(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、図面を参照しながら、本開示の実施形態を詳細に説明する。以下の実施形態は、例示であり、本開示による発光モジュールは、以下の実施形態に限られない。例えば、以下の実施形態で示される数値、形状、材料、ステップ、そのステップの順序などは、あくまでも一例であり、技術的に矛盾が生じない限りにおいて種々の改変が可能である。以下に説明する各実施形態は、あくまでも例示であり、技術的に矛盾が生じない限りにおいて種々の組み合わせが可能である。
【0010】
図面が示す構成要素の寸法、形状等は、わかり易さのために誇張されている場合があり、実際の発光モジュールにおける寸法、形状および構成要素間の大小関係を反映していない場合がある。また、図面が過度に複雑になることを避けるために、一部の要素の図示を省略することがある。
【0011】
以下の説明において、実質的に同じ機能を有する構成要素は共通の参照符号で示し、説明を省略することがある。以下の説明では、特定の方向または位置を示す用語(例えば、「上」、「下」、「右」、「左」およびそれらの用語を含む別の用語)を用いる場合がある。しかしながら、それらの用語は、参照した図面における相対的な方向または位置をわかり易さのために用いているに過ぎない。参照した図面における「上」、「下」等の用語による相対的な方向または位置の関係が同一であれば、本開示以外の図面、実際の製品、製造装置等において、参照した図面と同一の配置でなくてもよい。本開示において「平行」とは、特に他の言及がない限り、2つの直線、辺、面等が0°から±5°程度の範囲にある場合を含む。また、本開示において「垂直」または「直交」とは、特に他の言及がない限り、2つの直線、辺、面等が90°から±5°程度の範囲にある場合を含む。
【0012】
(面発光光源の実施形態)
図1は、本開示のある実施形態による面発光光源の例示的な構成を示す。
図1に示す面発光光源200は、上面210aを有する導光板210と、導光板210の下方に位置する層状の光反射部材240とを含む。なお、
図1には、説明の便宜のために、互いに直交するX方向、Y方向およびZ方向を示す矢印があわせて図示されている。本開示の他の図面においてもこれらの方向を示す矢印を図示することがある。
【0013】
面発光光源200は、全体として板状であり、面発光光源200の発光面を構成する、導光板210の上面210aは、典型的には、矩形状を有する。ここでは、上述のX方向およびY方向は、導光板210の矩形状の互いに直交する辺の一方および他方にそれぞれ一致している。上面210aの矩形状の一辺の長さは、例えば1cm以上200cm以下の範囲である。本開示の典型的な実施形態では、導光板210の上面210aの矩形状の一辺は、20mm以上25mm以下の長さを有する。上面210aの矩形状の縦方向および横方向の長さは、例えば、それぞれおよそ24.3mmおよび21.5mmであり得る。
【0014】
図1に例示する構成において、面発光光源200は、各々が少なくとも1つの発光素子を含む複数の発光モジュール100の集合体である。
図1に模式的に示すように、面発光光源200は、この例では、二次元に配列された合計16個の発光モジュール100を含んでおり、ここでは、これら16個の発光モジュール100が4行4列に配置されている。面発光光源200に含まれる発光モジュール100の数およびそれら発光モジュール100の配置は、任意であり、
図1に示す構成に限定されない。
【0015】
図1に示すように、各発光モジュール100は、導光板210の上面210aに位置する開口をその一部に含む第1穴部10を有する。後述するように、面発光光源200は、導光板210の上面210a側に位置し、これらの第1穴部10を覆う拡散シート、プリズムシート等の光学シートを有し得る。導光板210の上面210a側に配置される拡散シートの数は、1枚であってもよいし、複数枚であってもよい。同様に、導光板210の上面210a側に配置されるプリズムシートの数は、1枚であってもよいし、複数枚であってもよい。
【0016】
後に詳しく説明するように、各発光モジュール100の発光素子は、第1穴部10の概ね直下の位置に配置される。この例では、発光モジュール100が4行4列に配置されていることに対応して、発光素子は、X方向およびY方向に沿って4行4列に配列される。発光素子の配置ピッチは、例えば0.05mm以上20mm以下程度とすることができ、1mm以上10mm以下程度の範囲であってもよい。ここで、発光素子の配置ピッチとは、発光素子の光軸間の距離を意味する。発光素子は、等間隔に配置されてもよいし、不等間隔で配置されてもよい。発光素子の配置ピッチは、互いに異なる二方向の間で同じであってもよいし、異なっていてもよい。
【0017】
図2は、発光モジュール100の一例である発光モジュール100Aを示す。
図2では、発光モジュール100Aを発光モジュール100Aの中央付近で導光板210の上面210aに垂直に切断したときの断面と、導光板210の上面210a側から上面210aに垂直に見たときの発光モジュール100Aの例示的な外観とをあわせて1つの図に模式的に示している。
【0018】
発光モジュール100Aは、第1穴部10Aが設けられた上面110aおよび上面110aとは反対側の下面110bを有する導光板110Aと、発光素子120と、第1穴部10Aの内部に位置する反射性樹脂層130とを含む。導光板110Aは、
図1に示す導光板210の一部であり、導光板110Aの第1穴部10Aは、
図1に表された複数の第1穴部10のうちの1つである。なお、導光板110Aは、面発光光源200において互いに隣接する2つの発光モジュール100Aの間で連続した単一の導光板の形で形成され得る。ただし、例えば各発光モジュール100Aが独立した導光板110Aを有することにより、面発光光源200において2つの発光モジュール100Aの導光板110Aの間に明確な境界が確認できることもあり得る。
【0019】
図2に例示する構成において、発光モジュール100Aは、導光板110Aの下面110b側に位置する光反射部材140をさらに有する。光反射部材140は、
図1に示す光反射部材240の一部である。この例では、光反射部材140は、層状の基部140nと、導光板110Aの下面110b側から上面110a側に向かって立ち上がる壁部140wとを含む。壁部140wは、発光素子120を取り囲む傾斜面140sを有する。
図2の下段に示す破線の矩形のうち最も外側にある矩形Bは、壁部140wの内縁の位置を示している。ここでは、壁部140wの内縁が矩形状である例を示しているが、壁部140wの内縁は、円形状、楕円形状等の他の形状であってもよい。導光板110Aと同様に、光反射部材140は、面発光光源200において互いに隣接する2つの発光モジュール100Aにまたがって連続的に形成され得る。
【0020】
導光板110Aの第1穴部10Aは、上面110aの中央付近に形成されており、ここでは、第1穴部10Aは、上面110aに対して傾斜する第1側面11cを有する第1部分11Aと、上面110aに対して傾斜する第2側面12cを有する第2部分12Aとを含む。図示するように、第2部分12Aの第2側面12cは、第1穴部10Aの形状を規定する1以上の側面のうち、導光板110Aの上面110aに位置する開口12aと、第1部分11Aの第1側面11cとの間に位置する部分である。上面110aに対する第1側面11cの傾斜の大きさと、上面110aに対する第2側面12cの傾斜の大きさとは、互いに異なる。この例では、第1穴部10Aの第1部分11Aは、概ね逆円錐体形状を有し、第2部分12Aは、逆円錐台形状を有する。
【0021】
発光モジュール100Aにおいて、発光素子120は、導光板110Aの上面110aに設けられた第1穴部10Aに対向して導光板110Aの下面110b側に配置される。
図2に示す例では、導光板110Aの下面110b側に第2穴部20が設けられており、発光素子120は、平面視においてこの第2穴部20の内側に位置する。発光素子120の光軸は、第1穴部10Aの中心に概ね一致させられる。
【0022】
上述したように、各発光モジュール100Aの反射性樹脂層130は、第1穴部10Aの内部に位置する。本実施形態では、反射性樹脂層130は、第1穴部10Aのうち発光素子120により近い第1部分11Aに位置している。この例では、反射性樹脂層130は、第1穴部10Aの内部において第1部分11Aの全体を占めるように形成されている。
【0023】
後述するように、反射性樹脂層130は、光反射性の材料から形成される。導光板110Aの、発光素子120に対向する位置に第1穴部10Aを設けることにより、第1穴部10Aの形状を規定する側面の位置で、発光素子120から出射させた光を反射させることが可能になる。特に、本開示の実施形態では、第1側面11cを有する第1部分11Aと第2側面12cを有する第2部分12Aとを含む第1穴部10Aを導光板110Aの上面110a側に設けているので、上面110aに対する傾斜が互いに異なる第1側面11cおよび第2側面12cを反射面として利用して、発光素子120からの光をより効率的に導光板110Aの面内に拡散させることが可能である。さらに、発光素子120に対向するように反射性樹脂層130が配置されているので、導光板110Aの上面110aにおいて発光素子120の直上の輝度が他の領域と比較して極端に高くなることを抑制できる。ここで、反射性樹脂層130を第1穴部10Aのうち第1部分11Aの内部に選択的に形成しているので、発光素子120の直上の輝度が必要以上に低下することを回避できる。その結果、発光モジュール100A全体の厚さを低減しながら、より均一性が向上された光を得ることが可能になる。
【0024】
以下、発光モジュール100Aの各構成要素をより詳細に説明する。
【0025】
[導光板110A]
導光板110Aは、発光素子120からの光を拡散させて上面110aから出射させる機能を有する。本実施形態において、複数の導光板110Aの上面110aの集合は、面発光光源200の発光面を構成する。
【0026】
導光板110Aは、アクリル、ポリカーボネート、環状ポリオレフィン、ポリエチレンテレフタレート、ポリエステル等の熱可塑性樹脂、エポキシ、シリコーン等の熱硬化性樹脂、または、ガラスから形成される概ね板状の部材であり、透光性を有する。これらの材料のうち、特に、ポリカーボネートは、安価でありながら、高い透明度を得ることが可能である。なお、本明細書における「透光性」および「透光」の用語は、入射した光に対して拡散性を示すことをも包含するように解釈され、「透明」であることに限定されない。導光板110Aは、例えば母材とは異なる屈折率を有する材料が分散させられることにより、光拡散機能を有していてもよい。
【0027】
導光板110Aの上面110aに設けられる第1穴部10Aは、発光素子120から出射されて導光板110Aの下面110b側から導入された光を反射させて導光板110Aの面内に拡散させる機能を有する。導光板110Aにこのような光拡散構造としての第1穴部10Aを設けることにより、上面110aのうち発光素子120の直上以外の領域における輝度を向上させることができる。すなわち、発光モジュール100Aの上面における輝度ムラを抑制することができ、光拡散構造としての第1穴部10Aは、導光板110Aの薄化に貢献する。導光板110Aの厚さ、すなわち、下面110bから上面110aまでの距離は、典型的には、0.1mm以上5mm以下程度である。本開示の実施形態によれば、導光板110Aの厚さを750μm程度の範囲とすることも可能である。
【0028】
図3は、
図2のうち発光素子120およびその周辺を拡大して示す。本実施形態において、第1穴部10Aは、第1側面11cを有する第1部分11Aと、第2側面12cを有する第2部分12Aとを含む。上述したように、第1部分11Aの内部には、反射性樹脂層130が位置する。
図2および
図3に示す例では、第1部分11Aの全体が反射性樹脂層130で充填されている。例えば第1部分11Aの全体を反射性樹脂層130で充填して第1側面11cの全体を反射性樹脂層130で覆うことにより、導光板110Aの内部に導入されて第1穴部10Aに向かう光を第1側面11cの位置で効果的に反射させることができる。
【0029】
図3に示すように、この例では、導光板110Aの上面110aに対する第1側面11cの傾斜は、第2側面12cの傾斜よりも緩やかである。このような第1穴部10Aの形状によれば、第1穴部10Aの深さの増大を抑制しながら第1側面11cの面積を増大させられる。したがって、導光板110Aの厚さの増大を回避しながら、第1側面11cに入射した光をより効果的に導光板110Aの面内に拡散させ得る。反対に、導光板110Aの上面110aに対する第2側面12cの傾斜を第1側面11cの傾斜よりも緩やかとしてもよい。このような構成によれば、導光板110Aの厚さの増大を回避しながら、第2部分12Aの容積を拡大でき、例えば、第1穴部10A中の空気層をより広い領域に拡大できる。したがって、より多くの光が第2側面12cに入射するようになり、光をより効果的に導光板110Aの面内に拡散させることが可能になる。
【0030】
図3に例示する構成において、第1穴部10Aの第1部分11Aが有する第1側面11cおよび第2部分12Aが有する第2側面12cの断面視における形状は、いずれも、曲線状である。この場合、第1側面11cおよび第2側面12cのそれぞれについての傾斜の大きさは、以下のように定義することができる。
【0031】
第1側面11cの傾斜の大きさは、断面視において、第1側面11cの下端と上端とを結ぶ線分と、導光板110Aの上面110aに平行な直線とのなす角として求められる。第2側面12cの傾斜についても同様に、断面視において、第2側面12cの下端と上端とを結ぶ線分と、導光板110Aの上面110aに平行な直線とのなす角として求めることができる。ただし、この例では、第1側面11cおよび第2側面12cのいずれも、断面視において曲線状の形状を有している。このような場合には、以下のようにして傾斜の大きさを決めればよい。
【0032】
ここでは、第1穴部10Aの第1部分11Aは、概ね逆円錐の形状を有している。したがって、第1部分11Aは、第1穴部10Aの内部に、第1部分11Aの逆円錐形状の底面の外縁に相当する開口11aを有する。このとき、第1部分11Aのうち導光板110Aの下面110bとの間の距離が最も小さい部分(この例では逆円錐形状の頂部)と開口11aとを結ぶ線分C1と、導光板110Aの上面110aに平行な直線とのなす角θ1を第1側面11cの傾斜の大きさとする。同様に、第2側面12cの傾斜の大きさとしては、第1部分11Aの開口11aと第2部分12Aの開口12aを結ぶ線分C2と、導光板110Aの上面110aに平行な直線とのなす角θ2を採用すればよい。
【0033】
ここでは、第1側面11cおよび第2側面12cの断面視における形状は、曲線状である。しかしながら、第1側面11cおよび第2側面12cの断面視における形状は、曲線状に限定されず、屈曲および/または段差を含む形状、あるいは、直線状等であってもよい。第1側面11cおよび第2側面12cの断面視における形状が一致している必要も無い。第1側面11cおよび/または第2側面12cの断面視における形状が
図3に例示するような曲線状、特に、第1穴部10Aの内部に向かって膨らんだ凸の曲線状であると、導光板110Aの中心から離れた位置まで光を拡散させやすく、上面110a側において均一な光を得る観点からは有利である。
【0034】
他方、この例では、第1穴部10Aの第2部分12Aの内部は、樹脂等で充填されておらず、空気層が形成されている。換言すれば、第2部分12Aの内部は、第1部分11Aよりも低い屈折率を有する。したがって、この例では、第2部分12Aの第2側面12cは、空気層と導光板110Aの界面であり、導光板110Aの内部に導入されて第1穴部10Aに向かう光を導光板110Aの内部に戻す反射面として機能する。すなわち、第2部分12Aの第2側面12cによって、導光板110Aの上面110aに対して垂直に近い角度で入射する光を導光板110Aの内部に拡散させることができる。第2部分12Aは、反射性樹脂層130の材料よりも低い屈折率を有していれば、そのような物質で充填されていてもよい。
【0035】
第1穴部10Aの具体的な形状は、
図3に例示する形状に限定されない。光拡散構造としての第1穴部10Aの具体的な構成は、導光板110Aの下面110b側に配置される発光素子の形状および特性等に応じて適宜に決定され得る。第1穴部10Aの第1部分11Aおよび第2部分12Aの形状は、例えば、円錐、または、四角錐、六角錐等の多角錐形状、あるいは多角錐台形状等であってもよい。第1穴部10Aの深さは、例えば、300μm以上400μm以下の範囲である。そのうち、第1部分11Aの深さは、例えば、100μm以上200μm以下の範囲であり得る。第1部分11Aの開口11aの直径は、例えば2mm程度、第2部分12Aの開口12aの直径は、例えば3mm程度であり得る。
【0036】
導光板110Aは、単層であってもよく、複数の透光性の層を含む積層構造を有していてもよい。複数の透光性の層を積層する場合には、任意の層間に空気層等の、他とは屈折率の異なる層を介在させてもよい。積層構造の任意の層間に例えば空気層を介在させることにより、発光素子120からの光をより拡散させやすくなり、輝度ムラをより低減し得る。
【0037】
図示する例において、導光板110Aは、下面110b側の、第1穴部10Aと対向する位置に第2穴部20を有する。第2穴部20の内部には、接合部材190と、発光素子120を含む発光体100Uとが位置する。発光体100Uは、発光素子120に加えて、板状の波長変換部材150、接合部材160および第2の光反射部材170を含む。発光体100Uは、接合部材190によって導光板110Aの第2穴部20の位置に接合される。
【0038】
図2から理解されるように、第2穴部20は、例えば四角錐台状を有する。典型的には、導光板110Aの下面110b側に位置する第2穴部20の中心は、上面110a側に位置する第1穴部10Aの中心に概ね一致させられる。導光板110Aの下面110bに形成される第2穴部20の開口20aの、矩形状の対角線方向に沿った長さは、例えば、0.05mm以上10mm以下とすることができ、好ましくは、0.1mm以上1mm以下である。
【0039】
第2穴部20の平面視における形状が矩形状である場合、第2穴部20は、
図2に示すようにその矩形状の一辺が導光板110Aの矩形状の一辺と平行となるように導光板110Aの下面110bに形成されてもよい。あるいは、
図6に示すように、第2穴部20は、導光板110Aの矩形状の一辺に対して傾斜するように導光板110Aの下面110bに形成されてもよい。
【0040】
図6は、第2穴部20の開口20aの矩形状を導光板110Aの矩形状に対して45°傾けた例を示す。
図6に例示するように、開口20aの矩形状の各辺が導光板110Aの矩形状の対角線と概ね平行となるように第2穴部20を形成することにより、第2穴部20の4つの側面と導光板110Aの矩形状の角とが対向することになる。すなわち、第2穴部20の側面から導光板110Aの角部までの距離を拡大しながら、第2穴部20の四角錐台状の角部から導光板110Aの側面までの距離を縮小することができ、発光体100Uの光学特性によっては、このような構成の方が輝度ムラをより抑制できることがある。
【0041】
第2穴部20の平面視における形状としては、
図2および
図6に示すような矩形状のほか、円形状も採用し得る。第2穴部20が導光板110Aの外形に相似な外形を有していることは、本開示の実施形態に必須の事項ではない。第2穴部20の形状および大きさは、求める光学特性に応じて適宜に決定し得る。例えば、第2穴部20は、円錐台形状等を有していてもよい。
【0042】
[反射性樹脂層130]
再び
図3を参照する。上述したように、反射性樹脂層130は、第1穴部10Aの第1部分11Aに位置する。第1部分11Aの全体が反射性樹脂層130で充填されていることは、本開示の実施形態において必須ではない。反射性樹脂層130は、第1部分11Aの一部を占めていればよい。例えば、第1部分11Aの第1側面11cを覆うように反射性樹脂層130を第1穴部10A内に形成してもよい。
【0043】
反射性樹脂層130は、例えば光反射性のフィラーが分散された樹脂材料等の光反射性の材料から形成される。ここで、本明細書において、「反射性」、「光反射性」とは、発光素子120の発光ピーク波長における反射率が60%以上であることを指す。反射性樹脂層130の、発光素子120の発光ピーク波長における反射率が70%以上であるとより有益であり、80%以上であるとさらに有益である。
【0044】
反射性樹脂層130を形成するための樹脂材料の母材としては、シリコーン樹脂、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、BTレジン、ポリフタルアミド(PPA)等を用い得る。光反射性のフィラーとしては、金属の粒子、または、母材よりも高い屈折率を有する無機材料もしくは有機材料の粒子を用いることができる。光反射性のフィラーの例は、二酸化チタン、酸化ケイ素、二酸化ジルコニウム、チタン酸カリウム、酸化アルミニウム、窒化アルミニウム、窒化ホウ素、ムライト、酸化ニオブ、硫酸バリウムの粒子、または、酸化イットリウムおよび酸化ガドリニウム等の各種希土類酸化物の粒子等である。反射性樹脂層130が白色を有すると有益である。
【0045】
反射性樹脂層130中の光反射性のフィラーの分布は、反射性樹脂層130内でほぼ一定であってもよいし、偏りまたは勾配を有していてもよい。例えば、反射性樹脂層130の形成の工程において母材の硬化前にフィラーが沈降または母材から分離することにより、反射性樹脂層130中の光反射性のフィラーの分布に偏りが生じ得る。例えば、
図4に示すように、反射性樹脂層130は、第1領域131と、フィラーの濃度が相対的に低い第2領域132とを有し得る。
図4に示す例では、複数の第2領域132が、第1穴部10Aの中心に向かって外縁から延びている。あるいは、
図5に示す例のように、反射性樹脂層130は、第1部分11Aの開口11aの付近に、複数の島状の部分133を有し得る。
【0046】
平面視における単位面積あたりのフィラーの数で定義されるフィラーの数密度が、反射性樹脂層130の外縁付近と比較して中央付近において相対的に高いと、発光素子120の直上の領域の輝度が局所的に極端に高くなることを抑制しやすく、有益である。
図4および
図5に示すいずれの例においても、フィラーの数密度は、反射性樹脂層130の外縁付近と比較して中央付近において相対的に高いといえる。
【0047】
発光素子120の上方に反射性樹脂層130を配置することにより、発光素子120から出射されて導光板110Aの中央付近で導光板110Aの上面110aに向かって進行する光を反射性樹脂層130で反射させることができる。したがって、発光素子120から出射された光を導光板110Aの面内で効率的に拡散させることが可能になる。また、導光板110Aの上面110aのうち発光素子120の直上の領域の輝度が局所的に極端に高くなることを抑制することができる。ただし、反射性樹脂層130が発光素子120からの光を完全に遮蔽することは必須ではない。この意味で、反射性樹脂層130は、発光素子120からの光の一部を透過する半透過の性質を有していてもよい。
【0048】
ここでは、反射性樹脂層130の上面130aは、概ね平坦面である。ただし、反射性樹脂層130の上面130aの形状は、この例に限定されず、発光素子120とは反対側に突出する凸状、あるいは、発光素子120側に窪んだ凹状等であってもよい。特に、反射性樹脂層130の上面130aが、発光素子120とは反対側に突出する凸状であると、第1部分11Aの開口11aの位置を基準としたときの反射性樹脂層130の中央付近の厚さが相対的に大きくなる結果、発光素子120の直上の領域の輝度が局所的に極端に高くなることをより効果的に抑制し得る。
【0049】
図3に示す例において、反射性樹脂層130は、第2部分12Aの最も深い部分から開口11aの位置まで充填されている。換言すれば、この例では、反射性樹脂層130は、第1穴部10Aの内部において開口11aの位置を超えてさらに高い位置までは形成されていない。しかしながら、反射性樹脂層130が開口11aの位置を超える部分を含まないことは、本開示の実施形態に必須ではない。反射性樹脂層130が、第1穴部10Aの第1部分11Aの内部に位置する部分を含むことは、許容され得る。なお、第1側面11cの傾斜が第2側面12cの傾斜よりも緩やかであると、反射性樹脂層130の一部が第1部分11Aの内部に達していても、平面視において第1穴部10Aに占める反射性樹脂層130の面積の増大を抑制しやすい。すなわち、第1穴部10A付近の輝度が不必要に低くなり過ぎることを回避しやすくなる。
【0050】
[発光素子120]
発光素子120の典型例は、LEDである。
図3に例示する構成おいて、発光素子120は、素子本体122と、発光素子120の上面120aとは反対側に位置する電極124とを有する。素子本体122は、例えば、サファイアまたは窒化ガリウム等の支持基板と、支持基板上の半導体積層構造とを含む。半導体積層構造は、n型半導体層およびp型半導体層と、これらに挟まれた活性層とを含む。半導体積層構造は、紫外〜可視域の発光が可能な窒化物半導体(In
xAl
yGa
1-x-yN、0≦x、0≦y、x+y≦1)を含んでいてもよい。この例では、発光素子120の上面120aは、素子本体122の上面に一致している。電極124は、正極および負極の組を含み、半導体積層構造に所定の電流を供給する機能を有する。
【0051】
面発光光源200に設けられる複数の発光素子120の各々は、青色光を出射する素子であってもよいし、白色光を出射する素子であってもよい。複数の発光素子120は、互いに異なる色の光を発する素子を含んでいてもよい。例えば、複数の発光素子120が、赤色光を出射する素子、青色光を出射する素子および緑色光を出射する素子を含んでいてもよい。ここでは、発光素子120として、青色光を出射するLEDを例示する。
【0052】
この例では、各発光モジュール100A中の発光素子120は、接合部材160によって波長変換部材150の下面側に固定される。発光素子120の平面視における形状は、典型的には、矩形状である。発光素子120の矩形状の一辺の長さは、例えば1000μm以下である。発光素子120の矩形状の縦および横の寸法は、500μm以下であってもよい。縦および横の寸法が500μm以下の発光素子は、安価に調達しやすい。あるいは、発光素子120の矩形状の縦および横の寸法は、200μm以下であってもよい。発光素子120の矩形状の一辺の長さが小さいと、液晶表示装置のバックライトユニットへの適用において、高精細な映像の表現、ローカルディミング動作等に有利である。特に、縦および横の両方の寸法が250μm以下であるような発光素子は、上面の面積が小さくなるので発光素子の側面からの光の出射量が相対的に大きくなる。したがって、バットウィング型の配光特性を得やすい。ここで、バットウィング型の配光特性とは、広義には、発光素子の上面に垂直な光軸を0°として、0°よりも配光角の絶対値が大きい角度において発光強度が高い発光強度分布で定義されるような配光特性を指す。
【0053】
[波長変換部材150]
図3に例示する構成において、波長変換部材150は、第2穴部20の内部であって導光板110Aと発光素子120との間に配置されている。換言すれば、波長変換部材150は、発光素子120の上方であって第2穴部20の底部に位置する。ここで、「第2穴部20の底部」とは、導光板110Aの下面110bを上に向けたときの第2穴部20の底に相当する部分を意味する。このように、本明細書では、発光モジュールについて図面に表された姿勢に拘泥することなく、「底部」および「底面」の用語を使用することがある。第2穴部20の底部は、発光モジュール100Aを
図3に示す姿勢としたとき、導光板110Aの下面110b側に形成されるドーム状の構造の天井部分であるともいえる。
【0054】
波長変換部材150は、発光素子120から出射された光の少なくとも一部を吸収し、発光素子120からの光の波長とは異なる波長の光を発する。例えば、波長変換部材150は、発光素子120からの青色光の一部を波長変換して黄色光を発する。このような構成によれば、波長変換部材150を通過した青色光と、波長変換部材150から発せられた黄色光との混色によって、白色光が得られる。
図3に例示する構成では、発光素子120から出射された光は、基本的に波長変換部材150を介して導光板110Aの内部に導入される。したがって、混色後の光が導光板110Aの内部で拡散されることになり、輝度ムラの抑制された例えば白色光を導光板110Aの上面110aから取り出すことが可能である。本開示の実施形態は、光を導光板内に拡散させてから波長変換する場合と比較して光の均一化に有利である。
【0055】
波長変換部材150は、典型的には、樹脂中に蛍光体の粒子が分散された部材である。蛍光体等の粒子を分散させる樹脂としては、シリコーン樹脂、変性シリコーン樹脂、エポキシ樹脂、変性エポキシ樹脂、ユリア樹脂、フェノール樹脂、アクリル樹脂、ウレタン樹脂もしくはフッ素樹脂、または、これらの樹脂の2種以上を含む樹脂を用いることができる。導光板110Aに効率的に光を導入する観点からは、波長変換部材150の母材が導光板110Aの材料よりも低い屈折率を有すると有益である。波長変換部材150の材料に母材とは屈折率の異なる材料を分散させることにより、波長変換部材150に光拡散の機能を付与してもよい。例えば、波長変換部材150の母材に、二酸化チタン、酸化ケイ素等の粒子を分散させてもよい。
【0056】
蛍光体には、公知の材料を適用することができる。蛍光体の例は、YAG系蛍光体、KSF系蛍光体等のフッ化物系蛍光体およびCASN等の窒化物系蛍光体、βサイアロン蛍光体等である。YAG系蛍光体は、青色光を黄色光に変換する波長変換物質の例であり、KSF系蛍光体およびCASNは、青色光を赤色光に変換する波長変換物質の例であり、βサイアロン蛍光体は、青色光を緑色光に変換する波長変換物質の例である。蛍光体は、量子ドット蛍光体であってもよい。
【0057】
波長変換部材150に含まれる蛍光体が同一の面発光光源200に含まれる複数の発光モジュール100内で共通であることは必須ではない。複数の発光モジュール100の間で、波長変換部材150の母材に分散させる蛍光体を異ならせることも可能である。面発光光源200の導光板210に設けられる複数の第2穴部20のうち、ある一部の第2穴部20に、入射した青色光を黄色光に変換する波長変換部材を配置し、他のある一部の第2穴部20内に、入射した青色光を緑色光に変換する波長変換部材を配置してもよい。さらに、残余の第2穴部20内に、入射した青色光を赤色光に変換する波長変換部材を配置してもよい。
【0058】
[接合部材160]
接合部材160は、発光素子120の側面の少なくとも一部を覆う透光性の部材である。
図3に模式的に示すように、典型的には、接合部材160は、発光素子120の上面120aと波長変換部材150との間に位置する層状の部分を有する。
【0059】
接合部材160の材料としては、透明な樹脂材料を母材として含む樹脂組成物を用いることができる。接合部材160は、発光素子120の発光ピーク波長を有する光に対して、例えば60%以上の透過率を有する。光を有効に利用する観点から、発光素子120の発光ピーク波長における接合部材160の透過率が70%以上であると有益であり、80%以上であるとより有益である。
【0060】
接合部材160の母材の典型例は、エポキシ樹脂、シリコーン樹脂等の熱硬化性樹脂である。接合部材160の母材として、シリコーン樹脂、シリコーン変性樹脂、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、ポリカーボネート樹脂、アクリル樹脂、ポリメチルペンテン樹脂もしくはポリノルボルネン樹脂、または、これらの2種以上を含む材料を用いてもよい。接合部材160は、典型的には、導光板110Aの屈折率よりも低い屈折率を有する。接合部材160は、例えば母材とは異なる屈折率を有する材料が分散させられることにより、光拡散機能を有していてもよい。
【0061】
上述したように、接合部材160は、発光素子120の側面の少なくとも一部を覆う。また、接合部材160は、後述の光反射部材170との界面である外面を有する。発光素子120の側面から出射されて接合部材160に入射した光は、接合部材160の外面の位置で発光素子120の上方に向けて反射される。断面視における接合部材160の外面の形状は、
図3に示すような直線状に限定されない。断面視における接合部材160の外面の形状は、折れ線状、発光素子120に近づく方向に凸の曲線状、発光素子120から離れる方向に凸の曲線状等であってもよい。
【0062】
[(第2の)光反射部材170]
光反射部材170は、波長変換部材150の下面側(導光板110Aとは反対側)に位置する光反射性を有する部材である。
図3に示すように、光反射部材170は、接合部材160の外面、発光素子120の側面のうち接合部材160に覆われていない部分、および、発光素子120の、上面120aとは反対側に位置する下面のうち電極124を除く領域を覆う。光反射部材170は、電極124の側面を覆い、他方、電極124の下面は、光反射部材170の下面から露出される。
【0063】
光反射部材170の材料としては、反射性樹脂層130の材料と同様の材料を用いることができ、例えば、光反射部材170の材料と反射性樹脂層130の材料とが共通であってもよい。発光素子120の下面のうち電極124を除く領域を光反射部材170で覆うことにより、導光板110Aの上面110aとは反対側への光の漏れを抑制できる。また、光反射部材170で発光素子120の側面をも覆うことにより、発光素子120からの光を上方に集中させ、波長変換部材150に効率的に光を導入させることが可能になる。
【0064】
[第2の接合部材190]
上述したように、発光体100Uは、第2の接合部材190により第2穴部20の底部に配置される。
図3に示すように、第2の接合部材190の少なくとも一部は、第2穴部20の内部に位置する。第2の接合部材190は、第2穴部20の底部と波長変換部材150との間に位置する部分を有していてもよい。
図3に示すように、第2の接合部材190は、導光板110Aの下面110bよりも導光板110Aの上面110aとは反対側に盛り上がった部分を有し得る。
【0065】
第2の接合部材190は、接合部材160と同様に、透明な樹脂材料を母材として含む樹脂組成物から形成される。第2の接合部材190の材料は、接合部材160の材料と異なっていてもよいし、共通であってもよい。第2の接合部材190は、典型的には、導光板110Aの屈折率よりも低い屈折率を有する。
【0066】
[光反射部材140]
光反射部材140は、光反射性を有し、導光板110Aの下面110bの少なくとも一部を覆う。ここでは、光反射部材140は、導光板110Aの下面110bに加えて第2の接合部材190をも覆っている。この例のように第2の接合部材190を光反射部材140で覆うことにより、第2の接合部材190からの導光板110Aの下面110b側への光の漏れを抑制して光の取出し効率を向上させ得る。
【0067】
光反射部材140がその一部に壁部を含む結果、光反射部材140の、導光板110Aの下面110bに対向する上面140aの一部には、傾斜面140sが形成されている。
図2を参照すれば理解されるように、典型的には、傾斜面140sは、導光板110Aの上面110aの矩形状の4辺に沿って発光素子120を取り囲む。傾斜面140sは、入射する光を導光板110Aの上面110aに向けて反射させる反射面として機能し得る。したがって、傾斜面140sを有する光反射部材140を導光板110Aの下面110b側に配置することにより、導光板110Aの下面110b側に向かう光を傾斜面140sで上面110aに向けて反射させることができ、上面110aからより効率的に光を取り出し得る。また、傾斜面140sを導光板110Aの周縁部に配置することにより、導光板110Aの周縁部における輝度が中心部と比較して相対的に低くなることを回避し得る。
【0068】
傾斜面140sの断面視における形状は、
図2に示すような曲線状であってもよいし、直線状であってもよい。傾斜面140sの断面視における形状は、これらに限定されず、段差、屈曲等を含んでいてもよい。
【0069】
なお、1つの面発光光源200に含まれる複数の発光モジュール100の間、または、1つの発光モジュール100の中で、発光素子120を取り囲む壁部の高さを異ならせてもよい。例えば、1つの面発光光源200に含まれる複数の傾斜面140sのうち、面発光光源200の導光板210の最外周に位置する傾斜面140sの高さを、導光板210の他の部分に位置する傾斜面140sの高さよりも大きくしてもよい。
【0070】
光反射部材140の材料としては、上述の第2の光反射部材170の材料と同様の材料を適用し得る。光反射部材140の材料と光反射部材170の材料とを共通とすることにより、光反射性の材料で導光板110Aの下面110bの概ね全体を覆う光反射部材を一体的に形成することができる。導光板110Aの下面110b側に光反射部材140を形成することにより、導光板110Aの補強等の効果も期待できる。
【0071】
[配線層180]
図3に例示する構成において、発光モジュール100Aは、光反射部材140の下面140b上に位置する配線層180をさらに有する。配線層180は、発光素子120の電極124に電気的に接続された配線を含む。この例では、配線層180は、光反射部材170上に位置するように描かれているが、配線層180は、光反射部材140の下面140b上に位置する部分を含みえる。
【0072】
配線層180は、典型的には、Cu等の金属から形成された単層膜または積層膜である。配線層180は、不図示の電源等に接続されることにより各発光素子120に所定の電流を供給する端子として機能する。
【0073】
発光モジュール100Aの下面100b側に配線層180を設けることにより、例えば面発光光源200中の複数の発光素子120同士を配線層180によって電気的に接続することができる。すなわち、発光素子120を例えば面発光光源200の単位で駆動させることができ、後述するように、複数の面発光光源200を組み合わせてさらに大型の面発光光源を構築することにより、この面発光光源をローカルディミング動作させることができる。発光モジュール100Aの下面100b側に配線層180を設けることにより、複数の発光素子120を含む面発光光源200側に配線が形成されることになり、電源等との間の接続が容易になる。すなわち、電源等を接続することによって簡単に面発光が得られる。もちろん、発光素子120を1以上の発光モジュール100Aの単位で駆動させてもかまわない。
【0074】
図7は、面発光光源200を配線基板に接続した状態を示す。ある実施形態において、本開示の発光装置は、
図7に示すように、配線基板260を有し得る。
図7に例示する構成において、配線基板260は、絶縁基材265と、絶縁基材265上の第1配線層261および第2配線層262と、複数のビア264とを有する。第1配線層261は、絶縁基材265の一方の主面上に設けられ、第2配線層262は、絶縁基材265の他方の主面に位置する。これら第1配線層261および第2配線層262は、絶縁基材265の内部に配置されたビア264によって互いに電気的に接続される。
【0075】
配線基板260は、面発光光源200の下面側、すなわち、導光板210の上面210aとは反対側に位置し、発光モジュール100Aの配線層180に対して第1配線層261が対向させられている。面発光光源200は、配線層180がはんだ等によって配線基板260の第1配線層261に結合させることにより、配線基板260に実装される。本実施形態によれば、各発光素子120との接続を有する配線層180を面発光光源200側に設けることができるので、配線基板260側に複雑な配線パターンを形成することなく、ローカルディミング等に要求される接続を容易に形成することができる。配線層180は、各発光素子120の電極124の下面よりも大きな面積を有し得るので、第1配線層261に対する電気的な接続の形成も比較的容易である。あるいは、例えば発光モジュール100Aが配線層180を有しない場合には、発光素子120の電極124を配線基板260の第1配線層261に接続してもよい。
【0076】
図8は、配線層180の配線パターンの一例を示す。簡単のために、
図8では、
図1に示す面発光光源200の4つを1つのドライバ250に接続した例を示している。
【0077】
各面発光光源200は、配線層180を有し得る。各面発光光源200中の配線層180は、面発光光源200に含まれる複数の発光モジュール100Aを互いに電気的に接続する。
図8に示す例では、各面発光光源200中の配線層180は、4個の発光素子120を直列に接続し、かつ、直列に接続された発光素子120の4個の群を並列に接続している。
【0078】
図8に示すように、これら配線層180の各々は、発光素子120を駆動するドライバ250に接続され得る。ドライバ250は、面発光光源200の集合を支持する基板等(例えば配線基板260)の上に配置されて配線層180に電気的に接続されてもよいし、面発光光源200の集合を支持する基板等とは別個の基板上に配置されて配線層180に電気的に接続されてもよい。このような回路構成のもとでは、16個の発光素子120を含む面発光光源200を単位とするローカルディミング動作が可能である。もちろん、配線層180による複数の発光素子120の接続は、
図8に示す例に限定されず、面発光光源200中の各発光モジュール100Aが独立して駆動するように接続されていてもよい。あるいは、面発光光源200に含まれる発光モジュール100Aを複数の群に分割し、複数の発光モジュール100Aを含む群の単位で発光素子120を駆動可能に複数の発光素子120を電気的に接続してもよい。
【0079】
以上に説明したように、本開示の実施形態によれば、反射性樹脂層130による光の反射によって発光素子120の直上の位置での輝度の極端な上昇を抑制しながら、発光素子120からの光を導光板110Aの面内で拡散させることができる。これにより、薄型でありながら均一な光を提供することが可能になる。さらに、
図3を参照して説明した例のように、発光素子120と導光板110Aとの間に波長変換部材150を介在させることにより、混色後の光を導光板110Aの面内で拡散させてから導光板110Aの上面110aから出射させることができる。
【0080】
本開示の実施形態によれば、例えば、光反射部材140を含めた構造の厚さ、換言すれば、発光素子120の電極124の下面から導光板110Aの上面110aまでの距離を例えば5mm以下、3mm以下または1mm以下に縮小し得る。発光素子120の電極124の下面から導光板110Aの上面110aまでの距離は、0.7mm以上1.1mm以下程度であり得る。
【0081】
図9は、複数の面発光光源200を二次元に配置した例を示す。複数の面発光光源200を二次元に配置することにより、大面積の発光面が得られる。
【0082】
図9に示す面発光光源300は、
図1に示す面発光光源200を複数個有する。
図9は、面発光光源200を8行16列に配置した例であり、面発光光源200の二次元配列を導光板210の上面210a側から見た外観を模式的に示している。
【0083】
行方向または列方向において隣接する2つの面発光光源200の導光板210は、典型的には、互いに直接に接触する。しかしながら、隣接する2つの面発光光源200の導光板210が互いに直接に接触するようにして二次元配列が形成されることは必須ではなく、互いに隣接する2つの導光板210間に、これらを互いに光学的に結合する導光構造が介在されてもよい。このような導光構造は、例えば、導光板210の側面に透光性の接着剤を付与した後、付与した接着剤を硬化させることによって形成できる。あるいは、互いに間隔をあけて複数の面発光光源200を二次元に配置し、互いに隣接する2つの導光板210の間の領域を透光性の樹脂材料で充填後、樹脂材料を硬化させることによって導光構造を形成してもよい。導光板210間に位置する導光構造の材料としては、上述の接合部材160と同様の材料を用いることができる。導光構造の母材として、導光板210の材料と同等かそれ以上の屈折率を有する材料を用いることができると有益である。導光板210間に位置する導光構造に光拡散機能を付与してもよい。
【0084】
各面発光光源200の縦方向の長さLおよび横方向の長さWが、例えばそれぞれおよそ24.3mmおよび21.5mmである場合、
図9に示す面発光光源200の配列は、アスペクト比が16:9の、15.6インチのスクリーンサイズに適合している。例えば、
図7に示す面発光光源300は、15.6インチのスクリーンサイズを有するラップトップパソコンのバックライトユニットに好適に用いることができる。
【0085】
この例では、各面発光光源200の上面である、導光板210の上面210aの集合が発光面を構成する。そのため、面発光光源300に含まれる面発光光源200の数を変更したり、面発光光源200の配置を変更したりすることにより、スクリーンサイズの異なる複数種の液晶パネルに容易に面発光光源300を適用することができる。すなわち、面発光光源200中の導光板210等に関する光学計算をやり直したり、導光板210を形成するための金型を再製作したりする必要なく、スクリーンサイズの変更に対して柔軟に対応することが可能である。そのため、スクリーンサイズの変更に対して製造コストおよびリードタイムの増大を招来させずに済む。
【0086】
図10は、
図9に示す複数の面発光光源200のセットをさらに2行2列に配列した構成を示す。この場合、合計512個の面発光光源200により、アスペクト比が16:9の、31.2インチのスクリーンサイズに適合した面発光光源400を構成することができる。例えば、
図10に示す面発光光源200の配列は、液晶テレビのバックライトユニット等に用いることができる。このように本実施形態によれば、さらに大面積の発光面を得ることも比較的容易である。
【0087】
複数の面発光光源200の組み合わせによって、より大面積の発光面を構成する手法によれば、スクリーンサイズに応じて光学系の設計をやり直したり、導光板の形成のための金型を再製作したりすることなく、多様なスクリーンサイズの液晶パネルに柔軟に対応することが可能になる。すなわち、スクリーンサイズに適合したバックライトユニットを低コストかつ短納期で提供し得る。また、仮に、断線等により点灯しない発光素子が存在した場合であっても、不具合が生じた発光素子を含む面発光光源を交換すれば済むという利点も得られる。なお、
図9および
図10に例示するような、複数の面発光光源200の二次元配列を含む面発光光源において、複数の導光板210の上面210a側に、これら上面210aを一括して覆う1以上の拡散シートおよび/または1以上のプリズムシートが配置されてもよい。
【0088】
図11は、本開示の他のある実施形態による発光モジュールを示す。
図2等を参照しながら説明した発光モジュール100Aと比較して、
図11に示す発光モジュール100Bは、導光板110Aに代えて導光板110Bを有する。
【0089】
図11に例示する構成において、導光板110Bの上面110aは、下面110b側の第2穴部20に対向する第1穴部10Bを有する。この第1穴部10Bは、第1側面11cを有する第1部分11Bと、第2側面12cを有する第2部分12Aとを含む。
図11に示すように、第1部分11Bは、第1側面11cに接続する底面11bをさらに有している。すなわち、この例では、第1部分11Bは、第1側面11cおよび底面11bによって規定される逆円錐台状を有している。第1部分11Bの底面11bの円形状の直径は、例えば0.3mm程度である。
【0090】
典型的には、第1部分11Bの底面11bは、導光板110Bの上面110aに平行な平坦面である。第1穴部10Bの第1部分11Bの形状を、底面11bを含む形状とすることにより、反射性樹脂層130の体積の減少を抑制しながらも、第1穴部10Bの深さを低減することができる。すなわち、発光モジュール100Bをより薄型とし得る。
【0091】
図12は、本開示のさらに他のある実施形態による発光モジュールを示す。
図12に示す発光モジュール100Cは、導光板110Cを有する。図示するように、上述の導光板110Aおよび導光板110Bとは異なり、導光板110Cの下面110b側には、第2穴部20は設けられておらず、光反射部材140は、導光板110Cの下面110bの概ね全体を覆っている。なお、
図12では、
図2と同様に、発光モジュール100Cを発光モジュール100Cの中央付近で導光板210の上面210aに垂直に切断したときの断面と、導光板210の上面210a側から上面210aに垂直に見たときの発光モジュール100Cの例示的な外観とをあわせて1つの図に模式的に示している。
【0092】
本開示の実施形態において、導光板への第2穴部20の形成は、必須ではない。
図12に例示するように、発光モジュール100Cの下面側、すなわち、ここでは導光板110Cの下面110b上に発光体100Uを接合してもよい。発光体100Uは、上述の接合部材190を用いて導光板110Cの下面110bに接合され得る。なお、発光体100Uに代えて、波長変換部材150を介して導光板110Cの下面110b上に発光素子120を固定してもよい。
【0093】
図12に例示する構成において、発光素子120と導光板110Cとの間には、波長変換部材150が介在されている。ここでは、波長変換部材150は、平面視において矩形状を有し、
図12の下段に示すように、平面視において、波長変換部材150は、第1穴部10Aの外形を規定する開口12aよりも内側の領域に位置する。この例では、波長変換部材150の矩形状の一辺は、導光板110Cの矩形状の一辺に平行であるが、導光板110Cの矩形状の一辺に対して斜めになるように導光板110Cの下面110b側に波長変換部材150を配置してもよい。
【0094】
なお、波長変換部材150の側面の全体が光反射部材140に覆われるようにこれらの厚さを調整すると、発光モジュール100Cの下面100b側からの光の漏れを抑制できるので光の取出し効率の観点から有利である。導光板110Cの第1穴部10Aに代えて
図11に示すような形状の第1穴部10Bを採用し得ることは、言うまでもない。
【0095】
図13は、本開示のさらに他のある実施形態による発光モジュールの断面を模式的に示す。
図13に示す発光モジュール100Nは、導光板110Bと、発光素子120および波長変換部材150Aを含む発光体100Tを有する。
図13に模式的に示すように、発光体100Tは、接合部材190によって導光板110Bの第2穴部20Aの底部に配置されている。
【0096】
この例では、波長変換部材150Aは、発光素子120の上面120aだけでなく、素子本体122の側面をも覆っている。このように、波長変換部材の形状は、板状に限定されず、発光素子120の側面を覆う形状であってもよい。また、この例では、光反射部材140は、波長変換部材150Aおよび発光素子120のうち、導光板110Bの上面110aとは反対側に位置する部分をも覆っている。ただし、発光素子120の電極124の下面は、発光モジュール100Nの下面100b側において光反射部材140の下面140bから露出される。このような構成によれば、発光素子120から発光モジュール100Nの下面100b側に向かって進行する光の下面140bからの漏れを抑制することができる。
【0097】
図14は、本開示のさらに他のある実施形態による発光モジュールの断面を模式的に示す。
図11に示す発光モジュール100Pは、導光板110Bと、発光体100Rと、波長変換シート350とを有する。
図14に例示する構成において、波長変換シート350は、導光板110Bの上面100a上に位置する。波長変換シート350は、導光板110Bの上面100aに接していてもよいし、導光板110Bの上面100aから間隔をあけて導光板110Bの上方に配置されてもよい。導光板110Bの上方に拡散シート、プリズムシート等の光学シートがさらに配置される場合、拡散シート、波長変換シート350、プリズムシートが上面100aに近い側からこの順に導光板110Bの上方に配置されることが好ましい。すなわち、導光板110Bの上面100aと波長変換シート350との間に拡散シートが位置し、かつ、拡散シートとプリズムシートとの間に波長変換シート350が位置することが好ましい。
【0098】
波長変換シート350は、典型的には、蛍光体の粒子が分散されたシート状の樹脂である。このような波長変換シート350を用いることにより、導光板110Bの上方に蛍光体を均一に配置することができる。導光板110Bに代えて、導光板110Aを適用した場合にも同様の効果が得られる。蛍光体には、公知の材料を適用することができる。蛍光体の例は、KSF系蛍光体等のフッ化物系蛍光体、CASN等の窒化物系蛍光体、YAG系蛍光体、βサイアロン蛍光体等である。蛍光体は、量子ドット蛍光体であってもよい。
【0099】
発光体100Rは、上述の発光体100Uと比較して、波長変換部材150に代えて板状の透光性部材320を有する。すなわち、発光体100Rは、発光素子120、透光性部材320、接合部材160および光反射部材170を含む。
【0100】
透光性部材320は、透光性の材料から形成される。透光性部材320の材料としては、シリコーン樹脂、変性シリコーン樹脂、エポキシ樹脂、変性エポキシ樹脂、ユリア樹脂、フェノール樹脂、アクリル樹脂、ウレタン樹脂もしくはフッ素樹脂、または、これらの樹脂の2種以上を含む樹脂を用いることができる。透光性部材320の材料に母材とは屈折率の異なる材料を分散させることにより、透光性部材320に光拡散の機能を付与してもよい。例えば、透光性部材320の母材に、二酸化チタン、酸化ケイ素等の粒子を分散させてもよい。
【0101】
図15は、本開示のさらに他のある実施形態による発光モジュールの断面を模式的に示す。
図15に示す発光モジュール100Dも、上述の面発光光源200を構成する発光モジュール100の一例であり、図示するように、上面110aおよび下面110bを有する導光板110Dと、導光板110Dの下面110b側に配置された発光素子120とを含む。
【0102】
導光板110Dの上面110aは、その少なくとも一部に、複数の凸部または凹部が形成された第1領域111Aを有する。第1領域111Aは、上面110aのうち第1穴部10Cと重ならない領域に位置する。
図15に示す例では、第1領域111Aに複数の凸部110dが配置されている。
【0103】
導光板110Dの上面110a側の表面のうち第1穴部10Aと重ならない領域に例えば複数の凸部110dを設けることにより、導光板110Dの下面110b側から導光板110Dの内部に導入される、発光素子120からの光を第1領域111Aから効率的に取り出すことが可能になる。すなわち、導光板110Dの上面110aの法線方向から見たときの第1領域111Aにおける輝度を相対的に向上させることができる。
【0104】
図16は、
図15に示す発光モジュール100Dを導光板110Dの上面110aの法線方向から見たときの例示的な外観を模式的に示す。この例では、第1領域111Aは、上面110aのうち第1穴部10Aと重ならない領域の全体を占めており、複数の凸部110dは、第1領域111Aに複数のドットの形で形成されている。なお、
図15および
図16は、導光板110Dの上面110aの構造を説明するためのあくまでも模式的な図であり、断面図と平面図との間で複数の凸部110d等の数あるいは形状が厳密に一致しないことがある。このことは、本開示の他の図面についても同様である。
【0105】
図16に模式的に示すように、第1領域111Aにおいて単位面積あたりに凸部110dが占める割合は、発光素子120を中心として同心円状に増大している。この例では、複数の凸部110dのそれぞれは、平面視において円形状の外形を有し、凸部110dの円形状の直径が、導光板110Dの中心から離れるに従って増大している。より具体的には、
図16中に点線で描かれた、発光素子120の位置を中心とする仮想的な円R1と第1穴部10Aの開口10aとに挟まれた領域にある凸部110dと比較して、円R1と円R1よりも大きな仮想的な円R2とに挟まれた領域にある凸部110dは、より大きな直径を有している。さらに、複数の凸部110dのうち円R2の外側の領域にある凸部110dの直径は、円R1と円R2とに挟まれた領域にある凸部110dの直径よりも大きい。
図16に示す構成から理解されるように、複数の凸部110dの直径が、発光素子120から離れるに従って一様に増大している必要はない。
【0106】
図16に例示するように、第1領域111Aにおいて単位面積あたりに複数の凸部110dが占める割合を、発光素子120を中心として同心円状に増大させるような構成によれば、発光素子120から離れた位置から出射される光を相対的に増大させることができる。例えば、この例では、導光板110Dの上面110aの4つの角部付近に配置された複数の凸部110dは、第1領域111Aに設けられた凸部110dのうちで最大の直径を有する。したがって、第1領域111Aの他の領域と比較して、導光板110Dの上面110aの4つの角部付近の輝度を相対的に増大させることができる。相対的に暗くなりやすい領域の輝度が向上する結果、導光板110Dの厚さの増大を抑制しながら、輝度ムラをより効果的に抑制することが可能である。
【0107】
図16に例示する構成において、複数の凸部110dのそれぞれは、円形状のドットである。円形状の直径は、例えば1μm以上500μm以下の範囲である。各凸部110dの平面視における形状が真円形状に限定されないことは、言うまでもない。複数の凸部110dのそれぞれの平面視における形状は、楕円形状、歪んだ円形状、多角形状あるいは不定形状等であってもよい。なお、本明細書において、平面視における凸部または凹部の形状とは、導光板の上面に平行な平面に凸部または凹部を投影したときの外縁の形状を指す。凸部(または凹部)の平面視における形状が円形状以外である場合、凸部の外縁(または凹部の開口)を包摂する仮想的な円の直径が、例えば上記の範囲にある。
【0108】
凸部110dは、導光板110Dの上面110aから突出する形状を有していれば、導光板110Dの内部での全反射を抑制することにより、上面110aから取り出される光を増大する効果を発揮し得る。したがって、凸部110dは、半球形状、円錐形状、角錐形状、角錐台等の種々の形状を採り得る。
【0109】
図16に示す例では、複数の凸部110dは、三角格子の格子点上に中心が位置するように第1領域111Aに二次元に配置されている。もちろん、複数の凸部110dの配置は、この例に限定されず、所望の光学特性に応じて品位の配置を採用し得る。例えば、正方格子の格子点上に中心が位置するように複数の凸部110dが第1領域111Aに二次元に配置されてもよい。
【0110】
図17は、上面に複数の凸部を有する導光板の他の例を示す。
図17に示す発光モジュール100Eは、その上面110aに、第1領域111Bと、第1領域111Bの内側に位置する第2領域112Bとを含む導光板110Eを有する。第2領域112Bは、導光板110Eの上面110aのうち第1穴部10Cを取り囲む環状の領域であり、第1領域111Bは、第2領域112Bの外側に位置する領域であり、第2領域112Bを取り囲む。
【0111】
図17に示す例では、第1領域111Bは、上面110aのうち仮想的な円R1よりも外側の領域であり、その表面には複数の凸部110dが設けられている。
図16を参照して説明した例と同様に、第1領域111Bのうち、上述の仮想的な円R2の外側に位置する凸部110dの円形状の直径は、仮想的な円R2よりも内側に位置する凸部110dの円形状の直径よりも大きい。第1領域111Bのうち仮想的な円R2よりも外側にある領域を「外側領域」、第1領域111Bのうち外側領域よりも発光素子120の近くに位置する領域、換言すれば、仮想的な円R1およびC2に挟まれた領域を「内側領域」と呼んでもよい。
図17では、わかり易さのために、外側領域111Baを濃い網掛けが付された領域として示し、内側領域111Bbを薄い網掛けが付された領域として示している。
【0112】
他方、第2領域112Bは、上面110aのうち仮想的な円R1と第1穴部10Cの開口10aとに挟まれた領域であり、その表面には凸部110dは設けられていない。したがって、この例では、第2領域112Bの表面は、平坦面である。
図17に例示するように、複数の凸部110dは、第1領域111Bの全体に形成されている必要はなく、第1領域111Bの少なくとも一部に設けられていればよい。導光板110Eのうち相対的に発光素子120から離れた領域に例えば複数の凸部110dを設けることにより、相対的に発光素子120から離れた領域、すなわち第1領域111Bから取り出される光が第2領域112Bと比較して増大する。その結果、発光素子120からより遠くに位置する第1領域111Bの輝度が増大し、輝度ムラの発生をより効果的に低減し得る。
【0113】
このように、
図15〜
図17に示す例では、導光板の上面110aにおいて、単位面積あたりに複数の凸部110dが占める割合を、発光素子120を中心として同心円状に増大させている。ここで、本明細書の「同心円状」は、中心が共通していることを意味し、中心が共通とされた複数の形状が真円に限定されることを意図するものではない。上述の仮想的な円R1および/または円R2は、真円に限定されず、楕円等であり得る。例えば、導光板110Eの上面110aが長方形状である場合、仮想的な円R1および円R2は、楕円形状であってもよい。このとき、これらの楕円の中心とは、楕円の長軸と短軸とが交わる位置を指す。
【0114】
上述したように、凸部110dは、導光板の上面110aから突出する形状を有していれば、上面110aから取り出される光を増大する効果を発揮し得る。したがって、単位面積あたりに複数の凸部110dが占める割合を、第1領域において一定とするような構成も採用し得る。
【0115】
図18は、上面に複数の凸部を有する導光板のさらに他の例を示す。
図18に示す発光モジュール100Kは、その上面110aに、第1領域111Fと、第1領域111Fの内側に位置する第2領域112Fとを含む導光板110Kを有する。この例では、複数の凸部110dは、一定の大きさおよび配置ピッチで第1領域111Fに選択的に設けられている。なお、単位面積あたりに複数の凸部110dが占める割合が一定であれば、複数の凸部110dのサイズおよび配置ピッチの一方または両方を一定としないような構成も可能である。
図18に例示するような構成によれば、導光板の上面110aのうち、複数の凸部110dが設けられた第1領域111Fの輝度を相対的に向上させ得る。第2領域112Fを省略して、上面110aの全体に複数の凸部110dを配置してもよい。
【0116】
第1領域に設けられる凸部の形状は、これらの例に限定されない。例えば、凸部は、円環形状を有する凸リングの形で形成されてもよい。この場合、発光素子120から離れるに従って例えば複数の凸リングの幅を拡大していくことにより、平面視において単位面積あたりに複数の凸部が占める割合を、発光素子120を中心として同心円状に拡大していくことができる。したがって、第1領域に複数のドットの形で複数の凸部を配置した場合と同様に、第1領域において発光素子120から離れた位置の輝度を向上させ、輝度ムラを抑制する効果が得られる。
【0117】
それぞれが円環形状を有する複数の凸部と、それぞれがドット状の複数の凸部とを上面110aに混在させてもよい。円環形状の凸部に加えてドット状の凸部を配置することにより、円環形状の凸部のみを配置した場合と比較して、円環形状の明暗のパターンの発生を抑制することが可能になる。
【0118】
また、複数の凸部に代えて複数の凹部を形成してもよい。この場合、複数の凹部は、発光素子120から離れるに従って例えばその開口が大きくなるような形状を有する。
【0119】
複数の凹部は、例えば複数のドットであり得る。ここで、本明細書における「ドット」とは、平面視において、円および楕円に代表されるような丸い形状を有する構造を一般的に指し、本明細書の「ドット」は、導光板の上面110aから突出する形状および上面110aに対して窪んでいる形状のいずれをも包含するように解釈される。また、複数の凹部は、円環形状の溝部の形で上面110aの第1領域に形成されてもよい。発光素子120から離れるに従ってリング状の溝部の幅を拡大することにより、平面視において単位面積あたりに複数の凹部が占める割合を、発光素子120を中心として同心円状に拡大していってもよい。あるいは、それぞれが円環形状を有する複数の凹部の間隔を小さくしていってもよい。
【0120】
また、第1領域に複数の凸部と、複数の凹部とを混在させて配置してもよい。導光板の上面110aの第1領域は、それぞれがドット状の複数の凸部、それぞれがドット状の複数の凹部、それぞれが円環形状を有する複数の凸部、および、それぞれが円環形状を有する複数の凹部から選ばれる2種以上の任意の組み合わせを有し得る。
【実施例】
【0121】
以下、第1穴部の構成の異なる複数のサンプルを作製し、発光素子の点灯時の輝度の分布を調べることにより、第1穴部の側面に2段階の傾斜を設け、第1穴部のうち導光板の下面に近い第1部分の内部に選択的に反射性樹脂層130を形成することによる輝度ムラ抑制の効果を検証した。
【0122】
(実施例)
実施例のサンプルとして、それぞれが、
図11に示す発光モジュール100Bと同様の構成を有する複数の発光モジュールの4行4列の配列を含む面発光光源を作製した。ここでは、酸化チタンの粒子が含有されたシリコーン樹脂で第1穴部10Bの第1部分11Bの全体を充填した。
【0123】
(比較例)
各発光モジュールの第1穴部の形状を側面が単一の傾斜を有する円錐状とし、酸化チタンの粒子が含有されたシリコーン樹脂で第1穴部の全体を充填した面発光光源を比較例のサンプルとして作製した。
【0124】
図19は、実施例のサンプルを導光板の上面側から見た外観を示す。
図19では、導光板の上面側に拡散シートと、第1および第2のプリズムシートとを載せた状態において、発光素子を点灯させたときの外観を示している。
図20は、
図19と同様に、比較例のサンプルを導光板の上面側から見た外観を示し、導光板の上面側に拡散シートと、第1および第2のプリズムシートとを載せた状態において、発光素子を点灯させたときの外観を示している。ここで、第1のプリズムシートと第2のプリズムシートとの間で各プリズムの稜線が互いに直交するようにこれらのプリズムシートを導光板の上面側に配置している。
【0125】
図19と
図20との比較から、実施例のサンプルでは導光板の上面側から見たときの輝度ムラがより抑制されていることがわかる。ここで、以下の方法により、輝度の均一性を評価した。まず、4行4列に配列された16個の発光モジュールのうち中央に位置する2行2列の部分を取り出し、この取り出された部分を、任意の大きさのメッシュで複数の領域に区画する。そして、区分された各領域について輝度を測定する。領域ごとの測定によって得られた複数の輝度値から最大値および最小値を抽出し、((輝度の最小値)/(輝度の最大値))*100(「*」は乗算を表す。)の計算式によって求めた値をサンプルの「輝度均一性(%)」として比較した。
【0126】
比較例のサンプルの輝度均一性は、78%であった。これに対し、実施例のサンプルの輝度均一性は、92%であった。すなわち、実施例のサンプルでは、中央に位置する2行2列の部分における輝度の最大値と最小値との差が縮小されていた。このように、円錐状の第1穴部の全体に光反射性樹脂層を形成した場合と比較して、第1穴部の側面の傾斜を2段階として、第1部分に選択的に光反射性樹脂層を形成することにより、導光板の上面における輝度ムラをより効果的に抑制できることがわかった。