【実施例】
【0165】
以下、実施例により、本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
【0166】
(実施例1)
<化合物E−1の製造>
WO2014−038708の実施例19に記載の方法に従って化合物E−1を製造した。
【0167】
【化39】
【0168】
<インクE−1の製造>
化合物E−1を濃度0.4wt%となるようにブトキシベンゼン(沸点210℃、表面張力30.4mN/m)に溶解させ、インクE−1を製造した。
なお、溶媒の表面張力は、室温23℃、湿度50%の大気下において、自動表面張力計CBVP−A3型(協和界面科学株式会社製)を用い、自動表面張力計CBVP−A3型取扱説明書VOL No.90の「11.測定」の項に記載の方法に従って測定した。
<薄膜トランジスタE−1の製造>
BGBC(ボトムゲートボトムコンタクト)型構造を有する薄膜トランジスタのテスト素子を以下の手順で作製した。
まず、ゲート電極として厚さ0.7mmの無アルカリガラス上に、クロムを用いたスパッタ法により厚さ90nmの電極を形成した。
次にゲート絶縁膜層として、公開番号2010−265423の比較例2の方法に従って製造した樹脂インクをゲート電極が形成された支持体上にスピンコートし、厚さ約700nmの絶縁膜層を形成した。なお、スピンコート法により形成した該絶縁膜層の表面粗さRaは1nm未満であった。表面粗さRaの測定は、菱化システム社製VertScan4.0を用いて行った。また、スピンコート法により形成した該絶縁膜層の表面SEM
画像を
図3に示す。なお、画像中央の異物は、非常に平滑性が高くSEM測定が困難な
絶縁膜表面のSEM測定を可能とするため、ピントあわせを目的に意図的に混入させた粒子であり、表面粗さRaの測定は異物のない部分において測定した。
【0169】
次にソース電極およびドレイン電極として金を、先に形成した絶縁膜層上に真空蒸着し、厚さ30nmの金電極を形成した。なお、真空蒸着法により形成した該電極の表面粗さRaは1nm未満であった。また、真空蒸着法により形成した該電極の表面SEM画像を
図4に示す。ソース電極とドレイン電極間のチャネル長は25μmとした。
次に隔壁層として、フッ素系樹脂を用い、先に記載したソース電極およびドレイン電極間のチャネル領域を取り囲むように長方形の隔壁層をインクジェット法で形成した。
次に有機半導体薄膜として、先に形成したソース電極とドレイン電極間のチャネル部分にインクE−1をインクジェット法により滴下し、さらに成膜後、(溶媒を除くために)ホットプレートを用いて素子を80℃で10分間熱処理することで有機半導体薄膜を形成した。
このようにして、薄膜トランジスタE−1を製造した。
<薄膜トランジスタE−1の評価>
このようにして得られた薄膜トランジスタについて、半導体特性(電界効果移動度)を評価した。半導体特性(電界効果移動度)は、ソース電極を接地し、ドレイン電極に−30Vを印加した状態で、半導体パラメータ測定装置(S4200、ケースレー製)を用いて、ゲート電極に20から−30V、電圧(Vg)をスイープ印加しながら、ドレイン電極に流れる電流(Id)を測定し、√Id−Vgの傾きから、(式1)を用いて求めた。単位はcm
2/V・sである。
I
d=(W/2L)・C・μ・(V
g−V
T)
2 (式1)
【0170】
評価は、電界効果移動度と変動係数CVの値を基準として行った。
電界効果移動度は、トランジスタ10個につき上記測定で得られた電界効果移動度の値を算術平均した。トランジスタの電界効果移動度は下記基準に基づいて1〜5の五段階で評価を行った。
5:1.0 cm
2/Vs以上
4:0.5 cm
2/Vs以上、1.0 cm
2/Vs未満
3:0.1 cm
2/Vs以上、0.5cm
2/Vs未満
2:0.01 cm
2/Vs以上、0.1 cm
2/Vs未満
1:0.01 cm
2/Vs未満、または 評価不能
【0171】
また、ばらつきの指標である変動係数CVは、トランジスタ10個につき上記測定で得られた電界効果移動度の値の算術平均を標準偏差で除した値に100を乗じて%表示にした値である。トランジスタの標準偏差は下記基準に基づいて1〜5の五段階で評価を行った。
5:CVが25%未満
4:CVが25%以上30%未満
3:CVが30%以上40%未満
2:CVが40%以上50%未満
1:CVが50%以上
評価結果は、表に記載する。
【0172】
(実施例2)
【0173】
<化合物E−2の製造>
WO2014−038708の実施例10に記載の方法に従って化合物E−2を製造した。
【0174】
【化40】
【0175】
<インクE−2の製造>
化合物E−1を化合物E−2にした以外は実施例1と同様にして、インクE−2を製造した。
<薄膜トランジスタE−2の製造>
インクE−1をインクE−2にした以外は実施例1と同様にして、薄膜トランジスタE−2を製造した。
<薄膜トランジスタE−2の評価>
薄膜トランジスタE−1を薄膜トランジスタE−2にした以外は実施例1と同様にして、薄膜トランジスタE−2を評価した。
評価結果は、表1に記載する。
【0176】
(実施例3)
<化合物E−3の製造>
WO2014−038708の実施例2に記載の方法に従って化合物E−3を製造した。
【0177】
【化41】
【0178】
<インクE−3の製造>
化合物E−1を化合物E−3にした以外は実施例1と同様にして、インクE−3を製造した。
<薄膜トランジスタE−3の製造>
インクE−1をインクE−3にした以外は実施例1と同様にして、薄膜トランジスタE−3を製造した。
<薄膜トランジスタE−3の評価>
薄膜トランジスタE−1を薄膜トランジスタE−3にした以外は実施例1と同様にして、薄膜トランジスタE−3を評価した。
評価結果は、表1に記載する。
【0179】
(実施例4)
<化合物E−4の製造>
WO2014−038708の実施例11に記載の方法に従って化合物E−4を製造した。
【0180】
【化42】
【0181】
<インクE−4の製造>
化合物E−1を化合物E−4にした以外は実施例1と同様にして、インクE−4を製造した。
<薄膜トランジスタE−4の製造>
インクE−1をインクE−4にした以外は実施例1と同様にして、薄膜トランジスタE−4を製造した。
<薄膜トランジスタE−4の評価>
薄膜トランジスタE−1を薄膜トランジスタE−4にした以外は実施例1と同様にして、薄膜トランジスタE−4を評価した。
評価結果は、表1に記載する。
【0182】
(実施例5)
<化合物E−5の製造>
WO2014−038708の実施例18に記載の方法に従って化合物E−5を製造した。
【0183】
【化43】
【0184】
<インクE−5の製造>
化合物E−1を化合物E−5にした以外は実施例1と同様にして、インクE−5を製造した。
<薄膜トランジスタE−5の製造>
インクE−1をインクE−5にした以外は実施例1と同様にして、薄膜トランジスタE−5を製造した。
<薄膜トランジスタE−5の評価>
薄膜トランジスタE−1を薄膜トランジスタE−5にした以外は実施例1と同様にして、薄膜トランジスタE−5を評価した。
評価結果は、表1に記載する。
【0185】
(実施例6)
<化合物E−6の製造>
まず、BTBT(0.50g、2.08mmol)にアルゴン雰囲気下で脱水ジクロロメタン35mLを加え、攪拌した。次に混合液を−70℃に冷却し、塩化アルミニウム(1.16g、8.70mmol)を添加し、さらにp−ペンチルベンゾイルクロリド(0.5mL、2.46mmol)を滴下した。反応液を0℃まで昇温し、4時間攪拌した後、反応液を水に再沈して反応を停止した。そこへクロロホルムを加え、分液ロートへ移送し、有機層を水、食塩水で分液洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥させ、濃縮した。精製はシリカゲルカラム(溶媒組成はヘキサン:ジクロロメタン=100:0から30:70のグラディエント)で回収した生成物をシクロヘキサンで再結晶し、2−(4−ペンチルベンゾイル)BTBTを0.49g得た(収率57%)。
【0186】
次いで、2Mのトリメチルシリルジアゾメタン溶液(1.20mL、2.40mmol)をアルゴン雰囲気下で脱水テトラヒドロフラン10mLに加え、攪拌した。さらに混合液を−70℃に冷却し、1.55Mのn−ブチルリチウム溶液(1.50mL、2.33mmol)を滴下し、トリメチルシリルジアゾメタンのリチウム塩を発生させた。30分攪拌した後、脱水テトラヒドロフラン7mLを加えた2−(4−ペンチルベンゾイル)BTBT(0.49g、1.18mmol)溶液を、反応液へ加えた。その後反応液を室温まで昇温し、3.5時間攪拌した後、酢酸10%のメタノール溶液を加え反応を停止した。そこへジクロロメタンを加え、分液ロートへ移送し、有機層を水、食塩水で分液洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥させ、濃縮した。精製はシリカゲルカラム(シリカゲルと金属スカベンジャーにまぶした生成物を、55℃に加熱したシクロヘキサンで分取)で回収した生成物をアセトンで再結晶することで、化合物E−6を0.06g得た(収率13%)。
【0187】
1H−NMR(300MHz,CDCl
3):δ 8.08(1H,dd,J=4.4,3.7Hz),7.87(3H,ddt,J=19.3,11.0,3.6Hz),7.61−7.56(1H,m),7.49−7.39(4H,m),7.19(2H,d,J=8.1Hz),2.63(2H,t,J=7.1Hz),1.68−1.58(2H,m),1.34(4H,dt,J=12.6,5.0Hz),0.90(3H,dd,J=9.0,5.0Hz).
【0188】
【化44】
【0189】
<インクE−6の製造>
化合物E−1を化合物E−6にした以外は実施例1と同様にして、インクE−6を製造した。
<薄膜トランジスタE−6の製造>
インクE−1をインクE−6にした以外は実施例1と同様にして、薄膜トランジスタE−6を製造した。
<薄膜トランジスタE−6の評価>
薄膜トランジスタE−1を薄膜トランジスタE−6にした以外は実施例1と同様にして、薄膜トランジスタE−6を評価した。
評価結果は、表1に記載する。
【0190】
(実施例7)
<化合物E−7の製造>
まず、BTBT(0.50g、2.09mmol)、塩化アルミニウム(1.16g、8.70mmol)にアルゴン雰囲気下で脱水ジクロロメタン25mLを加え、攪拌した。次に混合液を−70℃に冷却し、p−ヘプチルベンゾイルクロリド(0.70mL、1.45mmol)を滴下した。反応液を0℃まで昇温し、3時間攪拌した後、反応液を水に再沈して反応を停止した。そこへクロロホルムを加え、分液ロートへ移送し、有機層を水、食塩水で分液洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥させ、濃縮した。精製はシリカゲルカラム(溶媒組成はヘキサン:ジクロロメタン=100:0から30:70のグラディエント)で回収した生成物をアセトンで再結晶し、2−(4−ヘプチルベンゾイル)BTBTを0.39g得た(収率39%)。
【0191】
次いで、2Mのトリメチルシリルジアゾメタン溶液(0.85mL、2.07mmol)をアルゴン雰囲気下で脱水テトラヒドロフラン5mLに加え、攪拌した。さらに混合液を−70℃に冷却し、1.55Mのn−ブチルリチウム溶液(1.0mL、1.55mmol)を滴下し、トリメチルシリルジアゾメタンのリチウム塩を発生させた。30分攪拌した後、脱水テトラヒドロフラン12mLを加えた2−(4−ヘプチルベンゾイル)BTBT(0.36g、0.82mmol)溶液を、反応液へ加えた。その後反応液を室温まで昇温し、3時間攪拌した後、酢酸10%のメタノール溶液を加え反応を停止した。そこへジクロロメタンを加え、分液ロートへ移送し、有機層を水、食塩水で分液洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥させ、濃縮した。精製はシリカゲルカラム(溶媒組成はヘキサン:ジクロロメタン=100:0から90:10のグラディエント)で回収した生成物を56℃に加熱したアセトンに溶解後、金属スカベンジャーを加え攪拌し、金属スカベンジャーをろ別除去し、ろ液から再結晶することで、化合物E−7を0.04g得た(収率11%)。
1H−NMR(300MHz,CDCl
3):δ 8.09(1H,d,J=0.7Hz),7.94−7.83(3H,m),7.60(1H,dd,J=8.3,1.3Hz),7.49−7.40(4H,m),7.19(2H,d,J=8.1Hz),2.63(2H,t,J=7.7Hz),1.60−1.56(2H,m),1.31(8H,m),0.89(3H,t,J=J=6.8Hz).
【0192】
【化45】
【0193】
<インクE−7の製造>
化合物E−1を化合物E−7にした以外は実施例1と同様にして、インクE−7を製造した。
<薄膜トランジスタE−7の製造>
インクE−1をインクE−7にした以外は実施例1と同様にして、薄膜トランジスタE−7を製造した。
<薄膜トランジスタE−7の評価>
薄膜トランジスタE−1を薄膜トランジスタE−7にした以外は実施例1と同様にして、薄膜トランジスタE−7を評価した。
評価結果は、表1に記載する。
【0194】
(実施例8)
<化合物E−8の製造>
2−メチルBTBT(0.40g、1.66mmol)にアルゴン雰囲気下で脱水ジクロロメタン20mLを加え、攪拌した。次に混合液を−70℃に冷却し、塩化アルミニウム(0.90g、6.73mmol)を添加し、さらにp−ヘプチルベンゾイルクロリド(0.5mL、2.10mmol)を滴下した。反応液を0℃まで昇温し、2.5時間攪拌した後、反応液を水に再沈して反応を停止した。そこへクロロホルムを加え、分液ロートへ移送し、有機層を水、食塩水で分液洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥させ、濃縮した。精製はシリカゲルカラム(溶媒組成はヘキサン:ジクロロメタン=90:10から50:50のグラディエント)を行い、2−メチル−7−(4−ヘプチルベンゾイル)BTBTを0.54g得た(収率71%)。
【0195】
次いで、2Mのトリメチルシリルジアゾメタン溶液(1.20mL、2.40mmol)をアルゴン雰囲気下で脱水テトラヒドロフラン4.5mLに加え、攪拌した。さらに混合液を−70℃に冷却し、1.55Mのn−ブチルリチウム溶液(1.50mL、2.33mmol)を滴下し、トリメチルシリルジアゾメタンのリチウム塩を発生させた。30分攪拌した後、脱水テトラヒドロフラン21mLを加えた2−メチル−7−(4−ヘプチルベンゾイル)BTBT(0.54g、1.19mmol)溶液を、反応液へ加えた。その後反応液を室温まで昇温し、2.5時間攪拌した後、酢酸10%のメタノール溶液を加え反応を停止した。そこへクロロホルムを加え、分液ロートへ移送し、有機層を水、食塩水で分液洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥させ、濃縮した。精製はシリカゲルカラム(シリカゲルと金属スカベンジャーにまぶした生成物を、55℃に加熱したシクロヘキサンで分取)で回収した生成物をアセトンで再結晶することで、化合物E−8を0.13g得た(収率24%)。
1H−NMR(300MHz,CDCl
3):δ 8.05(1H,t,J=3.3Hz),7.81−7.71(3H,m),7.57(1H,dt,J=10.5Hz,3.8Hz),7.46(2H,t,J=7.3Hz),7.29(1H,d,J=0.7Hz),7.17(2H,t,J=7.3Hz),2.66(2H,dd,J=23.3,16.0Hz),2.51(3H,d,J=6.6Hz),1.61(2H,dd,J=14.7,7.3Hz),1.30(8H,dd,J=7.2,5.0Hz),0.89(3H,t,J=6.8Hz).
【0196】
【化46】
【0197】
<インクE−8の製造>
化合物E−1を化合物E−8にした以外は実施例1と同様にして、インクE−8を製造した。
<薄膜トランジスタE−8の製造>
インクE−1をインクE−8にした以外は実施例1と同様にして、薄膜トランジスタE−8を製造した。
<薄膜トランジスタE−8の評価>
薄膜トランジスタE−1を薄膜トランジスタE−8にした以外は実施例1と同様にして、薄膜トランジスタE−8を評価した。
評価結果は、表1に記載する。
【0198】
(実施例9)
<化合物E−9の製造>
アルゴン雰囲気下、2−ブロモ−7−ヒドロキシナフタレン80.0g(359mmol)、炭酸カリウム149g(1.08mol)に乾燥アセトン500mLを加え室温で撹拌した。ヨードメタン44.9mL(720mmol)を滴下した後、2時間還流した。反応混合物を室温に冷却し、水250mLを加えた。アセトンを減圧留去し、さらに水750mLを加えて10分撹拌した。生じた白色沈殿をろ過し、ろ集物を水1.5Lで洗浄した。得られた白色固体を乾燥することで2−ブロモ−7−メトキシナフタレン71.8g(収率、84.4%)を得た。次いで、アルゴン雰囲気下、2−ブロモ−7−メトキシナフタレン5.42g(21.1mmol)、ジクロロ[1,3−ビス(ジフェニルホスフィノ)プロパン]ニッケル(II)0.259g(1.05mmol)に乾燥テトラヒドロフラン20mLを加え−78℃で撹拌した。反応液へn−ヘキシルマグネシウムブロミドの2Mエーテル溶液11.6mL(23.2mmol)を滴下した後、ゆっくり室温に昇温した。1時間還流した後、室温に冷却した。反応液へ水5mLをゆっくり滴下した後、セライトろ過で固形分を除去した。ろ液を硫酸マグネシウムで乾燥、溶媒を留去した。得られた粗製物を、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン/クロロホルム=7/3)で分離精製を行い2−ヘキシル−7−メトキシナフタレン4.55g(収率、82.1%)を得た。次いで、アルゴン雰囲気下、2−ヘキシル−7−メトキシナフタレン4.00g(16.5mmol)に乾燥ジクロロメタン20mLを加え−78℃で撹拌した。反応液へ三臭化ホウ素の1Mジクロロメタン溶液28mL(28mmol)を滴下した後、室温に昇温して1時間撹拌した。再び−78℃に冷却した反応液に、水を加えて反応を停止した。ジクロロメタン50mLを加え、水洗した後、硫酸マグネシウムで有機相を乾燥、溶媒を留去することで、2−ヘキシル−7−ヒドロキシナフタレン3.53g(収率、91.8%)を得た。
次いで、アルゴン雰囲気下、2−ヘキシル−7−ヒドロキシナフタレン1.00g(4.38mmol)、2−ナフタレンチオール0.701g(4.38mmol)、トリフルオロメタンスルホン酸ビスマス(III)0.144g(0.219mmol)に1,2−ジクロロエタン8.8mLを加え80℃で16時間撹拌した。反応液を濃縮し、得られた粗製物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(シクロヘキサン)で分離精製し7−ヘキシル−2,2’−ビナフチルスルフィド1.36g(収率、83.8%)を得た。
【0199】
7−ヘキシル−2,2’−ビナフチルスルフィド0.500g(1.35mmol)、トリフルオロ酢酸パラジウム(II)0.0449g(0.135mmol)、酢酸銀0.901g(5.40mmol)、炭酸カリウム0.187g(1.35mmol)にピバル酸2.7mLを加え110℃で16時間撹拌した。反応液をクロロホルムで希釈し、セライトろ過を行った。ろ液を濃縮し、得られた粗製物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン)で分離精製することで化合物E−9を0.280mg(収率、55.9%)を得た。
1H−NMR(300MHz,CDCl
3):δ8.70(s,1H),δ8.68(s,1H),δ8.22(s,1H),δ8.15(s,1H),δ8.06−8.03(m,1H),δ7.98−7.96(m,1H),δ7.92−7.89(m,1H),δ7.67(s,1H),δ7.54−7.51(m,2H),δ7.38(dd,J=1.5Hz,8.4Hz,1H),δ2.82(t,J=7.2Hz,2H),δ1.76−1.70(m,2H),δ1.36−1.24(m,6H),δ0.90(t,J=6.6Hz,3H).
【0200】
【化47】
【0201】
<インクE−9の製造>
化合物E−1を化合物E−9にした以外は実施例1と同様にして、インクE−9を製造した。
<薄膜トランジスタE−9の製造>
インクE−1をインクE−9にした以外は実施例1と同様にして、薄膜トランジスタE−9を製造した。
<薄膜トランジスタE−9の評価>
薄膜トランジスタE−1を薄膜トランジスタE−9にした以外は実施例1と同様にして、 薄膜トランジスタE−9を評価した。
評価結果は、表1に記載する。
【0202】
(実施例10)
<化合物E−10の製造>
実施例9において、n−ヘキシルマグネシウムブロミドを、n−オクチルマグネシウムブロミドに変更した以外は実施例9に準拠して、化合物E−10(収率、64.3%)を得た。
【0203】
【化48】
【0204】
1H−NMR(300MHz,CDCl
3):δ8.69(s,1H),δ8.67(s,1H),δ8.21(s,1H),δ8.14(s,1H),δ8.09−8.04(m,1H),δ8.03−7.98(m,1H),δ7.91−7.89(m,1H),δ7.66(s,1H),δ7.56−7.48(m,2H),δ7.38(dd,J=1.5Hz,8.4Hz,1H),δ2.82(t,J=7.2Hz,2H),δ1.77−1.69(m,2H),δ1.36−1.24(m,10H),δ0.88(t,J=6.6Hz,3H).
<インクE−10の製造>
化合物E−1を化合物E−10にした以外は実施例1と同様にして、インクE−10を製造した。
<薄膜トランジスタE−10の製造>
インクE−1をインクE−10にした以外は実施例1と同様にして、薄膜トランジスタE−10を製造した。
<薄膜トランジスタE−10の評価>
薄膜トランジスタE−1を薄膜トランジスタE−10にした以外は実施例1と同様にして、薄膜トランジスタE−10を評価した。
評価結果は、表1に記載する。
【0205】
(実施例11)
<化合物E−11の製造>
【0206】
【化49】
【0207】
【化50】
【0208】
アルゴンバルーンを接続した2L三つ口フラスコに、Advanced Materials、2009年、21巻、213−216頁に記載の方法にて(1a−b)で表される化合物のRをHへと変更し合成を行って得たジチエノベンゾジチオフェン(3.02g、10mmol)を加えてアルゴン置換を行った。クロロホルム(1500mL、関東化学社製)を加えて溶解させた後、内温を60度に加熱した。N−ブロモスクシンイミド(NBS、1.86g、10.5mmol、キシダ化学社製)をクロロホルム(150mL)に溶解させた溶液を滴下した。60度を保ちつつ30分間攪拌した後、室温まで冷却し(反応液は黄色に変化)た。わずかに析出した固体(主に臭素二置換体)をろ過にて除去し、濾液に飽和チオ硫酸ナトリウム水溶液を100mL加えた後、分液操作により有機層を分離し、無水硫酸マグネシウムで乾燥、ろ過した後、溶媒を留去した。得られた淡黄色固体を乾燥することで目的物であるα−モノブロモジチエノベンゾチオフェンを2.8g(7.3mmol、収率73%)で得た。
【0209】
【化51】
【0210】
アルゴンバルーンを接続した500mL三つ口フラスコに、前記実施例に記載の方法で得たα−モノブロモジチエノベンゾチオフェン(2.67g、7.0mmol)と、テトラキス(トリフェニルフォスフィン)パラジウム(242mg、0.21mmol、東京化成社製)およびヨウ化銅(40mg、0.21mmol、関東化学社製)を加えてアルゴン置換を行った。乾燥トルエン(150mL、関東化学社製)を加えた後、内温を70度に加熱した。N、N−ジイソプロピルエチルアミン(9.8mL、70mmol、和光純薬社製)と1−ヘキシン(2.4mL、21mmol、東京化成社製)を滴下し、70度を保ちつつ12時間攪拌した後、室温まで冷却し(反応液は黒色に変化)た。反応液にイオン交換水を100mL加えた後、分液操作により有機層を分離し、無水硫酸マグネシウムで乾燥、ろ過した後、金属スカベンジャーを用いて室温で45分間攪拌し遷移金属を除去し、ろ過後に溶媒を留去した。得られた黒色粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン、ヘキサン:クロロホルム=98:2)で精製し、乾燥することで目的物であるα−モノ(ヘキサ−1−インイル)ジチエノベンゾチオフェンを1.04g(2.7mmol、収率39%)で淡黄色固体として得た。
【0211】
【化52】
【0212】
水素バルーンを接続した1L二つ口フラスコに、前記実施例に記載の方法で得たα−モノ(ヘキサ−1−インイル)ジチエノベンゾチオフェン(956mg、2.5mmol)と、パラジウムカーボン(300mg、50%wet)を加えて水素置換を行った。THF(100mL、関東化学社製)を加えた後、室温で激しく48時間攪拌した。反応液をセライトろ過して遷移金属を除去し、溶媒を留去した。得られた淡黄色粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン、ヘキサン:クロロホルム=98:2)で精製し、アセトニトリル:トルエン=90:10の混合溶媒を用いて加熱再結晶を行なうことで、目的物である化合物E−11を620mg(1.6mmol、収率64%)で無色固体として得た。なお、さらに順相シリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン/クロロホルム)、逆相オクタデシルシリルクロマトグラフィー(アセトニトリル/トルエン)、再結晶(アセトニトリル/トルエン)を繰り返し行なうことで、半導体特性(電界効果移動度)の評価に充分な純度の化合物E−11を120mg得ている。
1H−NMR(300MHz,CDCl
3):δppm=0.90(t,
3J
H−H=7.2Hz,3H),1.3−1.5(m.95(t,
3J
H−H=7.2Hz,2H),7.01(s,1H),7.32(d,
3J
H−H=5.1Hz,1H),7.51(d,
3J
H−H=5.1Hz,1H),8.20(s,1H),8.27(s,1H).
<インクE−11の製造>
化合物E−1を化合物E−11にした以外は実施例1と同様にして、インクE−11を製造した。
<薄膜トランジスタE−11の製造>
インクE−1をインクE−11にした以外は実施例1と同様にして、薄膜トランジスタE−11を製造した。
<薄膜トランジスタE−11の評価>
薄膜トランジスタE−1を薄膜トランジスタE−11にした以外は実施例1と同様にして、薄膜トランジスタE−11を評価した。
評価結果は、表1に記載する。
【0213】
(実施例12)
<化合物E−12の製造>
【0214】
【化53】
【0215】
【化54】
【0216】
アルゴンバルーンを接続した300mL三つ口フラスコに、実施例11に記載の方法で得た化合物E−11(270mg、0.7mmol)を加えてアルゴン置換を行った。乾燥THF(30mL、関東化学社製)を加えた後、−78度まで冷却し5分間攪拌した。ノルマルブチルリチウム(0.65mL、1.0mmol、約1.6Mヘキサン溶液、関東化学社製)を加え、内温を−78度に保ち30分間攪拌した(反応溶液は淡赤色へと変化した)。ヨードメタン(0.07mL、1.0mmol、東京化成社製)を加え、1時間かけて室温へと昇温させつつ攪拌した(反応溶液は淡黄色へと変化した)。飽和塩化アンモニウム水溶液20mLを加えた後、トルエンを用いた分液操作により有機層を分離し、無水硫酸マグネシウムで乾燥、ろ過した後、溶媒を留去した。得られた黄色粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン、ヘキサン:トルエン=99:1)で精製し、アセトニトリル:トルエン=90:10の混合溶媒を用いて加熱再結晶を行ない、乾燥することで目的物である化合物E−12を150mg(0.37mmol、収率53%)で無色固体として得た。なお、さらに順相シリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン/トルエン)、逆相オクタデシルシリルクロマトグラフィー(アセトニトリル/トルエン)、再結晶(アセトニトリル/トルエン)を繰り返し行なうことで、半導体特性(電界効果移動度)の評価に充分な純度の化合物E−12を50mg得ている。
1H−NMR(300MHz,CDCl
3):δppm=0.90(t,
3J
H−H=6.9Hz,3H),1.3−1.5(m,6H),1.76(m,2H),2.64(d,
4J
H−H=0.9Hz,3H),2.94(t,
3J
H−H=7.5Hz,2H),6.98(d,
4J
H−H=0.9Hz,1H),6.99(s,1H),8.15(s,1H+1H).
<インクE−12の製造>
化合物E−1を化合物E−12にした以外は実施例1と同様にして、インクE−12を製造した。
<薄膜トランジスタE−12の製造>
インクE−1をインクE−12にした以外は実施例1と同様にして、薄膜トランジスタE−12を製造した。
<薄膜トランジスタE−12の評価>
薄膜トランジスタE−1を薄膜トランジスタE−12にした以外は実施例1と同様にして、薄膜トランジスタE−12を評価した。
評価結果は、表1に記載する
【0217】
(実施例13)
<インクE−13の製造>
インク溶媒をブトキシベンゼンからブチロフェノン(沸点222度、表面張力35.3mN/m)に変更した以外は実施例1と同様にして、インクE−13を製造した。
<薄膜トランジスタE−13の製造>
インクE−1をインクE−13にした以外は実施例1と同様にして、薄膜トランジスタE−13を製造した。
<薄膜トランジスタE−13の評価>
薄膜トランジスタE−1を薄膜トランジスタE−13にした以外は実施例1と同様にして、薄膜トランジスタE−13を評価した。
評価結果は、表1に記載する。
【0218】
(実施例14)
<インクE−14の製造>
インク溶媒をブトキシベンゼンからブチロフェノンに変更した以外は実施例2と同様にして、インクE−14を製造した。
<薄膜トランジスタE−14の製造>
インクE−1をインクE−14にした以外は実施例1と同様にして、薄膜トランジスタE−14を製造した。
<薄膜トランジスタE−14の評価>
薄膜トランジスタE−1を薄膜トランジスタE−14にした以外は実施例1と同様にして、薄膜トランジスタE−14を評価した。
評価結果は、表1に記載する。
【0219】
(実施例15)
<インクE−15の製造>
インク溶媒をブトキシベンゼンからブチロフェノンに変更した以外は実施例3と同様にして、インクE−15を製造した。
<薄膜トランジスタE−15の製造>
インクE−1をインクE−15にした以外は実施例1と同様にして、薄膜トランジスタE−15を製造した。
<薄膜トランジスタE−15の評価>
薄膜トランジスタE−1を薄膜トランジスタE−15にした以外は実施例1と同様にして、薄膜トランジスタE−15を評価した。
評価結果は、表1に記載する。
【0220】
(実施例16)
<インクE−16の製造>
インク溶媒をブトキシベンゼンからブチロフェノンに変更した以外は実施例4と同様にして、インクE−16を製造した。
<薄膜トランジスタE−16の製造>
インクE−1をインクE−16にした以外は実施例1と同様にして、薄膜トランジスタE−16を製造した。
<薄膜トランジスタE−16の評価>
薄膜トランジスタE−1を薄膜トランジスタE−16にした以外は実施例1と同様にして、薄膜トランジスタE−16を評価した。
評価結果は、表1に記載する。
【0221】
(実施例17)
<インクE−17の製造>
インク溶媒をブトキシベンゼンからブチロフェノンに変更した以外は実施例5と同様にして、インクE−17を製造した。
<薄膜トランジスタE−17の製造>
インクE−1をインクE−17にした以外は実施例1と同様にして、薄膜トランジスタE−17を製造した。
<薄膜トランジスタE−17の評価>
薄膜トランジスタE−1を薄膜トランジスタE−17にした以外は実施例1と同様にして、薄膜トランジスタE−17を評価した。
評価結果は、表1に記載する。
【0222】
(実施例18)
<インクE−18の製造>
インク溶媒をブトキシベンゼンから1,3,5−トリエチルベンゼン(沸点215度、表面張力24.7mN/m)に変更した以外は実施例1と同様にして、インクE−18を製造した。
<薄膜トランジスタE−18の製造>
インクE−1をインクE−18にした以外は実施例1と同様にして、薄膜トランジスタE−18を製造した。
<薄膜トランジスタE−18の評価>
薄膜トランジスタE−1を薄膜トランジスタE−18にした以外は実施例1と同様にして、薄膜トランジスタE−18を評価した。
評価結果は、表1に記載する。
【0223】
(実施例19)
<インクE−19の製造>
インク溶媒をブトキシベンゼンから1,3,5−トリエチルベンゼンに変更した以外は実施例2と同様にして、インクE−19を製造した。
<薄膜トランジスタE−19の製造>
インクE−1をインクE−19にした以外は実施例1と同様にして、薄膜トランジスタE−19を製造した。
<薄膜トランジスタE−19の評価>
薄膜トランジスタE−1を薄膜トランジスタE−19にした以外は実施例1と同様にして、薄膜トランジスタE−19を評価した。
評価結果は、表1に記載する。
【0224】
(実施例20)
<インクE−20の製造>
インク溶媒をブトキシベンゼンから1,3,5−トリエチルベンゼンに変更した以外は実施例3と同様にして、インクE−20を製造した。
<薄膜トランジスタE−20の製造>
インクE−1をインクE−20にした以外は実施例1と同様にして、薄膜トランジスタE−20を製造した。
<薄膜トランジスタE−20の評価>
薄膜トランジスタE−1を薄膜トランジスタE−20にした以外は実施例1と同様にして、薄膜トランジスタE−20を評価した。
評価結果は、表1に記載する。
【0225】
(実施例21)
<インクE−21の製造>
インク溶媒をブトキシベンゼンから1,3,5−トリエチルベンゼンに変更した以外は実施例4と同様にして、インクE−21を製造した。
<薄膜トランジスタE−21の製造>
インクE−1をインクE−21にした以外は実施例1と同様にして、薄膜トランジスタE−21を製造した。
<薄膜トランジスタE−21の評価>
薄膜トランジスタE−1を薄膜トランジスタE−21にした以外は実施例1と同様にして、薄膜トランジスタE−21を評価した。
評価結果は、表1に記載する。
【0226】
(実施例22)
<インクE−22の製造>
インク溶媒をブトキシベンゼンから1,3,5−トリエチルベンゼンに変更した以外は実施例5と同様にして、インクE−22を製造した。
<薄膜トランジスタE−22の製造>
インクE−1をインクE−22にした以外は実施例1と同様にして、薄膜トランジスタE−22を製造した。
<薄膜トランジスタE−22の評価>
薄膜トランジスタE−1を薄膜トランジスタE−22にした以外は実施例1と同様にして、薄膜トランジスタE−22を評価した。
評価結果は、表1に記載する。
【0227】
(実施例23)
<インクE−23の製造>
インク溶媒をブトキシベンゼンからイソホロン(沸点215℃、表面張力31.4)に変更した以外は実施例1と同様にして、インクE−23を製造した。
<薄膜トランジスタE−23の製造>
インクE−1をインクE−23にした以外は実施例1と同様にして、薄膜トランジスタE−23を製造した。
<薄膜トランジスタE−23の評価>
薄膜トランジスタE−1を薄膜トランジスタE−23にした以外は実施例1と同様にして、薄膜トランジスタE−23を評価した。
評価結果は、表1に記載する。
【0228】
(実施例24)
<インクE−24の製造>
インク溶媒をブトキシベンゼンからイソホロンに変更した以外は実施例2と同様にして、インクE−24を製造した。
<薄膜トランジスタE−24の製造>
インクE−1をインクE−24にした以外は実施例1と同様にして、薄膜トランジスタE−24を製造した。
<薄膜トランジスタE−24の評価>
薄膜トランジスタE−1を薄膜トランジスタE−24にした以外は実施例1と同様にして、薄膜トランジスタE−24を評価した。
評価結果は、表1に記載する。
【0229】
(実施例25)
<インクE−25の製造>
インク溶媒をブトキシベンゼンからイソホロンに変更した以外は実施例3と同様にして、インクE−25を製造した。
<薄膜トランジスタE−25の製造>
インクE−1をインクE−25にした以外は実施例1と同様にして、薄膜トランジスタE−25を製造した。
<薄膜トランジスタE−25の評価>
薄膜トランジスタE−1を薄膜トランジスタE−25にした以外は実施例1と同様にして、薄膜トランジスタE−25を評価した。
評価結果は、表1に記載する。
【0230】
(実施例26)
<インクE−26の製造>
インク溶媒をブトキシベンゼンからイソホロンに変更した以外は実施例4と同様にして、インクE−26を製造した。
<薄膜トランジスタE−26の製造>
インクE−1をインクE−26にした以外は実施例1と同様にして、薄膜トランジスタE−26を製造した。
<薄膜トランジスタE−26の評価>
薄膜トランジスタE−1を薄膜トランジスタE−26にした以外は実施例1と同様にして、薄膜トランジスタE−26を評価した。
評価結果は、表1に記載する。
【0231】
(実施例27)
<インクE−27の製造>
インク溶媒をブトキシベンゼンからイソホロンに変更した以外は実施例5と同様にして、インクE−27を製造した。
<薄膜トランジスタE−27の製造>
インクE−1をインクE−27にした以外は実施例1と同様にして、薄膜トランジスタE−27を製造した。
<薄膜トランジスタE−27の評価>
薄膜トランジスタE−1を薄膜トランジスタE−27にした以外は実施例1と同様にして、薄膜トランジスタE−27を評価した。
評価結果は、表1に記載する。
【0232】
(実施例28)
<薄膜トランジスタE−28の製造>
BGBC(ボトムゲートボトムコンタクト)型構造を有する薄膜トランジスタのテスト素子を以下の手順で作製した。
まず、ゲート電極として厚さ0.7mmの無アルカリガラス上に、クロムを用いたスパッタ法により厚さ90nmの電極を形成した。
次にゲート絶縁膜層として、公開番号2010−265423の比較例2の方法に従って製造した樹脂インクをゲート電極が形成された支持体上に反転印刷法を用いてパターニングし、厚さ約700nmの絶縁膜層を形成した。なお、反転印刷法により形成した該絶縁膜層の表面粗さRaは10nmであった。前記したスピンコート法により形成した絶縁膜のRaより大きな値であり、表面が荒れていることがわかる。また、反転印刷法により形成した該絶縁膜層の表面SEM画像を
図5に示す。
図3に示すスピンコート法により形成した絶縁膜層の表面SEM画像と比較すると、反転印刷法により形成した該絶縁膜層の表面が粗いことは表面SEM画像からも明らかである。
次にソース電極およびドレイン電極として金を先に形成した絶縁膜層上に真空蒸着し、厚さ30nmの金電極を形成した。ソース電極とドレイン電極間のチャネル長は25μmとした。次に隔壁層として、フッ素系樹脂を用い、先に記載したソース電極およびドレイン電極間のチャネル領域を取り囲むように長方形の隔壁層をインクジェット法で形成した。
次に有機半導体薄膜として、先に形成したソース電極とドレイン電極間のチャネル部分にインクE−1をインクジェット法により滴下し、さらに成膜後、(溶媒を除くために)ホットプレートを用いて素子を80℃で10分間熱処理することで有機半導体薄膜を形成した。
このようにして、薄膜トランジスタE−28を製造した。
<薄膜トランジスタE−28の評価>
薄膜トランジスタE−1を薄膜トランジスタE−28にした以外は実施例1と同様にして、薄膜トランジスタE−28を評価した。
評価結果は、表1に記載する。
【0233】
(実施例29)
<薄膜トランジスタE−29の製造>
インクE−1をインクE−2にした以外は実施例28と同様にして、薄膜トランジスタE−29を製造した。
<薄膜トランジスタE−29の評価>
薄膜トランジスタE−1を薄膜トランジスタE−29にした以外は実施例1と同様にして、薄膜トランジスタE−29を評価した。
評価結果は、表1に記載する。
【0234】
(実施例30)
<薄膜トランジスタE−30の製造>
インクE−1をインクE−3にした以外は実施例28と同様にして、薄膜トランジスタE−30を製造した。
<薄膜トランジスタE−30の評価>
薄膜トランジスタE−1を薄膜トランジスタE−30にした以外は実施例1と同様にして、薄膜トランジスタE−30を評価した。
評価結果は、表1に記載する。
【0235】
(実施例31)
<薄膜トランジスタE−31の製造>
インクE−1をインクE−4にした以外は実施例28と同様にして、薄膜トランジスタE−31を製造した。
<薄膜トランジスタE−31の評価>
薄膜トランジスタE−1を薄膜トランジスタE−31にした以外は実施例1と同様にして、薄膜トランジスタE−31を評価した。
評価結果は、表1に記載する。
【0236】
(実施例32)
<薄膜トランジスタE−32の製造>
インクE−1をインクE−5にした以外は実施例28と同様にして、薄膜トランジスタE−32を製造した。
<薄膜トランジスタE−32の評価>
薄膜トランジスタE−1を薄膜トランジスタE−32にした以外は実施例1と同様にして、薄膜トランジスタE−32を評価した。
評価結果は、表1に記載する。
【0237】
(実施例33)
<薄膜トランジスタE−33の製造>
インクE−1をインクE−6にした以外は実施例28と同様にして、薄膜トランジスタE−33を製造した。
<薄膜トランジスタE−33の評価>
薄膜トランジスタE−1を薄膜トランジスタE−33にした以外は実施例1と同様にして、薄膜トランジスタE−33を評価した。
評価結果は、表1に記載する。
【0238】
(実施例34)
<薄膜トランジスタE−34の製造>
インクE−1をインクE−7にした以外は実施例28と同様にして、薄膜トランジスタE−34を製造した。
<薄膜トランジスタE−34の評価>
薄膜トランジスタE−1を薄膜トランジスタE−34にした以外は実施例1と同様にして、薄膜トランジスタE−34を評価した。
評価結果は、表1に記載する。
【0239】
(実施例35)
<薄膜トランジスタE−35の製造>
インクE−1をインクE−8にした以外は実施例28と同様にして、薄膜トランジスタE−35を製造した。
<薄膜トランジスタE−35の評価>
薄膜トランジスタE−1を薄膜トランジスタE−35にした以外は実施例1と同様にして、薄膜トランジスタE−35を評価した。
評価結果は、表1に記載する。
【0240】
(実施例36)
<薄膜トランジスタE−36の製造>
インクE−1をインクE−13にした以外は実施例28と同様にして、薄膜トランジスタE−36を製造した。
<薄膜トランジスタE−36の評価>
薄膜トランジスタE−1を薄膜トランジスタE−36にした以外は実施例1と同様にして、薄膜トランジスタE−36を評価した。
評価結果は、表1に記載する。
【0241】
(実施例37)
<薄膜トランジスタE−37の製造>
インクE−1をインクE−14にした以外は実施例28と同様にして、薄膜トランジスタE−37を製造した。
<薄膜トランジスタE−37の評価>
薄膜トランジスタE−1を薄膜トランジスタE−37にした以外は実施例1と同様にして、薄膜トランジスタE−37を評価した。
評価結果は、表1に記載する。
【0242】
(実施例38)
<薄膜トランジスタE−38の製造>
インクE−1をインクE−15にした以外は実施例28と同様にして、薄膜トランジスタE−38を製造した。
<薄膜トランジスタE−38の評価>
薄膜トランジスタE−1を薄膜トランジスタE−38にした以外は実施例1と同様にして、薄膜トランジスタE−38を評価した。
評価結果は、表1に記載する。
【0243】
(実施例39)
<薄膜トランジスタE−39の製造>
インクE−1をインクE−16にした以外は実施例28と同様にして、薄膜トランジスタE−39を製造した。
<薄膜トランジスタE−39の評価>
薄膜トランジスタE−1を薄膜トランジスタE−39にした以外は実施例1と同様にして、薄膜トランジスタE−39を評価した。
評価結果は、表1に記載する。
【0244】
(実施例40)
<薄膜トランジスタE−40の製造>
インクE−1をインクE−17にした以外は実施例28と同様にして、薄膜トランジスタE−40を製造した。
<薄膜トランジスタE−40の評価>
薄膜トランジスタE−1を薄膜トランジスタE−40にした以外は実施例1と同様にして、薄膜トランジスタE−40を評価した。
評価結果は、表1に記載する。
【0245】
(実施例41)
<薄膜トランジスタE−41の製造>
BGBC(ボトムゲートボトムコンタクト)型構造を有する薄膜トランジスタのテスト素子を以下の手順で作製した。
まず、ゲート電極として厚さ0.7mmの無アルカリガラス上に、クロムを用いたスパッタ法により厚さ90nmの電極を形成した。
次にゲート絶縁膜層として、公開番号2010−265423の比較例2の方法に従って製造した樹脂インクをゲート電極が形成された支持体上に反転印刷法によって形成し、厚さ約700nmの絶縁膜層を形成した。
次にソース電極およびドレイン電極として、先に形成した絶縁膜層上に公報番号特開2016−058448の実施例(凸版反転印刷法による電極の作製)に記載の方法に従って、反転印刷法で厚さ100nmの銀電極を形成した。なお、反転印刷法により形成した該電極の表面粗さRaは15nmであった。前記した真空蒸着法により形成した電極のRaより大きな値であり、表面が荒れていることがわかる。また、反転印刷法により形成した該電極の表面SEM画像を
図6に示す。
図4に示す真空蒸着法により形成した電極の表面SEM画像と比較すると、反転印刷法により形成した該電極の表面が粗いことは表面SEM画像からも明らかである。ソース電極とドレイン電極間のチャネル長は20μmとした。
次に隔壁層として、フッ素系樹脂を用い、先に記載したソース電極およびドレイン電極間のチャネル領域を取り囲むように長方形の隔壁層をインクジェット法で形成した。
次に有機半導体薄膜として、先に形成したソース電極とドレイン電極間のチャネル部分にインクE−1をインクジェット法により滴下し、さらに成膜後、(溶媒を除くために)ホットプレートを用いて素子を80℃で10分間熱処理することで有機半導体薄膜を形成した。
このようにして、薄膜トランジスタE−41を製造した。
<薄膜トランジスタE−41の評価>
薄膜トランジスタE−1を薄膜トランジスタE−41にした以外は実施例1と同様にして、薄膜トランジスタE−41を評価した。
評価結果は、表1に記載する。
【0246】
(実施例42)
<薄膜トランジスタE−42の製造>
インクE−1をインクE−2にした以外は実施例41と同様にして、薄膜トランジスタE−42を製造した。
<薄膜トランジスタE−42の評価>
薄膜トランジスタE−1を薄膜トランジスタE−42にした以外は実施例1と同様にして、薄膜トランジスタE−42を評価した。
評価結果は、表1に記載する。
【0247】
実施例43)
<薄膜トランジスタE−43の製造>
インクE−1をインクE−3にした以外は実施例41と同様にして、薄膜トランジスタE−43を製造した。
<薄膜トランジスタE−43の評価>
薄膜トランジスタE−1を薄膜トランジスタE−43にした以外は実施例1と同様にして、薄膜トランジスタE−43を評価した。
評価結果は、表1に記載する。
【0248】
(実施例44)
<薄膜トランジスタE−44の製造>
インクE−1をインクE−4にした以外は実施例41と同様にして、薄膜トランジスタE−44を製造した。
<薄膜トランジスタE−44の評価>
薄膜トランジスタE−1を薄膜トランジスタE−44にした以外は実施例1と同様にして、薄膜トランジスタE−44を評価した。
評価結果は、表1に記載する。
【0249】
(実施例45)
<薄膜トランジスタE−45の製造>
インクE−1をインクE−5にした以外は実施例41と同様にして、薄膜トランジスタE−45を製造した。
<薄膜トランジスタE−45の評価>
薄膜トランジスタE−1を薄膜トランジスタE−45にした以外は実施例1と同様にして、薄膜トランジスタE−45を評価した。
評価結果は、表1に記載する。
【0250】
(実施例46)
<薄膜トランジスタE−46の製造>
インクE−1をインクE−6にした以外は実施例41と同様にして、薄膜トランジスタE−46を製造した。
<薄膜トランジスタE−46の評価>
薄膜トランジスタE−1を薄膜トランジスタE−46にした以外は実施例1と同様にして、薄膜トランジスタE−46を評価した。
評価結果は、表1に記載する。
【0251】
(実施例47)
<薄膜トランジスタE−47の製造>
インクE−1をインクE−7にした以外は実施例41と同様にして、薄膜トランジスタE−47を製造した。
<薄膜トランジスタE−47の評価>
薄膜トランジスタE−1を薄膜トランジスタE−47にした以外は実施例1と同様にして、薄膜トランジスタE−47を評価した。
評価結果は、表1に記載する。
【0252】
(実施例48)
<薄膜トランジスタE−48の製造>
インクE−1をインクE−8にした以外は実施例41と同様にして、薄膜トランジスタE−48を製造した。
<薄膜トランジスタE−48の評価>
薄膜トランジスタE−1を薄膜トランジスタE−48にした以外は実施例1と同様にして、薄膜トランジスタE−48を評価した。
評価結果は、表1に記載する。
【0253】
(実施例49)
<薄膜トランジスタE−49の製造>
インクE−1をインクE−13にした以外は実施例41と同様にして、薄膜トランジスタE−49を製造した。
<薄膜トランジスタE−49の評価>
薄膜トランジスタE−1を薄膜トランジスタE−49にした以外は実施例1と同様にして、薄膜トランジスタE−49を評価した。
評価結果は、表1に記載する。
【0254】
(実施例50)
<薄膜トランジスタE−50の製造>
インクE−1をインクE−14にした以外は実施例41と同様にして、薄膜トランジスタE−50を製造した。
<薄膜トランジスタE−50の評価>
薄膜トランジスタE−1を薄膜トランジスタE−50にした以外は実施例1と同様にして、薄膜トランジスタE−50を評価した。
評価結果は、表1に記載する。
【0255】
(実施例51)
<薄膜トランジスタE−51の製造>
インクE−1をインクE−15にした以外は実施例41と同様にして、薄膜トランジスタE−51を製造した。
<薄膜トランジスタE−51の評価>
薄膜トランジスタE−1を薄膜トランジスタE−51にした以外は実施例1と同様にして、薄膜トランジスタE−51を評価した。
評価結果は、表1に記載する。
【0256】
(実施例52)
<薄膜トランジスタE−52の製造>
インクE−1をインクE−16にした以外は実施例41と同様にして、薄膜トランジスタE−52を製造した。
<薄膜トランジスタE−52の評価>
薄膜トランジスタE−1を薄膜トランジスタE−52にした以外は実施例1と同様にして、薄膜トランジスタE−52を評価した。
評価結果は、表1に記載する。
【0257】
(実施例53)
<薄膜トランジスタE−53の製造>
インクE−1をインクE−17にした以外は実施例41と同様にして、薄膜トランジスタE−53を製造した。
<薄膜トランジスタE−53の評価>
薄膜トランジスタE−1を薄膜トランジスタE−53にした以外は実施例1と同様にして、薄膜トランジスタE−53を評価した。
評価結果は、表1に記載する。
【0258】
(実施例54)
<インクE−54の製造>
化合物E−1、ポリスチレン、ブトキシベンゼンを、重量比4:1:995の比率で混合し、インクE−54を製造した。
<薄膜トランジスタE−54の製造>
インクE−1をインクE−54にした以外は実施例28と同様にして、薄膜トランジスタE−54を製造した。
<薄膜トランジスタE−54の評価>
薄膜トランジスタE−1を薄膜トランジスタE−54にした以外は実施例1と同様にして、薄膜トランジスタE−54を評価した。
評価結果は、表1に記載する。
【0259】
(実施例55)
<インクE−55の製造>
化合物E−1を化合物E−2にした以外は実施例54と同様にして、インクE−55を製造した。
<薄膜トランジスタE−55の製造>
インクE−1をインクE−55にした以外は実施例28と同様にして、薄膜トランジスタE−55を製造した。
<薄膜トランジスタE−55の評価>
薄膜トランジスタE−1を薄膜トランジスタE−55にした以外は実施例1と同様にして、薄膜トランジスタE−55を評価した。
評価結果は、表1に記載する。
【0260】
(実施例56)
<インクE−56の製造>
化合物E−1を化合物E−3にした以外は実施例54と同様にして、インクE−56を製造した。
<薄膜トランジスタE−56の製造>
インクE−1をインクE−56にした以外は実施例28と同様にして、薄膜トランジスタE−56を製造した。
<薄膜トランジスタE−56の評価>
薄膜トランジスタE−1を薄膜トランジスタE−56にした以外は実施例1と同様にして、薄膜トランジスタE−56を評価した。
評価結果は、表1に記載する。
【0261】
(実施例57)
<インクE−57の製造>
化合物E−1を化合物E−4にした以外は実施例54と同様にして、インクE−57を製造した。
<薄膜トランジスタE−57の製造>
インクE−1をインクE−57にした以外は実施例28と同様にして、薄膜トランジスタE−57を製造した。
<薄膜トランジスタE−57の評価>
薄膜トランジスタE−1を薄膜トランジスタE−57にした以外は実施例1と同様にして、薄膜トランジスタE−57を評価した。
評価結果は、表1に記載する。
【0262】
(実施例58)
<インクE−58の製造>
化合物E−1を化合物E−5にした以外は実施例54と同様にして、インクE−58を製造した。
<薄膜トランジスタE−58の製造>
インクE−1をインクE−58にした以外は実施例28と同様にして、薄膜トランジスタE−58を製造した。
<薄膜トランジスタE−58の評価>
薄膜トランジスタE−1を薄膜トランジスタE−58にした以外は実施例1と同様にして、薄膜トランジスタE−58を評価した。
評価結果は、表1に記載する。
【0263】
(実施例59)
<インクE−59の製造>
ポリスチレンをポリメチルメタクリレートに変更した以外は実施例54と同様にして、インクE−59を製造した。
<薄膜トランジスタE−59の製造>
インクE−1をインクE−59にした以外は実施例28と同様にして、薄膜トランジスタE−59を製造した。
<薄膜トランジスタE−59の評価>
薄膜トランジスタE−1を薄膜トランジスタE−59にした以外は実施例1と同様にして、薄膜トランジスタE−59を評価した。
評価結果は、表1に記載する。
【0264】
(実施例60)
<インクE−60の製造>
化合物E−1を化合物E−2にした以外は実施例59と同様にして、インクE−60を製造した。
<薄膜トランジスタE−60の製造>
インクE−1をインクE−60にした以外は実施例28と同様にして、薄膜トランジスタE−60を製造した。
<薄膜トランジスタE−60の評価>
薄膜トランジスタE−1を薄膜トランジスタE−60にした以外は実施例1と同様にして、薄膜トランジスタE−60を評価した。
評価結果は、表1に記載する。
【0265】
(実施例61)
<インクE−61の製造>
化合物E−1を化合物E−3にした以外は実施例59と同様にして、インクE−61を製造した。
<薄膜トランジスタE−61の製造>
インクE−1をインクE−61にした以外は実施例28と同様にして、薄膜トランジスタE−61を製造した。
<薄膜トランジスタE−61の評価>
薄膜トランジスタE−1を薄膜トランジスタE−61にした以外は実施例1と同様にして、薄膜トランジスタE−61を評価した。
評価結果は、表1に記載する。
【0266】
(実施例62)
<インクE−62の製造>
化合物E−1を化合物E−4にした以外は実施例59と同様にして、インクE−62を製造した。
<薄膜トランジスタE−62の製造>
インクE−1をインクE−62にした以外は実施例28と同様にして、薄膜トランジスタE−62を製造した。
<薄膜トランジスタE−62の評価>
薄膜トランジスタE−1を薄膜トランジスタE−62にした以外は実施例1と同様にして、薄膜トランジスタE−62を評価した。
評価結果は、表1に記載する。
【0267】
(実施例63)
<インクE−63の製造>
化合物E−1を化合物E−5にした以外は実施例59と同様にして、インクE−63を製造した。
<薄膜トランジスタE−63の製造>
インクE−1をインクE−63にした以外は実施例28と同様にして、薄膜トランジスタE−63を製造した。
<薄膜トランジスタE−63の評価>
薄膜トランジスタE−1を薄膜トランジスタE−63にした以外は実施例1と同様にして、薄膜トランジスタE−63を評価した。
評価結果は、表1に記載する。
【0268】
(実施例64)
<薄膜トランジスタE−64の製造>
インクE−1をインクE−59にした以外は実施例41と同様にして、薄膜トランジスタE−64を製造した。
<薄膜トランジスタE−64の評価>
薄膜トランジスタE−1を薄膜トランジスタE−64にした以外は実施例1と同様にして、薄膜トランジスタE−64を評価した。
評価結果は、表1に記載する。
【0269】
(実施例65)
<薄膜トランジスタE−65の製造>
インクE−1をインクE−60にした以外は実施例41と同様にして、薄膜トランジスタE−65を製造した。
<薄膜トランジスタE−65の評価>
薄膜トランジスタE−1を薄膜トランジスタE−65にした以外は実施例1と同様にして、薄膜トランジスタE−65を評価した。
評価結果は、表1に記載する。
【0270】
(実施例66)
<薄膜トランジスタE−66の製造>
インクE−1をインクE−61にした以外は実施例41と同様にして、薄膜トランジスタE−66を製造した。
<薄膜トランジスタE−66の評価>
薄膜トランジスタE−1を薄膜トランジスタE−66にした以外は実施例1と同様にして、薄膜トランジスタE−66を評価した。
評価結果は、表1に記載する。
【0271】
(実施例67)
<薄膜トランジスタE−67の製造>
インクE−1をインクE−62にした以外は実施例41と同様にして、薄膜トランジスタE−67を製造した。
<薄膜トランジスタE−67の評価>
薄膜トランジスタE−1を薄膜トランジスタE−67にした以外は実施例1と同様にして、薄膜トランジスタE−67を評価した。
評価結果は、表1に記載する。
【0272】
(実施例68)
<薄膜トランジスタE−68の製造>
インクE−1をインクE−63にした以外は実施例41と同様にして、薄膜トランジスタE−68を製造した。
<薄膜トランジスタE−68の評価>
薄膜トランジスタE−1を薄膜トランジスタE−68にした以外は実施例1と同様にして、薄膜トランジスタE−68を評価した。
評価結果は、表1に記載する。
【0273】
(実施例69)
<薄膜トランジスタE−69の製造>
インクE−1をインクE−60にした以外は実施例1と同様にして、薄膜トランジスタE−69を製造した。
<薄膜トランジスタE−69の評価>
薄膜トランジスタE−1を薄膜トランジスタE−69にした以外は実施例1と同様にして、薄膜トランジスタE−69を評価した。
評価結果は、表1に記載する。
【0274】
(実施例70)
<薄膜トランジスタE−69の製造>
インクE−1をインクE−62にした以外は実施例1と同様にして、薄膜トランジスタE−70を製造した。
<薄膜トランジスタE−70の評価>
薄膜トランジスタE−1を薄膜トランジスタE−70にした以外は実施例1と同様にして、薄膜トランジスタE−70を評価した。
評価結果は、表1に記載する。
【0275】
(比較例1)
<インクC−1の製造>
インク溶媒をブトキシベンゼンからp−キシレン(沸点139℃、表面張力27.8mN/m)に変更した以外は実施例1と同様にして、インクC−1を製造した。
<薄膜トランジスタC−1の製造>
インクE−1をインクC−1にした以外は実施例1と同様にして、薄膜トランジスタC−1を製造した。
<薄膜トランジスタC−1の評価>
薄膜トランジスタE−1を薄膜トランジスタC−1にした以外は実施例1と同様にして、薄膜トランジスタC−1を評価した。
評価結果は、表1に記載する。
【0276】
(比較例2)
<インクC−2の製造>
インク溶媒をブトキシベンゼンからメシチレン(沸点165℃、表面張力28.2mN/m)に変更した以外は実施例2と同様にして、インクC−2を製造した。
<薄膜トランジスタC−2の製造>
インクE−1をインクC−2にした以外は実施例1と同様にして、薄膜トランジスタC−2を製造した。
<薄膜トランジスタC−2の評価>
薄膜トランジスタE−1を薄膜トランジスタC−2にした以外は実施例1と同様にして、薄膜トランジスタC−2を評価した。
評価結果は、表1に記載する。
【0277】
(比較例3)
<インクC−3の製造>
インク溶媒をブトキシベンゼンから3−フェノキシトルエン(沸点272℃、表面張力38.1mN/m)に変更した以外は実施例3と同様にして、インクC−3を製造した。
<薄膜トランジスタC−3の製造>
インクE−1をインクC−3にした以外は実施例1と同様にして、薄膜トランジスタC−3を製造した。
<薄膜トランジスタC−3の評価>
薄膜トランジスタE−1を薄膜トランジスタC−3にした以外は実施例1と同様にして、薄膜トランジスタC−3を評価した。
評価結果は、表1に記載する。
【0278】
(比較例4)
<インクC−4の製造>
インク溶媒をブトキシベンゼンから1−メチルナフタレン(沸点242℃、表面張力39.7mN/m)に変更した以外は実施例4と同様にして、インクC−4を製造した。
<薄膜トランジスタC−4の製造>
インクE−1をインクC−4にした以外は実施例1と同様にして、薄膜トランジスタC−4を製造した。
<薄膜トランジスタC−4の評価>
薄膜トランジスタE−1を薄膜トランジスタC−4にした以外は実施例1と同様にして、薄膜トランジスタC−4を評価した。
評価結果は、表1に記載する。
【0279】
(比較例5)
<インクC−5の製造>
化合物E−1を化合物C−5に変更した以外は実施例1と同様にして、インクC−5を製造した。
【0280】
【化55】
【0281】
<薄膜トランジスタC−5の製造>
インクE−1をインクC−5にした以外は実施例1と同様にして、薄膜トランジスタC−5を製造した。
<薄膜トランジスタC−5の評価>
薄膜トランジスタE−1を薄膜トランジスタC−5にした以外は実施例1と同様にして、薄膜トランジスタC−5を評価した。
評価結果は、表1に記載する。
【0282】
(比較例6)
<インクC−6の製造>
化合物E−1を化合物C−6に変更した以外は実施例1と同様にして、インクC−6を製造した。
【0283】
【化56】
【0284】
<薄膜トランジスタC−6の製造>
インクE−1をインクC−6にした以外は実施例1と同様にして、薄膜トランジスタC−6を製造した。
<薄膜トランジスタC−6の評価>
薄膜トランジスタE−1を薄膜トランジスタC−6にした以外は実施例1と同様にして、薄膜トランジスタC−6を評価した。
評価結果は、表1に記載する。
【0285】
(比較例7)
<薄膜トランジスタC−7の製造>
インクE−1をインクC−2にした以外は実施例41と同様にして、薄膜トランジスタC−7を製造した。
<薄膜トランジスタC−7の評価>
薄膜トランジスタE−1を薄膜トランジスタC−7にした以外は実施例1と同様にして、薄膜トランジスタC−7を評価した。
評価結果は、表1に記載する。
【0286】
(比較例8)
<薄膜トランジスタC−8の製造>
インクE−1をインクC−4にした以外は実施例41と同様にして、薄膜トランジスタC−8を製造した。
<薄膜トランジスタC−8の評価>
薄膜トランジスタE−1を薄膜トランジスタC−8にした以外は実施例1と同様にして、薄膜トランジスタC−8を評価した。
評価結果は、表1に記載する。
【0287】
(比較例9)
<薄膜トランジスタC−9の製造>
インクE−1をインクC−2にした以外は実施例28と同様にして、薄膜トランジスタ C−9を製造した。
<薄膜トランジスタC−9の評価>
薄膜トランジスタE−1を薄膜トランジスタC−9にした以外は実施例1と同様にして、薄膜トランジスタC−9を評価した。
評価結果は、表1に記載する。
【0288】
(比較例10)
<薄膜トランジスタC−10の製造>
インクE−1をインクC−4にした以外は実施例1と同様にして、薄膜トランジスタC−10を製造した。
<薄膜トランジスタC−10の評価>
薄膜トランジスタE−1を薄膜トランジスタC−10にした以外は実施例1と同様にして、薄膜トランジスタC−10を評価した。
評価結果は、表1に記載する。
【0289】
(比較例11)
<薄膜トランジスタC−11の製造>
インクE−1をインクC−5にした以外は実施例41と同様にして、薄膜トランジスタC−11を製造した。
<薄膜トランジスタC−11の評価>
薄膜トランジスタE−1を薄膜トランジスタC−11にした以外は実施例1と同様にして、薄膜トランジスタC−11を評価した。
評価結果は、表1に記載する。
【0290】
(比較例12)
<薄膜トランジスタC−12の製造>
インクE−1をインクC−6にした以外は実施例41と同様にして、薄膜トランジスタC−12を製造した。
<薄膜トランジスタC−12の評価>
薄膜トランジスタE−1を薄膜トランジスタC−12にした以外は実施例1と同様にして、薄膜トランジスタC−12を評価した。
評価結果は、表1に記載する。
【0291】
【表1】
【0292】
表に示すように、本発明の有機半導体薄膜形成用インクジェットインクを用いてなる薄膜トランジスタは優れた電界効果移動度を示し、さらに電界効果移動度のばらつきが小さい。一方、本発明の有機半導体薄膜形成用インクジェットインクを使用していない、比較例1〜比較例10に記載の薄膜トランジスタC−1〜薄膜トランジスタC−10は、実施例に記載の薄膜トランジスタE−1〜薄膜トランジスタE−69と比べて前記特性が劣る。
また、本発明のインクを用いてなる薄膜トランジスタは、下地層となるゲート絶縁層およびソースならびにドレイン電極を印刷法で形成した場合においても優れた電界効果移動度を示し、さらに電界効果移動度のばらつきが小さいことを特徴とする。一般的に、下地が粗いと上記特性が大きく低下することが知られている。以下に、これを明示する一例である検証1および検証2の結果を示す。
【0293】
(検証1)
実施例1に記載の方法に従ってゲート電極、絶縁膜層、ソース電極およびドレイン電極を形成し、さらに有機半導体層としてジナフトチエノチオフェンを真空蒸着法により成膜することによって製造した薄膜トランジスタS−1と、実施例28に記載の方法に従ってゲート電極、絶縁膜層、ソース電極およびドレイン電極を形成し、さらに有機半導体層として,ジナフトチエノチオフェンを真空蒸着法により成膜することによって製造した薄膜トランジスタS−2と、実施例41に記載の方法に従ってゲート電極、絶縁膜層、ソース電極およびドレイン電極を形成し、さらに有機半導体層として、ジナフトチエノチオフェンを真空蒸着法により成膜することによって製造した薄膜トランジスタS−3を各10個ずつ製造した。電界効果移動度の平均値およびそのばらつきは、薄膜トランジスタS−1:電界効果移動度μ=0.1、ばらつきCV=32%/薄膜トランジスタS−2:電界効果移動度μ=0.02、ばらつきCV=66%/薄膜トランジスタS−3:電界効果移動度μ=0.004、ばらつきCV=73%であった。
【0294】
(検証2)
実施例1に記載の方法に従ってゲート電極、絶縁膜層、ソース電極およびドレイン電極を形成し、さらに有機半導体層として6,13−ビス(トリイソプロピルシリルエチニル)ペンタセンをスピンコート法により成膜することによって製造した薄膜トランジスタS−4と、実施例28に記載の方法に従ってゲート電極、絶縁膜層、ソース電極およびドレイン電極を形成し、さらに有機半導体層として,6,13−ビス(トリイソプロピルシリルエチニル)ペンタセンをスピンコート法により成膜することによって製造した薄膜トランジスタS−5と、実施例41に記載の方法に従ってゲート電極、絶縁膜層、ソース電極およびドレイン電極を形成し、さらに有機半導体層として,6,13−ビス(トリイソプロピルシリルエチニル)ペンタセンをスピンコート法により成膜することによって製造した薄膜トランジスタS−6を各10個ずつ製造した。電界効果移動度の平均値およびそのばらつきは、薄膜トランジスタS−4:電界効果移動度μ=0.1、ばらつきCV=43%/薄膜トランジスタS−5:電界効果移動度μ=0.05、ばらつきCV=76%/薄膜トランジスタS−6:電界効果移動度μ<0.01、ばらつきCV=117%であった。
【0295】
しかし、本発明のインクを用いた場合、
(ケース1)ゲート絶縁層をスピンコート法で形成し、ソースおよびドレイン電極を真空蒸着法で形成した薄膜トランジスタ
(ケース2)ゲート絶縁層を印刷法で形成し、ソースおよびドレイン電極を真空蒸着法で形成した薄膜トランジスタ
(ケース3)ゲート絶縁層およびソースならびにドレイン電極を印刷法で形成した薄膜トランジスタ
の三種の薄膜トランジスタを比較した場合、(ケース2)ソースおよびドレイン電極を真空蒸着法で形成し、ゲート絶縁層をスピンコート法で形成した薄膜トランジスタ、および(ケース3)ゲート絶縁層およびソースならびにドレイン電極を印刷法で形成した薄膜トランジスタの特性は、(ケース1)ゲート絶縁層をスピンコート法で形成し、ソースおよびドレイン電極を真空蒸着法で形成した薄膜トランジスタの特性と比べて僅かに劣るものの、ほぼ同等の特性を示す。(具体的には、実施例2と実施例29と実施例42、実施例4と実施例31と実施例44、実施例69と実施例60と実施例65、および実施例70と実施例62と実施例67。)
【0296】
この結果から、本発明のインクは、下地層となるゲート絶縁層およびソースならびにドレイン電極を印刷法で形成した場合においても優れた電界効果移動度を示し、さらに電界効果移動度のばらつきが小さい薄膜トランジスタを製造することができることが示された。この結果は、本発明のインクに特徴的な効果であるといえる。