(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記ポリオール成分と混合する前に、ポリイソシアネート(a)と、アルカリ金属塩又はアルカリ土類金属塩をウレタン基を含有する化合物に導入することにより得ることができる混合物(b)とを混合してイソシアネート成分を形成することを特徴とする、請求項6に記載の方法。
第1のポリイソシアネートをポリイソシアネート(a)として使用し、成分(b)の前記ウレタン基を含有する化合物が、第2のポリイソシアネートと少なくとも1個のOH基を有する化合物との反応生成物であり、前記第1のポリイソシアネート及び第2のポリイソシアネートが互いに異なることを特徴とする、請求項1から7のいずれか一項に記載の方法。
前記第2のポリイソシアネートが、1個以上の、ジフェニルメタンジイソシアネートの異性体若しくは同族体、又はジフェニルメタンジイソシアネートのプレポリマーを含むことを特徴とする、請求項1から8のいずれか一項に記載の方法。
成分(b)が、ポリイソシアネートと、イソシアネート反応性基を有する化合物と、前記アルカリ金属塩又はアルカリ土類金属塩とを混合することによって得られることを特徴とする、請求項1から11のいずれか一項に記載の方法。
1個以上のエポキシド基を含有する前記化合物を、化合物(c)中のエポキシド基の、ポリイソシアネート(a)中のイソシアネート基及び錯体化合物(b)中に含有される任意のイソシアネート基に対する当量比が0.05〜1.0となる量で使用することを特徴とする、請求項1から13のいずれか一項に記載の方法。
【発明を実施するための形態】
【0014】
第1のイソシアネート(a)とも称されるポリイソシアネート(a)は、ポリウレタンの製造に公知である全ての脂肪族、脂環式及び芳香族イソシアネートを含む。好ましくは、それらは2.5未満の平均官能価を有する。例としては、2,2’−、2,4’−及び4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、モノマージフェニルメタンジイソシアネートとジフェニルメタンジイソシアネートのより高い多環式同族体(ポリマーMDI)との混合物、イソホロンジイソシアネート(IPDI)若しくはそれらのオリゴマー、2,4−若しくは2,6−トリレンジイソシアネート(TDI)若しくはそれらの混合物、テトラメチレンジイソシアネート若しくはそのオリゴマー、ヘキサメチレンジイソシアネート若しくはそのオリゴマー、ナフチレンジイソシアネート(NDI)、又はそれらの混合物が挙げられる。
【0015】
ポリイソシアネート(a)としての使用に好ましいものは、
モノマージフェニルメタンジイソシアネート、例えば2,2’−ジフェニルメタンジイソシアネート、2,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート又はそれらの混合物である。ここでは、ジフェニルメタンジイソシアネートは、その誘導体との混合物として使用されてもよい。その場合、ジフェニルメタンジイソシアネートは、より好ましくは10質量%以下、さらに特に好ましくは5質量%以下のカルボジイミド−、ウレトジオン−又はウレトンイミン−修飾のジフェニルメタンジイソシアネート、特にカルボジイミド−修飾のジフェニルメタンジイソシアネート
を含んでもよい。
【0016】
また、ポリイソシアネート(a)は、ポリイソシアネートプレポリマーの形態で使用されてもよい。これらのポリイソシアネートプレポリマーは、過剰の上述したポリイソシアネート(成分(a−1))を、例えば30〜100℃の温度、好ましくは約80℃で、ポリオール(成分(a−2))と反応させてプレポリマーを形成することによってえることができる。本発明のポリイソシアネートプレポリマーのNCO含有量は、好ましくは5〜32質量%のNCO、より好ましくは15〜28質量%のNCOである。
【0017】
ポリオール(a−2)は、当業者に知られており、例えば「Kunststoffhandbuch,7,Polyurethane」,Carl Hanser−Verlag,1993年第3版,セクション3.1に記載されている。したがって、使用することができるポリオールの例は、ポリエーテルオール又はポリエステルオール、例えば下記(d)のポリオールである。使用される好ましいポリオール(a−2)は、例えば、第2級OH基を含有するポリオール、例えばポリプロピレンオキシドである。これらのポリオール(a−2)は、好ましくは2〜6、より好ましくは2〜4、特に2〜3の官能価を有する。さらに、ポリオール(a−2)は、下記(d)で記載されているような、疎水性物質を含有するポリエステルオールを含んでもよい。
【0018】
さらに、任意に鎖延長剤(a−3)を反応に添加してポリイソシアネートプレポリマーを形成することは可能である。プレポリマーに適している鎖延長剤(a−3)は、二価又は三価アルコール、例えばジプロピレングリコール及び/又はトリプロピレングリコール、又はアルキレンオキシドを用いてジプロピレングリコール及び/又はトリプロピレングリコールの付加物、好ましくはジプロピレングリコールである。好適な鎖延長剤も下記(d)に記載されている。
【0019】
これらの種のポリイソシアネートプレポリマーは、US 3883571、WO 02/10250及びUS 4229347に記載されている。
【0020】
ポリイソシアネート(a)としての使用に特に好ましいものは、ジフェニルメタンジイソシアネート、又はモノマー4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネートをベースとするポリイソシアネートプレポリマー、又は4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネートとその誘導体及び2〜4の官能価を有するポリプロピレンオキシド、及び任意にジプロピレングリコールとの混合物である。
【0021】
成分(b)として使用されるものは、アルカリ金属塩又はアルカリ土類金属塩をウレタン基含有の化合物に導入することによってえることができる混合物である。
【0022】
この明細書に使用されるアルカリ金属塩又はアルカリ土類金属塩は、イソシアネート(a)、1個以上のエポキシド基を含有する化合物(c)、及び任意にポリオール(d)の間の反応を
促進する化合物である。これらの化合物は、特に、任意の所望のアニオン、好ましくは有機酸の、例えばカルボン酸のアニオン、より好ましくは無機酸の、例えば硝酸、ハロゲン化合物、硫酸、亜硫酸及びリン酸のアニオン、より好ましくは一塩基酸の、例えば硝酸又はハロゲン化合物、特に硝酸
塩、塩化物、臭化物又はヨウ化物のアニオンを有する、ナトリウム、リチウム、マグネシウム及びカリウムの塩、並びに、アンモニウム化合物、好ましくはリチウム又はマグネシウム塩
を含む。水酸化アルカリ金属も使用することができる。特に好ましくは、塩化リチウム、臭化リチウム及び二塩化
マグネシウム、特に塩化リチウムを使用する。本発明のアルカリ金属塩又はアルカリ土類金属塩は
、単独で又は混合物として使用されてもよい。
【0023】
アルカリ金属塩又はアルカリ土類金属塩を除いて、好ましくは、イソシアネート反応性基でイソシアネートと反応することを促進するさらなる化合物を使用しない。
【0024】
ウレタン基含有の化合物(b)は、20℃で固体又は液体の形態で存在し、少なくとも1個のウレタン基R−NH−CO−R’を含有する任意の所望の化合物を含むと理解されたい。ここでは、R及びR’は有機ラジカルであり、Rは水素でなく、COR’’でもない。好ましくは、R及びR’は、互いに独立して、好ましくは1〜50個の炭素原子を有する置換又は非置換ヒドロカルビルラジカルである。化合物(b)において、ウレタン基含有の化合物は、好ましくは、第2のポリイソシアネート及び少なくとも1個のOH基を有する化合物との反応によって得ることができる。この明細書において、好ましくは、50℃で、より好ましくは室温で液体である化合物である。本発明の目的のため、「液体」である物質又は成分は、特定の温度で10Pas以下の粘度を有するものである。温度を特定していない場合、データは20℃に基づく。この明細書において、ASTM D445−11に従って測定する。ウレタン基含有の化合物は、好ましくは少なくとも2個のウレタン基を有する。ウレタン基含有の化合物の分子量は、好ましくは200〜15000g/mol、より好ましくは300〜10000g/mol、より特に500〜1300g/molである。ウレタン基含有の化合物は、例えば、第2のイソシアネートとしての前述したイソシアネート(a1)と、少なくとも1個のイソシアネート反応性水素原子を有する化合物、例えばアルコール、例えば、モノアルコール、例えばメタノール、エタノール、プロパノール、ブタノールペンタノール、ヘキサノール、又はより長鎖のプロポキシ化又はエトキシ化モノオール、例えばポリ(エチレンオキシド)モノ
メチルエーテル、例えばBASF製の単官能Pluriol(登録商標)製品、例えば、ジアルコール、例えばエチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、ブタンジオール、ヘキサンジオールと反応させることによって得られ、及び/又は前記イソシアネートとポリオール及び/又は下記の鎖延長剤(d)(個別に又は混合物で)との反応生成物である。ウレタン基含有の化合物を製造するために、イソシアネートだけでなく、ポリオールも化学量論的過剰量で使用することが可能である。モノアルコールを使用する際に、イソシアネート基及びOH基も化学量論的過剰量で使用してもよい。好ましくは、モノアルコールを使用する。ウレタン基含有の化合物が1分子当たり2個以上のイソシアネート基を有する場合、これらの基は完全に又は部分的にポリイソシアネート(a)を置換することができる。通常、該反応は、20〜120℃の間の温度、例えば80℃で行う。ウレタン基含有の化合物を製造することに使用される第2のイソシアネートは、好ましくは、ジフェニルメタンジイソシアネートの異性体又は同族体である。特に好ましくは、第2のイソシアネートは、モノマージフェニルメタンジイソシアネート、例えば2,2’−ジフェニルメタンジイソシアネート、2,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート又はそれらの混合物である。この場合のジフェニルメタンジイソシアネートは、その誘導体との混合物として使用されてもよい。ここでは、ジフェニルメタンジイソシアネートは、特に好ましくは10質量%以下、さらに特に好ましくは5質量%以下のカルボジイミド−、ウレトジオン−又はウレトンイミン−修飾のジフェニルメタンジイソシアネート、特にカルボジイミド−修飾のジフェニルメタンジイソシアネートであってもよい。特に好ましい一実施態様において、ウレタン基含有の化合物を製造するための第1のイソシアネート(a)及び第2のイソシアネートは同一である。
【0025】
また、ウレタン基含有の化合物は、代替の反応経路、例えば炭酸塩をモノアミンと反応させてウレタン基を製造することによって得られる。この目的のため、例えば、炭酸プロピレンを
少し過剰(1.1当量)で、モノアミン、例えばJeffamin M 600と、100℃で反応させる。得られるウレタンは、同様に、ウレタン基含有の化合物として使用されてもよい。
【0026】
アルカリ金属塩又はアルカリ土類金属塩、及びウレタン基含有の化合物を含む混合物は、例えばアルカリ金属塩又はアルカリ土類金属塩を、ウレタン基含有の化合物と、好ましくは液体状態で、例えば室温又は高温で混合することによってえることができる。これは、任意のミキサー、例えば簡単なスターラーを用いて行うことができる。この場合、アルカリ金属塩又はアルカリ土類金属塩は、純粋な物質として、又は単官能又は多官能価アルコール、例えばメタノール、エタノール若しくは鎖延長剤又は水中の溶液の形態で使用することができる。特に好ましい一実施態様において、溶解した塩は、市販のプレポリマーをベースとするイソシアネートに直接添加される。この目的に適しているものは、例えば、15〜30%のNCO含有量を有し、特にジフェニルメタンジイソシアネート及びポリエーテルポリオールをベースとするイソシアネートプレポリマーで処理される。この種のイソシアネートは、市販されており、例えばBASF製の商品名Lupranat(登録商標)MP 102である。
【0027】
本発明の特に好ましい一実施態様において、アルカリ金属塩又はアルカリ土類金属塩は、イソシアネート反応性水素原子を有する化合物中に溶解され、その後、この溶液を、任意に高温で、イソシアネートと混合する。
【0028】
特に好ましくは、30〜15000g/mol、好ましくは100〜900g/mol、特に好ましい一実施態様において、400〜600g/molの分子量を有するモノオールを用いて、ウレタン基含有の化合物を製造する。
【0029】
化合物(b)において、1モルのウレタン基当たり、アルカリ金属又はアルカリ土類金属イオンのモル量は、0.0001〜3.5、好ましくは0.01〜1.0、より好ましくは0.05〜0.9、より特に0.3〜0.8である。
【0030】
ポリイソシアネート(a)において、及び存在する場合に、錯体化合物(b)において、1モルのイソシアネート基当たり、アルカリ金属又はアルカリ土類金属イオンのモル量は、好ましくは0.0001〜0.3、より好ましくは0.0005〜0.02、より特に0.001〜0.01である。
【0031】
25℃で、混合物(b)におけるアルカリ金属塩又はアルカリ土類金属塩の間に、成分(b)としてのウレタン基含有の化合物との熱可逆相互作用を有するが、50℃を超え、好ましくは60〜200℃、より特に80〜200℃の温度で、触媒活性化合物は
遊離状態である。本発明の目的のため、25℃での反応混合物のオープンタイムが、130℃より、少なくとも5倍、より好ましくは少なくとも10倍、より特に少なくとも20倍長い場合、熱可逆相互作用が仮定される。ここでは、オープンタイムは、一定温度での反応混合物の粘度は、所要の攪拌力が、Shyodu Gel Timer、モデル100、バージョン2012の所与の攪拌力を超える程度に増加する時間として定義される。この目的のため、200gの反応混合物を製造し、1950rpmでのSpeedmixerで
1分間混合し、粘度及びしたがって反応混合物に所要の攪拌力がGel Timerの攪拌力を超えるまで、Shyodu Gel Timer、モデル100、バージョン2012
及び20rpmでの関連するワイヤースターラーによって、7cmの直径を有するPPビーカーで、オーブン中で、室温又は上昇した反応温度で、130gの混合物を攪拌する。
【0032】
1個以上のエポキシド基を含有する化合物(c)において、通常にエポキシ樹脂の製造に使用されている全てのエポキシド含有化合物を使用することが可能である。好ましくは、エポキシド基を含有する化合物(c)は、25℃で液体である。また、好ましくは25℃で同様に液体である前記化合物の混合物を使用することも可能である。
【0033】
本発明の目的に使用することができるこれらのエポキシド基を含有する化合物の例は、下記のI)〜VI)のものである。
【0034】
I)分子中に少なくとも2個のカルボキシル基を有する化合物を、いずれの場合にもエピクロロヒドリン及び[ベ
ータ]−メチルエピクロロヒドリンと反応させることによって得ることができる、ポリグリシジル及びポリ([ベ
ータ]−メチルグリシジル)エステルである。この反応は有利に、塩基の存在により触媒される。
【0035】
脂肪族ポリカルボン酸は、例えば少なくとも2個のカルボキシル基を有する化合物として使用される。このような脂肪族ポリカルボン酸の例としては、シュウ酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、及び二量化又は三量化リノール酸が挙げられる。さらに、環状脂肪酸、例えばテトラヒドロフタル酸、4−メチルテトラヒドロフタル酸、ヘキサヒドロフタル酸又は4−メチルヘキサヒドロフタル酸を使用することも可能である。芳香族カルボン酸、例えばフタル酸、イソフタル酸又はテレフタル酸、及びこれらのカルボン酸の任意の所望の混合物も使用される。
【0036】
II)少なくとも2個のアルコール水酸基及び/又はフェノール性水酸基を有する化合物を、アルカリ性条件下で又は酸性触媒の存在下で、エピクロロヒドリン及び[ベ
ータ]−メチルエピクロロヒドリンと反応させ、次に塩基を用いて処理することによって得ることができる、ポリグリシジル及びポリ([ベ
ータ]−メチルグリシジル)エーテルである。
【0037】
この種のグリシジルエーテルは、例えば、直鎖アルコール、例えばエチレングリコール、ジエチレングリコール又はより高いポリ(オキシエチレン)グリコール、プロパン−1,2−ジオール又はポリ(オキシプロピレン)グリコール、プロパン−1,3−ジオール、ブタン−1,4−ジオール、ポリ(オキシテトラメチレン)グリコールプロパン−1,5−ジオール、ヘキサン−1,6−ジオール、ヘキサン−2,4,6−トリオール、グリセロール、1,1,1−トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール又はソルビトールに、並びに、ポリエピクロロヒドリンに由来する。
【0038】
この種のさらなるグリシジルエーテルは、脂環式アルコール、例えば1,4−シクロヘキサンジメタノール、ビス(4−ヒドロキシシクロヘキシル)メタン若しくは2,2−ビス(4−ヒドロキシシクロヘキシル)プロパンから、又は芳香族基及び/又は他の官能基を有するアルコール、例えばN,N−ビス(2−ヒドロキシエチル)アニリン若しくはp,p’−ビス(2−ヒドロキシエチルアミノ)ジフェニルメタンから得ることができる。
【0039】
また、グリシジルエーテルは、単環式フェノール、例えp−tert−ブチルフェノール、レゾルシノール若しくはヒドロキノン、又は多環式フェノール、例えばビス(4−ヒドロキシフェニル)メタン、4,4’−ジヒドロキシビフェニル、ビス(4−ヒドロキシフェニル)スルホン、1,1,2,2−テトラキス(4−ヒドロキシフェニル)エタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン若しくは2,2−ビス(3,5−ジブロモ−4−ヒドロキシフェニル)プロパンをベースとしてもよい。
【0040】
ヒドロキシル基を含有し、グリシジルエーテルの調製に適している他の化合物は、アルデヒド、例えばホルムアルデヒド、アセトアルデヒド、クロルアルデヒド又はフルフルアルデヒドを、塩素原子又はC1〜C9アルキル基に置換されるか、又は置換されてないフェノール類又はビスフェノール類、例えばフェノール、4−クロロフェノール、2−メチルフェノール又は4−tert−ブチルフェノールを用いて、濃縮することによってえることができるノボラックである。
【0041】
III)少なくとも2個のアミン結合水素原子を含有するアミンを用いて、エピクロロヒドリンを反応させる生成物の脱塩化水素によって得ることができる、ポリ(N−グリシジル)化合物である。前記アミンは、例えばアニリン、n−ブチルアミン、ビス(4−アミノフェニル)メタン、m−キシリレンジアミン又はビス(40メチルアミノフェニル)メタンである。ポリ(N−グリシジル)化合物には、トリグリシジルイソシアヌレート、シクロアルキレン尿素(例えば、エチレン尿素又は1,3−プロピレン尿素)のN,N’−ジグリシジル誘導体、及びヒダントイン(例えば、5,5−ジメチルヒダントイン)のジグリシジル誘導体も含まれる。
【0042】
IV)ポリ(S−グリシジル)化合物、例えば、ジチオール、例えばエタン−1,2−ジチオール又はビス(4−メルカプトメチルフェニル)エーテルから得ることができるジ−S−グリシジル誘導体である。
【0043】
V)脂環式エポキシ樹脂、例えばビス(2,3−エポキシシクロペンチル)エーテル、2,3−エポキシシクロペンチルグリシジルエーテル、1,2−ビス(2,3−エポキシシクロペンチルオキシ)エタン、又は3,4−エポキシシクロヘキシルメチル3’,4’−エポキシシクロヘキサンカルボキシレートである。
【0044】
VI)単官能エポキシ樹脂、例えば2−エチルヘキシルグリシジルエーテル、イソプロピルグリシジルエーテル、ブチルグリシジルエーテル、又はクレシルグリシジルエーテルである。
【0045】
本発明に関して、同様に、1,2−エポキシ基が異なるヘテロ原子又は官能基と結合されるエポキシ樹脂を使用することは可能である。これらの化合物には、4−アミノフェノールのN,N,O−トリグリシジル誘導体、サリチル酸のグリシジルエーテルグリシジルエステル、N−グリシジル−N’−(2−グリシジルオキシプロピル)−5,5−ジメチルヒダントイン、及び2−グリシジルオキシ−1,3−ビス(5,5−ジメチル−1−グリシジルヒダントイン−3−イル)プロパンが含まれる。
【0046】
成分(c)として特に好ましいものは、組(I)及び(II)の化合物であり、より特に組(
II)のものである。
【0047】
1個以上のエポキシド基を含有する成分(c)は、好ましくは、エポキシド基の、ポリイソシアネート(a)中のイソシアネート基、及び任意に錯体化合物(b)中のイソシアネート基に対する当量比が、0.1〜2.0、好ましくは0.2〜1.8、より好ましくは0.3〜1.0となる量で使用される。より高いエポキシド割合(fraction)は、より高いレベルの発熱熱生成をもたらし、したがって、一般に、高温でのより迅速な硬化、及びその逆をもたらす。
【0048】
1モルのエポキシ基当たりのアルカリ金属又はアルカリ土類金属イオンのモル量は、好ましくは0.00001を超え、特に好ましくは0.00005〜0.3である。
【0049】
少なくとも2個のイソシアネート反応性基を有し、NH
2及び/又は第1級OH基を有する化合物を含む化合物(d)において、ポリウレタン化学分野に知られており、少なくとも2個のイソシアネート反応性基を有する任意の所望の化合物を使用することは可能である。これらの化合物は、少なくとも350g/mol、少なくとも400g/mol、より好ましくは少なくとも500g/molの分子量を有する比較的高分子量の化合物、例えばポリアミン、並びに、ポリエーテルオール及びポリエステルオールなどのポリオールを包含する。分子量分布がある場合、本発明の目的のための基礎は、他に明記されない限り、数平均分子量である。少なくとも2個のイソシアネート反応性基を有する比較的高分子量の化合物を除き、例えば、機械的特性、例えば硬さを変更する目的のため、鎖延長剤、架橋剤、又は任意
にそれらの混合物を成分(d)に使用することは可能である。
【0050】
低分子量の鎖延長剤及び/又は架橋剤を使用する場合、ポリウレタンに関して知られている鎖延長剤を使用し得る。好ましくは、これらは、少なくとも2個のイソシアネート反応性基を有し、350g/mol未満、より好ましくは60g/molから35g/mol未満までの分子量を有する低分子量の化合物である。考えられるものの例には、2〜14個、好ましくは2〜10個の炭素原子を有する脂肪族、脂環式及び/又は芳香脂肪族又は芳香族ジオール、例えば、エチレングリコール、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,10−デカンジオール及びビス−(2−ヒドロキシエチル)ヒドロキノン、1,2−、1,3−及び1,4−ジヒドロキシシクロヘキサン、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、トリプロピレングリコール、トリオール、例えば1,2,4−及び1,3,5−トリヒドロキシシクロヘキサン、グリセロール及びトリメチロールプロパン、並びに、出発分子としてエチレンオキシド及び/又は1,2−プロピレンオキシドを、及び前述したジオール及び/又はトリオールをベースとする低分子量のヒドロキシル含有のポリアルキレンオキシドが含まれる。さらに使用可能な低分子量の鎖延長剤及び/又は架橋剤は、例えば「Kunststoffhandbuch,第7巻,Polyurethane」,Carl Hanser−Verlag,1993年第3版,セクション3.2及び3.3.2に記載されている。好ましくは、いずれの場合にも成分(b)の化合物の総質量に基づいて、50質量%未満、より好ましくは5〜30質量%、非常に好ましくは10〜20質量%の鎖延長剤及び/又は架橋剤を使用する。
【0051】
ポリオールとして、化合物(d)において、例えばポリウレタン化学分野に知られているポリエーテル、ポリカーボネートポリオール又はポリエステルを使用することは可能である。好ましく使用されるポリオールは、350〜12000、好ましくは400〜6000、より特に500から3000未満までの数平均分子量、及び好ましくは2〜6、好ましくは2〜3の平均公称官能価(nominal functionality)を有するポリエーテルポリオール及び/又はポリエステルオールである。ここでは、数平均分子量は通常、DIN 53240に従ってOH価を決定し、その後に式M
n=F
n×1000×56.1/OH価に従って計算することによって得られ、使用される官能価は公称官能価である。
【0052】
一般的には、2〜8個のイソシアネート反応性水素原子を有するポリエーテルポリオール及び/又はポリエステルオールを使用する。これらの化合物のOH価は通常、20〜850mg KOH/gの範囲、好ましくは50〜600mg KOH/gの範囲にある。
【0053】
ポリエーテルポリオールは、触媒の存在下で、公知の方法により、例えば結合している状態での2〜8個、好ましくは2〜6個、より好ましくは2〜4個の反応性水素原子を含有する少なくとも1個の出発分子を添加してアルキレンオキシドのアニオン重合により得られる。使用される触媒は、アルカリ金属水酸化物、例えば水酸化ナトリウム若しくは水酸化カリウム、又はアルカリ金属アルコキシド、例えばナトリウムメトキシド、ナトリウムエトキシド若しくはカリウムエトキシド、又はカチオン重合の場合には触媒としてのルイス酸、例えば五塩化アンチモン、三フッ化ホウ素エーテラート若しくは漂白土(bleaching earth)であり得る。さらに、触媒について、DMC触媒として知られている複金属シアン化物化合物を使用することは可能である。200mg KOH/gを超えるヒドロキシル価を有するポリエーテルポリオールについて、例えば、第3級アミン、例えばイミダゾールを触媒として使用してもよい。前記ポリオールは、例えばWO 2011/107367に記載されている。
【0054】
アルキレンオキシドについて、好ましくは、アルキレンラジカルに2〜4個の炭素原子を有する1種以上の化合物、例えば、いずれの場合にも単独で又は混合物の形態で、エチレンオキシド、テトラ
ヒドロフラン、1,2−プロピレンオキシド又は1,2−及び/又は2,3−ブチレンオキシド、好ましくはエチレンオキシド、1,2−プロピレンオキシド、1,2−ブチレンオキシド及び/又は2,3−ブチレンオキシド、特にエチレンオキシド及び/又は1,2−
プロピレンオキシドを使用する。
【0055】
考えられる出発分子には、例えば、エチレングリコール、ジエチレングリコール、グリセロール、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、糖類誘導体、例えばスクロース、ヘキシトール誘導体、例えばソルビトール、メチルアミン、エチルアミン、イソプロピルアミン、ブチルアミン、ベンジルアミン、アニリン、トルイジン、トルエンジアミン、ナフチルアミン、エチレンジアミン、ジエチレントリアミン、4,4’−メチレンジアニリン、1,3−プロパンジアミン、1,6−ヘキサンジアミン、エタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、並びに、他の二価アルコール若しくは多価アルコール、又は単官能性アミン若しくは多官能性アミンが含まれる。
【0056】
使用されるポリエステルアルコールは通常、2〜12個の炭素原子を有する多塩基カルボン酸、例えばコハク酸、グルタル酸、アジピン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、デカンジカルボン酸、マレイン酸、フマル酸、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、及びナフタレンジカルボン酸の異性体、又はそれらの無水物を用いて、2〜12個の炭素原子を有する多官能性アルコール、例えばエチレングリコール、ジエチレングリコール、ブタンジオール、トリメチロールプロパン、グリセロール又はペンタエリスリトールを濃縮することによって製造される。
【0057】
さらなる出発物質について、ポリエステルを製造する場合、疎水性物質を使用することも可能である。疎水性物質は、無極性有機ラジカルを含有し、ヒドロキシル、カルボン酸、カルボン酸エステル又はそれらの混合物から選択される少なくとも1個の反応性基を有し、かつ、水に溶解しない物質である。好ましくは、疎水性材料の当量は130〜1000g/molである。例えば、脂肪酸、例えばステアリン酸、オレイン酸、パルミチン酸、ラウリン酸又はリノール酸、及び油脂、例えばヒマシ油、トウモロコシ油、ヒマワリ油、大豆油、ヤシ油、オリーブ油又はトール油を使用してもよい。ポリエステルが疎水性物質を含有する場合、ポリエステルアルコールの全モノマー含有量の部分として疎水性物質の割合は、好ましくは1〜30モル%、より好ましくは4〜15モル%である。
【0058】
使用されるポリエステルオールは、好ましくは1.5〜5、より好ましくは1.8〜3.5の官能価を有する。
【0059】
特に疎水性反応混合物を製造するために、例えば、長いオープンタイムの間に水の濃縮的混入を避けたい場合、又は本発明のポリウレタン−ポリイソシアヌレート化合物が加水分解に対して特に安定したい場合、使用されるポリオールは、ヒドロキシル官能化の疎水性化合物、例えば油脂化学からのヒドロキシ官能化化合物も含むことができる。
【0060】
知られており、かつ使用することができる、油脂化学からの一連のヒドロキシル官能化化合物がある。例としては、ヒマシ油、ヒドロキシル修飾オイル、例えばグレープシード油、ブラッククミン油、カボチャ種子油、ボラージオイル、大豆油、小麦胚芽油、菜種油、ヒマワリ油、ピーナッツ油、杏仁油、ピスタチオ
カーネル油、アーモンド油、オリーブ油、マカダミアナッツ油、アボカド油、シーバックソーン油、胡麻油、ヘーゼルナッツ油、マツヨイグサ油、野生のバラ油、大麻油、シスル油、クルミ油、及びミリストレイン酸、パルミトレイン酸、オレイン酸、バクセン酸(
vaccinic acid)、ペトロセリン酸、ガドレイン酸、エルカ酸、ネルボン酸、リノール酸、リノレン酸、ステアリドン酸、アラキドン酸、チィムノドン酸、クルパノドン酸、セラボン酸をベースとするヒドロキシル修飾の脂肪酸エステルが挙げられる。ここでは、好ましくは、ヒマシ油、
及びアルキレンオキシド又はケトン−ホルムアルデヒド樹脂を用い
たそれらの反応生成物
を使用する。最後に挙げた化合物は、例えばBayer AGによってDesmophen(登録商標)1150の商品名で販売されている。
【0061】
好ましく使用される脂肪化学のポリオールのさらなる群は、アルコールと反応させる同時に、エポキシ化脂肪酸エステルの開環、及び任意に次にさらなるエステル交換反応によって得られる。油脂にヒドロキシル基を組み込むことは、主に、これらの生成物に存在するオレフィン二重結合をエポキシ化し、次に得られたエポキシド基を一価アルコール又は多価アルコールと反応させることによって達成される。これは、エポキシド環から、ヒドロキシル基、又は多官能価アルコールの場合、より多くのOH基を有する構造を製造する。油脂が一般にグリセロールエステルであるので、平行のエステル交換反応は、上記の反応の間にさらに行われる。したがって、化合物は、好ましくは500〜1500g/molの範囲の分子量を有する。この種の製品は、例えばBASFからSovermole(登録商標)商品名で購入できる。
【0062】
−NH
2基を有する化合物について、好ましくは、ポリエーテルアミンとして知られているポリオキシアルキレンアミンを使用する。このようなポリオキシアルキレンアミンは、好ましくは、2以上の官能価、及び少なくとも350g/mol、例えば350〜6000g/mol、好ましくは380〜5100g/molの数平均分子量を有する、アミン末端のポリアルキレンオキシド、一般にポリオキシエチレン及び/又はポリオキシプロピレンオキシドである。また、アミン末端のポリテトラヒドロフラン(PTHF)を使用することも可能である。ポリエーテルアミンのアミン基は、第1級アミン基である。また、単なるポリエーテルアミンを使用することも可能である。ポリエーテルアミン(b)は、特にジアミン又はトリアミンである。これらの種の化合物は、例えば、Huntsmanから商品名Jeffamine(登録商標)で、又はBASFから商品名Baxxodur(登録商標)のポリエーテルアミンとして販売されている。
【0063】
一般的には、ポリアミンは、対応するポリアルコールの触媒的アミノ化によって製造される。好ましくアミノ化されるポリエーテルアルコール及びポリエステルアルコールの製造は、既に、成分(a2)の記載に関して上記で記載されている。特に、2又は3の官能価を有するポリプロピレンオキシドを反応させ、対応するジアミン又はトリアミンを形成する。
【0064】
ここで本発明においては、少なくとも2個のイソシアネート反応性基を有する化合物が、−NH
2基又はOH基を有する化合物(d)を含むことは必要である。特に好ましくは、成分(d)は、平均で少なくとも50%、例えば50%〜100%、より好ましくは75%〜100%、より特に90%〜100%の第1級OH基を有するポリエーテルポリオールを含む。成分(d)中のNH2基及びOH基の合計において、−NH
2基及び第1級OH基の全体の割合は、少なくとも50%、より好ましくは
少なくとも75%〜100%、非常に好ましくは85%〜100%、より特に95%〜100%である。成分(d)は、成分(d)中のNH
2基及びOH基の合計に基づいて、好ましくは50%未満、より好ましくは20%未満のNH
2基を含有し、特にNH
2基を含有しない。
【0065】
特に好ましい一実施態様において、成分(d)は、成分(d)の化合物の総質量に基づいて、少なくとも80質量%のポリエーテル、より好ましくは90〜100質量%のポリエーテルを含有する。特にポリエーテルの製造の間に、アルカリ性的に製造されたポリエーテルが触媒の実質的な残留物を含まないように注意する必要がある。成分(d)中のアルカリ金属の残留量は、好ましくは100ppm未満、より好ましくは50ppm未満、より一層好ましくは20ppm未満、より特に10ppm未満である。
【0066】
成分(d)の化合物の割合は、成分(c)及び(d)の総質量に基づいて、
好ましくは10〜95質量%、より好ましくは40〜85質量%、より特に60〜80質量%である。
【0067】
成分(d)は、好ましくは、成分(d)の総質量に基づいて、0.01質量%未満のアルカリ金属イオン又はアルカリ土類金属イオンを含有する。より好ましくは、成分(d)中のアルカリ金属イオン又はアルカリ土類金属イオンの量は、成分(d)の総質量に基づいて、0.005質量%未満、より好ましくは0.003質量%未満、より特に0.001質量%未満である。
【0068】
好ましくは、成分(c)及び(d)は、成分(c)及び(d)の総質量に基づいて、0.01質量%未満のアルカリ金属イオン又はアルカリ土類金属イオンを含有する。特に好ましくは、成分(c)及び(d)中のアルカリ金属イオン又はアルカリ土類金属イオンの量は、成分(c)及び(d)の総質量に基づいて、0.005質量%未満、より好ましくは0.003質量%未満、より特に0.001質量%未満である。
【0069】
さらに、好ましくは、成分(c)、(d)及び(e)は、成分(c)、(d)及び(e)の総質量に基づいて、0.01質量%未満のアルカリ金属イオン又はアルカリ土類金属イオンを含有する。特に好ましくは、成分(c)、(d)及び(e)中のアルカリ金属イオン又はアルカリ土類金属イオンの量は、成分(c)、(d)及び(e)の総質量に基づいて、0.005質量%未満、より好ましくは0.003質量%未満、より特に0.001質量%未満である。
【0070】
充填剤及びさらなる添加剤(e)について、従来の充填剤、及び他の補助剤、例えば水吸着のための添加剤、難燃剤、加水分解防止剤、酸化防止剤及び内部用離型剤を使用することは可能である。前記物質は、例えば「Kunststoffhandbuch,第7巻,Polyurethane」,Carl Hanser−Verlag,1993年第3版,セクション3.4.4及び3.4.6〜3.4.11に記載されている。
【0071】
充填剤、特に補強充填剤は、それ自体が知られており、通例の有機及び無機の充填剤、補強充填剤などである。特定の例には以下を含む:無機充填剤、例えば、ケイ酸塩鉱物(silicatic minerals)、例えば細かく粉砕された石英、フィロシリケート、例えばアンチゴライト、蛇紋石、ホルンブレンド、角閃石、クリソタイル及びタルク;金属酸化物、例えばカオリン、酸化アルミニウム、酸化チタン及び酸化鉄、金属塩、例えばチョーク、重晶石、並びに、無機顔料、例えば硫化カドミウム、硫化亜鉛、並びに、ガラス等。好ましくは、カオリン(陶土)、細かく粉砕された石英、ケイ酸アルミニウム、及び硫酸バリウムとケイ酸アルミニウムとの共沈物、並びに、繊維形態の天然及び合成鉱物、例えばウォラストナイト、及び任意にサイズを調整した異なる長さの金属繊維及びガラス繊維を使用する。考えられる有機充填剤の例には、以下を含む:木炭、メラミン、ロジン、シクロペンタジエニル樹脂及びグラフトポリマー、並びに、セルロース繊維、
芳香族及び/又は脂肪族ジカルボン酸エステルをベースとするポリアミド、ポリアクリロニトリル、ポリウレタン及びポリエステル
繊維、特に炭素繊維。
【0072】
使用される好ましい充填剤は、0.1〜500μm、より好ましくは1〜100μm、より特に1〜10μmの平均粒径を有するものである。ここでは、非球状粒子の場合の直径は、空間における最短軸に沿ったそれらの大きさを指す。非球状粒子、例えばガラス繊維などの繊維の場合、空間におけるそれらの最
長軸に沿った大きさは、好ましくは500μm未満、より好ましくは300μm未満である。好ましく使用される充填剤は、ガラス繊維又は細かく粉砕された石英である。また、架橋された充填剤、例えば、織物マット(woven fabric mats)、例えばガラス繊維マット、炭素繊維マット又は天然繊維マットを充填剤として使用してもよい。本発明に関して、これらの充填剤は、補強充填剤と同一視される。
【0073】
無機及び有機充填剤は、個別で又は混合物として使用され、成分(a)〜(e)の質量に基づいて、有利に0.5〜30質量%、好ましくは1〜20質量%の量で反応混合物に組み込まれる。
【0074】
使用される好ましい水吸着のための添加剤は、アルミノケイ酸ナトリウム、アルミノケイ酸カリウム、アルミノケイ酸カルシウム、アルミノケイ酸セシウム、アルミノケイ酸バリウム、アルミノケイ酸マグネシウム、アルミノケイ酸ストロンチウム、アルミノリン酸ナトリウム、アルミノリン酸カリウム、アルミノリン酸カルシウム及びそれらの混合物からなる群から選択されるアルミノケイ酸塩である。特に好ましくは、ヒマシ油媒体中の、アルミノケイ酸ナトリウム、アルミノケイ酸カリウム、及びアルミノケイ酸カルシウム
の混合物を使用する。
【0075】
好ましくは、水吸着のための添加剤は、200μm以下、より好ましくは150μm、特に100μm以下の平均粒径を有する。好ましくは、本発明の水吸着のための添加剤の孔径(pore size)は、2〜5オングストロームである。無機の水吸着のための添加剤以外に、知られている有機の水吸着のための添加剤、例えばオルトギ酸エステル(例えば、オルトギ酸トリイソプロピル)を使用することも可能である。
【0076】
水吸着のための添加剤を添加する場合、これは、ポリマー系の総質量に基づいて、好ましくは1質量部
を超え、より好ましくは1.2〜2質量部の量である。
【0077】
フォームを製造する場合、水捕捉剤(water scavengers)の代わりに、ポリウレタン化学分野で通例の化学及び/又は物理発泡剤を使用することも可能である。化学発泡剤は、例えば、イソシアネートとの反応の生成物としてガス状生成物、例えば水又はギ酸を形成する化合物であると理解されたい。物理発泡剤は、ポリウレタン製造の成分において溶液又は乳状液に存在し、ポリウレタン形成の条件下で蒸発する化合物であると理解されたい。例としては、炭化水素、ハロゲン化炭化水素、及び他の化合物、例えば、過フッ素化アルカン、例えばペルフルオロヘキサン、フルオロクロロ炭化水素、及びエーテル、エステル、ケトン、アセタール又はそれらの混合物、例えば4〜8個の炭素原子を有する(シクロ)脂肪族炭化水素、又はヒドロフルオロカーボン、例えばSolvay Fluorides LLC製のSolkane(登録商標)365 mfcが挙げられる。好ましくは、発泡剤を添加しない。
【0078】
使用することができる難燃剤は一般に、当該技術分野で知られている難燃剤である。好適な難燃剤の例としては、臭素化エーテル(Ixol B 251)、臭素化アルコール、例えばジブロモネオペンチルアルコール、トリブロモネオペンチルアルコール及びPHT−4ジオール、並びに、塩素化リン酸塩、例えばトリス(2−クロロエチル)ホスフェイト、トリス(2−クロロイソプロピル)ホスフェイト(TCPP)、トリス(1,3−ジクロロイソプロピル)ホスフェイト、トリス(2,3−ジブロモプロピル)ホスフェイト及びテトラキス(2−クロロエチル)エチレンジホスフェイト、又はそれらの混合物が挙げられる。
【0079】
本発明に従って製造されるポリウレタン−ポリイソシアヌレートフォームに難燃
性を加えるために、上述したハロゲン置換のリン酸塩を除き、無機難燃剤、例えば、赤リン、赤リン含有の製剤、膨張黒鉛、水和酸化アルミニウム、三酸化アンチモン、酸化ヒ素、ポリリン酸アンモニウム及び硫酸カルシウム、又はシアヌル酸誘導体、例えばメラミン、又は少なくとも2種の難燃剤の混合物、例えばポリリン酸アンモニウムとメラミン、並びに、任意にでんぷんを使用することも可能である。
【0080】
さらなる液体の無ハロゲン難燃剤について、ジエチルエタンホスホネート(DEEP)、トリエチルホスホネート(TEP)、ジメチルプロピルホスホネート(DMPP)、ジフェニルクレシルホスホネート(DPK)及びその他を使用することは可能である。
【0081】
本発明に関して、難燃剤は、成分(b)〜(e)の総質量に基づいて、好ましくは0〜60質量%、より好ましくは5〜50質量%、より特に5〜40質量%の量で使用される。
【0082】
使用することができる内部用離型剤は、ポリウレタンの製造において通例の全ての離型剤、例えば、ジアミン溶液中の金属塩、例えばステアリン酸亜鉛、及びポリイソブチレンコハク酸の誘導体である。
【0083】
本発明のポリマー系は、成分(b)〜(e)の総質量に基づいて、好ましくは0.5質量%未満、より好ましくは0.3質量%未満の水を含有する。
【0084】
本発明のポリウレタン−ポリイソシアヌレート化合物は、成分(a)〜(d)及び任意に(e)を混合して反応混合物を形成し、該反応混合物を反応させてポリウレタン−ポリイソシアヌレート化合物を形成することによって製造される。ここで本発明の目的のために、成分(a)〜(e)の混合物は、イソシアネート基に対して90%未満の反応転化率(reaction conversions)で反応混合物と称される。個々の成分は、既に予め混合されてもよい。したがって、成分(b)がイソシアネート反応性基を含有しない限り、ポリイソシアネート(a)、及びウレタン基を含有する化合物(b)にアルカリ金属又はアルカリ土類金属塩を導入することによって得られる混合物を予め混合してもよい。同様に、成分(c)、(d)及び任意に(e)を予め混合してもよい。成分(b)がイソシアネート反応性基を含有しない場合、成分(b)もこの混合物に添加することができる。好ましくは、1個以上のエポキシド基を含有する化合物(c)、少なくとも2個のイソシアネート反応性基を有し、NH
2及び/又は第1級OH基を含む1種以上の化合物(d)、及び任意に充填剤及び添加剤(e)を混合して、イソシアネート(a)と混合する前にポリオール成分を形成する。
【0085】
本発明の反応混合物は、25℃で、例えば60分を超え、好ましくは90分を超え、より好ましくは120分を超える長いオープンタイムを有する。ここでは、オープンタイムは、上述したように、粘度の増大によって決定される。70℃を超え、好ましくは80を超えから200℃まで、より好ましくは90〜150℃の温度に昇温することは、50分以内に、例えば、好ましくは30分以内に、より好ましくは10分以内に、より特に5分以内に、本発明の反応混合物を迅速的に硬化させる。本発明の目的のため、本発明の反応混合物の硬化は、最初の粘度から最初の粘度の10倍まで増大することを指す。ここでは、25℃でのオープンタイムと130℃でのオープンタイムとの間の差は、好ましくは少なくとも40分、より好ましくは少なくとも1時間、非常に好ましくは少なくとも2時間である。
【0086】
本発明の方法のイソシアネート指数は、150を超え、例えば160〜5000、好ましくは180〜1000である。本発明に関して、イソシアネート指数は、イソシアネート基とイソシアネート反応性基の化学量論比に100を掛けたものを指す。イソシアネート反応性基は、化学発泡剤及びエポキシド基を有する化合物を含むが、イソシアネート基自体を含まない
反応混合物中に存在するイソシアネートに対して反応性の全ての基である。
【0087】
本発明の方法によれば、好ましくは、コンパクトな材料を得る;すなわち、発泡剤を添加しない。少量の発泡剤、例えば大気湿度に介してプロセスのうちに反応混合物又は出発成分に凝縮する少量の水は、上記の説明に含まれていない。コンパクトなポリウレタン−ポリイソシアヌレート化合物は、気体含有物を実質的に含有しないポリウレタン−ポリイソシアヌレート化合物を指す。コンパクトなポリウレタン−ポリイソシアヌレート化合物の密度は、好ましくは0.8g/cm
3を超え、より好ましくは0.9g/cm
3を超え、より特に1.0g/cm
3を超える。
【0088】
本発明のポリウレタン−ポリイソシアヌレート化合物は、その製造に長いオープンタイム及び反応混合物の迅速的硬化が有利である様々なポリイソシアネート重付加生成物に利用することができる。ここで、得られるポリウレタン−ポリイソシアヌレート化合物が特定の温度安定性及び難燃性を有すべきでる場合、150を超え、より好ましくは250を超えるイソシアネート指数を選択する。本発明のポリイソシアネート重付加生成物は、好ましくは少なくとも150℃、より好ましくは少なくとも170℃、より特に少なくとも200℃の特に高いガラス転移温度、高い熱変形温度(heat deflection temperature,HDT)、及び優れた機械的特性を有する。ここでは、ガラス転移温度は、DIN EN ISO 6721−1:2011に従って、周波数f=1Hzで動的機械分析(Dynamic Mechanical Analysis,DMA)によって決定され、ガラス転移温度Tgは、損失係数tan d及び損失弾性率G’’の最大値から評価される。熱変形温度は、
DIN EN ISO 75に従って決定される。好ましくは
、本発明の方法は、繊維複合要素を製造することに使用される。この目的のため、従来の繊維、例えばガラス繊維又は炭素繊維、より特に繊維マットは、反応混合物で濡らされる。本発明の反応混合物は、ハニカム複合材、例えば自動車工学におけるドア部品を製造することに使用することができる。また、反応混合物は、真空注入法(vacuum infusion process)で、構造サンドイッチ部品、例えば、車両部品、例えば航空機部品若しくは自動車用外装品、又は風力エネルギーシステム
の回転翼を製造することに使用することもできる。さらなる使用の例には、引出成形、繊維巻き取りプロセス(fibre winding processes)、並びに、ポリマー部品の長いオープンタイム及び迅速的硬化、及び良好な機械的特性、例えば高い耐衝撃性が有利である全ての利用が含まれる。これらの品物は、従来の方法によって、好ましくは加熱可能な従来の型で製造することができる。
【0089】
処理に特に有利であるのは、室温でのオープンタイムと120℃でのオープンタイムとの間の差が大きいことである。有利には、この差は、室温で少なくとも30分、120℃で可能な限り60秒未満になる。さらに、120℃での長いオープンタイム及び迅速な離型時間は、繊維含浸利用に有利である。特に適しているのは、120℃で、30秒を超えるオープンタイム及び90秒未満の離型時間である。
【0090】
好ましくは、成分(b)に使用されるアルカリ金属塩又はアルカリ土類金属塩のほかに、本発明の方法は、イソシアネート−ポリオール反応を促進する化合物、より特に第3級アミン基を有する化合物をベースとする従来のポリウレタン触媒、又はポリイソシアヌレート触媒、例えば酢酸カリウムを使用しない。本発明のポリウレタン−ポリイソシアヌレート化合物は、広い範囲内で変化することができる、優れた機械的特性を有することが注目されている。
【0091】
本発明のさらなる目的は、本発明の方法によって得ることができるポリウレタン−ポリイソシアヌレート化合物、並びに、
例えば回転鋳造で圧力安定性容器又はタンクを製造するために、例えば引出成形でパイプ及びパイプコーティングを製造するために、例えばドアプロファイル及び窓プロファイル、車両の繊維強化部品、風力タービン、アンテナ又はリード(leads)、及びコンクリートの補強筋を製造するために、例えば樹脂トランスファー成形(resin transfer moulding,RTM)、樹脂注入成形(resin injection moulding,RIM)又は構造反応注入成形(structural reaction injection moulding,SRIM)で多くの複合材料を製造することに、例えば、真空補助樹脂注入で車両の車体部品、ドア又は窓枠又はハニカム強化部品を製造することに、例えばフィラメントワインディングで車両又は風力タービン
の構造部品を製造することに、本発明のポリウレタン−ポリイソシアヌレート化合物を使用する方法である。さらに、本発明のポリウレタン−ポリイソシアヌレート化合物は、例えばシートモールディングコンパウンド(sheet moulding compounding,SMC)又はバルクモールディングコンパウンド(bulk moulding compounding,BMC)のためのプレプレグを製造することに使用されてもよい。本発明により製造されるポリウレタン−ポリイソシアヌレート化合物を含む複合材料は、さらに、例えば自動車部品、列車部品、航空輸送及び宇宙旅行、海洋用途、風力タービン、構造部品、接着剤、包装材、封入材料及び断熱材の大量生産に使用することができる。また、本発明のポリウレタン−ポリイソシアヌレート化合物は、繊維強化がないで、例えば、純粋な注型材料として、接着剤又はパイプコーティングのためのコーティングとして使用することもできる。本発明の方法により製造されるポリウレタン−ポリイソシアヌレート化合物は、好ましくは、自動車の車体部品、例えばバンパー、ホイールアーチ又はルーフ部を製造することに使用される。
【0092】
驚いたことには、成分(b)が、従来技術より少量の二座又は多座錯体の存在が必要とすることが見出された。WO 10121898、WO 12103965、WO 13098034及びWO 13143841に記載の系と比較して、塩アニオン及び塩カチオンに関してR−NH−CO−R(式中、Rは水素ではない)形態の単座ウレタン基のみを使用する。これは、触媒の濃度に基づいて、有効性を10倍、又は130℃でのオープンタイムに対して有効性を3倍増加することをもたらす。これについての1つの可能な説明は、先行技術からの二座又は多座錯体が、塩化合物を静電相互作用によって比較的強く結合することができることである。
【実施例】
【0093】
以下、実施例を用いて本発明を説明する。
【0094】
出発物質:
ポリオール1 35mg KOH/gのOH価、全てのOH基に基づいて72%の第1級OH基含有量、及び10ppmのアルカリ度を有し、プロピレンオキシド及び末端エチレンオキシドをベースとするグリセロール開始のポリエーテルポリオール
ポリオール2 30mg KOH/gのOH価、全てのOH基に基づいて100%の第1級OH基含有量、及び465ppmのアルカリ度を有し、プロピレンオキシド及び末端エチレンオキシドをベースとするグリセロール開始のポリエーテルポリオール
ポリオール3 30mg KOH/gのOH価、83%の第1級OH基含有量、及び4ppmのアルカリ度を有し、プロピレンオキシド及び末端エチレンオキシドをベースとするプロピレングリコール開始のポリエーテルポリオール
ポリオール4 805のOH価、全てのOH基に基づいて100%の第2級OH基含有量、及び100ppmのアルカリ度を有し、プロピレンオキシドをベースとするグリセロール開始のポリエーテルポリオール
ポリオール5 ジエチレングリコール
ポリオール6 28mg KOH/gのOH価、全てのOH基に基づいて100%の第2級OH基含有量、及び0ppmのアルカリ度を有し、プロピレン
オキシドをベースとし、スターターとしてのポリプロピレングリコールを含有するDMC触媒ポリエーテルポリオール(DMC-catalyzed polyether polyol)
ポリオール7 50mg KOH/gのOH価、全てのOH基に基づいて100%の第2級OH基含有量、及び0ppmのアルカリ度を有し、プロピレンオキシド/エチレンオキシド及び末端プロピレンオキシドをベースとし、ヒマシ油開始のDMC触媒ポリエーテルポリオール
ポリオール8 55mg KOH/gのOH価、全てのOH基に基づいて100%の第2級OH基含有量、及び4ppmのアルカリ度を有し、プロピレンオキシドをベースとするプロピレングリコール開始のポリエーテルポリオール
ポリオール9 55mg KOH/gのOH価、全てのOH基に基づいて100%の第2級OH基含有量、及び0ppmのアルカリ度を有し、プロピレンオキシドをベースとするDMC触媒のプロピレングリコール開始のポリエーテルポリオール
ポリオール10 ジプロピレングリコール
DGE1 ビスフェノールAをベースとするジグリシジルエーテル、例えばHuntsman製のAraldite GY 250
DGE2 ポリプロピレングリコールジグリシジルエーテル
ZM1 500g/molの数平均分子量を有する単官能ポリエチレンオキシドを用いて、BASFから商品名「Pluriol(登録商標)A 500 E」で購入でき、プレポリマー中のウレタン結合の数量に基づいて、0.70当量のLiClと混合され、Iso3からなる反応生成物
ZM2 WO10121898に記載したように、プレポリマー中のウレタン結合の数量に基づいて、0.70当量のLiClとJeffamin M600とIso3との反応により得ることができる、LiClと尿素プレポリマーとの本発明でない混合物
ZM3 液体中の酢酸カリウム(40%)とモノエチレングリコール(60%)との本発明でない混合物
Iso1 4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)とジプロピレングリコールとのプレポリマー、NCO含有量22.9質量%
Iso2 多環同族体を有するジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)、例えばBASFからの「Lupranat(登録商標)M20」、NCO含有量31.5%
Iso3 カルボジイミド修飾4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)、NCO含有量29.5%
ZM1の調製:モノオールをガラス容器に入れ、マグネチックスターラーを用いて激しく攪拌しながらイソシアネートを添加した。合成の全体にわたって、温度センサによって温度を監視した。その後、反応
が開始するまで、70℃に加熱した。反応がそれ自体で放熱する場合、氷浴で冷却した;反応がかなり遅い場合、温度をさらに90℃に上昇させ、さらに30分間撹拌した。反応が完了した後、反応混合物を室温まで冷却した。粘稠な油状物を得た。次に、得られた油状物を対応する量のエタノール中のLiCl溶液と混合し、この混合物を70℃に加熱し、この温度で30分攪拌した。その後、反応混合物を冷却し、過剰のエタノールを回転蒸発器で除去した。これで、粘稠な油状物を得た。
【0095】
表1により、ポリオール成分及びイソシアネート成分を、それそれ、特定の成分を混合することにより調製した。量を表す数値は、いずれの場合にもポリオール成分(A成分)又はイソシアネート成分(B成分)に基づいて、質量部で表示する。次に、それぞれのポリオール及びイソシアネート成分を特定の混合比で混合した。この混合物を120℃で鋳型中で反応させ、ポリウレタン−ポリイソシアヌレート化合物を形成した。このようにして製造したポリウレタン−ポリイソシアヌレート化合物について、特定の機械的特性を決定した。
【0096】
【表1】
【0097】
【表2】
【0098】
【表3】
【0099】
用語:
n.d.:未測定
n.m.:測定不可
*は、規定した液体から固体への変化がないことである。
【0100】
貯蔵安定性を、室温で2週間貯蔵することによって決定し、試料のOH価及び均一性に基づいて評価した。
【0101】
表1は、使用されるポリオールのアルカリ度が低い場合、第1級OH基を有するポリオールを使用する場合のみ、優れた機械的特性及び高いガラス転移温度を有するポリウレタン−ポリイソシアヌレートが得られることを示す。ここでは、アルカリ度をASTM D6437 ENに従って決定した。主に第2級のOH基を有するポリオールは、反応が不完全であり、生成物の脆性に関して、試料を調製する間にさえも崩壊し、又は機械的値との組み合わせが有利ではないガラス転移温度を有する脆い生成物をもたらす。
【0102】
触媒を添加しないと、反応混合物は適切に硬化しない(比較例10)。従来の触媒を用いて(比較例8)、硬化は確かに得られるが、得られたポリウレタン−ポリイソシアヌレートは、かなり適度な機械的性質及び比較的に低いガラス転移温度を有する。触媒作用がないと(比較例10)、硬化は達成されない。
【0103】
WO10121898に記載されており、LiCl及び尿素プレポリマーからなり、したがってWO10121898に記載れているように、Jeffamin M600と、Iso3と、プレポリマー中の尿素結合の数に基づいて0.50当量のLiClとを反応させることによって得ることができるZM2(比較例9)を用いて、同様に、良好な機械的特性及び高いガラス転移温度を有するポリウレタン−ポリイソシアヌレートが確かに得られる。しかしながら、添加剤を除いて同一の出発物質から得られた実施例1と比較して、それらの特性は、特に引張強度及び熱変形温度に関して著しく劣っている。見出されたガラス転移温度も、実施例1より実質的に低い。さらに、同じ量のZMにおけるオープンタイム及び離型時間は、はるかに遅く、明らかに延長した離型時間をもたらし、したがって利用にあまり好ましくない。