(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
環状の回転側リング板および該回転側リング板の内周縁に形成された円筒状の内周筒部で構成した回転体と、環状の固定側リング板および該固定側リング板の外周縁に軸方向に当接された円筒状の外周筒部を組み付けて構成した固定体とが、時計回り方向と反時計回り方向との両回転方向に相対回転自在に組み付けられ、内部に形成した収容空間に巻き回したフラットケーブルが収容された回転コネクタ装置であって、
前記固定側リング板から延設するとともに、前記外周筒部の外周面に沿って配置される係止部、および前記外周筒部に形成する被係止部を係止可能に構成する係止手段と、
前記収容空間への異物の侵入を抑制する異物侵入抑制手段とが設けられ、
該異物侵入抑制手段が、前記固定側リング板と外周筒部との対向部分のうち、少なくとも前記係止手段の径内側に配置された
回転コネクタ装置。
前記嵌合凸部と前記嵌合凹部とが前記軸方向に密着するように凹凸嵌合した状態において、前記嵌合凸部と前記嵌合凹部との前記軸方向に嵌合する長さは、前記係止部と前記被係止部との間に形成される前記軸方向の間隔より長く形成された
請求項2または3に記載の回転コネクタ装置。
環状の回転側リング板および該回転側リング板の内周縁に形成された円筒状の内周筒部で構成する回転体と、環状の固定側リング板および該固定側リング板の外周縁に形成された円筒状の外周筒部で構成する固定体とが、時計回り方向と反時計回り方向との両回転方向に相対回転自在に組み付けられ、内部に収容空間を有する回転コネクタ装置であって、
前記回転側リング板の外周縁側の外周縁部は、前記固定側リング板に向けて突出する環状の回転側突出部を外縁に備えるとともに、内縁が前記回転側リング板の本体の外縁と接続する連結部を備えて、上方に突出する略凹面状に形成され、
前記外周筒部の頂部側の頂部側縁部における前記固定側リング板側から径内側に突出する環状の突出リング板と、該突出リング板から前記回転側リング板に向けて突出する環状の固定側突出部とが備えられ、
前記頂部側縁部、前記回転側突出部、および前記固定側突出部が、径外側から径内側に向けてこの順に配置され、
前記回転側突出部は、先端が前記頂部側縁部および前記固定側突出部の先端より前記固定側リング板へ突出するように形成されるとともに、突出長さが前記固定側突出部の突出長さよりも長く形成され、
前記回転側リング板の本体と前記外周縁部の前記連結部が径方向に接続されている接続部分に断面略矩形状に切り取った切り欠き部が形成され、
上記回転体に対して前記固定体が相対的に変形した場合でも、前記突出リング板での直径内側の端部と前記切り欠き部の直径内側の面及び前記固定側突出部と前記連結部よりも先に、前記回転側突出部と前記頂部側縁部が当接されて接触による前記突出リング板の損傷を防止するように構成された
回転コネクタ装置。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
そこで本発明は、固定側リング板と外周筒部との対向部分における係止手段に対応する部分を通じて異物が収容空間へ侵入することを抑制できる、あるいは、大型化することなく、収容空間への異物の侵入を防止できる回転コネクタ装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
この発明は、環状の回転側リング板および該回転側リング板の内周縁に形成された円筒状の内周筒部で構成した回転体と、環状の固定側リング板および該固定側リング板の外周縁に軸方向に当接された円筒状の外周筒部を組み付けて構成した固定体とが、時計回り方向と反時計回り方向との両回転方向に相対回転自在に組み付けられ、内部に形成した収容空間に巻き回したフラットケーブルが収容された回転コネクタ装置であって、前記固定側リング板から延設するとともに、前記外周筒部の外周面に沿って配置される係止部、および前記外周筒部に形成する被係止部を係止可能に構成する係止手段と、前記収容空間への異物の侵入を抑制する異物侵入抑制手段とが設けられ、該異物侵入抑制手段が、前記固定側リング板と外周筒部との対向部分のうち、少なくとも前記係止手段
の径内側に配置されたことを特徴とする。
【0011】
前記対向部分は、組み付け状態において前記固定側リング板と前記外周筒部とが当接している、あるいはわずかな隙間が生じる程度に略当接している状態であることを含むものとする。
【0012】
前記異物は、例えば塵や埃、あるいは細かい砂などを含むものとする。
【0013】
この発明により、固定側リング板と外周筒部との対向部分における係止手段に対応する部分を通じて異物が収容空間へ侵入することを抑制できる。
【0014】
詳述すると、従来の固定体では、係止部を被係止部に係止させるために、外周筒部の下端部における係止部に対応する部分を切り欠く必要があり、この切り欠き部に対応する、軸方向にのみ対向する対向部分から前記異物が侵入するおそれがあるが、本発明は前記異物侵入抑制手段を少なくとも前記係止手段
の径内側に配置しているため、前記対向部分における前記係止手段に対応する部分を通じて前記収容空間へ前記異物が侵入することを抑制できる。
【0015】
これにより、前記収容空間に収容した前記フラットケーブルが、前記相対回転に伴って巻き締められたり巻き解かれたりする場合において、前記収容空間へ侵入した前記異物によって上記フラットケーブルが損傷したり、異音が発生したりすることを抑制できる。
【0016】
この発明の態様として、前記異物侵入抑制手段を、前記固定側リング板および前記外周筒部の少なくとも一方に形成されるとともに、他方に向けて突出する嵌合凸部と、前記他方に形成されるとともに、前記嵌合凸部と嵌合する嵌合凹部とで構成することができる。
【0017】
この発明により、軸方向に沿う径方向断面における前記対向部分には、軸方向に対向する部分と、径方向に対向する部分とが構成され、前記係止手段に対応する部分において、単に軸方向にのみ対向する従来の対向部分よりも、径方向断面における前記対向部分の長さを増大させるだけでなく、前記異物の侵入経路を屈折させることができるため、前記収容空間への前記異物の侵入を確実に抑制することができる。
【0018】
さらに、凹凸嵌合する前記嵌合凸部および前記嵌合凹部は、前記固定側リング板と前記外周筒部とを組み付ける際の位置合わせ部としても機能させることができ、さらには、組み付け状態における組み付け強度が向上し、前記固定側リング板と前記外周筒部との安定した組み付け状態を得ることができる。
【0019】
またこの発明の態様として、前記固定側リング板に前記嵌合凹部が形成されるとともに、前記外周筒部に前記嵌合凸部が形成され、前記異物侵入抑制手段を前記対向部分における径外側に配置することができる。
【0020】
この発明により、前記対向部分は、径外側よりも径内側の方が前記回転側リング板側に位置するような段違い形状に形成される。これにより、前記対向部分における径方向の中間を通過する前記異物に重力が作用し、前記収容空間への前記異物の侵入を抑制することができる。
【0021】
したがって、前記収容空間への前記異物の侵入をより確実に抑制することができる。
【0022】
またこの発明の態様として、前記嵌合凸部と前記嵌合凹部とが前記軸方向に密着するように凹凸嵌合した状態において、前記嵌合凸部と前記嵌合凹部との前記軸方向に嵌合する長さを、前記係止部と前記被係止部との間に形成される前記軸方向の間隔より長く形成することができる。
【0023】
上述の前記係止部と前記被係止部との前記軸方向の間隔とは、前記嵌合凸部と前記嵌合凹部とが前記軸方向に密着するように前記固定体を組み付けるとともに、前記係止部と前記被係止部とが係止した状態において、前記係止部と前記被係止部との間に設けられる前記軸方向のわずかな間隔であって、前記係止手段の係止および係止の解除を容易に行うために要する間隔である。
【0024】
この発明により、前記回転コネクタ装置の組み付けバラツキなどによって、前記嵌合凸部と前記嵌合凹部とが前記係止部と前記被係止部との間隔分、前記軸方向に離間する場合であっても、前記対向部分に形成される隙間は、前記収容空間に向けて径方向に貫通するように形成されず、段違い形状が保持される。これにより、前記収容空間への前記異物の侵入をさらに確実に抑制することができる。
【0025】
またこの発明の態様として、前記異物侵入抑制手段として、前記対向部分を径方向に遮断する遮断部材を設けることができる。
前記遮断部は、例えば、前記固定側リング板と前記外周筒部との前記対向部分に形成した固定凹部に固定して、前記対向部分を径方向に遮断する固定遮断部材や、前記対向部分に密着するように介在させて、前記対向部分を径方向に遮断する密着遮断部材などを含む。なお、具体的な上記密着遮断部材として、例えばシリコ
ーン製やゴム製のパッキン、あるいはグリスなどを含む。
【0026】
また、前記遮断部材は、前記対向部分における径方向のいずれの箇所に設けてもよいし、前記嵌合凹部や前記嵌合凸部とともに設けてもよい。なお、前記嵌合凹部や前記嵌合凸部とともに設ける場合は、前記嵌合凹部や前記嵌合凸部と同じ位置に配置してもよいし、前記嵌合凹部や前記嵌合凸部と径方向に並べて配置してもよい。さらには、周方向における前記対向部分の一部に前記嵌合凹部や前記嵌合凸部を設け、他の部分に前記遮断部材を設けてもよい。
【0027】
この発明により、前記異物が前記収容空間に侵入する侵入経路が径方向に遮断されるため、前記収容空間への前記異物の侵入を確実に防止することができる。したがって、上記フラットケーブルが損傷したり、異音が発生したりすることを確実に抑制できる。
【0028】
またこの発明の態様として、前記固定側リング板と前記外周筒部とのそれぞれの対向面に固定凹部が形成され、前記遮断部材を、前記対向部分を前記軸方向に跨いで前記両方の固定凹部に固定した固定遮断部材で構成することができる。
この発明により、前記収容空間への前記異物の侵入経路を確実に遮断して、前記収容空間への前記異物の侵入を確実に防止することができる。
【0029】
またこの発明の態様として、前記固定遮断部材を、前記収容空間に収容された前記フラットケーブルの一部で構成することができる。
この発明により、前記固定遮断部材として別部材を用いる必要がなく、前記回転コネクタ装置を構成する部品点数を削減し軽量化することができる。
【0030】
またこの発明の態様として、前記外周筒部に、前記係止部の周囲を外周面に沿って囲繞する囲繞部を設けることができる。
この発明により、前記収容空間への前記異物の侵入をより確実に防止することができる。
【0031】
詳述すると、前記外周筒部の外周面と前記係止部との間を伝って前記対向部分へ前記異物が接近することを、前記囲繞部によって阻止できるため、前記対向部分から前記収容空間へ侵入しようとする前記異物の量を低減することができる。
【0032】
仮に、前記異物が前記対向部分に到達した場合であっても、上述したように前記対向部分に設けた前記異物侵入抑制手段が、前記収容空間へ侵入しようとする前記異物の侵入を抑制できるため、前記収容空間への前記異物の侵入をより確実に防止することができる。
【0033】
この発明は、環状の回転側リング板および該回転側リング板の内周縁に形成された円筒状の内周筒部で構成する回転体と、環状の固定側リング板および該固定側リング板の外周縁に形成された円筒状の外周筒部で構成する固定体とが、時計回り方向と反時計回り方向との両回転方向に相対回転自在に組み付けられ、内部に収容空間を有する回転コネクタ装置であって、前記回転側リング板の外周縁側の外周縁部
は、前記固定側リング板に向けて突出する環状の回転側突出部を外縁に備えるとともに、内縁が前記回転側リング板の本体の外縁と接続する連結部を備えて、上方に突出する略凹面状に形成され、前記外周筒部の頂部側の頂部側縁部における前記固定側リング板側から径内側に突出する環状の突出リング板と、該突出リング板から前記回転側リング板に向けて突出する環状の固定側突出部とが備えられ、前記頂部側縁部、前記回転側突出部、および前記固定側突出部が、径外側から径内側に向けてこの順に配置され、前記回転側突出部は、先端が前記頂部側縁部および前記固定側突出部の先端より前記固定側リング板へ突出するように形成されるとともに、突出長さが前記固定側突出部の突出長さよりも長く形成され、
前記回転側リング板の本体と前記外周縁部の前記連結部が径方向に接続されている接続部分に断面略矩形状に切り取った切り欠き部が形成され、上記回転体に対して前記固定体が相対的に変形した場合でも、前記突出リング板での直径内側の端部と前記切り欠き部の直径内側の面及び前記固定側突出部と前記連結部よりも先に、前記回転側突出部と前記頂部側縁部が当接されて接触による前記突出リング板の損傷を防止するように構成されたことを特徴とする。
【0034】
前記外周縁部は、前記回転側リング板から前記回転コネクタ装置の軸方向に突出する外周縁部や、前記回転側リング板における外周縁側の一部で構成する外周縁部を含むものとする。
この発明により、回転コネクタ装置を大型化することなく、収容空間への塵や埃などの異物の侵入を防止することができる。
【0035】
例えば、特許文献1に記載の回転コネクタ装置は、異物の侵入防止を目的として外周筒部を2層構造としているため、これまでの回転コネクタ装置と比べて径方向に大型化しており、昨今の自動車業界における構成部品の更なる軽量化・小型化の要望を満足することができなかった。
【0036】
これに対して、先端が前記頂部側縁部および前記固定側突出部の先端より前記固定側リング板へ突出するように前記回転側突出部を形成することで、外部から前記収容空間へ侵入する上記異物の侵入経路は、前記頂部側縁部と前記回転側突出部との間を前記固定側リング板側へ延びるとともに、前記回転側突出部と前記固定側突出部との間を前記回転側リング板側へ延びるように屈曲するため、上記異物が径方向に沿って直接的に前記収容空間へ侵入することを規制できる。
【0037】
より具体的には、前記回転側突出部と前記突出リング板との隙間の径外側に前記頂部側縁部が配置されるため、前記回転側突出部に到達する上記異物の量を低減することができ、さらには、前記回転側突出部に上記異物が到達した場合であっても、前記回転側突出部の突出長さが前記固定側突出部の突出長さよりも長く形成されているため、前記回転側突出部より前記収容空間へ侵入する上記異物を規制することができる。
【0038】
仮に、上記異物が前記回転側突出部より前記収容空間側に侵入したとしても、前記突出リング板から前記回転側リング板に向けて突出する前記固定側突出部を上記異物は乗り越えなければならない。
このような前記回転側突出部、前記突出リング板および前記固定側突出部を備えたことによって、前記収容空間への上記異物の侵入を防止することができる。
【0039】
一方、外周筒部は、従来のような2層構造ではなく、1層構造であるため、前記回転コネクタ装置が径方向に大型化されることなく、前記収容空間への上記異物の侵入を防止することができる。
【0040】
また、前記突出リング板が基端を支点として撓んだり、振動したりしても、前記回転側突出部の突出長さを、前記固定側突出部の突出長さよりも長く形成しているため、前記固定側突出部が前記外周縁部に当接するより先に、前記回転側突出部が前記突出リング板に当接することとなる。
このとき、前記突出リング板における前記回転側突出部が当接する位置は、前記突出リング板における前記固定側突出部の配置位置よりも撓み量が小さい基端側となる。
【0041】
換言すると、前記固定側突出部と前記外周縁部とが当接する場合と、前記突出リング板と前記回転側突出部とが当接する場合とでは、前者の方が撓み量の大きい前記突出リング板の先端側で当接することから、当接した状態での相対回転に伴って生じる摺動音や、振動による当接音などの異音が発生し易く、また、発生する上記異音が大きくなるため、前記固定側突出部が前記外周縁部に当接するより先に、前記回転側突出部が前記突出リング板に当接す
るように、前記回転側突出部の突出長さを、前記固定側突出部の突出長さよりも長く形成している。
【0042】
このように、本発明の前記回転コネクタ装置は、大型化されることなく、前記収容空間への上記異物の侵入を防止することができるだけでなく、当接することで上記異音が生じることを抑制することができる。
【0043】
この発明の態様として、前記外周筒部を、頂部が前記回転側リング板と同程度となる高さに形成することができる。
この発明により、径方向から前記収容空間へ侵入する上記異物を確実に規制できるとともに、前記回転コネクタ装置の相対回転性能が低下することを防止できる。
【0044】
詳述すると、前記回転側リング板と同程度となる高さに形成された前記外周筒部の頂部は前記回転側リング板より大きく突出しないため、ステアリングコラムに固定した前記固定体における前記外周筒部の頂部が、回転操作されるステアリングホイールと干渉することを防止できる。
【0045】
さらに、前記固定体に対して前記回転体が相対的に傾く、あるいは前記回転体と前記固定体とが相対的に変形した場合であっても、前記回転側リング板と同程度となる高さに形成された前記外周筒部によって、前記頂部側縁部を越えて前記回転側突出部が径外側に飛び出したり、干渉したりすることを防止できる。
【0046】
このように、前記外周筒部の頂部とステアリングホイールとの干渉、および前記頂部側縁部と前記回転側突出部との干渉を防止できる前記回転コネクタ装置の相対回転性能が低下することを防止できる。
【0047】
また、頂部が前記回転側リング板と同程度となる高さに形成された前記外周筒部によって、前記頂部側縁部よりも前記収容空間へ径外側からの上記異物の侵入を確実に規制することできる。
上述したように本発明の回転コネクタ装置は、径方向から前記収容空間へ侵入する上記異物を確実に規制できるとともに、相対回転性能の低下を防止することができる。
【0048】
またこの発明の態様として、前記突出リング板を、先端に向けて徐々に薄肉化された断面テーパ状に形成することができる。
この発明により、先端に向けて前記突出リング板は撓み易くなるため、前記回転側突出部と当接して押圧される前記突出リング板は、押圧力による撓みによって接触抵抗を低減することができる。
【0049】
したがって、前記回転コネクタ装置の相対回転性能が低下することを確実に防止できるとともに、前記回転側突出部の押圧によって前記突出リング板が損傷することを確実に防止できる。さらには、前記突出リング板の軽量化が可能となる。
【0050】
またこの発明の態様として、前記回転側突出部の先端を、断面円弧状に形成することができる。
この発明により、前記回転側突出部と前記突出リング板とは、仮に接触した場合であっても軸方向に沿う径方向断面において点接触状態となるため、接触抵抗を確実に低減することができる。したがって、前記回転コネクタ装置の相対回転性能が低下することをより確実に防止できる。
【発明の効果】
【0051】
本発明は、前記固定側リング板と前記外周筒部との前記対向部分における前記係止手段に対応する部分を通じて前記異物が前記収容空間へ侵入することを抑制できる、あるいは、大型化することなく、前記収容空間への上記異物の侵入を防止することができる前記回転コネクタ装置を提供することができる。
【発明を実施するための形態】
【0053】
この発明の一実施形態を、以下
図1から
図8を用いて説明する。
図1は上方からみた回転コネクタ装置1(ステアリングロールコネクタ、以下においてSRC1とする)の概略斜視図を示し、
図2は上方からみたSRC1の概略分解斜視図を示し、
図3は上方からみたステータ20の概略分解斜視図を示し、
図4はステータ本体21の概略平面図を示している。
【0054】
図5は凹凸嵌合部25について説明図を示している。詳述すると、
図5(a)は
図3中のα部を拡大した本体側嵌合凹部251周辺の概略斜視図を示し、
図5(b)は
図5(a)に対応するサブ側嵌合凸部252周辺を径内側の下方からみた概略斜視図を示し、
図5(c)は
図4中のA−A線におけるSRC1の概略断面図とともに、当該断面図におけるステータ係止部23周辺および凹凸嵌合部25周辺の拡大図を示している。
【0055】
図6はケーブル固定部26についての説明図を示している。詳述すると、
図6(a)は
図3中のβ部を径内側の上方からみた本体側固定凹部261周辺の概略斜視図を示し、
図6(b)は
図6(a)に対応するサブ側固定凹部262周辺を径内側の下方からみた概略斜視図を示し、
図6(c)は
図4中のB−B線におけるSRC1の概略断面図とともに、当該断面図におけるケーブル固定部26周辺の拡大図を示している。
【0056】
図7は重合突出部27についての概略断面図を示している。詳述すると、
図7は
図4中のC−C線におけるSRC1の概略断面図とともに、当該断面図における重合突出部27周辺の拡大図を示している。
【0057】
図8はステータ係止部23付近の説明図を示している。詳述すると、
図8(a)は凹凸嵌合部25を設けた本実施形態のステータ係止部23付近における
図5(c)中のD−D矢視概略断面図を示し、
図8(b)はケーブル固定部26を設けた本実施形態のステータ係止部23付近における
図6(c)中のE−E矢視概略断面図を示し、
図8(c)は凹凸嵌合部を設けていない場合のステータ係止部23付近における
図5(c)中のD−D矢視概略断面図を示している。
【0058】
なお、
図2にはフラットケーブルFの巻き回し部Frを透過した状態を図示しており、
図3にはステータ20を構成するステータ本体21とサブステータ22に加え、ロテータ側コネクタ13へ延びる一端側を図示省略したフラットケーブルFもあらわしている。
【0059】
また、本実施形態において、ステータ20を基準として、ロテータ10側を上方とし、スリーブ30側を下方とする。また、上方からみたSRC1において、右回り方向を時計回り方向とするともに、左回り方向を反時計回り方向とする。
【0060】
本発明のSRC1は、
図1および
図2に示すように、ステアリングホイール(図示省略)の転舵に追従するロテータ10と、ステアリングコラム(図示省略)に固定するステータ20と、ロテータ10に固定されるスリーブ30とをこの順で中心軸Xに沿って組み付けて構成している。
【0061】
このSRC1は、ステータ20に対してロテータ10およびスリーブ30が、中心軸Xを回転中心とする時計回り方向と反時計回り方向との両回転方向に相対回転自在に組み付けられており、内部に形成した円環状の収容空間SにフラットケーブルFを収容している。
まず、ステータ20に対して相対回転するロテータ10、スリーブ30、およびフラットケーブルFについて、
図2および
図3を用いて簡単に説明する。
【0062】
ロテータ10は、
図2に示すように、SRC1の上面を構成する天板部11と、内周面を構成する内周部12とが一体に構成され、天板部11の上面から上方に突出するロテータ側コネクタ13が備えられている。
【0063】
ロテータ10を構成する天板部11は、円環の略平板状に形成されており、内周部12は、天板部11の内周縁から下方に向けて延設された円筒状である。
ロテータ側コネクタ13は、フラットケーブルFの一端に接続されたコネクタ構成部(図示省略)を収容し、上記ステアリングホイールに搭載される補機の電気回路に接続されたワイヤハーネスのコネクタ(図示省略)と嵌合して電気的に接続される。
【0064】
スリーブ30は、
図2に示すように、略円筒状に形成されており、ステータ20に対してロテータ10の反対側に配置され、ステータ20を挟み込むように下方からロテータ10に固定される。
上述のように構成したロテータ10とスリーブ30とは、ステータ20に対して相対回転自在に組み付けられる。
【0065】
収容空間Sに収容されるフラットケーブルFは、一端にロテータ側コネクタ13に収容される上記コネクタ構成部が接続され、
図3に示すように、他端にステータ20に固定されるコネクタFcが接続され、これらの間を巻き回して収容空間Sに収容される巻き回し部Frとしている。
このようなフラットケーブルFを本実施形態では2本使用し、2本のダミーフラットケーブルとともに重ね合わせて構成されている。
【0066】
コネクタFcは、上記ステアリングコラム側に配索されるワイヤハーネスのコネクタ(図示省略)と嵌合して電気的に接続される。
以上のように構成するフラットケーブルFには、
図3に示すように、コネクタFcを接続した他端側を折り返して重ね合わせた折り返し部Fuが形成されている。
【0067】
続いて、ステアリングコラムに固定されるステータ20について、
図2から
図7を用いて詳細に説明する。
ステータ20は、
図2および
図3に示すように、SRC1の下面を構成するステータ本体21と、外周面を構成するサブステータ22とを組み付けて構成され、組み付け状態をステータ係止部23によって保持されている。
【0068】
また、ステータ20は、組み付け状態において、ステータ本体21とサブステータ22とが主として上下方向(回転軸X方向)に対向する対向部分24を有し、収容空間Sへの異物の侵入を抑制する異物侵入手段として機能する凹凸嵌合部25と、異物侵入
抑制手段として機能させる折り返し部Fuを固定するケーブル固定部26とが対向部分24に形成され、ステータ本体21およびサブステータ22が径方向に重合する重合突出部27が設けられている。
【0069】
ステータ20を構成するステータ本体21は、
図3に示すように、円環の略平板状に形成されており、コネクタFcの下方をカバーする下方カバー部211と、後述する枠状係止部231、本体側嵌合凹部251、本体側固定凹部261、および本体側突出部271を備えている。
【0070】
このステータ本体21の外周縁の上面から上方にわずかに突出する部分を外周縁部21aとしている。
下方カバー部211は、SRC1の正面側における左右の両方向に配置したコネクタFcの下方をそれぞれカバーするように、ステータ本体21から突出形成されている。
【0071】
一方、サブステータ22は、ステータ本体21の外周縁部21aから上方に向けて延設された円筒状であり、コネクタFcの上方をカバーする上方カバー部221と、ステータ係止部23を囲繞する囲繞部222と、後述する突出係止部232、サブ側嵌合凸部252、サブ側固定凹部262、およびサブ側突出部272を備えている。
【0072】
このサブステータ22の下面22aは、ステータ20の組み付け状態において外周縁部21aと上下方向(中心軸X方向)に対向する。
上方カバー部221は、下方カバー部211と上下方向(中心軸X方向)に対向しており、各コネクタFcの上方をカバーするように、ステータ本体21から突出形成されている。
【0073】
囲繞部222は、後述するステータ係止部23の枠状係止部231の周りをサブステータ22の外周面に沿って囲繞するように形成されている。
詳述すると、囲繞部222は、周方向における内側が枠状係止部231の外径に対する枠型であり、枠状係止部231の上方中央を除く上部と、周方向の両側部との3方向を囲繞している。換言すると、囲繞部222は、逆L字状に形成されるとともに、ステータ係止部23を挟んで周方向に左右対称形状に配置されている。
【0074】
ステータ20の組み付け状態を保持するステータ係止部23は、
図3に示すように、ステータ本体21の外周縁から上方に向けて立設し、径外側からみて略矩形枠状の枠状係止部231と、サブステータ22の外周面から径外側に突出形成された突出係止部232とを係止可能に構成している。
【0075】
このステータ係止部23は、
図4に示すステータ本体21の平面図において、中心軸Xから右方に延びる仮想線Zを0度とし、中心軸Xを回転中心として仮想線Zから反時計回り方向に、約20度の位置、約60度の位置、約120度の位置、約160度の位置、および約290度の位置のそれぞれに合計5つ配置されている。
【0076】
このように構成するステータ係止部23は、
図5(c)に示すように、後述する本体側嵌合凹部251とサブ側嵌合凸部252とが接触するようにステータ20を組み付けた状態において、上下方向(中心軸X方向)にわずかな間隔L1を隔てて配置された枠状係止部231と突出係止部232とで構成されている。これにより、枠状係止部231と突出係止部232との係止および係止の解除を容易に行ことができる。
【0077】
上下方向(中心軸X方向)に対向する対向部分24は、ステータ本体21の外周縁部21aと、サブステータ22の下面22aとで構成されており、ステータ係止部23に対応する部分に、外周縁部21aと下面22aとを凹凸嵌合させる凹凸嵌合部25と、フラットケーブルFの折り返し部Fuを固定するケーブル固定部26とが形成されている。
【0078】
異物侵入抑制手段として機能する凹凸嵌合部25は、
図5(a)および
図5(b)に示すように、ステータ本体21の外周縁部21aを窪ませた凹状の本体側嵌合凹部251と、サブステータ22の下面22aを突出させた凸状のサブ側嵌合凸部252とを凹凸嵌合可能に構成している。
【0079】
本体側嵌合凹部251は、枠状係止部231の径内側の外周縁部21aにおいて、外周縁部21aの半分程度の幅で、枠状係止部231の周方向の長さよりひとまわり長く、所定の深さで凹状に窪ませた溝状に形成されている。なお、所定の深さを嵌合長さL2とし、嵌合長さL2は、枠状係止部231と突出係止部232との間隔L1よりも長い(L1<L2)。
【0080】
本体側嵌合凹部251と凹凸嵌合するサブ側嵌合凸部252は、本体側嵌合凸部261に向けて嵌合長さL2だけ突出し、本体側嵌合凹部251に対応する凸状に形成されており、周方向の両端側が後述する重合突出部27のサブ側突出部272と連結している。
【0081】
これら本体側嵌合凹部251およびサブ側嵌合凸部252は、
図5(c)に示すように、枠状係止部231に対応する対向部分24における径外側に配置されている。
つまり、本体側嵌合凹部251およびサブ側嵌合凸部252で構成する凹凸嵌合部25は、ステータ20の組み付け状態において、対向部分24における径内側と径外側とが上下方向(中心軸X方向)に嵌合長さL2分段違いとなる。
【0082】
詳述すると、凹凸嵌合部25に対応する対向部分24は、径方向の略中央より径内側の方が径外側よりも嵌合長さL2分上方に位置するように、段違い形状に屈折形成されている。これにより、凹凸嵌合部25に対応する対向部分24の径方向断面における長さは、上下方向(中心軸X方向)に対向する径方向の長さに、径方向に対向する上下方向(中心軸X方向)の嵌合長さL2が加わることで、単に上下方向(中心軸X方向)に対向し、径方向の長さがサブステータの板厚と略一致する従来の対向部分の径方向断面における長さよりも長くなる。
【0083】
以上のように構成する凹凸嵌合部25は、
図4に示すように、中心軸Xを回転中心として仮想線Zから反時計回り方向に、約60度の位置、約120度の位置、および約290度の位置のそれぞれに配置されている。
【0084】
異物侵入抑制手段として機能する折り返し部Fuを固定するケーブル固定部26は、
図6(a)および
図6(b)に示すように、ステータ本体21の外周縁部21aを窪ませた凹状の本体側固定凹部261と、サブステータ22の下面22aを窪ませた凹状のサブ側固定凹部262とで構成している。
【0085】
各固定凹部261,262は、
図6(c)に示すように、径方向断面において矩形状に形成されるとともに、フラットケーブルFの折り返し部Fuの幅、つまり2枚のフラットケーブルFの厚みと同等の幅に形成されている。
【0086】
これら各固定凹部261,262は、それぞれ周方向に沿って形成されており、ステータ20の組み付け状態において互いに相対する位置に同様に形成されているため、以下において、本体側固定凹部261について詳細に説明し、サブ側固定凹部262については詳細な説明を省略する。
【0087】
本体側固定凹部261は、
図4に示すように、ステータ本体21に形成した右方の下方カバー部211から、中心軸Xを回転中心として仮想線Zから反時計回り方向に約45度の位置まで延びており、左方に形成された本体側固定凹部261は、右方の本体側固定凹部261と略左右対称形状に形成されている。
【0088】
すなわち、各本体側固定凹部261は、約20度の位置または約160度の位置に配置された枠状係止部231を周方向に跨ぐように形成され、基端側が各下方カバー部211に連通する。
したがって、ケーブル固定部26は、フラットケーブルFとステータ20との組み付け状態において、約20度の位置または約160度の位置に配置した枠状係止部231を周方向に跨ぐように折り返し部Fuを摺動することなく固定することができる。
【0089】
径方向に重合する重合突出部27は、
図7に示すように、ステータ本体21の外周縁から下方に突出する本体側突出部271と、サブステータ22の下端の径外側から下方に向けて突出するサブ側突出部272とで構成している。
【0090】
この本体側突出部271は、ステータ本体21の外周縁の下面から下方に突出しており、ステータ本体21の全周に形成されている。
【0091】
一方、サブ側突出部272は、サブステータ22の下端から径外側に突出するとともに、下方に突出する径方向
において断面略L字状に形成されており、サブステータ22の全周にわたって形成されている。
【0092】
つまり、サブ側突出部272は、対向部分24の径外側に配置される。
また、このサブ側突出部272は、
図5(b)や
図6(b)に示すように、枠状係止部231に対応する部分を切り欠いた切り欠き部273が形成されている。
【0093】
上述のように構成するロテータ10、ステータ20、およびスリーブ30を組み付けるとともに、収容空間SにフラットケーブルFを収容したSRC1は、ステータ係止部23を構成する枠状係止部231が、切り欠き部273を通過して突出係止部232と係止することで、組み付け状態が保持されている。
【0094】
上述のように構成した本実施形態のSRC1は、凹凸嵌合部25が設けられるとともに、ケーブル固定部26に折り返し部Fuが固定され、凹凸嵌合部25および折り返し部Fuを、ステータ本体21とサブステータ22との対向部分24における、ステータ係止部23に対応する位置に配置したことで、対向部分24におけるステータ係止部23に対応する部分を通じて、塵や埃、あるいは細かい砂などの異物が収容空間Sへ侵入することを抑制できる。
【0095】
詳述すると、対向部分24を通じて径方向から上記異物が収容空間Sへ侵入することを防止するために、枠状係止部231を除くステータ20の全周にわたって重合突出部27を設けているが、本体側突出部271において枠状係止部231が対応する部分に切り欠き部273を設けており、
図8(c)中の矢印であらわすように、対向部分24において枠状係止部231(ステータ係止部23)に対応する切り欠き部273を通じて収容空間Sに上記異物が侵入するおそれがあった。
【0096】
これに対して、ステータ係止部23に対応する対向部分24に凹凸嵌合部25を配置したことで、径方向断面における対向部分24は、切り欠き部273に対応する部分において、単に上下方向(中心軸X方向)にのみ対向する従来の対向部分よりも長さが増大するだけでなく、上下方向(中心軸X方向)に段違い形状に屈折形成され、さらには、サブ側嵌合凸部252がサブ側突出部272と連結されている。
【0097】
すなわち、外部から収容空間Sに上記異物が侵入する侵入経路を、径方向断面において屈折させて延長できるとともに、
図8(a)中の矢印であらわすように、切り欠き部273に対応する部分を径方向に規制することができる。
【0098】
また、ステータ係止部23を周方向に跨ぐとともに、対向部分24を上下方向(中心軸X方向)に跨ぐ態様で、折り返し部Fuをケーブル固定部26に固定したことで、収容空間Sへの上記異物の侵入経路を、
図8(b)中の矢印にあらわすように、確実に遮断することができる。
【0099】
したがって、対向部分24においてステータ係止部23に対応する部分、つまり切り欠き部273に対応する部分に、凹凸嵌合部25や折り返し部Fuが設けられていない従来のSRC1よりも、対向部分24におけるステータ係止部23に対応する部分を通じて上記異物が収容空間Sへ侵入することを抑制できる。
【0100】
これにより、収容空間Sに収容したフラットケーブルFの巻き回し部Frが、ステータ20に対するロテータ10の相対回転に伴って、巻き締められたり巻き解かれたりする場合においても、収容空間Sへ侵入した上記異物によって上記フラットケーブルが損傷したり、異音が発生したりすることを抑制できる。
【0101】
さらに、凹凸嵌合する本体側嵌合凹部251およびサブ側嵌合凸部252は、ステータ本体21とサブステータ22とを組み付ける際の位置合わせ部としても機能させることができ、さらには、組み付け状態における組み付け強度を向上させ、ステータ本体21とサブステータ22との安定した組み付け状態を得ることができる。
【0102】
また、本実施形態において、対向部分24における径外側に凹凸嵌合部25を配置したことで、対向部分24における径内側の方が径外側よりも上方に位置する段違い形状に形成され、対向部分24における径方向の略中央で径方向に対向する部分において、収容空間Sへの上記異物の侵入を重力によっても抑制することができる。
したがって、収容空間Sへの上記異物の侵入をより確実に抑制することができる。
【0103】
また、本実施形態において、本体側嵌合凹部251とサブ側嵌合凸部252とが上下方向(中心軸X方向)に接触した状態において、本体側嵌合凹部251とサブ側嵌合凸部252とが嵌合する嵌合長さL2を、枠状係止部231と突出係止部232との上下方向(中心軸X方向)の間隔L1より長く形成する(L1<L2)ことで、収容空間Sへの上記異物の侵入をさらに確実に抑制することができる。
【0104】
詳述すると、SRC1の組み付けバラツキなどによって、本体側嵌合凹部251とサブ側嵌合凸部252とが枠状係止部231と突出係止部232との間隔L1分、上下方向(中心軸X方向)に離間しても、対向部分24に形成される隙間は、収容空間Sに向けて径方向に貫通するように形成されず、段違い形状が保持される。これにより、収容空間Sへの上記異物の侵入をさらに確実に抑制することができる。
【0105】
また、本実施形態において、SRC1の構成部品のひとつであるフラットケーブルFの折り返し部Fuをケーブル固定部26に固定し、遮断部材として用いたことで、上記異物の侵入経路を遮断するために別部材を用いる必要がなく、SRC1を構成する部品点数を削減し軽量化することができる。
【0106】
また、本実施形態において、サブステータ22に、枠状係止部231の周囲を外周面に沿って囲繞する囲繞部222を設けたことで、収容空間Sへの上記異物の侵入をより確実に防止することができる。
【0107】
詳述すると、サブステータ22の外周面と枠状係止部231との間を伝って対向部分24へ上記異物が接近することを、囲繞部222によって阻止できるため、対向部分24から収容空間Sへ侵入しようとする上記異物の量を低減することができる。
【0108】
仮に、上記異物が対向部分24に到達した場合であっても、対向部分24に設けた凹凸嵌合部25や、ケーブル固定部26に固定した折り返し部Fuが、収容空間Sへ侵入しようとする上記異物の侵入を抑制できるため、収容空間Sへの上記異物の侵入をより確実に防止することができる。
【0109】
この発明の構成と、上述の実施形態との対応において、
この発明の回転コネクタ装置は、実施形態のSRC1に対応し、
以下同様に、
回転体は、ロテータ10に対応し、
回転側リング板は、天板部11に対応し、
内周筒部は、内周部12に対応し、
固定体は、ステータ20に対応し、
固定側リング板は、ステータ本体21に対応し、
外周筒部は、サブステータ22に対応し、
係止手段は、ステータ係止部23に対応し、
係止部は、枠状係止部231に対応し、
被係止部は、突出係止部232に対応し、
異物侵入
抑制手段は、凹凸嵌合部25に対応し、
嵌合凹部は、本体側嵌合凹部251に対応し、
嵌合凸部は、サブ側嵌合凸部252に対応し、
固定凹部は、ケーブル固定部26、本体側固定凹部261およびサブ側固定凹部262に対応し、
係止部と被係止部との軸方向の間隔は、間隔L1に対応し、
嵌合凸部と嵌合凹部との軸方向に嵌合する長さは、嵌合長さL2に対応し、
異物侵入
抑制手段、遮断部および固定遮断部材は、折り返し部Fuに対応するが、
この発明は、上述の実施形態の構成のみに限定されるものではなく、多くの実施の形態を得ることができる。
【0110】
例えば、上述のように、ステータ本体21に形成した本体側嵌合凹部251と、サブステータ22に形成したサブ側嵌合凸部252とで凹凸嵌合部25を構成することのみならず、
図9に示すように、ステータ本体21の外周縁部21aから上方に突出させた凸状の本体側嵌合凸部251aと、サブステータ22の下面22aを窪ませた凹状のサブ側嵌合凹部252aとで凹凸嵌合部25aを構成してもよい。
【0111】
なお、
図9は本体側嵌合凸部251aとサブ側嵌合凹部252aとで構成した凹凸嵌合部25aについての説明図を示している。詳述すると、
図9は
図4中のB−B線におけるSRC1の概略断面図を示すとともに、当該断面図における凹凸嵌合部25a周辺の拡大図を示している。
【0112】
さらに、この場合や上述した本実施形態において、凹凸嵌合部25,25aに対応する対向部分24aの径方向断面における径方向の長さが、
図9に示すように、サブステータ22の板厚よりも長くなるように、サブステータ22の下端側の板厚を設定してもよい。
【0113】
また、径方向断面に沿う対向部分24の長さを延長させる凹凸嵌合部25や重合突出部27を設けることだけに限らず、サブステータ22の下端からステータ本体21に沿って径内側に延設した板状体を設けてもよし、ステータ本体21とサブステータ22とが対向する対向部分24を径方向断面に沿ってテーパ状に傾斜させてもよい。
【0114】
また、本体側嵌合凹部251およびサブ側嵌合凸部252は、矩形状に形成することのみならず、互いに凹凸嵌合可能であれば、曲線状に形成してもよいし、矩形状と曲線状を組み合わせてもよい。
【0115】
また、ケーブル固定部26に折り返し部Fuを固定することだけに限らず、例えば合成樹脂製の板状体を固定してもよいし、シリコ
ーン製あるいはゴム製のパッキンやグリスなどを対向部分24に介在させてもよい。
【0116】
また、この発明の他の実施形態を、以下
図10から
図13を用いて説明する。
図10は上方からみた回転コネクタ装置1x(ステアリングロールコネクタ、以下においてSRC1xとする)の概略斜視図を示し、
図11は上方からみたSRC1xの概略分解斜視図を示し、
図12はSRC1xの片断面における概略断面図とともに、当該断面図における外周縁部13xおよび上端部22x周辺の拡大図を示している。
【0117】
なお、
図11は、フラットケーブルFxを透過した状態を図示しており、
図12および
図13は、中心軸Xから左側を省略したSRC1xを図示している。
また、本実施形態において、ステータ20xを基準として、ロテータ10x側を上方とし、スリーブ30x側を下方とする。また、上方からみたSRC1xにおいて、右回り方向を時計回り方向とするともに、左回り方向を反時計回り方向とする。
【0118】
本発明のSRC1xは、
図10および
図11に示すように、ステアリングホイール(図示省略)の転舵に追従するロテータ10xと、ステアリングコラム(図示省略)に固定するステータ20xと、ロテータ10xに固定されるスリーブ30xとをこの順で中心軸Xに沿って組み付けて構成している。
【0119】
このSRC1xは、ステータ20xに対してロテータ10xおよびスリーブ30xが、中心軸Xを回転中心とする時計回り方向と反時計回り方向との両回転方向に相対回転自在に組み付けられており、内部に形成した円環状の収容空間Sxに巻き回したフラットケーブルFxを収容している。
【0120】
ロテータ10xは、
図11に示すように、SRC1xの上面を構成する円環で略平板状の天板部10xaと、天板部10xaの内縁から下方に向けて突出してSRC1xの内周面を構成する略円筒状の内周部10xbとが一体に構成されている。
【0121】
ロテータ10xを構成する天板部10xaは、
図12に示すように、外径が後述するステータ20xの外周部20xbより一回り小径に形成されており、径内側から径外側に向けて、内周縁部11x、天板部本体12xおよび外周縁部13xをこの順に配置して構成している。
【0122】
天板部本体12xは略平板状に形成され、内周縁部11xは径方向断面において径内側に向けて下方に傾斜する傾斜面11xaを有する断面テーパ状に形成されている。
外周縁部13xは、下面が天板部本体12xの上面と略一致する円環の平板状に形成されており、下方に向けて突出するロテータ側突出部13xaを外縁に備えるとともに、下方に突出して天板部本体12xの外縁と連結する連結部13xbを内縁に備えている。つまり、外周縁部13xは、ロテータ側突出部13xaと連結部13xbとで、上方に突出する略凹状に形成されている。なお、外周縁部13xの径方向の長さは、内周縁部11xや天板部本体12xの径方向の長さの約2倍に形成されている。
【0123】
ロテータ側突出部13xaは、所定の長さだけ下方に突出しており、下方の先端が断面円弧状に形成されるとともに、外周縁部13xの先端の全周に形成された環状の略筒状体である。なお、所定の長さを突出長さH1とする。
【0124】
以上のように構成した天板部10xaは、天板部本体12xにおける径外側と外周縁部13xの連結部13
xbとが径方向に連結されるとともに、この連結部分に下面を略矩形状に切り欠いた切り欠き部14xが形成されている。
切り欠き部14xは、径方向の長さが連結部13xbの板厚と同等で、切り欠き量が天板部本体12xの板厚の約半分である。
【0125】
ステータ20xは、
図11に示すように、SRC1xの下面を構成する円環で略平板状の底板部20xaと、底板部20xaの外縁から上方に向けて突出してSRC1xの外周面を構成する略円筒状の外周部20xbとで構成されている。
【0126】
ステータ20xを構成する外周部20xbは、
図12に示すように、下方から上方に向けて、外周部本体21xおよび上端部22xを配置して構成し、上端部22xにおける下方から径内側に突出する円環で略平板状の突出円環部23xを備えている。換言すると、外周部20xbにおいて、突出円環部23xより上方を上端部22xとしている。
【0127】
外周部本体21xは、底板部20xaの外縁から上方に延設され、所定の板厚で形成された筒状体である。これにより、外周部本体21xは、一定の強度を有することができる。
上端部22xは、外径が外周部本体21xの外径と同一であるとともに、外周部本体21xの3分の2程度の板厚に形成された筒状体である。
【0128】
この上端部22xは、SRC1xの組み付け状態において、頂部が天板部10xaの上面と略一致するように形成されている。
なお、外周部本体21xの3分の2程度の板厚に形成された上端部22xは、SRC1xの組み付け状態において、ロテータ側突出部13xaとの間に間隔D3を設けることができるため、ステータ20xに対するロテータ10xの相対回転をスムーズに行うことができるとともに、ステータ20xの軽量化が可能となる。
【0129】
突出円環部23xは、径内側に向けて上方に傾斜する傾斜面23xaを有する断面テーパ状に形成されており、先端よりわずかに径外側から上方に向けて突出するステータ側突出部23xbが備えられている。
【0130】
つまり、突出円環部23xの先端は、SRC1xの組み付け状態における切り欠き部14xの径内側の面との間において径方向に間隔D4を隔てるように、ステータ側突出部23xbよりも径内側にわずかに突出している。なお、突出円環部23xの先端と切り欠き部14xの径内側の面との間隔D4は、上述した上端部22xとロテータ側突出部13xaとの間隔D3よりも広い(D3<D4)。
【0131】
ステータ側突出部23xbは、上方に突出する突出長さH2がロテータ側突出部13xaの突出長さH1よりも短く(H1>H2)、突出円環部23xの先端側の全周に形成された環状の略円筒体である。なお、SRC1xの組み付け状態におけるステータ側突出部23xbと連結部13xbとの径方向の間隔D5は、上述した上端部22xとロテータ側突出部13xaとの間隔D3よりも広い(D3<D5)。
【0132】
スリーブ30xは、
図11に示すように、略円筒状に形成されており、ステータ20xに対してロテータ10xの反対側に配置され、ステータ20xを挟み込むように下方からロテータ10xに固定される。
【0133】
上述のように構成したロテータ10xとスリーブ30xを、ステータ20xに対して相対回転自在に組み付けた状態において、突出円環部23xの上面は、外周縁部13xの下面と平行に対向している。
【0134】
さらに、SRC1xの上部において、上端部22x、ロテータ側突出部13xaおよびステータ側突出部23xbは、径外側から径内側に向けてこの順に配置されている。
詳しくは、ロテータ側突出部13xaが突出円環部23xの径方向略中央と対向し、ステータ側突出部23xbが外周縁部13xの径方向略中央と対向している。
【0135】
このとき、ロテータ側突出部13xaと突出円環部23xとの対向距離D1は、ステータ側突出部23xbと外周縁部13xとの対向距離D2よりも短くなる。
つまり、上下方向に平行に配置された外周縁部13xと突出円環部23xとの間において、ロテータ側突出部13xaの先端は、上端部22xの頂部およびステータ側突出部23xbの先端よりも下方に突出している。
【0136】
さらにまた、ロテータ側突出部13xaと上端部22xとの間隔D3は、上述したように、突出円環部23xにおける径内側の端部と切り欠き部14xの径内側の面との間隔D4よりも狭く(D3<D4)、ステータ側突出部23xbと連結部13xbとの間隔D5より狭い(D3<D5)。
【0137】
上述のように構成したSRC1xは、上端部22x、ロテータ側突出部13xa、およびステータ側突出部23xbが、径外側から径内側に向けてこの順に配置され、先端が上端部22xおよびステータ側突出部23xbの先端より下方へ突出するとともに、突出長さH1がステータ側突出部23xbの突出長さH2よりも長い(H1>H2)ロテータ側突出部13xaが設けられていることで、大型化されることなく、収容空間Sxへの塵や埃などの異物の侵入を防止することができる。
【0138】
詳述すると、先端が上端部22xおよびステータ側突出部23xbの先端より下方へ突出するようにロテータ側突出部13xaを形成することで、外部から収容空間Sxへ侵入する上記異物の侵入経路は、上端部22xとロテータ側突出部13xaとの間を下方へ延びるとともに、ロテータ側突出部13xaとステータ側突出部23xbとの間を上方へ延びるように略U字状に屈曲するため(
図12中の矢印参照)、上記異物が径方向に沿って直接的に収容空間Sxへ侵入することを規制できる。
【0139】
より具体的には、ロテータ側突出部13xaと突出円環部23xとの隙間の径外側に上端部22xが配置されるため、ロテータ側突出部13xaに到達する上記異物の量を低減することができ、さらには、ロテータ側突出部13xaに上記異物が到達した場合であっても、ロテータ側突出部13xaの突出長さH1がステータ側突出部23xbの突出長さH2よりも長いため、ロテータ側突出部13xaより収容空間Sxへ侵入する上記異物を規制することができる。
【0140】
仮に、上記異物がロテータ側突出部13xaより収容空間Sx側に侵入したとしても、突出円環部23xから天板部10xaに向けて突出するステータ側突出部23xbを上記異物は乗り越えなければならない。
このようなロテータ側突出部13xa、突出円環部23xおよびステータ側突出部23xbを備えたことによって、収容空間Sxへの上記異物の侵入を防止することができる。
【0141】
一方、外周部20xbは、従来のような2層構造ではなく、1層構造であるため、SRC1xが径方向に大型化されることなく、収容空間Sxへの上記異物の侵入を防止することができる。
【0142】
また、突出円環部23xが径外側である基端を支点として撓んだり、振動したりしても、ロテータ側突出部13xaの突出長さH1を、ステータ側突出部23xbの突出長さH2よりも長く形成している(H1>H2)ため、ステータ側突出部23xbが外周縁部13xに当接するより先に、ロテータ側突出部13xaが突出円環部23xに当接することとなる。
このとき、突出円環部23xにおけるロテータ側突出部13xaが当接する位置は、突出円環部23xにおけるステータ側突出部23xbの配置位置よりも撓み量が小さい基端側となる。
【0143】
換言すると、ステータ側突出部23xbと外周縁部13xとが当接する場合と、突出円環部23xとロテータ側突出部13xaとが当接する場合とでは、前者の方が撓み量の大きい突出円環部23xの先端側で当接することから、当接した状態での相対回転に伴って生じる摺動音や、振動による当接音などの異音が発生し易く、また、発生する上記異音が大きくなるため、ステータ側突出部23xbが外周縁部13xに当接するより先に、ロテータ側突出部13xaが突出円環部23xに当接すように、ロテータ側突出部13xaの突出長さH1を、ステータ側突出部23xbの突出長さH2よりも長く形成している(H1>H2)。
【0144】
このように、本実施形態のSRC1xは、大型化されることなく、収容空間Sxへの上記異物の侵入を防止することができるだけでなく、当接することで上記異音が生じることを抑制することができる。
【0145】
また、本実施形態において、外周部20xbの頂部が天板部10xaと同程度となる高さに形成することで、径方向から収容空間Sxへ侵入する上記異物を確実に規制できるとともに、SRC1xの相対回転性能が低下することを防止できる。
【0146】
詳述すると、天板部10xaと同程度となる高さに形成された外周部20xbの頂部は天板部10xaより上方に突出しないため、ステアリングコラムに固定したステータ20xにおける外周部20xbの頂部が、回転操作されるステアリングホイールと干渉することを防止できる。
【0147】
さらに、ステータ20xに対してロテータ10xが相対的に傾く、あるいはロテータ10xとステータ20xとが相対的に変形した場合であっても、天板部10xaと同程度となる高さに形成された外周部20xbによって、上端部22xを越えてロテータ側突出部13xaが径外側に飛び出したり、干渉したりすることを防止できる。
【0148】
このように、外周部20xbの頂部とステアリングホイールとの干渉、および上端部22xとロテータ側突出部13xaとの干渉を防止できるSRC1xの相対回転性能が低下することを防止できる。
【0149】
また、頂部が天板部10xaと同程度となる高さに形成された外周部20xbによって、上端部22xよりも収容空間Sxへ径外側からの上記異物の侵入を確実に規制することできる。
上述したように本実施形態のSRC1xは、径方向から収容空間Sxへ侵入する上記異物を確実に規制できるとともに、相対回転性能の低下を防止することができる。
【0150】
また、本実施形態において、突出円環部23xを、先端に向けて徐々に薄肉化された断面テーパ状に形成することで、先端に向けて突出円環部23xは撓み易くなるため、ロテータ側突出部13xaと当接して押圧される突出円環部23xは、押圧力による撓みによって接触抵抗を低減することができる。
【0151】
したがって、SRC1xの相対回転性能が低下することを確実に防止できるとともに、ロテータ側突出部13xaの押圧によって突出円環部23xが損傷することを確実に防止できる。さらには、突出円環部23xの軽量化が可能となる。
【0152】
また、本実施形態において、ロテータ側突出部13xaにおける下方の先端を断面円弧状に形成することで、ロテータ側突出部13xaと突出円環部23xとは、仮に接触した場合であっても径方向断面において点接触状態となるため、接触抵抗を確実に低減することができる。したがって、SRC1xの相対回転性能が低下することをより確実に防止できる。
【0153】
また、本実施形態において、天板部本体12xと外周縁部13xとの連結部分の下面に切り欠き部14xを形成したことで、仮に突出円環部23xが撓んだとしても、ステータ側突出部23xbから径内側にわずかに突出する突出円環部23xの先端が天板部10xaに干渉することを防止できる。
【0154】
詳述すると、ロテータ側突出部13xaと上端部22xとの間隔D3は、上述したように、突出円環部23xにおける径内側の端部と切り欠き部14xの径内側の面との間隔D4よりも狭く(D3<D4)、ステータ側突出部23xbと連結部13xbとの間隔D5より狭い(D3<D5)。
【0155】
したがって、仮にロテータ10xに対してステータ20xが相対的に変形した場合であっても、突出円環部23xにおける径内側の端部と切り欠き部14xの径内側の面や、ステータ側突出部23xbと連結部13xbよりも先に、ロテータ側突出部13xaと上端部22xとが当接することとなり、当接による突出円環部23xの損傷を防止することができる。
【0156】
また、本実施形態において、内周縁部11xの径斜面11aを径外側に向けて上方に傾斜させたことで、SRC1xの相対回転に伴い巻き締められたり巻き解かれたりするフラットケーブルFxの径内側から径外側への移動をガイドすることができ、突出円環部23xの径斜面23aを径内側に向けて上方に傾斜させたことで、SRC1xの相対回転に伴うフラットケーブルFxの径外側から径内側への移動をガイドすることができる。
【0157】
特に、フラットケーブルFxの移動をガイドする突出円環部23xの傾斜面23xaは、相対回転する突出円環部23xと外周縁部13xとの隙間にフラットケーブルFxが
侵入することをも抑制することができる。
【0158】
この発明の構成と、上述の実施形態との対応において、
この発明の回転コネクタ装置は、実施形態のSRC1xに対応し、
以下同様に、
回転体は、ロテータ10xに対応し、
回転側リング板は、天板部10xaに対応し、
内周筒部は内周部10bに対応し、
回転側突出部は、ロテータ側突出部13xaに対応し、
固定体は、ステータ20xに対応し、
固定側リング板は、底板部20xaに対応し、
外周筒部は、外周部20xbに対応し、
頂部側縁部は、上端部22xに対応し、
突出リング板は、突出円環部23xに対応し、
固定側突出部は、ステータ側突出部23xbに対応し、
回転側突出部の突出長さは、突出長さH1に対応し、
固定側突出部の突出長さは、突出長さH2に対応するが、
この発明は、上述の実施形態の構成のみに限定されるものではなく、多くの実施の形態を得ることができる。
【0159】
例えば、天板部本体12yと外周縁部13yとの連結部分の下面に形成した切り欠き部14yの径内側の面を中心軸Xに向けてずらしてもよい。つまり、切り欠き部14yの径方向の長さを、
図13に示すように、径内側に延長してもよい。この延長する長さは、収容空間Sxの上下方向の長さと径方向の長さとの比率に応じて適宜設定することができる。
なお、
図13は他の実施形態におけるSRC1yの片断面における概略断面図とともに、当該断面図における外周縁部13yおよび上端部22x周辺の拡大図を示している。
【0160】
詳述すると、
図12に示す本実施形態のSRC1xのように、収容空間Sxの上下方向の長さと径方向の長さとがほぼ同等であるのに対して、
図13に示す他のSRC1yのように、収容空間Sxの上下方向の長さよりも径方向の長さの方が長い場合、ステータ20xに対してロテータ10yが相対的に傾く、あるいはロテータ10yとステータ20xとが相対的に変形する量が増大する。これに対して、切り欠き部14yの径方向の長さを適宜延長することで、突出円環部23xの先端と天板部10yとが干渉することを防止できる。
【0161】
また、上述した本実施形態によれば、外周縁部13xを天板部本体12xの上面に連結しているが、これだけに限らず、天板部本体11cと面一に連結してもよいし、天板部本体12xの下面に連結してもよい。