(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、図面に基づいて本発明を詳細に説明する。なお、以下の説明では、必要に応じて特定の方向や位置を示す用語(例えば、「上」、「下」、及びそれらの用語を含む別の用語)を用いるが、それらの用語の使用は図面を参照した発明の理解を容易にするためであって、それらの用語の意味によって本発明の技術的範囲が制限されるものではない。また、複数の図面に表れる同一符号の部分は同一もしくは同等の部分又は部材を示す。
【0015】
さらに以下に示す実施形態は、本発明の技術思想の具体例を示すものであって、本発明を以下に限定するものではない。また、以下に記載されている構成部品の寸法、材質、形状、その相対的配置等は、特定的な記載がない限り、本発明の範囲をそれのみに限定する趣旨ではなく、例示することを意図したものである。また、一の実施の形態、実施例において説明する内容は、他の実施の形態、実施例にも適用可能である。また、図面が示す部材の大きさや位置関係等は、説明を明確にするため、誇張していることがある。
【0016】
発光装置は、同一面側に一対の電極ポストを設けてなる発光素子と、一対の電極ポストを設けてなる発光素子の電極面を覆い、かつ電極ポストの露出部を設けてなる被覆部材と、被覆部材の表面に設けられて電極ポストの露出部に電気接続してなる一対の電極層と、電極層に電気接続され、かつ被覆部材の表面に設けられてなる一対の電極端子とを備える。一対の電極端子は、電極層よりも厚く、かつ一対の電極ポストの間隔よりも広い間隔に配置されている。
<実施形態1>
【0017】
実施形態1に係る発光装置1を、
図1Aの断面図と、
図1Bの下斜方(
図1Aの下斜方)から見た斜視図と、
図1Cの上斜方(
図1Aの上斜方)から見た斜視図に示す。発光装置1は、発光素子2と、被覆部材3と、透光性部材4と、電極層5と、電極端子6とを備える。発光素子2は、半導体層を積層している積層構造体2aと、積層構造体2aの一方の面(
図1Aにおいて下面)である電極面2bに設けた一対の電極ポスト2cとを備える。発光装置1は、
図1Aの断面図において上方に光を放射する。
【0018】
発光素子2は半導体の積層構造体2aを有する。積層構造体2aは、発光層と、発光層を挟むn型半導体層およびp型半導体層とを含み、電極面2bにn側とp側の電極ポスト2cを設けている。発光素子2としては、縦、横および高さの寸法に特に制限は無いが、好ましくは平面視において縦および横の寸法が1000μm以下の積層構造体2aを用い、より好ましくは縦および横の寸法が500μm以下であり、さらに好ましくは、縦および横の寸法が200μm以下とする。このような発光素子2を用いると、液晶ディスプレイ装置のローカルディミングを行った際に、高精細な映像を実現することができる。また、縦および横の寸法が500μm以下の発光素子2を用いると、発光素子2を安価に調達することができるため、発光モジュールを安価にすることができる。なお、縦および横の寸法の両方が250μm以下である発光素子2は、発光素子2の光放射面2dの面積が小さくなるため、相対的に発光素子2の側面からの光の出射量が多くなる。つまり、このような発光素子2は配向特性がバットウィング型になりやすくなるため、発光素子2が導光板に接合され、発光素子2と導光板との距離がごく短い本実施形態の発光モジュールに好ましく用いられる。
【0019】
被覆部材3は、一対の電極ポスト2cの表面が露出するように発光素子2の電極面2b及び側面を覆うように設けられる。被覆部材3は、発光素子2の周囲にあって発光素子2を埋設して、発光素子2の電極ポスト2cを表面に露出させている。被覆部材3は、外周面を透光性部材4の外周面と同一平面として、透光性部材4にも密着している。被覆部材3は、発光素子2と透光性部材4と一体構造に接合された発光装置1として製作される。
【0020】
被覆部材3は、例えば、シリコーン樹脂、シリコーン変性樹脂、エポキシ樹脂、フェノール樹脂などのポリマーを主成分とする樹脂部材が好ましい。被覆部材3は、光反射性の樹脂部材とすることが好ましい。光反射性樹脂とは、発光素子2からの光に対する反射率が70%以上の樹脂材料を意味する。例えば、白色樹脂などが好ましい。被覆部材3に達した光が反射されて、発光装置1の発光面に向かうことにより、発光装置1の光取出し効率を高めることができる。また、中間体8のような形状の場合、被覆部材3としては透光性の樹脂部材とすることが好ましい。この場合の被覆部材3は、後述の透光性部材4と同様の材料を用いることができる。
【0021】
透光性部材4は、発光素子2の光放射面2d(
図1Aでは上面であり、電極ポスト2cが形成された電極面2bと対向する面)を覆うように設けられており、光放射面2dから出射される光を透過させる。透光性部材4は、後述する蛍光体を含むことにより、発光素子2からの発光色を調整して放射することができる。透光性部材は、複数の層で形成することもできる。
【0022】
透光性部材4は、透光性樹脂、ガラス等が使用できる。特に、透光性樹脂が好ましく、シリコーン樹脂、シリコーン変性樹脂、エポキシ樹脂、フェノール樹脂などのポリマー、ポリカーボネート樹脂、アクリル樹脂、メチルペンテン樹脂、ポリノルボルネン樹脂などの熱可塑性樹脂を用いることができる。特に、耐光性、耐熱性に優れるシリコーン樹脂が好適である。
【0023】
透光性部材4は蛍光体を含んでもよい。蛍光体は、発光素子からの発光で励起可能なものが使用される。例えば、青色発光素子又は紫外線発光素子で励起可能な蛍光体としては、セリウムで賦活されたイットリウム・アルミニウム・ガーネット系蛍光体(YAG:Ce);セリウムで賦活されたルテチウム・アルミニウム・ガーネット系蛍光体(LAG:Ce);ユウロピウムおよび/又はクロムで賦活された窒素含有アルミノ珪酸カルシウム系蛍光体(CaO−Al
2O
3−SiO
2);ユウロピウムで賦活されたシリケート系蛍光体((Sr,Ba)
2SiO
4);βサイアロン蛍光体、CASN系蛍光体、SCASN系蛍光体等の窒化物系蛍光体;KSF系蛍光体(K
2SiF
6:Mn);硫化物系蛍光体、量子ドット蛍光体などが挙げられる。これらの蛍光体と、青色発光素子又は紫外線発光素子と組み合わせることにより、様々な色の発光装置1(例えば白色系の発光装置1)とすることができる。
【0024】
また、透光性部材4には、粘度を調整する等の目的で、各種のフィラー等を含有させてもよい。
【0025】
透光性部材4は、様々な態様を採ることができる。例えば透光性部材4の変形例を
図1Dの断面図に示す。
図1Dに示す発光装置1Dでは、第1の透光性部材4Aの放射面(
図1Dでは上面であり、発光素子2と反対側の面)を覆う第2の透光性部材4Bとを備える。第1の透光性部材4Aは、発光素子2の光放射面2dに接合されて、発光素子2の光放射面2dから出射される光を透過させる。第1の透光性部材4Aは蛍光体を含んでもよい。第2の透光性部材4Bは透過光を拡散する光拡散部である。透光性部材4は、第1の透光性部材4Aと、第2の透光性部材4Bを接合して、第1の透光性部材4Aを発光面側に配置している。透光性部材は、複数の第1の透光性部材や第2の透光性部材を積層することもできる。
【0026】
透光性部材4は、さらに他の態様を採ることができる。透光性部材4の他の変形例を、
図1Eの断面図に示す。
図1Eに示す発光装置1Eの例では、透光性部材4は、発光素子2の光放射面2dおよび積層構造体2aの側面を覆うように設けられており、光放射面2dおよび積層構造体2aの側面から出射される光を透過させる。透光性部材4の上面に、光拡散部を設けてもよい。
【0027】
図1Eでは、被覆部材3は、一対の電極ポスト2cの表面が露出するように透光性部材4の上面と反対側の面(
図1Eでは下面)、発光素子2の電極面2b及び電極ポスト2c側面を覆うように設けられる。被覆部材3は、外周面を透光性部材4の外周面と同一平面として、透光性部材4にも密着している。被覆部材3は、発光素子2と透光性部材4と一体構造に接合された発光装置1として製作される。
【0028】
一対の電極層5は、一対の電極ポスト2cにそれぞれ電気接続されている。各々の電極層5は、各々の電極ポスト2cの面積よりも面積が大きい。換言すると、電極層5は、発光素子2の電極ポスト2c及び被覆部材3とを連続して覆うように設けられている。
【0029】
電極端子6は、電極層5の表面に積層して電気接続されている。電極端子6は電極層5よりも厚く、さらに一対の電極ポスト2の間隔よりも広い間隔に離して配置されている。間隔の広い電極端子6は、端子間ショート等の弊害を防止しながら外部接続でき、また厚い電極端子6の発光装置1は、外部に確実に安定して電気接続できる。
【0030】
図1Aに示すように、発光素子2の側面および透光性部材4の一部を透光性接着部材16が被覆している。なお、透光性接着部材16の外側面は、発光素子2の側面から透光性部材4に向かって広がる傾斜面であることが好ましく、発光素子2側に凸状の曲面であることがより好ましい。これにより、発光素子2の側面から出る光をより透光性部材4に導くことができ、光取り出し効率を高めることができる。
【0031】
また、発光素子2の光放射面2dと透光性部材4の間には、透光性接着部材16を有してもよい。これにより、例えば、透光性接着部材16に拡散剤等を含有することで発光素子2の光放射面2dから出る光が、透光性接着部材16で拡散され、透光性部材4に入ることで輝度ムラを少なくできる。透光性接着部材16は、後述する透光性接合部材12と同じ部材を使用することができる。
【0032】
このような発光装置1は、以下の工程により形成することができる。
(1)電極面2bに一対の電極ポスト2cを備えた発光素子2と、各々の電極ポスト2cの表面の一部が露出するように発光素子2を覆う被覆部材3と、を備えた中間体8を準備する工程と、
(2)露出された一対の電極ポスト2cに電気接続されて、電極ポスト2cと被覆部材3を連続して覆う金属層9を形成する積層工程と、
(3)金属層9にレーザー光を照射して金属層9の一部を除去し、一対の電極層5に分離して互いに離間すると共に、一対の電極ポスト2cのそれぞれよりも面積の大きい一対の電極層5を形成する分割工程と、
(4)一対の電極層5に電気接続する一対の電極端子6を、電極層5よりも厚く、かつ一対の電極ポスト2cの間隔よりも広い間隔で設ける電極形成工程と、
を含む。
【0033】
以下、
図2A〜
図2Fを用いて発光装置の製造工程について詳説する。
(中間体を準備する工程)
【0034】
図2Aに示すように、発光素子2と被覆部材3と、を備えた中間体8を準備する。発光素子2は、積層構造体2aと、積層構造体2aの同一面側に一対の電極ポスト2cを備えている。被覆部材3は、一対の電極ポスト2cの表面の一部が露出するように発光素子2を被覆している。1つの中間体8は、複数の発光素子2を備えており、各発光素子2は、縦方向及び横方向に規則的に配列された状態で、被覆部材3によって一体的に被覆されている。なお、工程を説明する図(例えば
図2A〜
図2F)においては説明の便宜上、2つ分の発光素子2を例示しているが、個数はこれに限定されるものではない。
【0035】
発光素子2間の距離は、目的とする発光装置1の大きさ、発光素子2の大きさ等によって適宜選択することができる。ただし、後工程において被覆部材3を切断して複数の発光装置1に分割する方法にあっては、その切断部分の幅(切断刃の幅)等をも考慮して配置する。
【0036】
また、
図2Aでは、発光素子2の下面(光放射面2dであって、電極面2bと対向する面)に透光性部材4を有した中間体8を例示している。しかしながら、透光性部材4は必ずしも必要ではなく、省略してもよい。中間体8は、支持部材30上に、電極ポスト2cが形成されていない側の面(
図2Aでは透光性部材4が形成された面)を対向させて載置されている。
(金属層9を形成する積層工程)
【0037】
次に、
図2Bに示すように、露出された一対の電極ポスト2cと被覆部材3とを連続して覆う金属層9を形成する。金属層9は、スパッタ、蒸着、原子層堆積(Atomic Layer Deposition;ALD)法や有機金属化学的気相成長(Metal Organic Chemical Vapor Deposition;MOCVD)法、プラズマCVD(Plasma-Enhanced Chemical Vapor Deposition;PECVD)法、大気圧プラズマ成膜法などによって形成することができる。
【0038】
金属層9は、例えば、最表面の層はAu、Pt等の白金族元素の金属が好ましい。また、最表面にはんだ付け性の良好なAuを用いることもできる。
【0039】
金属層9は単一の材料の一層のみで構成されてもよく、異なる材料の層が積層されて構成されていてもよい。特に、高融点の金属層9を用いるのが好ましく、例えば、Ru、Mo、Ta等を挙げることができる。また、これら高融点の金属を、発光素子2の電極ポスト2cと最表面の層との間に設けることにより、はんだに含まれるSnが電極ポスト2cや電極ポスト2cに近い層に拡散することを低減することが可能な拡散防止層とすることができる。このような拡散防止層を備えた積層構造の例としては、Ni/Ru/Au、Ti/Pt/Au等が挙げられる。また、拡散防止層(例えばRu)の厚みとしては、10Å〜1000Å程度が好ましい。
【0040】
金属層9の厚みは、種々選択することができる。レーザアブレーションが選択的に起こる程度とすることができ、例えば1μm以下であることが好ましく、1000Å以下がより好ましい。また、電極ポスト2cの腐食を低減することができる厚み、例えば5nm以上であることが好ましい。ここで、金属層9の厚みとは、金属層9が複数の層が積層されて構成されている場合には、該複数の層の合計の厚みのことをいう。
(電極間スリットを形成する分割工程)
【0041】
図2Cに示すように、金属層9にレーザー光を照射して、金属層9(電極層5)のない電極間スリットを絶縁領域10として設ける。レーザー光は、発光素子2の一対の電極ポスト2cの間に設ける絶縁領域10に照射する。
図3の平面図は、電極層5の間に配置する絶縁領域10を示している。絶縁領域10は、発光素子2の一対の電極ポスト2cの間だけでなく、その延長方向にある被覆部材3の表面にも伸びて、金属層9を分割している。
【0042】
電極間スリットの絶縁領域10は、発光素子2の電極ポスト2c間の幅と略同じ幅である。
図3の発光装置1は、絶縁領域10の幅を電極ポスト2cの幅よりも僅かに広くしている。絶縁領域10は、レーザアブレーションにより金属層9が除去される。金属層9が絶縁領域10で除去されて、発光素子2の一対の電極ポスト2cの間にスリット状に被覆部材3が露出する。
【0043】
レーザー光は、その照射スポットを部材上で連続的又は逐次移動させることにより、金属層9に照射することができる。レーザー光は、連続して照射してもよく、パルス照射でもよい。レーザー光の強度、照射スポットの径及び照射スポットの移動速度は、被覆部材3や金属層9の熱伝導率及びそれらの熱伝導率差等を考慮して、被覆部材3上の金属層9にレーザアブレーションが生じるように、設定することができる。
【0044】
レーザー光の波長は、金属層9に対する反射率が低い波長、例えば反射率が90%以下である波長を選択することが好ましい。例えば、金属層9の最表面がAuである場合には、赤色領域(たとえば640nm)のレーザよりも、緑色領域(例えば550nm)より短い発光波長のレーザを用いることが好ましい。これにより、アブレーションを効率よく発生させ、量産性を高めることができる。
【0045】
図3の平面図を示す発光装置1は、複数の発光素子2を含む中間体8を用いているため、
図2C及び
図3に示すように、レーザー光を照射して金属層9の一部を除去することで、1つの発光素子2の一対の電極ポスト2c間で金属層9は分断された状態となるが、隣接する複数の発光素子2の電極ポスト2cを被覆している金属層9と連続している状態である。
図3の中間体8は、後述する発光装置に分離する工程において、金属層9を隣接する発光素子間(
図2Eの破線Xで示す切断ライン)で切断することで、金属層9が電極層5に分割される。なお、電極間スリットを形成する分割工程において、レーザ光を発光素子間の切断ラインX、Yにも照射することにより、レーザ照射のみで金属層9をそれぞれ独立した電極層5とすることができる。
【0046】
図3の中間体8は、レーザー光で金属層9をスリット状に除去して絶縁領域10を設けて、絶縁領域10の両側に一対の電極層5を形成している。この図の中間体8は、発光素子2の電極面2bの中央部分に配置する電極間スリットの絶縁領域10を、電極面2bの対角方向に伸びる傾斜スリット10aとして、傾斜スリット10aの両端部に平行スリット10bを連結している。両端部に設けた平行スリット10bは、互いに平行な姿勢で、電極面2bの対向する2辺と平行な方向に伸びている。
図3の発光装置1は、電極面2bに設けている一対の電極ポスト2cの対向縁を、四角形である電極面2bの対角方向に配置して、この対向縁と平行に傾斜スリット10aを設けている。すなわち、傾斜スリット10aと電極ポスト2cの対向縁とを平行な姿勢として、電極層5の間に絶縁領域10を配置している。
【0047】
図3の中間体8は、電極ポスト2cが電極層5の絶縁領域10に僅かに突出しているので、各々の発光装置1に設けられる傾斜スリット10aの幅は、電極ポスト2cの間隔よりも僅かに広い。傾斜スリット10aと平行スリット10bの連結角(α)は鈍角で、電極間スリットの絶縁領域10の両側に、幅広部5Aと幅狭部5Bとからなる一対の電極層5を設けて、絶縁領域10の対向する両側(図において左右の両側)に一対の電極層5を設けている。
(電極端子6の形成工程)
【0048】
図2Dの工程は、金属層9の表面に導電ペーストを塗布して電極端子6を設ける。導電ペーストは、バインダーに金属粉末を混合したもので、バインダーが未硬化な液状ないしペースト状で金属層9の表面に一定の厚さに塗布される。金属層9の表面に塗布された導電ペーストは、バインダーが硬化して導電性の電極端子6を金属層9に電気接続して形成する。導電ペーストは、例えば金属粉末である銀や銅粉末を、バインダーであるポリマーに混合したもので、バインダーのポリマーを硬化させて導電性の電極端子6を形成する。バインダーに紫外線硬化樹脂や光硬化樹脂を使用する導電ペーストは、塗布した状態で紫外線や特定波長の光を照射してバインダーを短時間で硬化できる特徴がある。導電ペーストは、メタルマスクを使用して電極面2bの特定の位置に塗布される。メタルマスクは電極端子6を設ける位置に貫通穴を設けている。このメタルマスクを電極面2bに積層する状態で導電ペーストを塗布して、電極端子6を設ける位置に導電ペーストが塗布される。塗布された導電ペーストは、紫外線や光を照射して短時間に硬化されて電極端子6を形成する。この方法は、メタルマスクの厚さで電極端子6の膜厚を調整できる。メタルマスクの貫通穴に充填された導電ペーストが硬化して電極端子6となるからである。
(発光装置に分離する工程)
【0049】
複数の発光装置1を備える中間体8は、電極端子6を設けた後、
図2E及び
図3で示すように、切断ラインX、Yで切断して発光装置1に分離される。分離された発光装置1は、導光板にマウントされて発光モジュールとなる。
【0050】
得られた発光装置1は、金属層9が電極層5として備えられている。電極層5は、発光装置1の一対の電極ポスト2cにそれぞれ接続されていると共に、一対のポスト電極2cよりも大きい面積である。また、金属層9を切断することで得られる電極層5は、発光装置1の端部に達するよう、すなわち発光装置1の側面に達するように形成されている。これにより、より広い面積の電極層5とすることができる。
【0051】
電極端子6は金属層9よりも厚く、たとえば金属層9の10倍以上とする。電極端子6の厚さは、導電ペーストを塗布する厚さで調整する。電極端子6は、薄膜の金属層9に積層して設けられる。膜厚が、例えば500オングストローム程度の金属層9は、被覆部材3の損傷を少なくしてレーザー光で除去できる。
【0052】
電極層5に積層して設けた厚い電極端子6の発光装置1は、電極端子6を安定して確実に外部に接続できる。電極層5に積層して設けられる電極端子6は、たとえば、厚さを好ましくは10μm以上、最適には20μm〜40μmとする。また、発光装置1は、導光板などにマウントされる工程で、表面にプラスチック等の光反射性部材を積層して導電膜に電気接続される。光反射性部材は、表面を研磨あるいは研削して、電極端子6を露出して光反射性部材と同一平面に加工した状態で、導電膜に電気接続される。光反射性部材の表面を研磨して電極端子6を同一平面に露出させる工程は、電極端子6の表面も一部が除去される。厚い電極端子6は、絶縁層の研磨工程で破損されることがなく、表面の一部が研磨されて、光反射性部材と同一平面に加工できる。
【0053】
電極端子6のない発光装置は、導光板にマウントされる状態で、光反射性部材の研磨が極めて難しい。それは、例えば、500オングストローム程度と極めて薄い電極層5を埋設している光反射性部材の表面を研磨して、薄膜の電極層5を損傷することなく露出させるために、極めて高い研磨精度が要求されるからである。
【0054】
電極ポスト2cよりも大面積の電極層5の表面に配置される電極端子6は、電極ポスト2cよりも大きな面積で、しかも電極ポスト2cよりも広い間隔で電極層5の表面に形成できる。導電ペーストは、電極層5表面の特定の位置に特定の形状で塗布して、電極端子6を形成できる。導電ペーストは、電極層5の表面をマスキングして、特定の領域に塗布される。
【0055】
図1Aの発光装置1は、スリット状の絶縁領域10の両側に、平行スリット10bの延伸方向に伸びる形状の電極端子6を配置している。この発光装置1は、電極層5の幅広部5Aの両側部に、平行スリット10bと平行に長方形の電極端子6を配置している。この発光装置1は、一対の電極端子6を、方形状である電極面2bの外周縁の対称位置に離して配置するので、電極ポスト2cの間隔に比較して相当に広い間隔で配置でき、また、電極ポスト2cよりも相当に大きい電極端子6を設けることができる。電極ポスト2cの間隔よりも広く、また電極ポスト2cよりも大きく、さらに電極層5よりも厚い電極端子6の発光装置1は、特定の位置にマウントされて発光モジュールとする工程で、導電膜に確実に電気接続できる。
<変形例1>
【0056】
図4は、変形例1にかかる発光装置1を示す。この発光装置1は、電極端子6の形状と位置が異なる変形例であって、他の構造は実施形態1と同様である。実施形態1の発光装置1は、細長い長方形の電極端子6を電極面2bの点対称の位置に平行スリット10bと平行に配置しているが、この発光装置1は、方形状である被覆部材3の対向する隅部であって中央部を除く領域に配置されている。具体的には、方形状である電極面2bの点対称の位置にあるふたつの隅部に電極端子6を配置している。電極端子6の外形は、方形状のひとつの隅部に切欠部6aを設けた形状で、切欠部6aを対向する位置に配置している。一対の電極端子6は、切欠部6aを対向する姿勢で配置して、両方の切欠部6aの間に電極ポスト2cを配置している。さらに電極端子6は、ふたつの外周縁を被覆部材の外周縁に配置している。この電極端子6は、被覆部材3の隅部に大きな面積で配置できる。したがって、この電極端子6は電極ポスト2cよりも大きく、さらに電極面2bよりも大きい。
<実施形態2>
【0057】
実施形態2に係る発光装置1は、電極端子6の形状が実施形態1と異なる。
図5の平面図に示すように、スクリーン印刷して実施形態1とは異なる電極端子6を電極層5の表面に形成する。スクリーン印刷は、導電ペーストを被覆部材3の特定位置に塗布した後、硬化させて電極端子6とする。この実施形態の発光装置1は、実施形態1と同じ工程で金属層9を形成した後、金属層9にレーザー光を照射して、金属層9を分割する。レーザー光を照射して設ける絶縁領域10と、電極端子6は実施形態1と異なる。レーザー光は、一対の電極層5に分割する領域と、発光装置1の対向する上下の2辺に沿って照射される。レーザー光は、金属層9を除去してスリットの絶縁領域10を設けて電極層5を分割する。さらに、
図5において、発光装置1の上縁と下縁に金属層9の除去された絶縁領域10を設ける。
【0058】
図5の発光装置1は、金属層9を除去して形成されるスリットの絶縁領域10として、電極面2bの中央部から対角方向に伸びる傾斜スリット10aを設けている。さらに、傾斜スリット10aの両端部に連結する平行スリット10bも設けている。平行スリット10bは、互いに平行に配置されて、方形状である電極面2bの対向する2辺(図において各々の発光装置1の上下の2辺)の外周縁に沿って平行に配置される。傾斜スリット10aと平行スリット10bの連結角(α)は鋭角で、傾斜スリット10aと平行スリット10bの連結部は被覆部材3の隅部に位置する。この発光装置1は、
図5において方形状である被覆部材3の両側部に、平行スリット10bに交差する方向に伸びる形状で直角三角形状又は台形状の電極層5を設けて、傾斜スリット10aの両側に一対の電極端子6を配置している。
【0059】
図5の発光装置1は、電極面2bの両側に所定の横幅で電極端子6を設けている。切断ラインYの両側に配置される電極端子6は、ひとつに連続して帯状に設けている。これらの電極端子6は、切断ラインYで切断して分離される。ただ、切断ラインYの両側に配置される隣接する電極端子は、図示しないが、間隔を設けて分離された状態で設けると共に、これらの間において、切断ラインYで切断することもできる。この場合、分離された電極端子の間隔は、切断ラインYの切断幅よりも広くすることが好ましい。この発光装置は、外周縁から内側に離れて電極端子が配置されるので、切断ラインYで切断する工程で、電極端子は切断されない。したがって、この発光装置は、切断ラインYで切断する工程で、電極端子6や電極層5の損傷、たとえば剥離する弊害を少なくできる。
<実施形態3>
【0060】
実施形態3に係る発光装置1は、
図6の平面図に示すように、電極層5の形状を実施形態2とは異なる形状としている。この実施形態の発光装置1は、
図5に示す発光装置1と同様に金属層9にレーザー光を照射して、金属層9を分割するが、発光装置1の対向する上下の2辺に沿って形成される平行スリット10bの幅が実施形態2と異なる。
図6に示す発光装置1は、電極面2bの中央部から対角方向に伸びる傾斜スリット10aの両端部に連結する平行スリット10bの幅を、傾斜スリット10aの幅よりも広くしている。言い換えると、方形状である電極面2bの両側に対向して形成される平面視台形状の電極層5の幅(図においては上下幅)を実施形態2に示す電極層5よりも狭くしている。図に示す電極層5は、その上下幅を、発光素子2の1辺よりも大きくして電極面2bの電極ポスト2cを被覆できる幅とし、かつ発光装置1の1辺の1/2以下としている。さらに、
図6に示す発光装置1は、方形状である被覆部材3の対向する隅部であって中央部を除く領域に電極端子6を配置している。これらの電極端子6は、
図4に示す電極端子6と同様の形状としている。図に示すように、被覆部材3の対向する隅部であって点対称の位置に配置される一対の電極端子6は、電極層5と被覆部材3の表面に跨がって形成している。
(発光モジュール11)
【0061】
以上の工程で製造された発光装置は、以下の工程で導光板にマウントされて発光モジュールにできる。
【0062】
発光モジュール11は、
図7の断面図に示すように、透光性の導光板7に設けた凹部7aに発光装置1をマウントしている。導光板7は、外部に光を放射する発光面となる第1主面7cの反対側の第2主面7dに凹部7aを設けている。導光板7は、所定のピッチで多数の凹部7aを設けている。各々の凹部7aには発光装置1がマウントされる。発光モジュール11は、導光板7の各々の凹部7aにマウントされた多数の発光装置1によって、第1主面7cから均一に光を放射する。
(導光板7)
【0063】
導光板7は、光源から入射される光を面状にして外部に放射する透光性の部材である。
図7の導光板7は、第2主面7dに複数の凹部7aを設けて、隣接する凹部7aの間にはV溝7eを設けている。凹部7a内に発光装置1をマウントしている。導光板7は、複数の凹部7aを設けて各々の凹部7aに発光装置1を配置して発光モジュール11とし、あるいは、図示しないが、ひとつの凹部のある導光板にひとつの発光装置を配置して発光ビットとし、複数の発光ビットを平面状に配置して発光モジュールとすることができる。複数の凹部7aを設けている導光板7は、
図7に示すように、凹部7aの間に格子状のV溝7eを設けている。
【0064】
V溝7eは、光を反射する、後述する光反射性部材14が設けられる。V溝7eに充填される光反射性部材14は、好ましくは光を反射する白色樹脂で、白色樹脂の光反射性部材14は、発光装置1の発光が、V溝7eで区画された隣の導光板7に入射するのを防止して、各々の発光装置1の光が隣に漏れるのを防止する。
【0065】
導光板7の大きさは、凹部7aの個数によって最適な大きさに設定されるが、例えば、複数の凹部7aのある導光板7にあっては、一辺が1cm〜200cm程度とすることができ、3cm〜30cm程度が好ましい。厚みは0.1mm〜5mm程度とすることができ、0.5mm〜3mmが好ましい。導光板7の平面形状は例えば、略矩形や略円形等とすることができる。
【0066】
導光板7の材料としては、アクリル、ポリカーボネート、環状ポリオレフィン、ポリエチレンテレフタレート、ポリエステル等の熱可塑性樹脂、エポキシ、シリコーン等の熱硬化性樹脂等の樹脂材料やガラスなどの光学的に透明な材料を用いることができる。特に、熱可塑性の樹脂材料は、射出成型によって効率よく製造することができるため、好ましい。中でも、透明性が高く、安価なポリカーボネートが好ましい。製造工程において、リフロー半田のような高温環境にさらされることなく製造される発光モジュール11は、ポリカーボネートのような熱可塑性であり耐熱性の低い材料であっても用いることができる。
【0067】
導光板7は、例えば、射出成型やトランスファーモールドで成形することができる。導光板7は、凹部7aのある形状に金型で形成して、凹部7aの位置ずれを低減しながら、安価に多量生産できる。ただし、導光板7は、板状に成形した後、NC加工機等で切削加工して凹部7aを設けることもできる。
【0068】
本実施形態の発光モジュールの導光板は単層で形成されていてもよく、複数の透光性の層が積層されて形成されていてもよい。複数の透光性の層が積層されている場合には、任意の層間に屈折率の異なる層、例えば空気の層等を設けることが好ましい。これにより、光をより拡散させやすくなり、輝度ムラを低減した発光モジュールとすることができる。このような構成は、例えば、任意の複数の透光性の層の間にスペーサを設けて離間させ、空気の層を設けることで実現することができる。また、導光板7の第1主面7c上に透光性の層と、導光板7の第1主面7cと透光性の層の間に屈折率の異なる層、例えば空気の層等を設けてもよい。これにより、光をより拡散させやすくなり、輝度ムラを低減した液晶ディスプレイ装置とすることができる。このような構成は、例えば、任意の導光板7と透光性の層の間にスペーサを設けて離間させ、空気の層を設けることで実現することができる。
【0069】
導光板7は、第1主面7c側に、発光装置1からの光の反射や拡散機能を有する光学機能部7bを設けている。この導光板7は、発光装置1からの光を側方に広げ、導光板7の面内における発光強度を平均化させることができる。光学機能部7bは、例えば、光を導光板7の面内で広げる機能を有することができる。光学機能部7bは、例えば、第1主面7c側に設けられた円錐や四角錐、六角錐等の多角錐形等の凹み、あるいは、円錐台(
図7参照)や多角錐台等の凹みである。これにより、導光板1と、光学機能部1a内にある屈折率の異なる材料(例えば空気)と凹みの傾斜面との界面で照射された光を発光素子2の側方方向に反射するものを用いることができる。また、例えば、傾斜面を有する凹みに光反射性の材料(例えば金属等の反射膜や白色の樹脂)等を設けたものであってもよい。光学機能部7bの傾斜面は、断面視において平面でもよく、曲面でもよい。さらに、光学機能部7bである凹みの深さは、前述の凹部7aの深さを考慮して決定される。すなわち、光学機能部7bと凹部7aの深さは、これらが離間している範囲で適宜設定できる。
【0070】
発光装置1は、
図8A〜
図8C及び
図9A〜
図9Bに示す工程で、導光板7の凹部7aにマウントされる。導光板7は、
図8A及び
図8Bに示すように、ポリカーボネートなどの熱可塑性樹脂を成形して、第2主面7dに凹部7aを成形して、第1主面7cには円錐台状の光学機能部7bを設けている。この導光板7の凹部7aに、発光装置1が接合される。発光装置1は、未硬化状態で液状の透光性接合部材12を塗布した凹部7aに発光面側の一部、図においては透光性部材4を厚さ方向に挿入し、透光性接合部材12を硬化させて導光板7に固着される。発光装置1は、透光性接合部材12を凹部7aの中心に正確に挿入し、透光性接合部材12を硬化させて導光板7に接合される。凹部7aに塗布される未硬化状態にある透光性接合部材12は、発光装置1を導光板7に接合する状態で、凹部7aの内側に押し出されて凹部7aに充填される。ただ、未硬化状態の透光性接合部材は、発光装置1を導光板7に接合した後、凹部7aに充填することもできる。
【0071】
透光性部材4を凹部7aの底面に接合する透光性接合部材12は、未硬化状態で両者の表面に密着し、硬化して透光性部材4の表面を凹部7aの底面に接合する。さらに、透光性部材4と凹部7aの底面の間から押し出された透光性接合部材12は、透光性部材4の外周を凹部7aの内周面に接合する。この製造方法は、凹部7aに充填した未硬化で液状の透光性接合部材12を凹部7aの内部に押し出して接合する。この方法は、凹部7aに充填された透光性接合部材12を接合剤とする。
【0072】
また、凹部7a内に塗布する透光性接合部材12の塗布量を調整することで、凹部7aの内側面と発光装置1の外側面との間の隙間から凹部7aの外側まで透光性接合部材12が押し出される。凹部7aから押し出される透光性接合部材12は、被覆部材3の側面と接する位置まで這い上がって被覆部材3の側面を被覆する。さらに、透光性接合部材12は、第2主面7dと接する位置まで広がって、第2主面7dの一部を被覆する。この状態で、透光性接合部材12の上面は、垂直断面視において、発光装置1の上端部から外側に向かって傾斜面12aが形成される。これにより、透光性接合部材12を透過して傾斜面12aに入射する光を一様な状態で発光面側に反射できる。透光性接合部材12の傾斜面12aは、被覆部材3の外側面との間でなす角を鋭角とし、好ましくは傾斜角βが5°〜85°となるように形成される。
【0073】
さらに、透光性接合部材12は、電極端子6の側面と接する位置まで這い上がって被覆部材及び電極端子6の側面を被覆してもよい。
図10に示す透光性接合部材12は、電極端子6の外側面すべてを被覆している。これにより、傾斜面12aの面積を広くしてより多くの光を反射できる。また、透光性接合部材12は、電極端子6が設けられている領域以外の電極層5及び絶縁領域10の表面を被覆してもよい。
【0074】
透光性接合部材12は、傾斜面12aを、断面視において、曲面とすることもできる。
図11に示す透光性接合部材12は、傾斜面12aを凹部7a側に向かって凸状となる曲面としている。この傾斜面12aは、傾斜面12aにおける反射光の進行方向を広範囲にし、輝度ムラを低減できる。
【0075】
さらに、
図11に示す接合部材14は、傾斜面14aが、
図7に示す状態よりも導光板7の第2主面7dの外側まで被覆している。詳細には、断面視において、透光性接合部材12が第2主面7dをより多く被覆していることが好ましい。ただし、1つの導光板7が複数の発光装置1を有している場合、透光性接合部材12は、隣接する発光装置1を被覆する透光性接合部材12と接しないことが好ましい。
【0076】
これにより、傾斜面12aの面積を広くしてより多くの光を反射できる。また、この図に示す透光性接合部材12も、傾斜面12aを、断面視において、凹部7a側に向かって凸状の曲面とすることで、反射光を広範囲に拡散して、輝度ムラを低減できる。
【0077】
図において、透光性部材4は、発光素子2から入射される光を透過させて、発光装置1がマウントされる導光板7に光を入射する。透光性部材4は、発光モジュール11を薄型化する目的から、好ましくは、図に示すように、マウントされる導光板7の凹部7aの内側にあって、第2主面7dから表面側にはみ出ることなく凹部7a内に配置される。
図7の透光性部材4は、凹部7aの深さに等しい厚さとして、その表面を第2主面7dと同一平面に配置している。ただ、図示しないが透光性部材4は、凹部の内側にあって、導光板7の第2主面からわずかに表面側に出る厚さとすることもできる。
【0078】
発光装置1を導光板7の凹部7aに固着した後、
図8Cに示す工程で、光反射性部材14を導光板7の第2主面7dに形成する。光反射性部材14には白色樹脂が使用され、発光装置1を内部に埋設する厚さに形成される。光反射性部材14は、埋設される発光装置1の側面に密着して、互いに隣接する発光装置1同士を絶縁状態で固定する。
【0079】
図9Aに示す工程で、硬化した光反射性部材14の表面を研磨して、電極端子6を表面に露出させる。
【0080】
図9Bに示す工程で、光反射性部材14の表面に導電膜15を形成する。この工程では、発光装置1の電極端子6と光反射性部材14の上に、Cu/Ni/Auの金属膜を印刷、スパッタ等で形成する。
【0081】
複数の発光装置1は、それぞれが独立で駆動するように配線されてもよい。また、導光板7を複数の範囲に分割し、1つの範囲内に実装された複数の発光装置1を1つのグループとし、該1つのグループ内の複数の発光装置1同士を直列又は並列に電気的に接続することで同じ回路に接続し、このような発光装置グループを複数備えるようにしてもよい。このようなグループ分けを行うことで、ローカルディミング可能な発光モジュール11とすることができる。
図12において、導光板7には、複数の発光モジュール11が配列されており、その外側に、一対のアライメントマーク18が設けられている。アライメントマーク18は、例えば2つの離間した窪みとして設けられている。この2つの窪みの間を通る切断ラインZで、例えばZ1、Z2、Z3の順に切断することで、発光モジュール11に分割することができる。この発光モジュール11は、発光装置1が4行4列のマトリクス状に配置されている。
【0082】
発光モジュール11は、1つが1つの液晶ディスプレイ装置のバックライトとして用いられてもよい。また、複数の発光モジュールが並べられて1つの液晶ディスプレイ装置のバックライトとして用いられてもよい。小さい発光モジュールを複数作り、それぞれ検査等を行うことで、大きく実装される発光装置の数が多い発光モジュールを作成する場合と比べて、歩留まりを向上させることができる。
【0083】
1つの発光モジュール11は1つの配線基板に接合されてもよい。また、複数の発光モジュール11が、1つの配線基板に接合されてもよい。これにより、外部との電気的な接続端子(例えばコネクタ)を集約できる(つまり、発光モジュールを1つごとに用意する必要がない)ため、液晶ディスプレイ装置の構造を簡易にすることができる。
【0084】
また、この複数の発光モジュールが接合された1つの配線基板を複数並べて一つの液晶ディスプレイ装置のバックライトとしてもよい。この時、例えば、複数の配線基板をフレーム等に載置し、それぞれコネクタ等を用いて外部の電源と接続することができる。
【0085】
なお、導光板7上には、拡散等の機能を有する透光性の部材をさらに積層してもよい。その場合、光学機能部7bが凹みである場合には、凹みの開口(つまり、導光板7の第1主面7cに近い部分)を塞ぐが、凹みを埋めないように、透光性の部材を設けることが好ましい。これにより、光学機能部7bの凹み内に空気の層を設けることができ、発光装置1からの光を良好に広げることができる。
【0086】
以上、本発明に係るいくつかの実施形態について例示したが、本発明は上述した実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない限り任意のものとすることができることは言うまでもない。
【0087】
本明細書の開示内容は、以下の態様を含み得る。
(態様)
【0088】
同一面側に一対の電極ポスト2cを設けてなる発光素子2と、
一対の電極ポスト2cを設けてなる発光素子2の電極面2bを覆い、かつ電極ポスト2cの露出部を設けてなる被覆部材3と、
被覆部材3の表面に設けられて電極ポスト2cの露出部に電気接続してなる一対の電極層5と、
電極層5に電気接続され、かつ被覆部材3の表面に設けられてなる一対の電極端子6とを備え、
一対の電極端子6が、電極層5よりも厚く、かつ一対の電極ポスト2cの間隔よりも広い間隔に配置されてなることを特徴とする発光装置。
(態様2)
【0089】
態様1に記載する発光装置であって
一対の電極ポスト2cを設けてなる前記発光素子の前記電極面2bが方形状で、
一対の電極端子6が、電極面2bの外周縁の対称位置に配置されてなることを特徴とする発光装置。
(態様3)
【0090】
態様1又は2に記載する発光装置であって。
一対の電極ポスト2cを設けてなる発光素子2の電極面2bが方形状で、
電極面2bに、電極層5のない絶縁領域10を設けており、
絶縁領域10が電極間スリットであることを特徴とする発光装置。
(態様4)
【0091】
態様3に記載する発光装置であって、
電極面2bに配置してなる絶縁領域10の電極間スリットが、電極面2bの中央部から対角方向に伸びる傾斜スリット10aを有することを特徴とする発光装置。
(態様5)
【0092】
態様4に記載する発光装置であって、
絶縁領域10である電極間スリットが、傾斜スリット10aの両端部に連結してなる平行スリット10bを有し、
平行スリット10bが、互いに平行な姿勢であって、電極面2bの対向する2辺と平行な方向に伸びることを特徴とする発光装置。
【0093】
態様5に記載する発光装置であって、
傾斜スリット10aと平行スリット10bとがなす角度が鈍角で、
電極層5が、スリットの両側に設けられ、幅広部5Aと幅狭部5Bとを有することを特徴とする発光装置。
(態様7)
【0094】
態様5又は6に記載する発光装置であって、
一対の電極端子6が平行スリット10bの延伸方向に伸びる形状であることを特徴とする発光装置。
(態様8)
【0095】
態様5又は6に記載する発光装置であって、
一対の前記電極端子が前記被覆部材の対向する隅部であって中央部を除く領域に配置されることを特徴とする発光装置。
(態様9)
【0096】
態様6に記載する発光装置であって、
電極端子6が、方形状である電極面2bの対向する隅部であって中央部を除く領域に配置され、電極面2bの中央部に電極ポスト2cを配置してなることを特徴とする発光装置。
(態様10)
【0097】
態様1ないし9のいずれかに記載する発光装置であって、
電極端子6の厚さが電極層5の厚さの10倍以上であることを特徴とする発光装置。
(態様11)
【0098】
態様1ないし10のいずれかに記載する発光装置1と、
外部に光を放射する発光面となる第1主面7cの反対側の第2主面7dに凹部7aを設けてなる透光性の導光板7と、を備え、
発光装置1が、導光板7の凹部7aに配置されてなる発光モジュール。
(態様12)
【0099】
同一面側に一対の電極ポスト2cを備えた発光素子2を被覆部材3で覆い、被覆部材3に電極ポスト2cの露出部を設けてなる中間体8を準備する工程と、
中間体8の電極ポスト2cの露出部に電気接続する一対の電極層5を被覆部材3の表面に形成する工程と、
一対の電極層5に電気接続する一対の電極端子6を、電極層5よりも厚く、かつ一対の電極ポスト2cの間隔よりも広い間隔で設ける電極形成工程と、
を含む発光装置の製造方法。
(態様13)
【0100】
態様12に記載する発光装置の製造方法であって、
電極層5を金属の薄膜とし、電極層5の表面に金属ペーストを塗布して電極端子6を設けることを特徴とする発光装置の製造方法。
(態様14)
【0101】
態様12又は13に記載する発光装置の製造方法であって、
電極層5を形成する工程において、被覆部材3の表面に金属層9を形成し、
金属層9にレーザー光を照射して金属層9の一部を除去して一対の電極層5に分離することを特徴とする発光装置の製造方法。
(態様15)
【0102】
態様12ないし14のいずれかに記載する方法で製造した発光装置と、
発光面となる第1主面7cと、第1主面7cと反対側にあって凹部7aを設けてなる第2主面7dと、
を備える導光板7と、
を準備する工程と、
発光装置1を凹部7aに固着する工程と、
導光板7の第2主面7dに、発光装置1を埋設する光反射性部材を設ける工程と、
光反射性部材を研磨して電極端子6を露出し、露出する電極端子6の表面に導電膜15を形成する工程と、
を含む発光モジュールの製造方法。