【課題を解決するための手段】
【0006】
(1)一実施形態に係る自動計量組み合せ装置は、
計量対象物供給部から複数のグループに分けられて断続的に供給される計量対象物の重量を測定可能な入口側計量部と、
回転軸の回りに周方向に配列され、前記回転軸の回りを旋回しながら前記入口側計量部で重量が測定された前記計量対象物を受け取り可能な複数の旋回ホッパと、
前記複数の旋回ホッパから前記計量対象物を受け取り可能な複数の固定ホッパであって、前記計量対象物を複数回に亘って受け取ることで許容範囲の重量となる前記計量対象物の集合体を形成可能であり、かつ受け取った前記計量対象物の集合体を排出可能な複数の固定ホッパと、
前記複数の旋回ホッパから前記複数の固定ホッパに供給されない前記計量対象物を受け取り、前記計量対象物供給部に戻すための戻し部と、
前記入口側計量部によって測定された前記計量対象物の重量の測定値に基づいて、前記旋回ホッパに収容された前記計量対象物を選択的に前記複数の固定ホッパ又は前記戻し部に供給するための制御部と、
を備え、
前記制御部は、
前記複数の固定ホッパの中から前記許容範囲の重量となる前記計量対象物の集合体を形成可能な固定ホッパを選択し、選択された固定ホッパに前記計量対象物の集合体が供給されるように構成され、
かつ、前記戻し部に排出される前記計量対象物の割合が第1閾値以上となったとき、前記複数の旋回ホッパの旋回速度を増加させるように構成される。
【0007】
上記(1)の構成によれば、上記制御部によって選択された固定ホッパに許容範囲の重量となる計量対象物の集合体を供給することで、許容範囲の重量の該集合体(以下「合格品」とも言う。)が形成可能になる。この集合体を固定ホッパから排出することで、許容範囲の重量の集合体を得ることができる。
また、固定ホッパに供給されない計量対象物を旋回ホッパから上記戻し部に排出することで、旋回ホッパに滞留した計量対象物を除去するための処置が不要になり、装置を停止させずに連続運転が可能になる。
また、上記戻し部に排出される計量対象物の割合が第1閾値以上になったとき、上記制御部によって旋回ホッパの旋回速度を増加させることで、固定ホッパへの計量対象物の投入量を増加でき、装置の処理効率の低下を抑制できる。
【0008】
(2)一実施形態では、前記(1)の構成において、
前記制御部は、
前記戻し部に排出される前記計量対象物の割合が第1閾値以上となったとき、前記複数の旋回ホッパの旋回速度を増加させると共に、前記複数の旋回ホッパに供給される前記計量対象物の供給量を変えないように構成される。
上記(2)の構成によれば、合格品の割合が増加し、戻し部に排出される計量対象物の割合を低減できる。
【0009】
(3)一実施形態では、前記(1)の構成において、
前記制御部は、
前記戻し部に排出される前記計量対象物の割合が第2閾値未満となったとき、前記複数の旋回ホッパの旋回速度を低減させるように構成される。
上記(3)の構成によれば、戻し部に排出される計量対象物の集合体の割合が第2閾値未満となったとき、旋回ホッパの旋回速度を低減することで、単位時間当たりの合格品の数を確保しつつ、装置の安定運転が可能になる。
【0010】
(4)一実施形態では、前記(1)〜(3)の何れかの構成において、
前記制御部は、
前記戻し部に排出される前記計量対象物の割合が第3閾値以上となったとき、前記許容範囲の上限値を増加させるように構成される。
上記(4)の構成によれば、戻し部に排出される計量対象物の割合が第3閾値以上になったとき、上記制御部によって、固定ホッパに供給される計量対象物重量の許容範囲の上限値を増加させることで、合格品の歩留まり低下を抑制でき、これによって、装置の処理効率低下を抑制できる。
また、合格品の歩留まりが低下したとき、許容範囲の重量の下限値を変えずに上限値を増加させるようにしたので、当初設定された許容範囲の重量を下回る集合体(以下「不良品」とも言う。)が発生するおそれはなくなる。
【0011】
(5)一実施形態では、前記(1)〜(4)の何れかの構成において、
前記制御部は、
前記戻し部に排出される前記計量対象物の割合が第4閾値未満となったとき、前記許容範囲の重量の上限値を低減させるように構成される。
上記(5)の構成によれば、戻し部に排出される計量対象物の集合体の割合が第5閾値未満となったとき、許容範囲の重量の上限値を低減することで、計量対象物の集合体の計量精度を当初の許容範囲に近づけることができる。
【0012】
(6)一実施形態では、前記(1)〜(5)の何れかの構成において、
前記第3閾値は前記第1閾値より大きい。
上記(6)の構成において、戻し部に排出される計量対象物の集合体の割合が増加し、第1閾値以上となったとき、複数の旋回ホッパの旋回速度を増加させることによって、装置の処理効率の低下を抑制できる。
次に、戻し部に排出される計量対象物の集合体の割合がさらに増加し、第3閾値以上になったとき、許容範囲の重量の上限値を増加させる。
このように、戻し品の割合が増加するにつれて2段階の制御を行うことで、不良品を出さずに装置の処理効率の低下を抑制できる。また、戻し品の割合が低減する過程においても、同様の2段階の制御を行うことで、計量対象物の集合体の計量精度を維持しつつ、合格品数を確保できる。
【0013】
(7)一実施形態に係る自動計量組み合せ方法は、
計量対象物供給部から複数のグループに分けられて断続的に供給される複数の計量対象物の重量を測定する入口側計量ステップと、
回転軸の回りに周方向に配列された複数の旋回ホッパを用意し、前記入口側計量ステップで重量が測定された前記計量対象物を前記複数の旋回ホッパが旋回しながら前記グループ毎に受け取る計量準備ステップと、
前記複数の旋回ホッパから前記計量対象物を受け取る複数の固定ホッパを用意し、該複数の固定ホッパのうち、前記複数の旋回ホッパから複数回に亘って前記計量対象物を受け取ることによって許容範囲の重量となる前記計量対象物の集合体を形成可能な前記固定ホッパを選択する選択ステップと、
選択された前記固定ホッパに前記許容範囲の重量となる前記計量対象物の前記集合体を供給し、かつ前記固定ホッパから該集合体を排出する計量排出ステップと、
前記複数の旋回ホッパから前記複数の固定ホッパに受け渡されない前記計量対象物を前記複数の旋回ホッパから排出して前記計量対象物供給部に戻す戻しステップと、
前記戻しステップで前記計量対象物供給部に戻される前記計量対象物の割合が第1閾値以上となったとき、前記複数の旋回ホッパの旋回速度を増加させる旋回速度増加ステップと、
を備える。
【0014】
上記(7)の方法によれば、上記選択ステップにおいて、選択された固定ホッパに上記許容範囲の重量となる計量対象物の集合体を供給することで、許容範囲の重量の該集合体が形成可能になる。この集合体を固定ホッパから排出することで、許容範囲の重量の集合体を得ることができる。
また、上記戻しステップにおいて、固定ホッパに供給されない計量対象物を旋回ホッパから計量対象物供給部に戻すことで、旋回ホッパに滞留した計量対象物を除去するための処置が不要になり、装置を停止させずに連続運転が可能になる。
また、上記旋回速度増加ステップにおいて、計量対象物供給部に戻される計量対象物の割合が第1閾値以上になったとき、複数の旋回ホッパの旋回速度を増加させることで、固定ホッパへの計量対象物の投入量を増加でき、装置の処理効率の低下を抑制できる。
【0015】
(8)一実施形態では、前記(7)の方法において、
前記戻しステップにおいて、
前記戻し部に排出される前記計量対象物の割合が第1閾値以上となったとき、前記複数の旋回ホッパの旋回速度を増加させると共に、前記複数の旋回ホッパに供給される前記計量対象物の供給量を変えないようにする。
上記(8)の方法によれば、合格品の割合が増加し、戻し部に排出される計量対象物の割合を低減できる。
【0016】
(9)一実施形態では、前記(7)又は(8)の構成において、
前記戻しステップで前記計量対象物供給部に戻される前記計量対象物の割合が第2閾値未満となったとき、前記複数の旋回ホッパの旋回速度を低減させる旋回速度低減ステップを備える。
上記(9)の方法によれば、入口側計量ステップに戻される計量対象物の集合体の割合が第2閾値未満となったとき、旋回ホッパの旋回速度を低減することで、単位時間当たりの合格品の数を確保しつつ、装置の安定運転が可能になる。
【0017】
(10)一実施形態では、前記(7)〜(9)の何れかの方法において、
前記戻しステップで前記計量対象物供給部に戻される前記計量対象物の割合が第3閾値以上となったとき、前記許容範囲の上限値を増加させる上限値増加ステップを備える。
上記(10)の方法によれば、計量対象物供給部に戻される計量対象物の割合が増加したとき、固定ホッパに供給される計量対象物集合体の重量の許容範囲の上限値を増加させることで、合格品の歩留まり低下を抑制でき、これによって、装置の処理効率低下を抑制できる。
【0018】
(11)一実施形態では、前記(7)〜(10)の何れかの方法において、
前記戻しステップで前記計量対象物供給部に戻される前記計量対象物の割合が第4閾値未満となったとき、前記許容範囲の上限値を低減させる上限値低減ステップを備える。
上記(11)の方法によれば、計量対象物供給部に戻される前記計量対象物の割合が第4閾値未満となったとき、前記許容範囲の重量の上限値を低減させることで、計量対象物の集合体の計量精度を当初の許容範囲に近づけることができる。