば、研磨後のスクラッチを高度に低減可能な研磨用組成物を提供し得る。ここに開示される研磨用組成物は、例えば、磁気ディスク基板、シリコンウェーハ(例えば、シリコン単結晶インゴットをスライスして得られたシリコン単結晶ウェーハ)等の半導体基板、レンズや反射ミラー等の光学材料等のように、高精度な表面が要求される各種研磨対象物の研磨に好ましく使用され得る。なかでも磁気ディスク基板を研磨する用途に好適である。ここでいう磁気ディスク基板の例には、Ni−P基板(アルミニウム合金製等の基材ディスクの表面にニッケルリンめっき層を有する磁気ディスク基板をいう。)やガラス磁気ディスク基板が含まれる。このような磁気ディスク基板を研磨する用途では、ここに開示される技術を適用することが特に有意義である。Ni−P基板への適用が特に好ましい。
【0059】
ここに開示される研磨用組成物は、研磨後の表面においてスクラッチを高度に低減し得ることから、研磨対象物のファイナルポリシング工程(最終研磨工程)に特に好ましく使用され得る。この明細書によると、ここに開示される研磨用組成物を用いたファイナルポリシング工程を備える研磨物の製造方法(例えば磁気ディスク基板の製造方法)および該方法により製造された磁気ディスク基板が提供され得る。なお、ファイナルポリシングとは、目的物の製造プロセスにおける最後のポリシング工程(すなわち、その工程の後にはさらなるポリシングを行わない工程)を指す。
【0060】
ここに開示される研磨用組成物は、また、ファイナルポリシングよりも上流のポリシング工程に用いられてもよい。ここで、ファイナルポリシングよりも上流のポリシング工程とは、粗研磨工程と最終研磨工程との間の予備研磨工程を指す。予備研磨工程は、典型的には少なくとも1次ポリシング工程を含み、さらに2次、3次・・・等のポリシング工程を含み得る。上記研磨用組成物は、いずれのポリシング工程にも使用可能であり、これらのポリシング工程において同一のまたは異なる研磨用組成物を用いることができる。ここに開示される研磨用組成物は、例えば、ファイナルポリシングの直前に行われるポリシング工程に用いられてもよい。
【0061】
<研磨プロセス>
ここに開示される研磨用組成物は、例えば以下の操作を含む態様で、研磨対象物(例えば磁気ディスク基板)の研磨に好適に使用することができる。以下、ここに開示される研磨用組成物を用いて研磨対象物(典型的には研磨対象基板)を研磨する方法の好適な一態様につき説明する。
すなわち、ここに開示されるいずれかの研磨用組成物を含む研磨液(ワーキングスラリー)を用意する。上記研磨液を用意することには、研磨用組成物に濃度調整(例えば希釈)やpH調整等の操作を加えて研磨液を調製することが含まれ得る。あるいは、研磨用組成物をそのまま研磨液として使用してもよい。
【0062】
次いで、その研磨液を研磨対象物に供給し、常法により研磨する。例えば、一般的な研磨装置に研磨対象物をセットし、該研磨装置の研磨パッドを通じて上記研磨対象物の表面(研磨対象面)に研磨液を供給する。典型的には、上記研磨液を連続的に供給しつつ、研磨対象物の表面に研磨パッドを押しつけて両者を相対的に移動(例えば回転移動)させる。かかる研磨工程を経て研磨対象物の研磨が完了する。
【0063】
上述のような研磨工程は、基板(例えば磁気ディスク基板、典型的にはNi−P基板)の製造プロセスの一部であり得る。したがって、この明細書によると、上記研磨工程を含む基板の製造方法および研磨方法が提供される。
【0064】
ここに開示される磁気ディスク基板製造方法は、前述した研磨用組成物を用いるポリシング工程よりも前に行われる上流のポリシング工程(以下「工程(P)」ともいう。)をさらに含み得る。工程(P)を含む態様によると、ポリシング工程全体の所要時間を短縮して生産性を高める効果が実現され得る。工程(P)は、1種類の研磨用組成物を使用する1つのポリシング工程であってもよく、2種以上の研磨用組成物を順次に使用して行われる2以上のポリシング工程を含んでもよい。
【0065】
工程(P)に使用する研磨用組成物(以下「研磨用組成物(P)」ともいう。)は特に限定されない。例えば、砥粒としては、前述した研磨用組成物に使用し得る材料として例示した砥粒を使用可能である。研磨用組成物がシリカ粒子を含む場合、該シリカ粒子は、前述した研磨用組成物に含まれるシリカ粒子と同一であってもよく、異なってもよい。研磨用組成物(P)に含まれるシリカ粒子と、前述した研磨用組成物に含まれるシリカ粒子との相違は、例えば、粒子径、粒子形状、密度その他の特性の1または2以上における相違であり得る。
【0066】
研磨用組成物(P)は、典型的には砥粒の他に水を含む。その他、研磨用組成物(P)には、上述した研磨用組成物と同様の成分(酸、酸化剤、塩基性化合物、ポリマー、界面活性剤、各種添加剤等)を必要に応じて含有させることができる。特に限定するものではないが、研磨用組成物(P)のpHは、例えば12.0以下(典型的には0.5〜12.0)とすることができ、好ましくは7.0以下(例えば0.5〜7.0)、より好ましくは5.0以下(典型的には1.0〜5.0)、さらに好ましくは4.0以下(例えば1.0〜4.0)である。好ましい一態様において、研磨用組成物(P)のpHを3.0以下(典型的には1.0〜3.0)とすることができる。
【実施例】
【0067】
以下、本発明に関するいくつかの実施例を説明するが、本発明をかかる実施例に示すものに限定することを意図したものではない。
【0068】
<例1〜11>
[研磨用組成物の調製]
アスペクト比の異なる複数種類のシリカ粒子を用意した。これらのシリカ粒子を単独でまたは組み合わせて含む砥粒と、ポリマーとしてのポリスチレンスルホン酸系共重合体(Mw:500000)と、リン酸と、31%過酸化水素水と、脱イオン水とを混合して、砥粒を6重量%、ポリスチレンスルホン酸系共重合体を0.004重量%、リン酸を1.5重量%、31%過酸化水素水を0.4重量%の割合で含む例1〜11の研磨用組成物を調製した。各例に係る研磨用組成物のpHは、水酸化カリウム(KOH)にて2.5に調整した。各例で使用した砥粒の種類、物性を表1に示す。
【0069】
[ディスクの研磨]
各例に係る研磨用組成物をそのまま研磨液に使用して、下記の条件で、研磨対象物を研磨する標準研磨試験を行った。研磨対象物としては、表面に無電解ニッケルリンめっき層を備えたハードディスク用アルミニウム基板を使用した。ここでは、Schmitt Measurement System社製レーザースキャン式表面粗さ計「TMS−3000WRC」により測定される表面粗さ(算術平均粗さ(Ra))の値が6Åとなるように予備研磨したものを使用した。上記研磨対象物(以下「Ni−P基板」ともいう。)の直径は3.5インチ(外径約95mm、内径約25mmのドーナツ型)、厚さは1.27mmであった。
【0070】
[研磨条件]
研磨装置:スピードファム株式会社製の両面研磨機、型式「9B−5P」
研磨パッド:スウェードノンバフタイプ
Ni−P基板の投入枚数:20枚(2枚/キャリア ×5キャリア)×2バッチ
研磨液の供給レート:130mL/分
研磨荷重:120g/cm
下定盤回転数:25rpm
研磨時間:5分
【0071】
[研磨レート]
各例に係る研磨用組成物を用いて上記研磨条件で研磨対象基板を研磨したときの研磨レートを算出した。研磨レートは、次の計算式に基づいて求めた。
研磨レート[μm/min]=研磨による基板の重量減少量[g]/(基板の片面面積[cm]×ニッケルリンめっきの密度[g/cm]×研磨時間[min])×10
(基板片面面積:66cm、Ni−Pめっき密度:7.9g/cmとして算出)
得られた値を表1の「研磨レート」の欄に示す。ここでは研磨レートが0.12μm/min以上のものを「◎」、0.06μm/min以上0.12μm/min未満のものを「◎」、0.06μm/min未満のものを「×」と評価した。
【0072】
[スクラッチ]
上記研磨した基板の中から計6枚(3枚/1バッチ)を無作為に選択し、各基板の両面にあるスクラッチ数を下記測定条件で測定し、6枚(計12面)のスクラッチ数の合計を12で除して基板片面あたりのスクラッチ数(本/面)を算出した。そして、例6のスクラッチ数を100としたときの各例のスクラッチ数の相対値を評価した。ここでは上記スクラッチ数の相対値が50未満のものを「◎」、50以上100未満のものを「○」、100以上のものを「×」と評価した。結果を表1の「スクラッチ」の欄に示す。
【0073】
[スクラッチの測定条件]
測定装置:ケーエルエー・テンコール株式会社製 Candela OSA6100
Spindle speed: 10000rpm
測定範囲:17000‐47000μm
Step size:4μm
Encoder multiplier:×32
検出チャンネル:P‐Sc channel
【0074】
【表1】
【0075】
表1に示されるように、粒子全体の平均アスペクト比が1〜1.30であり、かつ累積0〜5%のD0−5粒子の平均アスペクト比が1〜1.25である砥粒を使用した例1〜5では、D0−5粒子の平均アスペクト比が1.25を上回る例6〜11と比べて、スクラッチ数でより良好な結果が得られた。この結果から、粒子全体の平均アスペクト比が1〜1.30であり、かつ累積0〜5%のD0−5粒子の平均アスペクト比が1〜1.25である砥粒を用いた研磨用組成物によると、スクラッチ数が少ない高品質な研磨後の表面を実現し得ることが確かめられた。
【0076】
以上、本発明の具体例を詳細に説明したが、これらは例示にすぎず、特許請求の範囲を限定するものではない。特許請求の範囲に記載の技術には、以上に例示した具体例を様々に変形、変更したものが含まれる。