(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
フィルム材の縁部同士が縁部シール部によりシールされてなる自立型の包装容器であり、前記フィルム材の対向する内面同士が仕切シール部によってシールされて前記包装容器の内部が複数の部屋に分けられ、前記仕切シール部が対向する前記フィルム材同士を接合しているシール強度が、前記縁部シール部のシール強度よりも小さい複室容器であって、
前記複数の部屋が、第1の物質が注入される主室と、前記第1の物質とは異なる物質が注入される副室とにより構成され、
前記主室は、正面部、背面部及び底面部を有するか、又は正面部、背面部、天面部及び底面部を有してなり、
前記副室は、前記正面部及び前記背面部の両方の位置で前記主室の下端から外側に延びている、又は、前記正面部及び前記背面部の両方の位置で前記主室の下端から外側に延びているとともに前記正面部及び前記背面部の一方又は両方の位置で前記主室の上端から外側に延びている、ことを特徴とする複室容器。
前記正面部を構成するフィルム材、前記背面部を構成するフィルム材、並びに前記天面部及び/又は前記底面部を構成するフィルム材は、それぞれ独立したフィルム材であり、
前記正面部を構成するフィルム材の上端縁及び/又は下端縁と、前記天面部及び/又は前記底面部を構成するフィルム材の前記正面部側の端縁と、がシールされると共に、前記背面部を構成するフィルム材の上端縁及び/又は下端縁と、前記天面部及び/又は前記底面部を構成するフィルム材の前記背面部側の端縁と、がシールされてなる、請求項3に記載の複室容器。
前記正面部を構成するフィルム材、前記背面部を構成するフィルム材、並びに前記天面部及び/又は前記底面部を構成するフィルム材は、1枚のフィルム材が第1の折り線で折り込まれて前記正面部と、前記天面部及び/又は前記底面部とに区分けされると共に、第2の折り線で折り込まれて前記背面部と、前記天面部及び/又は前記底面部とに区分けされ、
前記仕切シール部は、前記正面部の前記第1の折り線よりも一定の距離だけ内側の位置と、前記天面部及び/又は前記底面部の前記第1の折り線よりも一定の距離だけ内側の位置と、がシールされてなると共に、前記背面部の前記第2の折り線よりも一定の距離だけ内側の位置と、前記天面部及び/又は前記底面部の前記第2の折り線よりも一定の距離だけ内側の位置とがシールされてなる、請求項3に記載の複室容器。
前記主室には内部に前記第1の物質を注入するための第1注入用構成部が設けられ、前記副室には、前記第1の物質とは異なる物質を注入するための第2注入用構成部が設けられている、請求項1〜5のいずれか1項に記載の複室容器。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、本発明の実施形態について、図面を参照しながら説明する。なお、本発明は、以下に説明する実施形態及び図面に記載した形態と同じ技術的思想の発明を含むものであり、本発明の技術的範囲は実施形態の記載や図面の記載のみに限定されるものでない。
【0022】
[基本構成]
本発明に係る複室容器1は、
図1及び
図2に示すように、自立させることが可能なスタンディングパウチである。複室容器1は、フィルム材11,12,13,14の縁部が縁部シール部21,22,23,24,25,26によりシールされてなる包装容器である。なお、本発明に係る複室容器1の基本構成については、
図1及び
図2に示した第1実施形態の第1タイプの複室容器1Aを例にして説明する。ただし、本発明に係る複室容器1(1A〜1D)の基本構成は、すべて同様である。なお、
図1において、ハッチングを施した部分は、断面ではなくシールした部分を表している。
【0023】
複室容器1は、フィルム材11,12,14が対向する位置でフィルム材11,12,14の内面同士を仕切シール部31,32によってシールし、包装容器の内部を複数の部屋に分けて構成されている。仕切シール部31,32のシール強度は、フィルム材11,12,13,14の縁部のシール強度よりも小さい。すなわち、複室容器フィルム材11,12,14は、仕切シール部31,32の位置で剥離可能に構成されている。複数の部屋は、第1の物質が注入される主室16と、第1の物質とは異なる物質が注入される副室17,18とにより構成されている。副室17,18は、主室16の上部又は下部のどちらかに設けるか、上部及び下部の両方に設けられる。
図1及び
図2に示した複室容器1は、主室16の下部に副室17,18を設けた形態である。
【0024】
複室容器1には、自立性を高めるとともに、複室容器1自体の強度を高めるために、補強シール部28,29,30,38,39が設けられている。補強シール部28,29は、複室容器1の下部において側端縁と下端とを結んでおり、折り込み線14aと底面部104の折込み線と縁部シール部25,26の交点部分を起点とし、複室容器1の下側の部分で斜めに延びている。一方、補強シール部38,39は、複室容器1の上部において側端縁と上端とを結んでおり、折り込み線13aと天面部103の折込み線と縁部シール部25,26の交点部分を起点とし、複室容器1の上側の部分で斜めに延びている。補強シール部30は、縁部シール部25,26のフィルム材11,12とフィルム材13,14のシール部において、フィルム材13,14の一部を切欠き、該切欠き部分でフィルム材11,12が直接シールされている。この複室容器1によれば、仕切シール部31,32の位置で折れ曲がることがなく、自立性を維持させることができるという特有の効果を奏する。
【0025】
以下、複室容器1の各構成及び作用について、実施形態ごとに具体的に説明する。なお、「天面部」、「底面部」、「正面部」、「背面部」については、後ほど説明するが、本明細書において、複室容器1の天面部側を「上側」、底面部側を「下側」とする。正面部側を「前側」、背面部側を「後側」とする。また、両側の側部を結ぶ方向を「幅方向X」、正面部と背面部とを結ぶ方向を「前後方向Y」天面部と底面部とを結ぶ方向を「上下方向Z」とし、幅方向Xを符号「X」、前後方向Yを符号「Y」、上方方向を符号「Z」とする。なお、本明細書において、後述する第1注入用構成部40及び第2注入用構成部50,55を除く、主室16及び副室17,18からなる複室容器1の構成部分を「袋本体部」として説明する。
【0026】
[第1実施形態]
〈第1タイプ〉
第1タイプの複室容器1Aは、
図1及び
図2に示すように、所望の物質が収容される袋本体部10と袋本体部10の内部に所望の物質を注入するための第1注入用構成部40及び第2注入用構成部50,55とにより構成されている。第1タイプの複室容器1Aにおいて、主室16は、少なくとも正面部101、背面部102、天面部103及び底面部104を有している。副室17,18は、正面部101及び背面部102の位置で主室16の下端から外側(下側)に延びている。正面部101を構成するフィルム材11及び背面部102を構成するフィルム材12の下端は、主室16の下端よりもさらに外側(下側)に位置し、天面部103を構成するフィルム材13の前後方向Yの長さは、正面部101と背面部102との間の長さよりも長い。正面部101を構成するフィルム材11の下端よりも一定の距離だけ内側(上側)の位置と、底面部104を構成するフィルム材14の正面部101側の端縁よりも一定の距離だけ内側の位置とが仕切シール部31によってシールされると共に、背面部102を構成するフィルム材12の下端よりも一定の距離だけ内側(上側)の位置と、底面部104を構成するフィルム材14の背面部102側の端縁よりも一定の距離だけ内側の位置とが仕切シール部32によってシールされて、副室17,18が形成されている。
【0027】
正面部101を構成するフィルム材11、背面部102を構成するフィルム材12、及び底面部104を構成するフィルム材14は、それぞれ独立したものである。副室17,18、正面部101を構成するフィルム材11の下端縁と、底面部104を構成するフィルム材14の正面部101側の端縁と、がシールされると共に、背面部102を構成するフィルム材12の下端縁と、底面部104を構成するフィルム材14の背面部102側の端縁と、がシールされて構成されている。
【0028】
(袋本体部)
袋本体部10は、主室16と複数の副室17,18とにより構成されている。副室17,18は、複室容器1の下部に設けられ、複室容器1の脚部として機能している。主室16は、2つの副室17,18よりも上側に設けられ、2つの副室17,18によって下から支持されている。本実施形態及び次の第2実施形態では、複室が2つ設けられた袋本体部例として説明しているが、複室の数は2つには限定されず、1つだけ設けるか、或いは、3つ以上設けることもできる。また、複室容器1では、複室容器1の上側を副室17,18とすることもできる。
【0029】
第1タイプの複室容器1は、
図2に示すように、例えば、4枚のフィルム材11,12,13,14によって構成されている。4枚のフィルム材11,12,13,14は、複室容器1の正面部101、背面部102、天面部103及び底面部104をそれぞれ構成している。主室16は、正面部101を構成するフィルム材11、背面部102を構成するフィルム材12、天面部103を構成するフィルム材13及び底面部104を構成するフィルム材14により構成されている。一方、副室17,18は、正面部101を構成するフィルム材11、背面部102を構成するフィルム材12及び底面部104を構成するフィルム材14により構成されている。なお、以下では、正面部101を構成するフィルム材11を単に正面部101、背面部102を構成するフィルム材12を単に背面部102、天面部103を構成するフィルム材13を単に天面部103、底面部104を構成するフィルム材14を単に底面部104ということがある。
【0030】
正面部101及び背面部102に用いられるフィルム材11,12の形状等は特に限定されないが、例えば四角形の平面状のものがそれぞれ用いられている。こうしたフィルム材11,12により形成される正面部101と背面部102とは、複室容器1の前後方向Y(
図2の左右方向)で相互に対向している。正面部101を構成しているフィルム材11は、主室16の正面部101を構成している一方で、背面部102を構成しているフィルム材12は、主室16の背面部102を構成している。また、正面部101を構成しているフィルム材11は、複室容器1の正面部101側の下部で副室17の外面17aを構成している。一方、背面部102を構成しているフィルム材12は、複室容器1の背面部102側の下部で、副室18の外面18aを構成している。
【0031】
天面部103に用いられるフィルム材13の形状等についても特に限定されない。第1タイプの複室容器1Aの天面部103に用いられているフィルム材13は、四角形のフィルム材が用いられている。このフィルム材13は、正面部101と背面部102との中間位置である中央又は略中央に折り込み線13aが形成され、まち構造をなしている。天面部103は、フィルム材13に形成された折り込み線13aを複室容器1の下側に向けて折り込まれた態様をなしている。複室容器1の天面部103は、主室16の天面部としても機能している。
【0032】
底面部104に用いられるフィルム材14の形状等についても、特に限定されない。第1タイプの複室容器1Aでは、底面部104に用いられているフィルム材14は、例えば、四角形のフィルム材が用いられている。このフィルム材14は、天面部103に用いられているフィルム材13と同様に、正面部101と背面部102との中間位置である中央又は略中央の位置に折り込み線14aを有し、まち構造をなしている。底面部104は、この折り込み線14aを上側に向けて折り込まれた形態をなしている。この底面部104は、複室容器1自体の底面部104及び主室16の底面部104として機能する。また、底面部104を構成するフィルム材14の一部は、正面部101側の副室17及び背面部102側の副室18の内面17b,18bとしても機能する。
【0033】
天面部103、背面部102、天面部103及び底面部104を構成しているフィルム材11,12,13,14は、以下に説明する態様で相互にシールされて複室容器1を構成している。
【0034】
(正面部、背面部及び天面部のシール)
正面部101と天面部103とは、正面部101の上部の端をなす縁部(以下、「上端縁」という。)と、天面部103の正面部101側に位置する前側の端をなす縁部(以下、「前端縁」という。)と、がシールされることにより接合されている。このシールされた部分は、図面において縁部シール部21として表されている。シールされる範囲は、正面部101及び天面部103の幅方向Xの全体である。シールする方法は特に限定されないが、例えば、正面部101の上端縁と天面部103の前端縁とをヒートシールする方法を利用することができる。また、天面部103の折り込み線13aよりも正面側では、特に図面には示していないが、天面部103の両側に位置する側部の端をなす縁部(以下、「側端縁」という。)と正面部101の両側に位置する側部の端をなす縁部(以下、「側端縁」という。)とが、補強シール部30を除き、シールされている。正面部101と天面部103とのこうした縁部シール部21のシール強度は、仕切シール部31,32がフィルム材11,12,14同士をシールするシール強度よりも高く設定される。
【0035】
背面部102に関しても、その上端縁が、天面部103に位置する後側の端をなす縁部(以下、「後端縁」という。)の幅方向Xの全体にシールされて天面部103に接合されている。このシールされた部分は、図面において縁部シール部22として表されている。また、天面部103の折り込み線13aよりも背面部102側では、特に図示していないが、その両側端縁が背面部102の両側端縁に、補強シール部30を除き、シールされている。背面部102と天面部103とのシール強度に関しても、仕切シール部31,32のシール強度よりも高く設定される。
【0036】
正面部101と背面部102とは、
図1に示すように、複室容器1の高さ方向の全体にわたって両側の側端縁同士がシールされて接合される。ただし、天面部103の側端縁と正面部101の側端縁がシールされた部分、及び天面部103の側端縁と背面部102の側端縁とがシールされた領域では、正面部101の側端縁と背面部102の側端縁とは、天面部103の側端縁を間に挟み込んだ形態でシールされている。このシールされたシール部は、図面上、縁部シール部25,26として表されている。
【0037】
(正面部、背面部及び底面部のシール)
正面部101と底面部104とは、正面部101を構成するフィルム材11の下部の端をなす縁部(以下、「下端縁」という。)と底面部104を構成するフィルム材14の前端縁とが幅方向Xの全体にわたってシールされて接合されている。このシールされた部分は、図面において、縁部シール部23として表されている。また、正面部101の両側端縁と底面部104の両側端縁とは、特に図面には示していないが両者の側端縁が延びる方向に、補強シール部30を除き、シールされている。正面部101の側端縁と底面部104の側端縁とは、底面部104の折り込み線14aと正面部101側の前端縁との間の範囲がシールされる。一方、背面部102と底面部104とは、背面部102を構成するフィルム材12の下端縁と底面部104を構成するフィルム材14の後端縁とが幅方向Xの全体にわたってシールされて接合されている。このシールされた部分は、図面上、縁部シール部24として表されている。また、正面部101の両側端縁と底面部104の両側端縁とは、特に図示していないが、底面部104の折り込み線14aと背面部102側の後端縁との間の範囲が、補強シール部30を除き、シールされる。
【0038】
(仕切シール部)
正面部101及び底面部104における対向する内面同士は、正面部101の下端よりも一定の距離だけ上側の位置、及び底面部104の正面部101側の前端縁よりも一定の距離だけ内側の位置でシールされている。「内側」とは、幅方向Xにおいて、複室容器1Aの中心側を意味する。このシールされた部分が正面部101側の仕切シール部31である。同様に、背面部102及び底面部104における対向する内面同士は、背面部102の下端よりも一定の距離だけ上側の位置、及び底面部104の背面部102側の後端縁よりも一定の距離だけ内側の位置でシールされている。このシールされた部分が背面部102側の仕切シール部32である。仕切シール部31,32の形成方法は、特に限定されないが、仕切りシール部の剥離予定箇所に部分的にイージーピールフィルムを挿入し、イージーピールフィルムを正面部101と底面部104、背面部102と底面部104で挟み込む形でヒートシールする方法を代表例として挙げることができる。仕切シール部31,32は袋本体部10の内部を主室16と副室17,18とに分けている。この仕切シール部31,32は、シールしているフィルム材11,12,14を剥離させることが可能な強度でフィルム材11とフィルム材14、及びフィルム材12とフィルム材4同士をシールしている。仕切シール部31,32のシール強度は、正面部101、背面部102、天面部103及び底面部104をこれらの周縁でシールしている縁部シール部21,22,23,24のシール強度よりも低く設定されている。
【0039】
この複室容器1では、正面部101の下端縁と底面部104の前端縁とがシールされた縁部シール部23と、正面部101と底面部104とがシールされた仕切シール部31との間の領域が副室17として機能する。同様に、背面部102の下端縁と底面部104の後端縁とがシールされた縁部シール部24と、背面部102と底面部104とがシールされた仕切シール部32との間の領域が副室18として機能する。すなわち、正面側の副室17及び背面側の副室18は、この複室容器1の前後方向Yに関する正面部101及び背面部102の位置で主室16の下端から下側に向かって延びる形態をなしている。
【0040】
言い換えると、正面部101を構成するフィルム材11及び背面部102を構成するフィルム材12の下端は、主室16の下端部よりもさらに下側に位置しており、底面部104を構成するフィルム材14の前後方向Yの長さは、この複室容器1の前後方向Yにおいて、正面部101と背面部102との間の長さよりも長い。副室17,18は、正面部101を構成するフィルム材11及び背面部102を構成するフィルム材12の主室16よりも下側に張り出した領域と、底面部104を構成するフィルム材14における正面部101と背面部102との間の長さよりも長い領域を利用して形成されている。
【0041】
(フィルム材)
正面部101、背面部102、天面部103及び底面部104をそれぞれ構成するフィルム材11,12,13,14は、特別な積層構造のフィルム材ではなく、従来から一般的に使用されている積層フィルム材でればよい。例えば、基材層にシーラント層を積層してなるフィルム材が用いられ、基材層としては、例えば、二軸延伸ポリプロピレン、二軸延伸ポリアミド、二軸延伸ポリエステル等からなるフィルム材が用いられる。シーラント層としては、低密度ポリエチレン、直鎖状低密度ポリエチレン、エチレン−酢酸ビニル共重合体、ポリプロピレン等のポリオレフィン系樹脂が用いられる。積層フィルム材を製造する方法としては、例えば、ドライラミネート法、押出ラミネート法、共押出法などを挙げることができる。また、基材層とシーラント層との間に接着剤やアンカー剤等を設けることによって、基材層とシーラント層との接着強度を向上させることができる。
【0042】
(注入用構成部)
第1注入用構成部40及び第2注入用構成部50,55は、主室16及び副室17,18にそれぞれ設けられている。主室16の第1注入用構成部40は、主室16の内部に所望の物質を注入したり、主室16と副室17,18の物質が混ぜ合わされた後の混合物を注出したりするための構成要素である。第1タイプの複室容器1では、主室16の第1注入用構成部40は、正面部101の上部かつ幅方向Xの中央又は略中央に設けられている。副室17,18の第2注入用構成部50,55は、副室17,18の内部に所望の物質を注入したり、主室16と副室17,18の物質が混ぜ合わされた後の混合物を注出したりするために用いられる。副室17,18の第2注入用構成部50,55は、正面部101側及び背面部102側の外面17a,18aにおいて、幅方向Xの中央又は略中央に設けられている。注入用構成部は、シール部の一部をシールしない未シール部を形成することによって設けてもよい。注入用構成部の位置は必要に応じて任意の位置とすることができる。
【0043】
なお、第1注入用構成部40及び第2注入用構成部50,55の構成は、ほぼ同様であるので、第1注入用構成部40及び第2注入用構成部50,55の構成に関しては、主室16の第1注入用構成部40を代表例として説明する。
【0044】
第1注入用構成部40は、注入部41と注入部41を開閉する蓋部45とにより構成されている。注入部41は、筒体部42と、筒体部42の軸方向の一端で半径方向の外側に向かって張り出す被着部43とで構成されている。注入部41は、例えば、円筒状をなし、被着部43が正面部101にヒートシールされることにより、例えば円筒状をなす筒体部42が主室16の外側に向かって突出する形態に取り付けられている。筒体部42の内部は空洞になっており、主室16の内側と外側とを連絡させている。筒体部42の外周面には螺旋状のねじ44が形成されている。蓋部45は、内部に空間を有する円筒状等の筒状の構成要素である。蓋部45は軸方向の一端側が開かれ、他端側が閉じられている。そして内面には、注入部41の筒体部42の外周面に形成されたねじ44等に掛かり合わされる図示しない螺旋状のねじ等が形成されている。
【0045】
第1注入用構成部40は、蓋部45を注入部41に対して一方の方向に回転させることにより注入部41から蓋部45を取り外し、蓋部45を注入部41に対しして他方の方向に回転させることにより注入部41に取り付けられるように構成されている。
【0046】
この第1注入用構成部40は、例えば、樹脂により構成される。第1注入用構成部40の注入部41と蓋部45とは、例えば、熱可塑性樹脂を用いて射出成形等により成形される。熱可塑性樹脂としては、例えばポリエチレンやポリプロピレン等のポリオレフィンを例として挙げることができる。第2注入用構成部50,55の材料も、第1注入用構成部40と同様である。
【0047】
主室16の内部に所望の物質を注入するための構成、及び副室17,18に所望の物質を注入するための構成は、主室16においては、例えば、縁部シール部21の一部をシールしない未シール部を形成し、副室17,18に関しては、例えば、縁部シール部23,24の一部をシールしない未シール部を形成することによって設けてもよい。その場合、主室16に設けられた未シール部から所望の物質を主室16に注した後に、未シール部はシールされて閉じられる。同様に、副室17,18に設けられた未シール部から所望の物質を副室17,18に注した後に、未シール部はシールされて閉じられる。
【0048】
〈第2タイプ〉
図3に示す第2タイプの複室容器1Bの基本構造は、第1タイプの複室容器1Aの基本構成と同様である。そのため、第2タイプの複室容器1Bにおいて、第1タイプの複室容器1Aと同様の構成については、同じ符号を付してその説明を省略する。
【0049】
第2タイプの複室容器1Bは、第1タイプの複室容器1Aとは、副室17,18の構成が異なる。具体的に、正面部101を構成するフィルム材、背面部102を構成するフィルム材、及び底面部104を構成するフィルム材は、1枚のフィルム材が第1の折り線61aで折り込まれて正面部101と、底面部104とに区分けされると共に、第2の折り線61bで折り込まれて背面部102と、底面部104とに区分けされる。仕切シール部31,32は、正面部101の第1の折り線61aよりも一定の距離だけ内側の位置と、底面部104の第1の折り線61aよりも一定の距離だけ内側の位置と、がシールされている。また、背面部102における第2の折り線61bよりも一定の距離だけ内側の位置と、底面部104の第2の折り線61bよりも一定の距離だけ内側の位置とがシールされている。副室17,18はこのようにして構成されている。具体的な構成を以下で説明する。
【0050】
第2タイプの複室容器1Bは、2枚の第1のフィルム材63及び第2のフィルム材61で構成されている。第1のフィルム材63は、天面部103を構成している。この第1のフィルム材63は、主室16の天面部103も構成している。第2のフィルム材61は、正面部101、底面部104及び背面部102を構成している。第2のフィルム材61は、主室16の正面部101、底面部104及び背面部102を構成するだけでなく、副室17,18の外面17a,18aと内面17b,18bとを構成する。なお、第2のフィルム材61を1枚だけ使用し、縁部シール部21又は縁部シール部22のどちらか一方について第2のフィルム材61を折り返してシールし、他方を第2のフィルム材61の端部同士をシールすることで構成してもよい。
【0051】
第2タイプの複室容器1Bにおいて、天面部103の構成は第1タイプの複室容器1Aを構成する天面部103の構成と全く同様である。そのため、ここではその説明を省略する。
【0052】
第2タイプの複室容器1Bは、
図3に示すように、正面部101、底面部104及び背面部102が1枚の第2のフィルム材61を折り込むことにより形成されている。第2のフィルム材61の形状等は、正面部101、底面部104及び背面部102を構成することができれば特に限定はないが、
図3に示した例では、四角形のフィルム材が使用されている。四角形の第2のフィルム材61で正面部101、底面部104及び背面部102を形成する場合、四角形の第2のフィルム材61は、次のようにして折り込まれる。
【0053】
四角形の第2のフィルム材61のうち、対辺をなす一対の辺から、第2のフィルム材61の内側に所定の距離だけ入り込んだ位置がそれぞれ折り込まれる。一方の折り線は正面部101と底面部104とを区分けするための第1の折り線61aである。これに対し、他方の折り線は背面部102と底面部104とを区分けするための第2の折り線61bである。正面部101として構成される部分及び背面部102として構成される部分は、底面部104として構成される部分に対して同じ向きに折り込まれる。
図3では、
図3の下から上側に向けて折り込まれる。そのため、正面部101として構成される部分と背面部102として構成される部分とは対向する。底面部104として構成される領域では、折り込み線14aが第1の折り線61aと第2の折り線61bとの間の中間又はり略中間の位置に形成される。底面部104は、折り込み線14aの位置で、正面部101及び背面部102が折り込まれた向きと同じ方向に折り込まれる。その結果、第2のフィルム材61は、縦断面の形状がアルファベットの「W」の形状に近い形状に形成される。
【0054】
第2タイプの複室容器1Bでは、正面部101と天面部103、及び背面部102と天面部103とは、第1タイプの複室容器1Aと同様にシールされる。
図3において、シールされた部分は、縁部シール部21,22として表されている。
【0055】
正面部101と背面部102とは、特に図面には示していないが、両側端縁同士が複室容器1Bの高さ方向の全体にわたってシールされる。ただし、正面部101と背面部102とは、天面部103が存在する範囲では天面部103の側端縁を間に挟み込んでシールされ、その一部には補強シール部30が設けられる。同様に、正面部101と背面部102とは、後述する底面部104が存在する範囲では底面部104の側端縁を間に挟み込んだ形態でシールされ、その一部には補強シール部30が設けられる。なお、
図3には、補強シール部30は特に示していないが、この補強シール部30の形態は、第1タイプの複室容器1Aの形態と同様である。
【0056】
(副室の構成)
複室容器1の下部において、副室17,18は、次のようにして構成される。すなわち、正面部101の両側端縁と底面部104の両側端縁とは、底面部104の折り込み線14aと正面部101側の前端縁との間の範囲がシールされる。また、背面部102の両側端縁と底面部104の両側端縁とは、底面部104の折り込み線14aと背面部102側の後端縁との間の範囲がシールされる。正面部101と背面部102とは、正面部101と背面部102の間に底面部104,104を間に挟み込んでシールされる。このとき、底面部104の側端縁の一部を切り欠いてシールすることで補強シール部30を構成する。このようにしてシールされた部分は、副室17の側部として構成される。
【0057】
また、第1の折り線61aから所定の距離だけ上側に位置する正面部101の内面と第1の折り線61aから所定の距離だけ中央側に位置する底面部104の内面とが貼り合わされ、仕切シール部31が形成される。第1の折り線61aと仕切シール部31との間の領域は、正面側の副室17として構成される。同様に、第2の折り線61bから所定の距離だけ上側に位置する背面部102の内面部分と第2の折り線61bから所定の距離だけ中央側に位置する底面部104の内面部分とが、貼り合わされて仕切シール部32が形成される。第2の折り線61bと仕切シール部32との間の領域は、背面側の副室18として構成される。
【0058】
この仕切シール部31,32は、貼り合わされた第2のフィルム材61の剥離する強度が、正面部101、背面部102、及び天面部103がそれぞれの端縁でシールされたシール部の剥離強度よりも低く形成される。
【0059】
なお、主室16や副室17,18に所望の内容物を注入するための構成は、第1タイプの複室容器1と同様に、第1注入用構成部40及び第2注入用構成部50,55を用いるか、又は、未シール部を形成するかにより設けられる。
【0060】
[第2実施形態]
第2実施形態の複室容器1C、1Dは、天面部103が存在しないことの他は、第1実施形態の複室容器1A,ABの構成と同様である。そのため、第2実施形態において、第1実施形態の複室容器1A,1Bと同じ構成要素については、図面に同じ符号を付してその説明を省略する。第2実施形態の複室容器1C,1Dに関しても、第1実施形態の複室容器1A,1Bと同様に、第1タイプの複室容器1Cと第2タイプの複室容器1Dに分けて構成を説明する。
【0061】
(第1タイプ)
図4(A)を参照し、第1タイプの複室容器1Cについて説明する。第1タイプの複室容器1Cについても、袋本体部10と第1注入用構成部40及び第2注入用構成部50,55とを有している。以下、袋本体部10の構成と第1注入用構成部40及び第2注入用構成部50,55の構成とに分けて説明する。
【0062】
(袋本体部)
袋本体部10は、副室17,18と主室16とを有している。副室17,18は、複室容器1の下部を占める部分に設けられており、複室容器1の脚部として機能している。副室17,18は、複室容器1の正面部101側と背面部102側の2箇所に設けられている。主室16は、複室容器1の上部から副室17,18までの間の領域を占めており、副室17,18によって下から支持されている。上述したように、副室17,18は、1つだけ設けたり、3つ以上設けたりすることができる。
【0063】
主室16は、正面部101、背面部102及び底面部104により構成されている。正面部101、背面部102及び底面部104を構成する部材は、各部を構成することが可能であれば特に限定されないが、第1タイプの複室容器1Cではフィルム材11,12,14が利用されている。正面部101、背面部102及び底面部104に利用されるフィルム材11,12,14の形状等は、第1実施形態の複室容器1と同様に特に限定されない。例えば、正面部101及び背面部102は、四角形の平面状のフィルム材11,12,14がそれぞれ用いられ、底面部104は、四角形のフィルム材14の中央又は略中央に折り込み線14aが形成されたものが用いられる。正面部101及び背面部102を構成するフィルム材11,12は、複室容器1の前後方向Y(
図4(A)の左右方向)で相互に対向している。正面部101を構成するフィルム材11は、主室16の正面部101及び副室17の正面部101側の外面17aを構成する。一方、背面部102を構成するフィルム材12は、主室16の背面部102及び副室18の背面部102側の外面18aを構成している。
【0064】
正面部101、背面部102、及び底面部104を構成するフィルム材11,12,14は、以下に説明する態様でシールされて複室容器1を構成している。
【0065】
正面部101と背面部102とは、上端縁が幅方向Xの全体にわたってシールされることにより接合されている。
図4(A)において、シールされた部分は縁部シール部26として表されている。シールする方法は、特に限定されないが、例えば、ヒートシールを代表例として挙げることができる。また、正面部101と背面部102とは、特に図面には示していないが、複室容器1の高さ方向の全体にわたり、両側の側縁同士がシールされて接合されている。ただし、正面部101の側端縁及び背面部102の側端縁と、後述する底面部104の側端縁とがシールされた領域では、正面部101の側端縁と背面部102の側端縁とは、底面部104の側端縁を間に挟み込んだ形態でシールされ、その一部には補強シール部30が設けられる。なお、
図4(A)には、補強シール部30は図示していないが、補強シール部30の形態は、
図1に示した第1実施形態の第1タイプの補強シール部30と同様である。
【0066】
正面部101の下端縁と底面部104の正面部101側の前端縁とは、これらの幅方向Xの全体にわたってシールされている。
図4(A)において、シールされた部分は縁部シール部23として表されている。同様に、背面部102の下端縁と底面部104の背面部102側の後端縁とは、幅方向Xの全体にわたってシールされている。
図4(A)において、シールされた部分は縁部シール部24として表されている。また、正面部101の両側端縁と底面部104の両側端縁とは、特に図示していないが、底面部104の折り線よりも正面部101側の領域で、側縁に沿ってシールされ、その一部には補強シール部30が設けられている。同様に背面部102の両側端縁と底面部104の両側端縁とは、底面部104の折り線より背面部102側の領域で、側端縁が延びる方向にシールされ、その一部には補強シール部30が設けられている。
【0067】
さらに、正面部101と底面部104には、仕切シール部31,32が形成されている。正面部101及び底面部104の対向する内面同士は、正面部101の下端よりも一定の距離だけ上側の位置、及び底面部104の正面部101側の前端縁よりも一定の距離だけ内側の位置でシールされる。この部分が仕切シール部31である。同様に、背面部102と底面部104の対向する内面同士は、背面部102の下端よりも一定の距離だけ上側の位置、及び底面部104の背面部102側の後端縁よりも一定の距離だけ内側の位置でシールされ、仕切シール部32が形成されている。これらの仕切シール部31,32は、袋本体部10の内部を主室16と副室17,18とに分けている。
【0068】
この複室容器1Cに関しても、正面側の副室17及び背面側の副室18は、この複室容器1Cの前後方向Yに関する正面部101及び背面部102の位置で主室16の下端から下側に向かって延びる形態をなしている。すなわち、正面部101を構成するフィルム材11及び背面部102を構成するフィルム材12の下端は、主室16の下端部よりもさらに下側に位置している。底面部104を構成しているフィルム材14の前後方向Yの長さは、この複室容器1の前後方向Yにおいて、正面部101と背面部102との間の長さよりも長い。副室17,18は、正面部101を構成するフィルム材11及び背面部102を構成するフィルム材12の主室16よりも下側に張り出した領域と、底面部104を構成するフィルム材14における正面部101と背面部102との間の長さよりも長い領域を利用して形成されている。
【0069】
正面部101、背面部102、及び底面部104をそれぞれ構成するフィルム材11,12,14は、第1実施形態の複室容器1Aを構成しているものと同様の材料からなるフィルム材が用いられる。
【0070】
(注入用構成部)
第1注入用構成部40及び第2注入用構成部50,55は、主室16及び副室17,18にそれぞれ設けられている。第1注入用構成部40及び第2注入用構成部50,55は、第1実施形態の複室容器1Aを構成する第1注入用構成部40及び第2注入用構成部50,55と同様に、注入部41と蓋部45とにより構成されている。注入部41は、筒体部42及び被着部43により構成されている。なお、これらの第1注入用構成部40及び第2注入用構成部50,55の構成及び作用は、第1実施形態の第1注入用構成部40及び第2注入用構成部50,55と同様なので、ここではその説明を省略する。なお、主室16の内部に所望の物質を注入するための構成、及び副室17,18に所望の物質を注入するための構成は、シール部の一部をシールしない未シール部を形成することによって設けてもよい。
【0071】
(第2タイプ)
第2タイプの複室容器1Dは、
図4(B)の例では、1枚の第2のフィルム材61だけで正面部101、底面部104及び背面部102が構成されている。1枚の第2のフィルム材61の形状等は、正面部101、底面部104及び背面部102を構成することができれば特に限定はないが、
図4(B)に示した例では、四角形のフィルム材が使用されている。四角形の第2のフィルム材61で正面部101、底面部104及び背面部102を形成する場合、1枚の第2のフィルム材61が第1実施形態の第2タイプの第2のフィルム材61と同様に折り込まれる。その結果、1枚の第2のフィルム材61は、縦断面の形状がアルファベットの「W」の形状に近い形状に形成される。
【0072】
第2タイプの複室容器1Dにおいて、正面部101と背面部102とは、上端縁同士が幅方向Xの全体にわたりシールされる。
図4(B)において、シールされた部分は、縁部シール部26として表されている。また、正面部101と背面部102とは、図示していないが、両側端縁同士が複室容器1の高さ方向の全体にわたってシールされる。ただし、正面部101と背面部102とは、底面部104が存在する範囲では底面部104の側端縁を間に挟み込んでシールされ、その一部には補強シール部30が設けられる。なお、
図4(B)には、補強シール部30は図示していないが、補強シール部30の形態は、
図1に示した第1実施形態の第1タイプの補強シール部30と同様である。
【0073】
(副室の構成)
副室17,18は、複室容器1Dの下部で次のようにして構成される。すなわち、正面部101の両側端縁と底面部104の両側端縁とは、底面部104の折り込み線14aと正面部101側の前端縁との間の範囲がシールされる。また、背面部102の両側端縁と底面部104の両側端縁とは、底面部104の折り込み線14aと背面部102側の後端縁との間の範囲がシールされる。正面部101と背面部102とは、上述したように、正面部101と背面部102の間に底面部104,104を間に挟み込んでシールされる。このとき、底面部104の側端縁の一部を切り欠いてシールすることで補強シール部30を構成する。このようにしてシールされた部分は、副室17,18の側部として構成される。
【0074】
また、第1の折り線61aから所定の距離だけ上側に位置する正面部101の内面と第1の折り線61aから所定の距離だけ中央側に位置する底面部104の内面とが貼り合わされ、仕切シール部31が形成される。第1の折り線61aと仕切シール部31との間の領域は、正面側の副室17として構成される。同様に、第2の折り線61bから所定の距離だけ上側に位置する背面部102の内面部分と第2の折り線61bから所定の距離だけ中央側に位置する底面部104の内面部分とが、貼り合わされて仕切シール部32が形成される。第2の折り線61bと仕切シール部32との間の領域は、背面側の副室18として構成される。
【0075】
なお、主室16や副室17,18に所望の内容物を注入するための構成は、第1タイプの複室容器1と同様に、第1注入用構成部40及び第2注入用構成部50,55を用いるか、又は、未シール部を形成するかにより設けられる。
【0076】
[複室容器の作用]
この複室容器1では、主室16及び各副室17,18に収容された物質を混ぜ合わせて混合物とし、その生成された混合物を複室容器1から外部に排出する。
【0077】
(第1の作用)
まず、
図5を参照して複室容器1の第1の作用を説明する。第1の作用では、
図5に示すように、袋本体部10を手で押さえるなどして圧縮し、仕切シール部31,32を剥離させる。主室16及び副室17,18にそれぞれ収容された物質を混ぜ合わせる場合、主室16若しくは副室17,18又は両方を手で圧縮し、袋本体部10の内圧を上昇させる。袋本体部10の内圧が上昇すると、仕切シール部31,32の位置では、貼り合わされたフィルム材11とフィルム材14、及びフィルム材12とフィルム材14が引き離される方向に力が加わる。仕切シール部31,32のシール強度は、縁部シール部21,22,23,24,25,26のシール強度に比べて低いので、仕切シール部31,32の位置だけで、フィルム材11とフィルム材14、及びフィルム材12とフィルム材14が剥離する。仕切シール部31,32の位置で貼り合わされたフィルム材11とフィルム材14、及びフィルム材12とフィルム材14が剥離すると、主室16と副室17,18とが連絡される。
【0078】
主室16と副室17,18とが連絡された後、袋本体部10を外側から手で圧縮しつつ主室16側から副室17,18側に指を移動させたり、副室17,18側から主室16側に指を移動させたり、副室17,18を上側として重力によって副室17,18に収容された物質を落下させたりすることにより、主室16に収容された物質と副室17,18に収容された物質とを混ぜ合わせる。
【0079】
その後、主室16に設けられた第1注入用構成部40の蓋部45を空けたり、副室17,18に設けられた第1注入用構成部40の蓋部45を空けたりして、袋本体部10で混ぜ合わされた混合物を複室容器1の外部に排出させる。
【0080】
(第2の作用)
次に、
図6を参照して複室容器1の第2の作用について説明する。第2の作用では、
図6に示すように、主室16は、最初に空の状態にしておく。異なる物質を混合させることが必要になったときに、第1注入用構成部40から主室16に物質を注入する。この第2の作用では、主室16に注入された物質の嵩を利用して仕切シール部31,32の位置で貼りあわされたフィルム材11とフィルム材14、及びフィルム材12とフィルム材14を剥離させる。
【0081】
主室16に一定の物質を注入した場合、注入された物質の嵩によって、仕切シール部31,32に応力が作用し、仕切シール部31,32の位置で貼り合わされたフィルム材11とフィルム材14、及びフィルム材12とフィルム材14には引き離される方向に力が作用する。主室16に注入される物質の量が増加するにしたがって、物質の嵩が増してフィルム材同士を引き離す力が増大する。主室16に所定量の物質が注入された時点で、仕切シール部31,32の位置では、貼り合わされているフィルム材同士を引き離す力がシール強度を上回る。その結果、貼り合わされていたフィルム材11とフィルム材14、及びフィルム材12とフィルム材14は、仕切シール部31,32の位置で剥離する。仕切シール部31,32の位置で貼り合わされていたフィルムが剥離すると、主室16に収容されていた物質は、各副室17,18に流れ込み、主室16に注入された物質と副室17,18に収容されていた物質とが混ぜ合わされる。混ぜ合わされた混合物は、主室16の収入ユニット又は副室17,18の第1注入用構成部40から複室容器1の外部に排出される。
【0082】
[第3実施形態]
第3実施形態の複室容器1Eは、第1実施形態の複室容器1Aの上下を逆さまにした形態であり、主室116の上部に副室117,118が設けられた形態である。具体的に、複室容器1Eは、フィルム材11,12,13,14の縁部同士が縁部シール部121,122,123,124によりシールされてなり、フィルム材11,12,13の対向する内面同士が仕切シール部131,132によってシールされて包装容器の内部が複数の部屋に分けられている。仕切シール部131,132が対向するフィルム材11,12,13同士を接合しているシール強度は、縁部シール部121,122,123,124のシール強度よりも小さい。複数の部屋は、第1の物質が注入される主室116と、第1の物質とは異なる物質が注入される副室117,118とにより構成されており、副室117,118が、主室116の上部に設けられている。なお、第3実施形態の複室容器1Eの構成は、第1実施形態の第1タイプの複室容器1Aの上下を逆さまにしてなるものであり、以下では、複室容器1Eの構成を簡単に説明する。
【0083】
(袋本体部)
袋本体部10は、主室116と複数の副室117,118とにより構成されている。副室117,118は、複室容器1Eの上部に設けられている。主室116は、縁部シール部123,124によって下から支持されている。正面部101と背面部102とは、複室容器1Eの前後方向Yで相互に対向している。正面部101を構成しているフィルム材11は、主室116の正面部101を構成している一方で、背面部102を構成しているフィルム材12は、主室116の背面部102を構成している。また、正面部101を構成しているフィルム材11は、複室容器1Eの正面部101側の上部で副室117の外面を構成している。一方、背面部102を構成しているフィルム材12は、複室容器1Eの背面部102側の上部で、副室118の外面を構成している。
【0084】
底面部104に用いられているフィルム材14は、四角形のフィルム材が用いられている。このフィルム材14は、中央又は略中央に折り込み線14aが形成され、まち構造をなしている。底面部104は、フィルム材14に形成された折り込み線14aを複室容器1Eの上側に向けて折り込まれた態様をなしている。これに対し、天面部103に用いられるフィルム材13は、例えば、四角形のフィルム材が用いられている。このフィルム材13は、中央又は略中央の位置に折り込み線13aを有し、まち構造をなしている。天面部103は、この折り込み線13aを下側に向けて折り込まれた形態をなしている。
【0085】
(正面部、背面部及び底面部のシール)
正面部101と底面部104とは、正面部101の下端縁と、底面部104の正面部101側に位置する前側の端をなす前端縁と、がシールされることにより接合されている。また、天面部103の折り込み線13aよりも正面側では、特に図面には示していないが、底面部104の両側に位置する側端縁と正面部101の両側に位置する側端縁とが、補強シール部30を除き、シールされている。背面部102に関しても、その下端縁が、底面部104に位置する後端縁の幅方向Xの全体にシールされて底面部104に接合されている。また、底面部104の折り込み線14aよりも背面部102側では、特に図示していないが、その両側端縁が背面部102の両側端縁に、補強シール部30を除き、シールされている。
【0086】
(正面部、背面部及び天面部のシール)
正面部101と天面部103とは、正面部101を構成するフィルム材11の上端縁と天面部103を構成するフィルム材13の前端縁とが幅方向Xの全体にわたってシールされて接合されている。また、正面部101の両側端縁と天面部103の両側端縁とは、特に図面には示していないが両者の側端縁が延びる方向に、補強シール部30を除き、シールされている。一方、背面部102と天面部103とは、背面部102を構成するフィルム材12の下端縁と天面部103を構成するフィルム材13の後端縁とが幅方向Xの全体にわたってシールされて接合されている。また、正面部101の両側端縁と天面部103の両側端縁とは、特に図示していないが、天面部103の折り込み線13aと背面部102側の後端縁との間の範囲が、補強シール部30を除き、シールされる。
【0087】
(仕切シール部)
正面部101及び天面部103における対向する内面同士は、正面部101の上端よりも一定の距離だけ内側の位置、及び天面部103の正面部101側の前端縁よりも一定の距離だけ内側の位置でシールされている。仕切シール部131,132はこのようにして構成されている。
【0088】
(注入用構成部)
第1注入用構成部40及び第2注入用構成部50,55は、主室116及び副室117,118にそれぞれ設けられている。
【0089】
[第4実施形態]
フィルム材11,12,13,14の縁部同士が縁部シール部221,222,223,224によりシールされてなる包装容器であり、フィルム材11,12,13,14の対向する内面同士が仕切シール部231,232によってシールされて包装容器の内部が複数の部屋に分けられ、仕切シール部231,232が対向するフィルム材11,12,13,14同士を接合しているシール強度が、縁部シール部221,222,223,224のシール強度よりも小さい。複数の部屋は、第1の物質が注入される主室216と、第1の物質とは異なる物質が注入される副室217,218とにより構成され、副室217,218が、主室216の上部及び下部の両方に設けられている。
【0090】
(袋本体部)
袋本体部10は、主室216と複数の副室217,218とにより構成されている。副室217,218は、複室容器1Fの上部及び下部に設けられている。主室216は、下部の副室217,218によって下から支持されている。正面部101と背面部102とは、複室容器1Fの前後方向Yで相互に対向している。正面部101を構成しているフィルム材11は、主室216の正面部101を構成している一方で、背面部102を構成しているフィルム材12は、主室216の背面部102を構成している。また、正面部101を構成しているフィルム材11は、複室容器1Fの正面部101側の上部及び下部で副室117の外面を構成している。一方、背面部102を構成しているフィルム材12は、複室容器1Fの背面部102側の上部及び下部で、副室118の外面を構成している。
【0091】
底面部104に用いられているフィルム材14は、中央又は略中央に折り込み線14aが形成され、まち構造をなしている。底面部104は、フィルム材14に形成された折り込み線14aを複室容器1Fの上側に向けて折り込まれた態様をなしている。これに対し、天面部103に用いられるフィルム材13は、中央又は略中央の位置に折り込み線13aを有し、まち構造をなしている。天面部103は、この折り込み線13aを下側に向けて折り込まれた形態をなしている。
【0092】
(正面部、背面部及び天面部のシール)
正面部101と天面部103とは、正面部101を構成するフィルム材11の上端縁と天面部103を構成するフィルム材14の前端縁とが幅方向Xの全体にわたってシールされて接合されている。また、正面部101の両側端縁と天面部103の両側端縁とは、特に図面には示していないが両者の側端縁が延びる方向に、補強シール部30を除き、シールされている。一方、背面部102と天面部103とは、背面部102を構成するフィルム材12の下端縁と天面部103を構成するフィルム材13の後端縁とが幅方向Xの全体にわたってシールされて接合されている。また、正面部101の両側端縁と天面部103の両側端縁とは、特に図示していないが、天面部103の折り込み線13aと背面部102側の後端縁との間の範囲が、補強シール部30を除き、シールされる。なお、正面部101、背面部102及び底面部104のシールの構造は、正面部101、背面部102及び天面部103のシールの構造と同様なので、ここではその説明を省略する。
【0093】
(仕切シール部)
正面部101及び天面部103における対向する内面同士は、正面部101の上端よりも一定の距離だけ内側の位置、及び天面部103の正面部101側の前端縁よりも一定の距離だけ内側の位置でシールされている。正面部101と底面部104、及び、背面部102と底面部104とが、同様にシールされている。仕切シール部231,232はこのようにして構成されている。
【0094】
(注入用構成部)
第1注入用構成部40及び第2注入用構成部50,55は、主室116及び副室117,118にそれぞれ設けられている。
【0095】
以上の複室容器1は、従来のスタンディングパウチ型の複室容器1とは異なり、上下方向Zの中間部分に仕切シール部31,32が存在しないので、仕切シール部31,32の位置で複室容器1が折れ曲がることがない。その結果、複室容器1の自立性を確保することができ、スタンディングパウチとして機能させることができる。