(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記測定された基板の表面状態に基づいて前記研磨ヘッドを傾斜させる方向および角度を決定する工程は、前記測定された基板の表面状態に基づいて前記研磨ヘッドを傾斜させる方向および角度をデータベースから決定する工程であり、
前記データベースは、基板の表面状態と、前記研磨ヘッドを傾斜させる方向および角度との関係を示すデータを含むことを特徴とする請求項11に記載の研磨方法。
前記測定された基板の表面状態に基づいて前記基板保持部を傾斜させる方向および角度を決定する工程は、前記測定された基板の表面状態に基づいて前記基板保持部を傾斜させる方向および角度をデータベースから決定する工程であり、
前記データベースは、基板の表面状態と、前記基板保持部を傾斜させる方向および角度との関係を示すデータを含むことを特徴とする請求項13に記載の研磨方法。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、本発明の実施形態について図面を参照して説明する。
図1は、本発明の一実施形態に係る研磨装置を示す平面図である。この研磨装置は、ウェーハなどの基板の表面を研磨し、洗浄し、乾燥させる一連の工程を行うことができる基板処理装置である。
図1に示すように、研磨装置は、略矩形状のハウジング2を備えており、ハウジング2の内部は隔壁2a,2bによってロード/アンロード部1と、研磨部3と、洗浄部20とに区画されている。研磨装置は、基板の表面上のパーティクル分布を測定する表面状態測定器としてのパーティクル分布測定器70と、処理動作を制御する動作制御部4を有している。研磨部3は、ロード/アンロード部1と洗浄部20との間に配置されている。
【0019】
ロード/アンロード部1は、多数の基板を内部に収容した基板カセットが載置される複数のロードポート5を備えている。このロード/アンロード部1には、ロードポート5の並びに沿って移動可能なローダー(搬送ロボット)6が設置されている。ローダー6はロードポート5に搭載された基板カセット内の基板にアクセスし、基板をパーティクル分布測定器70に搬送することができるように構成されている。さらに、ローダー6は、基板を反転させる機能を有している。
【0020】
研磨部3は、基板の表面を研磨するための研磨モジュール7と、基板が一時的に置かれる第1仮置き台15および第2仮置き台16と、基板を研磨モジュール7、第1仮置き台15、および第2仮置き台16の間で搬送する搬送ロボット18を備えている。研磨部3と洗浄部20との間には、基板を搬送するためのスイングトランスポータ21が配置されている。研磨部3で研磨された基板は、スイングトランスポータ21によって洗浄部20に搬送される。
【0021】
洗浄部20は、研磨部3で研磨された基板を洗浄するための第1洗浄モジュール24、第2洗浄モジュール25、および第3洗浄モジュール26を備えており、さらに、これらの洗浄モジュール24,25,26で洗浄された基板を乾燥させる乾燥モジュール27を備えている。洗浄部20は、基板を第1洗浄モジュール24から第2洗浄モジュール25に、第2洗浄モジュール25から第3洗浄モジュール26に、第3洗浄モジュール26から乾燥モジュール27に搬送するリニアトランスポータ30をさらに備えている。
【0022】
第1洗浄モジュール24、第2洗浄モジュール25、および第3洗浄モジュール26は、同じタイプでもよく、または異なるタイプでもよい。本実施形態では、第1洗浄モジュール24および第2洗浄モジュール25は、基板の両面に液体を供給しながら、2つのロールスポンジを基板の両面にそれぞれ摺接させるロールスポンジタイプであり、第3洗浄モジュール26は、基板の上面に液体を供給しながら、ペンスポンジを基板の上面に摺接させるペンスポンジタイプである。
【0023】
本実施形態では、乾燥モジュール27は、純水ノズルおよびIPAノズルを基板の半径方向に移動させながら、純水ノズルおよびIPAノズルから純水とIPA蒸気(イソプロピルアルコールとN
2ガスとの混合物)を基板の上面に供給することで基板を乾燥させるIPAタイプである。乾燥モジュール27は、他のタイプの乾燥機であってもよい。例えば、基板を高速で回転させるスピンドライタイプの乾燥機を使用することもできる。
【0024】
次に、上述した研磨装置を用いて基板を研磨するときの基板の搬送ルートについて説明する。複数(例えば25枚)の基板は、そのデバイス面が上を向いた状態で、ロードポート5上の基板カセット内に収容されている。ローダー6は、基板カセットから1枚の基板を取り出し、基板をパーティクル分布測定器70に搬送する。基板のデバイス面が研磨部3で研磨される場合には、ローダー6は基板を反転させずにパーティクル分布測定器70に搬送する。基板の裏面(非デバイス面)が研磨部3で研磨される場合には、ローダー6は基板を反転させ、その後パーティクル分布測定器70に搬送する。パーティクル分布測定器70は、基板の表面上の複数の計測点においてパーティクルを計数し、基板面上のパーティクル分布を測定する。複数の計測点は、基板の中心からの距離が異なる、予め設定された領域である。パーティクル分布測定器70としては、パーティクルカウンタを用いることができる。
【0025】
ローダー6は、基板をパーティクル分布測定器70から取り出し、研磨部3内の第1仮置き台15に載置する。搬送ロボット18は基板を第1仮置き台15から取り出し、基板を研磨モジュール7に搬入する。基板の表面は研磨モジュール7によって研磨される。搬送ロボット18は、研磨された基板を研磨モジュール7から取り出し、第2仮置き台16に載置する。スイングトランスポータ21は、基板を第2仮置き台16から取り出し、洗浄部20に配置されたリニアトランスポータ30に渡す。
【0026】
リニアトランスポータ30は、基板を第1洗浄モジュール24、第2洗浄モジュール25、および第3洗浄モジュール26に順番に搬送する。基板は、その研磨された面が上向きの状態で、これらの洗浄モジュール24,25,26によって順次洗浄される。さらに、リニアトランスポータ30は、洗浄された基板を乾燥モジュール27に搬送し、ここで基板が乾燥される。
【0027】
ローダー6は、乾燥された基板を乾燥モジュール27から取り出し、基板カセットに搬入する。基板のデバイス面が研磨部3で研磨された場合には、ローダー6は乾燥された基板を反転させずに基板カセットに搬送する。基板の裏面(非デバイス面)が研磨部3で研磨された場合には、ローダー6は乾燥された基板を反転させ、その後基板カセットに搬送する。
【0028】
次に、研磨モジュール7について、
図2を参照して説明する。
図2は、研磨モジュール7の一実施形態を示す模式図である。研磨モジュール7は、基板(例えばウェーハ)Wを保持し、その軸心を中心として回転させる基板保持部10と、この基板保持部10に保持された基板Wの第一の面A1を研磨して基板Wの第一の面A1からパーティクルを除去する研磨ヘッド組立体49と、第一の面A1とは反対側の基板Wの第二の面A2を支持する基板支持ステージとしての静圧支持ステージ90とを備えている。研磨ヘッド組立体49は、基板保持部10に保持されている基板Wの上側に配置されており、静圧支持ステージ90は、基板保持部10に保持されている基板Wの下側に配置されている。静圧支持ステージ90は、基板保持部10の内側に配置されている。
【0029】
一実施形態では、基板Wの第一の面A1は、デバイスが形成されていない基板Wの裏面、すなわち非デバイス面である。反対側の面である基板Wの第二の面A2は、デバイスが形成されている面、すなわちデバイス面である。一実施形態では、基板Wの第一の面A1はデバイス面であり、基板Wの第二の面A2は、デバイスが形成されていない基板Wの裏面である。デバイスが形成されていない裏面の例としては、シリコン面が挙げられる。本実施形態では、基板Wは、その第一の面A1が上向きの状態で、基板保持部10に水平に保持される。第一の面A1は、研磨モジュール7で研磨される被研磨面である。以下の説明では、基板Wの第一の面A1を単に基板Wの表面ということがある。
【0030】
基板保持部10は、基板Wの周縁部を把持する複数のチャック11と、これらチャック11を介して基板Wを回転させる環状の中空モータ(チャックモータ)12とを備えている。チャック11は、中空モータ12に固定されており、中空モータ12によって基板保持部10の軸心CPを中心に回転される。基板Wは、チャック11によって水平に保持される。複数のチャック11は、基板保持部10の軸心CPの周りに配置されており、基板保持部10の軸心CPから同じ距離に位置している。複数のチャック11によって基板Wが保持されたとき、基板Wの中心点は基板保持部10の軸心CP上にある。
【0031】
基板Wを保持した全てのチャック11は、中空モータ12によって基板保持部10の軸心CP、すなわち基板Wの軸心を中心に一体に回転される。一実施形態では、基板保持部10は、チャック11に代えて、自身の軸心を中心に回転することができる複数のローラーを備えてもよい。複数のローラーを備えた基板保持部10によれば、基板の周縁部はローラーに保持され、各ローラーが自身の軸心を中心に回転することによって、基板はその軸心を中心に回転される。
【0032】
基板保持部10に保持された基板Wの上方には、基板Wの第一の面A1にリンス液(例えば純水)を供給するリンス液供給ノズル63が配置されている。このリンス液供給ノズル63は、図示しないリンス液供給源に接続されている。リンス液供給ノズル63は、基板Wの中心を向いて配置されている。リンス液は、リンス液供給ノズル63から基板Wの中心に供給され、遠心力によりリンス液は基板Wの第一の面A1上を広がる。
【0033】
研磨ヘッド組立体49は、基板保持部10に保持された基板Wの第一の面A1を研磨する研磨ヘッド50を有している。研磨ヘッド50はヘッドシャフト51に連結されている。このヘッドシャフト51は、研磨ヘッド50をその軸心HPを中心として回転させるヘッド回転機構58に連結されている。さらに、ヘッドシャフト51には、研磨ヘッド50に下向きの荷重を付与する荷重付与装置としてのエアシリンダ57が連結されている。研磨ヘッド50は、基板Wの第一の面A1を研磨するための複数の研磨具61を備えている。研磨ヘッド50の下面は、これら研磨具61から構成された研磨面である。研磨ヘッド組立体49は、研磨ヘッド50、ヘッドシャフト51、ヘッド回転機構58、エアシリンダ57を少なくとも含む。
【0034】
ヘッド回転機構58およびエアシリンダ57は、水平に延びる旋回アーム73に固定されている。ヘッドシャフト51および研磨ヘッド50は、旋回アーム73の一端に回転可能に支持されている。旋回アーム73の他端はアーム支持軸74に固定されている。アーム支持軸74は鉛直に延びており、アーム支持軸74の下部はアーム回転機構75に連結されている。アーム回転機構75は、モータおよび減速機構などから構成されており、アーム支持軸74をその軸心SPを中心に所定の角度だけ回転させることが可能に構成されている。アーム回転機構75がアーム支持軸74を回転させると、研磨ヘッド50および旋回アーム73は、アーム支持軸74を中心に旋回する。より具体的には、研磨ヘッド50は、基板保持部10の上方の研磨位置と、基板保持部10の外側の退避位置との間を移動する。
図2は、研磨ヘッド50は研磨位置にある状態を示している。
【0035】
本実施形態では、研磨具61は、砥粒を含んだ研磨層が片面に形成された研磨テープから構成されている。研磨テープの両端は、図示しない2つのリールに保持されており、2つのリールの間を延びる研磨テープの下面が基板Wの第一の面A1に接触可能となっている。一実施形態では、研磨具61は、スポンジ、不織布、発泡ポリウレタン、または固定砥粒であってもよい。
【0036】
図3は、研磨ヘッド50の底面図である。研磨具61は、研磨ヘッド50の半径方向に延びており、研磨ヘッド50の軸心HPまわりに等間隔に配列されている。本実施形態では、3つの研磨具61が設けられている。研磨具61は、研磨ヘッド50のハウジング52内に配置されており、研磨具61の下部はハウジング52から下方に突出している。研磨ヘッド50がその軸心HPを中心に回転すると、3つの研磨具61も同様に軸心HPを中心に回転する。研磨ヘッド50は、軸心HPを中心に回転しながら研磨具61を基板Wの第一の面A1に摺接させて、該第一の面A1を研磨する。一実施形態では、研磨ヘッド50は、2つ、または4つ以上の研磨具61を備えてもよい。さらに、一実施形態では、研磨ヘッド50は、1つの研磨具61のみを備えてもよい。
【0037】
図2に戻り、研磨ヘッド50は、基板Wの直径よりも小さい直径を有している。研磨ヘッド50の軸心HPは、基板保持部10の軸心CPからずれている。したがって、研磨ヘッド50は、基板保持部10に保持された基板Wに対して偏心している。回転している研磨具61の下面から構成される研磨ヘッド50の研磨面は、基板保持部10の軸心CP上にある。
【0038】
研磨モジュール7は、基板Wを支持するための静圧支持ステージ90を備えている。この静圧支持ステージ90は、チャック11に保持された基板Wの第二の面A2(第一の面A1とは反対側の面)を支持する基板支持ステージの一実施形態である。本実施形態では、静圧支持ステージ90は、チャック11に保持された基板Wの第二の面A2に流体を接触させて基板Wを流体で支持するように構成されている。静圧支持ステージ90は、チャック11に保持された基板Wの第二の面A2に近接した基板支持面90aを有している。本実施形態の基板支持面90aは円形であるが、四角形または他の形状を有していてもよい。
【0039】
静圧支持ステージ90は、基板支持面90aに形成された複数の流体噴射口94と、流体排出口94にそれぞれ接続された複数の流体供給路92をさらに備えている。流体供給路92は、図示しない流体供給源に接続されている。各流体供給路92を通る流体の流量は、図示しない流量調節弁によって調節されるようになっている。本実施形態では、3つの流体噴射口94が設けられている。一実施形態では、複数の流体噴射口94は、基板支持面90aの全体に均一に分布する複数の開口部であってもよい。
【0040】
図2に示すように、静圧支持ステージ90は、ステージ昇降機構98に連結されている。ステージ昇降機構98および基板保持部10は、ベースプレート67の上面に固定されている。ステージ昇降機構98により静圧支持ステージ90はその基板支持面(上面)90aが基板Wの下面(第二の面A2)に近接した位置に達するまで上昇されるようになっている。静圧支持ステージ90は、基板保持部10に保持されている基板Wの下方に配置され、基板支持面90aは基板Wの第二の面A2から僅かに離れている。
【0041】
流体(例えば、純水などの液体)は、流体供給路92を通じて複数の流体噴射口94に供給され、基板支持面90aと基板Wの第二の面A2との間の空間は流体で満たされる。基板Wは、基板支持面90aと基板Wの第二の面A2との間に存在する流体によって支持される。基板Wと静圧支持ステージ90とは非接触に保たれる。一実施形態では、基板Wと静圧支持ステージ90との間のクリアランスは50μm〜500μmとされる。
【0042】
静圧支持ステージ90は、流体を介して基板Wの第二の面A2を非接触に支持することができる。したがって、基板Wの第二の面A2にデバイスが形成されている場合には、静圧支持ステージ90は、デバイスを破壊することなく基板Wを支持することができる。静圧支持ステージ90に使用される流体としては、非圧縮性流体である純水などの液体、または空気や窒素などの圧縮性流体である気体を用いてもよい。純水が使用される場合、流体供給路92に接続される流体供給源として、研磨モジュール7が設置されている工場に設置された純水供給ラインを使用することができる。
【0043】
研磨ヘッド50の下面(研磨面)と静圧支持ステージ90の基板支持面90aは、同心状に配置される。さらに、研磨ヘッド50の下面と静圧支持ステージ90の基板支持面90aは、基板Wに関して対称的に配置される。すなわち、研磨ヘッド50の下面と静圧支持ステージ90の基板支持面90aは基板Wを挟むように配置されており、研磨ヘッド50から基板Wに加えられる荷重は、研磨ヘッド50の真下から静圧支持ステージ90によって支持される。したがって、研磨ヘッド50は、大きな荷重を基板Wの第一の面A1に加えることができる。
【0044】
研磨ヘッド50は、その下面の端部が基板Wの中心上に位置するように配置されることが好ましい。本実施形態では、研磨ヘッド50の下面の直径は、基板Wの半径よりも小さい。一実施形態では、研磨ヘッド50の下面の直径は、基板Wの半径と同じか、基板Wの半径よりも大きくてもよい。本実施形態では、基板支持面90aの直径は研磨ヘッド50の下面の直径よりも大きいが、基板支持面90aの直径は研磨ヘッド50の下面の直径と同じでもよく、あるいは研磨ヘッド50の下面の直径よりも小さくてもよい。
【0045】
次に、研磨モジュール7の動作について説明する。研磨される基板Wは、搬送ロボット18(
図1参照)により基板保持部10に渡される。基板Wは、第一の面A1が上向きの状態で、基板保持部10のチャック11により把持され、さらに中空モータ12により基板Wの軸心を中心に回転される。流体(例えば、純水などの液体)は、流体供給路92を通じて複数の流体噴射口94に供給され、静圧支持ステージ90の基板支持面90aと基板Wの第二の面A2との間の空間は流体で満たされる。基板Wは、基板支持面90aと基板Wの第二の面A2との間を流れる流体によって支持される。
【0046】
リンス液供給ノズル63は、リンス液を基板Wの中心に供給し、リンス液は遠心力により基板Wの第一の面A1上を広がる。ヘッド回転機構58は、研磨ヘッド50をその軸心HPを中心に回転させる。そして、エアシリンダ57は、回転する研磨ヘッド50を基板Wの第一の面A1に対して押し付ける。研磨ヘッド50は、リンス液が基板Wの第一の面A1上に存在する状態で、研磨具61を基板Wの第一の面A1に摺接させ、第一の面A1を研磨する。
【0047】
図2に示すように、研磨モジュール7は、研磨ヘッド50を設定された方向に設定された角度で傾斜させる傾動アクチュエータ80を備えている。本実施形態では、傾動アクチュエータ80は、旋回アーム73、アーム支持軸74、アーム回転機構75、および支持部材76を介して研磨ヘッド50に連結されている。アーム回転機構75は、支持部材76に固定されている。本実施形態では、傾動アクチュエータ80は、3つのアクチュエータ81から構成されており、各アクチュエータ81は、ボールねじ機構84とサーボモータ85との組み合わせから構成されている。3つのアクチュエータ81は支持部材76の下面に傾動可能に連結されている。3つのアクチュエータ81は、アーム支持軸74の軸心SPの周りに配列されている。支持部材76は、板状、棒状、またはその他の形状を有してもよい。
【0048】
動作制御部4は、基板保持部10、研磨ヘッド組立体49、パーティクル分布測定器70(
図1参照)、ステージ昇降機構98、および傾動アクチュエータ80に電気的に接続されている。基板保持部10、研磨ヘッド組立体49、パーティクル分布測定器(表面状態測定器)70、ステージ昇降機構98、および傾動アクチュエータ80の動作は動作制御部4によって制御される。
【0049】
図4は、3つのアクチュエータ81を下から見た図である。
図4に示すように、3つのアクチュエータ81は、アーム支持軸74の軸心SPの周りに等間隔で配列されている。よって、これらアクチュエータ81は、支持部材76、アーム回転機構75、アーム支持軸74、旋回アーム73、および研磨ヘッド50を一体に所望の方向に傾けることが可能である。一実施形態では、4つ以上のアクチュエータ81をアーム支持軸74の軸心SPの周りに配列してもよい。さらに一実施形態では、2つのアクチュエータ81をアーム支持軸74の軸心SPの周りに配置してもよい。この場合、
図5に示すように2つのアクチュエータ81および1つのボールジョイント82をアーム支持軸74の軸心SPの周りに配置してもよい。ボールジョイント82は、荷重を支持しつつ、支持対象物を全方向に傾けることが可能な装置である。
【0050】
図6は、研磨ヘッド50を傾斜させる方向を特定するためのXY座標系を示す図である。
図6に示すXY座標系のX軸は、基板保持部10の軸心CPと研磨位置にある研磨ヘッド50の軸心HPの両方に交わる水平線であり、XY座標系のY軸は、研磨ヘッド50の軸心HPに交わり、かつX軸に垂直な水平線である。XY座標系は、研磨ヘッド50の軸心HP上に原点を有する想像上の座標系である。X軸の正方向からの軸心HP(すなわちXY座標系の原点)周りの角度αを、研磨ヘッド50を傾斜させる方向と定義する。動作制御部4は、傾動アクチュエータ80に指令を発して、設定された方向αに設定された角度で研磨ヘッド50を傾斜させるように構成される。研磨ヘッド50の傾斜方向および傾斜角度の組み合わせは、1組に限定されず、動作制御部4は、複数の傾斜方向および傾斜角度の組み合わせを設定することができる。例えば、2組の傾斜方向および傾斜角度が設定された場合は、動動作制御部4は、傾動アクチュエータ80に指令を発して研磨ヘッド50を第一の方向に第一の角度で傾斜させ、その後に基板の研磨を開始し、研磨開始から予め設定された時間経過後、動作制御部4は、傾動アクチュエータ80に指令を発して研磨ヘッド50を第二の方向に第二の角度で傾斜させ、基板をさらに研磨するようにしてもよい。第一の角度と第二の角度は同じであってもよい。
図6に示す記号P1,P2,P3,P4,P5,P6,P7は、基板Wの表面(
図2の第一の面A1)上に予め設定された計測点である。基板Wの中心からの計測点P1〜P7の距離は互いに異なっている。パーティクル分布測定器70(
図1参照)は、計測点P1〜P7のそれぞれにおいて基板Wの表面上のパーティクルを計数する。
【0051】
図7は、研磨ヘッド50を0度(α=0度)の方向に傾けたときの基板と研磨ヘッド50を示す模式図である。
図7から分かるように、研磨ヘッド50を0度(α=0度)の方向に傾けると、基板Wの計測点P1での研磨荷重が上がり、その一方で基板Wの計測点P7での研磨荷重が下がる。結果として、基板Wの計測点P1での研磨レートが上がり、基板Wの計測点P7での研磨レートが下がる。さらに、研磨レートは、研磨ヘッド50の傾斜角度によって制御することができる。例えば、研磨ヘッド50を0度(α=0度)の方向に傾ける角度を大きくすると、基板Wの計測点P1での研磨レートが上昇する。研磨レートは、基板の表面の高さの単位時間あたりの変化量であり、除去レートともいう。
【0052】
図示しないが、研磨ヘッド50を180度(α=180度)の方向に傾けた場合は、基板Wの計測点P7での研磨レートが上がり、基板Wの計測点P1での研磨レートが下がる。さらに、研磨ヘッド50を90度または270度(α=90度または270度)の方向に傾けた場合は、基板Wの計測点P1および計測点P7での研磨レートは実質的に変わらないが、基板Wの計測点P4での研磨レートが上がる。このように、研磨ヘッド50の傾斜方向および傾斜角度によって、基板Wの研磨プロファイルを制御することができる。
【0053】
動作制御部4は、パーティクル分布と、研磨ヘッド50を傾斜させる方向との関係を示すデータベースを格納している。パーティクル分布は、研磨される基板の表面状態の一例である。
図8は、動作制御部4に格納されているデータベースの一例を示す図である。
図8に示すデータベースは、基板の表面上に予め設定された複数の計測点P1〜P7のそれぞれに対応する研磨ヘッド50の傾斜方向(α1〜α7)と、各傾斜方向における研磨ヘッド50の傾斜角度と研磨レートとの関係を示すデータを含む。複数の計測点P1〜P7と対応する研磨ヘッド50の傾斜方向(α1〜α7)との関係、および各傾斜方向における研磨ヘッド50の傾斜角度と研磨レートとの関係は、研磨される基板と同じまたは近い構成を持つ複数の基板の研磨結果から得ることができ、あるいは基板の研磨シミュレーションの結果から得ることができる。
【0054】
図1に示すパーティクル分布測定器70は、基板の表面状態を測定する表面状態測定器の一例である。パーティクル分布測定器70は、基板の表面上の予め定められた計測点P1〜P7においてパーティクルを計数し、基板面上のパーティクル分布を測定する。
【0055】
図9は、パーティクル分布測定器70によって測定されたパーティクル分布を示すグラフである。
図9において、縦軸はパーティクルの数を表し、横軸は基板の中心からの距離を表している。
図9に示す例では、計測点P6においてより多くのパーティクルが存在している。そこで、本実施形態では、傾動アクチュエータ80が研磨ヘッド50を、計測点P6に対応する方向に傾斜させることによって、計測点P6での研磨レートを局所的に上昇させる。より具体的には、動作制御部4は、計測点P6に対応する方向をデータベースから決定し、傾動アクチュエータ80に指令を発して研磨ヘッド50を上記決定された方向に傾斜させる。研磨ヘッド50を傾斜させる角度は、パーティクルの数が最も多い計測点でのパーティクルの数に基づいてデータベースから決定してもよい。パーティクルの数が多い計測点は、複数存在することもある。このような場合は、研磨ヘッド50を傾斜させる角度は、それぞれの計測点でのパーティクルの数に基づいてデータベースから決定してもよい。
【0056】
図9に示す例では、動作制御部4は、パーティクル分布を分析して最もパーティクルの数が多い計測点P6を特定し、データベースから計測点P6に対応する研磨ヘッド50の傾斜方向α6を決定(選択)し、さらに計測点P6でのパーティクルの数に基づいて研磨ヘッド50の傾斜角度をデータベースから決定(選択)する。動作制御部4は、傾動アクチュエータ80に指令を発して、研磨ヘッド50を決定された方向に決定された角度だけ傾斜させる。このような動作により、研磨ヘッド50は、基板の計測点P6を含む領域をその他の領域よりも高い研磨レートで研磨することができる。
【0057】
本実施形態では、7つの計測点と、これらに対応する7つの傾斜方向が予め設定されているが、本発明はこの実施形態に限定されない。一実施形態では、7つよりも少ない、または7つよりも多い計測点および傾斜方向を設定してもよい。
【0058】
次に、パーティクル分布測定器70および研磨モジュール7の動作の一実施形態について
図10に示すフローチャートを参照して説明する。研磨される基板はパーティクル分布測定器70に搬送され、ここで各計測点においてパーティクルが計数され、パーティクル分布が測定される(ステップ1)。その後、基板はパーティクル分布測定器70から研磨モジュール7に搬送され、基板保持部10に保持される。(ステップ2)。動作制御部4は、パーティクル分布をパーティクル分布測定器70から取得し、パーティクル分布に基づいて研磨ヘッド50を傾斜させる方向、角度、をデータベースから選択(決定)する(ステップ3)。具体的には、動作制御部4は、パーティクル分布を分析して最もパーティクルの数が多い計測点を特定し、特定された計測点に対応する研磨ヘッド50の傾斜方向をデータベースから選択(決定)し、さらに特定された計測点でのパーティクルの数に基づいて研磨ヘッド50の傾斜角度をデータベースから選択(決定)する。パーティクルの数が多い計測点が複数存在する場合は、それぞれの計測点に対応する研磨ヘッド50の傾斜方向をデータベースから選択(決定)し、さらにそれぞれの計測点でのパーティクルの数に基づいて研磨ヘッド50の傾斜角度をデータベースから選択(決定)する。
【0059】
動作制御部4は、基板の研磨が開始される前に、傾動アクチュエータ80に指令を発して、研磨ヘッド50を上記決定された方向に上記決定された角度で傾斜させる(ステップ4)。そして、基板保持部10で基板を回転させながら、研磨ヘッド50は、研磨具61を基板の第一の面A1(
図2参照)に摺接させ、第一の面A1を研磨する(ステップ5)。一実施形態では、動作制御部4は、基板の研磨中に傾動アクチュエータ80に指令を発して研磨ヘッド50を傾斜させてもよい。例えば、研磨ヘッド50を傾斜させずに基板の研磨を開始し、研磨の開始から予め設定された時間経過後、研磨ヘッド50を上記決定された方向に上記決定された角度で傾斜させて基板をさらに研磨してもよい。あるいは、研磨ヘッド50を上記決定された方向に上記決定された角度で傾斜させて基板の研磨を開始し、研磨の開始から予め設定された時間経過後、研磨ヘッド50を元の姿勢(傾斜していない状態)に戻して基板を研磨してもよい。研磨ヘッド50の2組の傾斜方向および傾斜角度が設定された場合は、動作制御部4は、傾動アクチュエータ80に指令を発して研磨ヘッド50を第一の方向に第一の角度で傾斜させ、その後に基板の研磨を開始し、研磨開始から予め設定された時間経過後、動作制御部4は、傾動アクチュエータ80に指令を発して研磨ヘッド50を第二の方向に第二の角度で傾斜させ、基板をさらに研磨するようにしてもよい。第一の角度と第二の角度は同じであってもよい。傾いた研磨ヘッド50は、上記特定された計測点を含む領域をその他の領域よりも高い研磨レートで研磨することができる。
【0060】
図11は、研磨モジュール7の他の実施形態を示す図である。特に説明しない本実施形態の構成および動作は、
図2に示す実施形態と同じであるので、その重複する説明を省略する。
【0061】
図11に示すように、本実施形態では、傾動アクチュエータ80は、研磨ヘッド50ではなく、基板保持部10に連結されている。すなわち、研磨モジュール7は、基板保持部10を設定された方向に設定された角度で傾斜させる傾動アクチュエータ80を備えている。本実施形態では、傾動アクチュエータ80は、ベースプレート67を介して基板保持部10に連結されている。基板保持部10は、ベースプレート67に固定されている。傾動アクチュエータ80を構成する3つのアクチュエータ81はベースプレート67の下面に傾動可能に連結されている。3つのアクチュエータ81は、基板保持部10の軸心CPの周りに配列されている。
【0062】
図12は、3つのアクチュエータ81を下から見た図である。
図12に示すように、3つのアクチュエータ81は、基板保持部10の軸心CPの周りに等間隔で配列されている。よって、これらアクチュエータ81は、基板保持部10を所望の方向に傾けることが可能である。一実施形態では、4つ以上のアクチュエータ81を基板保持部10の軸心CPの周りに配列してもよい。さらに一実施形態では、2つのアクチュエータ81を基板保持部10の軸心CPの周りに配置してもよい。この場合、
図13に示すように2つのアクチュエータ81および1つのボールジョイント82を基板保持部10の軸心CPの周りに配置してもよい。ボールジョイント82は、荷重を支持しつつ、支持対象物を全方向に傾けることが可能な装置である。
【0063】
上述した傾動アクチュエータ80は、基板保持部10のみならず、静圧支持ステージ90にも連結されている。すなわち、
図11に示すように、静圧支持ステージ90を上下動させるためのステージ昇降機構98は、ベースプレート67に固定されており、傾動アクチュエータ80は、ベースプレート67およびステージ昇降機構98を介して静圧支持ステージ90に連結されている。本実施形態では、傾動アクチュエータ80は、ベースプレート67を介して基板保持部10および静圧支持ステージ90の両方に連結されている。基板保持部10も、ステージ昇降機構98と同様に、ベースプレート67の上面に固定されている。したがって、傾動アクチュエータ80は、基板保持部10および静圧支持ステージ90を一体に所望の方向に傾動させることが可能である。
【0064】
図11に示す実施形態では、基板保持部10はチャック11と中空モータ12との組み合わせを採用しているが、一実施形態では基板保持部10は、自身の軸心を中心に回転することができる複数のローラーを備えてもよい。この場合でも、同様に、基板保持部10はベースプレート67の上面に固定され、傾動アクチュエータ80は、基板保持部10および静圧支持ステージ90を一体に所望の方向に傾動させることが可能に構成される。
【0065】
図14は、基板保持部10を傾斜させる方向を特定するためのXY座標系を示す図である。
図14に示すXY座標系のX軸は、基板保持部10の軸心CPと研磨位置にある研磨ヘッド50の軸心HPの両方に交わる水平線であり、XY座標系のY軸は、基板保持部10の軸心CPに交わり、かつX軸に垂直な水平線である。XY座標系は、基板保持部10の軸心CP上に原点を有する想像上の座標系である。X軸の正方向からの軸心CP(すなわちXY座標系の原点)周りの角度βを、基板保持部10を傾斜させる方向と定義する。動作制御部4は、傾動アクチュエータ80に指令を発して、設定された方向βに設定された角度で基板保持部10を傾斜させるように構成される。基板保持部10の傾斜方向および傾斜角度の組み合わせは、1組に限定されず、動作制御部4は、複数の傾斜方向および傾斜角度の組み合わせを設定することができる。例えば、2組の傾斜方向および傾斜角度が設定された場合は、動作制御部4は、傾動アクチュエータ80に指令を発して基板保持部10を第一の方向に第一の角度で傾斜させ、その後に基板の研磨を開始し、研磨開始から予め設定された時間経過後、動作制御部4は、傾動アクチュエータ80に指令を発して基板保持部10を第二の方向に第二の角度で傾斜させ、基板をさらに研磨するようにしてもよい。第一の角度と第二の角度は同じであってもよい。
【0066】
図15は、基板保持部10を0度(β=0度)の方向に傾けたときの基板と研磨ヘッド50を示す模式図である。
図15から分かるように、基板保持部10を0度(β=0度)の方向に傾けると、基板Wの計測点P1での研磨荷重が下がり、その一方で基板Wの計測点P7での研磨荷重が上がる。結果として、基板Wの計測点P1での研磨レートが下がり、基板Wの計測点P7での研磨レートが上がる。さらに、研磨レートは、基板保持部10の傾斜角度によって制御することができる。例えば、基板保持部10を0度(β=0度)の方向に傾ける角度を大きくすると、基板Wの計測点P7での研磨レートが上昇する。
【0067】
図示しないが、基板保持部10を180度(β=180度)の方向に傾けた場合は、基板Wの計測点P1での研磨レートが上がり、基板Wの計測点P7での研磨レートが下がる。さらに、基板保持部10を90度または270度(β=90度または270度)の方向に傾けた場合は、基板Wの計測点P1および計測点P7での研磨レートは実質的に変わらないが、基板Wの計測点P4での研磨レートが上がる。このように、基板保持部10の傾斜方向および傾斜角度によって、基板Wの研磨プロファイルを制御することができる。
【0068】
動作制御部4は、パーティクル分布と、基板保持部10を傾斜させる方向との関係を示すデータベースを格納している。
図16は、動作制御部4に格納されているデータベースの一例を示す図である。
図16に示すデータベースは、基板の表面上に予め設定された複数の計測点P1〜P7のそれぞれに対応する基板保持部10の傾斜方向(β1〜β7)と、各傾斜方向における基板保持部10の傾斜角度と研磨レートとの関係を示すデータを含む。複数の計測点P1〜P7と対応する基板保持部10の傾斜方向(β1〜β7)との関係、および各傾斜方向における基板保持部10の傾斜角度と研磨レートとの関係は、研磨される基板と同じまたは近い構成を持つ複数の基板の研磨結果から得ることができ、あるいは基板の研磨シミュレーションの結果から得ることができる。基板保持部10を傾斜させる角度は、パーティクルの数が最も多い計測点でのパーティクルの数に基づいてデータベースから決定してもよい。パーティクルの数が多い計測点は、複数存在することもある。このような場合は、基板保持部10を傾斜させる角度は、それぞれの計測点でのパーティクルの数に基づいてデータベースから決定してもよい。
【0069】
図9に示す例では、動作制御部4は、パーティクル分布を分析して最もパーティクルの数が多い計測点P6を特定し、データベースから計測点P6に対応する基板保持部10の傾斜方向β6を決定(選択)し、さらに計測点P6でのパーティクルの数に基づいて基板保持部10の傾斜角度をデータベースから決定(選択)する。動作制御部4は、傾動アクチュエータ80に指令を発して、基板保持部10を決定された方向に決定された角度だけ傾斜させる。このような動作により、研磨ヘッド50は、基板の計測点P6を含む領域をその他の領域よりも高い研磨レートで研磨することができる。
【0070】
本実施形態では、7つの計測点と、これらに対応する7つの傾斜方向が予め設定されているが、本発明はこの実施形態に限定されない。一実施形態では、7つよりも少ない、または7つよりも多い計測点および傾斜方向を設定してもよい。
【0071】
次に、パーティクル分布測定器70および研磨モジュール7の動作の一実施形態について
図17に示すフローチャートを参照して説明する。研磨される基板はパーティクル分布測定器70に搬送され、ここで各計測点においてパーティクルが計数され、パーティクル分布が測定される(ステップ1)。その後、基板はパーティクル分布測定器70から研磨モジュール7に搬送され、基板保持部10に保持される。(ステップ2)。動作制御部4は、パーティクル分布をパーティクル分布測定器70から取得し、パーティクル分布に基づいて基板保持部10を傾斜させる方向および角度をデータベースから選択(決定)する(ステップ3)。具体的には、動作制御部4は、パーティクル分布を分析して最もパーティクルの数が多い計測点を特定し、特定された計測点に対応する基板保持部10の傾斜方向をデータベースから選択(決定)し、さらに特定された計測点でのパーティクルの数に基づいて基板保持部10の傾斜角度をデータベースから選択(決定)する。パーティクルの数が多い計測点が複数存在する場合は、それぞれの計測点に対応する基板保持部10の傾斜方向をデータベースから選択(決定)し、さらにそれぞれの計測点でのパーティクルの数に基づいて基板保持部10の傾斜角度をデータベースから選択(決定)する。
【0072】
動作制御部4は、基板の研磨が開始される前に、傾動アクチュエータ80に指令を発して、基板保持部10(および静圧支持ステージ90)を上記決定された方向に上記決定された角度で傾斜させる(ステップ4)。そして、傾斜した基板保持部10で基板を回転させながら、研磨ヘッド50は、研磨具61を基板の第一の面A1(
図11参照)に摺接させ、第一の面A1を研磨する(ステップ5)。一実施形態では、動作制御部4は、基板の研磨中に傾動アクチュエータ80に指令を発して基板保持部10を傾斜させてもよい。例えば、基板保持部10を傾斜させずに基板の研磨を開始し、研磨の開始から予め設定された時間経過後、基板保持部10を上記決定された方向に上記決定された角度で傾斜させて基板をさらに研磨してもよい。あるいは、基板保持部10を上記決定された方向に上記決定された角度で傾斜させて基板の研磨を開始し、研磨の開始から予め設定された時間経過後、基板保持部10を元の姿勢(傾斜していない状態)に戻して基板を研磨してもよい。研磨ヘッド50の2組の傾斜方向および傾斜角度が設定された場合は、動作制御部4は、傾動アクチュエータ80に指令を発して基板保持部10を第一の方向に第一の角度で傾斜させ、その後に基板の研磨を開始し、研磨開始から予め設定された時間経過後、動作制御部4は、傾動アクチュエータ80に指令を発して基板保持部10を第二の方向に第二の角度で傾斜させ、基板をさらに研磨するようにしてもよい。第一の角度と第二の角度は同じであってもよい。研磨ヘッド50は、上記特定された計測点を含む領域をその他の領域よりも高い研磨レートで研磨することができる。
【0073】
一実施形態では、研磨装置は、基板の表面状態を測定する表面状態測定器として、パーティクル分布測定器70に代えて、研磨される基板の膜厚プロファイルを測定する膜厚測定器を備えてもよい。
図18は、研磨装置の一実施形態を示す模式図である。本実施形態の研磨装置は、表面状態測定器として膜厚測定器106を備えている。膜厚測定器106は、基板の膜厚プロファイルを測定することができる装置である。膜厚測定器は、渦電流センサを備えたタイプ、または光学センサを備えたタイプを使用することができる。本実施形態のその他の構成および動作は、上述した
図1乃至
図17を参照して説明した各実施形態と同じであるので、その重複する説明を省略する。
【0074】
本実施形態では、動作制御部4は、基板の表面状態の一例である膜厚プロファイルに基づいて、研磨ヘッド50または基板保持部10を傾斜させる方向および角度をデータベースから選択することができる。例えば、膜厚が最も大きい計測点での研磨レートを上げることができる方向に研磨ヘッド50または基板保持部10を傾斜させた状態で、基板を研磨する。傾斜角度は、膜厚が最も大きい計測点での膜厚に基づいてデータベースから選択することができる。膜厚が大きい計測点は、複数存在することもある。このような場合は、研磨ヘッド50または基板保持部10の傾斜角度は、それぞれの計測点での膜厚に基づいてデータベースから決定してもよい。
【0075】
次に、膜厚測定器106および研磨モジュール7の動作の一実施形態について
図19に示すフローチャートを参照して説明する。研磨される基板は膜厚測定器106に搬送され、ここで各計測点において膜厚が測定され、膜厚プロファイルが測定される(ステップ1)。その後、基板は膜厚測定器106から研磨モジュール7に搬送され、基板保持部10に保持される。(ステップ2)。動作制御部4は、膜厚プロファイルを膜厚測定器106から取得し、膜厚プロファイルに基づいて研磨ヘッド50または基板保持部10を傾斜させる方向および角度をデータベースから選択(決定)する(ステップ3)。具体的には、動作制御部4は、膜厚プロファイルを分析して最も膜厚が大きい計測点を特定し、特定された計測点に対応する研磨ヘッド50または基板保持部10の傾斜方向をデータベースから選択(決定)し、さらに特定された計測点での膜厚に基づいて研磨ヘッド50または基板保持部10の傾斜角度をデータベースから選択(決定)する。膜厚が大きい計測点が複数存在する場合は、それぞれの計測点に対応する研磨ヘッド50または基板保持部10の傾斜方向をデータベースから選択(決定)し、さらにそれぞれの計測点での膜厚に基づいて研磨ヘッド50または基板保持部10の傾斜角度をデータベースから選択(決定)する。
【0076】
動作制御部4は、基板の研磨が開始される前に、傾動アクチュエータ80に指令を発して、研磨ヘッド50または基板保持部10を上記決定された方向に上記決定された角度で傾斜させる(ステップ4)。そして、基板保持部10で基板を回転させながら、研磨ヘッド50は、研磨具61を基板の第一の面A1(
図2または
図11参照)に摺接させ、第一の面A1を研磨する(ステップ5)。一実施形態では、動作制御部4は、基板の研磨中に傾動アクチュエータ80に指令を発して研磨ヘッド50または基板保持部10を傾斜させてもよい。例えば、研磨ヘッド50または基板保持部10を傾斜させずに基板の研磨を開始し、研磨の開始から予め設定された時間経過後、研磨ヘッド50または基板保持部10を上記決定された方向に上記決定された角度で傾斜させて基板をさらに研磨してもよい。あるいは、研磨ヘッド50または基板保持部10を上記決定された方向に上記決定された角度で傾斜させて基板の研磨を開始し、研磨の開始から予め設定された時間経過後、研磨ヘッド50または基板保持部10を元の姿勢(傾斜していない状態)に戻して基板を研磨してもよい。研磨ヘッド50または基板保持部10の2組の傾斜方向および傾斜角度が設定された場合は、動作制御部4は、傾動アクチュエータ80に指令を発して研磨ヘッド50または基板保持部10を第一の方向に第一の角度で傾斜させ、その後に基板の研磨を開始し、研磨開始から予め設定された時間経過後、動作制御部4は、傾動アクチュエータ80に指令を発して研磨ヘッド50または基板保持部10を第二の方向に第二の角度で傾斜させ、基板をさらに研磨するようにしてもよい。第一の角度と第二の角度は同じであってもよい。研磨ヘッド50は、上記特定された計測点を含む領域をその他の領域よりも高い研磨レートで研磨することができる。
【0077】
一実施形態では、研磨装置は、基板の表面状態を測定する表面状態測定器として、パーティクル分布測定器70に代えて、表面形状測定器を備えてもよい。
図20は、研磨装置の一実施形態を示す模式図である。特に説明しない本実施形態の構成および動作は、上述した
図1に示す実施形態と同じであるので、その重複する説明を省略する。本実施形態の研磨装置は、表面状態測定器として表面形状測定器107を備えている。表面形状測定器107は、基板の表面形状を測定することができる装置である。例えば、神戸製鋼所から販売されているウェーハ形状測定装置SBW−330を表面形状測定器107に使用することができる。本実施形態においては、基板の表面形状は、基板の表面状態に相当する。
【0078】
図21(a)および
図21(b)は、研磨される基板Wの表面形状の例を示す図である。
図21(a)および
図21(b)に示すように、先行する成膜工程などの原因により、基板Wの全体が上側に反ったり、下側に反ったりすることがある。表面形状測定器107は、このような基板Wの全体の反りを含む表面形状を測定することが可能である。なお、
図21(a)および
図21(b)は、基板Wの反りは強調して描かれている。
【0079】
図22は、表面形状測定器107によって測定された
図21(a)に示す基板の表面形状を示すグラフである。
図22において、縦軸は基板の表面高さを表し、横軸は基板の中心からの距離を表している。動作制御部4は、基板の表面形状から基板の反り角度を計算するように構成されている。具体的には、表面形状測定器107は、基板の表面上の複数の計測点P1〜P7での表面高さを測定し、動作制御部4は、計測点P1〜P7での表面高さの回帰直線を決定し、回帰直線と水平線との角度を算出する。
【0080】
そして、動作制御部4は、傾動アクチュエータ80に指令を発して、研磨ヘッド50または基板保持部10を算出された角度だけ傾斜させることによって、研磨ヘッド50の下面(研磨具61から構成された研磨面)を基板の表面と平行にする。すなわち、
図2に示す傾動アクチュエータ80は、算出された角度だけ研磨ヘッド50を0°の方向(
図6においてα=0°)に傾斜させる。あるいは、
図11に示す傾動アクチュエータ80は、算出された角度だけ基板保持部10を180°の方向(
図14においてβ=180°)に傾斜させる。
【0081】
図21(b)に示す基板を研磨する場合は、
図2に示す傾動アクチュエータ80は、算出された角度だけ研磨ヘッド50を180°の方向(
図6においてα=180°)に傾斜させる。あるいは、
図11に示す傾動アクチュエータ80は、算出された角度だけ基板保持部10を0°の方向(
図14においてβ=0°)に傾斜させる。
【0082】
その結果、研磨ヘッド50は、その下面(研磨面)が基板Wの表面と平行に保たれた状態で、基板Wの表面を研磨することができる。したがって、研磨ヘッド50は、均一な研磨荷重を表面の全体に加えることができる。
【0083】
図23は、
図21(a)または
図21(b)に示す基板を研磨する場合の動作の一実施形態を示すフローチャートである。研磨される基板は表面形状測定器107に搬送され、ここで基板の表面形状が測定される(ステップ1)。その後、基板は表面形状測定器107から研磨モジュール7に搬送され、基板保持部10に保持される。(ステップ2)。動作制御部4は、基板の表面形状を表面形状測定器107から取得し、基板の表面形状に基づいて研磨ヘッド50または基板保持部10を傾斜させる方向および角度を決定する(ステップ3)。具体的には、動作制御部4は、研磨ヘッド50の下面(研磨具61から構成された研磨面)を基板の表面と平行にすることができる研磨ヘッド50または基板保持部10の傾斜方向および傾斜角度を決定する。
【0084】
動作制御部4は、基板の研磨が開始される前に、傾動アクチュエータ80に指令を発して、研磨ヘッド50または基板保持部10を上記決定された方向に上記決定された角度で傾斜させる(ステップ4)。そして、基板保持部10で基板を回転させながら、研磨ヘッド50は、研磨具61を基板の表面に摺接させ、基板の表面を研磨する(ステップ5)。一実施形態では、基板の研磨中に研磨ヘッド50または基板保持部10を上記決定された方向に上記決定された角度で傾斜させてもよい。
【0085】
研磨モジュール7の動作は、動作制御部4によって制御される。本実施形態では、動作制御部4は、専用のコンピュータまたは汎用のコンピュータから構成される。
図24は、動作制御部4の構成を示す模式図である。動作制御部4は、プログラムやデータなどが格納される記憶装置110と、記憶装置110に格納されているプログラムに従って演算を行うCPU(中央処理装置)などの処理装置120と、データ、プログラム、および各種情報を記憶装置110に入力するための入力装置130と、処理結果や処理されたデータを出力するための出力装置140と、インターネットなどのネットワークに接続するための通信装置150を備えている。
【0086】
記憶装置110は、処理装置120がアクセス可能な主記憶装置111と、データおよびプログラムを格納する補助記憶装置112を備えている。主記憶装置111は、例えばランダムアクセスメモリ(RAM)であり、補助記憶装置112は、ハードディスクドライブ(HDD)またはソリッドステートドライブ(SSD)などのストレージ装置である。
【0087】
入力装置130は、キーボード、マウスを備えており、さらに、記録媒体からデータを読み込むための記録媒体読み込み装置132と、記録媒体が接続される記録媒体ポート134を備えている。記録媒体は、非一時的な有形物であるコンピュータ読み取り可能な記録媒体であり、例えば、光ディスク(例えば、CD−ROM、DVD−ROM)や、半導体メモリー(例えば、USBフラッシュドライブ、メモリーカード)である。記録媒体読み込み装置132の例としては、CDドライブ、DVDドライブなどの光学ドライブや、カードリーダーが挙げられる。記録媒体ポート134の例としては、USB端子が挙げられる。記録媒体に記録されているプログラムおよび/またはデータは、入力装置130を介して動作制御部4に導入され、記憶装置110の補助記憶装置112に格納される。出力装置140は、ディスプレイ装置141、印刷装置142を備えている。
【0088】
上述したデータベースは、記憶装置110に予め格納されている。動作制御部4は、記憶装置110に電気的に格納されたプログラムに従って動作する。すなわち、動作制御部4は、表面状態測定器(パーティクル分布測定器70,膜厚測定器106,表面形状測定器107)、ローダー(搬送ロボット)6、搬送ロボット18、および研磨モジュール7に指令を発して、
図10、
図17、
図19、または
図23のフローチャートに示す工程を実行させる。
【0089】
フローチャートのステップを動作制御部4に実行させるためのプログラムは、非一時的な有形物であるコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録され、記録媒体を介して動作制御部4に提供される。または、プログラムは、インターネットなどの通信ネットワークを介して動作制御部4に提供されてもよい。
【0090】
一実施形態では、研磨モジュール7は、
図2に示される研磨ヘッド50を傾斜させる傾動アクチュエータ80を有する第一の傾動機構と、
図11に示される基板保持部10を傾斜させる傾動アクチュエータ80を有する第二の傾動機構の両方を備えてもよい。
【0091】
上述した実施形態は、本発明が属する技術分野における通常の知識を有する者が本発明を実施できることを目的として記載されたものである。上記実施形態の種々の変形例は、当業者であれば当然になしうることであり、本発明の技術的思想は他の実施形態にも適用しうる。したがって、本発明は、記載された実施形態に限定されることはなく、特許請求の範囲によって定義される技術的思想に従った最も広い範囲に解釈されるものである。