(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6864540
(24)【登録日】2021年4月6日
(45)【発行日】2021年4月28日
(54)【発明の名称】サイロ
(51)【国際特許分類】
G01K 13/10 20060101AFI20210419BHJP
G01K 7/02 20210101ALI20210419BHJP
B65D 90/48 20060101ALI20210419BHJP
A01F 25/00 20060101ALI20210419BHJP
【FI】
G01K13/10
G01K7/02 E
B65D90/48 G
A01F25/00 E
【請求項の数】2
【全頁数】7
(21)【出願番号】特願2017-88226(P2017-88226)
(22)【出願日】2017年4月27日
(65)【公開番号】特開2018-185263(P2018-185263A)
(43)【公開日】2018年11月22日
【審査請求日】2019年6月17日
(73)【特許権者】
【識別番号】000003285
【氏名又は名称】千代田化工建設株式会社
(73)【特許権者】
【識別番号】000156938
【氏名又は名称】関西電力株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100109081
【弁理士】
【氏名又は名称】三木 友由
(72)【発明者】
【氏名】鈴木 裕晶
(72)【発明者】
【氏名】日置 輝夫
(72)【発明者】
【氏名】前田 守彦
(72)【発明者】
【氏名】甲斐 大介
(72)【発明者】
【氏名】桑野 理
(72)【発明者】
【氏名】糸川 敦
(72)【発明者】
【氏名】西浦 秀成
【審査官】
平野 真樹
(56)【参考文献】
【文献】
特開2009−68954(JP,A)
【文献】
特開2004−35783(JP,A)
【文献】
特開昭63−206617(JP,A)
【文献】
特開2007−271289(JP,A)
【文献】
実開昭59−69945(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01K 1/00−19/00
B65D 90/48
A01F 25/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
基礎上に立設された側壁と、
貯蔵された貯蔵物の発熱を検出するための温度センサと、
を備え、
前記温度センサは、前記側壁の近傍の貯蔵物中に埋設され、
前記温度センサは、前記側壁の近傍に垂下されるケーブルに設けられ、
前記ケーブルは、前記側壁に設けられた滑車を介して、前記側壁の近傍に垂下されることを特徴とするサイロ。
【請求項2】
基礎上に立設された側壁と、
貯蔵された貯蔵物の発熱を検出するための温度センサと、
を備え、
前記温度センサは、前記側壁の近傍の貯蔵物中に埋設され、
前記温度センサは、前記側壁の近傍に垂下されるケーブルに設けられ、
貯蔵物の発熱時に生じたガスを検知するためのガスパイプが前記ケーブルに設けられることを特徴とするサイロ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、サイロに関し、特に石炭を貯蔵する石炭サイロに関する。
【背景技術】
【0002】
石炭火力発電所等に設置される石炭サイロでは、石炭の貯蔵期間が長くなると石炭サイロ内で石炭が酸化発熱して自然発火が生じる場合がある。そこで、石炭サイロ内に貯蔵された石炭の発熱を監視し、発熱が発生した場合には石炭の払い出しや放水を行って発熱箇所の冷却を行っている。
【0003】
従来、石炭サイロ内に貯蔵された石炭の発熱を監視するために、熱電対を備えた測温ケーブルを石炭サイロの略中央部分に吊り下げて貯蔵石炭中に埋め込み、該熱電対からの信号を検出することにより、石炭の発熱を監視する方法が知られている(例えば特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2009−68954号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上記のような方法の場合、石炭の出し入れに伴い測温ケーブルの熱電対の位置が変わり、発熱の生じやすい箇所の温度測定を行うことが難しい可能性やできない可能性がある。
【0006】
本発明は、こうした状況を鑑みてなされたものであり、その目的は、サイロ内の貯蔵物の発熱を適切に検知できる技術を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するために、本発明のある態様のサイロは、基礎上に立設された側壁と、貯蔵された貯蔵物の発熱を検出するための温度センサとを備える。温度センサは、側壁の近傍の貯蔵物中に埋設される。
【0008】
温度センサは、側壁の近傍に垂下されるケーブルに設けられていてもよい。
【0009】
ケーブルは、側壁に設けられた滑車を介して、側壁の近傍に垂下されてもよい。
【0010】
貯蔵物の発熱時に生じたガスを検知するためのガスパイプがケーブルに設けられてもよい。
【0011】
なお、以上の構成要素の任意の組合せ、本発明の表現を方法、装置、システム、記録媒体、コンピュータプログラムなどの間で変換したものもまた、本発明の態様として有効である。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、サイロ内の貯蔵物の発熱を適切に検知できる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【
図1】本発明の実施形態に係る石炭サイロの構成を説明するための図である。
【
図2】測温ケーブルの構造を説明するための概略断面図である。
【
図3】石炭サイロ内に石炭を長期間貯蔵したときの石炭温度分布の一例を示す図である。
【
図4】測温ケーブルの変形例を説明するための概略断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
図1は、本発明の実施形態に係る石炭サイロ100の構成を説明するための図である。
【0015】
石炭サイロ100は、例えば、内径60m、高さ75m、石炭容量10万トンの大型のものであってよい。
【0016】
図1に示すように、石炭サイロ100は、基礎102と、基礎102上に立設された側壁104と、側壁104の上に形成された屋根106とを備える。石炭サイロ100内には石炭120が貯蔵される。側壁104は、略円筒形状の下部側壁104aと、下部側壁104aの上に形成された略円錐台形状の上部側壁104bとから成る。
【0017】
石炭サイロ100の上部には積付所ステージ108が設けられている。積付所ステージ108には、石炭を搬入するための搬入コンベヤ110が設けられている。搬入コンベヤ110によって運ばれた石炭は、積付所ステージ108から落下されて石炭サイロ100内に貯蔵される。
【0018】
石炭サイロ100の底部には、複数の小コーン(小仕切板、小仕切壁)112と、複数の大コーン(大仕切板、大仕切壁)114が設けられている。小コーン112の下方には、搬出コンベヤ116が設けられている。石炭サイロ100内に貯蔵された石炭120は、底部に設けられた開口部から搬出コンベヤ116に払い出され、搬出コンベヤ116によって石炭サイロ100の外に搬出される。
【0019】
石炭サイロ100は、貯蔵された石炭120の発熱を検出するための温度センサを備える。本実施形態の石炭サイロ100は、貯蔵された石炭中の温度を検出するための測温ケーブル10を備える。
【0020】
測温ケーブル10は、内部に温度センサとして熱電対を備える。測温ケーブル10の一端10aは、積付所ステージ108の下面に固定される。測温ケーブル10は、積付所ステージ108から上部側壁104bに沿って斜め下方に延び、上部側壁104bと下部側壁104aの境界部付近に設けられた滑車12を介して下部側壁104aの近傍に垂下され、下部側壁104aの近傍の石炭中に埋設されている。
【0021】
図2は、測温ケーブル10の構造を説明するための概略断面図である。
図2に示すように、ステンレスフレキシブルチューブ20内に6本のシース熱電対21が挿通されており、さらにステンレスフレキシブルチューブ20を外周に複数本のワイヤーロープ22が巻回されている。このようにシース熱電対21をステンレスフレキシブルチューブ20で保護し、さらにステンレスフレキシブルチューブ20をワイヤーロープ22で覆うことにより、石炭とシース熱電対21が直接接触してシース熱電対21が破損するのを防ぐことができる。6本のシース熱電対21は、その先端までの長さがそれぞれ異なっており、石炭サイロ100の高さ方向において等間隔で6箇所の温度を測定できるようになっている。
【0022】
図3は、石炭サイロ100内に石炭を長期間貯蔵したときの石炭温度分布の一例を示す。
図3ではハッチングにより石炭の温度を表している。また、
図3中の破線で示す測温ケーブル30は、石炭サイロの略中央部分に吊り下げた従来の測温ケーブルの配置例を示す。
【0023】
図3から、石炭サイロ100の側壁104(下部側壁104a)の近傍に位置する石炭に発熱が生じやすいことが分かる。石炭サイロ100では、石炭を搬出コンベヤ116に払い出すために底部に設けられた開口部から空気が上方に流れ、この空気により石炭が酸化されて発熱が生じる(
図3において矢印は空気の流れを表す)。石炭サイロ100で上方から石炭を落下させて貯蔵する場合、側壁104の近傍には大きな石炭塊が偏って位置しやすいため、側壁104の近傍は空隙が多く空気の流れが速くなる。その結果、側壁104の近傍に位置する石炭は酸化反応が促進されやすく、発熱が生じやすい。
【0024】
図3中に破線で示す従来のように測温ケーブル30を石炭サイロの略中央部分に吊り下げた場合、石炭の出し入れに伴って熱電対の位置が変わり、発熱の生じやすい箇所の温度測定を行うことが難しい可能性がある。すなわち、測温ケーブル中の熱電対の位置は安定せず、偶然に左右されるということである。例えば測温ケーブル内の熱電対が側壁の近傍に位置すれば発熱の生じやすい箇所(例えば
図3で80℃や89℃以上の箇所)の温度測定を行うことができるが、熱電対が石炭サイロの中央部分に位置すれば発熱があまり生じない箇所(例えば
図3で30℃の箇所)の温度を測定していることになる。
【0025】
一方、本実施形態に係る石炭サイロ100では、測温ケーブル10が側壁104の近傍に垂下されているので、発熱が生じやすい側壁104の近傍の石炭の温度を適切に検知することができる。石炭の出し入れに応じて多少、測温ケーブル10の位置が変動することはあるが、石炭サイロの略中央部分に吊り下げた場合と比べればその変動は小さい。
【0026】
本実施形態で用いているような吊り下げ式の測温ケーブル10では、石炭の出し入れに伴って、測温ケーブル10と石炭との間に下向きの摩擦力が生じる。従来のように石炭サイロの略中央部分に吊り下げた場合、積付所ステージ108に過度の荷重が作用するおそれがある。
【0027】
一方、本実施形態に係る石炭サイロ100では、測温ケーブル10は滑車12を介して吊り下げられているので、測温ケーブル10と石炭との間に生じる下向きの摩擦力が積付所ステージ108と滑車12とに分散される。その結果、積付所ステージ108に作用する荷重を軽減することができる。
【0028】
図4は、測温ケーブルの変形例を説明するための概略断面図である。
図4に示す測温ケーブル40において、
図2に示す測温ケーブル10と同一または対応する構成要素には同一の符号を付し、重複する説明は適宜省略する。
【0029】
図4に示す測温ケーブル40は、ステンレスフレキシブルチューブ20内にシース熱電対21に加えてガスパイプ41が挿通されている点が
図2に示す測温ケーブル10と異なる。このガスパイプ41は、石炭の発熱時に生じるガスを検知するためのものである。ガスパイプ41内に入ったガスは、ガスパイプ41内を通って例えば積付所ステージ108上に設けられたガスセンサ(図示せず)により検知される。このように、シース熱電対21による温度検知に加えて、ガス検知を行う構成とすることにより、例えば一方のセンサが故障した場合などでも、温度センサによる温度検知とガスセンサによるガス検知とのいずれか一方に基づいて石炭の発熱を検出することもできるし、温度センサによる温度検知とガスセンサによるガス検知との両方に基づいて石炭の発熱を検出することによって、石炭の発熱をより高い精度で検出することもできる。
【0030】
以上、本発明を実施例をもとに説明した。この実施例は例示であり、それらの各構成要素や各処理プロセスの組合せにいろいろな変形例が可能なこと、またそうした変形例も本発明の範囲にあることは当業者に理解されるところである。
【0031】
上述の実施形態の石炭サイロ100では、測温ケーブル10は滑車12を介して吊り下げられているものとしたが、滑車12に代えて、例えば釣り針状などの吊り具(フック)を用いるものとしてもよい。
【0032】
上述の実施形態の石炭サイロ100は、側壁104が略円筒形状の下部側壁104aと略円錐台形状の上部側壁104bとから成るものとしたが、本発明の石炭サイロはいかなる形状としてもよい。例えば、搬入コンベヤや搬出コンベヤによる石炭の搬入出方向を長手方向とする略直方体形状の石炭サイロとしてもよい。また、搬出コンベヤ116は、並列に4本設けられているものとしたが、1本や2本設けられているものとしても構わない。
【0033】
上述の実施形態では、石炭を貯蔵する石炭サイロを例として本発明を説明した。しかしながら、本発明は石炭サイロに限定されず、例えば、穀物サイロ、バイオマスサイロ、リサイクル固形燃料サイロ等の他のサイロにも適用可能である。
【符号の説明】
【0034】
10、30 測温ケーブル、 12 滑車、 20 ステンレスフレキシブルチューブ、 21 シース熱電対、 22 ワイヤーロープ、 40 測温ケーブル、 41 ガスパイプ、 100 石炭サイロ、 102 基礎、 104 側壁、 106 屋根、 108 積付所ステージ、 110 搬入コンベヤ、 112 小コーン、 114 大コーン、 116 搬出コンベヤ、 120 石炭。