特許第6871404号(P6871404)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 長江存儲科技有限責任公司の特許一覧

(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6871404
(24)【登録日】2021年4月19日
(45)【発行日】2021年5月12日
(54)【発明の名称】メモリデバイスおよび方法
(51)【国際特許分類】
   H01L 27/11575 20170101AFI20210426BHJP
   H01L 27/11582 20170101ALI20210426BHJP
   H01L 27/11556 20170101ALI20210426BHJP
   H01L 27/11548 20170101ALI20210426BHJP
   H01L 21/336 20060101ALI20210426BHJP
   H01L 29/788 20060101ALI20210426BHJP
   H01L 29/792 20060101ALI20210426BHJP
   H01L 29/786 20060101ALI20210426BHJP
【FI】
   H01L27/11575
   H01L27/11582
   H01L27/11556
   H01L27/11548
   H01L29/78 371
   H01L29/78 613B
【請求項の数】23
【全頁数】30
(21)【出願番号】特願2019-548978(P2019-548978)
(86)(22)【出願日】2018年3月2日
(65)【公表番号】特表2020-510316(P2020-510316A)
(43)【公表日】2020年4月2日
(86)【国際出願番号】CN2018077927
(87)【国際公開番号】WO2018161863
(87)【国際公開日】20180913
【審査請求日】2019年11月6日
(31)【優先権主張番号】201710132422.8
(32)【優先日】2017年3月7日
(33)【優先権主張国】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】519237948
【氏名又は名称】長江存儲科技有限責任公司
【氏名又は名称原語表記】Yangtze Memory Technologies Co.,Ltd.
(74)【代理人】
【識別番号】100109210
【弁理士】
【氏名又は名称】新居 広守
(72)【発明者】
【氏名】シュ・チャン
(72)【発明者】
【氏名】リウ・ファンドン
(72)【発明者】
【氏名】フオ・ゾンリアン
(72)【発明者】
【氏名】シア・ジリアン
(72)【発明者】
【氏名】ヤン・ヤオフア
(72)【発明者】
【氏名】ホン・ペイゼン
(72)【発明者】
【氏名】フア・ウェンユ
(72)【発明者】
【氏名】ヘ・ジア
【審査官】 西出 隆二
(56)【参考文献】
【文献】 米国特許第09397043(US,B1)
【文献】 米国特許出願公開第2014/0197481(US,A1)
【文献】 米国特許出願公開第2015/0137216(US,A1)
【文献】 特開2012−146861(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 27/11575
H01L 21/336
H01L 27/11548
H01L 27/11556
H01L 27/11582
H01L 29/786
H01L 29/788
H01L 29/792
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板と、
前記基板の上で第1の方向に沿って延伸する第1の複数の導体層を含む第1の長さの導体層の第1の階層であって、前記第1の方向は、前記基板の上面に実質的に平行である、第1の階層と、
前記第1の階層の2つ以上の導体層を導電的に接続し、前記第1の方向に沿って並ぶ2つ以上の接続部分と、
前記第1の階層の接続された導体層によって導電的に共有され、第1の金属相互接続に接続されている第1の金属コンタクトビアと
前記基板の上で前記第1の方向に沿って延伸する第2の複数の導体層を含む第2の長さの導体層の第2の階層と、
前記第2の階層の2つ以上の導体層を導電的に接続し、前記第1の方向に沿って並ぶ2つ以上の他の接続部分と、
導体層の前記第2の階層の下にある複数の第1の絶縁部分と、
前記2つ以上の他の接続部分の下にある2つ以上の第2の絶縁部分と、
前記第2の階層の接続された導体層によって導電的に共有され、第2の金属相互接続に接続されている第2の金属コンタクトビアとを備え
前記第2の長さは、前記第1の長さと異なり、
導体層の前記第1の階層のうちの前記第1の複数の導体層は、前記基板の上で実質的に同じ第1の高さにあり、
導体層の前記第2の階層のうちの前記第2の複数の導体層は、前記基板の上で実質的に同じ第2の高さにあり、前記第2の高さは前記第1の高さより高く、
前記2つ以上の接続部分の数は前記2つ以上の他の接続部分の数と異なる、
メモリデバイス。
【請求項2】
前記2つ以上の接続部分の数は、前記2つ以上の他の接続部分の数より多い、
請求項1に記載のメモリデバイス。
【請求項3】
導体層の前記第1の階層の下にある複数の他の第1の絶縁部分と、前記基板の上の前記2つ以上の接続部分の下にある2つ以上他の第2の絶縁部分とをさらに備える、
請求項1または2に記載のメモリデバイス。
【請求項4】
前記第1の階層の接続された導体層は、第1の導体層および第2の導体層を含み、前記2つ以上の接続部分は、前記第1の導体層と前記第2の導体層との間にあり、前記第1の導体層と前記第2の導体層とを導電的に接続する2つ以上の第1の接続部分を含み、
前記第1の導体層および前記第2の導体層は、前記基板の上で実質的に同じ前記第1の高さにあり、
前記2つ以上の第1の接続部分は、前記基板上で実質的に前記同じ第1の高さにある、
請求項に記載のメモリデバイス。
【請求項5】
導体層の前記第1の階層は、前記基板の上で実質的に前記同じ第1の高さにある第3の導体層をさらに含み、前記2つ以上の接続部分は、前記基板の上で実質的に前記同じ第1の高さにある2つ以上の第2の接続部分をさらに含み、
前記第3の導体層は、前記2つ以上の第2の接続部分を通じて前記第1の導体層および前記第2の導体層に導電的に接続されている、
請求項に記載のメモリデバイス。
【請求項6】
前記第1の導体層、前記第2の導体層、前記第3の導体層、前記2つ以上の第1の接続部分、および前記2つ以上の第2の接続部分は、前記基板の上で実質的に前記同じ第1の高さにある同じ材料片から形成される、
請求項に記載のメモリデバイス。
【請求項7】
導体層の前記第1の階層の前記第1の複数の導体層は、各々、前記2つ以上の接続部分を通じて互いに導電的に接続され、
導体層の前記第1の階層および前記2つ以上の接続部分は、前記基板の上で実質的に前記同じ第1の高さの同じ材料片から形成される、
請求項に記載のメモリデバイス。
【請求項8】
前記2つ以上の接続部分は各々、第2の方向に沿って互いに整列し、前記第2の方向は、前記基板の前記上面に実質的に平行であり、前記第1の方向とは異なる、
請求項に記載のメモリデバイス。
【請求項9】
導体層の前記第2の階層および導体層の前記第1の階層は、同数の導体層を有し、
導体層の前記第2の階層および前記2つ以上の他の接続部分は、前記基板の前記上面に実質的に垂直な第3の方向に沿って導体層の前記第1の階層および前記2つ以上の接続部分とそれぞれ整列し
導体層の前記第2の階層および前記2つ以上の他の接続部分は、実質的に前記同じ第2の高さにある同じ材料片から形成される、
請求項1または2に記載のメモリデバイス。
【請求項10】
導体層の前記第1の階層、導体層の前記第2の階層、前記2つ以上の接続部分、および前記2つ以上の他の接続部分は、タングステン、アルミニウム、および銅のうちの1つまたは複数を含む同じ材料から作製され、
前記複数の第1の絶縁部分、前記2つ以上の第2の絶縁部分、前記複数の他の第1の絶縁部分、および前記2つ以上の他の第2の絶縁部分は酸化ケイ素を含む、
請求項に記載のメモリデバイス。
【請求項11】
メモリデバイスを形成する方法であって、
基板を提供することと、
前記基板上に交互スタックを形成することであって、前記交互スタックは、前記基板の上面に実質的に平行な第1の方向に沿って延伸する犠牲層/絶縁層対の複数の階層を含む、交互スタックを形成することと、
前記交互スタックに基づいて、前記第1の方向に沿って延伸する導体層の複数の階層を形成することと、
導体層の前記複数の階層のうちの2つ以上の前記導体層を導電的に接続し、前記第1の方向に沿って並ぶ2つ以上の接続部分を形成することと、
接続された導体層によって導電的に共有される少なくとも1つの金属コンタクトビアを形成することであって、前記少なくとも1つの金属コンタクトビアは少なくとも1つの金属相互接続に接続される、少なくとも1つの金属コンタクトビアを形成することとを含
導体層の前記複数の階層のうち、導体層の第1の階層のうちの2つ以上の導体層を接続する前記2つ以上の接続部分の数は、導体層の前記複数の階層のうち、導体層の前記第1の階層の上の階層である導体層の第2の階層のうちの2つ以上の導体層を接続する前記2つ以上の接続部分の数と異なる、
方法。
【請求項12】
導体層の前記第1の階層のうちの2つ以上の導体層を接続する前記2つ以上の接続部分の数は、導体層の前記第2の階層の2つ以上の導体層を接続する前記2つ以上の接続部分の数より多い、
請求項11に記載の方法。
【請求項13】
前記方法は、前記基板の前記上面に実質的に垂直な第2の方向に沿って前記交互スタックを通じて延伸する複数の半導体チャネルを形成することと、
前記第1の方向に沿って延伸する少なくとも1つのゲート線スリットを形成することをさらに含み、
前記少なくとも1つのゲート線スリットは、前記交互スタックを前記第1の方向に沿って延伸する複数のフィンガに分割し、前記複数のフィンガの各々は、前記複数の半導体チャネルの少なくとも1つと交差し、
前記少なくとも1つのゲート線スリットは、前記第1の方向に沿って2つ以上の開口部を備え、前記2つ以上の開口部は、隣接するフィンガを接続する、
請求項11または12に記載の方法。
【請求項14】
前記少なくとも1つのゲート線スリットを形成することは、
前記第1の方向に沿って延伸する2つ以上の垂直トレンチを形成するために、前記交互スタックをパターニングすることであって、前記2つ以上の垂直トレンチは、前記交互スタックを前記第1の方向に沿って延伸する前記複数のフィンガに分割し、前記2つ以上の垂直トレンチは、前記複数の半導体チャネルを囲み、前記2つ以上の開口部は隣接するフィンガを接続する、前記交互スタックをパターニングすることと、
前記2つ以上の開口部以外の位置で、前記2つ以上の垂直トレンチを酸化ケイ素で充填することとを含む、
請求項1に記載の方法。
【請求項15】
前記2つ以上の開口部を形成することは、前記第2の方向に沿って互いに整列し、前記複数の階層に分布する前記交互スタック内の複数の副開口部を同時に形成することを含み、各副開口部は隣接するフィンガを接続する、
請求項1に記載の方法。
【請求項16】
前記2つ以上の接続部分を形成することは、前記2つ以上の開口部を導電性材料で充填することを含む、
請求項11または12に記載の方法。
【請求項17】
前記2つ以上の接続部分が、同じ階層の2つ以上の導体層を導電的に接続し、
前記2つ以上の接続部分は、副開口部から形成され、前記複数の階層の各々に分布し、前記基板の前記上面に実質的に垂直な第2の方向に沿って整列する副接続部分を含み、各副接続部分は、2つの隣接する導体層を導電的に接続する、
請求項11または12に記載の方法。
【請求項18】
前記2つ以上の接続部分は、3つ以上の副開口部から形成され、前記複数の階層の各々に分布する3つ以上の副接続部分を含み、各副接続部分は、2つの隣接する導体層を導電的に接続し、ある階層の各副接続部分は少なくとも、前記第2の方向に沿って別の階層の別の副接続部分と整列する、
請求項1に記載の方法。
【請求項19】
導体層の前記複数の階層の各々が、1つの金属コンタクトビアを共有し、前記1つの金属コンタクトビアは、各階層の前記導体層の1つの上に形成される、
請求項11または12に記載の方法。
【請求項20】
基板と、
複数の半導体チャネルであって、前記複数の半導体チャネルの各々の1つの端部は、前記基板の上面に実質的に垂直な方向に延伸する、複数の半導体チャネルと、
前記複数の半導体チャネルの各々の前記端部の上のドレイン領域と、
複数の電荷蓄積領域であって、各電荷蓄積領域は、前記複数の半導体チャネルのそれぞれによって囲まれている、複数の電荷蓄積領域と、
前記基板内のソース領域と、
各々が前記複数の半導体チャネルの各々のそれぞれの端部の上にある複数のビット線と、
前記基板の前記上面に実質的に平行な方向に沿って延伸し、上側選択ゲート、下側選択ゲート、および前記上側選択ゲートと前記下側選択ゲートとの間の複数のワード線を含む複数のワード線と、
前記複数のワード線に接続する複数の金属コンタクトビアと、
前記複数のビット線の上方のドライバ回路とを備え、
前記基板の上の実質的に同じ高さの前記複数のワード線のうちの2つ以上は、実質的に前記同じ高さの2つ以上の接続部分を通じて導電的に接続され、
前記複数のワード線のうちの前記2つ以上は、それぞれの金属相互接続に電気的に接続する金属コンタクトビアを共有し、前記金属コンタクトビアは前記複数のワード線のうちの前記2つ以上のうちの1つの上に形成され
前記複数のワード線は、前記基板の前記上面に実質的に垂直な方向に沿って積層されたワード線の複数の階層を有するワード線のスタックを含み、
ワード線の前記複数の階層の各々は、同じ高さの複数のワード線を含み、前記基板の前記上面に実質的に垂直な方向に沿って1つまたは複数の絶縁層によってワード線の別の階層から絶縁され、
同じ階層の前記複数のワード線は各々、前記2つ以上の接続部分を通じて互いに導電的に接続され、
ワード線の前記複数の階層のうち、第1の階層の複数のワード線の各々を互いに接続する前記2つ以上の接続部分の数は、ワード線の前記複数の階層のうち、前記第1の階層の上の階層である第2の階層の複数のワード線の各々を互いに接続する前記2つ以上の接続部分の数と異なる、
メモリデバイス。
【請求項21】
前記第1の階層の複数のワード線の各々を接続する前記2つ以上の接続部分の数は、前記第2の階層の複数のワード線の各々を接続する前記2つ以上の接続部分の数より多い、
請求項20に記載のメモリデバイス。
【請求項22】
実質的に前記同じ高さの前記複数のワード線の各々が、実質的に前記同じ高さの前記2つ以上の接続部分を通じて実質的に前記同じ高さの1つまたは複数の他のワード線に導電的に接続され、
実質的に前記同じ高さの前記複数のワード線および実質的に前記同じ高さの前記2つ以上の接続部分が、同じ材料片から形成される、
請求項20または21に記載のメモリデバイス。
【請求項23】
前記複数の階層の各々の前記2つ以上の接続部分は、前記基板の前記上面に実質的に垂直な方向に沿って互いに整列している、
請求項22に記載のメモリデバイス。
【発明の詳細な説明】
【関連出願の相互参照】
【0001】
本出願は、2017年3月7日に出願された中国特許出願第201710132422.8号の優先権を主張し、中国特許出願の内容全体は参照により本明細書に組み込まれる。
【背景技術】
【0002】
フラッシュメモリデバイスは急速に開発されている。フラッシュメモリデバイスは、電源を入れなくても相当に長い時間データを記憶することができ、高い集積レベル、高速アクセス、容易な消去、および書き換えなどの利点がある。ビット密度をさらに改善し、フラッシュメモリデバイスのコストを削減するために、三次元NANDフラッシュメモリデバイスが開発された。
【0003】
三次元NANDフラッシュメモリデバイスは、基板上に配置されたゲート電極のスタックを含み、複数の半導体チャネルがワード線を通り、ワード線を基板に交差させている。下部/下側ゲート電極は、下部/下側選択ゲートとして機能する。上部/上側ゲート電極は、上部/上側選択ゲートとして機能する。上部/上側選択ゲート電極と下部/下側ゲート電極との間のワード線/ゲート電極は、ワード線として機能する。ワード線と半導体チャネルとの交点がメモリセルを形成する。上部/上側選択ゲートは行選択のためにワード線に接続され、下部/下側選択ゲートは列選択のためにビット線に接続される。
【発明の概要】
【0004】
したがって、本明細書では、三次元メモリデバイスアーキテクチャおよび製造方法の実施形態が開示される。開示されている構造および方法は、製造プロセスの単純化、三次元メモリデバイスのサイズの縮小、および三次元メモリデバイスが形成されるチップのスペース有用性の改善を含むが、これらに限定されない多くの利点を提供する。
【0005】
いくつかの実施形態では、三次元メモリデバイスは、基板であって、互いに隣接するデバイス領域および接続領域を含む基板と、デバイス領域および接続領域内の複数の別個のスタック構造であって、複数のスタックワード線(例えば、ゲート電極)を含むスタック構造と、隣接するスタック構造の間の基板部分の上の分離層(例えば、ゲート線スリット)とを含む。三次元メモリデバイスはまた、接続領域の上にあり、隣接するスタック構造を導電的に接続する接続構造をも含む。接続構造は、複数の繰り返し導電接続部分を含み、各導電層の2つの端部は各々、隣接するスタック構造内の同じ高さのワード線を接続する。三次元メモリデバイスは、各高さのワード線の上面上の複数のコンタクトビアをさらに含む。各コンタクトビアは、接触しているワード線、接触しているワード線と同じ高さの他のワード線、および接触しているワード線と同じ高さの導電接続部分に導電的に接続されている。
【0006】
いくつかの実施形態では、導電接続部分は、ワード線と同じ材料から作成される。
【0007】
いくつかの実施形態では、導電接続部分およびワード線は、タングステン、アルミニウム、および銅のうちの1つまたは複数から作成される。
【0008】
いくつかの実施形態では、スタック構造は、隣接するゲート構造の間の第1の絶縁部分をさらに含み、接続構造は、隣接する導電接続部分の間の第2の絶縁部分をさらに含む。
【0009】
いくつかの実施形態では、第1の絶縁部分および第2の絶縁部分は、酸化ケイ素から作成される。
【0010】
いくつかの実施形態では、基板は、接続領域およびデバイス領域のうちの1つまたは複数に隣接するチャネル領域をさらに含む。スタック構造は、チャネル領域の基板の一部分まで延伸する。いくつかの実施形態では、三次元メモリデバイスは、チャネル領域の基板の一部分の上の複数の半導体チャネルをさらに含み、半導体チャネルはスタック構造を貫通している。
【0011】
いくつかの実施形態では、三次元メモリデバイスは、ワード線と半導体チャネルとの間にゲート誘電体層をさらに含む。
【0012】
いくつかの実施形態では、三次元メモリデバイスを形成する方法は、基板を提供することであって、基板は、互いに隣接するデバイス領域および接続領域を含む、基板を提供することと、デバイス領域および接続領域内に複数の別個のスタック構造を形成することであって、スタック構造は、複数のスタックワード線を含む、スタック構造を形成することと、隣接するスタック構造の間の基板部分の上に分離層(例えば、ゲート線スリット)を形成することとを含む。方法はまた、接続領域の上にあり、隣接するスタック構造を導電的に接続する接続構造を形成することをも含む。接続構造は、複数の繰り返し導電接続部分を含み、各導電層の2つの端部は各々、隣接するスタック構造内の同じ高さのワード線を接続する。方法は、各高さのワード線の上面上に複数のコンタクトビアを形成することをさらに含む。各コンタクトビアは、接触しているワード線、接触しているワード線と同じ高さの他のワード線、および接触しているワード線と同じ高さの導電接続部分に導電的に接続されている。
【0013】
いくつかの実施形態では、スタック構造は、隣接するゲート構造の間の絶縁部分をさらに含み、接続構造は、隣接する導電接続部分の間の絶縁部分をさらに含む。いくつかの実施形態では、スタック構造および絶縁部分を形成する動作は、デバイス領域および接続領域の基板の部分の上に複合構造を形成することを含む。複合構造は、交互に配置された複数の絶縁部分および複数の犠牲層を含む。複合構造をパターニングして、デバイス領域内の複合構造の部分を除去し、垂直トレンチを形成することができ、垂直トレンチは、基板に垂直な方向に沿って複合構造を通って延伸する。垂直トレンチが延伸する方向は、デバイス領域と接続領域の間の境界に対して垂直にすることができる。さらに、分離層(例えば、ゲート線スリット)を垂直トレンチ内に形成することができる。分離層が形成された後、デバイス領域および接続領域内の犠牲層を除去することができ、隣接する絶縁部分の間に水平トレンチを形成することができる。ワード線層は、デバイス領域および接続領域内の水平トレンチ内に形成することができる。デバイス領域内のワード線層の部分および分離層に隣接する接続領域内のワード線層の部分が、ワード線を形成することができる。接続領域内のワード線層を接続して、導電接続部分を形成することができる。
【0014】
いくつかの実施形態では、複合構造のパターニングは、マスク層を複合構造上に形成することを含み、マスク層は、接続領域内の複合構造の一部分およびデバイス領域内の複合構造の一部分を被覆する。マスク層は、複合構造をエッチングするためのエッチングマスクとして使用することができる。
【0015】
いくつかの実施形態では、複合構造のエッチングは、ドライエッチングおよび/またはウェットエッチングを含む。
【0016】
いくつかの実施形態では、この方法は、ワード線を形成する前に、デバイス領域および接続領域の水平トレンチの一部分の底部および側壁にゲート誘電体層を形成することをさらに含む。
【0017】
いくつかの実施形態では、基板は、接続領域およびデバイス領域のうちの1つまたは複数に隣接するチャネル領域をさらに含む。スタック構造は、チャネル領域の基板の一部分まで延伸する。いくつかの実施形態では、デバイス領域および接続領域内の犠牲層を除去する前に、方法は、チャネル構造の基板の一部分の上に複数の半導体チャネルを形成することをさらに含み、半導体チャネルはスタック構造を貫通している。
【0018】
いくつかの実施形態では、絶縁部分は酸化ケイ素を含み、犠牲層は、ポリシリコン、ポリゲルマニウム、および/または窒化ケイ素を含み、ワード線層は、タングステン、アルミニウム、および/または銅を含む。
【0019】
いくつかの実施形態では、デバイス領域および接続領域内の犠牲層を除去することは、等方性ドライエッチングおよび/またはウェットエッチングを含む。
【0020】
いくつかの実施形態では、ワード線を形成することは、化学気相成長(CVD)を含む。
【0021】
いくつかの実施形態では、導電接続部分は、タングステン、アルミニウム、および/または銅を含む。
【0022】
従来技術と比較して、本開示は以下の利点を含む。
【0023】
本開示により提供される三次元メモリデバイスを使用すると、導電接続部分は、隣接するスタック構造内の同じ高さのワード線を接続することができ、隣接するスタック構造内の同じ高さのワード線の電気接続を得ることができる。したがって、隣接するスタック構造の同じ高さのワード線が、同じコンタクトビアを共有することができ、結果、これらのワード線を外部回路に接続することができる。したがって、開示された方法は、コンタクトビアの数を減らし、三次元メモリデバイスの製造を単純化し、メモリデバイスのサイズを減らし、チップのスペース利用を改善することができる。
【0024】
本開示により提供される三次元メモリデバイスを形成する方法を使用して、接続領域の基板の一部分の上に接続構造を形成することができる。接続構造は、隣接するスタック構造を接続することができる。隣接するスタック構造内の同じ高さのワード線の電気接続はスタック構造を通じて得ることができ、隣接するスタック構造内の同じ高さのワード線は同じコンタクトビアを共有することができ、結果、これらのワード線を外部回路に接続することができる。したがって、開示された方法は、コンタクトビアの数を減らし、三次元メモリデバイスの製造を単純化し、メモリデバイスのサイズを減らし、チップのスペース利用を改善することができる。
【図面の簡単な説明】
【0025】
本開示の態様は、添付の図面とともに読まれるとき、以下の詳細な説明から最もよく理解される。業界の一般的な慣行に従って、様々な特徴が縮尺通りに描かれていないことに留意されたい。実際、様々な特徴の寸法は、図解および説明を明確にするために、任意に拡大または縮小される場合がある。
【0026】
図1】三次元メモリデバイスの図である。
図2A】いくつかの実施形態による、例示的な製造プロセスの異なる段階における三次元メモリ構造の上面図である。
図3A】いくつかの実施形態による、例示的な製造プロセスの異なる段階における三次元メモリ構造の上面図である。
図4A】いくつかの実施形態による、例示的な製造プロセスの異なる段階における三次元メモリ構造の上面図である。
図5A】いくつかの実施形態による、例示的な製造プロセスの異なる段階における三次元メモリ構造の上面図である。
図6A】いくつかの実施形態による、例示的な製造プロセスの異なる段階における三次元メモリ構造の上面図である。
図7A】いくつかの実施形態による、例示的な製造プロセスの異なる段階における三次元メモリ構造の上面図である。
図8A】いくつかの実施形態による、例示的な製造プロセスの異なる段階における三次元メモリ構造の上面図である。
図9A】いくつかの実施形態による、例示的な製造プロセスの異なる段階における三次元メモリ構造の上面図である。
図2B】いくつかの実施形態による、図2Aの三次元メモリ構造の断面図である。
図3B】いくつかの実施形態による、図3Aの三次元メモリ構造の断面図である。
図4B】いくつかの実施形態による、図4Aの三次元メモリ構造の断面図である。
図5B】いくつかの実施形態による、図5Aの三次元メモリ構造の断面図である。
図6B】いくつかの実施形態による、図6Aの三次元メモリ構造の断面図である。
図7B】いくつかの実施形態による、図7Aの三次元メモリ構造の断面図である。
図7C】いくつかの実施形態による、図7Aの三次元メモリ構造のもう1つの断面図である。
図8B】いくつかの実施形態による、図8Aの三次元メモリ構造の断面図である。
図9B】いくつかの実施形態による、図9Aの三次元メモリ構造の断面図である。
図10】いくつかの実施形態による、別の三次元メモリ構造の上面図である。
図11】いくつかの実施形態による、三次元メモリ構造を形成するための製造プロセスの図である。
【発明を実施するための形態】
【0027】
特定の構成および配置について説明するが、これは例示のみを目的として行われていることを理解されたい。当業者は、本開示の精神および範囲から逸脱することなく、他の構成および配置を使用することができることを認識するであろう。本開示を様々な他の用途でも使用することができることが、当業者には明らかであろう。
【0028】
本明細書における「1つの実施形態」、「一実施形態」、「例示的な実施形態」、「いくつかの実施形態」などへの言及は、記載されている実施形態が特定の特徴、構造、または特性を含み得ることを示すが、すべての実施形態が特定の特徴、構造、または特性を必ずしも含むとは限らないことに留意されたい。さらに、そのような語句は必ずしも同じ実施形態を指すとは限らない。さらに、特定の特徴、構造、または特性が一実施形態に関連して記載されている場合、明示的に記載されているか否かに関係なく、他の実施形態に関連してそのような特徴、構造、または特性がもたらされることは、当業者の知識の範囲内であろう。
【0029】
一般に、用語は少なくとも部分的に文脈の中での使用から理解され得る。例えば、本明細書において使用される場合、「1つまたは複数」という用語は、文脈に少なくとも部分的に依存して、任意の特徴、構造、または特性を単数の意味で記載するために使用されている場合があり、または複数の意味で特徴、構造または特性の組み合わせを記載するために使用されている場合がある。同様に、「a」、「an」、「the」などの用語は、同じく、文脈に少なくとも部分的に依存して、単数形の使用法を伝達するか、または複数形の使用法を伝達すると理解され得る。
【0030】
本開示における「上(on)」、「上方(above)」、および「〜の上(over)」の意味するところは、「上」が何かの「直上」にあることを意味するだけでなく、中間の特徴または層を挟んで何かの「上」にあることも意味するように、また、「上方」または「〜の上」が、何かの「上方」または何か「の上」にあることを意味するだけでなく、中間の特徴または層を挟まずに何かの「上方」または何か「の上」にある(すなわち、何かの直上にある)ことも意味するように、最も広義に解釈されるべきであることは容易に理解されるべきである。
【0031】
さらに、「下(beneath)」、「下方(below)」、「下側(lower)」、「上方(above)」、「上側(upper)」などのような空間的に相対的な用語は、本明細書においては、図に示されているような、ある要素または特徴の別の要素(複数可)または特徴(複数可)との関係を説明するために、説明を容易にするために使用され得る。空間的に相対的な用語は、図に示されている向きに加えて、使用中または動作中のデバイスの様々な向きを包含することを意図している。装置は他の方向に向けられ(90度または他の向きに回転され)てもよく、本明細書で使用される空間的に相対的な記述語もそれに応じて解釈され得る。
【0032】
本明細書で使用される場合、「基板」という用語は、後続の材料層が追加される材料を指す。基板自体をパターニングすることができる。基板の上部に追加される材料は、パターニングすることもでき、またはパターニングしないままにすることもできる。さらに、基板は、シリコン、ゲルマニウム、ヒ化ガリウム、リン化インジウムなどのような幅広い半導体材料を含むことができる。代替的に、基板は、ガラス、プラスチック、またはサファイアウェハなどの非導電性材料から作製されうる。
【0033】
本明細書で使用される場合、「層」という用語は、厚さのある領域を含む材料部分を指す。層は、下にあるもしくは上にある構造の全体にわたって延在することができ、または下にあるもしくは上にある構造の範囲よりも小さい範囲を有することができる。さらに、層は、均一または不均一な連続構造のうちの、当該連続構造の厚さよりも薄い厚さを有する領域であり得る。例えば、層は、連続構造の上面と底面との間の任意の水平面対の間に、または上面および底面に位置することができる。層は、水平に、垂直に、かつ/またはテーパ面に沿って延在することができる。基板は、層であり得、基板の中に1つもしくは複数の層を含み得、ならびに/または基板の上、上方、および/もしくは下方に1つもしくは複数の層を有し得る。層は複数の層を含むことができる。例えば、相互接続層は、1つまたは複数の導体層および接触層(相互接続層の中に接点、相互接続線、および/またはビアが形成される)、ならびに1つまたは複数の誘電体層を含むことができる。
【0034】
本明細書で使用する場合、「公称/公称的に」という用語は、製品またはプロセスの設計段階の間に設定される、構成要素またはプロセス動作の特性またはパラメータの所望のまたは目標の値を、所望の値の上および/または下の値の範囲とともに参照する。値の範囲は、製造プロセスまたは許容誤差のわずかな変動に起因する可能性がある。本明細書で使用される場合、「約」という用語は、主題の半導体デバイスに関連付けられた特定の技術ノードに基づいて変化する可能性がある所与の量の値を示す。特定の技術ノードに基づいて、「約」という用語は、例えば値の10〜30%(例えば、値の±10%、±20%、または±30%)以内で変化する特定の量の値を示すことができる。
【0035】
本明細書で使用される場合、「3Dメモリデバイス」という用語は、メモリストリングが基板に対して垂直方向に延伸するように、横向きの基板上にあるメモリセルトランジスタの垂直配向ストリング(NANDストリングなど、本明細書において「メモリストリング」として参照される)を有する半導体デバイスを指す。本明細書で使用される場合、「垂直/垂直方向に」という用語は、基板の外側面に対して公称的に垂直であることを意味する。
【0036】
三次元NANDメモリ業界のトレンドは、デバイス寸法の縮小および製造プロセスの簡素化を含む。三次元NANDメモリデバイスでは、データを格納するためのメモリセルが、ワード線(制御ゲート電極)のスタック、および、スタックを通して形成されている半導体チャネルに埋め込まれている。各ワード線は、金属コンタクトビアに別個に接続され、金属コンタクトビアはさらに金属相互接続、ビット線、および/または外部回路(例えば、制御回路)に接続されており、結果、メモリセルへのデータの書き込みおよび消去を、外部回路から制御することができる。したがって、金属コンタクトビアの数は、多くの場合ワード線の数に等しい。記憶容量の需要が増大するにつれて、増大した数のワード線および半導体チャネルにより形成される多数のメモリセルが、NANDメモリデバイス内に形成される。したがって、ワード線に接続するには、より多くの金属コンタクトビアを形成する必要がある。一方、NANDメモリデバイスのサイズは小さくなり続けている。したがって、減少したデバイススペースに増加した数の金属コンタクトビアを(すなわち、金属相互接続も)形成することはより困難である。例えば、増加した数の金属コンタクトビアをより小さいNANDメモリデバイスに配置するには、所望の数のワード線および金属コンタクトビアをより小さいNANDメモリデバイス内に形成することができるように、ワード線および金属コンタクトビアの製造を、これらの部品の縮小された寸法に適合させる必要がある。結果として、より小さいNANDメモリデバイスの製造はより困難になり、より小さいNANDメモリデバイス中のスペースは効率的に利用されない。
【0037】
本開示では、説明を容易にするために、「階層」は、垂直方向に沿って実質的に同じ高さにある要素を指すために使用される。例えば、ワード線およびワード線の下にあるゲート誘電体層は「階層」として参照することができ、犠牲層および犠牲層の下にある絶縁層はともに「階層」として参照することができ、ワード線およびワード線の下にある絶縁層はともに「階層」として参照することができ、実質的に同じ高さにあるワード線は「ワード線の階層」などとして参照することができる、などである。
【0038】
図1は、三次元NANDフラッシュメモリデバイスのブロック100を示している。フラッシュメモリデバイスは、基板101、基板101の上の絶縁層103、絶縁層103の上の下側選択ゲート電極104の階層、および底部選択ゲート電極104の上部に積層された制御ゲート電極107の複数の階層を含む。フラッシュメモリデバイスはまた、制御ゲート電極107のスタックの上の上側選択ゲート電極109の階層、隣接する下側選択ゲート電極104間の基板101の部分のドープソース線領域120、ならびに、上側選択ゲート電極109、制御ゲート電極107、下側選択ゲート電極104、および絶縁層103を通る半導体チャネル114も含む。半導体チャネル114は、半導体チャネル114の内面の上のメモリ膜113と、半導体チャネル114内のメモリ膜113に囲まれたコア充填膜115とを含む。フラッシュメモリデバイスは、上側選択ゲート電極109の上で半導体チャネル114に接続された複数のビット線111と、複数の金属コンタクト117を通じてゲート電極に接続された複数の金属相互接続119とをさらに含む。ゲート電極の隣接する階層の間の絶縁層は、図1には示されていない。ゲート電極は、上側選択ゲート電極109、制御ゲート電極107(例えば、ワード線とも呼ばれる)、および下側選択ゲート電極104を含む。
【0039】
図1では、例示の目的で、3階層の制御ゲート電極107‐1、107‐2、および107‐3が、1階層の上側選択ゲート電極109および1階層の下側選択ゲート電極104とともに示されている。ゲート電極の各階層は、基板101の上で実質的に同じ高さを有する。各階層のゲート電極は、ゲート電極のスタックを通るゲート線スリット108−1および108−2によって分離されている。同じ階層の各ゲート電極は、金属コンタクトビア117を通じて金属相互接続119に導電的に接続されている。すなわち、ゲート電極上に形成される金属コンタクトの数は、ゲート電極の数(すなわち、すべての上側選択ゲート電極109、制御ゲート電極107、および下側選択ゲート電極104の合計)に等しい。さらに、各金属コンタクトビアに接続するために、同じ数の金属相互接続が形成される。フラッシュメモリデバイスの寸法が減少するにつれて、デバイスの減少したスペースに収まることができる金属コンタクトビアおよび金属相互接続を形成することがより困難になる。
【0040】
本開示は、ブロック内の同じ階層の1つまたは複数のワード線がともに導電的に接続され、接続されたワード線が共有される金属コンタクトビアに導電的に接続されて、金属コンタクトビアおよび金属相互接続の数を減らす三次元NANDメモリデバイスについて説明する。開示された方法および構造は、三次元NANDメモリデバイスを形成するための製造プロセスを単純化する。とりわけ、同じ階層のワード線を導電的に接続することの利点は、制御信号に接続する金属相互接続の数が大幅に減少することである。言い換えれば、同じ階層内で、接続されたワード線は同じ金属相互接続を共有することができる。したがって、形成された三次元NANDメモリデバイスは、金属コンタクトビアおよび金属相互接続の数を減らすことができ、金属コンタクトビアの総数はワード線の総数よりも少ない。したがって、三次元NANDメモリデバイスの製造を単純化することができ、メモリデバイスの寸法をさらに縮小することができ、メモリデバイス内のスペースをより効率的に利用することができる。
【0041】
説明のために、三次元NANDデバイスの類似または同じ部品には同じ参照符号を使用してラベル付けしている。ただし、参照符号は、発明を実施するための形態の関連部分を区別するために使用されているに過ぎず、機能、構成、または位置の何らかの類似性または相違を示すものではない。図2図10に示す構造200〜1000は、各々、三次元NANDメモリデバイスの一部分である。メモリデバイスの他の部分は、説明を容易にするために示されていない。一例として三次元NANDデバイスを使用しているが、様々な用途および設計において、開示された構造は、例えば、金属接続または配線の数を減らすために、同様のまたは異なる半導体デバイスに適用することもできる。開示された構造の特定の用途は、本開示の実施形態によって限定されるべきではない。例示の目的で、ワード線およびゲート電極は、本開示を説明するために交換可能に使用される。
【0042】
図2Aおよび図2Bは、いくつかの実施形態による、三次元メモリ構造を形成するための例示的な構造200を示す。図2Aは、構造200の上面図201であり、図2Bは、2‐2’方向に沿った構造200の断面図202である。いくつかの実施形態では、構造200は、ベース基板210と、ベース基板210の上の材料層240とを含む。ベース基板210は、後続の構造を形成するためのプラットフォームを提供することができる。材料層240は、交互に配置された第1の材料/要素211’および第2の材料/要素212’を有する交互スタック(例えば、誘電体層の対/スタック)を含むことができる。材料層240を使用して、ベース基板210上に後続のワード線を形成することができる。説明のために、本開示を説明するために、第1の材料211’/第2の材料212’の3つの階層/対が示されている。様々な用途および設計において、材料層240は、三次元メモリデバイスの設計に応じて、任意の適切な数の、ともに積層されている第1の材料/第2の材料の階層/対を含むことができる。例えば、材料層240は、引き続き、三次元メモリデバイス内の64階層のワード線を形成する、ともに積層された第1の材料/第2の材料の64階層/対を含むことができる。
【0043】
いくつかの実施形態では、ベース基板210は、三次元メモリデバイスを形成するための任意の適切な材料を含む。例えば、ベース基板210は、シリコン、シリコンゲルマニウム、炭化ケイ素、シリコンオンインシュレータ(SOI)、ゲルマニウムオンインシュレータ(GOI)、ガラス、窒化ガリウム、ヒ化ガリウム、および/または他の適切なIII−V族化合物を含むことができる。
【0044】
いくつかの実施形態では、材料層240は、ベース基板210の上に垂直に(z軸に沿って)配置されている、犠牲材料層211’(すなわち、第1の要素または第1の材料)および絶縁材料層212’(すなわち、第2の要素または第2の材料)の交互スタックを含む。例示を目的として、犠牲材料層211’および対応する犠牲層の下の絶縁材料層212’は、材料対または同じ階層の材料対として参照される。犠牲材料層211’は各々、同じ厚さを有してもよく、または異なる厚さを有してもよい。絶縁材料層212’は各々、同じ厚さを有してもよく、または異なる厚さを有してもよい。いくつかの実施形態では、材料層240は、材料対よりも多くの犠牲材料層および/またはより多くの絶縁材料層を含む。追加の1つまたは複数の犠牲材料層は各々、材料対の犠牲材料層211’と同じまたは異なる厚さを有してもよく、追加の1つまたは複数の絶縁材料層は各々、材料対の絶縁材料層212’と同じまたは異なる厚さを有してもよい。いくつかの実施形態において、犠牲材料層211’は、ワード線を形成するためのゲート材料を堆積するために引き続いて除去される。いくつかの実施形態では、犠牲材料層211’は、絶縁材料層212’とは異なる任意の適切な材料を含む。例えば、様々な実施形態において、犠牲材料層211’は、多結晶シリコン、窒化ケイ素、多結晶ゲルマニウム、および/または多結晶ゲルマニウムシリコンを含むことができる。いくつかの実施形態では、犠牲材料層211’は窒化ケイ素を含む。絶縁材料層212’は、例えば酸化ケイ素など、任意の適切な絶縁材料を含むことができる。材料層240は、ベース基板210の上に絶縁材料層212’および犠牲材料層211’を交互に堆積させることにより形成することができる。例えば、絶縁材料層212’をベース基板210上に堆積させることができ、犠牲材料層211’を絶縁材料層212’上に堆積させることができ、以下同様に繰り返すことができる。犠牲材料層211’および絶縁材料層212’の堆積は、CVD、物理気相成長(PVD)、プラズマCVD(PECVD)、スパッタリング、金属有機化合物化学気相成長(MOCVD)、および/または原子層成長(ALD)などの任意の適切な堆積方法を含むことができる。いくつかの実施形態では、犠牲材料層211’および絶縁材料層212’は各々、CVDによって形成される。
【0045】
例示を目的として、構造200(例えば、ベース基板210)は、3つの領域、すなわち、領域A、B、およびCに分割される。三次元メモリ構造の後続の製造において、ワード線(ゲート電極)が、ベース基板210の上面に実質的に平行な水平方向(例えば、y軸)に沿って、領域A(例えば、デバイス領域)、B(例えば、接続領域)、およびC(例えば、アレイ領域)を通じて形成され、半導体チャネル(例えば、メモリストリングとしても知られている)が、実質的に領域C内に形成され、ワード線を導電的に接続する接続部分が、実質的に領域B内に形成される。領域A、B、およびCは、説明を容易にするために提示されているに過ぎず、構造200の物理的分割または構造200の寸法を示すことは意図していないことに留意されたい。
【0046】
図3Aおよび図3Bは、いくつかの実施形態による、三次元メモリデバイスを形成するための例示的な構造300を示す。図3Aは、構造300の上面図301であり、図3Bは、3‐3’方向に沿った構造300の断面図302である。図3Aおよび図3Bによって示される構造は、「階段構造」または「ステップ状空洞構造」として参照され得る。用語「階段構造」、「ステップ状空洞構造」などは、ステップ状表面を有する構造を指す。本開示において、「ステップ状表面」は、各水平面が、水平面の第1の辺から上向きに延伸する第1の垂直面に隣接し、水平面の第2の辺から下向きに延伸する第2の垂直面に隣接するような、少なくとも2つの水平面(例えば、xy平面に沿った)および少なくとも2つの(例えば、第1のおよび第2の)垂直面(例えば、z軸に沿った)を含む表面のセットを指す。「ステップ」または「階段」とは、隣接する表面のセットの高さの垂直方向のシフトを指す。
【0047】
階段構造は、図3Aおよび3Bを参照すると、階段構造の水平断面形状が構造300の上面からの垂直距離の関数としてステップ状に変化するように、様々なステップ状表面を有することができる。いくつかの実施形態において、構造300は、マスクを使用して、例えば垂直方向(すなわち、z軸)に沿って、材料層240の犠牲材料層211’および絶縁材料層212’を繰り返しエッチングすることにより、構造200から形成される。例示を目的として、ベース基板210の上にある、材料層240をエッチングすることにより形成される構造は、スタック240’として参照される。したがって、図3Aおよび図3Bに示されるように、構造300は、複数の犠牲層(例えば、211‐1〜211‐4)および複数の絶縁層(例えば、212‐1〜212‐4)を有することができる。各犠牲層211は、y軸に沿って実質的に同じ長さ/形状を有する隣接する下にある絶縁層と対または階層を形成することができる。例えば、犠牲層211‐1および絶縁層212‐1は第1の階層を形成し、犠牲層211‐2および絶縁層212‐2は第2の階層を形成し、以下同様である。各対の犠牲層および絶縁層のエッチングは、1つのエッチングプロセスまたは異なるエッチングプロセスで実行することができる。ステップ状表面の形成後、マスクを、例えばアッシングにより除去することができる。いくつかの実施形態では、ステップ状表面を形成するために、複数のフォトレジスト層および/または複数のエッチングプロセスが使用される。図3Aに示すように、構造300では、各階層の犠牲層(すなわち、211‐1〜211‐4)がz軸に沿って露出している。様々な実施形態において、各対/階層内で、絶縁層212は犠牲層211の上にすることもできる。この場合、追加の絶縁層を材料層240とベース基板210との間に配置することができる。ワード線を形成する製造プロセスは、本開示で提供される製造プロセスと同様であり得る。続いて、各階層の絶縁層を貫通し、下にあるワード線とのコンタクトを形成することにより、ワード線に導電的に接続する金属コンタクトビアを形成することができる。製造プロセスの詳細は、本開示を参照することができ、ここでは省略する。
【0048】
図4Aおよび図4Bは、いくつかの実施形態による、三次元メモリデバイスを形成するための例示的な構造400を示す。図4Aは、構造400の上面図401であり、図4Bは、4‐4’方向に沿った構造400の断面図402である。いくつかの実施形態では、構造400は、領域C内に形成された複数の半導体チャネル220を含む。半導体チャネル220は、x軸に沿ったアレイとして分布することができ、各アレイは、例えばΔxの適切な距離によって分離される。Δxは、三次元メモリデバイスの設計/レイアウトに応じた任意の適切な距離とすることができる。半導体チャネル220の各アレイは、同じ数または異なる数の半導体チャネル220を有することができる。例示を目的として、図4Aを参照すると、本開示では、各アレイは4つの半導体チャネル220を含み、2×2アレイ配列を形成する。半導体チャネル220は、三次元メモリデバイスのソースおよび/またはドレインの後続の形成のために、実質的にz軸に沿ってスタック240を通じてベース基板210へと形成することができる。半導体チャネル220および引き続いて形成されるワード線は、例えば、データを記憶するための三次元メモリデバイスのメモリセルを形成することができる。
【0049】
各半導体チャネル220は、実質的に、z軸に沿った柱の形状を有することができ、互いを取り囲む複数の層を含むことができる(本開示の図には示されていない)。例えば、半導体チャネル220は、z軸に沿って、半導体チャネル220の実質的に中心に位置決めされた誘電体コアを含むことができる。誘電体コアは、半導体チャネル膜で囲むことができる。半導体チャネル膜は、メモリ膜で囲むことができる。誘電体コア、半導体チャネル膜、およびメモリ膜は各々、1つまたは複数の層を含むことができ、ともにチャネル孔を充填して半導体チャネル220を形成することができる。いくつかの実施形態では、マスクを使用してスタック240’をパターニングすること、例えば、ドライエッチングおよび/またはウェットエッチングなどの適切なエッチングプロセスを使用して、パターニングされたマスクによって露出されるスタック240’の部分をエッチングすることにより、チャネル孔を形成することができる。チャネル孔は、スタック240を貫通し、実質的にベース基板210に入ることができる。マスクは、チャネル孔が形成された後に除去することができる。
【0050】
例えば、メモリ膜は、チャネル孔の側壁の上に形成され、側壁に接触することができる。いくつかの実施形態では、メモリ膜は、チャネル孔を囲むスタック240’からチャネル孔内の他の層を絶縁するために、チャネル孔の側壁の上に1つまたは複数のブロック誘電体層を含むことができる。メモリ膜はまた、電荷をトラップし、z軸に沿って複数の電荷蓄積領域を形成するために、ブロック誘電体層の上に、ブロック誘電体に囲まれたストレージユニット層(メモリ層)を含むこともできる。メモリ膜はまた、メモリ層の上に、メモリ層に囲まれたトンネル層(例えば、トンネル誘電体)を含むこともできる。適切な電気バイアスの下でトンネリング層を通じて電荷トンネリングを実行することができる。いくつかの実施形態では、三次元メモリデバイスの動作に応じて、ホットキャリア注入を通じて、またはファウラー・ノルドハイムトンネリングにより誘起される電荷移動によって、電荷トンネリングを実行することができる。
【0051】
1つまたは複数のブロック誘電体層は、比較的高い誘電率を有する誘電体金属酸化物層を含む第1のブロック層を含むことができる。「金属酸化物」という用語は、金属元素、ならびに、酸素、窒素、および他の適切な元素などの非金属元素を含むことができる。例えば、誘電体金属酸化物層は、酸化アルミニウム、酸化ハフニウム、酸化ランタン、酸化イットリウム、酸化タンタル、ケイ酸塩、窒素ドープ化合物、合金などを含むことができる。第1のブロック層は、例えば、CVD、ALD、パルスレーザ堆積(PLD)、液体ミスト化学堆積、および/または他の適切な堆積方法によって堆積することができる。
【0052】
1つまたは複数のブロック誘電体層はまた、誘電体金属酸化物の上に別の誘電体層を含む第2のブロック層も含むことができる。他の誘電体層は、誘電体金属酸化物層と異なっていてもよい。他の誘電体層は、酸化ケイ素、第1のブロック層とは異なる組成を有する誘電体金属酸化物、酸窒化ケイ素、窒化ケイ素、および/または他の適切な誘電体材料を含むことができる。第2のブロック層は、例えば、低圧化学気相成長(LPCVD)、ALD、CVD、および/または他の適切な堆積方法によって堆積され得る。いくつかの実施形態では、1つまたは複数のブロック誘電体層は、CVDにより形成される酸化ケイ素を含む。
【0053】
ストレージユニット層は、1つまたは複数のブロック誘電体層の上に連続的に形成され得る。ストレージユニット層は、電荷トラップ材料、例えば、誘電体電荷トラップ材料(例えば、窒化ケイ素)および/または導電性材料(例えば、ドープされたポリシリコン)を含むことができる。いくつかの実施形態では、誘電体電荷トラップ材料は窒化ケイ素を含み、CVD、ALD、PVD、および/または他の適切な堆積方法によって形成することができる。
【0054】
トンネル層は、メモリ層の上に連続的に形成することができる。トンネル層は、酸化ケイ素、窒化ケイ素、酸窒化ケイ素、誘電体金属酸化物、誘電体金属酸窒化物、誘電体金属ケイ酸塩、合金、および/または他の適切な材料を含むことができる。トンネル層は、CVD、ALD、PVD、および/または他の適切な堆積方法により形成することができる。いくつかの実施形態では、トンネル層は、CVDによって形成される酸化ケイ素を含む。
【0055】
半導体チャネル膜は、トンネル層の上に連続的に形成することができる。半導体チャネル膜は、シリコン、シリコンゲルマニウム、ゲルマニウム、III−V族化合物材料、II−VI族化合物材料、有機半導体材料、および/または他の適切な半導体材料などの任意の適切な半導体材料の1つまたは複数の層を含むことができる。半導体チャネル膜は、有機金属化学気相成長(MOCVD)、LPCVD、CVD、および/または他の適切な堆積方法などの適切な堆積方法によって形成することができる。いくつかの実施形態において、半導体チャネル膜は、CVDを使用してアモルファスシリコンの層を堆積させ、続いて、アモルファスシリコンが単結晶シリコンに変換されるようにアニールプロセスを行うことによって形成される。いくつかの実施形態では、他のアモルファス材料をアニーリングして結晶化し、半導体チャネル膜を形成することができる。
【0056】
誘電体コアは、半導体チャネル膜の上に形成され、チャネル孔の中心のスペースを充填することができる。誘電体コアは、酸化ケイ素および/または有機ケイ酸塩ガラスなどの適切な誘電体材料を含むことができる。誘電体コアは、適切な共形堆積方法(例えば、LPCVD)および/または自己平坦化堆積方法(例えば、スピンコーティング)により形成することができる。いくつかの実施形態では、誘電体コアは酸化ケイ素を含み、LPCVDによって形成される。
【0057】
様々な実施形態において、層の数、これらの層を形成する方法、およびこれらの層を形成する特定の順序は、異なる設計に応じて異なり得、本開示の実施形態によって限定されるべきではない。
【0058】
図5Aおよび図5Bは、いくつかの実施形態による、三次元メモリデバイスを形成するための構造500を示す。図5Aは、構造500の上面図501であり、図5Bは、5‐5’方向に沿った構造500の断面図502である。構造500は、スタック240’を複数のフィンガに分割するために、各々が実質的にy軸に沿って半導体チャネル220の2つのアレイの間に形成される、複数の絶縁トレンチまたは垂直トレンチを含み、各フィンガは実質的にy軸に沿って延伸する。本開示において、「垂直」という用語は、「z軸に沿っている」または「x‐y平面に実質的に垂直である」ことを指す。引き続いて、各フィンガ内にワード線を形成することができる。垂直トレンチは、y軸に沿った1つまたは複数の開口部を含むことができる。開口部は、異なる階層内に整列した副開口部を垂直に形成して、同じ階層の隣接するフィンガが、材料接続部分によって階層内の副開口部を通して接続されることを可能にする(すなわち、開口部は材料層240の部分で充填される)。同じ開口部から形成された副開口部は、x軸、y軸、およびz軸に沿って互いに整列させられうる(すなわち、ベース基板210の上面上に同じ投影面積を有する)。引き続いて、垂直トレンチに適切な絶縁材料を充填して、絶縁スペーサとしても参照されるゲート線スリットを形成することができる。すなわち、隣接するフィンガ内に引き続いて形成されるワード線は、絶縁材料で充填された位置において絶縁され、開口部の位置において接続される。言い換えれば、同じ階層の2つの隣接するワード線は、1つまたは複数の開口部によって形成された接続部分(絶縁材料が充填されておらず、ゲート金属材料が充填されている接続部分)を通じて導電的に接続することができる。
【0059】
例示を目的として、2つの隣接する垂直トレンチ221’および222’が図5Aおよび5Bに示されている。図5Aに示すように、垂直トレンチ221’は、スタック240’を通じて形成された開口部223’を含み、垂直トレンチ222’は、スタック240’を通じて形成された開口部224’を含む。開口部223’および224’は、領域B内に形成されることが可能であり、y軸に沿って、垂直トレンチ221’を第1の部分221’−1および第2の部分221’−2に分割し、垂直トレンチ222’を第1の部分222’−1および第2の部分222’−2に分割することができる。2つの隣接する垂直トレンチ221’および222’は、構造500を、各々が半導体チャネル220のアレイを含むフィンガ1、2、および3に分割する。垂直トレンチの第1の部分221’−1および222’−1は、半導体チャネル220のアレイをx軸に沿って異なるフィンガに分割するように領域C内に形成され、第2の部分221’−2および222’−2は、引き続いて形成されるワード線を異なるフィンガに分割するように領域A内に形成される。半導体チャネル220のアレイは、フィンガ1、2、および3内に引き続いて形成されるワード線とともに、メモリセルをそれぞれ形成することができる。構造500の各階層の犠牲層/絶縁層の対は、開口部を通して接続される。例えば、図5Bは、フィンガ2と3との間の構造500の断面図を示している。フィンガ2および3の場合、犠牲層211‐1/絶縁層212‐1の対は、開口部224’を通じて接続される。同様に、フィンガ2および3内の他の階層の犠牲層/絶縁層(211−2/212−2、211−3/212−3、および211−4/212−4)は、異なる階層内の開口部223’および224’の副開口部を通じて接続される。フィンガ1およびフィンガ2内の犠牲層/絶縁層は、同様の構成で接続されている。言い換えれば、スタック240’のフィンガは、領域Bを通じて接続され、垂直トレンチ221’および222’によって領域AおよびC内で分離されている。したがって、後続の製造ステップで、各フィンガ内にワード線を形成することができる。同じ階層の隣接するワード線は、領域Bを通じて導電的に接続することができる。また、同じ階層の隣接する絶縁層は、(領域B内の)開口部223’および224’を通じて接続することができる。いくつかの実施形態では、フィンガ1、2、および3はまとめてブロックとして参照され、ブロック内の同じ階層のワード線は領域Bを通じて接続される。
【0060】
スタック240’の上にマスク層を形成し、例えばフォトリソグラフィを使用してマスクをパターニングして、パターニングされたマスク層内に垂直トレンチに対応する開口部を形成することにより、垂直トレンチ(例えば221’および222’)を形成することができる。適切なエッチングプロセス、例えば、ドライエッチングおよび/またはウェットエッチングを実行して、垂直トレンチがベース基板210を露出させるまで、開口部によって露出されたスタック240’の部分を除去することができる。マスク層は、垂直トレンチの形成後に除去することができる。いくつかの実施形態では、垂直トレンチは、スタック240’内の各階層を通り、スタック240’をy軸に沿って複数のフィンガに分割する。垂直トレンチは、各階層内の隣接するフィンガの犠牲層/絶縁層が、フィンガの間の垂直トレンチの開口部(複数可)を通して接続することができるように、y軸に沿って上記の1つまたは複数の開口部を含むことができる。本開示において、「垂直」という用語は、「x‐y平面に実質的に垂直である」または「実質的にz軸に沿っている」ことを指す。いくつかの実施形態において、垂直トレンチは、ベース基板210の上面に実質的に垂直である。
【0061】
いくつかの実施形態において、垂直トレンチは、スタック240’内の階層の隣接する犠牲層/絶縁層が2つ以上の位置で接続されることを可能にするために、2つ以上の開口部を有することができる。例えば、領域Bは、y軸に沿って、垂直トレンチの部分によって分離された複数の副領域を含むことができる。すなわち、各階層の隣接するフィンガの、引き続いて形成されるワード線は、2つ以上の位置において導電的に接続することができる。いくつかの実施形態において、垂直トレンチは、スタック240’内のいくつかの階層の犠牲層/絶縁層が2つ以上の位置で接続されることを可能にするために、2つ以上の開口部を有することができる。例えば、垂直トレンチは、y軸に沿って領域A内に分布する1つまたは複数の開口部を有することができる。すなわち、いくつかの階層の隣接するフィンガの、引き続いて形成されるワード線は、2つ以上の位置において導電的に接続することができる。詳細は下記に説明する。
【0062】
図6Aおよび図6Bは、いくつかの実施形態による、三次元メモリデバイスを形成するための構造600を示す。図6Aは、構造600の上面図601であり、図6Bは、6‐6’方向に沿った構造600の断面図602である。構造600は、スタック240’内に複数の絶縁層を含む。いくつかの実施形態において、構造600は、犠牲層を除去することにより構造500から形成される。各階層の絶縁層は、垂直トレンチで分離されていない位置(複数可)において接続することができる。したがって、隣接する階層の絶縁層の間、すなわち、犠牲層が除去されている位置/空間に水平トレンチを形成することができる。水平トレンチは、z軸に沿って垂直トレンチによって分割することができる。本開示において、「水平」という用語は、「x‐y平面に実質的に沿っている」または「実質的にz軸に垂直である」ことを指す。同様に、各階層の水平トレンチは、垂直トレンチで分離されていない位置(複数可)において接続することができる。各階層の絶縁層の上面、および犠牲層によって以前は囲まれていた半導体チャネル220の外面側壁部分は露出されうる。
【0063】
例えば、図6Aおよび6Bに示されるように、構造600は、絶縁材料で充填された位置(例えば、領域AおよびC内)においてフィンガ1、2および3を互いに分離する垂直トレンチ221’および222’を含む。各階層の絶縁層212は、垂直トレンチ221’および222’によって分離されていない位置(例えば、開口部223’および224’の位置)において接続されている。各階層の犠牲層211が除去された後、水平トレンチ(例えば、230‐1、230‐2、230‐3、および230‐4)が形成される。したがって、各階層の絶縁層(例えば、212−1,212−2,212−3,および212−4)の上面、および犠牲層211によって以前は囲まれていた半導体チャネル220の外面側壁部分が露出される。各階層の水平トレンチ230および絶縁層212は、それぞれ領域Bにおいて接続される。いくつかの実施形態では、犠牲層211の除去中にスタック240’を支持するために、他の支持構造(例えば、スタック240’内のダミー/補助チャネル)を形成することができる。支持構造の詳細は本明細書においては説明しない。
【0064】
犠牲層211は、適切なエッチングプロセス、例えば等方性ドライエッチングまたはウェットエッチングにより除去することができる。エッチングプロセスは、エッチングプロセスが基板200の他の部分への影響を最小限に抑えることができるように、基板200の他の部分の材料に対する犠牲層211の材料の十分に高いエッチング選択性を有することができる。等方性ドライエッチングおよび/またはウェットエッチングは、犠牲層211を様々な方向に除去して、各絶縁層212の上面および底面、ならびに犠牲層211によって以前は囲まれていた半導体チャネル220の外面側壁部分を露出させることができる。次に、各階層内に水平トレンチ230を形成することができる。いくつかの実施形態では、犠牲層211は窒化ケイ素を含み、等方性ドライエッチングのエッチング剤はCF、CHF、C、C、およびCHのうちの1つまたは複数を含む。等方性ドライエッチングの無線周波数(RF)電力は約100Wより低くすることができ、バイアスは約10Vより低くすることができる。いくつかの実施形態では、犠牲層211は窒化ケイ素を含み、ウェットエッチングのエッチング剤はリン酸を含む。
【0065】
図7A図7Bおよび図7Cは、いくつかの実施形態による、三次元メモリデバイスを形成するための構造700を示す。図7Aは構造700の上面図701であり、図7Bは7−7’方向に沿った構造700の断面図702であり、図7Cは7’’−7’’’方向に沿った構造700の断面図703である。構造700では、スタック240’は、交互に配置されたゲート材料層231’および絶縁層212を含む。例えば、構造700の各階層は、それぞれの絶縁層212の上にゲート材料層231’を含む。いくつかの実施形態において、構造700は、水平トレンチ230を適切なゲート材料(例えば、導体および/または金属)で充填することにより、図6Aおよび図6Bに示される構造600から形成され得る。ゲート材料は、x−y平面に沿って各水平トレンチを充填し、それぞれの絶縁層212を被覆することができる。ゲート材料層231’は、引き続いて形成されるワード線(すなわち、ゲート電極)のベース材料を提供することができる。水平トレンチ230がゲート材料で充填された後、ゲート材料で作られた接続部分が、スタック240’の各階層内の垂直トレンチの開口部(複数可)に形成され得る。接続部分とは、垂直トレンチによって形成された開口部においてそれぞれの絶縁層212の上に堆積されたゲート材料層231’の部分を指す。接続部分は、異なる階層内の整列した副開口部から、複数の副接続部分を垂直に形成することができる。1つの開口部から形成された副接続部分は、x軸、y軸、およびz軸に沿って互いに整列しうる(すなわち、ベース基板210の上面上に同じ投影面積を有する)。接続部分は、同じ階層内にあり、接続部分に接続されているそれぞれのゲート材料層231’の異なる部分(すなわち、接続部分に隣接する/接続されたフィンガ内に堆積したゲート材料、または隣接するフィンガ内に堆積したゲート材料)を導電的に接続することができる。説明を容易にするために、ワード線の下(すなわち、フィンガの中)の絶縁層212の部分は、第1の絶縁部分2121として参照され、接続部分の下(すなわち、フィンガの間)の絶縁層212の部分は、第2の絶縁部分2122として参照される。
【0066】
例えば、図7Aに示されるように、スタック240’の各階層の水平トレンチ(230−1、230−2、230−3、および230−4)にゲート材料を堆積させて、導体/誘電体層の対/スタックを形成することができる。ゲート材料(例えば、導体)は、スタック240’の各階層のゲート材料層(231’‐1、231’‐2、231’‐3、および231’‐4)を形成するために、それぞれの水平トレンチ230を充填することができる。各ゲート材料層231’の少なくとも一部分は、x‐y平面に沿って露出している。接続部分223および224は、開口部223’および224’に堆積されたゲート材料の部分によって形成され得る。したがって、各階層の接続部分223および224の副接続部分は、各階層の開口部223’および224’に堆積されたゲート材料の部分によって形成され得る。図7Bに示すように、ゲート材料は、フィンガ2内でそれぞれの第1の絶縁部分(2121−1、2121−2、2121−3、および2121−4)の上に形成され、各第1の絶縁部分2121は、z軸に沿って第1の絶縁部分2121の両側で隣接するゲート材料を電気的に絶縁する。図7Cに示すように、開口部224’の位置に、(領域B内で)z軸に沿って整列した異なる階層内の副接続部分224−1、224−2、224−3、および224−4を含む接続部分が形成される。各副接続部分224は、それぞれの第2の絶縁部分2122の上に形成され、各第2の絶縁部分2122は、隣接する副接続部分224をz軸に沿って互いに電気的に絶縁する。各階層の副接続部分224は、フィンガ1および2のそれぞれのゲート材料を導電的に接続する。例えば、副接続部分224−1は、第1の階層のフィンガ1および2内に堆積されたゲート材料(例えば、引き続いて形成されるワード線)を導電的に接続する。同様に、副接続部分224−2〜224−4は、それぞれ第2の階層〜第4の階層のフィンガ1および2に堆積されたゲート材料を導電的に接続する。各階層のゲート材料層231’は、半導体チャネル220のそれぞれの外面側壁部分を囲んでいる。
【0067】
ゲート材料は、ワード線(すなわち、ゲート電極または導体層)を形成するために、例えばタングステン、アルミニウム、および/または銅などの任意の適切な導電性材料を含むことができる。ゲート材料は、CVD、スパッタリング、MOCVD、および/またはALDなどの適切な堆積方法を使用して水平トレンチ230内に堆積することができる。一部の実施形態では、ゲート材料はタングステンを含み、これはCVDにより形成される。
【0068】
いくつかの実施形態では、ゲート誘電体材料層(本開示の図には示されていない)は、ゲート金属材料の堆積前に水平トレンチ内に形成することができる。ゲート誘電体材料層は、水平トレンチ、対向する表面間の半導体チャネル220の外面側壁部分、およびそれぞれの垂直トレンチを形成する隣接する絶縁層の対向する表面上に形成することができる。ゲート誘電体材料層は、引き続いて形成されるゲート誘電体層のベース材料を提供する。ゲート誘電体層は、それぞれのワード線を下にある絶縁層212から絶縁することができる。ゲート絶縁材料層は、電気絶縁性の任意の適切な誘電材料を含むことができる。例えば、ゲート絶縁材料層は、酸化ケイ素、窒化ケイ素、および/または酸窒化ケイ素のうちの1つまたは複数を含むことができる。いくつかの実施形態では、ゲート絶縁材料層は、高k誘電体材料(kは3.9未満)を含むことができる。いくつかの実施形態では、ゲート絶縁材料層は、第1の酸化シリコン層、第1の酸化シリコン層の上の窒化シリコン層、および窒化シリコン層の上の第2の酸化シリコン層を含むことができる。ゲート誘電体材料層の形成は、CVD、PECVD、PVD、および/またはALDのうちの1つまたは複数を含むことができる。
【0069】
接続部分(例えば、223または224)は、接続部分に隣接/接続されたフィンガに堆積されたゲート材料を導電的に接続することができる。いくつかの実施形態では、垂直トレンチは、階層内の2つ以上の開口部を含み、結果、ゲート金属材料の堆積後、開口部から2つ以上の接続部分が形成される。いくつかの実施形態では、各階層は2つ以上の副接続部分を含む。1つの階層内の2つ以上の副接続部分は、2つ以上の副接続部分に隣接/接続されるフィンガに堆積されるゲート材料間の導電接続を強化/改善することができ、結果、これらのフィンガ間の電気接続を確保することができる。したがって、接続されたフィンガ内に引き続いて形成されるワード線は、同じ金属コンタクトビアを共有することができ、金属コンタクトビアはさらに、外部回路から電気信号を送信するためにそれぞれの金属相互接続に接続される。したがって、金属コンタクトビアの数を減らすことができ、三次元メモリデバイスの製造を単純化することができる。
【0070】
図8Aおよび図8Bは、いくつかの実施形態による、三次元メモリデバイスを形成するための構造800を示す。図8Aは、構造800の上面図801であり、図8Bは、8−8’方向に沿った構造800の断面図802である。構造800は、実質的にy軸に沿った複数のゲート線スリットを含む。ゲート線スリットは、図5A図7Cで説明した垂直トレンチを適切な絶縁材料で充填することにより形成することができる。形成されたゲート線スリットは、絶縁材料で充填された位置において、隣接するフィンガおよび異なる階層内の、引き続いて形成されるワード線を電気的に絶縁および分離する。ゲート線スリットは、隣接するフィンガのゲート材料層/絶縁層を接続するy軸に沿った1つまたは複数の開口部を含むことができる。
【0071】
例示を目的として、図8Aには、垂直トレンチ221’および222’から形成された2つのゲート線スリット221および222が示されている。ゲート線スリット221は、ゲート線スリット221を第1の部分221‐1および第2の部分221‐2に分割する接続部分223を含み、ゲート線スリット222は、ゲート線スリット222を第1の部分222‐1および第2の部分222−2に分割する接続部分224を含む。ゲート線スリット221および222は、スタック240’をフィンガ1、2、および3に分割する。ゲート線スリット221および222の各々は、絶縁材料で充填された位置で(例えば、領域AおよびC内で)各階層の隣接するゲート材料層/絶縁層を絶縁する。絶縁材料で充填されていない位置(例えば、領域B)の各階層の隣接するゲート材料層/絶縁層が接続される。例えば、図8Bに示されるように、ゲート線スリット222の第1の部分222‐1および第2の部分222‐2は、スタック240’を通って領域AおよびC内でフィンガ3からフィンガ2を絶縁し、同じ階層のフィンガ2およびフィンガ3のゲート材料層/絶縁層対(例えば、231’−1/2121−1、231’−2/2121−2、231’−3/2121−3、および231’−4/2121−4)は、領域B内で接続される。
【0072】
いくつかの実施形態では、垂直トレンチ(例えば、221’および222’)を適切な絶縁材料で充填することにより、ゲート線スリット(例えば、221および222)を形成することができる。例えば、CVD、PVD、PECVD、および/またはALDなどの適切な堆積方法を利用して、絶縁材料を垂直トレンチに堆積することができる。絶縁材料は、フィンガの間を電気的に絶縁することを可能にする任意の適切な材料を含むことができる。例えば、絶縁材料は、酸化ケイ素、窒化ケイ素、および/または酸窒化ケイ素を含むことができる。いくつかの実施形態では、絶縁材料は酸化ケイ素を含む。いくつかの実施形態では、堆積後、リセスエッチングおよび/または化学機械平坦化(CMP)が使用されて、堆積後のスタック240’上の余剰絶縁材料が除去され、結果、ゲート材料層231’−1が露出し、ゲート線スリットの上面は、ゲート材料層231’−1の上面と同じ高さになる。
【0073】
いくつかの実施形態では、ゲート線スリットの形成前にドーピングプロセスが実行されて、ベース基板210が、垂直トレンチ(221’および222’)の底部において、ベース基板210とは反対のドーパント型でドープされる。垂直トレンチの底部のドープ領域は、ソース領域を形成することができる。次いで、絶縁材料を、垂直トレンチの底部および側壁の上に堆積させることができる。引き続いて、垂直トレンチの中心をソース材料で充填することにより、垂直トレンチ内にソースコンタクトビアを形成することができる。したがって、絶縁材料は、ソースコンタクトビアとスタック240’の残りの部分との間に電気絶縁を提供することができる。いくつかの実施形態では、ゲート線スリットの環状底面はソース領域に接触し、ソースコンタクトビアはソース領域に電気的に接続されている。いくつかの実施形態では、イオン注入が利用されて、ベース基板210が垂直トレンチの底部においてドープされてソース領域が形成され、絶縁材料を堆積して垂直トレンチの側壁を被覆することができ、結果、空洞が垂直トレンチ内に形成され、絶縁材料によって囲まれる。適切なソース金属を堆積させて、空洞を充填し、ソースコンタクトビアを形成することができる。絶縁材料は、酸化ケイ素、窒化ケイ素、および/または酸窒化ケイ素を含むことができる。ソース金属は、タングステンおよび/または他の適切な導電性材料を含むことができる。いくつかの実施形態では、ゲート線スリットとソースコンタクトビアとの間にバリア層、例えばTiNが形成されて、ソース金属がスタック240’に貫入するのを防ぐ。
【0074】
図9Aおよび図9Bは、いくつかの実施形態による、三次元メモリデバイスを形成するための構造900を示す。図9Aは、構造900の上面図901であり、図9Bは、9−9’方向に沿った構造900の断面図902である。構造900は、z軸に沿って積層されたワード線の複数の階層を含み、各階層は複数のワード線を含み、各ワード線は異なるフィンガ内で整列している。隣接する2つの階層のワード線を電気的に絶縁するために、隣接する階層のワード線間に絶縁層が形成される。同じ階層の1つまたは複数のワード線は、1つまたは複数の接続部分を通じて導電的に接続することができる。接続されたワード線は、同じ金属コンタクトビアを共有することができる。接続されたワード線を電気的に接続するために、各階層上に1つまたは複数の金属コンタクトビアを形成できる。
【0075】
いくつかの実施形態において、構造900は、図8Aおよび8Bに示される構造800から形成され得る。いくつかの実施形態では、スタック240’の側壁(例えば、絶縁層212の側壁)上の余剰ゲート材料およびゲート誘電体材料は、適切なエッチングプロセス(例えば、ドライエッチングおよび/またはウェットエッチング)を使用して除去することができる。ゲート材料層の残りの部分は各階層のワード線を形成でき、ゲート誘電体材料層の残りの部分は各階層のゲート誘電体層を形成することができる。いくつかの実施形態では、各ワード線は、それぞれのゲート誘電体層の上に形成される。さらに、各階層のワード線を外部回路に接続するために、各階層の上に金属コンタクトビアを形成することができる。いくつかの実施形態において、構造900は、引き続いて形成される金属コンタクトビアを互いに電気的に絶縁するために、スタック240’の上の/スタック240’を囲む誘電体スタック(図示せず)を含む。いくつかの実施形態において、金属コンタクトビアは、誘電体スタックをパターニングして、各階層のコンタクト領域を露出させる複数のコンタクト開口部を形成し、コンタクト開口部を適切な導電性材料で充填して金属コンタクトビアを形成することにより形成される。パターニングプロセスには、誘電体スタック上にマスクを形成すること、フォトリソグラフィプロセスを実行してマスク内にコンタクト開口部を画定すること、および、スタック240’のコンタクト領域が露出するまでコンタクト開口部内の材料を除去することを含むことができる。各階層のコンタクト領域は、1つまたは複数のワード線上にあることができる。さらに、コンタクト開口部は、例えばタングステン、アルミニウム、および/または銅などの適切な導電性材料で充填することができる。
【0076】
図9Aおよび9Bに示すように、スタック240’から余剰ゲート材料およびゲート誘電体材料が除去された後、スタック240’の各階層の残りのゲート材料は、実質的にy軸に沿って異なるフィンガ内にワード線(231−m−wln、m=1〜4、n=1〜4)を形成する。いくつかの実施形態では、各フィンガ(例えば、フィンガ1〜3)は、z軸に沿って積層された複数のワード線231‐m‐wlnを含み、各ワード線231‐m‐wlnは、隣接する第1の絶縁部分(複数可)によってz軸に沿って互いに絶縁されている。ゲート線スリット221および222は、領域AおよびC内の隣接するフィンガ間に電気絶縁を提供して、異なるフィンガのワード線231‐m‐wlnを分離し、それぞれ、異なるフィンガの半導体チャネル220のアレイを分離する。同じ階層の隣接するワード線231−m−wln(または隣接するフィンガのワード線231−m−wln)は、同じ階層の副接続部分(例えば、223−1〜223−4および/または224−1〜224−4、図7Cおよび図9A参照)によって導電的に接続される。すなわち、同じ階層の2つ以上のワード線231‐m‐wlnは、同じ階層の1つまたは複数の副接続部分によって導電的に接続することができ、結果、接続されたワード線231‐m‐wlnは同じ金属コンタクトビアを共有することができる。いくつかの実施形態では、各ワード線231‐m‐wlnは、接続部分を通じて同じ階層の他のワード線231‐m‐wlnと接続され、結果、同じ階層のワード線231‐m‐wlnが1つの金属コンタクトビアを共有することができる。
【0077】
例えば、構造900はフィンガ1、2、および3を含む。ワード線231−1−wl1、231−2−wl1、231−3−wl1、および231−4−wl1は、フィンガ1内でz軸に沿って積層され、ワード線231−1−wl2、231−2−wl2、231−3−wl2、および231−4−wl2は、フィンガ2内でz軸に沿って積層され、ワード線231−1−wl3、231−2−wl3、231−3−wl3、および231−4−wl3は、フィンガ3内でz軸に沿って積層される。ワード線231−1−wl1、231−1−wl2、および231−1−wl3は同じ階層1にあり、接続部分223および224(例えば、または接続部分223および224の副接続部分)によって導電的に接続されている。ワード線231−1−wl1、231−1−wl2、および231−1−wl3を接続するために、ワード線231−1−wl2の上に金属コンタクトビア232−1が形成される。同様に、ワード線231−2−wl1、231−2−wl2、および231−2−wl3は同じ階層2内にあり、接続部分223および224によって導電的に接続され、ワード線231−3−wl1、231−3−wl2、および231−3−wl3は同じ階層3内にあり、接続部分223および224によって導電的に接続され、ワード線231‐4‐wl1、231‐4‐wl2、および231‐4‐wl3は同じ階層4内にあり、接続部分223および224によって導電的に接続される。金属コンタクトビア232‐2、232‐3、および232‐4は、それぞれ階層2〜4の上に形成されて、各階層のワード線に導電的に接続する。いくつかの実施形態では、2つの隣接するワード線231‐m‐wlnは、2つ以上の接続部分によって導電的に接続される。いくつかの実施形態では、同じ階層のいくつかのワード線231−m−wlnは導電的に接続され、接続されたワード線は1つまたは複数の金属コンタクトビア232を共有する。いくつかの実施形態では、接続されたワード線231‐m‐wlnと対応する金属相互接続(複数可)との間の電気接続を保証/強化する接続されたワード線231‐m‐wlnに接続するために2つ以上の金属コンタクトビア232が形成される。設計に応じて、階層の任意の適切な位置(複数可)(x−y平面内)に金属コンタクトビア232を形成することができる。いくつかの実施形態では、例えばドレイン領域などの他の構造を、構造900内に形成することができる。説明を容易にするために、他の構造の形成の詳細は本開示では省略されている。
【0078】
図2図9に示す開示されている方法および構造を使用することにより、三次元メモリデバイス内の金属コンタクトビアの数を大幅に削減することができる。いくつかの実施形態では、同じ階層の各ワード線は、2つ以上の接続部分によって他のワード線に導電的に接続することができ、結果、動作中に電気接続を改善することができ、メモリデバイスがこれらの接続部分の接続障害の影響を受けにくくなる。いくつかの実施形態では、ワード線のブロックの各階層を接続するために1つの金属コンタクトビアが形成され、すべてのワード線が導電的に接続される。各階層がN本のワード線を含むと仮定すると、この階層に形成する必要がある金属コンタクトビアは1つだけである。従来の方法および構造と比較して、金属コンタクトビアの数は、ワード線の各階層について(N−1)本だけ削減される。いくつかの実施形態では、製造上の考慮から、異なる階層の接続部分は、図7Cに示されるように、z軸に沿って整列される。様々な実施形態において、異なる階層内の接続部分のいくつかは、z軸に沿って不整合である。すなわち、各階層内の接続部分の特定の位置は、異なる設計要件に従って個別に決定することができる。いくつかの実施形態では、三次元メモリデバイスの他の構成要素を調整して、動作中に所望のワード線に電気信号を印加することができる。例えば、所望のワード線を選択し、ワード線に電気信号/バイアスを印加するように、外部回路をプログラムまたは調整することができる。他の適切な手段を適用することもできる。
【0079】
図10は、三次元メモリデバイスの別の例示的な構造1000の上面図1001を示している。構造900とは異なり、構造1000は、各階層のワード線を共有される金属コンタクトビア(複数可)と導電的に接続するために、各階層内に2つ以上の接続部分を含む。例示を目的として、各階層(232−1、232−2、232−3、および232−4)について1つの金属コンタクトビアが示されている。ゲート線スリット221および222の各々は、実質的にy軸に沿って2つ以上の開口部を含み、結果、2つ以上の接続部分(例えば、領域B1、B2、B3、B4、およびB5内の)が実質的にy軸に沿って形成される。接続部分のスタックは、ゲート線スリットの開口部の位置において垂直に(z軸に沿って)形成されるため、図10では、第1の階層のワード線(すなわち、231−1−wln(n=1〜3))は、4つの接続部分223、224、225、229によって導電的に接続され、第2の階層のワード線(すなわち、231−2−wln(n=1〜3))は、6つの接続部分223、224、225、229、226、および230によって導電的に接続され、第3の階層のワード線(すなわち、231−3−wln(n=1〜3))は、8つの接続部分223、224、225、229、226、230、227、および231によって導電的に接続され、第4の階層のワード線(すなわち、231−4−wln(n=1〜3))は、10個の接続部分223、224、225、229、226、230、227、231、228、および232によって導電的に接続される。ワード線の階層内の接続部分の数を増やすことによって、所望のワード線をより効果的に接続し、ワード線間の接続障害の可能性を減らすことができる。様々な実施形態では、金属コンタクトビアの総数は、ワード線の総数よりも少ない。したがって、金属コンタクトビアの数を減らすことができ、三次元メモリデバイスの製造を単純化することができる。三次元メモリデバイス内のスペースをより効率的に利用することができる。
【0080】
説明を容易にするために、異なるフィンガの間に形成された接続部分は、実質的にx軸に沿って整列している。様々な他の実施形態では、異なるフィンガの間に形成された接続部分は、x軸に沿ってずらし、または不整合にすることもできる。例えば、図10では、接続部分223および224は、x軸に沿って互いに整列してもよく、またはしなくてもよい。様々な設計および用途において、接続部分の数および位置は、異なる設計規則に従って変化する可能性があり、本開示の実施形態によって限定されるべきではない。
【0081】
図11は、いくつかの実施形態による、三次元メモリデバイスを形成するための例示的な方法1100の図である。説明のために、方法1100に示される動作は、図2図9の文脈で説明される。本開示の様々な実施形態において、方法1100の動作は、異なる順序で実行されてもよく、および/または変化してもよい。
【0082】
動作1101において、基板を提供することができる。図2Aおよび図2Bは、この動作における例示的な基板を示している。基板は、ベース基板および基板の上の材料層を含むことができる。ベース基板は、三次元構造を形成するための任意の適切な材料を含むことができる。例えば、ベース基板は、シリコン、シリコンゲルマニウム、炭化ケイ素、シリコンオンインシュレータ(SOI)、ゲルマニウムオンインシュレータ(GOI)、ガラス、窒化ガリウム、ヒ化ガリウム、および/または他の適切なIII−V族化合物を含むことができる。いくつかの実施形態では、材料層は、ベース基板上に垂直方向に沿って配置された犠牲材料層と絶縁材料層との交互スタックを含むことができる。いくつかの実施形態では、犠牲材料層は窒化ケイ素を含み、絶縁材料層は酸化ケイ素を含む。
【0083】
動作1102において、ベース基板上に水平方向に延伸する複数のワード線、および、2つ以上のワード線を導電的に接続する少なくとも1つの接続部分を形成することができる。図3A図3B図4A図4B図5A図5B図6A図6B図7A図7C図8A図8B図9A、および図9Bは、この動作における例示的な構造を示している。図3Aおよび図3Bを参照すると、階段構造を有する交互スタックは、動作1101において提供された基板から形成することができる。複数の交互に積層された犠牲層/絶縁層の対をスタック内に形成することができる。各犠牲層の上面の一部分を露出させることができ、それぞれの絶縁層を犠牲層の下に置くことができる。さらに、図4Aおよび図4Bに示されるように、複数の半導体チャネルを、スタックを通じて実質的にベース基板へと形成することができる。半導体チャネルは各々、少なくとも誘電体コア、半導体チャネル膜、およびメモリ膜を含むことができる。半導体チャネルは、適切な堆積方法を使用して、メモリ膜、半導体チャネル膜、および誘電体コアを連続的に堆積することにより形成することができる。
【0084】
さらに、図5A図5B図6A、および図6Bを参照すると、スタックを複数のフィンガに分割するために、スタックを通る垂直トレンチを水平方向に沿って形成することができる。垂直トレンチは、引き続いて、ゲート線スリットを形成することができる。垂直トレンチの少なくとも1つは、同じ階層の隣接するフィンガの犠牲層/絶縁層の対を接続するために、水平方向に沿って1つまたは複数の開口部を含む。垂直トレンチは、スタックの上にマスクをパターニングし、マスクによって露出されたスタックの部分をエッチングすることにより形成することができる。さらに、水平トレンチを形成することができるように、スタック内の犠牲層を適切な等方性エッチングプロセスを使用して除去することができる。水平トレンチは、残っている絶縁層および半導体チャネルの側壁部分を露出させることができる。
【0085】
さらに、図7A図7Cを参照すると、ゲート材料を堆積させて水平トレンチを充填することができ、ゲート材料層を各絶縁層上に形成することができる。異なるフィンガ内に堆積されたゲート材料層の部分は、後続のステップにおいてワード線を形成することができる。垂直トレンチの開口部の位置にあるゲート材料層の部分は、開口部に隣接する、引き続いて形成されるワード線を導電的に接続する接続部分を形成することができる。いくつかの実施形態において、ゲート材料は、タングステン、アルミニウム、および銅のうちの1つまたは複数を含み、CVD、スパッタリング、および/またはALDなどの任意の適切な堆積方法によって堆積され得る。さらに、図8Aおよび図8Bを参照すると、適切な誘電材料を垂直トレンチ内に堆積させることにより、ゲート線スリットを形成することができる。誘電体材料が堆積された後、リセスエッチングおよび/またはCMPプロセスを使用して、スタックの上面を平坦化することができる。
【0086】
さらに、図9Aおよび図9Bを参照すると、スタックの側壁上の余剰ゲート材料を除去することができ(例えば、適切なエッチングプロセスにより)、結果、異なるフィンガ内で水平方向に沿ってワード線を形成することができる。いくつかの実施形態では、スタックは、水平に整列した複数のフィンガを含むことができ、各フィンガは、垂直に積層された複数のワード線を含む。複数のワード線のうちの1つまたは複数は、1つまたは複数の接続部分を通じて同じ階層の他のワード線に導電的に接続することができる。いくつかの実施形態では、各階層のワード線は、1つまたは複数の導電部分を通じて導電的に接続される。
【0087】
動作1103において、ワード線上に金属コンタクトビアを形成することができる。図9Aおよび図9Bは、この動作の例示的な構造を示している。接続されたワード線を外部回路と導電的に接続するために、接続されたワード線上に1つまたは複数の金属コンタクトビアを形成することができる。いくつかの実施形態では、同じ階層のワード線が導電的に接続され、ワード線の1つの上に1つの金属コンタクトビアが形成される。
【0088】
様々な実施形態では、形成される金属コンタクトビアの総数は、ワード線の総数よりも少ない。したがって、金属コンタクトビアの数を減らすことができ、三次元メモリデバイスの製造を単純化することができる。三次元メモリデバイスの体積をさらに削減することができ、三次元メモリデバイス内の空間をより効率的に利用することができる。
【0089】
本開示は、三次元NANDメモリデバイスおよび製造方法の様々な実施形態を説明する。いくつかの実施形態では、三次元メモリデバイスは、基板と、基板上で第1の方向に沿って延伸する第1の複数の導体層を含む第1の長さの導体層から成る第1の階層を含む。第1の方向は、基板の上面に実質的に平行である。メモリデバイスはまた、第1の階層の2つ以上の導体層を導電的に接続する少なくとも1つの接続部分と、第1の階層の接続されている導体層によって導電的に共有され、第1の金属相互接続に接続される第1の金属コンタクトビアも含む。
【0090】
いくつかの実施形態では、三次元メモリデバイスを形成する方法は、基板を提供することと、基板上に交互スタックを形成することであって、交互スタックは、基板の上面に実質的に平行な第1の方向に沿って延伸する犠牲層/絶縁層対の複数の階層を含む、交互スタックを形成することと、交互スタックに基づいて、第1の方向に沿って延伸する導体層の複数の階層を形成することと、導体層の複数の階層のうちの2つ以上の導体層を導電的に接続する少なくとも1つの接続部分を形成することと、接続された導体層によって導電的に共有される少なくとも1つの金属コンタクトビアを形成することであって、少なくとも1つの金属コンタクトビアは少なくとも1つの金属相互接続に接続される、少なくとも1つの金属コンタクトビアを形成することとを含む。
【0091】
いくつかの実施形態では、三次元メモリデバイスは、基板と、複数の半導体チャネルであって、複数の半導体チャネルの各々の1つの端部は、基板の上面に実質的に垂直な方向に延伸する、複数の半導体チャネルと、複数の半導体チャネルの各々の端部の上のドレイン領域と、複数の電荷蓄積領域であって、各電荷蓄積領域は、複数の半導体チャネルのそれぞれによって囲まれている、複数の電荷蓄積領域と、基板内のソース領域とを含む。三次元メモリデバイスはまた、各々が複数の半導体チャネルの各々のそれぞれの端部の上にある複数のビット線と、基板の上面に実質的に平行な方向に沿って延伸し、上側選択ゲート、下側選択ゲート、および上側ワード線と下側選択ゲートとの間の複数のワード線を含む複数のワード線と、複数の金属コンタクトビアを通る複数のワード線に接続する複数の金属コンタクトビアと、複数のビット線の上方のドライバ回路とをも含む。基板の上の実質的に同じ高さの複数のワード線のうちの2つ以上は、実質的に同じ高さの少なくとも1つの接続部分を通じて導電的に接続される。複数のワード線の2つ以上は、それぞれの金属相互接続に電気的に接続する金属コンタクトビアを共有し、金属コンタクトビアは複数のワード線の上記2つ以上のうちの1つの上に形成される。
【0092】
特定の実施形態の前述の説明は、本開示の一般的性質を十分に明らかにするため、当業者は、当該技術分野の技能の範囲内の知識を適用することにより、過度の実験なしに、本開示の一般的な概念から逸脱することなく、そのような特定の実施形態を容易に変更し、および/または、当該実施形態を様々な用途に適合させることができる。したがって、そのような適合および変更は、本明細書に提示された教示および案内に基づいて、開示された実施形態の等価物の意味および範囲内にあることを意図している。本明細書の語法または用語は説明のためのものであり、限定するものではなく、結果、本明細書の用語または語法は、教示および案内に照らして当業者によって解釈されるべきであることを理解されたい。
【0093】
本開示の実施形態は、特定の機能の実施態様および特定の機能の実施態様の関係を示す機能的構成要素を用いて上記で説明されてきた。これらの機能的構成要素の境界は、説明の便宜上、本明細書において任意最良で画定されている。指定された機能と指定された機能の関係が適切に実行される限り、代替の境界が画定されてもよい。
【0094】
概要および要約のセクションは、発明者(複数可)によって企図される本開示のすべてではないが1つまたは複数の例示的な実施形態を記載し得、したがって、本開示および添付の特許請求の範囲を限定することは決して意図されていない。
【0095】
本開示の幅および範囲は、上記の例示的な実施形態のいずれによっても限定されるべきではなく、添付の特許請求の範囲および特許請求の範囲の等価物に従ってのみ定義されるべきである。
図1
図2A
図2B
図3A
図3B
図4A
図4B
図5A
図5B
図6A
図6B
図7A
図7B
図7C
図8A
図8B
図9A
図9B
図10
図11