【国等の委託研究の成果に係る記載事項】(出願人による申告)平成27年度、国立研究開発法人科学技術振興機構、大学発新産業創出プログラム/技術シーズ選抜育成プロジェクト(ロボティクス分野)「一体構造空電ハイブリッドアクチュエータのしなやかさを体感可能な触知メディアの研究開発」に係る委託業務、産業技術力強化法第19条の適用を受ける特許出願
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記各回転部材の前記側壁部に配置される前記各連結部と前記リンク部材との連結部分の軸方向の両側のうち少なくとも一方には当該連結部分を支持する補強板が配置される、
請求項9から12のいずれか1項に記載の外部駆動型の関節構造体。
【発明を実施するための形態】
【0032】
以下、本発明の一側面に係る実施の形態(以下、「本実施形態」とも表記する)を、図面に基づいて説明する。ただし、以下で説明する本実施形態は、あらゆる点において本発明の例示に過ぎない。本発明の範囲を逸脱することなく種々の改良や変形が行われてもよい。つまり、本発明の実施にあたって、実施形態に応じた具体的構成が適宜採用されてもよい。
【0033】
§1 構成例
まず、
図1及び
図2を用いて、本実施形態に係る外部駆動型の関節構造体1を説明する。
図1は、本実施形態に係る関節構造体1を模式的に例示する斜視図である。また、
図2は、本実施形態に係る関節構造体1を模式的に例示する断面図である。なお、
図2では、各構成要素を区別するために、ハッチングを利用している。このハッチングは、説明の便宜上のものであり、各構成要素の材質等を特定するものではない。ハッチングを利用しているその他の断面図についても同様である。
【0034】
図1及び
図2に例示されるように、本実施形態に係る関節構造体1は、軸方向(
図2の左右方向)に延びる軸体13と、軸方向に配置され、当該軸体13によって互いに回転可能に連結される2つの回転部材(11、12)と、を備えている。後述するとおり、本実施形態に係る関節構造体1は、モータ等のアクチュエータを内蔵するハウジングを備えておらず、離間した駆動源により駆動される。以下、各構成要素について説明する。なお、以下では、説明の便宜上、2つの回転部材(11、12)をそれぞれ第1回転部材11及び第2回転部材12とも称する。また、
図1では、説明の便宜のため、x軸、y軸及びz軸を用いて各方向を例示している。x軸は、軸体13の軸方向を示しており、y軸及びz軸は、軸体13の軸方向に垂直な方向の一例を示している。
【0035】
(軸体)
まず、軸体13について説明する。
図2に例示されるように、本実施形態に係る軸体13は、第1回転部材11と一体的に形成されている。具体的には、軸体13は、第1回転部材11の後述する第2面部112の中央に一体的に連結しており、当該第2面部112から離間する方向に延びている。これにより、本実施形態では、第1回転部材11の第2面部112側に第2回転部材12が連結されるように構成されている。
【0036】
また、本実施形態に係る軸体13は、円筒状に形成されており、軸方向に貫通する円柱状の中空部132を備えている。中空部132は、軸体13の半径方向(以下、「径方向」とも記載する)の中央に配置されており、軸体13及び第1回転部材11を軸方向に貫通している。この軸体13の上端部(
図2の左側の端部)の外周壁には、内周壁に雌ネジが形成された円環状の締結具131(例えば、ナット)が取り付けられるように、雄ネジ(不図示)が形成されている。
【0037】
(回転部材)
次に、各回転部材(11、12)について説明する。まずは、第1回転部材11について説明する。本実施形態に係る第1回転部材11は、軸方向に対向する一対の面部(111、112)と、一対の面部(111、112)の外周縁に沿って配置される側壁部113と、を備えている。以下では、説明の便宜のため、一対の面部(111、112)をそれぞれ第1面部111及び第2面部112とも称する。
【0038】
本実施形態では、各面部(111、112)は、円形状に形成されており、側壁部113の高さ(
図2の左右方向の長さ)は、各面部(111、112)の径に比べてやや短めになっている。そのため、第1回転部材11は、高さ(
図2の左右方向の長さ)の低い円筒状に形成されている。なお、外側に配置される第1面部111は、面一に形成されている。一方、第2回転部材12側に配置される第2面部112は、軸体13の周囲に円環状の凹部115を有している。
【0039】
また、本実施形態では、側壁部113には、2つの連結部21が設けられている。具体的には、2つの連結部21は、各面部(111、112)の面方向中央に対して180度の位置に配置されている。各連結部21には、外骨格ロボット、ロボットアーム等のロボットのリンクを構成するリンク部材31が連結する。なお、ロボットは、リンク機構を有し、1以上の自由度で駆動する機械を含む。
【0040】
本実施形態に係る各連結部21とリンク部材31との連結方法については後述で詳細に説明する。概略的には、
図1に例示されるように、各連結部21は、径方向に対して垂直な接線方向に貫通する逆T字状の溝部211を有しており、この溝部211にはくさび(後述するくさび部材32)が取り付けられる。断面略H状のリンク部材31は、そのくさびを介して各連結部21に連結される。
【0041】
次に、第2回転部材12について説明する。本実施形態に係る第2回転部材12は、軸体13を除いた第1回転部材11とほぼ同形に構成されている。すなわち、本実施形態に係る第2回転部材12は、軸方向に対向する一対の円形状の面部(121、122)と、一対の面部(121、122)の外周縁に沿って配置される側壁部123と、を備えている。各面部(121、122)は、第1回転部材11の各面部(111、112)と同径に形成されており、側壁部123は、第1回転部材11の側壁部113と同じ高さ(軸方向に同じ長さ)に形成されている。また、第2回転部材12の側壁部123には、各面部(121、122)の面方向中央に対して180度の位置に配置される2つの連結部21が設けられている。
【0042】
一方、第2回転部材12は、第1回転部材11とは異なり、各面部(121、122)の面方向中央に、軸方向に貫通する円柱状の貫通孔124を有している。貫通孔124は、第2回転部材12を軸体13に取り付けられるように、軸体13の外径よりも大きな径を有している。これにより、第2回転部材12は、第2回転部材12の内周壁と軸体13の外周壁との間にラジアルベアリング15を配置した上で、貫通孔124に軸体13を挿入可能に構成されている。第2回転部材12と第1回転部材11とは、第2回転部材12の貫通孔124に軸体13を挿入した後、軸体13の上端部に締結具131を取り付けることで、軸回りに回転可能に連結される。各回転部材(11、12)の各側面部(113、123)の形状は、両回転部材(11、12)の外形が左右対称になるように、軸体13の軸方向に垂直な面に対して対称になっている。各ラジアルベアリング15は、軸体13にしまりばめ及び貫通孔124の内周壁にすきまばめになるように配置されてもよいし、軸体13にすきまばめ及び貫通孔124の内周壁にしまりばめになるように配置されてもよい。
【0043】
なお、各ラジアルベアリング15は、径方向(ラジアル方向)に作用する力を受け止めることができる。
図2に例示されるように、本実施形態では、第2回転部材12の内周壁と軸体13の外周壁との間において、2つのラジアルベアリング15が軸方向に整列するように配置される。第2回転部材12の内周壁には、径方向内側に突出する係止用凸部125が設けられており、各ラジアルベアリング15は、軸方向に係止用凸部125に係止することで位置決めされる。
【0044】
このとき、各ラジアルベアリング15は、軸体13の外径とほぼ同じ長さの内径を有し、締結具131は、外側(
図2の左側)に配置されるラジアルベアリング15が軸体13から抜け出るのを防止する。これにより、第2回転部材12は、係止用凸部125を介して、ラジアルベアリング15及び締結具131により、軸体13から抜け出るのを防止される。そのため、締結具131は、その外径が貫通孔124の径よりも小さくても、第2回転部材12を抜け止めすることができる。よって、締結具131の外径は、貫通孔124の径より大きくてもよいし、小さくてもよい。
【0045】
また、本実施形態では、第1回転部材11側に配置される第1面部121には、対向する第1回転部材11の第2面部112の凹部115に対応する円形状の第1凹部126が設けられている。すなわち、第1凹部126は、凹部115の径と同径になっており、第1凹部126及び凹部115は、軸方向に互いに隣接することで円環状の内部空間を形成するように位置合わせされている。第2回転部材12の第1凹部126及び第1回転部材11の凹部115はそれぞれ、本発明の「凹部」に相当する。第1凹部126及び凹部115により形成される内部空間には、スラストベアリング14及びエンコーダ16が収容される。この内部空間に収容される各構成要素については、後述する。
【0046】
一方、第2面部122には、第1凹部126よりも小径の第2凹部127が設けられている。この第2凹部127の径は、締結具131の外径よりも大きくなっている。そのため、軸体13に取り付けた第2回転部材12を締結具131により抜け止めする際に、締結具131は、第2凹部127の高さ(
図2の左右方向の長さ)の分だけ、第2回転部材12の第2面部122から外側(図の左側)に大きく突出しないようになっている。
【0047】
更に、本実施形態では、側壁部123には、軸方向に整列し、周方向に延びる2つのワイヤ駆動用溝部129が設けられている。各ワイヤ駆動用溝部129には、関節構造体1を引っ張って駆動するためのワイヤが沿うように配置される。当該ワイヤ引きによる駆動については、後述する。
【0048】
なお、軸体13及び各回転部材(11、12)は、切削加工、射出成形等の公知の方法により作製することができる。また、軸体13及び各回転部材(11、12)は、適宜、3Dプリンタによって作製することができる。軸体13及び各回転部材(11、12)の材料は、実施の形態に応じて適宜選択されてよく、例えば、アルミニウム、チタン等の金属、エンジニアリングプラスチック等の樹脂であってよい。
【0049】
(スラストベアリング及びエンコーダ)
次に、
図3を更に用いて、軸方向に隣接する回転部材(11、12)の両凹部(115、126)で形成される内部空間に収容される各構成要素について説明する。
図3は、本実施形態に係る関節構造体1を分解した状態を模式的に例示する。各凹部(115、126)は、スラストベアリング14及びエンコーダ16を収容可能な形状を有するように形成され、これによって、上記のとおり、両凹部(115、126)で形成される内部空間に、スラストベアリング14及びエンコーダ16が収容される。
【0050】
スラストベアリング14は、軸方向(スラスト方向)に作用する力を受け止めることができる。スラストベアリング14は、一般的には、複数の転動体を保持する保持器をハウジング軌道盤と軸軌道盤とで挟持した構成を有している。このスラストベアリング14の転動体の種類は、実施の形態に応じて適宜選択されてよく、例えば、玉であってもよいし、ころであってもよい。ただし、スラストベアリング14のタイプは、転動体を含むタイプに限定される訳ではなく、オイレスブッシュ、オイレスベアリング等の転動体を含まないタイプであってもよい。上記ラジアルベアリング15も同様である。
【0051】
図2に例示されるように、このスラストベアリング14は環状に形成されており、スラストベアリング14の外径は各凹部(115、126)の径とほぼ同径になっている。一方、スラストベアリング14の内径は、軸体13の外径よりも大きくなっており、これによって、スラストベアリング14の内周壁と軸体13の外周壁との間には、軸体13を囲むように円環状の空隙部116が形成される。
【0052】
本実施形態では、
図2及び
図3に例示されるように、この空隙部116に、隣接する回転部材(11、12)の相対的な回転角を検出可能なエンコーダ16が収容される。具体的には、スケール161及び検出素子162を備える光学反射式のエンコーダ16が空隙部116に収容される。スケール161及び検出素子162は、当該空隙部116において、次のように配置される。
【0053】
すなわち、
図2に例示されるように、スラストベアリング14の第2回転部材12側には、当該スラストベアリング14と同じ外径を有する円環状の盤142が配置されている。第2回転部材12の第1凹部126の底面には第1回転部材11側(
図2の右側)に突出する突出部128が設けられており、盤142の底面には、突出部128に対応する孔部143が設けられている。そのため、盤142は、この突出部128により位置決めされている。
【0054】
図2に例示されるように、盤142の径方向内側の部分は、第1回転部材11側に円環状に突出している。この突出部分の外径はスラストベアリング14の内径と同じになっており、突出部分の内径は軸体13の外径とほぼ同じ又はやや大きくなっている。これにより、突出部分は、スラストベアリング14の中空部に嵌まり込んでいる。そして、この突出部分の第1回転部材11側の端面に、円環状のスケール161が取り付けられている。
【0055】
一方、スラストベアリング14の第1回転部材11側には、当該スラストベアリング14と同じ外径及び内径を有する円環状のワッシャー141が配置されている。
図3に例示されるように、このワッシャー141の内周壁と軸体13の外周壁との間に、エンコーダ16の検出素子162が配置されている。具体的には、検出素子162は、スケール161と軸方向に対向する第1回転部材11の凹部115の底面に取り付けられている。
【0056】
スケール161は、軸体13と同心になっており、その表面には、周方向に光の反射率が周期的に変化するように、目盛りが形成されている。この目盛りを検出素子162で読み取ることで、隣接する回転部材(11、12)の相対的な回転角を検出することができる。すなわち、検出素子162は、スケール161に光を投射し、スケール161からの反射光を受光可能なように適宜構成される。
【0057】
検出素子162は、受光した反射光に応じた電気信号を、配線基板163を介して外部に出力する。配線基板163は、例えば、フレキシブルプリント配線板(FPC(Flexible Printed Circuit))で構成される。この配線基板163は、L字状に形成されており、直線部分と当該直線部分から突出した突出部164とを有している。
図3に例示されるように、突出部164の端面には、コネクタ部165が設けられている。
【0058】
また、
図1及び
図3に例示されるとおり、この配線基板163を内部空間から外部に引き出すことができるように、第1回転部材11には、配線基板163の形状に適合した配線用溝部114が設けられている。この配線用溝部114は、凹部115を含む第2面部112から側壁部113まで直線的に延びており、配線基板163の直線部分とほぼ同じ長さを有している。加えて、配線用溝部114の側壁部113に位置する部分は、連結部21に隣接している。
【0059】
そのため、
図3の矢印で示されるように、配線基板163の直線部分を配線用溝部114に沿わせ、突出部164を連結部21側に折り畳むことで、連結部21の溝部211の底部214に突出部164を配置することができる。これにより、本実施形態では、配線基板163の突出部164は、底部214に接着される。すなわち、配線基板163のコネクタ部165は、連結部21の溝部211内に配置される。
【0060】
これに応じて、本実施形態では、検出素子162の検出した回転角のデータを利用する装置(例えば、アクチュエータを制御する制御装置)から延びるケーブル17を、配線基板163に連結するのに、リンク部材31の溝部314に沿わせることができる。すなわち、
図3に例示されるように、ケーブル17のコード部分をリンク部材31の溝部314に埋め込んだ上で、ケーブル17のコネクタ部171を連結部21の溝部211内で配線基板163のコネクタ部165に連結することができる。
【0061】
以上のような構成により、エンコーダ16は、隣接する回転部材(11、12)の相対的な回転角を検出することができる。すなわち、第2回転部材12の突出部128が孔部143に嵌り込んでいることで盤142が位置決めされているため、第2回転部材12が軸回りに回転すると、スケール161は、第2回転部材12の軸回りの回転と同じ分だけ、軸回りに回転する。同様に、検出素子162は凹部115の底面に取り付けられているため、第1回転部材11が軸回りに回転すると、検出素子162は、第1回転部材11の軸回りの回転と同じ分だけ、軸回りに回転する。つまり、スケール161及び検出素子162は、第1回転部材11及び第2回転部材12の相対的な回転の分だけ、軸回りに相対的に回転する。そして、スケール161の端面には、周方向に光の反射率が周期的に変化するような目盛りが形成されており、検出素子162によりその目盛り(反射光)を読み取ることができる。そのため、検出素子162の出力(反射光に応じた電気信号)から隣接する回転部材(11、12)の相対的な回転角を特定することができる。
【0062】
(連結部)
次に、
図4、
図5A、
図5B、及び
図6を更に用いて、連結部21におけるリンク部材31の連結方法について説明する。
図4は、本実施形態に係る関節構造体1の連結部21を模式的に例示する部分拡大図である。
図5Aは、連結部21にリンク部材31を連結する前の状態を模式的に例示する断面図である。
図5Bは、連結部21にリンク部材31を連結した後の状態を模式的に例示する断面図である。
図6は、連結部21の端面210とリンク部材31の端面310との連結状態を模式的に例示する。
【0063】
図1及び
図4に例示されるように、本実施形態に係る各連結部21は、接線方向に各回転部材の側壁部(113、123)の円弧部を切り欠いた形状を有している。具体的には、各回転部材(11、12)の連結部21は、径方向に垂直で平らな端面210を有しており、この端面210から径方向内側に向けて溝部211が形成されている。この溝部211は、径方向に垂直な接線方向に貫通しており、溝部211の一対の溝壁の上端にはそれぞれ、内側に突出する肉厚部212が設けられている。これにより、溝部211は、断面略逆T字状に形成されている。なお、端面210には、径方向外側に突出する4つの矩形状の突起部213が設けられている。
【0064】
一方、
図1及び
図6に例示されるように、本実施形態に係るリンク部材31は、両側面部にそれぞれ長手方向に沿う溝部314が形成されている。これにより、リンク部材31は、断面略H状に形成されている。なお、各溝部314を構成する一対の溝壁の縁部315は互いに内側に突出しているため、各溝部314は、断面略逆T字状に形成されている。また、
図5A及び
図5Bに例示されるように、リンク部材31は、平らな端面310中央において、当該端面310から長手方向に延びる孔部311を有している。このリンク部材31は、例えば、アルミニウム、チタン等金属製、又はエンジニアリングプラスチック等の樹脂製のフレーム材である。ただし、リンク部材31の材料は、これらに限定されなくてよく、実施の形態に応じて適宜選択されてよい。
【0065】
本実施形態では、
図5A及び
図5Bに例示されるように、このような連結部21とリンク部材31とが、くさび部材32を介して、次のように連結される。すなわち、くさび部材32は、連結部21の溝部211の幅広部分とほぼ同じ大きさを有する矩形状の頭部321と、溝部211の幅狭部分とほぼ同じ大きさを有する矩形状の胴部322と、を備えている。これにより、くさび部材32は、断面略T字状に形成されている。
【0066】
このくさび部材32は、頭部321が連結部21の溝部211に嵌まり込むように配置される。これにより、
図5Aに例示されるように、くさび部材32は、頭部321が溝部211の肉厚部212に係止し、かつ、胴部322が溝部211から突き出た状態になる。この胴部322の溝部211から突き出た部分には、ねじ33を挿入できるように、ねじ33の雄ネジ部333よりやや大径の円柱状の貫通孔323を有している。また、貫通孔323のねじ33を受け入れる側には、ねじ33のテーパー部332に適合するテーパー部324が設けられている。
【0067】
この貫通孔323に合わせて、リンク部材31には、図の上側の面から孔部311に幅方向(
図5A及び
図5Bの上下方向)に貫通する貫通孔312と、孔部311から図の下側の面に幅方向に貫通する貫通孔313と、が設けられている。本実施形態では、貫通孔312側からねじ33を挿入するため、貫通孔312は、ねじ33の頭部331の外径とほぼ同じ径を有している。また、貫通孔313は、ねじ33の雄ネジ部333の外径とほぼ同じ径を有しており、その内周壁には、雄ネジ部333が螺合するための雌ネジが形成されている。これにより、
図5Bに例示されるように、くさび部材32の頭部321を連結部21の溝部211に嵌め込み、リンク部材31の孔部311に胴部322を挿入した状態で、ねじ33を締結することで、連結部21とリンク部材31とを連結することができる。
【0068】
ここで、くさび部材32の頭部321を溝部211に嵌め込んだ状態における連結部21の端面210から貫通孔323までの距離WAは、リンク部材31の端面310からねじ33の雄ネジ部333が螺合する貫通孔313までの距離WBよりやや短くなっている。そのため、ねじ33の雄ネジ部333を貫通孔313に螺合する際に、ねじ33のテーパー部332が、くさび部材32の貫通孔323のテーパー部324に当接しつつ、くさび部材32をリンク部材31側に引っ張る。
【0069】
これにより、くさび部材32には、径方向(図の左右方向)に緊張が働き、この緊張の作用によって、連結部21とリンク部材31とが強固に連結される。具体的には、くさび部材32の頭部321から連結部21の肉厚部212に作用する力、及びくさび部材32の貫通孔323を介してねじ33からリンク部材31の各貫通孔(312、312)の内周壁に作用する力により、連結部21とリンク部材31とが径方向に連結される。このとき、リンク部材31は、各回転部材(11、12)の径方向に沿って延びるように、すなわち、各回転部材(11、12)の径方向とリンク部材31の長手方向とが一致するように、連結部21に連結される。本実施形態では、このようなくさび部材32とねじ33とを用いた簡単な締結により、各回転部材(11、12)の連結部21にリンク部材31を連結することができる。
【0070】
ただし、本実施形態では、連結部21の溝部211が径方向に垂直な接線方向(
図5A及び
図5Bの紙面に垂直な方向)に貫通しているため、くさび部材32が、接線方向に移動して、頭部321が溝部211から接線方向に抜け出てしまう可能性がある。これに対応するため、本実施形態では、連結部21の端面210に4つの突起部213が設けられている。
【0071】
具体的には、
図6に例示されるように、4つの突起部213が、リンク部材31の各縁部315に係止するように、矩形の四角に配置されている。これにより、連結部21とリンク部材31とが連結した状態では、リンク部材31の各縁部315が各突起部213に係止するため、連結部21とリンク部材31とを連結するくさび部材32の接線方向(
図6の上下方向)の移動を抑制することができる。また、各突起部213は、軸方向にもリンク部材31に当接しているため、リンク部材31が軸方向にがたつくのを抑制することができる。更に、本実施形態では、各突起部213は、リンク部材31の各縁部315付近の形状に対応しているため、各突起部213をリンク部材31の位置合わせにも利用することができる。
【0072】
なお、
図2、
図5A、及び
図5Bに例示されるように、本実施形態に係る各回転部材(11、12)の厚み、換言すると、各側壁部(113、123)の高さは、各リンク部材31の厚み(
図2の左右方向の長さ)と同一に構成されている。これによって、各回転部材(11、12)が回転する際に、各回転部材(11、12)に連結されるリンク部材31が互いに干渉しないようになっている。なお、『同一』とは、各回転部材(11、12)の厚みが各リンク部材31の厚みと完全に同じになっている状態の他、互いに干渉しない又は後述する補強板51を配置可能な程度に各回転部材(11、12)の厚みが各リンク部材31の厚みより大きくなっている状態を含む。
【0073】
§2 使用例
本実施形態に係る関節構造体1によれば、様々なリンク機構を構築することができる。以下では、3つの例を示す。
【0074】
(スコットラッセル機構)
まず、
図7A及び
図7Bを用いて、6つの関節構造体408a〜408fにより、パラレルリンク化したスコットラッセル機構を有するロボット400を構築する例について説明する。
図7A及び
図7Bは、本使用例に係るロボット400を模式的に例示する斜視図及び側面図である。なお、各関節構造体に符号408a〜408fを付しているのは説明の便宜に過ぎず、各関節構造体408a〜408fは上記関節構造体1である。各関節構造体408a〜408fは、第2回転部材が紙面手前側になるように配置されている。同様に、各リンク部材に符号407a〜407hを付しているのは説明の便宜に過ぎず、各リンク部材407a〜407hは上記リンク部材31である。
【0075】
本使用例に係るロボット400は、地面に載置される矩形状のベース401と、ベース401の上面から鉛直方向に延びる角柱状の支柱402と、を備えている。支柱402には、上下方向に離間して一対のアクチュエータ(403、404)が取り付けられている。また、一対のアクチュエータ(403、404)の間には、2つの可動部(405、406)が上下方向に移動(スライド)可能に取り付けられている。
【0076】
各アクチュエータ(403、404)は、鉛直方向に出力ロッドを駆動することで、各可動部(405、406)を上下方向に移動させる。具体的には、上側に配置されたアクチュエータ403が可動部405を上下方向に移動させ、下側に配置されたアクチュエータ404が可動部406を上下方向に移動させる。すなわち、各可動部(405、406)は、互いに無関係に上下方向に移動することができる。
【0077】
なお、各アクチュエータ(403、404)の種類は、鉛直方向に出力ロッドを駆動可能であれば、実施の形態に応じて適宜選択されてよい。例えば、各アクチュエータ(403、404)には、リニアアクチュエータ、電動アクチュエータ、油圧アクチュエータ、空圧アクチュエータ、ハイブリッド型アクチュエータ等が用いられてもよい。また、各可動部(405、406)の種類は、上下方向に移動可能であれば、実施の形態に応じて適宜選択されてよい。各可動部(405、406)には、例えば、リニアベアリングが用いられてもよい。
【0078】
可動部405には、水平方向に延びるリンク部材407aが取り付けられている。同様に、可動部406には、水平方向に延びる2つのリンク部材(407b、407c)が上下に離間して取り付けられている。各リンク部材407a〜407cは短めに構成されている。
【0079】
リンク部材407aの可動部405とは反対側の端部には、関節構造体408aが取り付けられる。具体的には、リンク部材407aは、関節構造体408aの第1回転部材の連結部に連結している。また、関節構造体408aの第2回転部材の連結部には、リンク部材407aより長手方向に長いリンク部材407dが連結している。
【0080】
これに対して、リンク部材407bの可動部406とは反対側の端部は、関節構造体408bの第2回転部材の連結部に連結している。また、関節構造体408bの第1回転部材の連結部には、リンク部材407bより長手方向に長いリンク部材407eが連結している。
【0081】
両リンク部材(407d、407e)は、関節構造体408dに連結している。具体的には、関節構造体408dの第1回転部材の連結部にリンク部材407eが連結し、第2回転部材の連結部にリンク部材407dが連結している。そして、関節構造体408dの第1回転部材のもう一方の連結部には、リンク部材407eと同程度の長さを有するリンク部材407gが連結している。
【0082】
これにより、3つの関節構造体(408a、408b、408d)と5つのリンク部材(407a、407b、407d、407e、407g)とで、スコットラッセル機構が構築される。なお、リンク部材407gの関節構造体408dとは反対側の端部は、関節構造体408eの第1回転部材の連結部に連結している。また、関節構造体408eの第2回転部材の連結部には、可動部406に隣接する2つの関節構造体(408b、408c)の上下方向の間の距離と同じ長さを有するリンク部材407hが連結している。そして、リンク部材407hの関節構造体408eとは反対側の端部は、関節構造体408fの第2回転部材の連結部に連結している。このリンク部材407hには、エンドエフェクタ等の先端部409が取り付けられている。
【0083】
一方、リンク部材407bの下方に配置されたリンク部材407cの可動部406とは反対側の端部は、関節構造体408cの第2回転部材の連結部に連結している。また、関節構造体408cの第1回転部材の連結部には、上方に配置された2つのリンク部材(407e、407g)及び関節構造体408dの合計の長さと同じ長さを有するリンク部材407fが連結している。このリンク部材407fの関節構造体408cと反対側の端部は、関節構造体408fの第1回転部材の連結部に連結している。
【0084】
すなわち、このロボット400では、一対のリンク部材(407e、407g)とリンク部材407fとが平行になっており、4つの関節構造体(408b、408c、408f、408e)を繋ぐリンクにより平行四辺形が形成される(パラレルリンク)。そのため、ロボット400は、上記スコットラッセル機構の特性により、各アクチュエータ(403、404)を駆動し、各可動部(405、406)を上下に移動させることで、先端部409を上下前後(
図7Bの矢印方向)に移動させることができる。その上で、ロボット400は、このパラレルリンクの特性により、各アクチュエータ(403、404)を駆動して、リンク部材407hに取り付けられた先端部409を上下前後に移動させても、この先端部409の水平を維持することができる。
【0085】
なお、このロボット400では、関節構造体408dのみ、同一の回転部材の2つの連結部が同時に利用されている。すなわち、2つのリンク部材(407e、408g)を直線的に連結するのに、関節構造体408dの第1回転部材の2つの連結部が利用されている。一方、その他の関節構造体の各回転部材では、1つの連結部しかリンク部材の連結に利用されていない。そのため、その他の関節構造体の各回転部材は、少なくとも1つの連結部を有していればよく、その他の連結部は省略されてもよい。また、各リンク部材が連結する各回転部材は、上記の例に限定されなくてもよく、実施の形態に応じて適宜選択されてよい。
【0086】
以上のように、少なくとも1つの回転部材の側壁部に2つ以上の連結部が設けられていれば、上記パラレルリンク化したスコットラッセル機構を有するロボット400を構築することができる。そのため、複数の回転部材のうち少なくとも1つの回転部材の側壁部に複数の連結部を設けることで、上記パラレルリンク化したスコットラッセル機構等の複雑なリンク機構を実現することができる。
【0087】
(ワイヤ駆動機構)
次に、
図8を用いて、ワイヤ駆動用溝部129を利用して、関節構造体1をワイヤ駆動する例について説明する。
図8は、ワイヤ引きにより駆動する3つの関節構造体412を有するロボット410を模式的に例示する斜視図である。なお、上記と同様に、各関節構造体に符号412A、412Bを付しているのは説明の便宜に過ぎず、各関節構造体(412A、412B)は上記関節構造体1である。具体的には、第1回転部材11を紙面手前側に向けて利用している関節構造体に「412A」を付しており、第2回転部材12を紙面手前側に向けて利用している関節構造体に「412B」を付している。以下、両者を区別しない場合には、単に「関節構造体412」と記載する。同様に、各リンク部材に符号411を付しているのは説明の便宜に過ぎず、各リンク部材411は上記リンク部材31である。
【0088】
本使用例に係るロボット410では、4つのリンク部材411が3つの関節構造体412により連結されている。各リンク部材411は、各関節構造体412の連結部に適宜連結されている。具体的には、関節構造体412Bの第1回転部材と関節構造体412Bの下方に配置される関節構造体412Aの第2回転部材とがリンク部材411で連結されている。また、関節構造体412Bの第2回転部材と関節構造体412Bの上方に配置される関節構造体412Aの第1回転部材とがリンク部材411で連結されている。各関節構造体412の上方には、一対の固定具(413、414)が、各リンク部材411の溝部に固定されている。
【0089】
各固定具(413、414)には、各ワイヤ(415、416)の端部が固定されている。具体的には、固定具413にワイヤ415の端部が固定されており、固定具414にワイヤ416の端部が固定されている。各ワイヤ(415、416)は、ボーデンケーブルであり、ワイヤ駆動用溝部129に沿うように配置された後、各関節構造体412の下方に配置された結束具417を通過して、外部に設けられた駆動源に連結されている。駆動源は、例えば、空圧アクチュエータ、モータ等である。
【0090】
本使用例に係るロボット410は、このような構成を有することにより、次のように動作する。すなわち、外部の駆動源によりワイヤ415を引っ張ると、固定具413にその力が作用し、駆動対象の関節構造体412の上方のリンク部材411が矢印A1方向に引っ張られる。これにより、当該リンク部材411に連結している回転部材が回転する。同様に、外部の駆動源によりワイヤ416を引っ張ると、固定具414にその力が作用し、駆動対象の関節構造体412の上方のリンク部材411が矢印A2方向に引っ張られる。これにより、当該リンク部材411に連結している回転部材が回転する。本使用例に係るロボット410では、このようなワイヤ引きにより、関節構造体412を駆動することができる。
【0091】
なお、本使用例では、各関節構造体412Aは、関節構造体412Bに対して軸方向に垂直な軸で反転した状態で利用されている。そして、関節構造体412Bの第1回転部材と関節構造体412Bの下方に配置される関節構造体412Aの第2回転部材とがリンク部材411で連結されている。関節構造体412Bの第2回転部材と関節構造体412Bの上方に配置される関節構造体412Aの第1回転部材とがリンク部材411で連結されている。これにより、リンク部材411を介して隣接する2つの関節構造体(412A、412B)は、軸方向に垂直な方向に各回転部材が対向するように配置されている。そのため、本使用例に係るロボット410は、軸方向にコンパクトになっている。ただし、リンク機構を軸方向にコンパクトに構成する場合、各関節構造体の利用形態は、このような例に限定されなくてもよい。例えば、上記ロボット400のように、隣接する2つの関節構造体を同じ方向を向けて利用してもよい。この場合、ラジアルベアリングは、軸体及び貫通孔の内壁のいずれかにしまりばめにするのではなく、軸体及び貫通孔の内壁にやや隙間を設ける中間ばめで配置されてよい。当該構成によれば、隣接する2つの関節構造体を同じ方向を向けて利用することにより、締結具等を一方向側に配置することができるため、ベアリングのグリースアップもしくは与圧の調整が必要な場合でも、各関節構造体を一方向からメンテナンス可能なリンク機構を構築することができる。
【0092】
(デルタロボット)
次に、
図9Aを用いて、18つの関節構造体424により、パラレルリンク機構を3カ所に有するデルタロボット420を構築する例について説明する。
図9Aは、本使用例に係るデルタロボット420を模式的に例示する斜視図である。なお、上記と同様に、各関節構造体に符号424を付しているのは説明の便宜に過ぎず、各関節構造体424は上記関節構造体1である。
【0093】
本使用例に係るデルタロボット420は、三角形の枠状の基部421を有している。基部421の各辺の中央には回転モータ422が取り付けられており、回転モータ422にはリンク部材423aが連結している。このリンク部材423aは、上記リンク部材31である。
【0094】
リンク部材423aの他方の端部には、関節構造体424が連結している。この関節構造体424には、T字状のリンク部材423bが連結している。このリンク部材423bは、4つの関節構造体424、同じ長さを有する2つのリンク部材(423c、423d)、及びT字状のリンク部材423eとで、パラレルリンクを構成する。
【0095】
各リンク部材(423c、423d)は、上記リンク部材31である。また、T字状のリンク部材(423b、423e)の各端部は、上記リンク部材31の端部と同様の構成を有する。このT字状のリンク部材(423b、423e)は、2つのリンク部材31を適宜溶接、接着等することで、作製することができる。なお、各リンク部材423a〜423eは、各関節構造体424の連結部に適宜連結される。
【0096】
また、T字状のリンク部材423eの残りの端部にも関節構造体424が連結しており、この最も下方に配置された計3つの関節構造体424に、三角形の枠状の先端部425が取り付けられている。具体的には、先端部425の各角に、上記リンク部材31の端部と同様の構成を有するリンク部426が設けられており、各リンク部426を介して、先端部425は、各関節構造体424に連結している。
【0097】
本使用例に係るデルタロボット420は、このような構成を有することにより、次のように動作する。すなわち、本使用例に係るデルタロボット420では、基部421に配置された3つの回転モータ422それぞれにパラレルリンク機構が連結している。そのため、3つの回転モータ422の全て又は一部を駆動することにより、駆動した回転モータ422に連結するパラレルリンク機構を上下方向に移動させることができ、これによって、水平状態を維持したままで、先端部425を各方向に移動させることができる。
【0098】
なお、
図9Bに例示されるように、デルタロボット420に利用するアクチュエータは、回転モータ422に限定されなくてもよい。
図9Bは、アクチュエータとして、鉛直方向に出力ロッドを駆動するリニアモータ427を用いたデルタロボット420Aを模式的に例示する斜視図である。
【0099】
図9Bに例示されるように、本使用例に係るデルタロボット420Aは、上記回転モータ422を直動のリニアモータ427に置き換えた点を除き、上記デルタロボット420と同じ構成を有する。このデルタロボット420Aは、各リニアモータ427の出力ロッドを上下動させることで、上記デルタロボット420と同様に動作することができる。
【0100】
<特徴>
以上のとおり、本実施形態に係る関節構造体1では、2つの回転部材(11、12)が軸回りに互いに回転可能に連結される。加えて、各回転部材(11、12)は、ロボットのリンクを構成するリンク部材31を連結するための連結部21を2つずつ備えている。そのため、上記使用例に示したように、異なる回転部材(11、12)に異なるリンク部材31を連結することで、関節構造体1を介して複数のリンク部材31を連結することができる。更に、アクチュエータ等から外力が作用してリンク部材31が変動した場合には、各回転部材(11、12)は、そのリンク部材31の変動に応じて、軸周りに回転することができる。
【0101】
すなわち、本実施形態に係る関節構造体1は、リンク部材31から伝達される外力によって駆動することができ、これによって、異なる回転部材(11、12)に連結したリンク部材31間の位置関係を変化させることができる。加えて、この関節構造体1により、上記使用例に示されるような多様なリンク機構を構築することができる。したがって、本実施形態に係る関節構造体1は、モジュール化されており、汎用的に利用可能である。
【0102】
また、本実施形態では、軸方向に隣接する回転部材(11、12)の対向する面部(112、121)にはそれぞれ凹部(115、126)が設けられ、両凹部(115、126)により形成される内部空間には、スラストベアリング14が配置されている。そのため、本実施形態に係る関節構造体1は、スラストベアリング14により軸方向の強度が確保されている。
【0103】
また、本実施形態では、両凹部(115、126)により形成される内部空間に、更に、両回転部材(11、12)の相対的な回転角を検出可能なエンコーダ16が収容されている。そのため、本実施形態では、ケースなどの余分な構成要素を用いずに、エンコーダ16が外部に接触しないようにすることができ、これによって、エンコーダ16が外力により故障する可能性を格段に低減することができる。
【0104】
また、エンコーダ16は内部空間に配置されるため、外部に配置した場合に比べて、当該関節構造体1の変形の影響を受けにくい。すなわち、関節構造体1の外形が外力によって変形しても、両凹部(115、126)による内部空間は変形しにくい。そのため、関節構造体1の外形が変形しても、エンコーダ16を構成するスケール161と検出素子162との位置関係はほとんど変化しない。したがって、関節構造体1は、外力の加わる状況で利用されても、両回転部材(11、12)の相対的な回転角を安定的に検出することができる。
【0105】
加えて、本実施形態では、スケール161は第2回転部材12と一体的に回転し、検出素子162は第1回転部材11と一体的に回転するように構成されている。そのため、本実施形態に係る関節構造体1では、ベルト・ギア・カップリング等の伝達部品を介して各回転部材(11、12)の回転を外付けエンコーダで計測する方法に比べて、バックラッシュ又は滑りに起因した誤差が生じることがない。したがって、本実施形態に係る関節構造体1は、両回転部材(11、12)の相対的な回転角を正確に検出することができる。
【0106】
なお、本実施形態では、各回転部材(11、12)は円柱状の基本形状を有し、その基本形状から円弧部を接線方向に切断することで、各連結部21が形成される。つまり、各回転部材(11、12)は円形から突出した部分を有する形状ではないため、各回転部材(11、12)の作製に旋盤加工を適用することができる。そのため、加工により各回転部材(11、12)を作製する場合であっても、非常に簡単に各回転部材(11、12)を作製することができる。
【0107】
また、本実施形態に係る関節構造体1は、外部駆動型であり、アクチュエータを内蔵するハウジング等、アクチュエータ内蔵型の関節構造体の必須の構成が不要であるため、コンパクトで、かつ軽量にすることができる。加えて、本実施形態に係る関節構造体1は、複雑な構造を有しておらず、簡単な設計で容易に作製することができる。
【0108】
また、本実施形態に係る関節構造体1では、軸体13を除いた第1回転部材11と第2回転部材とはほぼ同形に形成されているため、各回転部材(11、12)は、軸方向に左右対称になっている。詳細には、各側面部(113、123)の形状が、軸体13の軸方向に垂直な面に対して対称になっている。そのため、本実施形態に係る関節構造体1によれば、閉リンクのリンク機構が構築しやすい。また、複数の関節構造体1の各回転部材(11、12)を交互にリンク部材31で連結することで、かさを増やさずにリンク機構を構築することができる。
【0109】
更に、本実施形態では、各回転部材(11、12)に設けられる2つの連結部21は、軸周りに180度の関係で各側壁部(113、123)に配置されている。そのため、各回転部材(11、12)の各連結部21は軸方向に対称に配置されているため、各回転部材(11、12)に連結するリンク部材31を軸方向に対称に活用することができる。例えば、第1回転部材11側のリンク部材31を固定した関節構造体1を備えるリンク機構において、当該関節構造体1をひっくり返して、第2回転部材12側のリンク部材31を固定しても同じリンク機構を構築することができる。また、本実施形態では、2つの回転部材(11、12)のうち一方の回転部材11は軸体13と一体形成され、他方の回転部材12は、軸体13が挿通する貫通孔124を有している。そして、ラジアルベアリング15が、軸体13にしまりばめ及び貫通孔124の内周壁にすきまばめになる、又は軸体13にすきまばめ及び貫通孔124の内周壁にすきまばめになるように配置可能になっている。これにより、例えば、次のような効果を期待することができる。すなわち、本実施形態に係る関節構造体1では、第1回転部材11側のリンク部材31を固定すると、第2回転部材12が回転することになり、外輪回転及び内輪静止のラジアル荷重が内部で作用することになる。そのため、ラジアルベアリング15を挿入する貫通孔124の径は、このラジアル荷重を想定して決定されることになる。例えば、第2回転部材12が不釣合荷重で駆動される場合には、ラジアルベアリング15のはめあいは、内輪がしまりばめになり、外輪がすきまばめになるように構成される。すなわち、軸体13の外径よりやや小さい内径を有し、かつ貫通孔124の径よりもやや小さい外径を有するラジアルベアリング15は、軸体13に対してしまりばめになり、貫通孔124の内周壁に対してすきまばめになるように配置する。そのため、貫通孔124の径は、ラジアルベアリング15の外径よりも大きくなるように決定される。一方、第2回転部材12が静止荷重で駆動されるようになると、ラジアルベアリング15の内輪がすきまばめになり、外輪がしまりばめになるように、ベアリングの変更が求められる。すなわち、軸体13の外径よりやや大きい内径を有し、かつ貫通孔124の径よりもやや大きい外径を有するラジアルベアリング15を、軸体13に対してすきまばめになり、貫通孔124の内周壁に対してしまりばめになるように配置する。このとき、ラジアルベアリング15を変更しないとすると、貫通孔124の径の大きさの変更が求められる。これに対して、本実施形態に係る関節構造体1は、リンク部材31を左右対称に利用することができる形状を有する。
【0110】
そのため、第2回転部材12側のリンク部材31を固定するようにし、第1回転部材11に静止荷重が作用するようにすることで、貫通孔124の径又は軸体13の径の大きさを変更することなく、本実施形態に係る関節構造体1にかかる荷重条件が異なる場合も、そのままリンク機構に適用することができる。なお、複数の関節構造体1によりリンク機構を構築する場合には、ラジアルベアリング15の内輪がしまりばめになっている関節構造体1、及びラジアルベアリング15の内輪がすきまばめになっている関節構造体1の両形態を利用してもよい。この場合、ラジアルベアリング15の内輪がしまりばめになっている関節構造体1とラジアルベアリング15の内輪がすきまばめになっている関節構造体1とを軸方向に対称に利用することで、軸方向にコンパクトなリンク機構を構築することができる。
【0111】
ここで、「連結部が軸方向に対称に配置される」とは、両回転部材(11、12)に連結される複数のリンク部材31の位置関係を保持したまま、関節構造体1を軸方向に垂直な軸(
図1の軸SA又は軸SB)で反転させて、両回転部材(11、12)の接続関係を入れ替え可能であることを指す。すなわち、
図1に例示される関節構造体1を軸SA(y軸)又は軸SB(z軸)周りに反転させると想定した場合に、第1回転部材11に反転前に連結していたリンク部材31は、反転後に、第2回転部材12の連結部21にそのままの位置で連結可能である。また、第2回転部材12に反転前に連結していたリンク部材31は、反転後に、第1回転部材11の連結部21にそのままの位置で連結可能である。これにより、リンク機構の構造を変更することなく、そのリンク機構に利用する関節構造体1の向きを変えることで、当該関節構造体1を、第1回転部材11が回転する内輪回転のジョイントとして利用したり、第2回転部材12が回転する外輪回転のジョイントとして利用したりすることができる。また、配線用溝部114の位置を適宜変更することができる。なお、この「連結部が軸方向に対称に配置される」状態は、各回転部材(11、12)に設けられる2つの連結部が軸周りに180度の関係で配置される例に限定される訳ではなく、実施の形態に応じて適宜設計されてよい。
【0112】
更に、各回転部材(11、12)の側壁部(113、123)に設けられる2つの連結部21は、軸周りに180度の関係で配置されているため、個々の回転部材(11、12)において、各連結部21は、軸周りに対称になっている。そのため、本実施形態に係る関節構造体1は、軸周りに回転しても、前記リンク部材の位置関係を保持したまま利用可能である。これによって、配線用溝部114の位置を適宜変更することができる。なお、個々の回転部材において、各連結部が軸周りに対称になっている状態は、2つの連結部が軸周りに180度の関係で配置される例に限定される訳ではなく、実施の形態に応じて適宜設計されてよい。
【0113】
加えて、各構成要素の重量を適宜選択することで、本実施形態に係る関節構造体1は、外形だけでなく、全体の重量バランスを左右対称にすることができる。そのため、次のような効果を期待することができる。すなわち、従来のアクチュエータ内蔵型の関節構造体は電気モータで駆動されるところ、電気モータ単体では高速低トルク特性となるためロボットの駆動源には適さない。そのため、電気モータは、減速機を取り付けて利用される。
【0114】
したがって、従来のアクチュエータ内蔵型の関節構造体は、電気モータと減速機との流量の相違により、全体の重量バランスを左右対称にすることができない。そのため、このような関節構造体を利用したリンク機構では、通常、左右で重量のバランスが異なってしまう。これにより、リンクに対してひねる力が発生してしまうため、関節構造体の前後のリンク同士が接触してしまう可能性がある。この点は、特に、上記ロボット400のような鉛直面内にリンク機構が配置されるロボットで問題となる。
【0115】
また、例えば、重量バランスが左右対称ではない関節構造体を互い違いに配置して、リンク機構全体の重量バランス左右対称にしたとする。この場合であっても、関節構造体が互い違いに配置されることにより、各関節構造体から延びる配線が互い違いになってしまい、リンク機構全体の配線の取り回しが悪化してしまう。
【0116】
これに対して、本実施形態に係る関節構造体1は、外部駆動型であり、上記のような電気モータ及び減速機を内蔵しないため、各構成要素の重量を適宜選択することで、全体の重量バランスを左右対称にすることができる。そのため、この関節構造体1を利用したリンク機構(例えば、上記ロボット400)では、全体の重量バランスをほぼ左右対称にすることができ、関節構造体1の前後のリンク部材31同士が接触してしまうのを防止することができる。加えて、リンク機構の重量バランスを左右対称にするために、各関節構造体1を互い違いに配置しなくてよいため、リンク機構全体の配線の取り回しが悪化してしまうのを防止することができる。
【0117】
§3 変形例
以上、本発明の実施形態を詳細に説明してきたが、前述までの説明はあらゆる点において本発明の例示に過ぎない。本発明の範囲を逸脱することなく種々の改良や変形を行うことができることは言うまでもない。また、上記関節構造体1の各構成要素に関して、実施の形態に応じて、適宜、構成要素の省略、置換、及び追加が行われてもよい。上記関節構造体1の各構成要素の形状及び大きさは、実施の形態に応じて、適宜設定されてもよい。例えば、以下の変更が可能である。なお、以下で説明する変形例では、上記実施形態と同様の構成要素に関しては同様の符号を用い、適宜説明を省略した。以下の変形例は適宜組み合わせ可能である。
【0118】
<3.1>
例えば、上記実施形態に係る関節構造体1は、2個の回転部材(11、12)を備えている。しかしながら、本発明の関節構造体の備える回転部材の数は、上記実施形態の例に限定されなくてもよく、3つ以上であってもよい。
【0119】
図10を用いて、その一例を説明する。
図10は、3つの回転部材(11、12、18)を備える関節構造体1Aを模式的に例示する断面図である。
図10に示されるとおり、本変形例に係る関節構造体1Aは、上記関節構造体1とほぼ同様に構成される。すなわち、第3回転部材18は、第2回転部材12と同じ構成を有している。第1回転部材11と第2回転部材12との間の内部空間及び第2回転部材12と第3回転部材18との間の内部空間には、上記実施形態と同様に、スラストベアリング14及びエンコーダが適宜配置される。また、軸体13Aは、第3回転部材18を取り付ける分だけ軸方向の長さが長くなっている点を除き、上記実施形態に係る軸体13と同じ構成を有している。更に、第2回転部材12と軸体13Aとの間及び第3回転部材18と軸体13Aとの間にはそれぞれ、上記実施形態と同様に、2個のラジアルベアリング15が配置される。これにより、関節構造体1Aは、それぞれ軸周りに回転可能に連結された3つの回転部材(11、12、18)を備える。
【0120】
つまり、上記実施形態では、軸体13の軸方向の長さを適宜調節することにより、軸体に取り付ける第2回転部材12の個数を調節することができる。これにより、3つ以上の回転部材を備える関節構造体を適宜作製することができる。なお、3つ以上の回転部材を備える関節構造体を作製する方法は、このような例に限定される訳ではなく、後述する変形例を含め、実施の形態に応じて適宜選択可能である。
【0121】
<3.2>
例えば、上記実施形態では、各回転部材(11、12)の各面部(111、112、121、122)は、円形状に形成されている。しかしながら、各回転部材(11、12)の形状は、このような例に限定されなくてもよく、実施の形態に応じて適宜選択されてよい。例えば、各回転部材(11、12)の各面部(111、112、121、122)は、六角形等の多角形であってもよいし、楕円形であってもよい。なお、これらの形状の場合に、各回転部材(11、12)の外形を軸方向に対称に形成してもよい。
【0122】
<3.3>
また、例えば、上記実施形態では、各回転部材(11、12)は、2つの連結部21を有している。しかしながら、各回転部材(11、12)の有する連結部21の数は、2つに限定されなくてもよく、実施の形態に応じて適宜選択されてもよい。例えば、各回転部材(11、12)の有する連結部21の数は、1つであってもよいし、3つ以上であってもよい。このとき、各連結部21は、上記実施形態と同様に各側壁部(113、123)に配置されてもよいし、上記変形例と同様に各面部(111、112、121、122)に配置されてもよい。
【0123】
<3.4>
また、例えば、上記実施形態では、各連結部21は、各回転部材(11、12)の側壁部(113、123)に配置されている。しかしながら、各連結部21の配置は、このような例に限定されなくてもよく、各回転部材(11、12)の各面部(111、112、121、122)に配置されてもよい。
【0124】
図11を用いて、その一例を説明する。
図11は、第1回転部材11Bの第1面部111Bに連結部21Bを有する関節構造体1Bを模式的に例示する。
図11Bに例示されるとおり、第1回転部材11Bは、第1面部111Bに連結部21Bが設けられている点を除き、上記第1回転部材11と同様の構成を有する。連結部21Bは、上記連結部21と同じ構成を有する。そのため、連結部21Bには、上記と同様の連結方法で、リンク部材31を連結することができる。
【0125】
図11で例示されるように、複数の回転部材のうちの少なくとも1つの回転部材が一対の面部のいずれかに少なくとも1つの連結部を備えるようにし、複数の回転部材のうちのその他の回転部材が側壁部に少なくとも1つの連結部を備えるようにすることで、次のような効果を期待することができる。すなわち、面部に設けられた連結部(例えば、第1回転部材11Bの連結部21B)と側壁部に設けられた連結部(例えば、第2回転部材12の連結部21)との間で、リンクの接続方向を変換することができる。そのため、特別な構造を持たなくても、リンクの接続方向が変換可能となり、構築するリンク機構を全体的にコンパクトにすることができる。
【0126】
なお、連結部を設けることが可能な面部は、第1回転部材の第1面部に限定される訳ではない。例えば、第2回転部材の第2面部側に連結部が設けられてもうよい。また、各回転部材の各面部に連結部を設ける場合、アタッチメント等を介して、連結部が設けられてもよい。
【0127】
<3.5>
また、例えば、上記実施形態では、2つの連結部21は、各回転部材(11、12)の面方向中央に対して180度の位置に配置されている(以下、この角度を「隣接する連結部の間の角度」と称する)。しかしながら、側壁部(113、123)に複数の連結部21を設ける場合に、各連結部21の位置関係は、このような例に限定されなくてもよく、実施の形態に応じて適宜選択されてよい。
【0128】
例えば、隣接する連結部の間の角度は、鈍角又は鋭角に設定されてもよい。また、例えば、リンク部材を用いて多角形のリンクを構築する場合には、関節構造体を各頂点に配置可能なように、隣接する連結部の間の角度は、多角形の一つの角の角度と同じになるように設定されてよい。なお、隣接する連結部の間の角度が鈍角である関節構造体を用いることで、例えば、
図12に示すようなブーメラン型のパラレルリンク機構を構築することができる。
【0129】
図12は、隣接する連結部の間の角度が鈍角である関節構造体1Cを用いたロボット400Cを模式的に例示する斜視図である。
図12に例示されるロボット400Cでは、上記ロボット400のスコットラッセル機構部分の中間に配置される関節構造体408dが、隣接する連結部の間の角度が鈍角である関節構造体1Cに置き換えられている。
【0130】
そのため、この関節構造体1Cに連結する2つのリンク部材(407e、407g)は、ブーメラン状に屈折したリンクを構成する。これに伴い、本変形例では、上記ロボット400のリンク部材407fが関節構造体1Cと2つのリンク部材31cとに置き換えられている。
【0131】
各リンク部材31cは、上記リンク部材31と同じ構成を有し、各リンク部材(407e、407g)と同じ長さを有するように構成される。これにより、2つのリンク部材31cと関節構造体1Cとで構成されるリンクは、2つのリンク部材(407e、407g)と関節構造体1Cとで構成されるリンクと同じ形状になる。すなわち、ブーメラン型のパラレルリンクが構成される。
【0132】
以上のように、隣接する連結部の間の角度が鈍角である関節構造体1Cを用いることで、パラレルリンクがブーメラン型になったロボット400Cを構築することができる。なお、下方側のリンクでは、関節構造体1Cを利用せずに、2つのリンク部材(407e、407g)で構成されるブーメラン状のリンクと同じ形状を有するリンク部材を利用してもよい。
【0133】
また、例えば、上記実施形態及び上記変形例では、リンク部材31は、各回転部材に対して、径方向又は軸方向(各面に垂直方向)に延びるように連結される。しかしながら、リンク部材31を連結する向きは、このような例に限定されなくてもよく、実施の形態に応じて適宜選択されてよい。例えば、連結部21(21B)の端面210は、径方向(軸方向)から傾いていてもよい。これにより、リンク部材31を、各回転部材に対して径方向又は軸方向から傾くように、連結部21(21B)に連結することができる。
【0134】
<3.6>
また、例えば、上記実施形態及び変形例では、軸体13(13A)は、第1回転部材11と一体的に形成されている。しかしながら、軸体13(13A)は、第1回転部材11以外の回転部材と一体的に形成されてもよい。上記変形例のように、関節構造体が3つ以上の回転部材を備える場合、軸体13(13A)は、最も外側に配置される2つの回転部材のいずれかと一体的に形成されてもよい。また、軸体13(13A)は、最も外側に配置される2つの回転部材の間に配置されるいずれかと一体的に形成されてもよい。この場合、軸体13(13A)は、当該回転部材の両側の面部から軸方向に延びるように形成される。更に、軸体13(13A)は、最も外側に配置される2つの回転部材それぞれに一体的に形成されてもよい。この場合、各回転部材から延びる各軸体13(13A)はネジ結合等で連結可能に構成されてよい。
【0135】
また、
図13に例示されるように、軸体13(13A)は、各回転部材とは別体に形成されてもよい。
図13は、第1回転部材11Dとは別体に形成される軸体13Dを備える関節構造体1Dを模式的に例示する斜視図である。
図13に例示されるように、各回転部材(11D、12D、18D)は、上記第2回転部材12とほぼ同様の構成を有する。
【0136】
本変形例に係る軸体13Dは、円環状の基部133と、当該基部133から軸方向に延びる円筒部134と、を備えている。円筒部134は、上記軸体13(13A)とほぼ同様に構成される。つまり、円筒部134の軸方向の長さは、各回転部材(11D、12D、18D)の幅の合計に対応している。また、円筒部134の外径は、ラジアルベアリング15を配置可能な程度に、各回転部材(11D、12D、18D)の内径よりも小さくなっている。これにより、軸体13Dと各回転部材(11D、12D、18D)との間には、ラジアルベアリング15が配置される。
【0137】
これに対して、基部133の外径は円筒部134の外径よりも大きくなっている。これにより、基部133は、各回転部材(11D、12D、18D)の貫通孔に挿入されないようになっている。本変形例では、第1回転部材11Dの面部に設けられた凹部117の径と基部133の外径とが同径になっており、基部133は、当該第1回転部材11Dの凹部117に嵌り込むようになっている。この基部133は、第1回転部材11Dの面部にネジ等で固定されてもよい。なお、基部133の内径と円筒部134の内径とは同径になっている。
【0138】
以上のように、軸体は、各回転部材とは別体に形成されてもよい。この場合、上記変形例でも例示されるとおり、全ての回転部材(11D、12D、18D)を同形に形成することができる。そのため、関節構造体の作製コストを低減することができ、より安価にロボットのリンク機構を構築することができるようになる。
【0139】
なお、上記実施形態と同様に、各回転部材(11D、12D、18D)の各面部は、互いに対向した際に上記スラストベアリング14及びエンコーダ16を収容可能なように、これらを収容可能な形状を有する凹部を備えてもよい。また、上記実施形態及び変形例では、軸体13(13A、13D)は、中空に形成されている。しかしながら、軸体13(13A、13D)は、中実に形成されてもよい。
【0140】
また、本変形例に係る関節構造体1Dでは、軸体13Dは第1回転部材11に連結されるため、第1回転部材11の貫通孔内に配置されるラジアルベアリング15は省略されてもよい。軸体13Dの基部133が第1回転部材11側に配置される分、関節構造体1Dは第1回転部材11側に重くなる可能性がある。これに対して、第1回転部材11の貫通孔内に配置されるラジアルベアリング15を省略することで、関節構造体1Dの全体の重量バランスを左右対称にしやすくすることができる。
【0141】
<3.7>
また、上記実施形態及び変形例では、各リンク部材は、各回転部材に個別に連結される。しかしながら、リンク部材と回転部材との対応関係は、このような例に限定されなくてもよい。上記
図10及び
図13で例示される変形例のように、関節構造体が3つ以上の回転部材を備える場合は、少なくとも2つの回転部材の連結部が同一のリンク部材に連結されてもよい。
【0142】
図14を用いて、その一例を説明する。
図14は、第1回転部材11(11D)の連結部と第3回転部材18(18D)の連結部とが同一のリンク部材34に連結された状態を模式的に例示する斜視図である。ここで、「同一のリンク部材」は、複数の回転部材を同時に駆動可能であれば、一体的に形成されていてもよいし、複数の部材が組み合わさることで形成されてもよい。
【0143】
図14に例示されるように、本変形例に係るリンク部材34は、コの字型に形成されており、その端部は、上記リンク部材31と同様の構成を有している。このリンク部材34は、2つのリンク部材31を溶接等で適宜連結することで作製することができる。そして、リンク部材34の各端部は、第1回転部材11(11D)及び第3回転部材18(18D)の連結部に連結している。これにより、第1回転部材11(11D)及び第3回転部材18(18D)を同一のリンク部材34に連結することができる。なお、同一のリンク部材に連結する回転部材の数は、この例に限定されなくてもよい。3つ以上の回転部材の連結部が同一のリンク部材に連結されてもよい。
【0144】
このように、少なくとも2つの回転部材の連結部が同一のリンク部材に連結するようにすることで、比較的に大きな力がリンク部材から関節構造体に作用しても、その力を、複数の回転部材で分割して受け止めることができる。これにより、外力によって関節構造体の軸体が変形してしまうのを抑制することができる。
【0145】
なお、同一のリンク部材に連結する回転部材の選択は、実施の形態に応じて適宜選択されてよい。例えば、
図14に例示されるように、最外側に配置される2つの回転部材の連結部を同一のリンク部材に連結してもよい。また、1又は複数の回転部材を挟む一対の回転部材の連結部を同一のリンク部材に連結してもよい。これにより、同一のリンク部材に連結される一対の回転部材の間に配置される回転部材から作用する力を、その両側に配置される当該一対の回転部材で受け止めることができる。そのため、関節構造体に作用する力が部分的に集中するのを避け、当該力を分散させることができる。したがって、同一のリンク部材に連結する回転部材をこのように選択することで、外力によって関節構造体の軸体が変形してしまうのを適切に抑制することができる。
【0146】
<3.8>
また、
図15に例示されるように、補強板を用いて、各回転部材の連結部とリンク部材との連結を補強してもよい。
図15は、連結部21とリンク部材31との連結を補強する補強板51を備える関節構造体1Eを模式的に例示する断面図である。
図15Eに例示されるように、本変形例に係る関節構造体1Eは、上記実施形態と同様に、2つの回転部材(11E、12E)を備える。
【0147】
各回転部材(11E、12E)の各面部(111、112、121、122)は、略円環状の補強板51を配置可能なように、外周面から径方向内側に延びる円環状の補強板用凹部511〜514を有している。この点を除き、各回転部材(11E、12E)は、上記回転部材(11、12)と同じ構成を有している。
【0148】
各補強板用凹部511〜514の内径は各補強板51の内径と同径になっている。ここで、各補強板用凹部(512、513)と各凹部(115、126)との間に隔壁が設けられるように、各補強板用凹部(512、513)の内径は、各凹部(115、126)の外径よりも大きくなっている。これにより、各補強板51の内周壁とスラストベアリング14とは接触しないようになっている。なお、補強板用凹部514の内径も、第2凹部127の外径よりも大きくなっている。
【0149】
以上のような構成により、各補強板51は、各連結部21に軸方向に隣接するように配置される。また、各補強板51は、各回転部材(11E、12E)の各面部(111、112、121、122)の外径よりも大きな外径を有している。そのため、
図15に例示されるように、連結部21とリンク部材31との各連結部分には、一対の補強板51が軸方向から挟んで支えるように配置される。これにより、各補強板51は、連結部21とリンク部材31との連結を補強することができる。
【0150】
すなわち、連結部21とリンク部材31との連結部分を起点として、リンク部材31に軸方向(接線方向)のモーメントが作用したとする。この場合、連結部21の端面210に大きな力が作用し、肉厚部212が破壊されてしまい、連結部21とリンク部材31との連結が解かれてしまう可能性がある。これに対して、本変形例のように、連結部21とリンク部材31との連結部分に軸方向に隣接するように補強板51を配置することで、上記のような力を補強板51で支えることができる。これによって、連結部21の端面210に大きな力が作用するのを抑制し、肉厚部212が破壊されてしまうのを防止することができる。したがって、本変形例によれば、ねじれに強い関節構造体を作製することができる。
【0151】
なお、補強板51の配置の方法は、このような例に限定されなくてもよく、実施の形態に応じて適宜選択されてもよい。例えば、上記補強板用凹部511〜514を設けることなく、各補強板51は、各回転部材(11E、12E)の各面部(111、112、121、122)にそのまま沿うように配置されてもよい。各補強板51は、各回転部材(11E、12E)と同一の部材で一体形成されてもよい。また、上記変形例では、連結部21の軸方向の両側に一対の補強板51が配置されている。しかしながら、補強板51による補強方法はこのような例に限定されなくてもよく、例えば、いずれか一方の補強板51が省略されてもよい。すなわち、各回転部材(11E、12E)の側壁部に配置される各連結部21とリンク部材31との連結部分の軸方向の両側のうち少なくとも一方に当該連結部分を支持する補強板51を配置することで、ねじれに強い関節構造体を作製することができる。
【0152】
また、本変形例に係る関節構造体1Eでは、ラジアルベアリング15が第2回転部材12E側に設けられる分だけ、関節構造体1Eの重量が第2回転部材12E側に偏ってしまう可能性がある。これに対して、各関節構造体(11E、12E)に取り付けられる第2回転部材12E側(
図15の左側)の補強板51を省略することで、関節構造体1Eの全体の重量バランスを左右対称にしやすくすることができる。
【0153】
<3.9>
また、上記実施形態では、連結部21とリンク部材31とは、くさび部材32を介して連結される。しかしながら、連結部21とリンク部材31とを連結する方法は、このような例に限定されなくてもよく、実施の形態に応じて適宜選択されてよい。例えば、
図16A及び
図16Bにより例示されるように、連結部21とリンク部材31との連結は磁石によって構成されてもよい。
【0154】
図16Aは、リンク部材31Fと連結部21Fとの連結を磁石で構成する回転部材19を模式的に例示する。
図16Bは、
図16AのC−C線で示す部分断面図である。回転部材に符号19を付しているのは説明の便宜のためであり、回転部材19は、例えば、上記第2回転部材12である。
【0155】
図16Bに例示されるように、回転部材19の連結部21Fは、上記連結部21と同じ形状を有しており、この連結部21Fの溝部211に、矩形状の軟磁性プレート61が取り付けられる。一方、リンク部材31Fは、上記リンク部材31と同じ形状を有しており、両溝部314にまたがるように円柱状の永久磁石62が配置されている。このとき、永久磁石62は、N極がいずれかの溝部314側を向くように配置される。そして、各溝部314には、この永久磁石62に当接するように矩形状の軟磁性体ピン(63、64)が配置されている。両軟磁性体ピン(63、64)は、非磁性体ボルト65で固定されている。
【0156】
なお、軟磁性プレート61及び各軟磁性体ピン(63、64)の材料には、電磁軟鉄が用いられてもよい。軟磁性プレート61及び各軟磁性体ピン(63、64)の材料は、軟磁性材料から適宜選択されてよい。また、非磁性体ボルト65の材料は、非磁性材料から適宜選択されてよい。
【0157】
ここで、各軟磁性体ピン(63、64)及び軟磁性プレート61は、互いに当接可能なように配置される。例えば、軟磁性プレート61は、軟磁性プレート61の端面が連結部21Fの端面付近に位置するように配置される。同様に、各軟磁性体ピン(63、64)は、各軟磁性体ピン(63、64)の端面がリンク部材31Fの端面付近に位置するように配置される。
【0158】
これにより、各軟磁性体ピン(63、64)と軟磁性プレート61とを当接させると、永久磁石62、各軟磁性体ピン(63、64)、及び軟磁性プレート61で、磁力のループが形成される。そのため、各軟磁性体ピン(63、64)と軟磁性プレート61とを適度な強度で連結することができる。本変形例では、このようにして、連結部21Fとリンク部材31Fとの連結を磁石で構成することができる。
【0159】
本変形例によれば、連結部21Fとリンク部材31Fとの連結が磁石で構成されるため、工具を用いることなく、ロボットのリンク機構を構築することができる。これにより、非常に容易にロボットを作製することができるようになる。
【0160】
また、過負荷時には、磁石による連結は解かれやすい。そのため、例えば、上記ロボット400の関節構造体(408a、408b、408c)等のアクチュエータから力が直接作用する関節構造体でこの磁石による連結方法を用いることで、過負荷時に、リンク機構をアクチュエータから切り離すことができる。これによって、過負荷が生じた際に、事故が発生するのを抑制することができる。同様に、外骨格ロボットに関節構造体を利用する場合に、人体に作用する関節構造体でこの磁石による連結方法を用いることで、人体にダメージを与えるような過負荷が生じるのを防止することができる。
【0161】
なお、本変形例では、永久磁石62はリンク部材31F側に配置されている。しかしながら、永久磁石62の配置はこのような例に限定されなくてもよく、永久磁石62は、回転部材19側に配置されてもよい。また、上記磁力のループが形成可能であれば、各軟磁性体ピン(63、64)及び軟磁性プレート61は、部分的に非磁性体材料で形成されてもよい。また、各構成要素の形状は、実施の形態に応じて適宜選択されてよい。例えば、永久磁石62は、矩形状に形成されてもよい。
【0162】
また、磁石以外の方法で、連結部とリンク部材とを連結してもよい。例えば、上記実施形態では、連結部21の端面210とリンク部材31の端面310とを突き合わせた状態で、連結部21とリンク部材31とを連結している。しかしながら、リンク部材31の厚み及び溝部211の幅によっては、リンク部材31を溝部211に挿入した状態で、連結部21とリンク部材31とを連結してもよい。また、上記各回転部材が複数の連結部を備える場合、各連結部は、異なる方法でリンク部材と連結してもよい。
【0163】
<3.10>
また、上記実施形態では、軸方向に隣接する回転部材(11、12)の間に、各回転部材(11、12)から軸方向に作用する力を受け止めるために、スラストベアリング14が収容されている。しかしながら、軸方向に隣接する回転部材(11、12)の間に配置可能なベアリングは、軸方向に作用する力を受け止める環状のベアリングであれば、このような例に限定されなくてもよく、実施の形態に応じて適宜選択されてよい。例えば、隣接する回転部材(11、12)の間には、スラスト方向及びラジアル方向の両方向の力を受け止め可能なアンギュラコンタクトボールベアリングが収容されてもよい。
【0164】
なお、関節構造体が3つ以上の回転部材を備える場合、軸方向に隣接する回転部材の間で、このようなベアリングを収容可能な形状を有する凹部(例えば、上記実施形態の凹部115及び第1凹部126)が設けられる。このベアリングを収容する凹部は、隣接する回転部材の対向する面(例えば、上記実施形態の第2面部112及び第1面部121)の両側に設けられてもよいし、片側に設けられてもよい。隣接する回転部材の対向する面の両側に凹部が設けられる場合、両凹部の高さ(
図2の左右方向の長さ)がベアリングの厚みに対応していれば、各凹部の高さは同じでもよいし、異なっていてもよい。
【0165】
<3.11>
また、上記実施形態では、スケール161が第2回転部材12側に配置され、検出素子162が第1回転部材11側に配置されている。しかしながら、スケール161及び検出素子162の配置は、このような例に限定されなくてもよく、入れ替わってもよい。すなわち、スケール161が第1回転部材11側に配置され、検出素子162が第2回転部材12側に配置されてもよい。この場合、配線用溝部114は第2回転部材12側に設けられ、検出素子162の出力は第2回転部材12側で取り出される。
【0166】
また、上記実施形態では、光学反射式のエンコーダ16が利用されている。しかしながら、本実施形態に係る関節構造体1に内蔵可能なエンコーダの種類は、この例に限定されなくてもよく、実施の形態に応じて適宜選択されてよい。例えば、関節構造体1は、光学透過式のエンコーダを内蔵してもよい。
【0167】
この光学透過式のエンコーダは、例えば、周方向に光の透過率が周期的に変化する透過式スケールと発光部及び受光部を備えた検出素子とで構成することができる。この場合、検出素子の発光部及び受光部を、透過式スケールの一方の面側から発光した光を他方の面側で受光するように配置することで、隣接する回転部材(11、12)の相対的な回転角を検出することができる。
【0168】
このほか、関節構造体1は、磁気方式又は電気抵抗方式のエンコーダを備えてもよい。例えば、磁気方式のエンコーダは、周方向に磁力の変化するスケールと磁力を検出するホール素子等の検出素子とで構成することができる。例えば、磁気方式のエンコーダとして、AVAGO社製のマグネッティックエンコーダ(型番:AEAT-6600-T16等)を利用することができる。また、磁気方式のエンコーダとして、レゾルバ(例えば、多摩川精機株式会社製:Singlsyn(登録商標)等)を利用することもできる。
【0169】
また、上記実施形態では、スラストベアリング14とは別体の盤142にスケール161が取り付けられている。しかしながら、スケール161の取り付ける場所はこのような例に限られなくてもよく、スケール161は、スラストベアリング14に取り付けられてもよい。例えば、スラストベアリング14のハウジング軌道盤(不図示)が盤142と同様の形状を有する場合には、スケール161は、ハウジング軌道盤の端面に取り付けられてもよい。このとき、ワッシャー141を省略し、スラストベアリング14の軸軌道盤をそのまま凹部115の底面に当接させてもよい。これによって、スラストベアリング14の一部を用いてエンコーダ16を構成することができるため、部品点数及び組立工程を減らすことができ、また、関節構造体1の内部空間に収容される構成要素をコンパクトにすることができる。
【0170】
また、上記実施形態では、エンコーダ16を構成するスケール161と検出素子162とは軸方向に対向するように配置される。しかしながら、エンコーダ16の配置はこのような例に限定されなくてもよく、例えば、スケール161及び検出素子162は、軸方向に対向するように、軸体13の外周壁及びスラストベアリング14の内周壁に配置されてもよい。
【0171】
また、上記実施形態では、スケール161と検出素子162とが軸方向に対向するように、円環状の空隙部116が確保されている。しかしながら、空隙部116の形状は、スケール161と検出素子162とが軸方向に対向可能であれば、このような例に限定されなくてもよく、実施の形態に応じて適宜選択されてよい。例えば、空隙部116は、断面扇状であってもよい。
【0172】
また、関節構造体1に収容するエンコーダとして、反射式又は透過式の光学式エンコーダを利用する場合には、関節構造体1の内部空間に光ファイバを配置し、当該光ファイバによって、スケールに対する投光及び受光を行ってもよい。この場合、光ファイバを介して電気信号を関節構造体1の外部に出力することができるため、検出素子及び基板を関節構造体1の外部に配置することができる。この場合には、関節構造体1に内蔵するエンコーダの構成要素から金属材料を除くことが可能になる。更に、その他の構成要素も樹脂製の材料で形成することで、金属材料を用いることなく関節構造体1を作製することができる。
【0173】
また、上記実施形態では、検出素子162は配線基板163を介して有線で電気信号の送受信を行っている。しかしながら、検出素子162が電気信号を送受信する方法は、このような例に限定されなくてもよい。例えば、無線モジュールを利用することで、検出素子162は、電気信号の送受信を無線で行ってもよい。この場合、配線基板163を省略することができる。なお、上記実施形態では、配線基板163は、配線用溝部114を介して内部空間から外部に出てきている。しかしながら、配線基板163の経路は、このような例に限定されなくてもよく、配線基板163は、軸体13の中空部132を介して外部に出てきてもよい。
【0174】
<3.12>
また、上記実施形態では、連結部21の端面210に4つの突起部213を設けることで、連結部21とリンク部材31との連結を強固にしている。しかしながら、このような突起部の数及び形状は、上記実施形態の例に限定されなくてもよく、実施の形態に応じて適宜選択されてよい。連結部の端面に設けられる突起部は、当該連結部に連結されるリンク部材の端面形状に応じて適宜設計されてよい。
【0175】
また、上記実施形態では、各突起部213は、端面210に一体的に形成されている。しかしながら、各突起部213の構成は、このような例に限られず、実施の形態に応じて適宜選択されてよい。例えば、各突起部213は、端面210に孔を設け、その孔にピンを挿入することで、構成されてもよい。
【0176】
更に、上記実施形態では、各突起部213は、連結部21に設けられている。しかしながら、各突起部213を設ける位置は、このような例に限られなくてもよく、各突起部213は、リンク部材31の端面310に設けられてもよい。この場合、連結部21の端面210には、各突起部213を受け入れる孔を設けることで、連結部21とリンク部材31とを上記と同様に連結することができる。
【0177】
<3.13>
また、上記実施形態では、エンコーダ16の配線基板163は、第1回転部材11側から外部に出力されている。しかしながら、配線基板163を外部に出力する方向は、このような例に限定されなくてもよい。例えば、検出素子162が第2回転部材12側に配置される場合、第2回転部材12に上記配線用溝部114と同様の配線用溝部を設け、配線基板163が第2回転部材12側から外部に出るようにしてもよい。更に、両回転部材(11、12)に配線用溝部114を設けておき、関節構造体1を利用する場面に応じて、配線基板163を外部に出力する方向を選択できるようにしてもよい。
【0178】
<3.14>
また、上記実施形態では、各回転部材(11、12)の側壁部(113、123)に配置される各連結部21の端面は、突起部213を除いて、平らに形成されている。しかしながら、各連結部21の形状は、このような例に限定されなくてもよい。
【0179】
図17は、各連結部21の形状の変形例を示す。
図17に示される回転部材11Gは、連結部21Gを除き、上記第1回転部材11と同様に形成されている。また、連結部21Gは、端面の形状を除き、上記連結部21と同様に形成されている。更に、リンク部材31Gは、端面の形状を除き、上記リンク部材31と同様に形成されている。
【0180】
本変形例では、リンク部材31の端面の中央には、長手方向に陥没するように凹部が設けられている。これに対応して、回転部材11Gの側壁部に配置される連結部21Gは、接線方向の中央に径方向外側に突出する凸部2101を有するように構成される。また、連結部21Gの端面において、凸部2101の両側の部分は、凸部2101よりやや下がった位置で平らに形成されており、各突起部213はこの部分に配置されている。なお、このような連結部21Gは、第1回転部材11だけではなく、上記第2回転部材12にも適用可能である。
【0181】
本変形例によれば、各連結部21Gにおいて、凸部2101を設けている分だけ、肉厚部の径方向の長さを短くすることができる。そのため、上記実施形態と比べて、本変形例では、くさび部材32の頭部321を挿入する溝部の位置をやや径方向外側にすることができる。したがって、関節構造体の内部空間を大きくすることができ、これによって、径の大きいベアリングを内部に配置し、関節構造体の強度を高めることができる。また、軸体の中空部の径を大きくすることで、関節構造体の軽量化を図ることができる。また、軸体の外径を大きくすることで、軸体の剛性を高めることができる。
【0182】
<3.15>
また、上記実施形態では、関節構造体1の内部に配置するベアリングとして、スラストベアリング14及びラジアルベアリング15が用いられている。しかしながら、利用可能なベアリングは、これらに限定されなくてもよく、実施の形態に応じて適宜選択されてよい。
【0183】
図18は、上記実施形態と異なるベアリングを用いた変形例を示す。
図18に例示される関節構造体1Hは、第1回転部材11H及び第2回転部材12Hを備えている。第1回転部材11Hは、上記第1回転部材11とほぼ同様に形成され、第2回転部材12Hは、上記第2回転部材12とほぼ同様に形成されている。
【0184】
第1回転部材11Hの凹部115は円環状に形成され、凹部115の内周面1151の付け根には、内周面1151から径方向内側に延びる円環状の段差部1152が設けられている。一方、第1回転部材11Hと隣接する第2回転部材12の凹部115と対向する第1面部121には、凹部115及び段差部1152よりも径の小さい円環状の突出部1211が設けられている。そして、突出部1211の外周面1212の付け根には、突出部1211の外周面1212から径方向外側に延びる円環状の段差部1213が設けられている。
【0185】
このような関節構造体1Hの内部構造において、環状のクロスローラベアリング71が、凹部115の内周面1151、凹部115の段差部1152の軸方向の面、突出部1211の外周面1212、及び突出部1211の段差部1213の軸方向の面で支持されるように配置される。このクロスローラベアリング71により、関節構造体1Hに作用する軸方向及び径方向の荷重を受けることができる。なお、3つ以上の回転部材を有する場合、このようなベアリングを内蔵する構造は、隣接する2つの回転部材の間の部分それぞれに設けられてよい。
【0186】
本変形例によれば、次のような効果を得ることができる。すなわち、一般的に、クロスローラベアリング71の内径は、スラストベアリングの内径よりも大きくなっている。そのため、本変形例では、ベアリングの内側の領域を広く使えるようになる。これによって、例えば、軸体13の外径を大きくすることで、軸体13の剛性を高めることができる。加えて、径の大きなラジアルベアリング15を利用することで、ラジアルベアリング15により受ける荷重を大きくすることができる。また、軸体13の中空部の径を大きくすることで、関節構造体の軽量化を図ることができる。