(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6875386
(24)【登録日】2021年4月26日
(45)【発行日】2021年5月26日
(54)【発明の名称】CVD装置
(51)【国際特許分類】
C23C 16/46 20060101AFI20210517BHJP
【FI】
C23C16/46
【請求項の数】20
【全頁数】15
(21)【出願番号】特願2018-516838(P2018-516838)
(86)(22)【出願日】2016年9月29日
(65)【公表番号】特表2018-531323(P2018-531323A)
(43)【公表日】2018年10月25日
(86)【国際出願番号】US2016054507
(87)【国際公開番号】WO2017059114
(87)【国際公開日】20170406
【審査請求日】2019年9月25日
(31)【優先権主張番号】62/235,826
(32)【優先日】2015年10月1日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】518112516
【氏名又は名称】グローバルウェーハズ カンパニー リミテッド
【氏名又は名称原語表記】GlobalWafers Co.,Ltd.
(74)【代理人】
【識別番号】100101454
【弁理士】
【氏名又は名称】山田 卓二
(74)【代理人】
【識別番号】100112911
【弁理士】
【氏名又は名称】中野 晴夫
(72)【発明者】
【氏名】ワン・ガン
(72)【発明者】
【氏名】ショーン・ジョージ・トーマス
【審査官】
神▲崎▼ 賢一
(56)【参考文献】
【文献】
特表2005−508097(JP,A)
【文献】
特開平10−060624(JP,A)
【文献】
特開平06−132231(JP,A)
【文献】
特表2016−535430(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C23C 16/46
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
サセプタと、
その中に前記サセプタを受け取るための開口を形成するように構成された予熱リングと、を含み、
前記サセプタは、前記予熱リングから離れており、前記サセプタと前記予熱リングとの間に実質的に円形の隙間を形成し、
前記予熱リングは、
第1部分と、
前記第1部分に選択的に連結された第2部分と、を含み、
前記第1部分および前記第2部分のそれぞれは、互いに独立に移動可能であり、前記隙間のサイズを制御し、
前記サセプタは、第1厚さを有し、前記予熱リングは、前記第1厚さより小さい第2厚さを有する、
化学気相堆積システム。
【請求項2】
前記隙間のサイズは、1.0mm〜10.0mmの範囲内である、請求項1に記載の化学気相堆積システム。
【請求項3】
サセプタと、
その中に前記サセプタを受け取るための開口を形成するように構成された予熱リングと、を含み、
前記サセプタは、前記予熱リングから離れており、前記サセプタと前記予熱リングとの間に実質的に円形の隙間を形成し、
前記予熱リングは、
第1部分と、
前記第1部分に選択的に連結された第2部分と、を含み、
前記第1部分および前記第2部分のそれぞれは、互いに独立に移動可能であり、前記隙間のサイズを制御し、
前記サセプタと前記第1部分との間の隙間は、第1距離であり、前記サセプタと前記第2部分との間の隙間は、前記第1距離とは異なる第2距離である、
化学気相堆積システム。
【請求項4】
前記サセプタは、第1厚さを有し、前記予熱リングは、前記第1厚さと実質的に同様な第2厚さを有する、請求項3に記載の化学気相堆積システム。
【請求項5】
前記サセプタは、第1表面を含み、前記予熱リングは、前記第1表面と実質的に同一平面上にある第2表面を含む、請求項3に記載の化学気相堆積システム。
【請求項6】
サセプタと、
その中に前記サセプタを受け取るための開口を形成するように構成された予熱リングと、を含み、
前記サセプタは、前記予熱リングから離れており、前記サセプタと前記予熱リングとの間に実質的に円形の隙間を形成し、
前記予熱リングは、
第1部分と、
前記第1部分に選択的に連結された第2部分と、を含み、
前記第1部分および前記第2部分のそれぞれは、互いに独立に移動可能であり、前記隙間のサイズを制御し、
前記サセプタは、第1表面を含み、前記予熱リングは、前記第1表面からオフセットした第2表面を含む、
化学気相堆積システム。
【請求項7】
サセプタと、
その中に前記サセプタを受け取るための開口を形成するように構成された予熱リングと、を含み、
前記サセプタは、前記予熱リングから離れており、前記サセプタと前記予熱リングとの間に実質的に円形の隙間を形成し、
前記予熱リングは、
第1部分と、
前記第1部分に選択的に連結された第2部分と、を含み、
前記第1部分および前記第2部分のそれぞれは、互いに独立に移動可能であり、前記隙間のサイズを制御し、
前記予熱リングは、内側表面を含み、前記内側表面は、その中に形成された溝を含む、
化学気相堆積システム。
【請求項8】
前記溝は、前記予熱リングの中に10.0mm〜40.0mmの範囲内の距離だけ延びた、請求項7に記載の化学気相堆積システム。
【請求項9】
前記サセプタは、前記内側表面において、前記サセプタの厚さの2分の1〜3分の1である第1厚さを有する、請求項8に記載の化学気相堆積システム。
【請求項10】
サセプタと、
その中に前記サセプタを受け取るための開口を形成するように構成された予熱リングと、を含み、
前記サセプタは、前記予熱リングから離れており、前記サセプタと前記予熱リングとの間に実質的に円形の隙間を形成し、
前記予熱リングは、
第1部分と、
前記第1部分に選択的に連結された第2部分と、を含み、
前記第1部分および前記第2部分のそれぞれは、互いに独立に移動可能であり、前記隙間のサイズを制御し、
前記予熱リングは、内側表面と、前記内側表面に近接して配置されたリブを含む底面と、を含む、
化学気相堆積システム。
【請求項11】
前記リブは、0.5mm〜5.0mmの範囲内の厚さを有する、請求項10に記載の化学気相堆積システム。
【請求項12】
サセプタと、
その中に前記サセプタを受け取るための開口を形成するように構成された予熱リングと、
前記予熱リングに連結され、複数の柱を含むリング支持部と、を含み、
前記サセプタは、前記予熱リングから離れており、前記サセプタと前記予熱リングとの間に実質的に円形の隙間を形成し、
前記予熱リングは、
第1部分と、
前記第1部分に選択的に連結された第2部分と、を含み、
前記第1部分および前記第2部分のそれぞれは、互いに独立に移動可能であり、前記隙間のサイズを制御し、
前記予熱リングは、各柱を受け入れるように構成された複数の溝を含む、請求項1に記載の化学気相堆積システム。
【請求項13】
前記溝は、10.0mm〜30.0mmの範囲内の長さを含む、請求項12に記載の化学気相堆積システム。
【請求項14】
前記溝は、10.0mm〜30.0mmの範囲内の距離だけ内側リング側面から離れている、請求項12に記載の化学気相堆積システム。
【請求項15】
前記柱は、前記溝に沿って滑るように構成され、前記予熱リングの前記第1部分および前記第2部分を独立に移動させて前記隙間のサイズを調整することを容易にする、請求項12に記載の化学気相堆積システム。
【請求項16】
化学気相堆積システムにおいて使用するための予熱リングであって、
第1部分と、
前記第1部分に選択的に連結された第2部分と、を含み、
前記第1部分および前記第2部分は、結合してその中にサセプタを受け入れるように構成された開口を形成し、
前記第1部分および前記第2部分のそれぞれは、互いに独立に移動可能であり、
前記第1部分および前記第2部分は、リング支持部に嵌まるように構成された少なくとも1つの溝を含み、
前記少なくとも1つの溝は、前記予熱リングの底面の中に形成された、
予熱リング。
【請求項17】
化学気相堆積システムにおいて使用するための予熱リングであって、
少なくとも1つの第1接合面を有する第1内側面を含む第1部分と、
前記第1部分に選択的に連結された第2部分と、を含み、
前記第1部分および前記第2部分は、結合してその中にサセプタを受け入れるように構成された開口を形成し、
前記第1部分および前記第2部分のそれぞれは、互いに独立に移動可能であり、
前記第2部分は、少なくとも1つの第2接合面を有する第2内側面を含み、
前記第1内側面および前記第2内側面は、前記少なくとも1つの第2接合面が前記第1接合面に選択的に連結されて前記第1内側面と前記第2内側面との間に接合部を形成するように選択的に連結され、
前記第1内側面および前記第2内側面は、前記サセプタの少なくとも一部を受け入れるように構成された切欠きをそれぞれ含み、
前記第1接合面は、前記第1部分の前記切欠きと端部との間に延び、前記第2接合面は、前記第2部分の前記切欠きと端部との間に延びている、予熱リング。
【請求項18】
前記第1接合面および前記第2接合面は、少なくとも部分的に重なっている、請求項17に記載の予熱リング。
【請求項19】
前記第1接合面および前記第2接合面のうちの1つは、溝を含み、他の接合面は、前記溝に嵌まるように構成された突起を含む、請求項17に記載の予熱リング。
【請求項20】
化学気相堆積システムにおいて使用するための予熱リングであって、
少なくとも1つの第1接合面を有する第1内側面を含む第1部分と、
前記第1部分に選択的に連結された第2部分と、を含み、
前記第1部分および前記第2部分は、結合してその中にサセプタを受け入れるように構成された開口を形成し、
前記第1部分および前記第2部分のそれぞれは、互いに独立に移動可能であり、
前記第2部分は、少なくとも1つの第2接合面を有する第2内側面を含み、
前記第1内側面および前記第2内側面は、前記少なくとも1つの第2接合面が前記第1接合面に選択的に連結されて前記第1内側面と前記第2内側面との間に接合部を形成するように選択的に連結され、
各接合面は、前記第1内側面および前記第2内側面の各内側面から延びて重なるフランジを含む、予熱リング。
【発明の詳細な説明】
【0001】
この出願は、2015年8月1日に出願された米国仮出願第62/235,826の優先権を主張し、その開示全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【技術分野】
【0002】
本開示の分野は、一般的に、ウエハ加工用の装置および方法に関し、特に、ウエハのエッジの温度を調整してスリップを低減または排除するための装置および方法に関する。
【背景技術】
【0003】
シングルウエハ熱加工チャンバ内では、半導体ウエハは、サセプタによって支持される。ウエハのエッジは、サセプタとウエハとの間の遷移(transition)領域を含む。ウエハおよびサセプタの縁の放射率は、特にウエハ上に1つ以上の膜が存在する場合に、互いに異なり得る。放射率の差は、ウエハのエッジとサセプタの縁との間に実質的な温度勾配を誘発し得る。その結果、スリップ線などの結晶欠陥がウエハのエッジに形成される。さらに、温度勾配は、熱処理のタイプによっては、堆積厚さ、化学濃度、またはエッチング速度の不均一性を引き起こす可能性がある。
【0004】
ウエハ全体にわたって均一な膜材料特性を得るためには、エッジの影響を十分に制御する必要がある。実際には、加熱要素の配置および下部チャンバのパージガスの流れなど、エッジの熱的および化学的な環境を調整するために使用されるいくつかのパラメータがある。しかしながら、特定のパラメータは、エッジの影響を制御するのに役立ち得るが、ウエハ上の他の場所で望ましくない影響を及ぼすことがある。
【0005】
サセプタと予熱リングとの間の隙間は、ガス流およびリングとサセプタとの間の熱的結合の両方に影響を及ぼす重要なパラメータである。少なくともいくつかの既知のシステムでは、サセプタとリングとの間の隙間(リングギャップ(ring gap)として知られている)は固定され、したがって調整することができない。
【0006】
したがって、サセプタの周りの複数の位置におけるリングの隙間のサイズを制御することができ、サセプタと予熱リングとの間の熱勾配の調整が可能な予熱リングについての必要性は存在する。
【0007】
この背景技術のセクションは、以下に記載および/または請求される本開示の様々な態様に関連し得る技術の様々な態様を読者に紹介することを意図するものである。この議論は、本開示の様々な態様のより良好な理解を容易にするための背景情報を読者に提供するのに役立つと考えられる。したがって、これらの記述は、この観点から読まれるべきであり、従来技術の承認として読まれるべきではないことが理解されなければならない。
【発明の概要】
【0008】
一態様では、化学気相堆積システムは、サセプタと、サセプタを受け取るための開口を形成するように構成された予熱リングと、を含む。サセプタは、予熱リングから離れており、サセプタと予熱リングとの間に実質的に円形の隙間を形成する。予熱リングは、第1部分と、第1部分に選択的に連結された第2部分とを含む。第1部分と第2部分のそれぞれは、互いに独立に移動可能であり、隙間のサイズを制御する。
【0009】
他の態様では、化学気相堆積システムにおいて使用するための予熱リングは、第1部分と、第1部分に選択的に連結された第2部分とを含み、第1部分および第2部分は、結合してその中にサセプタを受け入れるように構成された開口を形成する。第1部分および第2部分のそれぞれは、互いに独立に移動可能である。
【0010】
本開示の上記の態様に関連して言及された特徴の様々な改良が存在する。本開示の上記の態様に更なる特徴を同様に組み込むこともできる。これらの改良および追加的な特徴は、個別にまたは任意の組み合わせで存在することができる。例えば、例示された本開示の実施形態のいずれかに関して以下に論じられる様々な特徴は、単独で、または任意の組み合わせで、本開示の上記の態様のいずれかに組み込まれてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】本開示の一実施形態の予熱リングを含む化学気相堆積システムの断面である。
【
図2】
図1の化学気相堆積システムの斜視図である。
【
図3】図示のために特定の部品が取り除かれた、
図1の化学気相堆積システムの上面図である。
【
図4】
図3においてエリア4によって示された例示的な予熱リングの断面図である。
【
図5】
図3においてエリア5によって示された予熱リングの他の実施形態の断面図である。
【
図7】図示のために特定の部品が取り除かれた、予熱リングおよびサセプタの第2形態の拡大図である。
【
図8】図示のために特定の部品が取り除かれた、予熱リングおよびサセプタの第3形態の拡大図である。
【
図9】図示のために特定の部品が取り除かれた、予熱リングおよびサセプタの第4形態の拡大図である。
【
図10】図示のために特定の部品が取り除かれた、予熱リングおよびサセプタの第5形態の拡大図である。
【0012】
相当する参照符号は、図を通して相当する部分を示す。
【発明を実施するための形態】
【0013】
図1は、化学気相堆積(CVD)システム100の断面であり、
図2は、化学気相堆積システム100の斜視図である。図示されたシステム100は、枚葉式システムであるが、ウエハのエッジの温度を調整してスリップを低減させるために本明細書で開示されたシステムおよび方法は、例えば複数基板システムを含む他のシステムデザインにおいて使用するのに適したものである。
【0014】
CVDシステム100は、基板104(例えば、シリコン半導体ウエハまたはシリコン・オン・インシュレータ(SOI)半導体ウエハ)の上に薄膜を堆積させおよび/または成長させるための反応チャンバまたは加工チャンバ102と、加工チャンバ102の一端に配置されたガス噴射口106と、加工チャンバ102の反対側の端部に配置されたガス排出口108と、を含む。ガス噴射口106と加工チャンバ102との間に配置されたガスマニホールド140が使用されて、ガス噴射口106を介して、上窓112と下窓114とによって囲まれた加工チャンバ102内に流入ガス110を導く。
【0015】
動作中、流入する加工ガス110は、ガスマニホールド140を通って流れ、ガス入口103を通って反応チャンバ102内に流入する。次に、ガス110は、基板表面116を超えて流れ、基板表面116またはその上に配置された前駆体と反応し、基板表面116上に膜を堆積させる。次に、ガス110は、反応チャンバ102からガス排出口108を通って流出する。
【0016】
その上に膜が堆積される基板104は、反応チャンバ102内のサセプタ120によって支持される。サセプタ120は、シャフト122と、サセプタ120と、基板104と、をCVDシステム100の垂直軸Xの周りで回転させるための回転機構(図示せず)のモータ(図示せず)に接続されたシャフト122に接続されている。サセプタ120の外側エッジ124と、基板104に接触する前に流入ガス110を加熱するための予熱リング126の内側エッジは、実質的に円形の隙間125によって分離され、サセプタ120の回転を可能にする。隙間125は、約1.0mm〜10.0mmの範囲内の隙間サイズを含む。基板104は、回転されて、ウエハの前縁に過剰の材料が堆積されるのを防止し、より均一なエピタキシャル層を提供する。また、以下で更に詳細に説明するように、システム100は、予熱リング126を支持するとともに、予熱リング126の一部をZ軸に沿って移動させることを容易にする、予熱リング支持部127を含む。
【0017】
流入ガス110は、基板104に接触する前に加熱されてもよい。予熱リング126とサセプタ120の両方は、一般的に、不透明であり、反応チャンバ102の上方と下方とに配置される高輝度の放射加熱ランプ128によって生成される放射加熱光を吸収する。例えば抵抗ヒータや誘導ヒータなどの高輝度ランプ128以外の装置を用いて、反応チャンバ102に熱を提供してもよい。予熱リング126およびサセプタ120を周囲よりも高い温度に維持することにより、予熱リング126およびサセプタ120は、ガス110が予熱リング126およびサセプタ120を通過する際に、流入ガス110に熱を伝達することができる。基板104の直径は、サセプタ120が、基板104に接触する前に流入ガス110を加熱することができるように、サセプタ120の直径より小さくてもよい。予熱リング126およびサセプタ120は、炭化シリコンでコーティングされた不透明グラファイトで構成されてもよい。
【0018】
上窓112および下窓114は、石英などの透明材料でできた透明材料からなる略環状のボディをそれぞれ含み、放射加熱光は、反応チャンバ102内並びに予熱リング126、サセプタ120、およびウエハ104上を通過することができる。窓112、114は、平面的であってもよい。あるいは、
図1に示すように、窓112、114は、略ドーム形状の構造を有してもよい。他の実施形態では、一方または両方の窓112、114は、内向きにくぼんだ構造を有してもよい。上窓112および下窓114は、それぞれ、加工チャンバ102の上側チャンバ壁130および下側チャンバ壁132に連結されている。
【0019】
上側チャンバ壁130および下側チャンバ壁132は、加工チャンバ102の外周を形成し、かつ、ガス噴射口106およびガス排出口108に隣接する。
【0020】
CVDシステム100は、ガス110とチャンバ壁130、132との間の反応を防止するために、加工チャンバ内に配置された上部ライナ134と下部ライナ136とを含んでもよい。ライナ134、136は、石英などの適切な非反応性の材料から製造されてもよい。
【0021】
図3は、図示のために特定の部品が取り除かれた、化学気相堆積システム100の上面図である。一実施形態では、予熱リング126は、第1側面150と、第1側面150の反対側の第2側面152と、第1端部154と、第1端部154の反対側の第2端部156とを含む。
図3に示された予熱リング126は、実質的に長方形であるが、他の実施形態では、予熱リング126は、本明細書に記載されたようなCVDシステム100の動作を容易にする任意の形状、例えば、これに限定されないが、円形である。
【0022】
さらに、予熱リング126は、端部154と156との間に第1側面150から延びた第1部分158と、端部154と156との間に第2側面152から延びた第2部分160と、を含む。第1部分158および第2部分160は、互いに選択的に連結され、それにより、第1部分158および第2部分160は、結合してその中にサセプタ120を受け入れるように構成された開口162を形成する。更なる詳細について後述するように、第1部分158および第2部分160は、それぞれ、互いに独立に移動可能である。
【0023】
図示された実施形態では、第1部分158は、第1部分158の第1側面150の反対側の第1内側面164を含む。第1内側面164は、切欠部166と、切欠部166の両側の第1接合面168とを含む。具体的には、切欠部166は、半円形の形状であり、その中にサセプタ120の少なくとも一部を受け入れるように構成されている。さらに、第1接合面168のそれぞれは、第1端部154と第2端部156のそれぞれ1つから切欠部166まで延び、これにより、切欠部166は、実質的に第1端部154と第2端部156との間の中心に置かれる。
【0024】
同様に、第2部分160は、第2部分160の第2側面152の反対側にあり、かつ、第1内側面164に対向する第2内側面170を含む。第2内側面170は、切欠部172と、切欠部172の両側の第2接合面174とを含む。具体的には、切欠部172は、半円形の形状であり、その中にサセプタ120の少なくとも一部を受け入れるように構成されている。さらに、第2接合面174のそれぞれは、第1端部154と第2端部156のそれぞれ1つから切欠部172まで延び、これにより、切欠部172は、実質的に第1端部154と第2端部156との間の中心に置かれる。切欠部166および172は、結合して、サセプタ120のための開口162を形成する。
【0025】
例示した実施形態では、第1接合面168および第2接合面174は、選択に連結されて、第1部分158と第2部分160との間に接合部176を形成する。
【0026】
図3に示すように、隙間125は、サセプタ120と、予熱リング126の第1部分158および第2部分160と、の間に形成された、実質的に連続的な円形の隙間である。より具体的には、隙間125は、サセプタ120と第1部分158の切欠部166との間に形成された第1隙間121と、サセプタ120と第2部分160の切欠部172との間に形成された第2隙間123とを含む。
【0027】
図4は、
図3においてエリア4によって示された予熱リング126の接合部176断面図である。予熱リング126は、表面178と、反対側の底面180とを含む。例示した実施形態では、第1接合面168および第2接合面174は、少なくとも部分的に重なり、接合部176は、(
図1に示された)チャンバ102と共に、予熱リング126の上と下のエリア間にシールを形成する。
図4は、予熱リング126の一実施形態を示している。ここでは、第2部分160の第2接合面174は、その中で表面178と底面180との間に形成された溝182を含む。さらに、第1部分158の第1接合面168は、そこから延びる突起184を含む。突起184は、溝182に嵌まるように構成され、第1部分158を第2部分160に選択的に連結して接合部176を形成することを容易にする。
【0028】
例示した実施形態では、溝182および突起184は、実質的に表面178と裏面180との中間に形成される。他の実施形態では、溝182および突起184は、本明細書に記載されたような予熱リング126の動作を容易にする、表面178と裏面180との間の任意の位置に形成される。
図4には、第1部分158が突起184を含み、第2部分160が溝182を含むものとして示されているが、第1部分158が溝182を含み、第2部分160が突起184を含んでもよい。
【0029】
図5は、
図3においてエリア5によって示された予熱リング126の他の実施形態の断面図である。
図4と
図5との間の同様の構成要素には同様の番号が付されている。
図5は、予熱リング126の一実施形態を示している。ここでは、第1部分158の第1接合面168は、底面180から第2部分160に向かって延びるフランジ186を含む。さらに、第2部分160の第2接合面174は、表面178から第1部分158に向かって延びるフランジ188を含む。フランジ186および188は、重なり合う構成で互いに嵌合するように構成され、第1部分158を第2部分160に選択的に連結して接合部176を形成することを容易にする。
図5には、第1部分158が底面フランジ186を含み、第2部分160が表面フランジ188を含むものとして示されているが、第1部分158が表面フランジ188を含み、第2部分160が底面フランジ186を含んでもよい。
【0030】
図6は、予熱リング126の底面図である。例示した実施形態では、第1部分158と第2部分160のそれぞれは、その中に形成された複数の溝190を含む。各溝190は、リング支持部127の柱192(
図1)に嵌まるように構成されている。より具体的には、第1部分158と第2部分160のそれぞれは、3つの平行な溝190を含み、リング支持部127は、各溝190に嵌まるようにそれぞれ構成された6つの柱192を含む。各溝190は、約10.0ミリメートル(mm)から30.0mmの範囲内の長さL1と、約1.0mm〜5.0mmの範囲内の幅W1とを含む。他の実施形態では、各溝190は、本明細書に記載されたようなCVDシステム100の動作を容易にする任意の長さL1と幅W1とを含む。さらに、各溝190は、それぞれの内側面164および170から、約10.0mm〜30.0mmの最小距離D1だけ離れている。
【0031】
動作中、リング支持部127は、Z軸(
図1)に沿って移動し、それにより、リング支持部127の柱192は、予熱リング126の溝190に沿って滑り、第1部分158および第2部分160を独立に移動させて、サセプタ120と予熱リング126との間に形成された隙間125のサイズを制御することを容易にする。より具体的には、予熱リング126の第1部分158は、リング支持部127を使用して第2部分160から独立に移動し、第1部分158とサセプタ120との間の第1隙間121を調整することができる。同様に、予熱リング126の第2部分160は、リング支持部127を使用して第1部分158から独立に移動し、第2部分160とサセプタ120との間の第2隙間123を調整することができる。
【0032】
例示した実施形態では、リング支持部127は、チャンバ102の中のメンテナンス開口(図示せず)を経由して手動で調節され、これにより、チャンバ102は、動作の間閉じたままであることができる。他の実施形態では、駆動機構(図示せず)が機械的に操作可能で有り、第1部分158と第2部分160とを独立に移動させる。このように、隙間121および123は、システム100のハードウェアの所与のセットについて、独立に調整できる。
【0033】
したがって、サセプタ120と第1部分158との間、および、サセプタ120と第2部分160との間の、サセプタ120のそれぞれの側面上の第1隙間121および第2隙間123は、サセプタ120の再度の中心配置をする必要なしに、独立に調整でき、複雑なメンテナンスを少なくすることができる。サセプタ120と第1部分158との間の第1隙間121が変化した場合、接合部176に近接した隙間125のサイズは大きく変化せず、サセプタ120と第2部分160との間の第2隙間123は変化しない。この逆も同様である。
【0034】
サセプタ120と第1部分158との間の第1隙間121は、第1距離であり、サセプタ120と第2部分160との間の第2隙間123は、第1距離とは異なる第2距離であってもよい。このように、予熱リング126とリング支持部127とは、互いに衝突することなく、サセプタ120の両側の熱的および化学的な環境において独立した制御を提供する。これにより、改善された加工調整性能が提供される。また、予熱リング126は、リングの側面でリングの質量を変化させる柔軟性を有するので、ある程度局所的に温度を調整することができる。
【0035】
図7は、予熱リング326およびサセプタ120の第1形態300の拡大図であり、それらの間に形成された隙間325を示している。第1形態300では、隙間325は、約1.0mm〜10.0mmの範囲内の距離D2を含む。
図7は、ランプ128(
図1)によって第1形態300に加えられる熱を、矢印302によって示している。また、サセプタ120によって放出される放射熱が矢印304で、予熱リング326によって放出される放射熱が矢印306で示されている。
【0036】
第1形態300では、サセプタ120は、予熱リング326の厚さT1に実質的に等しい厚さT1を含む。さらに、予熱リング326の表面
378は、サセプタ120の表面129と実質的に同一平面上にある。第1形態300では、隙間325は、サセプタ120の形態係数を増加させるために比較的大きく、その結果、SOIウエハのエッジとサセプタの縁との間の温度勾配を減少させ、ウエハのスリップを減少させる。
【0037】
図8は、予熱リング426およびサセプタ120の第2形態400の拡大図であり、それらの間に形成された隙間425を示している。第2形態400では、隙間425は、第1形態300における距離D2より小さい距離を含む。
図8は、ランプ128(
図1)によって第2形態400に加えられる熱を、矢印402によって示している。また、サセプタ120によって放出される放射熱が矢印404で、予熱リング426によって放出される放射熱が矢印406で示されている。
【0038】
第2形態400では、サセプタ120は、予熱リング426の厚さT3より大きい厚さT1を含む。より具体的には、サセプタ120は、予熱リング426の厚さT3の2〜3倍より大きい厚さT1を含む。第2形態400では、隙間425は比較的小さいが、予熱リング426の厚さT3の減少に起因して、サセプタ120の放熱は増加する。
【0039】
図9は、予熱リング526およびサセプタ120の第3形態500の拡大図であり、それらの間に形成された隙間525を示している。第3形態500では、隙間525は、第1形態300における距離D2より小さい距離を含む。
図9は、ランプ128(
図1)によって第3形態500に加えられる熱を、矢印502によって示している。また、サセプタ120によって放出される放射熱が矢印504で、予熱リング526によって放出される放射熱が矢印506で示されている。
【0040】
第3形態500では、サセプタ120は、予熱リング526の第1厚さT1に実質的に等しい厚さT1を含む。予熱リング526は、底面580に近接した内側切欠き512の中に形成された溝508を含む。より具体的には、溝508は、内側切欠き512の中に形成され、予熱リング526内に約10.0mm〜40.0mmの範囲内の長さL2だけ延びる。このように、予熱リング526は、溝508と整列した厚さT4を含み、T4は、サセプタ120の厚さT1の約2分の1〜3分の1の範囲内である。第3形態500では、サセプタ120に近接した予熱リング526の厚さT4の減少に起因して、サセプタ120の放熱は増加するが、予熱リングの機械的な強度は維持される。
【0041】
図10は、予熱リング626およびサセプタ120の第4形態600の拡大図であり、それらの間に形成された隙間625を示している。第4形態600では、隙間625は、第1形態300における距離D2より小さい距離を含む。
図10は、ランプ128(
図1)によって第4形態600に加えられる熱を、矢印602によって示している。また、サセプタ120によって放出される放射熱が矢印604で、予熱リング626によって放出される放射熱が矢印606で示されている。第4形態に示された予熱リング626は、第3形態500の予熱リングと実質的に同一であるが、第1形態300および第2形態400のいずれかの予熱リング626が使用されてもよい。
【0042】
第4形態600では、サセプタ120の表面は、予熱リング626の表面678から、約0.5mm〜3.0mmの範囲内の距離D3だけオフセット(offset)されている。このように、第4形態600では、表面129および678のオフセットに起因して、サセプタ120の放熱が増加する。
【0043】
本開示によれば、ウエハのエッジとサセプタの縁(エッジ)との間の熱勾配を制御して、サセプタによって支持されたウエハ上のスリップを低減することができる。サセプタと、サセプタに対向する側の予熱リングとの間の隙間のサイズは、前述のような2ピースの予熱リングおよびリング支持部の使用によって独立に調整されてもよい。具体的には、予熱リングは、リング支持部によって選択的に移動されてサセプタと予熱リングの各部分との間の隙間のサイズを独立して制御する、2つの独立制御可能な部分に分割されてもよい。したがって、サセプタと第1部分との間の隙間は、第1距離であり、サセプタと第2部分との間の隙間は、第1距離とは異なる第2距離であってもよい。それにより、予熱リングおよびリング支持部は、互いに衝突することなく、サセプタの両側の熱的および化学的な環境において独立した制御を提供する。本開示の実施形態は、改善された加工調整性能を提供する。
【0044】
さらに、予熱リングの異なる形態は、サセプタに近接した予熱リングの側部におけるリング質量を変化させて、温度を局所的に調整することができる。より具体的には、サセプタに向かってより少ない熱を放出するように、予熱リングの全体の厚さを減少させることができる。他の実施形態では、予熱リングは、予熱リングのサセプタに近い部分のみの厚さを減少させる溝を含んでもよい。更に他の実施形態では、サセプタおよび予熱リングの高さをオフセットして、予熱リングによってサセプタに向かって放出される熱量を低減させることができる。これらの例のそれぞれは、そのエッジでサセプタの温度を調整することを容易にし、シリコンウエハまたはシリコン・オン・インシュレータウエハ上のスリップを低減させる。
【0045】
本発明またはその実施形態の要素を紹介する場合に、「ある(a)」、「ある(an)」、「その(the)」、および「上記(said)」の冠詞は、1またはそれ以上の要素があることを意味することを意図する。「含む(comprising)」、「含む(including)」、「含む(containing)」および「有する(having)」の用語は、包括的であることを意図し、列挙された要素以外の追加の要素も存在し得ることを意味する。特定の方向(例えば、「上(top)」、「下(bottom)」、「側(side)」など)を示す用語の使用は、説明の便宜上のものであり、記載された項目の特定の向きを必要としない。
【0046】
本開示の範囲から逸脱することなく、上記の構成および方法において様々な変更を行うことができるから、上記の説明および添付の図面に含まれるすべての事項は、例示的なものであり限定的な意味ではないものとして解釈されることが意図されている。