【実施例】
【0070】
[数平均分子量(Mn)及び分子量分布(Mw/Mn)]
東ソー株式会社製サイズ排除高速液体クロマトグラフィー装置「HLC−8320GPC」を用い、重合体の数平均分子量(Mn)及び分子量分布(Mw/Mn)を測定した。測定条件は以下の通りである。
カラム:東ソー株式会社製HFIP系カラム「GMHHR−H(S)」2本直列接続
標準試料:ポリメチルメタクリレート
溶媒及び移動相:トリフルオロ酢酸ナトリウム−HFIP溶液(濃度20mM)
流量:0.2mL/min
温度:40℃
試料溶液濃度:0.1質量%(開口径0.45μmフィルターでろ過)
注入量:10μL
検出器:RI
【0071】
[ビニルエステル系ブロック共重合体におけるアクリル酸エステル単量体単位の含有量(U)]
ビニルエステル系ブロック共重合体におけるアクリル酸エステル単量体単位の含有量(U)(モル%)は以下の方法で求めた。ビニルエステル系ブロック共重合体の
1H−NMR測定を行なった。酢酸ビニル単量体単位のメチンプロトン(−CH
2C
H(OCOCH
3)−)に由来するピークの積分値(4.8ppm)をT、アクリル酸メチル単量体単位の側鎖プロトン(−CH
2CH(COOC
H3)−)に由来するピークの積分値(3.6ppm)をSとして、下記式によりビニルエステル系ブロック共重合体におけるアクリル酸エステル単量体単位の含有量(U)(モル%)を算出した。
(U)(モル%)=(S/3)/(S/3+T)×100
【0072】
[ビニルアルコール系ブロック共重合体の数平均重合度DP
a及びビニルアルコール系重合体ブロック(B-b)の数平均重合度DP
b]
ビニルアルコール系ブロック共重合体中のビニルアルコール系重合体ブロック(B-b)の数平均重合度DP
bを以下のとおり求めた。
【0073】
ビニルアルコール系重合体ブロック(B-b)は、ビニルエステル系ブロック共重合体中のビニルエステル重合体ブロック(B-b1)がケン化されることにより形成される。重合体の数平均重合度DP
bはけん化前後で実質的に変化しないため、けん化前の重合体のGPC測定の結果から求めた数平均重合度を、ビニルアルコール系重合体ブロック(B-b)の数平均重合度DP
bとした。同様に、重合停止後、けん化前の重合体のGPC測定の結果から求めた数平均重合度を、ビニルアルコール系ブロック共重合体の数平均重合度DP
aとした。
【0074】
ここでビニルエステル重合体ブロック(B-b1)とは、アクリル酸エステルの非共存下でビニルエステルを重合して得られたブロック、および、重合初期または重合中にアクリル酸エステル共存下でビニルエステルを重合して、ビニルエステル単量体単位及びアクリル酸エステル単量体単位を含む共重合体ブロック(B-c1)を得た後に、アクリル酸エステルがビニルエステルよりも先に消費されて、反応液中のビニルエステルに対するアクリル酸エステルのモル比(アクリル酸エステル/ビニルエステル)が0.00001以下の状態でビニルエステル単量体を重合して得られたブロックを指す。
【0075】
「ビニルエステル重合体ブロック(B-b1)」と「ビニルエステル単量体単位及びアクリル酸エステル単量体単位を含む共重合体ブロック(B-c1)」の境界は以下のとおり決定した。重合中に適宜サンプリングを実施し、各サンプリング時点における重合体の数平均重合度(DP)及びアクリル酸エステル単量体の含有量(U)(モル%)をGPC及び
1H−NMRで測定し、モル比(アクリル酸エステル/ビニルエステル)が0.00001に達する時点を共重合理論式であるMayo−Lewis式と反応性比の値(r
VAc=0.01、r
MA=30)を用いたシミュレーションにより求めた。このとき、モル比(アクリル酸エステル/ビニルエステル)が0.00001に達した時点以降に形成されるビニルエステル重合体ブロックに含まれるアクリル酸エステル単量体単位の含有量は0.1モル%未満である。
【0076】
サンプリングした重合体の数平均重合度(DP)は、GPC及び
1H−NMRにより得られた当該重合体の数平均分子量Mn、アクリル酸エステル単量体単位の含有量(U)(モル%)、並びにアクリル酸エステル単量体単位及びビニルエステル単量体単位の分子量(アクリル酸メチル:86、酢酸ビニル:86)を用いて、以下の式により求めた。
(DP)=Mn/{(U/100)×86+[(100-U)/100]×86}
=Mn/86
【0077】
ビニルアルコール系ブロック共重合体の数平均重合度DP
aは、重合停止後のビニルエステル系ブロック共重合体のGPC及び
1H−NMRにより得られた値を用いて上記式により求めた。重合当初にビニルエステル重合体ブロックを得る場合、アクリル酸エステルを添加する直前にサンプリングした重合体を測定して、ビニルアルコール系重合体ブロック(B-b)の数平均重合度DP
bを求めた。アクリル酸エステルとビニルエステルとの共重合を行なった後にビニルエステル重合体ブロックを得る場合、ブロックの境界とした時点にサンプリングした重合体とその後のアクリル酸エステルを添加する直前にサンプリングした重合体を測定して得られた数平均重合度の差からビニルアルコール系重合体ブロック(B-b)の数平均重合度DP
bを求めた。
【0078】
[ビニルアルコール系ブロック共重合体におけるアクリル酸系単量体単位の含有量(Z)(モル%)]
ビニルアルコール系ブロック共重合体をpH2の塩酸水溶液中で100℃1時間撹拌した後に120℃で乾固することで、当該共重合体中のアクリル酸系単量体単位をアクリル酸単量体単位またはラクトン環構造(ラクトン環は、アクリル酸単量体単位又はアクリル酸エステル単量体単位と、それらに隣接するビニルアルコール単量体単位とが反応することにより形成される)に変換した。当該共重合体をメタノールで洗浄して塩を除去した後、90℃にて2日間減圧乾燥してから、日本電子株式会社製核磁気共鳴装置「LAMBDA 500」を用い、40℃及び95℃で当該共重合体の
1H−NMR測定を行なった。溶媒としてDMSO−d
6を使用した。ビニルアルコール系ブロック共重合体の全単量体単位に対するアクリル酸系単量体単位の含有量(Z)(モル%)は以下のように算出した。
【0079】
アクリル酸の側鎖プロトン(−CH
2CH(COO
H)−)に由来するピークの積分値(11.0〜13.0ppmの範囲に検出されるブロードピーク)をY、ラクトン環中のアクリル酸の主鎖のメチンプロトン(−CH
2C
H(R
1)CH
2CH(R
2)−)に由来するピーク(ここでR
1とR
2は互いに結合(−R
1−R
2−)を形成しており、−R
1−R
2−は、―CO−O−構造を意味する)の全積分値(2.6ppm〜3.0ppmのダブルピーク)をX、ビニルアルコールのメチンプロトン(−CH
2C
H(OH)−)に由来するピークの全積分値(3.6ppm〜4.0ppmのピーク)をW、酢酸ビニルの側鎖プロトン(−CH
2CH(OCOC
H3)−)に由来するピークの積分値(1.9ppm〜2.0ppm)をPとし、下記式により[ビニルアルコール系ブロック共重合体の全単量体単位]に対する[アクリル酸系単量体単位]の含有量(Z)(モル%)を算出した。
【0080】
なお、ラクトン環においては、アクリル酸系単量体単位の1単位と、それに隣接するビニルアルコール単量体単位の1単位が反応することで、ラクトン環1分子が生成する。このことを考慮し、下記式において、分母のXの係数は2とし、分子のXの係数は1としている。
(Z)(モル%)=[アクリル酸系単量体単位(モル含有量)]/[ビニルアルコール系ブロック共重合体の全単量体単位(モル含有量)]×100
=(X+Y)/(W+2X+Y+(P/3))×100
【0081】
また、上記X、Yを用いて下記式により、前記ビニルアルコール系ブロック共重合体を酸性水溶液中で加熱処理してから乾燥させた重合体における、アクリル酸単量体単位及びラクトン環の合計に対する、ラクトン環のモル比(V)[ラクトン環/アクリル酸単量体単位及びラクトン環の合計]を算出した。
(V)=[ラクトン環]/[アクリル酸単量体単位及びラクトン環の合計]
=X/(X+Y)
【0082】
[ビニルアルコール系単量体単位及びアクリル酸系単量体単位を含む共重合体ブロック(B-c)中のアクリル酸系単量体単位の含有量(R)]
ビニルアルコール系ブロック共重合体における、共重合体ブロック(B-c)中の、全単量体単位に対する、アクリル酸系単量体単位の含有量(R)(モル%)をビニルアルコール系ブロック共重合体の数平均重合度DP
a、ビニルアルコール系重合体ブロック(B-b)の数平均重合度DP
bを用いて下記式により算出した。
(R)(モル%)=(Z)×DP
a/(DP
a−DP
b)
【0083】
[けん化度]
ラクトン環中の主鎖のアクリル酸のメチンプロトン(−CH
2C
H(R
1)CH
2CH(R
2)−)に由来するピーク(ここでR
1とR
2は互いに結合(−R
1−R
2−)を形成しており、−R
1−R
2−は、―CO−O−構造を意味する)の全積分値(2.6ppm〜3.0ppmのダブルピーク)をX、ビニルアルコールのメチンプロトン(−CH
2C
H(OH)−)に由来するピークの全積分値(3.6ppm〜4.0ppmのピーク)をW、酢酸ビニルの側鎖プロトン(−CH
2CH(OCOC
H3)−)に由来するピークの積分値(1.9ppm〜2.0ppm)をPとし、下記式によりビニルアルコール系ブロック共重合体のけん化度(モル%)を算出した。
けん化度(モル%)=100−[酢酸ビニル単量体単位(の合計モル数)]/[ラクトン環を形成しているビニルアルコール単量体由来の単位+ビニルアルコール単量体単位+酢酸ビニル単量体単位(の合計モル数)]×100
=100−(P/3)/(X+W+(P/3))×100
【0084】
[結晶融解温度(Q)]
ビニルアルコール系ブロック共重合体100質量部にメタノール1860質量部と水酸化ナトリウム50質量部を加え、40℃にて2時間加熱し、残存酢酸基を完全にけん化した(けん化度≧99.9モル%)。けん化が不十分な場合は追加で水酸化ナトリウムを加えて残存酢酸基が完全にけん化されるまで反応を継続した。次にフェノールフタレイン液を添加し、洗液にアルカリ性反応を認めなくなるまでメタノールで洗浄し、水酸化ナトリウム及び酢酸ナトリウムを除去した。洗浄後の重合体をメタノールが無くなるまで120℃で乾固することで、結晶融解温度測定用のビニルアルコール系ブロック共重合体を得た。
【0085】
ティー・エイ・インスツルメント株式会社製示差走査熱量計装置「DSC25」を用い、窒素雰囲気下における前記ビニルアルコール系ブロック共重合体の結晶融解温度を測定した。90℃にて2日間減圧乾燥を行ったビニルアルコール系ブロック共重合体3mgをアルミ容器に封入して示差走査熱量計装置にセットし、40℃から毎分10℃の速度で250℃へ昇温後、1分保持し、毎分10℃の速度でマイナス80℃まで降温後、1分保持した。その後、毎分10℃の速度で250℃へ昇温する際に150℃〜250℃の間で観察される吸熱ピークの極大点の温度を(Q)(℃)とした。
【0086】
[水への溶解速度]
ビニルアルコール系ブロック共重合体を濃度4質量%になるようにイオン交換水に添加し、100℃で加熱攪拌し溶解した。溶解性能を以下の基準により評価した。
A:加熱撹拌開始後6時間以内に共重合体が完全に溶解した。
B:加熱撹拌開始後6時間以内に共重合体が完全に溶解しなかった。
【0087】
[pHに対する水溶液粘度安定性]
ビニルアルコール系ブロック共重合体を濃度4質量%になるようにイオン交換水に添加し、100℃で加熱攪拌して溶解させた後、塩酸水溶液または水酸化ナトリウム水溶液を用いてpHを2または12に調整して、さらに20℃で1時間撹拌した。pHに対する水溶液粘度安定性を以下の基準により評価した。基準Aであれば、水溶液粘度安定性が高く、良好であると言える。
A:pH2とpH12で水溶液の流動性を比較したところ、水溶液の粘性に顕著な差がなかった。
B:pH2とpH12で水溶液の流動性を比較したところ、水溶液の粘性に顕著な差があった。
【0088】
[飽和含水率]
濃度10質量%のビニルアルコール系ブロック共重合体の水溶液を調製し、PET製の型枠に流延し、20℃、21%RHに調整された部屋で一週間静置乾燥した。得られたフィルムを型枠から外し、中心部膜厚を厚み計で測定し、膜厚100μmのフィルムを評価対象とした。得られたフィルムを20℃、80%RHにて一週間調湿した後、フィルムを一部切り出し、ハロゲン水分率計(設定温度150℃)でフィルムの飽和含水率[質量%]を測定した。
【0089】
[機械物性]
上記飽和含水率の評価に用いた、20℃、80%RHにて一週間静置乾燥したフィルムを10mm×800mmに切り出し、島津製作所製オートグラフ「AG−IS」を用いて、チャック間距離50mm、引張り速度500mm/分の条件で強伸度測定を行い、20℃、80%RHの条件下で、弾性率[kgf/mm
2]を求めた。なお、測定は各サンプル5回測定し、その平均値を算出した。
【0090】
[実施例1]
攪拌機、還流冷却管、開始剤の添加口を備えた反応器に、コバルト(II)アセチルアセトナート[Co(acac)
2]を0.24質量部、開始剤としてV−70[2,2’−アゾビス(4−メトキシ−2,4−ジメチルバレロニトリル)]を0.86質量部添加し、反応器内を真空にした後窒素を導入する不活性ガス置換を3回行った。その後単蒸留精製した酢酸ビニル(VAc)640質量部を添加してから、反応器を水浴に浸漬し、内温が30℃になるように加熱し撹拌した。適宜サンプリングを行い、その固形分濃度から重合の進行を確認し、酢酸ビニルの転化率が19質量%に到達したところでアクリル酸メチル(MA)を1.2質量部添加した。転化率19質量%における重合体の数平均分子量(Mn)は128,100であった。引き続き適宜サンプリングを行い、その固形分濃度から重合の進行を確認し、酢酸ビニルとアクリル酸メチルの合計転化率が22質量%に到達したところで、重合禁止剤として1,1−ジフェニルエチレン(1,1−DPEt)を0.84質量部添加した。誘導期は7時間、成長期は4時間であった。
【0091】
重合禁止剤を添加してから、内温を60℃に昇温して1時間加熱撹拌し、ここに濃度25質量%の酢酸水溶液(pH2.0)600質量部を添加し、5分攪拌した後、30分静置し二層に分離し、水層を除去した。真空ラインに接続し、未反応モノマーを30℃で減圧留去後、メタノールを添加して重合体を溶解し、当該溶液を脱イオン水に滴下してビニルエステル系ブロック共重合体を析出させた。ろ過操作でビニルエステル系ブロック共重合体を回収し、40℃の真空乾燥機で24時間乾燥し、ビニルエステル系ブロック共重合体を得た。以上の重合工程の詳細を表1に示す。
【0092】
次に、上記と同様の反応器に、得られたビニルエステル系ブロック共重合体100質量部と脱水メタノール334.2質量部を添加し溶解した後、水浴を加熱して内温が40℃になるまで加熱撹拌した。ここに水酸化ナトリウムのメタノール溶液(濃度14質量%、水酸化ナトリウムとして9.2質量部)65.8質量部を添加した。こうして調製された濃度20質量%のビニルエステル系ブロック共重合体溶液で40℃にてけん化反応を行った。生成したゲル化物を粉砕機にて粉砕し、さらに40℃で放置して1時間けん化を進行させた。得られたけん化物に脱水メタノール50.0質量部とイオン交換水0.2質量部を添加し、65℃でさらに1時間加熱を継続した。その後、酢酸を添加しpH5に調整した後、濾別することによって固体を得て、これにメタノール500質量部を加えて1時間加熱還流した。その後、遠心脱水して得られた固体を真空乾燥機にて40℃で24時間乾燥させ、目的のビニルアルコール系ブロック共重合体(ビニルアルコール系重合体ブロック(B-b)‐共重合体ブロック(B-c)の二元ブロック共重合体)を得た。以上のけん化工程の詳細を表2に示す。
【0093】
得られたビニルアルコール系ブロック共重合体の各種物性を測定し、性能を評価した。ビニルアルコール系ブロック共重合体の数平均分子量(Mn
a)は77,200であり、数平均重合度(DP
a)は1750であり、ビニルアルコール系ブロック共重合体中のビニルアルコール系重合体ブロック(B-b)の数平均重合度(DP
b)は1490であり、比(DP
b/DP
a)は0.851であり、分子量分布(Mw
a/Mn
a)は1.40であり、けん化度は99.8モル%であった。分子量分布(Mw
a/Mn
a)はビニルアルコール系ブロック共重合体のGPC測定の結果から求めた。また、アクリル酸系単量体単位の含有量(Z)は0.9モル%であり、「ビニルアルコール系単量体とアクリル酸系単量体を含む共重合体ブロック(B-c)」中のアクリル酸系単量体単位の含有量(R)は5.8モル%であり、結晶融解温度(Q)は228.0℃であり、2Z+Qの値は230であった。前記ビニルアルコール系ブロック共重合体を酸性水溶液中で加熱処理してから乾燥させた重合体における、アクリル酸単量体単位及びラクトン環の合計に対する、ラクトン環のモル比(V)[ラクトン環/アクリル酸単量体単位及びラクトン環の合計]は1.00であった。水への溶解速度の評価はAであり、pHに対する水溶液粘度安定性の評価はAであった。飽和含水率は14.0質量%であり、弾性率は17.1kgf/mm
2であった。以上の結果を表3にまとめて示す。
【0094】
[実施例2]
実施例1と同様にして酢酸ビニルの重合を開始した。適宜サンプリングを行い、その固形分濃度から重合の進行を確認し、酢酸ビニルの転化率が9質量%に到達したところでアクリル酸メチルを16.0質量部添加した。転化率9質量%における重合体の数平均分子量(Mn)は60,100であった。引き続き適宜サンプリングを行い、その固形分濃度から重合の進行を確認し、酢酸ビニルとアクリル酸メチルの合計転化率が12質量%に到達したところで、重合禁止剤としてp−ベンゾキノンを0.50質量部添加した。誘導期は7時間、成長期は2時間であった。重合禁止剤を添加してから、実施例1と同様の操作を実施し、ビニルエステル系ブロック共重合体を得た。以上の重合工程の詳細を表1に示す。
【0095】
次に、上記と同様の反応器に、得られたビニルエステル系ブロック共重合体100質量部と脱水メタノール388.3質量部を添加し溶解した後、水浴を加熱して内温が40℃になるまで加熱撹拌した。ここに水酸化ナトリウムのメタノール溶液(濃度14質量%、水酸化ナトリウムとして1.6質量部)11.3質量部を添加した。こうして調製された濃度20質量%のビニルエステル系ブロック共重合体溶液で40℃にてけん化反応を行った。生成したゲル化物を粉砕機にて粉砕し、さらに40℃で放置して1時間けん化を進行させた。得られたけん化物に脱水メタノール50.0質量部とイオン交換水3.1質量部を添加し、40℃でさらに1時間加熱を継続した。
【0096】
以後は実施例1と同様の方法にて目的のビニルアルコール系ブロック共重合体(ビニルアルコール系重合体ブロック(B-b)‐共重合体ブロック(B-c)の二元ブロック共重合体)を得た。けん化工程の詳細を表2に示す。また、得られたビニルアルコール系ブロック共重合体の測定及び評価の結果を表3にまとめて示す。
【0097】
[実施例3]
アクリル酸メチル2.4質量部を酢酸ビニルとともに添加した以外は実施例1と同様にして酢酸ビニル及びアクリル酸メチルの重合を開始した。適宜サンプリングを行い、その固形分濃度から重合の進行を確認するとともに、サンプリングした重合体のGPC測定及び
1H−NMR測定を行い、酢酸ビニル及びアクリル酸メチルの合計転化率が5%の時点でアクリル酸メチルモノマーが完全に消費されたこと[モル比(アクリル酸エステル/ビニルエステル)が0.00001未満]を
1H−NMRにより確認した。このときの数平均分子量(Mn)は34,500であった。引き続き重合を実施し、酢酸ビニルとアクリル酸メチルの合計転化率が14質量%に到達したところでアクリル酸メチルを2.4質量部添加した。転化率14質量%における数平均分子量(Mn)は94,500であった。引き続き適宜サンプリングを行い、その固形分濃度から重合の進行を確認し、酢酸ビニルとアクリル酸メチルの合計転化率が19質量%に到達したところで、重合禁止剤として1,1−ジフェニルエチレンを0.84質量部添加した。誘導期は7時間、成長期は3時間であった。重合禁止剤を添加してから、実施例1と同様の操作を実施し、ビニルエステル系ブロック共重合体を得た。以上の重合工程の詳細を表1に示す。
【0098】
次に、上記と同様の反応器に、得られたビニルエステル系ブロック共重合体100質量部と脱水メタノール336.9質量部を添加し溶解した後、水浴を加熱して内温が40℃になるまで加熱撹拌した。ここに水酸化ナトリウムのメタノール溶液(濃度14質量%、水酸化ナトリウムとして8.8質量部)63.1質量部を添加した。こうして調製された濃度20質量%のビニルエステル系ブロック共重合体溶液で40℃にてけん化反応を行った。生成したゲル化物を粉砕機にて粉砕し、さらに40℃で放置して1時間けん化を進行させた。得られたけん化物に脱水メタノール50.0質量部とイオン交換水1.0質量部を添加し、65℃でさらに1時間加熱を継続した。
【0099】
以後は実施例1と同様の方法にて目的のビニルアルコール系ブロック共重合体(共重合体ブロック(B-c)‐ビニルアルコール系重合体ブロック(B-b)‐共重合体ブロック(B-c)の三元ブロック共重合体)を得た。けん化工程の詳細を表2に示す。また、得られたビニルアルコール系ブロック共重合体の測定及び評価の結果を表3にまとめて示す。
【0100】
[実施例4]
攪拌機、還流冷却管、開始剤の添加口を備えた反応器に、コバルト(II)アセチルアセトナートを0.10質量部、開始剤としてV−70[2,2’−アゾビス(4−メトキシ−2,4−ジメチルバレロニトリル)]を0.34質量部添加し、反応器内を真空にした後窒素を導入する不活性ガス置換を3回行った。その後単蒸留精製した酢酸ビニル640質量部、酢酸メチル160質量部を添加してから、反応器を水浴に浸漬し、内温が30℃になるように加熱し撹拌した。適宜サンプリングを行い、その固形分濃度から重合の進行を確認した。酢酸ビニルの転化率が15質量%に到達したところでアクリル酸メチルを6.4質量部添加した。転化率15質量%における重合体の数平均分子量(Mn)は257,100であった。引き続き適宜サンプリングを行い、その固形分濃度から重合の進行を確認し、酢酸ビニルとアクリル酸メチルの合計転化率が20質量%に到達したところで、重合禁止剤として1,1−ジフェニルエチレンを0.33質量部添加した。誘導期は4時間、成長期は3時間であった。重合禁止剤を添加してから、実施例1と同様の操作を実施し、ビニルエステル系ブロック共重合体を得た。以上の重合工程の詳細を表1に示す。
【0101】
次に、上記と同様の反応器に、得られたビニルエステル系ブロック共重合体100質量部と脱水メタノール396.8質量部を添加し溶解した後、水浴を加熱して内温が40℃になるまで加熱撹拌した。ここに水酸化ナトリウムのメタノール溶液(濃度14質量%、水酸化ナトリウムとして0.4質量部)3.2質量部を添加した。こうして調製された濃度20質量%のビニルエステル系ブロック共重合体溶液で40℃にてけん化反応を行った。生成したゲル化物を粉砕機にて粉砕し、さらに40℃で放置して1時間けん化を進行させた。得られたけん化物に脱水メタノール50.0質量部とイオン交換水1.0質量部を添加し、40℃でさらに1時間加熱を継続した。
【0102】
以後は実施例1と同様の方法にて目的のビニルアルコール系ブロック共重合体(ビニルアルコール系重合体ブロック(B-b)‐共重合体ブロック(B-c)の二元ブロック共重合体)を得た。けん化工程の詳細を表2に示す。また、得られたビニルアルコール系ブロック共重合体の測定及び評価の結果を表3にまとめて示す。
【0103】
[実施例5]
コバルト(II)アセチルアセトナートを0.96質量部、開始剤としてV−70[2,2’−アゾビス(4−メトキシ−2,4−ジメチルバレロニトリル)]を3.44質量部添加したこと以外は実施例1と同様にして酢酸ビニルの重合を開始した。適宜サンプリングを行い、その固形分濃度から重合の進行を確認した。酢酸ビニルの転化率が20質量%及び24質量%に到達したところでアクリル酸メチルを各々1.6質量部添加した。転化率20質量%における重合体の数平均分子量(Mn)は34,400であった。引き続き適宜サンプリングを行い、その固形分濃度から重合の進行を確認し、酢酸ビニルとアクリル酸メチルの合計転化率が28質量%に到達したところで、重合禁止剤として1,1−ジフェニルエチレンを3.35質量部添加した。誘導期は12時間、成長期は3時間であった。重合禁止剤を添加してから、実施例1と同様の操作を実施し、ビニルエステル系ブロック共重合体を得た。以上の重合工程の詳細を表1に示す。
【0104】
次に、上記と同様の反応器に、得られたビニルエステル系ブロック共重合体100質量部と脱水メタノール335.0質量部を添加し溶解した後、水浴を加熱して内温が40℃になるまで加熱撹拌した。ここに水酸化ナトリウムのメタノール溶液(濃度14質量%、水酸化ナトリウムとして9.1質量部)65.0質量部を添加した。こうして調製された濃度20質量%のビニルエステル系ブロック共重合体溶液で40℃にてけん化反応を行った。生成したゲル化物を粉砕機にて粉砕し、さらに40℃で放置して1時間けん化を進行させた。得られたけん化物に脱水メタノール50.0質量部とイオン交換水0.4質量部を添加し、65℃でさらに1時間加熱を継続した。
【0105】
以後は実施例1と同様の方法にて目的のビニルアルコール系ブロック共重合体(ビニルアルコール系重合体ブロック(B-b)‐共重合体ブロック(B-c)の二元ブロック共重合体:なお、共重合体ブロック(B-c)作製時において、アクリル酸メチルを2度に分けて添加した)を得た。けん化工程の詳細を表2に示す。また、得られたビニルアルコール系ブロック共重合体の測定及び評価の結果を表3にまとめて示す。
【0106】
[実施例6]
40℃で1時間けん化を進行させて得られたけん化物に脱水メタノール及びイオン交換水を添加しなかったこと以外は実施例1と同様の方法にて目的のビニルアルコール系ブロック共重合体を得た。けん化工程の詳細を表2に示す。また、得られたビニルアルコール系ブロック共重合体の測定及び評価の結果を表3にまとめて示す。
【0107】
[実施例7]
実施例1と同様にして酢酸ビニルの重合を開始した。適宜サンプリングを行い、その固形分濃度から重合の進行を確認した。酢酸ビニルの転化率が19質量%に到達したところでアクリル酸メチルを49.0質量部添加した。転化率19質量%における重合体の数平均分子量(Mn)は128,100であった。引き続き適宜サンプリングを行い、その固形分濃度から重合の進行を確認し、酢酸ビニルとアクリル酸メチルの合計転化率が30質量%に到達したところで、重合禁止剤として1,1−ジフェニルエチレンを0.84質量部添加した。誘導期は7時間、成長期は4時間であった。重合禁止剤を添加してから、実施例1と同様の操作を実施し、ビニルエステル系ブロック共重合体を得た。以上の重合工程の詳細を表1に示す。
【0108】
次に、上記と同様の反応器に、得られたビニルエステル系ブロック共重合体100質量部と脱水メタノール334.2質量部を添加し溶解した後、水浴を加熱して内温が40℃になるまで加熱撹拌した。ここに水酸化ナトリウムのメタノール溶液(濃度14質量%、水酸化ナトリウムとして9.2質量部)65.8質量部を添加した。こうして調製された濃度20質量%のビニルエステル系ブロック共重合体溶液で40℃にてけん化反応を行った。生成したゲル化物を粉砕機にて粉砕し、さらに40℃で放置して1時間けん化を進行させた。得られたけん化物に脱水メタノール50.0質量部とイオン交換水7.7質量部を添加し、65℃でさらに1時間加熱を継続した。
【0109】
以後は実施例1と同様の方法にて目的のビニルアルコール系ブロック共重合体(ビニルアルコール系重合体ブロック(B-b)‐共重合体ブロック(B-c)の二元ブロック共重合体)を得た。けん化工程の詳細を表2に示す。また、得られたビニルアルコール系ブロック共重合体の測定及び評価の結果を表3にまとめて示す。
【0110】
[比較例1]
実施例1と同様にして酢酸ビニルの重合を開始した。適宜サンプリングを行い、その固形分濃度から重合の進行を確認した。酢酸ビニルの転化率が13質量%に到達したところでアクリル酸メチルを80.0質量部添加した。転化率13質量%における重合体の数平均分子量(Mn)は85,800であった。引き続き適宜サンプリングを行い、その固形分濃度から重合の進行を確認し、酢酸ビニルとアクリル酸メチルの合計転化率が30質量%に到達したところで、重合禁止剤として1,1−ジフェニルエチレンを0.84質量部添加した。誘導期は7時間、成長期は4時間であった。重合禁止剤を添加してから、実施例1と同様の操作を実施し、ビニルエステル系ブロック共重合体を得た。以上の重合工程の詳細を表1に示す。
【0111】
次に、上記と同様の反応器に、得られたビニルエステル系ブロック共重合体100質量部と脱水メタノール358.1質量部を添加し溶解した後、水浴を加熱して内温が40℃になるまで加熱撹拌した。ここに水酸化ナトリウムのメタノール溶液(濃度14質量%、水酸化ナトリウムとして5.9質量部)41.9質量部を添加した。こうして調製された濃度20質量%のビニルエステル系ブロック共重合体溶液で40℃にてけん化反応を行った。生成したゲル化物を粉砕機にて粉砕し、さらに40℃で放置して1時間けん化を進行させた。得られたけん化物に脱水メタノール50.0質量部とイオン交換水7.7質量部を添加し、65℃でさらに1時間加熱を継続した。
【0112】
以後は実施例1と同様の方法にて目的のビニルアルコール系ブロック共重合体(ビニルアルコール系重合体ブロック(B-b)‐共重合体ブロック(B-c)の二元ブロック共重合体)を得た。けん化工程の詳細を表2に示す。また、得られたビニルアルコール系ブロック共重合体の測定及び評価の結果を表3にまとめて示す。
【0113】
[比較例2]
40℃で1時間けん化を進行させて得られたけん化物に脱水メタノール及びイオン交換水を添加しなかったこと以外は比較例1と同様の方法にて目的のビニルアルコール系ブロック共重合体を得た。けん化工程の詳細を表2に示す。また、得られたビニルアルコール系ブロック共重合体の測定及び評価の結果を表3にまとめて示す。
【0114】
[比較例3]
攪拌機、還流冷却管、アルゴン導入管、開始剤の添加口、フィードポンプを備えた反応器に、酢酸ビニル640質量部、アクリル酸メチル1.1質量部、メタノール250質量部を仕込み、窒素バブリングをしながら30分間反応器内を不活性ガス置換した。水浴を加熱して反応器の昇温を開始し、内温が60℃となったところで、開始剤としてアゾビスイソブチロニトリル(AIBN)を0.15質量部添加し重合を開始した。アクリル酸メチル40質量%メタノール溶液を経時フィードしながら重合を実施し、適宜サンプリングを行い、その固形分濃度から重合の進行を確認し、酢酸ビニルとアクリル酸メチルの合計転化率が35質量%に到達したところでp−ベンゾキノン0.10質量部を添加し重合を停止した。この時点でのアクリル酸メチルの総フィード量は11.4質量部相当であった。重合禁止剤を添加してから、実施例1と同様の操作を実施し、ビニルエステル系ランダム共重合体を得た。以上の重合工程の詳細を表1に示す。
【0115】
次に、実施例1と同様の反応器に、得られたビニルエステルランダム共重合体100質量部と脱水メタノール336.9質量部を添加し溶解した後、水浴を加熱して内温が40℃になるまで加熱撹拌した。ここに水酸化ナトリウムのメタノール溶液(濃度14質量%、水酸化ナトリウムとして8.8質量部)63.1質量部を添加した。こうして調製された濃度20質量%のビニルエステル系ランダム共重合体溶液で40℃にてけん化反応を行った。生成したゲル化物を粉砕機にて粉砕し、さらに40℃で放置して1時間けん化を進行させた。得られたけん化物に脱水メタノール50.0質量部とイオン交換水1.0質量部を添加し、65℃でさらに1時間加熱を継続した。以後は実施例1と同様の方法にて目的のビニルアルコール系ランダム共重合体を得た。けん化工程の詳細を表2に示す。また、得られたビニルアルコール系ランダム共重合体の測定及び評価の結果を表3にまとめて示す。
【0116】
[比較例4]
攪拌機、還流冷却管、開始剤の添加口を備えた反応器に、コバルト(II)テトラメシチルポルフィリン[Co(TMP)]を1.56質量部、開始剤としてアゾビスイソブチロニトリル(AIBN)を0.91質量部添加し、反応器内を真空にした後窒素を導入する不活性ガス置換を3回行った。その後単蒸留精製したアクリル酸メチル160.0質量部とトルエン480質量部を添加してから、反応器を水浴に浸漬し、内温が60℃になるように加熱し撹拌した。適宜サンプリングを行い、その固形分濃度から重合の進行を確認した。アクリル酸メチルの転化率が18%に到達したところで30℃まで冷却して重合停止した。転化率18%における重合体の数平均分子量(Mn)は15,500であった。真空ラインに接続し、残留するアクリル酸メチル及びトルエンを30℃で減圧留去した。酢酸ビニル640質量部を添加してから、内温が60℃になるように加熱し撹拌した。適宜サンプリングを行い、その固形分濃度から重合の進行を確認した。酢酸ビニルの転化率が22質量%に到達したところで、重合禁止剤として1,1−ジフェニルエチレンを1.68質量部添加した。誘導期は5時間、成長期は4時間であった。重合禁止剤を添加してから、実施例1と同様の操作を実施し、ビニルエステル系ブロック共重合体を得た。以上の重合工程の詳細を表1に示す。
【0117】
次に、上記と同様の反応器に、得られたビニルエステル系ブロック共重合体100質量部と脱水メタノール344.9質量部を添加し溶解した後、水浴を加熱して内温が40℃になるまで加熱撹拌した。ここに水酸化ナトリウムのメタノール溶液(濃度14質量%、水酸化ナトリウムとして7.7質量部)55.1質量部を添加した。こうして調製された濃度20質量%のビニルエステル系ブロック共重合体溶液で40℃けん化反応を行った。生成したゲル化物を粉砕機にて粉砕し、さらに40℃で放置して1時間けん化を進行させた。得られたけん化物に脱水メタノール50.0質量部とイオン交換水3.6質量部を添加し、65℃でさらに1時間加熱を継続した。
【0118】
以後は実施例1と同様の方法にて目的のビニルアルコール系ブロック共重合体(アクリル酸メチル重合体ブロック‐ビニルアルコール系重合体ブロック(B-b)の二元ブロック共重合体)を得た。けん化工程の詳細を表2に示す。また、得られたビニルアルコール系ブロック共重合体の測定及び評価の結果を表3にまとめて示す。
【0119】
【表1】
【0120】
【表2】
【0121】
【表3】
【0122】
実施例1〜7のブロック共重合体は、水への溶解速度(水溶性)、pHに対する水溶液粘度安定性(pH安定性)、機械物性(弾性率)のいずれも良好であった。
【0123】
実施例4のブロック共重合体は、けん化度が比較的低いため、Mn
aが比較的大きいにも関わらず、実施例1と比して機械物性が低かった。実施例5のブロック共重合体は、DP
bが比較的小さいため、実施例1と比して機械物性が低かった。実施例1において、けん化物に脱水メタノール及びイオン交換水を添加する処理を行ったが、実施例6では当該処理をしなかったため、アクリル酸エステル単量体単位がアクリル酸単位などに変換されることなく残存した。その結果、実施例6のブロック共重合体は、機械物性が実施例1と比して低かった。また、実施例7のブロック共重合体は(V)値が比較的小さいため、実施例1〜6と比して、水溶液のpH安定性が低かった。
【0124】
比較例1のブロック共重合体は、含有量(Z)の値が大きく、pH安定性と機械物性に劣っていた。比較例2のブロック共重合体は、含有量(Z)の値が大きいことに加え、けん化物に脱水メタノール及びイオン交換水を添加する処理をしなかったため、アクリル酸エステル単量体単位を多く含有し、水溶性に劣っていた。比較例3の共重合体は、ブロック共重合体ではなくランダム共重合体であり、分子量分布の値も大きく、機械物性に劣っていた。比較例4のブロック共重合体は、アクリル酸メチル単量体ブロックを含むが、共重合体ブロック(B-c)を含んでおらず、pH安定性に劣っていた。