特許第6869253号(P6869253)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2015.5.11 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ アプライド マテリアルズ インコーポレイテッドの特許一覧
特許6869253マスクパターン、マスク、およびマスクの製造方法
<>
  • 特許6869253-マスクパターン、マスク、およびマスクの製造方法 図000002
  • 特許6869253-マスクパターン、マスク、およびマスクの製造方法 図000003
  • 特許6869253-マスクパターン、マスク、およびマスクの製造方法 図000004
  • 特許6869253-マスクパターン、マスク、およびマスクの製造方法 図000005
  • 特許6869253-マスクパターン、マスク、およびマスクの製造方法 図000006
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6869253
(24)【登録日】2021年4月15日
(45)【発行日】2021年5月12日
(54)【発明の名称】マスクパターン、マスク、およびマスクの製造方法
(51)【国際特許分類】
   C23C 14/04 20060101AFI20210426BHJP
   H05B 33/10 20060101ALI20210426BHJP
   H01L 51/50 20060101ALI20210426BHJP
【FI】
   C23C14/04 A
   H05B33/10
   H05B33/14 A
【請求項の数】11
【全頁数】16
(21)【出願番号】特願2018-539987(P2018-539987)
(86)(22)【出願日】2016年2月3日
(65)【公表番号】特表2019-509395(P2019-509395A)
(43)【公表日】2019年4月4日
(86)【国際出願番号】CN2016073372
(87)【国際公開番号】WO2017132907
(87)【国際公開日】20170810
【審査請求日】2018年11月28日
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】390040660
【氏名又は名称】アプライド マテリアルズ インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】APPLIED MATERIALS,INCORPORATED
(73)【特許権者】
【識別番号】000005810
【氏名又は名称】マクセルホールディングス株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100148138
【弁理士】
【氏名又は名称】森本 聡
(72)【発明者】
【氏名】ホワン シ
(72)【発明者】
【氏名】ラシーター ブライアン イー
(72)【発明者】
【氏名】ハース ディーター
(72)【発明者】
【氏名】本田 涼吾
(72)【発明者】
【氏名】中島 貴士
【審査官】 宮崎 園子
(56)【参考文献】
【文献】 特開2014−077155(JP,A)
【文献】 特開2014−218747(JP,A)
【文献】 特開2003−45657(JP,A)
【文献】 特開2016−125097(JP,A)
【文献】 特開2003−107723(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C23C 14/04
H01L 51/50
H05B 33/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
有機発光ダイオード製造用のマスク(300)を作成するためのマスクパターン(302)であって、
上部に導電材料を有するマンドレル(305)と、
マンドレル(305)の上部に形成され、導電材料の少なくとも一部分を露出させる複数の第1の開口部(318)を有する第1の絶縁材料(310)と、
マンドレル(305)および第1の絶縁材料(310)の上部に形成され、導電材料の少なくとも一部分を露出させる複数の第2の開口部(335)を有し、該第2の開口部(335)は第1の開口部(318)内に位置するように形成されている第2の絶縁材料(325)とを備え、
上部に導電材料を有するマンドレル(305)が、ニッケル、ニッケル合金、コバルト合金、鉄−ニッケル合金、および鉄−ニッケル−コバルト合金から選択されるいずれか一つの金属を含み、且つ7ミクロン/メートル/℃以下の熱膨張係数を有する金属材料、或いは導電性金属層で被覆されたガラス材料で構成されていることを特徴とするマスクパターン。
【請求項2】
第2の開口部(335)は第1の開口部(318)と同心である、請求項1記載のマスクパターン。
【請求項3】
第1の絶縁材料(310)が無機材料を含む、請求項1又は2に記載のマスクパターン。
【請求項4】
堆積源(420)と基板(405)との間に配置され、該堆積源(420)から供給された有機材料を基板(405)上に堆積する際に使用される、有機発光ダイオード製造用のマスク(300)であって、
最下面が基板(405)に接する基板接触面(375)を有する金属構造体と、
金属構造体に開設され、堆積源(420)から供給された有機材料の通過を許す多数個の微細開口部(215)と、を備え、
基板接触面(375)側の微細開口部(215)の開口周縁に、下向きの段付き受け面を有する凹部領域(370)が凹み形成されており、
金属構造体は、基板接触面(375)と凹部領域(370)とを有して水平方向に伸びる下半部と、当該下半部から上方に向かって伸びる壁状の上半部とからなり、
上半部で区画される微細開口部(215)の上方側の開口形状は、下半部で区画される微細開口部(215)の下方側の開口形状よりも大きく形成されており、上半部の微細開口部(215)の上方側の開口内面と下半部の微細開口部(215)の下方側の開口内面との間には、上向きの面を有する段落ち部が形成されており、
金属構造体が、第1の金属構造体(340)と、第2の金属構造体(350)とを含み、該第2の金属構造体(350)は第1の金属構造体(340)の上面と側面とを覆うように形成されており、
上半部は、第1の金属構造体(340)の上方部と、該上方部の上面と側面とを覆う第2の金属構造体(350)により構成され、下半部は、第1の金属構造体(340)の下端部と、該下端部から水平方向に伸びる第2の金属構造体(350)により構成されていることを特徴とするマスク。
【請求項5】
微細開口部(215)の上方側の空隙(365)の上方開口の開口寸法が、凹部領域(370)の下方開口の開口寸法よりも大きく設定されている、請求項4記載のマスク。
【請求項6】
空隙(365)と凹部領域(370)とを繋ぐ連通部分が設けられており、
連通部分の壁面が下窄まり状に形成されている、請求項4又は5記載のマスク。
【請求項7】
空隙(365)の上方開口縁と、連通部分の下端開口縁とで規定される微細開口部(215)のテーパー角(α)が、40〜60°に設定されている、請求項4乃至6のいずれかひとつに記載のマスク。
【請求項8】
空隙(365)の上方開口縁がR状に形成されている、請求項4乃至7のいずれかひとつに記載のマスク。
【請求項9】
金属構造体が、14ミクロン/メートル/℃以下の熱膨張係数を有する金属材料で形成されている、請求項4乃至8のいずれかひとつに記載のマスク。
【請求項10】
ニッケル、ニッケル合金、コバルト合金、鉄−ニッケル合金、および鉄−ニッケル−コバルト合金から選択されるいずれか一つの金属を含み、且つ7ミクロン/メートル/℃以下の熱膨張係数を有する金属材料、或いは導電性金属層で被覆されたガラス材料からなることで上部に導電材料を有しており、該導電材料の一部を露出させる第1の開口部(318)を有する第1の絶縁材料(310)と、導電材料の一部を露出させる第2の開口部(335)を有する第2の絶縁材料(325)とを含むマンドレル(305)を作製する工程と、
マンドレル(305)を電解浴に曝して、第1の電着工程で第2の開口部(335)内に第1の金属構造体(340)を形成する工程と、
マンドレル(305)を電解浴に曝して、第2の電着工程で第1の開口部(318)内および第1の金属構造体(340)を取り囲むように第2の金属構造体(350)を形成する工程と、
マンドレル(305)から第1の金属構造体(340)と第2の金属構造体(350)とを分離する工程と、
を含む、マスクの製造方法。
【請求項11】
第1の金属構造体(340)および第2の金属構造体(350)が、14ミクロン/メートル/℃以下の熱膨張係数を有する金属材料で形成されている、請求項10に記載のマスクの製造方法
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示の実施形態は微細パターンが形成されたシャドウマスクを利用した、基板上への電子デバイスの形成に関する。具体的には、本明細書で開示される実施形態は、有機発光ダイオード(OLED)の製造において利用される、微細パターンが形成された金属マスクのための方法および装置に関する。
【関連技術の説明】
【0002】
テレビスクリーン、携帯電話用ディスプレイ、コンピュータ用モニタなどのフラットパネルディスプレイの製造において、OLEDが注目されている。OLEDは、発光層が特定の有機化合物の複数の薄膜を含む、特別な種類の発光ダイオードである。OLEDはまた、一般の空間照明にも使用することができる。OLEDの画素は光を直接放出し、かつバックライトを必要としないため、OLEDディスプレイで可能な色、輝度、および視野角の範囲は、従来のディスプレイのものよりも大きい。従って、OLEDディスプレイのエネルギー消費量は従来のディスプレイのエネルギー消費量よりもかなり低い。更に、OLEDはフレキシブル基板上に製造することができるという事実によって、ロールアップディスプレイまたは更にフレキシブルメディア内に組み込まれたディスプレイなどのような新しい応用への道が開かれている。
【0003】
現在のOLED製造では、複数のパターン形成されたシャドウマスクを利用した、基板上への有機材料の蒸着および金属の堆積が必要である。蒸着および/または堆積中の温度により、マスク材料は、低い熱膨張係数(CTE)を有する材料で作製される必要がある。CTEが低いことにより、基板に対するマスクの移動を防止または最小限にする。従って、マスクは低CTEを有する金属材料で作製されてもよい。典型的には、マスクは、約200ミクロン(μm)〜約1ミリメートルの厚さを有する金属シートを所望の厚さ(例えば約20μm〜約50μm)に圧延することで作製される。圧延金属シート上にフォトレジストが所望のパターンで形成され、フォトリソグラフィ工程で露光される。次に、フォトリソグラフィによって形成されたパターンを有する圧延金属シートを化学的にエッチングして微細開口部が作られる。
【0004】
しかし従来のマスク形成工程には限界がある。例えば、解像度への要求が増加するにつれてエッチング精度はより困難になる。加えて、歩留まりを向上させ、および/またはより大きなディスプレイを作製するために、基板の表面積は絶えず増加しているのに対して、マスクは基板を覆うには十分に大きくない場合がある。これは、低CTE材料の利用可能なシート寸法が限定されているからであり、圧延後でさえ十分な表面積を得ることはできない。更に、微細パターンに対する解像度が上がると、より薄いシートが必要になる。しかし、30μm未満の厚さを有するシートの圧延および取り扱いは困難である。
【0005】
従って、改善された微細金属シャドウマスクおよび微細金属シャドウマスクの製造方法が必要とされている。
【発明の概要】
【0006】
本開示の実施形態は、有機発光ダイオード製造のための、微細パターンが形成されたシャドウマスクのための方法および装置を提供する。
【0007】
一実施形態では、約7ミクロン/メートル/℃以下の熱膨張係数を有する材料を含み、その上部に導電材料が形成されたマンドレルと、前記導電材料の少なくとも一部分を露出させる複数の開口部がその間に形成され、各空隙部が約5ミクロン〜約20ミクロンの主寸法を有する空隙のパターンを有する絶縁材料とを含むマスクパターンが提供される。
【0008】
別の実施形態では、電鋳法によるマスクが提供される。電鋳法によるマスクは、金属層と、該金属層の一部を露出させる開口部を有する無機材料を含むパターン領域とを含み、約7ミクロン/メートル/℃以下の熱膨張係数を有するマンドレルを作製するステップと、前記マンドレルを電解浴に曝して、第1の電着工程で前記開口部内に複数の第1の金属構造体を形成するステップと、前記マンドレルを電解浴に曝して、第2の電着工程で前記開口部内に前記第1の金属構造体を取り囲む複数の第2の金属構造体を形成するステップと、前記マンドレルから前記マスクを分離するステップと、により形成される。
【図面の簡単な説明】
【0009】
上述した本開示の構成を詳細に理解できるように、上に簡単に要約した本開示のより具体的な説明は、添付図面に示したいくつかの実施形態を参照して行うことができる。しかし、添付図面は本開示の典型的な実施形態を示しているに過ぎず、本開示は他の同様に有効な実施形態を許容し得るので、従って本開示の範囲を限定すると解釈すべきではないことに留意すべきである。
【0010】
図1】本明細書に記載された実施形態を利用して製造することができるOLEDデバイスの等角分解図である。
【0011】
図2】微細金属マスクの一実施形態の概略平面図である。
【0012】
図3図3A図3Jは微細金属マスクの別の実施形態の形成方法を示す概略部分断面図である。
【0013】
図4】基板上にOLEDデバイスを形成するための装置の一実施形態を概略的に示す図である。
【0014】
図5】一実施形態による製造システムの概略平面図である。
【0015】
理解を容易にするために、図面に共通する同一の要素を示す際には、可能な限り同一の参照番号が使用される。一実施形態の要素および/または工程ステップは、追加の説明なしに他の実施形態に有益に組み込み得ると考えられる。
【発明を実施するための形態】
【0016】
本開示の実施形態は、有機発光ダイオード(OLED)の製造においてシャドウマスクとして使用され得る微細金属マスクのための方法および装置を提供する。例えば、基板上に複数層の薄膜が堆積される、真空蒸着工程または堆積工程において使用される微細金属マスクである。一例として、薄膜は、OLEDを含む基板上に、単一のまたは複数のディスプレイの一部を形成することができる。薄膜は、OLEDディスプレイの作製において使用される有機材料に由来することができる。基板は、ガラス、プラスチック、金属箔、または電子デバイス形成に好適な他の材料で作製することができる。本明細書で開示した実施形態は、カリフォルニア州サンタクララのアプライドマテリアルズ社(Applied Materials,Inc.)の子会社のAKT,Inc.から入手可能なチャンバおよび/またはシステムで実施することができる。本明細書で開示した実施形態はまた、他の製造者からのチャンバおよび/またはシステムにおいて実施することができる。
【0017】
図1はOLEDデバイス100の等角分解図である。OLEDデバイス100は基板115上に形成することができる。基板115は、ガラス、透明プラスチック、または電子デバイス形成に好適な他の透明材料で作製することができる。いくつかのOLEDデバイスにおいて、基板115は金属箔であってもよい。OLEDデバイス100は、2つの電極125および130の間に挟まれた1つ以上の有機材料層120を含む。電極125は酸化インジウムスズ(ITO)または銀(Ag)などの透明材料であってもよく、アノードまたはカソードとして機能してもよい。いくつかのOLEDデバイスでは、電極125と基板115との間にトランジスタ(図示せず)を配置することもできる。電極130は金属材料であってもよく、カソードまたはアノードとして機能してもよい。電極125および130に通電すると、有機材料層120内で光が発生する。光は、有機材料層120の対応するRGB膜から発生した赤色R、緑色G、および青色Bの1つまたはこれらの組合せであってもよい。赤色R、緑色G、および青色Bの有機膜の各々は、OLEDデバイス100のサブピクセルアクティブ領域135を含むことができる。材料の変更ならびにカソードおよびアノードの位置は、OLEDデバイスが利用されるディスプレイの種類に拠る。例えば、「表面照射」ディスプレイでは光はデバイスのカソード側を通して放出され、「裏面照射」デバイスでは光はデバイスのアノード側を通して放出される。
【0018】
図示されていないが、OLEDデバイス100はまた、電極125および130と、有機材料層120との間に配置された、1つ以上の正孔注入層および1つ以上の電子輸送層を含むことができる。加えて、図示されていないが、OLEDデバイス100は、白色光発生のためのフィルム層を含むことができる。白色光発生のためのフィルム層は、有機材料層120内のフィルム、および/またはOLEDデバイス100内に挟まれたフィルタであってもよい。OLEDデバイス100は、当該技術分野において既知のとおり、単一のピクセルを形成することができる。有機材料層120、および白色光発生のためのフィルム層(使用される場合)、ならびに電極125および130は、本明細書に記載されるような微細金属マスクを使用して形成することができる。
【0019】
図2は、微細金属マスク200の一実施形態の概略平面図である。微細金属マスク200は、フレーム210に結合された複数のパターン領域205を含む。パターン領域205は基板上での材料の堆積を制御するために利用される。図1に示し記載したように、例えば、パターン領域205は、OLEDデバイス100の形成において有機材料および/または金属材料の蒸着を制御するために利用することができる。パターン領域205は、堆積される材料が、基板のまたは先に堆積した層上の望ましくない領域に付着することを阻止する一連の微細開口部215を有する。こうして、微細開口部215は、基板の特定の領域上または堆積した層上に堆積をもたらす。微細開口部215は、円形、楕円形または矩形であってもよい。微細開口部215は、約5ミクロン(μm)〜約20μm、またはそれよりも大きな主寸法(例えば直径または他の内寸)を有することができる。パターン領域205は、典型的には、約10μm〜約50μmなどの約5μm〜約100μmのオーダの断面厚さを含む。パターン領域205は、溶接または締結具(図示せず)によってフレーム210に結合されていても良い。一例において、その上に配置された複数のパターン領域205を有する単一のマスクシートに張力をかけてフレーム210に溶接することができる。別の例では、複数のストリップであって、その各々が製造されるディスプレイと同様の幅を有する複数のパターン領域205を有する複数のストリップに張力をかけてフレーム210に溶接することができる。フレーム210は、微細金属マスク200に安定性を付与するために約10ミリメートル(mm)以下の断面厚さを有することができる。
【0020】
パターン領域205ならびにフレーム210は、温度変化中の微細開口部215の移動に抗する、低い熱膨張係数(CTE)を有する材料で作製することができる。低CTEを有する材料の例として、ニッケル(Ni)、モリブデン(Mo)、チタン(Ti)、クロム(Cr)、タングステン(W)、タンタル(Ta)、バナジウム(V)、これらの合金、およびこれらの組み合わせ、ならびに他の低CTE材料の中でも鉄(Fe)とNiの合金、が挙げられる。低CTE材料は、堆積された材料の精度を提供する微細金属マスク200内での寸法安定性を維持する。本明細書で開示されたような低CTE材料または金属は、約15ミクロン/メートル/℃以下、例えば約14ミクロン/メートル/℃以下、または約13ミクロン/メートル/℃以下のCTEであってもよい。
【0021】
図3A図3Jは微細金属マスク300の一実施形態の形成方法を示す概略部分断面図である。図3Iに微細金属マスク300の一部を示す。本方法は、微細金属マスク300(図3Iに示す)を形成するために使用するマスクパターン302を含む。マスクパターン302は、二酸化ケイ素(SiO)、窒化ケイ素(SiN、またはSiなどのSi)二酸化チタン(TiO)、または類似材料などの無機絶縁膜である第1の絶縁材料310で被覆されたマンドレル305を含む。
【0022】
マンドレル305は、約7ミクロン/メートル/℃以下の熱膨張係数を有する金属材料であってもよい。例としては、ニッケル、ニッケル合金、ニッケル:コバルト合金などが挙げられる。いくつかの実施形態では、マンドレル305は、Fe:Ni合金およびFe:Ni:Co合金を含む超低CTE材料であってもよく、中でも、INVAR(登録商標)(Fe:Ni 36)、SUPER INVAR 32−5(登録商標)の商標名にて販売されている金属を含んでもよい。代替として、マンドレル305は、微細金属マスク300が形成される側を銅(Cu)などの薄い導電性金属層で被覆したガラス材料であってもよい。
【0023】
マンドレル305の厚さ312は約0.1ミリメートル(mm)〜約10mmであってもよい。第1の絶縁材料310の厚さ313は、約0.1ミクロン(μm)〜約2μmであってもよい。いくつかの実施形態では、第1の絶縁材料310の厚さ313は、微細金属マスク300内の微細開口部215の構造を形成するために使用される。第1の絶縁材料310は、プラズマ促進化学蒸着法(PECVD)、物理蒸着法(PVD)、インクジェット印刷、蒸着、スピンコーティング、スロットダイコーティング、ブレードコーティング、転写印刷、またはこれらの組合せ、ならびに他の堆積方法などの各種手段によって堆積することができる。
【0024】
図3Aに示すような第1の絶縁材料310は、既知のフォトリソグラフィ技術を利用してパターン形成することができる。例えば、第1の絶縁材料310を電磁エネルギー303に曝して、マスクパターン302(図3Bに示す)上に絶縁パターン315を提供することができる。マスク(図示せず)を第1の絶縁材料310の上方に置いて、図3Bに示すように第1の絶縁材料310内に第1の開口部318の所望のパターンを設け、マンドレル305の一部を露出させることができる。
【0025】
図3Cにおいて、その上に形成された絶縁パターン315を有するマスクパターン302は第2の絶縁材料325で被覆されている。第2の絶縁材料325は、ルクセンブルクのAZ Electronic Materialsから入手可能なAZ(登録商標)9260、Dow Chemical Companyから入手可能なSPR(登録商標)220、または日本国神奈川県川崎市の東京応化工業株式会社から入手可能な商標名PMER−P−WE300で販売されているフォトレジスト材料などのポジ型フォトレジスト材料であってもよい。第2の絶縁材料325は実質的に絶縁パターン315を覆い、かつ第1の絶縁材料310内の開口部318を充填することができる。
【0026】
図3Dでは、ポジティブパターン320が絶縁パターン315の中または上に形成される。ポジティブパターン320は、電磁エネルギー303に曝され、マスクパターン302上にポジティブパターン320を提供することができる。マスク(図示せず)をマスクパターン302の上方に置いて、マンドレル305の一部が露出された、所望のパターンの第2の開口部335を設けることができる。第2の開口部335は、第1の開口部318の内寸よりも小さい内寸を有してもよく、第1の開口部318と同心であってもよい。
【0027】
ポジティブパターン320の形成後、マンドレル305上のマスクパターン302を電解浴(図示せず)内に置くことができる。浴は、その中に低CTEの金属が溶解した材料を含む。低CTEを有する材料の例として、モリブデン(Mo)、チタン(Ti)、クロム(Cr)、タングステン(W)、タンタル(Ta)、バナジウム(V)、これらの合金、およびこれらの組み合わせ、ならびに他の低CTE材料の中でも、鉄(Fe)とニッケル(Ni)の合金、鉄(Fe)とニッケル(Ni)とコバルト(Co)の合金、が挙げられる。Fe:Ni合金およびFe:Ni:Co合金の例として、INVAR(登録商標)(Fe:Ni 36)、SUPER INVAR 32−5(登録商標)の商標名にて販売されている金属を含んでもよい。
【0028】
電鋳技術によると、浴中のマンドレル305と低CTE金属との間に電気的バイアスが与えられる。図3Eに示すように、ポジティブパターン320を用いて、第2の開口部335、および第1の開口部318の一部は低CTE金属で充填され、マンドレル305上に第1の金属構造体340が設けられる。
【0029】
図3Fにおいて、第2の絶縁材料325は、電磁エネルギー303を使用した現像法、または他の除去技術などの、当該技術分野において既知の技術によって除去される。第2の絶縁材料325を除去すると、第1の絶縁材料310は(図3Bに示す絶縁パターン315と同様に)そのままで残り、第1の開口部318の残りの部分に第1の金属構造体340があり、それにより図3Gに示す第2のマスクパターン338が形成される。第2のマスクパターン338は、第1の開口部318内でマンドレル305の一部を露出させたままであり、第2の電鋳工程で使用することができる。
【0030】
図3Hにおいて、マンドレル305上の第2のマスクパターン338は電解浴(図示せず)内に置いてもよい。浴は、第1の金属構造体340(図3E)を形成する第1の電鋳工程において上述した1つ以上の材料を含む。浴中の金属は第1の電鋳工程の浴中の金属と同一でもよく、または異なっていてもよい。図3Hに示すように、第1の開口部318の残りの部分上に第2の金属構造体350が形成される。第2の金属構造体350はまた、第1の金属構造体340の周りに形成され、および/または第1の金属構造体340を取り囲んでいる。いくつかの実施形態では、第2の金属構造体350は第1の絶縁材料310を少なくとも部分的に覆う。
【0031】
図3I図3B図3Hのマスクパターン302によって生成された微細金属マスク300を示す。第1の金属構造体340(図3Gに示す)および第2の金属構造体350は、微細金属マスク300内の微細開口部215の境界355を形成する。境界355の少なくとも一部は、図2の微細金属マスク200のパターン領域205の一部に類似したパターン領域357を含む。境界355は、微細金属マスク300と一体であり、微細金属マスク300はマンドレル305および残りの第1の絶縁材料310から剥離してもよく、または別の方法で分離してもよい。微細金属マスク300は、境界355をそのままで、かつ形成時の位置に残す、剥離または他の方法によってマンドレル305から除去することができる。
【0032】
境界355の側壁360は、約50度などの約45度〜約55度の角度αを形成してもよい。用語「約」は、±3度〜±5度と定義することができる。空隙365はまた、境界355によって画定される微細開口部215内に形成することができる。いくつかの実施形態では、境界355のテーパ角αはまた、特定の角度において、(図1のOLEDデバイス100のサブピクセルアクティブ領域135に堆積された)有機材料をシャドウイングすることにより堆積の均一性をもたらす。シャドウ効果を引き起こすために、境界355の間に形成された空隙365は、図1のOLEDデバイス100のサブピクセルアクティブ領域135よりも大幅に大きくてもよい。一実施形態では、空隙365はサブピクセルアクティブ領域の表面積の約4倍よりも大きい開口領域を画定することができる。いくつかの実施形態では、境界355は典型的には、サブピクセルアクティブ領域135よりも各辺が12μm大きい。一例として、インチ当たり470ピクセル(ppi)のサブピクセルアクティブ領域135は、約6μm×約36μmの長さ×幅を含むことができ、微細開口部は約18μm×約48μmとなるであろう。しかし、1つのサブピクセルの有機材料が別のサブピクセル上に堆積されるべきではないため(例えば、赤色の上には青色または緑色がなく、青色の上には赤色または緑色がない)、開口寸法は限定される。
【0033】
図3Iに示すいくつかの実施形態では、凹部領域370が微細金属マスク300の基板接触面375(例えば、基板に接触する側)上に形成される。凹部領域370は、第1の絶縁材料310の厚さ313(図3Aに示す)によって与えられる深さで形成することができる。凹部領域370はまた、第1の絶縁材料310の表面積(図3Cに示す)と実質的に等しい長さ×幅の寸法(例えば、表面積)を含むことができる。凹部領域370の表面積および/または深さの変更は、第1の絶縁材料310の寸法を変更することにより提供することができる。
【0034】
図3Jは微細金属マスク300を除去した後のマスクパターン302を示す。マスクパターン302は、上に絶縁パターン315が形成された図3Bに示す装置と類似しており、図3B図3Hで説明した工程によって別の微細金属マスクを形成するために、適宜、再利用することができる。代替の形成工程では、図3F図3Gの形成ステップは逆にすることができる。
【0035】
図4は、基板405上にOLEDデバイスを形成するための装置400の一実施形態を概略的に示す。装置400は、基板405が実質的に垂直方向に担持される堆積チャンバ410を含む。基板405は、堆積源420に隣接するキャリア415により担持されていてもよい。微細金属マスク425は基板405と接触させられ、堆積源420と基板405との間に配置される。微細金属マスク425は、本明細書に記載されたような微細金属マスク200または300のいずれか1つであってもよい。微細金属マスク425は、締結具(図示せず)、溶接または他の好適な接合方法により、張力が付与されフレーム430に結合されてもよい。一実施形態では、堆積源420は基板405の正確な領域上に蒸着される有機材料であってもよい。有機材料は、本発明に記載された形成方法に従って、境界440の間の微細金属マスク425内に形成された微細開口部435を通って堆積される。本明細書に記載されたような微細金属マスク200または300は、1つのパターンまたは複数のパターンの微細開口部435を有する単一のシートを含むことができる。代替として、本明細書に記載されたような微細金属マスク200または300は、様々な寸法の基板に適応するために、1つのパターンまたは複数のパターンの微細開口部435が内部に形成され、張力が付与されフレーム430に結合された、一連のシートであってもよい。
【0036】
図5は一実施形態による製造システム500の概略平面図である。システム500は、電子デバイス、特にその中に有機材料を含む電子デバイスを製造するために使用することができる。例えば、デバイスは、電子デバイス、またはオプトエレクトロニクスデバイス、特にディスプレイなどの半導体デバイスであってもよい。
【0037】
本明細書に記載された実施形態は、特に、例えば大面積基板上にディスプレイを製造するための材料の堆積に関する。製造システム500内の基板は、キャリア上で製造システム500全体にわたって移動させることができ、キャリアは静電引力またはその組合せによって1つ以上の基板をその縁部で担持することができる。いくつかの実施形態によると、大面積基板、または1つ以上の基板を担持するキャリア、例えば大面積キャリアは、少なくとも0.174mの寸法を有することができる。典型的には、キャリアの寸法は約0.6平方メートル〜約8平方メートル、より典型的には約2平方メートル〜約9平方メートル、または更に最大12平方メートルであってもよい。典型的には、基板を担持しかつ本明細書に記載された実施形態による保持構成、装置、および方法が提供される矩形領域は、本明細書に記載されたような大面積基板用の寸法を有するキャリアである。例えば、単一の大面積基板の面積に相当するであろう大面積キャリアは、約1.4平方メートルの基板(1.1m×1.3m)に対応するGEN5、約4.29平方メートルの基板(1.95m×2.2m)に対応するGEN7.5、約5.7平方メートルの基板(2.2m×2.5m)に対応するGEN8.5、または更に約8.7平方メートルの基板(2.85m×3.05m)に対応するGEN10、とすることができる。GEN11およびGEN12などの更により大きな世代および対応する基板面積も、同様に実装することができる。本明細書に記載されたような微細金属マスク200または300は、適宜、サイズを決めることができる。
【0038】
典型的な実施形態によると、基板は材料堆積に好適な任意の材料から作製することができる。例えば、基板は、ガラス(例えばソーダ石灰ガラス、ホウケイ酸ガラスなど)、金属、ポリマー、セラミック、複合素材、炭素繊維材料、または堆積工程によって被覆することができる任意の他の材料もしくはその材料の組合せ、からなる群から選択される材料で作製することができる。
【0039】
図5に示される製造システム500は、ロードロックチャンバ502を含み、ロードロックチャンバ502は水平の基板ハンドリングチャンバ504に連結される。上述したような大面積基板などの基板405(破線で輪郭を示す)は、基板ハンドリングチャンバ504から真空スイングモジュール508に移送することができる。真空スイングモジュール508は、基板405をキャリア415上の水平位置にロードする。基板405をキャリア415上の水平位置にロードした後、真空スイングモジュール508は、その上に基板405を有するキャリア415を垂直方向または実質的に垂直方向に回転させる。その上に基板405を含むキャリア415は次いで、第1の移送チャンバ512Aおよび少なくとも1つの後続の移送チャンバ(512B〜512F)を通って垂直方向で移送される。1つ以上の堆積装置514を移送チャンバに連結することができる。更に、他の基板処理チャンバまたは他の真空チャンバを1つ以上の移送チャンバに連結することができる。基板405の処理後、その上に基板405を有するキャリアは、移送チャンバ512Fから出口真空スイングモジュール516の中に垂直方向で移送される。出口真空スイングモジュール516は、その上に基板405を有するキャリアを、垂直方向から水平方向に回転させる。その後、基板405は、アンロードされ、出口水平ガラスハンドリングチャンバ518に入ることができる。処理された基板405は、例えば、製造されたデバイスが薄膜封入チャンバ522Aまたは522Bの内の1つの中で封入された後、ロードロックチャンバ520を通って製造システム500からアンロードすることができる。
【0040】
図5には、第1の移送チャンバ512A、第2の移送チャンバ512B、第3の移送チャンバ512C、第4の移送チャンバ512D、第5の移送チャンバ512E、および第6の移送チャンバ512Fが設けられている。本明細書に記載された実施形態によると、少なくとも2つの移送チャンバが製造システム500に含まれる。いくつかの実施形態では、2つから8つの移送チャンバを製造システム500に含むことができる。いくつかの堆積装置、例えば図5の9つの堆積装置514が設けられ、堆積装置514の各々は堆積チャンバ524を有し、各々が例示的に移送チャンバの1つに連結されている。いくつかの実施形態によると、堆積装置の1つ以上の堆積チャンバはゲートバルブ526を介して移送チャンバに連結されている。
【0041】
堆積チャンバ524の少なくとも一部は、本明細書で記載されたような1つ以上の微細金属マスク200または300(図示せず)を含む。堆積チャンバ524の各々はまた、堆積源420(1つだけが示される)を含み、少なくとも1つの基板405上にフィルム層を堆積させる。いくつかの実施形態では、堆積源420は蒸着モジュールおよび坩堝を含む。更なる実施形態では、堆積源420は、それぞれのキャリア(図示せず)上で担持された2つの基板405上にフィルムを堆積するために、矢印で示した方向に移動可能であってもよい。基板405が垂直方向または実質的に垂直方向を向いており、堆積源420と各基板405との間に対応するパターン形成されたマスクがあるので、基板405上へ堆積が実施される。上述のように、パターン形成されたマスクの各々は、少なくとも第1の開口部を含む。詳細に上記で記載したように、第1の開口部は、パターン形成されたマスクのパターン領域の外側にフィルム層の一部を堆積するために利用することができる。
【0042】
基板を、対応するパターン形成されたマスクに対して位置合わせするために、位置合わせユニット528を堆積チャンバ524に設けることができる。また更なる実施形態によると、真空保守チャンバ530は、例えばゲートバルブ532を介して堆積チャンバ524に連結することができる。真空保守チャンバ530によって、製造システム500内の堆積源の保守が可能になる。
【0043】
図5に示すように、1つ以上の移送チャンバ512A〜512Fが、インライン搬送システムを提供するためのラインに沿って設けられる。いくつかの実施形態によると、デュアルトラック搬送システムが提供される。デュアルトラック搬送システムは、各移送チャンバ512A〜512F内に第1のトラック534および第2のトラック536を含む。デュアルトラック搬送システムは、基板を担持するキャリア415を、第1のトラック534および第2のトラック536の少なくとも1つに沿って移送するために利用することができる。
【0044】
また更なる実施形態によると、1つ以上の移送チャンバ512A〜512Fが真空回転モジュールとして設けられる。第1のトラック534および第2のトラック536は、少なくとも90度、例えば90度、180度または360度回転することができる。キャリア415などのキャリアは、トラック534および536上を直線的に移動する。キャリアは、堆積装置514の堆積チャンバ524の1つ、または以下に記載されている他の真空チャンバの内の1つの中に移送する位置において回転させることができる。移送チャンバ512A〜512Fは垂直に向いたキャリアおよび/または基板を回転させるように構成されており、例えば移送チャンバ内のトラックは垂直回転軸の周りを回転する。これは図5の移送チャンバ512A〜512F内の矢印によって示される。
【0045】
いくつかの実施形態によると、移送チャンバは10ミリバール未満の圧力下で基板を回転させるための真空回転モジュールである。また更なる実施形態によると、2つ以上の移送チャンバ(512A〜512F)内に別のトラックが設けられ、その内にはキャリア戻りトラック540が設けられる。典型的な実施形態によれば、キャリア戻りトラック540は第1のトラック534と第2のトラック536との間に設けることができる。キャリア戻りトラック540は、真空条件下で、空のキャリアを更なる出口真空スイングモジュール516から真空スイングモジュール508まで戻すことを可能にする。キャリアを、真空条件下で、および任意選択的に制御された不活性雰囲気(例えば、Ar、N、またはそれらの組み合わせ)下で戻すことで、キャリアの周囲空気への曝露が低減される。従って湿気との接触を低減または回避することができる。従って、製造システム500でのデバイス製造中のキャリアのアウトガスを低減することができる。これにより、製造されたデバイスの品質を改善することができ、および/またはキャリアを長期間にわたって洗浄せずに稼働させることができる。
【0046】
図5は更に、第1の前処理チャンバ542および第2の前処理チャンバ544を示す。ロボット(図示せず)または別の好適な基板ハンドリングシステムを、基板ハンドリングチャンバ504内に設けることができる。ロボットまたは他の基板ハンドリングシステムは、基板ハンドリングチャンバ504内のロードロックチャンバ502から基板405をロードし、基板405を1つ以上の前処理チャンバ(542、544)の中に移送することができる。例えば、前処理チャンバは、基板のプラズマ前処理、基板の洗浄、基板のUVおよび/またはオゾン処理、基板のイオン源処理、基板のRFまたはマイクロ波プラズマ処理、およびそれらの組み合わせ、からなる群から選択された前処理ツールを含むことができる。基板の前処理後に、ロボットまたは別のハンドリングシステムは、基板ハンドリングチャンバ504を介して、基板を前処理チャンバから真空スイングモジュール508の中に移送する。大気条件下で、基板ハンドリングチャンバ504内での基板のローディングおよび/または基板のハンドリングのために、ロードロックチャンバ502のベントを可能にするために、ゲートバルブ526が、基板ハンドリングチャンバ504と真空スイングモジュール508との間に設けられる。それに応じて、ゲートバルブ526が開放され、基板が真空スイングモジュール508の中に移送される前に、基板ハンドリングチャンバ504、および所望であればロードロックチャンバ502、第1の前処理チャンバ542、および第2の前処理チャンバ544の内の1つ以上が排気され得る。従って、基板のローディング、処置および処理は、基板が真空スイングモジュール508の中にロードされる前に、大気条件下で実施することができる。
【0047】
本明細書に記載された実施形態によると、基板が真空スイングモジュール508の中にロードされる前に実施することができる、基板のローディング、処置および処理は、基板が水平に向いているか、または基本的に水平に向いている間に実施される。図5に示すような、および本明細書に記載された更なる実施形態による製造システム500は、水平方向での基板ハンドリング、垂直方向での基板の回転、垂直方向での基板上への材料堆積、材料堆積後の水平方向での基板の回転、および水平方向での基板のアンローディングを併せ持つ。
【0048】
図5に示された製造システム500、ならびに本明細書に記載された他の製造システムは、少なくとも1つの薄膜封入チャンバを含む。図5は第1の薄膜封入チャンバ522A、および第2の薄膜封入チャンバ522Bを示す。1つ以上の薄膜封入チャンバは、封入装置を含み、堆積された材料および/または処理された材料が周囲空気および/または大気条件へ曝されることから保護されるように、堆積された層および/または処理された層、特にOLED材料は、処理された基板と別の基板との間に封入される、すなわち間に挟まれる。典型的には、薄膜封入は、2つの基板、例えばガラス基板の間に材料を挟むことによって提供することができる。しかし、薄膜封入チャンバの内の1つに設けられた封入装置によって、ガラス、ポリマーもしくは金属シートでの積層、またはカバーガラスのレーザ溶融のような他の封入方法を代替として適用してもよい。特に、OLED材料層は、周囲空気および/または酸素、ならびに湿気への曝露を被ることがある。従って、例えば図5に示すように、製造システム500は、処理された基板を出口ロードロックチャンバ520を介してアンロードする前に、薄膜を封入することができる。
【0049】
更なる実施形態によると、製造システムは、キャリアバッファ548を含むことができる。例えば、キャリアバッファ548は、真空スイングモジュール508に連結している第1の移送チャンバ512A、および/または最後の移送チャンバ、すなわち第6の移送チャンバ512Fに連結することができる。例えば、キャリアバッファ548は、真空スイングモジュールの1つに連結される移送チャンバの1つに連結することができる。基板が真空スイングモジュール内で、ロードおよびアンロードされるので、キャリアバッファ548が真空スイングモジュールに接近して設けられると有益である。キャリアバッファ548は、1つ以上、例えば5〜30のキャリアのための保管を提供するように構成される。バッファ内のキャリアは、例えば洗浄などの保守のために別のキャリアを交換する必要がある場合に、製造システム500の稼働中に使用することができる。
【0050】
また更なる実施形態によると、製造システムは更に、マスク棚550、すなわちマスクバッファを含むことができる。マスク棚550は、特定の堆積ステップのために保管しなければならない交換用のパターン形成されたマスクおよび/またはマスクのための保管を提供するように構成される。製造システム500を稼働する方法によれば、マスクは、第1のトラック534および第2のトラック536を有するデュアルトラック搬送設備を介して、マスク棚550から堆積装置514まで移送することができる。従って、堆積装置内のマスクは、堆積チャンバ524をベントすることなく、移送チャンバ512A〜512Fをベントすることなく、および/またはマスクを大気条件に曝すことなく、洗浄などの保守のため、または堆積パターンの変更のための、いずれかのために交換することができる。
【0051】
図5は更に、マスク洗浄チャンバ552を示す。マスク洗浄チャンバ552はゲートバルブ526を介してマスク棚550に連結している。従って、マスク棚550と、マスク洗浄用のマスク洗浄チャンバ552との間に真空密封を提供することができる。様々な実施形態によれば、本明細書に記載されたような微細金属マスク200または300は、プラズマ洗浄ツールなどの洗浄ツールによって製造システム500内部で洗浄することができる。プラズマ洗浄ツールは、マスク洗浄チャンバ552内に設けることができる。加えてまたは代替的に、図5に示すように、別のゲートバルブ554をマスク洗浄チャンバ552に設けることができる。従って、マスク洗浄チャンバ552だけをベントする必要はありながらも、マスクを製造システム500からアンロードすることができる。マスクを製造システムからアンロードすることにより、製造システムが完全に稼働し続けている間に、外部でのマスク洗浄を提供することができる。図5はマスク棚550に隣接するマスク洗浄チャンバ552を示す。対応するまたは類似の洗浄チャンバ(図示せず)もまた、キャリアバッファ548に隣接して設けることができる。洗浄チャンバをキャリアバッファ548に隣接して提供することにより、キャリアは製造システム500内で洗浄することができ、または洗浄チャンバに連結されたゲートバルブを通して製造システムからアンロードすることができる。
【0052】
本明細書に記載されたような微細金属マスク200または300の実施形態は、高解像度ディスプレイの製造において利用することができる。一実施形態によると、本明細書に記載されたような微細金属マスク200または300は、約750mm×650mmの寸法を含むことができる。この寸法の微細金属マスクは2次元で張力が付与されたフルシート(750mm×650mm)であってもよい。代替として、この寸法の微細金属マスクは、750mm×650mmの領域を覆う、一次元で張力が付与された一連のストリップであってもよい。より大型の微細金属マスクの寸法は、約920mm×約730mm、GEN6ハーフカット(約1500mm×約900mm)、GEN6(約1500mm×約1800mm)、GEN8.5(約2200mm×約2500mm)、およびGEN10(約2800mm×約3200mm)を含む。少なくともより小さな寸法においては、本明細書に記載されたような微細金属マスク200または300の微細開口部の間のピッチの許容度は、長さ160mm当たり約±3μmであってもよい。
【0053】
本明細書に記載されたような微細金属マスク200または300の製造において電鋳技術を利用することには、従来の形成工程に優る実質的な利点がある。従来のマスクにおける標準的な開口部寸法は、マスクに微細開口部を形成する時の化学エッチング工程の変動に起因する、約±2μm〜5μmの変動を有し得る。対照的に、本明細書に記載されたようなマスクパターン302はフォトリソグラフィ技術により形成される。従って、微細開口部の寸法の変動は約0.2μm未満である。これは、解像度が向上するにつれて利点をもたらす。従って、本明細書に記載されたような微細金属マスク200または300は、(フォトリソグラフィ技術による、より良い制御ゆえに)より均一な開口部寸法を有することができる。本明細書に記載されたような微細金属マスク200または300はまた、非常に一貫したマスク対マスクの均一性を有することができる。均一性は、開口部寸法だけでなくピッチ精度においても改善することができ、ならびに他の特性においても改善することができる。
【0054】
本明細書に記載されたような微細金属マスク200または300を使用して、図1に示すOLEDデバイス100のサブピクセルアクティブ領域135を高精度で形成することができる。例えば、OLEDデバイス100の有機材料層120のRGB層の各々の均一性は高く、例えば約95%よりも高い、または98%よりも高い。本明細書に記載されたような微細金属マスク200または300は、これらの精度の許容度を満足する。
【0055】
上述の内容は本開示の実施形態に向けられているが、本開示の他のおよび更なる実施形態が、本開示の基本的な範囲から逸脱することなく考案され得る。従って、本開示の範囲は以下の特許請求の範囲によって決定される。
図1
図2
図3
図4
図5