特許第6872947号(P6872947)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6872947キャリア付銅箔、積層体、キャリア付銅箔の製造方法、積層体の製造方法、プリント配線板の製造方法及び電子機器の製造方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6872947
(24)【登録日】2021年4月22日
(45)【発行日】2021年5月19日
(54)【発明の名称】キャリア付銅箔、積層体、キャリア付銅箔の製造方法、積層体の製造方法、プリント配線板の製造方法及び電子機器の製造方法
(51)【国際特許分類】
   C25D 1/04 20060101AFI20210510BHJP
   B32B 15/20 20060101ALI20210510BHJP
   B32B 15/08 20060101ALI20210510BHJP
   B32B 3/30 20060101ALI20210510BHJP
   H05K 1/09 20060101ALI20210510BHJP
   H05K 3/00 20060101ALI20210510BHJP
【FI】
   C25D1/04 311
   B32B15/20
   B32B15/08 J
   B32B3/30
   H05K1/09 Z
   H05K3/00 R
【請求項の数】23
【全頁数】33
(21)【出願番号】特願2017-65791(P2017-65791)
(22)【出願日】2017年3月29日
(65)【公開番号】特開2018-168409(P2018-168409A)
(43)【公開日】2018年11月1日
【審査請求日】2019年12月18日
(73)【特許権者】
【識別番号】502362758
【氏名又は名称】JX金属株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000523
【氏名又は名称】アクシス国際特許業務法人
(72)【発明者】
【氏名】本多 美里
【審査官】 酒井 英夫
(56)【参考文献】
【文献】 特開2014−208910(JP,A)
【文献】 特開2017−025409(JP,A)
【文献】 特開2015−061758(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C25D 1/00−1/00,7/06,
H05K 1/09,3/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
キャリア、中間層、極薄銅層をこの順に有するキャリア付銅箔であって、
前記キャリア付銅箔を220℃で90分、絶縁基板と熱圧着させた後、JIS C 6471に準拠して、キャリアを剥がしたとき、レーザー顕微鏡にて256μm×256μm角で測定される前記キャリアの前記極薄銅層側の表面粗さSpが0.1μm以上3.5μm以下であり、且つ、前記キャリアの表面を16点測定したときの表面粗さSpの標準偏差が0.8μm以下であるキャリア付銅箔。
【請求項2】
前記キャリアの表面を16点測定したときの表面粗さSpの標準偏差が0.7μm以下である請求項1に記載のキャリア付銅箔。
【請求項3】
前記キャリアの表面を16点測定したときの表面粗さSpの標準偏差が0.6μm以下である請求項2に記載のキャリア付銅箔。
【請求項4】
前記中間層は、Niを含み、
前記中間層のNi付着量が100μg/dm2以上40000μg/dm2以下である請求項1〜3のいずれか一項に記載のキャリア付銅箔。
【請求項5】
前記中間層は、Crを含み、
前記中間層のCr付着量が1μg/dm2以上100μg/dm2以下である請求項1〜4のいずれか一項に記載のキャリア付銅箔。
【請求項6】
前記キャリアの極薄銅層側の表面粗さSzが0.3μm以上4.5μm以下であり、且つ、前記キャリアの表面を16点測定したときの表面粗さSzの標準偏差が1.0μm以下である請求項1〜5のいずれか一項に記載のキャリア付銅箔。
【請求項7】
前記キャリアのMD方向に対して垂直な表面で測定したときの前記キャリアの極薄銅層側の表面粗さRzが0.1μm以上2.2μm以下であり、且つ、前記キャリアの表面を16点測定したときの表面粗さRzの標準偏差が0.3μm以下である請求項1〜6のいずれか一項に記載のキャリア付銅箔。
【請求項8】
請求項1〜7のいずれか一項に記載のキャリア付銅箔がキャリアの一方の面に極薄銅層を有する場合において、前記極薄銅層側及び前記キャリア側の少なくとも一方の表面、又は、両方の表面に、または、
請求項1〜7のいずれか一項に記載のキャリア付銅箔がキャリアの両方の面に極薄銅層を有する場合において、当該一方または両方の極薄銅層側の表面に、
粗化処理層、耐熱層、防錆層、クロメート処理層及びシランカップリング処理層からなる群から選択された1種以上の層を有する請求項1〜7のいずれか一項に記載のキャリア付銅箔。
【請求項9】
前記粗化処理層、前記耐熱層、防錆層、クロメート処理層及びシランカップリング処理層からなる群から選択された1種以上の層の上に樹脂層を備える請求項8に記載のキャリア付銅箔。
【請求項10】
前記防錆層及び前記耐熱層の少なくとも一方が、ニッケル、コバルト、銅、亜鉛から選択される1つ以上の元素を含む請求項8または9に記載のキャリア付銅箔。
【請求項11】
前記極薄銅層上に樹脂層を備える請求項1〜7のいずれか一項に記載のキャリア付銅箔。
【請求項12】
前記樹脂層が誘電体を含む請求項9または11に記載のキャリア付銅箔。
【請求項13】
キャリア、中間層、及び、極薄銅層をこの順に備えた、請求項1〜12のいずれか一項に記載のキャリア付銅箔の製造方法であり、
前記キャリアの表面をエッチングする、または、前記キャリアの表面に銅をめっきアップすることで前記キャリアの表面粗さを調整する工程と、
前記キャリアの前記エッチングまたは前記めっきアップされた表面側に前記中間層及び前記極薄銅層をこの順で設ける工程と、
を含むキャリア付銅箔の製造方法。
【請求項14】
請求項1〜12のいずれか一項に記載のキャリア付銅箔を用いて積層体を製造する方法。
【請求項15】
請求項1〜12のいずれか一項に記載のキャリア付銅箔を用いてプリント配線板を製造する方法。
【請求項16】
請求項1〜12のいずれか一項に記載のキャリア付銅箔と樹脂とを含む積層体であって、前記キャリア付銅箔の端面の一部または全部が前記樹脂により覆われている積層体。
【請求項17】
一つの請求項1〜12のいずれか一項に記載のキャリア付銅箔を前記キャリア側又は前記極薄銅層側から、もう一つの請求項1〜12のいずれか一項に記載のキャリア付銅箔の前記キャリア側又は前記極薄銅層側に積層した積層体。
【請求項18】
請求項16または17に記載の積層体を用いたプリント配線板の製造方法。
【請求項19】
請求項16または17に記載の積層体に樹脂層と回路との2層を、少なくとも1回設ける工程、及び、
前記樹脂層及び回路の2層を少なくとも1回形成した後に、前記積層体のキャリア付銅箔から前記極薄銅層又は前記キャリアを剥離させる工程
を含むプリント配線板の製造方法。
【請求項20】
請求項1〜12のいずれか一項に記載のキャリア付銅箔と絶縁基板とを準備する工程、
前記キャリア付銅箔と絶縁基板とを積層する工程、
前記キャリア付銅箔と絶縁基板とを積層した後に、前記キャリア付銅箔のキャリアを剥がす工程を経て銅張積層板を形成し、
その後、セミアディティブ法、サブトラクティブ法、パートリーアディティブ法又はモディファイドセミアディティブ法のいずれかの方法によって、回路を形成する工程を含むプリント配線板の製造方法。
【請求項21】
請求項1〜12のいずれか一項に記載のキャリア付銅箔の前記極薄銅層側表面又は前記キャリア側表面に回路を形成する工程、
前記回路が埋没するように前記キャリア付銅箔の前記極薄銅層側表面または前記キャリア側表面に樹脂層を形成する工程、
前記キャリアまたは前記極薄銅層を剥離させる工程、及び、
前記キャリアまたは前記極薄銅層を剥離させた後に、前記極薄銅層又は前記キャリアを除去することで、前記極薄銅層側表面又は前記キャリア側表面に形成した、前記樹脂層に埋没している回路を露出させる工程
を含むプリント配線板の製造方法。
【請求項22】
請求項1〜12のいずれか一項に記載のキャリア付銅箔の前記極薄銅層側表面または前記キャリア側表面と樹脂基板とを積層する工程、
前記キャリア付銅箔の樹脂基板と積層した側とは反対側の極薄銅層側表面または前記キャリア側表面に樹脂層と回路との2層を、少なくとも1回設ける工程、及び、
前記樹脂層及び回路の2層を少なくとも1回形成した後に、前記キャリア付銅箔から前記キャリアまたは前記極薄銅層を剥離させる工程
を含むプリント配線板の製造方法。
【請求項23】
請求項15、18〜22のいずれか一項に記載のプリント配線板の製造方法によって製造したプリント配線板を用いて電子機器を製造する方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、キャリア付銅箔、積層体、キャリア付銅箔の製造方法、積層体の製造方法、プリント配線板の製造方法及び電子機器の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
プリント配線板は銅箔に絶縁基板を接着させて銅張積層板とした後に、エッチングにより銅箔面に導体パターンを形成するという工程を経て製造されるのが一般的である。近年の電子機器の小型化、高性能化ニーズの増大に伴い搭載部品の高密度実装化や信号の高周波化が進展し、プリント配線板に対して導体パターンの微細化(ファインピッチ化)や高周波対応等が求められている。
【0003】
ファインピッチ化に対応して、最近では厚さ9μm以下、更には厚さ5μm以下の銅箔が要求されているが、このような極薄の銅箔は機械的強度が低くプリント配線板の製造時に破れたり、皺が発生したりしやすいので、厚みのある金属箔をキャリアとして利用し、これに剥離層を介して極薄銅層を電着させたキャリア付銅箔が登場している。極薄銅層の表面を絶縁基板に貼り合わせて熱圧着後、キャリアは剥離層を介して剥離除去される(特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2004−169181号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
キャリアから極薄銅層を剥離させる際、剥離強度が大き過ぎると極薄銅層が破損するおそれがある。また、剥離強度が小さ過ぎると、プリント配線版等の製造工程におけるキャリア付銅箔の取り扱い時にキャリアと極薄銅層とが剥離してしまうという問題が生じるおそれがある。さらに、キャリアから極薄銅層を剥離させる際、剥離方向の剥離強度にバラツキがあると、当該キャリア付銅箔を用いたプリント配線板等の生産性が悪化するという問題が生じるおそれがある。そこで、本発明は、キャリア引き剥がし時の剥離強度が良好で、且つ、剥離強度のバラツキが良好に抑制されたキャリア付銅箔を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するため、本発明者は、所定の条件でキャリアを剥がしたときのレーザー顕微鏡にて測定されるキャリアの極薄銅層側の表面粗さSp、及び、キャリアの表面を16点測定したときの表面粗さSpの標準偏差が所定の条件を満たすように制御することで、キャリア引き剥がし時の剥離強度が良好で、且つ、剥離強度のバラツキが良好に抑制されたキャリア付銅箔を提供することができることを見出した。
【0007】
本発明は上記知見を基礎として完成したものであり、一側面において、キャリア、中間層、極薄銅層をこの順に有するキャリア付銅箔であって、前記キャリア付銅箔を220℃で90分、絶縁基板と熱圧着させた後、JIS C 6471に準拠して、キャリアを剥がしたとき、レーザー顕微鏡にて256μm×256μm角で測定される前記キャリアの前記極薄銅層側の表面の表面粗さSpが0.1μm以上3.5μm以下であり、且つ、前記キャリアの表面を16点測定したときの表面粗さSpの標準偏差が0.8μm以下であるキャリア付銅箔である。
【0008】
本発明のキャリア付銅箔は一実施形態において、前記キャリアの表面を16点測定したときの表面粗さSpの標準偏差が0.7μm以下である。
【0009】
本発明のキャリア付銅箔は別の一実施形態において、前記キャリアの表面を16点測定したときの表面粗さSpの標準偏差が0.6μm以下である。
【0010】
本発明のキャリア付銅箔は更に別の一実施形態において、前記中間層のNi付着量が100μg/dm2以上40000μg/dm2以下である。
【0011】
本発明のキャリア付銅箔は更に別の一実施形態において、前記中間層のCr付着量が1μg/dm2以上100μg/dm2以下である。
【0012】
本発明のキャリア付銅箔は更に別の一実施形態において、前記キャリアの極薄銅層側の表面粗さSzが0.3μm以上4.5μm以下であり、且つ、前記キャリアの表面を16点測定したときの表面粗さSzの標準偏差が1.0μm以下である。
【0013】
本発明のキャリア付銅箔は更に別の一実施形態において、前記キャリアのMD方向に対して垂直な表面で測定したときの前記キャリアの極薄銅層側の表面粗さRzが0.1μm以上2.2μm以下であり、且つ、前記キャリアの表面を16点測定したときの表面粗さRzの標準偏差が0.3μm以下である。
【0014】
本発明のキャリア付銅箔は更に別の一実施形態において、本発明のキャリア付銅箔がキャリアの一方の面に極薄銅層を有する場合において、前記極薄銅層側及び前記キャリア側の少なくとも一方の表面、又は、両方の表面に、または、本発明のキャリア付銅箔がキャリアの両方の面に極薄銅層を有する場合において、当該一方または両方の極薄銅層側の表面に、粗化処理層、耐熱層、防錆層、クロメート処理層及びシランカップリング処理層からなる群から選択された1種以上の層を有する。
【0015】
本発明のキャリア付銅箔は更に別の一実施形態において、前記粗化処理層、前記耐熱層、防錆層、クロメート処理層及びシランカップリング処理層からなる群から選択された1種以上の層の上に樹脂層を備える。
【0016】
本発明のキャリア付銅箔は更に別の一実施形態において、前記防錆層及び前記耐熱層の少なくとも一方が、ニッケル、コバルト、銅、亜鉛から選択される1つ以上の元素を含む。
【0017】
本発明のキャリア付銅箔は更に別の一実施形態において、前記極薄銅層上に樹脂層を備える。
【0018】
本発明のキャリア付銅箔は更に別の一実施形態において、前記樹脂層が誘電体を含む。
【0019】
本発明は別の一側面において、キャリア、中間層、及び、極薄銅層をこの順に備えたキャリア付銅箔の製造方法であり、前記キャリアの表面をエッチングする、または、前記キャリアの表面に銅をめっきアップすることで前記キャリアの表面粗さを調整する工程と、前記キャリアの前記エッチングまたは前記めっきアップされた表面側に前記中間層及び前記極薄銅層をこの順で設ける工程とを含むキャリア付銅箔の製造方法である。
【0020】
本発明は更に別の一側面において、本発明のキャリア付銅箔を用いて積層体を製造する方法である。
【0021】
本発明は更に別の一側面において、本発明のキャリア付銅箔を用いてプリント配線板を製造する方法である。
【0022】
本発明は更に別の一側面において、本発明のキャリア付銅箔と樹脂とを含む積層体であって、前記キャリア付銅箔の端面の一部または全部が前記樹脂により覆われている積層体である。
【0023】
本発明は更に別の一側面において、一つの本発明のキャリア付銅箔を前記キャリア側又は前記極薄銅層側から、もう一つの本発明のキャリア付銅箔の前記キャリア側又は前記極薄銅層側に積層した積層体である。
【0024】
本発明は更に別の一側面において、本発明の積層体を用いたプリント配線板の製造方法である。
【0025】
本発明は更に別の一側面において、本発明の積層体に樹脂層と回路との2層を、少なくとも1回設ける工程、及び、前記樹脂層及び回路の2層を少なくとも1回形成した後に、前記積層体のキャリア付銅箔から前記極薄銅層又は前記キャリアを剥離させる工程を含むプリント配線板の製造方法である。
【0026】
本発明は更に別の一側面において、本発明のキャリア付銅箔と絶縁基板とを準備する工程、前記キャリア付銅箔と絶縁基板とを積層する工程、前記キャリア付銅箔と絶縁基板とを積層した後に、前記キャリア付銅箔のキャリアを剥がす工程を経て銅張積層板を形成し、その後、セミアディティブ法、サブトラクティブ法、パートリーアディティブ法又はモディファイドセミアディティブ法のいずれかの方法によって、回路を形成する工程を含むプリント配線板の製造方法である。
【0027】
本発明は更に別の一側面において、本発明のキャリア付銅箔の前記極薄銅層側表面又は前記キャリア側表面に回路を形成する工程、前記回路が埋没するように前記キャリア付銅箔の前記極薄銅層側表面または前記キャリア側表面に樹脂層を形成する工程、前記キャリアまたは前記極薄銅層を剥離させる工程、及び、前記キャリアまたは前記極薄銅層を剥離させた後に、前記極薄銅層又は前記キャリアを除去することで、前記極薄銅層側表面又は前記キャリア側表面に形成した、前記樹脂層に埋没している回路を露出させる工程を含むプリント配線板の製造方法である。
【0028】
本発明は更に別の一側面において、本発明のキャリア付銅箔の前記極薄銅層側表面または前記キャリア側表面と樹脂基板とを積層する工程、前記キャリア付銅箔の樹脂基板と積層した側とは反対側の極薄銅層側表面または前記キャリア側表面に樹脂層と回路との2層を、少なくとも1回設ける工程、及び、前記樹脂層及び回路の2層を少なくとも1回形成した後に、前記キャリア付銅箔から前記キャリアまたは前記極薄銅層を剥離させる工程を含むプリント配線板の製造方法である。
【0029】
本発明は更に別の一側面において、本発明のプリント配線板の製造方法によって製造したプリント配線板を用いて電子機器を製造する方法である。
【発明の効果】
【0030】
本発明によれば、キャリア引き剥がし時の剥離強度が良好で、且つ、剥離強度のバラツキが良好に抑制されたキャリア付銅箔を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0031】
図1】A〜Cは、本発明のキャリア付銅箔を用いたプリント配線板の製造方法の具体例に係る、回路めっき・レジスト除去までの工程における配線板断面の模式図である。
図2】D〜Fは、本発明のキャリア付銅箔を用いたプリント配線板の製造方法の具体例に係る、樹脂及び2層目キャリア付銅箔積層からレーザー穴あけまでの工程における配線板断面の模式図である。
図3】G〜Iは、本発明のキャリア付銅箔を用いたプリント配線板の製造方法の具体例に係る、ビアフィル形成から1層目のキャリア剥離までの工程における配線板断面の模式図である。
図4】J〜Kは、本発明のキャリア付銅箔を用いたプリント配線板の製造方法の具体例に係る、フラッシュエッチングからバンプ・銅ピラー形成までの工程における配線板断面の模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0032】
<キャリア付銅箔>
本発明のキャリア付銅箔は、キャリア、中間層、極薄銅層をこの順に有する。また、中間層、極薄銅層をキャリアの一方の面または両方の面に設けてもよく、さらに当該一方の面の極薄銅層と他方の面のキャリアまたは当該両方の面の極薄銅層に対して粗化処理等の表面処理を行ってもよい。キャリア付銅箔自体の使用方法は当業者に周知であるが、例えば極薄銅層の表面を紙基材フェノール樹脂、紙基材エポキシ樹脂、合成繊維布基材エポキシ樹脂、ガラス布・紙複合基材エポキシ樹脂、ガラス布・ガラス不織布複合基材エポキシ樹脂及びガラス布基材エポキシ樹脂、ポリエステルフィルム、ポリイミドフィルム、液晶ポリマー、フッ素樹脂等の絶縁基板またはフィルムに貼り合わせて熱圧着後にキャリアを剥がし、絶縁基板に接着した極薄銅層を目的とする導体パターンにエッチングし、最終的に積層体(銅張積層体等)、又は、プリント配線板等を製造することができる。
【0033】
本発明のキャリア付銅箔は、キャリア付銅箔を220℃で90分、絶縁基板と熱圧着させた後、JIS C 6471に準拠して、キャリアを剥がしたとき、レーザー顕微鏡にて256μm×256μm角で測定されるキャリアの極薄銅層側の表面の表面粗さSp(最大山高さ)が0.1μm以上3.5μm以下である。当該キャリアの極薄銅層側の表面の表面粗さSpが0.1μm以上であるため、プリント配線版等の製造工程におけるキャリア付銅箔の取り扱い時にキャリアと極薄銅層とが剥離してしまう問題を抑制することができる。また、当該キャリアの極薄銅層側の表面の表面粗さSpが3.5μm以下であるため、キャリアの剥離の際に、極薄銅層の破損を防止することができる。当該キャリアの極薄銅層側の表面の表面粗さSpは、0.1μm以上3.0μm以下であるのが好ましく、0.1μm以上2.5μm以下であるのがより好ましく、0.1μm以上2.0μm以下であるのがより好ましく、0.1μm以上1.5μm以下であるのがより好ましい。
【0034】
本発明のキャリア付銅箔は、キャリアの表面を16点測定したときの表面粗さSpの標準偏差が0.8μm以下である。キャリアの表面を16点測定したときの表面粗さSpの標準偏差が0.8μm以下であることで、剥離強度のバラツキを抑制したキャリア付銅箔となる。キャリアの表面を16点測定したときの表面粗さSpの標準偏差が0.7μm以下であることが好ましく、0.6μm以下であることがより好ましく、0.5μm以下であることがより好ましい。
【0035】
キャリア付銅箔の作製時において、キャリアに中間層を設ける前に、キャリアの表面をエッチングする、または銅をめっきアップすることによりキャリアの中間層を設ける側の表面の粗さ(Sp、Sz、Rz)の平均及び標準偏差を制御することで、剥離強度のバラツキを抑制したキャリア付銅箔を作製することができる。キャリア付銅箔は、キャリアを剥離させた後、極薄銅層表面に炭酸ガスレーザーで穴を開けるが、極薄銅層のレーザー吸収性が悪いとレーザー穴開け性に悪影響を及ぼす。本発明では、レーザー穴開け性改善のため、キャリアの中間層を設ける側の表面をエッチングして粗く制御することで、極薄銅層表面の粗化を行うことができる。一方で、炭酸ガスレーザーで穴を開けない使用方法もあり、その場合は極薄銅層のファインエッチング性向上のため、極薄銅層を平滑し、箔厚精度を従来のものより向上させる要望もある。そのため、本発明ではキャリアの中間層を設ける側の表面を平滑銅めっき液でめっきアップすることによるキャリア表面の平滑化も行うことができる。
【0036】
キャリアの極薄銅層側のキャリアの表面を16点測定したときの表面粗さSp(最大山高さ)の平均値が0.1μm以上3.5μm以下であり、且つ、キャリアの表面を16点測定したときの表面粗さSpの標準偏差が0.8μm以下であるのが好ましい。このような構成によれば、剥離強度のバラツキを良好に抑制することができる。
当該キャリアの極薄銅層側のキャリアの表面を16点測定したときの表面粗さSpの平均値は、0.1μm以上3.0μm以下であるのがより好ましく、0.1μm以上2.5μm以下であるのがより好ましく、0.1μm以上2.0μm以下であるのがより好ましい。また、当該キャリアの表面を16点測定したときの表面粗さSpの標準偏差は0.8μm以下であるのがより好ましく、0.7μm以下であるのがより好ましく、0.6μm以下であるのがより好ましい。
【0037】
キャリアの極薄銅層側のキャリアの表面を16点測定したときの表面粗さSz(最大高さ)の平均値が0.3μm以上4.5μm以下であり、且つ、キャリアの表面を16点測定したときの表面粗さSzの標準偏差が1.0μm以下であるのが好ましい。このような構成によれば、剥離強度のバラツキを良好に抑制することができる。
当該キャリアの極薄銅層側のキャリアの表面を16点測定したときの表面粗さSzの平均値は、0.3μm以上4.0μm以下であるのがより好ましく、0.3μm以上3.5μm以下であるのがより好ましく、0.3μm以上3.0μm以下であるのがより好ましい。また、当該キャリアの表面を16点測定したときの表面粗さSzの標準偏差は0.8μm以下であるのがより好ましく、0.7μm以下であるのがより好ましく、0.6μm以下であるのがより好ましい。
【0038】
キャリアのMD方向(極薄銅層を形成する装置においてキャリアを搬送する方向)に対して垂直な方向(TD方向)についての表面について測定したときのキャリアの表面を16点測定したときの表面粗さRz(十点平均粗さ)の平均値が0.1μm以上2.2μm以下であり、且つ、キャリアの表面を16点測定したときの表面粗さRzの標準偏差が0.3μm以下であるのが好ましい。このような構成によれば、剥離強度のバラツキを良好に抑制することができる。
当該キャリアのMD方向に対して垂直な方向(TD方向)についての表面について測定したときのキャリアの表面を16点測定したときの表面粗さRzの平均値は、0.1μm以上1.8μm以下であるのがより好ましく、0.1μm以上2.0μm以下であるのがより好ましく、0.1μm以上1.6μm以下であるのがより好ましい。また、当該キャリアの表面を16点測定したときの表面粗さRzの標準偏差は0.25μm以下であるのがより好ましく、0.20μm以下であるのがより好ましく、0.15μm以下であるのがより好ましい。
【0039】
<キャリア>
本発明に用いることのできるキャリアは典型的には金属箔または樹脂フィルムであり、例えば銅箔、銅合金箔、ニッケル箔、ニッケル合金箔、鉄箔、鉄合金箔、ステンレス箔、アルミニウム箔、アルミニウム合金箔、絶縁樹脂フィルム、ポリイミドフィルム、LCP(液晶ポリマー)フィルム、フッ素樹脂フィルム、ポリエチレンテレフタラート(PET)フィルム、ポリプロピレン(PP)フィルム、ポリアミドフィルム、ポリアミドイミドフィルムの形態で提供される。本発明に用いることのできるキャリアは典型的には圧延銅箔や電解銅箔の形態で提供される。一般的には、電解銅箔は硫酸銅めっき浴からチタンやステンレスのドラム上に銅を電解析出して製造され、圧延銅箔は圧延ロールによる塑性加工と熱処理を繰り返して製造される。銅箔の材料としてはタフピッチ銅(JIS H3100 合金番号C1100)や無酸素銅(JIS H3100 合金番号C1020またはJIS H3510 合金番号C1011)やりん脱酸銅や電気銅といった高純度の銅の他、例えばSn入り銅、Ag入り銅、Cr、Zr又はMg等を添加した銅合金、Ni及びSi等を添加したコルソン系銅合金のような銅合金も使用可能である。また、公知の銅合金も使用可能である。なお、本明細書において用語「銅箔」を単独で用いたときには銅合金箔も含むものとする。
【0040】
本発明に用いることのできるキャリアの厚さについても特に制限はないが、キャリアとしての役目を果たす上で適した厚さに適宜調節すればよく、例えば5μm以上とすることができる。但し、厚すぎると生産コストが高くなるので一般には35μm以下とするのが好ましい。従って、キャリアの厚みは典型的には8μm以上70μm以下であり、より典型的には12μm以上70μm以下であり、より典型的には18μm以上35μm以下である。また、原料コストを低減する観点からはキャリアの厚みは小さいことが好ましい。そのため、キャリアの厚みは、典型的には5μm以上35μm以下であり、好ましくは5μm以上18μm以下であり、好ましくは5μm以上12μm以下であり、好ましくは5μm以上11μm以下であり、好ましくは5μm以上10μm以下である。なお、キャリアの厚みが小さい場合には、キャリアの通箔の際に折れシワが発生しやすい。折れシワの発生を防止するため、例えばキャリア付銅箔製造装置の搬送ロールを平滑にすることや、搬送ロールと、その次の搬送ロールとの距離を短くすることが有効である。なお、プリント配線板の製造方法の一つである埋め込み工法(エンベッティド法(Enbedded Process))にキャリア付銅箔が用いられる場合には、キャリアの剛性が高いことが必要である。そのため、埋め込み工法に用いる場合には、キャリアの厚みは18μm以上300μm以下であることが好ましく、25μm以上150μm以下であることが好ましく、35μm以上100μm以下であることが好ましく、35μm以上70μm以下であることが更により好ましい。
【0041】
以下に、キャリアとして電解銅箔を使用する場合の製造条件の一例を示す。
<電解液組成>
銅:90g/L以上110g/L以下
硫酸:90g/L以上110g/L以下
塩素:50ppm以上100ppm以下
レべリング剤1(ビス(3スルホプロピル)ジスルフィド):10ppm以上30ppm以下
レべリング剤2(アミン化合物):10ppm以上30ppm以下
上記のアミン化合物には以下の化学式のアミン化合物を用いることができる。
【0042】
なお、本発明に用いられる電解、表面処理又はめっき等に用いられる処理液の残部は特に明記しない限り水である。
【0043】
【化1】
(上記化学式中、R1及びR2はヒドロキシアルキル基、エーテル基、アリール基、芳香族置換アルキル基、不飽和炭化水素基、アルキル基からなる一群から選ばれるものである。)
【0044】
<製造条件>
電流密度:70A/dm2以上100A/dm2以下
電解液温度:50℃以上60℃以下
電解液線速:3m/sec以上5m/sec以下
電解時間:0.5分間以上10分間以下
【0045】
<中間層>
キャリア上には中間層を設ける。キャリアと中間層との間に他の層を設けてもよい。本発明で用いる中間層は、キャリア付銅箔が絶縁基板への積層工程前にはキャリアから極薄銅層が剥離し難い一方で、絶縁基板への積層工程後にはキャリアから極薄銅層が剥離可能となるような構成であれば特に限定されない。例えば、本発明のキャリア付銅箔の中間層はCr、Ni、Co、Fe、Mo、Ti、W、P、Cu、Al、Zn、これらの合金、これらの水和物、これらの酸化物、有機物からなる群から選択される一種又は二種以上を含んでも良い。また、中間層は複数の層であっても良い。
また、例えば、中間層はキャリア側からCr、Ni、Co、Fe、Mo、Ti、W、P、Cu、Al、Znで構成された元素群から選択された一種の元素からなる単一金属層、或いは、Cr、Ni、Co、Fe、Mo、Ti、W、P、Cu、Al、Znで構成された元素群から選択された一種又は二種以上の元素からなる合金層を形成し、その上にCr、Ni、Co、Fe、Mo、Ti、W、P、Cu、Al、Znで構成された元素群から選択された一種又は二種以上の元素の水和物または酸化物、あるいは有機物からなる層、あるいはCr、Ni、Co、Fe、Mo、Ti、W、P、Cu、Al、Znで構成された元素群から選択された一種の元素からなる単一金属層、或いは、Cr、Ni、Co、Fe、Mo、Ti、W、P、Cu、Al、Znで構成された元素群から選択された一種又は二種以上の元素からなる合金層を形成することで構成することができる。
【0046】
中間層を片面にのみ設ける場合、キャリアの反対面にはNiメッキ層などの防錆層を設けることが好ましい。なお、中間層をクロメート処理や亜鉛クロメート処理やメッキ処理で設けた場合には、クロムや亜鉛など、付着した金属の一部は水和物や酸化物となっている場合があると考えられる。
また、例えば、中間層は、キャリア上に、ニッケル、ニッケル−リン合金又はニッケル−コバルト合金と、クロムとがこの順で積層されて構成することができる。ニッケルと銅との接着力はクロムと銅の接着力よりも高いので、極薄銅層を剥離する際に、極薄銅層とクロムとの界面で剥離するようになる。また、中間層のニッケルにはキャリアから銅成分が極薄銅層へと拡散していくのを防ぐバリア効果が期待される。中間層におけるニッケルの付着量は好ましくは100μg/dm2以上40000μg/dm2以下、より好ましくは100μg/dm2以上4000μg/dm2以下、より好ましくは100μg/dm2以上2500μg/dm2以下、より好ましくは100μg/dm2以上1000μg/dm2未満であり、中間層におけるクロムの付着量は1μg/dm2以上100μg/dm2以下であることが好ましく、5μg/dm2以上100μg/dm2以下であることがより好ましい。
【0047】
<極薄銅層>
中間層の上には極薄銅層を設ける。中間層と極薄銅層との間には他の層を設けてもよい。極薄銅層は、硫酸銅、ピロリン酸銅、スルファミン酸銅、シアン化銅等の電解浴を利用した電気メッキにより形成することができ、一般的な電解銅箔で使用され、高電流密度での銅箔形成が可能であることから硫酸銅浴が好ましい。極薄銅層の厚みは特に制限はないが、一般的にはキャリアよりも薄く、例えば12μm以下である。典型的には0.5μm以上12μm以下であり、より典型的には1μm以上5μm以下、更に典型的には1.5μm以上4μm以下、更に典型的には2μm以上3.5μm以下である。なお、キャリアの両面に極薄銅層を設けてもよい。
【0048】
<粗化処理及びその他の表面処理>
極薄銅層の表面またはキャリアの表面のいずれか一方または両方には、例えば絶縁基板との密着性を良好にすること等のために粗化処理を施すことで粗化処理層を設けてもよい。粗化処理は、例えば、銅又は銅合金で粗化粒子を形成することにより行うことができる。粗化処理は微細なものであっても良い。粗化処理層は、銅、ニッケル、コバルト、リン、タングステン、ヒ素、モリブデン、クロム及び亜鉛からなる群から選択されたいずれかの単体又はいずれか1種以上を含む合金からなる層などであってもよい。また、銅又は銅合金で粗化粒子を形成した後、更にニッケル、コバルト、銅、亜鉛の単体または合金等で二次粒子や三次粒子を設ける粗化処理を行うこともできる。その後に、ニッケル、コバルト、銅、亜鉛の単体または合金等で耐熱層および/または防錆層を形成しても良く、更にその表面にクロメート処理、シランカップリング処理などの処理を施してもよい。または粗化処理を行わずに、ニッケル、コバルト、銅、亜鉛の単体または合金等で耐熱層および/又は防錆層を形成し、さらにその表面にクロメート処理、シランカップリング処理などの処理を施してもよい。すなわち、粗化処理層の表面に、耐熱層、防錆層、クロメート処理層及びシランカップリング処理層からなる群から選択された1種以上の層を形成してもよく、極薄銅層の表面に、耐熱層、防錆層、クロメート処理層及びシランカップリング処理層からなる群から選択された1種以上の層を形成してもよい。なお、上述の耐熱層、防錆層、クロメート処理層、シランカップリング処理層はそれぞれ複数の層で形成されてもよい(例えば2層以上、3層以上など)。
ここでクロメート処理層とは無水クロム酸、クロム酸、二クロム酸、クロム酸塩または二クロム酸塩を含む液で処理された層のことをいう。クロメート処理層はコバルト、鉄、ニッケル、モリブデン、亜鉛、タンタル、銅、アルミニウム、リン、タングステン、錫、砒素およびチタン等の元素(金属、合金、酸化物、窒化物、硫化物等どのような形態でもよい)を含んでもよい。クロメート処理層の具体例としては、無水クロム酸または二クロム酸カリウム水溶液で処理したクロメート処理層や、無水クロム酸または二クロム酸カリウムおよび亜鉛を含む処理液で処理したクロメート処理層等が挙げられる。
【0049】
なお、キャリアの極薄銅層を設ける側の表面とは反対側の表面に粗化処理層を設けることは、キャリアを当該粗化処理層を有する表面側から樹脂基板などの支持体に積層する際、キャリアと樹脂基板が剥離しにくくなるという利点を有する。上述のように極薄銅層又はキャリアの表面の粗化処理層上にさらに耐熱層等の表面処理層を形成することで、積層させる樹脂基材に極薄銅層またはキャリアからの銅等の元素が拡散することを良好に抑制することができ、樹脂基材との積層の際の熱圧着による密着性が向上する。
【0050】
耐熱層、防錆層としては公知の耐熱層、防錆層を用いることが出来る。例えば、耐熱層および/または防錆層はニッケル、亜鉛、錫、コバルト、モリブデン、銅、タングステン、リン、ヒ素、クロム、バナジウム、チタン、アルミニウム、金、銀、白金族元素、鉄、タンタルの群から選ばれる1種以上の元素を含む層であってもよく、ニッケル、亜鉛、錫、コバルト、モリブデン、銅、タングステン、リン、ヒ素、クロム、バナジウム、チタン、アルミニウム、金、銀、白金族元素、鉄、タンタルの群から選ばれる1種以上の元素からなる金属層または合金層であってもよい。また、耐熱層および/または防錆層はニッケル、亜鉛、錫、コバルト、モリブデン、銅、タングステン、リン、ヒ素、クロム、バナジウム、チタン、アルミニウム、金、銀、白金族元素、鉄、タンタルの群から選ばれる1種以上の元素を含む酸化物、窒化物、珪化物を含んでもよい。また、耐熱層および/または防錆層はニッケル−亜鉛合金を含む層であってもよい。また、耐熱層および/または防錆層はニッケル−亜鉛合金層であってもよい。前記ニッケル−亜鉛合金層は、不可避不純物を除き、ニッケルを50wt%以上99wt%以下、亜鉛を50wt%以上1wt%以下含有するものであってもよい。前記ニッケル−亜鉛合金層の亜鉛及びニッケルの合計付着量が5mg/m2以上1000mg/m2以下、好ましくは10mg/m2以上500mg/m2以下、好ましくは20mg/m2以上100mg/m2以下であってもよい。また、前記ニッケル−亜鉛合金を含む層または前記ニッケル−亜鉛合金層のニッケルの付着量と亜鉛の付着量との比(=ニッケルの付着量/亜鉛の付着量)が1.5以上10以下であることが好ましい。また、前記ニッケル−亜鉛合金を含む層または前記ニッケル−亜鉛合金層のニッケルの付着量は0.5mg/m2以上500mg/m2以下であることが好ましく、1mg/m2以上50mg/m2以下であることがより好ましい。耐熱層および/または防錆層がニッケル−亜鉛合金を含む層である場合、銅箔と樹脂基板との密着性が向上する。
【0051】
例えば耐熱層および/または防錆層は、付着量が1mg/m2以上100mg/m2以下、好ましくは5mg/m2以上50mg/m2以下のニッケルまたはニッケル合金層と、付着量が1mg/m2以上80mg/m2以下、好ましくは5mg/m2以上40mg/m2以下のスズ層とを順次積層したものであってもよく、前記ニッケル合金層はニッケル−モリブデン、ニッケル−亜鉛、ニッケル−モリブデン−コバルト、ニッケル−スズ合金のいずれか一種により構成されてもよい。また、耐熱層および/または防錆層は、ニッケルまたはニッケル合金とスズとの合計付着量が2mg/m2以上150mg/m2以下であることが好ましく、10mg/m2以上70mg/m2以下であることがより好ましい。また、前述の耐熱層および/または防錆層は、[ニッケルまたはニッケル合金中のニッケル付着量]/[スズ付着量]=0.25以上10以下であることが好ましく、0.33以上3以下であることがより好ましい。当該耐熱層および/または防錆層を用いるとキャリア付銅箔をプリント配線板に加工して以降の回路の引き剥がし強さ、当該引き剥がし強さの耐薬品性劣化率等が良好になる。
【0052】
なお、シランカップリング処理層を設けるために用いられるシランカップリング剤には公知のシランカップリング剤を用いてよく、例えばアミノ系シランカップリング剤又はエポキシ系シランカップリング剤、メルカプト系シランカップリング剤を用いてよい。また、シランカップリング剤にはビニルトリメトキシシラン、ビニルフェニルトリメトキシラン、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、4−グリシジルブチルトリメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−β(アミノエチル)γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−3−(4−(3−アミノプロポキシ)プトキシ)プロピル−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、イミダゾールシラン、トリアジンシラン、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン等を用いてもよい。
【0053】
前記シランカップリング処理層は、公知のシランカップリング剤を使用して形成してもよく、エポキシ系シラン、アミノ系シラン、メタクリロキシ系シラン、メルカプト系シラン、ビニル系シラン、イミダゾール系シラン、トリアジン系シランなどのシランカップリング剤などを使用して形成してもよい。なお、このようなシランカップリング剤は、2種以上混合して使用してもよい。中でも、アミノ系シランカップリング剤又はエポキシ系シランカップリング剤を用いて形成したものであることが好ましい。
【0054】
ここで言うアミノ系シランカップリング剤とは、N−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−(N−スチリルメチル−2−アミノエチルアミノ)プロピルトリメトキシシラン、3−アミノプロピルトリエトキシシラン、ビス(2−ヒドロキシエチル)−3−アミノプロピルトリエトキシシラン、アミノプロピルトリメトキシシラン、N−メチルアミノプロピルトリメトキシシラン、N−フェニルアミノプロピルトリメトキシシラン、N−(3−アクリルオキシ−2−ヒドロキシプロピル)−3−アミノプロピルトリエトキシシラン、4−アミノブチルトリエトキシシラン、(アミノエチルアミノメチル)フェネチルトリメトキシシラン、N−(2−アミノエチル−3−アミノプロピル)トリメトキシシラン、N−(2−アミノエチル−3−アミノプロピル)トリス(2−エチルヘキソキシ)シラン、6−(アミノヘキシルアミノプロピル)トリメトキシシラン、アミノフェニルトリメトキシシラン、3−(1−アミノプロポキシ)−3,3−ジメチル−1−プロペニルトリメトキシシラン、3−アミノプロピルトリス(メトキシエトキシエトキシ)シラン、3−アミノプロピルトリエトキシシラン、3−アミノプロピルトリメトキシシラン、ω−アミノウンデシルトリメトキシシラン、3−(2−N−ベンジルアミノエチルアミノプロピル)トリメトキシシラン、ビス(2−ヒドロキシエチル)−3−アミノプロピルトリエトキシシラン、(N,N−ジエチル−3−アミノプロピル)トリメトキシシラン、(N,N−ジメチル−3−アミノプロピル)トリメトキシシラン、N−メチルアミノプロピルトリメトキシシラン、N−フェニルアミノプロピルトリメトキシシラン、3−(N−スチリルメチル−2−アミノエチルアミノ)プロピルトリメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−β(アミノエチル)γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−3−(4−(3−アミノプロポキシ)プトキシ)プロピル−3−アミノプロピルトリメトキシシランからなる群から選択されるものであってもよい。
【0055】
シランカップリング処理層は、ケイ素原子換算で、0.05mg/m2以上200mg/m2以下、好ましくは0.15mg/m2以上20mg/m2以下、好ましくは0.3mg/m2以上2.0mg/m2以下の範囲で設けられていることが望ましい。前述の範囲の場合、基材とキャリア付銅箔との密着性をより向上させることが出来る。
【0056】
また、極薄銅層、粗化処理層、耐熱層、防錆層、シランカップリング処理層またはクロメート処理層の表面に、国際公開番号WO2008/053878、特開2008−111169号、特許第5024930号、国際公開番号WO2006/028207、特許第4828427号、国際公開番号WO2006/134868、特許第5046927号、国際公開番号WO2007/105635、特許第5180815号、特開2013−19056号に記載の表面処理を行うことができる。
【0057】
また、本発明のキャリア付銅箔は前記極薄銅層上、あるいは前記粗化処理層上、あるいは前記耐熱層、防錆層、あるいはクロメート処理層、あるいはシランカップリング処理層の上に樹脂層を備えても良い。
【0058】
前記樹脂層は接着剤であってもよく、接着用の半硬化状態(Bステージ)の絶縁樹脂層であってもよい。半硬化状態(Bステージ)とは、その表面に指で触れても粘着感はなく、該絶縁樹脂層を重ね合わせて保管することができ、更に加熱処理を受けると硬化反応が起こる状態のことを含む。
【0059】
また前記樹脂層は熱硬化性樹脂を含んでもよく、熱可塑性樹脂であってもよい。また、前記樹脂層は熱可塑性樹脂を含んでもよい。その種類は格別限定されるものではないが、例えば、エポキシ樹脂、ポリイミド樹脂、多官能性シアン酸エステル化合物、マレイミド化合物、ポリマレイミド化合物、マレイミド系樹脂、芳香族マレイミド樹脂、ポリビニルアセタール樹脂、ウレタン樹脂、ポリエーテルスルホン(ポリエーテルサルホン、ポリエーテルサルフォンともいう)、ポリエーテルスルホン(ポリエーテルサルホン、ポリエーテルサルフォンともいう)樹脂、芳香族ポリアミド樹脂、芳香族ポリアミド樹脂ポリマー、ゴム性樹脂、ポリアミン、芳香族ポリアミン、ポリアミドイミド樹脂、ゴム変成エポキシ樹脂、フェノキシ樹脂、カルボキシル基変性アクリロニトリル−ブタジエン樹脂、ポリフェニレンオキサイド、ビスマレイミドトリアジン樹脂、熱硬化性ポリフェニレンオキサイド樹脂、シアネートエステル系樹脂、カルボン酸の無水物、多価カルボン酸の無水物、架橋可能な官能基を有する線状ポリマー、ポリフェニレンエーテル樹脂、2,2−ビス(4−シアナトフェニル)プロパン、リン含有フェノール化合物、ナフテン酸マンガン、2,2−ビス(4−グリシジルフェニル)プロパン、ポリフェニレンエーテル−シアネート系樹脂、シロキサン変性ポリアミドイミド樹脂、シアノエステル樹脂、フォスファゼン系樹脂、ゴム変成ポリアミドイミド樹脂、イソプレン、水素添加型ポリブタジエン、ポリビニルブチラール、フェノキシ、高分子エポキシ、芳香族ポリアミド、フッ素樹脂、ビスフェノール、ブロック共重合ポリイミド樹脂およびシアノエステル樹脂の群から選択される一種以上を含む樹脂を好適なものとして挙げることができる。
【0060】
また前記エポキシ樹脂は、分子内に2個以上のエポキシ基を有するものであって、電気・電子材料用途に用いることのできるものであれば、特に問題なく使用できる。また、前記エポキシ樹脂は分子内に2個以上のグリシジル基を有する化合物を用いてエポキシ化したエポキシ樹脂が好ましい。また、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、ビスフェノールS型エポキシ樹脂、ビスフェノールAD型エポキシ樹脂、ノボラック型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、脂環式エポキシ樹脂、ブロム化(臭素化)エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、ナフタレン型エポキシ樹脂、臭素化ビスフェノールA型エポキシ樹脂、オルトクレゾールノボラック型エポキシ樹脂、ゴム変性ビスフェノールA型エポキシ樹脂、グリシジルアミン型エポキシ樹脂、トリグリシジルイソシアヌレート、N,N−ジグリシジルアニリン等のグリシジルアミン化合物、テトラヒドロフタル酸ジグリシジルエステル等のグリシジルエステル化合物、リン含有エポキシ樹脂、ビフェニル型エポキシ樹脂、ビフェニルノボラック型エポキシ樹脂、トリスヒドロキシフェニルメタン型エポキシ樹脂、テトラフェニルエタン型エポキシ樹脂、の群から選ばれる1種又は2種以上を混合して用いることができ、又は前記エポキシ樹脂の水素添加体やハロゲン化体を用いることができる。
前記リン含有エポキシ樹脂として公知のリンを含有するエポキシ樹脂を用いることができる。また、前記リン含有エポキシ樹脂は例えば、分子内に2以上のエポキシ基を備える9,10−ジヒドロ−9−オキサ−10−ホスファフェナントレン−10−オキサイドからの誘導体として得られるエポキシ樹脂であることが好ましい。
【0061】
前記樹脂層は公知の樹脂、樹脂硬化剤、化合物、硬化促進剤、誘電体(無機化合物及び/または有機化合物を含む誘電体、金属酸化物を含む誘電体等どのような誘電体を用いてもよい)、反応触媒、架橋剤、ポリマー、プリプレグ、骨格材等を含んでよい。また、前記樹脂層は例えば国際公開番号WO2008/004399、国際公開番号WO2008/053878、国際公開番号WO2009/084533、特開平11−5828号、特開平11−140281号、特許第3184485号、国際公開番号WO97/02728、特許第3676375号、特開2000−43188号、特許第3612594号、特開2002−179772号、特開2002−359444号、特開2003−304068号、特許第3992225号、特開2003−249739号、特許第4136509号、特開2004−82687号、特許第4025177号、特開2004−349654号、特許第4286060号、特開2005−262506号、特許第4570070号、特開2005−53218号、特許第3949676号、特許第4178415号、国際公開番号WO2004/005588、特開2006−257153号、特開2007−326923号、特開2008−111169号、特許第5024930号、国際公開番号WO2006/028207、特許第4828427号、特開2009−67029号、国際公開番号WO2006/134868、特許第5046927号、特開2009−173017号、国際公開番号WO2007/105635、特許第5180815号、国際公開番号WO2008/114858、国際公開番号WO2009/008471、特開2011−14727号、国際公開番号WO2009/001850、国際公開番号WO2009/145179、国際公開番号WO2011/068157、特開2013−19056号に記載されている物質(樹脂、樹脂硬化剤、化合物、硬化促進剤、誘電体、反応触媒、架橋剤、ポリマー、プリプレグ、骨格材等)および/または樹脂層の形成方法、形成装置を用いて形成してもよい。
【0062】
上述したこれらの樹脂を例えばメチルエチルケトン(MEK)、トルエンなどの溶剤に溶解して樹脂液とし、これを前記極薄銅層上、あるいは前記耐熱層、防錆層、あるいは前記クロメート皮膜層、あるいは前記シランカップリング剤層等を含む表面処理層の上に、例えばロールコータ法などによって塗布し、ついで必要に応じて加熱乾燥して溶剤を除去しBステージ状態にする。乾燥には例えば熱風乾燥炉を用いればよく、乾燥温度は100℃以上250℃以下、好ましくは130℃以上200℃以下であればよい。
【0063】
前記樹脂層を備えたキャリア付銅箔(樹脂付きキャリア付銅箔)は、その樹脂層を基材に重ね合わせたのち全体を熱圧着して該樹脂層を熱硬化せしめ、ついでキャリア付銅箔である場合にはキャリアを剥離して極薄銅層を表出せしめ(当然に表出するのは該極薄銅層の中間層側の表面である)、極薄銅層に所定の配線パターンを形成するという態様で使用される。
【0064】
この樹脂付きキャリア付銅箔を使用すると、多層プリント配線基板の製造時におけるプリプレグ材の使用枚数を減らすことができる。しかも、樹脂層の厚みを層間絶縁が確保できるような厚みにしたり、プリプレグ材を全く使用していなくても銅張積層板を製造することができる。またこのとき、基材の表面に絶縁樹脂をアンダーコートして表面の平滑性を更に改善することもできる。
【0065】
なお、プリプレグ材を使用しない場合には、プリプレグ材の材料コストが節約され、また積層工程も簡略になるので経済的に有利となり、しかも、プリプレグ材の厚み分だけ製造される多層プリント配線基板の厚みは薄くなり、1層の厚みが100μm以下である極薄の多層プリント配線基板を製造することができるという利点がある。
【0066】
この樹脂層の厚みは0.1μm以上80μm以下であることが好ましい。樹脂層の厚みが0.1μmより薄くなると、接着力が低下し、プリプレグ材を介在させることなくこの樹脂付きキャリア付銅箔を内層材を備えた基材に積層したときに、内層材の回路との間の層間絶縁を確保することが困難になる場合がある。
【0067】
一方、樹脂層の厚みを80μmより厚くすると、1回の塗布工程で目的厚みの樹脂層を形成することが困難となり、余分な材料費と工数がかかるため経済的に不利となる。更には、形成された樹脂層はその可撓性が劣るので、ハンドリング時にクラックなどが発生しやすくなり、また内層材との熱圧着時に過剰な樹脂流れが起こって円滑な積層が困難になる場合がある。
【0068】
更に、樹脂付きキャリア付銅箔のもう一つの製品形態としては、前記極薄銅層が有する表面処理層上、あるいは前記耐熱層、防錆層、あるいは前記クロメート処理層、あるいは前記シランカップリング処理層の上に樹脂層で被覆し、半硬化状態とした後、ついでキャリアを剥離して、キャリアが存在しない樹脂付き銅箔の形で製造することも可能である。
【0069】
プリント配線板に電子部品類を搭載することで、プリント回路板が完成する。本発明において、「プリント配線板」にはこのように電子部品類が搭載されたプリント配線板およびプリント回路板およびプリント基板も含まれることとする。
また、当該プリント配線板を用いて電子機器を作製してもよく、当該電子部品類が搭載されたプリント回路板を用いて電子機器を作製してもよく、当該電子部品類が搭載されたプリント基板を用いて電子機器を作製してもよい。以下に、本発明に係るキャリア付銅箔を用いたプリント配線板の製造工程の例を幾つか示す。
【0070】
本発明に係るプリント配線板の製造方法の一実施形態においては、本発明に係るキャリア付銅箔と絶縁基板とを準備する工程、前記キャリア付銅箔と絶縁基板を積層する工程、前記キャリア付銅箔と絶縁基板を極薄銅層側が絶縁基板と対向するように積層した後に、前記キャリア付銅箔のキャリアを剥がす工程を経て銅張積層板を形成し、その後、セミアディティブ法、モディファイドセミアディティブ法、パートリーアディティブ法及びサブトラクティブ法の何れかの方法によって、回路を形成する工程を含む。絶縁基板は内層回路入りのものとすることも可能である。
【0071】
本発明において、セミアディティブ法とは、絶縁基板又は銅箔シード層上に薄い無電解めっきを行い、パターンを形成後、電気めっき及びエッチングを用いて導体パターンを形成する方法を指す。
【0072】
従って、セミアディティブ法を用いた本発明に係るプリント配線板の製造方法の一実施形態においては、本発明に係るキャリア付銅箔と絶縁基板とを準備する工程、
前記キャリア付銅箔と絶縁基板を積層する工程、
前記キャリア付銅箔と絶縁基板を積層した後に、前記キャリア付銅箔のキャリアを剥がす工程、
前記キャリアを剥がして露出した極薄銅層を酸などの腐食溶液を用いたエッチングやプラズマなどの方法によりすべて除去する工程、
前記極薄銅層をエッチングにより除去することにより露出した前記樹脂にスルーホールまたは/およびブラインドビアを設ける工程、
前記スルーホールまたは/およびブラインドビアを含む領域についてデスミア処理を行う工程、
前記樹脂および前記スルーホールまたは/およびブラインドビアを含む領域について無電解めっき層を設ける工程、
前記無電解めっき層の上にめっきレジストを設ける工程、
前記めっきレジストに対して露光し、その後、回路が形成される領域のめっきレジストを除去する工程、
前記めっきレジストが除去された前記回路が形成される領域に、電解めっき層を設ける工程、
前記めっきレジストを除去する工程、
前記回路が形成される領域以外の領域にある無電解めっき層をフラッシュエッチングなどにより除去する工程、
を含む。
【0073】
セミアディティブ法を用いた本発明に係るプリント配線板の製造方法の別の一実施形態においては、本発明に係るキャリア付銅箔と絶縁基板とを準備する工程、
前記キャリア付銅箔と絶縁基板を積層する工程、
前記キャリア付銅箔と絶縁基板を積層した後に、前記キャリア付銅箔のキャリアを剥がす工程、
前記キャリアを剥がして露出した極薄銅層と、前記絶縁樹脂基板とにスルーホールまたは/およびブラインドビアを設ける工程、
前記スルーホールまたは/およびブラインドビアを含む領域についてデスミア処理を行う工程、
前記キャリアを剥がして露出した極薄銅層を酸などの腐食溶液を用いたエッチングやプラズマなどの方法によりすべて除去する工程、
前記極薄銅層をエッチング等により除去することにより露出した前記樹脂および前記スルーホールまたは/およびブラインドビアを含む領域について無電解めっき層を設ける工程、
前記無電解めっき層の上にめっきレジストを設ける工程、
前記めっきレジストに対して露光し、その後、回路が形成される領域のめっきレジストを除去する工程、
前記めっきレジストが除去された前記回路が形成される領域に、電解めっき層を設ける工程、
前記めっきレジストを除去する工程、
前記回路が形成される領域以外の領域にある無電解めっき層をフラッシュエッチングなどにより除去する工程、
を含む。
【0074】
セミアディティブ法を用いた本発明に係るプリント配線板の製造方法の別の一実施形態においては、本発明に係るキャリア付銅箔と絶縁基板とを準備する工程、
前記キャリア付銅箔と絶縁基板を積層する工程、
前記キャリア付銅箔と絶縁基板を積層した後に、前記キャリア付銅箔のキャリアを剥がす工程、
前記キャリアを剥がして露出した極薄銅層と、前記絶縁樹脂基板とにスルーホールまたは/およびブラインドビアを設ける工程、
前記キャリアを剥がして露出した極薄銅層を酸などの腐食溶液を用いたエッチングやプラズマなどの方法によりすべて除去する工程、
前記スルーホールまたは/およびブラインドビアを含む領域についてデスミア処理を行う工程、
前記極薄銅層をエッチング等により除去することにより露出した前記樹脂および前記スルーホールまたは/およびブラインドビアを含む領域について無電解めっき層を設ける工程、
前記無電解めっき層の上にめっきレジストを設ける工程、
前記めっきレジストに対して露光し、その後、回路が形成される領域のめっきレジストを除去する工程、
前記めっきレジストが除去された前記回路が形成される領域に、電解めっき層を設ける工程、
前記めっきレジストを除去する工程、
前記回路が形成される領域以外の領域にある無電解めっき層をフラッシュエッチングなどにより除去する工程、
を含む。
【0075】
セミアディティブ法を用いた本発明に係るプリント配線板の製造方法の別の一実施形態においては、本発明に係るキャリア付銅箔と絶縁基板とを準備する工程、
前記キャリア付銅箔と絶縁基板を積層する工程、
前記キャリア付銅箔と絶縁基板を積層した後に、前記キャリア付銅箔のキャリアを剥がす工程、
前記キャリアを剥がして露出した極薄銅層を酸などの腐食溶液を用いたエッチングやプラズマなどの方法によりすべて除去する工程、
前記極薄銅層をエッチングにより除去することにより露出した前記樹脂の表面について無電解めっき層を設ける工程、
前記無電解めっき層の上にめっきレジストを設ける工程、
前記めっきレジストに対して露光し、その後、回路が形成される領域のめっきレジストを除去する工程、
前記めっきレジストが除去された前記回路が形成される領域に、電解めっき層を設ける工程、
前記めっきレジストを除去する工程、
前記回路が形成される領域以外の領域にある無電解めっき層及び極薄銅層をフラッシュエッチングなどにより除去する工程、
を含む。
【0076】
本発明において、モディファイドセミアディティブ法とは、絶縁層上に金属箔を積層し、めっきレジストにより非回路形成部を保護し、電解めっきにより回路形成部の銅厚付けを行った後、レジストを除去し、前記回路形成部以外の金属箔を(フラッシュ)エッチングで除去することにより、絶縁層上に回路を形成する方法を指す。
【0077】
従って、モディファイドセミアディティブ法を用いた本発明に係るプリント配線板の製造方法の一実施形態においては、本発明に係るキャリア付銅箔と絶縁基板とを準備する工程、
前記キャリア付銅箔と絶縁基板を積層する工程、
前記キャリア付銅箔と絶縁基板を積層した後に、前記キャリア付銅箔のキャリアを剥がす工程、
前記キャリアを剥がして露出した極薄銅層と絶縁基板にスルーホールまたは/およびブラインドビアを設ける工程、
前記スルーホールまたは/およびブラインドビアを含む領域についてデスミア処理を行う工程、
前記スルーホールまたは/およびブラインドビアを含む領域について無電解めっき層を設ける工程、
前記キャリアを剥がして露出した極薄銅層表面にめっきレジストを設ける工程、
前記めっきレジストを設けた後に、電解めっきにより回路を形成する工程、
前記めっきレジストを除去する工程、
前記めっきレジストを除去することにより露出した極薄銅層をフラッシュエッチングにより除去する工程、
を含む。
【0078】
モディファイドセミアディティブ法を用いた本発明に係るプリント配線板の製造方法の別の一実施形態においては、本発明に係るキャリア付銅箔と絶縁基板とを準備する工程、
前記キャリア付銅箔と絶縁基板を積層する工程、
前記キャリア付銅箔と絶縁基板を積層した後に、前記キャリア付銅箔のキャリアを剥がす工程、
前記キャリアを剥がして露出した極薄銅層の上にめっきレジストを設ける工程、
前記めっきレジストに対して露光し、その後、回路が形成される領域のめっきレジストを除去する工程、
前記めっきレジストが除去された前記回路が形成される領域に、電解めっき層を設ける工程、
前記めっきレジストを除去する工程、
前記回路が形成される領域以外の領域にある無電解めっき層及び極薄銅層をフラッシュエッチングなどにより除去する工程、
を含む。
【0079】
本発明において、パートリーアディティブ法とは、導体層を設けてなる基板、必要に応じてスルーホールやバイアホール用の孔を穿けてなる基板上に触媒核を付与し、エッチングして導体回路を形成し、必要に応じてソルダレジストまたはメッキレジストを設けた後に、前記導体回路上、スルーホールやバイアホールなどに無電解めっき処理によって厚付けを行うことにより、プリント配線板を製造する方法を指す。
【0080】
従って、パートリーアディティブ法を用いた本発明に係るプリント配線板の製造方法の一実施形態においては、本発明に係るキャリア付銅箔と絶縁基板とを準備する工程、
前記キャリア付銅箔と絶縁基板を積層する工程、
前記キャリア付銅箔と絶縁基板を積層した後に、前記キャリア付銅箔のキャリアを剥がす工程、
前記キャリアを剥がして露出した極薄銅層と絶縁基板にスルーホールまたは/およびブラインドビアを設ける工程、
前記スルーホールまたは/およびブラインドビアを含む領域についてデスミア処理を行う工程、
前記スルーホールまたは/およびブラインドビアを含む領域について触媒核を付与する工程、
前記キャリアを剥がして露出した極薄銅層表面にエッチングレジストを設ける工程、
前記エッチングレジストに対して露光し、回路パターンを形成する工程、
前記極薄銅層および前記触媒核を酸などの腐食溶液を用いたエッチングやプラズマなどの方法により除去して、回路を形成する工程、
前記エッチングレジストを除去する工程、
前記極薄銅層および前記触媒核を酸などの腐食溶液を用いたエッチングやプラズマなどの方法により除去して露出した前記絶縁基板表面に、ソルダレジストまたはメッキレジストを設ける工程、
前記ソルダレジストまたはメッキレジストが設けられていない領域に無電解めっき層を設ける工程、
を含む。
【0081】
本発明において、サブトラクティブ法とは、銅張積層板上の銅箔の不要部分を、エッチングなどによって、選択的に除去して、導体パターンを形成する方法を指す。
【0082】
従って、サブトラクティブ法を用いた本発明に係るプリント配線板の製造方法の一実施形態においては、本発明に係るキャリア付銅箔と絶縁基板とを準備する工程、
前記キャリア付銅箔と絶縁基板を積層する工程、
前記キャリア付銅箔と絶縁基板を積層した後に、前記キャリア付銅箔のキャリアを剥がす工程、
前記キャリアを剥がして露出した極薄銅層と絶縁基板にスルーホールまたは/およびブラインドビアを設ける工程、
前記スルーホールまたは/およびブラインドビアを含む領域についてデスミア処理を行う工程、
前記スルーホールまたは/およびブラインドビアを含む領域について無電解めっき層を設ける工程、
前記無電解めっき層の表面に、電解めっき層を設ける工程、
前記電解めっき層または/および前記極薄銅層の表面にエッチングレジストを設ける工程、
前記エッチングレジストに対して露光し、回路パターンを形成する工程、
前記極薄銅層および前記無電解めっき層および前記電解めっき層を酸などの腐食溶液を用いたエッチングやプラズマなどの方法により除去して、回路を形成する工程、
前記エッチングレジストを除去する工程、
を含む。
【0083】
サブトラクティブ法を用いた本発明に係るプリント配線板の製造方法の別の一実施形態においては、本発明に係るキャリア付銅箔と絶縁基板とを準備する工程、
前記キャリア付銅箔と絶縁基板を積層する工程、
前記キャリア付銅箔と絶縁基板を積層した後に、前記キャリア付銅箔のキャリアを剥がす工程、
前記キャリアを剥がして露出した極薄銅層と絶縁基板にスルーホールまたは/およびブラインドビアを設ける工程、
前記スルーホールまたは/およびブラインドビアを含む領域についてデスミア処理を行う工程、
前記スルーホールまたは/およびブラインドビアを含む領域について無電解めっき層を設ける工程、
前記無電解めっき層の表面にマスクを形成する工程、
マスクが形成されいない前記無電解めっき層の表面に電解めっき層を設ける工程、
前記電解めっき層または/および前記極薄銅層の表面にエッチングレジストを設ける工程、
前記エッチングレジストに対して露光し、回路パターンを形成する工程、
前記極薄銅層および前記無電解めっき層を酸などの腐食溶液を用いたエッチングやプラズマなどの方法により除去して、回路を形成する工程、
前記エッチングレジストを除去する工程、
を含む。
【0084】
スルーホールまたは/およびブラインドビアを設ける工程、及びその後のデスミア工程は行わなくてもよい。
【0085】
ここで、本発明のキャリア付銅箔を用いたプリント配線板の製造方法の具体例を図面を用いて詳細に説明する。なお、ここでは極薄銅層の表面に粗化処理層が形成されたキャリア付銅箔を用いて説明するが、粗化処理層等の表面処理層を設けないキャリア付銅箔を用いても良い。
まず、図1−Aに示すように、表面に粗化処理層が形成された極薄銅層を有するキャリア付銅箔(1層目)を準備する。
次に、図1−Bに示すように、極薄銅層の粗化処理層上にレジストを塗布し、露光・現像を行い、レジストを所定の形状にエッチングする。
次に、図1−Cに示すように、回路用のめっきを形成した後、レジストを除去することで、所定の形状の回路めっきを形成する。
次に、図2−Dに示すように、回路めっきを覆うように(回路めっきが埋没するように)極薄銅層上に埋め込み樹脂を設けて樹脂層を積層し、続いて別のキャリア付銅箔(2層目)を極薄銅層側から接着させる。
次に、図2−Eに示すように、2層目のキャリア付銅箔からキャリアを剥がす。
次に、図2−Fに示すように、樹脂層の所定位置にレーザー穴あけを行い、回路めっきを露出させてブラインドビアを形成する。
次に、図3−Gに示すように、ブラインドビアに銅を埋め込みビアフィルを形成する。
次に、図3−Hに示すように、ビアフィル上に、上記図1−B及び図1−Cのようにして回路めっきを形成する。
次に、図3−Iに示すように、1層目のキャリア付銅箔からキャリアを剥がす。
次に、図4−Jに示すように、フラッシュエッチングにより両表面の極薄銅層を除去し、樹脂層内の回路めっきの表面を露出させる。
次に、図4−Kに示すように、樹脂層内の回路めっき上にバンプを形成し、当該はんだ上に銅ピラーを形成する。このようにして本発明のキャリア付銅箔を用いたプリント配線板を作製する。
なお、上述のプリント配線板の製造方法で、「極薄銅層」をキャリアに、「キャリア」を極薄銅層に読み替えて、キャリア付銅箔のキャリア側の表面に回路を形成して、樹脂で回路を埋め込み、プリント配線板を製造することも可能である。
【0086】
上記別のキャリア付銅箔(2層目)は、本発明のキャリア付銅箔を用いてもよく、従来のキャリア付銅箔を用いてもよく、さらに通常の銅箔を用いてもよい。また、図3−Hに示される2層目の回路上に、さらに回路を1層或いは複数層形成してもよく、それらの回路形成をセミアディティブ法、サブトラクティブ法、パートリーアディティブ法又はモディファイドセミアディティブ法のいずれかの方法によって行ってもよい。
【0087】
上述のようなプリント配線板の製造方法によれば、回路めっきが樹脂層に埋め込まれた構成となっているため、例えば図4−Jに示すようなフラッシュエッチングによる極薄銅層の除去の際に、回路めっきが樹脂層によって保護され、その形状が保たれ、これにより微細回路の形成が容易となる。また、回路めっきが樹脂層によって保護されるため、耐マイグレーション性が向上し、回路の配線の導通が良好に抑制される。このため、微細回路の形成が容易となる。また、図4−J及び図4−Kに示すようにフラッシュエッチングによって極薄銅層を除去したとき、回路めっきの露出面が樹脂層から凹んだ形状となるため、当該回路めっき上にバンプが、さらにその上に銅ピラーがそれぞれ形成しやすくなり、製造効率が向上する。
【0088】
なお、埋め込み樹脂(レジン)には公知の樹脂、プリプレグを用いることができる。例えば、BT(ビスマレイミドトリアジン)レジンやBTレジンを含浸させたガラス布であるプリプレグ、味の素ファインテクノ株式会社製ABFフィルムやABFを用いることができる。また、前記埋め込み樹脂(レジン)には本明細書に記載の樹脂層および/または樹脂および/またはプリプレグを使用することができる。
【0089】
また、前記一層目に用いられるキャリア付銅箔は、当該キャリア付銅箔の表面に基板または樹脂層を有してもよい。当該基板または樹脂層を有することで一層目に用いられるキャリア付銅箔は支持され、しわが入りにくくなるため、生産性が向上するという利点がある。なお、前記基板または樹脂層には、前記一層目に用いられるキャリア付銅箔を支持する効果するものであれば、全ての基板または樹脂層を用いることが出来る。例えば前記基板または樹脂層として本願明細書に記載のキャリア、プリプレグ、樹脂層や公知のキャリア、プリプレグ、樹脂層、金属板、金属箔、無機化合物の板、無機化合物の箔、有機化合物の板、有機化合物の箔を用いることができる。
【0090】
また、本発明のプリント配線板の製造方法は、本発明のキャリア付銅箔の前記極薄銅層側表面または前記キャリア側表面と樹脂基板とを積層する工程、前記樹脂基板と積層した極薄銅層側表面または前記キャリア側表面とは反対側のキャリア付銅箔の表面に、樹脂層と回路との2層を、少なくとも1回設ける工程、及び、前記樹脂層及び回路の2層を形成した後に、前記キャリア付銅箔から前記キャリアまたは前記極薄銅層を剥離させる工程を含むプリント配線板の製造方法(コアレス工法)であってもよい。当該コアレス工法について、具体的な例としては、まず、本発明のキャリア付銅箔の極薄銅層側表面またはキャリア側表面と樹脂基板とを積層して積層体(銅張積層板、銅張積層体ともいう)を製造する。その後、樹脂基板と積層した極薄銅層側表面または前記キャリア側表面とは反対側のキャリア付銅箔の表面に樹脂層を形成する。キャリア側表面又は極薄銅層側表面に形成した樹脂層には、さらに別のキャリア付銅箔をキャリア側又は極薄銅層側から積層してもよい。また、樹脂基板又は樹脂又はプリプレグを中心として、当該樹脂基板又は樹脂又はプリプレグの両方の表面側に、キャリア/中間層/極薄銅層の順あるいは極薄銅層/中間層/キャリアの順でキャリア付銅箔が積層された構成を有する積層体あるいは「キャリア/中間層/極薄銅層/樹脂基板又は樹脂又はプリプレグ/キャリア/中間層/極薄銅層」の順に積層された構成を有する積層体あるいは「キャリア/中間層/極薄銅層/樹脂基板/キャリア/中間層/極薄銅層」の順に積層された構成を有する積層体あるいは「極薄銅層/中間層/キャリア/樹脂基板/キャリア/中間層/極薄銅層」の順に積層された構成を有する積層体を上述のプリント配線板の製造方法(コアレス工法)に用いてもよい。そして、当該積層体の両端の極薄銅層あるいはキャリアの露出した表面には、別の樹脂層を設け、さらに銅層又は金属層を設けた後、当該銅層又は金属層を加工することで回路を形成してもよい。さらに、別の樹脂層を当該回路上に、当該回路を埋め込むように設けても良い。また、このような回路及び樹脂層の形成を1回以上行ってもよい(ビルドアップ工法)。そして、このようにして形成した積層体(以下、積層体Bとも言う)について、それぞれのキャリア付銅箔の極薄銅層またはキャリアをキャリアまたは極薄銅層から剥離させてコアレス基板を作製することができる。なお、前述のコアレス基板の作製には、2つのキャリア付銅箔を用いて、後述する極薄銅層/中間層/キャリア/キャリア/中間層/極薄銅層の構成を有する積層体や、キャリア/中間層/極薄銅層/極薄銅層/中間層/キャリアの構成を有する積層体や、キャリア/中間層/極薄銅層/キャリア/中間層/極薄銅層の構成を有する積層体を作製し、当該積層体を中心に用いることもできる。これら積層体(以下、積層体Aとも言う)の両側の極薄銅層またはキャリアの表面に樹脂層及び回路の2層を1回以上設け、樹脂層及び回路の2層を1回以上設けた後に、それぞれのキャリア付銅箔の極薄銅層またはキャリアをキャリアまたは極薄銅層から剥離させてコアレス基板を作製することができる。前述の積層体は、極薄銅層の表面、キャリアの表面、キャリアとキャリアとの間、極薄銅層と極薄銅層との間、極薄銅層とキャリアとの間には他の層を有してもよい。他の層は樹脂基板または樹脂層であってもよい。なお、本明細書において「極薄銅層の表面」、「極薄銅層側表面」、「極薄銅層表面」、「キャリアの表面」、「キャリア側表面」、「キャリア表面」、「積層体の表面」、「積層体表面」は、極薄銅層、キャリア、積層体が、極薄銅層表面、キャリア表面、積層体表面に他の層を有する場合には、当該他の層の表面(最表面)を含む概念とする。また、積層体は極薄銅層/中間層/キャリア/キャリア/中間層/極薄銅層の構成を有することが好ましい。当該積層体を用いてコアレス基板を作製した際、コアレス基板側に極薄銅層が配置されるため、モディファイドセミアディティブ法を用いてコアレス基板上に回路を形成しやすくなるためである。また、極薄銅層の厚みは薄いため、当該極薄銅層の除去がしやすく、極薄銅層の除去後にセミアディティブ法を用いて、コアレス基板上に回路を形成しやすくなるためである。
なお、本明細書において、「積層体A」または「積層体B」と特に記載していない「積層体」は、少なくとも積層体A及び積層体Bを含む積層体を示す。
【0091】
なお、上述のコアレス基板の製造方法において、キャリア付銅箔または上述の積層体(積層体Aを含む)の端面の一部または全部を樹脂で覆うことにより、ビルドアップ工法でプリント配線板を製造する際に、中間層または積層体を構成する1つのキャリア付銅箔ともう1つのキャリア付銅箔の間のへの薬液の染み込みを防止することができ、薬液の染み込みによる極薄銅層とキャリアの分離やキャリア付銅箔の腐食を防止することができ、歩留りを向上させることができる。ここで用いる「キャリア付銅箔の端面の一部または全部を覆う樹脂」または「積層体の端面の一部または全部を覆う樹脂」としては、樹脂層に用いることができる樹脂または公知の樹脂を使用することができる。また、上述のコアレス基板の製造方法において、キャリア付銅箔または積層体において平面視したときにキャリア付銅箔または積層体の積層部分(キャリアと極薄銅層との積層部分、または、1つのキャリア付銅箔ともう1つのキャリア付銅箔との積層部分)の外周の少なくとも一部が樹脂又はプリプレグで覆ってもよい。また、上述のコアレス基板の製造方法で形成する積層体(積層体A)は、一対のキャリア付銅箔を互いに分離可能に接触させて構成されていてもよい。また、当該キャリア付銅箔において平面視したときにキャリア付銅箔または積層体の積層部分(キャリアと極薄銅層との積層部分、または、1つのキャリア付銅箔ともう1つのキャリア付銅箔との積層部分)の外周の全体又は積層部分の全面にわたって樹脂又はプリプレグで覆われてなるものであってもよい。また、平面視した場合に樹脂又はプリプレグはキャリア付銅箔または積層体または積層体の積層部分よりも大きい方が好ましく、当該樹脂又はプリプレグをキャリア付銅箔または積層体の両面に積層し、キャリア付銅箔または積層体が樹脂又はプリプレグにより袋とじ(包まれている)されている構成を有する積層体とすることが好ましい。このような構成とすることにより、キャリア付銅箔または積層体を平面視したときに、キャリア付銅箔または積層体の積層部分が樹脂又はプリプレグにより覆われ、他の部材がこの部分の側方向、すなわち積層方向に対して横からの方向から当たることを防ぐことができるようになり、結果としてハンドリング中のキャリアと極薄銅層またはキャリア付銅箔同士の剥がれを少なくすることができる。また、キャリア付銅箔または積層体の積層部分の外周を露出しないように樹脂又はプリプレグで覆うことにより、前述したような薬液処理工程におけるこの積層部分の界面への薬液の浸入を防ぐことができ、キャリア付銅箔の腐食や侵食を防ぐことができる。なお、積層体の一対のキャリア付銅箔から一つのキャリア付銅箔を分離する際、またはキャリア付銅箔のキャリアと銅箔(極薄銅層)を分離する際には、樹脂又はプリプレグで覆われているキャリア付銅箔又は積層体の積層部分(キャリアと極薄銅層との積層部分、または、1つのキャリア付銅箔ともう1つのキャリア付銅箔との積層部分)が樹脂又はプリプレグ等により強固に密着している場合には、当該積層部分等を切断等により除去する必要が生じる場合がある。
【0092】
本発明のキャリア付銅箔をキャリア側又は極薄銅層側から、もう一つの本発明のキャリア付銅箔のキャリア側または極薄銅層側に積層して積層体を構成してもよい。また、前記一つのキャリア付銅箔の前記キャリア側表面又は前記極薄銅層側表面と前記もう一つのキャリア付銅箔の前記キャリア側表面又は前記極薄銅層側表面とが、必要に応じて接着剤を介して、直接積層させて得られた積層体であってもよい。また、前記一つのキャリア付銅箔のキャリア又は極薄銅層と、前記もう一つのキャリア付銅箔のキャリア又は極薄銅層とが接合されていてもよい。ここで、当該「接合」は、キャリア又は極薄銅層が表面処理層を有する場合は、当該表面処理層を介して互いに接合されている態様も含む。また、当該積層体の端面の一部または全部が樹脂により覆われていてもよい。
【0093】
キャリア同士、極薄銅層同士、キャリアと極薄銅層、キャリア付銅箔同士の積層は、単に重ね合わせる他、例えば以下の方法で行うことができる。
(a)冶金的接合方法:融接(アーク溶接、TIG(タングステン・イナート・ガス)溶接、MIG(メタル・イナート・ガス)溶接、抵抗溶接、シーム溶接、スポット溶接)、圧接(超音波溶接、摩擦撹拌溶接)、ろう接;
(b)機械的接合方法:かしめ、リベットによる接合(セルフピアッシングリベットによる接合、リベットによる接合)、ステッチャー;
(c)物理的接合方法:接着剤、(両面)粘着テープ
【0094】
一方のキャリアの一部若しくは全部と他方のキャリアの一部若しくは全部若しくは極薄銅層の一部若しくは全部とを、上記接合方法を用いて接合することにより、一方のキャリアと他方のキャリアまたは極薄銅層を積層し、キャリア同士またはキャリアと極薄銅層を分離可能に接触させて構成される積層体を製造することができる。一方のキャリアと他方のキャリアまたは極薄銅層とが弱く接合されて、一方のキャリアと他方のキャリアまたは極薄銅層とが積層されている場合には、一方のキャリアと他方のキャリアまたは極薄銅層との接合部を除去しないでも、一方のキャリアと他方のキャリアまたは極薄銅層とは分離可能である。また、一方のキャリアと他方のキャリアまたは極薄銅層とが強く接合されている場合には、一方のキャリアと他方のキャリアまたは極薄銅層とが接合されている箇所を切断や化学研磨(エッチング等)、機械研磨等により除去することにより、一方のキャリアと他方のキャリアまたは極薄銅層を分離することができる。
【0095】
また、このように構成した積層体に樹脂層と回路との2層を、少なくとも1回設ける工程、及び、前記樹脂層及び回路の2層を少なくとも1回形成した後に、前記積層体のキャリア付銅箔から前記極薄銅層又はキャリアを剥離させる工程を実施することでコアを有さないプリント配線板を作製することができる。なお、当該積層体の一方または両方の表面に、樹脂層と回路との2層を設けてもよい。
前述した積層体に用いる樹脂基板、樹脂層、樹脂、プリプレグは、本明細書に記載した樹脂層であってもよく、本明細書に記載した樹脂層に用いる樹脂、樹脂硬化剤、化合物、硬化促進剤、誘電体、反応触媒、架橋剤、ポリマー、プリプレグ、骨格材等を含んでもよい。なお、前述のキャリア付銅箔または積層体は平面視したときに樹脂又はプリプレグ又は樹脂基板又は樹脂層よりも小さくてもよい。
【0096】
また、樹脂基板はプリント配線板等に適用可能な特性を有するものであれば特に制限を受けないが、例えば、リジッドPWB用に紙基材フェノール樹脂、紙基材エポキシ樹脂、合成繊維布基材エポキシ樹脂、ガラス布・紙複合基材エポキシ樹脂、ガラス布・ガラス不織布複合基材エポキシ樹脂及びガラス布基材エポキシ樹脂等を使用し、FPC用にポリエステルフィルムやポリイミドフィルム、液晶ポリマー(LCP)フィルム、フッ素樹脂等を使用する事ができる。なお、液晶ポリマー(LCP)フィルムやフッ素樹脂フィルムを用いた場合、ポリイミドフィルムを用いた場合よりも、当該フィルムとキャリア付銅箔との剥離強度が小さくなる傾向にある。よって、液晶ポリマー(LCP)フィルムやフッ素樹脂フィルムを用いた場合には、銅回路を形成後、銅回路をカバーレイで覆うことによって、当該フィルムと銅回路とが剥がれにくくし、剥離強度の低下による当該フィルムと銅回路との剥離を防止することができる。
【実施例】
【0097】
以下に、本発明の実施例によって本発明をさらに詳しく説明するが、本発明は、これらの実施例によってなんら限定されるものではない。
【0098】
・キャリアの作製方法(実施例1、2、4、比較例1〜3)
チタン製の回転ドラム(電解ドラム)を準備した。次に、電解槽の中に、当該電解ドラムと、ドラムの周囲に所定の極間距離を置いて電極を配置した。次に、電解槽において下記条件で電解を行い、電解ドラムを回転させながら当該電解ドラムの表面に銅を析出させた。
<電解液組成>
銅:80g/L以上110g/L以下
硫酸:70g/L以上110g/L以下
塩素:10質量ppm以上100質量ppm以下
<製造条件>
電流密度:50A/dm2以上200A/dm2以下
電解液温度:40℃以上70℃以下
電解液線速:3m/sec以上5m/sec以下
電解時間:0.5分間以上10分間以下
次に、回転している電解ドラムの表面に析出した銅を剥ぎ取り、キャリアとした。
なお、後述の電解銅箔への中間層の形成は、電解銅箔の光沢面側に実施した。
【0099】
・キャリアの作製方法(実施例3)
JIS H3100に規格する無酸素銅にSnを1200wtppm添加した組成の銅インゴットを製造し、800℃以上900℃以下で熱間圧延を行った後、300℃以上700℃以下の連続焼鈍ラインで焼鈍と冷間圧延を1回繰り返して1mm以上2mm以下厚の圧延板を得た。この圧延板を600℃以上800℃以下の連続焼鈍ラインで焼鈍して再結晶させ、7μm以上50μm以下の厚みまで圧下率を95%以上99.7%以下として最終冷間圧延して、圧延銅箔を作製し、これをキャリアとした。
【0100】
・キャリアの中間層側表面の制御
実施例2、比較例1については、キャリアに中間層を設ける前に、キャリアの表面を以下の条件によってエッチングすることによりキャリア表面の一部を、キャリアに用いる原箔の表面より粗くした。
(エッチング条件)
液組成:過硫酸ナトリウム50g/L以上150g/L以下、硫酸水素ナトリウム5g/L以上20g/L以下、硫酸60g/L以上180g/L以下
液温:25℃以上40℃以下
浸漬時間:10s以上120s以下
また、実施例4、比較例1については、キャリアに中間層を設ける前に、キャリアの表面を以下の条件によって1μm以上3μm以下厚だけめっきアップすることによりキャリア表面の粗さをキャリアに用いる原箔の表面より平滑に制御した。
(めっきアップ条件)
銅濃度:30g/L以上120g/L以下
2SO4濃度:20g/L以上120g/L以下
塩素:50ppm以上100ppm以下
レべリング剤1(ビス(3スルホプロピル)ジスルフィド):10ppm以上30ppm以下
レべリング剤2(アミン化合物):10ppm以上30ppm以下
アミン化合物には以下の化学式のアミン化合物を用いた。
【0101】
【化2】
(上記化学式中、R1及びR2はヒドロキシアルキル基、エーテル基、アリール基、芳香族置換アルキル基、不飽和炭化水素基、アルキル基からなる一群から選ばれるものである。)
電解液温度:20℃以上80℃以下
電流密度:10A/dm2以上100A/dm2以下
【0102】
・中間層の形成
続いて、実施例2、比較例1については、厚さ50nmのニッケルスパッタ膜を形成した後、ロール・トウ・ロール型の連続めっきラインで電気めっきすることにより、ニッケルスパッタ膜の上に11μg/dm2の付着量のCr層を以下の条件で電解クロメート処理することにより付着させた。
・電解クロメート処理
液組成:重クロム酸カリウム1g/L以上10g/L以下、亜鉛0g/L以上5g/L以下
pH:3以上4以下
液温:50℃以上60℃以下
電流密度:0.1A/dm2以上2.6A/dm2以下
クーロン量:0.5As/dm2以上30As/dm2以下
【0103】
実施例1、3、4、比較例2、3については、中間層として、以下の条件でロール・トウ・ロール型の連続めっきラインで電気めっきすることにより4000μg/dm2の付着量のNi層を形成した。
【0104】
・Ni層
硫酸ニッケル:250g/L以上300g/L以下
塩化ニッケル:35g/L以上45g/L以下
酢酸ニッケル:10g/L以上20g/L以下
クエン酸三ナトリウム:15g/L以上30g/L以下
光沢剤:サッカリン、ブチンジオール等
ドデシル硫酸ナトリウム:30ppm以上100ppm以下
pH:4以上6以下
液温:50℃以上70℃以下
電流密度:3A/dm2以上15A/dm2以下
【0105】
水洗及び酸洗後、引き続き、ロール・トウ・ロール型の連続めっきライン上で、Ni層の上に11μg/dm2の付着量のCr層を以下の条件で電解クロメート処理することにより付着させた。
・電解クロメート処理
液組成:重クロム酸カリウム1g/L以上10g/L以下、亜鉛0g/L以上5g/L以下
pH:3以上4以下
液温:50℃以上60℃以下
電流密度:0.1A/dm2以上2.6A/dm2以下
クーロン量:0.5As/dm2以上30As/dm2以下
【0106】
・極薄銅層の形成
中間層の形成後、中間層の上に厚み0.8μm以上5μm以下の極薄銅層を以下の条件で電気めっきすることにより形成し、キャリア付銅箔とした。
・極薄銅層
銅濃度:30g/L以上120g/L以下
2SO4濃度:20g/L以上120g/L以下
塩素:50ppm以上100ppm以下
レべリング剤1(ビス(3スルホプロピル)ジスルフィド):10ppm以上30ppm以下
レべリング剤2(アミン化合物):10ppm以上30ppm以下
アミン化合物には以下の化学式のアミン化合物を用いた。
【0107】
【化3】
(上記化学式中、R1及びR2はヒドロキシアルキル基、エーテル基、アリール基、芳香族置換アルキル基、不飽和炭化水素基、アルキル基からなる一群から選ばれるものである。)
電解液温度:20℃以上80℃以下
電流密度:10A/dm2以上100A/dm2以下
【0108】
電解液温度:20℃以上80℃以下
電流密度:10A/dm2以上100A/dm2以下
【0109】
・表面処理層の形成
次に、実施例1、2、比較例1〜3については、極薄銅層の上に更に、表1〜3に示すように、以下のいずれかの条件で粗化処理層を設けた。
・粗化条件
液組成
Cu:10g/L以上20g/L以下
Co:1g/L以上10g/L以下
Ni:1g/L以上10g/L以下
pH:1以上4以下
液温:50℃以上60℃以下
電流密度Dk:30A/dm2以上40A/dm2以下
時間:0.2秒以上1秒以下
【0110】
実施例3、4については、粗化処理層上に耐熱処理層、クロメート層、シランカップリング処理層を以下の条件で設けた。
・耐熱処理
Zn:0g/L以上20g/L以下
Ni:0g/L以上5g/L以下
pH:3.5
温度:40℃
電流密度Dk :0A/dm2以上1.7A/dm2以下
時間:1秒
Zn付着量:5μg/dm2以上250μg/dm2以下
Ni付着量:5μg/dm2以上300μg/dm2以下
・クロメート処理
2Cr27
(Na2Cr27或いはCrO3):2g/L以上10g/L以下
NaOH或いはKOH:10g/L以上50g/L以下
ZnO或いはZnSO47H2O:0.05g/L以上10g/L以下
pH:7以上13以下
液温:20℃以上80℃以下
電流密度0.05A/dm2以上5A/dm2以下
時間:5秒以上30秒以下
Cr付着量:10μg/dm2以上150μg/dm2以下
・シランカップリング処理
ビニルトリエトキシシラン水溶液
(ビニルトリエトキシシラン濃度:0.1wt%以上1.4wt%以下)
pH:4以上5以下
時間:5秒以上30秒以下
【0111】
上記のようにして得られたキャリア付銅箔の各サンプルについて、以下の方法で各評価を実施した。
・表面粗さSp、Sz、Rz
サンプルを220℃で90分、絶縁基板と熱圧着させた後、JIS C 6471に準拠して、キャリアを剥がし、キャリアの極薄銅層側の表面の256μm×256μm角について、レーザー顕微鏡にて表面粗さSp、Sz、Rzをそれぞれ測定した。
当該キャリアの表面粗さ(Sp、Sz、Rz)は、TD方向に15mm間隔で8点(表1〜3にN1〜N8と記載した)、及び、MD方向に15mm間隔で8点(表1〜3にN1〜N8と記載した)、合計16点測定した。実施例1、3、比較例3はキャリアをそのまま測定した。実施例2及び比較例1はキャリアをエッチングした後、測定した。実施例4及び比較例2はキャリアを平滑銅めっき液でめっきアップした後、測定した。
【0112】
・剥離強度
絶縁基板に極薄銅層側を220℃で90分、1.5MPaの条件で熱圧着し、サンプルを長さ方向に約250mm、幅方向に50mm切り出し、長手方向(MD方向)に以下の条件で引っ張ることで剥離強度を測定した。剥離強度の測定間隔は幅方向に150mm間隔であり、各サンプル5回ずつ(表1〜3にN1〜N5と記載した)測定した。
・測定法:JIS C 6471に示す方法
・引張角度:90度
・速度:50mm/min
・引張り試験装置:島津製作所製 オートグラフ
製造条件及び評価結果を表1〜3に示す。
【0113】
【表1】
【0114】
【表2】
【0115】
【表3】
【0116】
(評価結果)
実施例1〜4は、キャリア付銅箔を220℃で90分、絶縁基板と熱圧着させた後、JIS C 6471に準拠して、キャリアを剥がしたとき、レーザー顕微鏡にて256μm×256μm角で測定されるキャリアの極薄銅層側の表面粗さSpが0.1μm以上3.5μm以下であり、且つ、キャリアの表面を16点測定したときの表面粗さSpの標準偏差が0.8μm以下であったため、キャリアの剥離強度のバラツキが良好に抑制されたキャリア付銅箔が得られた。
比較例1、2、3は、キャリアの表面を16点測定したときの表面粗さSpの標準偏差が0.8μmを超えたため、キャリアの剥離強度のバラツキが不良であった。
図1
図2
図3
図4