特許第6873760号(P6873760)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6873760光学式の距離センサおよび光学式の距離センサを備える位置測定装置
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6873760
(24)【登録日】2021年4月23日
(45)【発行日】2021年5月19日
(54)【発明の名称】光学式の距離センサおよび光学式の距離センサを備える位置測定装置
(51)【国際特許分類】
   G01B 11/00 20060101AFI20210510BHJP
【FI】
   G01B11/00 B
【請求項の数】16
【外国語出願】
【全頁数】17
(21)【出願番号】特願2017-49414(P2017-49414)
(22)【出願日】2017年3月15日
(65)【公開番号】特開2017-167145(P2017-167145A)
(43)【公開日】2017年9月21日
【審査請求日】2019年12月20日
(31)【優先権主張番号】10 2016 204 313.7
(32)【優先日】2016年3月16日
(33)【優先権主張国】DE
(73)【特許権者】
【識別番号】390014281
【氏名又は名称】ドクトル・ヨハネス・ハイデンハイン・ゲゼルシヤフト・ミツト・ベシユレンクテル・ハフツング
【氏名又は名称原語表記】DR. JOHANNES HEIDENHAIN GESELLSCHAFT MIT BESCHRANKTER HAFTUNG
(74)【代理人】
【識別番号】100140109
【弁理士】
【氏名又は名称】小野 新次郎
(74)【代理人】
【識別番号】100118902
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 修
(74)【代理人】
【識別番号】100106208
【弁理士】
【氏名又は名称】宮前 徹
(74)【代理人】
【識別番号】100120112
【弁理士】
【氏名又は名称】中西 基晴
(72)【発明者】
【氏名】ウルリッヒ・ベンナー
【審査官】 續山 浩二
(56)【参考文献】
【文献】 独国特許出願公開第102010043615(DE,A1)
【文献】 特開2012−225911(JP,A)
【文献】 特開2001−296145(JP,A)
【文献】 特開2001−174287(JP,A)
【文献】 特開2005−249452(JP,A)
【文献】 国際公開第2008/146409(WO,A1)
【文献】 特開2008−134235(JP,A)
【文献】 特表平05−502731(JP,A)
【文献】 特開昭59−072012(JP,A)
【文献】 米国特許第06078396(US,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01B 11/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
光学式の距離センサであって、
第1発光平面(EE)の第1光源(1;11)、リフレクタ(2)、透過型回折格子として形成され、それぞれ所定の格子周期(T1)を備える2つの走査格子(3.1,3.2;13.1,13.2)、検出装置(4;14)、および評価ユニット(5)を含み、
前記第1光源(1;11)から放出された光線束は前記リフレクタ(2)に入射し、再帰反射され、
再帰反射された前記光線束は続いて第1および第2の前記走査格子(3.1,3.2;13.1,13.2)を通過し、
前記光線束と通過される前記走査格子(3.1,3.2;13.1,13.2)との相互作用により、所定のストライプパターン周期(VP)を有する周期的なストライプパターン(S)が検出装置(4;14)の検出平面(DE)に生じ、
前記評価ユニット(5)は、検出されたストライプパターン周期(VP)および距離センサの他の既知の幾何学パラメータ(v,T1,D)に基づいて、前記リフレクタ(2)に対して垂直に配向された第1測定方向(z)に沿って前記検出平面(DE)と前記リフレクタ(2)との間の距離を決定するように形成および調整されている光学式の距離センサ。
【請求項2】
請求項1に記載の光学式の距離センサにおいて、
両方の前記走査格子(3.1,3.2;13.1,13.2)が、透明な走査プレート(3;13)の上面および下面に配置されている光学式の距離センサ。
【請求項3】
請求項1または2に記載の光学式の距離センサにおいて、
両方の前記走査格子(3.1,3.2;13.1,13.2)が同一の格子周期(T1)を有している光学式の距離センサ。
【請求項4】
請求項3に記載の光学式の距離センサにおいて、
前記評価ユニット(5)が、関係式:
【数1】
にしたがって、前記検出平面(DE)と前記リフレクタ(2)との間の距離(ATA)を検出するように形成および調整されており、
ATAは、検出平面とリフレクタとの間の距離、
VPは、検出平面のストライプパターン周期、
T1は、走査格子の格子周期
vは、両方の走査格子の光学的に有効な距離、
wは、検出平面と第2走査格子との間の距離、
Dは、第1発光平面と第1走査格子との間の距離である光学式の距離センサ。
【請求項5】
請求項1から4までのいずれか一項に記載の光学式の距離センサにおいて、
第1光源、走査格子、および検出装置が走査ユニット内に配置されており、該走査ユニットが、少なくとも第1測定方向に沿ってリフレクタに対して相対移動可能に配置されている光学式の距離センサ。
【請求項6】
請求項1に記載の距離センサを備える位置測定装置において、
位置測定装置が第2測定方向(x)に沿って位置を決定することを可能にし、第2測定方向(x)に沿って、走査ユニット(30)が、反射測定目盛を備える基準器(40)に対して相対移動可能に配置されており、第2測定方向(x)は第1測定方向(z)に対して垂直に配向されており、
走査ユニット(30)は、前記第1光源(11)、2つの前記走査格子(13.1,13.2)、および前記検出装置(14)の他に、第2発光平面(EE)に第2光源(21)を含み、
前記第2測定方向(x)に沿って延在する前記基準器(40)がリフレクタとして機能し、
前記第2光源(21)から放出された光線束が反射測定目盛(41)に入射し、再帰反射され、
光線束と反射測定目盛(41)との相互作用によって、位置に依存したパターン(M)が検出装置(24)の検出平面(DE)に生じ、前記パターン(M)が、第2測定方向(x)に沿った基準器(40)に対する走査ユニット(30)の位置を表す位置測定装置。
【請求項7】
請求項6に記載の位置測定装置において、
前記走査ユニット(30)の第1走査格子(13.1)の装置平面に、スリット状の絞り(25)が配置されており、前記第1光源(11)から放出された光線束が、前記基準器(40)に入射する前に前記絞り(25)を通過する位置測定装置。
【請求項8】
請求項7に記載の位置測定装置において、
前記絞り(25)の幅(b)が前記反射測定目盛(41)の2倍のパターン幅(b)に相当する位置測定装置。
【請求項9】
請求項6に記載の位置測定装置において、
前記第1および第2光源(11,21)がそれぞれ点光源として形成されている位置測定装置。
【請求項10】
請求項6に記載の位置測定装置において、
前記第1および第2光源(11,21)が異なる発光波長を備えている位置測定装置。
【請求項11】
請求項6に記載の位置測定装置において、
前記基準器(40)の前記反射測定目盛(41)および/または該反射測定目盛の周辺領域が、波長に依存した反射率を備えている位置測定装置。
【請求項12】
請求項10または11に記載の位置測定装置において、
前記第1光源(11)の発光波長に対して、前記基準器(40)の前記反射測定目盛(41)が低い反射率を有し、該反射測定目盛の周辺領域が高い反射率を有する位置測定装置。
【請求項13】
請求項6に記載の位置測定装置において、
前記検出装置(14)が、前記第2測定方向(x)に沿って周期的に配置された光電子式の検出素子(14.1)を含み、該検出素子(14.1)が評価ユニットによって個々に読取可能である位置測定装置。
【請求項14】
請求項6に記載の位置測定装置において、
評価ユニットが、前記第1測定方向(z)に沿って前記検出平面(DE)とリフレクタとの間の間隔(ATA)を決定するために、または前記第2測定方向(x)に沿って前記反射測定目盛(41)に対する前記走査ユニット(30)の位置を決定するために、2つの光源(11,21)のいずれか一方を選択的に作動し、作動された光源(11;21)に応じて、作動された光源に対応する評価モードに前記検出装置(14)を切り換えるように調整および形成されている位置測定装置。
【請求項15】
請求項6に記載の位置測定装置において、
さらに評価ユニットが、前記検出装置(14)によって検出された信号に基づいて、前記反射測定目盛(41)に対する前記走査ユニット(30)のピッチ角を決定するように形成および調整されており、前記ピッチ角は、軸線(y)を中心とした前記走査ユニット(30)の傾斜を示し、前記軸線が、前記第2測定方向(x)に対して垂直に配向され、前記測定目盛平面に対して平行に配向されている位置測定装置。
【請求項16】
請求項15に記載の位置測定装置において、
さらに評価ユニットが、前記第2測定方向(x)に沿った移動に関して、ピッチ角に依存した誤差の分だけ位置信号を補正するように形成および調整されていている位置測定装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、光学式の距離センサおよび光学式の距離センサを備える位置測定装置に関する。
【背景技術】
【0002】
特に簡単な光学式の位置測定装置は、入射光により作動されるシステムとして構成することができ、このようなシステムは、反射測定目盛を備える基準器および横方向の測定方向に移動可能な走査ユニットを含む。走査ユニットには、できるだけ点状の光源が配置されており、光源の光線は拡散して反射測定目盛の方向に放出される。反射測定目盛は、交互に配置された反射率の異なる領域を備える。走査ユニットの方向に光線束が再帰反射され、光線束と反射測定目盛とが相互作用することにより、位置に依存したパターンが検出装置の検出平面に生じ、このパターンは、測定方向に沿った反射測定目盛に対する走査ユニットの位置を表す。このような位置測定装置は、一般に基準器と走査ユニットとの間の傾斜、特にいわゆる「ピッチ動作」の影響を受けやすい。以下では、ピッチ動作もしくはピッチ傾斜とは、測定目盛平面または測定目盛平面に対して平行であり、測定方向に対して垂直に配向された軸線を中心とした基準器および走査ユニットの傾斜として理解されるべきである。
【0003】
さらに、このような誤差を補正するために、1つ以上の距離センサによってこのようなピッチ動作を連続的に検出できることが知られている。例えば、これに関しては磁気式の位置測定装置に関する米国特許第7,474,091号明細書を参照されたい。この明細書は、距離を測定のために、誘導式の距離センサとして正方形の2つの導体路パターンをプリント配線板に設けることを提案している。
【0004】
出願人のドイツ連邦共和国特許出願公開第102010043615号明細書により、光学式の距離センサが既知である。しかしながら、この光学式の距離センサは、反射測定目盛を備える上述のような位置測定装置で使用することはできない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】米国特許第7,474,091号
【特許文献2】ドイツ連邦共和国特許出願公開第102010043615号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明の課題は、単独でも作動可能であり、位置測定装置に組み込むためにも適した光学式の距離センサを提案することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
この課題は、請求項1の特徴を有する光学式の距離センサによって解決される。
【0008】
本発明による光学式の距離センサの好ましい実施形態が、従属請求項に記載の手段により得られる。
【0009】
さらに、本発明による光学式の距離センサが組み込まれた位置測定装置が記載される。
【0010】
本発明による光学式の距離センサは、第1発光平面の第1光源、リフレクタ、透過型回折格子として形成され、それぞれ所定の格子周期を備える2つの走査格子、検出装置、および評価ユニットを含む。第1光源から放出された光線束はリフレクタに入射し、再帰反射される。再帰反射された光線束は続いて第1および第2の走査格子を通過し、光線束と通過される走査格子との相互作用により、所定のストライプパターン周期を備える周期的なストライプパターンが検出装置の検出平面に生じる。評価ユニットは、検出されたストライプパターン周期および距離センサの他の既知の幾何学パラメータに基づいて、リフレクタに対して垂直に配向された第1測定方向に沿って検出平面とリフレクタとの間の距離を決定するように形成および調整されている。
【0011】
両方の走査格子は、透明な走査プレートの上面および下面に配置されていてもよい。
【0012】
両方の走査格子が同一の格子周期を備えていることも可能である。
【0013】
好ましくは、評価ユニットは、関係式:
【数1】
にしたがって、検出平面とリフレクタとの間の距離(ATA)を検出するように形成および調整されており、
ATAは、検出表面とリフレクタとの間の距離、
VPは、検出平面のストライプパターン周期、
T1は、走査格子の格子周期、
vは、両方の走査格子の光学的に有効な距離、
wは、検出平面と第2走査格子との間の距離、
Dは、第1発光平面と第1走査格子との間の距離である。
【0014】
さらに、第1光源、走査格子、および検出装置が走査ユニット内に配置されており、該走査ユニットが、少なくとも第1測定方向に沿ってリフレクタに対して相対移動可能に配置されていることも可能である。
【0015】
さらに、位置測定装置は本発明による距離センサを備えていてもよい。この場合、位置測定装置は第2測定方向に沿って位置を決定することを可能にし、第2測定方向に沿って、走査ユニットは、反射測定目盛を備える基準器に対して相対移動可能に配置されており、第2測定方向は第1測定方向に対して垂直に配向されている。走査ユニットは、第1光源、2つの走査格子、および検出装置の他に、第2発光平面に第2光源を含む。第2測定方向に沿って延在する基準器はリフレクタとして機能する。第2光源から放出された光線束は、反射測定目盛に入射し、再帰反射される。光線束と反射測定目盛との相互作用によって、位置に依存したパターンが検出装置の検出平面に生じ、このパターンは、第2測定方向に沿った基準器に対する走査ユニットの位置を表す。
【0016】
好ましくは、走査ユニットの第1走査格子の装置平面にはスリット状の絞りが配置されており、第1光源から放出された光線束は、基準器に入射する前に絞りを通過する。
【0017】
この場合、絞りの幅が、反射測定目盛の2倍のパターン幅に相当することも可能である。
【0018】
好ましい実施形態では、第1および第2光源はそれぞれ点光源として形成されていてもよい。
【0019】
さらに、第1および第2光源が異なる発光波長を備えていることも可能である。
【0020】
さらに、基準器の反射測定目盛および/または反射測定目盛の周辺領域は、波長に依存した反射率を備えていてもよい。
【0021】
別の実施形態では、第1光源の発光波長に対して、基準器の反射測定目盛が低い反射率を有し、反射測定目盛の周辺領域が高い反射率を有する。
【0022】
好ましくは、検出装置は第2測定方向に沿って周期的に配置された光電子式の検出素子を含み、これらの検出素子は評価ユニットによって個々に読取可能である。
【0023】
さらに、評価ユニットは、第1測定方向に沿って検出平面とリフレクタとの間の距離を決定するか、または第2測定方向に沿って反射測定目盛に対する走査ユニットの位置を決定するために、2つの光源のいずれか一方を選択的に作動し、作動された光源に応じて、作動された光源に対応する評価モードに検出装置を切り換えるように調整および形成されていてもよい。
【0024】
さらに、評価ユニットは、検出装置によって検出された信号に基づいて、反射測定目盛に対する走査ユニットのピッチ角を決定するように形成および調整されていることも可能であり、ピッチ角とは、第2測定方向に対して垂直に配向され、測定目盛平面に対して平行に配向された軸線を中心とした走査ユニットの傾斜を表す。
【0025】
さらに評価ユニットは、第2測定方向に沿った移動に関して、ピッチ角に依存した誤差の分だけ位置信号を補正するように形成および調整されていてもよい。
【0026】
本発明による光学式の距離センサは、純粋な距離センサとして使用してもよいし、入射光で作動され、所定の走査距離の許容差範囲内で作動可能な位置測定装置に組み込んで使用してもよい。後者の場合には、距離センサによって走査ユニットおよび基準器のピッチ傾斜を測定技術的に検出し、これにより生じる測定誤差を位置決定時に補正することが可能である。さらに測定の課題として側方の相対移動を検出するだけではなく、垂直方向の相対移動を検出することも必要となる場合に、このような距離センサを備える位置測定装置を使用する可能性が生じる;すなわち、互いに垂直な2つの測定方向に沿って位置を検出するための位置測定装置が得られる。
【0027】
添付の図面に基づいて以下に説明する実施例により、本発明の他の利点および詳細が明らかにされる。
【図面の簡単な説明】
【0028】
図1】本発明による光学式の距離センサの走査光路を示す概略図である。
図2図1に示した光学式の距離センサの検出平面を示す平面図である。
図3a図1に示した光学式の距離センサの走査プレートの上面図である。
図3b図1に示した光学式の距離センサの走査プレートの下面図である。
図4a】本発明による光学式の距離センサを備える位置測定装置の走査光路を示す概略的な側方断面図である。
図4b図4aに示した位置測定装置の走査光路を示す別の側方断面図である。
図5図4a,4bに示した位置測定装置の下面図である。
図6図4a,4bに示した位置測定装置の検出平面を示す平面図である。
図7a図4aに示した位置測定装置の走査プレートの下面図である。
図7b図4bに示した位置測定装置の走査プレートの上面図である。
図8】ピッチ傾斜時の幾何学的な比率を説明するための走査光路を示す概略的な部分図である。
【発明を実施するための形態】
【0029】
図1の概略的な走査光路図ならびに図2図3aおよび図3bの異なる概略図に基づいて、以下に本発明による光学式の距離センサの基本原理を説明する。この距離センサは、第1光源1、リフレクタ2、透過型回折格子として形成された2つの走査格子3.1,3.2、検出装置4、および評価ユニット5を含む。距離センサによって、垂直方向に沿って検出装置4の検出平面DEとリフレクタ2との間の距離ATAを決定することが可能である。以下では第1測定方向zと呼ぶこの方向は、リフレクタ2に対して垂直に配向されている。
【0030】
点光源として形成され、第1発光平面EEに配置された第1光源1は、第1発光波長λを備える光線束を拡散して放出する。第1光源1としては、例えば、十分に小さい空間的広がりを備え、630nm〜950nmの範囲であってもよい発光波長λを備える光線を放出するVCSEL光源(垂直共振器型面発光レーザ)、またはLEDが考慮される。例えば、第1光源1から放出された光線束は、平面鏡として形成されたリフレクタ2に入射するが、その前に、透明な走査プレート3の上面および下面の所定の部分範囲にのみ配置された走査格子3.1,3.2を通過しない。図3aは、リフレクタ2の方向に向けられた走査プレート3の面(下面)を示し、この面は、第1走査格子3.1を備える;図3bは、検出装置4に向いた走査プレート3の面(上面)を示し、この面は、第2走査格子3.2を備える。光源1から入射した光線束はリフレクタ2で再帰反射され、次いで第1および第2走査格子3.1,3.2を通過する。本実施例では、両方の走査格子3.1,3.2は、周期的に配置された透光性領域および非透光性領域を有する透過型振幅格子として形成されており、図3a,3bに示すように、同一の格子周期T1を有している。基本的には、この場所に位相型回折格子を使用することも可能である。光線束と両方の走査格子3.1,3.2の相互作用により、検出装置4の検出平面DEには最終的にストライプパターン周期VPを備える周期的なストライプパターンSが生じる。図2は、検出装置4の検出平面DEを検出平面に生じるストライプパターンSと共に示す。
【0031】
同様に図2からわかるように、検出装置4は、方向xに沿って検出平面に周期的に配置された光電式の検出素子4.1を含む。検出素子4.1は、評価ユニット5を介して個々に読取可能であり、評価装置5によって、既知の画像検出方法を用いて検出平面DEに生じたストライプパターンSのストライプパターン周期VPを検出することができる。本発明による装置を距離センサとしてのみ使用する場合には、検出平面4における検出素子4.1の周期を基本的には任意に選択することができる;この場合、適切な検出装置14の周期は、例えば5μmであってもよい。
【0032】
このようにして決定されたストライプパターン周期VPおよび距離センサの他の既知の幾何学パラメータによって、評価ユニット5は、第1測定方向zに沿って検出平面DEとリフレクタ2との間の距離ATAを決定することができる。この場合、距離ATAを決定するためには、評価ユニット5によって次の関係式(1)が使用される:
【数2】
ここで、ATAは、検出平面とリフレクタとの間の距離、
VPは、検出平面のストライプパターン周期、
T1は、走査格子の格子周期
vは、両方の走査格子の光学的に有効な距離、
wは、検出平面と第2走査格子との間の距離、
Dは、第1発光平面と第1走査格子との間の距離である。
【0033】
本発明による距離センサの可能な実施形態では、異なる幾何学パラメータT1,v,wおよびDが、例えば次のように選択される:
T1=50μm
v=0.5mm
w=1.0mm
D=2.0mm
【0034】
評価ユニット5によって検出されたストライプパターン周期VP=1000μmと共に、検出平面DEとリフレクタ2との間の距離ATA=4.75mmが得られる。
【0035】
説明した距離センサコンセプトの適切な実行の範囲では、第1光源1、両方の走査格子3.1,3.2、および検出装置4が、第1測定方向zに沿ってリフレクタ2に対して相対移動可能な走査ユニット(図示しない)内に共に配置されている場合にはさらに好ましいことが示される。この場合、走査ユニットは第1の物体に機械的に結合されており、リフレクタ2は第2の物体に機械的に結合されている;両方の物体は少なくとも第1測定方向zに沿って互いに対して移動可能である。両方の物体は、例えば互いに対して移動可能であり、第1測定方向zに沿った距離を決定されるべき機械構成要素であってもよい。評価ユニット5は、同様に走査ユニット内に配置されていてもよい;しかしながら、離れて配置された評価ユニットに検出装置4の信号を伝送し、さらに処理することも可能である。
【0036】
さらに、本発明による距離センサは、純粋な距離センサとして使用できるだけではなく、特に、以下に第2測定方向xと呼ぶ別の方向に沿って位置を決定することを可能にする位置測定装置に組み込むためにも適している。次に図4a,4b,5,6,7a,7bおよび8に基づいて、本発明による距離センサが組み込まれたこのような位置測定装置を説明する。
【0037】
第2測定方向xに沿って、走査ユニット30と、位置測定装置の反射測定目盛41を備える基準器40とが相対移動可能に配置されており、距離センサの実質的に横方向の第2測定方向xは、実質的に垂直方向の第1測定方向zに対して垂直に配向されている。走査ユニット30および基準器40は、両方の測定方向x,zに沿って互いに対して移動可能な2つの物体(図示しない)に機械的に連結もしくは結合されている。これらの物体は、上述のように互いに対して相対移動できる適宜な機械構成要素であってもよい。評価ユニット(図示しない)には、走査ユニット30によって生成された信号がさらなる処理のために供給される。基本的には、評価ユニットは走査ユニット30内に配置されていてもよいし、または走査ユニット30から離間して配置されていてもよい。
【0038】
上記位置測定装置の走査ユニット30内には、距離センサの構成要素、すなわち、第1発光平面EEの第1光源11、走査プレート13に配置された第2走査格子13.1,13.2ならびに検出装置14が配置されている。図7aおよび図7bは、走査プレート13の下面および上面にそれぞれ配置されたパターンを示す。さらに、走査ユニット30の第2発光平面EEには第2光源21が配置されており、この第2光源は、第2測定方向xに沿って位置を測定し、適宜な位置信号を生成するために使用される。本実施例では、第1および第2光源11,21が配置された第1および第2発光平面EEは一致する。しかしながら、このことは本発明の範囲では不可欠ではなく、第1および第2発光平面は異なる平面に配置されていてもよい。したがって、図5に示すように、第2光源21は走査ユニット30の第1光源11と同じ発光平面に配置されているが、y方向に検出装置14の反対の側に配置されている。第2測定方向xには、2つの光源11,21は走査ユニット30に同じ高さで配置されている。第2光源21は同様に点光源として形成されていてもよい;しかしながら、スリット状の絞りによって発光面の直前で必要な寸法まで減じられている面状の光源も考慮される。第2光源21は第1光源11とは異なる発光波長λを有し、この発光波長λは、同様に上記波長範囲630nm〜950nmに位置していてもよい。可能な一実施例では、両方の光源11,21の発光波長λ,λは、例えばλ=630nmおよびλ=850nmとして選択される。本発明による距離センサのこの用途では、異なる発光波長の選択は不可欠ではないことをここで指摘しておく。
【0039】
純粋な距離センサにさらに加えて、この用途では、走査ユニット30の第1走査格子13.1の配置平面に、すなわち、基準器40に向いた走査プレート13の側に、スリット状の絞り25が設けられている。付加的な要素の機能について、特に第2測定方向xに沿った位置信号の生成については次の説明を参照されたい。
【0040】
第2測定方向xに沿って延在する基準器40は担体を含み、担体の上面には反射測定目盛41が配置されている。図5に示すように、反射測定目盛41は、第2測定方向xに沿って交互に配置された反射率の異なる領域からなる。この場合、図面では、反射率の小さい領域は暗く示されており、反射率の大きい領域は明るく示されている。反射測定目盛41の領域は、上記y方向に基準器40の全幅にわたって延在しているのではなく、基準器40の縁部には、距離センサのためのリフレクタとして機能するそれぞれ1つの反射ストリップが設けられている。反射測定目盛41の領域から距離測定のために走査光線束が反射された場合にも距離測定の機能が保証されていることをここで指摘しておく。以下にさらに詳細に説明するように、このために所定の付加的な手段、すなわち、スリット状の絞り25および/または両方の光源11,21のための異なる発光波長λ,λの選択という手段が設けられている。本実施例の領域は第2測定方向xに沿って、非周期的な順序、例えば、疑似ランダムコード(PRC)の形式で配置されている。
【0041】
光学的な読取、もしくは上記のようなコードの走査によって、x方向に測定距離に沿って走査ユニット30の絶対位置を決定することができる。このために、例えば図4bに示すように、第2光源21が基準器40もしくは反射測定目盛41の方向に拡散する形式で光線束を放出する。他の光学素子を介在させることなしに、光線束は反射測定目盛41に到達し、反射測定目盛41から走査ユニット30の方向に再帰反射される。光線束と反射測定目盛41との相互作用に基づいて、位置に依存したパターンが検出装置14の検出平面DEに生じ、このパターンは、第2測定方向xに沿った基準器40に対する走査ユニット30の位置を示す。この場合、それぞれのパターンは検出装置14によって検出され、評価ユニット(図示しない)によって絶対位置情報に変換される;これにより、第2測定方向xに沿った走査ユニット30の位置を一義的に決定することができる。検出平面DEのパターンを検出するためには、冒頭で述べた距離センサの検出装置と同一に形成され、第2測定方向xに沿って周期的に配置された長方形の個々の検出素子14.1からなる検出装置14が使用される。これらの検出素子14,1は、評価ユニットによって個々に読取可能である。第2測定方向xに沿った位置測定のためには、20μm〜30μmの範囲の検出周期が好ましいことが判明しているが、当然ながら他の検出周期を選択することもできる。
【0042】
上述の位置測定装置に組み込まれた距離センサは、原則的には冒頭で説明した距離センサのように機能する。しかしながら、上記距離センサとは異なり、基準器40もしくはリフレクタに伝播する発光波長λを有する光線束の光路では、図7aに示すように、走査プレート13の下面にスリット状の絞り25が配置されている。この場合、絞り25の縦方向は、上記y方向に、すなわち第2測定方向xに対して垂直に延在している。したがって、第1発光平面EEの第1光源11から放出された光線束は、リフレクタもしくは基準器40に入射する前にまず絞り25を通過する。このようにして、距離測定に関係する新しい第1光源11′が新しい第1発光平面EE′に定義される。その結果、方程式(1)に挿入した値D、すなわち、第1発光平面EE′と第1走査格子13.1との間の距離はゼロに等しくなる。それぞれの光線束が基準器40で、場合によってはパターン化されていない反射率の高い縁部領域によって反射されるだけでなく、反射測定目盛41の領域にも入射し、そこから両方の走査格子13.1,13.2の方向に再帰反射された場合に、反射測定目盛41のパターンが距離センサにおける信号生成を妨害しないことが、光路の付加的な絞り25によって確保される。この場合、絞り25はフィルタとして、距離信号を発生する場合に妨害となる反射測定目盛41の影響を最小限にすることができる。絞り25の幅が、第2測定方向xに沿った反射測定目盛41の最小領域の2倍のパターン幅bに対応する場合、好ましいことが判明した。したがって、マンチェスタコーディングによる疑似ランダムコードの場合には、パターン幅は第2測定方向xに沿ったマンチェスタビットの幅に対応する。
【0043】
本発明による距離センサによって、位置測定装置においてできるだけ信頼性の良い距離測定を確保するために、さらに好ましくは、基準器40の反射測定目盛41および/または反射測定目盛41の周辺領域が波長に依存した反射率を有し、反射率は、第1および第2光源11,21の発光波長にλ,λに合わせて調整されていてもよい。したがって、例えば反射測定目盛41は、第1光源11の第1発光波長λに対して低い反射率を有し、基準器40の周辺領域はこの波長λに対して高い反射率を備える。このようにして、光線束が、基準器40の一様に反射する領域によって再帰反射されるのではなく、反射測定目盛41によって反射される場合には、場合によっては距離センサの信号生成の妨げとなることもある反射測定目盛41の影響を低減することができる。
【0044】
本発明による距離センサを位置測定装置において使用する場合には、様々な可能性があり、これらの可能性のうちの幾つかの態様を以下に簡潔に説明する。
【0045】
このように、本発明による距離センサが組み込まれた位置測定装置は、それぞれの測定課題において、垂直な第1測定方向zに沿って位置測定を行うか、または横方向の第2測定方向xに沿って位置測定を行うように作動することができる。このために、評価ユニットによって第1または第2光源11,21が選択的に作動され、作動された光源11,21に応じて、検出装置14が対応する評価モードに切り換えられる。次いで上述のように、第1測定方向zに沿って検出平面DEとリフレクタとの間の距離ATAが決定されるか、または第2測定方向xに沿って基準器40もしくは反射測定目盛41に対する走査ユニット30の位置が決定される。図6a,図6bは、これらの2つの異なる作動形式を示す。
【0046】
図6aは、第1光源11が作動され、検出装置14の検出平面に周期的なストライプパターンSが生成される場合を示す。検出装置14の対応する評価モードによって、ストライプパターンSのストライプパターン周期VPが決定され、距離センサの他の既知の幾何学パラメータに関連して、方程式(1)を用いて第1測定方向zに沿った距離ATAが決定される。
【0047】
図6bは、第2光源21が作動され、第2測定方向xに沿った走査ユニット30の位置を示す非周期的なパターンMが検出装置14の検出平面に生じた場合を示す。検出装置14の対応する評価モードでは、非周期的パターンが上述のように検出装置14によって検出され、評価ユニットによって、走査ユニット30の対応する絶対位置が決定される。
【0048】
さらに、本発明による光学式の距離センサが組み込まれた位置測定装置は、横方向の第2測定方向xに沿って位置測定が行われた場合に、基準器40もしくは反射測定目盛41に対して走査ユニット30のピッチ角を決定することができるように位置測定装置を作動することを可能にする。冒頭で述べたように、この場合、ピッチ角は、ピッチ軸を中心とした走査ユニット30の傾斜を示し、ピッチ軸は、第2測定方向xに対して垂直に配向され、測定目盛平面に対して平行に配向されている;したがって、図示の実施例では、ピッチ軸は図面にyによって示した方向を向いている。それぞれのピッチ角がわかっている場合には、評価ユニットによって、ピッチ角に依存した誤差の分だけ位置信号を補正することができる。このために適切な方法を以下に例示的に簡潔に説明する。
【0049】
まずこの点について、距離センサが組み込まれたそれぞれの位置測定装置を用いて、上述の走査により、例えば図6aに示したような周期的な(ヴェルニエ)ストライプパターンSが検出装置14の検出平面に生成されることをもう一度示唆しておく。次に図8の概略図を用いて、ピッチ方向のリフレクタ傾斜が距離測定に及ぼす影響、特に生成されたストライプパターンの位置に及ぼす影響を説明する。この場合、仮想光源LQを備えるモデルが使用される。このモデルでは、実際の光源LQから放出され、リフレクタRによって再帰反射された光線束を後方に延長し、これにより、形式的に透過性の構造物における仮想光源が得られる。
【0050】
y方向に延在する軸線を中心としてリフレクタRがピッチ角βだけ傾斜した場合、仮想光源LQのx位置の変位が生じる。図8には、光源変位量x_vLQだけ変位された光源がLQ′により示されている。光源変位の結果として、投影された第1走査格子AG1の像も、リフレクタRが傾斜していない場合に比べてx方向に変位される。投影された第1走査格子AG1の像は、光パターン変位量x_LMだけ変位されて第2走査格子AG2に到達する。第2走査格子AG2に投影された像の周期T1′によって光パターン変位量x_LMを割った場合、第2走査格子AG2において光パターン変位が生じ、これを位相変位と呼ぶ。距離センサに生じた周期的なストライプパターンは、投影された第1走査格子AG1の像と第2走査格子AG2との相互作用により生じ、同じ位相変位を受ける;この位相変位は以下ではPhi_LMによって示す。距離センサで使用される検出装置は、周期的に配置された検出素子を備え、位相変位Phi_LMを測定技術的に検出し、位相センサとして機能するために適している。このために、ストライプパターンの周期毎に少なくとも3つの検出素子が配置されており、これらの検出素子は、それぞれの走査パターンで、複数のストライプパターン周期にわたって互いに導電的に接続される。
【0051】
上記実施例からわかるように、距離センサでは、約5μmの検出幅は、走査されるストライプパターンのストライプパターン周期の1000μmという寸法よりも著しく小さい。したがって、検出装置では、好ましくは複数の隣接する個々の検出素子が相互接続されており、これらの検出素子の出力信号がアナログ方式またはデジタル方式で加算される。このように相互接続された検出素子は、検出装置で、ストライプパターンを走査するために使用される個々の検出素子として機能する。上述のように、このように相互接続された少なくとも3つの検出素子がストライプパターンの周期毎に設けられている。距離センサによってそれぞれ検出されたストライプパターン周期は走査パターンを規定し、この走査パターンには、距離センサの個々の検出素子が位相センサの検出素子としてまとめられる必要がある。
【0052】
以下に説明するように、本発明による距離センサによって、場合によって生じるピッチ傾斜を測定技術的に検出し、第2測定方向に沿った移動に関してピッチ傾斜によって歪曲された位置信号を補正することを可能にする。
【0053】
この場合、リフレクタRがピッチ角βだけ傾斜したことによる投影されたストライプパターン像の上記位相変位Phi_LMは、次の関係式(2)にしたがって記述することができる:
【数3】
ここで、Phi_LMは、ピッチ傾斜により引き起こされるストライプパターンの位相変位、
x_LMは、ピッチ傾斜により引き起こされる光パターン変位量、
T1′は、第2走査格子に投影された第1走査格子の周期、
βは、ピッチ軸を中心としたピッチ角、
u1は、(仮想)光源とリフレクタとの間の距離、
u2は、リフレクタと第1走査格子との間の距離、
vは、両方の走査格子の光学的に有効な距離、
T1は、走査格子の格子周期である。
【0054】
測定技術的に検出される位相変位Phi_LMから、次の関係式(3)を用いてピッチ角βを決定することができる:
【数4】
ここで、βは、ピッチ軸を中心としたピッチ角、
Phi_LMは、ピッチ傾斜により引き起こされるストライプパターンの位相変位、
u1は、仮想光源とリフレクタとの間の距離、
u2は、リフレクタと第1走査格子との間の距離、
vは、両方の走査格子の光学的に有効な距離、
T1は、走査格子の格子周期である。
【0055】
したがって、値Phi_LMは、位相センサによって検出される;値u2は、検出された距離ATAから求められ、u2=ATA−v−wであり、wは、上述のように、検出平面と第2走査格子との間の距離を表し、残りの値v,w,DおよびT1は、数値がわかっている幾何学的システムパラメータを表す。
【0056】
方程式(3)に対して代替的に、ピッチ角βは既知の幾何学的なシステムパラメータおよび測定技術的に検出された値Phi_LMおよびATAのみから、次の関係式(4)によっても求められる:
【数5】
ここで、βは、ピッチ軸を中心としたピッチ角、
Phi_LMは、ピッチ傾斜により引き起こされるストライプパターンの位相変位、
ATAは、検出平面とリフレクタとの間の距離、
vは、両方の走査格子の光学的に有効な距離、
wは、検出平面と第2走査格子との間の距離、
Dは、第1発光平面と第1走査格子との間の距離
T1は、走査格子の格子周期である。
【0057】
このように、ピッチ角βが評価ユニットを用いて決定される場合には、評価ユニットはピッチ角βを使用して、第2測定方向xに沿った移動に関してピッチ角に依存した誤差の分だけ位置信号を補正する。(局所的な)ピッチ傾斜が第2測定方向xにおける位置測定装置の位置誤差ΔPOSに与える影響の強さは、基本的には走査特性に依存する。上述の位置測定装置の場合に第2測定方向xについては、次の関係式(5)にしたがった関係が生じる:
【数6】
ここで、ΔPOSは、第2測定方向xに沿った位置誤差、
βは、ピッチ軸を中心としたピッチ角、
ATAは、検出平面とリフレクタとの間の距離である。
【0058】
したがって、位置測定装置によって第2測定方向xについて検出される位置POSは、場合によって生じる基準器の局所的な傾斜によってピッチ角βだけ歪曲されている場合がある。走査ユニットに付加的に組み込まれた本発明による距離センサが備える機能によって、ほぼ同じ基準器範囲について距離ATAおよび局所的なピッチ傾斜βを検出し、位置誤差ΔPOSの形式の補正値を決定することができる。このようにして、本発明による距離センサを用いて検出された値に基づいて、第2測定方向xに沿った位置値の補正を次のように行うことができる:
【数7】
ここで、POS′は、第2測定装置xに沿って補正される位置値、
POSは、第2測定方向xに沿って測定された位置値、
ΔPOSは、第2測定方向xに沿った位置誤差である。
【0059】
本発明の範囲で、上述の態様の他に、当然ながらさらなる実施形態が可能である。
【符号の説明】
【0060】
1 光源
2 リフレクタ
3.1,3.2 走査格子
4 検出装置
4.1 検出素子
5 評価ユニット
11 第1光源
13 走査プレート
13.1,13.2 走査格子
14 検出装置
14.1 検出素子
21 第2光源
25 絞り
30 走査ユニット
40 基準器
41 反射測定目盛
図1
図2
図3a
図3b
図4a
図4b
図5
図6
図7a
図7b
図8