(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0065】
他に述べない限り、式Iの化合物は、アキラル化合物より選択する。
【0066】
本明細書において使用する場合、用語「活性層」および「可スイッチ層」は、電界または磁界などの外部からの刺激で分子の配向が変化し、結果として偏光または非偏光に対する層の透過性が変化する、例えばLC分子などの構造的および光学的異方性を有する1種類以上の分子を含む電気光学的ディスプレイ、例えばLCディスプレイにおける層を意味する。
【0067】
本明細書において使用する場合、用語「チルト」および「チルト角」は、LCディスプレイ(本明細書において、好ましくは、PSAディスプレイ)においてLC媒体のLC分子のセル表面に対してチルトした配向を意味すると解する。本明細書において、チルト角は、LC分子の分子長軸(LCダイレクタ)と、LCセルを形成する平坦で平行な外板の表面との間の平均角(90°未満)を意味する。本明細書においては、低い値のチルト角(即ち、角度90°から大きく外れている)は、大きいチルトに対応する。チルト角を測定する適切な方法は、例において与えられている。他に示さない限り、上および下で開示するチルト角度の値は、この測定方法に関する。
【0068】
本明細書で使用する場合、用語「反応性メソゲン」および「RM(reactive mesogen)」は、メソゲンまたは液晶骨格と、その骨格に連結され重合に適切な1個以上の官能基とを含有する化合物を意味すると解し、また、その官能基を「重合性基」または「P」とも呼ぶ。
【0069】
他に述べない限り本明細書において使用する場合、用語「重合性化合物」は重合性モノマー化合物を意味すると解する。
【0070】
本明細書において使用する場合、用語「低分子量化合物」は「ポリマー化合物」または「ポリマー」に対する用語で、モノマーであり、および/または重合反応で調製されない化合物を意味すると解する。
【0071】
本明細書において使用する場合、用語「非重合性化合物」は、RMの重合のために通常適用する条件下において重合に適する官能基を含有しない化合物を意味すると解する。
【0072】
本明細書において使用する場合、用語「メソゲン基」は当業者に既知で文献に記載されており、その引力および斥力的相互作用の異方性によって、低分子量または高分子物質中で液晶(LC:liquid−crystalline)相の発生に本質的に寄与する基を意味する。メソゲン基を含有する化合物(メソゲン化合物)は、それ自身では必ずしもLC相を有する必要はない。また、他の化合物と混合後および/または重合後のみに、メソゲン化合物がLC相挙動を示すことも可能である。典型的なメソゲン基は、例えば、剛直な棒状または円盤状の形状のユニットである。メソゲンまたはLC化合物に関して使用する用語および定義の概説は、Pure Appl.Chem.2001年、73巻(5号)、888頁およびC.Tschierske、G.Pelzl、S.Diele、Angew.Chem.2004年、116巻、6340〜6368頁において与えられている。
【0073】
本明細書において使用する場合、用語「スペーサー基」は、以降では「Sp」とも呼ばれ、当業者に既知で文献に記載されており、例えば、Pure Appl.Chem.2001年、73巻(5号)、888頁およびC.Tschierske、G.Pelzl、S.Diele、Angew.Chem.2004年、116巻、6340〜6368頁を参照。本明細書で使用する場合、用語「スペーサー基」または「スペーサー」は、重合性メソゲン化合物中でメソゲン基および重合性基(1個または複数)を連結している屈曲性の基、例えばアルキレン基を意味する。
【0075】
【化3】
[この文献は図面を表示できません]
は、トランス−1,4−シクロヘキシレン環を表し、
【0076】
【化4】
[この文献は図面を表示できません]
は、1,4−フェニレン環を表す。
【0078】
【化5】
[この文献は図面を表示できません]
において、2個の環原子の間に示される単結合は、ベンゼン環の結合していない任意の位置に連結できる。
【0079】
上および下において、「有機基」は、炭素または炭化水素基を表す。
【0080】
「炭素基」は、少なくとも1個の炭素原子を含有する一価または多価の有機基を表し、ただし、これは、更なる種類の原子を含有しない(例えば、−C≡C−など)か、または、例えば、N、O、S、B、P、Si、Se、As、TeまたはGeなどの1種類以上の更なる原子を含有していてもよい(例えば、カルボニルなど)かのいずれかである。用語「炭化水素基」は、1個以上のH原子を追加的に含有しており、例えば、N、O、S、B、P、Si、Se、As、TeまたはGeなどの1種類以上のヘテロ原子を含有していてもよい炭素基を表す。
【0081】
「ハロゲン」は、F、Cl、BrまたはIを表す。
【0082】
−CO−、−C(=O)−および−C(O)−は、カルボニル基、即ち、
【0083】
【化6】
[この文献は図面を表示できません]
を表す。
【0084】
炭素または炭化水素基は、飽和または不飽和基のいずれでもよい。不飽和基は、例えば、アリール、アルケニルまたはアルキニル基である。3個より多いC原子を有する炭素または炭化水素基は、直鎖状、分岐状および/または環状のいずれでもよく、また、スピロ連結または縮合環を含有していてもよい。
【0085】
また、用語「アルキル」、「アリール」、「ヘテロアリール」などは、多価の基、例えば、アルキレン、アリーレン、ヘテロアリーレンなども包含する。
【0086】
用語「アリール」は、芳香族炭素基またはそれらより誘導される基を表す。用語「ヘテロアリール」は、1個以上のヘテロ原子(好ましくは、N、O、S、Se、Te、SiおよびGeより選択する。)を含有し、上で定義する通りの「アリール」を表す。
【0087】
好ましい炭素および炭化水素基は、置換されていてもよく、1〜40個、好ましくは1〜20個、特に好ましくは1〜12個のC原子を有し、直鎖状、分岐状または環状のアルキル、アルケニル、アルキニル、アルコキシ、アルキルカルボニル、アルコキシカルボニル、アルキルカルボニルオキシおよびアルコキシカルボニルオキシ、置換されていてもよく、5〜30個、好ましくは6〜25個のC原子を有するアリールまたはアリールオキシ、または、置換されていてもよく、5〜30個、好ましくは6〜25個のC原子を有するアルキルアリール、アリールアルキル、アルキルアリールオキシ、アリールアルキルオキシ、アリールカルボニル、アリールオキシカルボニル、アリールカルボニルオキシおよびアリールオキシカルボニルオキシであり、ただし、1個以上のC原子は、好ましくはN、O、S、Se、Te、SiおよびGeより選択するヘテロ原子で置き換えられてもよい。
【0088】
更に好ましい炭素および炭化水素基は、C
1〜C
20アルキル、C
2〜C
20アルケニル、C
2〜C
20アルキニル、C
3〜C
20アリル、C
4〜C
20アルキルジエニル、C
4〜C
20ポリエニル、C
6〜C
20シクロアルキル、C
4〜C
15シクロアルケニル、C
6〜C
30アリール、C
6〜C
30アルキルアリール、C
6〜C
30アリールアルキル、C
6〜C
30アルキルアリールオキシ、C
6〜C
30アリールアルキルオキシ、C
2〜C
30ヘテロアリール、C
2〜C
30ヘテロアリールオキシである。
【0089】
C
1〜C
12アルキル、C
2〜C
12アルケニル、C
2〜C
12アルキニル、C
6〜C
25アリールおよびC
2〜C
25ヘテロアリールが特に好ましい。
【0090】
更に好ましい炭素および炭化水素基は、直鎖状、分岐状または環状で、1〜20個、好ましくは1〜12個のC原子を有するアルキルであり、該基は無置換であるか、F、Cl、Br、IまたはCNで一置換または多置換されており、ただし、1個以上の隣接していないCH
2基は、Oおよび/またはS原子が互いに直接連結しないようにして、それぞれ互いに独立に、−C(R
x)=C(R
x)−、−C≡C−、−N(R
x)−、−O−、−S−、−CO−、−CO−O−、−O−CO−、−O−CO−O−で置き換えられていてもよい。
【0091】
R
xは、好ましくは、H、F、Cl、CN、直鎖状、分岐状または環状で1〜25個のC原子を有するアルキル鎖(ただし加えて、1個以上の隣接していないC原子は、−O−、−S−、−CO−、−CO−O−、−O−CO−、−O−CO−O−によって置き換えられていてもよく、ただし、1個以上のH原子はFまたはClにより置き換えられていてもよい。)を表すか、または、置換されていてもよく6〜30個のC原子を有するアリールまたはアリールオキシ基、または置換されていてもよく2〜30個のC原子を有するヘテロアリールまたはヘテロアリールオキシ基を表す。
【0092】
好ましいアルキル基は、例えば、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、イソブチル、s−ブチル、t−ブチル、2−メチルブチル、n−ペンチル、s−ペンチル、シクロペンチル、n−ヘキシル、シクロヘキシル、2−エチルヘキシル、n−ヘプチル、シクロヘプチル、n−オクチル、シクロオクチル、n−ノニル、n−デシル、n−ウンデシル、n−ドデシル、ドデカニル、トリフルオロメチル、ペルフルオロ−n−ブチル、2,2,2−トリフルオロエチル、ペルフルオロオクチル、ペルフルオロヘキシルなどである。
【0093】
好ましいアルケニル基は、例えば、エテニル、プロペニル、ブテニル、ペンテニル、シクロペンテニル、ヘキセニル、シクロヘキセニル、ヘプテニル、シクロヘプテニル、オクテニル、シクロオクテニルなどである。
【0094】
好ましいアルキニル基は、例えば、エチニル、プロピニル、ブチニル、ペンチニル、ヘキシニル、オクチニルなどである。
【0095】
好ましいアルコキシ基は、例えば、メトキシ、エトキシ、2−メトキシエトキシ、n−プロポキシ、i−プロポキシ、n−ブトキシ、i−ブトキシ、s−ブトキシ、t−ブトキシ、2−メチルブトキシ、n−ペントキシ、n−ヘキソキシ、n−ヘプトキシ、n−オクトキシ、n−ノノキシ、n−デコキシ、n−ウンデコキシ、n−ドデコキシなどである。
【0096】
好ましいアミノ基は、例えば、ジメチルアミノ、メチルアミノ、メチルフェニルアミノ、フェニルアミノなどである。
【0097】
アリールおよびヘテロアリール基は単環でも多環でもよく、即ち、それらは1個の環(例えば、フェニルなど)または2個以上の環を含有してもよく、また、該基は縮合されていてもよく(例えば、ナフチルなど)または共有結合によって連結されていてもよく(例えば、ビフェニルなど)、または、縮合および連結された環の組み合わせを含有していてもよい。ヘテロアリール基は、好ましくは、O、N、SおよびSeより選択する1個以上のヘテロ原子を含有する。
【0098】
6〜25個のC原子を有する単環式、二環式または三環式アリール基および5〜25個の環原子を有する単環式、二環式または三環式ヘテロアリール基が特に好ましく、これらの基は縮合された環を含有していてもよく、置換されていてもよい。更に、5員、6員または7員のアリールおよびヘテロアリール基が好ましく、ただし加えて、1個以上のCH基は、O原子および/またはS原子が互いに直接連結しないようにして、N、SまたはOで置き換えられていてもよい。
【0099】
好ましいアリール基は、例えば、フェニル、ビフェニル、ターフェニル、[1,1’:3’,1”]ターフェニル−2’−イル、ナフチル、アントラセン、ビナフチル、フェナントレン、9,10−ジヒドロフェナントレン、ピレン、ジヒドロピレン、クリセン、ペリレン、テトラセン、ペンタセン、ベンゾピレン、フルオレン、インデン、インデノフルオレン、スピロビフルオレンなどである。
【0100】
好ましいヘテロアリール基は、例えば、ピロール、ピラゾール、イミダゾール、1,2,3−トリアゾール、1,2,4−トリアゾール、テトラゾール、フラン、チオフェン、セレノフェン、オキサゾール、イソキサゾール、1,2−チアゾール、1,3−チアゾール、1,2,3−オキサジアゾール、1,2,4−オキサジアゾール、1,2,5−オキサジアゾール、1,3,4−オキサジアゾール、1,2,3−チアジアゾール、1,2,4−チアジアゾール、1,2,5−チアジアゾール、1,3,4−チアジアゾールなどの5員環;ピリジン、ピリダジン、ピリミジン、ピラジン、1,3,5−トリアジン、1,2,4−トリアジン、1,2,3−トリアジン、1,2,4,5−テトラジン、1,2,3,4−テトラジン、1,2,3,5−テトラジンなどの6員環;またはインドール、イソインドール、インドリジン、インダゾール、ベンゾイミダゾール、ベンゾトリアゾール、プリン、ナフタイミダゾール、フェナントロイミダゾール、ピリダイミダゾール、ピラジンイミダゾール、キノキサリンイミダゾール、ベンゾキサゾール、ナフトキサゾール、アントロキサゾール、フェナントロキサゾール、イソキサゾール、ベンゾチアゾール、ベンゾフラン、イソベンゾフラン、ジベンゾフラン、キノリン、イソキノリン、プテリジン、ベンゾ−5,6−キノリン、ベンゾ−6,7−キノリン、ベンゾ−7,8−キノリン、ベンゾイソキノリン、アクリジン、フェノチアジン、フェノキサジン、ベンゾピリダジン、ベンゾピリミジン、キノキサリン、フェナジン、ナフチリジン、アザカルバゾール、ベンゾカルボリン、フェナントリジン、フェナントロリン、チエノ[2,3b]チオフェン、チエノ[3,2b]チオフェン、ジチエノチオフェン、イソベンゾチオフェン、ジベンゾチオフェン、ベンゾチアジアゾチオフェンなどの縮合基;またはこれらの基の組み合わせである。
【0101】
また、上および下で述べるアリールおよびヘテロアリール基は、アルキル、アルコキシ、チオアルキル、フッ素、フルオロアルキルまたは更なるアリールまたはヘテロアリール基で置換されてよい。
【0102】
(非芳香族)脂環式およびヘテロ環式基は、飽和環、即ち、排他的に単結合を含有するものと、また、部分的に不飽和な環、即ち、多重結合も含有してよいものとの両者を包含する。ヘテロ環式環は、好ましくは、Si、O、N、SおよびSeより選択する1個以上のヘテロ原子を含有する。
【0103】
(非芳香族)脂環式およびヘテロ環式基は、単環式、即ち、1個のみの環を含有(例えば、シクロヘキサンなど)してもよく、または、多環式、即ち、複数の環を含有(例えば、デカヒドロナフタレンまたはビシクロオクタンなど)していてもよい。飽和基が、特に好ましい。更に、単環式、二環式または三環式で、5〜25個の環原子を有する基が好ましく、該基は縮合環を含有していてもよく、置換されていてもよい。更に、5員、6員、7員または8員の炭素環式基が好ましく、ただし加えて、1個以上のC原子はSiで置き換えられていてもよく、および/または、1個以上のCH基はNで置き換えられていてもよく、および/または、1個以上の隣接していないCH
2基は−O−および/または−S−で置き換えられていてもよい。
【0104】
好ましい脂環式およびヘテロ環式基は、例えば、シクロペンタン、テトラヒドロフラン、テトラヒドロチオフラン、ピロリジンなどの5員基、シクロヘキサン、シリナン、シクロヘキセン、テトラヒドロピラン、テトラヒドロチオピラン、1,3−ジオキサン、1,3−ジチアン、ピペリジンなどの6員基、シクロヘプタンなどの7員基、および、テトラヒドロナフタレン、デカヒドロナフタレン、インダン、ビシクロ[1.1.1]ペンタン−1,3−ジイル、ビシクロ[2.2.2]オクタン−1,4−ジイル、スピロ[3.3]ヘプタン−2,6−ジイル、オクタヒドロ−4,7−メタノインダン−2,5−ジイルなどの縮合基である。
【0105】
好ましい置換基は、例えば、アルキルまたはアルコキシなどの溶解促進基、フッ素、ニトロまたはニトリルなどの電子吸引基、または、ポリマーにおいてガラス転移温度(Tg)を上昇させるための置換基、特に、例えば、t−ブチルまたは置換されていてもよいアリール基などの嵩高い基である。
【0106】
以降「L」とも呼ぶ好ましい置換基は、例えば、F、Cl、Br、I、−CN、−NO
2、−NCO、−NCS、−OCN、−SCN、−C(=O)N(R
x)
2、−C(=O)Y
1、−C(=O)R
x、−N(R
x)
2、それぞれ1〜25個のC原子を有する直鎖状または分岐状のアルキル、アルコキシ、アルキルカルボニル、アルコキシカルボニル、アルキルカルボニルオキシまたはアルコキシカルボニルオキシ(ただし、1個以上のH原子はFまたはClで置き換えられていてもよい。)、1〜20個のSi原子を有し置換されていてもよいシリル、または、6〜25個、好ましくは6〜15個のC原子を有し置換されていてもよいアリールである。
【0107】
式中、R
xは、H、F、Cl、CN、直鎖状、分岐状または環状で1〜25個のC原子を有するアルキル鎖を表し、ただし、1個以上の隣接していないCH
2基は、O−および/S−原子が互いに直接連結しないようにして、−O−、−S−、−CO−、−CO−O−、−O−CO−、−O−CO−O−で置き換えられていてもよく、ただし、1個以上のH原子は、それぞれF、Cl、P−またはP−Sp−で置き換えられていてもよい。
【0109】
「置換されたシリルまたはアリール」は、好ましくは、ハロゲン、−CN、R
0、−OR
0、−CO−R
0、−CO−O−R
0、−O−CO−R
0または−O−CO−O−R
0による置換を意味し、ただし、R
0はHまたは1〜20個のC原子を有するアルキルを表す。
【0110】
特に好ましい置換基Lは、例えば、F、Cl、CN、NO
2、CH
3、C
2H
5、OCH
3、OC
2H
5、COCH
3、COC
2H
5、COOCH
3、COOC
2H
5、CF
3、OCF
3、OCHF
2、OC
2F
5、更に、フェニルである。
【0111】
【化7】
[この文献は図面を表示できません]
式中、Lは上に示す意味の1つを有する。
【0112】
重合性基Pは、例えば、フリーラジカルまたはイオン性連鎖重合、重付加または重縮合などの重合反応に適するか、または、例えば、ポリマー主鎖上への付加または縮合といったポリマー類似反応に適する基である。連鎖重合のための基、特に、C=C二重結合またはC≡C三重結合を含有するもの、および、例えば、オキセタンまたはエポキシド基などの開環重合に適する基が特に好ましい。
【0113】
好ましい基PおよびP
a、bは、CH
2=CW
1−CO−O−、CH
2=CW
1−CO−、
【0114】
【化8】
[この文献は図面を表示できません]
CH
2=CW
2−(O)
k3−、CW
1=CH−CO−(O)
k3−、CW
1=CH−CO−NH−、CH
2=CW
1−CO−NH−、CH
3−CH=CH−O−、(CH
2=CH)
2CH−OCO−、(CH
2=CH−CH
2)
2CH−OCO−、(CH
2=CH)
2CH−O−、(CH
2=CH−CH
2)
2N−、(CH
2=CH−CH
2)
2N−CO−、HO−CW
2W
3−、HS−CW
2W
3−、HW
2N−、HO−CW
2W
3−NH−、CH
2=CW
1−CO−NH−、CH
2=CH−(COO)
k1−Phe−(O)
k2−、CH
2=CH−(CO)
k1−Phe−(O)
k2−、Phe−CH=CH−、HOOC−、OCN−およびW
4W
5W
6Si−から成る群より選択され、式中、W
1は、H、F、Cl、CN、CF
3、フェニルまたは1〜5個のC原子を有するアルキル、特に、H、F、ClまたはCH
3を表し、W
2およびW
3は、それぞれ互いに独立に、Hまたは1〜5個のC原子を有するアルキル、特に、H、メチル、エチルまたはn−プロピルを表し、W
4、W
5およびW
6は、それぞれ互いに独立に、Cl、1〜5個のC原子を有するオキサアルキルまたはオキサカルボニルアルキルを表し、W
7およびW
8は、それぞれ互いに独立に、H、Clまたは1〜5個のC原子を有するアルキルを表し、Pheは、P−Sp−以外の上で定義する通りの1個以上の基Lで置換されていてもよい1,4−フェニレンを表し、k
1、k
2およびk
3は、それぞれ互いに独立に、0または1を表し、k
3は、好ましくは、1を表し、k
4は1〜10の整数を表す。
【0115】
非常に好ましい基PおよびP
a、bは、CH
2=CW
1−CO−O−、CH
2=CW
1−CO−、
【0116】
【化9】
[この文献は図面を表示できません]
CH
2=CW
2−O−、CH
2=CW
2−、CW
1=CH−CO−(O)
k3−、CW
1=CH−CO−NH−、CH
2=CW
1−CO−NH−、(CH
2=CH)
2CH−OCO−、(CH
2=CH−CH
2)
2CH−OCO−、(CH
2=CH)
2CH−O−、(CH
2=CH−CH
2)
2N−、(CH
2=CH−CH
2)
2N−CO−、CH
2=CW
1−CO−NH−、CH
2=CH−(COO)
k1−Phe−(O)
k2−、CH
2=CH−(CO)
k1−Phe−(O)
k2−、Phe−CH=CH−およびW
4W
5W
6Si−から成る群より選択され、式中、W
1は、H、F、Cl、CN、CF
3、フェニルまたは1〜5個のC原子を有するアルキル、特に、H、F、ClまたはCH
3を表し、W
2およびW
3は、それぞれ互いに独立に、Hまたは1〜5個のC原子を有するアルキル、特に、H、メチル、エチルまたはn−プロピルを表し、W
4、W
5およびW
6は、それぞれ互いに独立に、Cl、1〜5個のC原子を有するオキサアルキルまたはオキサカルボニルアルキルを表し、W
7およびW
8は、それぞれ互いに独立に、H、Clまたは1〜5個のC原子を有するアルキルを表し、Pheは1,4−フェニレンを表し、k
1、k
2およびk
3は、それぞれ互いに独立に、0または1を表し、k
3は、好ましくは、1を表し、k
4は1〜10の整数を表す。
【0117】
非常に特に好ましい基PおよびP
a、bは、CH
2=CW
1−CO−O−、特に、CH
2=CH−CO−O−、CH
2=C(CH
3)−CO−O−およびCH
2=CF−CO−O−、更に、CH
2=CH−O−、(CH
2=CH)
2CH−O−CO−、(CH
2=CH)
2CH−O−、
【0118】
【化10】
[この文献は図面を表示できません]
から成る群より選択する。
【0119】
更に好ましい重合性基PおよびP
a、bは、ビニルオキシ、アクリレート、メタクリレート、フルオロアクリレート、クロロアクリレート、オキセタンおよびエポキシド基から成る群より選択され、最も好ましくは、アクリレートおよびメタクリレートより選択する。
【0120】
スペーサー基Spが単結合と異なる場合、それぞれの基P−Sp−が式P−Sp”−X”−に一致するように、Spは、好ましくは、式Sp”−X”であり、ただし、Sp”およびX”は以下の意味を有する。
【0121】
Sp”は、1〜20個、好ましくは1〜12個のC原子を有するアルキレンを表し、該基は、F、Cl、Br、IまたはCNで一置換または多置換されていてもよく、ただし加えて、1個以上の隣接していないCH
2基は、Oおよび/またはS原子が互いに直接連結しないようにして、それぞれ互いに独立に、−O−、−S−、−NH−、−N(R
0)−、−Si(R
0R
00)−、−CO−、−CO−O−、−O−CO−、−O−CO−O−、−S−CO−、−CO−S−、−N(R
00)−CO−O−、−O−CO−N(R
0)−、−N(R
0)−CO−N(R
00)−、−CH=CH−または−C≡C−で置き換えられていてもよく、
X”は、−O−、−S−、−CO−、−CO−O−、−O−CO−、−O−CO−O−、−CO−N(R
0)−、−N(R
0)−CO−、−N(R
0)−CO−N(R
00)−、−OCH
2−、−CH
2O−、−SCH
2−、−CH
2S−、−CF
2O−、−OCF
2−、−CF
2S−、−SCF
2−、−CF
2CH
2−、−CH
2CF
2−、−CF
2CF
2−、−CH=N−、−N=CH−、−N=N−、−CH=CR
0−、−CY
2=CY
3−、−C≡C−、−CH=CH−CO−O−、−O−CO−CH=CH−または単結合を表し、
R
0およびR
00は、それぞれ互いに独立に、Hまたは1〜20個のC原子を有するアルキルを表し、
Y
2およびY
3は、それぞれ互いに独立に、H、F、ClまたはCNを表し、
X”は、好ましくは、−O−、−S−、−CO−、−COO−、−OCO−、−O−COO−、−CO−NR
0−、−NR
0−CO−、−NR
0−CO−NR
00−または単結合である。
【0122】
典型的なスペーサー基Spおよび−Sp”−X”−は、例えば、−(CH
2)
p1−、−(CH
2)
p1−O−、−(CH
2)
p1−O−CO−、−(CH
2)
p1−CO−O−、−(CH
2)
p1−O−CO−O−、−(CH
2CH
2O)
q1−CH
2CH
2−、−CH
2CH
2−S−CH
2CH
2−、−CH
2CH
2−NH−CH
2CH
2−または−(SiR
0R
00−O)
p1−で、式中、p1は1〜12の整数であり、q1は1〜3の整数であり、R
0およびR
00は上に示す意味を有する。
【0123】
特に好ましいスペーサー基Spおよび−Sp”−X”−は、−(CH
2)
p1−、−(CH
2)
p1−O−、−(CH
2)
p1−O−CO−、−(CH
2)
p1−CO−O−、−(CH
2)
p1−O−CO−O−で、ただし、p1およびq1は上に示す意味を有する。
【0124】
特に好ましい基Sp”は、それぞれの直鎖状で、エチレン、プロピレン、ブチレン、ペンチレン、ヘキシレン、ヘプチレン、オクチレン、ノニレン、デシレン、ウンデシレン、ドデシレン、オクタデシレン、エチレンオキシエチレン、メチレンオキシブチレン、エチレンチオエチレン、エチレン−N−メチルイミノエチレン、1−メチルアルキレン、エテニレン、プロペニレンおよびブテニレンである。
【0125】
本発明の他の好ましい実施形態において、式Iおよびそれのサブ式の化合物は、基Sp−PがSp(P)
s(ただし、sは2以上である。)に対応するように1個以上の重合性基Pで置換されたスペーサー基Sp(分岐状の重合性基)を含有する。
【0126】
この好ましい実施形態による式Iの好ましい化合物はsが2のもの、即ち、基Sp(P)
2を含有する化合物である。この好ましい実施形態による式Iの非常に好ましい化合物は、以下の式から選択する基を含有する。
【0127】
【化11】
[この文献は図面を表示できません]
式中、Pは式Iで定義する通りであり、
alkylは、単結合または1〜12個のC原子を有する直鎖状もしくは分岐状のアルキレンを表し、該基は無置換であるか、または、F、ClもしくはCNで一置換もしくは多置換されており、ただし、1個以上の隣接していないCH
2基は、それぞれ互いに独立に、Oおよび/またはS原子が互いに直接連結しないようにして、−C(R
0)=C(R
0)−、−C≡C−、−N(R
0)−、−O−、−S−、−CO−、−CO−O−、−O−CO−または−O−CO−O−で置き換えられていてもよく、ただし、R
0は上に示す意味を有し、
aaおよびbbは、それぞれ互いに独立に、0、1、2、3、4、5または6を表し、
Xは、X”に示す意味の1つを有し、好ましくは、O、CO、SO
2、O−CO−、CO−Oまたは単結合である。
【0128】
好ましいスペーサー基Sp(P)
2は、式S1、S2およびS3から選択する。
【0129】
非常に好ましいスペーサー基Sp(P)
2は、以下のサブ式から選択する。
【0130】
【化12】
[この文献は図面を表示できません]
好ましくは、上および下に記載する通りの式Iおよびそのサブ式の化合物において、化合物中に存在する全ての重合性基Pは同一の意味を有し、非常に好ましくはアクリレートまたはメタクリレートを表す。
【0131】
基Arが式Ar5、Ar6およびAr7から選択され、化合物中に存在する基Pは同一または異なっている式Iおよびそのサブ式の化合物が更に好ましい。
【0132】
上および下に記載する通りの式Iおよびそのサブ式の化合物において、L
aは、好ましくは、、OCH
3、OC
2H
5、O(CH
2)
2CH
3、OC(CH
3)
3、OCF
3、OCF
2HまたはOCFH
2、非常に好ましくはOCH
3またはOCF
3、最も好ましくはOCH
3である。
【0133】
上および下に記載する通りの式Iおよびそのサブ式の化合物において、Arは、好ましくは、式Ar1、Ar2およびAr5から選択する。
【0134】
式Iの好ましい化合物は、以下のサブ式から選択する。
【0135】
【化13】
[この文献は図面を表示できません]
【0136】
【化14】
[この文献は図面を表示できません]
式中、P、Sp、RおよびLは、式Iで与える意味を有し、
r1、r3、r7は、それぞれ互いに独立に、0、1、2または3であり、
r2は、0、1、2、3または4であり、
r4、r5、r6は、それぞれ互いに独立に、0、1または2であり、
ただし、r1+r7は1以上であり、r1+r2+r3は1以上であり、r4+r5は1以上であり、r1+r3+r4は1以上であり、および
ただし、化合物は、式Iで定義する通りのL
aを表す少なくとも1個の置換基Lを含有する。
【0137】
2個の基Rの一方がHであり、他方がP−Spである式I1〜I7の化合物が好ましい。
【0138】
両方の基RがHを表す式I1〜I7の化合物が更に好ましい。
【0139】
両方の基RがP−Spを表す式I1〜I7の化合物が更に好ましい。
【0140】
式I1、I2およびI5の化合物が非常に好ましい。
【0141】
以下のサブ式から選択する式IおよびI1〜I7の化合物が更に好ましい。
【0142】
【化15】
[この文献は図面を表示できません]
【0143】
【化16】
[この文献は図面を表示できません]
【0144】
【化17】
[この文献は図面を表示できません]
【0145】
【化18】
[この文献は図面を表示できません]
【0146】
【化19】
[この文献は図面を表示できません]
【0147】
【化20】
[この文献は図面を表示できません]
【0148】
【化21】
[この文献は図面を表示できません]
式中、P、Sp、P(Sp)
2、Lおよびr1〜r7は、式Iで与える意味または上および下で与える通りの好ましい意味の1つを有する。
【0149】
好ましくは、式I1−2、I2−2、I3−2、I4−2、I5−2、I6−2、I6−4およびI7−2において、基−Sp(Sp)
2は、上で定義する通りの式S1〜S8またはS1a〜S3aから選択する。
【0150】
式Iの非常に好ましい化合物は、以下のサブ式から選択する。
【0151】
【化22】
[この文献は図面を表示できません]
【0152】
【化23】
[この文献は図面を表示できません]
【0153】
【化24】
[この文献は図面を表示できません]
【0154】
【化25】
[この文献は図面を表示できません]
【0155】
【化26】
[この文献は図面を表示できません]
【0156】
【化27】
[この文献は図面を表示できません]
【0157】
【化28】
[この文献は図面を表示できません]
【0158】
【化29】
[この文献は図面を表示できません]
【0159】
【化30】
[この文献は図面を表示できません]
【0160】
【化31】
[この文献は図面を表示できません]
【0161】
【化32】
[この文献は図面を表示できません]
【0162】
【化33】
[この文献は図面を表示できません]
【0163】
【化34】
[この文献は図面を表示できません]
【0164】
【化35】
[この文献は図面を表示できません]
【0165】
【化36】
[この文献は図面を表示できません]
【0166】
【化37】
[この文献は図面を表示できません]
【0167】
【化38】
[この文献は図面を表示できません]
【0168】
【化39】
[この文献は図面を表示できません]
【0169】
【化40】
[この文献は図面を表示できません]
【0170】
【化41】
[この文献は図面を表示できません]
式中、P、Sp、Sp(P)
2およびL
aは上および下に与える意味を有し、ただし、Spは単結合と異なり、L
’は上および下でLに与える意味の1つを有する。
【0171】
サブ式I1−1−1〜I5−5−7の非常に好ましい化合物は、全ての基Pが同一でアクリレートまたはメタクリレート基のいずれかを表すものであり、更に、Spが、−(CH
2)
p1−、−(CH
2)
p1−O−、−(CH
2)
p1−O−CO−または−(CH
2)
p1−CO−O−であり、ただし、p1は1〜12、好ましくは1〜6の整数であり、O−またはCO−基がベンゼン環に連結しているものであり、更に、Sp(P)
2がS1〜S8、非常に好ましくはサブ式S1a〜S3aから選択するものであり、更に、L
’がFであるか、L
a、好ましくはFを表すものであり、更に、L
aが、OCH
3、OC
2H
5、O(CH
2)
2CH
3、OC(CH
3)
3またはOCF
3、非常に好ましくはOCH
3またはOCF
3、最も好ましくはOCH
3であるものである。
【0172】
式Iおよびそれのサブ式の更に好ましい化合物は、以下の好ましい実施形態(それらの任意の組合せを含む。)から選択する。
【0173】
・化合物中の全ての基Pは、同一の意味を有する。
【0174】
・Arは、式Ar1、Ar2、Ar3およびAr4から選択し、化合物中に存在する全ての基Pは同一の意味を有する。
【0175】
・Arは、式Ar1、Ar2、Ar3、Ar4およびAr5から選択し、化合物中に存在する全ての基Pは同一の意味を有する。
【0176】
・Arは、式Ar1、Ar2、Ar3、Ar4およびAr6から選択し、化合物中に存在する全ての基Pは同一の意味を有する。
【0177】
・Arは、式Ar1、Ar2、Ar3、Ar4およびAr7から選択し、化合物中に存在する全ての基Pは同一の意味を有する。
【0178】
・Arは、式Ar1、Ar2、Ar3、Ar4、Ar5およびAr7から選択し、化合物中に存在する全ての基Pは同一の意味を有する。
【0179】
・Arは、式Ar1、Ar2、Ar3、Ar4、Ar6よびAr7から選択し、化合物中に存在する全ての基Pは同一の意味を有する。
【0180】
・ArはAr5ら選択し、化合物中に存在する基Pは同一または異なる意味を有してよい。
【0181】
・ArはAr6ら選択し、化合物中に存在する基Pは同一または異なる意味を有してよい。
【0182】
・ArはAr7ら選択し、化合物中に存在する基Pは同一または異なる意味を有してよい。
【0183】
・化合物は、2個のみの重合性基(基Pで表される。)を含有する。
【0184】
・化合物は、3個のみの重合性基(基Pで表される。)を含有する。
【0185】
・Pは、アクリレート、メタクリレートおよびオキセタンから成る群より選択する。
【0186】
・Spは、単結合と異なる場合、−(CH
2)
p2−、−(CH
2)
p2−O−、−(CH
2)
p2−CO−O−、−(CH
2)
p2−O−CO−であり、ただし、p2は、2、3、4、5または6であり、O−原子またはCO−基は、それぞれベンゼン環に連結している。
【0187】
・Sp(P)
2は、サブ式S11〜S31から選択する。
【0188】
・Spは、単結合と異なる場合、−(CH
2)
p2−、−(CH
2)
p2−O−、−(CH
2)
p2−CO−O−、−(CH
2)
p2−O−CO−であり、ただし、p2は、2、3、4、5または6であり、O−原子またはCO−基は、それぞれベンゼン環に連結しており、Sp(P)
2は式S1〜S8、好ましくはサブ式S11〜S31から選択する。。
【0190】
・Rは、重合性基を表さず含有しない。
【0191】
・Rは重合性基を表さず含有せず、1〜25個のC原子を有する直鎖状、分岐状または環状のアルキルを表し、ただし、1個以上の隣接していないCH
2基は、O−および/またはS−原子が互いに直接連結しないようにして、−O−、−S−、−CO−、−CO−O−、−O−CO−、−O−CO−O−で置き換えられていてもよく、ただし、1個以上のH原子は、それぞれFまたはCで置き換えられていてもよい。
【0192】
・Lは、L
aと異なる場合、F、ClまたはCNを表す。
【0193】
・L
aは、OCH
3、OC
2H
5、OCF
3、OCF
2HまたはOCFH
2、非常に好ましくはOCH
3またはOC
2H
5、最も好ましくはOCH
3である。
【0194】
・r1、r2およびr3は、0または1を表す。
【0195】
・r1、r2、r3、r4、r5およびr6は、0または1を表す。
【0196】
・r1およびr7の一方は0であり、他方が1である。
【0197】
・r1は1であり、r2およびr3は0である。
【0198】
・r3は1であり、r1およびr2は0である。
【0199】
・r4およびr5の一方は0であり、他方が1である。
【0200】
・r4およびr6は0であり、r5は1である。
【0201】
・r1およびr4は0であり、r3は1である。
【0202】
・r1およびr3は0であり、r4は1である。
【0203】
・r3およびr4は0であり、r1は1である。
【0204】
本発明は、更に、式II1〜II7の化合物に関する。
【0205】
【化42】
[この文献は図面を表示できません]
【0206】
【化43】
[この文献は図面を表示できません]
式中、
Sp、L、r
1〜6およびqは、式I1〜I7で定義する通りであり、
Rは、HまたはPg−Spを表し、
Pgは、OH、保護されたヒドロキシ基またはマスクされたヒドロキシ基を表す。
【0207】
式II1〜II6の好ましい化合物は、PがPgで置き換えられた上で定義するサブ式I1〜I4およびI1a〜I4aより選択する。
【0208】
適切な保護されたヒドロキシ基Pgは、当業者に既知である。ヒドロキシ基のための好ましい保護基は、アルキル、アルコキシアルキル、アシル、アルキルシリル、アリールシリルおよびアリールメチル基、特に、2−テトラヒドロピラニル、メトキシメチル、メトキシエトキシメチル、アセチル、トリイソプロピルシリル、tert−ブチルジメチルシリルまたはベンジルである。
【0209】
用語「マスクされたヒドロキシ基」は、化学的にヒドロキシ基に転化できる任意の官能基を意味すると理解される。適切なマスクされたヒドロキシ基Pgは、当業者に既知である。
【0210】
式IIの化合物は、式Iおよびそれのサブ式の化合物を調製するための中間体に適している。
【0211】
本発明は、更に、式Iおよびそれのサブ式の化合物を調製するための中間体としての式IIの化合物の使用に関する。
【0212】
式IおよびIIおよびそれらのサブ式の化合物および中間体は、当業者に既知で、例えば、Houben−Weyl、Methoden der organischen Chemie[Methods of Organic Chemistry]、Thieme−Verlag、Stuttgartなどの有機化学の標準的な著作に記載される方法に類似して調製できる。
【0213】
例えば、重合性基Pを含有する対応する酸、酸誘導体またはハロゲン化された化合物を使用して、PgがOHを表す式IIの中間体をエステル化またはエーテル化することで、式Iの化合物を合成できる。
【0214】
例えば、ピリジンまたはトリエチルアミンおよび4−(N,N−ジメチルアミノ)ピリジン(DMAP:4−(N,N−dimethylamino)pyridine)などの塩基の存在下において、例えば、塩化(メタ)アクリルまたは(メタ)アクリル酸無水物などの酸誘導体で対応するアルコールをエステル化して、アクリル酸またはメタアクリル酸エステルを調製できる。あるいは、脱水試薬、例えばステグリッヒによるジシクロヘキシルカルボジイミド(DCC:dicyclohexylcarbodiimide)、N−(3−ジメチルアミノプロピル)−N’−エチルカルボジイミド(EDC:N−(3−dimethylaminopropyl)−N’−ethylcarbodiimide)またはN−(3−ジメチルアミノプロピル)−N’−エチルカルボジイミド塩酸塩およびDMAPの存在下において、(メタ)アクリル酸でアルコールをエステル化して、エステルを調製できる。
【0216】
PSAディスプレイを製造するために、任意に電極に電圧を印加しながら、LCディスプレイの基板間でLC媒体中において、その場での重合により、LC媒体に含有される重合性化合物を重合または架橋(1つの化合物が2個以上の重合性基を含有する場合)する。
【0217】
本発明によるPSAディスプレイの構造は、冒頭で引用した先行技術に記載される通りのPSAディスプレイの通常の構成に対応している。突起のない構成が好ましく、特に加えて、カラーフィルター側の電極が構造化されておらず、TFT側の電極のみがスリットを有するものが好ましい。PS−VAディスプレイ用に特に適切で好ましい電極構造は、例えば、米国特許出願公開第2006/0066793号公報に記載されている。
【0218】
本発明の好ましいPSAタイプLCディスプレイは、
・ピクセル領域を定義するピクセル電極、それぞれのピクセル領域に配置されたスイッチ素子に連結されておりマイクロスリットパターンを施してもよいピクセル電極、および任意にピクセル電極上に配置された第1配向層を含む第1基板と;
・第1基板に面している第2基板の全体部分上に配置してもよい通常の電極層、および任意の第2配向層を含む第2基板と;
・上および下に記載する通りの重合性成分Aおよび液晶成分B(ただし、重合性成分Aは重合されていてもよい。)を含むLC媒体を含み、第1および第2基板間に配置されたLC層と
を含む。
【0219】
第1および/または第2配向層は、LC層のLC分子の配向方向を制御する。例えば、PS−VAディスプレイにおいては、配向層がLC分子をホメオトロピック(または垂直)配向(即ち、表面に垂直)またはチルト配向とするように配向層を選択する。そのような配向層は、例えば、ポリイミドを含み、ポリイミドはラビングされていてもよく、光配向法で調製できる。
【0220】
LC媒体を有するLC層は、ディスプレイの製造で通常使用される方法、例えば、いわゆる液晶滴下工法(ODF:one drop filling)でディスプレイの基板間に配置できる。次いで、LC媒体の重合性成分を、例えばUV光重合で重合する。重合は、1つの工程または2つ以上の工程で行える。
【0221】
PSAディスプレイは、カラーフィルター、ブラックマトリクス、パッシベーション層、光学レタデーション層、個々のピクセルをアドレスするためのトランジスタ素子などの更なる要素を含んでよく、これらは全て当業者に既知で、特許性のある技量を発揮することなく用いることができる。
【0222】
電極構造は、個々のディスプレイのタイプに応じて当業者が設計できる。例えば、PS−VAディスプレイ用に2個、4個またはそれ以上の異なるチルト配向方向を生成するために、スリットおよび/または隆起もしくは突起を有する電極を提供することで、LC分子のマルチドメイン配向性を誘発できる。
【0223】
重合すれば重合性化合物は架橋されたポリマーを形成し、LC媒体中にLC分子の一定のプレチルトが生じる。特定の理論に縛られることを望むものではないが、重合性化合物で形成される架橋されたポリマーの少なくとも一部分が、LC媒体より相分離または沈殿し、基板もしくは電極またはそれらの上に提供された配向層上でポリマーの層を形成する
と考えられる。顕微鏡測定データ(SEMおよびAFMなど)で、形成されたポリマーの少なくとも一部がLC/基板の界面に蓄積していることを確認した。
【0224】
重合は単一の工程で行うことができる。また、最初に、プレチルト角を生成するために第1工程において任意に電圧を印加しながら重合を行い、続いて、第2重合工程において電圧を印加せずに、第1工程において反応しなかった化合物を重合または架橋する(「最終硬化」)ことも可能である。
【0225】
適切で好ましい重合方法は、例えば、熱または光重合で、好ましくは光重合であり、特にはUV誘発光重合で、UV照射に重合性化合物を曝露することで達成できる。
【0226】
1種類以上の重合開始剤をLC媒体に添加できる。重合に適切な条件および開始剤の適切なタイプおよび量は当業者に既知であり、文献に記載されている。例えば、商業的に入手可能な光重合開始剤Irgacure651(登録商標)、Irgacure184(登録商標)、Irgacure907(登録商標)、Irgacure369(登録商標)またはDarocure1173(登録商標)(Ciba社)がフリーラジカル重合に適する。重合開始剤を用いる場合、開始剤の割合は、好ましくは、0.001〜5重量%、特に好ましくは、0.001〜1重量%である。
【0227】
また、本発明による重合性化合物は開始剤を伴わない重合にも適しており、このことは、例えば、材料費がより低く、特に、開始剤またはその劣化生成物の残存し得る量によるLC媒体の汚染がより少ないなどの特筆すべき利点を伴う。このように、開始剤を加えることなく、重合を行うこともできる。よって、好ましい実施形態において、LC媒体は重合開始剤を含まない。
【0228】
また、例えば、保存または輸送中におけるRMの好ましくない自発的な重合を防止するために、LC媒体は1種類以上の安定剤を含んでもよい。安定剤の適切なタイプおよび量は当業者に既知であり、文献に記載されている。例えば、Irganox(登録商標)シリーズ(Ciba社)からの商業的に入手可能な安定剤、例えば、Irganox(登録商標)1076などが特に適切である。安定剤を用いる場合、安定剤の割合は、RMまたは重合性成分(成分A)の総量を基礎として、好ましくは、10〜500,000ppm、特に好ましくは、50〜50,000ppmである。
【0229】
式Iの重合性化合物は、PSAディスプレイを調製する1個以上の以下の特徴を含む方法において特に良好なUV吸収性を示し、よって、その方法に特に適する:
・重合性媒体を、チルト角を生成するための第1UV曝露工程(「UV−1工程」)と、重合を完結するための第2UV曝露工程(「UV−2工程」)とを含む2段階工程でディスプレイ内においてUV光に曝露する;
・重合性媒体を、エネルギー節約UVランプ(「グリーンUVランプ」としても知られている。)で生成したUV光にディスプレイ内で曝露する。これらのランプは300〜380nmの吸収スペクトルにおいて比較的低い強度(従来のUVランプの1/100〜1/10である。)で特徴付けられ、好ましくはUV2工程で使用し、UV1工程においても高い強度を避ける必要がある場合は使用できる;
・PS−VA工程において短い波長のUV光に曝露するのを避けるために、重合性媒体を、より長い波長(好ましくは340nm以上である。)にシフトした放射スペクトルを有するUVランプで生成したUV光にディスプレイ内で曝露する。
【0230】
より低い強度を使用するか、より長い波長のUVへシフトするかの何れによっても、UV光で引き起こされ得る損傷から有機層を保護する。
【0231】
本発明の好ましい実施形態は、上および下に記載するPSAディスプレイを調製する方法に関し、1個以上の以下の特徴を含む:
・重合性LC媒体を、チルト角を生成するための第1UV曝露工程(「UV−1工程」)と、重合を完結するための第2UV曝露工程(「UV−2工程」)とを含む2段階でUV光に曝露する;
・重合性LC媒体を、300〜380nmの波長範囲内で0.5mW/cm
2〜10mW/cm
2の強度を有するUVランプで生成したUV光に曝露する(好ましくは、このUVランプをUV2工程で使用し、UV1工程でも使用できる。);
・重合性LC媒体を、340nm以上で、好ましくは400nm以下の波長を有するUV光に曝露する。
【0232】
この好ましい方法は、例えば、所望のUVランプを使用するか、それぞれ所望の波長を有するUV光を実質的に透過し、それぞれ所望でない波長を有する光を実質的に遮断するバンドパスフィルターおよび/またはカットオフフィルターを使用することで実施可能である。例えば、300〜400nmの波長λのUV光で照射が望ましい場合、λが300nm超400nm未満の波長を実質的に透過するワイドバンドパスフィルターを使用して、UV曝露を実施可能である。340nm超の波長λのUV光で照射することが望ましい場合、340nm超の波長λを実質的に透過するカットオフフィルターを用いて、UV曝露を実施可能である。
【0233】
「実質的に透過する」は、フィルターが、所望の波長の入射光の、大部分、好ましくは少なくとも50%の強度で透過することを意味する。「実質的に遮断する」は、フィルターが、所望でない波長の入射光の大部分、好ましくは少なくとも50%の強度で透過しないことを意味する。「所望(所望でない)波長」は、例えば、バンドパスフィルターの場合は、与えられるλの範囲内(外)の波長を意味し、カットオフフィルターの場合は、与えられるλの値の上(下)の波長を意味する。
【0234】
この好ましい方法は、より長い波長のUVを用いてのディスプレイの製造を可能にし、これにより、UV光の短波長成分の有害作用および損傷作用を低減または回避できる。
【0235】
UV照射エネルギーは、一般的に6〜100Jであり、製造工程の条件による。
【0236】
好ましくは、本発明によるLC媒体は、重合性成分A)または式Iの1種類以上の重合性化合物と、上および下に記載する通りのLC成分B)またはLCホスト混合物とから本質的になる。しかしながら、LC媒体は、好ましくは、コモノマー、キラルドーパント、重合開始剤、禁止剤、安定剤、界面活性剤、湿潤剤、潤滑剤、分散剤、疎水化剤、接着剤、流動性向上剤、消泡剤、脱気剤、希釈剤、反応性希釈剤、助剤、着色剤、色素、顔料およびナノ粒子が挙げられるリストより限定することなく選ばれる1種類以上の更なる成分または添加剤を追加的に含んでよい。
【0237】
1種類、2種類または3種類の式Iの重合性化合物を含むLC媒体が特に好ましい。
【0238】
更に、重合性成分A)が式Iの重合性化合物を排他的に含むLC媒体が好ましい。
【0239】
更に、液晶成分B)またはLCホスト混合物がネマチック液晶相を有し、好ましくはキラル液晶相を有さないLC媒体が好ましい。
【0240】
LC成分B)またはLCホスト混合物は、好ましくは、ネマチックLC混合物である。
【0241】
更に、式Iのアキラル化合物が好ましく、成分Aおよび/またはBの化合物がアキラル化合物から成る群より排他的に選択するLC媒体が好ましい。
【0242】
好ましくは、LC媒体中における重合性成分A)の割合は0%より多く5%未満、非常に好ましくは0%より多く1%未満、最も好ましくは0.01%〜0.5%である。
【0243】
好ましくは、LC媒体中における式Iの化合物の割合は0%より多く5%未満、非常に好ましくは0%より多く1%未満、最も好ましくは0.01%〜0.5%である。
【0244】
好ましくは、LC媒体中におけるLC成分B)の割合は、95%〜100%未満、非常に好ましくは99%〜100%未満である。
【0245】
好ましい実施形態において、重合性成分A)の重合性化合物は式Iより排他的に選択する。
【0246】
他の好ましい実施形態においては、式Iの化合物に加えて、重合性成分A)は1種類以上の更なる重合性化合物(「コモノマー」)を含み、それらは、好ましくはRMより選択する。
【0247】
適切で好ましいメソゲンコモノマーは、以下の式より選択する。
【0248】
【化44】
[この文献は図面を表示できません]
【0249】
【化45】
[この文献は図面を表示できません]
【0250】
【化46】
[この文献は図面を表示できません]
【0251】
【化47】
[この文献は図面を表示できません]
【0252】
【化48】
[この文献は図面を表示できません]
式中、個々の基は以下の意味を有する:
P
1、P
2およびP
3は、それぞれ互いに独立に、アクリレートまたはメタクリレート基を表し、
Sp
1、Sp
2およびSp
3は、それぞれ互いに独立に、単結合またはSpに対して上および下で示される意味の1つを有するスペーサーを表し、特に好ましくは、−(CH
2)
p1−、−(CH
2)
p1−O−、−(CH
2)
p1−CO−O−、−(CH
2)
p1−O−CO−または−(CH
2)
p1−O−CO−O−を表し、式中、p1は1〜12の整数であり、
ただし加えて、存在する基P
1−Sp
1−、P
2−Sp
2−およびP
3−Sp
3−の少なくとも1つがR
aaと異なることを条件として、1個以上の基P
1−Sp
1−、P
2−Sp
2−およびP
3−Sp
3−はR
aaを表してもよく、
R
aaは、H、F、Cl、CN、または、1〜25個のC原子を有する直鎖状または分岐状のアルキル(ただし加えて、1個以上の隣接していないCH
2基は、Oおよび/またはS原子が互いに直接連結しないようにして、それぞれ互いに独立に、C(R
0)=C(R
00)−、−C≡C−、−N(R
0)−、−O−、−S−、−CO−、−CO−O−、−O−CO−、−O−CO−O−で置き換えられていてもよく、ただし加えて、1個以上のH原子は、F、Cl、CNまたはP
1−Sp
1−で置き換えられていてもよい。)、特に好ましくは、直鎖状または分岐状で一フッ素化または多フッ素化されていてもよく1〜12個のC原子を有するアルキル、アルコキシ、アルケニル、アルキニル、アルキルカルボニル、アルコキシカルボニル、アルキルカルボニルオキシまたはアルコキシカルボニルオキシ(ただし、アルケニルおよびアルキニル基は少なくとも2個のC原子を有し、分岐状の基は少なくとも3個のC原子を有する。)を表し、
R
0、R
00は、それぞれ互いに独立に、それぞれの出現において同一または異なって、Hまたは1〜12個のC原子を有するアルキルを表し、
R
yおよびR
zは、それぞれ互いに独立に、H、F、CH
3またはCF
3を表し、
X
1、X
2およびX
3は、それぞれ互いに独立に、−CO−O−、−O−CO−または単結合を表し、
Z
1は、−O−、−CO−、−C(R
yR
z)−または−CF
2CF
2−を表し、
Z
2およびZ
3は、それぞれ互いに独立に、−CO−O−、−O−CO−、−CH
2O−、−OCH
2−、−CF
2O−、−OCF
2−または−(CH
2)
n−を表し、ただし、nは、2、3または4であり、
Lは、それぞれの出現において同一または異なって、F、Cl、CN、または、直鎖状または分岐状で一フッ素化または多フッ素化されていてもよく1〜12個のC原子を有するアルキル、アルコキシ、アルケニル、アルキニル、アルキルカルボニル、アルコキシカルボニル、アルキルカルボニルオキシまたはアルコキシカルボニルオキシ、好ましくは、Fを表し、
L’およびL”は、それぞれ互いに独立に、H、FまたはClを表し、
rは、0、1、2、3または4を表し、
sは、0、1、2または3を表し、
tは、0、1または2を表し、
xは、0または1を表す。
【0253】
式M2、M13、M17、M22、M23、M24およびM30の化合物が特に好ましい。
【0254】
更に、三反応性化合物M15〜M30、特に、M17、M18、M19、M22、M23、M24、M25、M26、M30およびM31が好ましい。
【0256】
【化49】
[この文献は図面を表示できません]
ただし、Lは、それぞれの出現において同一または異なって、上および下で与える意味の1つを有し、好ましくは、F、Cl、CN、NO
2、CH
3、C
2H
5、C(CH
3)
3、CH(CH
3)
2、CH
2CH(CH
3)C
2H
5、OCH
3、OC
2H
5、COCH
3、COC
2H
5、COOCH
3、COOC
2H
5、CF
3、OCF
3、OCHF
2、OC
2F
5またはP−Sp−、非常に好ましくは、F、Cl、CN、CH
3、C
2H
5、OCH
3、COCH
3、OCF
3またはP−Sp−、より好ましくは、F、Cl、CH
3、OCH
3、COCH
3またはOCF
3、特に、FまたはCH
3である。
【0257】
上記の重合性化合物に加え、本発明によるLCディスプレイにおいて使用するためのLC媒体は、非重合性の低分子量化合物より選択する1種類以上、好ましくは2種類以上のLC化合物を含むLC混合物(「ホスト混合物」)を含む。これらのLC化合物は、重合性化合物の重合のために適用される条件下において重合反応に対して安定および/または非反応性となるようにに選択する。
【0258】
原理的には、従来のディスプレイにおける使用に適する任意のLC混合物がホスト混合物として適する。適切なLC混合物は当業者に既知で文献に記載されており、例えば、欧州特許出願公開第1 378 557号公報におけるVAディスプレイ中の混合物、および、欧州特許出願公開第1 306 418号公報およびドイツ国特許出願公開第102 24 046号公報におけるOCBディスプレイ中の混合物である。
【0259】
式Iの重合性化合物は、アルケニル基を含む1種類以上のメソゲンまたはLC化合物(以降、「アルケニル化合物」とも呼ぶ。)を含むLCホスト混合物における使用に特に適しており、ただし、該アルケニル基は、式Iの化合物およびLC媒体中に含有される他の重合性化合物を重合するために使用される条件下における重合反応に対して安定である。先行技術より既知のRMと比較して、そのようなLCホスト混合物において、式Iの化合物は、溶解性、反応性またはチルト角を生成する能力などの改良された特性を示す。
【0260】
よって、式Iの重合性化合物に加え、本発明によるLC媒体は、アルケニル基を含む1種類以上のメソゲンまたは液晶化合物(以降、「アルケニル化合物」とも呼ぶ。)を含み、ただし、このアルケニル基は、式Iの重合性化合物およびLC媒体中に含有される他の重合性化合物を重合するために使用される条件下における重合反応に対して好ましくは安定である。
【0261】
アルケニル化合物におけるアルケニル基は、好ましくは、特に2〜25個のC原子を有する、特に好ましくは2〜12個のC原子を有する直鎖状、分岐状または環状のアルケニルより選択され、ただし加えて、1個以上の隣接していないCH
2基は、Oおよび/またはS原子が互いに直接連結しないようにして、−O−、−S−、−CO−、−CO−O−、−O−CO−、−O−CO−O−で置き換えられていてもよく、ただし加えて、1個以上のH原子はFおよび/またはClで置き換えられていてもよい。
【0262】
好ましいアルケニル基は、2〜7個のC原子を有する直鎖状のアルケニルおよびシクロヘキセニルであり、特に、エテニル、プロペニル、ブテニル、ペンテニル、ヘキセニル、ヘプテニル、1,4−シクロヘキセン−1−イルおよび1,4−シクロヘキセン−3−イルである。
【0263】
アルケニル基を含有する化合物のLCホスト混合物における濃度(即ち、重合性化合物は一切関与しない。)は、好ましくは5%〜100%、非常に好ましくは20%〜60%である。
【0264】
アルケニル基を有する化合物を1〜5種類、好ましくは1種類、2種類または3種類含有するLC混合物が特に好ましい。
【0265】
アルケニル基を含有するメソゲンおよびLC化合物は、好ましくは、下で定義する式ANおよびAYから選択する。
【0266】
上記の重合性成分A)に加え、本発明によるLC媒体は、非重合性の低分子量化合物より選択する1種類以上、好ましくは2種類以上のLC化合物を含むLC成分B)またはLCホスト混合物を含む。これらのLC化合物は、重合性化合物の重合に適用される条件において、重合反応に対し安定でありおよび/または非反応性であるように選択する。
【0267】
第1の好ましい実施形態において、LC媒体は、負の誘電異方性を有する化合物を基礎とするLC成分B)またはLCホスト混合物を含有する。その様なLC媒体は、特に、PS−VAおよびPS−UB−FFSディスプレイにおける使用に適する。そのようなLC媒体の特に好ましい実施形態は、下の項目a)〜z3)のものである。
【0268】
a)成分B)またはLCホスト混合物が、式CYおよびPYから選択する1種類以上の化合物を含むLC媒体。
【0269】
【化50】
[この文献は図面を表示できません]
式中、
aは、1または2を表し、
bは、0または1を表し、
【0270】
【化51】
[この文献は図面を表示できません]
R
1およびR
2は、それぞれ互いに独立に、1〜12個のC原子を有するアルキル(ただし加えて、1個または2個の隣接していないCH
2基は、O原子が互いに直接連結しないようにして、−O−、−CH=CH−、−CO−、−OCO−または−COO−で置き換えられていてもよい。)、好ましくは、1〜6個のC原子を有するアルキルまたはアルコキシを表し、
Z
xおよびZ
yは、それぞれ互いに独立に、−CH
2CH
2−、−CH=CH−、−CF
2O−、−OCF
2−、−CH
2O−、−OCH
2−、−CO−O−、−O−CO−、−C
2F
4−、−CF=CF−、−CH=CH−CH
2O−または単結合、好ましくは、単結合を表し、
L
1〜4は、それぞれ互いに独立に、F、Cl、OCF
3、CF
3、CH
3、CH
2F、CHF
2を表す。
【0271】
好ましくは、L
1およびL
2の両方がFを表すか、または、L
1およびL
2の一方がFを表し、他方がClを表すか、または、L
3およびL
4の両方がFを表すか、または、L
3およびL
4の一方がFを表し、他方がClを表す。
【0272】
式CYの化合物は、好ましくは、以下のサブ式から成る群より選択する。
【0273】
【化52】
[この文献は図面を表示できません]
【0274】
【化53】
[この文献は図面を表示できません]
【0275】
【化54】
[この文献は図面を表示できません]
【0276】
【化55】
[この文献は図面を表示できません]
【0277】
【化56】
[この文献は図面を表示できません]
式中、aは1または2を表し、alkylおよびalkyl
*は、それぞれ互いに独立に、1〜6個のC原子を有する直鎖状のアルキル基を表し、alkenylは2〜6個のC原子を有する直鎖状のアルケニル基を表し、(O)は酸素原子または単結合を表す。alkenylは、好ましくは、CH
2=CH−、CH
2=CHCH
2CH
2−、CH
3−CH=CH−、CH
3−CH
2−CH=CH−、CH
3−(CH
2)
2−CH=CH−、CH
3−(CH
2)
3−CH=CH−またはCH
3−CH=CH−(CH
2)
2−を表す。
【0278】
式PYの化合物は、好ましくは、以下のサブ式から成る群より選択する。
【0279】
【化57】
[この文献は図面を表示できません]
【0280】
【化58】
[この文献は図面を表示できません]
【0281】
【化59】
[この文献は図面を表示できません]
式中、alkylおよびalkyl
*は、それぞれ互いに独立に、1〜6個のC原子を有する直鎖状のアルキル基を表し、alkenylは2〜6個のC原子を有する直鎖状のアルケニル基を表し、(O)は酸素原子または単結合を表す。alkenylは、好ましくは、CH
2=CH−、CH
2=CHCH
2CH
2−、CH
3−CH=CH−、CH
3−CH
2−CH=CH−、CH
3−(CH
2)
2−CH=CH−、CH
3−(CH
2)
3−CH=CH−またはCH
3−CH=CH−(CH
2)
2−を表す。
【0282】
b)成分B)またはLCホスト混合物が、アルケニル基を含む1種類以上のメソゲンまたはLC化合物(以降、「アルケニル化合物」とも呼ぶ。)(ただし、該アルケニル基は、LC媒体中に含有される重合性化合物を重合するために使用される条件下における重合反応に対して安定である。)を含むLC媒体。
【0283】
好ましくは、成分B)またはLCホスト混合物は、式ANおよびAYから選択する1種類以上のアルケニル化合物を含む。
【0284】
【化60】
[この文献は図面を表示できません]
式中、個々の基は、それぞれの出現において同一または異なって、それぞれ互いに独立に以下の意味を有する:
【0285】
【化61】
[この文献は図面を表示できません]
【0286】
【化62】
[この文献は図面を表示できません]
【0287】
【化63】
[この文献は図面を表示できません]
R
A1は、2〜9個のC原子を有するアルケニルで、環X、YおよびZの少なくとも1つがシクロヘキセニルを表す場合、R
A2の意味の1つも表し、
R
A2は、1〜12個のC原子を有するアルキルで、ただし加えて、1個または2個の隣接していないCH
2基は、O原子が互いに直接連結しないようにして、−O−、−CH=CH−、−CO−、−OCO−または−COO−で置き換えられていてもよく、
Z
xは、−CH
2CH
2−、−CH=CH−、−CF
2O−、−OCF
2−、−CH
2O−、−OCH
2−、−CO−O−、−O−CO−、−C
2F
4−、−CF=CF−、−CH=CH−CH
2O−または単結合であり、好ましくは単結合であり、
L
1、2は、H、F、Cl、OCF
3、CF
3、CH
3、CH
2FまたはCHF
2Hであり、好ましくは、H、FまたはClであり、
xは、1または2であり、
zは、0または1である。
【0288】
式ANおよびAYの好ましい化合物は、R
A2が、エテニル、プロペニル、ブテニル、ペンテニル、ヘキセニルおよびヘプテニルから選択するものである。
【0289】
好ましい実施形態において、成分B)またはLCホスト混合物は、以下のサブ式から選択する式ANの1種類以上の化合物を含む。
【0290】
【化64】
[この文献は図面を表示できません]
【0291】
【化65】
[この文献は図面を表示できません]
式中、
alkylおよびalkyl
*は、それぞれ互いに独立に、1〜6個のC原子を有する直鎖状のアルキル基を表し、
alkenylおよびalkenyl
*は、それぞれ互いに独立に、2〜7個のC原子を有する直鎖状のアルケニル基を表す。alkenylおよびalkenyl
*は、好ましくは、CH
2=CH−、CH
2=CHCH
2CH
2−、CH
3−CH=CH−、CH
3−CH
2−CH=CH−、CH
3−(CH
2)
2−CH=CH−、CH
3−(CH
2)
3−CH=CH−またはCH
3−CH=CH−(CH
2)
2−を表す。
【0292】
好ましくは、成分B)またはLCホスト混合物は、式AN1、AN2、AN3およびAN6から選択する1種類以上の化合物、非常に好ましくは式AN1の1種類以上の化合物を含む。
【0293】
他の好ましい実施形態において、成分B)またはLCホスト混合物は、以下のサブ式から選択する式ANの1種類以上の化合物を含む。
【0294】
【化66】
[この文献は図面を表示できません]
式中、
mは、1、2、3、4、5または6を表し、
iは、0、1、2または3を表し、
R
b1は、H、CH
3またはC
2H
5である。
【0295】
他の好ましい実施形態において、成分B)またはLCホスト混合物は、以下のサブ式から選択する1種類以上の化合物を含む。
【0296】
【化67】
[この文献は図面を表示できません]
式AN1a2およびAN1a5の化合物が最も好ましい。
【0297】
他の好ましい実施形態において、成分B)またはLCホスト混合物は、以下のサブ式から選択する式AYの1種類以上の化合物を含む。
【0298】
【化68】
[この文献は図面を表示できません]
【0299】
【化69】
[この文献は図面を表示できません]
【0300】
【化70】
[この文献は図面を表示できません]
【0301】
【化71】
[この文献は図面を表示できません]
式中、
alkylおよびalkyl
*は、それぞれ互いに独立に、1〜6個のC原子を有する直鎖状のアルキル基を表し、
「(O)」は、O−原子または単結合を表し、
alkenylおよびalkenyl
*は、それぞれ互いに独立に、2〜7個のC原子を有する直鎖状のアルケニル基を表す。alkenylおよびalkenyl
*は、好ましくは、CH
2=CH−、CH
2=CHCH
2CH
2−、CH
3−CH=CH−、CH
3−CH
2−CH=CH−、CH
3−(CH
2)
2−CH=CH−、CH
3−(CH
2)
3−CH=CH−またはCH
3−CH=CH−(CH
2)
2−を表す。
【0302】
他の好ましい実施形態において、成分B)またはLCホスト混合物は、以下のサブ式から選択する式AYの1種類以上の化合物を含む。
【0303】
【化72】
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式中、
mおよびnは、それぞれ互いに独立に、1、2、3、4、5または6を表し、
alkenylは、CH
2=CH−、CH
2=CHCH
2CH
2−、CH
3−CH=CH−、CH
3−CH
2−CH=CH−、CH
3−(CH
2)
2−CH=CH−、CH
3−(CH
2)
3−CH=CH−またはCH
3−CH=CH−(CH
2)
2−を表す。
【0304】
好ましくは、LC媒体中の式ANおよびAYの化合物の割合は2〜70重量%、非常に好ましくは5〜60重量%、最も好ましくは10〜50重量%である。
【0305】
好ましくは、LC媒体またはLCホスト混合物は、式ANおよびAYから選択する1〜5種類、好ましくは1種類、2種類または3種類の化合物を含有する。
【0306】
本発明の他の好ましい実施形態において、LC媒体は、式AY14、非常に好ましくはAY14aの1種類以上の化合物を含む。LC媒体中の式AY14またはAY14aの化合物の割合は、好ましくは3〜20重量%である。
【0307】
式ANおよび/またはAYのアルケニル化合物を添加することで、LC媒体の粘度を低下し、応答時間を短くすることが可能になる。
【0308】
c)成分B)またはLCホスト混合物が、以下の式の1種類以上の化合物を含むLC媒体。
【0309】
【化73】
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式中、個々の基は、以下の意味を有する:
【0310】
【化74】
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【0311】
【化75】
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R
3およびR
4は、それぞれ互いに独立に、1〜12個のC原子を有するアルキルを表し、ただし加えて、1個または2個の隣接していないCH
2基は、O原子が互いに直接連結しないようにして、−O−、−CH=CH−、−CO−、−O−CO−または−CO−O−で置き換えられていてもよく、
Z
yは、−CH
2CH
2−、−CH=CH−、−CF
2O−、−OCF
2−、−CH
2O−、−OCH
2−、−CO−O−、−O−CO−、−C
2F
4−、−CF=CF−、−CH=CHCH
2O−または単結合、好ましくは、単結合を表す。
【0312】
式ZKの化合物は、好ましくは、以下のサブ式から成る群より選択する。
【0313】
【化76】
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式中、alkylおよびalkyl
*は、それぞれ互いに独立に、1〜6個のC原子を有する直鎖状のアルキル基を表し、alkenylは、2〜6個のC原子を有する直鎖状のアルケニル基を表す。alkenylは、好ましくは、CH
2=CH−、CH
2=CHCH
2CH
2−、CH
3−CH=CH−、CH
3−CH
2−CH=CH−、CH
3−(CH
2)
2−CH=CH−、CH
3−(CH
2)
3−CH=CH−またはCH
3−CH=CH−(CH
2)
2−を表す。
【0315】
式ZKの特に好ましい化合物は、以下のサブ式より選択する。
【0316】
【化77】
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式中、プロピル、ブチルおよびペンチル基は直鎖状の基である。
【0318】
d)成分B)またはLCホスト混合物が、以下の式の1種類以上の化合物を追加的に含むLC媒体。
【0319】
【化78】
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式中、個々の基は、それぞれの出現において同一または異なって、以下の意味を有する:
R
5およびR
6は、それぞれ互いに独立に、1〜12個のC原子を有するアルキル(ただし加えて、1個または2個の隣接していないCH
2基は、O原子が互いに直接連結しないようにして、−O−、−CH=CH−、−CO−、−OCO−または−COO−で置き換えられていてもよい。)、好ましくは、1〜6個のC原子を有するアルキルまたはアルコキシを表し、
【0320】
【化79】
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【0321】
【化80】
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および、
eは、1または2を表す。
【0322】
式DKの化合物は、好ましくは、以下のサブ式から成る群より選択する。
【0323】
【化81】
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【0324】
【化82】
[この文献は図面を表示できません]
式中、alkylおよびalkyl
*は、それぞれ互いに独立に、1〜6個のC原子を有する直鎖状のアルキル基を表し、alkenylは、2〜6個のC原子を有する直鎖状のアルケニル基を表す。alkenylは、好ましくは、CH
2=CH−、CH
2=CHCH
2CH
2−、CH
3−CH=CH−、CH
3−CH
2−CH=CH−、CH
3−(CH
2)
2−CH=CH−、CH
3−(CH
2)
3−CH=CH−またはCH
3−CH=CH−(CH
2)
2−を表す。
【0325】
e)成分B)またはLCホスト混合物が、以下の式の1種類以上の化合物を追加的に含むLC媒体。
【0326】
【化83】
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式中、個々の基は以下の意味を有する:
【0327】
【化84】
[この文献は図面を表示できません]
少なくとも1個の環Fは、シクロヘキシレンと異なり、
fは、1または2を表し、
R
1およびR
2は、それぞれ互いに独立に、1〜12個のC原子を有するアルキルを表し、ただし加えて、1個または2個の隣接していないCH
2基は、O原子が互いに直接連結しないようにして、−O−、−CH=CH−、−CO−、−OCO−または−COO−で置き換えられていてもよく、
Z
xは、−CH
2CH
2−、−CH=CH−、−CF
2O−、−OCF
2−、−CH
2O−、−OCH
2−、−CO−O−、−O−CO−、−C
2F
4−、−CF=CF−、−CH=CHCH
2O−または単結合、好ましくは、単結合を表し、
L
1およびL
2は、それぞれ互いに独立に、F、Cl、OCF
3、CF
3、CH
3、CH
2F、CHF
2を表す。
【0328】
好ましくは、基L
1およびL
2の両方がFを表すか、または、基L
1およびL
2の一方がFを表し、他方がClを表す。
【0329】
式LYの化合物は、好ましくは、以下のサブ式から成る群より選択する。
【0330】
【化85】
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【0331】
【化86】
[この文献は図面を表示できません]
【0332】
【化87】
[この文献は図面を表示できません]
式中、R
1は上で示される意味を有し、alkylは1〜6個のC原子を有する直鎖状のアルキル基を表し、(O)は酸素原子または単結合を表し、vは1〜6の整数を表す。R
1は、好ましくは、1〜6個のC原子を有する直鎖状のアルキル、または、2〜6個のC原子を有する直鎖状のアルケニル、特に、CH
3、C
2H
5、n−C
3H
7、n−C
4H
9、n−C
5H
11、CH
2=CH−、CH
2=CHCH
2CH
2−、CH
3−CH=CH−、CH
3−CH
2−CH=CH−、CH
3−(CH
2)
2−CH=CH−、CH
3−(CH
2)
3−CH=CH−またはCH
3−CH=CH−(CH
2)
2−を表す。
【0333】
f)成分B)またはLCホスト混合物が、以下の式から成る群より選択する1種類以上の化合物を追加的に含むLC媒体。
【0334】
【化88】
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式中、alkylはC
1〜6−アルキルを表し、L
xはHまたはFを表し、Xは、F、Cl、OCF
3、OCHF
2またはOCH=CF
2を表す。XがFを表す式G1の化合物が特に好ましい。
【0335】
g)成分B)またはLCホスト混合物が、以下の式から成る群より選択する1種類以上の化合物を追加的に含むLC媒体。
【0336】
【化89】
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【0337】
【化90】
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式中、R
5はR
1に上で示される意味の1つを有し、alkylはC
1〜6−アルキルを表し、dは0または1を表し、zおよびmは、それぞれ互いに独立に、1〜6の整数を表す。これらの化合物におけるR
5は、特に好ましくは、C
1〜6−アルキルまたは−アルコキシまたはC
2〜6−アルケニルであり、dは、好ましくは、1である。本発明によるLC媒体は、好ましくは、上述の式の1種類以上の化合物を、5重量%以上の量で含む。
【0338】
h)成分B)またはLCホスト混合物が、以下の式から成る群より選択する1種類以上のビフェニル化合物を追加的に含むLC媒体。
【0339】
【化91】
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式中、alkylおよびalkyl
*は、それぞれ互いに独立に、1〜6個のC原子を有する直鎖状のアルキル基を表し、alkenylおよびalkenyl
*は、それぞれ互いに独立に、2〜6個のC原子を有する直鎖状のアルケニル基を表す。alkenylおよびalkenyl
*は、好ましくは、CH
2=CH−、CH
2=CHCH
2CH
2−、CH
3−CH=CH−、CH
3−CH
2−CH=CH−、CH
3−(CH
2)
2−CH=CH−、CH
3−(CH
2)
3−CH=CH−またはCH
3−CH=CH−(CH
2)
2−を表す。
【0340】
LCホスト混合物における式B1〜B3のビフェニルの割合は、好ましくは、少なくとも3重量%、特に5重量%以上である。
【0342】
式B1〜B3の化合物は、好ましくは、以下のサブ式から成る群より選択する。
【0343】
【化92】
[この文献は図面を表示できません]
式中、alkyl
*は、1〜6個のC原子を有するアルキル基を表す。本発明による媒体は、特に好ましくは、式B1aおよび/またはB2cの1種類以上の化合物を含む。
【0344】
i)成分B)またはLCホスト混合物が、以下の式の1種類以上のターフェニル化合物を追加的に含むLC媒体。
【0345】
【化93】
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式中、R
5およびR
6は、それぞれ互いに独立に、上でに示される意味の1つを有し、および
【0346】
【化94】
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式中、L
5は、FまたはCl、好ましくは、Fを表し、L
6は、F、Cl、OCF
3、CF
3、CH
3、CH
2FまたはCHF
2、好ましくは、Fを表す。
【0347】
式Tの化合物は、好ましくは、以下のサブ式から成る群より選択する。
【0348】
【化95】
[この文献は図面を表示できません]
【0349】
【化96】
[この文献は図面を表示できません]
【0350】
【化97】
[この文献は図面を表示できません]
式中、Rは1〜7個のC原子を有する直鎖状のアルキルまたはアルコキシ基を表し、R
*は2〜7個のC原子を有する直鎖状のアルケニル基を表し、(O)は酸素原子または単結合を表し、mは1〜6の整数を表す。R
*は、好ましくは、CH
2=CH−、CH
2=CHCH
2CH
2−、CH
3−CH=CH−、CH
3−CH
2−CH=CH−、CH
3−(CH
2)
2−CH=CH−、CH
3−(CH
2)
3−CH=CH−またはCH
3−CH=CH−(CH
2)
2−を表す。
【0351】
Rは、好ましくは、メチル、エチル、プロピル、ブチル、ペンチル、ヘキシル、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、ブトキシまたはペントキシを表す。
【0352】
本発明によるLCホスト混合物は、好ましくは、式Tおよびその好ましいサブ式のターフェニルを、0.5〜30重量%、特に、1〜20重量%の量で含む。
【0353】
式T1、T2、T3およびT21の化合物が特に好ましい。これらの化合物において、Rは、好ましくは、それぞれ1〜5個のC原子を有するアルキル、更に、アルコキシを表す。
【0354】
混合物のΔnの値が0.1以上となる場合、好ましくは、本発明によるLC媒体中においてターフェニルを用いる。好ましいLC媒体は、好ましくは、化合物T1〜T22の群より選択され、2〜20重量%の1種類以上の式Tのターフェニル化合物を含む。
【0355】
k)成分B)またはLCホスト混合物が、以下の式から成る群より選択する1種類以上のクオーターフェニル化合物を追加的に含むLC媒体。
【0356】
【化98】
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式中、
R
Qは、1〜9個のC原子を有するアルキル、アルコキシもしくはオキサアルキル、または2〜9個のC原子を有するアルケニルもしくはアルケニルオキシであり、R
Qは全てフッ素化されていてもよく、
X
Qは、F、Cl、1〜6個のC原子を有するハロゲン化されたアルキルもしくはアルコキシ、または2〜6個のC原子を有するハロゲン化されたアルケニルもしくはアルケニルオキシであり、
L
Q1〜L
Q6は、それぞれ互いに独立にHまたはFであり、ただし、L
Q1〜L
Q6の少なくとも1つはFである。
【0357】
式Qの好ましい化合物は、R
Qが2〜6個のC原子を有する直鎖状のアルキル、非常に好ましくは、エチル、n−プロピルまたはn−ブチルを表すものである。
【0358】
式Qの好ましい化合物は、L
Q3およびL
Q4がFのものである。式Qの更に好ましい化合物は、L
Q3、L
Q4ならびにL
Q1およびL
Q2の1個または2個がFのものである。
【0359】
式Qの好ましい化合物は、X
QがFまたはOCF
3、非常に好ましくはFを表すものである。
【0360】
式Qの化合物は、好ましくは、以下のサブ式より選択する。
【0361】
【化99】
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式中、R
Qは式Qの意味の1つまたは上および下で与える好ましい意味の1つを有し、好ましくは、エチル、n−プロピルまたはn−ブチルである。
【0362】
式Q1の化合物、特にR
Qがn−プロピルである化合物が特に好ましい。
【0363】
好ましくは、LCホスト混合物における式Qの化合物の割合は0重量%より多く〜5重量%以下、非常に好ましくは0.1〜2重量%、最も好ましくは0.2〜1.5重量%である。
【0364】
好ましくは、LCホスト混合物は1〜5種類、好ましくは1または2種類の式Qの化合物を含有する。
【0365】
LCホスト混合物に式Qのクオーターフェニル化合物を添加することで、高いUV吸収を維持しながらODFムラを低減でき、迅速および完全な重合が可能となり、チルト角の強力および迅速な生成が可能となり、LC媒体のUV安定性が増加する。
【0366】
加えて、負の誘電異方性を有するLC媒体に式Qの化合物を添加すると、式Qの化合物は正の誘電異方性を有しているため、誘電定数ε
‖およびε
⊥の値をより良好に制御でき、特に、誘電異方性Δεを一定に保ちながら誘電定数ε
‖の高い値を達成することが可能となり、よって、キックバック電圧を低減し、画像の固着を低減する。
【0367】
l)成分B)またはLCホスト混合物が、式Cの1種類以上の化合物を追加的に含むLC媒体。
【0368】
【化100】
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式中、
R
Cは、1〜9個のC原子を有するアルキル、アルコキシ、オキサアルキルもしくはアルコキシアルキルまたは2〜9個のC原子を有するアルケニルもしくはアルケニルオキシを表し、該基はフッ素化されていてもよく、
X
Cは、F、Cl、1〜6個のC原子を有するハロゲン化されたアルキルもしくはアルコキシまたは2〜6個のC原子を有するハロゲン化されたアルケニルもしくはアルケニルオキシを表し、
L
C1、L
C2は、それぞれ互いに独立に、HまたはFを表し、ただし、L
C1およびL
C2の少なくとも一方はFである。
【0369】
式Cの好ましい化合物は、R
Cが2〜6個のC原子を有する直鎖状のアルキル、非常に好ましくは、エチル、n−プロピルまたはn−ブチルを表すものである。
【0370】
式Cの好ましい化合物は、L
C1およびL
C2がFであるものである。
【0371】
式Cの好ましい化合物は、X
CがFまたはOCF
3、非常に好ましくはFを表すものである。
【0372】
式Cの好ましい化合物は、以下の式から選択する。
【0373】
【化101】
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式中、R
Cは式Cの意味の1つまたは上および下に与える式Cの好ましい意味の1つを有し、好ましくは、エチル、n−プロピルまたはn−ブチル、非常に好ましくはn−プロピルである。
【0374】
好ましくは、LCホスト混合物中における式Cの化合物の割合は、0より大きく〜10重量%以下、非常に好ましくは0.1〜8重量%、最も好ましくは0.2〜5重量%である。
【0375】
好ましくは、LCホスト混合物は、1〜5種類、好ましくは1種類、2種類または3種類の式Cの化合物を含有する。
【0376】
加えて、負の誘電異方性を有するLC媒体に式Cの化合物を添加すると、式Cの化合物は正の誘電異方性を有しているため、誘電定数ε
‖およびε
⊥の値をより良好に制御でき、特に、誘電異方性Δεを一定に保ちながら誘電定数ε
‖の高い値を達成することが可能となり、よって、キックバック電圧を低減し、画像の固着を低減する。加えて、式Cの化合物を添加することで、LC媒体の粘度を低下させ、応答時間の短縮が可能となる。
【0377】
m)成分B)またはLCホスト混合物が、以下の式から成る群より選択する1種類以上の化合物を追加的に含むLC媒体。
【0378】
【化102】
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式中、R
1およびR
2は上で示される意味を有し、好ましくは、それぞれ互いに独立に、1〜6個のC原子を有する直鎖状のアルキルまたは2〜6個のC原子を有する直鎖状のアルケニルを表す。
【0379】
好ましい媒体は、式O1、O3およびO4より選択する1種類以上の化合物を含む。
【0380】
n)成分B)またはLCホスト混合物が、以下の式の1種類以上の化合物を追加的に、好ましくは3重量%より多く、特には5重量%以上、非常に特に好ましくは5〜30重量%の量で含むLC媒体。
【0381】
【化103】
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式中、
【0382】
【化104】
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R
9は、H、CH
3、C
2H
5またはn−C
3H
7を表し、(F)は任意のフッ素置換基を表し、qは、1、2または3を表し、R
7はR
1に示される意味の1つを有する。
【0383】
式FIの特に好ましい化合物は、以下のサブ式から成る群より選択する。
【0384】
【化105】
[この文献は図面を表示できません]
式中、R
7は、好ましくは、直鎖状のアルキルを表し、R
9は、CH
3、C
2H
5またはn−C
3H
7を表す。式FI1、FI2およびFI3の化合物が特に好ましい。
【0385】
o)成分B)またはLCホスト混合物が、以下の式から成る群より選択する1種類以上の化合物を追加的に含むLC媒体。
【0386】
【化106】
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式中、R
8はR
1に示される意味を有し、alkylは1〜6個のC原子を有する直鎖状のアルキル基を表す。
【0387】
p)成分B)またはLCホスト混合物が、例えば、以下の式から成る群より選択する化合物などのテトラヒドロナフチルまたはナフチル単位を含有する1種類以上化合物を追加的に含むLC媒体。
【0388】
【化107】
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【0389】
【化108】
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式中、
R
10およびR
11は、それぞれ互いに独立に、1〜12個のC原子を有するアルキル(ただし加えて、1個または2個の隣接していないCH
2基は、O原子が互いに直接連結しないようにして、−O−、−CH=CH−、−CO−、−OCO−または−COO−で置き換えられていてもよい。)、好ましくは、1〜6個のC原子を有するアルキルまたはアルコキシを表し、
および、R
10およびR
11は、好ましくは、1〜6個のC原子を有する直鎖状のアルキルもしくはアルコキシまたは2〜6個のC原子を有する直鎖状のアルケニルを表し、
Z
1およびZ
2は、それぞれ互いに独立に、−C
2H
4−、−CH=CH−、−(CH
2)
4−、−(CH
2)
3O−、−O(CH
2)
3−、−CH=CH−CH
2CH
2−、−CH
2CH
2CH=CH−、−CH
2O−、−OCH
2−、−CO−O−、−O−CO−、−C
2F
4−、−CF=CF−、−CF=CH−、−CH=CF−、−CH
2−または単結合を表す。
【0390】
q)成分B)またはLCホスト混合物が、以下の式の1種類以上のジフルオロジベンゾクロマンおよび/またはクロマンを追加的に、好ましくは3〜20重量%の量、特に3〜15重量%の量で含むLC媒体。
【0391】
【化109】
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式中、
R
11およびR
12は、それぞれ互いに独立に、R
11に対して上で示される意味の1つを有し、
環Mは、トランス−1,4−シクロヘキシレンまたは1,4−フェニレンであり、
Z
mは、−C
2H
4−、−CH
2O−、−OCH
2−、−CO−O−または−O−CO−であり、
cは、0、1または2である。
【0392】
式BC、CRおよびRCの特に好ましい化合物は、以下のサブ式から成る群より選択する。
【0393】
【化110】
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【0394】
【化111】
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【0395】
【化112】
[この文献は図面を表示できません]
式中、alkylおよびalkyl
*は、それぞれ互いに独立に、1〜6個のC原子を有する直鎖状のアルキル基を表し、(O)は酸素原子または単結合を表し、cは1または2であり、alkenylおよびalkenyl
*は、それぞれ互いに独立に、2〜6個のC原子を有する直鎖状のアルケニル基を表す。alkenylおよびalkenyl
*は、好ましくは、CH
2=CH−、CH
2=CHCH
2CH
2−、CH
3−CH=CH−、CH
3−CH
2−CH=CH−、CH
3−(CH
2)
2−CH=CH−、CH
3−(CH
2)
3−CH=CH−またはCH
3−CH=CH−(CH
2)
2−を表す。
【0396】
1種類、2種類または3種類の式BC−2の化合物を含むLCホスト混合物が、非常に特に好ましい。
【0397】
r)成分B)またはLCホスト混合物が、以下の式の1種類以上のフッ素化されたフェナントレンおよび/またはジベンゾフランを追加的に含むLC媒体。
【0398】
【化113】
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式中、R
11およびR
12は、それぞれ互いに独立に、R
11に対して上で示される意味の1つを有し、bは0または1を表し、LはFを表し、rは1、2または3を表す。
【0399】
式PHおよびBFの特に好ましい化合物は、以下のサブ式から成る群より選択する。
【0400】
【化114】
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式中、RおよびR’は、それぞれ互いに独立に、1〜7個のC原子を有する直鎖状のアルキルまたはアルコキシ基を表す。
【0401】
s)成分B)またはLCホスト混合物が、以下の式の1種類以上の単環化合物を追加的に含むLC媒体。
【0402】
【化115】
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式中、
R
1およびR
2は、それぞれ互いに独立に、1〜12個のC原子を有するアルキル(ただし加えて、1個または2個の隣接していないCH
2基は、O原子が互いに直接連結しないようにして、−O−、−CH=CH−、−CO−、−OCO−または−COO−で置き換えられていてもよい。)、好ましくは、1〜6個のC原子を有するアルキルまたはアルコキシを表し、
L
1およびL
2は、それぞれ互いに独立に、F、Cl、OCF
3、CF
3、CH
3、CH
2FまたはCHF
2を表す。
【0403】
好ましくは、L
1およびL
2の両方がFを表すか、L
1およびL
2の一方がFで他方がClを表す。
【0404】
式Yの化合物は、好ましくは、以下のサブ式から成る群より選択する。
【0405】
【化116】
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式中、AlkylおよびAlkyl
*は、それぞれ互いに独立に、1〜6個のC原子を有する直鎖状のアルキル基を表し、Alkoxyは、1〜6個のC原子を有する直鎖状のアルコキシ基を表し、AlkenylおよびAlkenyl
*は、それぞれ互いに独立に、2〜6個のC原子を有する直鎖状のアルケニル基を表し、Oは酸素原子または単結合を表す。AlkenylおよびAlkenyl
*は、好ましくは、CH
2=CH−、CH
2=CHCH
2CH
2−、CH
3−CH=CH−、CH
3−CH
2−CH=CH−、CH
3−(CH
2)
2−CH=CH−、CH
3−(CH
2)
3−CH=CH−またはCH
3−CH=CH−(CH
2)
2−を表す。
【0406】
特に好ましい式Yの化合物は、以下のサブ式から成る群より選択する。
【0407】
【化117】
[この文献は図面を表示できません]
式中、Alkoxyは、好ましくは、3個、4個または5個のC原子を有する直鎖状のアルコキシを表す。
【0408】
t)上および下に記載する通りの重合性化合物は別として、末端ビニルオキシ基(−O−CH=CH
2)を含有する化合物を含有しないLC媒体。
【0409】
u)成分B)またはLCホスト混合物が、1〜8種類、好ましくは1〜5種類の式CY1、CY2、PY1および/またはPY2の化合物を含むLC媒体。これらの化合物のLCホスト混合物全体における割合は、好ましくは5〜60%、特に好ましくは10〜35%である。これらの個々の化合物の含有量は、好ましくは、それぞれの場合で2〜20%である。
【0410】
v)成分B)またはLCホスト混合物が、1〜8種類、好ましくは1〜5種類の式CY9、CY10、PY9および/またはPY10の化合物を含むLC媒体。これらの化合物のLCホスト混合物全体における割合は、好ましくは5〜60%、特に好ましくは10〜35%である。これらの個々の化合物の含有量は、好ましくは、それぞれの場合で2〜20%である。
【0411】
w)成分B)またはLCホスト混合物が、1〜10種類、好ましくは1〜8種類の式ZKの化合物、特に、式ZK1、ZK2および/またはZK6の化合物を含むLC媒体。これらの化合物のLCホスト混合物全体における割合は、好ましくは3〜25%、特に好ましくは5〜45%である。これらの個々の化合物の含有量は、好ましくは、それぞれの場合で2〜20%である。
【0412】
x)LCホスト混合物全体における式CY、PYおよびZKの化合物の割合は70%を超え、好ましくは、80%を超えるLC媒体。
【0413】
y)LCホスト混合物が、好ましくは式ANおよびAYから選択し、非常に好ましくは式AN1、AN3、AN6およびAY14から選択し、最も好ましくは式AN1a、AN3a、AN6aおよびAY14から選択するアルケニル基を含有する1種類以上の化合物を含有するLC媒体。これらの化合物のLCホスト混合物中における濃度は、好ましくは、2〜70%、非常に好ましくは、3〜55%である。
【0414】
z)成分B)またはLCホスト混合物が、式PY1〜PY8、非常に好ましくは式PY2より選択する1種類以上、好ましくは1〜5種類の化合物を含有するLC媒体。LCホスト混合物全体におけるこれらの化合物の割合は、好ましくは1〜30%、特に好ましくは2〜20%である。これらの個々の化合物の割合は、好ましくは、それぞれの場合で1〜20%である。
【0415】
z1)成分B)またはLCホスト混合物が、式T1、T2およびT5から、非常に好ましくは式T2から選択する1種類以上、好ましくは1種類、2種類または3種類の化合物を含有するLC媒体。LCホスト混合物全体におけるこれらの化合物の割合は、好ましくは1〜20%である。
【0416】
z2)LCホスト混合物が、式CYおよびPYから選択する1種類以上の化合物と、式ANおよびAYから選択する1種類以上の化合物と、式TおよびQから選択する1種類以上の化合物とを含有するLC媒体。
【0417】
z3)LCホスト混合物が、1種類以上、好ましくは1種類、2種類または3種類の式BF1の化合物ならびに1種類以上、好ましくは1種類、2種類または3種類の式AY14、AY15およびAY16から選択する化合物、非常に好ましくは式AY14の化合物を含有するLC媒体。LCホスト混合物中における式AY14〜AY16の化合物の比率は、好ましくは2〜35%、非常に好ましくは3〜30%である。LCホスト混合物中における式BF1の化合物の比率は、好ましくは0.5〜20%、非常に好ましくは1〜15%である。更に好ましくは、この好ましい実施形態によるLCホスト混合物は、1種類以上、好ましくは1種類、2種類または3種類の式Tの化合物、好ましくは式T1、T2およびT5から選択する化合物、非常に好ましくはT2およびT5から選択する化合物を含有する。LCホスト混合物中における式Tの化合物の比率は、好ましくは0.5〜15%、非常に好ましくは1〜10%である。
【0418】
第2の好ましい実施形態において、LC媒体は、正の誘電異方性を有する化合物を基礎とするLCホスト混合物を含有する。そのようなLC媒体は、特に、PS−OCB、PS−TN、PS−正−VA、PS−IPSまたはPS−FFSディスプレイにおける使用に適している。
【0419】
【化118】
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式中、個々の基は、それぞれ互いに独立に、それぞれの出現で同一または異なって、以下の意味を有する:
【0420】
【化119】
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R
21、R
31は、それぞれ互いに独立に、1〜9個のC原子を有するアルキル、アルコキシ、オキサアルキルまたはアルコキシアルキル、または、2〜9個のC原子を有するアルケニルまたはアルケニルオキシを表し、これらの基は全てフッ素化されていてもよく、
X
0は、F、Cl、1〜6個のC原子を有するハロゲン化アルキルまたはアルコキシ、または、2〜6個のC原子を有するハロゲン化アルケニルまたはアルケニルオキシを表し、
Z
31は、−CH
2CH
2−、−CF
2CF
2−、−COO−、トランス−CH=CH−、トランス−CF=CF−、−CH
2O−または単結合、好ましくは、−CH
2CH
2−、−COO−、トランス−CH=CH−または単結合、特に好ましくは、−COO−、トランス−CH=CH−または単結合を表し、
L
21、L
22、L
31、L
32は、それぞれ互いに独立に、HまたはFを表し、
gは、0、1、2または3を表す。
【0421】
式AおよびBの化合物において、X
0は、好ましくは、F、Cl、CF
3、CHF
2、OCF
3、OCHF
2、OCFHCF
3、OCFHCHF
2、OCFHCH
2F、OCF
2CH
3、OCF
2CHF
2、OCF
2CH
2F、OCF
2CF
2CHF
2、OCF
2CF
2CH
2F、OCFHCF
2CF
3、OCFHCF
2CHF
2、OCF
2CF
2CF
3、OCF
2CF
2CClF
2、OCClFCF
2CF
3またはCH=CF
2、非常に好ましくはFまたはOCF
3、最も好ましくはFである。
【0422】
式AおよびBの化合物において、R
21およびR
31は、好ましくは、1個、2個、3個、4個、5個または6個のC原子を有する直鎖状のアルキルまたはアルコキシおよ2個、3個、4個、5個、6個または7個のC原子を有する直鎖状のアルケニルから選択する。
【0423】
式AおよびBの化合物において、gは、好ましくは、1または2である。
【0424】
式Bの化合物において、Z
31は、好ましくは、COO、トランス−CH=CHまたは単結合、非常に好ましくはCOOまたは単結合である。
【0425】
好ましくは、LC媒体の成分B)は、以下の式から成る群より選択する式Aの1種類以上の化合物を含む。
【0426】
【化120】
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式中、A
21、R
21、X
0、L
21およびL
22は、式Aにおいて与える意味を有し、L
23およびL
24は、それぞれ互いに独立に、HまたはFであり、X
0は、好ましくは、Fである。式A1およびA2の化合物が特に好ましい。
【0427】
式A1の特に好ましい化合物は、以下のサブ式から成る群より選択する。
【0428】
【化121】
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式中、R
21、X
0、L
21およびL
22は、式A1において与える意味を有し、L
23、L
24、L
25およびL
26は、それぞれ互いに独立に、HまたはFであり、X
0は、好ましくは、Fである。
【0429】
式A1の非常に特に好ましい化合物は、以下のサブ式から成る群より選択する。
【0430】
【化122】
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式中、R
21は式A1で定義する通りである。
【0431】
式A2の非常に好ましい化合物は、以下のサブ式から成る群より選択する。
【0432】
【化123】
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【0433】
【化124】
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式中、R
21、X
0、L
21およびL
22は式A2で与える意味を有し、L
23、L
24、L
25およびL
26は、それぞれ互いに独立に、HまたはFであり、X
0は、好ましくは、Fである。
【0434】
式A2の非常に特に好ましい化合物は、以下のサブ式から成る群より選択する。
【0435】
【化125】
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【0436】
【化126】
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式中、R
21およびX
0は式A2で定義する通りである。
【0437】
式A3の特に好ましい化合物は、以下のサブ式から成る群より選択する。
【0438】
【化127】
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式中、R
21、X
0、L
21およびL
22は式A3で与える意味を有し、X
0は、好ましくは、Fである。
【0439】
式A4の特に好ましい化合物は、以下のサブ式から成る群より選択する。
【0440】
【化128】
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式中、R
21は式A4で定義する通りである。
【0441】
好ましくは、LC媒体の成分B)は、以下の式から成る群より選択する式Bの1種類以上の化合物を含む。
【0442】
【化129】
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式中、g、A
31、A
32、R
31、X
0、L
31およびL
32は、式Bにおいて与える意味を有し、X
0は、好ましくは、Fである。式B1およびB2の化合物が特に好ましい。
【0443】
式B1の特に好ましい化合物は、以下のサブ式から成る群より選択する。
【0444】
【化130】
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式中、R
31、X
0、L
31およびL
32は、式B1で与える意味を有し、X
0は、好ましくは、Fをである。
【0445】
式B1aの非常に特に好ましい化合物は、以下のサブ式から成る群より選択する。
【0446】
【化131】
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式中、R
31は式B1で定義する通りである。
【0447】
式B1bの非常に特に好ましい化合物は、以下のサブ式から成る群より選択する。
【0448】
【化132】
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式中、R
31は式B1で定義する通りである。
【0449】
式B2の特に好ましい化合物は、以下のサブ式から成る群より選択する。
【0450】
【化133】
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【0451】
【化134】
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式中、R
31、X
0、L
31およびL
32は式B2で与える意味を有し、L
33、L
34、L
35およびL
36は、それぞれ互いに独立に、HまたはFであり、X
0は、好ましくは、Fである。
【0452】
式B2の非常に特に好ましい化合物は、以下のサブ式から成る群より選択する。
【0453】
【化135】
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式中、R
31は式B2で定義する通りである。
【0454】
式B2bの非常に特に好ましい化合物は、以下のサブ式から成る群より選択する。
【0455】
【化136】
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式中、R
31は式B2で定義する通りである。
【0456】
式B2cの非常に特に好ましい化合物は、以下のサブ式から成る群より選択する。
【0457】
【化137】
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式中、R
31は式B2で定義する通りである。
【0458】
式B2dおよびB2eの非常に特に好ましい化合物は、以下のサブ式から成る群より選択する。
【0459】
【化138】
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式中、R
31は式B2で定義する通りである。
【0460】
式B2fの非常に特に好ましい化合物は、以下のサブ式から成る群より選択する。
【0461】
【化139】
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式中、R
31は式B2で定義する通りである。
【0462】
式B2gの非常に特に好ましい化合物は、以下のサブ式から成る群より選択する。
【0463】
【化140】
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式中、R
31は式B2で定義する通りである。
【0464】
式B2hの非常に特に好ましい化合物は、以下のサブ式から成る群より選択する。
【0465】
【化141】
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式中、R
31は式B2で定義する通りである。
【0466】
式B2iの非常に特に好ましい化合物は、以下のサブ式から成る群より選択する。
【0467】
【化142】
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式中、R
31は式B2で定義する通りである。
【0468】
式B2kの非常に特に好ましい化合物は、以下のサブ式から成る群より選択する。
【0469】
【化143】
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式中、R
31は式B2で定義する通りである。
【0470】
式B2lの非常に特に好ましい化合物は、以下のサブ式から成る群より選択する。
【0471】
【化144】
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式中、R
31は式B2で定義する通りである。
【0472】
式B1および/またはB2の化合物に代えるか加えて、LC媒体の成分B)は、また、上で定義する通りの式B3の1種類以上の化合物を含んでもよい。
【0473】
式B3の特に好ましい化合物は、以下のサブ式から成る群より選択する。
【0474】
【化145】
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式中、R
31は式B3で定義する通りである。
【0475】
好ましくは、LC媒体の成分B)は、式Aおよび/またはBの化合物に加えて、式Cの1種類以上の化合物を含む。
【0476】
【化146】
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式中、個々の基は以下の意味を有する。
【0477】
【化147】
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R
41、R
41は、それぞれ互いに独立に、1〜9個のC原子を有するアルキル、アルコキシ、オキサアルキルまたはアルコキシアルキル、または、2〜9個のC原子を有するアルケニルまたはアルケニルオキシを表し、これらの基は全てフッ素化されていてもよく、
Z
41、Z
41は、それぞれ互いに独立に、−CH
2CH
2−、−COO−、トランス−CH=CH−、トランス−CF=CF−、−CH
2O−、−CF
2O−、−C≡C−または単結合、好ましくは単結合を表し、
hは、0、1、2または3を表す。
【0478】
式Cの化合物において、R
41およびR
41は、好ましくは、1個、2個、3個、4個、5個または6個のC原子を有する直鎖状のアルキルまたはアルコキシおよ2個、3個、4個、5個、6個または7個のC原子を有する直鎖状のアルケニルから選択する。
【0479】
式Cの化合物において、hは、好ましくは、0、1または2である。
【0480】
式Cの化合物において、Z
41およびZ
41は、好ましくは、COO、トランス−CH=CHまたは単結合、非常に好ましくはCOOまたは単結合から選択する。
【0481】
式Cの好ましい化合物は、以下のサブ式から成る群より選択する。
【0482】
【化148】
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【0483】
【化149】
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式中、R
41およびR
42は式Cにおいて与える意味を有し、好ましくは、それぞれ互いに独立に、1〜7個のC原子を有するアルキル、アルコキシ、フッ素化アルキルまたはフッ素化アルコキシ、または、2〜7個のC原子を有するアルケニル、アルケニルオキシ、アルコキシアルキルまたはフッ素化アルケニルを表す。
【0484】
更に好ましくは、LC媒体の成分B)は、式Aおよび/またはBの化合物に加えて、式Dの1種類以上の化合物を含む。
【0485】
【化150】
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式中、A
41、A
42、Z
41、Z
42、R
41、R
42およびhは、式Cにおいて与える意味または上に与える好ましい意味の1つを有する。
【0486】
式Dの好ましい化合物は、以下のサブ式から成る群より選択する。
【0487】
【化151】
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式中、R
41およびR
42は式Dにおいて与える意味を有し、R
41は、好ましくは、アルキルを表し、式D1において、R
42は、好ましくは、アルケニル、特に好ましくは、−(CH
2)
2−CH=CH−CH
3を表し、式D2において、R
42は、好ましくは、アルキル、−(CH
2)
2−CH=CH
2または−(CH
2)
2−CH=CH−CH
3を表す。
【0488】
更に好ましくは、LC媒体の成分B)は、式Aおよび/またはBの化合物に加えて、式Eの1種類以上の化合物を含む。
【0489】
【化152】
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式中、個々の基は、それぞれの出現で同一または異なって、それぞれ互いに独立に、以下の意味を有する。
【0490】
【化153】
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【0491】
【化154】
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R
A1は、2〜9個のC原子を有するアルケニルを表し、また、環X、YおよびZの少なくとも1個がシクロヘキセニルを表す場合、R
A2の意味の1つも有し、
R
A2は、1〜12個のC原子を有するアルキルを表し、ただし加えて、1個または2個の隣接していないCH
2基は、O原子が互いに直接連結しないようにして、−O−、−CH=CH−、−CO−、−OCO−または−COO−で置き換えられていてもよく、
xは、1または2を表す。
【0492】
R
A2は、好ましくは、1〜8個のC原子を有する直鎖状のアルキルもしくはアルコキシまたは2〜7個のC原子を有する直鎖状のアルケニルである。
【0493】
式Eの好ましい化合物は、以下のサブ式から成る群より選択する。
【0494】
【化155】
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【0495】
【化156】
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式中、alkylおよびalkyl
*は、それぞれ互いに独立に、1〜6個のC原子を有する直鎖状のアルキル基を表し、alkenylおよびalkenyl
*は、それぞれ互いに独立に、2〜7個のC原子を有する直鎖状のアルケニル基を表す。alkenylおよびalkenyl
*は、好ましくは、CH
2=CH−、CH
2=CHCH
2CH
2−、CH
3−CH=CH−、CH
3−CH
2−CH=CH−、CH
3−(CH
2)
2−CH=CH−、CH
3−(CH
2)
3−CH=CH−またはCH
3−CH=CH−(CH
2)
2−を表す。
【0496】
式Eの非常に好ましい化合物は、以下のサブ式から成る群より選択する。
【0497】
【化157】
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式中、mは、1、2、3、4、5または6を表し、iは、0、1、2または3を表し、R
b1は、H、CH
3またはC
2H
5を表す。
【0498】
式Eの非常に特に好ましい化合物は、以下のサブ式から成る群より選択する。
【0499】
【化158】
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式E1a2、E1a5、E3a1およびE6a1の化合物が最も好ましい。
【0500】
更に好ましくは、LC媒体の成分B)は、式Aおよび/またはBの化合物に加えて、式Fの1種類以上の化合物を含む。
【0501】
【化159】
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式中、個々の基は、それぞれ互いに独立に、それぞれの出現で同一または異なって、以下の意味を有する:
【0502】
【化160】
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を表し、
R
21、R
31は、それぞれ互いに独立に、1〜9個のC原子を有するアルキル、アルコキシ、オキサアルキルまたはアルコキシアルキル、または、2〜9個のC原子を有するアルケニルまたはアルケニルオキシを表し、これらの基は全てフッ素化されていてもよく、
X
0は、F、Cl、1〜6個のC原子を有するハロゲン化アルキルまたはアルコキシ、または、2〜6個のC原子を有するハロゲン化アルケニルまたはアルケニルオキシを表し、
Z
21は、−CH
2CH
2−、−CF
2CF
2−、−COO−、トランス−CH=CH−、トランス−CF=CF−、−CH
2O−または単結合、好ましくは、−CH
2CH
2−、−COO−、トランス−CH=CH−または単結合、特に好ましくは、−COO−、トランス−CH=CH−または単結合を表し、
L
21、L
22、L
23、L
24は、それぞれ互いに独立に、HまたはFを表し、
gは、0、1、2または3を表す。
【0503】
式Fの特に好ましい化合物は、以下の式から成る群より選択する。
【0504】
【化161】
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式中、R
21、X
0、L
21およびL
22は、式Fで与える意味を有し、L
25およびL
26は、それぞれ互いに独立に、HまたはFであり、X0は、好ましくはFである。
【0505】
式F1〜F3の非常に特に好ましい化合物は、以下のサブ式から成る群より選択する。
【0506】
【化162】
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式中、R
21は式F1で定義する通りである。
【0507】
LCホスト混合物中の式AおよびBの化合物の濃度は、好ましくは2〜60%、非常に好ましくは3〜45%、最も好ましくは4〜35%である。
【0508】
LCホスト混合物中の式CおよびDの化合物の濃度は、好ましくは2〜70%、非常に好ましくは5〜65%、最も好ましくは10〜60%である。
【0509】
LCホスト混合物中の式Eの化合物の濃度は、好ましくは5〜50%、非常に好ましくは5〜35%である。
【0510】
LCホスト混合物中の式Fの化合物の濃度は、好ましくは2〜30%、非常に好ましくは5〜20%である。
【0511】
この本発明の第2の好ましい実施形態の更に好ましい実施形態を下に列挙するが、それらの任意の組み合わせも含む。
【0512】
2a)LCホスト混合物は、高い正の誘電異方性、好ましくは15より高いΔεを有する式Aおよび/またはBの1種類以上の化合物を含む。
【0513】
2b)LCホスト混合物は、式A1a2、A1b1、A1d1、A1f1、A2a1、A2h1、A2l2、A2k1、B2h3、B2l1から成る群より選択する1種類以上の化合物を含む。これらの化合物のLCホスト混合物における割合は、好ましくは4〜40%、非常に好ましくは5〜35%である。
【0514】
2c)LCホスト混合物は、式B2c1、B2c4、B2f4、C14から成る群より選択する1種類以上の化合物を含む。これらの化合物のLCホスト混合物における割合は、好ましくは4〜40%、非常に好ましくは5〜35%である。
【0515】
2d)LCホスト混合物は、式C3、C4、C5、C9およびD2から成る群より選択する1種類以上の化合物を含む。これらの化合物のLCホスト混合物における割合は、好ましくは8〜70%、非常に好ましくは10〜60%である。
【0516】
2e)LCホスト混合物は、式G1、G2およびG5、好ましくはG1a、G2aおよびG5aから成る群より選択する1種類以上の化合物を含む。これらの化合物のLCホスト混合物における割合は、好ましくは4〜40%、非常に好ましくは5〜35%である。
【0517】
2f)LCホスト混合物は、式E1、E3およびE6、好ましくはE1a、E3aおよびE6a、非常に好ましくはE1a2、E1a5、E3a1およびE6a1から成る群より選択する1種類以上の化合物を含む。これらの化合物のLCホスト混合物における割合は、好ましくは5〜60%、非常に好ましくは10〜50%である。
【0518】
上述の好ましい実施形態の化合物を、上記の重合された化合物と組み合わせることにより、本発明によるLC媒体において、低い閾電圧、低い回転粘度および非常に良好な低温安定性と、同時に、常に高い透明点および高いHR値とが生じ、PSAディスプレイにおいて特に低いプレチルト角を迅速に確立できる。特に、先行技術からの媒体と比較し、PSAディスプレイにおいて、LC媒体は、著しく短縮された応答時間、また、特に、短縮された中間調(灰色遮光)応答時間を示す。
【0519】
本発明のLC媒体およびLCホスト混合物は、好ましくは、少なくとも80K、特に好ましくは、少なくとも100Kのネマチック相範囲、および、20℃において、250mPa・s以下、好ましくは、200mPa・s以下の回転粘度を有する。
【0520】
本発明によるVAタイプのディスプレイにおいては、スイッチオフ状態で、LC媒体層における分子は電極表面に垂直に配向しているか(ホメオトロピック的)、または、チルトホメオトロピック配向を有している。電極に電圧を印加すると、分子長軸が電極表面に平行なLC分子の再配向が起きる。
【0521】
特に、PS−VAおよびPS−UB−FFSタイプのディスプレイにおいて使用するためで、第1の好ましい実施形態による負の誘電異方性を有する化合物を基礎とする本発明によるLC媒体は、20℃および1kHzにおいて、好ましくは、−0.5〜−10、特に、−2.5〜−7.5の負の誘電異方性Δεを有する。
【0522】
PS−VAおよびPS−UB−FFSタイプのディスプレイにおいて使用するためで、本発明によるLC媒体における複屈折率Δnは、好ましくは、0.16未満、特に好ましくは、0.06〜0.14、非常に特に好ましくは、0.07〜0.12である。
【0523】
本発明によるOCBタイプのディスプレイにおいては、LC媒体層における分子は「ベンド(bend)」配向を有している。電圧を印加すると、分子長軸が電極表面に垂直なLC分子の再配向が起きる。
【0524】
PS−OCB、PS−TN、PS−IPS、PS−正−VAおよびPS−FFSタイプのディスプレイにおいて使用するための本発明によるLC媒体は、好ましくは、第2の好ましい実施形態による正の誘電異方性を有する化合物を基礎とするものであり、20℃および1kHzにおいて、好ましくは、+4〜+17の正の誘電異方性Δεを有するのものである。
【0525】
PS−OCBタイプのディスプレイにおいて使用するための本発明によるLC媒体における複屈折率Δnは、好ましくは、0.14〜0.22、特に好ましくは、0.16〜0.22である。
【0526】
PS−TN、PS−正−VA、PS−IPSまたはPS−FFSタイプタイプのディスプレイにおいて使用するための本発明によるLC媒体における複屈折率Δnは、好ましくは、0.07〜0.15、特に好ましくは、0.08〜0.13である。
【0527】
PS−TN、PS−正−VA、PS−IPSまたはPS−FFSタイプのディスプレイにおいて使用するためで、第2の好ましい実施形態による正の誘電異方性を有する化合物を基礎とする本発明によるLC媒体は、20℃および1kHzにおいて、好ましくは、+2〜+30、特に好ましくは、+3〜+20の正の誘電異方性Δεを有する。
【0528】
また、本発明によるLC媒体は、当業者に既知で文献に記載されている、例えば、重合開始剤、禁止剤、安定剤、表面活性化物質またはキラルドーパントなどの更なる添加剤を含んでもよい。これらは重合性でも非重合性でもよい。従って、重合性の添加剤は重合性成分または成分A)に属すると見なす。従って、非重合性の添加剤は非重合性成分または成分B)に属すると見なす。
【0529】
好ましい実施形態において、LC媒体は、例えば、1種類以上のキラルドーパントを、好ましくは、0.01〜1%、非常に好ましくは、0.05〜0.5%の濃度において含有する。キラルドーパントは、好ましくは、下の表Bからの化合物から成る群より選択され、非常に好ましくは、R−またはS−1011、R−またはS−2011、R−またはS−3011、R−またはS−4011およびR−またはS−5011から成る群より選択する。
【0530】
もう一つの好ましい実施形態において、LC媒体は、1種類以上のキラルドーパントのラセミ体を含有し、キラルドーパントは、好ましくは、先の段落で述べたキラルドーパントより選択する。
【0531】
更に、例えば、0〜15重量%の多色性色素、更に、導電性を向上するために、ナノ粒子、導電性塩、好ましくは、エチルジメチルドデシルアンモニウム4−ヘキソキシベンゾエート、テトラブチルアンモニウムテトラフェニルボレートまたはクラウンエーテルの錯塩(例えば、Hallerら、Mol.Cryst.Liq.Cryst.24巻、249〜258頁(1973年)参照)、または、ネマチック相の誘電異方性、粘度および/または配向を改変するための物質をLC媒体に加えることも可能である。このタイプの物質は、例えば、独国特許出願公開第22 09 127号公報、独国特許出願公開第22 40 864号公報、独国特許出願公開第23 21 632号公報、独国特許出願公開第23 38 281号公報、独国特許出願公開第24 50 088号公報、独国特許出願公開第26 37 430号公報および独国特許出願公開第28 53 728号公報に記載されている。
【0532】
本発明によるLC媒体の好ましい実施形態a)〜z)の個々の成分は既知であるか、それらを調製する方法は文献に記載されている標準的な方法に基づいているため、それらを調製する方法は当業者によって先行技術より容易に導くことができるかの何れかである。式CYの対応する化合物は、例えば、欧州特許出願公開第0 364 538号公報に記載されている。式ZKの対応する化合物は、例えば、独国特許出願公開第26 36 684号公報および独国特許出願公開第33 21 373号公報に記載されている。
【0533】
本発明に従って使用できるLC媒体は、例えば、1種類以上の上述の化合物を、上で定義する通りの1種類以上の重合性化合物と、および、任意成分として、更なる液晶化合物および/または添加剤と混合することで、それ自身は従来の様式によって調製される。一般に、より少量で使用される成分の所望量を、主要な構成成分を構成する成分に、有利には昇温して、溶解する。また、有機溶媒中、例えば、アセトン、クロロホルムまたはメタノール中における成分の溶液を混合し、完全に混合後、例えば蒸留により、溶媒を再び除去することも可能である。本発明は、更に、本発明によるLC媒体を調製する方法に関する。
【0534】
また、本発明によるLC媒体が、例えば、H、N、O、Cl、Fが対応する重水素などの同位体に置き換えられた化合物も含んでもよいことは、当業者に言うまでもない。
【0535】
以下の例は、本発明を限定することなく本発明を説明する。しかしながら、それらは、当業者に対して、好ましく用いられる化合物、それらのそれぞれの濃度およびそれらの互いの組み合わせと共に、好ましい混合の考え方を示す。加えて、例は、どのような特性および特性の組み合わせが入手可能であるかを例示する。
【0536】
以下の略称を使用する:
(n、m、z:それぞれの場合において互いに独立に、1、2、3、4、5または6。)
【0537】
【表1】
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【0538】
【表2】
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【0539】
【表3】
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【0540】
【表4】
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【0541】
【表5】
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本発明の好ましい実施形態において、本発明によるLC媒体は、表Aからの化合物から成る群より選択する1種類以上の化合物を含む。
【0542】
表Bに、本発明によるLC媒体に添加できる可能なキラルドーパントを示す。
【0543】
【表6】
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LC媒体は、好ましくは0〜10重量%、特には0.01〜5重量%、特に好ましくは0.1〜3重量%のドーパントを含む。LC媒体は、好ましくは、表Bからの化合物から成る群より選択する1種類以上のドーパントを含む。
【0544】
表Cに、本発明によるLC媒体に添加できる可能な安定剤を示す(nは、ここで、1〜12の整数、好ましくは、1、2、3、4、5、6、7または8を表し、末端のメチル基は示していない)。
【0545】
【表7】
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【0546】
【表8】
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【0547】
【表9】
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【0548】
【表10】
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【0549】
【表11】
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LC媒体は、好ましくは0〜10重量%、特には1ppm〜5重量%、特に好ましくは1ppm〜1重量%の安定剤を含む。LC媒体は、好ましくは、表Cからの化合物から成る群より選択する1種類以上の安定剤を含む。
【0550】
表Dに、本発明によるLC媒体において、好ましくは、反応性メソゲン化合物として使用できる例示的な化合物を示す。
【0551】
【表12】
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【0552】
【表13】
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【0553】
【表14】
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【0554】
【表15】
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【0555】
【表16】
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【0556】
【表17】
[この文献は図面を表示できません]
【0557】
【表18】
[この文献は図面を表示できません]
【0558】
【表19】
[この文献は図面を表示できません]
【0559】
【表20】
[この文献は図面を表示できません]
【0560】
【表21】
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【0561】
【表22】
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本発明の好ましい実施形態において、メソゲン媒体は、表Dからの化合物群より選択する1種類以上の化合物を含む。
【0562】
加えて、以下の略称および記号を使用する:
V
0は20℃における容量閾電圧[V]であり、
n
eは20℃および589nmにおける異常屈折率であり、
n
0は20℃および589nmにおける通常屈折率であり、
Δnは20℃および589nmにおける光学的異方性であり、
ε
⊥は20℃および1kHzにおけるダイレクターに垂直な誘電率であり、
ε
‖は20℃および1kHzにおけるダイレクターに平行な誘電率であり、
Δεは20℃および1kHzにおける誘電異方性であり、
cl.p.、T(N,I)は透明点[℃]であり、
γ
1は20℃における回転粘度[mPa・s]であり、
K
1は20℃における「スプレイ(splay)」変形に対する弾性定数[pN]であり、
K
2は20℃における「ツイスト(twist)」変形に対する弾性定数[pN]であり、
K
3は20℃における「ベンド(bend)」変形に対する弾性定数[pN]である。
【0563】
他に明記しない限り、本出願において全ての濃度は重量%で示され、対応する混合物全体に関し、全ての固体または液晶成分を含み、溶媒を含まない。
【0564】
他に明らかに注記しない限り、「x%の化合物Yを混合物に加える」との表現は最終混合物中における、即ち、化合物Yを添加後の化合物Yの濃度がx%であることを意味する。
【0565】
他に明記しない限り、例えば、融点T(C,N)、スメクチック(S)からネマチック(N)相への転移T(S,N)および透明点T(N,I)などの本出願において示される全ての温度の値は摂氏度(℃)で示される。m.p.は融点を表し、cl.p.は透明点である。更に、Cは結晶状態であり、Nはネマチック相であり、Sはスメクチック相であり、Iは等方相である。これらの記号の間のデータは、転移温度を表す。
【0566】
全ての物理的特性は「メルク液晶、液晶の物理的特性」1997年11月、ドイツ国メルク社に従って決定されるか決定されたものであり、それぞれの場合で他に明示しない限り、20℃の温度が適用され、Δnは589nmで決定され、Δεは1kHzで決定される。
【0567】
本発明については、用語「閾電圧」は、他に明示しない限り、フレデリックス閾値としても既知の容量閾値(V
0)に関する。また、例において、一般的に通常であるが、10%相対コントラスト(V
10)に対する光学的閾値も示す場合がある。
【0568】
他に明記しない限り、上および下に記載される通り、PSAディスプレイ内で重合性化合物を重合するプロセスは、LC媒体が液晶相、好ましくは、ネマチック相を示す温度において行われ、最も好ましくは、室温において行われる。
【0569】
他に明記しない限り、試験用セルを調製し、それらの電気光学的および他の特性を測定する方法は、以降に記載する通りの方法またはそれらに類似して行う。
【0570】
容量閾電圧の測定用に使用されるディスプレイは25μmの間隔で離れている2枚の平坦で平行なガラス製外板から成り、それぞれの外板は内側に電極層および最上部にラビングされていないポリイミド配向層を有しており、液晶分子のホメオトロピックエッジ配向を生じる。
【0571】
チルト角の測定用に使用されるディスプレイまたは試験用セルは4μmの間隔で離れている2枚の平坦で平行なガラス製外板から成り、それぞれの外板は内側に電極層および最上部にポリイミド配向層を有しており、ただし、2つのポリイミド層は互いに逆平行にラビングされており、液晶分子のホメオトロピックエッジ配向を生じる。
【0572】
重合性化合物は、同時に電圧をディスプレイに印加(通常、10V〜30Vの交流、1kHz)しながら、所定の時間で規定の強度のUV光での照射によって、ディスプレイまたは試験用セル内で重合する。例においては、他に示さない限り、重合のために、強度100mW/cm
2のメタルハライドランプを使用する。強度は、標準メーター(UVセンサーを備える高域Hoenle UVメーター)を使用して測定する。
【0573】
チルト角は、結晶回転実験(Autronic−Melchers TBA−105)によって決定される。ここで、低い値(即ち、角度90°からの大きな外れ)が大きなチルトに対応する。
【0574】
他に明言しない限り、用語「チルト角」はLCダイレクタおよび基板の間の角度を意味し、「LCダイレクタ」は均一に配向するLC分子の層におけるLC分子の光学的主軸の優先配向方向を意味し、カラミチック、即ち、単軸的で正の複屈折性LC分子の場合、「LCダイレクタ」はLC分子の分子長軸に対応する。
【0575】
VHR値を以下の通り測定する:0.3%の重合性モノマー化合物をLCホスト混合物に加え、得られた混合物を、ラビングしていないVA−ポリイミド配向層を含むVA−VHR試験用セル中に導入する。他に述べない限り、LC層厚dは、およそ4μmである。1V、60Hz、64μ秒パルスにおいてUV曝露の前後における、100℃での5分後のVHR値を決定する(測定装置:Autronic−Melchers VHRM−105)。
【実施例】
【0576】
<例1>
重合性単量体化合物1を以下の通り調製する。
【0577】
【化163】
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1a:4−ブロモ−3−メトキシフェノール(10.00g、49.2mmol)および4−ベンジルオキシフェニルボロン酸(13.00g、54.2mmol)の1,4−ジオキサン170ml中溶液に、炭酸ナトリウム(10.44g、98.5mmol)および40mlの蒸留水を加えた。アルゴンで十分に脱気した後、[1,1’−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン]ジクロロパラジウム(II)(1.08g、1.50mmol)を加える。反応混合物を加熱して還流し、一晩撹拌する。室温まで冷却後、反応混合物を2M HClで注意深く中和する。水相を分離し、酢酸エチルで抽出する。有機相を足し合わせ、無水硫酸ナトリウム上で乾燥し、シリカゲルに通して濾過する。真空中で溶媒を除去後、得られた粗生成物をヘプタン/トルエン混合溶媒から再結晶し、オフホワイトの結晶(8.6g)として生成物を得る。
【0578】
1b:テトラヒドロフラン(70ml)中の1a(6.54g、21.0mmol)の溶液を活性炭上パラジウム(2.0g)(5%)で処理し、17時間水素化する。次いで触媒を濾去し、残った溶液を真空で濃縮する。残渣をトルエン/ヘプタン混合溶媒から再結晶し、オフホワイトの固体(4.3g)として1bを与える。
【0579】
1:メタクリル酸(3.56g、41.5mmol)および4−(ジメチルアミノ)ピリジン(0.17g、1.4mmol)を、40mlのジクロロメタン中の1b(3.0g、13.9mmol)の懸濁液に加える。ジクロロメタン(20ml)中のN−(3−ジメチルアミノプロピル)−N’−エチルカルボジイミド(6.44g、41.5mmol)の溶液を0℃で滴下して反応混合物を処理し、室温で20時間撹拌する。真空中で溶媒を除去後、溶離液としてジクロロメタン/酢酸エチル20:1でシリカゲルクロマトグラフィーにより油状の残渣を精製する。得られた生成物をアセトニトリルから再結晶して、1の白色結晶(2.1g、融点105℃)を得る。
【0580】
<例2>
重合性単量体化合物2を、商業的に入手可能な3−フルオロ−4−ベンジルオキシフェニルボロン酸から例1に類似して以下の通り調製する。
【0581】
【化164】
[この文献は図面を表示できません]
2a:135mlのエチルメチルケトン中の4−ブロモ−3−メトキシフェノール(15.00g、70.2mmol)の溶液に、数回に分けて炭酸カリウム(11.60g、84.0mmol)を加える。反応混合物を加熱して還流し、臭化ベンジル(10.0ml、84.0mmol)を滴下で加え、還流しながら一晩撹拌する。室温まで冷却後、反応混合物を濾過する。固体の残渣をアセトンで十分に洗浄する。真空中で溶媒を除去後、溶離液としてヘプタン/酢酸エチル9:1でシリカゲルクロマトグラフィーにより油状の残渣を精製し、黄色がかったオイル(23.6g)として2aを得る。
【0582】
2b:2a(23.50g、80.1mmol)および4−ヒドロキシフェニルボロン酸(12.2g、88.2mmol)の275mlの1,4−ジオキサン中溶液に、65mlの蒸留水および炭酸ナトリウム(17.00g、160.3mmol)を加える。得られる懸濁液をアルゴンで注意深く脱気し、次いで[1,1’−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン]−(II)(1.76g、2.4mmol)を加える。反応混合物を加熱して還流し、一晩撹拌する。室温まで冷却後、反応混合物を2M塩酸で注意深く中和する。水相をメチルt−ブチルエーテルで抽出する。有機相を足し合わせ、飽和NaCl水溶液で洗浄し、硫酸ナトリウム上で乾燥する。溶媒を除去後、溶離液としてTHF/トルエン9:1でカラムクロマトグラフィーにより固体の残渣を精製し、ヘプタン/トルエン1:1より更に再結晶し、オフホワイトの固体(11.7g)として2bを得る。
【0583】
2c:2b(11.7g、37.4mmol)およびエチレンカーボネート(3.46g、39.2mmol)のDMF(120ml)中溶液に、乾燥炭酸カリウム(0.52g、3.7mmol)を加える。反応混合物を一晩還流する。室温まで冷却後、反応混合物を100mlの水に加え、2M HClで注意深く中和する。水相を酢酸エチルで抽出する。有機相を足し合わせ、飽和NaCl水溶液で洗浄し、硫酸ナトリウム上で乾燥する。溶媒を除去後、固体の残渣をヘプタン/酢酸エチル1:1で再結晶し、黄色がかった固体(13.6g)として2cを得る。
【0584】
2d:テトラヒドロフラン(150ml)中の2c(13.4g、37.4mmol)の懸濁液を活性炭上パラジウム(4.3g)(5%)で処理し、30時間水素化する。次いで触媒を濾去する。溶媒を除去後、固体(8.5g)として2dを得る。
【0585】
2:メタクリル酸(7.8g、91.4mmol)および4−(ジメチルアミノ)ピリジン(0.40g、3.3mmol)を、ジクロロメタン(90ml)中の2d(8.50g、32.7mmol)の懸濁液に加える。ジクロロメタン(60ml)中のN−(3−ジメチルアミノプロピル)−N’−エチルカルボジイミド(15.2g、98.9mmol)の溶液を0℃で滴下して反応混合物を処理し、室温で20時間撹拌する。真空中で反応混合物を濃縮し、溶離液としてジクロロメタンでシリカゲル上カラムクロマトグラフィーにより油状の残渣を精製する。得られた生成物をエタノールから再結晶して、2の白色結晶(3.7g、融点74℃)を得る。
【0586】
<例3>
重合性単量体化合物3を以下の通り調製する。
【0587】
【化165】
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3a:1−ブロモ−3−ヨードベンゼン(100.0g、346.0mmol)および4−ベンジルオキシフェニルボロン酸(77.41g、340.0mmol)の1000mlトルエン中溶液に、500mlの蒸留水および250mlのエタノールを加えた。炭酸ナトリウム(101.0g、604.4mmol)を加える。得られた懸濁液をアルゴンで注意深く脱気する。次いで、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)(14.4g、12.4mmol)を加える。反応混合物を加熱して還流し、一晩撹拌する。室温まで冷却後、反応混合物を2M塩酸で注意深く中和する。水相を酢酸エチルで抽出する。有機相を足し合わせ、飽和NaCl水溶液で洗浄し、硫酸ナトリウム上で乾燥する。真空中で溶媒を除去後、溶離液としてヘプタン/酢酸エチル4:1でカラムクロマトグラフィーにより固体の残渣を精製する。粗生成物をトルエンより更に再結晶し、黄色がかった固体(80.6g)として3aを得る。
【0588】
3b:4−ブロモ−2−メトキシフェノール(25.00g、120.6mmol)およびビス(ピナコラト)ジボロン(27.6g、108.6mmol)の350mlの1,4−ジオキサン中溶液に、酢酸ナトリウム(35.5g、362.0mmol)を加えた。アルゴンで十分に脱気後、[1,1’−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン]ジクロロパラジウム(II)(2.67g、3.62mmol)を加える。反応混合物を加熱して還流し、4時間撹拌する。室温まで冷却後、200mlの蒸留水を加える。水相を分離し、酢酸エチルで抽出する。有機相を足し合わせ、無水硫酸ナトリウム上で乾燥し、シリカゲルに通して濾過する。真空中で溶媒を除去後、粗生成物をトルエン/酢酸エチル9:1から再結晶し、黄色がかった固体(12.1g)として3bを得る。
【0589】
3c:3a(10.0g、28.4mmol)および3b(8.25g、31.2mmol)の100mlの1,4−ジオキサン中溶液に、25mlの蒸留水を加えた。炭酸ナトリウム(6.04g、56.8mmol)を加える。得られた懸濁液を注意深くアルゴンで脱気し、次いで、[1,1’−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン]ジクロロパラジウム(II)(0.63g、0.85mmol)を加える。反応混合物を加熱して還流し、一晩撹拌する。室温まで冷却後、反応混合物を2M塩酸で注意深く中和する。水相を酢酸エチルで抽出する。有機相を足し合わせ、飽和NaCl水溶液で洗浄し、硫酸ナトリウム上で乾燥する。真空中で溶媒を除去後、溶離液としてヘプタン/酢酸エチルでカラムクロマトグラフィーにより固体の残渣を精製する。粗生成物をエタノールより更に再結晶し、灰色がかった固体(6.03g)として3cを得る。
【0590】
3d:3c(6.03g、14.9mmol)の60mlジクロロメタン中溶液に、4−(ジメチルアミノ)ピリジン(0.18g、1.50mmol)およびN−(3−ジメチルアミノプロピル)−N’−エチルカルボジイミド塩酸塩(DAPECl)(4.00g、20.8mmol)を加える。反応混合物を室温で一晩撹拌する。200mlの水を加える。水相をジクロロメタンで抽出する。有機相を足し合わせ、無水硫酸ナトリウム上で乾燥する。真空中で溶媒を除去後、溶離液としてジクロロメタンでカラムクロマトグラフィーにより固体の残渣を精製し、オフホワイトの固体(4.5g)として3dを得る。
【0591】
3e:3d(4.5g、8.43mmol)のテトラヒドロフラン(45ml)中溶液を活性炭上パラジウム(3.0g)(5%)で処理し、20時間水素化する。次いで触媒を濾去し、残った溶液を真空で濃縮する。残渣をトルエン/ヘプタン混合溶媒から再結晶し、黄色がかったオイル(3.04g)として3eを得る。
【0592】
3:メタクリル酸(2.21ml、26.0mmol)および4−(ジメチルアミノ)ピリジン(0.11g、0.86mmol)を、ジクロロメタン(40ml)中の3e(3.04g、8.6mmol)の懸濁液に加える。ジクロロメタン(30ml)中のN−(3−ジメチルアミノプロピル)−N’−エチルカルボジイミド(4.6g、26.0mmol)の溶液を0℃で滴下して反応混合物を処理し、室温で20時間撹拌する。真空中で反応混合物を濃縮し、溶離液としてヘプタン/酢酸エチル混合物でシリカゲル上カラムクロマトグラフィーにより油状の残渣を精製する。得られた生成物をヘプタン/エタノール1:1から再結晶して、3の白色結晶(1.6g、融点88℃)を得る。
【0593】
<例4>
重合性単量体化合物4を以下の通り調製する。
【0594】
【化166】
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4a:5−ブロモレゾルシノール(26.00g、135.4mmol)およびエチレンカーボネート(29.00g、329.3mmol)の400mlのDMF中溶液に、乾燥した炭酸カリウム(3.75g、27.1mmol)を加える。反応混合物を一晩還流する。室温まで冷却後、反応混合物を1000mlの水に加え、2M HClで注意深く中和する。水相を酢酸エチルで抽出する。有機相を足し合わせ、飽和NaCl水溶液で洗浄し、硫酸ナトリウム上で乾燥する。真空中で溶媒を除去後、固体の残渣をヘプタン/酢酸エチル4:1で再結晶し、白色の固体(24.3g)として4aを得る。
【0595】
4b:4a(5.60g、20.1mol)および4−ベンジルオキシ−3−メトキシフェニルボロン酸(5.7g、22.0mmol)の120mlの1,4−ジオキサン中溶液に、23.1g(100.2mmol)のリン酸カリウムを加える。得られた懸濁液をアルゴンで注意深く脱気する。次いで、トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(0)(0.37g、0.4mmol)および2−ジシクロヘキシルホスフィン−2’,6’−ジメトキシルビフェニル(SPhos)(0.68g、1.6mmol)を加える。反応混合物を加熱して還流し、一晩撹拌する。室温まで冷却後、200mlの蒸留水および150mlの酢酸エチルを加え、冷却下6M塩酸で混合物を注意深くpHおよそ4に中和する。水相を酢酸エチルで抽出する。有機相を足し合わせ、飽和NaCl水溶液で洗浄し、硫酸ナトリウム上で乾燥する。真空中で溶媒を除去後、溶離液として酢酸エチルでカラムクロマトグラフィーにより固体の残渣を精製し、粗生成物をヘプタン/トルエン1:1より再結晶し、白色の固体(3.7g)として4bを得る。
【0596】
4c:4b(3.6g、7.48mmol)の36mlテトラヒドロフラン中溶液を活性炭上パラジウム(0.5g)(5%)で処理し、19時間水素化する。次いで触媒を濾去し、残った溶液を真空で濃縮する。溶離液として酢酸エチルでシリカゲル上カラムクロマトグラフィーにより油状の残渣を精製し、淡黄色のオイル(2.5g)として4cを得る。
【0597】
4:メタクリル酸(2.68g、31.2mmol)および4−(ジメチルアミノ)ピリジン(0.1g、0.82mmol)を、50mlのジクロロメタン中の4c(2.5g、7.8mmol)の懸濁液に加える。20mlのジクロロメタン中のN−(3−ジメチルアミノプロピル)−N’−エチルカルボジイミド(4.97g、32.0mmol)の溶液を0℃で滴下して反応混合物を処理し、室温で20時間撹拌する。真空中で溶媒を除去後、溶離液としてヘプタン/酢酸エチル7:3でシリカゲルクロマトグラフィーにより油状の残渣を精製し、無色のオイル(2.0g)として4を得る。
【0598】
<例5〜14>
以下の重合性単量体化合物を、例1〜4に記載する方法に類似して調製する。
【0599】
【化167】
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【0600】
【化168】
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<混合物例1>
ネマチックLCホスト混合物N1を、以下の通り調合する。
【0601】
【表23】
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<混合物例2>
ネマチックLCホスト混合物N2を、以下の通り調合する。
【0602】
【表24】
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<混合物例3>
ネマチックLCホスト混合物N3を、以下の通り調合する。
【0603】
【表25】
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<混合物例4>
ネマチックLCホスト混合物N4を、以下の通り調合する。
【0604】
【表26】
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<重合性混合物例A>
例1〜14の重合性化合物1〜14のいずれか1つを、それぞれネマチックLCホスト混合物N1およびN2に0.3重量%の濃度で加え、重合性混合物を調製する。
【0605】
比較の目的のために、2個の異なる重合性基を有する先行技術の重合性化合物C0、またはアルコキシ置換基を含有しない先行技術の重合性化合物C1〜C14のいずれか1つを、それぞれネマチックLCホスト混合物N1およびN2に0.3重量%の濃度で加え、更なる重合性混合物を調製する。
【0606】
【表27】
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【0607】
【表28】
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重合性混合物の組成を表1に示す。
【0608】
【表29】
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<重合性混合物例B>
先行技術の重合性化合物C1または例1の重合性化合物1を、それぞれネマチックLCホスト混合物N3およびN4に0.3重量%の濃度で加え、重合性混合物を調製する。
【0609】
重合性混合物の組成を表2に示す。
【0610】
【表30】
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<使用例A>
2個の異なる重合性基を有する先行技術のRM C0またはアルコキシ置換基を有さない先行技術のRM C1〜C14のいずれか1つを含有する重合性混合物C10〜C114およびC20〜C214を、アルコキシ置換基および2個の同一の重合性基を有する本発明によるRM1〜14のいずれか1つを含有する重合性混合物P11〜P114およびP21〜C214と比較する。
【0611】
<残存RM>
所定の強度およびランプスペクトルでUV曝露後に、混合物中に残存している未重合のRMの残存量(重量%)を決定することで、重合速度を測定する。
【0612】
この目的のために、重合性混合物を電気光学的試験用セルに挿入する。試験用セルは、およそ200nm厚のITO電極層を有する2枚のソーダライムガラス基板と、およそ30nm厚のVAポリイミド配向層(JALS−2096−R1)とを含む。LC層厚は、およそ25μmである。
【0613】
試験用セルを、100mW/cm
2の強度を有するUV光(320nmのカットオフフィルターを有するメタルハライドランプ)で表示する時間の間照射して、RMの重合を引き起こす。
【0614】
次いでMEK(メチルエチルケトン)を使用して、混合物を試験用セルから濯ぎ出し、未反応RMの残留量をHPLCで測定する。結果を表3に示す。
【0615】
【表31】
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本発明によるアルコキシ置換RM1〜14を含有する重合性混合物P11〜P114およびP21〜P214は、先行技術のRM C0〜C14を含有し対応する重合性混合物C10〜C114およびC20〜C214と比較して、著しく速い重合および少量の残存RMを示すことが見て分かる。
【0616】
<チルト角の生成>
チルト角の生成を測定するために、重合性混合物を電気光学的試験用セルに挿入する。試験用セルは、およそ200nm厚のITO電極層を有する2枚のソーダライムガラス基板と、およそ30nm厚で逆平行にラビングされたVAポリイミド配向層(JALS−2096−R1)とを含む。LC層厚は、およそ6μmである。
【0617】
試験用セルを、24V
RMSの電圧(交流)を印加しながら、100mW/cm
2の強度を有するUV光(320nmのカットオフフィルターを有するメタルハライドランプ)で表示する時間の間照射して、RMの重合を引き起こす。
【0618】
結晶回転実験(Autronic−Melchers TBA−105)により、UV照射の前後において、チルト角を決定する。結果を表4に示す。
【0619】
【表32】
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【0620】
【表33】
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本発明によるアルコキシ置換RM1〜14を含有する重合性混合物P11〜P114およびP21〜P214は、チルト角の生成が殆どの場合で、先行技術のRM C0〜C14を含有し対応する重合性混合物C10〜C114およびC20〜C214のチルト角生成に匹敵するか、より強力で速い場合もあることを示すことが分かる。
【0621】
<電圧保持率(VHR:Voltage Holding Ratio)>
VHRを測定するために、重合性混合物を電気光学的試験用セルに挿入する。試験用セルは、およそ20nm厚のITO電極層を有する2枚のAFガラス基板と、およそ100nm厚のVAポリイミド配向層(PI−4)とを含む。LC層厚は、およそ4μmである。
【0622】
VHRを、1V/60Hzの電圧を印加して100℃で測定する。日照試験のために、CPS/CPS+タイプのランプを使用し、750W/m
2の強度を有する光で20℃において2時間、試験用セルを照射する。UV試験のために、100mW/cm
2の強度を有するUV光(320nmのカットオフフィルターを有するメタルハライドランプ)で10分間、試験用セルを照射する。
【0623】
結果を表5に示す。
【0624】
【表34】
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本発明によるアルコキシ置換RM1〜14を含有する重合性混合物P11〜P114およびP21〜P214は、日照試験またはUV試験後のVHRが殆どの場合で、先行技術のRMC0〜C14を含有し対応する重合性混合物C10〜C114およびC20〜C214のVHRに匹敵するか、より高い場合もあることを示すことが分かる。
【0625】
<使用例B>
アルコキシ置換基を有さない先行技術のRM C1を含有する重合性混合物C31およびD41を、アルコキシ置換基を有する本発明によるRM1を含有する重合性混合物P31およびP41と比較する。
【0626】
<残存RM>
使用例Aに記載する通りであるが3.5mW/cm
2のUV強度/UV Cタイプランプを使用して、所定の強度およびランプスペクトルでUV曝露後に、混合物中に残存している未重合のRMの残存量(重量%)を決定することで、重合速度を測定する。
【0627】
結果を表6に示す。
【0628】
【表35】
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本発明によるアルコキシ置換RM1を含有する重合性混合物P31およびP41は、先行技術のRM C1を含有する重合性混合物C31およびC41と比較して、著しく速い重合および少量の残存RMを示すことが見て分かる。
【0629】
結論として、本発明による重合性化合物および重合性混合物は、十分なプレチルト角の生成およびディスプレイ用途における日照試験またはUV曝露後の十分なVHR値を維持しつつ、少量の残存RMで特に迅速な重合を示すことを使用例は示している。