(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【背景技術】
【0002】
周波数測定は、ある測定時間内に波が何回振動するかを測定するものであり、1秒当たりに振動する回数として表現する。一般に、測定時間(平均化時間)の大小は平均化効果の大小につながるため、測定時間によって周波数の安定度は変わり、それに応じて測定の不確かさも変わる。したがって、レーザの周波数測定では、その目的に応じて平均化時間を設定して値付けすることが求められる。
【0003】
近年の光周波数コム装置(光周波数コム又は光コムと称する)の発明により、レーザの周波数を周波数の国家標準にトレーサブルな基準周波数発振器を使って高精度に測定することができるようになった(特許文献1、2参照)。光周波数コムは縦モードの間隔、即ち繰り返し周波数がf
repで櫛状のスペクトルのレーザを出力する装置であり、f
repがどの波長帯においても正確に等しいという性質を持っている(非特許文献1参照)。
【0004】
図1に、光周波数コムと測定対象となるレーザ(測定対象レーザと称する)の周波数スペクトルの模式図を示す。
【0005】
光コムにおけるn番目のコムモードの発振周波数ν
nは、以下の式により表わすことができる。
ν
n=n・f
rep+f
CEO …(1)
【0006】
ここで、f
CEOは端数のキャリアエンベロップオフセット周波数(CEO周波数と称する)、nはモード次数であり、最初のモードをゼロ番目としたとき、何番目のモードかを示す。
【0007】
f
repとf
CEOを基準周波数発振器に安定化させた光コムの発振周波数ν
nと測定対象レーザ(周波数ν
DUT)とを干渉させて発生するビート周波数f
Bを測定することで、測定対象レーザの絶対周波数ν
DUTを得ることができる。
ν
DUT=ν
n+f
B …(2)
【0008】
このため、基準周波数発振器を周波数の国家標準に同期させてレーザの周波数を測定することで国家標準にトレーサブルに測定することができる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
ここで、レーザの周波数を測定する際の標準として古くから用いられてきた、よう素安定化He−Neレーザについて、その特徴を上げて光周波数コムとの違いについて述べる。
【0012】
よう素安定化He−Neレーザは、国際度量衡委員会CIPMが不確かさ2.1×10
-11で勧告する分子吸収線に安定化したレーザである。分子吸収線の周波数の不確かさに加えて、吸収線に安定化する際の電気的な調整誤差などによる周波数のオフセットや長期的なドリフトや発振再現性に伴う周波数変動などにより、その絶対周波数は11乗台で不確かなレーザである。しかしながら、オフセット量を中心とした比較的短い時間の周波数安定度は極めて高く、例えば、平均化時間1秒で12乗台、1000秒で13乗台前半になるといった特徴がある。
【0013】
これに対して光周波数コムの場合は、マイクロ波の基準周波数発振器に位相同期をかけて発振周波数を安定化する。また、基準周波数発振器はGPS信号の時間間隔の測定とインターネットによる測定結果の比較システムを利用することで、周波数の国家標準に同期をかけて安定化することができる。これにより、平均化時間1日(8640秒)で評価した場合には不確かさは1.1×10
-13に到達する。しかしながら同期のメカニズム上、比較的短い時間の安定度はあまり良くない。例えば1000秒平均では12乗台であるため、よう素安定化He−Neレーザと比較すると1桁劣る。また、基準周波数発振器そのものの安定度についても、ユーザが比較的手ごろな値段で入手できるルビジウムRbの場合では1秒平均で11乗台であり、よう素安定化He−Neレーザと比較すると悪くなる。一般に測定値の不確かさは、測定値の偏り(真値に対するオフセット量)とばらつきによって表現されることから、安定度が悪いとその分不確かさは大きくなってしまう。
【0014】
つまり、光周波数コムは周波数の国家標準にトレーサブルで不確かさの小さい高精度な測定装置と言われるが、実際に、一般のユーザが使用できる基準周波数発振器には限りがあるため、平均化時間によっては安定度が悪く測定の不確かさが大きくなるという問題があった。
【0015】
本発明は、前記従来の問題点を解決するべくなされたもので、平均化時間(測定時間)に応じて、より高い精度(小さい不確かさ)でレーザの周波数を測定可能とすることを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0016】
一般に周波数安定化レーザは短い平均化時間での安定度は高い。これに対して光周波数コムの方は絶対値は正確で、さらには、長い平均化時間で周波数を測定すれば、ばらつきも小さくなり正確な値に収束するといった性質がある。本発明は、両者の長所を組み合わせることによって、目的に応じて求められるさまざまな平均化時間で、より高い精度(小さい不確かさ)でレーザ周波数を測定できる装置を提供する。
【0017】
即ち、本発明は、光周波数コムと、周波数安定化レーザと、前記光周波数コムと前記周波数安定化レーザとを干渉させた際に発生する第1のビート周波数を測定する第1の周波数カウンタと、前記周波数安定化レーザと測定対象レーザとの間で発生する第2のビート周波数を測定する第2の周波数カウンタと、前記第1及び第2のビート周波数に基づき前記測定対象レーザの周波数を算出する演算部とを備え、周波数測定の際の平均化時間に応じて、前記第2のビート周波数または前記第1及び第2のビート周波数を用いて、前記測定対象レーザの周波数を測定することにより、前記課題を解決するものである。
【0018】
ここで、周波数測定の際の前記平均化時間に関して、所定の平均化時間の領域においては、前記第2のビート周波数のみを用いて、前記測定対象レーザの周波数を測定することができる。
【0019】
又、前記所定の平均化時間の領域は、前記周波数安定化レーザの安定度が前記光周波数コムの安定度よりも高い平均化時間領域とすることができる。
【0020】
又、前記所定の平均化時間の領域は、前記周波数安定化レーザによる測定の不確かさが前記光周波数コムの不確かさよりも小さい平均化時間領域とすることができる。
【0021】
又、前記所定の平均化時間の領域は、前記第2のビート周波数のばらつきが、前記第1のビート周波数と前記第2のビート周波数を加算または減算した値のばらつきよりも小さい領域とすることができる。
【0022】
又、前記所定の平均化時間の領域は、前記第2のビート周波数のばらつきと前記周波数安定化レーザの発振周波数の偏りを加味した不確かさが、前記第1のビート周波数と前記第2のビート周波数を加算または減算した値のばらつきと前記光周波数コムの発振周波数の偏りを加味した不確かさよりも小さい領域とすることができる。
【0023】
本発明は、又、
光周波数コムと、周波数安定化レーザと、前記光周波数コムと前記周波数安定化レーザとを干渉させた際に発生する第1のビート周波数を測定する第1の周波数カウンタと、前記周波数安定化レーザと測定対象レーザとの間で発生する第2のビート周波数を測定する第2の周波数カウンタと、前記光周波数コムと前記測定対象レーザとを干渉させた際に発生する第3のビート周波数を測定する第3の周波数カウンタ
とを備え、前記
光周波数コムと前記周波数安定化レーザとを干渉させた際に発生する前記第1のビート周波数及び前記周波数安定化レーザと測定対象レーザとの間で発生する前記第2のビート周波数に加えて、前記光周波数コムと前記測定対象レーザとを干渉させた際に発生する前記第3のビート周波数を測定することで、周波数変動の違いを判断することができる
ようにしたものである。
【発明の効果】
【0024】
レーザの周波数評価では、目的に応じてさまざまな平均化時間での周波数測定が求められるが、本発明によれば、各平均化時間(測定時間)に対して、より高い精度(小さい不確かさ)で周波数を測定することが可能となる。
【発明を実施するための形態】
【0026】
以下、図面を参照して、本発明の実施の形態について詳細に説明する。なお、本発明は以下の実施形態及び実施例に記載した内容により限定されるものではない。又、以下に記載した実施形態及び実施例における構成要件には、当業者が容易に想定できるもの、実質的に同一のもの、いわゆる均等の範囲のものが含まれる。更に、以下に記載した実施形態及び実施例で開示した構成要素は適宜組み合わせてもよいし、適宜選択して用いてもよい。
【0027】
図2に、本発明に係るレーザ周波数測定装置の第1実施形態の模式図を示す。基本構成は、周波数ν
Combの出力光を発する光周波数コム20と、周波数ν
Laserの出力光を発する周波数安定化レーザ30と、光周波数コム20の出力光ν
Combと周波数安定化レーザ30の出力光ν
Laserとを干渉させた際に発生する第1のビート周波数f
LCを測定する第1の周波数カウンタ41と、周波数安定化レーザ30の出力光ν
Laserと測定対象レーザ10の出力光ν
DUTとの間で発生する第2のビート周波数f
DLを測定する第2の周波数カウンタ42と、ビート周波数測定部40の各周波数カウンタ41、42による測定に基づき測定対象レーザ10の周波数ν
DUTを算出する演算部50のコンピュータ(PC)51からなる。
【0028】
図において、11は、測定対象レーザ10の出力光を反射する反射ミラー、31は、周波数安定化レーザ30の出力光を透過しつつ反射するビームスプリッタ(例えばハーフミラー)、21は、ビームスプリッタ31で反射された光を光周波数コム20の出力光と合成するビームスプリッタ(例えばハーフミラー)、32は、反射ミラー11で反射された光を周波数安定化レーザ30の出力光と合成するビームスプリッタ(例えばハーフミラー)、24は、ビームスプリッタ21で合成された光の強度を検出する第1のフォトディテクタ、34は、ビームスプリッタ32で合成された光の強度を検出する第2のフォトディテクタである。
【0029】
本発明では、周波数測定における平均化時間T
Gateが所定の時間領域T
Rangeの場合には、測定対象レーザ10と周波数安定化レーザ30の第2のビート周波数f
DLの測定結果を用いて測定対象レーザ10の周波数ν
DUTを算出する。これにより光周波数コム20の安定度が低い平均化時間領域でも、光周波数コム20の精度よりも高い精度でレーザ周波数ν
DUTを測定できる。一方、平均化時間T
Gateが所定の時間領域T
Range以外の場合には、第2のビート周波数f
DLと第1のビート周波数f
LCを同時に測定し、両測定値の和または差を取る。これにより、周波数安定化レーザ30の周波数変動が相殺され、光周波数コム20に対する測定対象レーザ10の周波数ν
DUTが測定できる。
【0030】
ここで、所定の時間領域T
Rangeの決め方の例を
図3に示す。予め光周波数コム20の安定度σ
Combと周波数安定化レーザ30の安定度σ
Laserを各々測定して、周波数安定化レーザ30の安定度σ
Laserが高い(値が小さい)領域をT
Rangeとする。
【0031】
σ
Combとσ
Laserをそれぞれ測定する方法として、一般的には2台の同じ装置を使った相対安定度測定が用いられるが、その方法を
図4を参照して簡単に説明する。相対比較のために用意した2台の評価対象物それぞれの周波数ν
1とν
2とその揺らぎをδf
1とδf
2とする。2台の評価対象物の周波数信号を比較装置60に入力し偏差を計測する。比較装置60における一般的な方法は、レーザのような光周波数領域では、2台のレーザを干渉させて発生するビート周波数を測定する。一方、基準周波数発振器のようなマイクロ波の周波数領域の場合には、2つの基準周波数のそれぞれの電気信号の位相差を電気的に比較する仕組みであることが多い。2台の評価対象物の周波数差Δfと周波数ν
1とν
2の関係は次のように示される。
Δf=ν
1 − ν
2 …(3)
【0032】
2台の評価対象物が独立な装置であるため揺らぎに相関がないと考えると、Δfの揺らぎδfの2乗平均はδf
1とδf
2の2乗平均の和となる。
【数1】
【0033】
2台の評価対象物が同様に製作された同じ品質の装置であるとすれば、次式のようになると考えても差し支えない。
【数2】
【0034】
したがって、式(4)は式(5)に変形できるため、比較装置60によって得られる測定結果から対象物の周波数変動(安定度)を評価することができる。
【数3】
【0035】
次に、所定の時間領域T
Rangeの別の決定方法を示す。測定の不確かさは安定度(ばらつき)と偏り(真値に対するオフセット)によって決定される。その様子を横軸が周波数で縦軸が頻度を表す確立密度分布という形で表したものを
図5に示す。安定度は、中心値や平均値といった代表値からのばらつきの幅を数値化したものである。一方、偏りの方は、代表値が真値からどれだけずれているかを表す。不確かさは、測定値が真値からどれだけ離れている恐れがあるかを表すものであるため、安定度(ばらつき)や偏りといった要因を組み合わせて見積もられる。ここでは、不確かさが安定度と偏りの単純加算で表現される場合を例に基準周波数と周波数安定化レーザ30の平均化時間T
Gateに対する不確かさの関係を説明する。
【0036】
平均化時間T
Gateが短い時は、
図6(a)に例示する如く、基準周波数の安定度は低い(ばらつきが大きい)ため、発振周波数に偏りがあったとしても安定度の高い(ばらつきが小さい)周波数安定化レーザ30の不確かさU
Laserの方が基準周波数の不確かさ、すなわち光周波数コム20の不確かさU
Combよりも小さくなる。これに対して、平均化時間T
Gateが長くなると、
図6(b)に例示する如く、基準周波数の安定度が高くなるために、不確かさU
Combは偏りを持つ不確かさU
Laserよりも小さくなる。
【0037】
そこで、周波数安定化レーザ30の周波数の安定度だけではなく偏り分も加味した不確かさを算出する。そして、
図7に示すように、基準周波数発振器すなわち光周波数コム20の不確かさに対して周波数安定化レーザ30の不確かさが小さくなる平均化時間領域をT
Rangeとして、周波数安定化レーザ30を使って測定対象レーザ10の周波数を測定する。
【0038】
なお、周波数安定化レーザ30の不確かさを算出するために発振周波数の偏りを測定する方法として光周波数コム20を使用しても良い。
図8に示した測定系で得られる光周波数コム20とのビート周波数f
LCの測定結果を式(2)のf
Bに代入することでν
DUTとして周波数安定化レーザ30の絶対周波数ν
Laserを測定することができる。これにより周波数の代表値の偏り分を光周波数コム20の不確かさまで小さくすることができる。光周波数コム20による測定の不確かさは平均化時間に依存するために、周波数安定化レーザ30の絶対周波数ν
Laserを校正(偏りを測定)する場合には、十分に長い時間をかけて校正する。そうすれば、その分だけ周波数の偏りが少ない不確かさの小さなレーザとして利用できるため、より効果的になる。その際、光周波数コム20は
図8に示したように、本発明において提案するレーザ周波数測定装置内のものを利用したとしても、あるいは、校正用に別途光周波数コムを用意したとしても、測定の手間に違いがあれども効果に違いはないことは明らかである。
【0039】
前記第1実施形態では、予め光周波数コム20および周波数安定化レーザ30の周波数を測定しておき、平均化時間に応じて安定度が高い、または、不確かさが小さい方を選択して測定するというものであった。
【0040】
これに対して、次に説明する変形例のように、第1及び第2の周波数カウンタ41、42より得られるビート周波数測定結果を使って、どちらを使用するのかを選択しても良い。周波数安定化レーザ30を使用する場合と光周波数コム20を使用する場合の測定対象レーザ10の周波数ν
DUTの算出式を、それぞれ式(7)と式(8)に示す。
ν
DUT = ν
Laser+f
DL …(7)
ν
DUT = ν
Comb+f
LC+f
DL …(8)
【0041】
式(7)の算出式では、第2の周波数カウンタ42より得られる第2のビート周波数f
DLのみを使用して、周波数安定化レーザ30を基準として測定対象レーザ10の周波数を測定する。これに対して、式(8)の算出式では、第2の周波数カウンタ42で得られる第2のビート周波数f
DLと第1の周波数カウンタ41で得られる第1のビート周波数f
LCの和(符号によっては差)を計算する。f
LCとf
DLの両測定値の和(または差)をとることで周波数安定化レーザ30の周波数は演算上相殺されるため、光周波数コム20に対する測定対象レーザ10の差周波数を測定していることになる。したがって、光周波数コム20の絶対周波数を加算することで、光周波数コム20を基準とした周波数測定が実施されることになる。
【0042】
以下、測定対象レーザ10と光周波数コム20と周波数安定化レーザ30の周波数の変動量を設定し、その際に得られた測定値からf
LC+f
DLとf
DLをシミュレーションにより見積もった例を示す。
【0043】
図9は、横軸時間に対する周波数の変動の様子を表しており、(a)(b)(c)は順に、測定対象レーザ10、光周波数コム20、周波数安定化レーザ30を表している。縦軸は(a)(b)(c)ともに同じ幅で相対的な変動幅の割合を表している。このような周波数変動を想定した場合に得られるビート周波数をシミュレーションした結果を
図10に示す。光周波数コム20の周波数の変動が小さいため、同図中(a)に示したf
LC+f
DLにおいては測定対象レーザ10のばらつきが良く反映されたデータとなっている。これに対して
図10(b)のf
DLでは、周波数安定化レーザ30の大きな周波数変動が影響して、測定対象レーザ10の変動量よりもデータが大きくばらついた結果になっている。
【0044】
一方、
図11に示すように、光周波数コム20の周波数変動が大きい場合には、f
LC+f
DLの値はf
DLよりも大きくばらついている。そのため、この場合は、
図12に示すように、f
DLを選択した方が測定対象レーザ10の安定度をより正確に測定できていることになる。
【0045】
つまり、f
LC+f
DLとf
DLを比較してばらつきが小さい方を選択して、式(7)または、式(8)に代入することにより、より測定対象レーザ10の安定度に近い正確な測定ができることになる。
【0046】
f
DLとf
LC+f
DLのどちらかを選ぶ際には、発振周波数の偏り分を加味した周波数安定化レーザ30と光周波数コム20の不確かさを見積もり、不確かさの大小関係を考慮して、式(7)と式(8)のいずれかを使って決定することでも、より高い精度で測定対象レーザ10の周波数を測定することができる。例えば
図13では測定対象レーザ10と光周波数コム20と周波数安定化レーザ30の周波数変動の例を縦軸が同じ範囲で任意の値で表現している。また同図中では、縦軸の中心であるゼロをそれぞれのレーザにおける理想的な値とし、周波数安定化レーザ30の場合は周波数変動の中心がプラス方向にオフセットしている様子を同図(c)で表している。周波数安定化レーザ30の場合は、周波数変動が小さくても中心周波数にオフセットがあるため、
図14(b)に示すようにf
DLの値は真値よりも周波数安定化レーザ30の周波数オフセット分だけずれた結果となる。この場合、
図14の(a)と(b)を見比べても分かるように、f
LC+f
DLの測定値の方がf
DLの測定値よりも不確かさが小さいことになる。ビート周波数測定だけでは、周波数の変動の幅しか分からないため、
図13に示したような周波数の偏りを把握しておき、その量を加味したうえでf
DLとf
LC+f
DLのどちらを使用するかを判定する。これにより、不確かさの小さい周波数測定結果を得ることができる。
【0047】
この方法においては、予め、光周波数コム20と周波数安定化レーザ30のそれぞれの安定度を測定しておく必要がないため、使い勝手が良い。
【0048】
本発明に係るレーザ周波数測定装置は
図15に示す第2実施形態においても実現することができる。
【0049】
この第2実施形態は、第1実施形態のビームスプリッタ32を省略して、測定対象レーザ10の出力光をビームスプリッタ31に入力する一方、第1のフォトディテクタ24の出力側に分岐デバイス80を設け、その出力をf
LC用フィルタ81とf
DC用フィルタ82により分けると共に、ビート周波数測定部40にf
DC用フィルタ82の出力を計数する第3の周波数カウンタ43を設けたものである。この第2実施形態は、測定対象レーザ10が十分なS/Nの干渉ビート信号を得るのに十分なパワーがあるときに用いることができる。
【0050】
この第2実施形態では、測定対象レーザ10の出力光を2つに分岐して、光周波数コム20の出力光とのビート周波数f
DCと周波数安定化レーザ30の出力光とのビート周波数f
DLを測定する。
【0051】
この第2実施形態では、第1のフォトディテクタ24より得られるビート信号には、光周波数コム20と周波数安定化レーザ30によるビート周波数f
LCと光周波数コム20と測定対象レーザ10によるビート周波数f
DCの両方が含まれる。そこで、分岐デバイス80によって信号を2つに分けて、それぞれの信号線にフィルタ81、82を入れることによって、f
LCとf
DCを取り出し、それぞれの周波数を周波数カウンタ41、43で測定する。
【0052】
この第2実施形態においては、光周波数コム20と周波数安定化レーザ30の各々で測定対象レーザ10とのビート周波数を直接測定するために、簡単に周波数変動の違いを判断することができ、どちらを使用して測定対象レーザ10の周波数を測定するかをより簡単に決定することができる。
【0053】
なお、第2実施形態においては、第1のフォトディテクタ24より得られた信号を分岐デバイス80により2つに分岐し、それぞれにフィルタ81、82と周波数カウンタ41、43を配置して測定する系を示したが、分岐デバイス80を使用することなく、フィルタ81、82を切り替えて1台の周波数カウンタ(41又は43)でビート周波数を測定するという方法を用いても同等の効果が得られる。