(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6875417
(24)【登録日】2021年4月26日
(45)【発行日】2021年5月26日
(54)【発明の名称】真空チャック圧力制御システム
(51)【国際特許分類】
H01L 21/683 20060101AFI20210517BHJP
H01L 21/31 20060101ALI20210517BHJP
【FI】
H01L21/68 P
H01L21/31 C
【請求項の数】14
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2018-553081(P2018-553081)
(86)(22)【出願日】2017年3月9日
(65)【公表番号】特表2019-511131(P2019-511131A)
(43)【公表日】2019年4月18日
(86)【国際出願番号】US2017021564
(87)【国際公開番号】WO2017176419
(87)【国際公開日】20171012
【審査請求日】2018年12月10日
(31)【優先権主張番号】62/320,108
(32)【優先日】2016年4月8日
(33)【優先権主張国】US
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】390040660
【氏名又は名称】アプライド マテリアルズ インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】APPLIED MATERIALS,INCORPORATED
(74)【代理人】
【識別番号】110002077
【氏名又は名称】園田・小林特許業務法人
(72)【発明者】
【氏名】イウ, トンミン
(72)【発明者】
【氏名】ベジャット, メヘラン
【審査官】
湯川 洋介
(56)【参考文献】
【文献】
韓国公開特許第10−2010−0109009(KR,A)
【文献】
米国特許第06191035(US,B1)
【文献】
米国特許第07156951(US,B1)
【文献】
米国特許第05609720(US,A)
【文献】
特開2004−186555(JP,A)
【文献】
特開2002−313896(JP,A)
【文献】
特開平09−232415(JP,A)
【文献】
特開2001−237305(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 21/205
H01L 21/31
H01L 21/365
H01L 21/469
H01L 21/683
H01L 21/86
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板処理装置であって、
処理空間を画定する処理チャンバと、
前記処理空間内に配置され且つ内部に制御空間を画定する真空チャック支持体と、
前記真空チャック支持体から上流の流体流路上に配置される、前記真空チャック支持体の前記制御空間と流体連結する圧力コントローラと、
前記真空チャック支持体から下流の前記流体流路上に配置される、前記真空チャック支持体及び前記圧力コントローラと流体連結する流れ制限器と
を含み、
前記圧力コントローラは、基板をチャックするための圧力を前記制御空間内で維持又は生成するように、上流から流れる流体の流量を調節するように構成された可変流装置であり、
前記流れ制限器は、前記流体に対して一定の抵抗を提供しつつ前記流体を流す固定流装置である、
基板処理装置。
【請求項2】
前記流れ制限器と流体連結する真空ポンプ
を更に含む、請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記真空ポンプが、前記流れ制限器から下流の前記流体流路上に配置される、請求項2に記載の装置。
【請求項4】
前記圧力コントローラと前記真空チャック支持体との間の前記流体流路上に配置された一方向バルブを更に備える、請求項1に記載の装置。
【請求項5】
前記制御空間が、前記圧力コントローラと流体連結する、請求項1に記載の装置。
【請求項6】
前記制御空間が、前記流れ制限器と流体連結する、請求項1に記載の装置。
【請求項7】
基板処理装置であって、
内部に制御空間を画定する真空チャック支持体と、
前記真空チャック支持体から上流の流体流路上に配置される、前記制御空間と流体連結する圧力コントローラと、
前記真空チャック支持体から下流の前記流体流路上に配置される、前記制御空間及び前記圧力コントローラと流体連結する流れ制限器と
を含み、
前記圧力コントローラは、基板をチャックするための圧力を前記制御空間内で維持又は生成するように、上流から流れる流体の流量を調節するように構成された可変流装置であり、
前記流れ制限器は、前記流体に対して一定の抵抗を提供しつつ前記流体を流す固定流装置である、
基板処理装置。
【請求項8】
前記圧力コントローラと前記真空チャック支持体との間の前記流体流路上に配置された一方向バルブを更に備える、請求項7に記載の装置。
【請求項9】
前記圧力コントローラが圧力検出装置を有する、請求項7に記載の装置。
【請求項10】
前記圧力コントローラが流量検出装置を有する、請求項7に記載の装置。
【請求項11】
基板処理装置であって、
処理空間を画定する処理チャンバと、
前記処理空間内に配置された真空チャック支持体であって、真空チャック支持体が前記処理空間から分離した制御空間を有する、真空チャック支持体と、
前記真空チャック支持体から上流の流体流路上に配置される、前記真空チャック支持体の前記制御空間と流体連結する圧力コントローラと、
前記圧力コントローラから上流の前記流体流路上に配置された流体源と、
前記真空チャック支持体から下流の前記流体流路上に配置される、前記真空チャック支持体の前記制御空間及び前記圧力コントローラと流体連結する流れ制限器と、
前記流れ制限器から下流の前記流体流路上に配置されたポンプと
を含み、
前記圧力コントローラは、基板をチャックするための圧力を前記制御空間内で維持又は生成するように、前記流体源から流れる流体の流量を調節するように構成された可変流装置であり、
前記流れ制限器は、前記流体に対して一定の抵抗を提供しつつ前記流体を流す固定流装置である、
基板処理装置。
【請求項12】
前記流体源と前記ポンプが、前記圧力コントローラ、前記真空チャック支持体の前記制御空間、及び前記流れ制限器を介して流体連結する、請求項11に記載の装置。
【請求項13】
前記圧力コントローラが圧力検出装置を有する、請求項11に記載の装置。
【請求項14】
前記圧力コントローラが流量検出装置を有する、請求項11に記載の装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示の実施態様は、概して、真空チャック圧力制御システムに関する。より具体的には、本明細書に記載の実施態様は、制御システムの寿命を改善するように位置付けられた圧力コントローラを有する基板裏側圧力制御に関する。
【背景技術】
【0002】
半導体処理技術は、一般に、半導体ウエハなどの基板上にマイクロ電子デバイスを形成するために処理チャンバを用いる。基板は、典型的には、チャンバ内に配置された基板支持体上に位置付けられ、固定される。基板支持体は、基板がその上で処理されうる安定した処理プラットフォームを提供し、基板支持体はまた、チャンバ前処理及び後処理からの基板の進入及び退出を容易にするのに役立つことがある。
【0003】
半導体処理業界で一般的に使用されるいくつかの異なる種類の基板支持体がある。重力を利用する基板支持体がある一方で、基板を支持体に能動的に固定するものもある。能動基板支持体は、典型的には、基板支持体上の基板を固定するために、静電チャック又は真空チャックを用いる。例えば、真空チャックは、典型的には、基板を基板支持体に固定するために基板裏側圧力差を利用する。しかしながら、真空チャックの現在の裏側圧力制御方式は、処理された基板からの有害なガス放出物質への曝露による圧力コントローラ装置の耐用年数の望ましくない短縮を被る。
【0004】
したがって、当技術分野で必要とされるものは、真空チャック圧力制御のための改良されたシステム及び装置である。
【発明の概要】
【0005】
1つの実施態様では、基板処理装置が提供される。装置は、処理空間(process volume)を画定する処理チャンバを含み、真空チャック支持体は、処理空間内に配置されうる。圧力コントローラは、真空チャック
支持体と流体連結し、圧力コントローラは、真空チャック
支持体から上流の流体流路上に配置されうる。流れ制限器は、真空チャック
支持体及び圧力コントローラと流体連結し、流れ制限器は、真空チャック
支持体から下流の流体流路上に配置されうる。
【0006】
別の実施態様では、基板処理装置が提供される。装置は、その内部に制御空間(control volume)を画定する真空チャック支持体、及び制御空間と流体連結する圧力コントローラを含む。圧力コントローラは、真空チャック
支持体から上流の流体流路上に配置されうる。流れ制限器は、制御空間及び圧力コントローラと流体連結し、流れ制限器は、真空チャック
支持体から下流の流体流路上に配置されうる。
【0007】
更に別の実施態様では、基板処理装置が提供される。装置は、処理空間を画定する処理チャンバを含む。真空チャック支持体は、処理空間内に配置され、真空チャック
支持体は、処理空間から分離した制御空間を有しうる。圧力コントローラは、真空チャック
支持体の制御空間と流体連結し、圧力コントローラは、真空チャック
支持体から上流の流体流路上に配置されうる。流体源は、圧力コントローラから上流の流体流路上に配置され、流れ制限器は、真空チャック
支持体の制御空間及び圧力コントローラと流体連結しうる。流れ制限器は、真空チャック
支持体から下流の流体流路上に配置され、ポンプは、流れ制限器から下流の流体流路上に配置されうる。
【0008】
本開示の上述の特徴を詳しく理解できるように、上記で簡潔に要約された本開示のより詳細な説明が、実施態様を参照することによって得られ、実施態様の一部は添付図面に示されている。しかし、添付図面は例示的な実施態様を示しているにすぎないため、本開示の範囲を限定すると見なすべきではなく、その他の等しく有効な実施態様も許容されうることに留意されたい。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】本明細書に記載の実施態様による、圧力制御装置を伴う真空チャック
支持体を有する処理装置の概略図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0010】
理解を容易にするため、可能な場合には、図に共通する同一の要素を示すのに同一の参照番号を使用した。1つの実施態様の要素及び特徴は、更なる記述がなくとも、他の実施態様に有益に組み込まれることがあると想定される。
【0011】
本明細書に記載の実施態様は、真空チャック基板支持体に対する圧力制御に関する。1つの実施態様では、処理チャンバが処理空間を画定し、真空チャック支持体が処理空間内に配置される。圧力コントローラは、真空チャック
支持体から上流の流体流路上に配置され、流れ制限器は、真空チャック
支持体から下流の流体流路上に配置される。圧力コントローラ及び流れ制限器の各々は、真空チャック
支持体と流体連結する。真空チャック
支持体に対して上流の圧力コントローラの位置付けの結果として、圧力コントローラの有効寿命は長くなり得、圧力コントローラの洗浄と洗浄の間の時間間隔も同様に長くなりうる。
【0012】
更に、圧力コントローラは、真空チャック
支持体から上流にある結果として、基板からの有害なガス放出物質に曝露されないので、より経済的な流れ制限器が、真空チャック
支持体の下流に位置付けられうる。経済的な流れ制限器は、圧力コントローラが交換される場合よりも、より経済的な方法で、予防保守中に検査、洗浄、又は交換することができる。圧力コントローラはまた、上流位置における圧力感知及び流量感知を実施してもよく、基板の破損に関する又はポケットの位置ずれによるチャックフィードバックが改善可能となりうる。したがって、本明細書に記載の実施態様から様々な利点が理解されうる。
【0013】
図1は、圧力制御装置104を伴う真空チャック
支持体112を有する処理装置100の概略図を示す。処理装置100は、処理チャンバ102及び圧力制御装置104を含む。概して、処理装置100は、様々な処理動作のために、半導体基板などの基板を熱処理するように構成される。1つの実施態様では、処理装置100は、ソークアニール又はベークプロセスを実行するために機能しうる。処理装置100はまた、処理装置100の洗浄に適した装置を含みうる。処理装置100は、カリフォルニア州サンタクララのApplied Materials,Inc.から入手可能な、PRODUCER(登録商標)プラットフォームで実施されうるデュアルチャンバシステムでありうると考えられる。しかしながら、処理装置100はまた、有利には、他の製造業者からの適切に構成されたプラットフォーム上で実施されてもよいと考えられる。
【0014】
処理チャンバ102は、処理空間108を画定するチャンバ本体106を含む。真空チャック支持体112は、処理空間108内に配置され、その上で基板114を支持するように構成されうる。真空チャック支持体112は、圧力制御装置104と流体連結する、その内部に画定された制御空間113を含みうる。真空チャック支持体112上に基板114が存在しない場合、又は真空チャック支持体112上に基板114が配置されるが、基板114の裏側が、制御空間113を介して真空環境に曝露されていない場合に、制御空間113はまた、処理空間108と流体連結しうる。他の実施態様では、流路は、処理空間108から、真空チャック支持体112上に配置された基板114によって遮断されない制御空間113まで存在しうるため、基板114が支持体112上に配置されると、制御空間113が処理空間108と流体連結する。例えば、基板114の半径を越える支持体112の表面の開口は、そのような流体連結経路を提供しうる。
【0015】
図示されないが、真空チャック支持体112は、抵抗加熱器といった、基板114の加熱を促進する加熱装置を含みうる。動作において、基板114は、約850℃から約1100℃の間など、約700℃から約1200℃の間の処理温度まで加熱されうる。加熱プロセスは、ドーパント拡散、表面修復、材料除去などといった多数の動作に用いられうる。
【0016】
遠隔プラズマ源110は、処理空間108に流体結合され、ラジカル及び/又はイオンを処理空間108に供給するように構成されうる。複数の遠隔プラズマ源を含む遠隔プラズマ源110は、処理空間108から遠隔的にプラズマを発生させ、プラズマ生成物を処理空間108に供給し、処理チャンバ102の洗浄を促進するように構成されうる。洗浄プラズマを生成するための遠隔プラズマ源110によって用いられうる適切な前駆体は、とりわけ、希ガス、酸素、窒素、ヘリウム、アンモニア、フッ素含有材料、及び塩素含有材料を含む。前駆体は、プラズマを生成するために、単独で又は組み合わせて利用されうる。
【0017】
動作において、一又は複数の基板は、処理チャンバ102によって熱処理されうる。基板の熱処理及び処理空間108からの基板の除去後に、遠隔プラズマ源110によって洗浄プラズマが生成され、プラズマ生成物が処理空間108に供給されうる。プラズマ生成物は、処理空間108から排出される前に、処理チャンバ102及びその内部に配置された構成要素を洗浄するように機能しうる。したがって、処理空間108が洗浄され、追加の基板の熱処理が再開されうる。
【0018】
基板114の熱処理中に、基板114は、真空チャック支持体112の上に固定されうる。1つの実施態様では、基板114は、処理空間108と制御空間113との間の圧力差を生成し維持することによって、真空チャック支持体112の上に固定されうる。例えば、制御空間113の圧力は、処理空間108の圧力より小さくてもよい。1つの実施態様では、制御空間113の圧力は、処理空間108の圧力より約0.5%から約1.5%小さくてもよい。例えば、制御空間113の圧力が、約490torrから約450torrの間、例えば約470torrである一方で、処理空間108の圧力は、約480torrから約520torrの間、例えば約500torrでありうる。したがって、基板114の裏側(真空チャック支持体112の上に配置された基板の表面)は、基板114の前側に対する減圧環境に露出されてもよい。結果として、基板114は、熱処理中の基板114の移動を防止するために、真空チャック支持体の上に固定されうる。
【0019】
基板114を真空チャック支持体112に固定するために用いられる真空環境は、圧力制御装置104によって生成及び制御されうる。圧力制御装置104は、流体源116、圧力コントローラ120、流れ制限器122、及びポンプ126を含む。圧力制御装置104はまた、第1の導管128、第2の導管130、及び第3の導管132を含む。ある実施態様では、第3の導管132は、制御空間113と別個の導管であってもよく、又は第3の導管132は、制御空間113の延長であってもよい。所望の実施態様に関係なく、第3の導管132は、制御空間113並びに第1の導管128及び第2の導管130とそれぞれ流体連結する。第1のバルブ118及び第2のバルブ124といった一又は複数のバルブもまた、導管128、130、132のうちの一又は複数に配置されうる。
【0020】
ガス源などの流体源116は、制御空間113及び最終的にはポンプ126にガスを供給するように構成される。流体源116は、約30psiといった、約15psiから約45psiの間の圧力で、窒素などの不活性ガスを供給しうる。1つの実施態様では、流体源116からのガスは、順次、第1の導管128、圧力コントローラ120、第3の導管132、第2の導管130、及び流れ制限器122を通ってポンプ126まで移動しうる。別の実施態様では、流体源116からのガスは、順次、第1の導管128、圧力コントローラ120、第2の導管130、及び流れ制限器122を通ってポンプ126まで移動しうる。本実施態様では、流体源116からのガスは、第3の導管132を通って移動しなくてもよいが、制御空間113は、流体流路134と流体連結した状態を維持しうる。
【0021】
概して、流体流路134は、流体源116からのガスがそれに沿ってポンプ126に移動する経路として定義される。従って、「上流」及び「下流」という用語は、流体流路134の上に配置された様々な装置の相対位置を指す。
【0022】
1つの実施態様では、第1の導管128は、流体源116から第3の導管132又は制御空間113まで延びうる。第2の導管130は、第1の導管128からポンプ126まで延びうる。第3の導管132、又はある実施態様の制御空間113は、第1の導管128及び第2の導管130が合流する流体流路134の上に配置されうる。
【0023】
圧力コントローラ120は、流体源116と制御空間113との間の第1の導管128の上に配置されうる。第1のバルブ118は、流体源116と圧力コントローラ120との間の第1の導管128の上に配置されうる。圧力コントローラ120は、圧力検出装置136及び
流量検出装置138を含みうる。よって、圧力コントローラ120は、圧力コントローラ120を通るガスの流量を検出することによって、制御空間113の圧力を制御しうる。圧力コントローラ120によって検出された流量は、流体源116により供給されたガスの圧力、真空チャック支持体112の上に配置された基板114の存在及び/又は位置、流れ制限器122、及びポンプ126のうちの一又は複数によって影響を受けることがある。したがって、圧力コントローラ120は、一又は複数の入力から流量フィードバックを検出し、それに応じて流量を調節し、制御空間113内で所望の圧力を維持又は生成することがある。
【0024】
圧力コントローラ120は、流体源116から制御空間113へのガスの流れを制御するための、バルブなどの流量制御装置を含みうる。1つの実施態様では、圧力コントローラ120は、ガスの流れを可変的に制御するためのバルブを内部に含みうる。別の実施態様では、圧力コントローラ120は、流体源116からのガスの流れに影響を与えるために第1のバルブ118を制御しうる。概して、流れ制限器122は、制御空間113からのガス流に対してほぼ一定の抵抗を提供する固定流装置である。圧力コントローラの
流量検出装置138はまた、制御空間113からのガスの流量変化を検出することによって、基板114が真空チャック支持体112上でデチャック(チャック解除)される又は位置がずれているときを検出可能でありうる。したがって、圧力コントローラ120は、基板114のより有効なチャッキング及びデチャッキングを可能にするために、流量に関する有利なフィードバックを提供する。
【0025】
圧力コントローラ120はまた、圧力コントローラ120の有害なガス放出製品への露出を排除する制御空間113/第3の導管132に進入しうる任意の処理空間廃水の上流に配置される。基板114が真空チャック支持体112上に存在せず又は位置がずれており、ポンプ126が流体流路134に沿って処理空間108からポンプまでの流れに能動的に影響を与えているとき、処理空間廃水が制御空間113/第3の導管132に進入しうると考えられる。別の実施態様では、逆止バルブなどの一方向バルブ140が、圧力コントローラ120と制御空間113との間の第1の導管128上に配置されうる。より具体的には、一方向バルブ140は、圧力コントローラ120と第3の導管132との間の第1の導管128上に配置されうる。第1の導管128の上流の流体の流れを防止する一方向バルブ140の位置は、処理空間廃水が圧力コントローラ120に到達するのを更に防止するよう機能しうる。ある実施態様では、一方向バルブ140はオプションでありうる。
【0026】
ポンプ126が、流れ制限器122及び制御空間113から下流の第2の導管130の上に配置されるため、流れ制限器122は、制御空間113とポンプ126との間の第2の導管130上に配置されうる。第2のバルブ124は、流れ制限器122とポンプ126との間で流体流路134に沿って第2の導管130の上に配置されうる。第2のバルブ124は、圧力コントローラ120によって検出されうる流体流路134に沿って背圧を供給するように、流れ制限器122と組み合わせて動作しうる。圧力コントローラ120によって検出された流れの変化に応じて、圧力コントローラは、流体流路134に沿ったガス流を増加又は減少させることによって制御空間113の圧力を変更しうる。
【0027】
真空ポンプでありうるポンプ126は、制御空間113と流体連結する。更に、流体源116、圧力コントローラ120及び流れ制限器122の各々は、制御空間113及びポンプ126と流体連結する。ポンプ126はまた、処理空間108に流体結合されうる。ポンプ126は、処理空間108及び制御空間113内に真空を発生させるために用いられうる。しかしながら、基板114の真空チャック中に、圧力コントローラ120は、制御空間で維持される圧力に対してより大きな影響を及ぼしうる。
【0028】
制御空間113に対する圧力コントローラ120の位置は、流量感知を介した、制御空間113内及び流体流路134に沿った圧力変化の検出を可能にすることによって、基板チャック性能の向上を可能にする。圧力コントローラ120はまた、処理空間108からのガス放出の上流にあり、それによって有害な廃水への圧力の曝露を低減又は排除し、圧力コントローラ120の耐用年数を延ばす。流れ制限器122は、制御空間113から流体流路134上の下流にある結果として、有害なガス放出に曝露されるが、流れ制限器122は、一般に、より簡単にかつ経済的に交換される。更に、処理空間108及び制御空間113の両方で真空を発生させるためにポンプ126を用いることによって、真空チャックのための追加のポンプが必要とされなくなり、処理装置100のコストが削減される。
【0029】
上記は本開示の実施態様を対象としているが、本開示の基本的な範囲から逸脱することなく、本開示の他の実施態様及び更なる実施態様が考案されてもよく、本開示の範囲は、以下の特許請求の範囲によって決定される。