【実施例】
【0065】
以下、本発明を実施例によりさらに詳細に説明するが、本発明はその要旨を超えない限り、以下の実施例に限定されるものではない。なお、種々の諸物性、特性は以下のように測定、または定義されたものである。
【0066】
(1)ポリエステルの固有粘度(dl/g)の測定
ポリエステルに非相溶な他のポリマー成分および顔料を除去したポリエステル1gを精秤し、フェノール/テトラクロロエタン=50/50(重量比)の混合溶媒100mlを加えて溶解させ、30℃で測定した。
【0067】
(2)平均粒径(d50)
遠心沈降式粒度分布測定装置(島津製作所社製、SA−CP3型)を用いて測定した等価球形分布における積算体積分率50%の粒径を平均粒径d50とした。
【0068】
(3)積層ポリエステル層の厚み
フィルム小片をエポキシ樹脂にて固定成形した後、ミクロトームで切断し、フィルムの断面を透過型電子顕微鏡写真にて観察した。その断面のうちフィルム表面とほぼ平行に2本、明暗によって界面が観察される。その2本の界面とフィルム表面までの距離を10枚の写真から測定し、その平均値をもって積層厚みとした。
【0069】
(4)ガラス転移点Tgの測定
示差走査熱量計(パーキンエルマー社製、DSC7タイプ)を用い、窒素雰囲気下で、耐熱原料を使用したB層の原料と同じ原料比率のサンプル5mgを昇温速度10℃/分で常温から昇温し、二次転移形に伴う比熱の変化点をガラス転移点Tgとした。
【0070】
(5)ReおよびRthの測定
王子計測機器(株)製 位相差測定装置(KOBRA−21ADH)を用いた。サンプルをフィルム横方向(TD)中央部から3.5cm×3.5cmで切り出し、横方向(TD)が本測定装置にて定義されている角度0°となるように装置に設置し、入射角0°設定における波長590nmの面内リターデーション(Re)を測定した。
厚み方向リターデーション(Rth)は、屈折率モードにて入射角50°における波長590nmのリターデーションを測定した。
【0071】
(6)収縮率の測定
試料フィルムを無張力状態で所定の温度(100℃)に保った熱風式オーブン中、3分間熱処理し、その前後の試料の長さを測定して次式にて算出した。なお、フィルムの流れ方向(縦方向、MD)と幅方向(横方向、TD)のそれぞれについて測定した。
収縮率(%)={(熱処理前のサンプル長)−(熱処理後のサンプル長)}÷(熱処理前のサンプル長)×100
【0072】
(7)フィルムヘーズの測定
試料フィルムをJIS K−7136に準じて、日本電色工業株式会社製ヘーズメーターNDH−20Dを用いて、フィルムヘーズを測定した。
【0073】
(8)接着性評価(アンチグレア層)
試料フィルムのアンチグレア層表面を用いて、100個の升目状の切り傷を、隙間間隔1mmのカッターガイドを用いて付けた。次いで、18mm幅のテープ(ニチバン株式会社製セロテープ(登録商標)CT−18)を升目上の切り傷面に貼り付け、2.0kgのローラーを20往復して完全に付着させた後、180度の剥離角度で急激に剥がした後の剥離面を観察し、下記判定基準により判定を行った。
(判定基準)
◎:剥離面積が5%未満
○:剥離面積が5%以上20%未満
△:剥離面積が20%以上50%未満
×:剥離面積が50%以上
【0074】
(9)アンチグレア層表面の耐擦傷性評価(実用特性代用評価)
太平理化工業社専用治具(5cm×7cm,500g)にシート状コットン(旭化成社製ベンコット)を巻き付け、アンチグレア層表面を30往復(15cm長の範囲)した。その後、擦った箇所を三波長蛍光灯下、目視観察し、下記判定基準により、判定を行った。
(判定基準)
○:キズ発生頻度が3本以下。(実用上、問題ないレベル)
×:キズ発生頻度が3本を超える。(実用上、問題があるレベル)
【0075】
(10)防眩性(アンチグレア)評価
画像を表示させた液晶ディスプレイ画面上にアンチグレア層を設ける側のフィルム面が上面側になるように試料フィルムを配置し、外部光の映り込みによる、画像の見え方に関して、下記判定基準により、判定を行った。
(判定基準)
○:外部光の映り込みがなく、画像の見え方が良好。
×:外部光の映り込みがあり、画像の見え方が不鮮明。
【0076】
(11)視認性評価(実用特性代用評価)
<偏光板Aの製造>
ポリビニルアルコールフィルム(クラレ製)を30℃の純水で膨潤後、0.032重量部のヨウ素と水100重量部にたいして0.2重量部のヨウ化カリウムとを含む水溶液で染色しながら、延伸倍率(最終)が6倍になるように延伸した。この延伸フィルムを40℃で、1分間乾燥した後、厚み10μmの偏光子を得た。
次に、得られた偏光子の両面にポリビニルアルコール系水溶性接着剤(日本合成化学製ゴーセファイマーZ200)を厚み(乾燥後)が5μmになるように設けた。その後、両面に設けた接着剤層の上に、本発明で得られた実施例、比較例の各ポリエステルフィルムを貼りあわせ、偏光板Aを得た。
<偏光板Bの製造>
ポリビニルアルコールフィルム(クラレ製)を30℃の純水で膨潤後、0.032重量部のヨウ素と水100重量部にたいして0.2重量部のヨウ化カリウムとを含む水溶液で染色しながら、延伸倍率(最終)が6倍になるように延伸した。この延伸フィルムを40℃で、1分間乾燥した後、厚み10μmの偏光子を得た。
次に、得られた偏光子の両面にポリビニルアルコール系水溶性接着剤(日本合成化学製ゴーセファイマーZ200)を厚み(乾燥後)が5μmになるように設けた。その後、両面に設けた接着剤層の上に、富士写真フィルム社製フジタックシリーズ(TACフィルム:厚み40μm)を貼りあわせ、厚み100μmの偏光板Bを得た。
<評価方法>
偏光板A,偏光板Bを100mm角サイズに断裁した後、両者をクロスニコル状態に配置して重ね合わせ、LED光源(トライテック製A3−101)上においた場合の視認性を目視評価し、下記判定基準により、判定を行った。
(判定基準)
◎:虹ムラ、或いは干渉色の発生が無い。
○:虹ムラ、或いは干渉色の発生がほとんど無い。(実用上、問題ないレベル)
△:虹ムラ、或いは干渉色の発生がわずかに有る。(実用上、問題になる場合があるレベル)
×:虹ムラ、或いは干渉色の発生が明瞭に有る。 (実用上、問題があるレベル)
【0077】
(12)フィルム連続生産性評価
試料フィルムを12時間、連続生産した際にフィルムが破断する状況を以下に示す判定基準を用いて、判定を行った。
(判定基準)
○:殆どフィルム破断を起こさず、連続生産性が良好。(実用上、問題ないレベル)
△:時々、フィルム破断を生じ、連続生産性がやや劣る。(実用上、問題になる場合があるレベル)
×:頻繁にフィルム破断を生じ、明らかに連続生産性が劣る。(実用上、問題になるレベル)
【0078】
(13)平面性評価
(11)項で得られた、試料フィルムを貼り合わせた偏光板について、100℃、5分間熱処理した後、水平なガラス板上に置き、ガラス板面から垂直方向での4隅の浮き上がり量を測定し、当該4隅のうち最大の高さをカール高さとして下記判定基準におり、判定を行った。
(判定基準)
○:カール高さが5mm未満。
△:カール高さが5mm以上10mm未満。
×:カール高さが10mm以上。
【0079】
(14)総合評価
実施例および比較例において製造した、各試料フィルムを用いて、接着性、耐擦傷性、視認性、防眩性、フィルム連続生産性、平面性の各項目につき、評価を行った。
(判定基準)
○:接着性、耐擦傷性、視認性、防眩性、フィルム連続生産性、平面性のすべてが○もしくは◎。
△:接着性、耐擦傷性、視認性、防眩性、フィルム連続生産性、平面性のうち、少なくとも一つが△。
×:接着性、耐擦傷性、視認性、防眩性、フィルム連続生産性、平面性のうち、少なくとも一つが×。
【0080】
(ポリエステル樹脂(A))
ジメチルテレフタレート100モル%、エチレングリコール100モル%、および酢酸カルシウム一水塩0.07重量部を反応器にとり、加熱昇温すると共にメタノール留去させエステル交換反応を行い、反応開始後、約4時間半を要して230℃に昇温し、実質的にエステル交換反応を終了した。次に燐酸0.04重量部および三酸化アンチモン0.035重量部を添加し、常法に従って重合した。すなわち、反応温度を徐々に上げて、最終的に280℃とし、一方、圧力は徐々に減じて、最終的に0.05mmHgとした。4時間後、反応を終了し、常法に従い、チップ化してポリエステル樹脂(A)を得た(固有粘度0.66dl/g)。
【0081】
(共重合ポリエステル樹脂(B))
ジカルボン酸成分としてテレフタル酸成分が100モル%、ジオール成分としてイソソルバイド成分が30モル%、1,4−シクロヘキサンジメタノール成分が50モル%、エチレングリコール成分が20モル%で構成される共重合ポリエステル樹脂(B)を用いた。(固有粘度0.68dl/g)
【0082】
(共重合ポリエステル樹脂(C))
ジカルボン酸成分としてテレフタル酸成分が100モル%、ジオール成分としてエチレングリコール成分が75モル%、1,4−シクロヘキサンジメタノール成分が25モル%で構成される共重合ポリエステル樹脂(C)を用いた。(固有粘度0.70dl/g)
【0083】
(ポリエステル樹脂(D))
ジカルボン酸成分としてテレフタル酸成分が100モル%、ジオール成分として1,4−シクロヘキサンジメタノール成分が100モル%で構成されるポリエステル樹脂(D)を用いた。(固有粘度0.75dl/g)
【0084】
(共重合ポリエステル樹脂(E))
ジカルボン酸成分としてテレフタル酸成分が100モル%、ジオール成分としてエチレングリコール成分が65モル%、1,3−プロパンジオール成分が35モル%で構成される共重合ポリエステル樹脂(E)を用いた。(固有粘度0.75dl/g)
【0085】
(ポリエステル樹脂(F))
ジカルボン酸成分として2,6−ナフタレンジカルボン酸成分が100モル%、ジオール成分としてエチレングリコール成分が100モル%で構成されるポリエステル樹脂(F)を用いた。(固有粘度0.72dl/g)
【0086】
(ポリエステル樹脂(G))
ジカルボン酸成分としてテレフタル酸成分が75モル%、イソフタル酸成分が25モル%、ジオール成分としてエチレングリコール成分が100モル%で構成されるポリエステル樹脂(G)を用いた。(固有粘度0.70dl/g)
【0087】
(共重合ポリエステル樹脂(H))
上記共重合ポリエステル樹脂(B)に平均粒径2μmの非晶質シリカを3000ppm添加した共重合ポリエステル樹脂(H)を用いた。
【0088】
(ポリエステルフィルムの製造)
実施例1:
上記ポリエステル(B)を溶融押出機により溶融押出して単層構成の無定形シートを得た。ついで、冷却したキャスティングドラム上に、シートを押出し冷却固化させて無配向シートを得た。次いで、下記塗布層構成からなる塗布液を塗布厚み(乾燥後)が0.05g/m
2になるように塗布した後、テンターに導き、150℃にて横方向に4.0倍延伸した後、180℃で10秒間の熱処理を行い、厚み25μmの一軸延伸ポリエステルフィルムを得た。
【0089】
塗布層を構成する化合物例は以下のとおりである。
(化合物例)
・ポリビニルアルコール(I):ケン化度88mol%、重合度500のポリビニルアルコール
・イソシアネート系化合物(II):ビスフェノールAのエチレンオキサイド2モル付加物とマレイン酸とのポリエステル(分子量2000)200重量部に、ヘキサメチレンジイソシアネート33.6重量部を添加し、100℃で2時間反応を行った。次いで系の温度を一旦50℃まで下げ、30%重亜硫酸ナトリウム水溶液73重量部を添加し、45℃で60分間攪拌を行った後、水718重量部で希釈したブロックイソシアネート系化合物。
・ポリエステル樹脂(III):
下記組成で共重合したポリエステル樹脂のカルボン酸系水分散体
モノマー組成:(酸成分)イソフタル酸/トリメリット酸//(ジオール成分)ジエチレングリコール/ネオペンチルグリコール=96/4//80/20(mol%)
・粒子(IV):平均粒径65nmのシリカゾル
上記化合物を用いて、I/II/III/IV=35/30/30/5(重量%)の比率で配合して、塗布液を作製した。
【0090】
<積層ポリエステルフィルムの製造>
ポリエステルフィルムの塗布層上に下記アンチグレア層組成から構成されるアンチグレア層を塗布厚み(乾燥後)が3μmになるように塗布、乾燥して、アンチグレア層付き積層ポリエステルフィルムを得た。
【0091】
<アンチグレア層形成用組成物>
塗布層表面上に下記塗布液組成からなる塗布液を、硬化後の厚みが3μmになるように塗布し、80℃に設定した熱風乾燥式オーブンにて1分間乾燥させた。次いで、120W/cmのエネルギーの高圧水銀灯を使用し、照射距離50mmにて、300mJ/cm
2で硬化を行って、アンチグレア層付き積層ポリエステルフィルムを得た。
【0092】
《塗布液組成》
アンチグレア塗布液(日本ペイント株式会社製、ルシフラール(登録商標)NAG−1000、固形分濃度50重量%)100質量部とメチルエチルケトン70質量部に調整したものを使用した。
【0093】
実施例2:
延伸温度を表1の通りに変更する以外は実施例1と同様にして、ポリエステルフィルムを得た。
【0094】
実施例3:
延伸温度、厚みを表1の通りに変更する以外は実施例1と同様にして、ポリエステルフィルムを得た。
【0095】
実施例4:
上記ポリエステル(B)を溶融押出機により溶融押出して単層構成の無定形シートを得た。ついで、冷却したキャスティングドラム上に、シートを押出し冷却固化させて無配向シートを得た。次いで、このフィルムを85℃で縦方向に2.0倍延伸し、下記塗布層構成からなる塗布液を塗布厚み(乾燥後)が0.05g/m
2になるように塗布した後、テンターに導き、150℃にて横方向に2.0倍延伸した後、180℃で10秒間の熱処理を行い、厚み25μmの二軸延伸ポリエステルフィルムを得た。
【0096】
実施例5〜8:
厚みを表1の通りに変更する以外は実施例1と同様にして、ポリエステルフィルムを得た。
【0097】
実施例9:
上記ポリエステル(B)、(H)をそれぞれ90重量%、10重量%の割合で混合した混合原料を表層であるA層用の原料とし、ポリエステル(B)を内層であるB層の原料とし、A層およびB層用原料を溶融押出機により溶融押出して(A/B/A)の2種3層積層の無定形シートを得た。ついで、冷却したキャスティングドラム上に、シートを共押出し冷却固化させて無配向シートを得た。次いで、実施例1と同様に、塗布液を塗布した後、テンターに導き、150℃にて横方向に4.0倍延伸した後、180℃で10秒間の熱処理を行い、厚み25μm(A層:5μm、B層:20μm)の一軸延伸ポリエステルフィルムを得た。
【0098】
実施例10:
上記ポリエステル(A)、(B)をそれぞれ20重量%、80重量%の割合で混合した原料を溶融押出機により溶融押出して単層構成の無定形シートを得た。ついで、冷却したキャスティングドラム上に、シートを押出し冷却固化させて無配向シートを得た。次いで、実施例1と同様に、塗布液を塗布した後、テンターに導き、150℃にて横方向に4.0倍延伸した後、180℃で10秒間の熱処理を行い、厚み25μmの一軸延伸ポリエステルフィルムを得た。
【0099】
実施例11,12:
延伸温度を表2の通りに変更する以外は実施例10と同様にして、ポリエステルフィルムを得た。
【0100】
実施例13:
上記ポリエステル(A)、(B)をそれぞれ20重量%、80重量%の割合で混合した原料を溶融押出機により溶融押出して単層構成の無定形シートを得た。ついで、冷却したキャスティングドラム上に、シートを押出し冷却固化させて無配向シートを得た。次いで、このフィルムを85℃で縦方向に2.0倍延伸し、実施例1と同様に、塗布液を塗布した後、テンターに導き、150℃にて横方向に4.0倍延伸した後、180℃で10秒間の熱処理を行い、厚み25μmの二軸延伸ポリエステルフィルムを得た。
【0101】
実施例14〜17:
厚みを表2の通りに変更する以外は実施例11と同様にして、ポリエステルフィルムを得た。
【0102】
実施例18:
上記ポリエステル(A)、(B)、(H)をそれぞれ20重量%、70重量%、10重量%の割合で混合した混合原料を表層であるA層用の原料とし、ポリエステル(A)、(B)をそれぞれ20重量%、80重量%の割合で混合した混合原料を内層であるB層の原料とし、A層およびB層用原料を溶融押出機により溶融押出して(A/B/A)の2種3層積層の無定形シートを得た。ついで、冷却したキャスティングドラム上に、シートを共押出し冷却固化させて無配向シートを得た。次いで、実施例1と同様に、塗布液を塗布した後、テンターに導き、150℃にて横方向に4.0倍延伸した後、180℃で10秒間の熱処理を行い、厚み25μm(A層:5μm、B層:20μm)の一軸延伸ポリエステルフィルムを得た。
【0103】
実施例19:
上記ポリエステル(B)、(C)をそれぞれ80重量%、20重量%の割合で混合した原料を溶融押出機により溶融押出して単層構成の無定形シートを得た。ついで、冷却したキャスティングドラム上に、シートを押出し冷却固化させて無配向シートを得た。次いで、実施例1と同様に、塗布液を塗布した後、テンターに導き、150℃にて横方向に4.0倍延伸した後、180℃で10秒間の熱処理を行い、厚み25μmの一軸延伸ポリエステルフィルムを得た。
【0104】
実施例20,21:
延伸温度を表3に変更する以外は実施例19と同様にして、ポリエステルフィルムを得た。
【0105】
実施例22:
上記ポリエステル(B)、(C)をそれぞれ80重量%、20重量%の割合で混合した原料を溶融押出機により溶融押出して単層構成の無定形シートを得た。ついで、冷却したキャスティングドラム上に、シートを押出し冷却固化させて無配向シートを得た。次いで、このフィルムを85℃で縦方向に2.0倍延伸し、実施例1と同様に、塗布液を塗布した後、テンターに導き、150℃にて横方向に4.0倍延伸した後、180℃で10秒間の熱処理を行い、厚み25μmの二軸延伸ポリエステルフィルムを得た。
【0106】
実施例23:
上記ポリエステル(B)、(C)、(H)をそれぞれ70重量%、20重量%、10重量%の割合で混合した混合原料を表層であるA層用の原料とし、ポリエステル(B)、(C)をそれぞれ80重量%、20重量%の割合で混合した混合原料を内層であるB層の原料とし、A層およびB層用原料を溶融押出機により溶融押出して(A/B/A)の2種3層積層の無定形シートを得た。ついで、冷却したキャスティングドラム上に、シートを共押出し冷却固化させて無配向シートを得た。次いで、実施例1と同様に、塗布液を塗布した後、テンターに導き、150℃にて横方向に4.0倍延伸した後、180℃で10秒間の熱処理を行い、厚み25μm(A層:5μm、B層:20μm)の一軸延伸ポリエステルフィルムを得た。
【0107】
実施例24:
上記ポリエステル(B)、(D)をそれぞれ80重量%、20重量%の割合で混合した原料を溶融押出機により溶融押出して単層構成の無定形シートを得た。ついで、冷却したキャスティングドラム上に、シートを押出し冷却固化させて無配向シートを得た。次いで、実施例1と同様に、塗布液を塗布した後、テンターに導き、140℃にて横方向に4.0倍延伸した後、180℃で10秒間の熱処理を行い、厚み25μmの一軸延伸ポリエステルフィルムを得た。
【0108】
実施例25:
上記ポリエステル(B)、(E)をそれぞれ80重量%、20重量%の割合で混合した原料を溶融押出機により溶融押出して単層構成の無定形シートを得た。ついで、冷却したキャスティングドラム上に、シートを押出し冷却固化させて無配向シートを得た。次いで、実施例1と同様に、塗布液を塗布した後、テンターに導き、140℃にて横方向に4.0倍延伸した後、180℃で10秒間の熱処理を行い、厚み25μmの一軸延伸ポリエステルフィルムを得た。
【0109】
実施例26:
上記ポリエステル(B)、(F)をそれぞれ80重量%、20重量%の割合で混合した原料を溶融押出機により溶融押出して単層構成の無定形シートを得た。ついで、冷却したキャスティングドラム上に、シートを押出し冷却固化させて無配向シートを得た。次いで、実施例1と同様に、塗布液を塗布した後、テンターに導き、140℃にて横方向に4.0倍延伸した後、180℃で10秒間の熱処理を行い、厚み25μmの一軸延伸ポリエステルフィルムを得た。
【0110】
実施例27:
上記ポリエステル(B)、(G)をそれぞれ80重量%、20重量%の割合で混合した原料を溶融押出機により溶融押出して単層構成の無定形シートを得た。ついで、冷却したキャスティングドラム上に、シートを押出し冷却固化させて無配向シートを得た。次いで、実施例1と同様に、塗布液を塗布した後、テンターに導き、140℃にて横方向に4.0倍延伸した後、180℃で10秒間の熱処理を行い、厚み25μmの一軸延伸ポリエステルフィルムを得た。
【0111】
比較例1:
実施例1において、延伸温度、フィルム厚みを変更する以外は実施例1と同様にして、ポリエステルフィルムを得た。得られたフィルムはReが大きく、偏光子保護用に用いた場合には視認性に劣るものであった。
【0112】
比較例2:
上記ポリエステル(A)、(B)をそれぞれ35重量%、65重量%の割合で混合した原料を溶融押出機により溶融押出して単層構成の無定形シートを得た。ついで、冷却したキャスティングドラム上に、シートを押出し冷却固化させて無配向シートを得た。次いで、実施例1と同様に、塗布液を塗布した後、テンターに導き、140℃にて横方向に4.0倍延伸した後、180℃で10秒間の熱処理を行い、厚み25μmの一軸延伸ポリエステルフィルムを得た。得られたフィルムは収縮率が大きく、偏光子保護用に用いた場合には平面性に劣るものであった。
【0113】
比較例3:
上記ポリエステル(B)、(C)をそれぞれ65重量%、35重量%の割合で混合した原料を溶融押出機により溶融押出して単層構成の無定形シートを得た。ついで、冷却したキャスティングドラム上に、シートを押出し冷却固化させて無配向シートを得た。次いで、実施例1と同様に、塗布液を塗布した後、テンターに導き、140℃にて横方向に4.0倍延伸した後、180℃で10秒間の熱処理を行い、厚み25μmの一軸延伸ポリエステルフィルムを得た。得られたフィルムは収縮率が大きく、偏光子保護用に用いた場合には平面性に劣るものであった。
【0114】
比較例4:
上記ポリエステル(A)を溶融押出機により溶融押出して単層構成の無定形シートを得た。ついで、冷却したキャスティングドラム上に、シートを押出し冷却固化させて無配向シートを得た。次いで、実施例1と同様に、塗布液を塗布した後、テンターに導き、100℃にて横方向に4.0倍延伸した後、180℃で10秒間の熱処理を行い、厚み25μmの一軸延伸ポリエステルフィルムを得た。得られたフィルムはReが大きく、偏光子保護用に用いた場合には視認性に劣るものであった。
【0115】
比較例5:
上記ポリエステル(A)を溶融押出機により溶融押出して単層構成の無定形シートを得た。ついで、冷却したキャスティングドラム上に、シートを押出し冷却固化させて無配向シートを得た。次いで、このフィルムを85℃で縦方向に3.0倍延伸し、実施例1と同様に、塗布液を塗布した後、テンターに導き、100℃にて横方向に4.0倍延伸した後、180℃で10秒間の熱処理を行い、厚み25μmの二軸延伸ポリエステルフィルムを得た。得られたフィルムはReが大きく、偏光子保護用に用いた場合には視認性に劣るものであった。
【0116】
比較例6:
比較例5において、原料を上記ポリエステル(C)に変更する以外は、比較例5と同様にして、ポリエステルフィルムを得た。得られたフィルムは収縮率が大きく、偏光子保護用に用いた場合には平面性に劣るものであった。
【0117】
比較例7:
実施例9において、塗布層を設けないでフィルム表面にコロナ処理を施す以外は実施例9と同様にして、ポリエステルフィルムを得た。
【0118】
比較例8:
実施例19において、塗布層を設けないでフィルム表面にコロナ処理を施す以外は実施例19と同様にして、ポリエステルフィルムを得た。
【0119】
比較例9:
実施例1において、機能層を設けない以外は実施例1と同様にして、ポリエステルフィルムを得た。
【0120】
【表1】
【0121】
【表2】
【0122】
【表3】
【0123】
【表4】
【0124】
上記表1中、EGはエチレングリコール、ISはイソソルバイド、CHDMは1,4−シクロヘキサンジメタノール、PDOは1,3−プロパンジオール、NDCは2,6−ナフタレンジカルボン酸、TPAはテレフタル酸、IPAはイソフタル酸をそれぞれ意味する。