【課題を解決するための手段】
【0007】
[1]上記目的を達成するため、本発明の包装箱は、
筒状の胴部(例えば、実施形態の胴部2。以下同一。)と、
前記胴部の開口端縁(例えば、実施形態の開口端縁2a,2b。以下同一。)に前記胴部内側に折り曲げられて設けられた内フラップ(例えば、実施形態の天面内フラップ3、底面内フラップ19。以下同一。)と、
前記胴部の開口端縁であって前記胴部内側に折り曲げられて前記内フラップの上に重なるように設けられた外フラップ(例えば、実施形態の天面外フラップ4、底面外フラップ20。以下同一。)と、
前記外フラップに設けられた切込部(例えば、実施形態の切込部16。以下同一。)によって該切込部の内側に形成され、先端を遥動して内側に折り込まれた外側中折部(例えば、実施形態の外側中折部9。以下同一。)と、
前記内フラップであって、前記外側中折部に対応する部分に位置させて、先端を遥動して内側に折り込まれた内側中折部(例えば、実施形態の内側中折部8。以下同一。)と、
を備え、
前記外側中折部と前記内側中折部とは、前記外側中折部と前記内側中折部とを夫々内側に折り込む前の状態において、前記外側中折部の基端から先端に向かう先端方向と前記内側中折部の先端から基端に向かう基端方向とが平行な方向となるように、配置されており、
内側に折り込まれた前記外側中折部の一部が前記内側中折部の表面(例えば、実施形態の表面8c。以下同一。)に接触していることを特徴とする。
【0008】
かかる構成によれば、外側中折部と内側中折部とで包装箱内への埃の侵入を抑えることができる。また、外側中折部が内側へ折り曲げられることにより形成される外フラップの開口に指を差し入れると、外側中折部と接触していた内側中折部を更に内側へ押し込むように開口を広げながら、使用者は、外側中折部に沿ってしっかりと包装箱をつかむことができる。これにより、包装箱内に比較的重いものが収納されている場合であっても、使用者は、外側中折部によって形成される取手部をしっかりと握ることができる。
【0009】
[2]また、本発明においては、前記外側中折部は、前記外側中折部の基端縁と平行な折目線を介して連設された複数の分割片(例えば、実施形態の第1分割片6、第2分割片7。以下同一。)で構成されることが好ましい。
【0010】
かかる構成によれば、内側へ折り曲げられた分割片同士が復元力によって互いに離れようとする力が分割片の間に発生する。このため、同じく復元力によって内フラップの開口を閉塞しようとする内側中折部を分割片同士の復元力によって押し戻そうとして、外側中折部と内側中折部とが適切に係合して閉塞状態を維持することができる。
【0011】
また、複数の分割片が内側へ折れ曲がるため、外側中折部を把持した使用者は、外側中折部の先端を介して包装箱の荷重が手の平に加わることがなく、容易に外側中折部に手を掛けることができる。
【0012】
また、外側中折部及び内側中折部によって外フラップ及び内フラップに形成される開口は、埃侵入防止の観点から考えれば、小さいほうが好ましいが、取っ手として使用者の手の平が挿入されることを考慮するとある程度の大きさが望まれる。そして、内側中折部ができるだけ開かないようにするためには、外側中折部における基端から内側中折部に最初に接触する部分までの距離ができるだけ短いことが好ましい。
【0013】
しかしながら、外側中折部の先端が内側中折部の表面に当接するように構成した場合、外フラップの開口を大きくし、外側中折部の長さを短くすると、切込部と外側中折部の先端との間の部分を切り落とす必要があり、製造過程でゴミが比較的多く発生してしまう。
【0014】
これに対し、上述した本発明の如く複数の分割片で外側中折部を構成すれば、外側中折部の先端で内側中折部の表面に係合させる必要がなく、製造過程におけるゴミの発生を低減することができる。
【0015】
[3]また、本発明においては、前記外フラップに設けられた前記切込部はU字状とすることができる。
【0016】
[4]また、本発明においては、
前記包装箱は、注出口を備えた内袋を収容し、天面と底面とを備えるバッグインボックスタイプの包装箱であり、
前記内フラップと前記外フラップとで前記天面を構成し、
前記天面には、前記注出口を突出させるための注出口対応部(例えば、実施形態の注出口用破断部5。以下同一。)が設けられ、
前記包装箱を傾けて注出口から内袋の内容物が注出される側を前方として、
前記注出口対応部に対して、前記前方とは反対の後方に前記外側中折部と前記内側中折部とが配置されており、
前記内側中折部の基端は先端よりも前記前方に位置することが好ましい。
【0017】
かかる構成によれば、包装箱から突出する注出口の後方に位置する外側中折部に手を掛けて、容易に包装箱を傾けて内袋の注出口から内容物を注出させることができる。
【0018】
[5]また、本発明においては、
前記包装箱は、注出口を備えた内袋を収容し、天面と底面とを備えるバッグインボックスタイプの包装箱であり、
前記内フラップと前記外フラップとで前記底面を構成し、
前記天面には、前記注出口を突出させるための注出口対応部が設けられ、
前記包装箱を傾けて注出口から内袋の内容物が注出される側を前方とし、前記前方とは反対の方向を後方として、
前記底面には、複数の前記外側中折部及び前記内側中折部が設けられ、
前記内側中折部の先端は、前記後方側に位置し、前記内側中折部の基端は前記前方側に位置することが好ましい。
【0019】
かかる構成によれば、包装箱を傾けて内袋から内容物を抽出させるときに、内袋の内容物の残量に応じて底面の取手部の位置を選択することができる。特に、左右方向ではなく前後方向に間隔を存して複数の前記外側中折部及び前記内側中折部を設ける場合には、内容物の残量に応じて適切に抽出させることができる。
【0020】
[6]また、本発明においては、前記外側中折部は、接続部(例えば、実施形態の接続部16a。以下同一。)を備えた前記切込部によって、前記外フラップに形成されていることが好ましい。
【0021】
かかる構成によれば、外側中折部を内側へ折り曲げて取っ手とする前の状態においては、外側中折部とが外フラップと面一となって開口が存在しないため、取っ手を形成する前の状態における包装箱内への埃やゴミなどの侵入を防止することができる。
【0022】
[7]また、本発明の包装箱は、
筒状の胴部と、
前記胴部の開口端縁に前記胴部内側に折り曲げられて設けられた内フラップと、
前記胴部の開口端縁であって前記胴部内側に折り曲げられて前記内フラップの上に重なるように設けられた外フラップと、
前記外フラップに設けられた切込部によって該切込部の内側に形成され、先端を遥動して内側に折り込まれた外側中折部と、
を備え、
前記外側中折部は、前記外側中折部の基端縁と平行な折目線を介して連設された複数の分割片で構成されており、
内側に折り込まれた前記外側中折部の一部が前記内フラップの表面に接触していることを特徴とする。
【0023】
かかる構成によれば、外側中折部と内フラップとで包装箱内への埃の侵入を抑えることができる。また、外側中折部が内側へ折り曲げられることにより形成される外フラップの開口に指を差し入れると、外側中折部と接触していた内フラップを更に内側へ押し込むように開口を広げながら、使用者は、外側中折部に沿ってしっかりと包装箱をつかむことができる。これにより、包装箱内に比較的重いものが収納されている場合であっても、使用者は、外側中折部によって形成される取手部をしっかりと握ることができる。
【0024】
また、内側へ折り曲げられた分割片同士が復元力によって互いに離れようとする力が分割片の間に発生する。このため、同じく復元力によって開口を閉塞しようとする内フラップを分割片同士の復元力によって押し戻そうとして、外側中折部と内フラップとが適切に係合して閉塞状態を維持することができる。
【0025】
また、複数の分割片が内側へ折れ曲がるため、外側中折部を把持した使用者は、外側中折部の先端を介して包装箱の荷重が手の平に加わることがなく、容易に外側中折部に手を掛けることができる。
【0026】
また、外側中折部及び内フラップによって外フラップに形成される開口は、埃侵入防止の観点から考えれば、小さいほうが好ましいが、取っ手として使用者の手の平が挿入されることを考慮するとある程度の大きさが望まれる。そして、内フラップができるだけ開かないようにするためには、外側中折部における基端から内フラップに最初に接触する部分までの距離ができるだけ短いことが好ましい。
【0027】
しかしながら、外側中折部の先端が内フラップの表面に当接するように構成した場合、外フラップの開口を大きくし、外側中折部の長さを短くすると、切込部と外側中折部の先端との間の部分を切り落とす必要があり、製造過程でゴミが比較的多く発生してしまう。
【0028】
これに対し、上述した本発明の如く複数の分割片で外側中折部を構成すれば、外側中折部の先端で内側中折部の表面に係合させる必要がなく、製造過程におけるゴミの発生を低減することができる。