(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0024】
イソシアヌル環含有ウレタン(メタ)アクリレート化合物Aと、イソシアヌル環含有トリ(メタ)アクリレート化合物Bと、トリアジン系紫外線吸収剤Cを含有する樹脂組成物であって、イソシアヌル環含有ウレタン(メタ)アクリレート化合物Aが式(1)で表される化合物A−1を含有し、イソシアヌル環含有トリ(メタ)アクリレート化合物Bが式(2)で表される化合物B−1を含有することを特徴とするである。
【0025】
樹脂硬化物の耐候性を向上させる為に、紫外線吸収剤を配合するのは有効である。特に、トリアジン系紫外線吸収剤は、その紫外線吸収能力が高いことが知られている。しかし、トリアジン骨格を有する化合物は一般的に相溶性が低い為、組成物中に均一に配合することが難しかった。また、トリアジン系紫外線吸収剤を相溶させる為に相溶化成分や溶剤等を配合すると、組成物には相溶するものの、加熱や硬化物への水分や油分等の付着により得られた硬化物からトリアジン系紫外線吸収剤や相溶化成分がブリードアウトする危険性がある。
【0026】
本発明の組成物はイソシアヌル環含有ウレタン(メタ)アクリレート化合物A中において、前記化合物A−1が存在することで、トリアジン系紫外線吸収剤の相溶性と耐ブリードアウトを両立することができる。これは、(メタ)アクリロイル基を3つ以上有する多官能(メタ)アクリレートであることとイソシアヌル環の剛直性から架橋密度が上がり紫外線吸収剤がブリードアウトしにくくなることと、(メタ)アクリロイル基とウレタン結合との連結基に分岐型のアルキル基が存在すること、すなわち式(1−a)構造におけるQ
1、Q
2の少なくとも1つがアルキル基であることで、紫外線吸収剤の相溶性が向上するからである。
【0027】
また、本発明のイソシアヌル環含有ウレタン(メタ)アクリレート化合物A中において、さらに前記化合物A−2が存在することで、トリアジン系紫外線吸収剤の相溶性が向上する。化合物A−2が有する長鎖アルキルがトリアジン系紫外線吸収剤の相溶性を向上させるからである。
【0028】
さらに、本発明のイソシアヌル環含有ウレタン(メタ)アクリレート化合物Aが、式(1−b)で表される構造を少なくとも1つ有する場合、架橋密度が向上することで紫外線吸収剤のブリードアウトが抑制される為好ましい。
【0029】
さらに、本発明の組成物の有するイソシアヌル環とウレタン結合が、耐候性、特に耐クラック性に寄与し、耐候性に優れた硬化物を得ることができる。
【0030】
また、ウレタン骨格を有さないイソシアヌル環含有トリ(メタ)アクリレート化合物Bは、基材、特にプラスチック基材に対する密着性を向上させる。
【0031】
<イソシアヌル環含有ウレタン(メタ)アクリレート化合物A>
本発明のイソシアヌル環含有ウレタン(メタ)アクリレート化合物Aは、イソシアヌル環構造と、ウレタン結合と、(メタ)アクリロイル基を有する構造である。
【0032】
<化合物A−1>
本発明のイソシアヌル環含有ウレタン(メタ)アクリレート化合物Aには、下記式(1)で表される化合物A−1が含まれる。
【0034】
(式(1)中、R
1、R
2、R
3はそれぞれ独立して式(1−a)または式(1−b)で表される基を表す
【0037】
(式(1−a)中、n1は2〜4の整数を表し、R
4は水素原子またはメチル基を表し、Q
1、Q
2は繰り返し単位中においてそれぞれ独立して水素原子または炭素数1〜5のアルキル基を表し、Q
1、Q
2の少なくとも1つはアルキル基である))
【0038】
本発明の化合物A−1は、イソシアヌル環構造に対し、ウレタン結合を介して重合性不飽和基を有する基が3つ以上結合された化合物である。
【0039】
本発明の化合物A−1は、アルキル成分が少なく重合性不飽和基が3官能以上であることとイソシアヌル環を有することから、硬化した際に架橋密度が向上する。それにより、ブリードアウトの抑制や光分解抑制に寄与する。また、架橋密度の向上により耐摩耗性が向上する。
なおかつ、イソシアヌル環構造とウレタン構造の効果により、柔軟性を硬化物に与えることから耐クラック性が向上する。
【0040】
構造(1−a)において、Q
1、Q
2は繰り返し単位中においてそれぞれ独立して水素原子または炭素数1〜5のアルキル基を表し、Q
1、Q
2の少なくとも1つはアルキル基である。これは、アルキル基に分岐構造を有することで、紫外線吸収剤Cの相溶性を向上させることができるからである。
【0041】
本発明の構造(1−a)を形成するヒドロキシ−アルキル(メタ)アクリレートは、以下の構造が挙げられる。
2−ヒドロキシ−プロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシ−1―メチルエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシ−ブチル(メタ)アクリレート、1−エチル−2−ヒドロキシ−エチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシ−ペンチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシ−1−プロピルエチル(メタ)アクリレート、3−ヒドロキシ−ブチル(メタ)アクリレート、3−ヒドロキシ−2−メチルプロピル(メタ)アクリレート、3−ヒドロキシ−ペンチル(メタ)アクリレート、2−エチル−3−ヒドロキシ−プロピル(メタ)アクリレート、1−エチル−3−ヒドロキシ−プロピル(メタ)アクリレート、3−ヒドロキシ−ヘキシル(メタ)アクリレート、3−ヒドロキシ−2−プロピルプロピル(メタ)アクリレート、3−ヒドロキシ−1−プロピルプロピル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシ−ペンチル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシ−3−メチルブチル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシ−2−メチルブチル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシ−1−メチルブチル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシ−ヘキシル(メタ)アクリレート、3−エチル−4−ヒドロキシ−ブチル(メタ)アクリレート、2−エチル−4−ヒドロキシ−ブチル(メタ)アクリレート、1−エチル−4−ヒドロキシ−ブチル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシ−ヘプチル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシ−3−プロピルブチル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシ−2−プロピルブチル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシ−1−プロピルブチル(メタ)アクリレートが挙げられる。
より好ましくは、2−ヒドロキシ−プロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシ−1―メチルエチル−(メタ)アクリレート、3−ヒドロキシ−ブチル(メタ)アクリレート、3−ヒドロキシ−2−メチルプロピル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシ−ペンチル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシ−3−メチルブチル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシ−2−メチルブチル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシ−1−メチルブチル(メタ)アクリレートが挙げられる。
【0042】
本発明の化合物A−1としては具体的な構造としては以下の構造が挙げられる。
【0043】
1、6−ヘキサメチレンジイソシアネートのヌレート型三量体と2−ヒドロキシ−プロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシ−1―メチルエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシ−ブチル(メタ)アクリレート、1−エチル−2−ヒドロキシ−エチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシ−ペンチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシ−1−プロピルエチル−(メタ)アクリレート、3−ヒドロキシ−ブチル(メタ)アクリレート、3−ヒドロキシ−2−メチルプロピル(メタ)アクリレート、3−ヒドロキシ−ペンチル(メタ)アクリレート、2−エチル−3−ヒドロキシ−プロピル(メタ)アクリレート、1−エチル−3−ヒドロキシ−プロピル(メタ)アクリレート、3−ヒドロキシ−ヘキシル(メタ)アクリレート、3−ヒドロキシ−2−プロピルプロピル(メタ)アクリレート、3−ヒドロキシ−1−プロピルプロピル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシ−ペンチル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシ−3−メチルブチル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシ−2−メチルブチル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシ−1−メチルブチル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシ−ヘキシル(メタ)アクリレート、3−エチル−4−ヒドロキシ−ブチル(メタ)アクリレート、2−エチル−4−ヒドロキシ−ブチル(メタ)アクリレート、1−エチル−4−ヒドロキシ−ブチル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシ−ヘプチル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシ−3−プロピルブチル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシ−2−プロピルブチル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシ−1−プロピルブチル(メタ)アクリレートを反応させた化合物が挙げられる。
より好ましくは、1、6―ヘキサンジイソシアネートの3量体と2−ヒドロキシ−プロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシ−1―メチルエチル(メタ)アクリレート、3−ヒドロキシ−ブチル(メタ)アクリレート、3−ヒドロキシ−2−メチルプロピル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシ−ペンチル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシ−3−メチルブチル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシ−2−メチルブチル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシ−1−メチルブチル(メタ)アクリレートを反応させた化合物が挙げられる。
【0044】
<化合物A−2>
本発明のイソシアヌル環含有ウレタン(メタ)アクリレート化合物Aには、下記式(3)で表される化合物A−2が含まれていてもよい。
【0046】
(式(3)中、n3は2〜9の整数を表し、R
9及びR
10は繰り返し単位中でそれぞれ独立して水素原子または炭素数1〜7のアルキル基であって、X
1及びX
2はそれぞれ独立して下記式(3−a)で表される基を表す)
【0048】
(式(3−a)中、R
11、R
12はそれぞれ独立して前記式(1−a)または(1−b)で表される基を表す)))
【0049】
本発明の化合物A−2は、アルキル基を有するイソシアヌル環構造(3−a)が、炭素数2〜9のアルキレン基で結合している化合物である。炭素数2〜9のアルキル基としては、好ましくはメチレン基、エチレン基、プロピレン基、ブチレン基、ペンチレン基、ヘキシレン基、オクチル基、ノニレン等が挙げられる。好ましくは炭素数が2〜6である。
また、R
9及びR
10はそれぞれ独立して水素原子または炭素数1〜7のアルキル基であり、好ましくは炭素数が1〜6のアルキル基である。
【0050】
本発明の化合物A−2は、式(3)で表される構造の両端に、式(3−a)で表されるイソシアヌル環含有構造を有する。式(3−a)で表されるイソシアヌル環含有構造は、末端に前記式(1−a)または(1−b)で表される重合性不飽和基を有する構造を有していることから、重合性の化合物である。
【0051】
本発明の化合物A−2は、直鎖型構造および分岐型構造を有する式(4)〜(8)のような構造が好ましい。
【0053】
式(4)中、n4は2〜9の整数を表す。
【0058】
より好ましくは、式(5)〜(8)のような分岐型構造を有する構造が好ましい。
【0059】
本発明の化合物A−2を形成するジオール化合物は、炭素および水素のみで構成された直鎖型飽和アルキルジオール、または分岐型飽和アルキルジオール化合物が挙げられる。
直鎖型飽和アルキルジオールとしては、エチレングリコール、1、3−プロパンジオール、1,4−ブチレンジオール、1、6−ヘキサンジオール、1,8−オクタンジオール、1、9−ノナンジオール等のジオール化合物が挙げられる。
分岐型飽和アルキルジオールとしては、1、2―プロパンジオール、1,3−ブタンジオール、3−メチルペンタンジオール、2、5−ヘキサンジオール、2,5−ジメチル−2,5−ヘキサンジオール、2,4−ジメチル−2,4−ペンタンジオール、2,4−ジエチル−1,5−ペンタンジオール、2,4−ペンタンジオール、2−エチル−1,3−ヘキサンジオール、2−ブチル−2−エチル−1,3−プロパンジオール、2,4−ジエチル−1,5−ペンタンジオール等のジオール化合物が挙げられる。
【0060】
本発明の化合物A−2を形成するジオール化合物として、特に好ましい構造としては、分岐型飽和アルキルジオール化合物が挙げられ、中でも、1、2―プロパンジオール、1,3−ブタンジオール、3−メチルペンタンジオール、2,5−ヘキサンジオール、2,5−ジメチル−2,5−ヘキサンジオール、2,4−ジメチル−2,4−ペンタンジオール、2,4−ジエチル−1,5−ペンタンジオール、2,4−ペンタンジオール、2−エチル−1,3−ヘキサンジオール、2−ブチル−2−エチル−1,3−プロパンジオール、2,4−ジエチル−1,5−ペンタンジオール等のジオール化合物が好ましい。
【0061】
本発明の化合物A−2は、長鎖アルキル基を有することから、紫外線吸収効果の高いトリアジン系紫外線吸収剤Cを相溶させることができる。なおかつ、イソシアヌル環構造とウレタン構造、及び長鎖アルキル基の効果により、柔軟性を硬化物に与えることから耐クラック性が向上する。
【0062】
本発明のイソシアヌル環含有ウレタン(メタ)アクリレート化合物Aは、下記式(1−b)で表されるペンタエリスリトールトリアクリレート構造を有していることが好ましい。この構造を有することで、硬化物の架橋密度が向上し、紫外線吸収剤Cのブリードアウトが抑制できるからである。
【0064】
式(1−b)構造としては、イソシアヌル環含有ウレタン(メタ)アクリレート化合物Aが有していれば良く、化合物A−1が有していても、化合物A−2が有していても構わない。
好ましくは、イソシアヌル環含有ウレタン(メタ)アクリレート化合物Aのイソシアヌル環構造1個に対し、式(1−b)構造を1〜2個有する場合である。
【0065】
<化合物A−1と化合物A−2>
本発明の化合物A−1と化合物A−2は、樹脂組成物中の(メタ)アクリレートを有する化合物とフィラーの合計量の固形分量を100重量部とするとき、イソシアヌル環含有ウレタン(メタ)アクリレート化合物Aの合計量が5〜95重量部かつ化合物A−1:化合物A−2のモル比が100:0 〜 10:90となるように配合することが好ましい。より好ましくは、イソシアヌル環含有ウレタン(メタ)アクリレート化合物Aの合計量が10〜90重量部かつ化合物A−1:化合物A−2のモル比が100:0 〜 10:90である。さらに、好ましい配合量としては、イソシアヌル環含有ウレタン(メタ)アクリレート化合物Aの合計量が20〜80重量部かつ化合物A−1:化合物A−2のモル比が95:5 〜 20:80となるように配合することである。
【0066】
<イソシアヌル環含有トリ(メタ)アクリレート化合物B>
本発明のイソシアヌル環含有トリ(メタ)アクリレート化合物Bは、下記式(2)で表される。
【0067】
【化19】
・・(2)
(式(2)中、R
5、R
6、R
7はそれぞれ独立して下記式(2−a)で表される基を表す。
【0069】
(式(2−a)中、n2は2〜4の整数を表し、R
8は水素原子またはメチル基を表し、Q
3、Q
4は繰り返し単位中においてそれぞれ独立して水素原子または炭素数1〜5のアルキル基を表す))
【0070】
また、Q
3、Q
4は繰り返し単位中においてそれぞれ独立して水素原子または炭素数1〜5のアルキル基を表す。ここで好ましくは水素原子である。
【0071】
イソシアヌル環含有トリ(メタ)アクリレート化合物Bの好ましい構造としては、以下の構造が挙げられる。
【0073】
化合物Bは、樹脂組成物中の(メタ)アクリレートを有する化合物とフィラーの合計量の固形分量を100重量部とするとき、5〜95重量部であることが好ましい。この範囲であると、本発明の効果を保ちつつ基材に対する密着性が向上する。好ましくは10〜90重量部、さらに好ましくは20〜80重量部である。
【0074】
<トリアジン系紫外線吸収剤C>
本発明の樹脂組成物は、トリアジン系紫外線吸収剤Cを含有する。トリアジン系紫外線吸収剤とは、トリアジン骨格を有する紫外線吸収剤であり、例えば、2−[4−[(2−ヒドロキシ−3−ドデシロキシプロピル)オキシ]−2−ヒドロキシ−フェニル]−4,6−ビス(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジン、2−[4−[(2−ヒドロキシ−3−トリデシロキシプロピル)オキシ]−2−ヒドロキシ−フェニル]−4,6−ビス(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジン、2−[4−[(2−ヒドロキシ−3−(2−エチル−ヘキシロキシ)プロピル)オキシ]−2−ヒドロキシ−フェニル]−4,6−ビス(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジン、2,4−ビス(2−ヒドロキシ−4−ブチロキシフェニル)−6−(2,4−ビス−ブチロキシフェニル)−1,3,5−トリアジン、2−(2−ヒドロキシ−4−[1−オクチロキシカルボニルエトキシ]フェニル)−4,6−ビス(4−フェニルフェニル)−1,3,5−トリアジン等が挙げられ、好ましくは、2−(4,6−ビス(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジン−2−イル)−5−ヒドロキシ−フェニル, とオキシラン[(C10−C16 主としてC12−C13アルキルオキシ)メチル]オキシランとの反応生成物、2−(2,4−ジヒドロキシ−フェニル)−4,6−ビス−(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジンと(2−エチル−ヘキシル)−グリシド酸エステルの反応生成物、2,4−ビス「2−ヒドロキシ−4−ブトキシフェニル]−6−(2,4−ジブトキシフェニル)−1,3−5−トリアジン、2−(2−ヒドロキシ−4−[1−オクチルオキシカルボニルエトキシ]フェニル)−4,6−ビス(4−フェニルフェニル)−1,3,5−トリアジンである。市販品としては、TINUVIN400(BASF社製)、TINUVIN405(BASF社製)、TINUVIN460(BASF社製)、TINUVIN477(BASF社製)、TINUVIN479(BASF社製)、アデカスタブLA−46(ADEKA社)、アデカスタブLA−F70が利用可能である。
【0075】
トリアジン系紫外線吸収剤Cとしては、樹脂組成物中の(メタ)アクリレートを有する化合物とフィラーの合計量の固形分量を100重量部とするとき2〜15重量部配合されていることが好ましい。2重量部以上であれば紫外線吸収能が十分発揮され、15重量部以下であればブリードアウトが起こりにくいからである。好ましくは3〜13重量部であり、さらに好ましくは4〜9重量部である。
【0076】
<その他配合物>
本発明の組成物は、そのほかの配合物を含有していてもかまわない。例えば、各種樹脂、反応性化合物、触媒、重合開始剤、有機フィラー、無機フィラー、有機溶剤、無機顔料、有機顔料、体質顔料、粘土鉱物、ワックス、界面活性剤、安定剤、流動調整剤、カップリング剤、染料、レベリング剤、レオロジーコントロール剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、可塑剤等を配合してもかまわない。
【0077】
反応性化合物として、イソシアヌル環含有ウレタン(メタ)アクリレート化合物Aと、イソシアヌル環含有トリ(メタ)アクリレート化合物B以外の(メタ)アクリレート化合やビニル基等の2重結合を有する化合物を配合しても構わない。(メタ)アクリロイル系化合物としては、単官能(メタ)アクリレートと多官能(メタ)アクリレートが挙げられる。
【0078】
単官能(メタ)アクリレートとしては、例えばヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、カプロラクトン変性ヒドロキシ(メタ)アクリレート(例えばダイセル化学工業(株)製商品名「プラクセル」)、フタル酸とプロピレングリコールとから得られるポリエステルジオールのモノ(メタ)アクリレート、コハク酸とプロピレングリコールとから得られるポリエステルジオールのモノ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシ−3−(メタ)アクリロイルオキシプロピル(メタ)アクリレート、各種エポキシエステルの(メタ)アクリル酸付加物等を挙げることができる。
【0079】
多官能(メタ)アクリレートとしては、1,4−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、1,9−ノナンジオールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、エチレンオキシドにより変性されたグリセロールトリ(メタ)アクリレート、プロピレンオキシドにより変性されたグリセロールトリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ヒドロキシピバリン酸変性トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、エチレンオキシドにより変性されたトリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、プロピレンオキシドにより変性されたトリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、エチレンオキシドにより変性されたリン酸トリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールエトキシテトラ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、トリペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、トリペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、トリペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、トリペンタエリスリトールヘプタ(メタ)アクリレート、トリペンタエリスリトールオクタ(メタ)アクリレート、エチレンオキシドにより変性されたジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、プロピレンオキシドにより変性されたジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、イソシアネート化合物とアルコール系化合物を反応させたウレタン(メタ)アクリレート化合物、多価アルコールと(メタ)アクリル酸及び多官能性カルボン酸との縮合反応により合成されるポリエステル(メタ)アクリレート化合物、ビスフェノール型エポキシ樹脂あるいはノボラック型エポキシ樹脂と(メタ)アクリル酸との付加反応により合成されるエポキシ(メタ)アクリレート化合物などが挙げられる。
【0080】
有機溶剤としては、例えばエステル系溶媒、ケトン系溶媒、エーテル系溶媒、脂肪族系溶媒、芳香族系溶媒、アルコール系溶媒が挙げられる。
具体的には、エステル系溶媒としては、酢酸エチル−、酢酸プロピル、酢酸ブチル、ケトン系溶媒としては、アセトン、2−ブタノン、メチルエチル−ケトン、メチルイソブチルケトン等、エーテル系溶媒としてはテトラヒドロフラン、ジオキソラン等、脂肪族系溶媒としては、ヘキサン、シクロヘキサン等、芳香族系溶媒としてはトルエン、キシレン等、アルコール系溶媒としてはエタノール、メタノール、プロパノール、ブタノール、プロピレングリコールモノメチルエーテル等を例示することができる。
【0081】
また、粘度調整のために液状有機ポリマーを使用してもよい。液状有機ポリマーとは、硬化反応に直接寄与しない液状有機ポリマーであり、例えば、カルボキシル基含有ポリマー変性物(フローレンG−900、NC−500:共栄社)、アクリルポリマー(フローレンWK−20:共栄社)、特殊変性燐酸エステルのアミン塩(HIPLAAD ED−251:楠本化成)、変性アクリル系ブロック共重合物(DISPERBYK2000;ビックケミー)などが挙げられる。
【0082】
各種樹脂としては、熱硬化性樹脂や熱可塑性樹脂を用いることができる。
【0083】
熱硬化性樹脂とは、加熱または放射線や触媒などの手段によって硬化される際に実質的に不溶かつ不融性に変化し得る特性を持った樹脂である。その具体例としては、熱硬化性樹脂とは、加熱または放射線や触媒などの手段によって硬化される際に実質的に不溶かつ不融性に変化し得る特性を持った樹脂である。その具体例としては、フェノール樹脂、ユリア樹脂、メラミン樹脂、ベンゾグアナミン樹脂、アルキド樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、ビニルエステル樹脂、ジアリルテレフタレート樹脂、エポキシ樹脂、シリコーン樹脂、ウレタン樹脂、フラン樹脂、ケトン樹脂、キシレン樹脂、熱硬化性ポリイミド樹脂、ベンゾオキサジン樹脂、活性エステル樹脂、アニリン樹脂、シアネートエステル樹脂、スチレン・無水マレイン酸(SMA)樹脂、などが挙げられる。これらの熱硬化性樹脂は1種または2種以上を併用して用いることができる。
【0084】
熱可塑性樹脂とは、加熱により溶融成形可能な樹脂を言う。その具体例としてはポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポリスチレン樹脂、ゴム変性ポリスチレン樹脂、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン(ABS)樹脂、アクリロニトリル−スチレン(AS)樹脂、ポリメチルメタクリレート樹脂、アクリル樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリ塩化ビニリデン樹脂、ポリエチレンテレフタレート樹脂、エチレンビニルアルコール樹脂、酢酸セルロース樹脂、アイオノマー樹脂、ポリアクリロニトリル樹脂、ポリアミド樹脂、ポリアセタール樹脂、ポリブチレンテレフタレート樹脂、ポリ乳酸樹脂、ポリフェニレンエーテル樹脂、変性ポリフェニレンエーテル樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリサルホン樹脂、ポリフェニレンスルフィド樹脂、ポリエーテルイミド樹脂、ポリエーテルサルフォン樹脂、ポリアリレート樹脂、熱可塑性ポリイミド樹脂、ポリアミドイミド樹脂、ポリエーテルエーテルケトン樹脂、ポリケトン樹脂、液晶ポリエステル樹脂、フッ素樹脂、シンジオタクチックポリスチレン樹脂、環状ポリオレフィン樹脂などが挙げられる。これらの熱可塑性樹脂は1種または2種以上を併用して用いることができる。
【0085】
本発明の樹脂組成物は、フィラーを配合することができる。たとえば、ハードコート性の向上を目的として、シリカを配合することができる。
シリカとしては、限定は無く、粉末状のシリカやコロイダルシリカなど公知のシリカ微粒子を使用することができる。市販の粉末状のシリカ微粒子としては、例えば、日本アエロジル(株)製アエロジル50、200、旭硝子(株)製シルデックスH31、H32、H51、H52、H121、H122、日本シリカ工業(株)製E220A、E220、富士シリシア(株)製SYLYSIA470、日本板硝子(株)製SGフレ−ク等を挙げることができる。
また、市販のコロイダルシリカとしては、例えば、日産化学工業(株)製メタノ−ルシリカゾル、IPA−ST、MEK−ST、PGM−ST、NBA−ST、XBA−ST、DMAC−ST、ST−UP、ST−OUP、ST−20、ST−40、ST−C、ST−N、ST−O、ST−50、ST−OL等を挙げることができる。
【0086】
シリカとしては、反応性シリカを用いてもよい。反応性シリカとしては、例えば反応性化合物修飾シリカが挙げられる。反応性化合物としては、例えば疎水性基を有する反応性シランカップリング剤、(メタ)アクリロイル基を有する化合物、マレイミド基を有する化合物、グリシジル基を有する化合物が挙げられる。
(メタ)アクリロイル基を有する化合物で修飾した市販の粉末状のシリカとしては、日本アエロジル(株)製アエロジルRM50、R711等、(メタ)アクリロイル基を有する化合物で修飾した市販のコロイダルシリカとしては、日産化学工業(株)製MIBK−SD、MIBK−SD―L、MIBK−AC−2140Z、MEK−AC−2140Z等が挙げられる。また、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン等のグリシジル基で修飾した後に、アクリル酸を付加反応させたシリカや、3−イソシアネートプロピルトリエトキシシランと水酸基と(メタ)アクリロイル基を有する化合物をウレタン化反応させたもので修飾したシリカも反応性シリカとして挙げられる。
【0087】
前記シリカ微粒子の形状は特に限定はなく、球状、中空状、多孔質状、棒状、板状、繊維状、または不定形状のものを用いることができる。例えば、市販の中空状シリカ微粒子としては、日鉄鉱業(株)製シリナックス等を用いることができる。
また一次粒子径は、5〜200nmの範囲が好ましい。5nm以上であると、組成物中の無機微粒子の分散が十分となり、200nmを以下では、硬化物の十分な強度が保持できる。
【0088】
シリカの配合量としては、樹脂組成物中の(メタ)アクリレートを有する化合物とシリカの合計量の固形分量を100重量部とするとき、3〜60重量部の配合量であることが好ましい。
【0089】
本発明の樹脂組成物は、シリカ以外のフィラーを有していても良い。シリカ以外のフィラーとしては、無機フィラーと有機フィラーが挙げられる。フィラー形状に限定はなく、粒子状や板状、繊維状のフィラーが挙げられる。
【0090】
例えば、耐熱性に優れるものとしては、アルミナ、マグネシア、チタニア、ジルコニア、等;熱伝導に優れるものとしては、窒化ホウ素、窒化アルミ、酸化アルミナ、酸化チタン、酸化マグネシウム、酸化亜鉛、酸化ケイ素等;導電性に優れるものとしては、金属単体又は合金(例えば、鉄、銅、マグネシウム、アルミニウム、金、銀、白金、亜鉛、マンガン、ステンレスなど)を用いた金属フィラー及び/又は金属被覆フィラー、;バリア性に優れるものとしては、マイカ、クレイ、カオリン、タルク、ゼオライト、ウォラストナイト、スメクタイト等の鉱物等やチタン酸カリウム、硫酸マグネシウム、セピオライト、ゾノライト、ホウ酸アルミニウム、炭酸カルシウム、酸化チタン、硫酸バリウム、酸化亜鉛、水酸化マグネシウム;屈折率が高いものとしては、チタン酸バリウム、酸化ジルコニア、酸化チタン等;光触媒性を示すものとしては、チタン、セリウム、亜鉛、銅、アルミニウム、錫、インジウム、リン、炭素、イオウ、テリウム、ニッケル、鉄、コバルト、銀、モリブデン、ストロンチウム、クロム、バリウム、鉛等の光触媒金属、前記金属の複合物、それらの酸化物等;耐摩耗性に優れるものとしては、アルミナ、ジルコニア、酸化マグネシウム等の金属、及びそれらの複合物及び酸化物等;導電性に優れるものとしては、銀、銅などの金属、酸化錫、酸化インジウム等;紫外線遮蔽に優れるものとしては、酸化チタン、酸化亜鉛等である。
これらの無機微粒子は、用途によって適時選択すればよく、単独で使用しても、複数種組み合わせて使用してもかまわない。また、上記無機微粒子は、例に挙げた特性以外にも様々な特性を有することから、適時用途に合わせて選択すればよい。
【0091】
無機繊維としては、カーボン繊維、ガラス繊維、ボロン繊維、アルミナ繊維、炭化ケイ素繊維等の無機繊維のほか、炭素繊維、活性炭繊維、黒鉛繊維、ガラス繊維、タングステンカーバイド繊維、シリコンカーバイド繊維(炭化ケイ素繊維)、セラミックス繊維、アルミナ繊維、天然繊維、玄武岩などの鉱物繊維、ボロン繊維、窒化ホウ素繊維、炭化ホウ素繊維、及び金属繊維等を挙げることができる。上記金属繊維としては、例えば、アルミニウム繊維、銅繊維、黄銅繊維、ステンレス繊維、スチール繊維を挙げることができる。
【0092】
有機繊維としては、ポリベンザゾール、アラミド、PBO(ポリパラフェニレンベンズオキサゾール)、ポリフェニレンスルフィド、ポリエステル、アクリル、ポリアミド、ポリオレフィン、ポリビニルアルコール、ポリアリレート等の樹脂材料からなる合成繊維や、セルロース、パルプ、綿、羊毛、絹といった天然繊維、タンパク質、ポリペプチド、アルギン酸等の再生繊維等を挙げる事ができる。
【0093】
フィラーの配合量としては、樹脂組成物中の(メタ)アクリレートを有する化合物とフィラーの合計量の固形分量を100重量部とするとき、3〜60重量部の配合量であることが好ましい。
【0094】
本発明の組成物は活性エネルギー線で硬化させるため、重合開始剤、特に光重合開始剤を使用することが好ましい。光重合開始剤としては公知のものを使用すればよく、例えば、アセトフェノン類、ベンジルケタール類、ベンゾフェノン類からなる群から選ばれる一種以上を好ましく用いることができる。前記アセトフェノン類としては、ジエトキシアセトフェノン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン、1−(4−イソプロピルフェニル)−2−ヒドロキシ−2−メチルプロパン−1−オン、4−(2−ヒドロキシ−エトキシ)フェニル−(2−ヒドロキシ−2−プロピル)ケトン等が挙げられる。前記ベンジルケタール類としては、例えば、1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニルケトン、ベンジルジメチルケタール等が挙げられる。前記ベンゾフェノン類としては、例えば、ベンゾフェノン、o−ベンゾイル安息香酸メチル等が挙げられる。前記ベンゾイン類等としては、例えば、ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル等が挙げられる。光重合開始剤は単独で使用しても良いし、2種以上を併用してもよい。前記光重合開始剤の使用量は、前記樹脂組成物の樹脂固形分量100重量%に対して、1〜15重量%が好ましく、2〜10重量%がより好ましい。
【0095】
紫外線吸収剤としては、本発明のトリアジン系紫外線吸収剤C以外の紫外線吸収剤も併用することができる。紫外線吸収剤としては、ベンゾフェノン系、ベンゾトリアゾール系、環状イミノエステル系、シアノアクリレート系、ポリマー型紫外線吸収剤等が挙げられる。
【0096】
<表面改質剤>
本発明の組成物には、塗布時のレベリング性を高める目的や、硬化膜の滑り性を高めて
耐擦傷性を高める目的等のため、各種表面改質剤を添加してもよい。表面改質剤としては
、表面調整剤、レベリング剤、スベリ性付与剤、防汚性付与剤等の名称で市販されている
、表面物性を改質する各種添加剤を使用することができる。それらのうち、シリコーン系
表面改質剤およびフッ素系表面改質剤が好適である。
具体例としては、シリコーン鎖とポリアルキレンオキサイド鎖を有するシリコーン系ポ
リマーおよびオリゴマー、シリコーン鎖とポリエステル鎖を有するシリコーン系ポリマー
およびオリゴマー、パーフルオロアルキル基とポリアルキレンオキサイド鎖を有するフッ
素系ポリマーおよびオリゴマー、パーフルオロアルキルエーテル鎖とポリアルキレンオキ
サイド鎖を有するフッ素系ポリマーおよびオリゴマー、等が挙げられる。これらのうちの
一種以上を使用すればよい。滑り性の持続力を高めるなどの目的で、分子中に(メタ)ア
クリロイル基を含有するものを使用してもよい。具体的な表面改質剤としては、EBECRYL350(ダイセル・オルネクス株式会社)、BYK−333(ビックケミー・ジャパン株式会社)、BYK−377(ビックケミー・ジャパン株式会社)、BYK−378(ビックケミー・ジャパン株式会社)、BYK―UV3500(ビックケミー・ジャパン株式会社)、BYK―UV3505(ビックケミー・ジャパン株式会社)、BYK―UV3576(ビックケミー・ジャパン株式会社)、メガファックRS−75(DIC株式会社)、メガファックRS−76−E(DIC株式会社)、メガファックRS−72−K(DIC株式会社)、メガファックRS−76−NS(DIC株式会社)、メガファックRS−90(DIC株式会社)、メガファックRS−91(DIC株式会社)、メガファックRS−55(DIC株式会社)、オプツールDAC−HP(ダイキン工業株式会社)、ZX−058−A(株式会社T&K TOKA)、ZX−201(株式会社T&K TOKA)、ZX−202(株式会社T&K TOKA)、ZX−212(株式会社T&K TOKA)、ZX−214−A(株式会社T&K TOKA)、X−22−164AS(信越化学工業株式会社)、X−22−164A(信越化学工業株式会社)、X−22−164B(信越化学工業株式会社)、X−22−164C(信越化学工業株式会社)、X−22−164E(信越化学工業株式会社)、X−22−174DX(信越化学工業株式会社)、等を挙げることができる。
【0097】
<積層体>
本発明の積層体は、基材と本発明の樹脂組成物の成形体を積層することで得ることができる。基材の材質は特に限定はなく、用途に応じて適宜選択すればよく、例えば木材、金属、金属酸化物、プラスチック、紙、シリコン又は変性シリコン等が挙げられ、異なる素材を接合して得られた基材であってもよい。基材の形状は特に制限はなく、平板、シート状、又は3次元形状全面に、若しくは一部に、曲率を有するもの等目的に応じた任意の形状であってよい。また、基材の硬度、厚み等にも制限はない。
【0098】
積層体は、基材上に上述した成形体を積層することで得ることができる。基材上に積層する成形体は、基材に対し直接塗工又は直接成形により形成してもよく、組成物の成形体を積層してもよい。直接塗工する場合、塗工方法としては特に限定はなく、スプレー法、スピンコート法、ディップ法、ロールコート法、ブレードコート法、ドクターロール法、ドクターブレード法、カーテンコート法、スリットコート法、スクリーン印刷法、インクジェット法等が挙げられる。直接成形する場合は、インモールド成形、インサート成形、真空成形、押出ラミネート成形、プレス成形等が挙げられる。組成物の成形体を積層する場合、未硬化又は半硬化の組成物層を基材上に積層してから硬化させてもよく、組成物を完全硬化した硬化物層を基材上に積層してもよい。
【0099】
本発明の樹脂組成物は、特にプラスチック基材に対して密着性が高い。樹脂であれば特に限定なく、例えば前述した熱硬化性樹脂や熱可塑性樹脂を用いればよい。機材としては、樹脂が単独でも複数種を配合した基材であってもよく、単層又は2層以上の積層構造を有するものであってもよい。また、これらのプラスチック基材は繊維強化(FRP)されていてもよい。
【0100】
本発明の積層体を透明積層体とする場合、ポリカーボネート樹脂(例えば脂肪族ポリカーボネート、芳香族ポリカーボネート、脂環族ポリカーボネート等)、ポリメチルメタクリレート樹脂、ポリスチレン樹脂等をプラスチック層とすることが好ましい。
【0101】
また、本発明の効果を阻害しない範囲で、基材には必要に応じて、公知の帯電防止剤、防曇剤、アンチブロッキング剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、顔料、有機フィラー、無機フィラー、光安定剤、結晶核剤、滑剤等の公知の添加剤が含まれていても良い。
【0102】
本発明の積層体は、基材、本発明の硬化物層の上に、さらに第二基材を有していても良い。第二基材としては材質に特に限定は無く、木材、金属、金属酸化物、プラスチック、紙、シリコン又は変性シリコン等が挙げられ、異なる素材を接合して得られた基材であってもよい。基材の形状は特に制限はなく、平板、シート状、又は3次元形状全面に、若しくは一部に、曲率を有するもの等目的に応じた任意の形状であってよい。また、基材の硬度、厚み等にも制限はない。
【0103】
本発明の積層体は、プラスチックに対しても無機物に対しても密着性が高いため、異種材料の層間材としても好ましく利用可能である。特に好ましくは、基材がプラスチックであり、第二基材が無機層の場合である。無機層としては、例えば、石英、サファイア、ガラス、光学フィルム、セラミック材料、無機酸化物、蒸着膜(CVD、PVD、スパッタ)、磁性膜、反射膜、Ni,Cu,Cr,Fe,ステンレス等の金属、紙、SOG(Spin On Glass)、SOC(Spin On Carbon)、ポリエステル・ポリカーボネート・ポリイミド等のプラスチック層、TFTアレイ基板、PDPの電極板、ITOや金属等の導電性基材、絶縁性基材、シリコン、窒化シリコン、ポリシリコン、酸化シリコン、アモルファスシリコンなどのシリコン系基板等が挙げられる。
【0104】
(硬化)
本発明の樹脂組成物は、重合性不飽和基を有する化合物が含まれていることから、活性エネルギー線照射により硬化させることができる。
【0105】
活性エネルギー線硬化としては、活性エネルギー線を塗工物に照射することで硬化させることを言う。活性エネルギー線とは、紫外線、電子線、α線、β線、γ線等の電離放射線が挙げられる。これらのなかでも特に、硬化性および利便性の点から紫外線(UV)が好ましい。
紫外線硬化させる際に使用する光は、例えば、低圧水銀ランプ、高圧水銀ランプ、メタルハライドランプ、キセノンランプ、アルゴンレーザー、ヘリウム・カドミウムレーザー等を使用することができる。これらを用いて、約180〜400nmの波長の紫外線を、塗工物の塗布面に照射することによって、塗膜を硬化させ硬化物層を作成し積層体を得ることが可能である。紫外線の照射量としては、使用される光重合開始剤の種類及び量によって適宜選択される。
【0106】
(用途)
本願の積層体は、ハードコート性、耐候性に優れるため、各種保護材として特に好適に使用可能である。例えば、建築材料用、住宅設備用、自動車・船舶・航空機・鉄道等の輸送機用、電子材料用、記録材料用、光学材料用、照明用、包装材料用、屋外設置物の保護用、光ファイバー被覆用、樹脂ガラス保護用等に可能である。
【実施例】
【0107】
次に本発明を実施例、比較例により具体的に説明するが、以下において「部」及び「%」は特に断わりのない限り重量基準である。
【0108】
合成例:UA−1
攪拌装置および空気の吹き込み管を備えた3Lセパラブルフラスコに、1、6−ヘキサメチレンジイソシアネートのヌレート型三量体を主成分とするイソシアネート化合物〔旭化成ケミカルズ(株)製デュラネートTPA−100 NCO含有量23.5%〕178.72g(NCO1.0モル)、2,6−ジ−tert−ブチル−4−メチルフェノール1.8g、ジブチルスズジラウレート0.2gを仕込み、液温を60〜70℃で攪拌しながら、2−ヒドロキシ−プロピルアクリレート130.14g(1.0モル)を滴下した。
滴下終了後、80℃で4時間攪拌し、IR分析にて、反応液からイソシアネート基のものが消失していることを確認して反応を終了し、イソシアヌル環含有ウレタン(メタ)アクリレート化合物UA−1を得た。
【0109】
合成例:UA−2
攪拌装置および空気の吹き込み管を備えた3Lセパラブルフラスコに、1、6−ヘキサメチレンジイソシアネートのヌレート型三量体を主成分とするイソシアネート化合物〔旭化成ケミカルズ(株)製デュラネートTPA−100。NCO含有量23.5%。〕178.72g(NCO1.0モル)、2,6−ジ−tert−ブチル−4−メチルフェノール1.8g、ジブチルスズジラウレート0.2gを仕込み、液温を60〜70℃で攪拌しながら、2−ヒドロキシ−エチル−アクリレート38.71g(0.33モル)と2−ヒドロキシ−プロピルアクリレート86.76g(0.66モル)を滴下した。滴下終了後、80℃で4時間攪拌し、IR分析にて、反応液からイソシアネート基のものが消失していることを確認して反応を終了し、イソシアヌル環含有ウレタン(メタ)アクリレート化合物UA−2を得た。
【0110】
合成例:UA−3
攪拌装置および空気の吹き込み管を備えた3Lセパラブルフラスコに、1、6−ヘキサメチレンジイソシアネートのヌレート型三量体を主成分とするイソシアネート化合物〔旭化成ケミカルズ(株)製デュラネートTPA−100。NCO含有量23.5%。〕178.72g(NCO1.0モル)、2,6−ジ−tert−ブチル−4−メチルフェノール1.8g、ジブチルスズジラウレート0.2gを仕込み、液温を60〜70℃で攪拌しながら、4−ヒドロキシ−ブチルアクリレート48.07g(0.33モル)と2−ヒドロキシ−プロピルアクリレート86.76g(0.66モル)を滴下した。滴下終了後、80℃で4時間攪拌し、IR分析にて、反応液からイソシアネート基のものが消失していることを確認して反応を終了し、イソシアヌル環含有ウレタン(メタ)アクリレート化合物UA−3を得た。
【0111】
合成例:UA−4
攪拌装置および空気の吹き込み管を備えた3Lセパラブルフラスコに、1、6−ヘキサメチレンジイソシアネートのヌレート型三量体を主成分とするイソシアネート化合物〔旭化成ケミカルズ(株)製デュラネートTPA−100。NCO含有量23.5%。〕178.72g(NCO1.0モル)、2,6−ジ−tert−ブチル−4−メチルフェノール1.8g、ジブチルスズジラウレート0.2gを仕込み、液温を60〜70℃で攪拌しながら、2−ヒドロキシ−エチル−アクリレート77.41g(0.66モル)と2−ヒドロキシ−プロピルアクリレート43.38g(0.33モル)を滴下した。滴下終了後、80℃で4時間攪拌し、IR分析にて、反応液からイソシアネート基のものが消失していることを確認して反応を終了し、イソシアヌル環含有ウレタン(メタ)アクリレート化合物UA−4を得た。
【0112】
合成例:UA−5
攪拌装置および空気の吹き込み管を備えた3Lセパラブルフラスコに、1、6−ヘキサメチレンジイソシアネートのヌレート型三量体を主成分とするイソシアネート化合物〔旭化成ケミカルズ(株)製デュラネートTPA−100。NCO含有量23.5%。〕178.72g(NCO1.0モル)、2,6−ジ−tert−ブチル−4−メチルフェノール1.8g、ジブチルスズジラウレート0.2gを仕込み、液温を60〜70℃で攪拌しながら、M−305(東亞合成製)158.72gと2−ヒドロキシ−プロピルアクリレート86.76g(0.66モル)を滴下した。
滴下終了後、80℃で4時間攪拌し、IR分析にて、反応液からイソシアネート基のものが消失していることを確認して反応を終了し、イソシアヌル環含有ウレタン(メタ)アクリレート化合物UA−5を得た。
【0113】
合成例:UA−6
攪拌装置および空気の吹き込み管を備えた3Lセパラブルフラスコに、1、6−ヘキサメチレンジイソシアネートのヌレート型三量体を主成分とするイソシアネート化合物〔旭化成ケミカルズ(株)製デュラネートTPA−100。NCO含有量23.5%。〕178.72g(NCO1.0モル)、2,6−ジ−tert−ブチル−4−メチルフェノール1.8g、ジブチルスズジラウレート0.2gを仕込み、液温を60〜70℃で攪拌しながら、M−305(東亞合成製)317.4gと2−ヒドロキシ−プロピルアクリレート43.38g(0.33モル)を滴下した。滴下終了後、80℃で4時間攪拌し、IR分析にて、反応液からイソシアネート基のものが消失していることを確認して反応を終了し、イソシアヌル環含有ウレタン(メタ)アクリレート化合物UA−6を得た。
【0114】
合成例:UA−7
攪拌装置および空気の吹き込み管を備えた3Lセパラブルフラスコに、1、6−ヘキサメチレンジイソシアネートのヌレート型三量体を主成分とするイソシアネート化合物〔旭化成ケミカルズ(株)製デュラネートTPA−100。NCO含有量23.5%。〕178.72g(NCO1.0モル)、2,6−ジ−tert−ブチル−4−メチルフェノール1.8g、ジブチルスズジラウレート0.2gを仕込み、液温を60〜70℃で攪拌しながら、M−305(東亞合成製)158.72g、2−ヒドロキシ−エチル−アクリレート38.71g(0.33モル)2−ヒドロキシ−プロピルアクリレート43.38g(0.33モル)を滴下した。滴下終了後、80℃で4時間攪拌し、IR分析にて、反応液からイソシアネート基のものが消失していることを確認して反応を終了し、イソシアヌル環含有ウレタン(メタ)アクリレート化合物UA−7を得た。
【0115】
合成例:UA−8
攪拌装置および空気の吹き込み管を備えた3Lセパラブルフラスコに、1、6−ヘキサメチレンジイソシアネートのヌレート型三量体を主成分とするイソシアネート化合物〔旭化成ケミカルズ(株)製デュラネートTPA−100。NCO含有量23.5%。〕178.72g(NCO1.0モル)、2,6−ジ−tert−ブチル−4−メチルフェノール1.8g、ジブチルスズジラウレート0.2gを仕込み、液温を60〜70℃で攪拌しながら、2−ヒドロキシ−プロピルアクリレート86.76g(0.33モル)を滴下した。
滴下終了後、70℃で2時間攪拌した。その後、液温60〜70℃で攪拌しながら、2−オクタンー1,4−ヘキサンジオール76.67g(0.33モル)を滴下した。滴下終了後、80℃で4時間攪拌し、IR分析にて、反応液からイソシアネート基のものが消失していることを確認して反応を終了し、イソシアヌル環含有ウレタン(メタ)アクリレート化合物UA−8を得た。
【0116】
合成例:UA−9
攪拌装置および空気の吹き込み管を備えた3Lセパラブルフラスコに、1、6−ヘキサメチレンジイソシアネートのヌレート型三量体を主成分とするイソシアネート化合物〔旭化成ケミカルズ(株)製デュラネートTPA−100。NCO含有量23.5%。〕178.72g(NCO1.0モル)、2,6−ジ−tert−ブチル−4−メチルフェノール1.8g、ジブチルスズジラウレート0.2gを仕込み、液温を60〜70℃で攪拌しながら、2−ヒドロキシ−プロピルアクリレート86.76g(0.66モル)を滴下した。滴下終了後、70℃で2時間攪拌した。その後、液温60〜70℃で攪拌しながら、エチレングリコール20.69g(0.33モル)を滴下した。滴下終了後、80℃で4時間攪拌し、IR分析にて、反応液からイソシアネート基のものが消失していることを確認して反応を終了し、イソシアヌル環含有ウレタン(メタ)アクリレート化合物UA−9を得た。
【0117】
合成例:UA−10
攪拌装置および空気の吹き込み管を備えた3Lセパラブルフラスコに、1、6−ヘキサメチレンジイソシアネートのヌレート型三量体を主成分とするイソシアネート化合物〔旭化成ケミカルズ(株)製デュラネートTPA−100。NCO含有量23.5%。〕178.72g(NCO1.0モル)、2,6−ジ−tert−ブチル−4−メチルフェノール1.8g、ジブチルスズジラウレート0.2gを仕込み、液温を60〜70℃で攪拌しながら、2−ヒドロキシ−プロピルアクリレート86.76g(0.66モル)を滴下した。滴下終了後、70℃で2時間攪拌した。その後、液温60〜70℃で攪拌しながら、1、6―ヘキサンジオール39.39g(0.33モル)を滴下した。滴下終了後、80℃で4時間攪拌し、IR分析にて、反応液からイソシアネート基のものが消失していることを確認して反応を終了し、イソシアヌル環含有ウレタン(メタ)アクリレート化合物UA−10を得た。
【0118】
合成例:UA−11
攪拌装置および空気の吹き込み管を備えた3Lセパラブルフラスコに、1、6−ヘキサメチレンジイソシアネートのヌレート型三量体を主成分とするイソシアネート化合物〔旭化成ケミカルズ(株)製デュラネートTPA−100。NCO含有量23.5%。〕178.72g(NCO1.0モル)、2,6−ジ−tert−ブチル−4−メチルフェノール1.8g、ジブチルスズジラウレート0.2gを仕込み、液温を60〜70℃で攪拌しながら、2−ヒドロキシ−プロピルアクリレート86.76g(0.66モル)を滴下した。滴下終了後、70℃で2時間攪拌した。その後、液温60〜70℃で攪拌しながら、1、3−ブタンジオール30.04g(0.33モル)を滴下した。滴下終了後、80℃で4時間攪拌し、IR分析にて、反応液からイソシアネート基のものが消失していることを確認して反応を終了し、イソシアヌル環含有ウレタン(メタ)アクリレート化合物UA−11を得た。
【0119】
合成例:UA−12
攪拌装置および空気の吹き込み管を備えた3Lセパラブルフラスコに、1、6−ヘキサメチレンジイソシアネートのヌレート型三量体を主成分とするイソシアネート化合物〔旭化成ケミカルズ(株)製デュラネートTPA−100。NCO含有量23.5%。〕178.72g(NCO1.0モル)、2,6−ジ−tert−ブチル−4−メチルフェノール1.8g、ジブチルスズジラウレート0.2gを仕込み、液温を60〜70℃で攪拌しながら、2−ヒドロキシ−プロピルアクリレート86.76g(0.66モル)を滴下した。滴下終了後、70℃で2時間攪拌した。その後、液温60〜70℃で攪拌しながら、2−エチレンー1、4−ヘキサンジオール48.73g(0.33モル)を滴下した。滴下終了後、80℃で4時間攪拌し、IR分析にて、反応液からイソシアネート基のものが消失していることを確認して反応を終了し、イソシアヌル環含有ウレタン(メタ)アクリレート化合物UA−12を得た。
【0120】
合成例:UA−13
攪拌装置および空気の吹き込み管を備えた3Lセパラブルフラスコに、1、6−ヘキサメチレンジイソシアネートのヌレート型三量体を主成分とするイソシアネート化合物〔旭化成ケミカルズ(株)製デュラネートTPA−100。NCO含有量23.5%。〕178.72g(NCO1.0モル)、2,6−ジ−tert−ブチル−4−メチルフェノール1.8g、ジブチルスズジラウレート0.2gを仕込み、液温を60〜70℃で攪拌しながら、2−ヒドロキシ−プロピルアクリレート86.76g(0.66モル)を滴下した。滴下終了後、70℃で2時間攪拌した。その後、液温60〜70℃で攪拌しながら、2−ブチルー2―エチル−1、3−プロパンジオール53.42g(0.33モル)を滴下した。滴下終了後、80℃で4時間攪拌し、IR分析にて、反応液からイソシアネート基のものが消失していることを確認して反応を終了し、イソシアヌル環含有ウレタン(メタ)アクリレート化合物UA−13を得た。
【0121】
合成例:UA−14
攪拌装置および空気の吹き込み管を備えた3Lセパラブルフラスコに、1、6−ヘキサメチレンジイソシアネートのヌレート型三量体を主成分とするイソシアネート化合物〔旭化成ケミカルズ(株)製デュラネートTPA−100。NCO含有量23.5%。〕178.72g(NCO1.0モル)、2,6−ジ−tert−ブチル−4−メチルフェノール1.8g、ジブチルスズジラウレート0.2gを仕込み、液温を60〜70℃で攪拌しながら、M−305(東亜合成製)158.72gと2−ヒドロキシ−プロピルアクリレート43.38g(0.33モル)を滴下した。滴下終了後、70℃で2時間攪拌した。その後、液温60〜70℃で攪拌しながら、2−ブチル−2―エチル−1、3−プロパンジオール53.42g(0.33モル)を滴下した。滴下終了後、80℃で4時間攪拌し、IR分析にて、反応液からイソシアネート基のものが消失していることを確認して反応を終了し、イソシアヌル環含有ウレタン(メタ)アクリレート化合物UA−14を得た。
【0122】
合成例:UA−15
攪拌装置および空気の吹き込み管を備えた3Lセパラブルフラスコに、1、6−ヘキサメチレンジイソシアネートのヌレート型三量体を主成分とするイソシアネート化合物〔旭化成ケミカルズ(株)製デュラネートTPA−100。NCO含有量23.5%。〕178.72g(NCO1.0モル)、2,6−ジ−tert−ブチル−4−メチルフェノール1.8g、ジブチルスズジラウレート0.2gを仕込み、液温を60〜70℃で攪拌しながら、2−ヒドロキシ−エチル−アクリレート116.12g(1.0モル)を滴下した。滴下終了後、80℃で4時間攪拌し、IR分析にて、反応液からイソシアネート基のものが消失していることを確認して反応を終了し、イソシアヌル環含有ウレタン(メタ)アクリレート化合物UA−15を得た。
【0123】
合成例:UA−16
攪拌装置および空気の吹き込み管を備えた3Lセパラブルフラスコに、1、6−ヘキサメチレンジイソシアネートのヌレート型三量体を主成分とするイソシアネート化合物〔旭化成ケミカルズ(株)製デュラネートTPA−100。NCO含有量23.5%。〕178.72g(NCO1.0モル)、2,6−ジ−tert−ブチル−4−メチルフェノール1.8g、ジブチルスズジラウレート0.2gを仕込み、液温を60〜70℃で攪拌しながら、4−ヒドロキシ−ブチルアクリレート144.2g(1.0モル)を滴下した。
滴下終了後、80℃で4時間攪拌し、IR分析にて、反応液からイソシアネート基のものが消失していることを確認して反応を終了し、イソシアヌル環含有ウレタン(メタ)アクリレート化合物UA−16を得た。
【0124】
合成例:UA−17
攪拌装置および空気の吹き込み管を備えた3Lセパラブルフラスコに、1、6−ヘキサメチレンジイソシアネートのヌレート型三量体を主成分とするイソシアネート化合物〔旭化成ケミカルズ(株)製デュラネートTPA−100。NCO含有量23.5%。〕178.72g(NCO1.0モル)、2,6−ジ−tert−ブチル−4−メチルフェノール1.8g、ジブチルスズジラウレート0.2gを仕込み、液温を60〜70℃で攪拌しながら、M−305(東亜合成製)158.72gと2−ヒドロキシ−エチル−アクリレート77.41g(0.66モル)を滴下した。滴下終了後、80℃で4時間攪拌し、IR分析にて、反応液からイソシアネート基のものが消失していることを確認して反応を終了し、イソシアヌル環含有ウレタン(メタ)アクリレート化合物UA−17を得た。
【0125】
合成例:UA−18
攪拌装置および空気の吹き込み管を備えた3Lセパラブルフラスコに、1、6−ヘキサメチレンジイソシアネートのヌレート型三量体を主成分とするイソシアネート化合物〔旭化成ケミカルズ(株)製デュラネートTPA−100。NCO含有量23.5%。〕178.72g(NCO1.0モル)、2,6−ジ−tert−ブチル−4−メチルフェノール1.8g、ジブチルスズジラウレート0.2gを仕込み、液温を60〜70℃で攪拌しながら、2−ヒドロキシ−エチル−アクリレート77.41g(0.66モル)を滴下した。滴下終了後、70℃で2時間攪拌した。その後、液温60〜70℃で攪拌しながら、1、6―ヘキサンジオール39.39g(0.33モル)を滴下した。滴下終了後、80℃で4時間攪拌し、IR分析にて、反応液からイソシアネート基のものが消失していることを確認して反応を終了し、イソシアヌル環含有ウレタン(メタ)アクリレート化合物UA−18を得た。
【0126】
合成例:UA−19
攪拌装置および空気の吹き込み管を備えた3Lセパラブルフラスコに、1、6−ヘキサメチレンジイソシアネートのヌレート型三量体を主成分とするイソシアネート化合物〔旭化成ケミカルズ(株)製デュラネートTPA−100。NCO含有量23.5%。〕178.72g(NCO1.0モル)、2,6−ジ−tert−ブチル−4−メチルフェノール1.8g、ジブチルスズジラウレート0.2gを仕込み、液温を60〜70℃で攪拌しながら、2−ヒドロキシ−エチル−アクリレート77.41g(0.66モル)を滴下した。滴下終了後、70℃で2時間攪拌した。その後、液温60〜70℃で攪拌しながら、2−ブチルー2―エチル−1、3−プロパンジオール53.42g(0.33モル)を滴下した。滴下終了後、80℃で4時間攪拌し、IR分析にて、反応液からイソシアネート基のものが消失していることを確認して反応を終了し、イソシアヌル環含有ウレタン(メタ)アクリレート化合物UA−19を得た。
【0127】
合成例:UA−20
攪拌装置および空気の吹き込み管を備えた3Lセパラブルフラスコに、1、6−ヘキサメチレンジイソシアネートのヌレート型三量体を主成分とするイソシアネート化合物〔旭化成ケミカルズ(株)製デュラネートTPA−100。NCO含有量23.5%。〕178.72g(NCO1.0モル)、2,6−ジ−tert−ブチル−4−メチルフェノール1.8g、ジブチルスズジラウレート0.2gを仕込み、液温を60〜70℃で攪拌しながら、M−305(東亜合成製)158.72gと2−ヒドロキシ−エチル−アクリレート38.71g(0.33モル)を滴下した。滴下終了後、70℃で2時間攪拌した。その後、液温60〜70℃で攪拌しながら、2−ブチルー2―エチル−1、3−プロパンジオール53.42g(0.33モル)を滴下した。滴下終了後、80℃で4時間攪拌し、IR分析にて、反応液からイソシアネート基のものが消失していることを確認して反応を終了し、イソシアヌル環含有ウレタン(メタ)アクリレート化合物UA−20を得た。
【0128】
合成例:UA−21
攪拌装置および空気の吹き込み管を備えた3Lセパラブルフラスコに、1、6−ヘキサメチレンジイソシアネートのヌレート型三量体を主成分とするイソシアネート化合物〔旭化成ケミカルズ(株)製デュラネートTPA−100。NCO含有量23.5%。〕178.72g(NCO1.0モル)、2,6−ジ−tert−ブチル−4−メチルフェノール1.8g、ジブチルスズジラウレート0.2gを仕込み、液温を60〜70℃で攪拌しながら、2−ヒドロキシ−プロピルアクリレート86.76g(0.66モル)を滴下した。滴下終了後、70℃で2時間攪拌した。その後、液温60〜70℃で攪拌しながら、1、10−デカンジオール58.09g(0.33モル)を滴下した。滴下終了後、80℃で4時間攪拌し、IR分析にて、反応液からイソシアネート基のものが消失していることを確認して反応を終了し、イソシアヌル環含有ウレタン(メタ)アクリレート化合物UA−21を得た。
【0129】
<実施例1>
(組成物の調整)
合成したUA−1を70重量部、化合物BとしてM315(東亜合成社製、イソシアヌル酸2−ヒドロキシ−エチル−トリアクリレート)を30重量部とを配合・攪拌した。得られた配合物に対し、トリアジン系紫外線吸収剤CとしてTinuvin400(BASF株式会社製)を樹脂固形分に対して2重量部、トリアジン系紫外線吸収剤CとしてTinuvin479(BASF株式会社製)を樹脂固形分に対して4重量部、Tinuvin123を樹脂固形分に対して0.5重量部(BASF株式会社製、光安定剤)、Irgcure754(BASF株式会社、光開始剤)を樹脂固形分に対して2重量部、Irgcure819(BASF株式会社、光開始剤)を樹脂固形分に対して、2重量部を配合・攪拌し、その後プロピレングリコールモノメチルエーテル(PGM)を樹脂固形分に対して125重量部、メチルエチル−ケトン(MEK)を樹脂固形分に対して25重量部にて希釈し、樹脂固形分量40重量部の組成物1を得た。
【0130】
<実施例2〜27>組成物2〜23の調製
調製例1において、配合を表1−1〜1−5に記載の配合率に変更した以外は同様にして、組成物2〜27を得た。
【0131】
(積層体の製造)
得られた組成物は、以下の条件および表1−1〜1−4に記載の方法を用いて、積層体の製造を行った。得られた積層体については、各種試験を行った。
【0132】
<塗工>
・スプレー塗装
ポリカーボネート板(帝人製L−1225LZ、厚み3mm)に対し、表1−1で調製した組成物1を乾燥後の塗膜厚さが約1〜20μmとなるようにスプレー塗装にて、塗布し、80℃の乾燥機で6分乾燥した。
・フロー塗装
ポリカーボネート板(帝人製L−1225LZ、厚み3mm)に対し、表1−2で調製した組成物19を乾燥後の塗膜厚さが約1〜20μmとなるようにフロー塗装にて、塗布し、80℃の乾燥機で6分乾燥した。
【0133】
<硬化>
紫外線照射は、GS−YUASA(株)製の高圧水銀ランプを使用し、EIT社製のUV POWER PUCK IIのUV−A領域で、ピーク照度200mW/cm
2にて、1パス当りの照射エネルギーが1000mJ/cm
2となるようランプ出力、ランプ高さ、及びコンベア速度を調整し、1パス(合計1000mJ/cm
2)または2パス(合計2000mJ/cm
2)で照射し硬化反応をさせ、積層体を得た。
【0134】
<評価>
[Taber磨耗性試験]
積層体表面を、テーバー磨耗試験にて、ASTM D1044に準拠した方法(磨耗輪:CS−10F、荷重:500g、回転数:100)にて擦り、初期状態とのくもり価の差、すなわち、ヘイズ値変化ΔH(%)を測定する。差が小さいほど、耐磨耗性が高いことを示し、ΔHaze≦15.0を合格値とした。
【0135】
[ヘイズ(くもり)値]
ヘイズメーターを使用して試験片の光線透過率を測定し、次式によって算出する(単位は%)。
【0136】
【数1】
【0137】
[耐沸騰水試験]
・耐ブリード性
恒温水槽(トーマス科学製T−104NA)にて、100℃で温水を調整し、得られた積層体を3時間浸漬し取り出した後、上記の各試料を室温に戻し、積層体表層の変化を目視で確認した。なお、IPA等の有機溶剤で拭きとれないものは、塗膜自体の白化とした。
◎:白濁は生じていなかった。
○:白濁がわずかに生じていた。
×:白濁がはっきりと生じていた
【0138】
・密着性
恒温水槽(トーマス科学製T−104NA)にて、100℃で温水を調整し、得られた積層体を3時間浸漬し取り出した後、上記の各試料を室温に戻し、試験後の積層体の中央部付近にセロハンテープを貼り付け、すばやく引き剥がして、下記の基準によりポリカーボネート板への密着性を評価した。
○:剥離が生じなかった
×:剥離が生じた
【0139】
[SUV促進耐候性試験]
岩崎電気製の超促進耐候試験機スーパーUVテスター(SUV)を使用して、4時間照射(照射強度90mW、ブラックパネル温度63℃湿度70%)と4時間暗黒(ブラックパネル温度63℃湿度90%)と4時間結露(ブラックパネル温度30℃湿度95%)の12時間を1サイクルとし、100h毎に評価を実施した。
【0140】
(白化)
ヘイズメーターを使用して試験片の光線透過率を測定し、数式1に従って、Haze値の変化、すなわちΔHazeを測定した。
○:ΔHaze < 5.0
×:ΔHaze ≧ 5.0
【0141】
(黄変)
色差計を使用して試験片の色調を測定し、イエローインデックス:YI値の変化、すなわちΔYIを測定した。
○:ΔYI < 5.0
×:ΔYI ≧ 5.0
【0142】
(クラック)
○:表面にクラックが発生していないもの
×:表面にクラックが発生しているもの
【0143】
(密着)
積層体において、試験時に端部より自然に剥離が発生した時間を確認することで、下記の基準によりポリカーボネート板への密着性を評価した。
○:剥離が確認されなかった
×:剥離が確認された
【0144】
【表1】
【0145】
【表2】
【0146】
【表3】
【0147】
【表4】
【0148】
【表5】
【0149】
Ruva93:大塚化学株式会社製:メタクリロイル基含有ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤
Silica−1:PGM−ST(日産化学工業株式会社製)未修飾シリカ(分散粒子径50nm)
Silica−2:MIBK−SD(日産化学工業株式会社製)メタクリロイル修飾シリカ(分散粒子径50nm)
【0150】
<比較例1〜8>比較組成物1〜8の調製
実施例1において、配合を表2−1〜2−2に記載の配合率に変更した以外は同様にして、比較組成物1〜8及び、積層体1〜8を得て、評価を行った。
【0151】
【表6】
【0152】
【表7】