(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0026】
I.重合性液晶組成物
本発明の1実施形態である重合性液晶組成物(以下、本発明の重合性液晶組成物とする。)は、一般式(i)で表される化合物を1種又は2種以上含有する。なお、一般式(i)で表される化合物のことを、化合物(i)または式(i)化合物と称する場合がある。
【0027】
【化6】
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【0028】
(一般式(i)中、
R
i1は、水素原子、炭素原子数1〜20の直鎖又は分岐のアルキル基又は炭素原子数1〜20の直鎖又は分岐のハロゲン化アルキル基を表し、該アルキル基又はハロゲン化アルキル基中の−CH
2−は−CH=CH−、−C≡C−又は−O−で置換されてもよいが2個以上の−O−が隣接することはなく、
A
i1及びA
i2は、それぞれ独立して2価の芳香族基、2価の環脂肪族基、2価の複素環式化合物基、2価の縮合環、又は2価の縮合多環を表し、これらの環構造中の水素原子はL
i1で置換されてもよく、L
i1は炭素原子数1〜20の直鎖若しくは分岐のアルキル基、炭素原子数1〜20の直鎖若しくは分岐のハロゲン化アルキル基又はハロゲン原子を表し、該アルキル基又はハロゲン化アルキル基中の−CH
2−は−CH=CH−、−C≡C−又は−O−で置換されてもよいが2個以上の−O−が隣接することはなく、
Z
i1及びZ
i2は、それぞれ独立して単結合、−O−、−CH=CH−、−CF=CF−、−C≡C−、−COO−、−OCO−、−OCOO−、−OOCO−、−CF
2O−、−OCF
2−、−CH=CHCOO−、−OCOCH=CH−、−CH=C(CH
3)COO−、−OCOC(CH
3)=CH−、−CH
2−CH(CH
3)COO−、−OCOCH(CH
3)―CH
2−、−OCH
2CH
2O−、又は炭素原子数1〜10のアルキレン基を表し、該アルキレン基中の1個又は隣接しない2個以上の−CH
2−は−O−、−COO−又は−OCO−で置換されてもよく、
R
i2、R
i3及びR
i4はそれぞれ独立して、水素原子、ハロゲン原子、炭素原子数1〜20の直鎖又は分岐のアルキル基、炭素原子数1〜20の直鎖又は分岐のハロゲン化アルキル基、又はX
i4を表し、該アルキル基又はハロゲン化アルキル基中の−CH
2−は−CH=CH−、−C≡C−又は−O−で置換されてもよいが2個以上の−O−が隣接することはなく、
X
i1、X
i2、X
i3およびX
i4はそれぞれ独立して−Sp
i1−P
i1又は−Sp
i2−K
i1を表し、
K
i1はそれぞれ独立して一般式(K−1)又は(K−2)
【0029】
【化7】
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【0030】
(式中、黒点は結合手を表す。)で表され、
T
k1はそれぞれ独立して一般式(T−1)から(T−7)
【0031】
【化8】
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【0032】
で表される基を表し、
S
T1はそれぞれ独立して単結合、炭素原子数1〜15個の直鎖状若しくは分岐状のアルキレン基又は炭素原子数2〜18個の直鎖状若しくは分岐状のアルケニレン基を表し、当該アルキレン基又は当該アルケニレン基の−CH
2−は酸素原子が直接隣接しないように−O−、−COO−、−C(=O)−又は−OCO−に置換されてもよく、
R
T1はそれぞれ独立して炭素原子数1〜5のアルキル基を表し、当該アルキル基の−CH
2−は酸素原子が直接隣接しないように−O−、−COO−、−C(=O)−又は−OCO−に置換されてもよく、
R
T2及びR
T3は、それぞれ独立して水素原子又は炭素原子数1〜5のアルキル基を表し、R
k1は、それぞれ独立して水素原子、炭素原子数1〜6の直鎖又は分岐のアルキル基を表し、該アルキル基中の1個又は隣接しない2個以上の−CH
2−は−O−で置換されてもよく、
T
k2は、それぞれ独立して一般式(T−8)から(T−17)
【0033】
【化9】
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【0034】
(式中、黒点は結合手を表す。)で表される基を表し、
X
K1及びY
K1は、それぞれ独立して−CH
2−、酸素原子又は硫黄原子を表し、
Z
K1は、それぞれ独立して酸素原子又は硫黄原子を表し、
W
K1、U
K1、V
K1及びS
K1は、それぞれ独立して、メチン基又は窒素原子を表し、ここで一般式(T−8)から(T−17)で表される基中の水素原子は−Sp
i5−P
i3で置換されていてもよく、
Sp
i1、Sp
i2、Sp
i3、Sp
i4及びSp
i5はそれぞれ独立して単結合、炭素原子数1〜20の直鎖又は分岐のアルキレン基又は炭素原子数1〜20の直鎖又は分岐のハロゲン化アルキレン基を表し、該アルキレン基又はハロゲン化アルキレン基中の−CH
2−は2個の−O−が隣り合うことなく−CH=CH−、−C≡C−又は−O−で置換されてもよく、
P
i1、P
i2及びP
i3はそれぞれ独立して一般式(P−1)から(P−16)
【0035】
【化10】
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【0036】
(式中、黒点は結合手を表す。)で表され、
P
i1、P
i2、P
i3、Sp
i1、Sp
i2、Sp
i3、Sp
i4、Sp
i5、A
i1、A
i2、Z
i1、Z
i2、X
i1、X
i4、K
i1、T
k1,T
k2、R
k1、ni1、ki1、ki2、ki3が複数存在する場合、それらは同一であっても異なっていても良く、
mi1及びmi2は各々独立して1〜4の整数を表し、
ni1は0〜2の整数を表し、ni1が1又は2の整数を表す場合は、A
i2の環構造中の1個又は2個の水素原子がX
i1により置換されており、
ki1、ki2及びki3は各々独立して0〜3の整数を表し、ただしki1、ki2及びki3の合計は3であり、
ここで一般式(i)中にはP
i1、P
i2及びP
i3からなる群から選択される基が1個以上含まれ、かつT
k1及びT
k2からなる群から選択される基が1個以上含まれ、かつP
i1、P
i2、P
i3、T
k1及びT
k2からなる群から選択される基の数の合計は5以上である。)
【0037】
ここで、本明細書内において重合性液晶組成物とは、重合性基を有する重合性化合物を1種又は2種以上と、非重合性の液晶化合物(液晶材料)を1種又は2種以上含有する液晶組成物と、を含有する組成物をいう。本発明の重合性液晶組成物において、一般式(i)で表される化合物は、重合性基を有することから重合性化合物に相当する。また、一般式(i)で表される化合物は、複数の環構造から成るメソゲン骨格を有し、該メソゲン骨格にスペーサー基を介して重合性基および極性基を有しており、自発配向性添加剤として機能する。
【0038】
本発明の重合性液晶組成物は、一般式(i)で表される化合物が、一般式(i)中、P
i1、P
i2及びP
i3からなる群から選択される基を1個以上含み、かつT
k1及びT
k2からなる群から選択される基を1個以上含み、かつP
i1、P
i2、P
i3、T
k1及びT
k2からなる群から選択される基の数の合計が5以上であることを特徴とする。
【0039】
ここで、P
i1、P
i2及びP
i3からなる群から選択される基は、重合性基を表し、熱あるいは光などの外部刺激により、液晶表示素子において界面に重合体を形成させ偏在させる機能を有する。また、T
k1及びT
k2からなる群から選択される基は、極性基を表し、液晶表示素子において基板界面に吸着することにより、液晶分子の垂直配向性に寄与する。一般式(i)で表される化合物は、P
i1、P
i2、P
i3、T
k1及びT
k2からなる群から選択される基の数の合計(以下、重合性基および極性基の総数とする場合がある)が5以上であることで、4以下である場合と比較して、重合性液晶組成物をパネルに封入した際に最初に基板に吸着される確率が飛躍的に上昇し、良好な垂直配向性を維持することが可能となる。中でも、化合物(i)のように非対称に分子の片側に他の分子内の極性基が隣接している場合、熱運動により他の極性基が更に多点で基板に対して吸着することができるため、結果として良好な垂直配向性を維持することが可能となる。ここでは、化合物(i)において、重合性基も極性基ほど強くないが、配向性のアシストとして機能していることに留意する必要がある。
【0040】
また、本発明の重合性液晶組成物は、一般式(i)で表される化合物が、一般式(i)中において、所望の位置にP
i1、P
i2、P
i3、T
k1及びT
k2からなる群から選択される基を有することを特徴とする。特に、一般式(i)で表される化合物は、その分子構造内において、分子の長軸方向の一方側、詳述すれば長軸方向の一方の最端に位置するベンゼン環上に、少なくともX
i2及びX
i3が偏在した特徴的な構造を有する。ここで、X
i2及びX
i3は、P
i1、P
i2及びP
i3ならびにT
k1及びT
k2で表される部分構造を含んでおり極性を有するため、上述のとおり多点で基板に対して吸着することができる。よって、本発明の重合性液晶組成物を用いた液晶表示素子において、一般式(i)で表される化合物は、液晶組成物(液晶層)を挟持する基板に適度な強度で吸着することができると推量される。また、一般式(i)で表される化合物は、T
k1及びT
k2で表される部分構造を末端に有するため、液晶分子を垂直方向に配向させた状態で保持することができると考えられる。したがって、本発明の重合性液晶組成物によれば、PI層を設けなくとも液晶分子を均一且つ垂直に配向させる(電圧無印加時に液晶分子の垂直配向を誘起し、電圧印加時に液晶分子の水平配向を実現する)ことが可能となる。このように、一般式(i)で表される化合物は、液晶組成物における液晶分子の垂直配向を助ける機能を有する。
【0041】
加えて、本発明者らは、一般式(i)で表される化合物が上述した特徴的な構造を有することにより、本発明の重合性液晶組成物は、一般式(i)で表される化合物と液晶組成物との相溶性が高く、低温安定性を確保できることを見出した。この理由については確かではないが、メソゲンの直鎖方向および側方から重合性基やアルキル基が結合することにより、相対的な分子全体の屈曲性の向上およびこれによる結晶化パッキングの阻害が発揮されることによるものと推量される。
【0042】
このように、本発明の重合性液晶組成物は、一般式(i)で表される化合物を含むことで、PI層を設けなくとも液晶化合物の均一な垂直配向が可能であり、滴下痕や配向ムラが発生しにくく、垂直配向性およびプレチルト角の長期安定性が高く、優れた相溶性を示すことができる。
【0043】
以下、本発明の重合性液晶組成物に含まれる化合物について、詳細に説明する。
【0044】
A.一般式(i)で表される化合物
本発明において、一般式(i)で表される化合物は、重合性化合物であり、また、液晶分子を自発的に配向させる機能を有する化合物(自発配向性添加剤)である。
【0045】
上述した観点から、一般式(i)で表される化合物は、P
i1、P
i2、P
i3、T
k1及びT
k2からなる群から選択される基の数の合計が5以上であり、且つ、分子構造内において長軸方向の一方の末端、好ましくは分子の主鎖の一方の末端に、P
i1、P
i2及びP
i3ならびにT
k1及びT
k2のいずれかで表される部分構造を有していればよく、上記部分構造が結合する結合先の化学構造は、液晶組成物の機能を阻害しない範囲であれば特に制限されない。
【0046】
一般式(i)中において、P
i1、P
i2、P
i3、T
k1及びT
k2からなる群から選択される基の数の合計は、5以上であればよいが、重合性基および極性基の数が多いほど、より優れた配向性およびプレチルト安定性を示すことから、好ましくは5以上、6以上である。一方、合成コストや結晶性の確保から、上記基の数の合計は、好ましくは8以下、7以下である。
【0047】
一般式(i)中において、P
i1、P
i2及びP
i3からなる群から選択される基の数は、1以上であるが、中でも3以上であることが好ましく、4以上であることが特に好ましい。また、上記基の数は、好ましくは6以下であり、より好ましくは5以下である。P
i1、P
i2及びP
i3からなる群から選択される基の数を上記の範囲とすることで、プレチルト角安定性(IS)が良好になるからである。
【0048】
一般式(i)中においては、T
k1及びT
k2からなる群から選択される基の数は、1以上であるが、3以上であることが好ましく、4以上であることが特に好ましい。また、上記基の数は、好ましくは7以下であり、より好ましくは6以下である。T
k1及びT
k2からなる群から選択される基の数を上記の範囲とすることで、液晶分子の垂直配向性を高めることができるからである。
【0049】
一般式(i)中のR
i1は、好ましくは、炭素原子数1〜18の直鎖又は分岐のアルキル基であり、より好ましくは炭素原子数3〜18の直鎖又は分岐のアルキル基である。該アルキル基中の−CH
2−は、−CH=CH−、−C≡C−又は−O−で置換されてもよい。ただし2個以上の−O−が隣接することはない。液晶化合物の配向性を向上させる観点から、R
i1中の炭素原子数は3以上が好ましく、4以上が好ましく、5以上が好ましい。なお、R
i1には、重合性基は含まないものとする。
【0050】
一般式(i)中のZ
i1及びZ
i2はそれぞれ独立して、単結合、−CH=CH−、−CF=CF−、−C≡C−、−COO−、−OCO−、−CF
2O−、−OCF
2−、−CH=CHCOO−、−OCOCH=CH−、−OCH
2CH
2O−、又は炭素原子数1〜10のアルキレン基、又は該アルキレン基中の1個又は隣接しない2個以上の−CH
2−が−O−、−COO−又は−OCO−で置換された基を表すことが好ましい。より好ましくは、Z
i1及びZ
i2はそれぞれ独立して、単結合、−COO−、−OCO−、−CH=CHCOO−、−OCOCH=CH−、−OCH
2CH
2O−、炭素原子数1〜6の直鎖状又は分岐状のアルキレン基、又は該アルキレン基中の1個又は隣接しない2個以上の−CH
2−が−O−、−COO−又は−OCO−で置換された基で置換された基を表す。更に好ましくは、Z
i1及びZ
i2はそれぞれ独立して、単結合、−COO−、−OCO−、−OCH
2CH
2O−、又は炭素原子数2のアルキレン基(エチレン基(−CH
2CH
2−))若しくはエチレン基中の−CH
2−の1個が−O−で置換された基(−CH
2O−、−OCH
2−)、若しくはエチレン基中の−CH
2−の1個が−COO−、−OCO−で置換された基を表す。
【0051】
一般式(i)中のA
i1及びA
i2は、それぞれ独立して2価の環芳香族基、2価の環複素芳香族基、2価の環脂肪族基、又は2価の環複素脂肪族基であることが好ましく、2価の6員環芳香族基、2価の6員環複素芳香族基、2価の6員環脂肪族基、2価の6員環複素脂肪族基、2価の5員環芳香族基、2価の5員環複素芳香族基、2価の5員環脂肪族基、又は2価の5員環複素脂肪族基であることがより好ましい。また、これらの環構造中の水素原子はL
i1で置換されてもよい。
【0052】
具体的には、A
i1及びA
i2は、1,4−フェニレン基、1,4−シクロヘキシレン基、アントラセン−2,6−ジイル基、フェナントレン−2,7−ジイル基、ピリジン−2,5−ジイル基、ピリミジン−2,5−ジイル基、ナフタレン−2,6−ジイル基、インダン−2,5−ジイル基、クロマン−3,7−ジイル、1,2,3,4−テトラヒドロナフタレン−2,6−ジイル基、又は1,3−ジオキサン−2,5−ジイル基が好ましく、これらの基中の環構造は無置換である又は水素原子がL
i1で置換されていることが好ましい。
【0053】
L
i1は、炭素原子数1〜12のアルキル基、炭素原子数1〜12のハロゲン化アルキル基、炭素原子数1〜12のアルコキシ基、炭素原子数1〜12のハロゲン化アルコキシ基、又はハロゲン原子が好ましく、炭素原子数1〜6のアルキル基、炭素原子数1〜6のアルコキシ基又はハロゲン原子であることがより好ましい。ハロゲン原子は、フッ素原子、塩素原子等が挙げられ、中でもフッ素原子が好ましい。アルキル基、ハロゲン化アルキル基、アルコキシ基は、直鎖でもよいし、分岐していてもよい。
【0054】
好ましくは、A
i1は、2価の無置換の6員環芳香族基、2価の無置換の6員環脂肪族基、又はこれらの環構造中の水素原子が炭素原子数1〜12のアルキル基、炭素原子数1〜12のハロゲン化アルキル基、炭素原子数1〜12のアルコキシ基、炭素原子数1〜12のハロゲン化アルコキシ基、又はハロゲン原子で置換された基を表す。より好ましくは、A
i1は、環構造中の水素原子が炭素原子数1〜6のアルキル基、炭素原子数1〜6のハロゲン化アルキル基、炭素原子数1〜6のアルコキシ基、又はハロゲン原子で置換されていてもよい1,4−フェニレン基、2,6−ナフタレン基又は1,4−シクロヘキシル基を表す。ハロゲン原子はフッ素原子であることが好ましい。
【0055】
A
i2は、好ましくは1,4−フェニレン基を表す。
【0056】
A
i2は、環構造中の少なくとも1つの水素原子が、X
i1に置換されていてもよい。X
i1の数、すなわち一般式(i)中のni1は、0〜2の整数を表すが、低温保存安定性および配向性の理由から、1〜2の整数を表すことが好ましく、1がより好ましい。なお、ni1が0を表す場合には、A
i2の環構造中の水素原子は、X
i1に置換されておらず、ni1が1又は2の整数を表す場合には、A
i2の環構造中の1個又は2個の水素原子は、X
i1により置換されている。A
i2の環構造中の複数の水素原子がX
i1に置換されている場合、複数のX
i1は同一であってもよく、異なっていてもよい。
【0057】
A
i2の環構造中の少なくとも1つの水素原子がX
i1に置換されている場合、A
i2の環構造中においてX
i1の位置は特に限定されないが、中でも上記の場合のA
i2は、下記式(A
i2−1)から(A
i2−4)の何れかで表されることが好ましい。
【0058】
【化11】
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【0059】
(上記式(A
i2−1)から(A
i2−4)中、一点黒点はZ
i1との結合手を表し、二点黒点はZ
i2との結合手を表し、2つのX
i1は同一であってもよく、異なっていてもよい。)
【0060】
一般式(i)中のR
i2、R
i3及びR
i4はそれぞれ独立して、水素原子、ハロゲン原子、炭素原子数1〜18の直鎖又は分岐のアルキル基、又はX
i4であることが好ましく、水素原子、ハロゲン原子、炭素原子数3〜18の直鎖又は分岐のアルキル基、又はX
i4であることがより好ましい。該アルキル基中の−CH
2−は、−CH=CH−、−C≡C−又は−O−で置換されてもよい。ただし2個以上の−O−が隣接することはない。
【0061】
R
i2、R
i3及びR
i4がそれぞれ独立して、アルキル基である場合、液晶化合物の配向性を向上させる観点から、R
i2、R
i3及びR
i4中の炭素原子数は3以上が好ましく、4以上が好ましく、5以上が好ましい。
【0062】
一般式(i)中のX
i1、X
i2、X
i3およびX
i4は、それぞれ独立して−Sp
i1−P
i1又は−Sp
i2−K
i1を表す。また、K
i1はそれぞれ独立して、上述した一般式(K−1)又は(K−2)で表される。X
i1およびX
i4のそれぞれが複数存在する場合は、それらは同一であってもよく、異なっていてもよい。
【0063】
X
i2及びX
i3並びにR
i2、R
i3及びR
i4は、ベンゼン環の環構造中の水素原子と置換する基である。ベンゼン環の環構造中において、X
i2及びX
i3並びにR
i2、R
i3及びR
i4の位置は特に限定されないが、例えば下記式(A
i3−1)から(A
i3−6)の何れかの位置とすることができる。
【0064】
【化12】
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【0065】
(式中の*はZ
i2との結合箇所を表す。)
【0066】
また、R
i4がX
i4を表す場合、すなわち、R
i4が−Sp
i1−P
i1又は−Sp
i2−K
i1を表す場合、X
i2、X
i3及びX
i4、ならびにR
i2及びR
i2の位置は特に限定されないが、下記式(A
i3−1−1)又は(A
i3−3−1)で表されることが好ましい。
【0067】
【化13】
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【0068】
(式中の*はZ
i2との結合箇所を表す。)
【0069】
一般式(K−1)中のT
k1は、それぞれ独立して、上述した一般式(T−1)から(T−7)で表される基を表すが、中でも一般式(T−1)、(T−3)、(T−4)又は(T−7)で表される基であることが好ましい。
【0070】
一般式(T−3)および(T−7)中のS
T1は、それぞれ独立して単結合、炭素原子数1〜10個の直鎖状若しくは分岐状のアルキレン基又は炭素原子数2〜10個の直鎖状若しくは分岐状のアルケニレン基を表すことが好ましく、炭素原子数1〜7の直鎖状若しくは分岐状のアルキレン基又は炭素原子数2〜7の直鎖状若しくは分岐状のアルケニレン基が好ましく、炭素原子数1〜3の直鎖状アルキレン基が好ましい。また、該アルキレン基又はアルケニレン基中の−CH
2−は酸素原子が直接隣接しないように−O−、−COO−、−C(=O)−又は−OCO−で置換されていてもよい。
【0071】
一般式(T−3)中のR
T1は、それぞれ独立して、炭素原子数1〜5のアルキル基を表す。当該アルキル基は直鎖状若しくは分岐状である。当該アルキル基の−CH
2−は酸素原子が直接隣接しないように−O−、−COO−、−C(=O)−又は−OCO−に置換されていてもよい。中でもR
T1は炭素原子数1〜3の直鎖状アルキル基が好ましい。また、一般式(T−3)中には、少なくとも2個以上の第二級炭素原子は−C(=O)を含むことが好ましい。
【0072】
一般式(T−6)中のR
T2及びR
T3は、それぞれ独立して水素原子又は炭素原子数1〜5のアルキル基を表すが、中でも水素原子を表すことが好ましい。
【0073】
一般式(K−1)中、R
k1は、それぞれ独立して水素原子、炭素原子数1〜6の直鎖又は分岐のアルキル基を表し、該アルキル基中の1個又は隣接しない2個以上の−CH
2−は−O−で置換されてもよく、より好ましくは、水素原子又は炭素原子数1〜3の直鎖アルキル基である。
【0074】
一般式(K−1)中、ki1、ki2及びki3は、各々独立して0〜3の整数を表すが、ただしki1、ki2及びki3の合計は3である。ki1は、液晶の配向性および液晶化合物への溶解性を向上させる観点から1又は2の整数を表すことが好ましい。ki2は、1又は2の整数を表すことが好ましく、配向性を向上させる観点から1の整数を表すことがさらに好ましい。ki3は0又は1の整数を表すことが好ましい。
【0075】
このようなki1、ki2及びki3の組み合わせは、適宜選択することができるが、中でも好ましい組み合わせとしては、例えばki1が1の整数を表し、ki2が2の整数を表し、ki3が0の整数を表す組み合わせA、ki1が2の整数を表し、ki2が1の整数を表し、ki3が0の整数を表す組み合わせB、ki1が2の整数を表し、ki2が0の整数を表し、ki3が1の整数を表す組み合わせC、等が挙げられる。
【0076】
ここで、一般式(K−1)で表される部分構造においては、極性基であるT
k1と重合性基であるP
i2とが隣接していることで、より良好な配向性が得られ、また、液晶組成物への良好な溶解性を示すことができる。したがって、ki1、ki2及びki3の組み合わせは、液晶の配向性を重視する場合は、上記組み合わせAが好ましく、一方、液晶組成物への溶解性を重視する場合は、上記組み合わせCが好ましい。
【0077】
一般式(K−1)の好ましい例としては、以下の一般式(K−1−1)から(K−1−5)が挙げられる。中でも一般式(K−1−1)、(K−1−3)又は(K−1−4)がより好ましい。
【0078】
【化14】
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【0079】
(上記一般式(K−1−1)から(K−1−5)中、複数のT
K1は同一であってもよく、異なっていてもよい。)
【0080】
一般式(K−1)としてより具体的には、以下の一般式(K−1−1A)から(K−1−4G)が挙げられる。
【0081】
【化15】
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【0082】
【化16】
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【0083】
【化17】
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【0084】
【化18】
[この文献は図面を表示できません]
【0085】
(上記一般式(K−1−1A)から(K−1−4G)中、R
T4、R
T5及びR
T6はそれぞれ独立して炭素原子数1〜3のアルキル基を表し、n
T1及びn
T2はそれぞれ独立して0又は1を表し、n
T2はそれぞれ独立して1〜3の整数を表し、複数存在するR
T4、R
T5、R
T6、n
T1、n
T2及びn
T3は、それぞれ同一であっても異なっていてもよい。)
【0086】
一般式(K−2)中のT
k2は、それぞれ独立して、上述した一般式(T−8)から(T−17)で表される基を表す。一般式(T−8)から(T−17)の好ましい例としては、下記式(T−8−1)から(T−17−1)が挙げられる。中でも、配向性や反応性の点から、式(T−8−1)、(T−8−3)、(T−10−1)、(T−13−1)、(T−15−1)及び(T−18−1)が好ましく、特に好ましくは式(T−8−1)、(T−10−1)、及び(T−13−1)が挙げられる。
【0087】
【化19】
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【0088】
(式中、黒点は結合手を表す。)
一般式(i)中、Sp
i1、Sp
i2、Sp
i3、Sp
i4及びSp
i5は、好ましくは、炭素原子数1〜20の直鎖又は分岐のアルキレン基若しくは炭素原子数1〜20の直鎖又は分岐のハロゲン化アルキレン基を表し、該アルキレン基又はハロゲン化アルキレン基中の−CH
2−は2個の−O−が隣り合うことなく−CH=CH−、−C≡C−又は−O−で置換されてもよい。中でも好ましくは、Sp
i1、Sp
i2、Sp
i3、Sp
i4及びSp
i5の少なくとも1つが、炭素原子数1〜18のアルキレン基を表し、更に好ましくは炭素原子数2〜15のアルキレン基を表し、より好ましくは炭素原子数2〜8のアルキレン基を表す。特にSp
i1およびSp
i2が、上述した炭素原子数のアルキレン基を表すことが好ましい。液晶組成物への溶解性が良好となるからである。
【0089】
K
i1が上述した一般式(K−1−3)、(K−1−4)又は(K−1−5)のいずれかを表す場合、化合物の結晶性および液晶表示素子にした際のプレチルト角形成が良好となることから、Sp
i1、Sp
i2、Sp
i3、Sp
i4及びSp
i5のうち少なくとも一つが単結合を表してもよい。
【0090】
一般式(i)中、P
i1、P
i2及びP
i3はそれぞれ独立して、上述した一般式(P−1)から一般式(P−16)で表される群より選ばれる基を表すが、中でも取り扱いの簡便性や反応性の点から、P
i1、P
i2及びP
i3はそれぞれ独立して、メタクリレート基またはアクリレート基であることが好ましく、具体的には一般式(P−1)または(P−2)で表される基であることが特に好ましい。
【0091】
一般式(i)中、mi1及びmi2は、各々独立して1〜4の整数を表すが、好ましくは1〜2の整数を表し、より好ましくは1を表す。詳述すれば、mi1は、配向性と低温溶液安定性のバランスの観点から、1〜3の整数を表すことが好ましく、1〜2の整数を表すことがさらに好ましく、1の整数を表すことがより好ましい。一方、mi2は、配向性とプレチルト角定性のバランスの観点から、1〜2の整数を表すことが好ましく、1の整数を表すことが特に好ましい。
【0092】
一般式(i)で表される化合物は、以下の一般式(i−A)で表される化合物であることが好ましい。
【0093】
【化20】
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【0094】
(一般式(i−A)中、R
i1、A
i1、A
i2、Z
i1、Z
i2、X
i1、X
i2、X
i3、X
i4、mi1、mi2およびni1はそれぞれ、一般式(i)中のR
i1、A
i1、A
i2、Z
i1、Z
i2、X
i1、X
i2、X
i3、X
i4、mi1、mi2およびni1と同じ意味を表す。)
【0095】
一般式(i−A)中、R
i2及びR
i3は、中でもそれぞれ独立して、水素原子、ハロゲン原子、炭素原子数1〜20の直鎖又は分岐のアルキル基、若しくは炭素原子数1〜20の直鎖又は分岐のハロゲン化アルキル基を表すことが好ましい。なお、該アルキル基又はハロゲン化アルキル基中の−CH
2−は−CH=CH−、−C≡C−又は−O−で置換されてもよいが2個以上の−O−が隣接することはない。
【0096】
一般式(i−A)で表される化合物は、その分子構造内において長軸方向の一方側、詳しくは、長軸方向の一方側に位置するベンゼン環において、環構造中の特定位置にある水素原子が、−Sp
i1−P
i1又は−Sp
i2−K
i1を表す基であるX
i2、X
i3およびX
i4に置換されていることを必須とする。このように、長軸方向の一方側に極性基および/又は重合性基が偏在する特徴的な構造を有することで、上述した一般式(i)で表される化合物を含む重合性液晶組成物による効果が更に発揮され易くなる。
【0097】
一般式(i−A)中のX
i2、X
i3およびX
i4は、それぞれ同一であってもよく、異なってもよい。
【0098】
一般式(i−A)で表される化合物として、例えば下記の一般式(i−A−1)から(i−A−4)のいずれかで表される化合物が挙げられる。
【0099】
【化21】
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【0100】
(上記中、R
i1、A
i1、A
i2、Z
i1、Z
i2、mi1、Sp
i3およびSp
i4は、それぞれ、一般式(i)中のR
i1、A
i1、A
i2、Z
i1、Z
i2、mi1、Sp
i3およびSp
i4と同じ意味を表す。)
【0101】
一般式(i)で表される化合物の、より具体的な化合物の例として、下記式(i−1)から(i−660)で表される化合物を以下に示すが、一般式(i)で表される化合物の具体例は、これらに限定されるものではない。
【0102】
【化22】
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【0103】
【化23】
[この文献は図面を表示できません]
【0104】
【化24】
[この文献は図面を表示できません]
【0105】
【化25】
[この文献は図面を表示できません]
【0106】
【化26】
[この文献は図面を表示できません]
【0107】
【化27】
[この文献は図面を表示できません]
【0108】
【化28】
[この文献は図面を表示できません]
【0109】
【化29】
[この文献は図面を表示できません]
【0110】
【化30】
[この文献は図面を表示できません]
【0111】
【化31】
[この文献は図面を表示できません]
【0112】
【化32】
[この文献は図面を表示できません]
【0113】
【化33】
[この文献は図面を表示できません]
【0114】
【化34】
[この文献は図面を表示できません]
【0115】
【化35】
[この文献は図面を表示できません]
【0116】
【化36】
[この文献は図面を表示できません]
【0117】
【化37】
[この文献は図面を表示できません]
【0118】
【化38】
[この文献は図面を表示できません]
【0119】
【化39】
[この文献は図面を表示できません]
【0120】
【化40】
[この文献は図面を表示できません]
【0121】
【化41】
[この文献は図面を表示できません]
【0122】
【化42】
[この文献は図面を表示できません]
【0123】
【化43】
[この文献は図面を表示できません]
【0124】
【化44】
[この文献は図面を表示できません]
【0125】
【化45】
[この文献は図面を表示できません]
【0126】
【化46】
[この文献は図面を表示できません]
【0127】
【化47】
[この文献は図面を表示できません]
【0128】
【化48】
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【0129】
【化49】
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【0130】
【化50】
[この文献は図面を表示できません]
【0131】
【化51】
[この文献は図面を表示できません]
【0132】
【化52】
[この文献は図面を表示できません]
【0133】
【化53】
[この文献は図面を表示できません]
【0134】
【化54】
[この文献は図面を表示できません]
【0135】
【化55】
[この文献は図面を表示できません]
【0136】
【化56】
[この文献は図面を表示できません]
【0137】
【化57】
[この文献は図面を表示できません]
【0138】
【化58】
[この文献は図面を表示できません]
【0139】
【化59】
[この文献は図面を表示できません]
【0140】
【化60】
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【0141】
【化61】
[この文献は図面を表示できません]
【0142】
【化62】
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【0143】
【化63】
[この文献は図面を表示できません]
【0144】
【化64】
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【0145】
【化65】
[この文献は図面を表示できません]
【0146】
【化66】
[この文献は図面を表示できません]
【0147】
【化67】
[この文献は図面を表示できません]
【0148】
【化68】
[この文献は図面を表示できません]
【0149】
【化69】
[この文献は図面を表示できません]
【0150】
【化70】
[この文献は図面を表示できません]
【0151】
【化71】
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【0152】
【化72】
[この文献は図面を表示できません]
【0153】
【化73】
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【0154】
【化74】
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【0155】
【化75】
[この文献は図面を表示できません]
【0156】
【化76】
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【0157】
【化77】
[この文献は図面を表示できません]
【0158】
【化78】
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【0159】
【化79】
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【0160】
【化80】
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【0161】
【化81】
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【0162】
【化82】
[この文献は図面を表示できません]
【0163】
【化83】
[この文献は図面を表示できません]
【0164】
【化84】
[この文献は図面を表示できません]
【0165】
【化85】
[この文献は図面を表示できません]
【0166】
【化86】
[この文献は図面を表示できません]
【0167】
【化87】
[この文献は図面を表示できません]
【0168】
本発明の重合性液晶組成物中の一般式(i)で表される化合物の含有量は、好ましくは0.01〜50質量%であるが、その下限値は、液晶分子を更に好適に配向させられる観点から、重合性液晶組成物全量を基準として、好ましくは、0.01質量%以上、0.1質量%以上、0.5質量%以上、0.7質量%以上、又は1質量%以上である。化合物(i)の含有量の上限値は、応答特性に優れる観点から、重合性液晶組成物全量を基準として、好ましくは、50質量%以下、30質量%以下、10質量%以下であり、7質量%以下、5質量%以下、4質量%以下、又は3質量%以下である。
【0169】
B.液晶組成物
本発明の重合性液晶組成物は、一般式(i)で表される化合物のほかに、液晶組成物を含有する。液晶組成物は、1種または2種以上の非重合性の液晶化合物(液晶分子)を構成に含む。すなわち、本発明の重合性液晶組成物は、一般式(i)で表される化合物のほかに、非重合性液晶化合物を含有する。液晶組成物および該液晶組成物を含む本発明の重合性液晶組成物は、負の誘電率異方性(Δε)を有することが好ましい。負の誘電率異方性(Δε)とは、Δεの符号が負で、その絶対値が2より大きいことを意味する。本発明の重合性液晶組成物は、中でも20℃におけるΔεが、-4.0から−2.0の範囲内であることが好ましく、−3.5から−2.3の範囲内がさらに好ましく、−3.3から−2.5の範囲内が特に好ましい。
【0170】
液晶組成物は、非重合性液晶化合物として、一般式(N−1)、(N−2)及び(N−3)のいずれかで表される化合物群から選ばれる化合物を含有することができる。
【0171】
【化88】
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【0172】
(一般式(N−1)、(N−2)及び(N−3)中、R
N11、R
N12、R
N21、R
N22、R
N31及びR
N32は、それぞれ独立して炭素原子数1〜8のアルキル基を表し、該アルキル基中の1個又は隣接していない2個以上の−CH
2−は、それぞれ独立して、−CH=CH−、−C≡C−、−O−、−CO−、−COO−又は−OCO−によって置換されていてもよく、
A
N11、A
N12、A
N21、A
N22、A
N31及びA
N32は、それぞれ独立して、
(a) 1,4−シクロヘキシレン基(この基中に存在する1個の−CH
2−又は隣接していない2個以上の−CH
2−は−O−に置換されてもよい。)、
(b) 1,4−フェニレン基(この基中に存在する1個の−CH=又は隣接していない2個以上の−CH=は−N=に置換されてもよい。)、
(c) ナフタレン−2,6−ジイル基、1,2,3,4−テトラヒドロナフタレン−2,6−ジイル基又はデカヒドロナフタレン−2,6−ジイル基(ナフタレン−2,6−ジイル基又は1,2,3,4−テトラヒドロナフタレン−2,6−ジイル基中に存在する1個の−CH=又は隣接していない2個以上の−CH=は−N=に置換されてもよい。)、及び
(d) 1,4−シクロヘキセニレン基
からなる群より選ばれる基を表し、上記の基(a)、基(b)、基(c)及び基(d)は、それぞれ独立して、シアノ基、フッ素原子又は塩素原子で置換されていてもよく、
Z
N11、Z
N12、Z
N21、Z
N22、Z
N31及びZ
N32は、それぞれ独立して、単結合、−CH
2CH
2−、−(CH
2)
4−、−OCH
2−、−CH
2O−、−COO−、−OCO−、−OCF
2−、−CF
2O−、−CH=N−N=CH−、−CH=CH−、−CF=CF−又は−C≡C−を表し、
X
N21は、水素原子又はフッ素原子を表し、
T
N31は、−CH
2−又は酸素原子を表し、
n
N11、n
N12、n
N21、n
N22、n
N31及びn
N32は、それぞれ独立して0〜3の整数を表すが、n
N11+n
N12、n
N21+n
N22及びn
N31+n
N32は、それぞれ独立して1、2又は3であり、
A
N11〜A
N32、Z
N11〜Z
N32がそれぞれ複数存在する場合は、それぞれは互いに同一であっても異なっていてもよい。)
【0173】
一般式(N−1)、(N−2)及び(N−3)のいずれかで表される化合物は、Δεが負でその絶対値が3よりも大きな化合物であることが好ましい。
【0174】
一般式(N−1)、(N−2)及び(N−3)中、R
N11、R
N12、R
N21、R
N22、R
N31及びR
N32はそれぞれ独立して、炭素原子数1〜8のアルキル基、炭素原子数1〜8のアルコキシ基、炭素原子数2〜8のアルケニル基又は炭素原子数2〜8のアルケニルオキシ基が好ましく、炭素原子数1〜5のアルキル基、炭素原子数1〜5のアルコキシ基、炭素原子数2〜5のアルケニル基又は炭素原子数2〜5のアルケニルオキシ基が好ましく、炭素原子数1〜5のアルキル基又は炭素原子数2〜5のアルケニル基が更に好ましく、炭素原子数2〜5のアルキル基又は炭素原子数2〜3のアルケニル基が更に好ましく、炭素原子数3のアルケニル基(プロペニル基)が特に好ましい。
【0175】
また、R
N11、R
N12、R
N21、R
N22、R
N31及びR
N32は、それらが結合する環構造がフェニル基(芳香族)である場合には、直鎖状の炭素原子数1〜5のアルキル基、直鎖状の炭素原子数1〜4のアルコキシ基及び炭素原子数4〜5のアルケニル基が好ましく、それが結合する環構造がシクロヘキサン、ピラン及びジオキサンなどの飽和した環構造の場合には、直鎖状の炭素原子数1〜5のアルキル基、直鎖状の炭素原子数1〜4のアルコキシ基及び直鎖状の炭素原子数2〜5のアルケニル基が好ましい。ネマチック相を安定化させるためには炭素原子及び存在する場合酸素原子の合計が5以下であることが好ましく、直鎖状であることが好ましい。
【0176】
アルケニル基としては、式(R1)から式(R5)のいずれかで表される基から選ばれることが好ましい(各式中の黒点は結合手を表す。)。
【0177】
【化89】
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【0178】
A
N11、A
N12、A
N21、A
N22、A
N31及びA
N32はそれぞれ独立してΔnを大きくすることが求められる場合には芳香族であることが好ましく、応答速度を改善するためには脂肪族であることが好ましく、トランス−1,4−シクロへキシレン基、1,4−フェニレン基、2−フルオロ−1,4−フェニレン基、3−フルオロ−1,4−フェニレン基、3,5−ジフルオロ−1,4−フェニレン基、2,3−ジフルオロ−1,4−フェニレン基、1,4−シクロヘキセニレン基、1,4−ビシクロ[2.2.2]オクチレン基、ピペリジン−1,4−ジイル基、ナフタレン−2,6−ジイル基、デカヒドロナフタレン−2,6−ジイル基又は1,2,3,4−テトラヒドロナフタレン−2,6−ジイル基を表すことが好ましく、下記の構造:
【0179】
【化90】
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【0180】
を表すことがより好ましく、トランス−1,4−シクロへキシレン基、1,4−シクロヘキセニレン基又は1,4−フェニレン基を表すことがより好ましい。
【0181】
Z
N11、Z
N12、Z
N21、Z
N22、Z
N31及びZ
N32はそれぞれ独立して−CH
2O−、−CF
2O−、−CH
2CH
2−、−CF
2CF
2−又は単結合を表すことが好ましく、−CH
2O−、−CH
2CH
2−又は単結合が更に好ましく、−CH
2O−又は単結合が特に好ましい。
【0184】
n
N11+n
N12、n
N21+n
N22及びn
N31+n
N32は1又は2が好ましく、n
N11が1でありn
N12が0である組み合わせ、n
N11が2でありn
N12が0である組み合わせ、n
N11が1でありn
N12が1である組み合わせ、n
N11が2でありn
N12が1である組み合わせ、n
N21が1でありn
N22が0である組み合わせ、n
N21が2でありn
N22が0である組み合わせ、n
N31が1でありn
N32が0である組み合わせ、n
N31が2でありn
N32が0である組み合わせ、が好ましい。
【0185】
液晶組成物の総量に対しての式(N−1)で表される化合物の好ましい含有量の下限値は、1質量%以上であり、10質量%以上であり、20質量%以上であり、30質量%以上であり、40質量%以上であり、50質量%以上であり、55質量%以上であり、60質量%以上であり、65質量%以上であり、70質量%以上であり、75質量%以上であり、80質量%以上である。好ましい含有量の上限値は、95質量%以下であり、85質量%以下であり、75質量%以下であり、65質量%以下であり、55質量%以下であり、45質量%以下であり、35質量%以下であり、25質量%以下であり、20質量%以下である。
【0186】
液晶組成物の総量に対しての式(N−2)で表される化合物の好ましい含有量の下限値は、1質量%以上であり、10質量%以上であり、20質量%以上であり、30質量%以上であり、40質量%以上であり、50質量%以上であり、55質量%以上であり、60質量%以上であり、65質量%以上であり、70質量%以上であり、75質量%以上であり、80質量%以上である。好ましい含有量の上限値は、95質量%以下であり、85質量%以下であり、75質量%以下であり、65質量%以下であり、55質量%以下であり、45質量%以下であり、35質量%以下であり、25質量%以下であり、20質量%以下である。
【0187】
液晶組成物の総量に対しての式(N−3)で表される化合物の好ましい含有量の下限値は、1質量%以上であり、10質量%以上であり、20質量%以上であり、30質量%以上であり、40質量%以上であり、50質量%以上であり、55質量%以上であり、60質量%以上であり、65質量%以上であり、70質量%以上であり、75質量%以上であり、80質量%以上である。好ましい含有量の上限値は、95質量%以下であり、85質量%以下であり、75質量%以下であり、65質量%以下であり、55質量%以下であり、45質量%以下であり、35質量%以下であり、25質量%以下であり、20質量%以下である。
【0188】
粘度を低く保ち、応答速度が速い液晶組成物が必要な場合は上記含有量の下限値が低く上限値が低いことが好ましい。Tniを高く保ち、温度安定性の良い液晶組成物が必要な場合は、上記含有量の下限値が低く上限値が低いことが好ましい。また、駆動電圧を低く保つために液晶組成物の誘電率異方性を大きくしたいときは、上記含有量の下限値を高く上限値が高いことが好ましい。
【0189】
一般式(N−1)で表される化合物として、下記の一般式(N−1a)から(N−1g)で表される化合物群を挙げることができる。
【0190】
【化91】
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【0191】
(式中、R
N11及びR
N12は一般式(N−1)におけるR
N11及びR
N12と同じ意味を表し、
n
Na11は0又は1を表し、n
Nb11は0又は1を表し、n
Nc11は0又は1を表し、n
Nd11は0又は1を表し、n
Ne11は1又は2を表し、n
Nf11は1又は2を表し、n
Ng11は1又は2を表し、
A
Ne11はトランス−1,4−シクロへキシレン基又は1,4−フェニレン基を表し、
A
Ng11はトランス−1,4−シクロへキシレン基、1,4−シクロヘキセニレン基又は1,4−フェニレン基を表すが、少なくとも1つは1,4−シクロヘキセニレン基を表し、
Z
Ne 11は単結合又はエチレンを表すが、少なくとも1つはエチレンを表す。)
【0192】
より具体的には、一般式(N−1)で表される化合物は、一般式(N−1−1)から(N−1−22)で表される化合物群から選ばれる化合物であることが好ましい。
【0193】
一般式(N−1−1)で表される化合物は下記の化合物である。
【0194】
【化92】
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【0195】
(式中、R
N111及びR
N112はそれぞれ独立して、一般式(N)におけるR
N11及びR
N12と同じ意味を表す。)
【0196】
R
N111は炭素原子数1〜5のアルキル基又は炭素原子数2〜5のアルケニル基が好ましく、プロピル基、ペンチル基又はビニル基が好ましい。R
N112は炭素原子数1〜5のアルキル基、炭素原子数4〜5のアルケニル基又は炭素原子数1〜4のアルコキシ基が好ましく、エトキシ基又はブトキシ基が好ましい。
【0197】
一般式(N−1−1)で表される化合物は単独で使用することもできるが、2以上の化合物を組み合わせて使用することもできる。組み合わせることができる化合物の種類に特に制限は無いが、低温での溶解性、転移温度、電気的な信頼性、複屈折率などの求められる性能に応じて適宜組み合わせて使用する。使用する化合物の種類は、例えば一つの実施形態としては1種類であり、2種類であり、3種類であり、4種類であり、5種類以上である。
【0198】
一般式(N−1−1)で表される化合物は、Δεの改善を重視する場合には含有量を高めに設定することが好ましく、低温での溶解性を重視する場合は含有量を多めに設定すると効果が高く、T
NIを重視する場合は含有量を少なめに設定すると効果が高い。さらに、一般式(N−1−1)で表される化合物は、滴下痕や焼き付き特性を改良する場合は、含有量の範囲を中間に設定することが好ましい。
【0199】
液晶組成物の総量に対しての式(N−1−1)で表される化合物の好ましい含有量の下限値は、5質量%以上であり、10質量%以上であり、13質量%以上であり、15質量%以上であり、17質量%以上であり、20質量%以上であり、23質量%以上であり、25質量%以上であり、27質量%以上であり、30質量%以上であり、33質量%以上であり、35質量%以上である。好ましい含有量の上限値は、液晶組成物の総量に対して、50質量%以下であり、40質量%以下であり、38質量%以下であり、35質量%以下であり、33質量%以下であり、30質量%以下であり、28質量%以下であり、25質量%以下であり、23質量%以下であり、20質量%以下であり、18質量%以下であり、15質量%以下であり、13質量%以下であり、10質量%以下であり、8質量%以下であり、7質量%以下であり、6質量%以下であり、5質量%以下であり、3質量%以下である。
【0200】
一般式(N−1−1)で表される化合物は、式(N−1−1.1)から式(N−1−1.23)で表される化合物群から選ばれる化合物であることが好ましく、式(N−1−1.1)から(N−1−1.4)で表される化合物であることが好ましく、式(N−1−1.1)及び式(N−1−1.3)で表される化合物が好ましい。
【0201】
【化93】
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【0202】
式(N−1−1.1)から(N−1−1.22)で表される化合物は単独で使用することも、組み合わせて使用することも可能であるが、液晶組成物の総量に対しての単独又はこれら化合物の好ましい含有量の下限値は、5質量%以上であり、上限値は、本実施形態の組成物の総量に対して、50質量%以下である。
【0203】
一般式(N−1−2)で表される化合物は、下記の化合物である。
【0204】
【化94】
[この文献は図面を表示できません]
【0205】
式中、R
N121およびR
N122は、それぞれ一般式(N−1)におけるR
N11およびR
N12と同じ意味を表す。
【0206】
R
N121は、炭素原子数1〜5のアルキル基または炭素原子数2〜5のアルケニル基が好ましく、エチル基、プロピル基、ブチル基またはペンチル基がより好ましい。
【0207】
R
N122は、炭素原子数1〜5のアルキル基、炭素原子数4〜5のアルケニル基または炭素原子数1〜4のアルコキシ基が好ましく、メチル基、プロピル基、メトキシ基、エトキシ基またはプロポキシ基がより好ましい。
【0208】
一般式(N−1−2)で表される化合物は、1種を単独で使用することもできるが、2種以上を組み合わせて使用することもできる。組み合わせる化合物の種類は、特に限定されないが、低温での溶解性、転移温度、電気的な信頼性、複屈折率などの求められる性能に応じて適宜選択される。使用する化合物の種類は、例えば、1種類であり、2種類であり、3種類であり、4種類であり、5種類以上である。
【0209】
液晶組成物中に含まれる一般式(N−1−2)で表される化合物の量は、次の通りであることが好ましい。すなわち、その好ましい下限値は、5質量%、7質量%、10質量%、13質量%、15質量%、17質量%、20質量%、23質量%、25質量%、27質量%、30質量%、33質量%、35質量%、37質量%、40質量%、42質量%である。一方、その好ましい上限値は、50質量%、48質量%、45質量%、43質量%、40質量%、38質量%、35質量%、33質量%、30質量%、28質量%、25質量%、23質量%、20質量%、18質量%、15質量%、13質量%、10質量%、8質量%、7質量%、6質量%、5質量%である。
【0210】
なお、Δεの改善を重視する場合は、一般式(N−1−2)で表される化合物の量を高めに設定することが好ましく、低温での溶解性を重視する場合は、その量を少なめに設定すると効果が高く、Tniを重視する場合は、その量を多めに設定すると効果が高い。さらに、滴下痕や焼き付き特性を改良する場合は、一般式(N−1−2)で表される化合物の量を、上記範囲の中間に設定することが好ましい。
【0211】
一般式(N−1−2)で表される化合物は、下記式(N−1−2.1)〜(N−1−2.7)、式(N−1−2.10)〜(N−1−2.13)または式(N−1−2.20)〜(N−1−2.22)で表される化合物であることが好ましく、式(N−1−2.3)〜(N−1−2.7)、式(N−1−2.10)、式(N−1−2.11)、式(N−1−2.13)または式(N−1−2.20)で表される化合物であることがより好ましい。
【0212】
Δεの改良を重視する場合は、式(N−1−2.3)から(N−1−2.7)で表される化合物であることが好ましい。Tniの改良を重視する場合は、式(N−1−2.10)、式(N−1−2.11)または式(N−1−2.13)で表される化合物であることが好ましい。また、応答速度の改良を重視する場合は、式(N−1−2.20)で表される化合物であることが好ましい。
【0213】
【化95】
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【0214】
一般式(N−1−3)で表される化合物は、下記の化合物である。
【0215】
【化96】
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【0216】
式中、R
N131およびR
N132は、それぞれ一般式(N−1)におけるR
N11およびR
N12と同じ意味を表す。
【0217】
R
N131は、炭素原子数1〜5のアルキル基または炭素原子数2〜5のアルケニル基が好ましく、エチル基、プロピル基またはブチル基がより好ましい。
【0218】
R
N132は、炭素原子数1〜5のアルキル基、炭素原子数3〜5のアルケニル基または炭素原子数1〜4のアルコキシ基が好ましく、1−プロペニル基、エトキシ基、プロポキシ基またはブトキシ基がより好ましい。
【0219】
一般式(N−1−3)で表される化合物は、1種を単独で使用することもできるが、2種以上を組み合わせて使用することもできる。組み合わせる化合物の種類は、特に限定されないが、低温での溶解性、転移温度、電気的な信頼性、複屈折率などの求められる性能に応じて適宜選択される。使用する化合物の種類は、例えば、1種類であり、2種類であり、3種類であり、4種類であり、5種類以上である。
【0220】
液晶組成物中に含まれる一般式(N−1−3)で表される化合物の量は、次の通りであることが好ましい。すなわち、その好ましい下限値は、5質量%、10質量%、13質量%、15質量%、17質量%、20質量%である。一方、その好ましい上限値は、35質量%、30質量%、28質量%、25質量%、23質量%、20質量%、18質量%、15質量%、13質量%である。
【0221】
なお、Δεの改善を重視する場合は、一般式(N−1−3)で表される化合物の量を高めに設定することが好ましく、低温での溶解性を重視する場合は、その量を多めに設定すると効果が高く、Tniを重視する場合は、その量を多めに設定すると効果が高い。さらに、滴下痕や焼き付き特性を改良する場合は、一般式(N−1−3)で表される化合物の量を、上記範囲の中間に設定することが好ましい。
【0222】
一般式(N−1−3)で表される化合物は、下記式(N−1−3.1)から(N−1−3.7)、式(N−1−3.10)、式(N−1−3.11)、式(N−1−3.20)または式(N−1−3.21)で表される化合物であることが好ましく、式(N−1−3.1)から(N−1−3.7)または式(N−1−3.21)で表される化合物であることがより好ましく、式(N−1−3.1)から(N−1−3.4)または式(N−1−3.6)で表される化合物であることがさらに好ましい。
【0223】
【化97】
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【0224】
式(N−1−3.1)〜(N−1−3.4)、式(N−1−3.6)または式(N−1−3.21)で表される化合物は、1種を単独で使用することも、2種以上を組み合わせて使用することも可能である。中でも、式(N−1−3.1)で表される化合物と式(N−1−3.2)で表される化合物との組み合わせ、式(N−1−3.3)で表される化合物、式(N−1−3.4)で表される化合物および式(N−1−3.6)で表される化合物から選ばれる2種または3種の組み合わせが好ましい。
【0225】
一般式(N−1−4)で表される化合物は、下記の化合物である。
【0226】
【化98】
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【0227】
式中、R
N141およびR
N142は、それぞれ一般式(N−1)におけるR
N11およびR
N12と同じ意味を表す。
【0228】
R
N141およびR
N142は、それぞれ独立して、炭素原子数1〜5のアルキル基、炭素原子数4〜5のアルケニル基または炭素原子数1〜4のアルコキシ基が好ましく、メチル基、プロピル基、エトキシ基またはブトキシ基がより好ましい。
【0229】
一般式(N−1−4)で表される化合物は、1種を単独で使用することもできるが、2種以上を組み合わせて使用することもできる。組み合わせる化合物の種類は、特に限定されないが、低温での溶解性、転移温度、電気的な信頼性、複屈折率などの求められる性能に応じて適宜選択される。使用する化合物の種類は、例えば、1種類であり、2種類であり、3種類であり、4種類であり、5種類以上である。
【0230】
液晶組成物中に含まれる一般式(N−1−4)で表される化合物の量は、次の通りであることが好ましい。すなわち、その好ましい下限値は、3質量%、5質量%、7質量%、10質量%、13質量%、15質量%、17質量%、20質量%である。一方、その好ましい上限値は、35質量%、30質量%、28質量%、25質量%、23質量%、20質量%、18質量%、15質量%、13質量%、11質量%、10質量%、8質量%である。
【0231】
なお、Δεの改善を重視する場合は、一般式(N−1−4)で表される化合物の量を高めに設定することが好ましく、低温での溶解性を重視する場合は、その量を多めに設定すると効果が高く、Tniを重視する場合は、その量を少なめに設定すると効果が高い。さらに、滴下痕や焼き付き特性を改良する場合は、一般式(N−1−4)で表される化合物の量を、上記範囲の中間に設定することが好ましい。
【0232】
一般式(N−1−4)で表される化合物は、下記式(N−1−4.1)から(N−1−4.4)または式(N−1−4.11)から(N−1−4.14)で表される化合物であることが好ましく、式(N−1−4.1)から(N−1−4.4)で表される化合物であることがより好ましく、式(N−1−4.1)、式(N−1−4.2)または式(N−1−4.4)で表される化合物であることがさら好ましい。
【0233】
【化99】
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【0234】
一般式(N−1−5)で表される化合物は、下記の化合物である。
【0235】
【化100】
[この文献は図面を表示できません]
【0236】
式中、R
N151およびR
N152は、それぞれ一般式(N−1)におけるR
N11およびR
N12と同じ意味を表す。
【0237】
R
N151およびR
N152は、それぞれ独立して、炭素原子数1〜5のアルキル基、炭素原子数4〜5のアルケニル基または炭素原子数1〜4のアルコキシ基が好ましく、エチル基、プロピル基またはブチル基がより好ましい。
【0238】
一般式(N−1−5)で表される化合物は、1種を単独で使用することもできるが、2種以上を組み合わせて使用することもできる。組み合わせる化合物の種類は、特に限定されないが、低温での溶解性、転移温度、電気的な信頼性、複屈折率などの求められる性能に応じて適宜選択される。使用する化合物の種類は、例えば、1種類であり、2種類であり、3種類であり、4種類であり、5種類以上である。
【0239】
液晶組成物中に含まれる一般式(N−1−5)で表される化合物の量は、次の通りであることが好ましい。すなわち、その好ましい下限値は、5質量%、8質量%、10質量%、13質量%、15質量%、17質量%、20質量%である。一方、その好ましい上限値は、35質量%、33質量%、30質量%、28質量%、25質量%、23質量%、20質量%、18質量%、15質量%、13質量%である。
【0240】
なお、Δεの改善を重視する場合は、一般式(N−1−5)で表される化合物の量を高めに設定することが好ましく、低温での溶解性を重視する場合は、その量を少なめに設定すると効果が高く、Tniを重視する場合は、その量を多めに設定すると効果が高い。さらに、滴下痕や焼き付き特性を改良する場合は、一般式(N−1−5)で表される化合物の量を、上記範囲の中間に設定することが好ましい。
【0241】
一般式(N−1−5)で表される化合物は、下記式(N−1−5.1)から(N−1−5.6)で表される化合物であることが好ましく、式(N−1−5.1)、式(N−1−5.2)または式(N−1−5.4)で表される化合物であることがより好ましい。
【0242】
【化101】
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【0243】
一般式(N−1−10)で表される化合物は、下記の化合物である。
【0244】
【化102】
[この文献は図面を表示できません]
【0245】
式中、R
N1101およびR
N1102は、それぞれ一般式(N−1)におけるR
N11およびR
N12と同じ意味を表す。
【0246】
R
N1101は、炭素原子数1〜5のアルキル基または炭素原子数2〜5のアルケニル基が好ましく、エチル基、プロピル基、ブチル基、ビニル基または1−プロペニル基がより好ましい。
【0247】
R
N1102は、炭素原子数1〜5のアルキル基、炭素原子数4〜5のアルケニル基または炭素原子数1〜4のアルコキシ基が好ましく、エトキシ基、プロポキシ基またはブトキシ基がより好ましい。
【0248】
一般式(N−1−10)で表される化合物は、1種を単独で使用することもできるが、2種以上を組み合わせて使用することもできる。組み合わせる化合物の種類は、特に限定されないが、低温での溶解性、転移温度、電気的な信頼性、複屈折率などの求められる性能に応じて適宜選択される。使用する化合物の種類は、例えば、1種類であり、2種類であり、3種類であり、4種類であり、5種類以上である。
【0249】
液晶組成物中に含まれる一般式(N−1−10)で表される化合物の量は、次の通りであることが好ましい。すなわち、その好ましい下限値は、5質量%、10質量%、13質量%、15質量%、17質量%、20質量%である。一方、その好ましい上限値は、35質量%、30質量%、28質量%、25質量%、23質量%、20質量%、18質量%、15質量%、13質量%である。
【0250】
なお、Δεの改善を重視する場合は、一般式(N−1−10)で表される化合物の量を高めに設定することが好ましく、低温での溶解性を重視する場合は、その量を高めに設定すると効果が高く、Tniを重視する場合は、その量を高めに設定すると効果が高い。さらに、滴下痕や焼き付き特性を改良する場合は、一般式(N−1−10)で表される化合物の量を、上記範囲の中間に設定することが好ましい。
【0251】
一般式(N−1−10)で表される化合物は、下記式(N−1−10.1)から(N−1−10.5)または式(N−1−10.11)から(N−1−10.14)で表される化合物であることが好ましく、式(N−1−10.1)から(N−1−10.5)で表される化合物であることがより好ましく、式(N−1−10.1)または式(N−1−10.2)で表される化合物であることがさらに好ましい。
【0252】
【化103】
[この文献は図面を表示できません]
【0253】
一般式(N−1−11)で表される化合物は、下記の化合物である。
【0254】
【化104】
[この文献は図面を表示できません]
【0255】
式中、R
N1111およびR
N1112は、それぞれ一般式(N−1)におけるR
N11およびR
N12と同じ意味を表す。
【0256】
R
N1111は、炭素原子数1〜5のアルキル基または炭素原子数2〜5のアルケニル基が好ましく、エチル基、プロピル基、ブチル基、ビニル基または1−プロペニル基がより好ましい。
【0257】
R
N1112は、炭素原子数1〜5のアルキル基、炭素原子数4〜5のアルケニル基または炭素原子数1〜4のアルコキシ基が好ましく、エトキシ基、プロポキシ基またはブトキシ基がより好ましい。
【0258】
一般式(N−1−11)で表される化合物は、1種を単独で使用することもできるが、2種以上を組み合わせて使用することもできる。組み合わせる化合物の種類は、特に限定されないが、低温での溶解性、転移温度、電気的な信頼性、複屈折率などの求められる性能に応じて適宜選択される。使用する化合物の種類は、例えば、1種類であり、2種類であり、3種類であり、4種類であり、5種類以上である。
【0259】
液晶組成物中に含まれる一般式(N−1−11)で表される化合物の量は、次の通りであることが好ましい。すなわち、その好ましい下限値は、5質量%、10質量%、13質量%、15質量%、17質量%、20質量%である。一方、その好ましい上限値は、35質量%、30質量%、28質量%、25質量%、23質量%、20質量%、18質量%、15質量%、13質量%である。
【0260】
なお、Δεの改善を重視する場合は、一般式(N−1−11)で表される化合物の量を高めに設定することが好ましく、低温での溶解性を重視する場合は、その量を低めに設定すると効果が高く、Tniを重視する場合は、その量を高めに設定すると効果が高い。さらに、滴下痕や焼き付き特性を改良する場合は、一般式(N−1−11)で表される化合物の量を、上記範囲の中間に設定することが好ましい。
【0261】
一般式(N−1−11)で表される化合物は、下記式(N−1−11.1)から(N−1−11.5)または式(N−1−11.11)から(N−1−11.14)で表される化合物であることが好ましく、式(N−1−11.1)から(N−1−11.5)で表される化合物であることがより好ましく、式(N−1−11.2)または式(N−1−11.4)で表される化合物であることがさらに好ましい。
【0262】
【化105】
[この文献は図面を表示できません]
【0263】
一般式(N−1−12)で表される化合物は、下記の化合物である。
【0264】
【化106】
[この文献は図面を表示できません]
【0265】
式中、R
N1121およびR
N1122は、それぞれ一般式(N−1)におけるR
N11およびR
N12と同じ意味を表す。
【0266】
R
N1121は、炭素原子数1〜5のアルキル基または炭素原子数2〜5のアルケニル基が好ましく、エチル基、プロピル基またはブチル基がより好ましい。
【0267】
R
N1122は、炭素原子数1〜5のアルキル基、炭素原子数4〜5のアルケニル基または炭素原子数1〜4のアルコキシ基が好ましく、エトキシ基、プロポキシ基またはブトキシ基がより好ましい。
【0268】
一般式(N−1−12)で表される化合物は、1種を単独で使用することもできるが、2種以上を組み合わせて使用することもできる。組み合わせる化合物の種類は、特に限定されないが、低温での溶解性、転移温度、電気的な信頼性、複屈折率などの求められる性能に応じて適宜選択される。使用する化合物の種類は、例えば、1種類であり、2種類であり、3種類であり、4種類であり、5種類以上である。
【0269】
液晶組成物中に含まれる一般式(N−1−12)で表される化合物の量は、次の通りであることが好ましい。すなわち、その好ましい下限値は、5質量%、10質量%、13質量%、15質量%、17質量%、20質量%である。一方、その好ましい上限値は、35質量%、30質量%、28質量%、25質量%、23質量%、20質量%、18質量%、15質量%、13質量%である。
【0270】
なお、Δεの改善を重視する場合は、一般式(N−1−12)で表される化合物の量を高めに設定することが好ましく、低温での溶解性を重視する場合は、その量を多めに設定すると効果が高く、Tniを重視する場合は、その量を多めに設定すると効果が高い。さらに、滴下痕や焼き付き特性を改良する場合は、一般式(N−1−12)で表される化合物の量を、上記範囲の中間に設定することが好ましい。
【0271】
一般式(N−1−13)で表される化合物は、下記の化合物である。
【0272】
【化107】
[この文献は図面を表示できません]
【0273】
式中、R
N1131およびR
N1132は、それぞれ一般式(N−1)におけるR
N11およびR
N12と同じ意味を表す。
【0274】
R
N1131は、炭素原子数1〜5のアルキル基または炭素原子数2〜5のアルケニル基が好ましく、エチル基、プロピル基またはブチル基がより好ましい。
【0275】
R
N1132は、炭素原子数1〜5のアルキル基、炭素原子数4〜5のアルケニル基または炭素原子数1〜4のアルコキシ基が好ましく、エトキシ基、プロポキシ基またはブトキシ基がより好ましい。
【0276】
一般式(N−1−13)で表される化合物は、1種を単独で使用することもできるが、2種以上を組み合わせて使用することもできる。組み合わせる化合物の種類は、特に限定されないが、低温での溶解性、転移温度、電気的な信頼性、複屈折率などの求められる性能に応じて適宜選択される。使用する化合物の種類は、例えば、1種類であり、2種類であり、3種類であり、4種類であり、5種類以上である。
【0277】
液晶組成物中に含まれる一般式(N−1−13)で表される化合物の量は、次の通りであることが好ましい。すなわち、その好ましい下限値は、5質量%、10質量%、13質量%、15質量%、17質量%、20質量%である。一方、その好ましい上限値は、35質量%、30質量%、28質量%、25質量%、23質量%、20質量%、18質量%、15質量%、13質量%である。
【0278】
なお、Δεの改善を重視する場合は、一般式(N−1−13)で表される化合物の量を高めに設定することが好ましく、低温での溶解性を重視する場合は、その量を多めに設定すると効果が高く、Tniを重視する場合は、その量を多めに設定すると効果が高い。さらに、滴下痕や焼き付き特性を改良する場合は、一般式(N−1−13)で表される化合物の量を、上記範囲の中間に設定することが好ましい。
【0279】
一般式(N−1−14)で表される化合物は、下記の化合物である。
【0280】
【化108】
[この文献は図面を表示できません]
【0281】
式中、R
N1141およびR
N1142は、それぞれ一般式(N−1)におけるR
N11およびR
N12と同じ意味を表す。
【0282】
R
N1141は、炭素原子数1〜5のアルキル基または炭素原子数2〜5のアルケニル基が好ましく、エチル基、プロピル基またはブチル基がより好ましい。
【0283】
R
N1142は、炭素原子数1〜5のアルキル基、炭素原子数4〜5のアルケニル基または炭素原子数1〜4のアルコキシ基が好ましく、エトキシ基、プロポキシ基またはブトキシ基がより好ましい。
【0284】
一般式(N−1−14)で表される化合物は、1種を単独で使用することもできるが、2種以上を組み合わせて使用することもできる。組み合わせる化合物の種類は、特に限定されないが、低温での溶解性、転移温度、電気的な信頼性、複屈折率などの求められる性能に応じて適宜選択される。使用する化合物の種類は、例えば、1種類であり、2種類であり、3種類であり、4種類であり、5種類以上である。
【0285】
液晶組成物中に含まれる一般式(N−1−14)で表される化合物の量は、次の通りであることが好ましい。すなわち、その好ましい下限値は、5質量%、10質量%、13質量%、15質量%、17質量%、20質量%である。一方、その好ましい上限値は、35質量%、30質量%、28質量%、25質量%、23質量%、20質量%、18質量%、15質量%、13質量%である。
【0286】
なお、Δεの改善を重視する場合は、一般式(N−1−14)で表される化合物の量を高めに設定することが好ましく、低温での溶解性を重視する場合は、その量を多めに設定すると効果が高く、Tniを重視する場合は、その量を多めに設定すると効果が高い。さらに、滴下痕や焼き付き特性を改良する場合は、一般式(N−1−14)で表される化合物の量を、上記範囲の中間に設定することが好ましい。
【0287】
一般式(N−1−15)で表される化合物は、下記の化合物である。
【0288】
【化109】
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【0289】
式中、R
N1151およびR
N1152は、それぞれ一般式(N−1)におけるR
N11およびR
N12と同じ意味を表す。
【0290】
R
N1151は、炭素原子数1〜5のアルキル基または炭素原子数2〜5のアルケニル基が好ましく、エチル基、プロピル基またはブチル基がより好ましい。
【0291】
R
N1152は、炭素原子数1〜5のアルキル基、炭素原子数4〜5のアルケニル基または炭素原子数1〜4のアルコキシ基が好ましく、エトキシ基、プロポキシ基またはブトキシ基がより好ましい。
【0292】
一般式(N−1−15)で表される化合物は、1種を単独で使用することもできるが、2種以上を組み合わせて使用することもできる。組み合わせる化合物の種類は、特に限定されないが、低温での溶解性、転移温度、電気的な信頼性、複屈折率などの求められる性能に応じて適宜選択される。使用する化合物の種類は、例えば、1種類であり、2種類であり、3種類であり、4種類であり、5種類以上である。
【0293】
液晶組成物中に含まれる一般式(N−1−15)で表される化合物の量は、次の通りであることが好ましい。すなわち、その好ましい下限値は、5質量%、10質量%、13質量%、15質量%、17質量%、20質量%である。一方、その好ましい上限値は、35質量%、30質量%、28質量%、25質量%、23質量%、20質量%、18質量%、15質量%、13質量%である。
【0294】
なお、Δεの改善を重視する場合は、一般式(N−1−15)で表される化合物の量を高めに設定することが好ましく、低温での溶解性を重視する場合は、その量を多めに設定すると効果が高く、Tniを重視する場合は、その量を多めに設定すると効果が高い。さらに、滴下痕や焼き付き特性を改良する場合は、一般式(N−1−15)で表される化合物の量を、上記範囲の中間に設定することが好ましい。
【0295】
一般式(N−1−16)で表される化合物は、下記の化合物である。
【0296】
【化110】
[この文献は図面を表示できません]
【0297】
式中、R
N1161およびR
N1162は、それぞれ一般式(N−1)におけるR
N11およびR
N12と同じ意味を表す。
【0298】
R
N1161は、炭素原子数1〜5のアルキル基または炭素原子数2〜5のアルケニル基が好ましく、エチル基、プロピル基またはブチル基がより好ましい。
【0299】
R
N1162は、炭素原子数1〜5のアルキル基、炭素原子数4〜5のアルケニル基または炭素原子数1〜4のアルコキシ基が好ましく、エトキシ基、プロポキシ基またはブトキシ基がより好ましい。
【0300】
一般式(N−1−16)で表される化合物は、1種を単独で使用することもできるが、2種以上を組み合わせて使用することもできる。組み合わせる化合物の種類は、特に限定されないが、低温での溶解性、転移温度、電気的な信頼性、複屈折率などの求められる性能に応じて適宜選択される。使用する化合物の種類は、例えば、1種類であり、2種類であり、3種類であり、4種類であり、5種類以上である。
【0301】
液晶組成物中に含まれる一般式(N−1−16)で表される化合物の量は、次の通りであることが好ましい。すなわち、その好ましい下限値は、5質量%、10質量%、13質量%、15質量%、17質量%、20質量%である。一方、その好ましい上限値は、35質量%、30質量%、28質量%、25質量%、23質量%、20質量%、18質量%、15質量%、13質量%である。
【0302】
なお、Δεの改善を重視する場合は、一般式(N−1−16)で表される化合物の量を高めに設定することが好ましく、低温での溶解性を重視する場合は、その量を多めに設定すると効果が高く、Tniを重視する場合は、その量を多めに設定すると効果が高い。さらに、滴下痕や焼き付き特性を改良する場合は、一般式(N−1−16)で表される化合物の量を、上記範囲の中間に設定することが好ましい。
【0303】
一般式(N−1−17)で表される化合物は、下記の化合物である。
【0304】
【化111】
[この文献は図面を表示できません]
【0305】
式中、R
N1171およびR
N1172は、それぞれ一般式(N−1)におけるR
N11およびR
N12と同じ意味を表す。
【0306】
R
N1171は、炭素原子数1〜5のアルキル基または炭素原子数2〜5のアルケニル基が好ましく、エチル基、プロピル基またはブチル基がより好ましい。
【0307】
R
N1172は、炭素原子数1〜5のアルキル基、炭素原子数4〜5のアルケニル基または炭素原子数1〜4のアルコキシ基が好ましく、エトキシ基、プロポキシ基またはブトキシ基がより好ましい。
【0308】
一般式(N−1−17)で表される化合物は、1種を単独で使用することもできるが、2種以上を組み合わせて使用することもできる。組み合わせる化合物の種類は、特に限定されないが、低温での溶解性、転移温度、電気的な信頼性、複屈折率などの求められる性能に応じて適宜選択される。使用する化合物の種類は、例えば、1種類であり、2種類であり、3種類であり、4種類であり、5種類以上である。
【0309】
液晶組成物中に含まれる一般式(N−1−17)で表される化合物の量は、次の通りであることが好ましい。すなわち、その好ましい下限値は、5質量%、10質量%、13質量%、15質量%、17質量%、20質量%である。一方、その好ましい上限値は、35質量%、30質量%、28質量%、25質量%、23質量%、20質量%、18質量%、15質量%、13質量%である。
【0310】
なお、Δεの改善を重視する場合は、一般式(N−1−17)で表される化合物の量を高めに設定することが好ましく、低温での溶解性を重視する場合は、その量を多めに設定すると効果が高く、Tniを重視する場合は、その量を多めに設定すると効果が高い。さらに、滴下痕や焼き付き特性を改良する場合は、一般式(N−1−17)で表される化合物の量を、上記範囲の中間に設定することが好ましい。
【0311】
一般式(N−1−18)で表される化合物は、下記の化合物である。
【0312】
【化112】
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【0313】
式中、R
N1181およびR
N1182は、それぞれ一般式(N−1)におけるR
N11およびR
N12と同じ意味を表す。
【0314】
R
N1181は、炭素原子数1〜5のアルキル基または炭素原子数2〜5のアルケニル基が好ましく、メチル基、エチル基、プロピル基またはブチル基がより好ましい。
【0315】
R
N1182は、炭素原子数1〜5のアルキル基、炭素原子数4〜5のアルケニル基または炭素原子数1〜4のアルコキシ基が好ましく、エトキシ基、プロポキシ基またはブトキシ基がより好ましい。
【0316】
一般式(N−1−18)で表される化合物は、1種を単独で使用することもできるが、2種以上を組み合わせて使用することもできる。組み合わせる化合物の種類は、特に限定されないが、低温での溶解性、転移温度、電気的な信頼性、複屈折率などの求められる性能に応じて適宜選択される。使用する化合物の種類は、例えば、1種類であり、2種類であり、3種類であり、4種類であり、5種類以上である。
【0317】
液晶組成物中に含まれる一般式(N−1−18)で表される化合物の量は、次の通りであることが好ましい。すなわち、その好ましい下限値は、5質量%、10質量、13質量%、15質量%、17質量%、20質量%である。一方、その好ましい上限値は、35質量%、30質量%、28質量%、25質量%、23質量%、20質量%、18質量%、15質量%、13質量%である。
【0318】
なお、Δεの改善を重視する場合は、一般式(N−1−18)で表される化合物の量を高めに設定することが好ましく、低温での溶解性を重視する場合は、その量を多めに設定すると効果が高く、Tniを重視する場合は、その量を多めに設定すると効果が高い。さらに、滴下痕や焼き付き特性を改良する場合は、一般式(N−1−18)で表される化合物の量を、上記範囲の中間に設定することが好ましい。
【0319】
一般式(N−1−18)で表される化合物は、下記式(N−1−18.1)から(N−1−18.5)で表される化合物であることが好ましく、式(N−1−18.1)から(N−1−18.3)で表される化合物であることがより好ましく、式(N−1−18.2)または式(N−1−18.3)で表される化合物であることがさらに好ましい。
【0320】
【化113】
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【0321】
一般式(N−1−20)で表される化合物は、下記の化合物である。
【0322】
【化114】
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【0323】
式中、R
N1201および
N1202は、それぞれ一般式(N−1)におけるR
N11およびR
N12と同じ意味を表す。
【0324】
R
N1201およびR
N1202は、それぞれ独立して、炭素原子数1〜5のアルキル基または炭素原子数2〜5のアルケニル基が好ましく、エチル基、プロピル基またはブチル基がより好ましい。
【0325】
一般式(N−1−20)で表される化合物は、1種を単独で使用することもできるが、2種以上を組み合わせて使用することもできる。組み合わせる化合物の種類は、特に限定されないが、低温での溶解性、転移温度、電気的な信頼性、複屈折率などの求められる性能に応じて適宜選択される。使用する化合物の種類は、例えば、1種類であり、2種類であり、3種類であり、4種類であり、5種類以上である。
【0326】
液晶組成物中に含まれる一般式(N−1−20)で表される化合物の量は、次の通りであることが好ましい。すなわち、その好ましい下限値は、5質量%、10質量%、13質量%、15質量%、17質量%、20質量%である。一方、その好ましい上限値は、35質量%、30質量%、28質量%、25質量%、23質量%、20質量%、18質量%、15質量%、13質量%である。
【0327】
Δεの改善を重視する場合は、一般式(N−1−20)で表される化合物の量を高めに設定することが好ましく、低温での溶解性を重視する場合は、その量を多めに設定すると効果が高く、Tniを重視する場合は、その量を多めに設定すると効果が高い。さらに、滴下痕や焼き付き特性を改良する場合は、一般式(N−1−20)で表される化合物の量を、上記範囲の中間に設定することが好ましい。
【0328】
一般式(N−1−21)で表される化合物は、下記の化合物である。
【0329】
【化115】
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【0330】
R
N1211およびR
N1212は、それぞれ独立して、炭素原子数1〜5のアルキル基または炭素原子数2〜5のアルケニル基が好ましく、エチル基、プロピル基またはブチル基がより好ましい。
【0331】
一般式(N−1−21)で表される化合物は、1種を単独で使用することもできるが、2種以上を組み合わせて使用することもできる。組み合わせる化合物の種類は、特に限定されないが、低温での溶解性、転移温度、電気的な信頼性、複屈折率などの求められる性能に応じて適宜選択される。使用する化合物の種類は、例えば、1種類であり、2種類であり、3種類であり、4種類であり、5種類以上である。
【0332】
液晶組成物中に含まれる一般式(N−1−21)で表される化合物の量は、次の通りであることが好ましい。すなわち、その好ましい下限値は、5質量%、10質量%、13質量%、15質量%、17質量%、20質量%。一方、その好ましい上限値は、35質量%、30質量%、28質量%、25質量%、23質量%、20質量%、18質量%、15質量%、13質量%である。
【0333】
Δεの改善を重視する場合は、一般式(N−1−21)で表される化合物の量を高めに設定することが好ましく、低温での溶解性を重視する場合は、その量を多めに設定すると効果が高く、Tniを重視する場合は、その量を多めに設定すると効果が高い。さらに、滴下痕や焼き付き特性を改良する場合は、一般式(N−1−21)で表される化合物の量を、上記範囲の中間に設定することが好ましい。
【0334】
一般式(N−1−22)で表される化合物は、下記の化合物である。
【0335】
【化116】
[この文献は図面を表示できません]
【0336】
式中、R
N1221およびR
N1222は、それぞれ一般式(N−1)におけるR
N11およびR
N12と同じ意味を表す。
【0337】
R
N1221およびR
N1222は、それぞれ独立して、炭素原子数1〜5のアルキル基または炭素原子数2〜5のアルケニル基が好ましく、エチル基、プロピル基またはブチル基がより好ましい。
【0338】
一般式(N−1−22)で表される化合物は、1種を単独で使用することもできるが、2種以上を組み合わせて使用することもできる。組み合わせる化合物の種類は、特に限定されないが、低温での溶解性、転移温度、電気的な信頼性、複屈折率などの求められる性能に応じて適宜選択される。使用する化合物の種類は、例えば、1種類であり、2種類であり、3種類であり、4種類であり、5種類以上である。
【0339】
液晶組成物中に含まれる一般式(N−1−22)で表される化合物の量は、次の通りであることが好ましい。すなわち、その好ましい下限値は、1質量%、5質量%、10質量%、13質量%、15質量%、17質量%、20質量%である。一方、その好ましい上限値は、35質量%、30質量%、28質量%、25質量%、23質量%、20質量%、18質量%、15質量%、13質量%、10質量%、5質量%である。
【0340】
なお、Δεの改善を重視する場合は、一般式(N−1−22)で表される化合物の量を高めに設定することが好ましく、低温での溶解性を重視する場合は、その量を多めに設定すると効果が高く、Tniを重視する場合は、その量を多めに設定すると効果が高い。さらに、滴下痕や焼き付き特性を改良する場合は、一般式(N−1−21)で表される化合物の量を、上記範囲の中間に設定することが好ましい。
【0341】
一般式(N−1−22)で表される化合物は、下記式(N−1−22.1)から(N−1−22.6)、式(N−1−22.11)または(N−1−22.12)で表される化合物であることが好ましく、式(N−1−22.1)から(N−1−22.5)で表される化合物であることがより好ましく、式(N−1−22.1)から(N−1−22.4)で表される化合物がさらに好ましい。
【0342】
【化117】
[この文献は図面を表示できません]
【0343】
一般式(N−3)で表される化合物は、下記一般式(N−3−2)で表される化合物であることが好ましい。
【0344】
【化118】
[この文献は図面を表示できません]
【0345】
式中、R
N321およびR
N322は、それぞれ一般式(N−3)におけるR
N31およびR
N32と同じ意味を表す。
【0346】
R
N321およびR
N322は、炭素原子数1〜5のアルキル基または炭素原子数2〜5のアルケニル基が好ましく、プロピル基またはペンチル基がより好ましい。
【0347】
一般式(N−3−2)で表される化合物は、1種を単独で使用することもできるが、2種以上を組み合わせて使用することもできる。組み合わせる化合物の種類は、特に限定されないが、低温での溶解性、転移温度、電気的な信頼性、複屈折率などの求められる性能に応じて適宜選択される。使用する化合物の種類は、例えば、1種類であり、2種類であり、3種類であり、4種類であり、5種類以上である。
【0348】
液晶組成物中に含まれる一般式(N−3−2)で表される化合物の量は、次の通りであることが好ましい。すなわち、その好ましい下限値は、3質量%、5質量%、10質量%、13質量%、15質量%、17質量%、20質量%、23質量%、25質量%、27質量%、30質量%、33質量%、35質量%である。一方、その好ましい上限値は、50質量%、40質量%、38質量%、35質量%、33質量%、30質量%、28質量%、25質量%、23質量%、20質量%、18質量%、15質量%、13質量%、10質量%、8質量%、7質量%、6質量%、5質量%である。
【0349】
なお、Δεの改善を重視する場合は、一般式(N−3−2)で表される化合物の量を高めに設定することが好ましく、低温での溶解性を重視する場合は、その量を多めに設定すると効果が高く、Tniを重視する場合は、その量を少なめに設定すると効果が高い。さらに、滴下痕や焼き付き特性を改良する場合は、一般式(N−3−2)で表される化合物の量を、上記範囲の中間に設定することが好ましい。
【0350】
一般式(N−3−2)で表される化合物は、下記式(N−3−2.1)から(N−3−2.3)で表される化合物であることが好ましい。
【0351】
【化119】
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【0352】
液晶組成物は、非重合性液晶化合物(液晶分子)として、さらに下記一般式(L)で表される化合物から選ばれる少なくとも1種を含有してもよい。
【0353】
【化120】
[この文献は図面を表示できません]
【0354】
(上記一般式(L)中、
R
L1及びR
L2は、それぞれ独立して、炭素原子数1〜8のアルキル基を表すが、該アルキル基中に存在する任意の1個又は隣接しない2個以上の−CH
2−は、それぞれ独立して、−CH=CH−、−C≡C−、−O−、−CO−、−COO−又は−OCO−で置換されてもよく、
n
L1は、0、1、2又は3を表し、
A
L1、A
L2及びA
L3は、それぞれ独立して、
(a) 1,4−シクロヘキシレン基(該基中に存在する任意の1個又は隣接しない2個以上の−CH
2−は、−O−で置換されてもよい。)、
(b) 1,4−フェニレン基(該基中に存在する任意の1個又は隣接しない2個以上の−CH=は、−N=で置換されてもよい。)、及び
(c) ナフタレン−2,6−ジイル基、1,2,3,4−テトラヒドロナフタレン−2,6−ジイル基又はデカヒドロナフタレン−2,6−ジイル基(該基中に存在する任意の1個又は隣接しない2個以上の−CH=は、−N=で置換されてもよい。)
からなる群より選ばれる基を表すが、上記の基(a)、基(b)及び基(c)は、それぞれ独立して、シアノ基、フッ素原子又は塩素原子で置換されてもよく、
Z
L1及びZ
L2は、それぞれ独立して、単結合、−CH
2CH
2−、−(CH
2)
4−、−OCH
2−、−CH
2O−、−COO−、−OCO−、−OCF
2−、−CF
2O−、−CH=N−N=CH−、−CH=CH−、−CF=CF−又は−C≡C−を表し、
n
L1が2又は3であってA
L2が複数存在する場合には、それらは同一であっても異なっていてもよく、
n
L1が2又は3であってZ
L2が複数存在する場合には、それらは同一であっても異なっていてもよい。
【0355】
ただし、一般式(N−1)、(N−2)及び(N−3)で表される化合物を除く。)
【0356】
一般式(L)で表される化合物は、誘電的にほぼ中性の化合物(Δεの値が−2〜2)に該当する。このため、かかる化合物を液晶組成物中に配合することにより、液晶組成物の各種特性を調整することができる。
【0357】
一般式(L)で表される化合物は、1種類を単独で使用することも、2種類以上を併用することもできる。併用可能な化合物の種類は、特に制限されないが、低温での溶解性、転移温度、電気的な信頼性、複屈折率などの所望の性能に応じて、適宜選択される。使用する化合物の種類は、例えば本発明の一つの実施形態では、1種類である。あるいは、使用する化合物の種類は、本発明の別の実施形態では、2種類であり、3種類であり、4種類であり、5種類であり、6種類であり、7種類であり、8種類であり、9種類であり、10種類以上である。
【0358】
液晶組成物中に含まれる一般式(L)で表される化合物の量は、低温での溶解性、転移温度、電気的な信頼性、複屈折率、プロセス適合性、滴下痕、焼き付き、誘電率異方性などの求められる性能に応じて、適宜調整される。その好ましい下限値は、1質量%、10質量%、20質量%、30質量%、40質量%、50質量%、55質量%、60質量%、65質量%、70質量%、75質量%、80質量%である。一方、その好ましい上限値は、95質量%、85質量%、75質量%、65質量%、55質量%、45質量%、35質量%、25質量%である。
【0359】
液晶組成物の粘度を低く保ち、応答速度を高める必要がある場合には、一般式(L)で表される化合物の量の下限値が高く、かつ上限値も高いことが好ましい。さらに、液晶組成物のTniを高く保ち、温度安定性を高める必要がある場合には、上記の下限値が高く、かつ上限値も高いことが好ましい。また、液晶組成物の駆動電圧を低く保つべく、その誘電率異方性を大きくしたい場合には、上記の下限値が低く、かつ上限値も低いことが好ましい。信頼性を重視する場合には、R
L1及びR
L2の双方がアルキル基であることが好ましく、揮発性を低減させることを重視する場合には、R
L1及びR
L2の双方がアルコキシ基であることが好ましく、液晶組成物の粘性の低下を重視する場合には、R
L1及びR
L2の少なくとも一方がアルケニル基であることが好ましい。分子内に存在するハロゲン原子の数は、0、1、2又は3個であることが好ましく、0又は1個であることがより好ましく、他の液晶分子との相溶性を重視する場合には、1個であることがさらに好ましい。
【0360】
R
L1及びR
L2は、それらがベンゼン環(芳香族環)である環構造に結合する場合には、直鎖状の炭素原子数1〜5のアルキル基、直鎖状の炭素原子数1〜4のアルコキシ基又は炭素原子数4〜5のアルケニル基であることが好ましく、それらがシクロヘキサン環、ピラン環、ジオキサン環のような飽和した環構造に結合する場合には、直鎖状の炭素原子数1〜5のアルキル基、直鎖状の炭素原子数1〜4のアルコキシ基又は直鎖状の炭素原子数2〜5のアルケニル基であることが好ましい。なお、ネマチック相を安定化させるためには、炭素原子の数(酸素原子を含む場合には、炭素原子の数と酸素原子の数との合計)が5以下であることが好ましく、直鎖状であることも好ましい。
【0361】
アルケニル基は、下記式(R1)から(R5)のいずれかで表される基から選ばれることが好ましい。
【0362】
【化121】
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【0363】
(各式中の黒点は、環構造中の炭素原子を表す。)
【0364】
n
L1は、応答速度を重視する場合には0であることが好ましく、ネマチック相の上限温度を改善するためには2又は3であることが好ましく、これらのバランスをとるためには1であることが好ましい。また、液晶組成物として求められる特性を満たすためには、n
L1が異なる値である複数種類の一般式(L)で表される化合物を併用することが好ましい。
【0365】
A
L1、A
L2及びA
L3は、それぞれ独立して、Δnを大きくすることが求められる場合には、芳香族であることが好ましく、応答速度を改善するためには脂肪族であることが好ましい。具体的には、A
L1、A
L2及びA
L3は、それぞれ独立して、トランス−1,4−シクロへキシレン基、1,4−フェニレン基、2−フルオロ−1,4−フェニレン基、3−フルオロ−1,4−フェニレン基、3,5−ジフルオロ−1,4−フェニレン基、1,4−シクロヘキセニレン基、1,4−ビシクロ[2.2.2]オクチレン基、ピペリジン−1,4−ジイル基、ナフタレン−2,6−ジイル基、デカヒドロナフタレン−2,6−ジイル基又は1,2,3,4−テトラヒドロナフタレン−2,6−ジイル基であることが好ましく、下記化85の基のうちのいずれかであることがより好ましく、トランス−1,4−シクロへキシレン基又は1,4−フェニレン基であることがさらに好ましい。
【0366】
【化122】
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【0367】
Z
L1及びZ
L2は、応答速度を重視する場合には単結合であることが好ましい。
【0368】
一般式(L)で表される化合物は、その分子内に存在するハロゲン原子の数が0又は1個であることが好ましい。
【0369】
より具体的には、一般式(L)で表される化合物は、下記一般式(L−1)から(L−6)で表される化合物から選ばれることが好ましい。
【0370】
一般式(L−1)で表される化合物は、下記の化合物である。
【0371】
【化123】
[この文献は図面を表示できません]
【0372】
(式中、R
L11及びR
L12は、それぞれ独立して、一般式(L)におけるR
L1及びR
L2と同じ意味を表す。)
【0373】
R
L11及びR
L12は、それぞれ独立して、直鎖状の炭素原子数1〜5のアルキル基、直鎖状の炭素原子数1〜4のアルコキシ基又は直鎖状の炭素原子数2〜5のアルケニル基であることが好ましい。
【0374】
一般式(L−1)で表される化合物は、1種類を単独で使用することも、2種類以上を併用することもできる。併用可能な化合物の種類は、特に制限されないが、低温での溶解性、転移温度、電気的な信頼性、複屈折率などの求められる性能に応じて、適宜選択される。使用する化合物の種類は、例えば本発明の一つの実施形態では、1種類であり、2種類であり、3種類であり、4種類であり、5種類以上である。
【0375】
液晶組成物中に含まれる一般式(L−1)で表される化合物の量は、次のように設定される。すなわち、その好ましい下限値は、1質量%、2質量%、3質量%、5質量%、7質量%、10質量%、15質量%、20質量%、25質量%、30質量%、35質量%、40質量%、45質量%、50質量%、55質量%である。一方、その好ましい上限値は、95質量%、90質量%、85質量%、80質量%、75質量%、70質量%、65質量%、60質量%、55質量%、50質量%、45質量%、40質量%、35質量%、30質量%、25質量%である。液晶組成物の粘度を低く保ち、応答速度を高める必要がある場合には、上記の下限値が高く、かつ上限値が高いことが好ましい。さらに、液晶組成物のTniを高く保ち、温度安定性を高める必要がある場合には、上記の下限値が中庸、かつ上限値が中庸であることが好ましい。また、液晶組成物の駆動電圧を低く保つべく、その誘電率異方性を大きくしたい場合には、上記の下限値が低く、かつ上限値も低いことが好ましい。
【0376】
一般式(L−1)で表される化合物は、一般式(L−1−1)で表される化合物から選ばれることが好ましい。
【0377】
【化124】
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【0378】
(式中、R
L12は、一般式(L−1)におけるR
L12と同じ意味を表す。)
【0379】
一般式(L−1−1)で表される化合物は、式(L−1−1.1)から(L−1−1.3)で表される化合物から選ばれることが好ましく、式(L−1−1.2)及び式(L−1−1.3)で表される化合物から選ばれることがより好ましく、式(L−1−1.3)で表される化合物であることがさらに好ましい。
【0380】
【化125】
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【0381】
液晶組成物中に含まれる式(L−1−1.3)で表される化合物の量は、次の通りであることが好ましい。すなわち、その好ましい下限値は、1質量%、2質量%、3質量%、5質量%、7質量%、10質量%である。一方、その好ましい上限値は、20質量%、15質量%、13質量%、10質量%、8質量%、7質量%、6質量%、5質量%、3質量%である。
【0382】
一般式(L−1)で表される化合物は、一般式(L−1−2)で表される化合物から選ばれることが好ましい。
【0383】
【化126】
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【0384】
(式中、R
L12は、一般式(L−1)におけるR
L12と同じ意味を表す。)
【0385】
液晶組成物中に含まれる一般式(L−1−2)で表される化合物の量は、次の通りであることが好ましい。すなわち、その好ましい下限値は、1質量%、5質量%、10質量%、15質量%、17質量%、20質量%、23質量%、25質量%、27質量%、30質量%、35質量%である。一方、その好ましい上限値は、60質量%、55質量%、50質量%、45質量%、42質量%、40質量%、38質量%、35質量%、33質量%、30質量%である。
【0386】
さらに、一般式(L−1−2)で表される化合物は、式(L−1−2.1)から(L−1−2.4)で表される化合物から選ばれることが好ましく、式(L−1−2.2)から(L−1−2.4)で表される化合物から選ばれることがより好ましい。
【0387】
【化127】
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【0388】
特に、式(L−1−2.2)で表される化合物は、液晶組成物の応答速度を特に改善するため好ましい。また、応答速度よりも高いTniを求めるときは、式(L−1−2.3)又は式(L−1−2.4)で表される化合物を用いることが好ましい。なお、液晶組成物中に含まれる式(L−1−2.3)で表される化合物と式(L−1−2.4)で表される化合物との合計量は、低温での溶解度を良くするためには、30質量%以上にすることは好ましくない。
【0389】
液晶組成物中に含まれる式(L−1−2.2)で表される化合物の量は、次の通りであることが好ましい。すなわち、その好ましい下限値は、10質量%、15質量%、18質量%、20質量%、23質量%、25質量%、27質量%、30質量%、33質量%、35質量%、38質量%、40質量%である。一方、その好ましい上限値は、60質量%、55質量%、50質量%、45質量%、43質量%、40質量%、38質量%、35質量%、32質量%、30質量%、27質量%、25質量%、22質量%である。
【0390】
液晶組成物中に含まれる式(L−1−1.3)で表される化合物と式(L−1−2.2)で表される化合物との合計量は、次の通りであることが好ましい。すなわち、その好ましい下限値は、10質量%、15質量%、20質量%、25質量%、27質量%、30質量%、35質量%、40質量%である。一方、その好ましい上限値は、60質量%、55質量%、50質量%、45質量%、43質量%、40質量%、38質量%、35質量%、32質量%、30質量%、27質量%、25質量%、22質量%である。
【0391】
一般式(L−1)で表される化合物は、一般式(L−1−3)で表される化合物から選ばれることが好ましい。
【0392】
【化128】
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【0393】
(式中、R
L13及びR
L14は、それぞれ独立して、炭素原子数1〜8のアルキル基又は炭素原子数1〜8のアルコキシ基を表す。)
【0394】
R
L13及びR
L14は、それぞれ独立して、直鎖状の炭素原子数1〜5のアルキル基、直鎖状の炭素原子数1〜4のアルコキシ基又は直鎖状の炭素原子数2〜5のアルケニル基であることが好ましい。
【0395】
液晶組成物中に含まれる式(L−1−3)で表される化合物の量は、次の通りであることが好ましい。すなわち、その好ましい下限値は、1質量%、5質量%、10質量%、13質量%、15質量%、17質量%、20質量%、23質量%、25質量%、30質量%である。一方、その好ましい上限値は、60質量%、55質量%、50質量%、45質量%、40質量%、37質量%、35質量%、33質量%、30質量%、27質量%、25質量%、23質量%、20質量%、17質量%、15質量%、13質量%、10質量%である。
【0396】
さらに、一般式(L−1−3)で表される化合物は、式(L−1−3.1)から(L−1−3.13)で表される化合物から選ばれることが好ましく、式(L−1−3.1)、式(L−1−3.3)及び式(L−1−3.4)で表される化合物から選ばれることがより好ましい。
【0397】
【化129】
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【0398】
特に、式(L−1−3.1)で表される化合物は、液晶組成物の応答速度を特に改善するため好ましい。また、応答速度よりも高いTniを求めるときは、式(L−1−3.3)、式(L−1−3.4)、式(L−1−3.11)又は式(L−1−3.12)で表される化合物を用いることが好ましい。なお、液晶組成物中に含まれる式(L−1−3.3)で表される化合物と、式(L−1−3.4)で表される化合物と、式(L−1−3.11)で表される化合物と式(L−1−3.13)で表される化合物との合計量は、低温での溶解度を良くするためには、20質量%以上にすることは好ましくない。
【0399】
液晶組成物中に含まれる式(L−1−3.1)で表される化合物の量は、次の通りであることが好ましい。すなわち、その好ましい下限値は、1質量%、2質量%、3質量%、5質量%、7質量%、10質量%、13質量%、15質量%、18質量%、20質量%である。一方、その好ましい上限値は、20質量%、17質量%、15質量%、13質量%、10質量%、8質量%、7質量%、6質量%である。
【0400】
一般式(L−1)で表される化合物は、一般式(L−1−4)及び一般式(L−1−5)で表される化合物から選ばれることが好ましい。
【0401】
【化130】
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【0402】
(式中、R
L15及びR
L16は、それぞれ独立して、炭素原子数1〜8のアルキル基又は炭素原子数1〜8のアルコキシ基を表す。)
【0403】
R
L15及びR
L16は、それぞれ独立して、直鎖状の炭素原子数1〜5のアルキル基、直鎖状の炭素原子数1〜4のアルコキシ基又は直鎖状の炭素原子数2〜5のアルケニル基であることが好ましい。
【0404】
液晶組成物中に含まれる式(L−1−4)で表される化合物の量は、次の通りであることが好ましい。すなわち、その好ましい下限値は、1質量%、5質量%、10質量%、13質量%、15質量%、17質量%、20質量%である。一方、その好ましい上限値は、25質量%、23質量%、20質量%、17質量%、15質量%、13質量%、10質量%である。
【0405】
液晶組成物中に含まれる式(L−1−5)で表される化合物の量は、次の通りであることが好ましい。すなわち、その好ましい下限値は、1質量%、5質量%、10質量%、13質量%、15質量%、17質量%、20質量%である。一方、その好ましい上限値は、25質量%、23質量%、20質量%、17質量%、15質量%、13質量%、10質量%である。
【0406】
一般式(L−1)で表される化合物は、一般式(L−1−6)で表される化合物から選ばれることが好ましい。
【0407】
【化131】
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【0408】
(式中、R
L17及びR
L18は、それぞれ独立して、メチル基又は水素原子を表す。)
【0409】
液晶組成物中に含まれる一般式(L−1−6)で表される化合物の量は、次の通りであることが好ましい。すなわち、その好ましい下限値は、1質量%、5質量%、10質量%、15質量%、17質量%、20質量%、23質量%、25質量%、27質量%、30質量%、35質量%である。一方、その好ましい上限値は、60質量%、55質量%、50質量%、45質量%、42質量%、40質量%、38質量%、35質量%、33質量%、30質量%である。
【0410】
一般式(L−2)で表される化合物は、下記の化合物である。
【0411】
【化132】
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【0412】
(式中、R
L21及びR
L22は、それぞれ独立して、一般式(L)におけるR
L1及びR
L2と同じ意味を表す。)
【0413】
R
L21は、炭素原子数1〜5のアルキル基又は炭素原子数2〜5のアルケニル基であることが好ましい。
【0414】
R
L22は、炭素原子数1〜5のアルキル基、炭素原子数4〜5のアルケニル基又は炭素原子数1〜4のアルコキシ基であることが好ましい。
【0415】
一般式(L−2)で表される化合物は、1種類を単独で使用することも、2種類以上を併用することもできる。併用可能な化合物の種類は、特に制限されないが、低温での溶解性、転移温度、電気的な信頼性、複屈折率などの求められる性能に応じて、適宜選択される。使用する化合物の種類は、例えば本発明の一つの実施形態では、1種類であり、2種類であり、3種類であり、4種類であり、5種類以上である。
【0416】
液晶組成物中に含まれる一般式(L−2)で表される化合物の量は、低温での溶解性を重視する場合には高めに設定すると効果が高く、反対に、応答速度を重視する場合には低めに設定すると効果が高い。さらに、滴下痕や焼き付き特性を改良する場合には、その量の範囲を中間に設定することが好ましい。その好ましい下限値は、1質量%、2質量%、3質量%、5質量%、7質量%、10質量%である。一方、その好ましい上限値は、20質量%、15質量%、13質量%、10%質量%、8質量%、7質量%、6質量%、5質量%、3質量%である。
【0417】
さらに、一般式(L−2)で表される化合物は、式(L−2.1)から(L−2.6)で表される化合物から選ばれることが好ましく、式(L−2.1)、式(L−2.3)、式(L−2.4)及び式(L−2.6)で表される化合物から選ばれることがより好ましい。
【0418】
【化133】
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【0419】
一般式(L−3)で表される化合物は、下記の化合物である。
【0420】
【化134】
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【0421】
(式中、R
L31及びR
L32は、それぞれ独立して、一般式(L)におけるR
L1及びR
L2と同じ意味を表す。)
【0422】
R
L31及びR
L32は、それぞれ独立して、炭素原子数1〜5のアルキル基、炭素原子数4〜5のアルケニル基又は炭素原子数1〜4のアルコキシ基であることが好ましい。
【0423】
一般式(L−3)で表される化合物は、1種類を単独で使用することも、2種類以上を併用することもできる。併用可能な化合物の種類は、特に制限されないが、低温での溶解性、転移温度、電気的な信頼性、複屈折率などの求められる性能に応じて、適宜選択される。使用する化合物の種類は、例えば本発明の一つの実施形態では、1種類であり、2種類であり、3種類であり、4種類であり、5種類以上である。
【0424】
液晶組成物中に含まれる一般式(L−3)で表される化合物の量は、次の通りであることが好ましい。すなわち、その好ましい下限値は、1質量%、2質量%、3質量%、5質量%、7質量%、10質量%である。一方、その好ましい上限値は、20質量%、15質量%、13質量%、10質量%、8質量%、7質量%、6質量%、5質量%、3質量%である。液晶組成物中に含まれる一般式(L−3)で表される化合物の量は、高い複屈折率を得る場合には高めに設定すると効果が高く、反対に、高いTniを重視する場合には低めに設定すると効果が高い。さらに、滴下痕や焼き付き特性を改良する場合は、その量の範囲を中間に設定することが好ましい。
【0425】
さらに、一般式(L−3)で表される化合物は、式(L−3.1)から(L−3.7)で表される化合物から選ばれることが好ましく、式(L−3.2)から(L−3.5)で表される化合物から選ばれることがより好ましい。
【0426】
【化135】
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【0427】
一般式(L−4)で表される化合物は、下記の化合物である。
【0428】
【化136】
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【0429】
(式中、R
L41及びR
L42は、それぞれ独立して、一般式(L)におけるR
L1及びR
L2と同じ意味を表す。)
【0430】
R
L41は、炭素原子数1〜5のアルキル基又は炭素原子数2〜5のアルケニル基であることが好ましい。
【0431】
R
L42は、炭素原子数1〜5のアルキル基、炭素原子数4〜5のアルケニル基又は炭素原子数1〜4のアルコキシ基であることが好ましい。
【0432】
一般式(L−4)で表される化合物は、1種類を単独で使用することも、2種類以上を併用することもできる。併用可能な化合物の種類は、特に制限されないが、低温での溶解性、転移温度、電気的な信頼性、複屈折率などの求められる性能に応じて、適宜選択される。使用する化合物の種類は、例えば本発明の一つの実施形態では、1種類であり、2種類であり、3種類であり、4種類であり、5種類以上である。
【0433】
液晶組成物中に含まれる一般式(L−4)で表される化合物の量は、低温での溶解性、転移温度、電気的な信頼性、複屈折率、プロセス適合性、滴下痕、焼き付き、誘電率異方性などの求められる性能に応じて、適宜調整される。その好ましい下限値は、1質量%、2質量%、3質量%、5質量%、7質量%、10質量%、14質量%、16質量%、20質量%、23質量%、26質量%、30質量%、35質量%、40質量%である。一方、その好ましい上限値は、50質量%、40質量%、35質量%、30質量%、20質量%、15質量%、10質量%、5質量%である。
【0434】
さらに、一般式(L−4)で表される化合物は、式(L−4.1)から(L−4.3)で表される化合物から選ばれることが好ましい。
【0435】
【化137】
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【0436】
液晶組成物は、低温での溶解性、転移温度、電気的な信頼性、複屈折率などの求められる性能に応じて、式(L−4.1)で表される化合物を含有してもよいし、式(L−4.2)で表される化合物を含有してもよいし、式(L−4.1)で表される化合物と式(L−4.2)で表される化合物との双方を含有してもよいし、式(L−4.1)から(L−4.3)で表される化合物の全てを含有してもよい。
【0437】
液晶組成物中に含まれる式(L−4.1)又は式(L−4.2)で表される化合物の量は、次の通りであることが好ましい。すなわち、その好ましい下限値は、3質量%、5質量%、7質量%、9質量%、11質量%、12質量%、13質量%、18質量%、21質量%である。一方、その好ましい上限値は、45質量%、40質量%、35質量%、30質量%、25質量%、23質量%、20質量%、18質量%、15質量%、13質量%、10質量%、8質量%である。
【0438】
液晶組成物が式(L−4.1)で表される化合物と式(L−4.2)で表される化合物との双方を含有する場合には、それらの液晶組成物中に含まれる合計量は、次の通りであることが好ましい。すなわち、その好ましい下限値は、15質量%、19質量%、24質量%、30質量%である。一方、その好ましい上限値は、45質量%、40質量%、35質量%、30質量%、25質量%、23質量%、20質量%、18質量%、15質量%、13質量%である。
【0439】
また、一般式(L−4)で表される化合物は、式(L−4.4)から(L−4.6)で表される化合物から選ばれることが好ましく、式(L−4.4)で表される化合物であることがより好ましい。
【0440】
【化138】
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【0441】
液晶組成物は、低温での溶解性、転移温度、電気的な信頼性、複屈折率などの求められる性能に応じて、式(L−4.4)で表される化合物を含有してもよく、式(L−4.5)で表される化合物を含有してもよく、式(L−4.4)で表される化合物と式(L−4.5)で表される化合物との双方を含有してもよい。
【0442】
液晶組成物中の式(L−4.4)又は式(L−4.5)で表される化合物の量は、次の通りであることが好ましい。すなわち、その好ましい下限値は、3質量%、5質量%、7質量%、9質量%、11質量%、12質量%、13質量%、18質量%、21質量%である。一方、その好ましい上限値は、45質量%、40質量%、35質量%、30質量%、25質量%、23質量%、20質量%、18質量%、15質量%、13質量%、10質量%、8質量%である。
【0443】
液晶組成物が式(L−4.4)で表される化合物と式(L−4.5)で表される化合物との双方を含有する場合には、これらの液晶組成物中に含まれる合計量は、次の通りであることが好ましい。すなわち、その好ましい下限値は、15質量%、19質量%、24質量%、30質量%である。一方、その好ましい上限値は、45質量%、40質量%、35質量%、30質量%、25質量%、23質量%、20質量%、18質量%、15質量%、13質量%である。
【0444】
また、一般式(L−4)で表される化合物は、式(L−4.7)から(L−4.10)で表される化合物から選ばれることが好ましく、特に、式(L−4.9)で表される化合物であることが好ましい。
【0445】
【化139】
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【0446】
一般式(L−5)で表される化合物は、下記の化合物である。
【0447】
【化140】
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【0448】
(式中、R
L51及びR
L52は、それぞれ独立して、一般式(L)におけるR
L1及びR
L2と同じ意味を表す。)
【0449】
R
L51は、炭素原子数1〜5のアルキル基又は炭素原子数2〜5のアルケニル基であることが好ましい。
【0450】
R
L52は、炭素原子数1〜5のアルキル基、炭素原子数4〜5のアルケニル基又は炭素原子数1〜4のアルコキシ基であることが好ましい。
【0451】
一般式(L−5)で表される化合物は、1種類を単独で使用することも、2種類以上を併用することもできる。併用可能な化合物の種類は、特に制限されないが、低温での溶解性、転移温度、電気的な信頼性、複屈折率などの求められる性能に応じて、適宜選択される。使用する化合物の種類は、例えば本発明の一つの実施形態では、1種類であり、2種類であり、3種類であり、4種類であり、5種類以上である。
【0452】
液晶組成物中に含まれる一般式(L−5)で表される化合物の量は、低温での溶解性、転移温度、電気的な信頼性、複屈折率、プロセス適合性、滴下痕、焼き付き、誘電率異方性などの求められる性能に応じて、適宜調整される。その好ましい下限値は、1質量%、2質量%、3質量%、5質量%、7質量%、10質量%、14質量%、16質量%、20質量%、23質量%、26質量%、30質量%、35質量%、40質量%である。一方、その好ましい上限値は、50質量%、40質量%、35質量%、30質量%、20質量%、15質量%、10質量%、5質量%である。
【0453】
さらに、一般式(L−5)で表される化合物は、式(L−5.1)又は式(L−5.2)で表される化合物であることが好ましく、特に、式(L−5.1)で表される化合物であることが好ましい。各化合物の液晶組成物中に含まれる量は、次の通りであることが好ましい。すなわち、その好ましい下限値は、1質量%、2質量%、3質量%、5質量%、7質量%である。一方、その好ましい上限値は、20質量%、15質量%、13質量%、10質量%、9質量%である。
【0454】
【化141】
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【0455】
また、一般式(L−5)で表される化合物は、式(L−5.3)又は式(L−5.4)で表される化合物であることが好ましい。各化合物の液晶組成物中に含まれる量は、次の通りであることが好ましい。すなわち、その好ましい下限値は、1質量%、2質量%、3質量%、5質量%、7質量%である。一方、その好ましい上限値は、20質量%、15質量%、13質量%、10質量%、9質量%である。
【0456】
【化142】
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【0457】
また、一般式(L−5)で表される化合物は、式(L−5.5)から(L−5.7)で表される化合物から選ばれることが好ましく、特に、式(L−5.7)で表される化合物であることが好ましい。各化合物の液晶組成物中に含まれる量は、次の通りであることが好ましい。すなわち、その好ましい下限値は、1%質量%、2質量%、3質量%、5質量%、7質量%である。一方、その好ましい上限値は、20質量%、15質量%、13質量%、10質量%、9質量%である。
【0458】
【化143】
[この文献は図面を表示できません]
【0459】
一般式(L−6)で表される化合物は、下記の化合物である。
【0460】
【化144】
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【0461】
(式中、R
L61及びR
L62は、それぞれ独立して、一般式(L)におけるR
L1及びR
L2と同じ意味を表し、X
L61及びX
L62は、それぞれ独立して、水素原子又はフッ素原子を表す。
【0462】
R
L61及びR
L62は、それぞれ独立して、炭素原子数1〜5のアルキル基又は炭素原子数2〜5のアルケニル基であることが好ましい。
【0463】
X
L61及びX
L62のうちの一方がフッ素原子であり、他方が水素原子であることが好ましい。
【0464】
一般式(L−6)で表される化合物は、1種類を単独で使用することも、2種類以上を併用することもできる。併用可能な化合物の種類は、特に制限されないが、低温での溶解性、転移温度、電気的な信頼性、複屈折率などの求められる性能に応じて、適宜選択される。使用する化合物の種類は、例えば本発明の一つの実施形態では、1種類であり、2種類であり、3種類であり、4種類であり、5種類以上である。
【0465】
液晶組成物中に含まれる一般式(L−6)で表される化合物の量は、次の通りであることが好ましい。すなわち、その好ましい下限値は、1質量%、2質量%、3質量%、5質量%、7質量%、10質量%、14質量%、16質量%、20質量%、23質量%、26質量%、30質量%、35質量%、40質量%である。一方、その好ましい上限値は、50質量%、40質量%、35質量%、30質量%、20質量%、15質量%、10質量%、5質量%である。なお、一般式(L−6)で表される化合物の量は、Δnを大きくすることに重点を置く場合には多くした方が好ましく、低温での析出に重点を置く場合には少ない方が好ましい。
【0466】
さらに、一般式(L−6)で表される化合物は、式(L−6.1)から(L−6.9)で表される化合物から選ばれることが好ましい。
【0467】
【化145】
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【0468】
併用可能な化合物の種類は、特に制限されないが、式(L−6.1)から(L−6.9)で表される化合物の中から1〜3種類選択することが好ましく、1〜4種類選択することがより好ましい。また、併用する化合物の分子量分布が広いことも溶解性に有効であるため、例えば、式(L−6.1)及び式(L−6.2)で表される化合物の中から1種類と、式(L−6.4)及び式(L−6.5)で表される化合物の中から1種類と、式(L−6.6)及び式(L−6.7)で表される化合物の中から1種類と、式(L−6.8)及び式(L−6.9)で表される化合物の中から1種類とを選択し、これらを適宜組み合わせることが好ましい。中でも、式(L−6.1)、式(L−6.3)、式(L−6.4)、式(L−6.6)及び式(L−6.9)で表される化合物を含むことが好ましい。
【0469】
また、一般式(L−6)で表される化合物は、式(L−6.10)から(L−6.17)で表される化合物から選ばれることが好ましく、式(L−6.11)で表される化合物であることがより好ましい。
【0470】
【化146】
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【0471】
各化合物の液晶組成物中に含まれる量は、次の通りであることが好ましい。すなわち、その好ましい下限値は、1質量%、2質量%、3質量%、5質量%、7質量%である。一方、その好ましい上限値は、20質量%、15質量%、13質量%、10質量%、9質量%である。
【0472】
液晶組成物は、分子内に過酸(−CO−OO−)構造等の酸素原子同士が結合した構造を有する化合物を含有しないことが好ましい。液晶組成物の信頼性及び長期安定性を重視する場合には、カルボニル基を有する化合物の液晶組成物中に含まれる量を、5質量%以下とすることが好ましく、3質量%以下とすることがより好ましく、1質量%以下とすることがさらに好ましく、実質的に0(ゼロ)質量%とすることが最も好ましい。
【0473】
また、UV照射による安定性を重視する場合には、塩素原子が置換している化合物の液晶組成物中の量を、15質量%以下とすることが好ましく、10質量%以下とすることがより好ましく、8質量%以下とすることがさらに好ましく、5質量%以下とすることがさらに好ましく、3質量%以下とすることが特に好ましく、実質的に0(ゼロ)質量%とすることが最も好ましい。
【0474】
また、分子内の環構造がすべて6員環である化合物の液晶組成物中に含まれる量を多くすることが好ましく、具体的には80質量%以上とすることが好ましく、90質量%以上とすることがより好ましく、95質量%以上とすることがさらに好ましく、実質的に100質量%とすることが最も好ましい。
【0475】
液晶組成物の酸化による劣化を防止又は抑制するためには、環構造としてシクロヘキセン環を有する化合物の液晶組成物中に含まれる量を少なくすることが好ましく、具体的には10質量%以下とすることが好ましく、8質量%以下とすることがより好ましく、5質量%以下とすることがさらに好ましく、3質量%以下とすることが特に好ましく、実質的に0(ゼロ)質量%とすることが最も好ましい。
【0476】
さらに、液晶組成物の酸化による劣化を防止又は抑制するためには、連結基として−CH=CH−を有する化合物の液晶組成物中に含まれる量を少なくすることが好ましく、具体的には10質量%以下とすることが好ましく、5質量%以下とすることがより好ましく、実質的に0(ゼロ)質量%とすることがさらに好ましい。
【0477】
液晶組成物の粘度(η)を改善し、かつネマチック相−等方性液体相転移温度(Tni)を改善することを重視する場合には、水素原子がハロゲン原子で置換されてもよい2−メチルベンゼン−1,4−ジイル基を分子内に有する化合物の液晶組成物中に含まれる量を少なくすることが好ましく、具体的には10質量%以下とすることが好ましく、5質量%以下とすることがより好ましく、実質的に0(ゼロ)質量%とすることがさらに好ましい。
【0478】
液晶組成物中に含まれる化合物(液晶分子等)が、側鎖としてアルケニル基が結合したシクロヘキシレン基を有する場合には、アルケニル基の炭素原子数は、2〜5であることが好ましい。また、液晶組成物中に含まれる化合物が、側鎖としてアルケニル基が結合したフェニレン基を有する場合には、アルケニル基の炭素原子数は、4〜5であることが好ましく、アルケニル基が有する不飽和結合とフェニレン基とは直接結合していないことが好ましい。
【0479】
また、液晶組成物の安定性を重視する場合には、側鎖としてアルケニル基を有し、かつ2,3−ジフルオロベンゼン−1,4−ジイル基を有する化合物の液晶組成物中に含まれる量を少なくすることが好ましく、具体的には10質量%以下とすることが好ましく、5質量%以下とすることがより好ましく、実質的に0(ゼロ)質量%とすることがさらに好ましい。
【0480】
液晶組成物は、上記の液晶分子以外に、用途に応じて、通常のネマチック液晶、スメクチック液晶、コレステリック液晶、酸化防止剤、紫外線吸収剤、カイラル剤等のような他の化合物(分子)を含有してもよい。ただし、液晶組成物の化学的な安定性が求められる場合には、上記他の化合物は、その構造中に塩素原子を有さないことが好ましい。また、液晶組成物の紫外線等の光に対する安定性が求められる場合には、上記他の化合物は、その構造中にナフタレン環等に代表される共役長が長く紫外領域に吸収ピークを有する縮合環等を有さないことが好ましい。
【0481】
C.他の重合性化合物
本発明の重合性液晶組成物は、上記一般式(i)とは異なる構造の重合性化合物(以下、他の重合性化合物とする場合がある。)を1種又は2種以上さらに含有してもよい。他の重合性化合物は、一般的な液晶組成物に用いられる公知の重合性化合物であってよい。
【0482】
上記一般式(i)とは異なる構造の重合性化合物としては、例えば下記一般式(P)で表される化合物(ただし上記一般式(i)で表される化合物は除く。)が挙げられる。
【0483】
【化147】
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【0484】
上記一般式(P)中、Z
p1は、水素原子、フッ素原子、シアノ基、水素原子がハロゲン原子に置換されていてもよい炭素原子数1〜15のアルキル基、水素原子がハロゲン原子に置換されていてもよい炭素原子数1〜15のアルコキシ基、水素原子がハロゲン原子に置換されていてもよい炭素原子数2〜15のアルケニル基、水素原子がハロゲン原子に置換されていてもよい炭素原子数2〜15のアルケニルオキシ基又は−Sp
p2−R
p2を表す。
【0485】
上記一般式(P)中、R
p1及びR
p2は、それぞれ独立して、以下の式(R−I)から式(R−VIII)のいずれかを表す。
【0486】
【化148】
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【0487】
(式(R−I)から式(R−VIII)中、
*でSp
p1と結合し、
R
2〜R
6は、それぞれ独立して、水素原子、炭素原子数1〜5個のアルキル基又は炭素原子数1〜5個のハロゲン化アルキル基を表し、
W
pは、単結合、−O−又はメチレン基を表し、
T
pは、単結合又は−COO−を表し、
p、t及びqは、それぞれ独立して、0、1又は2を表す。)
【0488】
上記一般式(P)中、Sp
p1及びSp
p2は、それぞれ独立して、スペーサー基を表す。
【0489】
上記一般式(P)中、L
p1及びL
p2は、それぞれ独立して、単結合、−O−、−S−、−CH
2−、−OCH
2−、−CH
2O−、−CO−、−C
2H
4−、−COO−、−OCO−、−OCOOCH
2−、−CH
2OCOO−、−OCH
2CH
2O−、−CO−NR
a−、−NR
a−CO−、−SCH
2−、−CH
2S−、−CH=CR
a−COO−、−CH=CR
a−OCO−、−COO−CR
a=CH−、−OCO−CR
a=CH−、−COO−CR
a=CH−COO−、−COO−CR
a=CH−OCO−、−OCO−CR
a=CH−COO−、−OCO−CR
a=CH−OCO−、−(CH
2)
z−C(=O)−O−、−(CH
2)
z−O−(C=O)−、−O−(C=O)−(CH
2)
z−、−(C=O)−O−(CH
2)
z−、−CH
2(CH
3)C−C(=O)−O−、−CH
2(CH
3)C−O−(C=O)−、−O−(C=O)−C(CH
3)CH
2、−(C=O)−O−C(CH
3)−CH
2、−CH=CH−、−CF=CF−、−CF=CH−、−CH=CF−、−CF
2−、−CF
2O−、−OCF
2−、−CF
2CH
2−、−CH
2CF
2−、−CF
2CF
2−又は−C≡C−(式中、R
aはそれぞれ独立して水素原子又は炭素原子数1〜4のアルキル基を表し、zは1〜4の整数を表す。)を表す。
【0490】
上記一般式(P)中、M
p2は、1,4−フェニレン基、1,4−シクロヘキシレン基、アントラセン−2,6−ジイル基、フェナントレン−2,7−ジイル基、ピリジン−2,5−ジイル基、ピリミジン−2,5−ジイル基、ナフタレン−1,4−ジイル基、ナフタレン−2,6−ジイル基、インダン−2,5−ジイル基、1,2,3,4−テトラヒドロナフタレン−2,6−ジイル基又は1,3−ジオキサン−2,5−ジイル基を表す。M
p2は無置換であるか又は炭素原子数1〜12のアルキル基、炭素原子数1〜12のハロゲン化アルキル基、炭素原子数1〜12のアルコキシ基、炭素原子数1〜12のハロゲン化アルコキシ基、ハロゲン原子、シアノ基、ニトロ基若しくは−R
p1で置換されていてもよい。
【0491】
上記一般式(P)中、M
p1は、以下の式(i−11)から(ix−11)のいずれかを表す。
【0492】
【化149】
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【0493】
(式(i−11)から(ix−11)中、*でSp
p1又はM
p1と結合し、**でL
p1、L
p2Z
p1又はM
p1と結合する。)
【0494】
上記一般式(P)中、M
p3は、以下の式(i−13)から(ix−13)のいずれかを表す。
【0495】
【化150】
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【0496】
(式(i−13)から(ix−13)中、*でZ
p1又はL
p2と結合し、**でL
p2と結合する。)
【0497】
上記一般式(P)中、m
p2〜m
p4は、それぞれ独立して0、1、2又は3を表し、m
p1及びm
p5は、それぞれ独立して1、2又は3を表す。
【0498】
上記一般式(P)中、Z
p1が複数存在する場合にはそれらは互いに同一であっても異なっていてもよく、R
p1が複数存在する場合にはそれらは互いに同一であっても異なっていてもよく、R
p2が複数存在する場合にはそれらは互いに同一であっても異なっていてもよく、Sp
p1が複数存在する場合にはそれらは互いに同一であっても異なっていてもよく、Sp
p2が複数存在する場合にはそれらは互いに同一であっても異なっていてもよく、L
p1が複数存在する場合にはそれらは互いに同一であっても異なっていてもよく、M
p2が複数存在する場合にはそれらは互いに同一であっても異なっていてもよい。
【0499】
分子内に存在するZ
p1及びZ
p2の1つのみが−OCH
2−、−CH
2O−、−C
2H
4−、−COO−、−OCO−、−COOC
2H
4−、−OCOC
2H
4−、−C
2H
4OCO−、−C
2H
4COO−、−CH=CH−、−(CH
2)
2−COO−、−(CH
2)
2−OCO−、−OCO−(CH
2)
2−、−CH=CH−COO−、−COO−CH=CH−、−OCOCH=CH−、−COO−(CH
2)
2−又は−C≡C−であり、他がすべて単結合であることが好ましく、分子内に存在するZ
p1及びZ
p2の1つのみが、−OCH
2−、−CH
2O−、−C
2H
4−、−COO−又は−OCO−であり、他がすべて単結合であることがより好ましく、分子内に存在するZ
p1及びZ
p2のすべてが単結合であることがさらに好ましい。また、分子内に存在するZ
p1及びZ
p2の1つのみが、−CH=CH−COO−、−COO−CH=CH−、−(CH
2)
2−COO−、−(CH
2)
2−OCO−、−O−CO−(CH
2)
2−、−COO−(CH
2)
2−からなる群から選択される連結基であり、他がすべて単結合であることが好ましい。
【0500】
Sp
p1及びSp
p2は、それぞれ独立して、スペーサー基を表す。Sp
p1及びSp
p2で表されるスペーサー基としては、単結合又は炭素原子数1〜30のアルキレン基であることが好ましく、上記アルキレン基中の−CH
2−は、酸素原子同士が直接連結しない限りにおいて−O−、−CO−、−COO−、−OCO−、−CH=CH−又は−C≡C−で置換されてもよく、上記アルキレン基中の水素原子は、ハロゲン原子で置換されてもよい。中でも、Sp
p1及びSp
p2は、それぞれ独立して、直鎖の炭素原子数1〜10のアルキレン基又は単結合であることが好ましい。
【0501】
A
p1、A
p2及びA
p3は、それぞれ独立して、1,4−フェニレン基又は1,4−シクロヘキシレン基であることが好ましく、1,4−フェニレン基であることがより好ましい。
【0502】
1,4−フェニレン基は、液晶分子(液晶化合物)との相溶性を改善するために、1個のフッ素原子、1個のメチル基又は1個のメトキシ基で置換されていることが好ましい。
【0503】
本発明の重合性液晶組成物は、一般式(i)で表される化合物に加えて一般式(P)で表される重合性化合物を更に含有することで、液晶分子のプレチルト角を好適に形成できる。
【0504】
一般式(P)で表される重合性化合物の具体的な例として、下記式(P−2−1)から(P−2−20)に表す化合物が挙げられる。
【0505】
【化151】
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【0506】
【化152】
[この文献は図面を表示できません]
【0507】
一般式(P)で表される化合物の合計の含有量は、重合性液晶組成物に対して、0.05〜10質量%であることが好ましく、0.1〜8質量%であることがより好ましく、0.1〜5質量%であることがさらに好ましく、0.1〜3質量%であることがさらに好ましく、0.2〜2質量%であることがさらに好ましく、0.2〜1.3質量%であることがさらに好ましく、0.2〜1質量%であることが特に好ましく、0.2〜0.56質量%であることが最も好ましい。
【0508】
一般式(P)で表される化合物の合計の含有量の好ましい下限値は、重合性液晶組成物に対して、0.01質量%であり、0.03質量%であり、0.05質量%であり、0.08質量%であり、0.1質量%であり、0.15質量%であり、0.2質量%であり、0.25質量%であり、0.3質量%である。一般式(P)で表される化合物の合計の含有量の好ましい上限値は、重合性液晶組成物に対して、10質量%であり、8質量%であり、5質量%であり、3質量%であり、1.5質量%であり、1.2質量%であり、1質量%であり、0.8質量%であり、0.5質量%である。
【0509】
一般式(P)で表される化合物の含有量が少ないと、この化合物を液晶組成物に加える効果が現れにくく、例えば液晶分子や配向助剤の種類等によっては、液晶分子の配向規制力が弱い又は経時的に弱くなってしまう等の問題が生じる場合がある。一方、一般式(P)で表される化合物の含有量が多すぎると、例えば活性エネルギー線の照度等によっては、かかる化合物が硬化後に残存する量が多くなる、硬化に時間がかかる、液晶組成物の信頼性が低下する等の問題が生じる場合がある。このため、これらのバランスを考慮して、その含有量を設定することが好ましい。
【0510】
また、本発明の重合性液晶組成物は、一般式(i)で表される化合物の他に、更に公知の液晶組成物用自発配向助剤を更に含有してもよい。
【0511】
D.その他
本発明に係る液晶表示素子の液晶層に用いる組成物の総量に対して、一般式(i)で表される化合物、一般式(L)で表される化合物及び一般式(N)で表される化合物の合計の含有量の下限値は、好ましくは80%であり、85%であり、88%であり、90%であり、92%であり、93%であり、94%であり、95%であり、96%であり、97%であり、98%であり、99%であり、100%である。また、上記含有量の上限値は、好ましくは100%であり、99%であり、98%であり、95%である。
【0512】
本発明に係る液晶表示素子の液晶層に用いる組成物の総量に対して、一般式(i)で表される化合物、一般式(L−1)から(L−6)で表される化合物及び一般式(N−1)から(N−3)で表される化合物の合計の含有量の下限値は、好ましくは80%であり、85%であり、88%であり、90%であり、92%であり、93%であり、94%であり、95%であり、96%であり、97%であり、98%であり、99%であり、100%である。また、上記含有量の上限値は、好ましくは100%であり、99%であり、98%であり、95%である。
【0513】
II.液晶表示素子
本発明の1実施形態である液晶表示素子(以下、本発明の液晶表示素子とする。)は、二つの基板と、該二つの基板の間に上記「I.重合性液晶組成物」の項で説明した重合性液晶組成物中の一般式(i)で表される化合物が硬化された樹脂成分を有する。
【0514】
一般式(i)で表される化合物が硬化された樹脂成分とは、換言すれば、一般式(i)で表される化合物の重合体を意味することができる。よって、本発明の液晶表示素子は、第一の基板と、第二の基板と、上記第一の基板および上記第二の基板の間に設けられ、液晶組成物および一般式(i)で表される化合物の重合体を少なくとも含む液晶層と、を有する。上記液晶層には、未重合の一般式(i)で表される化合物が含まれていてもよい。
【0515】
本発明の液晶表示素子によれば、液晶層中に一般式(i)で表される化合物の重合体および液晶組成物を含んでおり、該液晶組成物に含まれる液晶分子は、一般式(i)で表される化合物の重合体と非重合性液晶分子との相互作用により自発的に配向可能である。このため、2つの基板に挟持された液晶組成物中の液晶分子は、配向膜(PI層)を設けなくとも基板に対して均一かつ垂直に配向することができ、良好な配向安定性を示すことができる。また、一般式(i)で表される化合物の重合体が、液晶組成物を挟持する基板に強固に偏在することで、上記樹脂成分によりプレチルト角の安定性が向上する。これにより、本発明の液晶表示素子は、滴下痕や配向ムラが無い若しくは許容レベルに低減され、残像が生じにくい優れた長期表示特性を有することができる。
【0516】
本発明の液晶表示素子は、二つの基板(第一の基板及び第二の基板の)の間に一般式(i)で表される化合物が硬化された樹脂成分を有するため、第一の基板及び第二の基板の液晶層側にPI層等の配向膜が設けられている必要がない。すなわち、本発明の液晶表示素子は、二つの基板のうち少なくとも一方の基板が配向膜を有さない構成をとることができ、両方の基板が配向膜を有さなくてもよい。
【0517】
本発明の液晶表示素子は、アクティブマトリックス駆動用液晶表示素子であってよい。また、本実施形態の液晶表示素子は、PSA型、PSVA型、VA型、IPS型、FFS型又はECB型の液晶表示素子であってよく、好ましくは、PSA型、PSVA型の液晶表示素子である。VA型の液晶表示素子は、一般的なVA型であってもよく、TN−VA型であってもよく、カイラル剤をさらに含む液晶層を有するカイラルVA型であってもよい。
【0518】
本発明の液晶表示素子の具体的態様としては、例えば、対向に配置された第一の基板および第二の基板と、上記第一の基板と上記第二の基板との間に充填された液晶層と、上記第一の基板上に、マトリクス状に配置される複数個のゲートバスライン及びデータバスライン、上記ゲートバスラインとデータバスラインとの交差部に設けられる薄膜トランジスタならびに上記薄膜トランジスタにより駆動される画素電極を画素毎に有する電極層と、上記第一の基板または上記第二の基板上に形成された共通電極と、上記第一の基板および上記第二の基板の間にあり、少なくとも上記一般式(i)で表される化合物が硬化された樹脂成分と、を有する態様が挙げられる。本態様の液晶表示素子は、少なくとも一方の基板表面に配向膜を備えていなくてもよく、第一の基板および第二の基板の両方の基板の表面に配向膜を備えていなくてもよい。
【0519】
本発明の液晶表示素子においては、上記第一の基板および上記第二の基板の間には、少なくとも上記一般式(i)で表される化合物が硬化されてなる第1の樹脂成分を有するが、上記第1の樹脂成分のほかに、上記一般式(P)で表される化合物が硬化された第2の樹脂成分(上記一般式(P)で表される重合性化合物の重合体)をさらに有していてもよい。
【0520】
III.化合物
本発明の1実施形態である化合物(以下、本発明の化合物とする。)は、一般式(i)で表される。
【0521】
本発明の化合物によれば、一般式(i)で表される所望の構造を有することで、液晶組成物との相溶性が良好であり、液晶組成物中の液晶分子の均一な垂直配向および安定なプレチルト角の付与を可能とする。
【0522】
一般式(i)で表される化合物の詳細および具体例については、上記「I.重合性液晶組成物 A.一般式(i)で表される化合物」の項目で説明した、一般式(i)で表される化合物の詳細および具体例と同様であるため、ここでの説明は省略する。
【0523】
以下、一般式(i)で表される化合物の製造例を示す。なお、下記の説明において「化合物X」若しくは「式(X)化合物」とは、「式(X)で表される化合物」のことを意味する。
【0524】
(製法1)一般式(i−a)で表される化合物の製造
N,N−ジメチルホルムアミド中、炭酸カリウム存在下で、(5−(ブロモメチル)2−,2−ジメチル−1,3−ジオキサン−5−イル)メタノ−ルと臭化ベンジルとを反応させて、化合物(S−1)を得る。そして、ジクロロメタン中、トリエチルアミン存在下で、化合物(S−1)にクロログリオキシル酸メチルを反応させて化合物(S−2)を得る。次に、N,N−ジメチルホルムアミド中、炭酸カリウム存在下で、化合物(S−2)と4−クロロ−2,6−ビス(ヒドロキシプロピル)フェノ−ルとを反応させて化合物(S−3)を得る。さらに化合物(S−3)を、テトラヒドロフラン中、パラジウム炭素存在下、水素雰囲気下で反応させて化合物(S−4)を得る。そして、ジクロロメタン溶媒中、トリエチルアミン存在下で、化合物(S−4)に対してメタクリル酸クロリドを用いたエステル化反応させることにより、化合物(S−5)を得る。最後に、テトラヒドロフラン中、炭酸カリウムおよびテトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)存在下で、化合物(S−5)とホウ素化合物とを反応させる事で目的化合物(i−a)を得ることができる。
【0525】
【化153】
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【0526】
(上記式中、S
pi3、S
pi4、R
i1、m
i1、A
i1、Z
i1、A
i2およびZ
i2は、一般式(i)中のS
pi3、S
pi4、R
i1、m
i1、A
i1、Z
i1、A
i2およびZ
i2と同じ意味を表す。)
【0527】
(製法2)一般式(i−b)で表される化合物の製造
ジクロロメタン中、トリエチルアミン存在下で、製法1で得た化合物(S−1)とメチルマロン酸クロリドとを反応させて化合物(S−6)を得る。また、テトラヒドロフラン中、炭酸カリウムおよびテトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)存在下で、ホウ素化合物と4−クロロ−2,6−ビス(ヒドロキシプロピル)フェノ−ルとを反応させる事で化合物(S−7)を得る。次にN,N−ジメチルホルムアミド中、炭酸カリウム存在下で、化合物(S−7)と化合物(S−6)とを反応させて化合物(S−8)を得る。さらにテトラヒドロフラン中、パラジウム炭素存在下、水素雰囲気下で、化合物(S−8)を反応させて化合物(S−9)を得る。最後に、ジクロロメタン溶媒中、トリエチルアミン存在下で、化合物(S−9)に対してメタクリル酸クロリドを用いたエステル化反応させる事で目的化合物(i−b)を得ることができる。
【0528】
【化154】
[この文献は図面を表示できません]
【0529】
(上記式中、S
pi3、S
pi4、R
i1、m
i1、A
i1、Z
i1、A
i2およびZ
i2は、一般式(i)中のS
pi3、S
pi4、R
i1、m
i1、A
i1、Z
i1、A
i2およびZ
i2と同じ意味を表す。)
【0530】
(製法3)一般式(i−c)で表される化合物の製造
トルエン中、p−トルエンスルホン酸一水和物存在下で、ペンタエリスリト−ルとオルト酢酸トリエチルとを反応させて化合物(S−10)を得る。次に、ジクロロメタン溶媒中、トリエチルアミン存在下で、化合物(S−10)にメシルクロリドを反応させて化合物(S−11)を得る。そして、N,N−ジメチルホルムアミド中、炭酸カリウム存在下で、化合物(S−11)と製法2で得た化合物(S−7)とを反応させて化合物(S−12)を得る。さらに、ジクロロメタン溶媒中、トリエチルアミン存在下で、化合物(S−12)に対してメタクリル酸クロリドを用いたエステル化反応させて化合物(S−13)を得る。最後に、テトラヒドロフランと水の混合溶媒中、濃塩酸存在下で化合物(S−13)を反応させる事で目的化合物(i−c)を得ることができる。
【0531】
【化155】
[この文献は図面を表示できません]
【0532】
(上記式中、R
i1、m
i1、A
i1、Z
i1、A
i2およびZ
i2は、それぞれ一般式(i)中のR
i1、m
i1、A
i1、Z
i1、A
i2およびZ
i2と同じ意味を表す。)
【0533】
(製法4)一般式(i−d)で表される化合物の製造
N,N−ジメチルホルムアミド中、炭酸カリウム存在下で、製法2で得た化合物(S−7)と臭化ベンジルとを反応させて化合物(S−14)を得る。次に、ジクロロメタン溶媒中、ピリジニウム p−トルエンスルホナ−ト存在下で、化合物(S−14)と4−ジヒドロ−2H−ピランとを反応させて化合物(S−15)を得る。そして、テトラヒドロフラン中、パラジウム炭素存在下、水素雰囲気下で化合物(S−15)を反応させて化合物(S−16)を得る。さらに、N,N−ジメチルホルムアミド中、炭酸カリウム存在下で、化合物(S−16)に化合物(S−17)を反応させて化合物(S−18)を得る。続いて、ジクロロメタン中、トリエチルアミン存在下で、化合物(S−18)にクロログリオキシル酸メチルを反応させて化合物(S−19)を得る。そして、テトラヒドロフランと水との混合溶媒中、濃塩酸存在下で、化合物(S−19)を反応させて化合物(S−20)を得る。最後に、ジクロロメタン溶媒中、トリエチルアミン存在下で、化合物(S−20)に対してメタクリル酸クロリドを用いたエステル化反応させる事で目的化合物(i−d)を得ることができる。
【0534】
【化156】
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【0535】
(上記式中、S
pi4、R
i1、m
i1、A
i1、Z
i1、A
i2およびZ
i2は、一般式(i)中のS
pi4、R
i1、m
i1、A
i1、Z
i1、A
i2およびZ
i2と同じ意味を表す。)
【0536】
(製法5)一般式(i−e)で表される化合物の製造
酢酸エチル中、p−トルエンスルホン酸一水和物存在下で、4−ブロモ−5−エチル−2−(3−ヒドロキシプロピル)フェノールを反応させて、化合物(S−21)を得る。次に、テトラヒドロフラン中、炭酸カリウムおよびテトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)存在下で、化合物(S−21)とホウ素化合物とを反応させる事で化合物(S−22)を得る。そして、ジクロロメタン中、ピリジン存在下で、化合物(S−22)とトリフルオロメタンスルホン酸無水物とを反応させて、化合物(S−23)を得る。さらに、N,N−ジメチルホルムアミド中、[1,1’−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン]パラジウム(II)ジクロリドと酢酸カリウム存在下で、化合物(S−23)とビス(ピナコラ−ト)ジボロンとを反応させて、化合物(S−24)を得る。続いて、テトラヒドロフラン中、炭酸カリウムおよびテトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)存在下で、化合物(S−24)と4−ブロモ−2−(3−ヒドロキシプロピル)フェノールとを反応させる事で化合物(S−25)を得る。次に、テトラヒドロフランと水との混合溶媒中、水酸化ナトリウム存在下で、化合物(S−25)を加水分解させて、化合物(S−26)を得る。そして、N,N−ジメチルホルムアミド中、炭酸カリウム存在下で、化合物(S−26)と化合物(S−6)とを反応させて化合物(S−27)を得る。さらにテトラヒドロフラン中、パラジウム炭素存在下、水素雰囲気下で、化合物(S−27)を反応させて化合物(S−28)を得る。最後に、ジクロロメタン溶媒中、トリエチルアミン存在下で、化合物(S−28)に対してメタクリル酸クロリドを用いたエステル化反応させる事で目的化合物(i−e)を得ることができる。
【0537】
【化157】
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【0538】
(上記式中、S
pi3、S
pi4、R
i1、m
i1、A
i1、Z
i1、A
i2およびZ
i2は、一般式(i)中のS
pi3、S
pi4、R
i1、m
i1、A
i1、Z
i1、A
i2およびZ
i2と同じ意味を表す。)
【実施例】
【0539】
以下、実施例に基づき本発明を更に具体的に説明するが、本発明は実施例に限定されるものではない。なお、以下の実施例及び比較例において「%」は「質量%」を意味する。
【0540】
(化合物の表記)
化合物中の環構造については、以下の略号を用いた。
【0541】
【化158】
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【0542】
化合物中の側鎖構造については、以下の略号を用いた。表中のnは自然数である。
【0543】
【表1】
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【0544】
化合物中の連結構造については、以下の略号を用いた。表中のnは自然数である。
【0545】
【表2】
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【0546】
(物性)
実施例および比較例において測定した物性は以下の通りである。
【0547】
T
ni :ネマチック相−等方性液体相転移温度(℃)
Δn :20℃における屈折率異方性
η :20℃における粘度(mPa・s)
γ
1 :20℃における回転粘性(mPa・s)
Δε :20℃における誘電率異方性
K
33 :20℃における弾性定数K
33(pN)
【0548】
(評価試験)
以下に、実施例及び比較例で実施した評価試験の詳細を説明する。
【0549】
(1)低温安定性の評価試験
重合性液晶組成物をメンブレンフィルター(Agilent Technologies社製、PTFE 13mm−0.2μm)にてろ過を行い、真空減圧条件にて15分間静置し溶存空気の除去を行った。これをアセトンにて洗浄し十分に乾燥させたバイアル瓶に0.5g秤量し、−25℃の低温環境下に静置した。その後、目視にて析出の有無を観察し、以下の4段階で判定した。
【0550】
A:14日静置後、析出が確認できない。
【0551】
B:7日静置後、析出が確認される。
【0552】
C:3日静置後、析出が確認できる。
【0553】
D:1日静置後、析出が確認できる。
【0554】
(2)垂直配向性評価試験
透明な共通電極からなる透明電極層及びカラーフィルタ層を具備した配向膜を有さない4cm四方の第一の基板(共通電極基板)と、これに対応するアクティブ素子により駆動される透明画素電極を有する画素電極層を有する配向膜を有さない第二の基板(画素電極基板)とを作製した。
【0555】
第一の基板の周辺部にシール材を描画し、さらに重合性液晶組成物を滴下し、真空下にて第二の基板と張り合わせ挟持し、シール材を常圧で110℃1時間の条件で硬化させ、セルギャップ3.2μmの液晶セルを得た。このとき滴下パターンは、配向性試験における強制試験であり、
図1に示すように、1点を4.2μLとして5点滴下を行なった。上記にて作製した液晶セルにおける垂直配向性の均一性、および滴下痕の有無などの配向ムラを、偏光顕微鏡を用いて観察し、以下の5段階で評価した。なお、今回の評価では、従来の当社作製における表面処理時間を少なくし、配向性試験を強調して評価した。
【0556】
S:端部なども含め、滴下痕や配向ムラがなく、全面にわたり特に垂直配向性が良好である
A:端部なども含め、全面に滴下痕や配向ムラがなく、全面にわたり均一に垂直配向が確認される
B:ごく僅かに滴下痕や配向ムラが有るも、許容できるレベル
C:端部なども含め、滴下痕や配向ムラが多く、許容できないレベル
D:滴下痕や配向ムラが評価以前に配向不良がかなり劣悪
【0557】
(3)プレチルト角形成の評価試験
上記「(2)垂直配向性の評価試験)」で使用した液晶セルに、10V、100Hzの矩形交流波を印加しながら、高圧水銀ランプを用いて、365nmにおける照度が100m/cm
2であるUV光を200秒間照射した。その後、白表示の安定性を、10V、100Hzの矩形交流波を印加しながらセルに物理的な外力を加え、数分静置した後にクロスニコルの状態で観察を行い、以下の4段階で評価した。
【0558】
A:端部なども含め、全面にわたり均一に垂直配向が確認される
B:ごく僅かに配向欠陥が有るも、許容できるレベル
C:端部なども含め、配向欠陥が多く許容できないレベル
D:配向不良がかなり劣悪
【0559】
(4)残存モノマー量の評価試験
上記(プレチルト角形成の評価試験)にて使用したセルに、さらに、東芝ライテック社製のUV蛍光ランプを60分間照射した(313nmにおける照度1.7mW/cm
2)後の、モノマーの残存量をHPLCにて定量し、残存モノマー量を決定した。モノマーの残存量に応じて、以下の4段階で評価した。
【0560】
A:300ppm未満
B:300ppm以上500ppm未満
C:500ppm以上1500ppm未満
D:1500ppm以上
【0561】
(5)プレチルト安定性の評価試験
得られた液晶セルについて、液晶分子のプレチルト角を、プレチルト角測定システム(シンテック社製、「OPTIPRO」)を用いて測定した。このプレチルト角を初期値とした。次に、液晶セルに対して、周波数100Hzで30Vの矩形電圧を印加しつつ、バックライトから10時間連続して光を照射した。その後、プレチルト角を再度測定し、プレチルト角(試験後値)とした。なお、30Vの電圧の大きさは通常の駆動電圧の数倍大きく、加速試験となっている。測定されたプレチルト角(初期値)からプレチルト角(試験後値)を減算した値を、プレチルト角変化量(=プレチルト角変化の絶対値)[°]として、以下の基準に従って評価した。なお、プレチルト角変化量は、0[°]に近い程、プレチルト角の変化による表示不良が発生する可能性がより低くなる。
【0562】
S:0.05°以内の変化(ほとんど表示不良が生じない)
A:0.05°超0.1以内の変化(表示不良が生じにくい)
B:0.1°超0.3°以内の変化(かなり表示不良が生じる)
C:0.3°超の変化(表示不良が生じ許容できないレベル)
D:0.5°超の変化(表示不良がひどく全く許容できないレベル)
【0563】
1.式(i)化合物の合成
(実施例1)
撹拌装置、冷却器、及び温度計を備えた反応容器に3−フルオロ−4−(4−ペンチル(シクロヘキシル))フェニルホウ酸 42g、4−クロロ−2,6−ビス(ヒドロキシプロピル)フェノ−ル 32g、炭酸カリウム 27g、テトラキストリフェニルホスフィンパラジウム 1.5g、エタノ−ル 300mlを加え、70℃で5時間反応させた。反応終了後、冷却し、酸酸エチル 300mlを加え、有機層を水、飽和食塩水で洗浄し、溶媒を留去した後、トルエンで再結晶を行い、式(1−1)で表される化合物 50gを得た。
【0564】
【化159】
[この文献は図面を表示できません]
【0565】
次いで、撹拌装置、冷却器、及び温度計を備えた反応容器に上記の化合物(1−1) 50g、臭化ベンジル 23g、炭酸カリウム 23g、アセトン 200ml、を加え、50℃で24時間反応させた。反応終了後、冷却し、10%塩酸 250mlと酢酸エチル 300mlを加え有機層を水、飽和食塩水で洗浄し溶媒を留去した。その後、シリカカラムによる精製を行い、式(1−2)で表される化合物 51gを得た。
【0566】
【化160】
[この文献は図面を表示できません]
【0567】
次いで、撹拌装置、冷却器、及び温度計を備えた反応容器に上記の化合物(1−2) 51g、3,4−ジヒドロ−2H−ピラン 24g、ピリジニウム p−トルエンスルホナ−ト 2g、ジクロロメタン 280mlを加え、室温で2時間反応させた。反応終了後、冷却し、水 200mlを加え有機層、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液、飽和食塩水で洗浄し、溶媒を留去した。その後、シリカカラムによる精製を行い、式(1−3)で表される化合物 65gを得た。
【0568】
【化161】
[この文献は図面を表示できません]
【0569】
次いで、耐圧反応容器に上記の化合物(1−3) 65g、テトラヒドロフラン(以下、THFとする。) 340ml、パラジウム炭素 6.7g、を加え、水素雰囲気下(0.5MPa)で、10時間反応させた。反応終了後、冷却し、酢酸エチルにより目的物を抽出した。有機層を水、飽和食塩水で洗浄し、溶媒を留去した。その後、シリカカラムによる精製を行い、式(1−4)で表される化合物 54gを得た。
【0570】
【化162】
[この文献は図面を表示できません]
【0571】
次いで、撹拌装置、冷却器、及び温度計を備えた反応容器に上記の化合物(1−4) 54g、2−(ブロモメチル)−2−(ヒドロキシメチル)プロパン−1,3−ジオ−ル 52g、炭酸カリウム 36g、N,N−ジメチルホルムアミド 540mlを加え、90℃で24時間反応させた。反応終了後、冷却し、酢酸エチル 600mlを加え有機層を水、飽和食塩水で洗浄し溶媒を留去した。その後、シリカカラムによる精製を行い、式(1−5)で表される化合物 58gを得た。
【0572】
【化163】
[この文献は図面を表示できません]
【0573】
次いで、撹拌装置、冷却器、及び温度計を備えた反応容器に上記の化合物(1−5) 58g、トリエチルアミン 28g、ジクロロメタン 900mlを仕込み、反応容器を10℃以下に冷却する。その後、クロログリオキシル酸メチル 32gをゆっくり滴下した。滴下終了後、反応容器を室温に戻し、3時間反応させた。反応終了後、冷却し、水 260mlをゆっくり滴下した。有機層を水、飽和食塩水で洗浄し、溶媒を留去した。その後、シリカカラムによる精製を行い、式(1−6)で表される化合物 47gを得た。
【0574】
【化164】
[この文献は図面を表示できません]
【0575】
次いで、撹拌装置、及び温度計を備えた反応容器に上記の化合物(1−6) 47g、THF 470ml、濃塩酸 47ml、水 470mlを加え、60℃で3時間反応させた。反応終了後、冷却し、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液 400mlを加えた。そして酢酸エチルにより目的物を抽出した。有機層を水、飽和食塩水で洗浄し、溶媒を留去した。その後、シリカカラムによる精製を行い、式(1−7)で表される化合物 38gを得た。
【0576】
【化165】
[この文献は図面を表示できません]
【0577】
次いで、撹拌装置、冷却器、及び温度計を備えた反応容器に上記の化合物(1−7) 38g、トリエチルアミン 11g、ジクロロメタン 200mlを加え、反応容器を10℃以下に冷却する。その後、塩化メタクリロイル 11gをゆっくり滴下した。滴下終了後、反応容器を室温に戻し、6時間反応させた。反応終了後、水 200mlをゆっくり加え、有機層を水、飽和食塩水で洗浄し、溶媒を留去した。その後、シリカカラムによる精製を行い、式(i−256)で表される目的化合物 35gを得た。
【0578】
【化166】
[この文献は図面を表示できません]
【0579】
(式(i−256)化合物の物性値)
LC−MS: 969.5(MS+H)、性状:油状
【0580】
(実施例2)
撹拌装置、冷却器、及び温度計を備えた反応容器にペンタエリスリト−ル 34g、オルト酢酸トリエチル 41g、p−トルエンスルホン酸一水和物 0.2g、トルエン 25mlを加え、80℃で加熱させた。生じたエタノ−ルをすべて除去した後に、昇温してトルエンを留去した。その後、シリカカラムによる精製を行い、式(2−1)で表される化合物 36gを得た。
【0581】
【化167】
[この文献は図面を表示できません]
【0582】
次いで、撹拌装置、冷却器、及び温度計を備えた反応容器に化合物(2−1) 36g、トリエチルアミン 27g、ジクロロメタン 270ml、を加え、反応容器を10℃以下に冷却する。その後、メタンスルホニルクロリド 31gをゆっくり滴下した。滴下終了後、反応容器を室温に戻し、6時間反応させた。反応終了後、冷却し、水 270mlを加え有機層を水、飽和食塩水で洗浄し溶媒を留去した。その後、シリカカラムによる精製を行い、式(2−2)で表される化合物 53gを得た。
【0583】
【化168】
[この文献は図面を表示できません]
【0584】
次いで、撹拌装置、冷却器、及び温度計を備えた反応容器に化合物(1−1) 50g、化合物(2−2) 31g、炭酸カリウム 23g、N,N−ジメチルホルムアミド 500mlを加え、90℃で24時間反応させた。反応終了後、冷却し、酢酸エチル 600mlを加え有機層を水、飽和食塩水で洗浄し溶媒を留去した。その後、シリカカラムによる精製を行い式(2−3)で表される化合物 59gを得た。
【0585】
【化169】
[この文献は図面を表示できません]
【0586】
次いで、撹拌装置、冷却器、及び温度計を備えた反応容器に上記の化合物(2−3) 59g、トリエチルアミン 22g、ジクロロメタン 330mlを加え、反応容器を10℃以下に冷却する。その後、塩化メタクリロイル 23gをゆっくり滴下した。滴下終了後、反応容器を室温に戻し、6時間反応させた。反応終了後、水 330mlをゆっくり加え、有機層を水、飽和食塩水で洗浄し、溶媒を留去した。その後、シリカカラムによる精製を行い、式(2−4)で表される化合物 65gを得た。
【0587】
【化170】
[この文献は図面を表示できません]
【0588】
次いで、撹拌装置、及び温度計を備えた反応容器に上記の化合物(2−4) 65g、THF 650ml、濃塩酸 65ml、水 650mlを加え60℃で3時間反応させた。反応終了後、冷却し、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液 650mlを加えた。そして酢酸エチルにより目的物を抽出した。有機層を水、飽和食塩水で洗浄し、溶媒を留去した。その後、シリカカラムによる精製を行い式(i−6)で表される目的化合物 57gを得た。
【0589】
【化171】
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【0590】
(式(i−6)化合物の物性値)
LC−MS: 711.2(MS+H)、性状:油状
【0591】
(実施例3)
撹拌装置、冷却器、及び温度計を備えた反応容器に(5−(ブロモメチル)2−,2−ジメチル−1,3−ジオキサン−5−イル)メタノ−ル 30g、臭化ベンジル 24g、炭酸カリウム 26g、N,N−ジメチルホルムアミド 150mlを加え、50℃で6時間反応させた。反応終了後、冷却し、酸酸エチル 300mlを加え有機層を水、飽和食塩水で洗浄し、溶媒を留去した。続いて、撹拌装置、及び温度計を備えた反応容器に、抽出物、THF 300mlと共に加え、10%塩酸 30mlをゆっくり滴下した。反応終了後、冷却し、酢酸エチルにより目的物を抽出した。有機層を水、飽和食塩水で洗浄し、溶媒を留去した。その後、シリカカラムによる精製を行い式(3−1)で表される化合物 32gを得た。
【0592】
【化172】
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【0593】
次いで、撹拌装置、冷却器、及び温度計を備えた反応容器に上記の化合物(3−1) 32g、トリエチルアミン 25g、ジクロロメタン 320mlを加え、反応容器を10℃以下に冷却する。その後、メチルマロン酸クロリド 32gをゆっくり滴下した。滴下終了後、反応容器を室温に戻し、6時間反応させた。反応終了後、水をゆっくり加え、ジクロロメタン 100ml、水、飽和食塩水で洗浄し、溶媒を留去した。その後、シリカカラムによる精製を行い式(3−2)で表される化合物 43gを得た。
【0594】
【化173】
[この文献は図面を表示できません]
【0595】
次いで、撹拌装置、冷却器、及び温度計を備えた反応容器に化合物(3−2) 43g、4−クロロ−2,6−ビス(ヒドロキシプロピル)フェノ−ル 22g、炭酸カリウム 24g、N,N−ジメチルホルムアミド 215mlを仕込み、90℃で8時間反応させた。反応終了後、冷却し、酢酸エチル 300mlを加え有機層を水、飽和食塩水で洗浄し溶媒を留去した。その後、トルエンによる分散洗浄、シリカゲルカラムによる精製を行い式(3−3)で表される化合物 42gを得た。
【0596】
【化174】
[この文献は図面を表示できません]
【0597】
次いで、耐圧反応容器に上記の化合物(2−4) 42g、THF 210ml、パラジウム炭素 4.2g、を加え、水素雰囲気下(0.5MPa)で、10時間反応させた。反応終了後、冷却し、酢酸エチルにより目的物を抽出した。有機層を水、飽和食塩水で洗浄し、溶媒を留去した。その後、シリカカラムによる精製を行い式(3−4)で表される化合物 35gを得た。
【0598】
【化175】
[この文献は図面を表示できません]
【0599】
次いで、撹拌装置、冷却器、及び温度計を備えた反応容器に上記の化合物(3−4) 35g、トリエチルアミン 23g、ジクロロメタン 350mlを加え、反応容器を10℃以下に冷却する。その後、塩化メタクリロイル 21gをゆっくり滴下した。滴下終了後、反応容器を室温に戻し、6時間反応させた。反応終了後、水をゆっくり加え、ジクロロメタン 100ml、水、飽和食塩水で洗浄し、溶媒を留去した。その後、シリカカラムによる精製を行い式(3−5)で表される化合物 42gを得た。
【0600】
【化176】
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【0601】
次いで、撹拌装置、冷却器、及び温度計を備えた反応容器に上記の化合物(3−5) 42g、3−フルオロ−4−(4−ペンチル(シクロヘキシル))フェニルホウ酸 18g、炭酸カリウム 23g、テトラキストリフェニルホスフィンパラジウム 3g、THF 420ml、水 84mlを加え、50℃で9時間反応させた。反応終了後、冷却し、酸酸エチル 500mlを加え有機層を水、飽和食塩水で洗浄し、溶媒を留去し、シリカゲルカラム精製を行い式(i−201)で表される目的化合物 21gを得た。この目的化合物は、上記「III.化合物」の項で説明した製法2でも合成可能であった。
【0602】
【化177】
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【0603】
(式(i−201)化合物の物性値)
LC−MS: 979.3(MS+H)、性状:固体
【0604】
(実施例4)
撹拌装置、冷却器、及び温度計を備えた反応容器に2−(ベンジルオキシ)エタノ−ル 29g、水素化ナトリウム 7g、N,N−ジメチルホルムアミド 50mlを加え、室温で1時間反応させた。その後2,2−ビス(ブロモメチル)プロパン−1,3−ジ−ル 50gをゆっくり加えて50℃で10時間反応させた。反応終了後、冷却し、酸酸エチル 100mlを加え有機層を水、飽和食塩水で洗浄し、溶媒を留去した。その後、シリカカラムによる精製を行い式(4−1)で表される化合物 25gを得た。
【0605】
【化178】
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【0606】
次いで、撹拌装置、冷却器、及び温度計を備えた反応容器に上記の化合物(4−1)25g、トリエチルアミン 18g、ジクロロメタン 250mlを加え、反応容器を10℃以下に冷却する。その後、クロログリオキシル酸メチル 20gをゆっくり滴下した。滴下終了後、反応容器を室温に戻し、6時間反応させた。反応終了後、水をゆっくり加え、ジクロロメタン50ml、水、飽和食塩水で洗浄し、溶媒を留去した。その後、シリカカラムによる精製を行い式(4−2)で表される化合物28gを得た。
【0607】
【化179】
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【0608】
次いで、撹拌装置、冷却器、及び温度計を備えた反応容器に化合物(4−2) 28g、4−クロロ−2,6−ビス(ヒドロキシプロピル)フェノ−ル 14g、炭酸カリウム 15g、N,N−ジメチルホルムアミド 140mlを仕込み、90℃で8時間反応させた。反応終了後、冷却し、酢酸エチル 200mlを加え有機層を水、飽和食塩水で洗浄し溶媒を留去した。その後、トルエンによる分散洗浄、シリカゲルカラムによる精製を行い式(4−3)で表される化合物 32gを得た。
【0609】
【化180】
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【0610】
次いで、耐圧反応容器に上記の化合物(4−3) 32g、THF 160ml、パラジウム炭素 3.2g、を加え、水素雰囲気下(0.5MPa)で、10時間反応させた。反応終了後、冷却し、酢酸エチルにより目的物を抽出した。有機層を水、飽和食塩水で洗浄し、溶媒を留去した。その後、シリカカラムによる精製を行い式(4−4)で表される化合物 27gを得た。
【0611】
【化181】
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【0612】
次いで、撹拌装置、冷却器、及び温度計を備えた反応容器に上記の化合物(4−4) 27g、トリエチルアミン 17g、ジクロロメタン 270mlを加え、反応容器を10℃以下に冷却する。その後、塩化メタクリロイル 16gをゆっくり滴下した。滴下終了後、反応容器を室温に戻し、6時間反応させた。反応終了後、水をゆっくり加え、ジクロロメタン 80ml、水、飽和食塩水で洗浄し、溶媒を留去した。その後、シリカカラムによる精製を行い化合物(4−5)で表される化合物 31gを得た。
【0613】
【化182】
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【0614】
次いで、撹拌装置、冷却器、及び温度計を備えた反応容器に上記の化合物(4−5) 31g、3−フルオロ−4−(4−ペンチル(シクロヘキシル))フェニルホウ酸 13g、炭酸カリウム 11g、テトラキストリフェニルホスフィンパラジウム 2g、THF 310ml、水 62mlを加え、50℃で9時間反応させた。反応終了後、冷却し、酸酸エチル 400mlを加え有機層を水、飽和食塩水で洗浄し、溶媒を留去し、シリカゲルカラム精製を行い式(i−621)で表される目的化合物 23gを得た。
【0615】
【化183】
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【0616】
(式(i−621)化合物の物性値)
LC−MS: 995.7(MS+H)、性状:油状
【0617】
(実施例5)
撹拌装置、冷却器、及び温度計を備えた反応容器に1−ブロモ−2−エチル−4−メトキシベンゼン 30g、3−フルオロ−4−(4−ペンチル(シクロヘキシル))フェニルホウ酸 45g、炭酸カリウム 39g、テトラキストリフェニルホスフィンパラジウム 8g、THF 300ml、水 60mlを加え、50℃で9時間反応させた。反応終了後、冷却し、酸酸エチル 400mlを加え有機層を水、飽和食塩水で洗浄し、溶媒を留去し、シリカゲルカラム精製を行い式(5−1)で表される化合物 45gを得た。
【0618】
【化184】
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【0619】
次いで、上記の化合物(5−1) 45g、ジクロロメタン 320mlを入れ、三臭化ホウ素 44gをゆっくり滴下し、8時間反応させた。反応終了後、冷却し、5℃の水 250mLを滴下して、有機層を水、飽和食塩水で洗浄し溶媒を留去した。その後、シリカゲルカラムによる精製を行い式(5−2)で表される化合物 41gを得た。
【0620】
【化185】
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【0621】
次いで、撹拌装置、冷却器、及び温度計を備えた反応容器に上記の化合物(5−2) 41g、ジクロロメタン 210ml、ピリジン 18gを入れ、反応容器を10℃以下に冷却する。トリフルオロメタンスルホン酸無水物 38gをゆっくり滴下し、5時間反応させた。反応終了後、冷却し、5℃の水 250mLを滴下して、有機層を水、飽和食塩水で洗浄し溶媒を留去した。その後、シリカゲルカラムによる精製を行い式(5−3)で表される化合物50gを得た。
【0622】
【化186】
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【0623】
次いで、撹拌装置、冷却器、及び温度計を備えた反応容器に上記の化合物(5−3) 50g、ビス(ピナコラ−ト)ジボロン 26g、酢酸カリウム 15g、[1,1’−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン]パラジウム(II)ジクロリド 4g、N,N−ジメチルホルムアミド 250mlを加え、50℃で15時間反応させた。反応終了後、冷却し、酸酸エチル 500mlを加え有機層を水、飽和食塩水で洗浄し、溶媒を留去し、シリカゲルカラム精製を行い式(5−4)で表される化合物 30gを得た。
【0624】
【化187】
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【0625】
次いで、上記の化合物(3−5)と同様の方法で、式(5−5)で表される化合物 46gを得た。
【0626】
【化188】
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【0627】
次いで、撹拌装置、冷却器、及び温度計を備えた反応容器に上記の化合物(5−4) 30g、上記の化合物(5−5) 46g、炭酸カリウム 17g、テトラキストリフェニルホスフィンパラジウム 4g、THF 150ml、水 30mlを加え、60℃で20時間反応させた。反応終了後、冷却し、酸酸エチル 300mlを加え有機層を水、飽和食塩水で洗浄し、溶媒を留去し、シリカゲルカラム精製を行い、式(i−277)で表される目的化合物 23gを得た。
【0628】
【化189】
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【0629】
(式(i−277)化合物の物性値)
LC−MS: 1055.4(MS+H)、性状:固体、
1H−NMR(溶媒:重クロロホルム):δ: 0.90(t,3H),1.02−1.15(m,5H),1.21−1.37(m,9H),1.43−1.53(m,2H),1.87−2.07(m,17H),2.49−2.62(m,3H),2.75(t,4H),3.92(s,6H),3.98(s,2H),4.17(t,4H),4.44(s,2H),4.59(s,4H),5.54(s,2H),5.65(s,1H),6.07(s,2H),6.14(s,1H),6.98−7.05(m,2H),7.15−7.19(m,1H),7.22−7.25(m,1H),7.30(s,2H),7.36−7.38(m,1H),7.44(s,1H)
【0630】
(実施例6)
撹拌装置、冷却器、及び温度計を備えた反応容器に2―クロロエタノール 21g、メタントリカルボン酸トリエチル 40g、炭酸カリウム 36g、THF 400mlを加え、50℃で24時間反応させた。反応終了後に冷却し、水 200mlを滴下した後に酸酸エチル 500mlを加え有機層を水、飽和食塩水で洗浄し、溶媒を留去し、シリカゲルカラムによる精製を行い式(6−1)で表される化合物 45gを得た。
【0631】
【化190】
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【0632】
次いで、撹拌装置、冷却器、及び温度計を備えた反応容器に化合物(6−1) 45g、トリエチルアミン 25g、ジクロロメタン 450ml、を加え、反応容器を10℃以下に冷却する。その後、メタンスルホニルクロリド 21gをゆっくり滴下した。滴下終了後、反応容器を室温に戻し、6時間反応させた。反応終了後、冷却し、水 450mlを加え有機層を水、飽和食塩水で洗浄し溶媒を留去した。その後、シリカカラムによる精製を行い、式(6−2)で表される化合物 49gを得た。
【0633】
【化191】
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【0634】
また、撹拌装置、冷却器、及び温度計を備えた反応容器に4−ブロモ−2−エチルフェノール 20g、4−(4−ペンチル(シクロヘキシル))フェニルホウ酸 30g、炭酸カリウム 82g、テトラキストリフェニルホスフィンパラジウム 11g、THF 300ml、水 60mlを加え、50℃で9時間反応させた。反応終了後、冷却し、酸酸エチル 400mlを加え有機層を水、飽和食塩水で洗浄し、溶媒を留去し、シリカゲルカラム精製を行い式(6−3)で表される化合物 57gを得た。
【0635】
【化192】
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【0636】
次いで、上記の化合物(5−3)と同様の手法で、式(6−4)で表される化合物 67gを得た。
【0637】
【化193】
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【0638】
次いで、上記の化合物(5−4)と同様の方法で、式(6−5)で表される化合物 50gを得た。
【0639】
【化194】
[この文献は図面を表示できません]
【0640】
次いで、上記の化合物(1−1)と同様の方法で、式(6−6)で表される化合物 44gを得た。
【0641】
【化195】
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【0642】
次いで、上記の化合物(2−3)と同様の方法で、化合物(6−2)と化合物(6−6)とから式(6−7)で表される化合物 53gを得た。
【0643】
【化196】
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【0644】
次いで、撹拌装置、冷却器、及び温度計を備えた反応容器に水素化アルミニウムリチウム 13g、THF 530mlを仕込み、還流下で8時間反応させた。反応終了後、冷却し、酢酸エチル 700mlを加え有機層を水、飽和食塩水で洗浄し溶媒を留去した。シリカゲルカラムによる精製を行い式(6−8)で表される化合物 33gを得た。
【0645】
【化197】
[この文献は図面を表示できません]
【0646】
次いで、上記の化合物(2−1)と同様の方法で、式(6−9)で表される化合物 17gを得た。
【0647】
【化198】
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【0648】
次いで、上記の化合物(2−4)と同様の方法で、式(6−10)で表される化合物 18gを得た。
【0649】
【化199】
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【0650】
次いで、上記の化合物(2−4)と同様の方法で、式(i−576)で表される目的化合物 10gを得た。
【0651】
【化200】
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【0652】
(式(i−576)化合物の物性値)
LC−MS: 811.7(MS+H)、性状:油状
【0653】
(実施例7)
撹拌装置、冷却器、及び温度計を備えた反応容器に(クロロメトキシメチル)ベンゼン 30g、マロン酸ジエチル 30g、水素化ナトリウム 7g、THF 300mlを加え、50℃で24時間反応させた。反応終了後に冷却し、水 200mlを滴下した後に酸酸エチル 300mlを加え有機層を水、飽和食塩水で洗浄し、溶媒を留去し、シリカゲルカラムによる精製を行い式(7−1)で表される化合物 26gを得た。
【0654】
【化201】
[この文献は図面を表示できません]
【0655】
次いで、撹拌装置、冷却器、及び温度計を備えた反応容器に化合物(7−1) 26g、2−(2―ブロモエトキシ)テトラヒドロ−2H−ピラン 29g、炭酸カリウム 26g、THF 260mlを加え、50℃で24時間反応させた。反応終了後に冷却し、水 150mlを滴下した後に酸酸エチル 300mlを加え有機層を水、飽和食塩水で洗浄し、溶媒を留去し、シリカゲルカラムによる精製を行い式(7−2)で表される化合物 36gを得た。
【0656】
【化202】
[この文献は図面を表示できません]
【0657】
次いで、上記の化合物(6−8)と同様の方法で、式(7−3)で表される化合物 23gを得た。
【0658】
【化203】
[この文献は図面を表示できません]
【0659】
次いで、上記の化合物(4−2)と同様の方法で、式(7−4)で表される化合物 29gを得た。
【0660】
【化204】
[この文献は図面を表示できません]
【0661】
次いで、上記の化合物(1−7)と同様の方法で、式(7−5)で表される化合物 23gを得た。
【0662】
【化205】
[この文献は図面を表示できません]
【0663】
次いで、上記の化合物(6−2)と同様の方法で、式(7−6)で表される化合物 25gを得た。
【0664】
【化206】
[この文献は図面を表示できません]
【0665】
次いで、上記の化合物(2−3)と同様の方法で、化合物(1−1)と化合物(7−6)とから式(7−7)で表される化合物 30gを得た。
【0666】
【化207】
[この文献は図面を表示できません]
【0667】
次いで、上記の化合物(4−4)と同様の方法で、式(7−8)で表される化合物 26gを得た。
【0668】
【化208】
[この文献は図面を表示できません]
【0669】
次いで、上記の化合物(3−5)と同様の方法で、式(i−581)で表される目的化合物 16gを得た。
【0670】
【化209】
[この文献は図面を表示できません]
【0671】
(式(i−581)化合物の物性値)
LC−MS: 965.5(MS+H)、性状:油状
【0672】
(実施例8)
上記の化合物(1−7)と同様の方法で、化合物(7−2)から式(8−1)で表される化合物 43gを得た。
【0673】
【化210】
[この文献は図面を表示できません]
【0674】
次いで、上記の化合物(6−2)と同様の方法で、式(8−2)で表される化合物 50gを得た。
【0675】
【化211】
[この文献は図面を表示できません]
【0676】
次いで、上記の化合物(2−3)と同様の方法で、化合物(6−6)と化合物(8−2)とから式(8−3)で表される化合物 84gを得た。
【0677】
【化212】
[この文献は図面を表示できません]
【0678】
次いで、上記の化合物(6−8)と同様の方法で、式(8−4)で表される化合物 58gを得た。
【0679】
【化213】
[この文献は図面を表示できません]
【0680】
次いで、上記の化合物(4−4)と同様の方法で、式(8−5)で表される化合物 50gを得た。
【0681】
【化214】
[この文献は図面を表示できません]
【0682】
次いで、撹拌装置、冷却器、及び温度計を備えた反応容器に上記の化合物(8−5) 50g、トリエチルアミン 23g、ジクロロメタン 500mlを加え、反応容器を10℃以下に冷却する。その後、塩化メタクリロイル 23gをゆっくり滴下した。滴下終了後、反応容器を室温に戻し、6時間反応させた。反応終了後、水 500mlをゆっくり加え、有機層を水、飽和食塩水で洗浄し、溶媒を留去した。その後、シリカカラムによる精製を行い、式(i−571)で表される目的化合物 9gを得た。
【0683】
【化215】
[この文献は図面を表示できません]
【0684】
(式(i−571)化合物の物性値)
LC−MS: 879.5(MS+H)、性状:油状
【0685】
(実施例9)
撹拌装置、冷却器、及び温度計を備えた反応容器に2−(ブロモメチル)−2−(ヒドロキシメチル)プロパン−1,3−ジオール 50g、トリエチルアミン 89g、ジクロロメタン 500mlを加え、反応容器を10℃以下に冷却する。その後、塩化アクリロイル 75gをゆっくり滴下した。滴下終了後、反応容器を室温に戻し、6時間反応させた。反応終了後、水 500mlをゆっくり加え、有機層を水、飽和食塩水で洗浄し、溶媒を留去した。その後、シリカカラムによる精製を行い、式(9−1)で表される化合物 82gを得た。
【0686】
【化216】
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【0687】
次いで、撹拌装置、冷却器、及び温度計を備えた反応容器にパラホルムアルデヒド 31g、1,4−ジアザビシクロ[2,2,2]オクタン 51g、水 450mlを入れ室温で15分撹拌した。そこへTHF 1000mlに溶解させた上記の化合物(9−1) 82gをゆっくり滴下した。滴下終了後、72時間反応させた。反応終了後、水をゆっくり加え、酢酸エチルで抽出を行い、溶媒を留去した。その後、シリカカラムによる精製を行い、式(9−2)で表される化合物 15gを得た。
【0688】
【化217】
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【0689】
次いで、上記の化合物(1−3)と同様の方法で、式(9−3)で表される化合物 21gを得た。
【0690】
【化218】
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【0691】
次いで、上記の化合物(3−3)と同様の方法で、化合物(9−3) 21gと4−クロロ−2,6−ビス(ヒドロキシプロピル)フェノール 7gから式(9−4)で表される化合物 22gを得た。
【0692】
【化219】
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【0693】
次いで、上記の化合物(3−5)と同様の方法で、式(9−5)で表される化合物 20gを得た。
【0694】
【化220】
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【0695】
次いで、上記の化合物(1−7)と同様の方法で、式(9−6)で表される化合物 13gを得た。
【0696】
【化221】
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【0697】
また、撹拌装置、冷却器、及び温度計を備えた反応容器に1−ブロモ−4−ペンチルベンゼン 30g、1−エチニル−4−メトキシベンゼン 18g、テトラキストリフェニルホスフィンパラジウム 8g、ヨウ化銅 2g、トリエチルアミン 300mlを加え、50℃で24時間反応させた。反応終了後、水 500mlをゆっくり加え、有機層を水、飽和食塩水で洗浄し、溶媒を留去した。その後、シリカカラムによる精製を行い、式(9−7)で表される化合物 29gを得た。
【0698】
【化222】
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【0699】
次いで、上記の化合物(1−4)と同様の方法で、式(9−8)で表される化合物 27gを得た。
【0700】
【化223】
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【0701】
次いで、上記の化合物(5−2)と同様の方法で、式(9−9)で表される化合物 24gを得た。
【0702】
【化224】
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【0703】
次いで、上記の化合物(5−3)と同様の方法で、式(9−10)で表される化合物 33gを得た。
【0704】
【化225】
[この文献は図面を表示できません]
【0705】
次いで、上記の化合物(5−4)と同様の方法で、式(9−11)で表される化合物 25gを得た。
【0706】
【化226】
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【0707】
次いで、上記の化合物(i−621)と同様の方法で、式(i−646)で表される目的化合物 7gを得た。
【0708】
【化227】
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【0709】
(式(i−646)化合物の物性値)
LC−MS: 967.4(MS+H)、性状:油状
【0710】
(実施例10〜11)
上述した各方法を参考に、式(i−51)および式(i−651)で表される目的化合物をそれぞれ得た。
【0711】
【化228】
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【0712】
(実施例12)
【0713】
上記の化合物(1−1)と上記の化合物(8−2)とから、上記化合物(2−3)と同様の方法で、式(12−1)で表される化合物 26gを得た。
【0714】
【化229】
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【0715】
次いで、上記の化合物(6−8)と同様の方法で、式(12−2)で表される化合物 18gを得た。
【0716】
【化230】
[この文献は図面を表示できません]
【0717】
次いで、上記の化合物(4−4)と同様の方法で、式(12−3)で表される化合物 15gを得た。
【0718】
【化231】
[この文献は図面を表示できません]
【0719】
次いで、上記の化合物(i−571)と同様の方法により式(i−561)で表される目的化合物 4gを得た。
【0720】
【化232】
[この文献は図面を表示できません]
【0721】
(式(i−561)化合物の物性値)
LC−MS: 793.5(MS+H)、性状:油状
【0722】
実施例1〜12で得た式(i)化合物の一覧を下記に示す。また、実施例1〜12で得た式(i)化合物中の、P
i1、P
i2及びP
i3(重合性基)の数、T
k1及びT
k2(極性基)の数、ならびにP
i1、P
i2、P
i3T
k1及びT
k2の数の合計を、下記表3に示す。
【0723】
【化233】
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【0724】
【表3】
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【0725】
2.重合性液晶組成物の調製
(実施例C1)
下記表4に示すとおりの化合物と混合比率で構成される液晶組成物HLC−1を100質量部としたときに、下記の重合性化合物(R−1−0)を0.3質量部添加し、加熱溶解したベース組成物をLC−1とした。
【0726】
【表4】
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【0727】
【化234】
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【0728】
次に、実施例8で合成した化合物(i−571)をLC−1 100質量部に対して0.3質量部添加し、加熱溶解することにより重合性液晶組成物を調製した。得られた重合性液晶組成物について、上述した各評価試験を行った。結果を表6に示す。
【0729】
(実施例C2〜C24)
LC−1 100質量部に対して、実施例1〜12で合成した式(i)化合物をそれぞれ下記表5に示す添加量で添加し、加熱溶解することにより実施例C2〜C24の重合性液晶組成物をそれぞれ調製した。得られた各重合性液晶組成物について、上述した各評価試験を行った。結果を表6に示す。
【0730】
【表5】
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【0731】
【表6】
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【0732】
(実施例C25〜C84)
下記表7に示す通りの化合物及び混合比率で構成される液晶組成物HLC−2からHLC−8をそれぞれ調製した。
【0733】
【表7】
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【0734】
液晶組成物HLC−2からHLC−8をそれぞれ100質量部としたときに、上述した重合性化合物(R−1−0)を0.3質量部添加したベース組成物を加熱溶解により調製し、それぞれLC−2からLC−8とした。
【0735】
また、液晶組成物HLC−1からHLC−8をそれぞれ100質量部としたときに、下記の重合性化合物(R−1−1)を0.3質量部添加したベース組成物を加熱溶解により調製し、LC−9からLC−16とした。
【0736】
【化235】
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【0737】
LC−2からLC−16のいずれかをベース組成物として用い、ベース組成物 100質量部に対して上述した実施例1〜12で合成した式(i)化合物を、それぞれ下記表8および表10に示す添加量で添加して、加熱溶解することにより、実施例C25〜C84の重合性液晶組成物をそれぞれ調製した。得られた各重合性液晶組成物について、上述した各評価試験を行った。結果を表9および表11に示す。
【0738】
【表8】
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【0739】
【表9】
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【0740】
【表10】
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【0741】
【表11】
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【0742】
上記実施例C25〜C84と同様に、ベース組成物LC−2からLC−16に対して、上述した実施例1〜12で合成した式(i)化合物をベース組成物 100質量部に対して上記表の添加量とは異なる適切な濃度で添加して、加熱溶解により重合性液晶組成物をそれぞれ調製した。これらの重合成液晶組成物について、上記と同様に配向性試験の評価を行ったところ、他の実施例と同様に、特に滴下痕や配向ムラのない優れた垂直配向性および、優れたプレチルト角安定性を示した。
【0743】
(比較例RC1)
式(i−571)化合物を添加しなかったこと以外は、実施例C1と同様にして重合性液晶組成物(すなわちベース組成LC−1)を調製した。
【0744】
(比較例RC2〜RC28)
ベース組成物LC−1からLC−16のいずれかに対して、式(i−571)化合物に代えて、下記化合物Ref−1からRef−6のいずれかを、ベース組成物100質量部に対して下記表13に示す添加量で添加したこと以外は、実施例C1と同様にして重合性液晶組成物を調製した。なお、化合物Ref−1からRef−6中の、P
i1、P
i2及びP
i3(重合性基)の数、T
k1及びT
k2(極性基)の数、ならびにP
i1、P
i2、P
i3T
k1及びT
k2の数の合計を、下記表12に示す。
【0745】
【化236】
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【0746】
【表12】
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【0747】
【表13】
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【0748】
【表14】
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【0749】
以上のように、一般式(i)で表される化合物を含む実施例の重合性液晶組成物は、一般式(i)で表される化合物を含まない比較例の組成物と比べ、特に滴下痕や配向ムラのない優れた垂直配向性および、優れたプレチルト角安定性を示すことが確認され、少なくとも一面でも配向膜を有さない表示素子において優れていることが示された。特に一般式(i)中のT
k1及びT
k2(所定の位置にある極性基)の数が多い場合は、配向性に優れ、一方、一般式(i)中のP
i1、P
i2及びP
i3(所定の位置にある重合性基)の数が多い場合は、プレチルト角安定性に優れていることが示された。また、実施例の重合性液晶組成物は、残存モノマー量が少なかったことから、一般式(i)で表される化合物は、低温保存性が良好であり、液晶組成物との相溶性が良好であることが確認された。