(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6867716
(24)【登録日】2021年4月13日
(45)【発行日】2021年5月12日
(54)【発明の名称】睡眠充足度推定装置及び睡眠充足度推定方法
(51)【国際特許分類】
A61B 5/16 20060101AFI20210426BHJP
【FI】
A61B5/16 130
A61B5/16ZDM
【請求項の数】14
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2019-568903(P2019-568903)
(86)(22)【出願日】2018年12月5日
(86)【国際出願番号】JP2018044758
(87)【国際公開番号】WO2019150761
(87)【国際公開日】20190808
【審査請求日】2020年6月16日
(31)【優先権主張番号】特願2018-17491(P2018-17491)
(32)【優先日】2018年2月2日
(33)【優先権主張国】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】301021533
【氏名又は名称】国立研究開発法人産業技術総合研究所
(74)【代理人】
【識別番号】100091443
【弁理士】
【氏名又は名称】西浦 ▲嗣▼晴
(72)【発明者】
【氏名】甲斐田 幸佐
【審査官】
冨永 昌彦
(56)【参考文献】
【文献】
特開2016−126376(JP,A)
【文献】
特開2009−181478(JP,A)
【文献】
特開2015−006258(JP,A)
【文献】
特開2016−218563(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61B 5/16
JSTPlus/JMEDPlus/JST7580(JDreamIII)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
睡眠充足度に応じて区分された睡眠充足度ゾーンと被験者の特性に応じた複数の関数を記憶する記憶手段と、
前記被験者の最大睡眠時間と初期の睡眠時間、前記被験者自身の評価、又は前記被験者以外から得られたデータから、前記睡眠充足度の初期値を決定し、前記被験者から得られた前記被験者の特性を示す特性データと、前記被験者の睡眠充足度が属する前記睡眠充足度ゾーンに応じて選択した前記関数を用いて、前記被験者の睡眠時間又は覚醒時間に応じた前記睡眠充足度の増減を算出することにより、前記被験者の前記睡眠充足度を推定する睡眠充足度推定手段とを備えた睡眠充足度推定装置。
【請求項2】
前記記憶手段は、さらに前記被験者の睡眠の質に応じて前記複数の関数を記憶すると共に、
前記睡眠充足度推定手段は、さらに前記睡眠の質に応じて前記関数を選択する、請求項1に記載の睡眠充足度推定装置。
【請求項3】
前記睡眠充足度ゾーンは、睡眠不足が生じていない状態における前記睡眠充足度の範囲からなる第一のゾーンと、睡眠不足により前記睡眠充足度の増減率が前記第一のゾーンにおける前記増減率より低くなる第二のゾーンと、寝だめ状態により前記増減率が前記第一のゾーンにおける前記増減率以下になる第三のゾーンを含む、請求項1に記載の睡眠充足度推定装置。
【請求項4】
前記睡眠充足度推定手段により推定された前記睡眠充足度を前記被験者に通知する通知手段をさらに備えた、請求項1に記載の睡眠充足度推定装置。
【請求項5】
前記関数は、前記被験者の睡眠時間又は覚醒時間を独立変数、前記睡眠充足度の増減を従属変数とするn(nは自然数)次関数である、請求項1に記載の睡眠充足度推定装置。
【請求項6】
前記n次関数の係数は、客観データ、主観若しくは他者データ、又は前記睡眠充足度の少なくとも一つに応じて決定される、請求項5に記載の睡眠充足度推定装置。
【請求項7】
前記客観データは気温、体温、湿度、気圧、運動量、日照時間、天気、食事内容、音爆露量、内分泌ホルモン量、若しくは月経リズムを示すデータの少なくとも一つを含み、前記主観若しくは他者データは体調若しくは気分を示すデータの少なくとも一つを含む、請求項6に記載の睡眠充足度推定装置。
【請求項8】
睡眠充足度に応じて区分された睡眠充足度ゾーンと被験者の特性に応じた複数の関数を用意する第一のステップと、
前記被験者の最大睡眠時間と初期の睡眠時間、前記被験者自身の評価、又は前記被験者以外から得られたデータから、前記睡眠充足度の初期値を決定する第二のステップと、
前記被験者の睡眠時間又は覚醒時間を計測する第三のステップと、
前記被験者から得られた前記被験者の特性を示す特性データと、前記被験者の前記睡眠充足度が属する前記睡眠充足度ゾーンに応じて選択した前記関数を用いて、前記睡眠時間又は覚醒時間に応じた前記睡眠充足度の増減を算出することにより、前記被験者の前記睡眠充足度を推定する第四のステップとを有する睡眠充足度推定方法。
【請求項9】
前記第一のステップでは、さらに前記被験者の睡眠の質に応じて前記複数の関数を用意すると共に、
前記第四のステップでは、さらに前記睡眠の質に応じて前記関数を選択する、請求項8に記載の睡眠充足度推定方法。
【請求項10】
前記睡眠充足度ゾーンは、睡眠不足が生じていない状態における前記睡眠充足度の範囲からなる第一のゾーンと、睡眠不足により前記睡眠充足度の増減率が前記第一のゾーンにおける前記増減率より低くなる第二のゾーンと、寝だめ状態により前記増減率が前記第一のゾーンにおける前記増減率以下になる第三のゾーンを含む、請求項8に記載の睡眠充足度推定方法。
【請求項11】
前記第四のステップで推定された前記睡眠充足度を前記被験者に通知する第五のステップをさらに有する、請求項8に記載の睡眠充足度推定方法。
【請求項12】
前記関数は、前記被験者の睡眠時間又は覚醒時間を独立変数、前記睡眠充足度の増減を従属変数とするn(nは自然数)次関数である、請求項8に記載の睡眠充足度推定方法。
【請求項13】
前記n次関数の係数は、客観データ、主観若しくは他者データ、又は前記睡眠充足度の少なくとも一つに応じて決定される、請求項12に記載の睡眠充足度推定方法。
【請求項14】
前記客観データは気温、体温、湿度、気圧、運動量、日照時間、天気、食事内容、音爆露量、内分泌ホルモン量、若しくは月経リズムを示すデータの少なくとも一つを含み、前記主観若しくは他者データは体調若しくは気分を示すデータの少なくとも一つを含む、請求項13に記載の睡眠充足度推定方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、睡眠充足状況を推定するための技術に関するものである。
【背景技術】
【0002】
特許文献1や特許文献2に見られるように、これまで、人の睡眠状況を評価するための技術が考案されてきている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2003−216734号公報
【特許文献2】特開2017−164580号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、特許文献1や特許文献2に開示された技術は、被験者から得られた回答やデータに基づいて睡眠状況を点数化することによって当該睡眠状況の良し悪しを評価するものに過ぎず、被験者は自己の睡眠充足度について知ることはできないという問題がある。
【0005】
本発明は、このような問題を解決するためになされたもので、被験者における睡眠状況の良し悪しにとどまらず、当該被験者の睡眠充足度を推定することができる睡眠充足度推定装置及び睡眠充足度推定方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するため、本発明は、睡眠充足度に応じて区分された睡眠充足度ゾーンと被験者の特性に応じた複数の関数を記憶する記憶手段と、被験者の最大睡眠時間と初期の睡眠時間、前記被験者自身の評価、又は前記被験者以外から得られたデータから、睡眠充足度の初期値を決定し、被験者から得られた被験者の特性を示す特性データと、被験者の睡眠充足度が属する睡眠充足度ゾーンに応じて選択した上記関数を用いて、被験者の睡眠時間又は覚醒時間に応じた睡眠充足度の増減を算出することにより、被験者の睡眠充足度を推定する睡眠充足度推定手段を備えた睡眠充足度推定装置を提供する。
【0007】
また、上記課題を解決するため、本発明は、睡眠充足度に応じて区分された睡眠充足度ゾーンと被験者の特性に応じた複数の関数を用意する第一のステップと、被験者の最大睡眠時間と初期の睡眠時間、前記被験者自身の評価、又は前記被験者以外から得られたデータから、睡眠充足度の初期値を決定する第二のステップと、被験者の睡眠時間又は覚醒時間を計測する第三のステップと、被験者から得られた被験者の特性を示す特性データと、被験者の睡眠充足度が属する睡眠充足度ゾーンに応じて選択した上記関数を用いて、上記睡眠時間又は覚醒時間に応じた睡眠充足度の増減を算出することにより、被験者の睡眠充足度を推定する第四のステップを有する睡眠充足度推定方法を提供する。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、被験者の睡眠充足度を推定することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】本発明の実施の形態に係る睡眠充足度推定装置1の構成を示すブロック図である。
【
図2】本発明の実施の形態に係る睡眠充足度推定方法を示すフローチャートである。
【
図3】
図2に示された睡眠充足度と睡眠時間の関係を示すグラフである。
【
図4】
図2に示された複数の関数を説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下において、本発明の実施の形態を図面を参照しつつ詳しく説明する。なお、図中同一符号は同一又は相当部分を示す。
【0011】
以下に詳述する本発明の実施の形態に係る睡眠充足度推定装置や睡眠充足度推定方法は、被験者の睡眠充足度を推定した上で、その結果を可視化する等により通知する技術である。ここで、睡眠充足度とは、当該被験者に必要な睡眠時間の最大値に対し、どの程度の睡眠時間が取れた状況にあるのかを示す度合いをいう。
【0012】
図1は、本発明の実施の形態に係る睡眠充足度推定装置1の構成を示すブロック図である。
図1に示されるように、本発明の実施の形態に係る睡眠充足度推定装置1は、入出力端子2と、入出力端子3に接続されたバス3と、それぞれバス3に接続された通知部4、睡眠充足度推定部5、及び記憶部6を備える。
【0013】
図2は、本発明の実施の形態に係る睡眠充足度推定方法を示すフローチャートである。以下においては、本睡眠充足度推定方法を
図1に示された睡眠充足度推定装置1の動作により実現する場合について説明するが、本睡眠充足度推定方法は睡眠充足度推定装置1を用いる場合に限られず広く適用できることはいうまでもない。
【0014】
ステップS1では、記憶部6が予め、睡眠充足度に応じて区分された睡眠充足度ゾーンと被験者の特性に応じた複数の関数を記憶する。ここで、記憶部6は、さらに被験者の睡眠の質に応じて上記複数の関数を記憶するようにしてもよい。以下では、
図3を参照して、上記の睡眠充足度ゾーン及び複数の関数について説明する。なお、睡眠充足度ゾーンはいくつに区分されても良いが、以下においては最も単純な場合を例に挙げて説明する。
【0015】
睡眠充足度と睡眠時間の関係は、
図3に示されるようなグラフで表すことができる。すなわち、
図3に示されるように、被験者の睡眠時間を例えば0以上時間T1未満のゾーンZ2、時間T1以上時間T2未満のゾーンZ1、時間T2以上のゾーンZ3と3つのゾーンに分けたとき、睡眠時間による睡眠充足度の増加速度(蓄積速度ともいう。)は以下のように各ゾーンによって異なると考えられる。なお、睡眠時間T1のとき睡眠充足度SL1であり、睡眠時間T2のとき睡眠充足度SL2とされる。
【0016】
ゾーンZ2は被験者の睡眠時間が少ない状況であり、
図3に示されるように睡眠時間の増加に応じた睡眠充足度蓄積速度は相対的に遅いものとなる。なお、ゾーンZ2における平均蓄積速度は、睡眠充足度SL1と睡眠時間T1の比から得ることができる。このようなゾーンZ2における特徴は、睡眠時間が少ない状況下では、被験者は睡眠時間を増加させても体調の回復には時間がかかることを意味していると考えられる。
【0017】
ゾーンZ1は被験者が日常生活において必要な睡眠時間を得ている状況であり、
図3に示されるように睡眠充足度蓄積速度は他のゾーンZ2,Z3に比して相対的に速いものとなる。このことは、睡眠充足度SL2と睡眠充足度SL1の差と、睡眠時間T2と睡眠時間T1との差の比から得られるゾーンZ1における平均蓄積速度が他のゾーンZ2,Z3における平均蓄積速度より大きな値となっていることからも理解できる。このようなゾーンZ1における特徴は、他のゾーンZ2,Z3と比べると少ない睡眠で睡眠充足度を高めることができるため、日常生活ではゾーンZ1の範囲内で生活することが、生活時間の活用効率、作業効率、睡眠回復効果の効率などにおいて、最も効率が良いことを意味していると考えられる。
【0018】
ゾーンZ3は被験者が日常生活で必要な程度以上に睡眠充足度を高めようとする、いわゆる寝だめを行う状態であり、
図3に示されるように睡眠充足度蓄積速度はゾーンZ2における当該速度と同程度かさらに遅いものになる。このようなゾーンZ3における特徴は、睡眠量の貯蓄にはかなりの睡眠時間を要することを意味していると考えられる。
【0019】
ゾーンZ1〜Z3は、それぞれ上記のような特徴を有するため、睡眠時間若しくは覚醒時間をX、睡眠充足度の増加若しくは減少分をY、各ゾーンZn(n=1〜3)における単位睡眠時間若しくは単位覚醒時間に対する睡眠充足度の増加若しくは減少度(以下単に「係数」という。)をKn(n=1〜3)とすれば、XとYとの関係は、例えば次式(1)のような一次関数で表すことができる。
【0021】
このとき、係数Knの値は、上記のようにゾーン毎に異なることになる。ここで、本係数Knの値は、被験者の性別や年齢、睡眠生活習慣、日中における眠気の有無などといった被験者の特性(以下、これらの特性を示すデータを「睡眠生態データ」という。)や睡眠の質の高低によっても変化する。
【0022】
なお、睡眠の質の高低は、観測された脳波の特徴により判別することができるが、寝返り回数、まくらの振動回数、呼吸数、心拍数変動、血圧変動、発汗量などの計測値から推定するなどの方法を採用してもよい。
【0023】
上記係数Knの値は、客観データ、主観若しくは他者データ、又は上記睡眠充足度の少なくとも一つに応じて変更のうえ決定しても良い。ここで、客観データには、季節や気温、体温、湿度、気圧、運動量、日照時間、天気、食事内容、音爆露量などの音環境、内分泌ホルモン量、若しくは月経リズムを示すデータの少なくとも一つが含まれる。また、主観若しくは他者データには、体調若しくは気分を示すデータの少なくとも一つが含まれる。従って、例えば、体調若しくは気分が良いことを示すデータに応じて係数Knの値を増加させ、体調若しくは気分が悪いことを示すデータに応じて係数Knの値を減少させるように、係数Knの値を調整することが考えられる。
【0024】
睡眠生態データとしてデータD1〜D3が得られ、睡眠の質を高い状態Hと低い状態Lで二値化した場合を例に挙げると、ゾーンZ1〜Z3における係数Knは、
図4に示された座標系における18個の部分空間内で異なる値をとることになる。例えば、
図4において斜線により囲まれた部分空間は、ゾーンZ1において睡眠生態データがデータD3で、かつ睡眠の質が高い状態Hに該当し、本部分空間に対応した係数の値が定められていることになる。
【0025】
これより、上記の例においては、記憶部6は式(1)及び上記18個の係数の値を記憶することにより、上記複数の関数を予め記憶することになる。
【0026】
次に、ステップS2では、被験者の最大睡眠時間と初期の睡眠時間、被験者自身の評価、又は前記被験者以外から得られたデータ、すなわちビッグデータから算出される値などの他者データや研究データから睡眠充足度の初期値を決定する。ここで、最大睡眠時間とは、被験者に必要な睡眠時間を意味し、制限なく睡眠をとれる状態における被験者の睡眠時間を実測することにより得ることができる。また、被験者自身の評価とは、被験者が自己に必要な睡眠時間、若しくは現時点における睡眠充足度を自ら判断することを意味する。
【0027】
本ステップにおいては、被験者において計測された初期の睡眠時間と実測若しくは自己評価により得られた最大睡眠時間との比を計算し、又は、被験者自身の評価等を用いることによって睡眠充足度の初期値を決定することができる。
【0028】
次に、ステップS3では、被験者の睡眠時間又は覚醒時間を計測する。具体的には、運動量や姿勢、体動音量などの活動量や、脳波、心拍、血圧、皮膚電位、筋電位、胃音、発汗、体温などの生理情報を用いる他、公知の方法により被験者が睡眠若しくは覚醒のいずれの状態にあるかを判別することができるため、その結果を利用して睡眠時間又は覚醒時間を計測することができる。ここで、睡眠時間が計測された場合には、さらに、上記のような方法により被験者における当該睡眠の質の高低を判別するようにしてもよい。
【0029】
次に、ステップS4では、被験者から得られた被験者の特性を示す特性データと、被験者の睡眠充足度が属する睡眠充足度ゾーンに応じて選択した上記関数を用いて、睡眠時間又は覚醒時間に応じた睡眠充足度の増減を算出することにより、被験者の睡眠充足度を推定する。ここで、上記関数は、さらに睡眠の質に応じて選択するようにしてもよい。
【0030】
具体的には、例えば、睡眠充足度推定部5は、上記のようにステップS1において記憶部6に記憶された複数の係数の中から、現時点における睡眠状態が属する睡眠充足度ゾーン、被験者の睡眠生態データ、及び睡眠の質に応じた係数を選択した上で、式(1)を用いて、ステップS3で計測された睡眠時間から睡眠充足度の増加分を算出する。
【0031】
このとき、睡眠充足度推定部5は、上記演算に際して、上記特性データ、睡眠充足度ゾーンを示すデータ、及び睡眠の質に関するデータを記憶部6から呼び出すが、これらのデータを入出力端子2及びバス3を介して外部から入力するようにしても良い。
【0032】
なお、ステップS3において覚醒時間が計測された場合には、睡眠時間が計測された場合と同様に、睡眠充足度ゾーンと睡眠生態データに応じて予め記憶部6に記憶された係数を用いて睡眠充足度の減少分が算出される。
【0033】
このように、睡眠充足度推定部5は、元の睡眠充足度に上記増減分を加味して睡眠充足度を更新することによって、当該被験者における最新の睡眠充足度を推定することができる。
【0034】
そして、ステップS5では、ステップS4で推定された睡眠充足度を被験者に通知する。具体的には、例えば通知部4が、睡眠充足度推定部5により推定された上記最新の睡眠充足度をモニタに表示し、または音声を発するなど人の五感に訴える方法により被験者に通知する。
【0035】
なお、上記の式(1)において示された関数は、一般的にn(nは自然数)次関数であっても良く、当該n次関数の係数も上記係数Knと同様に考えることができる。
【0036】
以上より、本発明の実施の形態に係る睡眠充足度推定装置及び睡眠充足度推定方法によれば、被験者の睡眠充足度を随時推定することができ、さらにその結果を被験者に通知することができる。
【符号の説明】
【0037】
1 睡眠充足度推定装置
4 通知部
5 睡眠充足度推定部
6 記憶部