特許第6867099号(P6867099)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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  • 特許6867099-油中水型乳化組成物 図000012
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6867099
(24)【登録日】2021年4月12日
(45)【発行日】2021年4月28日
(54)【発明の名称】油中水型乳化組成物
(51)【国際特許分類】
   A23D 7/015 20060101AFI20210419BHJP
【FI】
   A23D7/015 500
【請求項の数】5
【全頁数】12
(21)【出願番号】特願2015-60826(P2015-60826)
(22)【出願日】2015年3月24日
(65)【公開番号】特開2016-178892(P2016-178892A)
(43)【公開日】2016年10月13日
【審査請求日】2018年1月22日
【審判番号】不服2019-10591(P2019-10591/J1)
【審判請求日】2019年8月8日
(73)【特許権者】
【識別番号】711002926
【氏名又は名称】雪印メグミルク株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000774
【氏名又は名称】特許業務法人 もえぎ特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】石橋 三希
(72)【発明者】
【氏名】岩橋 孝
【合議体】
【審判長】 大熊 幸治
【審判官】 関 美祝
【審判官】 冨永 保
(56)【参考文献】
【文献】 特開2010−29120(JP,A)
【文献】 特開2014−195427(JP,A)
【文献】 国際公開第99/27797(WO,A1)
【文献】 特開2012−175949(JP,A)
【文献】 特開2000−279089(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A23D 7/00 - 7/06
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
脂肪酸組成中の飽和脂肪酸が1重量%以上15重量%以下であり、
36℃付近における下記電気伝導度が試料を脱イオン水に添加してから35分後に0.05mS/m以上1.0mS/m以下であり、
油中水型乳化組成物中の油相が5重量%以上35重量%以下であり、
乳化剤としてHLB5以下のグリセリン脂肪酸エステル及びHLB2以下のポリグリセリン縮合リシノレイン酸エステルの両方を含むことを特徴とする油中水型乳化組成物。

<電気伝導度>
試料が直接電極に触れないよう2つの200mL容量のビーカーをネットを挟んで連結させ、36℃付近の脱イオン水400gに切り出した試料を10g添加して測定する。
【請求項2】
さらに油中水型乳化組成物中のトランス脂肪酸が0.1重量%以上3.5重量%未満であることを特徴とする請求項1に記載の油中水型乳化組成物。
【請求項3】
さらに加工デンプンを含有することを特徴とする請求項1または2に記載の油中水型乳化組成物。
【請求項4】
前記加工デンプンが酸化デンプン、ヒドロキシプロピルデンプンのいずれか1種以上を含有することを特徴とする請求項に記載の油中水型乳化組成物。
【請求項5】
前記油中水型乳化組成物中の前記加工デンプンが0.1重量%以上30重量%以下であることを特徴とする請求項3または4に記載の油中水型乳化組成物。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、脂肪酸組成中の飽和脂肪酸が1重量%以上15重量%以下および36℃付近における電気伝導度が35分後に0.05mS/m以上1.0mS/m以下であることを特徴とする油相が5重量%以上35重量%以下である油中水型乳化組成物に関する。本発明は、風味発現性が良好であり、微生物育成が抑制され、また、その製造方法が簡便な油中水型乳化組成物を提供することができる。
【背景技術】
【0002】
従来、低脂肪スプレッドを製造するために多種の方法が取られてきた。例えば、酸化デンプン、ヒドロキシプロピルデンプンのいずれか1種以上およびゼラチンを用いる方法(特許文献1)95乃至86重量%の水性相と少なくとも5のN20値を有する5乃至14重量%の連続脂肪相とを含む方法(特許文献2)、30重量%より少ない脂肪含量を有し、タン白又はハイドロコロイド又はこれらの混合物を含有する水性相を含む連続脂肪相から成る食用可塑性分散体であって、水性相を構成する組成物は35℃の温度および1000秒-1の剪断速度で400cps(400mPa・s)より少ない粘度を有し、そしてアミノ酸残基含量は水性相の重量基準で計算して200ppmより少なくする方法(特許文献3)、10〜35重量%の連続脂肪相および90〜65重量%の分散水性相を含む、35重量%より少ない脂肪を含有するスプレッドであって、水性相を構成する組成物は17090秒-1の剪断速度および5℃の温度で少なくとも20mPa・sの粘度を有する方法(特許文献4)、解乳化特性の異なる2種類以上の乳化組成物を調製し、これらを混合する方法(特許文献5)が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2014−195427号公報
【特許文献2】特開平3−272645号公報
【特許文献3】特開昭63−248342号公報
【特許文献4】特開昭62−232335号公報
【特許文献5】特開2000−279089号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、従来の方法では、得られた低脂肪スプレッドの風味発現性と微生物育成の抑制を両立することは難しく、また、その製造方法も必ずしも簡便なものではなかった。
特許文献1では、酸化デンプン、ヒドロキシプロピルデンプンのいずれか1種以上およびゼラチンを用いて低脂肪スプレッドを調製し、風味発現性および微生物育成を評価しているが、油中水型乳化組成物の水相に着目したものであり、油相についての技術の開示はない。さらに油相含量、飽和脂肪酸量を物性値の電気伝導度と関連付けられたことは今までなく、油相含量、飽和脂肪酸量、および電気伝導度値を特定の範囲にすることにより、風味発現性と微生物育成の抑制の両立が成されることは知られていなかった。電気伝導度はスプレッド(油中水型乳化組成物)の解乳化(乳化状態が壊れる状態)の程度の指標となり、特許文献2〜5では、電気伝導度を微生物育成の抑制や風味発現性の指標として用いている。特許文献2〜4では、微生物育成の抑制や転相抑制の指標として10℃や15℃でスプレッドそのものの電気伝導度を測定しており、その値は低ければ低いほど望ましいものであった。また、風味発現性についての開示はない。特許文献5は、口中温度を模した測定により風味発現性の指標としてスプレッドを水中に添加した電気伝導度を測定しており、その値は高いほど望ましいものであった。また、微生物育成の抑制についての開示はない。
【0005】
本発明の目的は、風味発現性が良好であり、微生物育成が抑制された油中水型乳化組成物、またはその製造方法が簡便な油中水型乳化組成物を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明者らは前記課題を解決すべく鋭意研究を進めた結果、脂肪酸組成中の飽和脂肪酸が1重量%以上15重量%以下および36℃付近における電気伝導度が35分後に0.05mS/m以上1.0mS/m以下とすることにより前記課題を解決することを見出した。すなわち、本発明は以下の通りである。
(1)脂肪酸組成中の飽和脂肪酸が1重量%以上15重量%以下および36℃付近における電気伝導度が35分後に0.05mS/m以上1.0mS/m以下であることを特徴とする油相が5重量%以上35重量%以下である油中水型乳化組成物。
(2)さらに油中水型乳化組成物中のトランス脂肪酸が0.1重量%以上3.5重量%未満であることを特徴とする上記(1)に記載の油中水型乳化組成物。
(3)さらに加工デンプンを含有することを特徴とする上記(1)または(2)に記載の油中水型乳化組成物。
(4)前記加工デンプンが酸化デンプン、ヒドロキシプロピルデンプンのいずれか1種以上を含有することを特徴とする上記(1)〜(3)のいずれかに記載の油中水型乳化組成物。
(5)前記加工デンプンを0.1重量%以上30重量%以下含有することを特徴とする上記(4)に記載の油中水型乳化組成物。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、風味発現性が良好であり、微生物育成が抑制された油相5重量%以上35重量%以下の油中水型乳化組成物を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】電気伝導度の測定に用いた装置の概要を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明の油中型乳化組成物について詳細に説明する。
本発明の油中水型乳化組成物は、脂肪酸組成中の飽和脂肪酸が1重量%以上15重量%以下および36℃付近における電気伝導度が35分後に0.05mS/m以上1.0mS/m以下であることを特徴とする油相が5重量%以上35重量%以下である油中水型乳化組成物である。本発明における油中水型乳化組成物とは、油相が5重量%以上35重量%以下の油中水型乳化組成物をいう。本発明の油中水型乳化組成物としては、油相が5重量%以上35重量%以下であるいわゆる低脂肪マーガリン、低脂肪スプレッドや低脂肪食用油脂加工品を例示できるが、油相が該範囲に入る油中水型乳化組成物であれば特に限定されるものではない。
【0010】
本発明の油中水型乳化組成物に用いられる油脂原料は、通常のマーガリンやスプレッド等の油中水型乳化組成物の製造で用いられるものであれば特に限定されず、例えば、ナタネ油、大豆油、パーム油、コーン油、サフラワー油、ヤシ油、オリーブ油等の食用植物油脂、乳脂肪、魚油、牛脂、豚脂等の食用動物油脂および食用植物油脂や食用動物油脂の硬化油、極度硬化油、エステル交換油、分別油等の食用精製加工油脂のいずれでも、あるいはこのような油脂を組み合わせたものであっても使用することができる。
本発明における油相とは、油脂原料および油系原料をあわせたものである。
これらの油脂原料量により、油中水型乳化組成物の油相を5重量%以上35重量%以下に調整することができる。5重量%未満であると油中水型が水中油型に転相してしまい、風味発現性および微生物育成抑制が劣り、35重量%を超えると保存中に液状油がにじみ出すオイルオフが起こり、風味発現性が劣る。
【0011】
油中水型乳化組成物における飽和脂肪酸の含有量は、消費者庁の栄養表示基準関連通知に記載の方法により測定することができる。
本発明による油中水型乳化組成物における脂肪酸組成中の飽和脂肪酸含有量は、1重量%以上15重量%以下である。15重量%を超えると全体的に硬くなって展延性、風味発現性に劣るという問題が生じやすくなる。1重量%未満であると液体となり、風味発現性に劣る。
【0012】
図1に本発明における電気伝導度の測定装置の一例を示す。電気伝導度は、試料が直接電極に触れないよう2つの200mL容量のビーカーをネットを挟んで連結させ、口中温度とほぼ同等の36℃付近(例えば35〜37℃)の脱イオン水400gに切り出した試料を10g添加して測定することができる。電気伝導度は、脱イオン水に添加された試料スプレッドの乳化が壊れた時に、水相に含有される塩分などの電解質が、脱イオン水に放出されることにより上昇する。
このような36℃付近における電気伝導度は、試料を脱イオン水に添加してから35分後において0.05mS/m以上1.0mS/m以下であり、0.1mS/m以上0.7mS/m以下がより好ましい。
【0013】
油中水型乳化組成物におけるトランス脂肪酸は、AOCS Ce1h−05(アメリカ油化学会)の分析方法により測定することができる。
油中水型乳化組成物中のトランス脂肪酸含有量は、0.1重量%以上3.5重量%未満であり、0.1重量%以上3.0重量%以下がより好ましい。3.5重量%以上であるとややざらついた食感になることがあり、風味発現性がやや劣る場合がある。0.1重量%未満であると少量の油がにじむオイルオフが生じることがあり、風味発現性がやや劣る場合がある。
【0014】
本発明における加工デンプンとしては、食品添加物として許容されるものであればよく、例えば、アセチル化アジピン酸架橋デンプン、アセチル化酸化デンプン、アセチル化リン酸架橋デンプン、オクテニルコハク酸デンプンナトリウム、酢酸デンプン、酸化デンプン、ヒドロキシプロピル化リン酸架橋デンプン、ヒドロキシプロピルデンプン、リン酸架橋デンプン、リン酸化デンプン、リン酸モノエステル化リン酸架橋デンプンのいずれでも、あるいはこのような加工デンプンを組み合わせたものであっても使用することができる。
このような加工デンプンの配合量は、0.1重量%以上30重量%以下が好ましい。0.1重量%未満であるとやや離水が生じることがあり、風味発現性にやや劣る場合があり、30重量%を超えると少量の油がにじみ出すオイルオフが起こることがあり、風味発現性がやや劣る場合がある。
【0015】
本発明における酸化デンプンとしては、食品添加物として許容されるものであればよく、例えば、酸化度の低いものから高いものまで使用することができ、好ましくは低いものから中程度のものを使用することができるが特に限定されるものではない。
【0016】
本発明におけるヒドロキシプロピルデンプンとしては、食品添加物として許容されるものであればよく、例えば、エーテル化度の低いものから極めて高いものまで、更に酸処理で低粘度化したものを使用することができ、好ましくはエーテル化度の高いものから極めて高いものを使用することができるが、特に限定されるものではない。
【0017】
本発明においては、通常のマーガリンやスプレッド等の油中水型乳化組成物の製造で用いられる水系原料であれば特に限定されず、必要に応じて用いることができる。例えば、寒天、ゼラチン、ダイズ多糖類、発酵セルロース、デキストリン、アラビアガム、アルギン酸カリウム、アルギン酸カルシウム、アルギン酸ナトリウム、ガティガム、カードラン、カラギナン、カラヤガム、カルボキシメチルセルロースナトリウム、ローカストビーンガム、キサンタンガム、グァーガム、サイリウムシードガム、ジェランガム、タマリンドシードガム、タラガム、デキストラン、プルラン、ペクチン、さらに食物繊維でもある難消化性デキストリン、ポリデキストロース、イヌリン、小麦ファイバー、オート麦ファイバー、アップルファイバー、シトラスファイバーを使用することができる。
【0018】
本発明においては、乳化剤を含有させてもよく、水相や油相の両方または、どちらかに使用してもよい。乳化剤としては、食品添加物として許容されるものであればよく、例えば、キラヤ抽出物、グリセリン脂肪酸エステル(グリセリン酢酸脂肪酸エステル、グリセリン乳酸脂肪酸エステル、グリセリンクエン酸脂肪酸エステル、グリセリンコハク酸脂肪酸エステル、グリセリンジアセチル酒石酸脂肪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステル、ポリグリセリン縮合リシノレイン酸エステル、グリセリン酢酸エステル)、酵素処理レシチン、酵素分解レシチン、植物性ステロール、植物レシチン、ショ糖脂肪酸エステル、ステアロイル乳酸カルシウム、ソルビタン脂肪酸エステル、プロピレングリコール脂肪酸エステル、分別レシチン、卵黄レシチン、ポリソルベート20、ポリソルベート60、ポリソルベート65、およびポリソルベート80を使用することができ、好ましくはグリセリン脂肪酸エステル、より好ましくはHLB5以下のグリセリン脂肪酸エステルとHLB2以下のポリグリセリン縮合リシノレイン酸エステル(PGPR)を組み合わせて使用することができるが特に限定されるものではない。
なお、通常のマーガリンやスプレッド等の油中水型乳化組成物の製造で用いられる油系原料を必要に応じて用いることができる。
【0019】
次に、本発明の油中水型乳化組成物の製造について説明する。本発明の油中水型乳化組成物の製造における各処理工程は、公知の方法に従って行うことが出来る。例えば、まず油脂原料、油系原料等を用いて油相を調製した後、水系原料等を含有する水相を調製する。そして、先に調製した油相に水相を乳化、分散させて乳化物を得る。この乳化物を必要に応じて、定法により殺菌、急速冷却固化して練圧することにより油中水型乳化組成物を得ることができる。
【実施例】
【0020】
以下、実施例により本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はこれにより何ら限定されるものではない。
【0021】
[実施例1]
表1に示す配合に従い油相が4重量%以上45重量%以下、脂肪酸組成中の飽和脂肪酸が13重量%、電気伝導度値が0.35mS/m、油中水型乳化組成物中のトランス脂肪酸が1.5重量%、の低脂肪スプレッドを調製した。
【0022】
【表1】
【0023】
油脂原料は、大豆油、ナタネ油、大豆硬化油(融点41℃)を組み合わせて表1に示す油相量、飽和脂肪酸量、トランス脂肪酸量に調整し、これに油系原料(乳化剤およびβ‐カロチン)を添加し、60℃に保持しながら撹拌し、乳化剤およびβ‐カロチンを溶解させて油相を調製した。次いで、60〜80℃の温水に水系原料を添加、混合して溶解して水相とした。油相に水相を撹拌しながら添加して乳化し、さらに香料を加えて混合した。得られた乳化物を90℃まで昇温させ殺菌した後40℃まで冷却し、コンビネーターを急冷可塑化機として用い、冷却勾配および回転数を調整して表1に示す電気伝導度に調整し、15℃に冷却、練圧することによりスプレッド5種(実施例品1〜3、比較例品1、2)を得た。
【0024】
得られたスプレッドを容器に充填して5℃に保存した後、風味発現性および微生物育成について評価した。風味発現性については、官能評価の訓練を積んだ専門パネル10名によって5点法で実施した。微生物育成は、表面にカビ培養液を散布したスプレッドを25℃30日間保存し、表面(8.5×11cm)のカビ数を計測することにより実施した。結果は、次の評価基準に基づいて評価した。さらに、総合評価として上記指標を総合的に判断した結果を5点法で実施した。
【0025】
(風味発現性)
5:風味の発現が良好である。
4:風味の発現がやや良好である。
3:風味の発現が普通である。
2:風味の発現がやや悪い。
1:風味の発現が悪い。
【0026】
(微生物育成)
3:育成が抑制されている(表面のカビ数が0である)。
2:育成がやや抑制されている(表面のカビ数が5未満である)。
1:育成が抑制されない(表面のカビ数が5以上である)。
【0027】
(総合評価)
5:油中水型乳化組成物として極めて好ましい。
4:油中水型乳化組成物として好ましい。
3:油中水型乳化組成物としてやや好ましい。
2:油中水型乳化組成物としてやや劣る。
1:油中水型乳化組成物として劣る。
【0028】
結果を表2に示した。表2から明らかなように、実施例品1〜3は、風味発現性が良好で、微生物育成が抑制されていた。一方、実施例品より油相の含有量が低い比較例品1のスプレッドは転相してしまい、含有量が高い比較例品2はオイルオフを生じてしまい、風味発現性に劣っていた。
【0029】
【表2】
【0030】
[実施例2]
表3に示す配合に従い、油相が20重量%、脂肪酸組成中の飽和脂肪酸が0.9重量%以上25重量%以下、電気伝導度値が0.2mS/m、油中水型乳化組成物中のトランス脂肪酸が3.0重量%の低脂肪スプレッドを調製した。調製方法、および評価方法は実施例1と同様に行った。
【0031】
【表3】
【0032】
結果を表4に示した。表から明らかなように飽和脂肪酸1重量%以上15重量%以下が良好であった。
【0033】
【表4】
【0034】
[実施例3]
表5に示す配合に従い、油相が25重量%、脂肪酸組成中の飽和脂肪酸が15重量%、電気伝導度値が0.04mS/m以上1.1mS/m以下、油中水型乳化組成物中のトランス脂肪酸が2.0重量%の低脂肪スプレッドを調製した。調製方法、および評価方法は実施例1と同様に行った。
【0035】
【表5】
【0036】
結果を表6に示した。表から明らかなように、電気伝導度値が0.05mS/m以上1.0mS/m以下、特に0.1mS/m以上0.7mS/m以下が良好であった。
【0037】
【表6】
【0038】
[実施例4]
表7に示す配合に従い、油相が34重量%、脂肪酸組成中の飽和脂肪酸が12重量%、電気伝導度値が0.4mS/m、油中水型乳化組成物中のトランス脂肪酸が0.05重量%以上3.5重量%以下の低脂肪スプレッドを調製した。調製方法、および評価方法は実施例1と同様に行った。
【0039】
【表7】
【0040】
結果を表8に示した。表から明らかなように、トランス脂肪酸の配合量は、いずれの配合量も良好であり、0.1重量%以上3.4重量%以下がより良好であった。
【0041】
【表8】
【0042】
[実施例5]
表9に示す配合に従い、油相が24重量%、脂肪酸組成中の飽和脂肪酸が12.5重量%、電気伝導度値が0.15mS/m、油中水型乳化組成物中のトランス脂肪酸が1.0重量%の低脂肪スプレッドを調製した。調製方法、および評価方法は実施例1と同様に行った。
【0043】
【表9】
【0044】
結果を表10に示した。表から明らかなように、いずれの水系原料を含む油中水型乳化組成物も良好であり、サイリウムシードガム0.3重量%、酸化デンプン0.09重量%、31.0重量%、ヒドロキシプロピルリン酸架橋デンプン5.0重量%がより良好、酸化デンプン0.1重量%以上30.0重量%以下、ヒドロキシプロピルデンプン5.0重量%がさらに良好であった。
【0045】
【表10】
【産業上の利用可能性】
【0046】
本発明は、脂肪酸組成中の飽和脂肪酸が1重量%以上15重量%以下および36℃付近における電気伝導度が35分後に0.05mS/m以上1.0mS/m以下であることを特徴とする油相が5重量%以上35重量%以下である油中水型乳化組成物に関し、本発明の油中水型乳化組成物は、風味発現性が良好であり、微生物育成が抑制され、また、その製造方法が簡便な油中水型乳化組成物であり、低脂肪マーガリン、低脂肪スプレッド、各種低脂肪食用油脂加工品として提供できる。
図1