【文献】
Honggun Kim, Seungheon Lee et al,Novel Flowable CVD Process Technology for sub-20nm Interlayer Dielectrics,2012 IEEE International Interconnect Technology Conference,米国,IEEE,2012年
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記溶媒が、エーテル、3級アミン、アルキル炭化水素、芳香族炭化水素、及び3級アミノエーテルからなる群より選択される少なくとも1つを含む、請求項2に記載の組成物。
前記プラズマ源が、窒素プラズマ、窒素/ヘリウムプラズマ、窒素/アルゴンプラズマ、アンモニアプラズマ、アンモニア/ヘリウムプラズマ、アンモニア/アルゴンプラズマ、ヘリウムプラズマ、アルゴンプラズマ、水素プラズマ、水素/ヘリウムプラズマ、水素/アルゴンプラズマ、有機アミンプラズマ、及びそれらの混合物からなる群より選択される、請求項5に記載の方法。
【発明を実施するための形態】
【0012】
高品質な膜とみなされる1つ又は複数の基準を満たす、低温、例えば、500℃以下又は400℃以下でのコンフォーマルな、化学当量及び非化学当量の窒化ケイ素膜の堆積は、長年の産業の課題となっている。説明を通じて、「窒化ケイ素」という用語は、本明細書で使用される場合、化学当量又は非化学当量の窒化ケイ素、炭窒化ケイ素、炭酸窒化ケイ素、窒化ケイ素アルミニウム、及びそれらの混合物からなる群より選択されるケイ素及び窒素を含む膜を言い表す。窒化ケイ素膜は、他の窒化ケイ素膜と比較して、以下の特性:2.0グラム毎立方センチメートル(g/cc)以上の密度、低いウェットエッチ速度(希釈フッ酸(HF)中で測定された場合)、及びそれらの組み合わせのうち1つ又は複数を有する場合は、「高品質」であるとみなされる。これらの又は他の実施形態において、窒化ケイ素膜についての
屈折率は、1.8以上であるべきである。1つの実施形態において、本明細書で説明されるのは、式IIA〜IIDを有するケイ素前駆体化合物を使用した、ケイ素含有膜を形成するための組成物又は材料である。また、本明細書で説明されるのは、窒素と任意選択で希ガス又は不活性ガスとを含むプラズマプロセスにおいて、低温又は約20℃〜約500℃の範囲の1つ又は複数の堆積温度で、本明細書で説明される式IIA〜IIDを使用して窒化ケイ素膜を堆積する、原子層堆積(ALD)又はALD的方法である。
【0013】
本明細書で説明されるのは、ケイ素及び窒素を含む化学当量又は非化学当量の窒化ケイ素膜を、基材の少なくとも一部に形成するための方法である。幾つかの実施形態において、窒化ケイ素膜は炭素をさらに含むことができる。幾つかの実施形態において、窒化ケイ素膜はアルミニウムをさらに含むことができ、例えば、窒化ケイ素アルミニウム膜である。幾つかの実施形態において、窒化ケイ素膜は酸素をさらに含むことができ、例えば、酸窒化ケイ素膜である。この又は他の実施形態において、窒化ケイ素膜は酸素と炭素とを含み、例えば、炭酸窒化ケイ素膜である。
【0014】
代替実施形態において、式IIA〜IIDを有する少なくとも1つのケイ素前駆体化合物を含む組成物は、酸化ケイ素材料又は膜を堆積するために使用することができる。説明を通じて、「酸化ケイ素」という用語は、本明細書で使用される場合、化学当量又は非化学当量の酸化ケイ素、炭素ドープ酸化ケイ素、炭酸窒化ケイ素及びそれらの混合物からなる群より選択されるケイ素及び窒素を含む膜を言い表す。
【0015】
本明細書で説明される窒化ケイ素は、以下の式IIA〜IID:
【化4】
により表され、式中、置換基Rが、独立して、水素、ハライド原子、直鎖状C
1〜C
10アルキル基、分枝状C
3〜C
10アルキル基、直鎖状又は分枝状C
3〜C
12アルケニル基、直鎖状又は分枝状C
3〜C
12アルケニル基、直鎖状又は分枝状C
3〜C
12アルキニル基、C
4〜C
10環状アルキル基、及びC
6〜C
10アリール基から選択される少なくとも1つのケイ素前駆体化合物を使用して堆積される。
【0016】
理論に拘束されるわけではないが、式IIA、IIB及びIIDにおいて、3つ以上のSi−N結合と、任意選択で3つ以上のSi−H
3基とを有するケイ素前駆体化合物は、基材表面の少なくとも一部に対してより反応的になり、したがって、堆積プロセスの間に表面上のより多くのケイ素断片を固定すると考えられる。これは、次に、表面特徴、例えば、限定されないが、孔、トレンチ、及び/又はビアを含む基材に対して、膜の成長速度を増加させ、より良好な表面被覆を提供し、それによって、表面上にコンフォーマルな窒化ケイ素又は他のケイ素含有膜を堆積することが可能となる。式IIBの化合物の例は、ビス(ジシリルアミノ)シラン(別名、N,N’−ジシリルトリシラザン)である。式IICの化合物の例は、トリス(エチルシリル)アミンである。ケイ素前駆体化合物がトリス(エチルシリル)アミンである実施形態において、エチレンは、それによって、追加のSi反応部位を作り、同時に、前駆体中のSi−H含有量を減らす、堆積プロセスにおける脱離基として作用すると考えられる。
【0017】
上記の式IIA〜IIDにおいて及び説明を通じて、「直鎖状アルキル」という用語は、1〜10個、3〜10個、又は1〜6個の炭素原子を有する直鎖状官能基を示す。例示の直鎖状アルキル基としては、限定されないが、メチル、エチル、プロピル、ブチル、ペンチル、及びヘキシル基が挙げられる。上記の式IIA〜IIDにおいて及び説明を通じて、「分枝状アルキル」という用語は、3〜10個、又は1〜6個の炭素原子を有する分枝状官能基を示す。例示の分枝状アルキル基としては、限定されないが、イソプロピル、イソブチル、sec−ブチル、tert−ブチル、イソ−ペンチル、tert−ペンチル、イソヘキシル、及びネオヘキシルが挙げられる。幾つかの実施形態において、アルキル基は、それに付着する1つ又は複数の官能基、例えば、限定されないが、アルコキシ基、ジアルキルアミノ基又はそれらの組み合わせを有することができる。他の実施形態において、アルキル基は、それに付着する1つ又は複数の官能基を有しない。アルキル基は、飽和又は代替的に不飽和であることができる。
【0018】
上記の式IIA〜IIDにおいて及び説明を通じて、「ハライド」という用語は、塩化物、臭化物、ヨウ化物又はフッ化物イオンを示す。
【0019】
上記の式IIA〜IIDにおいて及び説明を通じて、「環状アルキル」という用語は、3〜10個又は5〜10個の原子を有する環状基を示す。例示の環状アルキル基としては、限定されないが、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、及びシクロオクチル基が挙げられる。幾つかの実施形態において、環状アルキル基は、1つ又は複数のC
1〜C
10の直鎖状、分枝状置換基、又は酸素若しくは窒素原子を含有する置換基を有することができる。この又は他の実施形態において、環状アルキル基は、置換基として、1つ又は複数の直鎖状若しくは分枝状アルキル基又はアルコキシ基、例えば、メチルシクロヘキシル基又はメトキシシクロヘキシル基を有することができる。
【0020】
上記の式IIA〜IIDにおいて及び説明を通じて、「アリール」という用語は、3〜10個の炭素原子、5〜10個の炭素原子、又は6〜10個の炭素原子を有する芳香族環状官能基を示す。例示のアリール基としては、限定されないが、フェニル、ベンジル、クロロベンジル、トリル、及びo−キシリルが挙げられる。
【0021】
上記の式IIA〜IIDにおいて及び説明を通じて、「アルケニル基」という用語は、1つ又は複数の炭素−炭素二重結合を有し、2〜12個、2〜10個、又は2〜6個の炭素原子を有する基を示す。例示のアルケニル基としては、限定されないが、ビニル又はアリル基が挙げられる。
【0022】
上記の式IIA〜IIDにおいて及び説明を通じて、「アルキニル基」という用語は、1つ又は複数の炭素−炭素三重結合を有し、2〜12個又は2〜6個の炭素原子を有する基を示す。
【0023】
上記の式IIA〜IIDにおいて及び説明を通じて、「不飽和」という用語は、本明細書で使用される場合、官能基、置換基、環又はブリッジが1つ又は複数の炭素二重結合又は三重結合を有することを意味する。不飽和環の例は、限定されないが、フェニル環のような芳香環であることができる。「飽和」という用語は、官能基、置換基、環又はブリッジが1つ又は複数の二重結合又は三重結合を有しないことを意味する。
【0024】
幾つかの実施形態において、式中のアルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アルコキシシリルアルキル基、アルコキシ基、アリールオキシ、アロイルオキシ、アリール基、及び/又は芳香族基のうち1つ又は複数は、「置換基」であるか、又は、例えば、水素原子の位置で置換された1つ又は複数の原子又は原子の群を有することができる。例示の置換基としては、限定されないが、酸素、硫黄、ハロゲン原子(例えば、F、Cl、I又はBr)、窒素、アルキル基、亜リン酸が挙げられる。他の実施形態において、式中のアルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アルコキシアルキル基、アルコキシ基、アルキルアミノアルキル基、芳香族及び/又はアリール基のうち1つ又は複数は非置換であることができる。
【0025】
本明細書で説明されるケイ素含有材料及び膜を形成するために使用される方法は、堆積プロセスである。本明細書で開示される方法に対して適切な堆積プロセスの例としては、限定されないが、プラズマALD(PEALD)又はプラズマ周期的CVD(PECCVD)プロセスが挙げられる。本明細書で使用される場合、「化学気相堆積プロセス」という用語は、基材が1つ又は複数の揮発性の前駆体にさらされ、それにより基材表面上で反応及び/又は分解して、所望の堆積を製造する、任意のプロセスを言い表す。本明細書で使用される場合、「原子層堆積プロセス」という用語は、様々な組成の基材上にケイ素含有膜又は材料を堆積する、自己制限的な(例えば、各反応サイクルで堆積される膜材料の量が一定である)連続表面化学を言い表す。本明細書で使用される前駆体、反応剤及び源は、時折、「ガス状」と説明されることがあるが、前駆体は、不活性ガスを用いて又は用いずに、直接気化、バブリング又は昇華により反応器中に輸送される液体又は固体のいずれかであることができることが理解される。幾つかの場合において、気化した前駆体はプラズマ生成器を通過することができる。1つの実施形態において、窒化ケイ素膜は、プラズマALDプロセスを使用して堆積される。別の実施形態において、窒化ケイ素膜はプラズマCCVDプロセスを使用して堆積される。「反応器」という用語は、本明細書で使用される場合、限定されないが、反応チャンバー又は堆積チャンバーが挙げられる。ALD的プロセスは、本明細書では、以下:エリプソメーターで測定した場合に約5%以下の非均一性の割合、1Å/サイクル以上の堆積速度、又はそれらの組み合わせのうち少なくとも1つを有することで示されるように、基材上に、窒化ケイ素又は炭窒化ケイ素のような高コンフォーマルな窒化ケイ素膜を提供する、周期的CVDプロセスとして規定される。
【0026】
式IIA〜IIDを有するケイ素前駆体化合物を、様々な方法で、CVD又はALD反応器のような反応チャンバーに送ることができる。1つの実施形態において、液体輸送システムを利用することができる。代替実施形態において、低い揮発性の材料が容量輸送されることができるようにし、それが、前駆体の熱分解なく再現可能な移送及び堆積をもたらす、複合液体輸送及びフラッシュ気化プロセスユニットを利用することができ、それは、例えば、Shoreview,MNのMSP Crporation製のターボ気化装置である。液体輸送配合物において、本明細書で説明される前駆体は、原液の液体形態で運ぶことができるか、又は代替的に、それを含む溶媒の配合物又は組成物中で用いることができる。したがって、幾つかの実施形態において、前駆体配合物は、基材上に膜を形成するために、所与の最終的な使用用途において望ましく、有利であることができるように、適切な性質の1つ又は複数の溶媒成分を含むことができる。
【0027】
本明細書で説明される方法の1つの実施形態において、ケイ素含有膜又は材料の少なくとも一部が基材上に堆積される表面を有する基材は、反応器の堆積チャンバー中に設置される。基材の温度は、反応器の壁未満になるように制御することができる。基材の温度は、約室温(例えば、20℃)〜約500℃の温度で保たれる。基材の温度についての代替的な範囲は、以下の端点のうち1つ又は複数を有する:20、50、75、100、125、150、175、200、225、250、275、300、325、350、375、400、425、450、475、及び500℃。例示の温度の範囲としては、以下:20〜475℃、100〜400℃、又は175〜350℃が挙げられる。
【0028】
堆積方法に応じて、幾つかの実施形態において、1つ又は複数のケイ素含有前駆体化合物を、所定のモル容積又は約0.1〜約1000マイクロモルで、反応器中に導入することができる。この又は他の実施形態において、ケイ素前駆体又は式IIA〜IIDを含むケイ素前駆体及び溶媒を、所定の時間間隔で、反応器中に導入することができる。幾つかの実施形態において、時間間隔は、約0.001〜約500秒間の範囲である。
【0029】
幾つかの実施形態において、ケイ素含有膜は窒化ケイ素を含む。これらの実施形態において、本明細書で説明される方法を使用して堆積されるケイ素含有膜は、窒素含有源の存在下で形成される。窒素含有源は、少なくとも1つの窒素含有源の形態で反応器中に導入されることがあり、及び/又は、堆積プロセスで使用される他の前駆体中で偶然に存在することがある。適切な窒素含有源ガスとしては、例えば、アンモニア、ヒドラジン、モノアルキルヒドラジン、ジアルキルヒドラジン、窒素を含むプラズマ、窒素及び水素を含むプラズマ、窒素及びヘリウムを含むプラズマ、窒素及びアルゴンを含むプラズマ、アンモニアプラズマ、窒素及びアンモニアを含むプラズマ、アンモニア及びヘリウムを含むプラズマ、アンモニア及びアルゴンを含むプラズマ、NF
3プラズマ、有機アミンプラズマ、並びにそれらの混合物を挙げることができる。他の実施形態において、プラズマは、水素プラズマ、ヘリウムプラズマ、ネオンプラズマ、アルゴンプラズマ、キセノンプラズマ、水素/ヘリウムプラズマ、水素/アルゴンプラズマ、及びそれらの混合物からなる群より選択される。1つの特定の実施形態において、窒素含有源は、最終的なケイ素含有膜中に追加の水素を導入することを防止するために、水素を実質的に含まなく(2重量パーセント(wt%)以下を有し)、窒素プラズマ、窒素/ヘリウム、窒素/アルゴンプラズマからなる群より選択される。別の実施形態において、窒素含有源は、モノアルキルヒドラジン、ジアルキルヒドラジンから選択される。炭窒化ケイ素の堆積については、窒素含有源は、有機アミンプラズマ、例えば、メチルアミンプラズマ、ジメチルアミンプラズマ、トリメチルアミンプラズマ、エチルアミンプラズマ、ジエチルアミンプラズマ、トリメチルアミンプラズマ、エチレンジアミンプラズマからなる群より選択することができる。説明を通じて、「有機アミン」という用語は、本明細書で使用される場合、有機アミンが少なくとも1つの窒素原子を有することを説明する。有機アミンの例としては、限定されないが、メチルアミン、エチルアミン、プロピルアミン、イソ−プロピルアミン、tert−ブチルアミン、sec−ブチルアミン、tert−アミルアミン、エチレンジアミン、ジメチルアミン、トリメチルアミン、ジエチルアミン、ピロール、2,6−ジメチルピペリジン、ジ−n−プロピルアミン、ジ−イソ−プロピルアミン、エチルメチルアミン、N−メチルアニリン、ピリジン、トリエチルアミンが挙げられる。同様に、説明を通じて、「有機アミノ基」という用語は、本明細書で使用される場合、上で説明されたような2級又は1級有機アミン由来の少なくとも1つの窒素原子からなる有機基を言い表す。「有機アミノ基」は、−NH
2基を含まない。
【0030】
幾つかの実施形態において、窒素含有源は、約1〜約2000標準立方センチメートル(sccm)又は約1〜約1000sccmの範囲の流量で、反応器中に導入される。窒素含有源を、約0.1〜約100秒間の範囲である時間で導入することができる。膜がALD又は周期的CVDプロセスにより堆積される実施形態において、前駆体パルスは、0.01秒間超であるパルス間隔を有することができ、窒素含有源は、0.01秒間未満であるパルス間隔を有することができる。また別の実施形態において、パルス間のパージ間隔は、0秒と同じ程度低い場合があるか又は間でパージなく連続的にパルス化される。
【0031】
幾つかの実施形態において、本明細書で説明される方法を使用して堆積されるケイ素含有膜は、酸素を含む酸素含有源、反応剤又は前駆体を使用して、酸素の存在下で形成される。酸素含有源を、少なくとも1つの酸素含有源の形態で、反応器中に導入することができる。この又は他の実施形態において、酸素含有源は、堆積プロセスで使用されるその他の前駆体中に偶然に存在することがある。適切な酸素含有源ガスとしては、例えば、水(H
2O)(例えば、脱イオン水、精製水、及び/又は蒸留水)、酸素(O
2)、酸素プラズマ、オゾン(O
3)、NO、N
2O、NO
2、一酸化炭素(CO)、二酸化炭素(CO
2)、及びそれらの組み合わせを挙げることができる。幾つかの実施形態において、酸素含有源は、約1〜約2000標準立方センチメートル(sccm)又は約1〜約1000sccmの範囲の流量で、反応器中に導入される。酸素含有源を、約0.1〜約100秒間の範囲の時間で導入することができる。1つの特定の実施形態において、酸素含有源は、10℃以上の温度を有する水を含む。膜がALD又は周期的CVDプロセスにより堆積される実施形態において、前駆体パルスは、0.01秒間超であるパルス間隔を有することができ、酸素含有源は、0.01秒間未満であるパルス間隔を有することができ、水パルス間隔は、0.01秒間未満であるパルス間隔を有することができる。また別の実施形態において、パルス間のパージ間隔は、0秒と同じ程度低い場合があるか又は間でパージなく連続的にパルス化される。酸素含有源又は反応剤は、ケイ素前駆体に対して1未満:1の比の分子量で提供され、少なくともある炭素が堆積されたケイ素含有膜において保持される。
【0032】
幾つかの実施形態において、導入工程での反応器の温度は、約室温(例えば、20℃)〜約500℃の範囲の1つ又は複数の温度である。基材の温度についての代替的な範囲は、以下の端点のうち1つ又は複数を有する:20、50、75、100、125、150、175、200、225、250、275、300、325、350、375、400、425、450、475、及び500℃。例示の温度範囲としては、以下:20〜475℃、100〜400℃又は175〜350℃が挙げられる。
【0033】
反応を誘導し、ケイ素含有膜若しくはコーティング又は科学吸着層を基材の少なくとも一部に形成するために、エネルギーを少なくとも1つの前駆体化合物、窒素含有源、酸素含有源、他の反応剤又はそれらの組み合わせに適用する。そのようなエネルギーは、限定されないが、熱、プラズマ、パルスプラズマ、ヘリコンプラズマ、高密度プラズマ、誘導結合プラズマ、X線、電子ビーム、光子、遠隔プラズマ法、及びそれらの組み合わせによって与えることができる。幾つかの実施形態において、二次RF周波数源を使用して、基材表面でプラズマ特性を改質することができる。堆積がプラズマを伴う実施形態において、プラズマ生成プロセスは、プラズマが反応器中で直接生成される直接プラズマ生成プロセス、又は代替的に、プラズマが反応器の外側で生成されて反応器中に供給される遠隔プラズマ生成プロセス、を含むことができる。本明細書で説明される方法の幾つかの実施形態において、プラズマは、約0.01〜約1.5W/cm
2の範囲の電力密度で生成される。
【0034】
本明細書で開示される堆積方法は、1つ又は複数のパージガスを含むことができる。消費されない反応剤及び/又は反応副産物をパージするために使用されるパージガスは、前駆体と反応しない不活性ガスである。例示のパージガスとしては、限定されないが、アルゴン(Ar)、窒素(N
2)、ヘリウム(He)、ネオン、水素(H
2)、及びそれらの混合物が挙げられる。幾つかの実施形態において、パージガスは、約10〜約2000sccmの範囲の流量で、約0.1〜1000秒間、反応器中に供給され、それによって、反応器中に残ることがある任意の副産物及び未反応材料をパージする。
【0035】
前駆体、酸素含有源、窒素含有源、及び/又は他の前駆体、原料ガス、及び/又は反応剤を供給する各々の工程は、得られる膜又は材料の化学当量組成を変えるために、それらを供給する時間を変えることにより行うことができる。アルゴン及び/又は他のガスの流れは、前駆体をパルス送りする間に、少なくとも1つの前駆体化合物の蒸気を反応チャンバーに送るのを助けるための、キャリアガスとして用いることができる。幾つかの実施形態において、反応チャンバーのプロセス圧力は、約10Torr以下、5Torr以下、2Torr以下、1Torr以下である。
【0036】
本明細書で説明されるALD又はCCVD法の1つの実施形態において、化合物が基材の表面上で化学的に吸着することを可能とするために、基材は、最初に前駆体化合物にさらされる反応チャンバー中のヒーターステージ上で加熱される。窒素、アルゴン、又は他の不活性ガスのようなパージガスは、プロセスチャンバーから、吸着しなかった余分な前駆体化合物をパージする。十分なパージを行った後、窒素含有源を反応器中に導入し、吸着表面と反応させ、その後、別のガスパージを行い、チャンバーから反応副産物を除去することができる。プロセスのサイクルを、所望の膜を得るために繰り返すことができる。他の実施形態において、真空下でのポンピングを使用して、プロセスチャンバーから、吸着しなかった余分な前駆体化合物を除去することができ、ポンピング下での十分な排気の後、窒素含有源を反応チャンバー中に導入して、吸着表面と反応させて、その後、別のポンプダウンパージ(pumping down purge)を行い、チャンバーから反応副産物を除去することができる。また別の実施形態において、前駆体化合物及び窒素含有源を反応チャンバー中に共に流して、基材表面で反応させて、窒化ケイ素を堆積することができる。周期的CVDの幾つかの実施形態において、パージ工程は使用されない。
【0037】
この又は他の実施形態において、本明細書で説明される方法の工程は、様々な順序で行うことができ、連続して又は同時に(例えば、別の工程の少なくとも一部中に)行うことができ、それらの組み合わせであることができることが理解される。前駆体及び窒素含有源ガスを供給する各々の工程は、得られるケイ素含有膜の化学当量組成を変えるために、それらを供給する時間の間隔を変えることによって行うことができる。
【0038】
1つの態様において、窒化ケイ素膜を形成する方法であって、
a.反応器中に基材を提供する工程と、
b.以下、
【化5】
からなる群より選択され、式中、置換基Rが、独立して、水素、ハライド原子、直鎖状C
1〜C
10アルキル基、分枝状C
3〜C
10アルキル基、直鎖状又は分枝状C
3〜C
12アルケニル基、直鎖状又は分枝状C
3〜C
12アルケニル基、直鎖状又は分枝状C
3〜C
12アルキニル基、C
4〜C
10環状アルキル基、及びC
6〜C
10アリール基から選択される少なくとも1つのケイ素前駆体化合物を反応器中に導入する工程であって、化合物の少なくとも一部が、化学吸着層を提供するのに十分な処理条件下で反応する、工程と、
c.パージガスで反応器をパージする工程と、
d.反応器中に窒素を含むプラズマを導入して、化学吸着層の少なくとも一部と反応させ、少なくとも1つの反応部位を提供する工程と、
e.任意選択で、不活性ガスで反応器をパージする工程、
を含み、工程b〜eが、窒化ケイ素膜の所望の厚さが得られるまで繰り返される方法が提供される。
【0039】
本明細書で説明されるケイ素前駆体、及び、本発明に係る式IIA〜IIDにより表される3つ以上のSi−N結合と、任意選択で3つ以上のSi−H
3基を有するケイ素前駆体を含む組成物は、塩化物のようなハライドイオン又はAlのような金属イオンを実質的に含まないことが好ましい。本明細書で使用される場合、「実質的に含まない」という用語は、それが、塩化物、フッ化物、臭化物、ヨウ化物のようなハライドイオン(又はハライド)、Al
3+イオン、Fe
2+、Fe
3+、Ni
2+、Cr
3+に関する場合は、5wtppm未満、好ましくは3wtppm未満、より好ましくは1wtppm未満、最も好ましくは0wtppmを意味する。塩化物又は金属イオンは、ケイ素前駆体に対して分解触媒として作用すると知られている。最終製品中の塩化物の有意なレベルは、ケイ素前駆体を劣化させる場合がある。ケイ素前駆体の徐々の劣化は、膜堆積プロセスに直接影響することがあり、半導体製造者が膜の仕様を満たすことを難しくさせる。それに加えて、貯蔵寿命又は安定性は、ケイ素前駆体のより高い劣化速度によって悪影響を受け、それによって、1〜2年の貯蔵寿命を保証するのを難しくする。さらに、ケイ素前駆体は、分解の際に可燃性及び/又は自然発火性のガス、例えば、水素及びシランを形成することが知られている。したがって、ケイ素前駆体の加速した分解により、これらの可燃性及び/又は自然発火性のガス副産物の形成に関する安全及び性能の懸念事項が存在する。
【0040】
ハライドを実質的に含まない本発明に係る組成物は、最終的な浄化製品が塩化物を実質的に含まないように、(1)化学合成の際に塩化物源を減らす若しくは除去する、及び/又は(2)粗製品から塩化物を除去する有効な浄化プロセスを実施することで、得ることができる。クロロジシラン、ブロモジシラン、又はヨードジシランのようなハライドを含有しない反応剤を使用し、それによって、ハライドイオンを含有する副産物の製造を防止することで、塩化物源を合成の際に減らすことができる。それに加えて、前述した反応剤は、得られた粗製品が塩化物不純物を実質的に含まないように、塩化物不純物を実質的に含まないべきである。同様の方法において、合成では、受け入れられない高レベルのハライド不純物を含有する溶媒、触媒、又はハライド系溶媒を使用すべきでない。粗製品はまた、最終製品が塩化物のようなハライドを実質的に含まないようにするために、様々な浄化方法によって処理することができる。そのような方法は、従来技術で良く説明され、限定されないが、蒸留、又は吸着のような浄化プロセスを挙げることができる。蒸留は、沸点の差を利用することで所望の製品から不純物を分離するために一般的に使用される。吸着はまた、最終製品がハライドを実質的に含まないように、分離を達成するために、成分の異なる吸着特性を有効に活用するために使用することができる。商業的に利用可能であるMgO−Al
2O
3配合物のような吸着剤は、塩化物のようなハライドを除去するために使用することができる。
【0041】
本明細書で説明される式IIA〜IIDを有するケイ素前駆体及び1つ又は複数の溶媒を含む組成物に関連するそれらの実施形態について、選択される溶媒又はそれらの混合物は、ケイ素前駆体と反応しない。組成物中の重量パーセントでの溶媒の量は、0.5〜99.5wt%又は10〜75wt%の範囲である。この又は他の実施形態において、溶媒は、式IIのケイ素前駆体のb.p.と同様な沸点(b.p.)を有するか、又は溶媒のb.p.と式IIのケイ素前駆体のb.p.との間の差は40℃以下、30℃以下、又は20℃以下、10℃以下、又は5℃以下である。代替的に、沸点間の差は、以下の端点:0、10、20、30、又は40℃のうち任意の1つ又は複数からの範囲を取る。b.p.の差の適切な範囲の例としては、限定されないが、0〜40℃、20〜30℃、又は10〜30℃が挙げられる。組成物中の適切な溶媒の例としては、限定されないが、エーテル(例えば、1,4−ジオキサン、ジブチルエーテル)、3級アミン(例えば、ピリジン、1−メチルピペリジン、1−エチルピペリジン、N,N’−ジメチルピペラジン、N,N,N’,N’−テトラメチルエチレンジアミン)、ニトリル(例えば、ベンゾニトリル)、アルキル炭化水素(例えば、オクタン、ノナン、ドデカン、エチルシクロヘキサン)、芳香族炭化水素(例えば、トルエン、メシチレン)、3級アミノエーテル(例えば、ビス(2−ジメチルアミノエチル)エーテル)、又はそれらの混合物が挙げられる。幾つかの非限定的な例示の組成物としては、限定されないが、ビス(ジシリルアミノ)シラン(b.p.約135℃)及びオクタン(b.p.125〜126℃)を含む組成物;ビス(ジシリルアミノ)シラン(b.p.約135℃)及びエチルシクロヘキサン(b.p.130〜132℃)を含む組成物;ビス(ジシリルアミノ)シラン(b.p.約135℃)及びシクロオクタン(b.p.149℃)を含む組成物;ビス(ジシリルアミノ)シラン(b.p.約135℃)及びトルエン(b.p.115℃)を含む組成物が挙げられる。
【0042】
別の実施形態において、式IIA〜IIDを有する1つ又は複数のケイ素前駆体化合物を含むケイ素含有膜を堆積するための容器は、本明細書で説明される。1つの特定の実施形態において、容器は、CVD又はALDプロセスのための反応器への1つ又は複数の前駆体の輸送を可能とする適切な弁及び継手を備えた、(好ましくはステンレス鋼の)少なくとも1つの加圧可能な容器を含む。この又は他の実施形態において、ケイ素前駆体化合物は、ステンレス鋼で構成される加圧可能な容器中に提供され、ケイ素前駆体の純度は、多くの半導体用途に適した98wt%以上又は99.5wt%以上である。幾つかの実施形態において、そのような容器はまた、必要であれば、前駆体を1つ又は複数の追加の前駆体と混合するための手段を有することができる。これらの又は他の実施形態において、1つ又は複数の容器の内容物は、追加の前駆体と予備混合することができる。代替的に、本明細書で説明されるケイ素前駆体化合物及び/又は他の前駆体は、別々の容器中で保持することができるか、又は、保管する間に式IIA〜IIDを有するケイ素前駆体と他の前駆体とを別々に保持するための分離手段を有する単一の容器中で保持することができる。
【0043】
幾つかの実施形態において、本明細書で説明される方法は、上記の式IIA〜IIDを有するケイ素前駆体以外の、1つ又は複数の追加のケイ素含有前駆体をさらに含む。追加のケイ素含有前駆体の例としては、限定されないが、モノアミノシラン(例えば、ジ−イソ−プロピルアミノシラン、ジ−sec−ブチルアミノシラン、フェニルメチルアミノシラン);有機ケイ素化合物、例えば、トリシリルアミン(TSA);モノアミノシラン(ジ−イソ−プロピルアミノシラン、ジ−sec−ブチルアミノシラン、フェニルメチルアミノシラン);シロキサン(例えば、ヘキサメチルジシロキサン(HMDSO)及びジメチルシロキサン(DMSO));有機シラン(例えば、メチルシラン、ジメチルシラン、ジエチルシラン、ビニルトリメチルシラン、トリメチルシラン、テトラメチルシラン、エチルシラン、ジシリルメタン、2,4−ジシラペンタン、1,4−ジシラブタン、2,5−ジシラヘキサン、2,2−ジシリルプロパン、1,3,5−トリシラシクロヘキサン及びこれらの化合物のフッ素化誘導体);フェニル含有有機ケイ素化合物(例えば、ジメチルフェニルシラン及びジフェニルメチルシラン);酸素含有有機ケイ素化合物、例えば、ジメチルジメトキシシラン;1,3,5,7−テトラメチルシクロテトラシロキサン;1,1,3,3−テトラメチルジシロキサン;1,3,5,7−テトラシラ−4−オキソ−ヘプタン;2,4,6,8−テトラシラ−3,7−ジオキソ−ノナン;2,2−ジメチル−2,4,6,8−テトラシラ−3,7−ジオキソ−ノナン;オクタメチルシクロテトラシロキサン;[1,3,5,7,9]−ペンタメチルシクロペンタシロキサン;1,3,5,7−テトラシラ−2,6−ジオキソ−シクロオクタン;ヘキサメチルシクロトリシロキサン;1,3−ジメチルジシロキサン;1,3,5,7,9−ペンタメチルシクロペンタシロキサン;ヘキサメトキシジシロキサン、及びこれらの化合物のフッ素化誘導体が挙げられる。
【0044】
幾つかの実施形態において、本明細書で説明される式IIA〜IIDを有するケイ素前駆体はまた、金属含有膜、例えば、限定されないが、金属酸化物膜又は金属窒化物膜のためのドーパントとして使用することができる。これらの実施形態において、金属含有膜は、金属アルコキシド、金属アミド、又は揮発性有機金属前駆体を使用した本発明の明細書で説明されるプロセスのような、ALD又はCVDプロセスを使用して堆積される。本明細書で開示される方法で使用することができる適切な金属アルコキシド前駆体の例としては、限定されないが、3〜6族金属アルコキシド、アルコキシ及びアルキル置換シクロペンタジエニル配位子の両方を有する3〜6族金属錯体、アルコキシ及びアルキル置換ピロリル配位子の両方を有する3〜6族金属錯体、アルコキシ及びジケトネート配位子の両方を有する3〜6族金属錯体;アルコキシ及びケトエステル配位子の両方を有する3〜6族金属錯体が挙げられる。本明細書で開示される方法で使用することができる適切な金属アミド前駆体の例としては、限定されないが、AlCl
3、トリメチルアルミニウム(TMA)、トリエチルアルミニウム、塩化メチルアルミニウム、トリス(ジメチルアミノ)アルミニウム(TDMAA)、トリス(ジメチルアミノ)アルミニウム(TDMAA)、及びトリス(ジエチルアミノ)アルミニウム(TDEAA)、及び他の揮発性アルミニウム前駆体、テトラキス(ジメチルアミノ)ジルコニウム(TDMAZ)、テトラキス(ジエチルアミノ)ジルコニウム(TDEAZ)、テトラキス(エチルメチルアミノ)ジルコニウム(TEMAZ)、テトラキス(ジメチルアミノ)ハフニウム(TDMAH)、テトラキス(ジエチルアミノ)ハフニウム(TDEAH)、及びテトラキス(エチルメチルアミノ)ハフニウム(TEMAH)、テトラキス(ジメチルアミノ)チタン(TDMAT)、テトラキス(ジエチルアミノ)チタン(TDEAT)、テトラキス(エチルメチルアミノ)チタン(TEMAT)、tert−ブチルイミノトリ(ジエチルアミノ)タンタル(TBTDET)、tert−ブチルイミノトリ(ジメチルアミノ)タンタル(TBTDMT)、tert−ブチルイミノトリ(エチルメチルアミノ)タンタル(TBTEMT)、エチルイミノトリ(ジエチルアミノ)タンタル(EITDET)、エチルイミノトリ(ジメチルアミノ)タンタル(EITDMT)、エチルイミノトリ(エチルメチルアミノ)タンタル(EITEMT)、tert−アミノイミノトリ(ジメチルアミノ)タンタル(TAIMAT)、tert−アミノイミノトリ(ジエチルアミノ)タンタル、ペンタキス(ジメチルアミノ)タンタル、tert−アミノイミノトリ(エチルメチルアミノ)タンタル、ビス(tert−ブチルイミノ)ビス(ジメチルアミノ)タングステン(BTBMW)、ビス(tert−ブチルイミノ)ビス(ジエチルアミノ)タングステン、ビス(tert−ブチルイミノ)ビス(エチルメチルアミノ)タングステン、並びにそれらの組み合わせが挙げられる。本明細書で開示される方法で使用することができる適切な有機金属前駆体の例としては、限定されないが、3族金属シクロペンタジエチル又はアルキルシクロペンタジエニルが挙げられる。本明細書における例示の3〜6族金属としては、限定されないが、Y、La、Ce、Pr、Nd、Sm、Eu、Gd、Tb、Dy、Er、Yb、Lu、Ti、Hf、Zr、V、Nb、Ta、Cr、Mo及びWが挙げられる。
【0045】
前で述べたように、本明細書で説明される方法は、基材の少なくとも一部に窒化ケイ素膜を堆積するために使用することができる。適切な基材の例としては、限定されないが、ケイ素、SiO
2、Si
3N
4、OSG、FSG、炭化ケイ素、水素化炭化ケイ素、窒化ケイ素、水素化窒化ケイ素、炭窒化ケイ素、水素化炭窒化ケイ素、窒化ホウ素、反射防止コーティング、フォトレジスト、IGZOのようなフレキシブル基材、有機ポリマー、多孔性有機及び無機材料、銅及びアルミニウムのような金属、及び拡散バリア層、例えば、限定されないが、TiN、Ti(C)N、TaN、Ta(C)N、Ta、W、又はWNが挙げられる。膜は、様々なその後の処理プロセス、例えば、化学機械平坦化(CMP)及び異方性エッチングプロセスに適合する。
【0046】
堆積された膜は、限定されないが、コンピュータチップ、光学デバイス、磁気情報記憶装置、支持材料又は基材上のコーティング、マイクロエレクトロメカニカルシステム(MEMS)、ナノエレクトロメカニカルシステム、薄膜トランジスタ(TFT)、発光ダイオード(LED)、有機発光ダイオード(OLED)、IGZO、及び液晶ディスプレイ(LCD)を含む用途を有する。
【0047】
幾つかの実施形態において、基材は表面特徴を有する。1つの特定の実施形態において、基材は、任意選択で、その上に100μm未満の幅、好ましくは1μm未満の幅、最も好ましくは0.5μm未満の幅の小サイズの特徴部を有する。その特徴部のアスペクト比(深さ:幅の比)は、存在する場合は、1超:1、好ましくは4超:1、最も好ましくは8超:1である。
【0048】
基材は、単結晶シリコンウエハ、炭化ケイ素のウエハ、酸化アルミニウム(サファイア)のウエハ、ガラス板、金属箔、有機ポリマー膜であることができるか又はポリマー、ガラス、シリコン若しくは金属3次元の物品であることができる。基材は、当技術分野で良く知られている様々な材料、例えば、酸化ケイ素、窒化ケイ素、アモルファス炭素、酸炭化ケイ素、酸窒化ケイ素、炭化ケイ素、ガリウム砒素、ガリウムナイトライドなどの膜で、コーティングすることができる。これらのコーティングは、基材を完全にコーティングすることができ、様々な材料の複数の層中にあることができ、材料の下地層を露出するために部分的にエッチングすることができる。表面はまた、パターンと共に露出され、基材を部分的にコーティングするために作られたフォトレジスト材料をその上に有することができる。
【0049】
以下の例は、本明細書で説明されるケイ素含有材料又は膜を堆積するための方法を例示するが、任意の方法でそれを限定することを意図しない。
【実施例】
【0050】
以下の例においては、別段の記載がない限り、中抵抗率(14〜17Ωcm)の単結晶シリコンウエハ基材上に堆積された試料膜から特性を得た。全ての膜の堆積を、シャワーヘッド設計を有し、13.56MHzの直接プラズマを使用するCN−1反応器又はプラズマなしのクロスフロー式のCN−1反応器(比較例)を使用して得た。典型的なプロセス条件においては、別段の記載がない限り、チャンバー圧力を、約1〜約5torrの範囲の圧力で固定した。アルゴン又は窒素のような追加の不活性ガスを使用してチャンバー圧力を保持した。使用した典型的なRF電力は、150mmウエハサセプタの電力領域にわたって125Wであり、0.7W/cm
2の電力密度を提供した。
【0051】
例1:ビス(ジシリルアミノ)シラン(別名、N,N’−ジシリルトリシラザン、式IIB)の合成
窒素保護の下、ドデカン中の2.5グラムのB(C
6F
5)
3の溶液(0.2重量%(wt%)、9.8×10
-6モル(mol))を、トリシリルアミン(500g、4.66モル(mol))を含有する1リットル(L)の丸底フラスコに加えた。シランガスが、ガスバブルとして急放出し始めた。反応溶液を、20℃の内部温度に保持しながらおよそ1時間撹拌した。反応溶液の質量が30%減少した後、4,4−ビピリジンを触媒毒として追加し(1.25g、8.00×10
-3モル)、バブリングがすぐに止まった。冷却した反応混合物を2時間撹拌した後、揮発性物質を、−78℃に冷却した第2の1Lフラスコ中に真空供給した(25〜35℃/1Torr)。収集した粗液を、ガスクロマトグラフィー(GC)及びガスクロマトグラフィー−質量分析(GC−MS)で決定して、トリシリルアミンとN,N’−ジシリルトリシラザンとの約1:1の混合物になった。分別真空蒸留による浄化(58℃/50Torr)により、99%超の純度、沸点(b.p.)=135℃を持つ無色の液体として、164gのN,N’−ジシリルトリシラザンを得た。GC−MSは、以下の質量ピーク:181(M−1)、149、119、104、91、72を示した。
【0052】
例2:ビス(ジシリルアミノ)シラン(別名、N,N’−ジシリルトリシラザン、式IIB)及び窒素プラズマを使用したPEALDの窒化ケイ素膜
シリコンウエハを、13.56MHzの直接プラズマを持つシャワーヘッド設計を備えたCN−1反応器中に設置し、2torrのチャンバー圧力で300℃に加熱した。ビス(ジシリルアミノ)シランをケイ素前駆体として使用し、プラズマ源として窒素プラズマを使用した。ALDサイクルを、以下のプロセスパラメータを使用して行った。
a.反応器の準備とウエハの設置
チャンバー圧力:2torr
b.反応器へのケイ素前駆体の導入
窒素の全流量:1000標準立方センチメートル(sccm)
ケイ素前駆体パルス:1秒間
c.パージ
窒素の全流量:1000sccm
パージ時間:10秒間
d.プラズマの導入
窒素の全流量:1000sccm
プラズマ電力:125W
プラズマパルス:10秒間
e.パージ
窒素の全流量:1000sccm
パージ時間:10秒間
【0053】
工程b〜eを300サイクル繰り返した。得られた窒化ケイ素膜の
屈折率は2.0であったのに対し、サイクルあたりの成長(GPC)は約0.90Å/サイクルであり、高品質の窒化ケイ素を、ビス(ジシリルアミノ)シラン前駆体化合物を使用して得ることができることを示した。
【0054】
ケイ素前駆体としてのビス(ジシリルアミノ)シランのPEALD挙動をさらに確認するために、追加の実験を行った。
図1は、式IIB前駆体及び窒素プラズマを使用した窒化ケイ素のプラズマ原子層堆積の温度依存性を示し、この前駆体についてのALD窓は、少なくとも約400℃以下であることを示した。
図2は、300℃での窒素プラズマを使用した式IIB前駆体の、パルス時間に対する堆積した窒化ケイ素の膜厚を示し、0.1秒間で自己制限挙動を示し、式IIB前駆体の高い反応性を示した。
図3は、300℃での窒素プラズマ及び式IIB前駆体を使用した、サイクル数に対する堆積した窒化ケイ素の膜厚を示し、サイクルあたりの成長が約0.9Å/サイクルであることを示した。
【0055】
更なる実験において、工程dでのプラズマ電力を250ワットに設定したことを除き、電力工程b〜eを300サイクル繰り返した。得られた窒化ケイ素の膜厚は、230Åであり、0.77Å/サイクルのサイクルあたりの成長(GPC)に相当した。窒化ケイ素膜の
屈折率は2.0であった。
【0056】
例3:ビス(ジシリルアミノ)シラン(別名、N,N’−ジシリルトリシラザン、式IIB)及びアンモニアプラズマを使用したPEALDの窒化ケイ素膜
シリコンウエハを、13.56MHzの直接プラズマを持つシャワーヘッド設計を備えたCN−1反応器中に設置し、2torrのチャンバー圧力で300℃に加熱した。ビス(ジシリルアミノ)シランをケイ素前駆体として使用し、プラズマ源としてアンモニアプラズマを使用した。ALDサイクルを、以下のプロセスパラメータを使用して行った。
a.反応器の準備とウエハの設置
チャンバー圧力:2torr
b.反応器へのケイ素前駆体の導入
アルゴンの全流量:1000sccm
ケイ素前駆体パルス:0.2秒間
c.パージ
アルゴンの全流量:1000sccm
パージ時間:10秒間
d.プラズマの導入
アルゴンの全流量:1000sccm
アンモニアの全流量:500sccm
プラズマ電力:125W
プラズマパルス:10秒間
e.パージ
窒素の全流量:1000sccm
パージ時間:10秒間
【0057】
工程b〜eを300サイクル繰り返した。堆積した窒化ケイ素の厚さは約29Åであり、アンモニアプラズマは、例2の条件のような同様の条件下で、窒素プラズマと比較して良好な窒素源でないことを示した。
【0058】
比較例3:ビス(ジシリルアミノ)シラン(別名、N,N’−ジシリルトリシラザン、式IIB)及びアンモニアを使用した熱ALDの窒化ケイ素膜
シリコンウエハを、13.56MHzの直接プラズマを持つシャワーヘッド設計を備えたCN−1反応器中に設置し、2torrのチャンバー圧力で350℃に加熱した。ビス(ジシリルアミノ)シランをケイ素前駆体として使用した。ALDサイクルを、以下のプロセスパラメータを使用して行った。
a.反応器の準備とウエハの設置
チャンバー圧力:2torr
b.反応器へのケイ素前駆体の導入
アルゴンの全流量:1000sccm
ケイ素前駆体パルス:0.2秒間
c.パージ
アルゴンの全流量:1000sccm
パージ時間:10秒間
d.アンモニアの導入
アルゴンの全流量:1000sccm
アンモニアの全流量:500sccm
プラズマパルス:10秒間
e.パージ
アルゴンの全流量:1000sccm
パージ時間:10秒間
【0059】
工程b〜eを200サイクル繰り返した。例3と比較して、プラズマを使用しなかった場合には、基材上に堆積は観測されなかった。
【0060】
例4:ビス(ジシリルアミノ)シラン(別名、N,N’−ジシリルトリシラザン、式IIB)及び水素/窒素プラズマを使用したPEALDの窒化ケイ素膜
シリコンウエハを、13.56MHzの直接プラズマを持つシャワーヘッド設計を備えたCN−1反応器中に設置し、2torrのチャンバー圧力で300℃に加熱した。ビス(ジシリルアミノ)シランをケイ素前駆体として使用し、プラズマ源として窒素プラズマを使用した。ALDサイクルを、以下のプロセスパラメータを使用して行った。
a.反応器の準備とウエハの設置
チャンバー圧力:2torr
b.反応器へのケイ素前駆体の導入
窒素の全流量:1000sccm
ケイ素前駆体パルス:0.2秒間
c.パージ
窒素の全流量:1000sccm
パージ時間:10秒間
d.プラズマの導入
窒素の全流量:1000sccm
水素の全流量:500sccm
プラズマ電力:125W
プラズマパルス:10秒間
e.パージ
窒素の全流量:1000sccm
パージ時間:10秒間
【0061】
工程b〜eを300サイクル繰り返した。堆積した窒化ケイ素の厚さは約45Åであり、0.15Å/サイクルのGPCに相当した。この実験は、水素/窒素プラズマが、例2のような同様の条件下で、窒素プラズマと比較して良好な窒素源でないことを示した。
【0062】
例5:ビス(ジシリルアミノ)シラン(別名、N,N’−ジシリルトリシラザン)式IIB及び水素/窒素プラズマを使用したPEALDの窒化ケイ素膜
シリコンウエハを、13.56MHzの直接プラズマを持つシャワーヘッド設計を備えたCN−1反応器中に設置し、2torrのチャンバー圧力で300℃に加熱した。ビス(ジシリルアミノ)シランをケイ素前駆体として使用し、プラズマ源として窒素プラズマを使用した。ALDサイクルを、以下のプロセスパラメータを使用して行った。
a.反応器の準備とウエハの設置
チャンバー圧力:2torr
b.反応器へのケイ素前駆体の導入
窒素の全流量:500sccm
水素の全流量:500sccm
ケイ素前駆体パルス:0.2秒間
c.パージ
窒素の全流量:500sccm
水素の全流量:500sccm
パージ時間:10秒間
d.プラズマの導入
窒素の全流量:500sccm
水素の全流量:500sccm
プラズマ電力:125W
プラズマパルス:10秒間
e.パージ
窒素の全流量:1000sccm
パージ時間:10秒間
【0063】
工程b〜eを300サイクル繰り返した。堆積した窒化ケイ素の厚さは57Åであり、0.19Å/サイクルのGPCに相当した。この実験は、窒素に対する水素の比を変えることで、窒化ケイ素の堆積速度を改善することができるが、サイクルあたりの成長は、例2に示した窒素プラズマよりも極めて低いことを示した。工程bにおいて、ケイ素前駆体について1秒間のパルスを使用して別の実験を行ったところ、堆積した窒化ケイ素の厚さは約72Åであり、0.24Å/サイクルのGPCに相当した。