(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記第2ヒータは、前記電流出力回路の出力と前記基準電位との間にそれぞれドレインおよびソースが接続され、前記電流出力回路の出力側にゲートが接続されるトランジスタを有する請求項8に記載の温度制御装置。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、発明の実施の形態を通じて本発明を説明するが、以下の実施形態は特許請求の範囲にかかる発明を限定するものではない。また、実施形態の中で説明されている特徴の組み合わせの全てが発明の解決手段に必須であるとは限らない。
【0009】
図1は、本実施形態に係る発振装置100の第1の構成例を示す。発振装置100は、発振回路200と、温度制御装置300とを備える。発振装置100は、発振回路200を、温度制御装置300によって目標温度に制御し、予め定められた目標発振周波数で発振させる。発振装置100は、一例としてOCXO(Oven Controlled Crystal Ocillator)である。
【0010】
発振回路200は、発振エネルギーを供給することにより振動子を発振させて、発振した周波数信号を外部に出力する。発振回路200は、集積回路400に外部接続された振動子を有してよく、振動子は、2つの電極の間に水晶片等が設けられたものであってよい。なお、発振回路200の発振周波数は、当該発振回路200の温度に応じて変動しうる。
【0011】
温度制御装置300は、発振回路200を目標温度に制御し、発振回路200の発振周波数の変動を調整する。温度制御装置300は、温度センサ310と、電力供給回路320と、第1ヒータ330と、第2ヒータ340とを有する。
【0012】
温度センサ310は、発振装置100の内部温度、発振回路200の温度、または第1ヒータ330の温度を検出し、検出値に応じたセンス電圧を出力してよい。温度センサ310は、例えば発振回路200の水晶片または第1ヒータ330の周囲の温度を検出してよい。温度センサ310は、集積回路400に内蔵される温度センサ素子であってよく、例えば、ダイオードであってよい。
【0013】
電力供給回路320は、温度センサ310に接続され、温度センサ310からの検出値と目標値との差に応じた電力を出力する。電力供給回路320は、目標設定回路322と、差分回路324と、電流出力回路326とを有する。
【0014】
目標設定回路322は、目標温度に応じた目標値を出力する。目標設定回路322は、例えば工場出荷時またはユーザ入力に応じて発振回路200の目標温度を設定可能であり、目標温度に応じた電圧または電流を出力する。
【0015】
差分回路324は、マイナスの入力に目標設定回路322が接続され、プラスの入力に温度センサ310が接続されてよい。差分回路324は、目標設定回路322からの目標値および温度センサ310からの検出値の差を増幅して出力してよい。差分回路324は、一例として差動増幅回路であってよい。
【0016】
電流出力回路326は、第1トランジスタ327を有してよく、当該第1トランジスタ327は、ゲートが差分回路324の出力に接続され、電源電位VDDと第1ヒータ330および第2ヒータ340との間にソースおよびドレインがそれぞれ接続されてよい。電流出力回路326は、差分回路324の出力に応じた電流を第1ヒータ330および第2ヒータ340に出力する。電流出力回路326は、検出温度が目標温度よりも小さい場合には出力電流を増加させ、検出温度が目標温度よりも大きい場合には出力電流を減少させてよい。第1トランジスタ327は、例えば、バイポーラトランジスタ、パワーMOSFET、またはIGBT等のパワートランジスタであってよい。
【0017】
第1ヒータ330は、電流出力回路326の出力と基準電位との間に接続され、温度センサ310からの検出値と目標値との差に応じた電力が電流出力回路326から供給される。当該基準電位は、例えばグランド電位VSSであってよい。第1ヒータ330は、発振回路200の近傍に配置され、例えば発振回路200の振動子の直近に配置され、または複数の第1ヒータ330で振動子を挟むように配置される。第1ヒータ330は、電流出力回路326からの電力を消費して発熱することで、発振回路200を目標温度に制御してよい。第1ヒータ330は、電流を流すと発熱するものであればよく、例えばNMOSトランジスタまたはPMOSトランジスタ等のトランジスタを有してよい。また、第1ヒータ330は、ニクロム等の金属線等であってもよい。なお、第1ヒータ330は、温度制御装置300に含まれなくてもよい。
【0018】
第2ヒータ340は、電流出力回路326の出力と基準電位との間に接続され、電力供給回路320に対して第1ヒータ330と並列に接続される。第2ヒータ340は、電力供給回路320よりも温度センサ310への熱伝導が速くなる位置に設けられ、電力供給回路320の消費電力に応じて、自身の消費電力を変化させる。第2ヒータ340は、温度センサ310からの検出値と目標値との差に応じて電力を消費して発熱する。第2ヒータ340は、電流出力回路326の出力と基準電位との間にドレインおよびソースが接続され、電流出力回路326の出力側にゲートが接続される第2トランジスタ342を有する。当該第2トランジスタ342は、MOSトランジスタまたはバイポーラトランジスタ等であってよい。第2トランジスタ342がバイポーラトランジスタである場合、エミッタ、コレクタ、及びベースは、ソース、ドレイン、及びゲートにそれぞれ対応して接続される。一例として、第1の構成例の発振装置100において、第2トランジスタ342は、NMOSトランジスタであり、この場合基準電位はグランド電位VSSである。
【0019】
本実施形態の発振装置100は、電流出力回路326の発熱を温度センサ310が検出してしまうことによる熱ハンチング(熱発振)を第2ヒータ340により抑制することができる。また、熱ハンチングの抑制を、1種類のトランジスタ等で構成される第2ヒータ340を追加するだけで実現できるため、当該第2ヒータ340のための面積は小面積で済み、また複雑な結線も必要無いため配線も最小限とすることができる。また、発振装置100は、第1ヒータ330と第2ヒータ340とに大電流を流す配線が同一のベタグランドパターンで済む。その結果、余計な導電性パターンを用意した場合に熱が逃げて熱制御が不安定になることを防止し、熱制御がより安定なものになる。
【0020】
ここで、熱ハンチングについて詳細に説明する。
図2は、比較例の発振装置500を示す。比較例の発振装置500は、本実施形態の発振装置100における第2ヒータ340を備えていない。
【0021】
まず、第1トランジスタ327は、第1ヒータ330に流す電流を供給するので、第1トランジスタ327自体も発熱する。従って、
図2に示すように、温度センサ310は、第1トランジスタ327からの熱と第1ヒータ330からの熱を受ける。ここで、温度センサ310が検出した温度が低い場合、第1ヒータ330を昇温するべく、電力供給回路320は第1トランジスタ327に流す電流を増加させて、第1ヒータ330に流す電流を増やす。この際、
図4の破線Aの領域では、第1トランジスタ327の電流が増加するが、第1トランジスタのソース〜ドレイン間電圧(バイポーラトランジスタであればエミッタ〜コレクタ間電圧)が低下するため、第1トランジスタ327の消費電力が下がり第1トランジスタ327から温度センサ310へと伝わる熱量が減る。この結果、温度センサ310は、第1ヒータ330から受ける熱量が増える前に第1トランジスタ327からの熱量が下がるため、少なくとも一時的に温度低下を検出する可能性がある。従って、温度制御装置300において、昇温すべく第1トランジスタ327に流れる電流量を増やすと、温度センサ310が検出する温度が低下し、更に第1トランジスタ327に流れる電流を増やしてしまうという正帰還が発生する。
【0022】
具体的には、比較例の発振装置500において、電源電圧をVdd[V]、電流出力回路326の出力端子IOUTの電圧をVo[V]、電流出力回路326および第1ヒータ330に流れる出力電流量Io[A]、第1ヒータ330の抵抗をRh[Ω]とする。この場合、出力端子IOUTの電圧Voは、Vo=Rh×Ioという式で表される。また、電流出力回路326および第1ヒータ330で消費される電力Pt[W]およびPh[W]は、以下のように表される。
Pt=Io(Vdd−Vo)=Io(Vdd−Rh×Io)・・・(式1)
Ph=Vo×Io=Rh×Io
2・・・(式2)
【0023】
従って、出力電流Ioにより加熱された状態の発振装置500の内部温度Ti[℃]は、発振装置500のパッケージ熱抵抗(集積回路400および第1ヒータ330と外気との間の熱抵抗)をθa[℃/W]、環境温度をTa[℃]とすると、以下のように表される。なお、集積回路400の温度上昇は、全て電流Ioによるものと近似する。
Ti=Ta+θa(Pt+Ph)=Ta+θa×Io×Vdd・・・(式3)
【0024】
具体例として、比較例の発振装置500において、Vdd=3V、Rh=10Ω、θa=150℃/W、Ta=−40℃とする。
図3は、電流出力回路326の出力電流に対する、発振装置500の内部温度[℃]と、電流出力回路326の消費電力Pt[W]と、第1ヒータ330の消費電力Ph[W]とを示す。
図4は、電流出力回路326の消費電力Pt[W]を示す。
【0025】
図3および4に示すように、出力電流の増加にともなって、内部温度と第1ヒータ330の消費電力は増加するが、電流出力回路326の消費電力は、負の傾きを有する領域A(
図3および4において出力電流150〜300mAの範囲)が生じる。当該領域Aが、熱ハンチングの原因の1つである。
図4に示す領域Aは、発振回路200を加熱するために電流出力回路326の出力電流を増加させると、電流出力回路326の発熱が減少することを示す。これは、集積回路400のパッケージ外にある第1ヒータ330の発熱を無視して電流出力回路326のみで考えると熱フィードバック系が正帰還となることを示す。
【0026】
また、2つ目の熱ハンチングの原因は、温度センサ310への熱伝導の速さが、電流出力回路326よりも第1ヒータ330が遅いということである。
【0027】
図2に示すように、第1ヒータ330は外部接続され、温度センサ310までの熱伝導パスには基板等が配置され、これが、第1ヒータ330から温度センサ310までの熱伝導の妨げとなっている。よって、第1ヒータ330から温度センサ310まで熱が到達するのには時間がかかる。一方、電流出力回路326から温度センサ310までの熱伝導パスは、同一の集積回路400内での熱伝導であるため、熱伝導が速い。このような発振装置500における熱フィードバック系の安定性を、具体的な数値を用いたAC解析シミュレーション結果を用いて示す。
【0028】
シミュレーションの各条件を、電源電圧Vdd=3V、第1ヒータ330の抵抗Rh=10Ω、発振装置500のパッケージ熱抵抗θa=150℃/W、環境温度Ta=−40℃、出力電流Io=200mAとする。当該条件は、
図4において、熱ハンチングが起こる条件(領域A)に相当する。この場合、発振装置500の内部温度はTi=−40℃+150℃/W×(3V×200mA)=50℃となる。
【0029】
この条件に加えてさらに、熱伝導の時定数を、電流出力回路326から温度センサ310への熱伝導時定数τt=10ms、第1ヒータ330から温度センサ310への熱伝導時定数τh=10sとする。また、温度制御装置300のパラメータを、温度センサ310のゲイン=10mV/℃(正の温度特性)、差分回路324のゲイン=60dB、電流出力回路326のトランスコンダクタンスgm=800mA/Vとする。発振装置500においては、温度センサ310の出力→電流出力回路326の制御→出力電流Ioの変化→温度センサ310による検出→温度センサ310の出力→…という熱フィードバックループが形成される。
図5は、当該熱フィードバックループのオープンループのゲイン特性および位相特性を示す。
【0030】
図5に示すように、ゲイン特性はpoleが2箇所存在する。1つ目のpoleは、第1ヒータ330からの熱伝導時定数=10sに対応するものであり、周波数16mHz(=1/(2π×10s))に存在する。2つ目のpoleは、電流出力回路326からの熱伝導時定数=10msに対応するものであり、周波数16Hz(=1/(2π×10ms))に存在する。
図5では、ゲイン=0dBとなる周波数での位相は、−90degとなっている。すなわち位相余裕は−90degであり、これは、熱ハンチングが起こることを示している。
【0031】
ここで、通常であれば、1つのpoleにより生じる位相遅れは90°である。しかし
図5のpole=16mHzによる位相遅れは90°ではなく180°となっている。これは16mHzを超えた周波数成分では、第1ヒータ330から温度センサ310への負帰還パスのゲインが減少し、やがて、電流出力回路326から温度センサ310への正帰還パスが支配的となるためである。DC周波数で負帰還であったものが、16mHzを境に正帰還となるため、位相が180°遅れている(=極性が反転する)ことと等価となる。
【0032】
上記条件で、出力電流および内部温度の過渡応答シミュレーションを行った。
図6は、電流出力回路326の出力電流の過渡応答シミュレーション結果を示す。
図7は、発振装置500の内部温度の過渡応答シミュレーション結果を示す。なお、当該シミュレーション時には、電流出力回路326の出力電流の上限を1Aに設定した。
図6および7に示すように、出力電流および内部温度ともに安定せずに熱ハンチングが起こっているのが分かる。熱ハンチングにおいては、電流出力回路326は、周期的にON/OFFスイッチングするような挙動となる。
【0033】
なお、参考として各条件を、電源電圧Vdd=3V、第1ヒータ330の抵抗Rh=10Ω、発振装置500のパッケージ熱抵抗θa=150℃/W、環境温度Ta=−40℃、出力電流Io=100mAとした場合のゲイン特性および位相特性を調べた。この場合、発振装置500の内部温度は、Ti=−40℃+150℃/W×(3V×100mA)=5℃となる。Io=100mAという条件は、
図4において熱ハンチングの起こらない領域(領域A以外の領域)である。
【0034】
図8は、参考条件における熱フィードバックループのオープンループのゲイン特性および位相特性を示す。
図8において、位相余裕は90degであり、これは、系が安定であることを示している。また、
図8において、pole=16mHzにおける負帰還から正帰還への変化(180°位相遅れ)も起こっていない。
【0035】
ここで、
図1に示す本実施形態の発振装置100において、第2ヒータ340は、電力供給回路320の電流出力回路326の電力減少分の消費電力変化を補償することで、熱フィードバックが負帰還となり温度の安定性を向上できる。例えば、第2ヒータ340は、電力供給回路320が第1ヒータ330に供給する電力を増加させ、且つ電力供給回路320の消費電力が減少する場合に、電力供給回路320および第2ヒータ340の合計の消費電力を非減少とすることが好ましい。
図9は、本実施形態の発振装置100における電流出力回路326の電力と、第2ヒータ340の電力と、それらの合計電力とを示す。
図9に示すように、電流出力回路326の電力のピークから負の傾きになる領域を、第2ヒータ340の電力により補償することで、合計電力については、ピークから傾きを正またはゼロとすることができる。これにより、熱ハンチングの原因である、出力電流を増加させているにも関わらず電流出力回路326の電力が減少し、熱フィードバックが正帰還となってしまうことを防止できる。
【0036】
なお、
図1の本実施形態に係る発振装置100において、温度センサ310、電力供給回路320、および第2ヒータ340、並びに発振回路200は、同一の集積回路400内に設けられ、第1ヒータ330は、集積回路400に対して外部接続されてよい。熱伝導の時定数も温度の安定性に影響するため、第2ヒータ340からの熱伝導が、電流出力回路326からの熱伝導に比べて温度センサ310に同時にまたはより速く到達することが温度の安定化のために好ましい。同一の集積回路400内に設けられた温度センサ310、電力供給回路320、および第2ヒータ340は、同一の基板でつながるため、第2ヒータ340と電力供給回路320は、熱伝導の時定数がほぼ同じとなる。また、熱伝導の時定数の点からも、第2ヒータ340は、電力供給回路320よりも温度センサ310の近くに配置されることがさらに好ましい。なお、集積回路400は、LSI、またはマルチチップモジュール等であってよい。
【0037】
ここで、本実施形態の発振装置100の動作は、温度センサ310の検出温度に応じて、電流出力回路326の電流が増加し、出力端子IOUTの電圧が上昇し、第2ヒータ340のゲート電圧が上昇し、第2ヒータ340のドレインからソースへの電流量が増加し、第2ヒータ340の発熱量が増加する。すなわち、電流出力回路326の電流の増加に応じて、第2ヒータ340の発熱量も増加する。よって、パラメータを適宜選択することにより、電流出力回路326と第2ヒータ340との合計電力を、電流出力回路326の電流増加に対して常に正の傾きにすることができる。以下、本実施形態の発振装置100を用いたシミュレーション結果により、合計電力を正の傾きにするためのパラメータの一例を示す。
【0038】
発振装置100の条件を、電源電圧Vdd=3V、第1ヒータ330の抵抗Rh=10Ω、発振装置100のパッケージ熱抵抗θa=150℃/W、環境温度Ta=−40℃、電流出力回路326から温度センサ310への熱伝導時定数τt=10ms、第2ヒータ340から温度センサ310への熱伝導時定数τnd=10ms、第1ヒータ330から温度センサ310への熱伝導時定数τh=10s、温度センサ310のゲイン=10mV/℃(正の温度特性)、差分回路324のゲイン=60dB、電流出力回路326の第1トランジスタ327のトランスコンダクタンスgm=800mA/V、第2ヒータ340の第2トランジスタ342の閾値Vth=0.65Vとする。
【0039】
これらの条件でのシミュレーション結果を
図10−13に示す。
図10は、電流出力回路326の出力電流と第2ヒータ340(NMOS)のゲート電圧との関係を示す。電流出力回路326の電流は、第1ヒータ330と第2ヒータ340とに分岐し、電流出力回路326の電流量が増加するほど、第2ヒータ340のNMOSゲート電圧は単調増加する。
【0040】
図11は、電流出力回路326の出力電流に対する、第1ヒータ330の電流および第2ヒータ340の電流を示す。電流出力回路326の電流が増加すると、第2ヒータ340のNMOSゲート電圧Vgが上昇し、第2ヒータ340の電流が増加する。また、電流出力回路326からの電流は、(Vg−Vth)の2乗に比例した電流が第2ヒータ340に流れ、残りの電流は第1ヒータ330に流れる。
図11に示すような電流の関係とすることで、第2ヒータ340は、第1ヒータ330よりも通電時における消費電力を小さくすることができる。これにより、第1ヒータ330により、効率的に発振回路200を目標温度に制御することができる。つまり、第1ヒータ330を外部振動子の直近に配置し、且つ第1ヒータ330の電力を第2ヒータ340の電力より大きくすれば、第1ヒータ330からの熱が他に逃げることなく外部振動子に伝わるため、外部振動子を目標温度に制御できる。
【0041】
図12は、電流出力回路326の出力電流に対する、電流出力回路326の消費電力、第2ヒータ340の消費電力、およびこれらの合計電力を示す。電流出力回路326の消費電力は、電流量が小さい初期には増加して正の傾きとなり、後半(≧200mAの領域)には負の傾きが見られる。一方第2ヒータ340の消費電力は、電流出力回路326の電流量の増加に伴って増加している。これにより、電流出力回路326の消費電力と第2ヒータ340の消費電力との合計は、全領域で傾きが正となっている。従って、本実施形態に係る発振装置100において、熱フィードバックは安定になり、熱ハンチングを防止できる。
【0042】
次に、本実施形態に係る発振装置100の第2の構成例について説明する。
図13は、本実施形態に係る発振装置100の第2の構成例を示す。
図1に示された第1の構成例の発振装置100の構成と略同一の構成については説明を省略する。第2の構成例の発振装置100は、構成および動作は第1の構成例の発振装置100と同様である。ただし、第2ヒータ344は、PMOSトランジスタ346を有し、PMOSトランジスタ346は、電流出力回路326の出力と電源電位VDDとの間にドレインおよびソースが接続される。また、第1ヒータ330は、電流出力回路326の出力と電源電位VDDとの間に接続され、電流出力回路328は、グランド電位VSSと第1ヒータ330および第2ヒータ344との間にドレインおよびソースが接続されるNMOSトランジスタ329を有する。NMOSトランジスタ329は、バイポーラトランジスタ、パワーMOSFET、またはIGBT等のパワートランジスタであってよい。
【0043】
第2の構成例の発振装置100においては、温度センサ310のセンス電圧に応じて電力供給回路320の出力電流が増加して、第1ヒータ330の消費電力が増加し、出力端子IOUTにおける電圧が低下して、PMOSトランジスタ346に流れる電流が増加して第2ヒータ340が発熱する。これにより、第2の構成例の発振装置100は、熱ハンチングを抑制できる。また、第2の構成例の発振装置100は、第1ヒータ330と第2ヒータ344とへ大電流を流す配線が同一のベタ電源パターンのみで済む。その結果、余計な導電性パターンを用意した場合に熱が逃げて熱制御が不安定になることを防止し、熱制御がより安定なものになる。
【0044】
なお、本実施形態に係る発振装置100において、温度センサ310のセンス電圧の値は、温度に対して正または負の傾きを有してよい。温度センサ310は、正の傾きの場合と負の傾きの場合とで、差分回路324の入力の極性を入れ替えて接続されてよい。例えば、第1の構成例の発振装置100において、負の傾きの温度センサ310の場合は、温度センサ310の出力は、差分回路324のマイナスの入力に接続され、一方目標設定回路322の出力はプラスの入力に接続されてよい。
【0045】
以上、本発明を実施の形態を用いて説明したが、本発明の技術的範囲は上記実施の形態に記載の範囲には限定されない。上記実施の形態に、多様な変更または改良を加えることが可能であることが当業者に明らかである。その様な変更または改良を加えた形態も本発明の技術的範囲に含まれ得ることが、特許請求の範囲の記載から明らかである。
【0046】
特許請求の範囲、明細書、および図面中において示した装置、システム、プログラム、および方法における動作、手順、ステップ、および段階等の各処理の実行順序は、特段「より前に」、「先立って」等と明示しておらず、また、前の処理の出力を後の処理で用いるのでない限り、任意の順序で実現しうることに留意すべきである。特許請求の範囲、明細書、および図面中の動作フローに関して、便宜上「まず、」、「次に、」等を用いて説明したとしても、この順で実施することが必須であることを意味するものではない。