【文献】
プライムポリプロ(フィルム)銘柄物性表 (PP;Film) [ONLINE],日本,株式会社プライムポリマー,2019年 3月31日,[2020年1月15日検索],インターネット,,URL,http://www.primepolymer.co.jp/product/pp/pdf/primepp-f_201907.pdf
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【背景技術】
【0002】
生鮮野菜、青果物の鮮度保持のためには、適切な温度、湿度条件の維持のもと酸素や二酸化炭素、エチレンガスなどのコントロールがきわめて重要である。オープン包装や無包装の場合、酸素は常に青果物に供給されるため、呼吸を抑制することができず、また蒸散による萎れも抑制できない。一方、ガスバリア性の高いフィルムで、青果物を包装した場合には、酸素は消費されるため、青果物にとっては極端な酸素不足、すなわち嫌気呼吸に陥る。このような状態ではエタノールやアセトアルデヒド等の異臭を発生する原因となってしまう。
【0003】
鮮度保持に適切な気体の環境を得る手段としてModified Atmosphere(MA)包装が挙げられる。MA包装では、生鮮野菜の呼吸速度と包装材料のガス透過性より鮮度保持効果が決定される。
しかし、青果物の呼吸量と包装フィルムのガス透過性によって、包装フィルム内のガス濃度組成は大きく変化するため、厳密にコントロールすることは難しい。このため、フィルムに微細な貫通孔を開ける方法や、フィルム表面に未貫通孔(凹凸、切れ込みなど)を施すことで気体透過性を改良したものが使用されている。
【0004】
例えば、特許文献1には合成フィルムにレーザー照射による貫通孔を開ける手法を用いて、その孔の大きさや数から開孔面積比率を変化させることで、気体透過性を制御し、包装フィルム内の青果物の鮮度保持期間を長くする手法が開示されている。
【0005】
また、特許文献2には、有機系フィルムに500個/cm
2以上の微細な未貫通孔を開け、薄膜部の厚みが10μm以下であるフィルムが開示されている。酸素透過度を6,000〜20,000cc/m
2・day・atmに制御することで、青果物包装材として好適に用いることができる。
【0006】
さらに、特許文献3には、エチレン−酢酸ビニル共重合体などのオレフィン系重合体樹脂に、融点が160℃以下のポリエステル共重合体樹脂を配合することで、結晶構造、結晶形態が違いから、フィルム内に微細な隙間を形成させ、ガス透過性を向上させる手法が開示されている。
【0007】
しかし、特許文献1、2に記載されているフィルムは、非常に優れた気体透過性を示すが、製造のためにはフィルムの二次加工が必要である。また、特許文献3に記載のフィルムでは二次成形を必要とはしないが、オレフィン系重合体樹脂に対しポリエステルを混合しているため、透明性が悪化し、内容物の視認性の悪さから消費者の購買意欲の低下につながることが考えられる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
上記課題を鑑み、本発明は、透明性、酸素透過性、水蒸気透過性のバランスに優れ、二次加工を必要としない青果物包装用フィルムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明者らは、特定のエチレン共重合体を主成分とする内層と、その両面のプロピレン重合体を主成分とする両外層から構成された青果物包装用フィルムにより、かかる課題を解決することに着目し本発明を完成するに至った。本発明の要旨は以下の通りである。
【0011】
[1] エチレン−酢酸ビニル共重合体、またはエチレン−アクリル酸エステル共重合体から選択されるエチレン共重合体を主成分とする内層と、その両面のプロピレン重合体を主成分とする両外層から構成される、以下の(1)、(2)の特徴を有する青果物包装用フィルム。
(1)JIS K7126−2により測定される厚み50μmフィルムの酸素透過度が6,000cc/m
2・day・atm以上、20,000cc/m
2・day・atm以下。
(2)JIS K7129により測定される厚み50μmフィルムの水蒸気透過度が1g/m
2・day以上、100g/m
2・day以下。
[2] 前記プロピレン樹脂が、プロピレン−エチレンランダム共重合体である[1]に記載の青果物包装用フィルム。
[3] エチレン−酢酸ビニル共重合体、またはエチレン−アクリル酸エステル共重合体から選択されるエチレン共重合体を主成分とする内層と、その両面のプロピレン重合体を主成分とする両外層の厚みの合計との比が、内層/両外層=0.1/1〜10/10の範囲であることを特徴とする[1]または[2]に記載の青果物包装用フィルム。
[4] [1]〜[3]のいずれかに記載のフィルムを用いた青果物包装袋。
【発明の効果】
【0012】
本発明が提案する青果物包装用フィルムは、透明性、酸素透過性、水蒸気透過性のバランスに優れることから、青果物などの内容物の長期保存のために好適に用いることができる。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下に本発明の実施の形態を詳細に説明するが、以下の内容に限定されず適宜変形して実施することができる。本発明において、主成分と表現した場合、成分として、好ましくは80重量%以上、より好ましくは90重量%以上、さらに好ましくは95重量%以上含むことをいう。
【0014】
1.青果物包装用フィルム
本発明の青果物包装用フィルム(以下、「本フィルム」ということがある。)は、エチレン−酢酸ビニル共重合体、またはエチレン−アクリル酸エステル共重合体から選択されるエチレン共重合体を主成分とする内層と、その両面のプロピレン重合体を主成分とする両外層から構成され、以下の(1)、(2)の特徴を有する。
(1)JIS K7126−2により測定される厚み50μmフィルムの酸素透過度が6,000cc/m
2・day・atm以上、20,000cc/m
2・day・atm以下。
(2)JIS K7129により測定される厚み50μmフィルムの水蒸気透過度が1g/m
2・day以上、100g/m
2・day以下。
【0015】
本フィルムは酸素透過性に優れるものであり、JIS K7126−2:2006に基づき測定される厚み50μmフィルムの酸素透過度の値が6,000cc/m
2・day・atm以上、20,000cc/m
2・day・atm以下である。酸素透過度の値が上記範囲であれば、本フィルムが特に酸素透過性に優れ、青果物を包装した際にもフィルム外部の酸素を適度に取り入れることができ、青果物包装用フィルムとしての効果を発揮する。
【0016】
本フィルムは水蒸気透過性に優れるものであり、JIS K7129:2008に基づき測定される厚み50μmフィルムの水蒸気透過度の値が1g/m
2・day以上、100g/m
2・day以下であることが好ましく、10g/m
2・day以上、50g/m
2・day以下であることがさらに好ましい。水蒸気透過度が上記範囲であれば、蒸散の激しい青果物を包装した際の萎れを抑制することができ、適度に蒸気を放出することからフィルム内部に水滴が溜まらず、余分な水分が付着することによる内容物の腐敗を抑制することができる。
【0017】
本フィルムは透明性に優れるものであり、JIS K7129:2008に基づき測定される全ヘーズ値が10%以下であることが好ましく、5%以下であることがさらに好ましい。全ヘーズの値が上記範囲であれば、特に透明性に優れるものとなる。
【0018】
本フィルムの厚みは、特に限定するものではないが、例えば加工性、実用性を考慮した場合、15μm以上、100μm以下であることが好ましく、20μm以上、80mm以下であることがより好ましく、25μm以上、60μm以下であることがさらに好ましい。本フィルムの厚みが係る範囲の厚みであれば、透明性、酸素透過性、水蒸気透過性のバランスに優れる。
【0019】
本フィルムの積層比は、透明性、酸素透過性、水蒸気透過性を阻害するものでなければ特に限定するものではないが、エチレン−酢酸ビニル共重合体、またはエチレン−アクリル酸エステル共重合体から選択されるエチレン共重合体を主成分とする内層と、その両面のプロピレン重合体を主成分とする両外層の厚みの合計との比が、内層/両外層=0.1/1〜10/1の範囲であることが好ましい。層構成比が上記範囲であれば、透明性、酸素透過性、水蒸気透過性のバランスに優れる。
【0020】
本フィルムの製造方法は、特に限定されるものではない。本フィルムの成形方法としては公知の方法、例えば、共押出、押出ラミネート、熱ラミネート、ドライラミネート等の方法を用いることができる。この中でも特に3層以上の積層体を成形する場合は生産性の面より共押出法を用いることが好ましい。
【0021】
共押出法の場合、本フィルムの各層を構成する樹脂、及び添加剤を複数台の押出機を用いてフィードブロック、あるいはマルチマニホールドダイを通じ樹脂を合流させ、多層体を成形する。本フィルムの強度や耐衝撃性をさらに向上するには、前記工程で得られた多層体をロール法、テンター法、チューブラー法等で一軸、あるいは、二軸に延伸することもできる。
【0022】
本フィルムは青果物包装体として用いた時、気体透過性、水蒸気透過性のバランスに優れることから、青果物の保存性に優れる。本フィルムにて包装し保存することで、蒸散の激しい生鮮野菜、中であるルッコラ、ほうれん草などを長期に保存することができる。
【0023】
本フィルムの用途は特に制限されるものではないが、透明性、酸素透過性、水蒸気透過性のバランスに優れることから、例えば、花などの鮮度を保持するMAフィルムや、その他包装フィルム、さらには細胞の3次元培養用プレートなどのバイオメディカル分野にも好適に用いることが出来ると考えられる。
【0024】
以下、本発明の青果物包装用フィルムを構成する内層、外層について詳述する。
【0025】
2.内層
本発明の青果物包装用フィルムの内層は、エチレン−酢酸ビニル共重合体、またはエチレン−アクリル酸エステル共重合体から選択されるエチレン共重合体を主成分とする。
【0026】
エチレン−酢酸ビニル共重合体中の酢酸ビニル成分、エチレン−アクリル酸エステル共重合体中のアクリル酸エステル成分の含有量は1〜50重量%であり、5〜40重量%であることが好ましく、10〜30重量%であることがより好ましい。酢酸ビニル成分、アクリル酸エステル成分が1重量%以上の場合、優れた酸素透過性を発現できる。一方、50重量%を超える場合、酸成分による臭気やフィルム表面へのブリードやブロッキングなどが懸念される。
【0027】
エチレン共重合体は通常、MFR(JIS K7210:1999、190℃、2.16kg荷重)が0.1〜50g/10分の範囲にある。MFRが上記範囲にあることにより良好な流動性を示し、他の成分と配合や共押出などによる多層フィルムの製膜が容易となる。
【0028】
エチレン共重合体は、必要に応じて、防曇剤、帯電防止剤、酸化防止剤、ヒンダードアミン系化合物等の光安定剤、滑剤、アンチブロッキング剤、紫外線吸収剤、無機充填剤、顔料等の着色剤、等の各種添加剤を含んでいてもよい。
【0029】
3.外層
本発明の青果物包装用フィルムの両面の外層はプロピレン重合体を主成分とする。
【0030】
本発明で使用されるプロピレン重合体はホモポリプロピレン、ランダムポリプロピレンなど特に制限されないが、柔軟性、透明性、柔軟性の観点からプロピレン−エチレンランダム共合体であることが好ましい。
【0031】
プロピレン−エチレンランダム共重合体の場合、そのエチレン成分含有量は1〜20重量%であることが好ましく、2〜10重量%であることがより好ましい。エチレン成分含有量がかかる範囲である場合、優れた柔軟性、透明性を発現できる。
【0032】
プロピレン重合体は通常、MFR(JIS K7210:1999、190℃、2.16kg荷重)が0.1〜50g/10分の範囲にある。MFRが上記範囲にあることにより良好な流動性を示し、他の成分と配合や共押出などによる多層フィルムの製膜が容易となる。
【0033】
プロピレンを重合する際の触媒については特に制約はないが、メタロセン触媒を用いていることが好ましい。メタロセン触媒を用いたプロピレン重合体は、チーグラー・ナッタ触媒を用いたプロピレン重合体よりも、分子量分布が狭く、結晶性分布が狭く、低結晶性成分の生成量が少ないために、剛性が高く、耐ブロッキング性能に優れるという特徴があることに加え、特に空冷インフレーション成形を行った際、得られるフィルムが透明性に優れるという特徴があるからである。
【0034】
メタロセン触媒は一般的に、(i)シクロペンタジエニル骨格を有する配位子を含む周期表第4族の遷移金属化合物(いわゆるメタロセン化合物)と、(ii)メタロセン化合物と反応して安定なイオン状態に活性化しうる助触媒と、必要により、(iii)有機アルミニウム化合物とからなる触媒である。メタロセン化合物は、好ましくはプロピレンの立体規則性を有する重合が可能となる架橋メタロセン化合物であり、より好ましくはプロピレンのアイソ規則性を有する重合が可能となる架橋メタロセン化合物である。
【0035】
プロピレン重合体の製造方法については、特に制限はなく、従来のスラリー重合法、バルク重合法、気相重合法等のいずれでもよい。また、多段重合法を利用して、プロピレン重合体を製造してもよい。市販のものとしては、例えば、日本ポリプロ社製商標名「ノバテックPP」、「ウィンテック」、「ニューコン」、「ウェルネクス」、エクソンモービル社製商標名「ビスタマックス」、ダウケミカル社製商標名「バーシファイ」などが例示でき、これらの商品群より適宜選択して、単独もしくは組み組み合わせて、使用することができる。
【0036】
外層を形成するプロピレン重合体は、中間層を形成するエチレン共重合体と同様に、必要に応じて、帯電防止剤、酸化防止剤、ヒンダードアミン系化合物等の光安定剤、滑剤、紫外線吸収剤、耐ブロッキング剤、無機充填剤、顔料等の着色剤等の各種添加剤を含んでいてもよい。
【0037】
得られる青果物包装用フィルムの特性を損なわない範囲であれば、上記エチレン共重合体、及び/又は、プロピレン重合体に対して、これら以外の樹脂、具体的には、低密度ポリエチレン、線状低密度ポリエチレン及び超低密度ポリエチレン等のポリエチレン、エチレン−アクリル酸エステル共重合体、エチレン−メタアクリル酸エステル共重合体、エチレン−エタアクリル酸エステル共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体等のエチレン共重合体、ポリプロピレン、プロピレン−エチレン共重合体等のプロピレン系重合体、ポリブテン、ブテン−α−オレフィン共重合体等のブテン系重合体、水素添加スチレン−ブタジエンゴム、水素添加スチレン−イソプレンゴム等の水素添加ゴム等を混合してもよい。
【0038】
以下に実施例を示し、本発明を更に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではなく、本発明の技術的思想を逸脱しない範囲内で種々の応用が可能である。
【0039】
<測定及び評価方法>
実施例・比較例で得たフィルムサンプルの各種物性値の測定方法及び評価方法について説明する。
(1)透明性(全光線透過率、ヘーズ)
JIS K7136:2000に基づいて、全光線透過率および拡散透過率を測定し、ヘーズを以下の式で算出した。厚み50μmにおける全光線透過率が90%以上、ヘーズが10%以下であるものを合格とした。
[全ヘーズ]=[拡散透過率]/[全光線透過率]×100
(2)酸素透過性
JIS K7126−2:2006に基づいて、厚み50μmにおける酸素透過度を測定し、水酸素透過度が6,000cc/m
2・day・atm以上、20,000cc/m
2・day・atm以下であるものを合格とした。
(3)水蒸気透過性
JIS K7129:2008に基づいて、厚み50μmにおける水蒸気透過度を測定し、水蒸気透過度の値が1g/m
2・day以上、100g/m
2・day以下であるものを合格とした。
(4)鮮度保持試験
ヤマト科学株式会社製のプログラム恒温槽「IN61」も用いて、青果物であるルッコラの鮮度保持試験を行った。フィルムを20×30cm角に切り取り、3辺をヒートシールし、30〜40gの収穫直後のルッコラを包装した後、残りの1辺をヒートシールし密封した。包装密封後、10℃の雰囲気に設定した恒温槽内に平置きにして保管し、1週間後、2週間後のルッコラの様子を色味、萎れなどの観点から外観評価を行った。
◎:収穫直後と同様に鮮度が高い状態である。
○:蒸散により、葉がやや折り畳まれている。
△:蒸散により、葉が萎れ、変色している。
×:触れると崩れるほどに枯れている。
【0040】
<使用した材料>
以下、フィルムを作成する際の原料について説明する。
(1)エチレン共重合体
EV−1:エバフレックスEV560(三井・デュポンポリケミカル株式会社製)、エチレン−酢酸ビニル共重合体(酢酸ビニル成分含有量比率=14重量%)、MFR=3.5g/10min(190℃、2.16kg荷重)
EV−2:エバフレックスEV260(三井・デュポンポリケミカル株式会社製)、エチレン−酢酸ビニル共重合体(酢酸ビニル成分含有量比率=28重量%)、MFR=6.0g/10min(190℃、2.16kg荷重)
EV−3:レクスパールEB240H(日本ポリエチレン株式会社製)、エチレン−アクリル酸メチル共重合体(アクリル酸メチル含有量比率=20重量%)、MFR=6.0g/10min(190℃、2.16kg荷重)
EV−4:アクリフトWH206−F(住友化学株式会社製)、エチレン−メタアクリル酸メチル共重合体(メタアクリル酸メチル含有量比率=20重量%)、MFR=2.0g/10min(190℃、2.16kg荷重)
(2)プロピレン重合体
PP−1:WINTEC WFX4TA(日本ポリプロピレン株式会社製)、MFR=7.0g/10min(190℃、2.16kg荷重)
【0041】
(実施例1)
EV−1を、φ30mm単軸押出機を用いて、2種3層のフィードブロック、およびマルチマニホールド式の口金より内層として200℃で押出した。同時にPP−1を、φ32mm単軸押出機を用いて、同様の口金より外層となるように、200℃で押出した。この時それぞれの層の厚みについて、外層/内層/外層が1/2/1の比となるようにそれぞれの樹脂の吐出量を調整した。得られた共押出フィルムをキャスティングロールにて急冷し、52μmの多層フィルムを得た。得られた多層フィルムに関して、各種測定・評価を行った結果を表1に示す。
【0042】
(実施例2)
内層をEV−1の代わりにEV−2を用いた以外は、実施例1と同様の方法で46μmの多層フィルムを得た。得られた多層フィルムに関して、各種測定・評価を行った結果を表1に示す。
【0043】
(実施例3)
内層をEV−1の代わりにEV−3を用いた以外は、実施例1と同様の方法で45μmの多層フィルムを得た。得られた多層フィルムに関して、各種測定・評価を行った結果を表1に示す。
【0044】
(実施例4)
内層をEV−1の代わりにEV−4を用いた以外は、実施例1と同様の方法で51μmの多層フィルムを得た。得られた多層フィルムに関して、各種測定・評価を行った結果を表1に示す。
【0045】
(比較例1)
EV−1を単独で用いた以外は、実施例1と同様の方法で48μmの単層フィルムを得た。得られた多層フィルムに関して、各種測定・評価を行った結果を表1に示す。
【0046】
(比較例2)
PP−1を単独で用いた以外は実施例1と同様の方法での50μmの単層フィルムを得た。得られた多層フィルムに関して、各種測定・評価を行った結果を表1に示す。
【0048】
実施例のフィルムは透明性、酸素透過性、水蒸気透過性のバランスに優れ、包装袋として用いた際、ルッコラを鮮度保持にも優れていた。一方、比較例1のフィルムは水蒸気透過性が高すぎたため、蒸散の激しいルッコラの萎れを抑制できなかった。比較例2のフィルムは、透明性、水蒸気透過性に優れていたが酸素透過性が低く、包装袋内が酸素不足となって嫌気呼吸による劣化が観察された。