特許第6872432号(P6872432)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6872432自動計量組み合せ装置及び自動計量組み合せ方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6872432
(24)【登録日】2021年4月21日
(45)【発行日】2021年5月19日
(54)【発明の名称】自動計量組み合せ装置及び自動計量組み合せ方法
(51)【国際特許分類】
   G01G 19/387 20060101AFI20210510BHJP
【FI】
   G01G19/387 F
【請求項の数】11
【全頁数】15
(21)【出願番号】特願2017-115239(P2017-115239)
(22)【出願日】2017年6月12日
(65)【公開番号】特開2019-2705(P2019-2705A)
(43)【公開日】2019年1月10日
【審査請求日】2020年5月8日
(73)【特許権者】
【識別番号】000148357
【氏名又は名称】株式会社前川製作所
(74)【代理人】
【識別番号】110000785
【氏名又は名称】誠真IP特許業務法人
(72)【発明者】
【氏名】豊嶋 勝美
(72)【発明者】
【氏名】赤間 知明
(72)【発明者】
【氏名】赤羽根 元
(72)【発明者】
【氏名】樋口 清志
【審査官】 谷垣 圭二
(56)【参考文献】
【文献】 特開2013−250232(JP,A)
【文献】 特開2004−294343(JP,A)
【文献】 特開2003−028702(JP,A)
【文献】 特開2012−112758(JP,A)
【文献】 特開2003−156383(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01G 19/387
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
計量対象物供給部から複数のグループに分けられて断続的に供給される計量対象物の重量を測定可能な入口側計量部と、
回転軸の回りに周方向に配列され、前記回転軸の回りを旋回しながら前記入口側計量部で重量が測定された前記計量対象物を受け取り可能な複数の旋回ホッパと、
前記複数の旋回ホッパから前記計量対象物を受け取り可能な複数の固定ホッパであって、前記計量対象物を複数回に亘って受け取ることで許容範囲の重量となる前記計量対象物の集合体を形成可能であり、かつ受け取った前記計量対象物の集合体を排出可能な複数の固定ホッパと、
前記複数の旋回ホッパから前記複数の固定ホッパに供給されない前記計量対象物を受け取り、前記計量対象物供給部に戻すための戻し部と、
前記入口側計量部によって測定された前記計量対象物の重量の測定値に基づいて、前記旋回ホッパに収容された前記計量対象物を選択的に前記複数の固定ホッパ又は前記戻し部に供給するための制御部と、
を備え、
前記制御部は、
前記複数の固定ホッパの中から前記許容範囲の重量となる前記計量対象物の集合体を形成可能な固定ホッパを選択し、選択された固定ホッパに前記計量対象物の集合体が供給されるように構成され、
かつ、前記戻し部に排出される前記計量対象物の割合が第1閾値以上となったとき、前記複数の旋回ホッパの旋回速度を増加させるように構成されることを特徴とする自動計量組み合せ装置。
【請求項2】
前記制御部は、
前記戻し部に排出される前記計量対象物の割合が第1閾値以上となったとき、前記複数の旋回ホッパの旋回速度を増加させると共に、前記複数の旋回ホッパに供給される前記計量対象物の供給量を変えないように構成されることを特徴とする請求項1に記載の自動計量組み合せ装置。
【請求項3】
前記制御部は、
前記戻し部に排出される前記計量対象物の割合が第2閾値未満となったとき、前記複数の旋回ホッパの旋回速度を低減させるように構成されることを特徴とする請求項1又は2に記載の自動計量組み合せ装置。
【請求項4】
前記制御部は、
前記戻し部に排出される前記計量対象物の割合が第3閾値以上となったとき、前記許容範囲の上限値を増加させるように構成されることを特徴とする請求項1乃至3の何れか一項に記載の自動計量組み合せ装置。
【請求項5】
前記制御部は、
前記戻し部に排出される前記計量対象物の割合が第4閾値未満となったとき、前記許容範囲の上限値を低減させるように構成されることを特徴とする請求項1乃至4の何れか一項に記載の自動計量組み合せ装置。
【請求項6】
前記第3閾値は前記第1閾値より大きいことを特徴とする請求項に記載の自動計量組み合せ装置。
【請求項7】
計量対象物供給部から複数のグループに分けられて断続的に供給される複数の計量対象物の重量を測定する入口側計量ステップと、
回転軸の回りに周方向に配列された複数の旋回ホッパを用意し、前記入口側計量ステップで重量が測定された前記計量対象物を前記複数の旋回ホッパが旋回しながら前記グループ毎に受け取る計量準備ステップと、
前記複数の旋回ホッパから前記計量対象物を受け取る複数の固定ホッパを用意し、該複数の固定ホッパのうち、前記複数の旋回ホッパから複数回に亘って前記計量対象物を受け取ることによって許容範囲の重量となる前記計量対象物の集合体を形成可能な前記固定ホッパを選択する選択ステップと、
選択された前記固定ホッパに前記許容範囲の重量となる前記計量対象物の前記集合体を供給し、かつ前記固定ホッパから該集合体を排出する計量排出ステップと、
前記複数の旋回ホッパから前記複数の固定ホッパに受け渡されない前記計量対象物を前記複数の旋回ホッパから排出して前記計量対象物供給部に戻す戻しステップと、
前記戻しステップで前記計量対象物供給部に戻される前記計量対象物の割合が第1閾値以上となったとき、前記複数の旋回ホッパの旋回速度を増加させる旋回速度増加ステップと、
を備えることを特徴とする自動計量組み合せ方法。
【請求項8】
前記戻しステップで前記計量対象物供給部に戻される前記計量対象物の割合が第1閾値以上となったとき、前記複数の旋回ホッパの旋回速度を増加させると共に、前記複数の旋回ホッパに供給される前記計量対象物の供給量を変えないことを特徴とする請求項7に記載の自動計量組み合せ方法。
【請求項9】
前記戻しステップで前記計量対象物供給部に戻される前記計量対象物の割合が第2閾値未満となったとき、前記複数の旋回ホッパの旋回速度を低減させる旋回速度低減ステップを備えることを特徴とする請求項7又は8に記載の自動計量組み合せ方法。
【請求項10】
前記戻しステップで前記計量対象物供給部に戻される前記計量対象物の割合が第3閾値以上となったとき、前記許容範囲の上限値を増加させる上限値増加ステップを備えることを特徴とする請求項7乃至9の何れか一項に記載の自動計量組み合せ方法。
【請求項11】
前記戻しステップで前記計量対象物供給部に戻される前記計量対象物の割合が第4閾値未満となったとき、前記許容範囲の上限値を低減させる上限値低減ステップを備えることを特徴とする請求項7乃至10の何れか一項に記載の自動計量組み合せ方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、計量対象物を組み合わせて所望の重量にすることができる自動計量組み合せ装置及び自動計量組み合せ方法に関する。
【背景技術】
【0002】
自動計量組み合せ装置は、重量が異なる複数の計量対象物の重量を測定し、重量を測定した計量対象物のうちから総重量が許容範囲に入るように計量対象物を選択して組み合わせる。
例えば、特許文献1が開示する自動計量組み合せ装置は、断続的に供給される計量対象物の重量を測定する計量コンベアと、この計量コンベアで重量が測定された計量対象物を受け取る複数の旋回ホッパと、これら旋回ホッパから計量対象物を複数回受け取ることで許容範囲の重量となった計量対象物の集合体を形成し排出する複数の固定ホッパと、固定ホッパに受け渡されない計量対象物を受け取る戻しホッパと、を備える。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2013−250232号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1には、許容範囲の重量とならずに戻しホッパに戻される計量対象物の集合体が多く発生したときに、装置の処理効率の低下を抑制する手段は開示されていない。
【0005】
一実施形態に係る目的は、上記課題に鑑み、自動計量組み合せを行うときに、許容範囲の重量に入らない計量対象物が発生しても、装置の処理効率の低下を抑制可能にすることにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
(1)一実施形態に係る自動計量組み合せ装置は、
計量対象物供給部から複数のグループに分けられて断続的に供給される計量対象物の重量を測定可能な入口側計量部と、
回転軸の回りに周方向に配列され、前記回転軸の回りを旋回しながら前記入口側計量部で重量が測定された前記計量対象物を受け取り可能な複数の旋回ホッパと、
前記複数の旋回ホッパから前記計量対象物を受け取り可能な複数の固定ホッパであって、前記計量対象物を複数回に亘って受け取ることで許容範囲の重量となる前記計量対象物の集合体を形成可能であり、かつ受け取った前記計量対象物の集合体を排出可能な複数の固定ホッパと、
前記複数の旋回ホッパから前記複数の固定ホッパに供給されない前記計量対象物を受け取り、前記計量対象物供給部に戻すための戻し部と、
前記入口側計量部によって測定された前記計量対象物の重量の測定値に基づいて、前記旋回ホッパに収容された前記計量対象物を選択的に前記複数の固定ホッパ又は前記戻し部に供給するための制御部と、
を備え、
前記制御部は、
前記複数の固定ホッパの中から前記許容範囲の重量となる前記計量対象物の集合体を形成可能な固定ホッパを選択し、選択された固定ホッパに前記計量対象物の集合体が供給されるように構成され、
かつ、前記戻し部に排出される前記計量対象物の割合が第1閾値以上となったとき、前記複数の旋回ホッパの旋回速度を増加させるように構成される。
【0007】
上記(1)の構成によれば、上記制御部によって選択された固定ホッパに許容範囲の重量となる計量対象物の集合体を供給することで、許容範囲の重量の該集合体(以下「合格品」とも言う。)が形成可能になる。この集合体を固定ホッパから排出することで、許容範囲の重量の集合体を得ることができる。
また、固定ホッパに供給されない計量対象物を旋回ホッパから上記戻し部に排出することで、旋回ホッパに滞留した計量対象物を除去するための処置が不要になり、装置を停止させずに連続運転が可能になる。
また、上記戻し部に排出される計量対象物の割合が第1閾値以上になったとき、上記制御部によって旋回ホッパの旋回速度を増加させることで、固定ホッパへの計量対象物の投入量を増加でき、装置の処理効率の低下を抑制できる。
【0008】
(2)一実施形態では、前記(1)の構成において、
前記制御部は、
前記戻し部に排出される前記計量対象物の割合が第1閾値以上となったとき、前記複数の旋回ホッパの旋回速度を増加させると共に、前記複数の旋回ホッパに供給される前記計量対象物の供給量を変えないように構成される。
上記(2)の構成によれば、合格品の割合が増加し、戻し部に排出される計量対象物の割合を低減できる。
【0009】
(3)一実施形態では、前記(1)の構成において、
前記制御部は、
前記戻し部に排出される前記計量対象物の割合が第2閾値未満となったとき、前記複数の旋回ホッパの旋回速度を低減させるように構成される。
上記(3)の構成によれば、戻し部に排出される計量対象物の集合体の割合が第2閾値未満となったとき、旋回ホッパの旋回速度を低減することで、単位時間当たりの合格品の数を確保しつつ、装置の安定運転が可能になる。
【0010】
(4)一実施形態では、前記(1)〜(3)の何れかの構成において、
前記制御部は、
前記戻し部に排出される前記計量対象物の割合が第3閾値以上となったとき、前記許容範囲の上限値を増加させるように構成される。
上記(4)の構成によれば、戻し部に排出される計量対象物の割合が第3閾値以上になったとき、上記制御部によって、固定ホッパに供給される計量対象物重量の許容範囲の上限値を増加させることで、合格品の歩留まり低下を抑制でき、これによって、装置の処理効率低下を抑制できる。
また、合格品の歩留まりが低下したとき、許容範囲の重量の下限値を変えずに上限値を増加させるようにしたので、当初設定された許容範囲の重量を下回る集合体(以下「不良品」とも言う。)が発生するおそれはなくなる。
【0011】
(5)一実施形態では、前記(1)〜(4)の何れかの構成において、
前記制御部は、
前記戻し部に排出される前記計量対象物の割合が第4閾値未満となったとき、前記許容範囲の重量の上限値を低減させるように構成される。
上記(5)の構成によれば、戻し部に排出される計量対象物の集合体の割合が第5閾値未満となったとき、許容範囲の重量の上限値を低減することで、計量対象物の集合体の計量精度を当初の許容範囲に近づけることができる。
【0012】
(6)一実施形態では、前記(1)〜(5)の何れかの構成において、
前記第3閾値は前記第1閾値より大きい。
上記(6)の構成において、戻し部に排出される計量対象物の集合体の割合が増加し、第1閾値以上となったとき、複数の旋回ホッパの旋回速度を増加させることによって、装置の処理効率の低下を抑制できる。
次に、戻し部に排出される計量対象物の集合体の割合がさらに増加し、第3閾値以上になったとき、許容範囲の重量の上限値を増加させる。
このように、戻し品の割合が増加するにつれて2段階の制御を行うことで、不良品を出さずに装置の処理効率の低下を抑制できる。また、戻し品の割合が低減する過程においても、同様の2段階の制御を行うことで、計量対象物の集合体の計量精度を維持しつつ、合格品数を確保できる。
【0013】
(7)一実施形態に係る自動計量組み合せ方法は、
計量対象物供給部から複数のグループに分けられて断続的に供給される複数の計量対象物の重量を測定する入口側計量ステップと、
回転軸の回りに周方向に配列された複数の旋回ホッパを用意し、前記入口側計量ステップで重量が測定された前記計量対象物を前記複数の旋回ホッパが旋回しながら前記グループ毎に受け取る計量準備ステップと、
前記複数の旋回ホッパから前記計量対象物を受け取る複数の固定ホッパを用意し、該複数の固定ホッパのうち、前記複数の旋回ホッパから複数回に亘って前記計量対象物を受け取ることによって許容範囲の重量となる前記計量対象物の集合体を形成可能な前記固定ホッパを選択する選択ステップと、
選択された前記固定ホッパに前記許容範囲の重量となる前記計量対象物の前記集合体を供給し、かつ前記固定ホッパから該集合体を排出する計量排出ステップと、
前記複数の旋回ホッパから前記複数の固定ホッパに受け渡されない前記計量対象物を前記複数の旋回ホッパから排出して前記計量対象物供給部に戻す戻しステップと、
前記戻しステップで前記計量対象物供給部に戻される前記計量対象物の割合が第1閾値以上となったとき、前記複数の旋回ホッパの旋回速度を増加させる旋回速度増加ステップと、
を備える。
【0014】
上記(7)の方法によれば、上記選択ステップにおいて、選択された固定ホッパに上記許容範囲の重量となる計量対象物の集合体を供給することで、許容範囲の重量の該集合体が形成可能になる。この集合体を固定ホッパから排出することで、許容範囲の重量の集合体を得ることができる。
また、上記戻しステップにおいて、固定ホッパに供給されない計量対象物を旋回ホッパから計量対象物供給部に戻すことで、旋回ホッパに滞留した計量対象物を除去するための処置が不要になり、装置を停止させずに連続運転が可能になる。
また、上記旋回速度増加ステップにおいて、計量対象物供給部に戻される計量対象物の割合が第1閾値以上になったとき、複数の旋回ホッパの旋回速度を増加させることで、固定ホッパへの計量対象物の投入量を増加でき、装置の処理効率の低下を抑制できる。
【0015】
(8)一実施形態では、前記(7)の方法において、
前記戻しステップにおいて、
前記戻し部に排出される前記計量対象物の割合が第1閾値以上となったとき、前記複数の旋回ホッパの旋回速度を増加させると共に、前記複数の旋回ホッパに供給される前記計量対象物の供給量を変えないようにする。
上記(8)の方法によれば、合格品の割合が増加し、戻し部に排出される計量対象物の割合を低減できる。
【0016】
(9)一実施形態では、前記(7)又は(8)の構成において、
前記戻しステップで前記計量対象物供給部に戻される前記計量対象物の割合が第2閾値未満となったとき、前記複数の旋回ホッパの旋回速度を低減させる旋回速度低減ステップを備える。
上記(9)の方法によれば、入口側計量ステップに戻される計量対象物の集合体の割合が第2閾値未満となったとき、旋回ホッパの旋回速度を低減することで、単位時間当たりの合格品の数を確保しつつ、装置の安定運転が可能になる。
【0017】
(10)一実施形態では、前記(7)〜(9)の何れかの方法において、
前記戻しステップで前記計量対象物供給部に戻される前記計量対象物の割合が第3閾値以上となったとき、前記許容範囲の上限値を増加させる上限値増加ステップを備える。
上記(10)の方法によれば、計量対象物供給部に戻される計量対象物の割合が増加したとき、固定ホッパに供給される計量対象物集合体の重量の許容範囲の上限値を増加させることで、合格品の歩留まり低下を抑制でき、これによって、装置の処理効率低下を抑制できる。
【0018】
(11)一実施形態では、前記(7)〜(10)の何れかの方法において、
前記戻しステップで前記計量対象物供給部に戻される前記計量対象物の割合が第4閾値未満となったとき、前記許容範囲の上限値を低減させる上限値低減ステップを備える。
上記(11)の方法によれば、計量対象物供給部に戻される前記計量対象物の割合が第4閾値未満となったとき、前記許容範囲の重量の上限値を低減させることで、計量対象物の集合体の計量精度を当初の許容範囲に近づけることができる。
【発明の効果】
【0019】
一実施形態によれば、計量対象物の自動計量組み合せを行うときに、許容範囲の重量に入らない計量対象物が発生しても、許容範囲の重量に入らない不良品を発生させることなく、装置の処理効率の低下を抑制できる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
図1】一実施形態に係る自動計量組み合せ装置の斜視図である。
図2】一実施形態に係る自動計量組み合せ装置の斜視図である。
図3】一実施形態に係る自動計量組み合せ装置の制御部を示すブロック線図である。
図4】一実施形態に係る自動計量組み合せ方法の工程図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、添付図面を参照して本発明の幾つかの実施形態について説明する。ただし、実施形態として記載され又は図面に示されている構成部品の寸法、材質、形状、その相対的配置等は、本発明の範囲をこれに限定する趣旨ではなく、単なる説明例にすぎない。
例えば、「ある方向に」、「ある方向に沿って」、「平行」、「直交」、「中心」、「同心」或いは「同軸」等の相対的或いは絶対的な配置を表す表現は、厳密にそのような配置を表すのみならず、公差、若しくは、同じ機能が得られる程度の角度や距離をもって相対的に変位している状態も表すものとする。
例えば、「同一」、「等しい」及び「均質」等の物事が等しい状態であることを表す表現は、厳密に等しい状態を表すのみならず、公差、若しくは、同じ機能が得られる程度の差が存在している状態も表すものとする。
例えば、四角形状や円筒形状等の形状を表す表現は、幾何学的に厳密な意味での四角形状や円筒形状等の形状を表すのみならず、同じ効果が得られる範囲で、凹凸部や面取り部等を含む形状も表すものとする。
一方、一つの構成要素を「備える」、「具える」、「具備する」、「含む」、又は「有する」という表現は、他の構成要素の存在を除外する排他的な表現ではない。
【0022】
図1及び図2は、一実施形態に係る自動計量組み合せ装置10を示す。
図1及び図2において、計量対象物供給部から入口側計量部12に複数のグループに分けられた計量対象物が断続的に供給され、入口側計量部12でグループ毎に計量対象物の重量が測定される。複数の旋回ホッパ14が回転軸60の回りに周方向に配列される。旋回ホッパ14は、回転軸60の回りを旋回しながら、入口側計量部12で重量が測定された計量対象物を受け取り可能に構成される。複数の旋回ホッパ14は計量対象物をグループ毎に受け取り、受け取った計量対象物を固定ホッパ16に供給するまで保持する。
複数の固定ホッパ16は、夫々旋回ホッパ14から計量対象物を受け取り可能に構成され、複数回に亘って計量対象物を受け取ることによって許容範囲の重量となった計量対象物の集合体を形成可能であり、かつ受け取った計量対象物の集合体を排出可能に構成されている。
【0023】
旋回ホッパ14から固定ホッパ16に供給されない計量対象物は戻し部18に排出される。戻し部18に排出された計量対象物は、戻し部18から計量対象物供給部に戻すことができるように構成されている。
【0024】
図3は自動計量組み合せ装置10の制御部20を示す。制御部20は、入口側計量部12によって測定された計量対象物の重量の測定値に基づいて、複数の旋回ホッパ14に収容された計量対象物が選択的に複数の固定ホッパ16のどれか又は戻し部18に供給されるように作動する。
即ち、制御部20は、複数の固定ホッパ16の中から、予め定められた許容範囲の重量となる計量対象物の集合体を形成可能な固定ホッパ16を選択し、選択された固定ホッパ16に許容範囲の重量となる計量対象物の集合体が供給されるように作動する。また、制御部20は、固定ホッパ16に排出されない計量対象物を戻し部18に排出するように作動する。
さらに、制御部20は、戻し部18に排出される計量対象物の割合が第1閾値以上となったとき、旋回ホッパ14の旋回速度を増加させるように作動する。
【0025】
上記構成によれば、制御部20によって選択された固定ホッパ16に許容範囲の重量となる計量対象物の集合体を供給することで、選択された固定ホッパ16に許容範囲の重量となる計量対象物の集合体(合格品)が形成可能になる。この集合体を固定ホッパ16から排出することで、許容範囲の重量となる合格品を送り出すことができる。
また、固定ホッパ16に供給されない計量対象物を旋回ホッパ14から戻し部18に排出することで、旋回ホッパ14に滞留した計量対象物を除去するための処置が不要となり、装置10を停止させずに連続運転が可能になる。
【0026】
また、戻し部18に排出される計量対象物の割合が第1閾値以上になったとき、制御部20によって旋回ホッパ14の旋回速度を増加させることで、固定ホッパ16への計量対象物の投入量を増加でき、装置10の処理効率の低下を抑制できる。
また、複数の旋回ホッパ14を水平方向に沿って旋回させながら計量対象物を固定ホッパ16に供給できる。
【0027】
一実施形態では、制御部20は、各旋回ホッパ14に収容された計量対象物の重量が他の旋回ホッパ14の計量対象物の重量との組合せで許容範囲とならないと判定したとき、その旋回ホッパ14に収容された計量対象物を戻し部18に排出させるように作動する。
この実施形態によれば、旋回ホッパ14の1つに収容された計量対象物の重量が他の第旋回ホッパ14の計量対象物の重量との組合せで許容範囲とならず、固定ホッパ16の1つに供給される見込みがない計量対象物を戻し部18に排出することで、装置10を停止させずに連続運転が可能になる。
【0028】
一実施形態では、制御部20は、戻し部18に排出される前記計量対象物の割合が第1閾値以上となったとき、複数の旋回ホッパ14の旋回速度を増加させると共に、複数の旋回ホッパ14に供給される計量対象物の供給量を変えないようにする。これによって、合格品の割合が増加し、戻し部18に排出される計量対象物の割合を低減できる。
【0029】
一実施形態では、計量対象物は、個体毎に重量にばらつきがあるものであり、例えば、鶏肉などであり、計量対象物が肉片の場合、冷凍肉であっても生肉であってもよい。また、計量対象物は、一定の大きさ及び形状を有する物品のみならず、バラ物、例えば粒状物をグループ分けしたものの自動計量にも適用できる。
【0030】
一実施形態では、図1及び図2に示すように、装置10は、供給用傾斜ベルトコンベア22を備え、供給用傾斜ベルトコンベア22は一定間隔で桟24を有する。投入ホッパ21に投入された計量対象物は、桟24によって一定間隔を保ちながら供給用傾斜ベルトコンベア22で搬送され、計量前ベルトコンベア26に落下する。
計量前ベルトコンベア26に落下した計量対象物は、一定間隔を保ったまま入口側計量部12としての入口側計量ベルトコンベアに移送される。計量前ベルトコンベア26と該入口側計量ベルトコンベアとの境界には計量対象物を検出するための物品検出センサ27が設けられる。計量対象物は、該入口側計量ベルトコンベアから一定の時間間隔で待機ホッパ28に落下し、待機ホッパ28から投入ホッパ30を経て旋回ホッパ14に供給される。
一実施形態では、計量対象物供給部は投入ホッパ21である。
【0031】
一実施形態では、図1及び図2に示すように、供給用傾斜ベルトコンベア22、計量前ベルトコンベア26、待機ホッパ28、投入ホッパ30及び旋回ホッパ14(14a、14b)は、夫々2列に配置され、各列で独立して計量対象物を搬送しかつ搬送速度を制御できる。
【0032】
一実施形態では、図1及び図2に示すように、許容範囲の重量となって各固定ホッパ16に収容された計量対象物の集合体(合格品)は、各固定ホッパ16から排出され、搬送用ベルトコンベア32に載置される。その後、計量対象物の集合体は、搬送用ベルトコンベア32で搬送され、振分けホッパ34を介して出口側計量ベルトコンベア36に載置され、出口側計量ベルトコンベア36で重量を測定される。合格品は出口側計量ベルトコンベア36から搬出用傾斜ベルトコンベア38に移送される。
万一、出口側計量ベルトコンベア36で許容範囲の重量でない計量対象物の集合体があったときは、制御部20によって出口側計量ベルトコンベア36が逆方向へ動き、合格品から除外される。
【0033】
一実施形態では、図2に示すように、戻し部18は戻しホッパ40及び戻しベルトコンベア42等で構成される。固定ホッパ16に供給されずに旋回ホッパ14に残った計量対象物は、戻しホッパ40を介して戻しベルトコンベア42に載置され、戻しベルトコンベア42から投入ホッパ21(計量対象物供給部)に戻される。
【0034】
一実施形態では、待機ホッパ28(28a、28b)は、計量対象物を受け入れる上端開口と計量対象物を落下させる下端開口とを有する。該下端開口には該下端開口を開閉する下側扉(不図示)及び該下側扉を開閉するアクチュエータ50(図3参照)が設けられ、アクチュエータ50の作動は制御部20によって制御される。
【0035】
一実施形態では、投入ホッパ30は下側開口を開閉する下側扉(不図示)を有し、該下側扉は、旋回ホッパ14に設けられたカム機構(不図示)によって、投入ホッパ30の真下に旋回ホッパ14が位置した時開放されて計量対象物が旋回ホッパ14に供給される。
【0036】
一実施形態では、旋回ホッパ14は下側開口を開閉する下側扉(不図示)を有し、該下側扉は固定ホッパ16に設けられたカム機構(不図示)によって、旋回ホッパ14の真下に固定ホッパ16が位置した時開放されて計量対象物が固定ホッパ16に落下する。
また、旋回ホッパ14の真下に固定ホッパ16が位置した時、上記カム機構を切り替えて上記下側扉の開閉を選択可能にするアクチュエータ52(図3参照)を備える。
制御部20は、アクチュエータ52の作動を制御することで、旋回ホッパ14から固定ホッパ16に計量対象物を供給する際に、計量対象物を供給する固定ホッパ16を選択できる。
【0037】
一実施形態では、固定ホッパ16は、旋回ホッパ14から計量対象物を受け取る上側開口と、収容された計量対象物の集合体を落下させる下側開口とを有し、該下側開口を開閉する下側扉(不図示)を備える。該下側扉はアクチュエータ54(図3参照)によって開閉される。アクチュエータ54の作動は制御部20によって制御される(上述の待機ホッパ28、投入ホッパ30、旋回ホッパ14及び固定ホッパ16の下側扉の開閉機構の詳細は特許文献1を参照)。
【0038】
一実施形態では、制御部20は、戻し部18に排出される計量対象物の割合が第2閾値未満となったとき、旋回ホッパ14の旋回速度を低減させる。
この実施形態によれば、戻し部18に排出される計量対象物の集合体の割合が第2閾値未満となったとき、旋回ホッパ14への計量対象物の供給量を低減することで、単位時間当たりの合格品の数を確保しつつ、装置10の安定運転が可能になる。
【0039】
一実施形態では、第2閾値は上記第1閾値より小さい値に設定される。この場合、戻し部18に排出される計量対象物の割合が第1閾値以上になったとき、旋回ホッパ14の旋回速度を増加し、その後、戻し部18に排出される計量対象物の割合が第1閾値より小さい値を有する第2閾値未満になったら、旋回ホッパ14の旋回速度を低減し、例えば当初の旋回速度に戻すようにしてもよい。
【0040】
一実施形態では、図1及び図2に示すように、複数の固定ホッパ16は、水平面内で円弧状に配置された複数の旋回ホッパ14の下方に、平面視で複数の旋回ホッパ14に重なるように水平面内で円弧状に配置される。これによって、旋回ホッパ14と固定ホッパ16との位置合わせが容易になり、旋回ホッパから固定ホッパへの計量対象物の供給が容易になる。
【0041】
一実施形態では、図1及び図2に示すように、5個の固定ホッパ16が設けられる。
この実施形態によれば、5個の固定ホッパ16に供給される計量対象物の集合体の重量の許容範囲を夫々異ならせることで、異なる5種類の重量を有する計量対象物の集合体を得ることができる。
【0042】
一実施形態では、制御部20は、戻し部18に排出される計量対象物の割合が第3閾値以上となったとき、固定ホッパ16に供給される計量対象物集合体の重量の許容範囲の上限値を増加させるようにする。
この実施形態によれば、上記許容範囲の上限値を増加させることで、合格品の歩留まり低下を抑制でき、これによって、装置10の処理効率の低下を抑制できる。
【0043】
一実施形態では、制御部20は、戻し部18に排出される計量対象物の割合が第4閾値未満となったとき、上記許容範囲の重量の上限値を低減させる。
この実施形態によれば、戻し部18に排出される計量対象物の集合体の割合が減少したとき、許容範囲の重量の上限値を低減することで、計量対象物の集合体の計量精度を当初の許容範囲に近づけることができる。
【0044】
一実施形態では、第4閾値は第3閾値より小さい値に設定される。この場合、戻し部18に排出される計量対象物の割合が第3閾値以上になったとき、許容範囲の重量の上限値を増加し、その後、戻し部18に排出される計量対象物の割合が第3閾値より小さい値を有する第4閾値未満になったら、許容範囲の重量の上限値を低減し、例えば当初の上限値に戻すようにしてもよい。
これによって、合格品の歩留まり低下を抑制しつつ、装置10の安定運転が可能になる。
【0045】
一実施形態では、第3閾値は第1閾値より大きい。この場合、戻し部18に排出される計量対象物の集合体の割合が増加し、第1閾値以上となったとき、旋回ホッパ14の旋回速度を増加させる。次に、戻し部18に排出される計量対象物の集合体の割合がさらに増加し、第3閾値以上になったとき、許容範囲の重量の上限値を増加させる。
このように、戻し品の割合が増加するにつれて2段階の制御を行うことで、不良品を出さずに装置10の処理効率の低下を抑制できる。また、戻し品の割合が低減する過程においても、同様の2段階の制御を行うことで、計量対象物の集合体の計量精度を維持しつつ、合格品数を確保できる。
【0046】
一実施形態では、計量対象物はグループ毎に複数の旋回ホッパ14に無選択に順々に供給されるように構成される。
この実施形態によれば、計量対象物を複数の旋回ホッパ14に無選択に順々に供給できるので、計量対象物を複数の旋回ホッパ14に供給する速度を高めることができ、これによって、装置10の処理効率を向上できる。
【0047】
一実施形態では、制御部20によって待機ホッパ28の下側扉を開閉するアクチュエータ50を制御し、該下側扉を常に開放しておき、かつ待機ホッパ28に計量対象物を投入するタイミングと、旋回ホッパ14が投入ホッパ30の真下に位置するタイミングとを同期させることで、旋回ホッパ14への無選択な計量対象物の供給が可能になる。
【0048】
図4は、一実施形態に係る自動計量組み合せ方法を示す工程図である。
図4において、まず、計量対象物供給部から入口側計量部12に複数のグループに分けられ所定間隔で計量対象物が供給される。必要に応じて、計量前ベルトコンベア26と入口側計量部12としての入口側計量ベルトコンベアとの境界に設けられた物品検出センサ27で、該入口側計量ベルトコンベアに搬入される計量対象物を検出する(計量対象物検出ステップS10)。
次に、入口側計量部12では、複数のグループに分けられて断続的に供給される複数の計量対象物の重量を測定する(入口側計量ステップS12)。
一実施形態では、物品検出センサ27の検出信号をトリガとして、入口側計量部12において断続的に供給される計量対象物の重量が測定される。
【0049】
次に、回転軸60の回りに周方向に配列された複数の旋回ホッパ14が、旋回しながら入口側計量ステップS12で重量が測定された計量対象物をグループ毎に受け取る(計量準備ステップS14)。
一実施形態では、図1に示すように、入口側計量部12で重量が測定された計量対象物は、待機ホッパ28及び投入ホッパ30を経て複数の旋回ホッパ14に投入される。
【0050】
一実施形態では、制御部20によって待機ホッパ28の下側扉を開閉するアクチュエータ50を制御して該下側扉を常に開放しておき、かつ待機ホッパ28に計量対象物を投入するタイミングと、旋回ホッパ14が投入ホッパ30の真下に位置するタイミングとを同期させることで、旋回ホッパ14への無選択な計量対象物の供給が可能になる。
【0051】
計量準備ステップS14の後で、複数の旋回ホッパ14から計量対象物を受け取る位置にある複数の固定ホッパ16では、複数の固定ホッパ16のうち、複数の旋回ホッパ14から複数回に亘って計量対象物を受け取ることによって許容範囲の重量となる計量対象物の集合体を形成可能な固定ホッパ16を選択する(選択ステップS16)。
次に、計量排出ステップS20においては、選択された固定ホッパ16に許容範囲の重量となる計量対象物の集合体を供給し(分配ステップS24)、許容範囲の重量となる計量対象物の集合体を収容した固定ホッパ16から該集合体を排出する(排出ステップS26)。
【0052】
他方、旋回ホッパ14から固定ホッパ16に受け渡されない計量対象物を旋回ホッパ14から排出して入口側計量ステップS12に戻す(戻しステップS22)。
さらに、戻しステップS22で入口側計量ステップS12に戻される計量対象物の割合が第1閾値(例えば20%)以上となったとき(第1閾値ステップS23)、複数の旋回ホッパ14の旋回速度を増加させる(旋回速度増加ステップS28)。
【0053】
上記方法によれば、選択ステップS16において、選択された固定ホッパ16に許容範囲の重量となる計量対象物の集合体を供給することで、許容範囲の重量の該集合体が形成可能になる。この集合体を固定ホッパ16から排出することで、許容範囲の重量の集合体を得ることができる。
また、戻しステップS22において、固定ホッパ16に供給されない計量対象物を旋回ホッパ14から計量対象物供給部に戻すことで、旋回ホッパ14に滞留した計量対象物を除去するための処置が不要になり、装置10を停止させずに連続運転が可能になる。
【0054】
また、旋回速度増加ステップS28において、計量対象物供給部に戻される計量対象物の割合が第1閾値以上になったとき、複数の旋回ホッパ14の旋回速度を増加させる。
また、複数の旋回ホッパ14を水平方向に沿って旋回させながら計量対象物を固定ホッパ16に供給できるため、装置の全高を低減でき、装置をコンパクト化できる。
さらに、旋回ホッパ14の下方に静止した固定ホッパ16を配置することで、旋回ホッパ14から固定ホッパ16への計量対象物の供給が容易になる。
【0055】
一実施形態では、ステップS18において、選択ステップS16で固定ホッパ16が選択された計量対象物は、選択された固定ホッパ16に分配され(分配ステップS24)、固定ホッパ16に分配されなかった計量対象物は計量対象物供給部(例えば図1に示す投入ホッパ21)に戻される(戻しステップS22)。固定ホッパ16に分配された計量対象物の集合体は、図1に示す搬送用ベルトコンベア32に排出される(排出ステップS26)。
【0056】
一実施形態では、戻しステップS22において、旋回速度増加中に計量対象物供給部に戻される計量対象物の割合が第2閾値(例えば15%)未満となったとき(第2閾値ステップS25)、複数の旋回ホッパ14の旋回速度を低減させる(旋回速度低減ステップS30)。
この実施形態によれば、入口側計量ステップS12に戻される計量対象物の集合体の割合が第2閾値未満となったとき、旋回ホッパ14の旋回速度を低減することで、単位時間当たりの合格品の数を確保しつつ、装置10の安定運転が可能になる。
【0057】
一実施形態では、戻しステップS22で計量対象物供給部に戻される計量対象物の割合が第3閾値(例えば30%)以上となったとき(第3閾値ステップS27)、許容範囲の重量の上限値を増加させる(上限値増加ステップS32)。
この実施形態によれば、計量対象物供給部に戻される計量対象物の割合が第3閾値以上になったとき、固定ホッパ16に供給される計量対象物集合体の重量の許容範囲の上限値を増加させることで、合格品の歩留まり低下を抑制でき、これによって、装置10の処理効率低下を抑制できる。
【0058】
一実施形態では、戻しステップS22において、上限値増加中に計量対象物供給部に戻される計量対象物の割合が第4閾値(例えば25%)未満となったとき(第4閾値ステップS29)、許容範囲の上限値を低減させる(上限値低減ステップS34)。
この実施形態によれば、計量対象物供給部に戻される計量対象物の集合体の割合が減少したとき、許容範囲の上限値を低減することで、生成される計量対象物の集合体の計量精度を当初の集合体の計量精度に近づけることができる。
一実施形態では、第4閾値は第3閾値より小さい値に設定される。
【0059】
一実施形態では、排出ステップS26で、許容範囲の重量を有して固定ホッパ16から排出された計量対象物の集合体は、ここで重量が測定され(出口側計量ステップS36)、許容範囲に入っているか否かが判定される(判定ステップS38)。
図1に示す実施形態では、固定ホッパ16から搬送用ベルトコンベア32に排出された計量対象物の集合体は、振分けホッパ34を介して出口側計量ベルトコンベア36に載置され、出口側計量ベルトコンベア36で重量が測定される。
計量対象物の集合物の重量が許容範囲に入っていれば、計量対象物の集合体は正常なルートとして、出口側計量ベルトコンベア36から搬出用傾斜ベルトコンベア38に移送される(搬出ステップS40)。
【0060】
一方、計量対象物の集合物の重量が許容範囲に入ってなかったときは、計量対象物供給部に戻される(最終戻しステップS42)。
図1に示す実施形態では、計量対象物の集合物の重量が許容範囲に入ってなかったときは、出口側計量ベルトコンベア36が逆方向へ動き、合格品から排除され、その後、計量対象物供給部(例えば投入ホッパ21)に戻される。これによって、合格品に不合格品が混じることを防止できる。
【産業上の利用可能性】
【0061】
一実施形態によれば、自動計量組み合せ装置において、許容範囲の重量に入らない計量対象物が発生しても、許容範囲の重量に入らない不良品を発生させることなく、装置の処理効率の低下を抑制できる。なお、計量対象物として、一定の大きさ及び形状を有する物品のみならず、バラ物、例えば粒状物をグループ分けしたものの自動計量にも適用できる。
【符号の説明】
【0062】
10 自動計量組み合せ装置
12 入口側計量部
14(14a、14b) 旋回ホッパ
16 固定ホッパ
18 戻し部
20 制御部
21、30 投入ホッパ
22 供給用傾斜ベルトコンベア
24 桟
26 計量前ベルトコンベア
27 物品検出センサ
28(28a、28b) 待機ホッパ
32 搬送用ベルトコンベア
34 振分けホッパ
36 出口側計量ベルトコンベア
38 搬送用傾斜ベルトコンベア
40 戻しホッパ
42 戻しベルトコンベア
50、52、54 アクチュエータ
60 回転軸
図1
図2
図3
図4