特許第6872632号(P6872632)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6872632
(24)【登録日】2021年4月21日
(45)【発行日】2021年5月19日
(54)【発明の名称】基板処理装置
(51)【国際特許分類】
   H01L 21/027 20060101AFI20210510BHJP
   G03F 7/16 20060101ALI20210510BHJP
【FI】
   H01L21/30 562
   H01L21/30 564
   H01L21/30 567
   H01L21/30 569
   G03F7/16 502
【請求項の数】15
【全頁数】28
(21)【出願番号】特願2019-552764(P2019-552764)
(86)(22)【出願日】2018年11月2日
(86)【国際出願番号】JP2018040881
(87)【国際公開番号】WO2019093244
(87)【国際公開日】20190516
【審査請求日】2020年4月24日
(31)【優先権主張番号】特願2017-214934(P2017-214934)
(32)【優先日】2017年11月7日
(33)【優先権主張国】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000219967
【氏名又は名称】東京エレクトロン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100088155
【弁理士】
【氏名又は名称】長谷川 芳樹
(74)【代理人】
【識別番号】100113435
【弁理士】
【氏名又は名称】黒木 義樹
(74)【代理人】
【識別番号】100122507
【弁理士】
【氏名又は名称】柏岡 潤二
(74)【代理人】
【識別番号】100171099
【弁理士】
【氏名又は名称】松尾 茂樹
(72)【発明者】
【氏名】木村 裕二
(72)【発明者】
【氏名】佐々木 玲
(72)【発明者】
【氏名】金子 翔太
【審査官】 右▲高▼ 孝幸
(56)【参考文献】
【文献】 特開2008−263048(JP,A)
【文献】 特開2012−186213(JP,A)
【文献】 国際公開第2015/114981(WO,A1)
【文献】 特開2003−243159(JP,A)
【文献】 特開平10−272320(JP,A)
【文献】 特開2002−261072(JP,A)
【文献】 特開2005−051008(JP,A)
【文献】 特開2001−345255(JP,A)
【文献】 特開平10−135231(JP,A)
【文献】 韓国公開特許第10−2017−0118397(KR,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 21/02
G03F 7/16
H01L 21/205
H01L 21/22
H01L 21/26
H01L 21/302
H01L 21/31
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の基板を収容したキャリアを設置可能なキャリア支持部と、
前記基板に対する処理を行う処理ユニットと、
前記キャリアと前記処理ユニットとの間で前記基板を搬送する搬送アームと、
前記処理ユニット及び前記搬送アームを収容する筐体と、
前記筐体よりも高い気密性で前記筐体を収容するエンクロージャと、
前記筐体内の気圧を調節する第一圧力調節部と、
前記エンクロージャ内の気圧を調節する第二圧力調節部と、
前記エンクロージャ内の気圧が前記エンクロージャ外の気圧及び前記筐体内の気圧のいずれよりも低い状態を保つように前記第一圧力調節部及び前記第二圧力調節部を制御することを実行する制御部と、を備える基板処理装置。
【請求項2】
前記エンクロージャ内の酸素濃度を調節する第一空調部を更に備え、
前記制御部は、前記エンクロージャ内の酸素濃度を前記エンクロージャ外の酸素濃度よりも低く維持するように前記第一空調部を制御することを更に実行する、請求項1に記載の基板処理装置。
【請求項3】
前記第一空調部は、
前記エンクロージャ内にガスを供給するガス供給部と、
前記ガス供給部から前記エンクロージャ内に送られるガスの酸素濃度を調節する濃度調節部と、
前記エンクロージャ内からガス供給部にガスを還流させる還流部と、を有し、
前記制御部は、前記エンクロージャ内の酸素濃度を前記エンクロージャ外の酸素濃度よりも低く維持する際に、前記エンクロージャ外の酸素濃度に比較して、前記ガス供給部から前記エンクロージャ内に送られるガスの酸素濃度を低くするように前記濃度調節部を制御することを実行する、請求項2に記載の基板処理装置。
【請求項4】
前記第一圧力調節部は、前記エンクロージャ内から前記筐体内にガスを送る送風部を有し、
前記第二圧力調節部は、前記エンクロージャ内のガスの一部を排気経路に導く第一排気部を有する、請求項3に記載の基板処理装置。
【請求項5】
前記エンクロージャ内への出入り用の第一扉と、
前記第一扉の開放を許容する状態と前記第一扉の開放を禁止する状態とを切り替える第一ロックと、
前記エンクロージャ内の酸素濃度を計測する第一酸素濃度センサと、を更に備え、
前記制御部は、
前記エンクロージャ内の酸素濃度に比較して、前記ガス供給部から前記エンクロージャ内に送られるガスの酸素濃度を高くするように前記濃度調節部を制御することと、
前記第一酸素濃度センサによる酸素濃度の計測結果が所定値よりも低い場合に前記第一扉の開放を禁止するように前記第一ロックを制御することと、を更に実行する、請求項4に記載の基板処理装置。
【請求項6】
前記筐体内のうち外部に開放可能な空間の酸素濃度を計測する第二酸素濃度センサを更に備え、
前記制御部は、前記第二酸素濃度センサによる酸素濃度の計測結果が所定値よりも低い場合にも前記第一扉の開放を禁止するように前記第一ロックを制御する、請求項5に記載の基板処理装置。
【請求項7】
前記還流部内の酸素濃度を計測する第三酸素濃度センサを更に備え、
前記制御部は、前記第三酸素濃度センサによる酸素濃度の検出結果が所定値よりも低い場合にも前記第一扉の開放を禁止するように前記第一ロックを制御する、請求項5に記載の基板処理装置。
【請求項8】
前記ガス供給部内の酸素濃度を計測する第四酸素濃度センサを更に備え、
前記制御部は、前記第四酸素濃度センサによる酸素濃度の検出結果が所定値よりも低い場合にも前記第一扉の開放を禁止するように前記第一ロックを制御する、請求項5に記載の基板処理装置。
【請求項9】
前記処理ユニット内から前記エンクロージャ内に流出した揮発物の濃度を計測するための揮発物濃度センサを更に備え、
前記制御部は、前記揮発物濃度センサによる計測結果が所定値よりも高い場合にも前記第一扉の開放を禁止するように第一ロックを制御する、請求項5に記載の基板処理装置。
【請求項10】
前記揮発物濃度センサは、前記第一排気部に設けられている、請求項9に記載の基板処理装置。
【請求項11】
前記ガス供給部は、
前記エンクロージャ内にガスを導く第一ガス管路と、
前記処理ユニット内にガスを導く第二ガス管路と、を含む請求項4に記載の基板処理装置。
【請求項12】
前記処理ユニット内のガスを前記排気経路に導く第二排気部を更に備える請求項4に記載の基板処理装置。
【請求項13】
前記第二排気部は、前記筐体の側方にガスを導出する第三ガス管路を有する、請求項12に記載の基板処理装置。
【請求項14】
前記キャリアを収容するキャリア収容部と、
前記キャリア収容部内を前記エンクロージャ外に開閉する第二扉と、
前記キャリア収容部内を前記エンクロージャ内に開閉する第三扉と、
前記キャリア収容部内と前記キャリア支持部との間で前記キャリアの受け渡しを行う受渡部と、
前記キャリア収容部内の酸素濃度を調節する第二空調部と、を更に備え、
前記制御部は、
前記第二扉の開放に先立って前記キャリア収容部内の酸素濃度を前記エンクロージャ外の酸素濃度に近付けるように前記第二空調部を制御することと、
前記第三扉の開放に先立って前記キャリア収容部内の酸素濃度を前記筐体内の酸素濃度に近付けるように第二空調部を制御することと、を更に実行する、請求項1に記載の基板処理装置。
【請求項15】
前記第二扉の開放を許容する状態と前記第二扉の開放を禁止する状態とを切り替える第二ロックと、
前記第三扉の開放を許容する状態と前記第三扉の開放を禁止する状態とを切り替える第三ロックと、
前記キャリア収容部内の酸素濃度を計測する第五酸素濃度センサと、を更に備え、
前記制御部は、
前記第五酸素濃度センサによる計測結果が所定値よりも低い場合に前記第二扉の開放を禁止するように前記第二ロックを制御することと、
前記第五酸素濃度センサによる測定結果が所定値よりも高い場合に前記第三扉の開放を禁止するように前記第三ロックを制御することと、を更に実行する、請求項14に記載の基板処理装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、基板処理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
半導体の製造工程においては、塗布膜の酸化が懸念されている。特許文献1には、例えば酸素に敏感な材料が用いられた塗布膜の硬化処理において、当該材料が塗布された基板の加熱及び降温を低酸素雰囲気に維持された処理室内で行う基板の熱処理装置が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2002−93799号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記の熱処理装置といった基板処理装置において、塗布膜として、酸素に対して更に敏感な材料が用いられる場合がある。そのような場合、基板処理中の酸素濃度をより適切に管理することが求められる。
【0005】
本開示は、基板処理中の酸素濃度の管理に有用な基板処理装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の一側面に係る基板処理装置は、複数の基板を収容したキャリアを設置可能なキャリア支持部と、基板に対する処理を行う処理ユニットと、キャリアと処理ユニットとの間で基板を搬送する搬送アームと、処理ユニット及び搬送アームを収容する筐体と、筐体よりも高い気密性で筐体を収容するエンクロージャと、筐体内の気圧を調節する第一圧力調節部と、エンクロージャ内の気圧を調節する第二圧力調節部と、エンクロージャ内の気圧がエンクロージャ外の気圧及び筐体内の気圧のいずれよりも低い状態を保つように第一圧力調節部及び第二圧力調節部を制御することを実行する制御部と、を備える。
【0007】
この基板処理装置によれば、筐体よりも気密性の高いエンクロージャで筐体を収容し、エンクロージャ内の気圧をエンクロージャ外の気圧及び筐体内の気圧よりも低い状態に保つことにより、筐体内から筐体外に漏出したガスがエンクロージャ外に漏出することを抑制することができる。このため、搬送領域、処理ユニット内等、筐体内の各部における酸素濃度を所望の状態に調節することが可能となる。したがって、本基板処理装置は、基板処理中における酸素濃度の管理に有用である。
【0008】
エンクロージャ内の酸素濃度を調節する第一空調部を更に備え、制御部は、エンクロージャ内の酸素濃度をエンクロージャ外の酸素濃度よりも低く維持するように第一空調部を制御することを更に実行してもよい。この場合、筐体を収容するエンクロージャ内の酸素濃度を調節することにより、筐体内の各部における酸素濃度を効率的に調節することができる。
【0009】
第一空調部は、エンクロージャ内にガスを供給するガス供給部と、ガス供給部からエンクロージャ内に送られるガスの酸素濃度を調節する濃度調節部と、エンクロージャ内からガス供給部にガスを還流させる還流部と、を有し、制御部は、エンクロージャ内の酸素濃度をエンクロージャ外の酸素濃度よりも低く維持する際に、エンクロージャ外の酸素濃度に比較して、ガス供給部からエンクロージャ内に送られるガスの酸素濃度を低くするように濃度調節部を制御することを実行してもよい。この場合、ガス供給部からエンクロージャ内に送られるガスの酸素濃度が調節されるので、エンクロージャ内の酸素濃度をより確実に維持することができる。また、エンクロージャ内のガスを還流部によってガス供給部に還流するので、酸素濃度の調節されたガスが循環利用され、効率よく酸素濃度を維持することができる。
【0010】
第一圧力調節部は、エンクロージャ内から筐体内にガスを送る送風部を有し、第二圧力調節部は、エンクロージャ内のガスの一部を排気経路に導く第一排気部を有していてもよい。この場合、簡易な構成で気圧を調節することが可能である。
【0011】
この基板処理装置は、エンクロージャ内への出入り用の第一扉と、第一扉の開放を許容する状態と第一扉の開放を禁止する状態とを切り替える第一ロックと、エンクロージャ内の酸素濃度を計測する第一酸素濃度センサと、を更に備え、制御部は、エンクロージャ内の酸素濃度に比較して、ガス供給部からエンクロージャ内に送られるガスの酸素濃度を高くするように濃度調節部を制御することと、第一酸素濃度センサによる酸素濃度の計測結果が所定値よりも低い場合に第一扉の開放を禁止するように第一ロックを制御することと、を更に実行してもよい。この場合、エンクロージャ内の酸素濃度が所定値以上に調節されるまでは第一ロックにより第一扉の開放が禁止されるので、例えばエンクロージャ内へ作業者の立ち入りに先立って、エンクロージャ内の酸素濃度を確実に上昇させることができる。
【0012】
更に、この基板処理装置は、筐体内のうち外部に開放可能な空間の酸素濃度を計測する第二酸素濃度センサを更に備え、制御部は、第二酸素濃度センサによる酸素濃度の計測結果が所定値よりも低い場合にも第一扉の開放を禁止するように第一ロックを制御してもよい。この場合、筐体のうち外部に開放可能な空間を作業者が開放するのに先立って、酸素濃度を確実に上昇させることができる。
【0013】
また、この基板処理装置は、還流部内の酸素濃度を計測する第三酸素濃度センサを更に備え、制御部は、第三酸素濃度センサによる酸素濃度の検出結果が所定値よりも低い場合にも第一扉の開放を禁止するように第一ロックを制御してもよい。この場合、還流部内の酸素濃度が所定値以上になるまでは第一ロックにより第一扉の開放が禁止されるので、エンクロージャ内の酸素濃度をより確実に上昇させることができる。
【0014】
ガス供給部内の酸素濃度を計測する第四酸素濃度センサを更に備え、制御部は、第四酸素濃度センサによる酸素濃度の検出結果が所定値よりも低い場合にも第一扉の開放を禁止するように第一ロックを制御してもよい。この場合、ガス供給部内の酸素濃度が所定値以上になるまでは第一ロックにより第一扉の開放が禁止されるので、エンクロージャ内の酸素濃度をより確実に上昇させることができる。
【0015】
更に、この基板処理装置は、処理ユニット内からエンクロージャ内に流出した揮発物の濃度を計測するための揮発物濃度センサを更に備え、制御部は、揮発物濃度センサによる計測結果が所定値よりも高い場合にも第一扉の開放を禁止するように第一ロックを制御してもよい。この場合、エンクロージャ内の揮発物濃度が所定値以下となるまでは第一ロックにより第一扉の開放が禁止されるので、エンクロージャ内への作業者の立ち入りに先立って、エンクロージャ内の揮発物を確実に削減することができる。
【0016】
揮発物濃度センサは、第一排気部に設けられていてもよい。この構成により、第一排気部を利用して、揮発物濃度を容易に検出することができる。
【0017】
ガス供給部は、エンクロージャ内にガスを導く第一ガス管路と、処理ユニット内にガスを導く第二ガス管路と、を含んでいてもよい。この場合、エンクロージャ内に第一ガス管路でガスを導きつつ、処理ユニット内には別経路として第二ガス管路でガスを導くので、処理ユニット内の酸素濃度をより厳密に調節することができる。
【0018】
処理ユニット内のガスを排気経路に導く第二排気部を更に備えていてもよい。この場合、揮発物濃度の高い処理ユニット内のガスを排気するので、揮発物濃度が過大となることを抑制できる。
【0019】
第二排気部は、筐体の側方にガスを導出する第三ガス管路を有していてもよい。この構成によれば、処理ユニット内からの排気用の管路をエンクロージャ内において取りまとめ易い。
【0020】
この基板処理装置は、キャリアを収容するキャリア収容部と、キャリア収容部内をエンクロージャ外に開閉する第二扉と、キャリア収容部内をエンクロージャ内に開閉する第三扉と、キャリア収容部内とキャリア支持部との間でキャリアの受け渡しを行う受渡部と、キャリア収容部内の酸素濃度を調節する第二空調部と、を更に備え、制御部は、第二扉の開放に先立ってキャリア収容部内の酸素濃度をエンクロージャ外の酸素濃度に近付けるように第二空調部を制御することと、第三扉の開放に先立ってキャリア収容部内の酸素濃度をエンクロージャ内の酸素濃度に近付けるように第二空調部を制御することと、を更に実行してもよい。この場合、第二扉を開放してキャリアを搬出及び搬入する際に、キャリア収容部内からエンクロージャ外への酸素濃度が低いガスの漏出を抑制することができる。第三扉を開放してキャリアを搬送する際に、キャリア収容部内からエンクロージャ内への酸素濃度が高いガスの漏出を抑制することができる。
【0021】
この基板処理装置は、第二扉の開放を許容する状態と第二扉の開放を禁止する状態とを切り替える第二ロックと、第三扉の開放を許容する状態と第三扉の開放を禁止する状態とを切り替える第三ロックと、キャリア収容部内の酸素濃度を計測する第五酸素濃度センサと、を更に備え、制御部は、第五酸素濃度センサによる計測結果が所定値よりも低い場合に第二扉の開放を禁止するように第二ロックを制御することと、第五酸素濃度センサによる測定結果が所定値よりも高い場合に第三扉の開放を禁止するように第三ロックを制御することと、を更に実行してもよい。この場合、キャリア収容部内の酸素濃度が適切に調節されるまでは、第二扉及び第三扉の開放が禁止されるので、第二扉又は第三扉の開放に先立って、キャリア収容部内の酸素濃度をより確実に調節させることができる。
【発明の効果】
【0022】
本開示によれば、基板処理中の酸素濃度の管理に有用な基板処理装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
図1図1は、基板処理装置の概略構成を示す模式図である。
図2図2は、図1のII-II線に沿う断面図である。
図3図3は、ガス管路を示す側面図である。
図4図4(a)及び図4(b)は、操作パネルを示す模式図である。
図5図5は、制御部の機能上の構成を示すブロック図である。
図6図6は、制御部のハードウェア構成を示すブロック図である。
図7図7は、空調処理手順を示すフローチャートである。
図8図8は、第一ロック解除処理手順を示すフローチャートである。
図9図9は、キャリア搬入処理手順を示すフローチャートである。
図10図10は、キャリア搬入処理手順を示すフローチャートである。
図11図11は、キャリア搬出処理手順を示すフローチャートである。
図12図12は、キャリア搬出処理手順を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下、実施形態について図面を参照しつつ詳細に説明する。説明において、同一要素又は同一機能を有する要素には同一の符号を付し、重複する説明を省略する。
【0025】
〔基板処理装置〕
基板処理装置1は、基板に対する処理を行う装置である。基板処理装置1は、例えば常圧の環境下で基板に対する処理を行う。なお、常圧とは、標準大気圧101325Paを中心に上下20%の圧力の範囲をいう。処理対象の基板は、例えば半導体のウェハWである。以下では、一例として、ウェハWに対し、感光性被膜を形成する基板処理装置1について説明する。
【0026】
図1及び図2に示されるように、基板処理装置1は、感光性被膜の形成用の塗布装置2と、エンクロージャ20と、第一空調部30と、第一圧力調節部40と、第二圧力調節部50と、排気部51と、複数のロードロック60と、受渡部67と、複数の第二空調部70と、制御部100とを備える。塗布装置2は、キャリアブロック3(キャリア支持部)と、処理ブロック4と、筐体10とを有している。
【0027】
キャリアブロック3は、ウェハW用のキャリア11を設置可能である。キャリア11は、例えば円形の複数枚のウェハWを密封状態で収容する。キャリアブロック3は、受け渡しアームA1を内蔵している。受け渡しアームA1は、キャリア11からウェハWを取り出して処理ブロック4に渡し、処理ブロック4からウェハWを受け取ってキャリア11内に戻す。
【0028】
処理ブロック4は、ウェハWに対する処理を行う複数の液処理ユニットU1(処理ユニット)及び複数の熱処理ユニットU2(処理ユニット)と、これらのユニットにウェハWを搬送する搬送アームA2とを有している。液処理ユニットU1は、処理液をウェハWの表面に塗布する処理(以下、「塗布処理」という。)を行う。液処理ユニットU1は、塗布処理中のウェハWを収容して処理液を回収するカップCを有している。熱処理ユニットU2は、上記塗布処理により形成された被膜の加熱等の熱処理を行う。熱処理ユニットU2は、被膜の加熱中のウェハWを収容するチャンバを有している。処理ブロック4内におけるキャリアブロック3側には棚ユニットU10が設けられている。棚ユニットU10は、上下方向に並ぶ複数のセルに区画されている。
【0029】
筐体10は、複数の液処理ユニットU1、複数の熱処理ユニットU2、棚ユニットU10、受け渡しアームA1及び搬送アームA2を収容する。筐体10は、必ずしも一体的に構成されていなくてもよく、例えば処理ブロックごとに分離可能となっていてもよい。
【0030】
エンクロージャ20は、筐体10よりも高い気密性で筐体10を収容している。エンクロージャ20は、扉21(第一扉)とロック22(第一ロック)と操作パネル23とを含む。扉21は、エンクロージャ20外からエンクロージャ20内への作業者の出入り等に用いられる。ロック22は、扉21の開放を許容する状態(以下、「解除状態」という。)と扉21の開放を禁止する状態(以下、「ロック状態」という。)とを切り替える。操作パネル23は、エンクロージャ20の外部空間側において、扉21の近傍に配置されている。操作パネル23は、入力部23aを有している(図4(a)参照)。操作パネル23は、入力部23aへの入力により扉21のロック解除を要求するために用いられる。
【0031】
第一空調部30は、エンクロージャ20内の酸素濃度を調節する。第一空調部30は、ガス供給部31と、濃度調節部32と、還流部33とを有している。第一空調部30は、ガス供給部31、濃度調節部32及び還流部33によって、エンクロージャ20内のガスを循環させるように構成されている。循環するガスは、例えば不活性ガス(例えば窒素)及び空気を含む。
【0032】
ガス供給部31は、エンクロージャ20内にガスを圧送する送風機31aと、管路L1,L2と、フィルタ31b,31cとを含む。送風機31aは、圧送するガスの温度を調節する温調ユニット31dを有している。温調ユニット31dの具体例としては、ヒータ及び冷却コイル等が挙げられる。管路L1(第一ガス管路)は、送風機31aからエンクロージャ20内にガスを導く。管路L2(第二ガス管路)は、送風機31aから各液処理ユニットU1内にガスを導く。例えば管路L2は、各液処理ユニットU1内のカップCにガスを導く。フィルタ31bは、管路L1に設けられており、管路L1を流れるガス中のパーティクル等を除去する。フィルタ31cは、管路L2に設けられており、管路L2を流れるガス中のパーティクル等を除去する。フィルタ31b、31cの具体例としては、HEPAフィルタ等が挙げられる。
【0033】
還流部33は、エンクロージャ20内からガス供給部31にガスを還流させる。例えば還流部33は、管路L5,L6と、フィルタユニット33a,33b,33c,33dとを含む。管路L5は、エンクロージャ20内及び熱処理ユニットU2からガス供給部31にガスを導く。管路L6は、液処理ユニットU1からガス供給部31にガスを導く。
【0034】
フィルタユニット33a,33bは、管路L5に設けられている。フィルタユニット33aは、冷却部C1と、フィルタF1とを含む。冷却部C1は、例えば冷却コイルによりガスを冷却する。フィルタF1は、例えばHEPAフィルタであり、ガス中のパーティクル等を除去する。フィルタユニット33bは、フィルタユニット33aとガス供給部31との間に配置されており、フィルタF2を含む。フィルタF2は、例えば活性炭によりガス中の有機物を除去する。
【0035】
フィルタユニット33c,33dは、管路L6に設けられている。フィルタユニット33cは、冷却部C3とフィルタF3とを含む。冷却部C3は、例えば冷却コイルによりガスを冷却する。フィルタF3は、例えばHEPAフィルタであり、ガス中のパーティクル等を除去する。フィルタユニット33dは、フィルタユニット33cとガス供給部31との間に配置されており、フィルタF4を含む。フィルタF4は、例えば活性炭によりガス中の有機物を除去する。
【0036】
なお、フィルタユニット33a,33b,33c,33dのいずれかに、ガス圧送用の送風機fが設けられていてもよい。例えば、図示の構成においては、フィルタユニット33a,33b,33dに送風機fが設けられている。
【0037】
濃度調節部32は、ガス供給部31が供給するガスの酸素濃度を調節する。濃度調節部32は、例えば管路L3,L4と、バルブ32a,32bとを含む。管路L3は、送風機31aからエンクロージャ20内へのガスの流路内に空気を導入する。例えば管路L3は、フィルタユニット33a,33b,33c,33dのいずれか(例えばフィルタユニット33a)から延出しており、フィルタユニット33aを経て空気を導入する。
【0038】
バルブ32aは、管路L3に設けられており、管路L3内の流路の開度を調節する。管路L4は、ガス供給部31からエンクロージャ20内へのガスの流路内に不活性ガスを導入する。例えば管路L4は、窒素ガスの供給源Nと送風機31aとを接続し、供給源Nから送風機31a内に窒素ガスを導入する。バルブ32bは、管路L4に設けられており、管路L4内の流路の開度を調節する。なお、流路の開度を調節することは、流路を遮断することも含む。
【0039】
第一圧力調節部40は、筐体10内の気圧を調節する。第一圧力調節部40は、送風部41,42を有する。送風部41は、エンクロージャ20内から筐体10内にガスを送る。送風部41は、例えばフィルタ(不図示)が内蔵されたファンであり、パーティクル等が除去されたガスを筐体10内に送る。送風部42は、筐体10内からエンクロージャ20内にガスを送る。筐体10内の気圧は、送風部41によって送られるガスの量が、送風部42によって送られるガスの量よりも多い場合には上昇し、少ない場合には低下する。
【0040】
第二圧力調節部50は、エンクロージャ20内の気圧を調節する。第二圧力調節部50は、送風部43及び排気部52(第一排気部)を有する。送風部43はエンクロージャ20内においてガスを循環させる。排気部52は、管路L9とダンパ52aとを含む。管路L9は、エンクロージャ20内から排気用の用力設備Xにガスを導く。ダンパ52aは、管路L9に設けられており、管路L9内の流路の開度を調節する。ダンパ52aの開度が上昇すると、エンクロージャ20内からの排気量が増加してエンクロージャ20内の気圧が低下し、ダンパ52aの開度が低下すると、エンクロージャ20内からの排気量が低下してエンクロージャ20内の気圧が上昇する。
【0041】
排気部51(第二排気部)は、管路L7,L8を有する。管路L7(第三ガス管路)は、各液処理ユニットU1内のカップCから用力設備Xにガスを導く。管路L8(第三ガス管路)は、各熱処理ユニットU2内のチャンバから用力設備Xにガスを導く。管路L7,L8は、筐体10の側方にガスを導出する(図3参照)。
【0042】
複数(例えば2つ)のロードロック60は、エンクロージャ20の周壁とキャリアブロック3との間に設けられている。ロードロック60は、収容部61(キャリア収容部)と、扉62,63と、ロック64(第二ロック)と、開閉駆動部65と、操作パネル66とを含む。収容部61は、キャリア11を収容する。扉62(第二扉)は、ロードロック60内をエンクロージャ20外に開閉する。ロック64は、例えば電磁ロックであり、扉62の開放を許容する状態(以下、「解除状態」という。)と扉62の開放を禁止する状態(以下、「ロック状態」という。)とを切り替える。
【0043】
扉63(第三扉)は、収容部61内をエンクロージャ20内に開閉する。開閉駆動部65(第三ロック)は、扉63の開放を許容する状態と扉63の開放を禁止する状態とを切り替える。開閉駆動部65は、扉63の開閉用の動力源(例えば電動モータ)を含んでおり、扉63の開閉駆動も行う。
【0044】
操作パネル66は、エンクロージャ20の外部空間側において、扉62の近傍に配置されている。操作パネル66は、入力部66a及び表示部66bを有している(図4(b)参照)。入力部66aは、扉62のロック要求、扉62のロック解除要求、及び収容部61からキャリアブロック3へのキャリア11の搬送要求等の入力に用いられる。表示部66bは、収容部61内のキャリア11の有無の表示に用いられる。
【0045】
受渡部67は、キャリアブロック3と各ロードロック60との間でキャリア11の受け渡しを行う。例えば、受渡部67は搬送ロボットA3を有する。搬送ロボットA3は、収容部61内からキャリア11を取り出してキャリアブロック3に搬送し、キャリアブロック3からキャリア11を受け取って収容部61内に搬送する。
【0046】
複数(例えば2つ)の第二空調部70は、複数のロードロック60内の酸素濃度をそれぞれ調節する。各第二空調部70は、管路L11,L12,L13,L14と、バルブ71,72,73と、ポンプPとを含む。管路L11は、エンクロージャ20外から収容部61内にガスを導く。管路L12は、エンクロージャ20内から収容部61内にガスを導く。管路L13は、収容部61内から管路L5にガスを導く。管路L14は、収容部61内から用力設備Xにガスを導く。
【0047】
バルブ71は、管路L11に設けられており、管路L11内の流路の開度を調節する。バルブ72は、管路L12に設けられており、管路L12内の流路の開度を調節する。バルブ73は、管路L14に設けられており、管路L14内の流路の開度を調節する。ポンプPは、管路L13に設けられており、収容部61内から管路L5にガスを圧送する。バルブ71,73が閉じ、バルブ72が開いた状態で、ポンプPが駆動されると、エンクロージャ20内のガスが収容部61内に流入する。バルブ72が閉じ、ポンプPが停止した状態でバルブ71,73が開くと、エンクロージャ20外のガスが収容部61内に流入する。このように、エンクロージャ20内外のガスを収容部61内に選択的に流入させることにより、収容部61内の酸素濃度が調節される。
【0048】
基板処理装置1は、酸素濃度センサD1〜D6と、揮発物濃度センサD7と、圧力センサD8,D9と、キャリアセンサD10と、扉開閉センサD11と、を更に備える。
【0049】
酸素濃度センサD1(第一酸素濃度センサ)は、エンクロージャ20内に設置されており、エンクロージャ20内の酸素濃度を計測する。基板処理装置1は、エンクロージャ20内の複数個所に酸素濃度センサD1を備えていてもよい。酸素濃度センサD2(第二酸素濃度センサ)は、筐体10内のうち外部に開放可能な空間に設置されている。例えば酸素濃度センサD2は、受け渡しアームA1及び搬送アームA2によるウェハWの搬送領域内に設置されている。酸素濃度センサD3(第三酸素濃度センサ)は、還流部33内に設置されている。例えば酸素濃度センサD3は、フィルタユニット33a,33b,33c,33dの内部にそれぞれ設置されている。基板処理装置1は、フィルタユニット33a,33b,33c,33dのそれぞれに複数の酸素濃度センサD3を備えていてもよい。酸素濃度センサD4(第四酸素濃度センサ)は、ガス供給部31内に設置されている。例えば酸素濃度センサD4は、送風機31a内に配置されていてもよい。基板処理装置1は、送風機31a内に複数の酸素濃度センサD4を備えていてもよい。酸素濃度センサD5は、液処理ユニットU1のカップC内に設置されている。酸素濃度センサD6(第五酸素濃度センサ)は、ロードロック60の収容部61内に設置されている。
【0050】
揮発物濃度センサD7は、液処理ユニットU1又は熱処理ユニットU2からエンクロージャ20内に流出した揮発物の濃度(以下、「エンクロージャ20内の揮発物濃度」という。)を計測する。揮発物濃度センサD7は、排気部52に設けられている。
【0051】
圧力センサD8は、筐体10内に設置されており、筐体10内の圧力を計測する。圧力センサD9は、エンクロージャ20内に設置されており、エンクロージャ20内の圧力を計測する。
【0052】
キャリアセンサD10は、ロードロック60の収容部61内に設置されており、収容部61内のキャリア11の有無を検出する。扉開閉センサD11は、扉21の開閉状態を検出する。扉開閉センサD11は、エンクロージャ20内において、扉21の近傍に設置されている。扉開閉センサD12は、扉62の開閉状態を検出する。扉開閉センサD12は、ロードロック60の収容部61内において、扉62の近傍に設置されている。
【0053】
制御部100は、エンクロージャ20内の気圧がエンクロージャ20外の気圧及び筐体10内の気圧のいずれよりも低い状態を保つように第一圧力調節部40及び第二圧力調節部50を制御する。制御部100は、エンクロージャ20内の酸素濃度をエンクロージャ20外の酸素濃度よりも低く維持するように第一空調部30を制御することを更に実行してもよい。例えば、制御部100は、エンクロージャ20内の酸素濃度をエンクロージャ20外の酸素濃度よりも低く維持する際に、エンクロージャ20外の酸素濃度に比較して、ガス供給部31からエンクロージャ20内に送られるガスの酸素濃度を低くするように濃度調節部32を制御することを実行する。
【0054】
また、制御部100は、エンクロージャ20内の酸素濃度に比較して、ガス供給部31からエンクロージャ20内に送られるガスの酸素濃度を高くするように濃度調節部32を制御することと、酸素濃度センサD1による酸素濃度の計測結果が所定値よりも低い場合に扉21の開放を禁止するようにロック22を制御することと、を更に実行してもよい。制御部100は、酸素濃度センサD2による酸素濃度の計測結果が所定値よりも低い場合、酸素濃度センサD3による酸素濃度の検出結果が所定値よりも低い場合、酸素濃度センサD4による酸素濃度の検出結果が所定値よりも低い場合、又は揮発物濃度センサD7による計測結果が所定値よりも高い場合にも扉21の開放を禁止するようにロック22を制御してもよい。
【0055】
更に、制御部100は、扉62の開放に先立って収容部61内の酸素濃度をエンクロージャ20外の酸素濃度に近付けるように第二空調部70を制御することと、扉63の開放に先立ってロードロック60内の酸素濃度をエンクロージャ20内の酸素濃度に近付けるように第二空調部70を制御することと、酸素濃度センサD6による計測結果が所定値よりも低い場合に扉62の開放を禁止するようにロック64を制御することと、酸素濃度センサD6による測定結果が所定値よりも高い場合に扉63の開放を禁止するように開閉駆動部65を制御することと、を実行してもよい。
【0056】
例えば図5に示されるように、制御部100は、機能上の構成(以下、「機能モジュール」という。)として、気圧調節部101と、第一酸素濃度調節部102と、第一ロック制御部103と、第二酸素濃度調節部104と、第二ロック制御部105と、搬送制御部106と、第三ロック制御部107とを有している。
【0057】
気圧調節部101は、圧力センサD8から筐体10内の気圧データを取得し、筐体10内の気圧が目標気圧よりも低い場合には、エンクロージャ20内から筐体10内に送るガスの量を増加させるように送風部41を制御する。なお、筐体10内の気圧が目標気圧よりも低い場合、気圧調節部101は、筐体10内からエンクロージャ20内に送るガスの量を低下させるように送風部42を制御してもよい。筐体10内の気圧の目標気圧は、例えば、エンクロージャ20内の気圧よりも数Pa程度高い値である。
【0058】
また、気圧調節部101は、圧力センサD9からエンクロージャ20内の気圧データを取得し、エンクロージャ20内の気圧が目標気圧よりも高い場合には、エンクロージャ20内から用力設備X(排気経路)に導かれるガスの量を上昇させるように排気部52を制御する。例えば気圧調節部101は、ダンパ52aの開度を上昇させる。エンクロージャ20内の気圧の目標気圧は、エンクロージャ20外の気圧及び筐体10内の気圧のいずれよりも低い値である。
【0059】
第一酸素濃度調節部102は、エンクロージャ20内の酸素濃度をエンクロージャ20外の酸素濃度よりも低く維持するように第一空調部30を制御する。第一酸素濃度調節部102は、酸素濃度センサD1から取得したエンクロージャ20内の酸素濃度の計測結果に基づいて、エンクロージャ20外の酸素濃度に比較して、ガス供給部31からエンクロージャ20内に送られるガスの酸素濃度を低くするように濃度調節部32を制御する。また、第一酸素濃度調節部102は、第一ロック制御部103から取得した情報に基づいて、エンクロージャ20内の酸素濃度に比較して、ガス供給部31からエンクロージャ20内に送られるガスの酸素濃度を高くするように濃度調節部32を制御する。
【0060】
ガス供給部31からエンクロージャ20内に送られるガスの酸素濃度を低くする場合、第一酸素濃度調節部102は、バルブ32aの開度を低下させ、バルブ32bの開度を上昇させるように濃度調節部32を制御する。一方、ガス供給部31からエンクロージャ20内に送られるガスの酸素濃度を高くする場合、第一酸素濃度調節部102は、バルブ32aの開度を上昇させ、バルブ32bの開度を低下させるように濃度調節部32を制御する。
【0061】
第一ロック制御部103は、入力部23aに対するロック解除の要求の有無と、酸素濃度センサD1〜D4による計測結果と、揮発物濃度センサD7による計測結果とに基づいて、ロック22を制御する。具体的に、第一ロック制御部103は、入力部23aにロック解除の要求が入力された後、酸素濃度センサD1による酸素濃度の計測結果が所定値よりも低い場合には、扉21の開放を禁止するようにロック22を制御する。第一ロック制御部103は、酸素濃度センサD2〜D4による酸素濃度の計測結果が所定値よりも低い場合にも、扉21の開放を禁止するようにロック22を制御してもよい。更に、第一ロック制御部103は、揮発物濃度センサD7から取得した計測結果が所定値よりも高い場合にも、扉21の開放を禁止するようにロック22を制御してもよい。
【0062】
第一ロック制御部103は、酸素濃度センサD1〜D4による酸素濃度の計測結果が所定値以上である状態が所定時間以上保持されるとともに、揮発物濃度センサD7による揮発物濃度の計測結果が所定値以下である状態が所定時間以上保持された場合に、扉21の開放を許容するようにロック22を制御する。酸素濃度の上記所定値は、空気中の酸素濃度に近い値(例えば19.5%)に設定されている。揮発物濃度の上記所定値は、揮発物の種類等によって適宜設定されている。揮発物濃度の上記所定値は、例えば5ppmである。上記所定時間は、計測結果のばらつき等を考慮して適宜設定されている。上記所定時間は例えば1分である。
【0063】
第二酸素濃度調節部104は、扉62の開放に先立って収容部61内の酸素濃度をエンクロージャ20外の酸素濃度に近付けるように第二空調部70を制御する。具体的に、第二酸素濃度調節部104は、入力部66aに対するロック解除の要求の有無に基づいて、第二空調部70を制御する。
【0064】
また、第二酸素濃度調節部104は、扉63の開放に先立って収容部61内の酸素濃度を筐体10内の酸素濃度に近付けるように第二空調部70を制御する。具体的に、第二酸素濃度調節部104は、入力部66aに対するキャリア11の搬送(収容部61からキャリアブロック3への搬送)要求の有無に基づいて、第二空調部70を制御する。
【0065】
第二ロック制御部105は、入力部66aに対するロック解除の要求有無と、酸素濃度センサD6による計測結果とに基づいて、ロック64を制御する。具体的に、第二ロック制御部105は、入力部66aにロック解除の要求が入力された後、酸素濃度センサD6による計測結果が所定値よりも低い場合には、扉62の開放を禁止するようにロック64を制御する。第二ロック制御部105は、酸素濃度センサD6による酸素濃度の計測結果が所定値以上である状態が所定時間以上保持された場合に、扉62の開放を許容するようにロック64を制御する。酸素濃度の上記所定値は、空気中の酸素濃度に近い値(例えば19.5%)に設定されている。上記所定時間は、計測結果のばらつき等を考慮して適宜設定されている。上記所定時間は例えば1分である。
【0066】
搬送制御部106は、入力部66aに対するキャリアの搬送要求の有無と、キャリアセンサD10による検出結果と、キャリアブロック3における搬出対象のキャリア11の有無とに基づいて、収容部61内とキャリアブロック3との間でキャリア11を搬送するように開閉駆動部65及び搬送ロボットA3を制御する。具体的に、搬送制御部106は、入力部66aにキャリア11の搬送要求が入力された場合に、収容部61内のキャリア11をキャリアブロック3に搬送するように搬送ロボットA3を制御し、これに合わせて扉63を開閉させるように開閉駆動部65を制御する。また、搬送制御部106は、キャリアブロック3に搬出対象のキャリア11がある場合に、搬出対象のキャリア11をキャリアブロック3から収容部61内に搬送するように搬送ロボットA3を制御し、これに合わせて扉63を開閉させるように開閉駆動部65を制御する。この際に、搬送制御部106は、キャリアセンサD10によりキャリア11が検出されていない収容部61をキャリア11の搬送先として選択する。
【0067】
また、搬送制御部106は、キャリアセンサD10から取得したロードロック60内のキャリア11の有無の検出結果に基づいて、当該検出結果を表示するように表示部66bを制御する。例えば搬送制御部106は、キャリアセンサD10が収容部61内のキャリア11を検出している場合には当該収容部61に対応する表示部66bを点灯させ、キャリアセンサD10が収容部61内のキャリア11を検出していない場合には当該収容部61に対応する表示部66bを消灯させる。
【0068】
第三ロック制御部107は、酸素濃度センサD6による測定結果が所定値よりも高い場合に扉63の開放を禁止するように、搬送制御部106を介して開閉駆動部65を制御する。第三ロック制御部107は、酸素濃度センサD6による酸素濃度の計測結果が所定値以下である状態が所定時間以上保持された場合に、扉63の開放を許容するように、搬送制御部106を介して開閉駆動部65を制御する。酸素濃度の上記所定値は、エンクロージャ20内の酸素濃度の目標値と同等に設定されている。上記所定時間は、計測結果のばらつき等を考慮して適宜設定されている。上記所定時間は例えば1分である。
【0069】
制御部100は、一つ又は複数の制御用コンピュータにより構成されている。例えば、図6に示されるように、制御部100は、回路91を有している。回路91は、一つ又は複数のプロセッサ92と、メモリ93と、ストレージ94と、入出力ポート95と、タイマー96とを有している。入出力ポート95は、バルブ32a,32b、送風部41、送風部42、排気部52、ロック22、バルブ71,72,73、ポンプP、ロック64、開閉駆動部65、搬送ロボットA3,酸素濃度センサD1〜D4、揮発物濃度センサD7、圧力センサD8,D9、入力部23a、酸素濃度センサD6、キャリアセンサD10、扉開閉センサD11、入力部66a、及び表示部66b等との間で電気信号の入出力を行う。タイマー96は、例えば一定周期の基準パルスをカウントすることで経過時間を計測する。
【0070】
ストレージ94は、例えばハードディスク等、コンピュータによって読み取り可能な記憶媒体を有している。記憶媒体は、各機能モジュールを構成するためのプログラムを記録している。記憶媒体は、不揮発性の半導体メモリ、磁気ディスク及び光ディスク等の取り出し可能な媒体であってもよい。メモリ93は、ストレージ94の記憶媒体からロードしたプログラム及びプロセッサ92による演算結果を一時的に記録する。プロセッサ92は、メモリ93と協働して上記プログラムを実行することで、各機能モジュールを構成する。
【0071】
なお、制御部100のハードウェア構成は、必ずしもプログラムにより各機能モジュールを構成するものに限られない。例えば制御部100の各機能モジュールは、専用の論理回路又はこれを集積したASIC(Application Specific Integrated Circuit)により構成されていてもよい。
【0072】
〔基板処理方法〕
続いて、基板処理方法の一例として、基板処理装置1が実行する基板処理の内容を説明する。この基板処理は、塗布装置2における基板処理と、当該基板処理に付随して実行される空調処理と、エンクロージャ20へのキャリアの搬入処理と、エンクロージャ20からのキャリア11の搬出処理とを含む。以下、各処理の手順を説明する。
【0073】
(基板処理手順)
塗布装置2は、次の手順で基板処理を実行する。まず、受け渡しアームA1が、キャリア11内のウェハWを棚ユニットU10に搬送する。次に、搬送アームA2が、棚ユニットU10のウェハWを液処理ユニットU1に搬送し、液処理ユニットU1が、当該ウェハWに塗布処理を施す。次に、搬送アームA2が、ウェハWを液処理ユニットU1から熱処理ユニットU2に搬送し、熱処理ユニットU2が、当該ウェハWに熱処理を施す。次に、搬送アームA2が、ウェハWを熱処理ユニットU2から棚ユニットU10に搬送し、受け渡しアームA1が、当該ウェハWを棚ユニットU10からキャリア11内に戻す。以上で一枚のウェハWに対する塗布処理及び熱処理が完了する。
【0074】
(空調処理)
図7は、空調処理手順を示すフローチャートである。まず、制御部100は、ステップS01を実行する。ステップS01では、扉21がロック状態(扉21が閉じられ、扉21の開放がロック22により禁止されている状態)であることを第一酸素濃度調節部102が確認する。扉21がロック状態ではない場合、第一酸素濃度調節部102は扉21がロック状態となるのを待機する。
【0075】
扉21がロック状態となった後、制御部100は、ステップS02を実行する。ステップS02では、第一酸素濃度調節部102が、エンクロージャ20内の酸素濃度をエンクロージャ20外の酸素濃度よりも低く維持する循環処理を開始させるように第一空調部30(例えば濃度調節部32)を制御する。具体的に、第一酸素濃度調節部102は、バルブ32aの開度を低下させ(例えばバルブ32aを閉じ)、バルブ32bの開度を上昇させるように濃度調節部32を制御し、各送風機fによるガスの圧送を開始するように第一空調部30を制御する。
【0076】
続けて、制御部100は、ステップS03,S04を順に実行する。ステップS03では、気圧調節部101が、圧力センサD8から筐体10内の気圧データを取得すると共に、圧力センサD9からエンクロージャ20内の気圧データを取得する。ステップS04では、気圧調節部101が、ステップS03で取得した気圧データに基づいて、エンクロージャ20内の気圧が目標気圧以下であるか否かを判定する。
【0077】
ステップS04において、エンクロージャ20内の気圧が目標気圧以下でないと判定された場合には、制御部100は、ステップS05を実行する。ステップS05では、気圧調節部101が、ダンパ52aの開度を上昇させるように排気部52を制御する。
【0078】
次に、制御部100は、ステップS06を実行する。ステップS04において、エンクロージャ20内の気圧が目標気圧以下であると判定された場合は、制御部100は、ステップS05を実行することなくステップS06を実行する。ステップS06では、気圧調節部101が、筐体10内の気圧が目標気圧以上であるか否かを判定する。
【0079】
ステップS06において、筐体10内の気圧が目標気圧以上でないと判定された場合には、制御部100は、ステップS07,S08を順に実行する。ステップS07では、気圧調節部101が、エンクロージャ20内から筐体10内に送るガスの量を増加させるように送風部41を制御する。ステップS08では、気圧調節部101が、筐体10内からエンクロージャ20内に送るガスの量を低下させるように送風部42を制御する。なお、制御部100は、ステップS07,S08の順序を入れ替えて実行してもよく、ステップS07,S08を並行して実行してもよい。或いは、制御部100は、ステップS07,S08のうちのいずれか一方のみを実行してもよい。
【0080】
次に、制御部100は、ステップS09,S10を順に実行する。ステップS06において、筐体10内の気圧が目標気圧以上であると判定された場合、制御部100は、ステップS07,S08を実行することなくステップS09,S10を実行する。ステップS09では、第一酸素濃度調節部102が、酸素濃度センサD1からエンクロージャ20内の酸素濃度の計測結果を取得する。ステップS10では、第一酸素濃度調節部102が、ステップS09で取得した計測結果に基づいて、エンクロージャ20内の酸素濃度が所定値よりも低いか否かを判定する。
【0081】
ステップS10において、エンクロージャ20内の酸素濃度が所定値よりも高いと判定された場合には、制御部100は、ステップS11を実行する。ステップS11では、第一酸素濃度調節部102は、バルブ32bの開度を上昇させるように第一空調部30を制御する。なお、第一酸素濃度調節部102は、バルブ32aの開度を低下させるように第一空調部30を制御してもよい。
【0082】
次に、制御部100は、ステップS12を実行する。ステップS12では、第一酸素濃度調節部102が、入力部23aからの扉21のロック解除の要求があるか否かを判定する。
【0083】
ステップS12において、入力部23aからの扉21のロック解除の要求がないと判定された場合、制御部100は、処理をステップS03に戻す。以降、ステップS12において、扉21のロック解除の要求があると判定されるまでは、制御部100は、筐体10内及びエンクロージャ20内の圧力調節と、エンクロージャ20内の酸素濃度の調節とを継続する。
【0084】
ステップS12において、入力部23aからの扉21のロック解除の要求があると判定された場合、制御部100は、ステップS13を実行する。ステップS13では、制御部100は、第一ロック解除処理を実行する。第一ロック解除処理の具体的内容は後述する。以上で空調処理手順が完了する。
【0085】
図8は、第一ロック解除処理手順を示すフローチャートである。図8に示すように、制御部100は、まずステップS101を実行する。ステップS101では、第一酸素濃度調節部102が、エンクロージャ20内の酸素濃度を上昇させる処理を開始するように濃度調節部32及び排気部52を制御する。例えば第一酸素濃度調節部102は、バルブ32aの開度を上昇させ、バルブ32bの開度を低下させる(例えばバルブ32bを閉じる)ように濃度調節部32を制御し、ダンパ52aの開度を上昇させるように排気部52を制御する。
【0086】
次に、制御部100は、ステップS102,S103を順に実行する。ステップS102では、第一酸素濃度調節部102が、酸素濃度センサD1〜D4からエンクロージャ20内の酸素濃度の計測結果を取得する。ステップS103では、第一酸素濃度調節部102が、ステップS102で取得した計測結果に基づいて、酸素濃度センサD1〜D4の計測結果に所定値以下の値がないか否かを判定する。
【0087】
ステップS103において、酸素濃度センサD1〜D4の計測結果に所定値以下の値があると判定された場合、制御部100は、処理をステップS102に戻す。以後、酸素濃度センサD1〜D4の計測結果に所定値以下の値がなくなるまで、酸素濃度センサD1〜D4の計測結果の確認が繰り返される。
【0088】
ステップS103において、酸素濃度センサD1〜D4の計測結果に所定値以下の値はないと判定された場合、制御部100は、ステップS104,S105を順に実行する。ステップS104では、第一酸素濃度調節部102が、揮発物濃度センサD7からエンクロージャ20内の揮発物濃度の計測結果を取得する。ステップS105では、第一酸素濃度調節部102が、揮発物濃度センサD7の計測結果が所定値以下であるか否かを判定する。
【0089】
ステップS105において、揮発物濃度センサD7の計測結果が所定値よりも高いと判定された場合、制御部100は、処理をステップS104に戻す。以後、揮発物濃度センサD7の計測結果が所定値以下となるまで、揮発物濃度センサD7の計測結果の確認が繰り返される。
【0090】
ステップS105において、揮発物濃度センサD7の計測結果が所定値以下であると判定された場合、制御部100はステップS106を実行する。ステップS106では、第一ロック制御部103が、扉21の開放を許容するようにロック22を制御する。以上により、第一ロック解除処理が完了し、扉21を開放することが可能となる。これにより、作業者等が、エンクロージャ20内に立ち入ってメンテナンス作業を行うことが可能となる。
【0091】
(キャリアの搬入処理手順)
図9及び図10は、キャリア搬入処理手順を示すフローチャートである。まず、制御部100は、ステップS21を実行する。ステップS21では、第二ロック制御部105が、扉62のロック解除の要求が入力部66aに入力されるのを待機する。
【0092】
ステップS21において、入力部66aから扉62のロック解除の要求があった後、制御部100は、ステップS22,S23を順に実行する。ステップS22では、第二酸素濃度調節部104が、ロードロック60内の酸素濃度をエンクロージャ20外の酸素濃度に近付ける処理を開始するように第二空調部70を制御する。第二酸素濃度調節部104は、バルブ71の開度を上昇させ、バルブ72の開度を低下させ(例えばバルブ72を閉じ)、バルブ73の開度を上昇させるように第二空調部70を制御する。ステップS23では、第二ロック制御部105が、酸素濃度センサD6から取得したロードロック60内の酸素濃度の計測結果が所定値以上であるか否かを判定する。
【0093】
ステップS23において、酸素濃度センサD6の計測結果が所定値より低いと判定された場合、制御部100は、処理をステップS22に戻す。以後、酸素濃度センサD6の計測結果が所定値以上となるまで、酸素濃度センサD6の計測結果の確認が繰り返される。
【0094】
ステップS23において、酸素濃度センサD6の計測結果が所定値以上であると判定された場合、制御部100は、ステップS24を実行する。ステップS24では、第二酸素濃度調節部104が、ロードロック60内の酸素濃度を上昇させる処理を停止するように第二空調部70を制御する。例えば第二酸素濃度調節部104は、バルブ71、バルブ72、及びバルブ73を閉じるように第二空調部70を制御する。
【0095】
次に、制御部100は、ステップS25を実行する。ステップS25では、第二ロック制御部105が、ロック状態(扉62が閉じられ、扉62の開放がロック64により禁止されている状態)を解除状態(扉62が閉じられ、扉62の開放がロック64により禁止されていない状態)に切り替え、扉62の開放を許容するようにロック64を制御する。
【0096】
次に、制御部100は、ステップS26を実行する。ステップS26では、搬送制御部106が、収容部61内へのキャリア11の搬入を待機する。具体的に、搬送制御部106は、収容部61内のキャリアセンサD10がキャリア11を検出するのを待機する。
【0097】
収容部61内のキャリアセンサD10がキャリア11を検出すると、制御部100は、ステップS27を実行する。ステップS27では、搬送制御部106が、ロードロック60内にキャリア11がある旨を表示するように表示部66bを制御する。
【0098】
図10に示すように、制御部100は、次にステップS28を実行する。ステップS28では、搬送制御部106が、キャリア11の搬送の要求が入力部66aに入力されるのを待機する。
【0099】
キャリア11の搬送の要求が入力されると、制御部100は、ステップS29,S30を順に実行する。ステップS29では、第二ロック制御部105が、扉62が閉じられていることを確認する。具体的に、第二ロック制御部105は、扉62が閉じられていることを扉開閉センサD12が検出していることを確認する。扉62が閉じられていない場合、第二ロック制御部105は扉62が閉じられるのを待機する。
【0100】
次に、制御部100はステップS30を実行する。ステップS30では、第二ロック制御部105が、解除状態をロック状態に切り替え、扉62の開放を禁止するようにロック64を制御する。
【0101】
次に、制御部100は、ステップS31,S32を順に実行する。ステップS31では、第二酸素濃度調節部104が、ロードロック60内の酸素濃度を低下させる処理を開始するように第二空調部70を制御する。第二酸素濃度調節部104は、バルブ71の開度を低下させ(例えばバルブ71を閉じ)、バルブ72の開度を上昇させ、バルブ73の開度を低下させ(例えばバルブ73を閉じ)、ポンプPによるガスの圧送を開始するように第二空調部70を制御する。ステップS32では、第三ロック制御部107が、酸素濃度センサD6から取得したロードロック60内の酸素濃度の計測結果が所定値以下であるか否かを判定する。
【0102】
ステップS32において、酸素濃度センサD6の計測結果が所定値よりも高いと判定された場合には、制御部100は、処理をステップS31に戻す。以後、酸素濃度センサD6の計測結果が所定値以下となるまで、酸素濃度センサD6の計測結果の確認が繰り返される。
【0103】
ステップS32において、酸素濃度センサD6の計測結果が所定値以下であると判定された場合には、制御部100は、ステップS33を実行する。ステップS33では、第二酸素濃度調節部104が、ロードロック60内の酸素濃度の低下処理を停止するように第二空調部70を制御する。例えば第二酸素濃度調節部104は、開度を0とするようにバルブ71、バルブ72、及びバルブ73を閉じ、ポンプPによるガスの圧送を停止させるように第二空調部70を制御する。
【0104】
次に、制御部100は、ステップS34,S35,S36を順に実行する。ステップS34では、第三ロック制御部107が、ロック状態を解除状態に切り替えるように開閉駆動部65を制御し、搬送制御部106が、扉63を開くように開閉駆動部65を制御する。ステップS35では、搬送制御部106が、ロードロック60内のキャリア11をキャリアブロック3へ搬送するように搬送ロボットA3を制御する。ステップS36では、搬送制御部106が、ロードロック60内にキャリア11がないことを表示するように表示部66bを制御する。例えば搬送制御部106は、点灯状態から消灯状態に切り替えるように表示部66bを制御する。
【0105】
次に、制御部100は、ステップS37を実行する。ステップS37では、搬送制御部106が、扉63を閉じるように開閉駆動部65を制御し、第三ロック制御部107が、解除状態をロック状態に切り替えるように開閉駆動部65を制御する。以上により、キャリア搬入処理が完了する。
【0106】
(キャリアの搬出処理手順)
図11及び図12は、キャリア搬出処理手順を示すフローチャートである。図11に示すように、制御部100は、まずステップS41を実行する。ステップS41では、第二酸素濃度調節部104が、キャリアブロック3に設置されたキャリア11が取り出し対象となるまで待機する。取り出し対象のキャリア11とは、例えば収容した全てのウェハWの塗布処理が完了しているキャリア11である。
【0107】
次に、制御部100は、ステップS42,S43を順に実行する。ステップS42では、第二酸素濃度調節部104が、複数のロードロック60のうち空のロードロック60内の酸素濃度を低下させる処理を開始するように第二空調部70を制御する。第二酸素濃度調節部104は、バルブ71の開度を低下させ(例えばバルブ71を閉じ)、バルブ72の開度を上昇させ、バルブ73の開度を低下させ(例えばバルブ73を閉じ)、ポンプPによるガスの圧送を開始するように第二空調部70を制御する。ステップS43では、第三ロック制御部107が、酸素濃度センサD6から取得したロードロック60内の酸素濃度の計測結果が所定値以下であるか否かを判定する。
【0108】
ステップS43において、酸素濃度センサD6の計測結果が所定値よりも高いと判定された場合には、制御部100は、処理をステップS42に戻す。以後、酸素濃度センサD6の計測結果が所定値以下となるまで、酸素濃度センサD6の計測結果の確認が繰り返される。
【0109】
ステップS43において、酸素濃度センサD6の計測結果が所定値以下であると判定された場合には、制御部100は、ステップS44を実行する。ステップS44では、第二酸素濃度調節部104が、ロードロック60内の酸素濃度の低下処理を停止するように第二空調部70を制御する。例えば第二酸素濃度調節部104は、開度を0とするようにバルブ71、バルブ72、及びバルブ73を閉じ、ポンプPによるガスの圧送を停止させるように第二空調部70を制御する。
【0110】
次に、制御部100は、ステップS45,S46,S47を順に実行する。ステップS45では、第三ロック制御部107が、ロック状態を解除状態に切り替えるように開閉駆動部65を制御し、搬送制御部106が、扉63を開くように開閉駆動部65を制御する。ステップS46では、搬送制御部106が、キャリアブロック3のキャリア11をロードロック60内へ搬送するように搬送ロボットA3を制御する。ステップS47では、搬送制御部106が、ロードロック60内にキャリア11があることを表示するように表示部66bを制御する。例えば搬送制御部106は、消灯状態から点灯状態に切り替えるように表示部66bを制御する。
【0111】
次に、制御部100は、ステップS48を実行する。ステップS48では、搬送制御部106が、扉63を閉じるように開閉駆動部65を制御し、第三ロック制御部107が、解除状態をロック状態に切り替えるように開閉駆動部65を制御する。
【0112】
図12に示すように、制御部100は、次にステップS49を実行する。ステップS49では、第二酸素濃度調節部104が、扉62のロック解除の要求が入力部66aに入力されるのを待機する。
【0113】
扉62のロック解除の要求が入力されると、制御部100は、ステップS50,S51を順に実行する。ステップS50では、第二酸素濃度調節部104が、ロードロック60内の酸素濃度を上昇させる処理を開始するように第二空調部70を制御する。第二酸素濃度調節部104は、バルブ71の開度を上昇させ、バルブ72の開度を低下させ(例えばバルブ72を閉じ)、バルブ73の開度を上昇させるように第二空調部70を制御する。ステップS51では、第二酸素濃度調節部104が、酸素濃度センサD6から取得したロードロック60内の酸素濃度の計測結果が所定値以上であるか否かを判定する。
【0114】
ステップS51において、酸素濃度センサD6の計測結果が所定値よりも低いと判定された場合には、制御部100は、処理をステップS50に戻す。以後、酸素濃度センサD6の計測結果が所定値以上となるまで、酸素濃度センサD6の計測結果の確認が繰り返される。
【0115】
ステップS51において、酸素濃度センサD6の計測結果が所定値以上であると判定された場合には、制御部100は、ステップS52を実行する。ステップS52では、第二酸素濃度調節部104が、ロードロック60内の酸素濃度の上昇処理を停止するように第二空調部70を制御する。第二酸素濃度調節部104は、開度を0とするようにバルブ71、バルブ72及びバルブ73を制御する。
【0116】
次に、制御部100は、ステップS53,S54を順に実行する。ステップS53では、第二ロック制御部105が、ロック状態を解除状態に切り替えるようにロック64を制御する。ステップS54では、搬送制御部106が、キャリアセンサD10がキャリア11を検出しなくなるのを待機する。
【0117】
キャリアセンサD10がキャリア11を検出しなくなると、制御部100は、ステップS55を実行する。ステップS55では、搬送制御部106が、ロードロック60内にキャリア11がないことを表示するように表示部66bを制御する。例えば搬送制御部106は、点灯状態から消灯状態に切り替えるように表示部66bを制御する。
【0118】
次に、制御部100は、ステップS56を実行する。ステップS56では、搬送制御部106が、扉62のロックの要求が入力部66aに入力されるのを待機する。ステップS56において、扉62のロックの要求が入力されると、制御部100は、ステップS57を実行する。ステップS57では、第二ロック制御部105が、第二ロック制御部105が、扉62が閉じられていることを確認する。具体的に、第二ロック制御部105は、扉62が閉じられていることを扉開閉センサD12が検出していることを確認する。扉62が閉じられていない場合、第二ロック制御部105は扉62が閉じられるのを待機する。
【0119】
次に、制御部100は、ステップS58を実行する。ステップS58では、第二ロック制御部105が、解除状態をロック状態に切り替え、扉62の開放を禁止するようにロック64を制御する。以上により、キャリア搬出処理が完了する。
【0120】
〔本実施形態の効果〕
基板処理装置1は、複数のウェハWを収容したキャリア11を設置可能なキャリアブロック3と、ウェハWに対する処理を行う液処理ユニットU1及び熱処理ユニットU2と、キャリア11と液処理ユニットU1及び熱処理ユニットU2との間でウェハWを搬送する搬送アームA2と、液処理ユニットU1、熱処理ユニットU2、及び搬送アームA2を収容する筐体10と、筐体10よりも高い気密性で筐体10を収容するエンクロージャ20と、筐体10内の気圧を調節する第一圧力調節部40と、エンクロージャ20内の気圧を調節する第二圧力調節部50と、エンクロージャ20内の気圧がエンクロージャ20外の気圧及び筐体10内の気圧のいずれよりも低い状態を保つように第一圧力調節部40及び第二圧力調節部50を制御することを実行する制御部100と、を備える。
【0121】
この基板処理装置1によれば、筐体10よりも気密性の高いエンクロージャ20で筐体10を収容し、エンクロージャ20内の気圧をエンクロージャ20外の気圧及び筐体10内の気圧よりも低い状態に保つことにより、筐体10内から筐体10外に漏出したガスがエンクロージャ20外に漏出することを抑制することができる。このため、搬送領域、液処理ユニットU1内等、筐体10内の各部における酸素濃度を所望の状態に維持することが可能となる。したがって、基板処理装置1は、基板処理中の酸素濃度の管理に有用である。
【0122】
この基板処理装置1は、エンクロージャ20内の酸素濃度を調節する第一空調部30を更に備え、制御部100は、エンクロージャ20内の酸素濃度をエンクロージャ20外の酸素濃度よりも低く維持するように第一空調部30を制御することを更に実行してもよい。この場合、筐体10を収容するエンクロージャ20内の酸素濃度を調節することにより、筐体10内の各部における酸素濃度を効率的に調節することができる。
【0123】
第一空調部30は、エンクロージャ20内にガスを供給するガス供給部31と、ガス供給部31からエンクロージャ20内に送られるガスの酸素濃度を調節する濃度調節部32と、エンクロージャ20内からガス供給部31にガスを還流させる還流部33と、を有し、制御部100は、エンクロージャ20内の酸素濃度をエンクロージャ20外の酸素濃度よりも低く維持する際に、エンクロージャ20外の酸素濃度に比較して、ガス供給部31からエンクロージャ20内に送られるガスの酸素濃度を低くするように濃度調節部32を制御することを実行してもよい。この場合、ガス供給部31から濃度調節されたガスがエンクロージャ20内に送られるので、エンクロージャ20内の酸素濃度をより確実に維持することができる。また、エンクロージャ20内のガスを還流部33によってガス供給部31に還流するので、酸素濃度の調節されたガスが循環利用され、効率よく酸素濃度を維持することができる。
【0124】
第一圧力調節部40は、エンクロージャ20内から筐体10内にガスを送る送風部41を有し、第二圧力調節部50は、エンクロージャ20内のガスの一部を排気経路に導く排気部52を有していてもよい。この構成によれば、簡易な構成で気圧を調節することが可能である。
【0125】
この基板処理装置1は、エンクロージャ20内への出入り用の扉21と、扉21の開放を許容する状態と扉21の開放を禁止する状態とを切り替えるロック22と、エンクロージャ20内の酸素濃度を計測する酸素濃度センサD1と、を更に備え、制御部100は、エンクロージャ20内の酸素濃度に比較して、ガス供給部31からエンクロージャ20内に送られるガスの酸素濃度を高くするように濃度調節部32を制御することと、酸素濃度センサD1による酸素濃度の計測結果が所定値よりも低い場合に扉21の開放を禁止するようにロック22を制御することと、を更に実行してもよい。この場合、エンクロージャ20内の酸素濃度が所定値以上に調節されるまではロック22により扉21の開放が禁止されるので、例えばエンクロージャ20内へ人間が立ち入る場合等における扉21の開放に先立って、エンクロージャ20内の酸素濃度を確実に上昇させることができる。
【0126】
更に、この基板処理装置1は、筐体10内のうち外部に開放可能な空間の酸素濃度を計測する酸素濃度センサD2を更に備え、制御部100は、酸素濃度センサD2による酸素濃度の計測結果が所定値よりも低い場合にも扉21の開放を禁止するようにロック22を制御してもよい。この場合、筐体10のうち外部に開放可能な空間の開放に先立って、酸素濃度を確実に上昇させることができる。
【0127】
また、この基板処理装置1は、還流部33内の酸素濃度を計測する酸素濃度センサD3を更に備え、制御部100は、酸素濃度センサD3による酸素濃度の検出結果が所定値よりも低い場合にも扉21の開放を禁止するようにロック22を制御してもよい。この場合、還流部33内の酸素濃度が所定値以上になるまではロック22により扉21の開放が禁止されるので、エンクロージャ20内の酸素濃度をより確実に上昇させることができる。
【0128】
ガス供給部31内の酸素濃度を計測する酸素濃度センサD4を更に備え、制御部100は、酸素濃度センサD4による酸素濃度の検出結果が所定値よりも低い場合にも扉21の開放を禁止するようにロック22を制御してもよい。この場合、ガス供給部31内の酸素濃度が所定値以上になるまではロック22により扉21の開放が禁止されるので、エンクロージャ20内の酸素濃度をより確実に上昇させることができる。
【0129】
更に、この基板処理装置1は、液処理ユニットU1及び熱処理ユニットU2内からエンクロージャ20内に流出した揮発物の濃度を計測するための揮発物濃度センサD7を更に備え、制御部100は、揮発物濃度センサD7による計測結果が所定値よりも高い場合にも扉21の開放を禁止するようにロック22を制御してもよい。この場合、エンクロージャ20内の揮発物濃度が所定値以下となるまではロック22により扉21の開放が禁止されるので、エンクロージャ20内の揮発物を確実に低下させることができる。
【0130】
揮発物濃度センサD7は、排気部52に設けられていてもよい。この構成により、排気部52を利用して、揮発物を容易に検出することができる。また、ダンパ52aの開度が最大である場合には、排気部52に導かれるガスの量が増加するので、揮発物をより容易に検出することができる。
【0131】
ガス供給部31は、エンクロージャ20内にガスを導く管路L1と、液処理ユニットU1及び熱処理ユニットU2内にガスを導く管路L2と、を含んでいてもよい。この場合、エンクロージャ20内に管路L1でガスを導きつつ、液処理ユニットU1及び熱処理ユニットU2内には別経路として管路L2でガスを導くので、液処理ユニットU1及び熱処理ユニットU2内の酸素濃度をより厳密に調節することができる。
【0132】
液処理ユニットU1及び熱処理ユニットU2内のガスを排気経路に導く排気部51を更に備えていてもよい。この場合、揮発物濃度の高い液処理ユニットU1及び熱処理ユニットU2内のガスを排気するので、揮発物濃度が過大となることを抑制できる。また、揮発物濃度の高い液処理ユニットU1及び熱処理ユニットU2内のガスを還流部33に還流させる場合と比較して、還流部33のフィルタユニット33b,33dが除去する揮発物の量が低減されるので、フィルタユニット33b,33dのメンテナンス頻度の増加を抑制することができる。
【0133】
排気部51は、筐体10の側方にガスを導出する管路L7,L8を有していてもよい。この構成によれば、液処理ユニットU1ない及び熱処理ユニットU2内からの排気用の管路をエンクロージャ20内において取りまとめ易い。
【0134】
この基板処理装置1は、キャリア11を収容するロードロック60と、ロードロック60内をエンクロージャ20外に開閉する扉62と、ロードロック60内をエンクロージャ20内に開閉する扉63と、ロードロック60とキャリアブロック3との間でキャリア11の受け渡しを行う受渡部67と、ロードロック60内の酸素濃度を調節する第二空調部70と、を更に備え、制御部100は、扉62の開放に先立ってロードロック60内の酸素濃度をエンクロージャ20外の酸素濃度に近付けるように第二空調部70を制御することと、扉63の開放に先立ってロードロック60内の酸素濃度をエンクロージャ20内の酸素濃度に近付けるように第二空調部70を制御することと、を更に実行してもよい。この構成によれば、扉62を開放してロードロック60内からキャリア11を搬出することができ、扉63を開放してロードロック60内へのキャリア11の格納を行うことができる。また、キャリア11の搬出及び格納に際し、ロードロック60内からエンクロージャ20外への酸素濃度が高いガスの漏出と、ロードロック60内からエンクロージャ20内への酸素濃度が低いガスの漏出とを合わせて抑制できる。
【0135】
この基板処理装置1は、扉62の開放を許容する状態と扉62の開放を禁止する状態とを切り替えるロック64と、扉63の開放を許容する状態と扉63の開放を禁止する状態とを切り替える開閉駆動部65と、ロードロック60内の酸素濃度を計測する酸素濃度センサD6と、を更に備え、制御部100は、酸素濃度センサD6による計測結果が所定値よりも低い場合に扉62の開放を禁止するようにロック64を制御することと、酸素濃度センサD6による測定結果が所定値よりも高い場合に扉63の開放を禁止するように開閉駆動部65を制御することと、を更に実行してもよい。この場合、ロードロック60内の酸素濃度が適切に調節されるまでは、扉62及び扉63の開放が禁止されるので、扉62又は扉63の開放に先立って、ロードロック60内の酸素濃度をより確実に調節させることができる。
【0136】
以上、実施形態について説明したが、本開示は必ずしも上述した実施形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で様々な変更が可能である。例えば、基板処理装置1は、感光性被膜の形成に加えて、当該感光性被膜の露光、及び当該感光性被膜の現像を更に施すように構成されていてもよい。上述した構成は、所定の雰囲気に維持された空間内で行われる処理であれば、低酸素以外の雰囲気下で基板に対して行われる処理にも適用可能である。処理対象の基板は半導体ウェハに限られず、例えばガラス基板、マスク基板、FPD(Flat Panel Display)等であってもよい。
【0137】
以上の実施形態に関して、次のとおり付記する。
(付記1)
複数の基板を収容したキャリアを設置可能なキャリア支持部と、
前記基板に対する処理を行う処理ユニットと、
前記キャリアと前記処理ユニットとの間で前記基板を搬送する搬送アームと、
前記処理ユニット及び前記搬送アームを収容する筐体と、
前記筐体よりも高い気密性で前記筐体を収容するエンクロージャと、
前記筐体内の気圧を調節する第一圧力調節部と、
前記エンクロージャ内の気圧を調節する第二圧力調節部と、
前記エンクロージャ内の気圧が前記エンクロージャ外の気圧及び前記筐体内の気圧のいずれよりも低い状態を保つように前記第一圧力調節部及び前記第二圧力調節部を制御することを実行する制御部と、を備える基板処理装置。
(付記2)
前記エンクロージャ内の酸素濃度を調節する第一空調部を更に備え、
前記制御部は、前記エンクロージャ内の酸素濃度を前記エンクロージャ外の酸素濃度よりも低く維持するように前記第一空調部を制御することを更に実行する、付記1に記載の基板処理装置。
(付記3)
前記第一空調部は、
前記エンクロージャ内にガスを供給するガス供給部と、
前記ガス供給部から前記エンクロージャ内に送られるガスの酸素濃度を調節する濃度調節部と、
前記エンクロージャ内からガス供給部にガスを還流させる還流部と、を有し、
前記制御部は、前記エンクロージャ内の酸素濃度を前記エンクロージャ外の酸素濃度よりも低く維持する際に、前記エンクロージャ外の酸素濃度に比較して、前記ガス供給部から前記エンクロージャ内に送られるガスの酸素濃度を低くするように前記濃度調節部を制御することを実行する、付記2に記載の基板処理装置。
(付記4)
前記第一圧力調節部は、前記エンクロージャ内から前記筐体内にガスを送る送風部を有し、
前記第二圧力調節部は、前記エンクロージャ内のガスの一部を排気経路に導く第一排気部を有する、付記3に記載の基板処理装置。
(付記5)
前記エンクロージャ内への出入り用の第一扉と、
前記第一扉の開放を許容する状態と前記第一扉の開放を禁止する状態とを切り替える第一ロックと、
前記エンクロージャ内の酸素濃度を計測する第一酸素濃度センサと、を更に備え、
前記制御部は、
前記エンクロージャ内の酸素濃度に比較して、前記ガス供給部から前記エンクロージャ内に送られるガスの酸素濃度を高くするように前記濃度調節部を制御することと、
前記第一酸素濃度センサによる酸素濃度の計測結果が所定値よりも低い場合に前記第一扉の開放を禁止するように前記第一ロックを制御することと、を更に実行する、付記4に記載の基板処理装置。
(付記6)
前記筐体内のうち外部に開放可能な空間の酸素濃度を計測する第二酸素濃度センサを更に備え、
前記制御部は、前記第二酸素濃度センサによる酸素濃度の計測結果が所定値よりも低い場合にも前記第一扉の開放を禁止するように前記第一ロックを制御する、付記5に記載の基板処理装置。
(付記7)
前記還流部内の酸素濃度を計測する第三酸素濃度センサを更に備え、
前記制御部は、前記第三酸素濃度センサによる酸素濃度の検出結果が所定値よりも低い場合にも前記第一扉の開放を禁止するように前記第一ロックを制御する、付記5又は6に記載の基板処理装置。
(付記8)
前記ガス供給部内の酸素濃度を計測する第四酸素濃度センサを更に備え、
前記制御部は、前記第四酸素濃度センサによる酸素濃度の検出結果が所定値よりも低い場合にも前記第一扉の開放を禁止するように前記第一ロックを制御する、付記5〜7のいずれか一項に記載の基板処理装置。
(付記9)
前記処理ユニット内から前記エンクロージャ内に流出した揮発物の濃度を計測するための揮発物濃度センサを更に備え、
前記制御部は、前記揮発物濃度センサによる計測結果が所定値よりも高い場合にも前記第一扉の開放を禁止するように第一ロックを制御する、付記5〜8のいずれか一項に記載の基板処理装置。
(付記10)
前記揮発物濃度センサは、前記第一排気部に設けられている、付記9に記載の基板処理装置。
(付記11)
前記ガス供給部は、
前記エンクロージャ内にガスを導く第一ガス管路と、
前記処理ユニット内にガスを導く第二ガス管路と、を含む付記4〜10のいずれか一項に記載の基板処理装置。
(付記12)
前記処理ユニット内のガスを前記排気経路に導く第二排気部を更に備える付記4〜11のいずれか一項に記載の基板処理装置。
(付記13)
前記第二排気部は、前記筐体の側方にガスを導出する第三ガス管路を有する、付記12に記載の基板処理装置。
(付記14)
前記キャリアを収容するキャリア収容部と、
前記キャリア収容部内を前記エンクロージャ外に開閉する第二扉と、
前記キャリア収容部内を前記エンクロージャ内に開閉する第三扉と、
前記キャリア収容部内と前記キャリア支持部との間で前記キャリアの受け渡しを行う受渡部と、
前記キャリア収容部内の酸素濃度を調節する第二空調部と、を更に備え、
前記制御部は、
前記第二扉の開放に先立って前記キャリア収容部内の酸素濃度を前記エンクロージャ外の酸素濃度に近付けるように前記第二空調部を制御することと、
前記第三扉の開放に先立って前記キャリア収容部内の酸素濃度を前記筐体内の酸素濃度に近付けるように第二空調部を制御することと、を更に実行する、付記1〜13のいずれか一項に記載の基板処理装置。
(付記15)
前記第二扉の開放を許容する状態と前記第二扉の開放を禁止する状態とを切り替える第二ロックと、
前記第三扉の開放を許容する状態と前記第三扉の開放を禁止する状態とを切り替える第三ロックと、
前記キャリア収容部内の酸素濃度を計測する第五酸素濃度センサと、を更に備え、
前記制御部は、
前記第五酸素濃度センサによる計測結果が所定値よりも低い場合に前記第二扉の開放を禁止するように前記第二ロックを制御することと、
前記第五酸素濃度センサによる測定結果が所定値よりも高い場合に前記第三扉の開放を禁止するように前記第三ロックを制御することと、を更に実行する、付記14に記載の基板処理装置。
【符号の説明】
【0138】
1…基板処理装置、11…キャリア、3…キャリアブロック(キャリア支持部)、4…処理ブロック、10…筐体、20…エンクロージャ、21…扉(第一扉)、22…ロック(第一ロック)、30…第一空調部、31…ガス供給部、32…濃度調節部、33…還流部、40…第一圧力調節部、41…送風部、50…第二圧力調節部、51…排気部(第二排気部)、52…排気部(第一排気部)、61…収容部(キャリア収容部)、62…扉(第二扉)、63…扉(第三扉)、64…ロック(第二ロック)、65…開閉駆動部(第三ロック)、67…受渡部、70…第二空調部、100…制御部、A2…搬送アーム、D1…酸素濃度センサ(第一酸素濃度センサ)、D2…酸素濃度センサ(第二酸素濃度センサ)、D3…酸素濃度センサ(第三酸素濃度センサ)、D4…酸素濃度センサ(第四酸素濃度センサ)、D6…酸素濃度センサ(第五酸素濃度センサ)、D7…揮発物濃度センサ、L1…管路(第一ガス管路)、L2…管路(第二ガス管路)、L7,L8…管路(第三ガス管路)、U1…液処理ユニット(処理ユニット)、U2…熱処理ユニット(処理ユニット)、W…ウェハ(基板)、X…用力設備(排気経路)。
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図12