特許第6868008号(P6868008)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6868008
(24)【登録日】2021年4月13日
(45)【発行日】2021年5月12日
(54)【発明の名称】疼痛のための治療化合物及びその合成
(51)【国際特許分類】
   C07D 471/18 20060101AFI20210426BHJP
   A61P 25/04 20060101ALI20210426BHJP
   A61P 29/02 20060101ALI20210426BHJP
   A61K 31/439 20060101ALI20210426BHJP
   C07F 7/18 20060101ALI20210426BHJP
【FI】
   C07D471/18CSP
   A61P25/04
   A61P29/02
   A61K31/439
   C07F7/18 T
【請求項の数】38
【全頁数】80
(21)【出願番号】特願2018-511626(P2018-511626)
(86)(22)【出願日】2016年9月1日
(65)【公表番号】特表2018-527355(P2018-527355A)
(43)【公表日】2018年9月20日
(86)【国際出願番号】US2016049893
(87)【国際公開番号】WO2017040778
(87)【国際公開日】20170309
【審査請求日】2018年10月15日
(31)【優先権主張番号】62/214,727
(32)【優先日】2015年9月4日
(33)【優先権主張国】US
(31)【優先権主張番号】62/214,734
(32)【優先日】2015年9月4日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】397060175
【氏名又は名称】ヤンセン ファーマシューティカ エヌ.ベー.
(74)【代理人】
【識別番号】100092783
【弁理士】
【氏名又は名称】小林 浩
(74)【代理人】
【識別番号】100095360
【弁理士】
【氏名又は名称】片山 英二
(74)【代理人】
【識別番号】100093676
【弁理士】
【氏名又は名称】小林 純子
(74)【代理人】
【識別番号】100120134
【弁理士】
【氏名又は名称】大森 規雄
(74)【代理人】
【識別番号】100153693
【弁理士】
【氏名又は名称】岩田 耕一
(74)【代理人】
【識別番号】100162617
【弁理士】
【氏名又は名称】大賀 沙央里
(74)【代理人】
【識別番号】100104282
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴木 康仁
(72)【発明者】
【氏名】デコルト,バート リーベン ダニエル
(72)【発明者】
【氏名】リュスヘル,ヤコブ コルネリス
(72)【発明者】
【氏名】モンネ,メンノ コルネリス フランシスクス
【審査官】 松澤 優子
(56)【参考文献】
【文献】 特表2004−511557(JP,A)
【文献】 国際公開第2008/104955(WO,A1)
【文献】 特表2007−501862(JP,A)
【文献】 国際公開第2009/124755(WO,A1)
【文献】 特開昭61−068417(JP,A)
【文献】 特表2009−506037(JP,A)
【文献】 国際公開第2008/112734(WO,A1)
【文献】 特表平05−507687(JP,A)
【文献】 特表2003−513044(JP,A)
【文献】 Polonovski, Max et al.,psi-Scopine and scopoline,Compt. rend.,1928年,186,PP.147-149
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C07D
A61K
A61P
C07F
CAplus/REGISTRY(STN)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
下記式(式XXIII)の化合物、又はその立体異性体、若しくは薬学的に許容される塩:
【化1】
[式中、
は、水素、並びにハロ、=O、=N−CN、=N−OR’、=NR’、OR’、N(R’)、SR’、SOR’、SONR’、NR’SOR’、NR’CONR’、NR’COOR’、NR’COR’、CN、COOR’、CON(R’)、OOCR’、COR’、及びNOから選択される1つ又は2つ以上の置換基で任意に置換されているC〜C10アルキル基、〜Cアシル基、及びシリル基(ここで、各R’は独立して、H、C〜Cアルキル、C〜Cヘテロアルキル、C〜Cアシル、C〜Cヘテロアシル、C〜C10アリール、C〜C10ヘテロアリール、C〜C12アリールアルキル、又はC〜C12ヘテロアリールアルキルであり、これらの各々が、ハロ、C〜Cアルキル、C〜Cヘテロアルキル、C〜Cアシル、C〜Cヘテロアシル、ヒドロキシ、アミノ、及び=Oから選択される1つ又は2つ以上の基で任意に置換されており、2つのR’が結合して、3個以下のヘテロ原子を任意に含有する3〜7員環を形成していてもよい)からなる群から選択され、
は、水素、並びにハロ、=O、=N−CN、=N−OR’、=NR’、OR’、N(R’)、SR’、SOR’、SONR’、NR’SOR’、NR’CONR’、NR’COOR’、NR’COR’、CN、COOR’、CON(R’)、OOCR’、COR’、及びNOから選択される1つ又は2つ以上の置換基で任意に置換されているC〜C10アルキル基、ベンジル基、及び〜Cアシル基(ここで、各R’は独立して、H、C〜Cアルキル、C〜Cヘテロアルキル、C〜Cアシル、C〜Cヘテロアシル、C〜C10アリール、C〜C10ヘテロアリール、C〜C12アリールアルキル、又はC〜C12ヘテロアリールアルキルであり、これらの各々が、ハロ、C〜Cアルキル、C〜Cヘテロアルキル、C〜Cアシル、C〜Cヘテロアシル、ヒドロキシ、アミノ、及び=Oから選択される1つ又は2つ以上の基で任意に置換されており、2つのR’が結合して、3個以下のヘテロ原子を任意に含有する3〜7員環を形成していてもよい)からなる群から選択され、
は、水素、並びにハロ、=O、=N−CN、=N−OR’、=NR’、OR’、N(R’)、SR’、SOR’、SONR’、NR’SOR’、NR’CONR’、NR’COOR’、NR’COR’、CN、COOR’、CON(R’)、OOCR’、COR’、及びNOから選択される1つ又は2つ以上の置換基で任意に置換されているC〜C10アルキル基、芳香族基、アザ環式基、炭素環基、〜C10アリール基、〜Cシクロアルキル基、〜C10ヘテロシクロアルキル基、〜C10複素環基、〜C10ヘテロアリール基、〜Cヘテロアルキル基、及び〜Cアシル基(ここで、各R’は独立して、H、C〜Cアルキル、C〜Cヘテロアルキル、C〜Cアシル、C〜Cヘテロアシル、C〜C10アリール、C〜C10ヘテロアリール、C〜C12アリールアルキル、又はC〜C12ヘテロアリールアルキルであり、これらの各々が、ハロ、C〜Cアルキル、C〜Cヘテロアルキル、C〜Cアシル、C〜Cヘテロアシル、ヒドロキシ、アミノ、及び=Oから選択される1つ又は2つ以上の基で任意に置換されており、2つのR’が結合して、3個以下のヘテロ原子を任意に含有する3〜7員環を形成していてもよい)からなる群から選択される]。
【請求項2】
が、ハロ、=O、=N−CN、=N−OR’、=NR’、OR’、N(R’)、SR’、SOR’、SONR’、NR’SOR’、NR’CONR’、NR’COOR’、NR’COR’、CN、COOR’、CON(R’)、OOCR’、COR’、及びNOから選択される1つ又は2つ以上の置換基で置換されている〜C10アルキル基、〜Cアシル基、又はシリル基である(ここで、各R’は独立して、H、C〜Cアルキル、C〜Cヘテロアルキル、C〜Cアシル、C〜Cヘテロアシル、C〜C10アリール、C〜C10ヘテロアリール、C〜C12アリールアルキル、又はC〜C12ヘテロアリールアルキルであり、これらの各々が、ハロ、C〜Cアルキル、C〜Cヘテロアルキル、C〜Cアシル、C〜Cヘテロアシル、ヒドロキシ、アミノ、及び=Oから選択される1つ又は2つ以上の基で任意に置換されており、2つのR’が結合して、3個以下のヘテロ原子を任意に含有する3〜7員環を形成していてもよい)、請求項1に記載の化合物。
【請求項3】
が、ハロ、=O、=N−CN、=N−OR’、=NR’、OR’、N(R’)、SR’、SOR’、SONR’、NR’SOR’、NR’CONR’、NR’COOR’、NR’COR’、CN、COOR’、CON(R’)、OOCR’、COR’、及びNOから選択される1つ又は2つ以上の置換基で置換されている〜C10アルキル基、ベンジル基、又は〜Cアシル基である(ここで、各R’は独立して、H、C〜Cアルキル、C〜Cヘテロアルキル、C〜Cアシル、C〜Cヘテロアシル、C〜C10アリール、C〜C10ヘテロアリール、C〜C12アリールアルキル、又はC〜C12ヘテロアリールアルキルであり、これらの各々が、ハロ、C〜Cアルキル、C〜Cヘテロアルキル、C〜Cアシル、C〜Cヘテロアシル、ヒドロキシ、アミノ、及び=Oから選択される1つ又は2つ以上の基で任意に置換されており、2つのR’が結合して、3個以下のヘテロ原子を任意に含有する3〜7員環を形成していてもよい)、請求項1に記載の化合物。
【請求項4】
が、ハロ、=O、=N−CN、=N−OR’、=NR’、OR’、N(R’)、SR’、SOR’、SONR’、NR’SOR’、NR’CONR’、NR’COOR’、NR’COR’、CN、COOR’、CON(R’)、OOCR’、COR’、及びNOから選択される1つ又は2つ以上の置換基で置換されている〜C10アルキル基、芳香族基、アザ環式基、炭素環基、〜C10アリール基、〜Cシクロアルキル基、〜C10ヘテロシクロアルキル基、〜C10複素環基、〜C10ヘテロアリール基、〜Cヘテロアルキル基、又は〜Cアシル基である(ここで、各R’は独立して、H、C〜Cアルキル、C〜Cヘテロアルキル、C〜Cアシル、C〜Cヘテロアシル、C〜C10アリール、C〜C10ヘテロアリール、C〜C12アリールアルキル、又はC〜C12ヘテロアリールアルキルであり、これらの各々が、ハロ、C〜Cアルキル、C〜Cヘテロアルキル、C〜Cアシル、C〜Cヘテロアシル、ヒドロキシ、アミノ、及び=Oから選択される1つ又は2つ以上の基で任意に置換されており、2つのR’が結合して、3個以下のヘテロ原子を任意に含有する3〜7員環を形成していてもよい)、請求項1に記載の化合物。
【請求項5】
下記式(式XXIII(A))を有する
【化2】
(式中、Rは、水素、又はハロ、=O、=N−CN、=N−OR’、=NR’、OR’、N(R’)、SR’、SOR’、SONR’、NR’SOR’、NR’CONR’、NR’COOR’、NR’COR’、CN、COOR’、CON(R’)、OOCR’、COR’、及びNOから選択される1つ又は2つ以上の置換基で任意に置換されているC〜C10アルキル基、芳香族基、アザ環式基、炭素環基、〜C10アリール基、〜Cシクロアルキル基、〜C10ヘテロシクロアルキル基、〜C10複素環基、〜C10ヘテロアリール基、〜Cヘテロアルキル基若しくはアシル基(ここで、各R’は独立して、H、C〜Cアルキル、C〜Cヘテロアルキル、C〜Cアシル、C〜Cヘテロアシル、C〜C10アリール、C〜C10ヘテロアリール、C〜C12アリールアルキル、又はC〜C12ヘテロアリールアルキルであり、これらの各々が、ハロ、C〜Cアルキル、C〜Cヘテロアルキル、C〜Cアシル、C〜Cヘテロアシル、ヒドロキシ、アミノ、及び=Oから選択される1つ又は2つ以上の基で任意に置換されており、2つのR’が結合して、3個以下のヘテロ原子を任意に含有する3〜7員環を形成していてもよい)である)、請求項1に記載の化合物、又はその立体異性体、若しくは薬学的に許容される塩。
【請求項6】
が、ハロ、=O、=N−CN、=N−OR’、=NR’、OR’、N(R’)、SR’、SOR’、SONR’、NR’SOR’、NR’CONR’、NR’COOR’、NR’COR’、CN、COOR’、CON(R’)、OOCR’、COR’、及びNOから選択される1つ又は2つ以上の置換基で置換されている〜C10アルキル基、芳香族基、アザ環式基、炭素環基、〜C10アリール基、シクロアルキル基、〜Cヘテロシクロアルキル基、〜C10複素環基、〜C10ヘテロアリール基、〜Cヘテロアルキル基、又は〜Cアシル基である(ここで、各R’は独立して、H、C〜Cアルキル、C〜Cヘテロアルキル、C〜Cアシル、C〜Cヘテロアシル、C〜C10アリール、C〜C10ヘテロアリール、C〜C12アリールアルキル、又はC〜C12ヘテロアリールアルキルであり、これらの各々が、ハロ、C〜Cアルキル、C〜Cヘテロアルキル、C〜Cアシル、C〜Cヘテロアシル、ヒドロキシ、アミノ、及び=Oから選択される1つ又は2つ以上の基で任意に置換されており、2つのR’が結合して、3個以下のヘテロ原子を任意に含有する3〜7員環を形成していてもよい)、請求項5に記載の化合物。
【請求項7】
下記式(式XXIII(B))を有する
【化3】
(式中、Rは、水素、又はハロ、=O、=N−CN、=N−OR’、=NR’、OR’、N(R’)、SR’、SOR’、SONR’、NR’SOR’、NR’CONR’、NR’COOR’、NR’COR’、CN、COOR’、CON(R’)、OOCR’、COR’、及びNOから選択される1つ又は2つ以上の置換基で任意に置換されているC〜C10アルキル基、芳香族基、アザ環式基、炭素環基、〜C10アリール基、〜Cシクロアルキル基、〜C10ヘテロシクロアルキル基、〜C10複素環基、〜C10ヘテロアリール基、〜Cヘテロアルキル基、若しくは〜Cアシル基(ここで、各R’は独立して、H、C〜Cアルキル、C〜Cヘテロアルキル、C〜Cアシル、C〜Cヘテロアシル、C〜C10アリール、C〜C10ヘテロアリール、C〜C12アリールアルキル、又はC〜C12ヘテロアリールアルキルであり、これらの各々が、ハロ、C〜Cアルキル、C〜Cヘテロアルキル、C〜Cアシル、C〜Cヘテロアシル、ヒドロキシ、アミノ、及び=Oから選択される1つ又は2つ以上の基で任意に置換されており、2つのR’が結合して、3個以下のヘテロ原子を任意に含有する3〜7員環を形成していてもよい)である)、請求項1に記載の化合物、又はその立体異性体、若しくは薬学的に許容される塩。
【請求項8】
が、ハロ、=O、=N−CN、=N−OR’、=NR’、OR’、N(R’)、SR’、SOR’、SONR’、NR’SOR’、NR’CONR’、NR’COOR’、NR’COR’、CN、COOR’、CON(R’)、OOCR’、COR’、及びNOから選択される1つ又は2つ以上の置換基で置換されているアルキル基、芳香族基、アザ環式基、炭素環基、〜C10アリール基、〜Cシクロアルキル基、〜C10ヘテロシクロアルキル基、〜C10複素環基、〜C10ヘテロアリール基、〜Cヘテロアルキル基、又は〜Cアシル基である(ここで、各R’は独立して、H、C〜Cアルキル、C〜Cヘテロアルキル、C〜Cアシル、C〜Cヘテロアシル、C〜C10アリール、C〜C10ヘテロアリール、C〜C12アリールアルキル、又はC〜C12ヘテロアリールアルキルであり、これらの各々が、ハロ、C〜Cアルキル、C〜Cヘテロアルキル、C〜Cアシル、C〜Cヘテロアシル、ヒドロキシ、アミノ、及び=Oから選択される1つ又は2つ以上の基で任意に置換されており、2つのR’が結合して、3個以下のヘテロ原子を任意に含有する3〜7員環を形成していてもよい)、請求項7に記載の化合物。
【請求項9】
下記式(式XXIII(C))を有する
【化4】
(式中、Rは、水素、又はハロ、=O、=N−CN、=N−OR’、=NR’、OR’、N(R’)、SR’、SOR’、SONR’、NR’SOR’、NR’CONR’、NR’COOR’、NR’COR’、CN、COOR’、CON(R’)、OOCR’、COR’、及びNOから選択される1つ又は2つ以上の置換基で任意に置換されているC〜C10アルキル基、芳香族基、アザ環式基、炭素環基、〜C10アリール基、〜Cシクロアルキル基、〜C10ヘテロシクロアルキル基、〜C10複素環基、〜C10ヘテロアリール基、〜Cヘテロアルキル基、若しくは〜Cアシル基(ここで、各R’は独立して、H、C〜Cアルキル、C〜Cヘテロアルキル、C〜Cアシル、C〜Cヘテロアシル、C〜C10アリール、C〜C10ヘテロアリール、C〜C12アリールアルキル、又はC〜C12ヘテロアリールアルキルであり、これらの各々が、ハロ、C〜Cアルキル、C〜Cヘテロアルキル、C〜Cアシル、C〜Cヘテロアシル、ヒドロキシ、アミノ、及び=Oから選択される1つ又は2つ以上の基で任意に置換されており、2つのR’が結合して、3個以下のヘテロ原子を任意に含有する3〜7員環を形成していてもよい)である)、請求項7に記載の化合物、又はその立体異性体、若しくは薬学的に許容される塩。
【請求項10】
が、ハロ、=O、=N−CN、=N−OR’、=NR’、OR’、N(R’)、SR’、SOR’、SONR’、NR’SOR’、NR’CONR’、NR’COOR’、NR’COR’、CN、COOR’、CON(R’)、OOCR’、COR’、及びNOから選択される1つ又は2つ以上の置換基で置換されている〜C10アルキル基、芳香族基、アザ環式基、炭素環基、〜C10アリール基、〜Cシクロアルキル基、〜C10ヘテロシクロアルキル基、〜C10複素環基、〜C10ヘテロアリール基、〜Cヘテロアルキル基、又は〜Cアシル基である(ここで、各R’は独立して、H、C〜Cアルキル、C〜Cヘテロアルキル、C〜Cアシル、C〜Cヘテロアシル、C〜C10アリール、C〜C10ヘテロアリール、C〜C12アリールアルキル、又はC〜C12ヘテロアリールアルキルであり、これらの各々が、ハロ、C〜Cアルキル、C〜Cヘテロアルキル、C〜Cアシル、C〜Cヘテロアシル、ヒドロキシ、アミノ、及び=Oから選択される1つ又は2つ以上の基で任意に置換されており、2つのR’が結合して、3個以下のヘテロ原子を任意に含有する3〜7員環を形成していてもよい)、請求項9に記載の化合物。
【請求項11】
下記式(式XXIII(E))を有する
【化5】
(式中、Rは、水素、又はハロ、=O、=N−CN、=N−OR’、=NR’、OR’、N(R’)、SR’、SOR’、SONR’、NR’SOR’、NR’CONR’、NR’COOR’、NR’COR’、CN、COOR’、CON(R’)、OOCR’、COR’、及びNOから選択される1つ又は2つ以上の置換基で任意に置換されているC〜Cアルキル基、芳香族基、アザ環式基、炭素環基、〜C10アリール基、〜Cシクロアルキル基、〜C10ヘテロシクロアルキル基、〜C10複素環基、〜C10ヘテロアリール基、〜Cヘテロアルキル基、若しくは〜Cアシル基(ここで、各R’は独立して、H、C〜Cアルキル、C〜Cヘテロアルキル、C〜Cアシル、C〜Cヘテロアシル、C〜C10アリール、C〜C10ヘテロアリール、C〜C12アリールアルキル、又はC〜C12ヘテロアリールアルキルであり、これらの各々が、ハロ、C〜Cアルキル、C〜Cヘテロアルキル、C〜Cアシル、C〜Cヘテロアシル、ヒドロキシ、アミノ、及び=Oから選択される1つ又は2つ以上の基で任意に置換されており、2つのR’が結合して、3個以下のヘテロ原子を任意に含有する3〜7員環を形成していてもよい)である)、請求項9に記載の化合物、又はその立体異性体、若しくは薬学的に許容される塩。
【請求項12】
が、ハロ、=O、=N−CN、=N−OR’、=NR’、OR’、N(R’)、SR’、SOR’、SONR’、NR’SOR’、NR’CONR’、NR’COOR’、NR’COR’、CN、COOR’、CON(R’)、OOCR’、COR’、及びNOから選択される1つ又は2つ以上の置換基で置換されている〜C10アルキル基、芳香族基、アザ環式基、炭素環基、〜C10アリール基、〜Cシクロアルキル基、〜C10ヘテロシクロアルキル基、〜C10複素環基、〜C10ヘテロアリール基、〜Cヘテロアルキル基、又は〜Cアシル基である(ここで、各R’は独立して、H、C〜Cアルキル、C〜Cヘテロアルキル、C〜Cアシル、C〜Cヘテロアシル、C〜C10アリール、C〜C10ヘテロアリール、C〜C12アリールアルキル、又はC〜C12ヘテロアリールアルキルであり、これらの各々が、ハロ、C〜Cアルキル、C〜Cヘテロアルキル、C〜Cアシル、C〜Cヘテロアシル、ヒドロキシ、アミノ、及び=Oから選択される1つ又は2つ以上の基で任意に置換されており、2つのR’が結合して、3個以下のヘテロ原子を任意に含有する3〜7員環を形成していてもよい)、請求項11に記載の化合物。
【請求項13】
下記式(式XXIII(D))を有する
【化6】
(式中、Rは、水素、又はハロ、=O、=N−CN、=N−OR’、=NR’、OR’、N(R’)、SR’、SOR’、SONR’、NR’SOR’、NR’CONR’、NR’COOR’、NR’COR’、CN、COOR’、CON(R’)、OOCR’、COR’、及びNOから選択される1つ又は2つ以上の置換基で任意に置換されているC〜Cアルキル基、芳香族基、アザ環式基、炭素環基、〜C10アリール基、〜Cシクロアルキル基、〜C10ヘテロシクロアルキル基、〜C10複素環基、〜C10ヘテロアリール基、〜Cヘテロアルキル基、若しくは〜Cアシル基(ここで、各R’は独立して、H、C〜Cアルキル、C〜Cヘテロアルキル、C〜Cアシル、C〜Cヘテロアシル、C〜C10アリール、C〜C10ヘテロアリール、C〜C12アリールアルキル、又はC〜C12ヘテロアリールアルキルであり、これらの各々が、ハロ、C〜Cアルキル、C〜Cヘテロアルキル、C〜Cアシル、C〜Cヘテロアシル、ヒドロキシ、アミノ、及び=Oから選択される1つ又は2つ以上の基で任意に置換されており、2つのR’が結合して、3個以下のヘテロ原子を任意に含有する3〜7員環を形成していてもよい)である)、請求項1に記載の化合物、又はその立体異性体、若しくは薬学的に許容される塩。
【請求項14】
が、ハロ、=O、=N−CN、=N−OR’、=NR’、OR’、N(R’)、SR’、SOR’、SONR’、NR’SOR’、NR’CONR’、NR’COOR’、NR’COR’、CN、COOR’、CON(R’)、OOCR’、COR’、及びNOから選択される1つ又は2つ以上の置換基で置換されている〜C10アルキル基、芳香族基、アザ環式基、炭素環基、〜C10アリール基、〜Cシクロアルキル基、〜C10ヘテロシクロアルキル基、〜C10複素環基、〜C10ヘテロアリール基、〜Cヘテロアルキル基、又は〜Cアシル基である(ここで、各R’は独立して、H、C〜Cアルキル、C〜Cヘテロアルキル、C〜Cアシル、C〜Cヘテロアシル、C〜C10アリール、C〜C10ヘテロアリール、C〜C12アリールアルキル、又はC〜C12ヘテロアリールアルキルであり、これらの各々が、ハロ、C〜Cアルキル、C〜Cヘテロアルキル、C〜Cアシル、C〜Cヘテロアシル、ヒドロキシ、アミノ、及び=Oから選択される1つ又は2つ以上の基で任意に置換されており、2つのR’が結合して、3個以下のヘテロ原子を任意に含有する3〜7員環を形成していてもよい)、請求項13に記載の化合物。
【請求項15】
が、任意に置換されたアリールメチル基である、請求項1に記載の化合物。
【請求項16】
が、任意に置換されたヘテロアリールメチル基である、請求項1に記載の化合物。
【請求項17】
が、tert−ブチルジフェニルシリル、ベンジル又は水素であり、
が、ベンジル又は水素であり、
が、−COOR、BOC又は水素である(ここで、Rは、アルキル及びベンジルからなる群から
選択される)、請求項1に記載の化合物。
【請求項18】
が、ベンジルである、請求項17に記載の化合物。
【請求項19】
が、1〜8個の炭素原子を有するアルキルである、請求項17に記載の化合物。
【請求項20】
が、エチルである、請求項17に記載の化合物。
【請求項21】
が、tert−ブチルである、請求項17に記載の化合物。
【請求項22】
下記式(式XVIII)の化合物、
【化7】
又はその立体異性体若しくは薬学的に許容される塩。
【請求項23】
下記式(式XXII)の化合物、
【化8】
又はその立体異性体若しくは薬学的に許容される塩。
【請求項24】
請求項22又は23に記載の化合物と、薬学的に許容される担体又は希釈剤とを含む、薬学的組成物。
【請求項25】
疼痛を治療するためのものである、請求項24に記載の薬学的組成物。
【請求項26】
局所送達をもたらすためのものである、請求項24又は25に記載の薬学的組成物。
【請求項27】
全身送達をもたらすためのものである、請求項24又は25に記載の薬学的組成物。
【請求項28】
前記疼痛が神経因性疼痛である、請求項25に記載の薬学的組成物。
【請求項29】
前記疼痛が慢性疼痛である、請求項25に記載の薬学的組成物。
【請求項30】
下記式(式I.a)
【化9】
下記式(式I.b)
【化10】
下記式(式II)
【化11】
下記式(式III)
【化12】
下記式(式IV)
【化13】
下記式(式V)
【化14】
下記式(式VI)
【化15】
下記式(式VI.a)
【化16】
下記式(式VII)
【化17】
下記式(式VIII)
【化18】
下記式(式IX)
【化19】
下記式(式X)
【化20】
下記式(式XIV)
【化21】
下記式(式XV)
【化22】
下記式(式XVI)
【化23】
下記式(式XVII)
【化24】
下記式(式XIX)
【化25】
下記式(式XX)
【化26】
、又は下記式(式XXI)
【化27】
を有する化合物、あるいはその薬学的に許容される塩又は立体異性体。
【請求項31】
前記化合物が、前記式I.a、式I.b、式II、式III、式IV、式V、又は式VIである、請求項30に記載の化合物。
【請求項32】
前記化合物が、式VI.a、式VII、式VIII、式IX、又は式Xである、請求項30に記載の化合物。
【請求項33】
前記化合物が、式XIV、式XV、式XVI、式XVII、式XIX、式XX又は式XXIである、請求項30に記載の化合物。
【請求項34】
スコポラミンを還元剤と反応させることを含む、下記式(式XXIII)の化合物又はその立体異性体、若しくは薬学的に許容される塩の製造方法:
【化28】
[式中、
は、水素、並びにハロ、=O、=N−CN、=N−OR’、=NR’、OR’、N(R’)、SR’、SOR’、SONR’、NR’SOR’、NR’CONR’、NR’COOR’、NR’COR’、CN、COOR’、CON(R’)、OOCR’、COR’、及びNOから選択される1つ又は2つ以上の置換基で任意に置換されているC〜C10アルキル基、〜Cアシル基、及びシリル基(ここで、各R’は独立して、H、C〜Cアルキル、C〜Cヘテロアルキル、C〜Cアシル、C〜Cヘテロアシル、C〜C10アリール、C〜C10ヘテロアリール、C〜C12アリールアルキル、又はC〜C12ヘテロアリールアルキルであり、これらの各々が、ハロ、C〜Cアルキル、C〜Cヘテロアルキル、C〜Cアシル、C〜Cヘテロアシル、ヒドロキシ、アミノ、及び=Oから選択される1つ又は2つ以上の基で任意に置換されており、2つのR’が結合して、3個以下のヘテロ原子を任意に含有する3〜7員環を形成していてもよい)からな
る群から選択され、
は、水素、並びにハロ、=O、=N−CN、=N−OR’、=NR’、OR’、N(R’)、SR’、SOR’、SONR’、NR’SOR’、NR’CONR’、NR’COOR’、NR’COR’、CN、COOR’、CON(R’)、OOCR’、COR’、及びNOから選択される1つ又は2つ以上の置換基で任意に置換されているC〜C10アルキル基、ベンジル基、及び〜Cアシル基(ここで、各R’は独立して、H、C〜Cアルキル、C〜Cヘテロアルキル、C〜Cアシル、C〜Cヘテロアシル、C〜C10アリール、C〜C10ヘテロアリール、C〜C12アリールアルキル、又はC〜C12ヘテロアリールアルキルであり、これらの各々が、ハロ、C〜Cアルキル、C〜Cヘテロアルキル、C〜Cアシル、C〜Cヘテロアシル、ヒドロキシ、アミノ、及び=Oから選択される1つ又は2つ以上の基で任意に置換されており、2つのR’が結合して、3個以下のヘテロ原子を任意に含有する3〜7員環を形成していてもよい)からなる群から選択され、
は、水素、並びにハロ、=O、=N−CN、=N−OR’、=NR’、OR’、N(R’)、SR’、SOR’、SONR’、NR’SOR’、NR’CONR’、NR’COOR’、NR’COR’、CN、COOR’、CON(R’)、OOCR’、COR’、及びNOから選択される1つ又は2つ以上の置換基で任意に置換されているC〜C10アルキル基、芳香族基、アザ環式基、炭素環基、アリール基、〜Cシクロアルキル基、〜C10ヘテロシクロアルキル基、〜C10複素環基、〜C10ヘテロアリール基、〜Cヘテロアルキル基、及び〜Cアシル基(ここで、各R’は独立して、H、C〜Cアルキル、C〜Cヘテロアルキル、C〜Cアシル、C〜Cヘテロアシル、C〜C10アリール、C〜C10ヘテロアリール、C〜C12アリールアルキル、又はC〜C12ヘテロアリールアルキルであり、これらの各々が、ハロ、C〜Cアルキル、C〜Cヘテロアルキル、C〜Cアシル、C〜Cヘテロアシル、ヒドロキシ、アミノ、及び=Oから選択される1つ又は2つ以上の基で任意に置換されており、2つのR’が結合して、3個以下のヘテロ原子を任意に含有する3〜7員環を形成していてもよい)からなる群から選択される]。
【請求項35】
(a)Rは、ハロ、=O、=N−CN、=N−OR’、=NR’、OR’、N(R’)、SR’、SOR’、SONR’、NR’SOR’、NR’CONR’、NR’COOR’、NR’COR’、CN、COOR’、CON(R’)、OOCR’、COR’、及びNOから選択される1つ又は2つ以上の置換基で置換されている〜C10アルキル基、〜Cアシル基、又はシリル基であり(ここで、各R’は独立して、H、C〜Cアルキル、C〜Cヘテロアルキル、C〜Cアシル、C〜Cヘテロアシル、C〜C10アリール、C〜C10ヘテロアリール、C〜C12アリールアルキル、又はC〜C12ヘテロアリールアルキルであり、これらの各々が、ハロ、C〜Cアルキル、C〜Cヘテロアルキル、C〜Cアシル、C〜Cヘテロアシル、ヒドロキシ、アミノ、及び=Oから選択される1つ又は2つ以上の基で任意に置換されており、2つのR’が結合して、3個以下のヘテロ原子を任意に含有する3〜7員環を形成していてもよい)、又は、
(b)Rは、ハロ、=O、=N−CN、=N−OR’、=NR’、OR’、N(R’)、SR’、SOR’、SONR’、NR’SOR’、NR’CONR’、NR’COOR’、NR’COR’、CN、COOR’、CON(R’)、OOCR’、COR’、及びNOから選択される1つ又は2つ以上の置換基で置換されている〜C10アルキル基、ベンジル基、又は〜Cアシル基であり(ここで、各R’は独立して、H、C〜Cアルキル、C〜Cヘテロアルキル、C〜Cアシル、C〜Cヘテロアシル、C〜C10アリール、C〜C10ヘテロアリール、C〜C12アリールアルキル、又はC〜C12ヘテロアリールアルキルであり、これらの各々が、ハロ、C〜Cアルキル、C〜Cヘテロアルキル、C〜Cアシル、C〜Cヘテロアシル、ヒドロキシ、アミノ、及び=Oから選択される1つ又は2つ以上の基で任意に置換されており、2つのR’が結合して、3個以下のヘテロ原子を任意に含有する3〜7員環を形成していてもよい)、又は、
(c)Rは、ハロ、=O、=N−CN、=N−OR’、=NR’、OR’、N(R’)、SR’、SOR’、SONR’、NR’SOR’、NR’CONR’、NR’COOR’、NR’COR’、CN、COOR’、CON(R’)、OOCR’、COR’、及びNOから選択される1つ又は2つ以上の置換基で置換されている〜C10アルキル基、芳香族基、アザ環式基、炭素環基、〜C10アリール基、〜Cシクロアルキル基、〜C10ヘテロシクロアルキル基、〜C10複素環基、〜C10ヘテロアリール基、〜Cヘテロアルキル基、又は〜Cアシル基である(ここで、各R’は独立して、H、C〜Cアルキル、C〜Cヘテロアルキル、C〜Cアシル、C〜Cヘテロアシル、C〜C10アリール、C〜C10ヘテロアリール、C〜C12アリールアルキル、又はC〜C12ヘテロアリールアルキルであり、これらの各々が、ハロ、C〜Cアルキル、C〜Cヘテロアルキル、C〜Cアシル、C〜Cヘテロアシル、ヒドロキシ、アミノ、及び=Oから選択される1つ又は2つ以上の基で任意に置換されており、2つのR’が結合して、3個以下のヘテロ原子を任意に含有する3〜7員環を形成していてもよい)、
請求項34に記載の方法。
【請求項36】
下記式(式XVII)
【化29】
の化合物をピペロナールと反応させることによる、下記式(式XVIII)
【化30】
の化合物の製造方法。
【請求項37】
下記式(式XXI)
【化31】
の化合物を3−ホルミルベンズアミドと反応させることによる、下記式(式XXII)
【化32】
の化合物の製造方法。
【請求項38】
スコポラミンを還元剤と反応させることを含む、下記式(式I.a)
【化33】
又は下記式(式I.b)
【化34】
の化合物の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願の相互参照)
本特許出願は、2015年9月4日に出願された米国仮特許出願第62/214,727号、及び2015年9月4日に出願された同第62/214,734号の利益を主張するものであり、これらの各々が参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
【0002】
(発明の分野)
本発明は、動物、哺乳動物、及びヒトにおける病態及び障害を治療するために使用することができる、新しい薬学的に活性な化学化合物を提供する。
【背景技術】
【0003】
薬学的活性を有する新しい化学化合物は、これまで治療不可能であった病態の治療、従来の薬学的化合物で達成され得るよりも良好な病態の治療、及びこれまで従来の薬学的化合物で治療可能であったが、現在ではもはや有効に治療可能ではなくなった病態の治療に適応され得る。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明は、式XXIIIの化合物
【0005】
【化1】
(式中、Rは、水素、アルキル基、アシル基、又はシリル基であり、Rは、水素、アルキル基、ベンジル基、アシル基、又はエステル基であり、Rは、水素、アルキル基、芳香族基、アザ環式基、炭素環基、アリール基、シクロアルキル基、ヘテロシクロアルキル基、複素環基、ヘテロアリール基、ヘテロアルキル基、アシル基、又はエステル基である)、並びにその誘導体及び立体異性体を提供する。
【0006】
いくつかの実施形態では、R、R、及びR基は、1つ又は2つ以上の置換基で任意に置換されている。様々な実施形態では、任意の置換基は、ハロ、=O、=N−CN、=N−OR’、=NR’、OR’、N(R’)、SR’、SOR’、SONR’、NR’SOR’、NR’CONR’、NR’COOR’、NR’COR’、CN、COOR’、CON(R’)、OOCR’、COR’、及びNOから選択され、各R’は独立して、H、C〜Cアルキル、C〜Cヘテロアルキル、C〜Cアシル、C〜Cヘテロアシル、C〜C10アリール、C〜C10ヘテロアリール、C〜C12アリールアルキル、又はC〜C12ヘテロアリールアルキルであり、これらの各々が、ハロ、C〜Cアルキル、C〜Cヘテロアルキル、C〜Cアシル、C〜Cヘテロアシル、ヒドロキシ、アミノ、及び=Oから選択される1つ又は2つ以上の基で任意に置換されており、2つのR’が結合して、N、O、及びSから選択される3個以下のヘテロ原子を任意に含有する3〜7員環を形成していてもよい。
【0007】
特定の実施形態では、Rは、任意に置換されたアリールメチル基又は任意に置換されたヘテロアリールメチル基である。
【0008】
ある特定の実施形態では、本発明は、式XXIIIの化合物及び/又はその誘導体を含有する、薬学的組成物を含む。一実施形態では、本発明は、式XXIIIの化合物及び/又は誘導体を、薬学的に許容される担体又は希釈剤と共に含む、薬学的組成物を含む。別の実施形態では、本発明は、病態、疾患、又は障害に罹患している対象(ヒト若しくは動物)を治療するための方法であって、この対象に、有効量の式XXIIIの化合物又はその誘導体を投与することを含む、方法を提供する。一実施形態では、化合物が投与されて、対象に局所送達をもたらす。別の実施形態では、化合物が投与されて、対象に全身送達をもたらす。更なる実施形態では、式XXIIIの化合物又はその誘導体は、医薬品として使用されるか、又は医薬品の製造において使用される。いくつかの実施形態では、病態又は障害は、疼痛である。特定の実施形態では、疼痛は、神経因性疼痛又は慢性疼痛である。
【0009】
ある特定の実施形態では、Rは、トリフルオロアシルである。
【0010】
ある特定の実施形態では、Rは、tert−ブチルジフェニルシリルであり、Rは、水素であり、Rは、−COORであり、Rは、アルキル及びベンジルからなる群から選択される。更なる実施形態では、Rは、ベンジルであり、他の実施形態では、Rは、1〜8個の炭素原子を有するアルキルである。尚も更なる実施形態では、Rは、エチルである。他の実施形態では、Rは、tert−ブチルである。
【0011】
本発明は、式XXIII(A)の化合物
【0012】
【化2】
(式中、Rは、水素、アルキル基、芳香族基、アザ環式基、炭素環基、アリール基、シクロアルキル基、ヘテロシクロアルキル基、複素環基、ヘテロアリール基、ヘテロアルキル基、アシル基、又はエステル基であり、Rは、水素、アルキル基、ベンジル基、アシル基、又はエステル基であり、Rは、水素、アルキル基、芳香族基、アザ環式基、炭素環基、アリール基、シクロアルキル基、ヘテロシクロアルキル基、複素環基、ヘテロアリール基、ヘテロアルキル基、アシル基、又はエステル基である)、並びにその誘導体及び立体異性体を提供する。
【0013】
いくつかの実施形態では、Rは、ハロ、=O、=N−CN、=N−OR’、=NR’、OR’、N(R’)、SR’、SOR’、SONR’、NR’SOR’、NR’CONR’、NR’COOR’、NR’COR’、CN、COOR’、CON(R’)、OOCR’、COR’、及びNOから選択される1つ又は2つ以上の置換基で任意に置換されており、ここで、各R’は独立して、H、C〜Cアルキル、C〜Cヘテロアルキル、C〜Cアシル、C〜Cヘテロアシル、C〜C10アリール、C〜C10ヘテロアリール、C〜C12アリールアルキル、又はC〜C12ヘテロアリールアルキルであり、これらの各々が、ハロ、C〜Cアルキル、C〜Cヘテロアルキル、C〜Cアシル、C〜Cヘテロアシル、ヒドロキシ、アミノ、及び=Oから選択される1つ又は2つ以上の基で任意に置換されており、2つのR’が結合して、N、O、及びSから選択される3個以下のヘテロ原子を任意に含有する3〜7員環を形成していてもよい。
【0014】
いくつかの実施形態では、Rは、ハロ、=O、=N−CN、=N−OR’、=NR’、OR’、N(R’)、SR’、SOR’、SONR’、NR’SOR’、NR’CONR’、NR’COOR’、NR’COR’、CN、COOR’、CON(R’)、OOCR’、COR’、及びNOから選択される1つ又は2つ以上の置換基で任意に置換されており、ここで、各R’は独立して、H、C〜Cアルキル、C〜Cヘテロアルキル、C〜Cアシル、C〜Cヘテロアシル、C〜C10アリール、C〜C10ヘテロアリール、C〜C12アリールアルキル、又はC〜C12ヘテロアリールアルキルであり、これらの各々が、ハロ、C〜Cアルキル、C〜Cヘテロアルキル、C〜Cアシル、C〜Cヘテロアシル、ヒドロキシ、アミノ、及び=Oから選択される1つ又は2つ以上の基で任意に置換されており、2つのR’が結合して、N、O、及びSから選択される3個以下のヘテロ原子を任意に含有する3〜7員環を形成していてもよい。
【0015】
いくつかの実施形態では、Rは、ハロ、=O、=N−CN、=N−OR’、=NR’、OR’、N(R’)、SR’、SOR’、SONR’、NR’SOR’、NR’CONR’、NR’COOR’、NR’COR’、CN、COOR’、CON(R’)、OOCR’、COR’、及びNOから選択される1つ又は2つ以上の置換基で任意に置換されており、ここで、各R’は独立して、H、C〜Cアルキル、C〜Cヘテロアルキル、C〜Cアシル、C〜Cヘテロアシル、C〜C10アリール、C〜C10ヘテロアリール、C〜C12アリールアルキル、又はC〜C12ヘテロアリールアルキルであり、これらの各々が、ハロ、C〜Cアルキル、C〜Cヘテロアルキル、C〜Cアシル、C〜Cヘテロアシル、ヒドロキシ、アミノ、及び=Oから選択される1つ又は2つ以上の基で任意に置換されており、2つのR’が結合して、N、O、及びSから選択される3個以下のヘテロ原子を任意に含有する3〜7員環を形成していてもよい。
【0016】
本発明は、式XXIII(B)の化合物
【0017】
【化3】
(式中、Rは、水素、アルキル基、芳香族基、アザ環式基、炭素環基、アリール基、シクロアルキル基、ヘテロシクロアルキル基、複素環基、ヘテロアリール基、ヘテロアルキル基、アシル基、又はエステル基であり、Rが、水素、アルキル基、ベンジル基、アシル基、又はエステル基であり、Rが、水素、アルキル基、芳香族基、アザ環式基、炭素環基、アリール基、シクロアルキル基、ヘテロシクロアルキル基、複素環基、ヘテロアリール基、ヘテロアルキル基、アシル基、又はエステル基である)、並びにその誘導体及び立体異性体を提供する。
【0018】
いくつかの実施形態では、Rは、ハロ、=O、=N−CN、=N−OR’、=NR’、OR’、N(R’)、SR’、SOR’、SONR’、NR’SOR’、NR’CONR’、NR’COOR’、NR’COR’、CN、COOR’、CON(R’)、OOCR’、COR’、及びNOから選択される1つ又は2つ以上の置換基で任意に置換されており、ここで、各R’は独立して、H、C〜Cアルキル、C〜Cヘテロアルキル、C〜Cアシル、C〜Cヘテロアシル、C〜C10アリール、C〜C10ヘテロアリール、C〜C12アリールアルキル、又はC〜C12ヘテロアリールアルキルであり、これらの各々が、ハロ、C〜Cアルキル、C〜Cヘテロアルキル、C〜Cアシル、C〜Cヘテロアシル、ヒドロキシ、アミノ、及び=Oから選択される1つ又は2つ以上の基で任意に置換されており、2つのR’が結合して、N、O、及びSから選択される3個以下のヘテロ原子を任意に含有する3〜7員環を形成していてもよい。
【0019】
いくつかの実施形態では、Rは、ハロ、=O、=N−CN、=N−OR’、=NR’、OR’、N(R’)、SR’、SOR’、SONR’、NR’SOR’、NR’CONR’、NR’COOR’、NR’COR’、CN、COOR’、CON(R’)、OOCR’、COR’、及びNOから選択される1つ又は2つ以上の置換基で任意に置換されており、ここで、各R’は独立して、H、C〜Cアルキル、C〜Cヘテロアルキル、C〜Cアシル、C〜Cヘテロアシル、C〜C10アリール、C〜C10ヘテロアリール、C〜C12アリールアルキル、又はC〜C12ヘテロアリールアルキルであり、これらの各々が、ハロ、C〜Cアルキル、C〜Cヘテロアルキル、C〜Cアシル、C〜Cヘテロアシル、ヒドロキシ、アミノ、及び=Oから選択される1つ又は2つ以上の基で任意に置換されており、2つのR’が結合して、N、O、及びSから選択される3個以下のヘテロ原子を任意に含有する3〜7員環を形成していてもよい。
【0020】
いくつかの実施形態では、Rは、ハロ、=O、=N−CN、=N−OR’、=NR’、OR’、N(R’)、SR’、SOR’、SONR’、NR’SOR’、NR’CONR’、NR’COOR’、NR’COR’、CN、COOR’、CON(R’)、OOCR’、COR’、及びNOから選択される1つ又は2つ以上の置換基で任意に置換されており、ここで、各R’は独立して、H、C〜Cアルキル、C〜Cヘテロアルキル、C〜Cアシル、C〜Cヘテロアシル、C〜C10アリール、C〜C10ヘテロアリール、C〜C12アリールアルキル、又はC〜C12ヘテロアリールアルキルであり、これらの各々が、ハロ、C〜Cアルキル、C〜Cヘテロアルキル、C〜Cアシル、C〜Cヘテロアシル、ヒドロキシ、アミノ、及び=Oから選択される1つ又は2つ以上の基で任意に置換されており、2つのR’が結合して、N、O、及びSから選択される3個以下のヘテロ原子を任意に含有する3〜7員環を形成していてもよい。
【0021】
本発明は、式XXIII(C)の化合物
【0022】
【化4】
(式中、Rは、水素、アルキル基、芳香族基、アザ環式基、炭素環基、アリール基、シクロアルキル基、ヘテロシクロアルキル基、複素環基、ヘテロアリール基、ヘテロアルキル基、アシル基、又はエステル基であり、Rは、水素、アルキル基、ベンジル基、アシル基、又はエステル基であり、Rは、水素、アルキル基、芳香族基、アザ環式基、炭素環基、アリール基、シクロアルキル基、ヘテロシクロアルキル基、複素環基、ヘテロアリール基、ヘテロアルキル基、アシル基、又はエステル基である)、並びにその誘導体及び立体異性体を提供する。
【0023】
いくつかの実施形態では、Rは、ハロ、=O、=N−CN、=N−OR’、=NR’、OR’、N(R’)、SR’、SOR’、SONR’、NR’SOR’、NR’CONR’、NR’COOR’、NR’COR’、CN、COOR’、CON(R’)、OOCR’、COR’、及びNOから選択される1つ又は2つ以上の置換基で任意に置換されており、ここで、各R’は独立して、H、C〜Cアルキル、C〜Cヘテロアルキル、C〜Cアシル、C〜Cヘテロアシル、C〜C10アリール、C〜C10ヘテロアリール、C〜C12アリールアルキル、又はC〜C12ヘテロアリールアルキルであり、これらの各々が、ハロ、C〜Cアルキル、C〜Cヘテロアルキル、C〜Cアシル、C〜Cヘテロアシル、ヒドロキシ、アミノ、及び=Oから選択される1つ又は2つ以上の基で任意に置換されており、2つのR’が結合して、N、O、及びSから選択される3個以下のヘテロ原子を任意に含有する3〜7員環を形成していてもよい。
【0024】
いくつかの実施形態では、Rは、ハロ、=O、=N−CN、=N−OR’、=NR’、OR’、N(R’)、SR’、SOR’、SONR’、NR’SOR’、NR’CONR’、NR’COOR’、NR’COR’、CN、COOR’、CON(R’)、OOCR’、COR’、及びNOから選択される1つ又は2つ以上の置換基で任意に置換されており、ここで、各R’は独立して、H、C〜Cアルキル、C〜Cヘテロアルキル、C〜Cアシル、C〜Cヘテロアシル、C〜C10アリール、C〜C10ヘテロアリール、C〜C12アリールアルキル、又はC〜C12ヘテロアリールアルキルであり、これらの各々が、ハロ、C〜Cアルキル、C〜Cヘテロアルキル、C〜Cアシル、C〜Cヘテロアシル、ヒドロキシ、アミノ、及び=Oから選択される1つ又は2つ以上の基で任意に置換されており、2つのR’が結合して、N、O、及びSから選択される3個以下のヘテロ原子を任意に含有する3〜7員環を形成していてもよい。
【0025】
いくつかの実施形態では、Rは、ハロ、=O、=N−CN、=N−OR’、=NR’、OR’、N(R’)、SR’、SOR’、SONR’、NR’SOR’、NR’CONR’、NR’COOR’、NR’COR’、CN、COOR’、CON(R’)、OOCR’、COR’、及びNOから選択される1つ又は2つ以上の置換基で任意に置換されており、ここで、各R’は独立して、H、C〜Cアルキル、C〜Cヘテロアルキル、C〜Cアシル、C〜Cヘテロアシル、C〜C10アリール、C〜C10ヘテロアリール、C〜C12アリールアルキル、又はC〜C12ヘテロアリールアルキルであり、これらの各々が、ハロ、C〜Cアルキル、C〜Cヘテロアルキル、C〜Cアシル、C〜Cヘテロアシル、ヒドロキシ、アミノ、及び=Oから選択される1つ又は2つ以上の基で任意に置換されており、2つのR’が結合して、N、O、及びSから選択される3個以下のヘテロ原子を任意に含有する3〜7員環を形成していてもよい。
【0026】
本発明は、式XXIII(D)の化合物
【0027】
【化5】
(式中、Rは、水素、アルキル基、芳香族基、アザ環式基、炭素環基、アリール基、シクロアルキル基、ヘテロシクロアルキル基、複素環基、ヘテロアリール基、ヘテロアルキル基、アシル基、又はエステル基であり、Rは、水素、アルキル基、ベンジル基、アシル基、又はエステル基であり、Rは、水素、アルキル基、芳香族基、アザ環式基、炭素環基、アリール基、シクロアルキル基、ヘテロシクロアルキル基、複素環基、ヘテロアリール基、ヘテロアルキル基、アシル基、又はエステル基である)、並びにその誘導体及び立体異性体を提供する。
【0028】
いくつかの実施形態では、Rは、ハロ、=O、=N−CN、=N−OR’、=NR’、OR’、N(R’)、SR’、SOR’、SONR’、NR’SOR’、NR’CONR’、NR’COOR’、NR’COR’、CN、COOR’、CON(R’)、OOCR’、COR’、及びNOから選択される1つ又は2つ以上の置換基で任意に置換されており、ここで、各R’は独立して、H、C〜Cアルキル、C〜Cヘテロアルキル、C〜Cアシル、C〜Cヘテロアシル、C〜C10アリール、C〜C10ヘテロアリール、C〜C12アリールアルキル、又はC〜C12ヘテロアリールアルキルであり、これらの各々が、ハロ、C〜Cアルキル、C〜Cヘテロアルキル、C〜Cアシル、C〜Cヘテロアシル、ヒドロキシ、アミノ、及び=Oから選択される1つ又は2つ以上の基で任意に置換されており、2つのR’が結合して、N、O、及びSから選択される3個以下のヘテロ原子を任意に含有する3〜7員環を形成していてもよい。
【0029】
いくつかの実施形態では、Rは、ハロ、=O、=N−CN、=N−OR’、=NR’、OR’、N(R’)、SR’、SOR’、SONR’、NR’SOR’、NR’CONR’、NR’COOR’、NR’COR’、CN、COOR’、CON(R’)、OOCR’、COR’、及びNOから選択される1つ又は2つ以上の置換基で任意に置換されており、ここで、各R’は独立して、H、C〜Cアルキル、C〜Cヘテロアルキル、C〜Cアシル、C〜Cヘテロアシル、C〜C10アリール、C〜C10ヘテロアリール、C〜C12アリールアルキル、又はC〜C12ヘテロアリールアルキルであり、これらの各々が、ハロ、C〜Cアルキル、C〜Cヘテロアルキル、C〜Cアシル、C〜Cヘテロアシル、ヒドロキシ、アミノ、及び=Oから選択される1つ又は2つ以上の基で任意に置換されており、2つのR’が結合して、N、O、及びSから選択される3個以下のヘテロ原子を任意に含有する3〜7員環を形成していてもよい。
【0030】
いくつかの実施形態では、Rは、ハロ、=O、=N−CN、=N−OR’、=NR’、OR’、N(R’)、SR’、SOR’、SONR’、NR’SOR’、NR’CONR’、NR’COOR’、NR’COR’、CN、COOR’、CON(R’)、OOCR’、COR’、及びNOから選択される1つ又は2つ以上の置換基で任意に置換されており、ここで、各R’は独立して、H、C〜Cアルキル、C〜Cヘテロアルキル、C〜Cアシル、C〜Cヘテロアシル、C〜C10アリール、C〜C10ヘテロアリール、C〜C12アリールアルキル、又はC〜C12ヘテロアリールアルキルであり、これらの各々が、ハロ、C〜Cアルキル、C〜Cヘテロアルキル、C〜Cアシル、C〜Cヘテロアシル、ヒドロキシ、アミノ、及び=Oから選択される1つ又は2つ以上の基で任意に置換されており、2つのR’が結合して、N、O、及びSから選択される3個以下のヘテロ原子を任意に含有する3〜7員環を形成していてもよい。
【0031】
本発明は、式XXIII(E)の化合物
【0032】
【化6】
(式中、Rは、水素、アルキル基、芳香族基、アザ環式基、炭素環基、アリール基、シクロアルキル基、ヘテロシクロアルキル基、複素環基、ヘテロアリール基、ヘテロアルキル基、アシル基、又はエステル基であり、Rは、水素、アルキル基、ベンジル基、アシル基、又はエステル基であり、Rは、水素、アルキル基、芳香族基、アザ環式基、炭素環基、アリール基、シクロアルキル基、ヘテロシクロアルキル基、複素環基、ヘテロアリール基、ヘテロアルキル基、アシル基、又はエステル基である)、並びにその誘導体及び立体異性体を提供する。
【0033】
いくつかの実施形態では、Rは、ハロ、=O、=N−CN、=N−OR’、=NR’、OR’、N(R’)、SR’、SOR’、SONR’、NR’SOR’、NR’CONR’、NR’COOR’、NR’COR’、CN、COOR’、CON(R’)、OOCR’、COR’、及びNOから選択される1つ又は2つ以上の置換基で任意に置換されており、ここで、各R’は独立して、H、C〜Cアルキル、C〜Cヘテロアルキル、C〜Cアシル、C〜Cヘテロアシル、C〜C10アリール、C〜C10ヘテロアリール、C〜C12アリールアルキル、又はC〜C12ヘテロアリールアルキルであり、これらの各々が、ハロ、C〜Cアルキル、C〜Cヘテロアルキル、C〜Cアシル、C〜Cヘテロアシル、ヒドロキシ、アミノ、及び=Oから選択される1つ又は2つ以上の基で任意に置換されており、2つのR’が結合して、N、O、及びSから選択される3個以下のヘテロ原子を任意に含有する3〜7員環を形成していてもよい。
【0034】
いくつかの実施形態では、Rは、ハロ、=O、=N−CN、=N−OR’、=NR’、OR’、N(R’)、SR’、SOR’、SONR’、NR’SOR’、NR’CONR’、NR’COOR’、NR’COR’、CN、COOR’、CON(R’)、OOCR’、COR’、及びNOから選択される1つ又は2つ以上の置換基で任意に置換されており、ここで、各R’は独立して、H、C〜Cアルキル、C〜Cヘテロアルキル、C〜Cアシル、C〜Cヘテロアシル、C〜C10アリール、C〜C10ヘテロアリール、C〜C12アリールアルキル、又はC〜C12ヘテロアリールアルキルであり、これらの各々が、ハロ、C〜Cアルキル、C〜Cヘテロアルキル、C〜Cアシル、C〜Cヘテロアシル、ヒドロキシ、アミノ、及び=Oから選択される1つ又は2つ以上の基で任意に置換されており、2つのR’が結合して、N、O、及びSから選択される3個以下のヘテロ原子を任意に含有する3〜7員環を形成していてもよい。
【0035】
いくつかの実施形態では、Rは、ハロ、=O、=N−CN、=N−OR’、=NR’、OR’、N(R’)、SR’、SOR’、SONR’、NR’SOR’、NR’CONR’、NR’COOR’、NR’COR’、CN、COOR’、CON(R’)、OOCR’、COR’、及びNOから選択される1つ又は2つ以上の置換基で任意に置換されており、ここで、各R’は独立して、H、C〜Cアルキル、C〜Cヘテロアルキル、C〜Cアシル、C〜Cヘテロアシル、C〜C10アリール、C〜C10ヘテロアリール、C〜C12アリールアルキル、又はC〜C12ヘテロアリールアルキルであり、これらの各々が、ハロ、C〜Cアルキル、C〜Cヘテロアルキル、C〜Cアシル、C〜Cヘテロアシル、ヒドロキシ、アミノ、及び=Oから選択される1つ又は2つ以上の基で任意に置換されており、2つのR’が結合して、N、O、及びSから選択される3個以下のヘテロ原子を任意に含有する3〜7員環を形成していてもよい。
【0036】
本発明は、式Iの化合物、
【0037】
【化7】
(2R,3S,6S,7aS)−tert−ブチル3−((tert−ブチルジフェニルシリル)オキシ)オクタヒドロ−1H−2,6−メタノピロロ[3,2−b]ピリジン−1−カルボキシレート、及びその立体異性体を提供する。すなわち、式Iの化合物は、式I.a
【0038】
【化8】
(2R,3R,3aS*,6S,7aS)−)−tert−ブチル3−((tert−ブチルジフェニルシリル)オキシ)オクタヒドロ−1H−2,6−メタノピロロ[3,2−b]ピリジン−1−カルボキシレート、又は式I.b
【0039】
【化9】
(2S,3R,3aS,6R,7aR)−tert−ブチル3−((tertブチルジフェニルシリル)オキシ)オクタヒドロ−1H−2,6−メタノピロロ[3,2−b]ピリジン−1−カルボキシレートを有し得、Bocは、tert−ブチルオキシカルボニルであり、TBDPSは、tert−ブチルジフェニルシランである。
【0040】
ある量の式Iの化合物は、エナンチオマー的に純粋であり得、全体的に式I.aのエナンチオマー又は式I.bのエナンチオマーからなり得る。代替的に、それはエナンチオマーの混合物を含み得、等量の式I.aのエナンチオマー及び式I.bのエナンチオマーを含有し得るか、又は異なる量の式I.aのエナンチオマー若しくは式I.bのエナンチオマーの各々を有する混合物であり得る。
【0041】
ある特定の実施形態では、本発明は、式Iの化合物及び/又はその誘導体を含有する、薬学的組成物を含む。一実施形態では、本発明は、式Iの化合物及び/又はその誘導体と、薬学的に許容される担体又は希釈剤と、を含む、薬学的組成物を含む。別の実施形態では、本発明は、病態、疾患、又は障害に罹患している対象(ヒト若しくは動物)を治療するための方法であって、この対象に、有効量の式Iの化合物及び/又はその誘導体を投与することを含む、方法を提供する。一実施形態では、化合物が投与されて、対象に局所送達をもたらす。別の実施形態では、化合物が投与されて、対象に全身送達をもたらす。更なる実施形態では、式Iの化合物及び/又はその誘導体は、医薬品として使用されるか、又は医薬品の製造において使用される。いくつかの実施形態では、病態又は障害は、疼痛である。特定の実施形態では、疼痛は、神経因性疼痛又は慢性疼痛である。
【0042】
本発明はまた、式I.a又は式I.bの化合物を、式Iの化合物のラセミ混合物をキラル的に分離することによって製造する方法を提供する。
【0043】
他の実施形態では、方法は、式Iの化合物を製造することを含む。そのような一実施形態では、式Iの化合物を製造する方法は、式IIの化合物
【0044】
【化10】
rac−(2R,3R,6S,7aS)−tert−ブチル4−ベンジル−3−((tert−ブチルジフェニルシリル)オキシ)オクタヒドロ−1H−2,6−メタノピロロ[3,2−b]ピリジン−1−カルボキシレートを、水素と反応させることを含む。この反応は、触媒の存在下で行ってよい。好ましい実施形態では、触媒は、パラジウムを含む。例えば、触媒は、炭素上のパラジウムであり得る。
【0045】
他の実施形態では、方法は、式IIの化合物を製造することを含む。そのような一実施形態では、式IIの化合物を製造する方法は、式IIIの化合物
【0046】
【化11】
rac−(2R,3R,6S,7aS)−4−ベンジル−3−((tert−ブチルジフェニルシリル)オキシ)オクタヒドロ−1H−2,6−メタノピロロ[3,2−b]ピリジンを、ジ−tert−ブチルジカルボネート(BocO)と反応させて、tert−ブチルオキシカルボニル(Boc)保護基を付加することを含む。好ましい実施形態では、この反応は、トリエチルアミン(EtN)を更に含む。
【0047】
他の実施形態では、方法はまた、式IIIの化合物を製造することを含む。そのような一実施形態では、式IIIの化合物を製造する方法は、式IVの化合物
【0048】
【化12】
(2R,3R,6S,7aS)−エチル4−ベンジル−3−((tert−ブチルジフェニルシリル)オキシ)オクタヒドロ−1H−2,6−メタノピロロ[3,2−b]ピリジン−1−カルボキシレートを、ヨードトリメチルシランと反応させることを含む。
【0049】
他の実施形態では、方法はまた、式IVの化合物を製造することを含む。そのような一実施形態では、式IVの化合物を製造する方法は、式Vの化合物
【0050】
【化13】
(2R,3S,6S,7aS)−エチル−4−ベンジル−3−ヒドロキシオクタヒドロ−1H−2,6−メタノピロロ[3,2−b]ピリジン−1−カルボキシレートを、TBDPSと反応させることを含む。好ましい実施形態では、この反応は、イミダゾールを更に含む。
【0051】
他の実施形態では、方法はまた、式Vの化合物を製造することを含む。そのような一実施形態では、式Vの化合物を製造する方法は、式VIの化合物
【0052】
【化14】
(2R,3S,6S,7aS)−エチル3−ヒドロキシオクタヒドロ−1H−2,6−メタノピロロ[3,2−b]ピリジン−1−カルボキシレートを、ベンズアルデヒドと反応させることを含む。好ましい実施形態では、この反応は、トリアセトキシ水素化ホウ素ナトリウム(STAB)を更に含む。
【0053】
他の実施形態では、方法はまた、式VIの化合物を製造することを含む。そのような一実施形態では、式VIの化合物を製造する方法は、溶媒中の式VI.aの化合物
【0054】
【化15】
(1R,2R,4S,5S,7s)−エチル7−(アミノメチル)−3−オキサ−9−アザトリシクロ[3.3.1.02,4]ノナン−9−カルボキシレートを環化させることを含む。溶媒は、エタノール(EtOH)であり得る。
【0055】
他の実施形態では、方法はまた、式VI.aの化合物を製造することを含む。そのような一実施形態では、式VI.aの化合物を製造する方法は、式VIIの化合物
【0056】
【化16】
(1R,2R,4S,5S,7s)−エチル7−シアノ−3−オキサ−9−アザトリシクロ[3.3.1.02,4]ノナン−9−カルボキシレートを、水素と反応させることを含む。この反応は、触媒の存在下で行ってよい。一実施形態では、触媒は、ニッケルを含む。例えば、触媒は、ラネーニッケルであり得る。
【0057】
他の実施形態では、方法はまた、式VIIの化合物を製造することを含む。そのような一実施形態では、式VIIの化合物を製造する方法は、式VIIIの化合物
【0058】
【化17】
(1R,2R,4S,5S,7r)−エチル7−((メチルスルホニル)オキシ)−3−オキサ−9−アザトリシクロ[3.3.1.02,4]ノナン−9−カルボキシレートを、シアン化カリウムと反応させることを含む。他の実施形態では、この反応は、18−クラウン−6(1,4,7,10,13,16−ヘキサオキサシクロオクタデカン)を更に含む。
【0059】
他の実施形態では、方法はまた、式VIIIの化合物を製造することを含む。そのような一実施形態では、式VIIIの化合物を製造する方法は、式IXの化合物
【0060】
【化18】
(1R,2R,4S,5S,7r)−エチル7−ヒドロキシ−3−オキサ−9−アザトリシクロ[3.3.1.02,4]ノナン−9−カルボキシレートを、塩化メシルと反応させることを含む。好ましい実施形態では、この反応は、トリエチルアミン(ETN)を更に含む。
【0061】
他の実施形態では、方法はまた、式IXの化合物を製造することを含む。そのような一実施形態では、式IXの化合物を製造する方法は、式Xの化合物
【0062】
【化19】
(1R,2R,4S,5S,7r)−エチル7−(ベンゾイルオキシ)−3−オキサ−9−アザトリシクロ[3.3.1.02,4]ノナン−9−カルボキシレートを、還元剤と反応させることを含む。還元剤は、水素化ホウ素ナトリウムであり得る。
【0063】
他の実施形態では、方法はまた、式Xの化合物を製造することを含む。そのような一実施形態では、式Xの化合物を製造する方法は、式XIの化合物
【0064】
【化20】
(1R,2R,4S,5S,7r)−9−メチル−3−オキサ−9−アザトリシクロ[3.3.1.02,4]ノナン−7−イル安息香酸塩を、クロロギ酸エチルと反応させることを含む。好ましい実施形態では、この反応は、塩基を更に含む。この塩基は、炭酸カリウムであり得る。
【0065】
他の実施形態では、方法はまた、式XIの化合物を製造することを含む。そのような一実施形態では、式XIの化合物を製造する方法は、式XIIの化合物
【0066】
【化21】
(1R,2R,4S,5S)−9−メチル−3−オキサ−9−アザトリシクロ[3.3.1.02,4]ノナン−7−オル)を、活性化剤の存在下で安息香酸と反応させることを含む。この活性化剤は、トリフェニルホスフィン(PPh)を有するジエチルアゾジカルボキシレート(DEAD)又はPPhを有するジイソプロピルアゾジカルボキシレート(DIAD)であり得る。
【0067】
他の実施形態では、方法はまた、式XIIの化合物を製造することを含む。そのような一実施形態では、式XIIの化合物を製造する方法は、式XIIIの化合物
【0068】
【化22】
(2S)−(1R,2R,4S,5S)−9−メチル−3−オキサ−9−アザトリシクロ[3.3.1.02,4]ノナン−7−イル−3−ヒドロキシ−2−フェニルプロパン酸臭化水素酸三水和物(スコポラミン)を、還元剤と反応させることを含む。還元剤は、水素化ホウ素ナトリウムであり得る。好ましい実施形態では、この反応は、イソプロピルアルコール中のHClを更に含む。
【0069】
更なる実施形態において、本発明は、式XVIII
【0070】
【化23】
((2R,3R,3aS,6S,7aS)−1−(ベンゾ[d][1,3]ジオキソール−5−イルメチル)−4−(5−フルオロピコリノイル)オクタヒドロ−1H−2,6−メタノピロロ[3,2−b]ピリジン−3−イルシクロプロパンカルボキシレートを提供する。
【0071】
ある特定の実施形態では、本発明は、式XVIIIの化合物及び/又はその誘導体を含有する、薬学的組成物を含む。一実施形態では、本発明は、式XVIIIの化合物、及び薬学的に許容される担体又は希釈剤を含む、薬学的組成物を含む。別の実施形態では、本発明は、病態、疾患、又は障害に罹患している対象(ヒト若しくは動物)を治療するための方法であって、この対象に、有効量の式XVIIIの化合物を投与することを含む、方法を提供する。一実施形態では、化合物が投与されて、対象に局所送達をもたらす。別の実施形態では、化合物が投与されて、対象に全身送達をもたらす。更なる実施形態では、式XVIIIの化合物は、医薬品として使用されるか、又は医薬品の製造において使用される。いくつかの実施形態では、病態又は障害は、疼痛であり、神経因性疼痛及び慢性疼痛が挙げられるが、これらに限定されない。
【0072】
本発明の実施形態は、式XVIIIの化合物を製造する方法であって、式XVIIの化合物
【0073】
【化24】
((2R,3R,3aS,6S,7aS)−1−(ベンゾ[d][1,3]ジオキソール−5−イルメチル)−4−(5−フルオロピコリノイル)オクタヒドロ−1H−2,6−メタノピロロ[3,2−b]ピリジン−3−イルシクロプロパンカルボキシレートを、ピペロナールと反応させることを含む、方法を提供する。この反応は、還元剤の存在下で更に行うことができる。例えば、この還元剤は、STABであり得る。
【0074】
方法はまた、式XVIIの化合物を製造することを含む。実施形態では、式XVIIの化合物を製造する方法は、式XVIの化合物
【0075】
【化25】
((2R,3R,3aS,6S,7aS)−4−(5−フルオロピコリノイル)オクタヒドロ−1H−2,6−メタノピロロ[3,2−b]ピリジン−3−イルシクロプロパンカルボキシレートからBoc基を除去し、水素で置き換えることを含む。Boc基は、酸で除去され得る。例えば、酸は、トリフルオロ酢酸(TFA)であり得る。
【0076】
方法はまた、式XVIの化合物を製造することを含み得る。実施形態では、式XVIの化合物を製造する方法は、式XVの化合物
【0077】
【化26】
((2R,3R,3aS,6S,7aS)−tert−ブチル4−(5−フルオロピコリノイル)−3−ヒドロキシオクタヒドロ−1H−2,6−メタノピロロ[3,2−b]ピリジン−1−カルボキシレートを、塩化シクロプロパンカルボニルと反応させることを含む。この反応は、求核触媒の存在下で行うことができる。例えば、この求核触媒は、4−ジメチルアミノピリジン(DMAP)であり得る。
【0078】
方法はまた、式XVの化合物を製造することを含み得る。実施形態では、式XVの化合物を製造する方法は、式XIVの化合物
【0079】
【化27】
((2R,3R,3aS,6S,7aS)−tert−ブチル3−((tert−ブチルジフェニルシリル)オキシ)−4−(5−フルオロピコリノイル)オクタヒドロ−1H−2,6−メタノピロロ[3,2−b]ピリジン−1−カルボキシレート)からTBDPS基を除去することと、それを水素で置き換えることと、を含む。例えば、TBPDS基は、フッ化テトラブチルアンモニウム(TBAF)で除去され得る。
【0080】
方法はまた、式XIVの化合物を製造することを含み得る。実施形態では、式XIVの化合物を製造する方法は、式I.aの化合物を、5−フルオロピコリン酸と反応させることを含む。好ましい実施形態では、反応は、1−[Bis(ジメチルアミノ)メチレン]−1H−1,2,3−トリアゾロ[4,5−b]ピリジニウム3−オキシドヘキサフルオロホスフェート(HATU)及びN,N−ジイソプロピルエチルアミン(DIPEA)を更に含む。
【0081】
更なる実施形態では、本発明は、式XXIIの化合物
【0082】
【化28】
3−(((2S,3S,6R,7aR)−3−ヒドロキシ−4−(2−メトキシアセチル)オクタヒドロ−1H−2,6−メタノピロロ[3,2−b]ピリジン−1−イル)メチル)ベンズアミドを提供する。
【0083】
ある特定の実施形態では、本発明は、式XXIIの化合物及び/又はその誘導体を含有する、薬学的組成物を含む。一実施形態では、本発明は、式XXIIの化合物、及び薬学的に許容される担体又は希釈剤を含む、薬学的組成物を含む。別の実施形態では、本発明は、病態、疾患、又は障害に罹患している対象(ヒト若しくは動物)を治療するための方法であって、この対象に、有効量の式XXIIの化合物を投与することを含む、方法を提供する。一実施形態では、化合物を投与して、対象に局所送達をもたらす。別の実施形態では、化合物を投与して、対象に全身送達をもたらす。更なる実施形態では、式XXIIの化合物は、医薬品として使用されるか、又は医薬品の製造において使用される。いくつかの実施形態では、病態又は障害は、疼痛である。特定の実施形態では、疼痛は、神経因性疼痛又は慢性疼痛である。
【0084】
本発明の実施形態は、式XXIIの化合物を製造する方法であって、式XXIの化合物
【0085】
【化29】
1−((2S,3S,3aS,6R,7aR)−3−ヒドロキシヘキサヒドロ−1H−2,6−メタノピロロ[3,2−b]ピリジン−4(2H)−イル)−2−メトキシエタノン)を、3−ホルミルベンズアミドと反応させることを含む、方法を提供する。この反応は、還元剤の存在下で行うことができる。例えば、この還元剤は、STABであり得る。
【0086】
方法はまた、式XXIの化合物を製造することを含み得る。実施形態では、式XXIの化合物を製造する方法は、式XXの化合物
【0087】
【化30】
((2S,3S,3aS,6R,7aR)−tert−ブチル3−ヒドロキシ−4−(2−メトキシアセチル)オクタヒドロ−1H−2,6−メタノピロロ[3,2−b]ピリジン−1−カルボキシレート)からBoc基を除去することと、それを水素で置き換えることと、を含む。Boc基は、酸で除去され得る。例えば、酸は、TFAであり得る。
【0088】
方法はまた、式XXの化合物を製造することを含み得る。実施形態では、式XXの化合物を製造する方法は、式XIXの化合物
【0089】
【化31】
((2S,3S,6R,7aR)−tert−ブチル3−((tert−ブチルジフェニルシリル)オキシ)−4−(2−メトキシアセチル)オクタヒドロ−1H−2,6−メタノピロロ[3,2−b]ピリジン−1−カルボキシレート)からTBDPS基を除去することと、それを水素で置き換えることと、を含む。例えば、TBPDS基は、TBAFで除去され得る。
【0090】
方法はまた、式XIXの化合物を製造することを含み得る。実施形態では、式XIXの化合物を製造する方法は、式I.bの化合物を、2−メトキシ酢酸と反応させることを含む。この反応は、HATU及びDIPEAで更に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0091】
上記の発明の概要、並びに以降の本発明の詳細な説明は、添付の図面と併せて読むことでより良好に理解され得る。本発明を例示する目的で、図面は本発明の実施形態を示す。しかしながら、本発明は、示される正確な構成、実施例、及び手段に限定されないことが理解されるべきである。
図1】式XIIの化合物の1HNMR分析の結果を示す。
図2】式XIの化合物のMS分析の結果を示す。
図3A】式Xの化合物の構造分析の結果を示す。式Xの化合物の1HNMR分析の結果を示す。
図3B】式Xの化合物の構造分析の結果を示す。式Xの化合物のMS分析の結果を示す。
図4】式IXの化合物の1HNMR分析の結果を示す。
図5】式VIIIの化合物の1HNMR分析の結果を示す。
図6】式VIIの化合物の1HNMR分析の結果を示す。
図7】式VIの化合物の1HNMR分析の結果を示す。
図8A】式Vの化合物の構造分析の結果を示す。式Vの化合物のMS分析の結果を示す。
図8B】式Vの化合物の構造分析の結果を示す。式Vの化合物の1HNMR分析の結果を示す。
図9A】式IVの化合物の構造分析の結果を示す。式IVの化合物のLCMS分析の結果を示す。
図9B】式IVの化合物の構造分析の結果を示す。式IVの化合物の1HNMR分析の結果を示す。
図10】式IIIの化合物のLCMS分析の結果を示す。
図11A】式IIの化合物の構造分析の結果を示す。式IIの化合物の1HNMR分析の結果を示す。
図11B】式IIの化合物の構造分析の結果を示す。式IIの化合物のLCMS分析の結果を示す。
図12A】式Iの化合物の構造分析の結果を示す。式Iの化合物のLCMS分析の結果を示す。
図12B】式Iの化合物の構造分析の結果を示す。式Iの化合物の1HNMR分析の結果を示す。
図13】式XIVの化合物のLCMS分析の結果を示す。
図14】式XVの化合物のLCMS分析の結果を示す。
図15】式XVIの化合物のLCMS分析の結果を示す。
図16】式XVIIの化合物のLCMS分析の結果を示す。
図17A】式XVIIIの化合物の構造分析の結果を示す。式XVIIIの化合物のLCMS分析の結果を示す。
図17B】式XVIIIの化合物の構造分析の結果を示す。式XVIIIの化合物の1HNMR分析の結果を示す。
図18】式XIXの化合物のLCMS分析の結果を示す。
図19】式XXの化合物のLCMS分析の結果を示す。
図20】式XXIの化合物のLCMS分析の結果を示す。
図21A】式XXIIの化合物の構造分析の結果を示す。式XXIIの化合物のLCMS分析の結果を示す。
図21B】式XXIIの化合物の構造分析の結果を示す。式XXIIの化合物の1HNMR分析の結果を示す。
【発明を実施するための形態】
【0092】
本発明の実施形態について以下で詳細に述べる。これらの実施形態を説明する際に、明瞭化のために特定の用語が使用される。しかしながら、本発明は、選択された特定の用語に限定されるように意図されていない。関連分野の当業者であれば、他の等価部分を用いることができ、また本発明の趣旨及び範囲から逸脱することなく、他の方法が開発され得ることを認識するであろう。
【0093】
本明細書で使用される場合、C〜Cは、C〜C、C〜C...C〜Cを含む。単なる例として、「C〜C」と指定される基は、部分に1〜4個の炭素原子が存在することを示し、すなわち、基は、1個の炭素原子、2個の炭素原子、3個の炭素原子、又は4個の炭素原子を含有する。したがって、単なる例として、「C〜Cアルキル」は、アルキル基中に1〜4個の炭素原子が存在することを示し、すなわち、アルキル基は、メチル、エチル、プロピル、イソ−プロピル、n−ブチル、イソ−ブチル、sec−ブチル及びt−ブチルから選択される。
【0094】
「アルキル」基は、脂肪族炭化水素基を指す。アルキル基は、分岐鎖又は直鎖である。いくつかの実施形態では、「アルキル」基は、1〜10個の炭素原子を有し、すなわち、C〜C10アルキルである。本明細書に示されるときは、「1〜10」などの数値範囲は、与えられた範囲内の各整数を指し、例えば、「1〜10個の炭素原子」は、アルキル基が、1個の炭素原子、2個の炭素原子、3個の炭素原子など、10個以下の炭素原子からなることを意味するが、本定義は、数値範囲が指定されていない「アルキル」という用語の場合も網羅する。いくつかの実施形態では、アルキルは、C〜Cアルキルである。一態様では、アルキルは、メチル、エチル、プロピル、イソ−プロピル、n−ブチル、イソ−ブチル、sec−ブチル、又はt−ブチルである。典型的なアルキル基としては、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、sec−ブチル、第三級ブチル、ペンチル、ネオペンチル、又はヘキシルが挙げられるが、これらに限定されない。
【0095】
「アルキレン」基は、二価アルキルラジカルを指す。上述の一価アルキル基のうちのいずれかは、アルキルから第2の水素原子を除去することによるアルキレンであり得る。いくつかの実施形態では、アルキレンは、C〜Cアルキレンである。他の実施形態では、アルキレンは、C〜Cアルキレンである。典型的なアルキレン基としては、−CH−、−CH(CH)−、−C(CH−、−CHCH−、−CHCH(CH)−、−CHC(CH−、−CHCHCH−、−CHCHCHCH−などが挙げられるが、これらに限定されない。
【0096】
「ハロゲン」という用語は塩素、フッ素、臭素、又はヨウ素を表す。「ハロ」という用語はクロロ、フルオロ、ブロモ又はヨードを表す。
【0097】
「ハロアルキル」という用語とは、鎖内に1〜12個の炭素原子を有し、少なくとも1つの水素がハロゲンで置換されている、直鎖又は分岐鎖アルキル基を指す。いくつかの実施形態において、ハロアルキル基は、C〜Cハロアルキル基である。いくつかの実施形態では、ハロアルキル基は、C〜Cハロアルキル基である。1つの例示的な置換基は、フルオロである。本発明の好ましい置換アルキル基としては、トリフルオロメチル基などのトリハロゲン化アルキル基が挙げられる。ハロアルキルとしては、CF、CHF、−CHF、−CHCl、−CH−CF、及びこれらに類するものが挙げられるが、これらに限定されない。
【0098】
「アルコキシ」という用語は、アルキル基を分子の残部に連結する末端酸素を有する、直鎖又は分岐鎖アルキル基を含む。いくつかの実施形態において、アルコキシ基は、C〜Cアルコキシ基である。いくつかの実施形態では、アルコキシ基は、C〜Cアルコキシ基である。アルコキシとしては、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、イソプロポキシ、ブトキシ、t−ブトキシ、ペントキシなどが挙げられる。
【0099】
「複素環」という用語は、O、S、及びNから選択されるヘテロ原子を任意に含有する、単環式又は二環式炭化水素環構造を表す。複素環は、環中に2〜10個の炭素原子を有し得る。
【0100】
「アザ環式」又は「アザ環式環」は、飽和、部分的不飽和、若しくは芳香族の3〜7員単環式環、又は少なくとも1個の窒素原子を含有する8〜12員縮合二環式環系を指す。そのようなアザ環式環は、N、O、及びSから選択される1〜2個の追加のヘテロ原子を、環員として任意に含有してもよく、そのような置換が化学的意味を成す程度で任意に置換されてもよい。
【0101】
「芳香族」という用語は、4n+2π電子を含有する非局在化p−電子系を有する平面環を指し、nは、整数である。「芳香族」という用語は、炭素環式アリール(「アリール」、例えば、フェニル)及び複素環式アリール(又は「ヘテロアリール」若しくは「ヘテロ芳香族」)両方の基(例えば、ピリジン)を含む。この用語は、単環式又は縮合環多環式(すなわち、隣接した炭素原子の対を共有する環)基を含む。
【0102】
「炭素環式」又は「炭素環」という用語は、環の骨格を形成する原子が、全ての炭素原子である、環又は環系を指す。したがって、この用語は、炭素環を、環骨格が炭素とは異なる少なくとも1個の原子を含有する、「複素環式」環又は「複素環」と区別する。いくつかの実施形態では、二環式炭素環の2つの環のうちの少なくとも1つは、芳香族である。いくつかの実施形態では、二環式炭素環の両方の環は、芳香族である。
【0103】
本明細書で使用される場合、「アリール」という用語は、芳香族環を指し、環を形成する原子の各々が、炭素原子である。一態様では、アリールは、フェニル又はナフチルである。いくつかの実施形態では、アリールは、フェニルである。いくつかの実施形態では、アリールは、C〜C10アリールである。構造に応じて、アリール基は、モノラジカル又はジラジカル(すなわち、アリーレン基)である。
【0104】
「シクロアルキル」という用語は、単環式又は多環式脂肪族、非芳香族ラジカルを指し、環を形成する原子(すなわち、骨格原子)の各々が、炭素原子である。いくつかの実施形態では、シクロアルキルは、スピロ環式又は架橋化合物である。いくつかの実施形態では、シクロアルキルは、芳香族環と任意に縮合され、付着点は、芳香族環炭素原子ではない炭素にある。シクロアルキル基としては、3〜10個の環原子を有する基が挙げられる。いくつかの実施形態では、シクロアルキル基は、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロペンテニル、シクロヘキシル、シクロヘキセニル、シクロヘプチル、シクロオクチル、スピロ[2.2]ペンチル、ノルボルニル、及びビシクル[1.1.1]ペンチルから選択される。いくつかの実施形態では、シクロアルキルは、C〜Cシクロアルキルである。
【0105】
「ヘテロアルキル」という用語は、アルキルの1個又は2個以上の骨格原子が、炭素以外の原子、例えば、酸素、窒素(例えば、−NH−、−N(アルキル)−、硫黄、又はそれらの組み合わせから選択される、アルキル基を指す。ヘテロアルキルは、ヘテロアルキルの炭素原子における分子の残りに付着される。一態様では、ヘテロアルキルは、C〜Cヘテロアルキルである。
【0106】
「複素環」又は「複素環式」という用語は、環(複数可)に1〜4個のヘテロ原子を含有する、ヘテロ芳香族環(ヘテロアリールとしても知られる)及びヘテロシクロアルキル環(ヘテロ脂環式基としても知られる)を指し、環(複数可)中の各ヘテロ原子は、O、S、及びNから選択され、各複素環式基は、その環系に3〜10個の原子を有し、いかなる環も2個の隣接したO又はS原子を含有しないことを条件とする。非芳香族複素環式基(ヘテロシクロアルキルとしても知られる)は、その環系に3〜10個の原子を有する環を含み、芳香族複素環式基は、その環系に5〜10個の原子を有する環を含む。複素環式基は、ベンゾ−縮合環系を含む。非芳香族複素環式基の例は、ピロリジニル、テトラヒドロフラニル、ジヒドロフラニル、テトラヒドロチエニル、オキサゾリジノニル、テトラヒドロピラニル、ジヒドロピラニル、テトラヒドロチオピラニル、ピペリジニル、モルホリニル、チオモルホリニル、チオキサニル、ピペラジニル、アジリジニル、アゼチジニル、オキセタニル、チエタニル、ホモピペリジニル、オキセパニル、チエパニル、オキサゼピニル、ジアゼピニル、チアゼピニル、1,2,3,6−テトラヒドロピリジニル、ピロリン−2−イル、ピロリン−3−イル、インドリニル、2H−ピラニル、4H−ピラニル、ジオキサニル、1,3−ジオキソラニル、ピラゾリニル、ジチアニル、ジチオラニル、ジヒドロピラニル、ジヒドロチエニル、ジヒドロフラニル、ピラゾリジニル、イミダゾリニル、イミダゾリジニル、3−アザビシクロ[3.1.0]ヘキサニル、3−アザビシクロ[4.1.0]ヘプタニル、3H−インドリル、インドリン−2−オニル、イソインドリン−1−オニル、イソインドリン−1,3−ジオニル、3,4−ジヒドロイソキノリン−1(2H)−オニル、3,4−ジヒドロキノリン−2(1H)−オニル、イソインドリン−1,3−ジチオニル、ベンゾ[d]オキサゾール−2(3H)−オニル、1H−ベンゾ[d]イミダゾール−2(3H)−オニル、ベンゾ[d]チアゾール−2(3H)−オニル、及びキノリジニルである。芳香族複素環式基の例は、ピリジニル、イミダゾリル、ピリミジニル、ピラゾリル、トリアゾリル、ピラジニル、テトラゾリル、フリル、チエニル、イソキサゾリル、チアゾリル、オキサゾリル、イソチアゾリル、ピロリル、キノリニル、イソキノリニル、インドリル、ベンズイミダゾリル、ベンゾフラニル、シンノリニル、インダゾリル、インドリジニル、フタラジニル、ピリダジニル、トリアジニル、イソインドリル、プテリジニル、プリニル、オキサジアゾリル、チアジアゾリル、フラザニル、ベンゾフラザニル、ベンゾチオフェニル、ベンゾチアゾリル、ベンゾキサゾリル、キナゾリニル、キノキサリニル、ナフチリジニル、及びフロピリジニルである。前述の基は、可能である場合、C付着(若しくはC結合)しているか、又はN付着している。例えば、ピロールから誘導された基は、ピロール−1−イル(N付着している)又はピロール−3−イル(C付着している)の両方を含む。更に、イミダゾールから誘導された基は、イミダゾール−1−イル若しくはイミダゾール−3−イル(両方がN付着している)、又はイミダゾール−2−イル、イミダゾール−4−イル、若しくはイミダゾール−5−イル(全てがC付着している)を含む。複素環式基は、ベンゾ−縮合環系を含む。非芳香族複素環は、ピロリジン−2−オンなどの1つ又は2つのオキソ(=O)部分で任意に置換される。いくつかの実施形態では、二環式複素環の2つの環のうちの少なくとも1つは、芳香族である。いくつかの実施形態では、二環式炭素環の両方の環は、芳香族である。
【0107】
「ヘテロアリール」又は代替的に「ヘテロ芳香族」という用語は、窒素、酸素、及び硫黄から選択される1つ又は2つ以上の環ヘテロ原子を含む、アリール基を指す。ヘテロアリール基の例示的な例としては、単環式ヘテロアリール及び二環式ヘテロアリールが挙げられる。単環式ヘテロアリールとしては、ピリジニル、イミダゾリル、ピリミジニル、ピラゾリル、トリアゾリル、ピラジニル、テトラゾリル、フリル、チエニル、イソキサゾリル、チアゾリル、オキサゾリル、イソチアゾリル、ピロリル、ピリダジニル、トリアジニル、オキサジアゾリル、チアジアゾリル、及びフラザニルが挙げられる。二環式ヘテロアリールとしては、インドリジン、インドール、ベンゾフラン、ベンゾチオフェン、インダゾール、ベンズイミダゾール、プリン、キノリジン、キノリン、イソキノリン、シンノリン、フタラジン、キナゾリン、キノキサリン、1,8−ナフチリジン、及びプテリジンが挙げられる。いくつかの実施形態では、ヘテロアリールは、環に0〜4個のN原子を含有する。いくつかの実施形態では、ヘテロアリールは、環に1〜4個のN原子を含有する。いくつかの実施形態では、ヘテロアリールは、環に0〜4個のN原子、0〜1個のO原子、及び0〜1個のS原子を含有する。いくつかの実施形態では、ヘテロアリールは、環に1〜4個のN原子、0〜1個のO原子、及び0〜1個のS原子を含有する。いくつかの実施形態では、ヘテロアリールは、C〜Cヘテロアリールである。いくつかの実施形態では、単環式ヘテロアリールは、C〜Cヘテロアリールである。いくつかの実施形態では、単環式ヘテロアリールは、5員又は6員ヘテロアリールである。いくつかの実施形態では、二環式ヘテロアリールは、C〜Cヘテロアリールである。
【0108】
「ヘテロシクロアルキル」又は「ヘテロ脂環式」基は、窒素、酸素、及び硫黄から選択される少なくとも1個のヘテロ原子を含む、シクロアルキル基を指す。いくつかの実施形態では、ヘテロシクロアルキルは、アリール又はヘテロアリールで縮合される。いくつかの実施形態では、ヘテロシクロアルキルは、オキサゾリジノニル、ピロリジニル、テトラヒドロフラニル、テトラヒドロチエニル、テトラヒドロピラニル、テトラヒドロチオピラニル、ピペリジニル、モルホリニル、チオモルホリニル、ピペラジニル、ピペリジン−2−オニル、ピロリジン−2,5−ジチオニル、ピロリジン−2,5−ジオニル、ピロリジノニル、イミダゾリジニル、イミダゾリジン−2−オニル、又はチアゾリジン−2−オニルである。「ヘテロ脂環式」という用語はまた、炭水化物の全ての環形態を含み、単糖、二糖、及びオリゴ糖が挙げられるが、これらに限定されない。一態様では、ヘテロシクロアルキルは、C〜C10ヘテロシクロアルキルである。別の態様では、ヘテロシクロアルキルは、C〜C10ヘテロシクロアルキルである。いくつかの実施形態では、ヘテロシクロアルキルは、環に0〜2個のN原子を含有する。いくつかの実施形態では、ヘテロシクロアルキルは、0〜2個のN原子、0〜2個のO原子、及び0〜1個のS原子を含有する。
【0109】
波線
【0110】
【化32】
は、分子の残りへの付着点を示す。
【0111】
「ベンジル」及び−CH−フェニルは、互換可能に用いられる。
【0112】
「アシル」という用語は、本明細書において、有機化学の分野で慣習的であるように使用される。例えば、「アシル」は、結合されたアルキル基を持つカルボニル基を意味し得る。
【0113】
「エステル」という用語は、本明細書において、有機化学の分野で慣習的であるように使用される。例えば、「エステル」という用語は、結合された酸素及びアルキルを持つカルボニル基、又は結合されたカルボニル及びアルキルを持つ酸素を意味し得る。
【0114】
「シリル」という用語は、本明細書において、有機化学の分野で慣習的であるように使用される。例えば、「シリル」という用語は、水素及び/又はアルキル基が結合され得るケイ素原子を意味し得る。
【0115】
本明細書で使用される場合、「Boc保護」は、tert−ブチルオキシカルボニル(Boc)基を保護基として持つ化学化合物の官能化を意味する。これは、化学化合物が全体として、そうでなければ無保護基を不必要に攻撃する試薬で処理されることを可能にする。その後、保護基を脱保護して、所望の元の基をもたらすことができる。
【0116】
「薬学的に許容される」は、連邦政府若しくは州政府の規制当局又は米国以外の国の該当する当局により承認された又は承認可能であること、あるいは動物における、より具体的にはヒトにおける使用について米国薬局方又は他の一般的に認知されている薬局方に列挙されていることを意味する。
【0117】
「薬学的に許容される塩」は、薬学的に許容され、親化合物の所望の薬理学的活性を有する、本発明の化合物の塩を指す。特に、そのような塩は、非毒性であり、無機又は有機酸付加塩及び塩基付加塩であり得る。具体的には、かかる塩として、(1)無機酸、例えば塩酸、臭化水素酸、硫酸、硝酸、リン酸などと形成された、若しくは、有機酸、例えば酢酸、プロピオン酸、ヘキサン酸、シクロペンタンプロピオン酸、グリコール酸、ピルビン酸、乳酸、マロン酸、コハク酸、リンゴ酸、マレイン酸、フマル酸、酒石酸、クエン酸、安息香酸、3−(4−ヒドロキシベンゾイル)安息香酸、ケイ皮酸、マンデル酸、メタンスルホン酸、エタンスルホン酸、1,2−エタン−ジスルホン酸、2−ヒドロキシエタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、4−クロロベンゼンスルホン酸、2−ナフタレンスルホン酸、4−トルエンスルホン酸、カンファースルホン酸、4−メチルビシクロ[2.2.2]−オクタ−2−エン−1−カルボン酸、グルコヘプトン酸、3−フェニルプロピオン酸、トリメチル酢酸、三級ブチル酢酸、ラウリル硫酸、グルコン酸、グルタミン酸、ヒドロキシナフトエ酸、サリチル酸、ステアリン酸、ムコン酸などと形成された、酸付加塩、又は、(2)どちらかの親化合物中に存在する酸性プロトンが、金属イオン、例えば、アルカリ金属イオン、アルカリ土類イオン、若しくはアルミニウムイオンで置換されると形成された、若しくは、有機塩基、例えばエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、N−メチルグルカミンなどと配位された、塩が挙げられる。更なる塩類としては、あくまで例示にすぎないが、ナトリウム、カリウム、カルシウム、マグネシウム、アンモニウム、テトラアルキルアンモニウムなど、化合物が塩基性官能基を含有する場合は、塩酸塩、臭化水素酸塩、酒石酸塩、メシル酸塩、酢酸塩、マレイン酸塩、シュウ酸塩のような非毒性の有機酸又は無機酸の塩が挙げられる。
【0118】
「薬学的に許容されるビヒクル」は、本発明の化合物と共に投与される希釈剤、アジュバント、賦形剤、又は担体を指す。「薬学的に許容される賦形剤」は、薬理学的組成物に添加されるか、又は別の方法で薬剤の投与を容易にするためにビヒクル、担体、又は希釈剤として用いられ、かつそれらと適合性がある、無毒性であり、生物学的に耐容性であり、かつ別の方法で対象への投与に生物学的に好適である物質、例えば不活性物質を指す。賦形剤の例としては、炭酸カルシウム、リン酸カルシウム、様々な糖及びデンプンの種類、セルロース誘導体、ゼラチン、植物、油及びポリエチレングリコールが挙げられる。
【0119】
「対象」には、ヒトが含まれる。「ヒト」、「患者」、及び「対象」という用語は、本明細書において互換可能に使用される。
【0120】
任意の疾患又は障害を「治療する」又はそれらの「治療」は、一実施形態において、疾患又は障害を寛解させること(すなわち、疾患又は少なくとも1つのその臨床症状の進展を阻止又は低減すること)を指す。別の実施形態では、「治療する」又は「治療」とは、対象によって認識されない場合がある少なくとも1つの身体的パラメータを寛解させることを指す。更に別の実施形態では、「治療する」又は「治療」とは、身体的(例えば、認識可能な症状の安定化)、生理学的(例えば、身体的パラメータの安定化)のいずれか又はその両方において、疾患又は障害を調節することを指す。更に別の実施形態では、「治療する」又は「治療」とは、疾患又は障害の発症を遅延させることを指す。
【0121】
本発明にかかる治療方法では、このような疾患、障害若しくは病態に罹患しているか、又はこれら疾患、障害若しくは病態であると診断された対象に、治療的有効量の本発明にかかる薬学的薬剤を投与する。「治療有効量」とは、指定の疾患、障害、又は病態に対するかかる治療を必要とする患者において、概ね所望される治療的若しくは予防的効果を得るのに十分な量又は用量を意味する。
【0122】
本発明の化合物の有効量又は用量は、モデル化、用量漸増試験又は臨床試験などの常法によって、並びに日常的な要因、例えば、投与若しくは薬物送達の形態又は経路、化合物の薬物動態、疾患、障害、又は病態の重篤度及び経過、対象が以前に受けていた又は現在受けている治療、対象の健康状態及び薬物に対する応答、並びに治療する医者の判断を考慮することによって確定されてもよい。用量の例は、単回又は分割用量単位(例えば1日2回、1日3回、1日4回)で対象の体重1kg当たり化合物約0.001〜約200mg/日、好ましくは約0.05〜100mg/kg/日、又は約1〜35mg/kg/日の範囲である。70kgのヒトの場合では、好適な投薬量の例示的な範囲は、約0.05〜約7g/日又は約0.2〜約2.5g/日である。
【0123】
「本発明の化合物」及び等価な表現は、本明細書に記載されている式の化合物を包含することを意味し、この表現は、状況から許容される場合、薬学的に許容される塩及び溶媒和物、例えば水和物を含む。同様に、中間体に対する言及は、それ自体が特許請求されていようといまいと、状況から許容される場合はその塩及び溶媒和物を包含することを意味する。
【0124】
本明細書で使用するとき、「同位体変種」という用語は、そのような化合物を構成する1個又は2個以上の原子に、不自然な割合の同位体を含有する化合物を指す。例えば、ある化合物の「同位体変種」は、放射性標識する、すなわち、例えば重水素(H又はD)、炭素13(13C)、窒素15(15N)などの1つ又は2つ以上の非放射性又は放射性同位体を含むことができる。そのような同位体置換が行われる化合物において、存在する場合は以下の原子は、例えば、任意の水素がH/Dであり得るか、任意の炭素が13Cであり得るか、又は任意の窒素が15Nであり得るように、変わり得ること、及びそのような原子の存在又は配置は、当業者によって決定され得ることが理解される。同様に、本発明は、例えば、得られる化合物が薬物及び/又は基質組織分布研究に使用され得る場合に、放射線同位体による同位体変種の調製を含むことができる。本発明の放射標識化合物を、単光子放出コンピュータ断層撮影法(SPECT)などの診断法にて使用することができる。放射性同位体の三重水素(すなわちH)及び炭素−14(すなわち14C)は、取り込みが容易で、かつ検出手段としてすぐに使えるという点で特に有用である。更に、11C、18F、15O及び13Nのような陽電子放出同位体により置換されている化合物を調製することもでき、基質受容体占有率を検査する陽電子放出断層撮影法(PET)研究に有用である。
【0125】
本発明の化合物の全ての同位体変種は、放射性であっても、なくても、本発明の範囲内に包含されることが意図される。一態様では、本明細書において、記載される化合物の重水素化又はトリチウム化類似体が提供される。
【0126】
同じ分子式を有するが、性質又はその原子の結合の配列又は空間におけるその原子の配置が異なる化合物を、「異性体」と呼ぶことも、理解される。空間におけるその原子の配置において異なる異性体を、「立体異性体」と呼ぶ。
【0127】
互いの鏡像ではない立体異性体を、「ジアステレオマー」と呼び、互いの重ね合わせられない鏡像である立体異性体を、「鏡像異性体」と呼ぶ。化合物が不斉中心を有するとき、例えば、4つの異なる基に結合している場合、1対の鏡像異性体が可能である。エナンチオマーは、その不斉中心の絶対配置を特徴とすることができ、カーン・プレログのR−及びS−順位則によって記述されるか、又は分子が偏光面を回転させる様式によって、右旋性若しくは左旋性(すなわち、それぞれ(+)又は(−)異性体)として指定される。キラル化合物は、個々のエナンチオマー又はその混合物として、存在し得る。等比率の鏡像異性体を含有する混合物を、「ラセミ混合物」と呼ぶ。
【0128】
「互変異性体」は、特定の化合物構造の互換可能な形態であり、水素原子及び電子の置換が異なる化合物を指す。したがって、2つの構造は、π電子及び原子(通常、H)の移動を通して、平衡であってもよい。例えば、エノール及びケトンは、酸又は塩基のいずれかで処理することによって迅速に相互変換されるので、互変異性体である。互変異性の別の例は、フェニルニトロメタンの酸形態及びニトロ形態であり、これらは同様に酸又は塩基で処理することにより形成される。
【0129】
互変異性体形態は、対象化合物の最適な化学的反応性及び生物活性の達成に関連する場合がある。
【0130】
本明細書で使用される場合、「粉砕する」という用語は、材料を精製する方法を意味し、粗材料が溶媒で洗浄される。溶媒は、所望の生成物が不溶性であり、不純物が可溶性であるように選択することができ、その場合、精製した生成物が固体のままであり、不純物が溶媒で除去される。反対に、溶媒は、所望の生成物が可溶性であり、不純物が不溶性であるように選択することができ、その場合、精製した生成物が溶液中にあり、不純物が固体として除去される。次いで、溶媒を、例えば、蒸発によって除去して、精製した生成物を得ることができる。
【0131】
また、本発明の化合物は、「回転異性体」、すなわち、異なる配座に至る回転が妨害され、その結果、ある配座異性体から別の配座異性体に変換するための回転エネルギー障壁が克服される場合に生じる配座異性体としても存在する場合がある。
【0132】
本発明の化合物は、1つ又は2つ以上の不斉中心を有する場合があるので、そのような化合物は、個々の(R)−若しくは(S)−立体異性体として、又はそれらの混合物として生成され得る。
【0133】
特に指示しない限り、明細書及び特許請求の範囲における特定の化合物の記載又は命名は、ラセミ体又は他のもののその個々の鏡像異性体及び混合物の両方を含むことを意図する。立体化学の決定及び立体異性体の分離の方法は、当該技術分野で周知である。
【0134】
本明細書で使用される場合、「局所送達」という用語は、身体の特定の限られた領域への製剤又は治療剤の送達を意味する。
【0135】
本明細書で使用される場合、「全身送達」という用語は、身体中の、例えば、循環系への投与による製剤又は治療剤の送達を意味する。
【0136】
本明細書で使用される場合、「質量分析(MS)」という用語は、化学化合物をイオン化して荷電分子又は分子断片を生成し、それらの量を質量対荷電(m/z)の比の関数(質量スペクトル)として測定する分析技法を意味する。この質量スペクトルから、化学化合物の構造に関する結論を出すことができる。
【0137】
本明細書で使用される場合、「液体クロマトグラフィ質量分析(LCMS)」という用語は、液体クロマトグラフィの物理的分離能力を、質量分析の分析能力と合わせた分析技法を意味する。液体クロマトグラフィ工程では、試料は、固定相で充填されたカラムに導入され、カラム内のそれらの保持時間(Rt)毎に試料の化学化合物を分離する。次いで、保持時間の間隔と関連した1つ又は複数の化学化合物を質量分析の対象として、質量スペクトルを得ることで、この1つ又は複数の化学化合物の構造に関する結論を出すことを可能にする。
【0138】
本明細書で使用される場合、「薄層クロマトグラフィ(TLC)」という用語は、試料中の化学化合物を、それらが固定相材料でコーティングされたプレートに引き上げられる異なる速度毎に分離する分析技法を意味する。
【0139】
本明細書で使用される場合、「核磁気共鳴分光(NMR)」という用語は、無線周波数パルスに対する核の組の共鳴反応の強度を測定して、核の電子環境に関する情報を得ることを可能にする分析技法を意味する。これから、核が存在する化合物の化学構造に関する結論を出すことができる。水素核(プロトン)を使用する核磁気共鳴分光技法は、プロトン核磁気共鳴分光(1HNMR)と呼ばれる。
【0140】
本発明は、式XXIIIの化合物
【0141】
【化33】
(式中、Rは、水素、アルキル基、アシル基、又はシリル基であり、
は、水素、アルキル基、ベンジル基、アシル基、又はエステル基であり、
は、水素、アルキル基、芳香族基、アザ環式基、炭素環基、アリール基、シクロアルキル基、ヘテロシクロアルキル基、複素環基、ヘテロアリール基、ヘテロアルキル基、又はエステル基である)、並びにその誘導体及び立体異性体を提供する。
【0142】
いくつかの実施形態では、Rは、1つ又は2つ以上の置換基で任意に置換される。様々な実施形態では、任意の置換基は、ハロ、=O、=N−CN、=N−OR’、=NR’、OR’、N(R’)、SR’、SOR’、SONR’、NR’SOR’、NR’CONR’、NR’COOR’、NR’COR’、CN、COOR’、CON(R’)、OOCR’、COR’、及びNOから選択され、各R’は独立して、H、C〜Cアルキル、C〜Cヘテロアルキル、C〜Cアシル、C〜Cヘテロアシル、C〜C10アリール、C〜C10ヘテロアリール、C〜C12アリールアルキル、又はC〜C12ヘテロアリールアルキルであり、これらの各々が、ハロ、C〜Cアルキル、C〜Cヘテロアルキル、C〜Cアシル、C〜Cヘテロアシル、ヒドロキシ、アミノ、及び=Oから選択される1つ又は2つ以上の基で任意に置換されており、2つのR’が結合して、N、O、及びSから選択される3個以下のヘテロ原子を任意に含有する3〜7員環を形成していてもよい。
【0143】
いくつかの実施形態では、Rは、1つ又は2つ以上の置換基で任意に置換される。様々な実施形態では、任意の置換基は、ハロ、=O、=N−CN、=N−OR’、=NR’、OR’、N(R’)、SR’、SOR’、SONR’、NR’SOR’、NR’CONR’、NR’COOR’、NR’COR’、CN、COOR’、CON(R’)、OOCR’、COR’、及びNOから選択され、各R’は独立して、H、C〜Cアルキル、C〜Cヘテロアルキル、C〜Cアシル、C〜Cヘテロアシル、C〜C10アリール、C〜C10ヘテロアリール、C〜C12アリールアルキル、又はC〜C12ヘテロアリールアルキルであり、これらの各々が、ハロ、C〜Cアルキル、C〜Cヘテロアルキル、C〜Cアシル、C〜Cヘテロアシル、ヒドロキシ、アミノ、及び=Oから選択される1つ又は2つ以上の基で任意に置換されており、2つのR’が結合して、N、O、及びSから選択される3個以下のヘテロ原子を任意に含有する3〜7員環を形成していてもよい。
【0144】
いくつかの実施形態では、Rは、1つ又は2つ以上の置換基で任意に置換される。様々な実施形態では、任意の置換基は、ハロ、=O、=N−CN、=N−OR’、=NR’、OR’、N(R’)、SR’、SOR’、SONR’、NR’SOR’、NR’CONR’、NR’COOR’、NR’COR’、CN、COOR’、CON(R’)、OOCR’、COR’、及びNOから選択され、各R’は独立して、H、C〜Cアルキル、C〜Cヘテロアルキル、C〜Cアシル、C〜Cヘテロアシル、C〜C10アリール、C〜C10ヘテロアリール、C〜C12アリールアルキル、又はC〜C12ヘテロアリールアルキルであり、これらの各々が、ハロ、C〜Cアルキル、C〜Cヘテロアルキル、C〜Cアシル、C〜Cヘテロアシル、ヒドロキシ、アミノ、及び=Oから選択される1つ又は2つ以上の基で任意に置換されており、2つのR’が結合して、N、O、及びSから選択される3個以下のヘテロ原子を任意に含有する3〜7員環を形成していてもよい。
【0145】
本発明は、式Iの構造を有する化合物
【0146】
【化34】
(2R,3S,6S,7aS)−tert−ブチル3−((tert−ブチルジフェニルシリル)オキシ)オクタヒドロ−1H−2,6−メタノピロロ[3,2−b]ピリジン−1−カルボキシレート、及びその立体異性体を提供する。この化合物は、実施例1に記載されるスキーム1〜13に記載の反応シーケンスによって調製され得る。
【0147】
本発明は、式Iの化合物の治療的誘導体、及びそれらの合成方法を更に提供する。1つのそのような誘導体は、式XVIIIの化合物
【0148】
【化35】
((2R,3R,3aS,3aS,6S,7aS)−1−(ベンゾ[d][1,3]ジオキソール−5−イルメチル)−4−(5−フルオロピコリノイル)オクタヒドロ−1H−2,6−メタノピロロ[3,2−b]ピリジン−3−イルシクロプロパンカルボキシレート)である。この化合物は、実施例2に記載されるスキーム15〜19に記載の反応シーケンスによって調製され得る。
【0149】
式Iの化合物の第2の治療的誘導体は、式XXIIの化合物である。
【0150】
【化36】
【0151】
この化合物は、実施例3に記載されるスキーム20〜23に記載の反応シーケンスによって調製され得る。
【0152】
薬学的組成物及び投与
本発明の化合物は、薬学的薬剤として有用であり、本明細書で定義される、治療有効量の本発明の化合物、及び薬学的に許容される担体又は希釈剤を含む薬学的組成物に組み込まれ得る。
【0153】
本発明の化合物はまた、薬学的薬剤として有用な誘導体化合物の製造において使用することもでき、これも同様に、治療有効量のそのような誘導体化合物及び薬学的に許容される担体又は希釈剤で調製された薬学的組成物に組み込まれ得る。
【0154】
本発明の化合物、及びそのようなその誘導体は、ヒト及び動物における病態、疾患、及び障害の治療において有用であり得る。そのような化合物は、薬学的組成物として製剤化され、治療を必要とする対象、例えばヒト患者などの哺乳動物に、選択された投与経路に適合された様々な形態で投与され得る。例えば、本発明の化合物は、経口、鼻腔的、腹腔内、又は非経口的、静脈内、筋肉内、局所、若しくは皮下経路、又は組織への注射による投与のために製剤化されてもよい。
【0155】
したがって、本発明の化合物は、例えば、不活性希釈剤若しくは消化可能な食用担体などの薬学的に許容されるビヒクルとの組み合わせで経口的に、又は吸入若しくは吹送によって全身的に投与されてもよい。それらは、硬殻若しくは軟殻ゼラチンカプセルに封入され得るか、錠剤に圧縮され得るか、又は患者の食事の食べ物に直接組み込まれ得る。経口治療投与の場合、化合物は、1つ又は2つ以上の賦形剤と組み合わされ、摂取可能な錠剤、バッカル錠、トローチ、カプセル、エリキシル、懸濁剤、シロップ、ウエハ等の形態で使用され得る。化合物は、不活性粉末状担体と組み合わされ、対象によって吸入されるか又は吹送されてもよい。そのような組成物及び調製物は、本発明の化合物の少なくとも0.1%を含有すべきである。そのような組成物及び調製物中の本発明の化合物の割合は、当然のことながら変動してもよく、便宜的に所与の単位剤形の重量の約2%〜約60%であり得る。そのような治療上有用な組成物中の化合物の量は、有効な投薬量レベルが得られるようなものである。
【0156】
錠剤、トローチ、丸薬、カプセル等はまた、以下を含有してもよい。トラガカントガム、アカシア、トウモロコシデンプン、又はゼラチンなどの結合剤;リン酸二カルシウムなどの賦形剤、トウモロコシデンプン、ジャガイモデンプン、アルギン酸等の崩壊剤;ステアリン酸マグネシウムなどの潤滑剤;及びスクロース、フルクトース、ラクトース、若しくはアスパルテームなどの甘味剤、又はペパーミント、ウィンターグリーンの油、若しくはチェリー味などの香味剤が添加されてもよい。単位剤形がカプセルである場合、上記種類の材料に加えて、植物油又はポリエチレングリコールなどの液体担体を含有し得る。様々な他の材料は、コーティングとして、又は別の方法で固体単位剤形の物理的形態を修飾するために存在し得る。例えば、錠剤、丸薬、又はカプセルは、ゼラチン、ワックス、シェラック、又は糖等でコーティングされ得る。シロップ又はエリキシルは、活性化合物、スクロース、又はフルクトースを甘味剤として、メチル及びプロピルパラベンを保存剤として、色素、並びにチェリー又はオレンジ味などの香味剤を含有してよい。当然のことながら、任意の単位剤形を調製する際に使用される任意の材料は、薬学的に許容され、用いられる量で実質的に非毒性であるべきである。加えて、化合物は、持続放出調製物及びデバイスに組み込まれてもよい。例えば、化合物は、時間放出カプセル、時間放出錠剤、時間放出丸薬、及び時間放出ポリマー又はナノ粒子に組み込まれ得る。
【0157】
化合物はまた、注入又は注射によって静脈内又は腹腔内に投与されてもよい。化合物の溶液は、水中で調製され、任意に非毒性界面活性剤と混合され得る。分散液もまた、グリセロール、液体ポリエチレングリコール、トリアセチン、及びそれらの混合物中、並びに油中で調製され得る。従来の保管及び使用条件下で、これらの調製物は、微生物の成長を防止するために保存剤を含有し得る。
【0158】
注射又は注入に好適な薬学的剤形としては、無菌注射液又は注入液又は分散液の即時調製のために適合され、任意にリポソームにカプセル化される化合物を含む、無菌水溶液若しくは分散液、又は無菌粉末が挙げられ得る。全ての場合において、最適な剤形は、製造及び保存の条件下で無菌、流体、かつ安定であるべきである。液体担体又はビヒクルは、例えば、水、エタノール、ポリオール(例えば、グリセロール、プロピレングリコール、液体ポリエチレングリコール等)、植物油、非毒性グリセリルエステル、及びそれらの好適な混合物を含む溶媒又は液体分散媒であり得る。例えば、リポソームの形成により、分散液の場合には必要な粒径の維持により、又は界面活性剤の使用により、適正な流動性を維持することができる。微生物の作用の防止は、例えば、パラベン、クロロブタノール、フェノール、ソルビン酸、チメロサール等の様々な抗細菌剤及び抗真菌剤によって実現することができる。多くの場合、等張性剤、例えば、糖、緩衝剤、又は塩化ナトリウムを含むことが好ましいであろう。吸収を遅らせる薬剤の組成物、例えば、モノステアリン酸アルミニウム及びゼラチン中で使用することによって、注射用組成物の長期的な吸収をもたらすことができる。
【0159】
無菌注射液は、必要量の化合物を、必要に応じて上に列挙した様々な他の成分と共に適切な溶媒に組み込むことによって、好ましくはその後に濾過滅菌を行うことによって調製される。無菌注射液の調製用の無菌粉末の場合、好ましい調製方法は、予め無菌濾過された溶液中に存在する活性成分及び任意の追加の所望の成分の粉末をもたらす、真空乾燥及び凍結乾燥技法である。
【0160】
局所投与の場合、化合物は、純粋な形態で適用され得る。しかしながら、それらを組成物又は製剤として、固体又は液体であり得る皮膚学的に許容される担体と組み合わせて、皮膚に投与することが望ましい場合がある。
【0161】
有用な固体担体としては、細分された固体、例えばタルク、粘土、微結晶セルロース、シリカ、アルミナ等が挙げられる。他の固体担体としては、非毒性ポリマーナノ粒子又は微粒子が挙げられる。有用な液体担体としては、水、アルコール、若しくはグリコール、又は水/アルコール/グリコールブレンドが挙げられ、化合物は、任意に非毒性界面活性剤を用いて、有効レベルで溶解又は分散され得る。香料などのアジュバント及び追加の抗菌剤を添加して、所与の用途のために特性を最適化することができる。得られた液体組成物は、吸収パッドから適用され得るか、包帯及び他の手当て用品にしみ込ませるために使用され得るか、又はポンプ型若しくはエアロゾルスプレーを使用して罹患した領域の上に噴霧され得る。
【0162】
合成ポリマー、脂肪酸、脂肪酸塩、及びエステルなどの増粘剤、脂肪アルコール、改質セルロース、又は改質鉱物材料を液体担体と共に用いて、使用者の皮膚に直接適用するための、塗布可能なペースト、ゲル、軟膏、石鹸等を形成することもできる。
【0163】
化合物を皮膚に送達するために使用することができる有用な皮膚学的組成物の例は、当該技術分野において既知である。例えば、Jacquet et al.(米国特許第4,608,392号)、Geria(米国特許第4,992,478号)、Smith et al.(米国特許第4,559,157号)、及びWortzman(米国特許第4,820,508号)(全てが参照により本明細書に組み込まれる)を参照されたい。
【0164】
そのような製剤中の本発明の治療的化合物の濃度は、製剤の性質及び意図される投与経路に応じて広く変動し得る。例えば、ローションなどの液体組成物中の化合物の濃度は、好ましくは約0.1〜25重量%、又はより好ましくは約0.5〜10重量%であり得る。ゲル又は粉末などの半固体又は固体組成物中の濃度は、好ましくは、約0.1〜5重量%、又はより好ましくは約0.5〜2.5重量%であり得る。
【0165】
本発明の薬剤の有効投薬量及び投与経路は、従来のとおりである。薬剤の正確な量(有効用量)は、例えば、対象の種、年齢、体重、及び全身又は臨床状態、治療される任意の障害の重症度又は機序、使用される特定の薬剤又はビヒクル、投与の方法及びスケジュール等に応じて対象毎に異なる。治療有効用量は、当業者に既知の従来手順によって経験的に決定され得る。例えば、The Pharmacological Basis of Therapeutics,Goodman and Gilman,eds.,Macmillan Publishing Co.,New Yorkを参照されたい。例えば、有効用量は、最初に細胞培養アッセイ又は好適な動物モデルのいずれかにおいて推定され得る。動物モデルを使用して、適切な濃度範囲及び投与経路を決定することもできる。次いで、そのような情報を使用して、ヒトにおける投与に有用な用量及び経路を決定することができる。マウス及び他の動物における有効投薬量をヒトに対して推定するための方法は、当該技術分野において既知である。例えば、参照により本明細書に組み込まれる、米国特許第4,938,949号を参照されたい。治療用量はまた、比較治療剤の投薬量に対する類推によって選択され得る。
【0166】
特定の投与形態及び投薬計画は、症例の詳細(例えば、対象、疾患、関与する疾患状態、及び治療が予防的であるか否か)を考慮して、担当医により選択されるであろう。治療は、数日から数ヶ月又は数年の期間にわたって、日用量又は複数の日用量の化合物(複数可)を必要とし得る。
【0167】
しかしながら、一般に、好適な用量は、1日当たり約0.001〜約100mg/体重1kg、好ましくは1日当たり約0.01〜約100mg/体重1kg、より好ましくは1日当たり約0.1〜約50mg/体重1kgの範囲内であるか、又は更により好ましくは、1日当たり約1〜約10mg/体重1kgの範囲内である。例えば、好適な用量は、1日当たり約1mg/体重1kg、10mg/体重1kg、又は50mg/体重1kgであってよい。
【0168】
化合物は、単位剤形で好都合に投与され、例えば、単位剤形当たり約0.05〜約10000mg、約0.5〜約10000mg、約5〜約1000mg、又は約50〜約500mgの活性成分を含有する。
【0169】
化合物を投与して、例えば、約0.25〜約200μM、約0.5〜約75μM、約1〜約50μM、約2〜約30μM、又は約5〜約25μMのピーク血漿濃度を達成することができる。例示的な望ましい血漿濃度としては、少なくとも0.25、0.5、1、5、10、25、50、75、100、又は200μMが挙げられる。例えば、血漿レベルは、約1〜約100マイクロモル又は約10〜約25マイクロモルであってよい。これは、例えば、任意に生理食塩水中の化合物の0.05〜5%溶液の静脈内注射によって達成され得るか、又は約1〜約100mgの化合物を含有するボーラスとして経口的に投与され得る。望ましい血液レベルは、連続注入又は間欠注入によって維持され得る。
【0170】
化合物は、単一用量で、又は適切な間隔で投与される分割用量として、例えば、1日当たり1用量として、又は1日当たり2回、3回、4回、若しくはそれ以上のサブ用量として好都合に提示され得る。サブ用量自体が、例えば、吸入器からの複数吸入などの、多くの別個の緩く間隔を空けた投与に更に分割されてもよい。
【0171】
本出願において記述、引用、又は参照される、学術論文、特許出願、及び特許を含むが、これらに限定されない全ての文書、参照文献、及び情報は、各々が個々に組み込まれているかのように、参照によりそれら全体が本明細書に組み込まれる。
【実施例】
【0172】
実施例1:式Iの化合物の合成
式Iの化合物は、スキーム1〜12において後述される工程によって、式XIIIの化合物(スコポラミン[51−34−3])((2S)−(1R,2R,4S,5S)−9−メチル−3−オキサ−9−アザトリシクロ[3.3.1.02,4]ノナン−7−イル−3−ヒドロキシ−2−フェニルプロパノエート臭化水素酸三水和物)から合成した。
【0173】
第1の工程をスキーム1に例示する。
【0174】
【化37】
【0175】
10リットルの4首丸底フラスコの中に、水素化ホウ素ナトリウム(172g、4558mmol)を、氷浴中3リットルの絶対エタノール中の式XIIIの化合物(333g、760mmol)の機械的に撹拌された懸濁液に、約2時間にわたって少量ずつ添加した。この時間の間にガス形成が生じ、懸濁液を一晩、周囲温度に加温しながら撹拌した。およそ10℃で加熱している間に、突然の追加のガス形成及び発泡が生じた。
【0176】
次いで、白濁した懸濁液を、その元の量の約半分(すなわち、約3Lから1.5L)に濃縮して、追加の沈殿物が観測され、これがバッチをもたらした。一方で、イソプロピルアルコール(IPA)(5318mmol、1.064L)中の5M HClを、2Lの技術的ジエチルエーテル(EtO)で希釈した。次いで、得られた塩酸(HCl)溶液を、撹拌しながら、氷冷したバッチに滴下添加した。白色懸濁液を、一晩機械的に撹拌して、ホウ酸塩を完全に加水分解させた。
【0177】
反応混合物を濾過し、得られた固体を500mL分量のEtOで2回濯いだ。乾燥した固体(いくらかのEtOを含有した)を、透明な溶液が得られるまで、最小量の10%水性炭酸カリウム(KCO)溶液(約1.5L)に溶解した。200mLの塩水及び約50gの固体NaClを、溶液に添加した。次いで、水相を、クロロホルム/メタノール(MeOH)/[MeOH中の7N NH](85:14:1)で完全に抽出した。この手順を、各々1.0L分量のこの溶媒混合物で5回行った。合わせた有機抽出物を乾燥させ(硫酸ナトリウム(NaSO))、濾過し、溶媒を減圧下で除去して、102.2g(659mmol)の式XIIの化合物((1R,2R,4S,5S)−9−メチル−3−オキサ−9−アザトリシクロ[3.3.1.02,4]ノナン−7−オル)を、わずかに茶褐色の油として87%収率で得た。1HNMR(CDCl)(図1)は、少量の不純物と共に、式XIIの化合物との構造的一致を示した。1HNMR(400MHz,クロロホルム−d)δ4.03〜4.00(m,1H),3.67(s,2H),3.20〜3.18(m,2H),2.52(s,3H),2.14〜2.08(m,2H),1.69〜1.37(m,3H)。
【0178】
次の工程は、スキーム2により例示されるように進めた。
【0179】
【化38】
【0180】
1000mLの乾燥テトラヒドロフラン(THF)中の式XIIの化合物(102.2g、659mmol)、安息香酸(BzOH)(97g、790mmol)、及びトリフェニルホスフィン(PPh)(207g、790mmol)の溶液に、100mLの乾燥THF中のジイソプロピルアゾジカルボキシレート(DIAD)(160g、790mmol、154mL)の溶液を、4時間の期間にわたって滴下添加した。添加の間、アセトン/ドライアイスを使用して、溶液を−35℃〜−25℃で保持した。次いで、透明な無色の溶液を氷浴から取り出し、室温で一晩撹拌した。
【0181】
試料を採取及び分析し、この分析は、反応が完了に至ったことを示した。反応混合物を濃縮し、1Lの酢酸エチル(EtOAc)に溶解し、1Lの飽和重炭酸ナトリウム(NaHCO)で、その後水性2M HCl(1Lで1回、0.5Lで2回)で抽出した。合わせた酸性水性画分を、1LのEtOAcでもう1度洗浄した。およそ400gの炭酸カリウム(KCO)を、ガス形成が観測されなくなるまで、撹拌しながら酸性水層に滴下添加した。得られた溶液のpHは、わずかに塩基性であり、わずかに混濁した黄色であった。次いで、水相を9:1のジクロロメタン(DCM)/MeOH(各々1Lで3回)溶液で抽出し、合わせた有機画分を硫酸ナトリウム(NaSO)で乾燥させ、濾過し、濃縮して118.3g(447mmol)の式XIの化合物((1R,2R,4S,5S,7r)−9−メチル−3−オキサ−9−アザトリシクロ[3.3.1.02,4]ノナン−7−イル安息香酸塩)を得た後、MS(図2)により67.9%収率で98%純度を有することが確認された。1HNMR(400MHz,クロロホルム−d)δ8.07〜7.93(m,2H),7.59〜7.48(m,1H),7.44〜7.40(m,2H),5.39〜5.30(m,1H),3.63(s,2H),3.42〜3.25(m,2H),2.57(s,3H),2.10〜2.04(m,2H),1.92〜1.86(m,2H)。
【0182】
次の工程を、スキーム3に例示されるように進めた。
【0183】
【化39】
【0184】
クロロホルム(350mL)中の式XIの化合物(201.9g、779mmol)の溶液に、窒素雰囲気下(ストリームではない)、KCO(452g、3270mmol)及びクロロギ酸エチル(279g、2569mmol、247mL)を添加して、淡黄色の懸濁液を形成し、次いでこれを還流下で一晩撹拌した。
【0185】
次いで、試料を採取及び分析して、反応が、生成物である式Xの化合物(1R,2R,4S,5S,7r)−エチル7−(ベンゾイルオキシ)−3−オキサ−9−アザトリシクロ[3.3.1.02,4]ノナン−9−カルボキシレート)への74%変換に達していたことを示した。混合物を、還流温度で更に24時間にわたって更に撹拌した。
【0186】
次いで、別の試料を採取及び分析して、反応が生成物への75%変換に達していたことを示した。反応を完了させるために、追加のKCO(53.8g、389mmol)及びクロロギ酸エチル(85g、779mmol、74.8mL)を反応溶液に添加し、混合物を還流温度で一晩撹拌した。
【0187】
一晩撹拌及び還流させた後、別の試料を採取し、これを分析して、反応が式Xの化合物への81%変換に達していたことを示した。
【0188】
次いで、反応混合物を500mLのDCMで希釈し、有機層を750mLの半飽和水性NaHCO溶液、750mLの0.4M水性HCl、及び750mLの塩水で洗浄した。次に、混合物をNaSO上で乾燥させ、次いで濾過し、減圧下で濃縮した後、黄色の油を得た。300mLのヘプタンを添加し、混合物を一晩激しく撹拌した。
【0189】
白色の懸濁液が形成されており、大きな白色の塊を含有していたため、スパチュラで押しつぶした。懸濁液をガラスフィルタで濾過し、およそ250mLのヘプタン及びおよそ200mLのペンタンで濯いだ。次いで、懸濁液を、真空オーブンを使用して3時間乾燥させ、式Xの化合物を白色の固体(219.6g、692mmol、89%収率)として得た。生成物のLCMSは、95%超の収率%を示し、MS(図3B)及び1HNMR(図3A)に示される所望の生成物と、質量及び構造が一致した。1HNMR(400MHz,クロロホルム−d)δ8.01〜7.97(m,2H),7.61〜7.53(m,1H),7.48〜7.42(m,2H),5.48〜5.39(m,1H),4.58(m,1H),4.48(m,1H),4.16(q,J=7.1Hz,2H),3.56〜3.53(m,2H),2.34〜2.21(m,2H),1.98〜1.86(m,2H),1.27(t,J=7.1Hz,3H)。
【0190】
次の工程を、スキーム4に例示されるように進めた。
【0191】
【化40】
【0192】
6Lの3首フラスコ内で、水素化ホウ素ナトリウム(157g、4152mmol)を、室温の1.5Lの絶対エタノール中の式Xの化合物(219.6g、692mmol)の懸濁液に添加した。反応は発熱性であり、およそ4時間の期間にわたって60℃超の内部温度を有しており、反応中、極度のガス/発泡体形成が観測された。懸濁液を、50℃で一晩磁気的に撹拌した。
【0193】
次いで、試料を採取し、TLCにより分析して、反応が完了に至ったことを示した。得られた生成物は、白色の固体であり、これが夜間に磁気撹拌器を停止させた。混合物を減圧下で濃縮し、白色の固体残渣を、1Lのクロロホルムと3.5Lの半飽和水性NaHCO溶液とに分割した。次に層を分離し、水層を追加のクロロホルム(各々1Lで2回)で抽出した。合わせた有機層を、1Lの塩水で洗浄し、NaSO上で乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮して、およそ220gの生成物を白色の固体として得て、これを0.6Lのヘプタン中で一晩、磁気撹拌器で撹拌した。
【0194】
次いで、混合物を濾過し、生成物は、球体を形成していたため押しつぶし、500mLのヘプタンをそれらに添加した。混合物を、磁気撹拌器で一晩激しく撹拌した。
【0195】
混合物を一晩撹拌した後、オフホワイトの懸濁液は、依然として球体を含有していたため、次いでそれらをスパチュラで押しつぶした。懸濁液を濾過し、残渣を、およそ300mLのヘプタンで濯ぎ、真空により乾燥させて、およそ148gの生成物を得た。試料を採取し、1HNMRにより分析して、構造が、式IXの化合物(1R,2R,4S,5S,7r)−エチル7−ヒドロキシ−3−オキサ−9−アザトリシクロ[3.3.1.02,4]ノナン−9−カルボキシレート)と一致していることを示した(図4)。
【0196】
残渣を、およそ300mLのEtO中で1時間撹拌した。白色の懸濁液を濾過し、残渣を、およそ300mLのEtOで再度濯いだ後、真空により(N流下で)乾燥させて、式IXの化合物(122g、572mmol、82%収率)を得た。1HNMR(400MHz,クロロホルム−d)δ4.50(m,1H),4.41(m,1H),4.23〜4.09(m,3H),3.42〜3.39(m,2H),2.15〜2.08(m,2H),1.73〜1.62(m,2H),1.44(d,J=5.9Hz,1H),1.26(t,J=7.1Hz,3H)。
【0197】
次の工程を、スキーム5に例示されるように進めた。
【0198】
【化41】
【0199】
トリエチルアミン(22.78g、225mmol、31.4mL)及びメシル−Cl(23.64g、206mmol、16.08mL)を、0℃のDCM(500mL)中の式IXの化合物(40g、188mmol)の溶液に滴下添加した。添加が完了すると、氷浴を除去し、わずかに白濁した懸濁液を、室温に加温しながら撹拌した。
【0200】
1時間後に試料を採取し、TLCにより分析して、完全な変換が生じたことを示した。次いで、反応混合物を、500mLの水で2回洗浄した。DCM層は白濁しているように見え、NaSO上で乾燥させ(これが層をより透明にした)、次いで濾過し、減圧下で濃縮して、粘性の油を得た。油をトルエンで2回揮散させて、54.2gの淡茶褐色の固体を得、これは、21重量%のトルエンを含有していた。
【0201】
重量が43.2g(148mmol、78.9%収率)で一定するまで、固体を真空下、50℃で更に乾燥させ、式VIIIの化合物((1R,2R,4S,5S,7r)−エチル7−((メチルスルホニル)オキシ)−3−オキサ−9−アザトリシクロ[3.3.1.02,4]ノナン−9−カルボキシレート)を得た。試料を採取し、構造を1HNMRにより確認した(図5)。1HNMR(400MHz,クロロホルム−d)δ5.11〜5.02(m,1H),4.54〜4.53(m,1H),4.44〜4.43(m,1H),4.13(q,J=7.1Hz,2H),3.47〜3.45(m,2H),3.00(s,3H),2.28〜2.23(m,2H),2.00〜1.90(m,2H),1.25(t,J=7.1Hz,3H)。
【0202】
次の工程を、スキーム6に例示されるように進めた。
【0203】
【化42】
【0204】
シアン化カリウム(12.14g、186mmol)及び18−クラウン−6(1,4,7,10,13,16−ヘキサオキサシクロオクタデカン)(0.493g、1.864mmol)を、300mLの乾燥ジメチルスルホキシド中の式VIIIの化合物(19.89g、62.1mmol、91%)の溶液に添加して、薄黄色の溶液を得て、これを65℃で2日半、又はおよそ65時間撹拌し、淡茶色の溶液を得た。試料を採取し、TLCにより分析して(1:1のヘプタン/DME、モリブデン酸染色を必要とした)、所望の生成物へのクリーンな変換を示したが(exo−エピマー副生成物は観測されなかった)、出発材料も観測されたため、反応は完了していなかった。
【0205】
撹拌を計118時間にわたって続け、その後、茶色の溶液を室温に冷却し、追加のバッチと合わせた後、2LのEtOAcと、2Lの水とに分割した。層を分離し、有機層を1Lの塩水で2回洗浄し、NaSO上で乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮して、粗生成物である式VIIの化合物((1R,2R,4S,5S,7s)−エチル7−シアノ−3−オキサ−9−アザトリシクロ[3.3.1.02,4]ノナン−9−カルボキシレート)を得た。
【0206】
得られた生成物を、重力カラムクロマトグラフィ(750gシリカ、ヘプタン/[5−>50% EtOAc])により精製して、15.1gの白色の固体、又は式VIIの化合物を得た。試料を採取し、1HNMR(図6)により分析して、生成物が、式VIIの構造と一致しているが、この生成物は、10重量%のexo−副生成物(これはフォローアップ反応に対して問題ではなかった)及び7.5重量%のヘプタンを含有していたことを示した。全ての実験からの合わせた収率は、溶媒及び副生成物含有量の補正後、7.55g、又は45%収率であった。1HNMR(400MHz,クロロホルム−d)δ4.53〜4.52(m,1H),4.43〜4.41(m,1H),4.12(q,J=7.1Hz,2H),3.70〜3.68(m,2H),2.93〜2.89(m,1H),2.22〜2.12(m,2H),2.04〜1.98(m,2H),1.24(t,J=7.1Hz,3H)。
【0207】
次の工程を、スキーム7に例示されるように進めた。
【0208】
【化43】
【0209】
水中のラネーニッケルの50%スラリーを、350mLのMeOH/200mLのアンモニア(MeOH中7N)中の式VIIの化合物(18.20g、82mmol)の溶液に添加した。この溶液を窒素雰囲気下で保持し、ラネーニッケルスラリーを、激しく撹拌しながら、暗黒色の懸濁液が得られるまで添加した。反応容器を空にし、Hバルーンで再充填し、これを2回繰り返した後、バルーンにより作成されたH雰囲気下、45℃で撹拌した。3時間後に試料を採取し、1:1のヘプタン/ジメトキシエタン(DME)を使用してTLCにより分析して、反応が完了したことを示した。
【0210】
反応混合物を、MeOHで事前に濯いだセライトの短いパッドで濾過した。残渣もまた、追加のMeOHで濯いだ。濾液を減圧下で濃縮して、淡黄色の油を得た。この粗生成物は、主に式VI.aの化合物(1R,2R,4S,5S,7s)−エチル7−(アミノメチル)−3−オキサ−9−アザトリシクロ[3.3.1.02,4]ノナン−9−カルボキシレートの開環アミン、及びより少ない程度で、式VIの化合物(rac−(2R,3S,6S,7aS)−エチル3−ヒドロキシオクタヒドロ−1H−2,6−メタノピロロ[3,2−b]ピリジン−1−カルボキシレート)の(所望の)環化アミンで構成されていた。
【0211】
主なendo−異性体の環化を完了させるために、中間体を、500mLの絶対エタノールに溶解し、これが淡黄色の溶液をもたらし、次いで、一晩撹拌及び還流させた。試料を採取し、減圧下で濃縮し、CDClに溶解し、1HNMR(図7)により分析して、中間体である開環endo−異性体が環化していたことを示した。およそ9%の生成物は、開環exo−アミンであり、いくらかの溶媒が残っていたことを更に示した。1HNMR(400MHz,クロロホルム−d)δ4.46〜4.01(m,5H),3.50〜3.44(m,1H),3.16〜3.11(m,1H),3.96〜2.93(m,1H),2.10〜1.66(m,5H),1.47(d,J=13.3Hz,1H),1.26(t,J=7.1Hz,3H)。
【0212】
主なバッチである黄色の溶液を、減圧下で濃縮し、残渣を500mLのCHClに再溶解し、NaSO上で乾燥させた。溶液を濾過し、濃縮して21.7gの式VIの化合物を、溶媒及び開環exo−アミンを含有する粘性の黄色の油として得て、これを次の工程で使用した。
【0213】
次の工程を、スキーム8に例示されるように進めた。
【0214】
【化44】
【0215】
ベンズアルデヒド(22.74g、214mmol、21.72mL)を、1000mLのジクロロメタン中の式VIの化合物(37.3g、165mmol)の溶液に添加した。15分後にSTAB(55.9g、264mmol)を添加した。次いで、懸濁液を室温で一晩撹拌した。
【0216】
反応混合物を、1Lの水及び1LのNaHCOで洗浄した。有機層をNaSO4で乾燥させ、濃縮乾燥させて、55gの反応生成物を得て、次にこれを重力カラムクロマトグラフィにより精製して(約600g、Hep/5〜60% EtOAc)、1HNMR(図8B)及びMS(図8A)により分析及び確認されるように、2.2gのexo−Bn2N−付加物、及び35.3gの式Vの化合物(rac−(2R,3S,6S,7aS)−エチル3−ヒドロキシオクタヒドロ−1H−2,6−メタノピロロ[3,2−b]ピリジン−1−カルボキシレート)を得た。1HNMR(400MHz,クロロホルム−d)δ7.35〜7.30(m,4H),7.26〜7.22(m,2H),4.41〜4.02(m,5H),3.83〜3.78(m,1H),3.66(d,J=13.3Hz,1H),3.30〜3.26(m,1H),3.11〜3.06(m,1H),2.35〜2.31(m,1H),2.07〜1.88(m,3H),1.77〜1.65(m,2H),1.44(d,J=13.9Hz,1H),1.25(t,J=7.1Hz,3H)。
【0217】
次の工程を、スキーム9に例示されるように進めた。
【0218】
【化45】
【0219】
イミダゾール(15.19g、223mmol)及びtert−ブチルジフェニルクロロシラン(30.7g、112mmol、28.7mL)を、100mLの乾燥N,N−ジメチルホルムアミド中の式Vの化合物(35.3g、112mmol)の溶液に添加して、薄黄色の溶液を形成し、これを室温で一晩撹拌した。
【0220】
撹拌が完了した後、試料を採取し、LCMSにより分析して、反応が完了したことを示した。
【0221】
次いで、この溶液を減圧下で濃縮して油性の残渣を得て、これを750mLのDCMで希釈し、750mLの1:1飽和水性NaHCO溶液及び水で洗浄した。次に、溶液を750mLの塩水で洗浄した。有機層をNaSO上で乾燥させ、濾過し、濃縮して、TLCにより確認されるように、およそ65gの反応生成物を得た。
【0222】
反応生成物を、重力カラムクロマトグラフィにより精製して(およそ600g、Hep/5〜15% EtOAc)、59.5g又は90%収率の式IVの化合物(rac−(2R,3R,6S,7aS)−エチル4−ベンジル−3−((tert−ブチルジフェニルシリル)オキシ)オクタヒドロ−1H−2,6−メタノピロロ[3,2−b]ピリジン−1−カルボキシレート)を、非常に粘性の無色の油として得た。試料を採取し、1HNMR(図9B)及びLCMS(図9A)により分析して、生成物が、式IVの構造と一致し、かつ6w/w%ヘプタンを含有していることを示した。1HNMR(400MHz,クロロホルム−d)δ7.72〜7.66(m,4H),7.47〜7.36(m,6H),7.26〜7.16(m,3H),7.12〜7.09(m,2H),4.62〜4.48(m,1H),4.26(s,1H),4.22〜4.03(m,3H),3.40〜3.29(m,2H),2.89〜2.78(m,2H),1.92〜1.76(m,4H),1.62〜1.52(m,1H),1.31〜1.23(m,3H),1.17〜1.11(m,1H),1.02(s,9H)。
【0223】
次の工程を、スキーム10に例示されるように進めた。
【0224】
【化46】
【0225】
ヨードトリメチルシラン(75.0g、375mmol、51mL)を、1.2Lの乾燥トルエン中の式IVの化合物(73.9g、124mmol、93%)の溶液に添加して、黄色の反応混合物を作製し、これを85℃で一晩撹拌した。
【0226】
次いで、試料を採取し、TLCにより分析して、反応が完了に至ったことを示した。得られた反応混合物は、暗色の溶液であり、室温に冷却して(懸濁)、250mLのMeOHで反応停止させた。次に、混合物をおよそ250mLに濃縮した。この後、750mLのDCMを添加し、混合物を750mLの1:1飽和水性NaHCO溶液/HOで洗浄した。次いで、有機層を750mLの塩水で洗浄し、Na−SO上で乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮して、およそ72g又は92%収率の式IIIの化合物(rac−(2R,3R,6S,7aS)−4−ベンジル−3−((tert−ブチルジフェニルシリル)オキシ)オクタヒドロ−1H−2,6−メタノピロロ[3,2−b]ピリジン)を、暗黄色/橙色の油として得た。
【0227】
試料を採取し、LCMS(図10)により分析して、正しい質量を示し、また生成物が約80%の純度を有し、0.448でのピークはトルエンであったことを示した。1HNMR(400MHz,クロロホルム−d)δ7.69〜7.63(m,4H),7.47〜7.37(m,6H),7.26〜7.12(m,5H),4.36(s,1H),3.73〜3.70(m,1H),3.39(d,J=13.7Hz,1H),3.26(d,J=7.6Hz,1H),3.06(s,1H),2.90(d,J=13.7Hz,1H),2.79〜2.74(m,1H),2.41(bs,1H),1.90〜1.80(m,4H),1.67〜1.64(m,1H),1.11〜0.99(m,10H)。
【0228】
次の工程を、スキーム11に例示されるように進めた。
【0229】
【化47】
【0230】
EtN(48.3g、477mmol、0.067L)及びジ−tert−ブチルジカルボネート(BocO)(39.1g、179mmol)を、1Lのジクロロメタン中の式IIIの化合物(72g、119mmol、80%)の溶液に添加して、淡黄色の溶液を形成し、これを室温で週末にわたって撹拌した。
【0231】
試料を採取し、TLCにより分析して、反応が完了したことを示した。溶液を250mLのDCMで希釈し、1Lの飽和水性NaHCO溶液及び1Lの塩水で洗浄した。次いで、有機層をNaSO上で乾燥させ、濾過し、濃縮して、およそ80gの粗生成物を得た。重力カラムクロマトグラフィにより精製して(800g、ヘプタン/[EtOAc1−>10%])、68.4g又は94%収率の式IIの化合物(rac−(2R,3R,6S,7aS)−tert−ブチル4−ベンジル−3−((tert−ブチルジフェニルシリル)オキシ)オクタヒドロ−1H−2,6−メタノピロロ[3,2−b]ピリジン−1−カルボキシレート)を、無色のガラスとして得た。試料を採取し、1HNMR(図11A)及びLCMS(図11B)により分析して、生成物と式IIの構造との一致を示し、生成物が4w/w%ヘプタンを含有していたことを更に示す。1HNMR(400MHz,クロロホルム−d)δ7.73〜7.65(m,4H),7.47〜7.35(m,6H),7.24〜7.10(m,5H),4.53〜4.40(m,1H),4.24(d,J=3.8Hz,1H),4.10〜3.92(m,1H),3.44〜3.32(m,2H),2.87(d,J=13.6Hz,1H),2.33〜2.77(m,1H),1.93〜1.72(m,4H),1.65〜1.54(m,1H),1.50〜1.47(m,9H),1.10〜1.02(m,10H)。
【0232】
次の工程を、スキーム12に例示されるように進めた。
【0233】
【化48】
【0234】
窒素流下で、活性炭素(7g、125mmol)上の10%パラジウムを、600mLの酢酸中の式IIの化合物(72.9g、125mmol)の溶液に添加した。容器を閉じ、得られた混合物を50℃で2時間、バルーンにより作成された水素雰囲気下で撹拌した。
【0235】
次いで、混合物を50℃で一晩撹拌した。黒色の懸濁液を、EtOHで濯いだセライトで濾過し、濾液を減圧下で濃縮した。残渣を0.5Lのトルエンで2回揮散させ、この後、それを1Lのジエチルエーテルに溶解した。有機層を1Lの10%(w/v)水性KCO溶液、1Lの塩水で洗浄し、NaSO上で乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮した後、ペンタンで再度揮散させて、58.5gの濃い茶褐色のシロップ、式Iの化合物(rac−(2R,3S,6S,7aS)−tert−ブチル3−((tert−ブチルジフェニルシリル)オキシ)オクタヒドロ−1H−2,6−メタノピロロ[3,2−b]ピリジン−1−カルボキシレート)を得た。試料を採取し、1HNMR(図12B)及びLCMS(図12A)により分析して、生成物が、式Iの構造と一致しており、5.1重量%のトルエン及び1.3重量%のn−ペンタンを含有していることを示した。1HNMR(400MHz,クロロホルム−d)δ7.68〜7.63(m,4H),7.45〜7.35(m,6H),4.40〜4.25(m,1H),4.13〜3.93(m,2H),3.41〜3.36(m,1H),2.97〜2.92(m,1H),2.62(d,J=11.5Hz,1H),1.96〜1.78(m,2H),1.67(s,1H),1.64〜1.56(m,1H),1.49〜1.47(m,9H),1.16〜1.13(m,1H),1.05〜1.04(m,9H)。
【0236】
式Iの化合物を、スキーム13に例示されるように、90/10 scCO/iPrOH+0.2%イソプロピルアミン溶出液を用いるWelkho−1カラム上の超臨界流体クロマトグラフィ(SFC)を介して、そのそれぞれのエナンチオマーに分離した。
【0237】
【化49】
【0238】
出発反応物質を式Iの化合物に転換させるためのこれらの合成工程の概要を、スキーム14に提供する。
【0239】
【化50】
【0240】
実施例2:式Iの化合物の治療的誘導体の合成
以下は、式XVIIIの化合物を、式I.aの化合物から合成するための工程を説明する。
【0241】
スキーム15で下に例示されるように、最初に、式XIVの化合物((2R,3R,3aS,6S,7aS)−tert−ブチル3−((tert−ブチルジフェニルシリル)オキシ)−4−(5−フルオロピコリノイル)オクタヒドロ−1H−2,6−メタノピロロ[3,2−b]ピリジン−1−カルボキシレート)を、式I.aの化合物から合成した。
【0242】
【化51】
【0243】
11.58g(30.4mmol)の1−[ビス(ジメチルアミノ)メチレン]−1H−1,2,3−トリアゾロ[4,5−b]ピリジニウム3−オキシドヘキサフルオロホスフェート(HATU)を、125mLのDCM中の5−フルオロピコリン酸(4.30g、30.4mmol)及びジイソプロピルエチルアミン(DIPEA)(3.93g、30.4mmol、5.32mL)の溶液に添加した。次いで、反応混合物を室温で2時間撹拌した。125mLのDCM中の式I.aの化合物(12.5g、25.4mmol)の溶液を添加し、反応混合物を室温で一晩撹拌した。
【0244】
反応混合物を200mLのDCMで希釈し、水性飽和NaHCO(300mL)、1M KHSO(300mL)及び塩水(400mL)で洗浄した。有機層を、硫酸ナトリウムで乾燥させ、濃縮して、LCMS(図13)により確認されるように、22.0g(141%)の式XIVの化合物を得た。
【0245】
次いで、スキーム16で下に例示されるように、式XVの化合物((2R,3R,3aS,6S,7aS)−tert−ブチル4−(5−フルオロピコリノイル)−3−ヒドロキシオクタヒドロ−1H−2,6−メタノピロロ[3,2−b]ピリジン−1−カルボキシレート)を、式XIVの化合物から合成した。
【0246】
【化52】
【0247】
100mLの乾燥テトラヒドロフラン中の式XIVの化合物(15.64g、25.4mmol)の溶液に、76mL(76mmol)のフッ化テトラブチルアンモニウム(TBAF)を添加し、反応混合物を50℃で一晩撹拌した。反応混合物を濃縮乾燥し、重力カラムクロマトグラフィにより精製して(500mLシリカ、DCM対5% MeOH/DCM)、副生成物で汚染された11.4gの所望の材料を得た。残渣を0.25LのEtOAcに溶解し、0.5Lの塩水で2回洗浄して、LCMS分析(図14)により示されるように、未特定の不純物で汚染された9.50g(99%)の式XVの化合物を得た。この材料をそのまま次の反応で使用した。
【0248】
次いで、スキーム17で下に例示されるように、式XVIの化合物((2R,3R,3aS,6S,7aS)−tert−ブチル3−((シクロプロパンカルボニル)オキシ)−4−(5−フルオロピコリノイル)オクタヒドロ−1H−2,6−メタノピロロ[3,2−b]ピリジン−1−カルボキシレート)を、式XVの化合物から合成した。
【0249】
【化53】
【0250】
式XVの化合物(3.5g、9.27mmol)を、40mLのピリジンに溶解し、続いて1.133g(9.27mmol)の4−ジメチルアミノピリジン(DMAP)及び20.16mL(23.18mmol)の塩化シクロプロパンカルボニルを添加した。反応混合物を60℃で3時間撹拌した。その後、反応混合物を250mLの酢酸エチルで希釈し、KHSO(0.5M、200mL)、NaHCO(飽和、水性、200mL)及び塩水(200mL)で洗浄した。有機相を硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、溶媒を蒸発させた。粗残渣を、重力カラムクロマトグラフィにより精製して(シリカ、50% EtOAc/ヘプタン対100% EtOAc)、LCMS(図15)により確認されるように、3.40g(82%)の式XVIの化合物を得た。
【0251】
次いで、スキーム18で下に例示されるように、式XVIIの化合物((2R,3R,3aS,6S,7aS)−4−(5−フルオロピコリノイル)オクタヒドロ−1H−2,6−メタノピロロ[3,2−b]ピリジン−3−イルシクロプロパンカルボキシレート)を、式XVIの化合物から合成した。
【0252】
【化54】
【0253】
250mLの丸底フラスコ内で、3.40g(7.63mmol)の式XVIの化合物を、30mLのDCMに溶解した。トリフルオロ酢酸(46.1g、404mmol、30mL)を添加し、反応混合物を室温で90分間撹拌した。反応混合物を蒸発乾燥させ、トルエンで2回同時蒸発させた。この残渣を、150mLのCHClと、150mLの飽和NaCO(水性)とに分割し、有機相を分離した。水層を、100mLのChClで2回抽出した。合わせた有機層を、100mLの塩水で洗浄し、NaSO上で乾燥させ、濾過し、蒸発乾燥させ、DCMで1回同時蒸発させて、LCMS分析(図16)により確認されるように、2.791g(106%)の式XVIIの化合物を得た。
【0254】
スキーム19で下に例示されるように、式XVIIIの化合物を、式XVIIの化合物から合成した。
【0255】
【化55】
【0256】
式XVIIの化合物を、2mLのDCMに溶解し、続いてピペロナール(1.3等量:36.17mg、0.24mmol)を添加した。室温で2時間撹拌した後、64.80mg(0.31mmol)のSTABを添加した。反応混合物を、室温で一晩撹拌し、蒸発乾燥させ、分取HPLCにより精製して、LCMS(図17A)及び1HNMR(図17B)により確認されるように、68.4mg(77%)の式XVIIIの化合物を得た。
【0257】
実施例3:式Iの化合物の第2の治療的誘導体の合成
以下は、式XXIIの化合物を、式I.bの化合物から合成するための工程を説明する。
【0258】
スキーム20で下に例示されるように、最初に、式XIXの化合物((2S,3S,6R,7aR)−tert−ブチル3−((tert−ブチルジフェニルシリル)オキシ)−4−(2−メトキシアセチル)オクタヒドロ−1H−2,6−メタノピロロ[3,2−b]ピリジン−1−カルボキシレート)を、式I.bの化合物から合成した。
【0259】
【化56】
【0260】
3.17g(35.2mmol、2.70mL)の2−メトキシ酢酸を、124mLのDCM及び4.55g(35.2mmol、6.14mL)のDIPEAに溶解した。次いで、13.40g(35.2mmol)のHATUを添加し、混合物を周囲温度で2時間撹拌した。125mLのDCM中の12.4g(25.2mmol)の式I.bの化合物の溶液を添加し、周囲温度で一晩撹拌した。
【0261】
反応混合物を、水性飽和NaHCO(200mL)、1M水性KHSO(200mL)、水(200mL)、及び塩水(200mL)で洗浄し、有機相を、NaSOで乾燥させ、濾過し、溶媒を蒸発させて、23.40gの粗生成物、式XIXの化合物を得た。HPLC/MS分析(図18)は、所望の材料が、残余DIPEAで汚染されていたことを示す。
【0262】
次いで、スキーム21で下に例示されるように、式XXの化合物((2S,3S,3aS,6R,7aR)−tert−ブチル3−ヒドロキシ−4−(2−メトキシアセチル)オクタヒドロ−1H−2,6−メタノピロロ[3,2−b]ピリジン−1−カルボキシレート)を、式XIXの化合物から合成した。
【0263】
【化57】
【0264】
100mLの乾燥テトラヒドロフラン(THF)中の式XIXの化合物(14.23g、25.2mmol)の溶液に、周囲温度で、THF(76mmol、76mL)中のフッ化テトラブチルアンモニウム(TBAF)の1.0M溶液を、この溶液に添加した。次いで、反応混合物を、50℃に加熱し、一晩撹拌した。粗反応混合物を、濃縮乾燥し、酢酸エチル/ヘプタンの1:1溶液で2回揮散させて、23.40gの粗材料を得た。ヘプタン中の50〜100%酢酸エチルで重力カラムクロマトグラフィにより精製して、LCMS分析(図19)により確認されるように、8.21g(定量的に)の式XXの化合物を得た。
【0265】
次いで、スキーム22で下に例示されるように、式XXIの化合物(1−(2S,3S,3aS,6R,7aR)−3−ヒドロキシヘキサヒドロ−1H−2,6−メタノピロロ[3,2−b]ピリジン−4(2H)−イル)−2−メトキシエタノン)を、式XXの化合物から合成した。
【0266】
【化58】
【0267】
35mLのDCM中の式XXの化合物(1.89g、5.79mmol)の溶液に、51.8g(454mmol、35mL)のトリフルオロ酢酸(TFA)を添加し、反応混合物を、室温で1.5時間撹拌した。反応混合物を、減圧下で蒸発乾燥させ、トルエンで2回同時蒸発させた。得られた粘着性の油を、35mLのクロロホルムに溶解し、水性飽和NaCOで洗浄した。有機相において所望の材料を単離する試みは、成功しなかった。次いで、水相を減圧下で蒸発乾燥させた。
【0268】
この固体に、クロロホルム/MeOHの9:1混合物を添加し、懸濁液を室温で一晩撹拌した。濾過後、濾液を減圧下で蒸発乾燥させた。得られた固体を、クロロホルムに溶解し、濾過し(40ミクロンLCMSフィルタを使用する)、減圧下で蒸発乾燥させて、0.91g又は69.5%収率の式XXIの化合物を、白色の発泡体として得て、これはLCMS(図20)により確認された。次いで、この生成物をそのまま次の反応で使用した。
【0269】
次いで、スキーム23で下に例示されるように、式XXIIの化合物(3−(((2S,3S,6R,7aR)−3−ヒドロキシ−4−(2−メトキシアセチル)オクタヒドロ−1H−2,6−メタノピロロ[3,2−b]ピリジン−1−イル)メチル)ベンズアミドを、式XXIの化合物から合成した。
【0270】
【化59】
【0271】
2mLのDCM中の式XXIの化合物(193mg、0.85mmol)の溶液に、165.4mg(1.11mmol)の3−ホルミルベンズアミドを添加し、反応混合物を一晩撹拌した。次に、反応混合物に、298.3mg(1.141mmol)のトリアセトキシ水素化ホウ素ナトリウムを添加し、反応混合物を室温で一晩撹拌した。反応混合物を、Genevacを使用して減圧下で蒸発乾燥させた。分取LCMSによる精製に続いて、減圧下での溶媒の蒸発(Genevac)によって、LCMS(図21A)及び1HNMR(図21B)により確認されるように、244mg、79.6%収率の所望の生成物、式XXIIの化合物を得た。
【0272】
実施例4:式XVIII及びXXIIの化合物の治療的評価
1% β−カラギーナンの足底内注射を使用して、試験対象のマウスの足に局所炎症を誘発させることができる。一般に、局所炎症は、足の膨張として発現され、熱刺激に対する感度を増加させる。したがって、熱過敏性の変化に対する試験項目の効果が評価され得る。記載されるプロトコルを使用して、式XVIII及びXXIIの化合物の治療的効果を評価した。
【0273】
動物に、ゼロ時点で(対照にはビヒクルのみを与えた)、試験化合物を10mg/kg ipで投与した(試験項目を20% λ−ヒドロキシプロピルシクロデキストリン溶液に溶解した)。30分後、動物にイソフルランで軽く麻酔をかけ、蒸留水中0.1mLの1% λ−カラギーナン懸濁液を、マウスの右後足の足底側に注射した。3.5時間後、λ−カラギーナン投与後に、動物を57℃で維持されたホットプレート装置上に、最初の応答が記録されるまで置いた。
【0274】
式XVIIIの化合物及び式XXIIの化合物を、上記のように試験したとき(n=5匹)、平均応答時間は、下に示されるように、前処置ベースライン応答時間を超えた。
【0275】
対照的に、ビヒクル処置した動物は、前処置よりも低減した応答時間を示した。
【0276】
【表1】
【0277】
本明細書において例示及び考察される実施形態は、本発明を製造及び使用するための発明者らに既知の最良の方法を、当業者に教示することのみを意図する。本明細書において、いかなるものも、本発明の範囲を限定すると考慮されてはならない。提示される全ての実施例は、代表的かつ非限定的である。本発明の上述される実施形態は、上記の教示に照らして、当業者により理解されるように、本発明から逸脱することなく修正又は変更することができる。したがって、特許請求の範囲及びそれらの等価物において、本発明は、具体的に記載されるものとは別の方法で実施されてもよいことが理解されるものとする。
【0278】
式II〜XXIIIの化合物は、簡略性の目的で特定のキラル性で描かれ得るが、当業者であれば、これらの様々な異性体の製造及び分離方法を認識するであろうことを理解すべきである。したがって、式II〜XXIIIの化合物の全ての異性体は、本出願の範囲内であることが理解され得る。

以下に、本願の当初の特許請求の範囲に記載された発明を付記する。
[1] 式XXIIIの化合物又はその立体異性体、薬学的に許容される塩、混合物、若しくは誘導体:
【化60】

[式中、
は、水素、アルキル基、アシル基、及びシリル基からなる群から選択され、
は、水素、アルキル基、ベンジル基、アシル基、及びエステル基からなる群から選択され、
は、水素、アルキル基、芳香族基、アザ環式基、炭素環基、アリール基、シクロアルキル基、ヘテロシクロアルキル基、複素環基、ヘテロアリール基、ヘテロアルキル基、アシル基、及びエステル基からなる群から選択される]。
[2] Rが、ハロ、=O、=N−CN、=N−OR’、=NR’、OR’、N(R’)、SR’、SOR’、SONR’、NR’SOR’、NR’CONR’、NR’COOR’、NR’COR’、CN、COOR’、CON(R’)、OOCR’、COR’、及びNOから選択される1つ又は2つ以上の置換基で任意に置換されているアルキル基、アシル基、又はシリル基である(ここで、各R’は独立して、H、C〜Cアルキル、C〜Cヘテロアルキル、C〜Cアシル、C〜Cヘテロアシル、C〜C10アリール、C〜C10ヘテロアリール、C〜C12アリールアルキル、又はC〜C12ヘテロアリールアルキルであり、これらの各々が、ハロ、C〜Cアルキル、C〜Cヘテロアルキル、C〜Cアシル、C〜Cヘテロアシル、ヒドロキシ、アミノ、及び=Oから選択される1つ又は2つ以上の基で任意に置換されており、2つのR’が結合して、3個以下のヘテロ原子を任意に含有する3〜7員環を形成していてもよい)、[1]に記載の化合物。
[3] Rが、ハロ、=O、=N−CN、=N−OR’、=NR’、OR’、N(R’)、SR’、SOR’、SONR’、NR’SOR’、NR’CONR’、NR’COOR’、NR’COR’、CN、COOR’、CON(R’)、OOCR’、COR’、及びNOから選択される1つ又は2つ以上の置換基で任意に置換されているアルキル基、ベンジル基、アシル基、又はエステル基である(ここで、各R’は独立して、H、C〜Cアルキル、C〜Cヘテロアルキル、C〜Cアシル、C〜Cヘテロアシル、C〜C10アリール、C〜C10ヘテロアリール、C〜C12アリールアルキル、又はC〜C12ヘテロアリールアルキルであり、これらの各々が、ハロ、C〜Cアルキル、C〜Cヘテロアルキル、C〜Cアシル、C〜Cヘテロアシル、ヒドロキシ、アミノ、及び=Oから選択される1つ又は2つ以上の基で任意に置換されており、2つのR’が結合して、3個以下のヘテロ原子を任意に含有する3〜7員環を形成していてもよい)、[1]に記載の化合物。
[4] Rが、ハロ、=O、=N−CN、=N−OR’、=NR’、OR’、N(R’)、SR’、SOR’、SONR’、NR’SOR’、NR’CONR’、NR’COOR’、NR’COR’、CN、COOR’、CON(R’)、OOCR’、COR’、及びNOから選択される1つ又は2つ以上の置換基で任意に置換されているアルキル基、芳香族基、アザ環式基、炭素環基、アリール基、シクロアルキル基、ヘテロシクロアルキル基、複素環基、ヘテロアリール基、ヘテロアルキル基、アシル基、又はエステル基である(ここで、各R’は独立して、H、C〜Cアルキル、C〜Cヘテロアルキル、C〜Cアシル、C〜Cヘテロアシル、C〜C10アリール、C〜C10ヘテロアリール、C〜C12アリールアルキル、又はC〜C12ヘテロアリールアルキルであり、これらの各々が、ハロ、C〜Cアルキル、C〜Cヘテロアルキル、C〜Cアシル、C〜Cヘテロアシル、ヒドロキシ、アミノ、及び=Oから選択される1つ又は2つ以上の基で任意に置換されており、2つのR’が結合して、3個以下のヘテロ原子を任意に含有する3〜7員環を形成していてもよい)、[1]に記載の化合物。
[5] 式XXIII(A)を有する
【化61】

(式中、Rは、水素、アルキル基、芳香族基、アザ環式基、炭素環基、アリール基、シクロアルキル基、ヘテロシクロアルキル基、複素環基、ヘテロアリール基、ヘテロアルキル基、アシル基、若しくはエステル基である)、[1]に記載の化合物、又はその立体異性体、薬学的に許容される塩、混合物、若しくは誘導体。
[6] Rが、ハロ、=O、=N−CN、=N−OR’、=NR’、OR’、N(R’)、SR’、SOR’、SONR’、NR’SOR’、NR’CONR’、NR’COOR’、NR’COR’、CN、COOR’、CON(R’)、OOCR’、COR’、及びNOから選択される1つ又は2つ以上の置換基で任意に置換されているアルキル基、芳香族基、アザ環式基、炭素環基、アリール基、シクロアルキル基、ヘテロシクロアルキル基、複素環基、ヘテロアリール基、ヘテロアルキル基、アシル基、又はエステル基である(ここで、各R’は独立して、H、C〜Cアルキル、C〜Cヘテロアルキル、C〜Cアシル、C〜Cヘテロアシル、C〜C10アリール、C〜C10ヘテロアリール、C〜C12アリールアルキル、又はC〜C12ヘテロアリールアルキルであり、これらの各々が、ハロ、C〜Cアルキル、C〜Cヘテロアルキル、C〜Cアシル、C〜Cヘテロアシル、ヒドロキシ、アミノ、及び=Oから選択される1つ又は2つ以上の基で任意に置換されており、2つのR’が結合して、3個以下のヘテロ原子を任意に含有する3〜7員環を形成していてもよい)、[5]に記載の化合物。
[7] 式XXIII(B)を有する
【化62】

(式中、Rは、水素、アルキル基、芳香族基、アザ環式基、炭素環基、アリール基、シクロアルキル基、ヘテロシクロアルキル基、複素環基、ヘテロアリール基、ヘテロアルキル基、アシル基、若しくはエステル基である)、[1]に記載の化合物、又はその立体異性体、薬学的に許容される塩、混合物、若しくは誘導体。
[8] Rが、ハロ、=O、=N−CN、=N−OR’、=NR’、OR’、N(R’)、SR’、SOR’、SONR’、NR’SOR’、NR’CONR’、NR’COOR’、NR’COR’、CN、COOR’、CON(R’)、OOCR’、COR’、及びNOから選択される1つ又は2つ以上の置換基で任意に置換されているアルキル基、芳香族基、アザ環式基、炭素環基、アリール基、シクロアルキル基、ヘテロシクロアルキル基、複素環基、ヘテロアリール基、ヘテロアルキル基、アシル基、又はエステル基である(ここで、各R’は独立して、H、C〜Cアルキル、C〜Cヘテロアルキル、C〜Cアシル、C〜Cヘテロアシル、C〜C10アリール、C〜C10ヘテロアリール、C〜C12アリールアルキル、又はC〜C12ヘテロアリールアルキルであり、これらの各々が、ハロ、C〜Cアルキル、C〜Cヘテロアルキル、C〜Cアシル、C〜Cヘテロアシル、ヒドロキシ、アミノ、及び=Oから選択される1つ又は2つ以上の基で任意に置換されており、2つのR’が結合して、3個以下のヘテロ原子を任意に含有する3〜7員環を形成していてもよい)、[7]に記載の化合物。
[9] 式XXIII(C)を有する
【化63】

(式中、Rは、水素、アルキル基、芳香族基、アザ環式基、炭素環基、アリール基、シクロアルキル基、ヘテロシクロアルキル基、複素環基、ヘテロアリール基、ヘテロアルキル基、アシル基、若しくはエステル基である)、[7]に記載の化合物、又はその立体異性体、薬学的に許容される塩、混合物、若しくは誘導体。
[10] Rが、ハロ、=O、=N−CN、=N−OR’、=NR’、OR’、N(R’)、SR’、SOR’、SONR’、NR’SOR’、NR’CONR’、NR’COOR’、NR’COR’、CN、COOR’、CON(R’)、OOCR’、COR’、及びNOから選択される1つ又は2つ以上の置換基で任意に置換されているアルキル基、芳香族基、アザ環式基、炭素環基、アリール基、シクロアルキル基、ヘテロシクロアルキル基、複素環基、ヘテロアリール基、ヘテロアルキル基、アシル基、又はエステル基である(ここで、各R’は独立して、H、C〜Cアルキル、C〜Cヘテロアルキル、C〜Cアシル、C〜Cヘテロアシル、C〜C10アリール、C〜C10ヘテロアリール、C〜C12アリールアルキル、又はC〜C12ヘテロアリールアルキルであり、これらの各々が、ハロ、C〜Cアルキル、C〜Cヘテロアルキル、C〜Cアシル、C〜Cヘテロアシル、ヒドロキシ、アミノ、及び=Oから選択される1つ又は2つ以上の基で任意に置換されており、2つのR’が結合して、3個以下のヘテロ原子を任意に含有する3〜7員環を形成していてもよい)、[9]に記載の化合物。
[11] 式XXIII(E)を有する
【化64】

(式中、Rは、水素、アルキル基、芳香族基、アザ環式基、炭素環基、アリール基、シクロアルキル基、ヘテロシクロアルキル基、複素環基、ヘテロアリール基、ヘテロアルキル基、アシル基、若しくはエステル基である)、[9]に記載の化合物、又はその立体異性体、薬学的に許容される塩、混合物、若しくは誘導体。
[12] Rが、ハロ、=O、=N−CN、=N−OR’、=NR’、OR’、N(R’)、SR’、SOR’、SONR’、NR’SOR’、NR’CONR’、NR’COOR’、NR’COR’、CN、COOR’、CON(R’)、OOCR’、COR’、及びNOから選択される1つ又は2つ以上の置換基で任意に置換されているアルキル基、芳香族基、アザ環式基、炭素環基、アリール基、シクロアルキル基、ヘテロシクロアルキル基、複素環基、ヘテロアリール基、ヘテロアルキル基、アシル基、又はエステル基である(ここで、各R’は独立して、H、C〜Cアルキル、C〜Cヘテロアルキル、C〜Cアシル、C〜Cヘテロアシル、C〜C10アリール、C〜C10ヘテロアリール、C〜C12アリールアルキル、又はC〜C12ヘテロアリールアルキルであり、これらの各々が、ハロ、C〜Cアルキル、C〜Cヘテロアルキル、C〜Cアシル、C〜Cヘテロアシル、ヒドロキシ、アミノ、及び=Oから選択される1つ又は2つ以上の基で任意に置換されており、2つのR’が結合して、3個以下のヘテロ原子を任意に含有する3〜7員環を形成していてもよい)、[11]に記載の化合物。
[13] 式XXIII(D)を有する
【化65】

(式中、Rは、水素、アルキル基、芳香族基、アザ環式基、炭素環基、アリール基、シクロアルキル基、ヘテロシクロアルキル基、複素環基、ヘテロアリール基、ヘテロアルキル基、アシル基、若しくはエステル基である)、[1]に記載の化合物、又はその立体異性体、薬学的に許容される塩、混合物、若しくは誘導体。
[14] Rが、ハロ、=O、=N−CN、=N−OR’、=NR’、OR’、N(R’)、SR’、SOR’、SONR’、NR’SOR’、NR’CONR’、NR’COOR’、NR’COR’、CN、COOR’、CON(R’)、OOCR’、COR’、及びNOから選択される1つ又は2つ以上の置換基で任意に置換されているアルキル基、芳香族基、アザ環式基、炭素環基、アリール基、シクロアルキル基、ヘテロシクロアルキル基、複素環基、ヘテロアリール基、ヘテロアルキル基、アシル基、又はエステル基である(ここで、各R’は独立して、H、C〜Cアルキル、C〜Cヘテロアルキル、C〜Cアシル、C〜Cヘテロアシル、C〜C10アリール、C〜C10ヘテロアリール、C〜C12アリールアルキル、又はC〜C12ヘテロアリールアルキルであり、これらの各々が、ハロ、C〜Cアルキル、C〜Cヘテロアルキル、C〜Cアシル、C〜Cヘテロアシル、ヒドロキシ、アミノ、及び=Oから選択される1つ又は2つ以上の基で任意に置換されており、2つのR’が結合して、3個以下のヘテロ原子を任意に含有する3〜7員環を形成していてもよい)、[13]に記載の化合物。
[15] Rが、トリフルオロアシルである、[1]に記載の化合物。
[16] Rが、任意に置換されたアリールメチル基である、[1]に記載の化合物。
[17] Rが、任意に置換されたヘテロアリールメチル基である、[1]に記載の化合物。
[18] Rが、tert−ブチルジフェニルシリルであり、
が、水素であり、
が、−COORである(ここで、Rは、アルキル及びベンジルからなる群から選択される)、[1]に記載の化合物。
[19] Rが、ベンジルである、[18]に記載の化合物。
[20] Rが、1〜8個の炭素原子を有するアルキルである、[18]に記載の化合物。
[21] Rが、エチルである、[18]に記載の化合物。
[22] Rが、tert−ブチルである、[18]に記載の化合物。
[23] 式XVIIIの化合物、
【化66】

又はその立体異性体、薬学的に許容される塩、若しくは混合物。
[24] 式XXIIの化合物、
【化67】

又はその立体異性体、薬学的に許容される塩、若しくは混合物。
[25] 式Iの化合物、
【化68】

又はその立体異性体、薬学的に許容される塩、若しくは混合物。
[26] 式IIの化合物、
【化69】

又はその立体異性体、薬学的に許容される塩、若しくは混合物。
[27] 式IIIの化合物、
【化70】

又はその立体異性体、薬学的に許容される塩、若しくは混合物。
[28] 式IVの化合物、
【化71】

又はその立体異性体、薬学的に許容される塩、若しくは混合物。
[29] 式Vの化合物、
【化72】

又はその立体異性体、薬学的に許容される塩、若しくは混合物。
[30] 式VIの化合物、
【化73】

又はその立体異性体、薬学的に許容される塩、若しくは混合物。
[31] 式VIIの化合物、
【化74】

又はその立体異性体、薬学的に許容される塩、若しくは混合物。
[32] 式VIIIの化合物、
【化75】

又はその立体異性体、薬学的に許容される塩、若しくは混合物。
[33] 式IXの化合物、
【化76】

又はその立体異性体、薬学的に許容される塩、若しくは混合物。
[34] 式Xの化合物、
【化77】

又はその立体異性体、薬学的に許容される塩、若しくは混合物。
[35] 式XIの化合物、
【化78】

又はその立体異性体、薬学的に許容される塩、若しくは混合物。
[36] [1]に記載の化合物と、薬学的に許容される担体又は希釈剤と、を含む、薬学的組成物。
[37] 病態、疾患、又は障害に罹患している対象を治療するための方法であって、前記対象に、有効量の[1]に記載の化合物を投与することを含む、方法。
[38] 前記化合物が投与されて、前記対象に局所送達をもたらす、[37]に記載の方法。
[39] 前記化合物が投与されて、前記対象に全身送達をもたらす、[37]に記載の方法。
[40] 前記病態又は障害が、疼痛である、[37]に記載の方法。
[41] 前記疼痛が、神経因性疼痛又は慢性疼痛である、[40]に記載の方法。
図1
図2
図3A
図3B
図4
図5
図6
図7
図8A
図8B
図9A
図9B
図10
図11A
図11B
図12A
図12B
図13
図14
図15
図16
図17A
図17B
図18
図19
図20
図21A
図21B