(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
成分(C)が、硫酸、硫酸塩、珪酸、珪酸塩、アミノカルボン酸、アミノカルボン酸塩、ヒドロキシカルボン酸、ヒドロキシカルボン酸塩の群から選択される1種又は2種以上である請求項1〜3のいずれか一項に記載の硬質表面用洗浄剤組成物。
成分(D)が、高級脂肪酸塩型アニオン界面活性剤、スルホン酸塩型アニオン界面活性剤、硫酸エステル塩型アニオン界面活性剤、アルキルトリメチルアンモニウム塩型カチオン界面活性剤、ポリオキシエチレンアルキルエーテル型ノニオン界面活性剤、ベタイン型両性界面活性剤、アシル第3級アミンオキサイド型両性界面活性剤の群から選択される1種又は2種以上である、請求項1〜6のいずれか一項に記載の硬質表面用洗浄剤組成物。
【発明を実施するための形態】
【0014】
まず、本明細書内で使用する用語の定義をする。「スプレーボトル等で使用可能な性状」とは、スプレーボトルに入れる際は弾力のある柔らかいゲルの性状をしており、スプレーボトルから噴霧する際(ゲルに剪断応力をかけた際)に水のように容易に噴霧される性質(チクソトロピック性)をいう。
【0015】
本発明の硬質表面用洗浄剤組成物を構成する成分(A)は、下記の一般式(1)で表される化合物である。
【0017】
(式中、R
1、R
2、R
8及びR
9はそれぞれ独立して炭素数4〜20の炭化水素基を表し、R
3、R
5及びR
7はそれぞれ独立して炭素数2〜4の2価の炭化水素基を表し、R
4及びR
6はそれぞれ独立して炭素数3〜16の2価の炭化水素基を表し、a及びeはそれぞれ独立して10〜100の数を表し、dは100〜500の数を表し、gは1〜10の数を表す。)
【0018】
一般式(1)において、R
1、R
2、R
8及びR
9はそれぞれ独立して炭素数4〜20の炭化水素基を表す。該炭化水素基としては、例えば、n−ブチル基、イソブチル基、s−ブチル基、t−ブチル基、n−ペンチル基、分岐鎖ペンチル基、第2級ペンチル基、第3級ペンチル基、n−ヘキシル基、分岐鎖ヘキシル基、第2級ヘキシル基、第3級ヘキシル基、n−ヘプチル基、分岐鎖ヘプチル基、第2級ヘプチル基、第3級ヘプチル基、n−オクチル基、2−エチルヘキシル基、分岐鎖オクチル基、第2級オクチル基、第3級オクチル基、n−ノニル基、分岐鎖ノニル基、第2級ノニル基、第3級ノニル基、n−デシル基、分岐鎖デシル基、第2級デシル基、第3級デシル基、n−ウンデシル基、分岐鎖ウンデシル基、第2級ウンデシル基、第3級ウンデシル基、n−ドデシル基、分岐鎖ドデシル基、第2級ドデシル基、第3級ドデシル基、n−トリデシル基、分岐鎖トリデシル基、第2級トリデシル基、第3級トリデシル基、n−テトラデシル基、分岐鎖テトラデシル基、第2級テトラデシル基、第3級テトラデシル基、n−ペンタデシル基、分岐鎖ペンタデシル基、第2級ペンタデシル基、第3級ペンタデシル基、n−ヘキサデシル基、分岐鎖ヘキサデシル基、第2級ヘキサデシル基、第3級ヘキサデシル基、n−ヘプタデシル基、分岐鎖ヘプタデシル基、第2級ヘプタデシル基、第3級ヘプタデシル基、n−オクタデシル基、分岐鎖オクタデシル基、第2級オクタデシル基、第3級オクタデシル基、n−ノナデシル基、分岐鎖ノナデシル基、第2級ノナデシル基、第3級ノナデシル基、n−イコシル基、分岐鎖イコシル基、第2級イコシル基、第3級イコシル基等の飽和脂肪族炭化水素基;1−ブテニル基、2−ブテニル基、3−ブテニル基、1−メチル−2−プロペニル基、2−メチル−2−プロペニル基、1−ペンテニル基、2−ペンテニル基、3−ペンテニル基、4−ペンテニル基、1−メチル−2−ブテニル基、2−メチル−2−ブテニル基、1−ヘキセニル基、2−ヘキセニル基、3−ヘキセニル基、4−ヘキセニル基、5−ヘキセニル基、1−ヘプテニル基、6−ヘプテニル基、1−オクテニル基、7−オクテニル基、8−ノネニル基、1−デセニル基、9−デセニル基、10−ウンデセニル基、1−ドデセニル基、4−ドデセニル基、11−ドデセニル基、12−トリデセニル基、13−テトラデセニル基、14−ペンタデセニル基、15−ヘキサデセニル基、16−ヘプタデセニル基、1−オクタデセニル基、17−オクタデセニル基、1−ノナデセニル基、1−イコセニル基等の不飽和脂肪族炭化水素基;
【0019】
フェニル基、トルイル基、キシリル基、クメニル基、メシチル基、ベンジル基、フェネチル基、スチリル基、シンナミル基、ベンズヒドリル基、トリチル基、エチルフェニル基、プロピルフェニル基、ブチルフェニル基、ペンチルフェニル基、ヘキシルフェニル基、ヘプチルフェニル基、オクチルフェニル基、ノニルフェニル基、デシルフェニル基、ウンデシルフェニル基、ドデシルフェニル基、スチレン化フェニル基、p−クミルフェニル基、フェニルフェニル基、ベンジルフェニル基、α−ナフチル基、β−ナフチル基等の芳香族炭化水素基;シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロヘプチル基、シクロオクチル基、メチルシクロペンチル基、メチルシクロヘキシル基、メチルシクロヘプチル基、メチルシクロオクチル基、4,4,6,6−テトラメチルシクロヘキシル基、1,3−ジブチルシクロヘキシル基、ノルボルニル基、ビシクロ[2.2.2]オクチル基、アダマンチル基、1−シクロブテニル基、1−シクロペンテニル基、3−シクロペンテニル基、1−シクロヘキセニル基、3−シクロヘキセニル基、3−シクロヘプテニル基、4−シクロオクテニル基、2−メチル−3−シクロヘキセニル基、3,4−ジメチル−3−シクロヘキセニル基等の脂環式炭化水素基が挙げられる。
【0020】
R
1、R
2、R
8及びR
9は、それぞれ同一であっても、異なっていてもよい。中でも、本発明の効果が得られやすい化合物が得られ、原料の調達及び製造が容易であることから、R
1、R
2、R
8及びR
9は、飽和脂肪族炭化水素基及び不飽和脂肪族炭化水素基であることが好ましく、飽和脂肪族炭化水素基であることがより好ましく、炭素数5〜18の飽和脂肪族炭化水素基であることが更に好ましく、炭素数8〜15の飽和脂肪族炭化水素基であることが更により好ましく、炭素数10〜12の飽和脂肪族炭化水素基であることが最も好ましい。
【0021】
一般式(1)において、R
3、R
5及びR
7はそれぞれ独立して炭素数2〜4の2価の炭化水素基を表す。該炭化水素基としては、例えば、エチレン基;プロパン−1,3−ジイル(直鎖プロピレン)基;プロパン−1,2−ジイル基、プロパン−2,2−ジイル基等の分岐鎖プロピレン基;ブタン−1,4−ジイル基、ブタン−1,2−ジイル基、ブタン−1,3−ジイル基、ブタン−2,3−ジイル基、ブタン−1,1−ジイル基、ブタン−2,2−ジイル基等の直鎖ブチレン基;2−メチルプロパン−1,3−ジイル基、2−メチルプロパン−1,2−ジイル基等の分岐鎖ブチレン基等が挙げられる。中でも、本発明の効果が得られやすい化合物が得られることから、R
3、R
5及びR
7は、炭素数2〜4の2価の直鎖の炭化水素基であることが好ましく、エチレン基、プロパン−1,3−ジイル(直鎖プロピレン)基であることがより好ましく、エチレン基であることが更に好ましい。なお、R
3は、全て同一の基であってもよく、異なる基であってもよく、R
5もまた、全て同一の基であってもよく、異なる基であってもよく、R
7もまた、全て同一の基であってもよく、異なる基であってもよい。
【0022】
一般式(1)において、R
4及びR
6はそれぞれ独立して炭素数3〜16の2価の炭化水素基を表す。該炭化水素基としては、例えば、炭素数3〜16の2価の脂肪族炭化水素基、芳香族炭化水素基又は脂環式炭化水素基が挙げられる。これらの炭化水素基は、炭素数3〜16の範囲内であればいずれでもよいが、後に記載する一般式(5)で表されるジイソシアネート化合物から、2つのイソシアネート基を除いた基であることが好ましい。これについては、後に記載するジイソシアネート化合物の記載において詳しく説明する。
【0023】
一般式(1)において、a及びeはそれぞれ独立して10〜100の数を表し、中でも、原料の製造又は入手が容易であることから12〜50であることが好ましく、15〜30であることがより好ましい。
【0024】
一般式(1)において、dは、100〜500の数を表し、中でも、本発明の効果が得られやすい化合物が得られることから、120〜450であることが好ましく、150〜400であることがより好ましく、180〜350であることが更に好ましく、200〜300であることが最も好ましい。
【0025】
一般式(1)において、gは、1〜10の数を表し、中でも、本発明の効果が得られやすい化合物が得られることから、1〜8であることが好ましく、1〜6であることがより好ましく、gが1〜6である化合物の混合物であることが更に好ましい。
【0026】
成分(A)である一般式(1)で表される化合物の製造方法は、特に限定されず、公知の製造方法であればどのような方法を用いて製造しても問題ないが、下記の一般式(3)〜(5)で表される化合物を原料として合成することが、簡便かつ安価であり、好ましい。
【0027】
【化4】
(式中、R
17及びR
18は、それぞれ独立して炭素数4〜20の炭化水素基を表し、R
19は炭素数2〜4の2価の炭化水素基を表し、rは10〜100の数を表す。)
【0029】
(式中、R
20は炭素数2〜4の2価の炭化水素基を表し、tは100〜500の数を表す。)
【0031】
(式中、Qは、炭素数3〜16の2価の炭化水素基を表わす。)
一般式(3)において、R
17及びR
18はそれぞれ独立して炭素数4〜20の炭化水素基を表す。該炭化水素基としては、例えば、n−ブチル基、イソブチル基、s−ブチル基、t−ブチル基、n−ペンチル基、分岐鎖ペンチル基、第2級ペンチル基、第3級ペンチル基、n−ヘキシル基、分岐鎖ヘキシル基、第2級ヘキシル基、第3級ヘキシル基、n−ヘプチル基、分岐鎖ヘプチル基、第2級ヘプチル基、第3級ヘプチル基、n−オクチル基、2−エチルヘキシル基、分岐鎖オクチル基、第2級オクチル基、第3級オクチル基、n−ノニル基、分岐鎖ノニル基、第2級ノニル基、第3級ノニル基、n−デシル基、分岐鎖デシル基、第2級デシル基、第3級デシル基、n−ウンデシル基、分岐鎖ウンデシル基、第2級ウンデシル基、第3級ウンデシル基、n−ドデシル基、分岐鎖ドデシル基、第2級ドデシル基、第3級ドデシル基、n−トリデシル基、分岐鎖トリデシル基、第2級トリデシル基、第3級トリデシル基、n−テトラデシル基、分岐鎖テトラデシル基、第2級テトラデシル基、第3級テトラデシル基、n−ペンタデシル基、分岐鎖ペンタデシル基、第2級ペンタデシル基、第3級ペンタデシル基、n−ヘキサデシル基、分岐鎖ヘキサデシル基、第2級ヘキサデシル基、第3級ヘキサデシル基、n−ヘプタデシル基、分岐鎖ヘプタデシル基、第2級ヘプタデシル基、第3級ヘプタデシル基、n−オクタデシル基、分岐鎖オクタデシル基、第2級オクタデシル基、第3級オクタデシル基、n−ノナデシル基、分岐鎖ノナデシル基、第2級ノナデシル基、第3級ノナデシル基、n−イコシル基、分岐鎖イコシル基、第2級イコシル基、第3級イコシル基等の飽和脂肪族炭化水素基;1−ブテニル基、2−ブテニル基、3−ブテニル基、1−メチル−2−プロペニル基、2−メチル−2−プロペニル基、1−ペンテニル基、2−ペンテニル基、3−ペンテニル基、4−ペンテニル基、1−メチル−2−ブテニル基、2−メチル−2−ブテニル基、1−ヘキセニル基、2−ヘキセニル基、3−ヘキセニル基、4−ヘキセニル基、5−ヘキセニル基、1−ヘプテニル基、6−ヘプテニル基、1−オクテニル基、7−オクテニル基、8−ノネニル基、1−デセニル基、9−デセニル基、10−ウンデセニル基、1−ドデセニル基、4−ドデセニル基、11−ドデセニル基、12−トリデセニル基、13−テトラデセニル基、14−ペンタデセニル基、15−ヘキサデセニル基、16−ヘプタデセニル基、1−オクタデセニル基、17−オクタデセニル基、1−ノナデセニル基、1−イコセニル基等の不飽和脂肪族炭化水素基;
【0032】
フェニル基、トルイル基、キシリル基、クメニル基、メシチル基、ベンジル基、フェネチル基、スチリル基、シンナミル基、ベンズヒドリル基、トリチル基、エチルフェニル基、プロピルフェニル基、ブチルフェニル基、ペンチルフェニル基、ヘキシルフェニル基、ヘプチルフェニル基、オクチルフェニル基、ノニルフェニル基、デシルフェニル基、ウンデシルフェニル基、ドデシルフェニル基、スチレン化フェニル基、p−クミルフェニル基、フェニルフェニル基、ベンジルフェニル基、α−ナフチル基、β−ナフチル基等の芳香族炭化水素基;シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロヘプチル基、シクロオクチル基、メチルシクロペンチル基、メチルシクロヘキシル基、メチルシクロヘプチル基、メチルシクロオクチル基、4,4,6,6−テトラメチルシクロヘキシル基、1,3−ジブチルシクロヘキシル基、ノルボルニル基、ビシクロ[2.2.2]オクチル基、アダマンチル基、1−シクロブテニル基、1−シクロペンテニル基、3−シクロペンテニル基、1−シクロヘキセニル基、3−シクロヘキセニル基、3−シクロヘプテニル基、4−シクロオクテニル基、2−メチル−3−シクロヘキセニル基、3,4−ジメチル−3−シクロヘキセニル基等の脂環式炭化水素基が挙げられる。
【0033】
R
17及びR
18は、それぞれ同一であっても、異なっていてもよい。中でも、本発明の効果が得られやすい化合物が得られ、調達及び製造が容易であることから、R
17及びR
18は、飽和脂肪族炭化水素基及び不飽和脂肪族炭化水素基であることが好ましく、飽和脂肪族炭化水素基であることがより好ましく、炭素数5〜18の飽和脂肪族炭化水素基であることが更に好ましく、炭素数8〜15の飽和脂肪族炭化水素基であることが更により好ましく、炭素数10〜12の飽和脂肪族炭化水素基であることが最も好ましい。
【0034】
一般式(3)において、R
19は炭素数2〜4の2価の炭化水素基を表す。該炭化水素基としては、例えば、エチレン基;プロパン−1,3−ジイル(直鎖プロピレン)基;プロパン−1,2−ジイル基、プロパン−2,2−ジイル基等の分岐鎖プロピレン基;ブタン−1,4−ジイル基、ブタン−1,2−ジイル基、ブタン−1,3−ジイル基、ブタン−2,3−ジイル基、ブタン−1,1−ジイル基、ブタン−2,2−ジイル基等の直鎖ブチレン基;2−メチルプロパン−1,3−ジイル基、2−メチルプロパン−1,2−ジイル基等の分岐鎖ブチレン基等が挙げられる。中でも、本発明の効果が得られやすい化合物が得られることから、R
19は、炭素数2〜4の2価の直鎖の炭化水素基であることが好ましく、エチレン基、プロパン−1,3−ジイル(直鎖プロピレン)基であることがより好ましく、エチレン基であることが更に好ましい。なお、R
19は、全て同一の基であってもよく、異なる基であってもよい。
【0035】
一般式(3)において、rは、10〜100の数を表し、中でも、製造又は入手が容易であることから12〜50であることが好ましく、15〜30であることがより好ましい。
【0036】
一般式(4)において、R
20は炭素数2〜4の2価の炭化水素基を表す。該炭化水素基としては、例えば、エチレン基;プロパン−1,3−ジイル(直鎖プロピレン)基;プロパン−1,2−ジイル基、プロパン−2,2−ジイル基等の分岐鎖プロピレン基;ブタン−1,4−ジイル基、ブタン−1,2−ジイル基、ブタン−1,3−ジイル基、ブタン−2,3−ジイル基、ブタン−1,1−ジイル基、ブタン−2,2−ジイル基等の直鎖ブチレン基;2−メチルプロパン−1,3−ジイル基、2−メチルプロパン−1,2−ジイル基等の分岐鎖ブチレン基等が挙げられる。中でも、本発明の効果が得られやすい化合物が得られることから、R
20は、炭素数2〜4の2価の直鎖の炭化水素基であることが好ましく、エチレン基、プロパン−1,3−ジイル(直鎖プロピレン)基であることがより好ましく、エチレン基であることが更に好ましい。なお、R
20は、全て同一の基であってもよく、異なる基であってもよい。
【0037】
一般式(4)において、tは、100〜500の数を表し、中でも、本発明の効果が得られやすい化合物が得られることから、120〜450であることが好ましく、150〜400であることがより好ましく、180〜350であることが更に好ましく、200〜300であることが最も好ましい。
【0038】
一般式(5)で表されるジイソシアネート化合物としては、例えば、トリメチレンジイソシアネート、テトラメチレンジイソシアネート、ペンタメチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)、2,2−ジメチルペンタンジイソシアネート、オクタメチレンジイソシアネート、2,2,4−トリメチルペンタンジイソシアネート、ノナメチレンジイソシアネート、デカメチレンジイソシアネート、ドデカメチレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート(IPDI)、ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート(水添MDI)、水添キシリレンジイソシアネート(水添XDI)及び2,4,4(又は2,2,4)−トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート(TMDI)等の脂肪族ジイソシアネート;トリレンジイソシアネート(TDI)、ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)、トルイジンジイソシアネート(TODI)、キシリレンジイソシアネート(XDI)及びナフタレンジイソシアネート(NDI)等の芳香族ジイソシアネート等が挙げられる。
【0039】
一般式(5)のQは、炭素数3〜16の2価の炭化水素基であればいずれでもよいが、上記に例示したジイソシアネート化合物から、2つのイソシアネート基を除いた基であることが好ましい。ジイソシアネートの中でも、脂肪族ジイソシアネートが好ましく、トリメチレンジイソシアネート、テトラメチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)、オクタメチレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート(IPDI)、ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート(水添MDI)、水添キシリレンジイソシアネート(水添XDI)及び2,4,4(又は2,2,4)−トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート(TMDI)がより好ましく、テトラメチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)、オクタメチレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート(IPDI)及びジシクロヘキシルメタンジイソシアネート(水添MDI)が更に好ましく、テトラメチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)及びオクタメチレンジイソシアネートが最も好ましい。
【0040】
なお、前述した一般式(1)のR
4及びR
6はそれぞれ独立して炭素数3〜16の2価の炭化水素基を表し、より具体的には、上記に例示したジイソシアネート化合物から、2つのイソシアネート基を除いた基であることが好ましく、脂肪族ジイソシアネートから2つのイソシアネート基を除いた基であることがより好ましく、トリメチレンジイソシアネート、テトラメチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)、オクタメチレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート(IPDI)及びジシクロヘキシルメタンジイソシアネート(水添MDI)、水添キシリレンジイソシアネート(水添XDI)及び2,4,4(又は2,2,4)−トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート(TMDI)のいずれかから2つのイソシアネート基を除いた基であることが更に好ましく、テトラメチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)、オクタメチレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート(IPDI)及びジシクロヘキシルメタンジイソシアネート(水添MDI)のいずれかから2つのイソシアネート基を除いた基であることが更により好ましい。本発明の効果がより向上することから、一般式(1)のR
4及びR
6は、テトラメチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)及びオクタメチレンジイソシアネートのいずれかから2つのイソシアネート基を除いた基(炭素数4〜8の2価の脂肪族炭化水素基)であることが最も好ましい。
【0041】
製造方法としては例えば、一般式(5)で表されるジイソシアネート化合物2モルに対して、一般式(4)で表されるポリアルキレングリコールを0.8〜1.2モル、好ましくは0.9〜1.1モル反応させプレポリマーを合成した後、系中に一般式(3)で表されるアルコール化合物を1.8〜2.2モル、好ましくは1.9〜2.1モルを加え反応させればよく、一般的には一般式(5)で表されるジイソシアネート化合物2モルに対して一般式(4)で表されるポリアルキレングリコールを1モル、一般式(3)で表されるアルコール化合物を2モル反応させればよい。具体的な反応条件は、一般式(5)で表されるジイソシアネート化合物と一般式(4)で表されるポリアルキレングリコールを系中に添加して、60〜100℃で1〜10時間反応させた後、一般式(4)で表されるポリアルキレングリコールの消失を確認した後に、一般式(3)で表されるアルコール化合物を後添加して更に同温度で1〜8時間反応する方法が挙げられる。
【0042】
反応は無触媒でも進むが、触媒を使用してもよい。触媒としては、例えば、四塩化チタン、塩化ハフニウム、塩化ジルコニウム、塩化アルミニウム、塩化ガリウム、塩化インジウム、塩化鉄、塩化スズ、フッ化硼素等の金属ハロゲン化物;水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、ソヂウムメチラート、炭酸ナトリウム等のアルカリ金属やアルカリ土類金属の水酸化物、アルコラート物、炭酸塩;酸化アルミニウム、酸化カルシウム、酸化バリウム、酸化ナトリウム等の金属酸化物;テトライソプロピルチタネート、ジブチル錫ジクロライド、ジブチル錫オキサイド、ジブチル錫ビス(2−エチルヘキシルチオグリコレート)等の有機金属化合物;オクチル酸ナトリウム、オクチル酸カリウム、ラウリン酸ナトリウム、ラウリン酸カリウム等の石鹸が挙げられる。これら触媒のいずれか一つを全体の系に対して0.01〜1質量%程度使用すればよい。
【0043】
本発明の硬質表面用洗浄剤組成物を構成する成分(A)は、その配合量は特に規定されないが、本発明の効果が得られやすい洗浄剤組成物が得られることから、洗浄剤組成物全量に対して、0.0425〜9.5質量%配合することが好ましく、0.425〜7.6質量%配合することがより好ましく、0.85〜4.75質量%含有することが更に好ましい。0.0425質量%未満若しくは9.5質量%を超えると、本発明の硬質表面用洗浄剤組成物に適したゲルが形成できない場合や本発明の効果が得られない場合がある。
【0044】
本発明に使用する成分(B)は、下記の一般式(2)で表される化合物である。当該成分(B)は、ゲル化促進剤のような働きをすることで、一般式(1)で表される成分(A)と相乗効果を示し、スプレーボトル等で使用可能な性状の、特徴的なゲルを与える。
【0046】
(式中、R
10、R
11、R
15及びR
16はそれぞれ独立して炭素数4〜20の炭化水素基を表し、R
12及びR
14はそれぞれ独立して炭素数2〜4の2価の炭化水素基を表し、R
13は炭素数3〜16の2価の炭化水素基を表し、j及びmはそれぞれ独立して10〜100の数を表す。)
【0047】
一般式(2)において、R
10、R
11、R
15及びR
16はそれぞれ独立して炭素数4〜20の炭化水素基を表す。該炭化水素基としては、例えば、n−ブチル基、イソブチル基、s−ブチル基、t−ブチル基、n−ペンチル基、分岐鎖ペンチル基、第2級ペンチル基、第3級ペンチル基、n−ヘキシル基、分岐鎖ヘキシル基、第2級ヘキシル基、第3級ヘキシル基、n−ヘプチル基、分岐鎖ヘプチル基、第2級ヘプチル基、第3級ヘプチル基、n−オクチル基、2−エチルヘキシル基、分岐鎖オクチル基、第2級オクチル基、第3級オクチル基、n−ノニル基、分岐鎖ノニル基、第2級ノニル基、第3級ノニル基、n−デシル基、分岐鎖デシル基、第2級デシル基、第3級デシル基、n−ウンデシル基、分岐鎖ウンデシル基、第2級ウンデシル基、第3級ウンデシル基、n−ドデシル基、分岐鎖ドデシル基、第2級ドデシル基、第3級ドデシル基、n−トリデシル基、分岐鎖トリデシル基、第2級トリデシル基、第3級トリデシル基、n−テトラデシル基、分岐鎖テトラデシル基、第2級テトラデシル基、第3級テトラデシル基、n−ペンタデシル基、分岐鎖ペンタデシル基、第2級ペンタデシル基、第3級ペンタデシル基、n−ヘキサデシル基、分岐鎖ヘキサデシル基、第2級ヘキサデシル基、第3級ヘキサデシル基、n−ヘプタデシル基、分岐鎖ヘプタデシル基、第2級ヘプタデシル基、第3級ヘプタデシル基、n−オクタデシル基、分岐鎖オクタデシル基、第2級オクタデシル基、第3級オクタデシル基、n−ノナデシル基、分岐鎖ノナデシル基、第2級ノナデシル基、第3級ノナデシル基、n−イコシル基、分岐鎖イコシル基、第2級イコシル基、第3級イコシル基等の飽和脂肪族炭化水素基;1−ブテニル基、2−ブテニル基、3−ブテニル基、1−メチル−2−プロペニル基、2−メチル−2−プロペニル基、1−ペンテニル基、2−ペンテニル基、3−ペンテニル基、4−ペンテニル基、1−メチル−2−ブテニル基、2−メチル−2−ブテニル基、1−ヘキセニル基、2−ヘキセニル基、3−ヘキセニル基、4−ヘキセニル基、5−ヘキセニル基、1−ヘプテニル基、6−ヘプテニル基、1−オクテニル基、7−オクテニル基、8−ノネニル基、1−デセニル基、9−デセニル基、10−ウンデセニル基、1−ドデセニル基、4−ドデセニル基、11−ドデセニル基、12−トリデセニル基、13−テトラデセニル基、14−ペンタデセニル基、15−ヘキサデセニル基、16−ヘプタデセニル基、1−オクタデセニル基、17−オクタデセニル基、1−ノナデセニル基、1−イコセニル基等の不飽和脂肪族炭化水素基;
【0048】
フェニル基、トルイル基、キシリル基、クメニル基、メシチル基、ベンジル基、フェネチル基、スチリル基、シンナミル基、ベンズヒドリル基、トリチル基、エチルフェニル基、プロピルフェニル基、ブチルフェニル基、ペンチルフェニル基、ヘキシルフェニル基、ヘプチルフェニル基、オクチルフェニル基、ノニルフェニル基、デシルフェニル基、ウンデシルフェニル基、ドデシルフェニル基、スチレン化フェニル基、p−クミルフェニル基、フェニルフェニル基、ベンジルフェニル基、α−ナフチル基、β−ナフチル基等の芳香族炭化水素基;シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロヘプチル基、シクロオクチル基、メチルシクロペンチル基、メチルシクロヘキシル基、メチルシクロヘプチル基、メチルシクロオクチル基、4,4,6,6−テトラメチルシクロヘキシル基、1,3−ジブチルシクロヘキシル基、ノルボルニル基、ビシクロ[2.2.2]オクチル基、アダマンチル基、1−シクロブテニル基、1−シクロペンテニル基、3−シクロペンテニル基、1−シクロヘキセニル基、3−シクロヘキセニル基、3−シクロヘプテニル基、4−シクロオクテニル基、2−メチル−3−シクロヘキセニル基、3,4−ジメチル−3−シクロヘキセニル基等の脂環式炭化水素基が挙げられる。
【0049】
R
10、R
11、R
15及びR
16は、それぞれ同一であっても、異なっていてもよい。中でも、本発明の効果が得られやすい化合物が得られ、原料の調達及び製造が容易であることから、R
10、R
11、R
15及びR
16は、飽和脂肪族炭化水素基及び不飽和脂肪族炭化水素基であることが好ましく、飽和脂肪族炭化水素基であることがより好ましく、炭素数5〜18の飽和脂肪族炭化水素基であることが更に好ましく、炭素数8〜15の飽和脂肪族炭化水素基であることが更により好ましく、炭素数10〜12の飽和脂肪族炭化水素基であることが最も好ましい。
【0050】
一般式(2)において、R
12及びR
14はそれぞれ独立して炭素数2〜4の2価の炭化水素基を表す。こうした基としては、例えば、エチレン基;プロパン−1,3−ジイル(直鎖プロピレン)基;プロパン−1,2−ジイル基、プロパン−2,2−ジイル基等の分岐鎖プロピレン基;ブタン−1,4−ジイル基、ブタン−1,2−ジイル基、ブタン−1,3−ジイル基、ブタン−2,3−ジイル基、ブタン−1,1−ジイル基、ブタン−2,2−ジイル基等の直鎖ブチレン基;2−メチルプロパン−1,3−ジイル基、2−メチルプロパン−1,2−ジイル基等の分岐鎖ブチレン基等が挙げられる。中でも、本発明の効果が得られやすい化合物が得られることから、R
12及びR
14は、炭素数2〜4の2価の直鎖の炭化水素基であることが好ましく、エチレン基、プロパン−1,3−ジイル(直鎖プロピレン)基であることがより好ましく、エチレン基であることが更に好ましい。なお、R
12は、全て同一の基であってもよく、異なる基であってもよく、R
14もまた、全て同一の基であってもよく、異なる基であってもよい。
【0051】
一般式(2)において、R
13は炭素数3〜16の2価の炭化水素基を表す。こうした基としては、例えば、炭素数3〜16の2価の脂肪族炭化水素基、芳香族炭化水素基又は脂環式炭化水素基が挙げられる。これらの炭化水素基は、炭素数3〜16の範囲内であればいずれでもよいが、後に記載する一般式(7)で表されるジイソシアネート化合物から、2つのイソシアネート基を除いた基であることが好ましい。これについては、後に記載するジイソシアネート化合物の記載において詳しく説明する。
【0052】
一般式(2)において、j及びmはそれぞれ独立して10〜100の数を表し、中でも、原料の製造又は入手が容易であることから12〜50であることが好ましく、15〜30であることがより好ましい。
【0053】
一般式(2)で表される化合物の製造方法は、特に限定されず、公知の製造方法であればどのような方法を用いて製造しても問題ないが、下記の一般式(6)及び(7)で表される化合物を原料として合成することが、簡便かつ安価であり、好ましい。
【0055】
(式中、R
21及びR
22は、それぞれ独立して炭素数4〜20の炭化水素基を表し、R
23は炭素数2〜4の2価の炭化水素基を表し、fは10〜100の数を表す。)
【0057】
(式中、Tは、炭素数3〜16の2価の炭化水素基を表わす。)
【0058】
一般式(6)において、R
21及びR
22はそれぞれ独立して炭素数4〜20の炭化水素基を表す。該炭化水素基としては、例えば、n−ブチル基、イソブチル基、s−ブチル基、t−ブチル基、n−ペンチル基、分岐鎖ペンチル基、第2級ペンチル基、第3級ペンチル基、n−ヘキシル基、分岐鎖ヘキシル基、第2級ヘキシル基、第3級ヘキシル基、n−ヘプチル基、分岐鎖ヘプチル基、第2級ヘプチル基、第3級ヘプチル基、n−オクチル基、2−エチルヘキシル基、分岐鎖オクチル基、第2級オクチル基、第3級オクチル基、n−ノニル基、分岐鎖ノニル基、第2級ノニル基、第3級ノニル基、n−デシル基、分岐鎖デシル基、第2級デシル基、第3級デシル基、n−ウンデシル基、分岐鎖ウンデシル基、第2級ウンデシル基、第3級ウンデシル基、n−ドデシル基、分岐鎖ドデシル基、第2級ドデシル基、第3級ドデシル基、n−トリデシル基、分岐鎖トリデシル基、第2級トリデシル基、第3級トリデシル基、n−テトラデシル基、分岐鎖テトラデシル基、第2級テトラデシル基、第3級テトラデシル基、n−ペンタデシル基、分岐鎖ペンタデシル基、第2級ペンタデシル基、第3級ペンタデシル基、n−ヘキサデシル基、分岐鎖ヘキサデシル基、第2級ヘキサデシル基、第3級ヘキサデシル基、n−ヘプタデシル基、分岐鎖ヘプタデシル基、第2級ヘプタデシル基、第3級ヘプタデシル基、n−オクタデシル基、分岐鎖オクタデシル基、第2級オクタデシル基、第3級オクタデシル基、n−ノナデシル基、分岐鎖ノナデシル基、第2級ノナデシル基、第3級ノナデシル基、n−イコシル基、分岐鎖イコシル基、第2級イコシル基、第3級イコシル基等の飽和脂肪族炭化水素基;1−ブテニル基、2−ブテニル基、3−ブテニル基、1−メチル−2−プロペニル基、2−メチル−2−プロペニル基、1−ペンテニル基、2−ペンテニル基、3−ペンテニル基、4−ペンテニル基、1−メチル−2−ブテニル基、2−メチル−2−ブテニル基、1−ヘキセニル基、2−ヘキセニル基、3−ヘキセニル基、4−ヘキセニル基、5−ヘキセニル基、1−ヘプテニル基、6−ヘプテニル基、1−オクテニル基、7−オクテニル基、8−ノネニル基、1−デセニル基、9−デセニル基、10−ウンデセニル基、1−ドデセニル基、4−ドデセニル基、11−ドデセニル基、12−トリデセニル基、13−テトラデセニル基、14−ペンタデセニル基、15−ヘキサデセニル基、16−ヘプタデセニル基、1−オクタデセニル基、17−オクタデセニル基、1−ノナデセニル基、1−イコセニル基等の不飽和脂肪族炭化水素基;
【0059】
フェニル基、トルイル基、キシリル基、クメニル基、メシチル基、ベンジル基、フェネチル基、スチリル基、シンナミル基、ベンズヒドリル基、トリチル基、エチルフェニル基、プロピルフェニル基、ブチルフェニル基、ペンチルフェニル基、ヘキシルフェニル基、ヘプチルフェニル基、オクチルフェニル基、ノニルフェニル基、デシルフェニル基、ウンデシルフェニル基、ドデシルフェニル基、スチレン化フェニル基、p−クミルフェニル基、フェニルフェニル基、ベンジルフェニル基、α−ナフチル基、β−ナフチル基等の芳香族炭化水素基;シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロヘプチル基、シクロオクチル基、メチルシクロペンチル基、メチルシクロヘキシル基、メチルシクロヘプチル基、メチルシクロオクチル基、4,4,6,6−テトラメチルシクロヘキシル基、1,3−ジブチルシクロヘキシル基、ノルボルニル基、ビシクロ[2.2.2]オクチル基、アダマンチル基、1−シクロブテニル基、1−シクロペンテニル基、3−シクロペンテニル基、1−シクロヘキセニル基、3−シクロヘキセニル基、3−シクロヘプテニル基、4−シクロオクテニル基、2−メチル−3−シクロヘキセニル基、3,4−ジメチル−3−シクロヘキセニル基等の脂環式炭化水素基が挙げられる。
【0060】
R
21及びR
22は、それぞれ同一であっても、異なっていてもよい。中でも、本発明の効果が得られやすい化合物が得られ、調達及び製造が容易であることから、R
21及びR
22は、飽和脂肪族炭化水素基及び不飽和脂肪族炭化水素基であることが好ましく、飽和脂肪族炭化水素基であることがより好ましく、炭素数5〜18の飽和脂肪族炭化水素基であることが更に好ましく、炭素数8〜15の飽和脂肪族炭化水素基であることが更により好ましく、炭素数10〜12の飽和脂肪族炭化水素基であることが最も好ましい。
【0061】
一般式(6)において、R
23は炭素数2〜4の2価の炭化水素基を表す。該炭化水素基としては、例えば、エチレン基;プロパン−1,3−ジイル(直鎖プロピレン)基;プロパン−1,2−ジイル基、プロパン−2,2−ジイル基等の分岐鎖プロピレン基;ブタン−1,4−ジイル基、ブタン−1,2−ジイル基、ブタン−1,3−ジイル基、ブタン−2,3−ジイル基、ブタン−1,1−ジイル基、ブタン−2,2−ジイル基等の直鎖ブチレン基;2−メチルプロパン−1,3−ジイル基、2−メチルプロパン−1,2−ジイル基等の分岐鎖ブチレン基等が挙げられる。中でも、本発明の効果が得られやすい化合物が得られることから、R
23は、炭素数2〜4の2価の直鎖の炭化水素基であることが好ましく、エチレン基、プロパン−1,3−ジイル(直鎖プロピレン)基であることがより好ましく、エチレン基であることが更に好ましい。なお、R
23は、全て同一の基であってもよく、異なる基であってもよい。
【0062】
一般式(6)において、fは、10〜100の数を表し、中でも、製造又は入手が容易であることから12〜50であることが好ましく、15〜30であることがより好ましい。
【0063】
一般式(7)で表されるジイソシアネート化合物としては、例えば、トリメチレンジイソシアネート、テトラメチレンジイソシアネート、ペンタメチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)、2,2−ジメチルペンタンジイソシアネート、オクタメチレンジイソシアネート、2,2,4−トリメチルペンタンジイソシアネート、ノナメチレンジイソシアネート、デカメチレンジイソシアネート、ドデカメチレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート(IPDI)、ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート(水添MDI)、水添キシリレンジイソシアネート(水添XDI)及び2,4,4(又は2,2,4)−トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート(TMDI)等の脂肪族ジイソシアネート;トリレンジイソシアネート(TDI)、ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)、トルイジンジイソシアネート(TODI)、キシリレンジイソシアネート(XDI)及びナフタレンジイソシアネート(NDI)等の芳香族ジイソシアネート等が挙げられる。
【0064】
一般式(7)のTは、炭素数3〜16の2価の炭化水素基であればいずれでもよいが、上記に例示したジイソシアネート化合物から、2つのイソシアネート基を除いた基であることが好ましい。ジイソシアネートの中でも、脂肪族ジイソシアネートが好ましく、トリメチレンジイソシアネート、テトラメチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)、オクタメチレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート(IPDI)、ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート(水添MDI)、水添キシリレンジイソシアネート(水添XDI)及び2,4,4(又は2,2,4)−トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート(TMDI)がより好ましく、テトラメチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)、オクタメチレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート(IPDI)及びジシクロヘキシルメタンジイソシアネート(水添MDI)が更に好ましく、テトラメチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)及びオクタメチレンジイソシアネートが最も好ましい。
【0065】
なお、前述した一般式(2)のR
13は炭素数3〜16の2価の炭化水素基を表し、より具体的には、上記に例示したジイソシアネート化合物から、2つのイソシアネート基を除いた基であることが好ましく、脂肪族ジイソシアネートから2つのイソシアネート基を除いた基であることがより好ましく、トリメチレンジイソシアネート、テトラメチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)、オクタメチレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート(IPDI)及びジシクロヘキシルメタンジイソシアネート(水添MDI)、水添キシリレンジイソシアネート(水添XDI)及び2,4,4(又は2,2,4)−トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート(TMDI)のいずれかから2つのイソシアネート基を除いた基であることが更に好ましく、テトラメチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)、オクタメチレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート(IPDI)及びジシクロヘキシルメタンジイソシアネート(水添MDI)のいずれかから2つのイソシアネート基を除いた基であることが更により好ましい。本発明の効果がより向上することから、一般式(2)のR
13は、テトラメチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)及びオクタメチレンジイソシアネートのいずれかから2つのイソシアネート基(炭素数4〜8の2価の脂肪族炭化水素基)を除いた基であることが最も好ましい。
【0066】
製造方法としては例えば、一般式(7)で表されるジイソシアネート化合物1モルに対して、一般式(6)で表されるアルコール化合物を1.8〜2.2モル、好ましくは1.9〜2.1モル反応させればよく、一般的には一般式(7)で表されるジイソシアネート化合物1モルに対して一般式(6)で表されるアルコール化合物を2モル反応させればよい。具体的な反応条件は、一般式(7)で表されるジイソシアネート化合物と一般式(6)で表されるアルコール化合物を系中に添加して、60〜100℃で1〜10時間反応させる方法が挙げられる。
【0067】
上記反応は無触媒でも進むが、触媒を使用してもよい。触媒としては、例えば、四塩化チタン、塩化ハフニウム、塩化ジルコニウム、塩化アルミニウム、塩化ガリウム、塩化インジウム、塩化鉄、塩化スズ、フッ化硼素等の金属ハロゲン化物;水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、ソヂウムメチラート、炭酸ナトリウム等のアルカリ金属やアルカリ土類金属の水酸化物、アルコラート物、炭酸塩;酸化アルミニウム、酸化カルシウム、酸化バリウム、酸化ナトリウム等の金属酸化物;テトライソプロピルチタネート、ジブチル錫ジクロライド、ジブチル錫オキサイド、ジブチル錫ビス(2−エチルヘキシルチオグリコレート)等の有機金属化合物;オクチル酸ナトリウム、オクチル酸カリウム、ラウリン酸ナトリウム、ラウリン酸カリウム等の石鹸が挙げられる。これら触媒のいずれか一つを全体の系に対して0.01〜1質量%程度使用すればよい。
【0068】
本発明の硬質表面用洗浄剤組成物を構成する成分(B)は、その配合量は特に規定されないが、本発明の効果が得られやすい洗浄剤組成物が得られることから、洗浄剤組成物全量に対して、0.0025〜1.5質量%配合することが好ましく、0.025〜1.2質量%配合することがより好ましく、0.05〜0.75質量%含有することが更に好ましい。0.0025質量%未満若しくは1.5質量%を超えると、本発明の洗浄剤組成物に適したゲルが形成できない場合や本発明の効果が得られない場合がある。
【0069】
本発明の硬質表面用洗浄剤組成物は、成分(A)と成分(B)を配合するが、成分(A)と成分(B)との質量比が、(A):(B)=95:5〜85:15であることを要する。中でも本発明の効果が顕著に現れることから、成分(A)と成分(B)との質量比が、(A):(B)=94:6〜87:13であることが好ましく、(A):(B)=93:7〜89:11であることがより好ましく、(A):(B)=92:8〜90:10であることが更に好ましい。成分(B)の質量比が、(A):(B)=95:5より少ないと、スプレーボトル等で使用可能な性状のゲルを得ることが困難となり、成分(C)である洗浄性ビルダーと併用した際、十分なゲル化効果が得られなくなる。また、成分(B)の質量比が、(A):(B)=85:15より多いと、洗浄剤組成物に添加した際、白濁ゾル状となり、また、スプレーボトル等で使用可能な性状のゲルが得られない。
【0070】
なお、成分(A)と、成分(B)は、それぞれ合成し、成分(A)と成分(B)との質量比が、(A):(B)=95:5〜85:15となるように洗浄剤組成物に添加することが好ましい。ここで、成分(A)を製造する原料と成分(B)を製造する原料とを同じ系中で反応させた場合、成分(A)と成分(B)とが混在する生成物が得られる場合がある。しかしながら、当該方法では、成分(A)と成分(B)との質量比が(A):(B)=95:5〜85:15となるように製造することは極めて困難であり、反応条件の設定が非常に難しい。通常、当該方法で製造した場合、成分(B)が全体の5質量%未満で生成され、成分(A)と成分(B)との質量比が(A):(B)=95:5〜85:15の範囲にならないため、本発明の効果を奏する洗浄剤組成物を得ることはできない。これらを本発明の効果を奏する洗浄剤組成物にするためには、得られた生成物中の成分(A)と成分(B)との生成量を分析し、成分(A)と成分(B)との質量比が(A):(B)=95:5〜85:15となるように成分(B)を当該生成物に後添加しなければならないため手間と時間がかかることから好ましくない。なお、成分(A)と成分(B)の質量比に関しては、ゲル浸透クロマトグラフィーによって分析することができる。
【0071】
本発明の硬質表面用洗浄剤組成物を構成する成分(C)は洗浄性ビルダーである。洗浄性ビルダーとして知られている化合物であれば特に制限されないが、本発明に適した洗浄性ビルダーとしては、無機ビルダー及び有機ビルダーが挙げられる。
【0072】
無機ビルダーとしては、例えば、炭酸及び炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、重炭酸ナトリウム、セスキ炭酸ナトリウム等の炭酸塩;亜硫酸及び亜硫酸ナトリウム、亜硫酸カリウム等の亜硫酸塩;珪酸及び珪酸ナトリウム等の珪酸塩;硫酸及び硫酸ナトリウム、硫酸カリウム等の硫酸塩;塩化ナトリウム、塩化カリウム等の塩化物;アルミノ珪酸及び結晶性アルミノ珪酸塩(A型ゼオライト、X型ゼオライト、Y型ゼオライト、P型ゼオライト)、非晶性アルミノ珪酸塩等のアルミノ珪酸塩等が挙げられる。なお、塩とは、ナトリウム塩、カリウム塩等のアルカリ金属塩、マグネシウム塩、カルシウム塩等のアルカリ土類金属塩のいずれかであることを表す。
【0073】
有機ビルダーとしては、例えば、ニトリロトリ酢酸、エチレンジアミンテトラ酢酸、β−アラニンジ酢酸、アスパラギン酸ジ酢酸、メチルグリシンジ酢酸、イミノジコハク酸等のアミノカルボン酸及びその塩;セリンジ酢酸、ヒドロキシイミノジコハク酸、ヒドロキシエチルエチレンジアミン三酢酸、ジヒドロキシエチルグリシン等のヒドロキシアミノカルボン酸及びその塩;ヒドロキシ酢酸、酒石酸、クエン酸、グルコン酸等のヒドロキシカルボン酸及びその塩;ピロメリット酸、ベンゾポリカルボン酸、シクロペンタンテトラカルボン酸等のシクロカルボン酸及びその塩;エーテルカルボン酸及びカルボキシメチルタルトロネート、カルボキシメチルオキシサクシネート、オキシジサクシネート、酒石酸モノ又はジサクシネート等のエーテルカルボン酸塩;ポリアクリル酸、アクリル酸−アリルアルコール共重合体、アクリル酸−マレイン酸共重合体、ポリグリオキシル酸等のポリアセタールカルボン酸及びその塩;ヒドロキシアクリル酸重合体、多糖類−アクリル酸共重合体等のアクリル酸重合体又は共重合体の塩;マレイン酸、イタコン酸、フマル酸、テトラメチレン1,2−ジカルボン酸、コハク酸、アスパラギン酸等の重合体又は共重合体の塩;デンプン、セルロース、アミロース、ペクチン等の多糖類酸化物等の多糖類誘導体等が挙げられる。なお、塩とは、ナトリウム塩、カリウム塩等のアルカリ金属塩、マグネシウム塩、カルシウム塩等のアルカリ土類金属塩、アミン等のアルカリ成分と反応することによって得られた塩のいずれかであることを表す。中でも、本発明の効果が得られやすい洗浄剤組成物が得られることから、硫酸、硫酸塩、珪酸、珪酸塩、アミノカルボン酸、アミノカルボン酸塩、ヒドロキシカルボン酸、ヒドロキシカルボン酸塩であることが好ましい。
【0074】
本発明の硬質表面用洗浄剤組成物を構成する成分(C)である洗浄性ビルダーは、1種又は2種以上を組み合わせて配合してもよく、その配合量は特に規定されないが、本発明の効果が得られやすい洗浄剤組成物が得られることから、硬質表面用洗浄剤組成物全量に対して、0.5〜30質量%配合することが好ましく、1〜20質量%配合することがより好ましく、1.5〜10質量%含有することが更に好ましい。0.5質量%未満であると本発明の効果が得られない場合があり、30質量%を超えると添加量に見合った本発明の効果が得られない場合がある。
【0075】
本発明の洗浄剤組成物中の、ゲル化剤である成分(A)と成分(B)の合計量と、成分(C)の配合比(質量比)は特に制限されないが、ゲル化効果が顕著に得られ且つ洗浄力の高い洗浄剤組成物が得られることから、(成分(A)と成分(B)の合計量):成分(C)=1:50〜50:1(質量比)の比率で配合することが好ましく、(成分(A)と成分(B)の合計量):成分(C)=1:30〜30:1(質量比)の比率で配合することがより好ましく、(成分(A)と成分(B)の合計量):成分(C)=1:10〜10:1(質量比)の比率で配合することが更に好ましい。
【0076】
本発明の洗浄剤組成物は、更に成分(D)として、界面活性剤を配合することができる。この成分(D)を加えることで、洗浄力及び使用後の感触が良好な洗浄剤組成物が得られるため好ましい。ここでは、一般的に知られている界面活性剤であれば特に制限されず、アニオン界面活性剤、カチオン界面活性剤、ノニオン界面活性剤、両性界面活性剤等が使用可能である。
【0077】
本発明の硬質表面用洗浄剤組成物に適したアニオン性界面活性剤としては、例えば、高級脂肪酸塩型アニオン界面活性剤、スルホン酸塩型アニオン界面活性剤、硫酸エステル塩型アニオン界面活性剤、リン酸エステル塩型アニオン界面活性剤、スルホコハク酸塩型アニオン界面活性剤などが挙げられる。
【0078】
高級脂肪酸塩型アニオン界面活性剤としては、例えば、炭素数12〜18の飽和又は不飽和脂肪酸、ヤシ油脂肪酸、硬化ヤシ油脂肪酸、パーム油脂肪酸、硬化パーム油脂肪酸、牛脂脂肪酸、硬化牛脂脂肪酸などの塩(カリウム塩、ナトリウム塩、トリエタノールアミン塩、アンモニウム塩など)など;アルキルエーテルカルボン酸塩、アルキルアリルエーテルカルボン酸塩、N−アシルサルコシン塩、N−アシルグルタミン酸塩などが挙げられ、より具体的には、例えば、ラウリン酸カリウム、ラウリン酸ナトリウム、パルミチン酸ナトリウム、ミリスチン酸カリウム、ラウリルエーテルカルボン酸ナトリウム、N−ラウロイルサルコシンナトリウム、N−ラウロイルグルタミン酸ナトリウム、ヤシ油脂肪酸グルタミン酸ナトリウム、N−ステアロイルグルタミン酸ジナトリウム、N−ミリストイル−L−グルタミン酸モノナトリウム、ヤシ油脂肪酸イセチオン酸ナトリウム、ヤシ油脂肪酸トリエタノールアミン等が挙げられる。
【0079】
スルホン酸塩型アニオン界面活性剤としては、例えば、高級脂肪酸アミドスルホン酸塩、アルキルベンゼンスルホン酸塩、N−アシルアミノスルホン酸塩、α−オレフィンスルホン酸塩、高級脂肪酸エステルスルホン酸塩などが挙げられ、より具体的には、例えば、N−ミリストイル−N−メチルタウリンナトリウム、N−ステアロイル−N−メチルタウリンナトリウム、ヤシ油脂肪酸メチルタウリンナトリウム、ヤシ油脂肪酸アシルメチルタウリンナトリウム、ラウリルメチルタウリンナトリウム、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、ドデシルベンゼンスルホン酸トリエタノールアミン、N−ココイル−N−メチルタウリンナトリウム等が挙げられる。
【0080】
硫酸エステル塩型アニオン界面活性剤としては、例えば、高級アルキル硫酸塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸塩、高級脂肪酸エステル硫酸塩、二級アルコール硫酸塩、高級脂肪酸アルキロールアミド硫酸塩等が挙げられる。より具体的には、例えば、ラウリル硫酸ナトリウム、ラウリル硫酸カリウム、ポリオキシエチレンラウリル硫酸トリエタノールアミン、ポリオキシエチレンラウリル硫酸ナトリウム、硬化ヤシ油脂肪酸グリセリン硫酸ナトリウム等が挙げられる。
【0081】
リン酸エステル塩型アニオン界面活性剤としては、例えば、モノラウリルリン酸トリエタノールアミン、モノラウリルリン酸ジカリウム、ポリオキシエチレンオレイルエーテルリン酸ナトリウム、ポリオキシエチレンステアリルエーテルリン酸ナトリウム等が挙げられる。スルホコハク酸塩型アニオン界面活性剤としては、例えば、ポリオキシエチレンアルキルスルホコハク酸ナトリウム、ジ−2−エチルヘキシルスルホコハク酸ナトリウム、モノラウロイルモノエタノールアミドポリオキシエチレンスルホコハク酸ナトリウム、ラウリルポリプロピレングリコールスルホコハク酸ナトリウム等が挙げられる。中でも、本発明の効果が得られやすいことから、高級脂肪酸塩型アニオン界面活性剤、スルホン酸塩型アニオン界面活性剤、硫酸エステル塩型アニオン界面活性剤がより好ましい。
【0082】
本発明の硬質表面用洗浄剤組成物に適したカチオン性界面活性剤としては、例えば、ドデシルトリメチルアンモニウムクロリド、セチルトリメチルアンモニウムクロリド、ステアリルトリメチルアンモニウムクロリド、ラウリルトリメチルアンモニウムクロリド、ベヘニルトリメチルアンモニウムクロリド、ベヘニルトリメチルアンモニウムメトサルフェートなどのアルキルトリメチルアンモニウム塩型カチオン界面活性剤;セチルトリエチルアンモニウムクロリド、ステアリルトリエチルアンモニウムクロリド、ラウリルトリエチルアンモニウムクロリド、ベヘニルトリエチルアンモニウムクロリド、セチルトリエチルアンモニウムメトサルフェート、ベヘニルトリエチルアンモニウムメトサルフェートなどのアルキルトリエチルアンモニウム塩型カチオン界面活性剤;ジステアリルジメチルアンモニウムクロリド、ジセチルジメチルアンモニウムクロリド、ジラウリルジメチルアンモニウムクロリド、ステアリルジメチルベンジルアンモニウムクロリドなどのジアルキルジメチルアンモニウム塩型カチオン界面活性剤;ステアロキシプロピルトリメチルアンモニウムクロリド、ステアロキシエチルトリメチルアンモニウムクロリド、ステアロキシヒドロキシプロピルトリメチルアンモニウムクロリドなどのアルコキシアルキルトリメチルアンモニウム塩型カチオン界面活性剤;N,N−ジメチルベヘニルアミン、N,N−ジメチルステアリルアミンなどのアルキルジメチルアミンが有機酸又は無機酸と反応して生成した塩;N,N−ジメチル−3−ヘキサデシルオキシプロピルアミン、N,N−ジメチル−3−オクタデシルオキシプロピルアミンなどのアルコキシジメチルアミンが有機酸又は無機酸と反応して生成した塩;ステアリン酸ジエチルアミノエチルアミド、ステアリン酸ジメチルアミノエチルアミド、パルミチン酸ジエチルアミノエチルアミド、パルミチン酸ジメチルアミノエチルアミド、ミリスチン酸ジエチルアミノエチルアミド、ミリスチン酸ジメチルアミノエチルアミド、ベヘニン酸ジエチルアミノエチルアミド、ベヘニン酸ジメチルアミノエチルアミド、ステアリン酸ジエチルアミノプロピルアミド、ステアリン酸ジメチルアミノプロピルアミド、パルミチン酸ジエチルアミノプロピルアミド、パルミチン酸ジメチルアミノプロピルアミド、ミリスチン酸ジエチルアミノプロピルアミド、ミリスチン酸ジメチルアミノプロピルアミド、ベヘニン酸ジエチルアミノプロピルアミド、ベヘニン酸ジメチルアミノプロピルアミドなどのアミド化合物などが挙げられる。
【0083】
これらカチオン界面活性剤の中でも、本発明の効果が得られやすいことから、アルキルトリメチルアンモニウム塩型カチオン界面活性剤がより好ましい。
【0084】
本発明の洗浄剤組成物に適したノニオン性界面活性剤としては、例えば、ソルビタン脂肪酸エステル型ノニオン界面活性剤(例えば、ソルビタンモノオレエート、ソルビタンモノイソステアレート、ソルビタンモノラウレート、ソルビタンモノパルミテート、ソルビタンモノステアレート、ソルビタンセスキオレエート、ソルビタントリオレエート、ペンタ−2−エチルヘキシル酸ジグリセロールソルビタン、テトラ−2−エチルヘキシル酸ジグリセロールソルビタンなど);グリセリン・ポリグリセリン脂肪酸型ノニオン界面活性剤(例えば、モノ綿実油脂肪酸グリセリン、モノエルカ酸グリセリン、セスキオレイン酸グリセリン、モノステアリン酸グリセリン、POE−モノステアリン酸グリセリン、モノイソステアリン酸ポリグリセリン、α,α'−オレイン酸ピログルタミン酸グリセリン、ステアリン酸リンゴ酸グリセリルなど);プロピレングリコール脂肪酸エステル型ノニオン界面活性剤(例えば、モノステアリン酸プロピレングリコールなど);硬化ヒマシ油誘導体型ノニオン界面活性剤;グリセリン・ポリグリセリンアルキルエーテル型ノニオン界面活性剤(例えば、ポリグリセリル・ポリオキシブチレンステアリルエーテルなど);POE−ソルビタン脂肪酸エステル型ノニオン界面活性剤(例えば、POE−ソルビタンモノステアレート、POE−ソルビタンモノオレエート、POE−ソルビタンテトラオレエートなど);POEソルビット脂肪酸エステル型ノニオン界面活性剤(例えば、POE−ソルビットモノラウレート、POE−ソルビットモノオレエート、POE−ソルビットペンタオレエート、POE−ソルビットモノステアレートなど);POE−グリセリン脂肪酸エステル型ノニオン界面活性剤(例えば、POE−グリセリンモノステアレート、POE−グリセリンモノイソステアレート、POE−グリセリントリイソステアレートなど);POE−ジ脂肪酸エステル型ノニオン界面活性剤(例えば、POE−ジステアレート、POE−ジオレエートなど);
【0085】
POE−アルキルエーテル型ノニオン界面活性剤(例えば、POE−ラウリルエーテル、POE−オレイルエーテル、POE−ステアリルエーテル、POE−ベヘニルエーテル、POE−2−オクチルドデシルエーテル、POE−コレスタノールエーテルなど);プルロニック型ノニオン界面活性剤(例えば、プルロニックなど);POE・POP−アルキルエーテル型ノニオン界面活性剤(例えば、POE・POP−ラウリルエーテル、POE・POP−セチルエーテル、POE・POP−2−デシルテトラデシルエーテル、POE・POP−モノブチルエーテル、POE・POP−水添ラノリン、POE・POP−グリセリンエーテルなど);テトラPOE・テトラPOP−エチレンジアミン縮合物型ノニオン界面活性剤(例えば、テトロニックなど);POE−ヒマシ油硬化ヒマシ油誘導体型ノニオン界面活性剤(例えば、POE−ヒマシ油、POE−硬化ヒマシ油、POE−硬化ヒマシ油モノイソステアレート、POE−硬化ヒマシ油トリイソステアレート、POE−硬化ヒマシ油モノピログルタミン酸モノイソステアリン酸ジエステル、POE−硬化ヒマシ油マレイン酸など);POE−ミツロウ・ラノリン誘導体型ノニオン界面活性剤(例えば、POE−ソルビットミツロウなど);アルカノールアミド型ノニオン界面活性剤(例えば、ヤシ油脂肪酸ジエタノールアミド、ヤシ油脂肪酸モノエタノールアミド、ラウリン酸モノエタノールアミド、脂肪酸イソプロパノールアミドなど);POE−プロピレングリコール脂肪酸エステル型ノニオン界面活性剤;POE−アルキルアミン型ノニオン界面活性剤;N−メチルアルキルグルカミド型ノニオン界面活性剤(例えば、N−メチルラウリルグルカミドなど);N−ポリヒドロキシアルキル脂肪酸アミド型ノニオン界面活性剤;POE−脂肪酸アミド型ノニオン界面活性剤;ショ糖脂肪酸エステル型ノニオン界面活性剤(例えば、ショ糖モノステアレート、ショ糖モノラウレート、POP−ショ糖モノラウレートなど);アルキルエトキシジメチルアミンオキシド型ノニオン界面活性剤;トリオレイルリン酸などが挙げられる。なお、POEはポリオキシエチレンの略であり、POPはポリオキシプロピレンの略である。中でも、本発明の効果が得られやすいことから、ポリオキシエチレンアルキルエーテル型ノニオン界面活性剤がより好ましい。
【0086】
本発明の洗浄剤組成物に適した両性界面活性剤としては、例えば、イミダゾリン型両性界面活性剤、ベタイン型両性界面活性剤、アシル第3級アミンオキサイド型両性界面活性剤、アシル第3級ホスフォンオキサイド型両性界面活性剤等が挙げられる。
【0087】
イミダゾリン型両性界面活性剤としては、例えば、2−ウンデシル−N,N,N−(ヒドロキシエチルカルボキシメチル)−2−イミダゾリンナトリウム、2−ココイル−2−イミダゾリニウムヒドロキサイド−1−カルボキシエチロキシ2ナトリウム塩等が挙げられる。
【0088】
ベタイン型両性界面活性剤としては、例えば、アルキルベタイン、アルキルアミドベタイン、アルキルスルホベタイン、アルキルヒドロキシスルホベタイン、ホスホベタイン等が挙げられ、より具体的には、例えば、ラウリルジメチルアミノ酢酸ベタイン、ミリスチルジメチルアミノ酢酸ベタイン、ヤシ油脂肪酸アミドプロピルベタイン、ヤシ油脂肪酸ジメチルスルホプロピルベタイン、ラウリルジメチルアミノヒドロキシスルホベタイン、ラウリルヒドロキシホスホベタイン、2−ヘプタデシル−N−カルボキシメチル−N−ヒドロキシエチルイミダゾリニウムベタイン、ヤシ油アルキル−N−ヒドロキシエチルイミダゾリニウムベタイン等が挙げられる。
【0089】
アシル第3級アミンオキサイド型両性界面活性剤としては、例えば、ラウリルジメチルアミンオキサイドなどが挙げられる。アシル第3級ホスフォンオキサイド型両性界面活性剤としては、例えばラウリルジメチルホスフォンオキサイド等が挙げられる。中でも、本発明の効果が得られやすいことから、ベタイン型両性界面活性剤、アシル第3級アミンオキサイド型両性界面活性剤がより好ましい。
【0090】
成分(D)は、1種又は2種以上を組み合わせて配合してもよく、その配合量は特に規定されないが、顕著な本発明の効果が得られることから、硬質表面用洗浄剤組成物全量に対して、0.5〜50質量%配合することが好ましく、1〜30質量%配合することがより好ましく、1〜10質量%含有することが更に好ましい。1質量%未満であると本発明の効果が得られない場合があり、50質量%を超えると添加量に見合った本発明の効果が得られない場合がある。
【0091】
本発明の洗浄剤組成物に配合される成分(C)と、成分(D)の配合比(質量比)は特に制限されないが、より良好な洗浄力を有する硬質表面用洗浄剤組成物が得られることから、成分(C):成分(D)=1:50〜50:1(質量比)の比率で配合することが好ましく、成分(C):成分(D)=1:30〜30:1(質量比)の比率で配合することがより好ましく、成分(C):成分(D)=1:10〜10:1(質量比)の比率で配合することが更に好ましい。
【0092】
本発明の硬質表面用洗浄剤組成物のpH値は、使用時の安全性と洗浄性の観点から、20℃におけるpHが2以上12以下であることが好ましい。
【0093】
本発明の洗浄剤組成物は、本発明の効果を損なわない質的、量的範囲内であれば、適宜様々な特性を付与する目的で、硬質表面用洗浄剤組成物で一般に使用されるその他の添加剤を使用することができる。例えば、液体油脂、エステル油、シリコーン油、炭化水素油、高級脂肪酸、高級アルコール、ポリオール化合物、湿潤剤、水溶性高分子化合物、金属イオン封鎖剤、糖、アミノ酸及びその誘導体、有機アミン、pH調整剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、可視光吸収剤、防腐剤、殺菌剤、除菌剤、還元剤、塩素補足剤、着色剤(染料)、光沢剤、酵素、香料、顔料等が挙げられ、これらの中から1種又は2種以上を任意に配合することができる。
【0094】
本発明の硬質表面用洗浄剤組成物が使用可能な用途は、特に制限されないが、本発明の効果を必要とする、台所シンクやレンジ等の台所用洗浄剤、バスタブ等の浴室用洗浄剤、便器等のトイレ用洗浄剤等の用途に好適に使用可能である。「硬質表面」とは、例えば、台所、調理場等の壁面や床面、流し台、ガスレンジ、グリル、オーブン等の表面及び内面:浴室の壁面、床面、バスタブの表面:トイレの壁面、床面、便器の表面等が挙げられる。
【実施例】
【0095】
以下本発明を実施例により、具体的に説明するが、本発明は、これらの例によって何ら限定されるものではなく、また本発明の範囲を逸脱しない範囲で変化させてもよい。なお、以下の実施例等において%は特に記載が無い限り質量基準である。
【0096】
まず、実施例及び比較例に使用する成分(A)を製造する。
< 成分(A)の製造に使用する原料 >
成分(A)を製造するにあたり使用した原料を以下に示す。
化合物(3)−1:一般式(3)において、R
17=デシル基、R
18=ドデシル基、R
12=エチレン基、r=20である化合物
化合物(3)−2:一般式(3)において、R
17=オクチル基、R
18=デシル基、R
12=エチレン基、r=20である化合物
化合物(3)−3:一般式(3)において、R
17=ドデシル基、R
18=テトラデシル基、R
12=エチレン基、r=20である化合物
化合物(3)−4:一般式(3)において、R
17=デシル基、R
18=ドデシル基、R
12=エチレン基、r=100である化合物
化合物(4)−1:一般式(4)において、R
20=エチレン基、t=250である化合物
化合物(4)−2:一般式(4)において、R
20=エチレン基、t=450である化合物
化合物(5)−1:ヘキサメチレンジイソシアネート
化合物(5)−2:ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート(水添MDI)
【0097】
< 成分(A)の製造方法 >
温度計、窒素導入管及び攪拌機を付した容量1000mlの4つ口フラスコに、化合物(4)−1を402.2g(0.0348mol)仕込み、50〜60℃に昇温し、化合物(4)−1を溶融させた。その後、化合物(5)−1を11.7g(0.0697mol)仕込み、系内を窒素置換した。各成分が均一になるまで撹拌し、各成分が均一に混合されたことを確認した後、更に70〜80℃まで昇温し、同温度で3時間反応させた。その後、化合物(3)−1を86.1g(0.0697mol)系中に加え、更に70〜80℃にて6時間反応させ、成分(A)−1を得た。更に、表1に記載の原料を用いて、同様の方法にて、成分(A)−2〜(A)−6を製造した。なお、成分(A)−1〜(A)−6は全て、原料である化合物(3)、化合物(4)及び化合物(5)の合計量(反応系全体の量)を統一して製造している。
【0098】
【表1】
【0099】
続いて、実施例及び比較例に使用する成分(B)を製造する。
< 成分(B)の製造に使用する原料 >
成分(B)を製造するにあたり使用した原料を以下に示す。
化合物(6)−1:一般式(6)において、R
21=デシル基、R
22=ドデシル基R
23=エチレン基、f=20である化合物
化合物(6)−2:一般式(6)において、R
21=オクチル基、R
22=デシル基R
23=エチレン基、f=20である化合物
化合物(6)−3:一般式(6)において、R
21=ドデシル基、R
22=テトラデシル基、R
23=エチレン基、f=20である化合物
化合物(6)−4:一般式(6)において、R
21=デシル基、R
22=ドデシル基、R
23=エチレン基、f=100である化合物
化合物(7)−1:ヘキサメチレンジイソシアネート
化合物(7)−2:ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート(水添MDI)
【0100】
< 成分(B)の製造方法 >
温度計、窒素導入管及び攪拌機を付した容量1000mlの4つ口フラスコに、化合物(6)−1を468.1g(0.38mol)仕込み、50〜60℃に昇温し、化合物(6)−1を溶融させた。その後、化合物(7)−1を39.1g(0.19mol)仕込み、系内を窒素置換した。各成分が均一になるまで撹拌し、各成分が均一に混合されたことを確認した後、更に70〜80℃まで昇温し、同温度で6時間反応させ、成分(B)−1を得た。更に、表2に記載の原料を用いて、同様の方法にて、成分(B)−2〜(B)−5を製造した。なお、成分(B)−1〜(B)−5は全て、原料である化合物(6)及び化合物(7)の合計量(反応系全体の量)を統一して製造している。
【0101】
【表2】
【0102】
更に、実施例及び比較例に使用する成分(B)及び成分(C)は以下の通りである。
< 実施例及び比較例に使用する成分(C) >
成分(C)−1:クエン酸
成分(C)−2:珪酸ナトリウム
成分(C)−3:エチレンジアミンテトラ酢酸二ナトリウム
成分(C)−4:エチレンジアミンテトラ酢酸
成分(C)−5:酒石酸ナトリウム
成分(C)−6:硫酸カリウム
【0103】
< 実施例及び比較例に使用する成分(D) >
成分(D)−1:ポリオキシエチレンラウリル硫酸ナトリウム
成分(D)−2:ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム
成分(D)−3:ヤシ油脂肪酸グルタミン酸ナトリウム
成分(D)−4:ラウリルジメチルアミンオキサイド
成分(D)−5:ヤシ油脂肪酸アミドプロピルベタイン
成分(D)−6:ポリオキシエチレンラウリルエーテル
成分(D)−7:ドデシルトリメチルアンモニウムクロリド
【0104】
< 洗浄剤組成物の調製と評価i 台所レンジ用洗浄剤組成物 >
前述した各成分(A)、各成分(B)、各成分(C)及び各成分(D)を用いて台所レンジ用洗浄剤組成物の調製を行った(表3、表4)。表中の単位はgであり、各洗浄剤組成物が100g得られるように調製した。なお、前記洗浄剤組成物の調製は、成分(A)、成分(B)、その他増粘剤(HEC、メセロースMC、カーボポール980)以外の成分を予め約半分量の水に混合した溶液に、成分(A)、成分(B)、その他増粘剤を残りの水と共に加えることによって行った。
【0105】
また更に、成分(A)及び成分(B)に関しては、先に混合し、成分(A)及び成分(B)の質量比の確認を行ったものを洗浄剤組成物に添加している。成分(A)及び成分(B)の質量比の確認は、ゲル浸透クロマトグラフィー(Gel Permeation Chromatography(GPC))を用いて測定し、得られたチャートの面積比をみることで行った。詳細な測定条件は以下の通りである。
【0106】
GPC装置:HLC−8220GPC(東ソー株式会社製)
カラム:TSKgel guardcolumn SuperMP(HZ)−N(1本)、TSKgel SuperMultiporeHZ−N(4本)の5本のカラムを直列に接続して使用。
検出器:RI
サンプル濃度:5mg/ml(テトラヒドロフラン溶液)
カラム温度:40℃
標準サンプル:ポリスチレン
【0107】
表3、4に記載の成分(A)及び成分(B)の配合量は、有効成分としての含有量(g)である。
【0108】
【表3】
【0109】
【表4】
【0110】
上記表3、表4にて調整した台所用レンジ洗浄剤組成物に関し、(1)製品の安定性、(2)スプレーボトルでの使用可能性、(3)洗浄力、(4)使用後の感触について評価を行なった。各評価基準は以下の通りである。
【0111】
(1)製品の安定性(評価1)
上記表3、表4に記載の組成で調整した洗浄剤組成物を50g透明のガラス瓶に入れ、室温(25℃)にて一週間静止し、成分の沈降や分離が生じないか、若しくはゲル状は保たれているかに関して目視にて確認した。評価基準は以下の通りである。
【0112】
A:成分の沈降や分離はなく、ゲル状は保たれている
B:一部成分の沈降や分離が見られるが、ゲル状は保たれている
C:成分の沈降や分離が見られ、一部ゲル状が保たれていない(一部液状化している)
D:成分の沈降や分離が見られ、完全に液状化している
【0113】
(2)スプレーボトルでの使用可能性(評価2)
上記評価1によってゲル状が保たれている洗浄剤組成物(評価A〜Cであったもの)についてスプレーボトルでの使用可能性を評価した。洗浄剤組成物約15gを直径2.5センチメートル、深さ6センチメートルの円柱型スプレーボトルに入れ、スプレー操作によって洗浄剤組成物に剪断応力をかけ、スプレーボトルから噴霧可能かを評価した。評価基準は以下の通りである。
【0114】
A:スプレーボトルから容易に噴霧される
B:スプレーボトルから噴霧される
C:スプレーボトルから噴霧はされないが、噴射はされる
D:スプレーボトルから噴射されない
【0115】
(3)油汚れに対する洗浄力(評価3)
上記評価2によって噴霧若しくは噴射された洗浄剤組成物(評価A〜Cであったもの)について洗浄力の試験を実施した。具体的には、サラダ油を用いて炒め物を調理した後のフライパンに各洗浄剤組成物を噴霧若しくは噴射し、15分静止後、布にて油汚れをふき取った際の油汚れの落ち具合に関して官能評価試験を行なった。
【0116】
A:容易に油汚れが拭き取れた
B:油汚れが拭き取れた
C:ほとんど油汚れが拭き取れない
D:全く油汚れが拭き取れない
【0117】
(4)使用後の感触(評価4)
使用後の感触とは、具体的に、評価3にて実施した油汚れに関する試験の後、スポンジを使用して各洗浄剤組成物約2gをフライパン全体の油汚れとなじませ、こすり洗いをした後、水にて洗い流した後の感触を評価するものである。水洗浄後の(I)べたつき感(べたつき感がないものが5点)、(II)ぬめり感(ぬめり感がないものが5点)、(III)汚れの落ち具合(キュキュっと感)(汚れの落ち具合が良好なものが5点)に関して、各10人に0〜5点の間で点数をつけてもらい、その評価(I)〜(III)の平均点の合計点数を基準に以下A〜Eで評価を行なった。
【0118】
A:合計点数が45〜50点
B:合計点数が40〜44点
C:合計点数が35〜39点
D:合計点数が30〜34点
E:合計点数が29点以下
【0119】
評価結果を以下に示す。全ての評価に関し、B以上を合格とした。
【表5】
【0120】
【表6】
【0121】
結果、本発明品は(1)製品の安定性、(2)スプレーボトルでの使用可能性、(3)洗浄力、(4)使用後の感触全ての項目において良好な台所レンジ用洗浄剤組成物であることがわかった。
【0122】
< 洗浄剤組成物の調製と評価ii 台所シンク用洗浄剤組成物 >
前述した各成分(A)、各成分(B)、各成分(C)及び各成分(D)を用いて台所シンク用洗浄剤組成物の調製を行った(表7、表8)。表中の単位はgであり、各洗浄剤組成物が100g得られるように調製した。
【0123】
なお、前記洗浄剤組成物の調製は、成分(A)、成分(B)、その他増粘剤(HEC、メセロースMC、カーボポール980)以外の成分を予め約半分量の水に混合した溶液に、成分(A)、成分(B)、その他増粘剤を残りの水と共に加えることによって行った。また更に評価iと同様、成分(A)及び成分(B)に関しては、先に混合し、成分(A)及び成分(B)の質量比の確認を行ったものを洗浄剤組成物に添加している。表7、8に記載の成分(A)及び成分(B)の配合量は、有効成分としての含有量(g)である。
【0124】
【表7】
【0125】
【表8】
【0126】
上記表7、表8にて調整した台所シンク用洗浄剤組成物に関し、(1)製品の安定性、(2)スプレーボトルでの使用可能性、(3)洗浄力、(4)使用後の感触について評価を行なった。各評価基準は以下の通りである。
【0127】
(1)製品の安定性(評価1)
上記表7、表8に記載の組成で調製した洗浄剤組成物を透明のガラス瓶に50g入れ、室温(25℃)にて一週間静止し、成分の沈降や分離が生じないか、若しくはゲル状は保たれているかに関して目視にて確認した。評価基準は以下の通りである。
【0128】
A:成分の沈降や分離はなく、ゲル状は保たれている
B:一部成分の沈降や分離が見られるが、ゲル状は保たれている
C:成分の沈降や分離が見られ、一部ゲル状が保たれていない(一部液状化している)
D:成分の沈降や分離が見られ、完全に液状化している
【0129】
(2)スプレーボトルでの使用可能性(評価2)
上記評価1によってゲル状が保たれている洗浄剤組成物(評価A〜Cであったもの)についてスプレーボトルでの使用可能性を評価した。洗浄剤組成物約15gを直径2.5センチメートル、深さ6センチメートルの円柱型スプレーボトルに入れ、スプレー操作によって洗浄剤組成物に剪断応力をかけ、スプレーボトルから噴霧可能かを評価した。評価基準は以下の通りである。
【0130】
A:スプレーボトルから容易に噴霧される
B:スプレーボトルから噴霧される
C:スプレーボトルから噴霧はされないが、噴射はされる
D:スプレーボトルから噴射されない
【0131】
(3)台所シンクの水垢及びぬめり汚れに対する洗浄力(評価3)
上記評価2によって噴霧若しくは噴射された洗浄剤組成物(評価A〜Cであったもの)について洗浄力の試験を実施した。具体的には、台所シンク周りに日常的に発生する白色の水垢汚れ(硬質化したミネラル等)及びぬめり汚れに対し、各洗浄剤組成物を噴霧若しくは噴射し、15分静止後、布にて汚れをふき取った際の汚れの落ち具合に関して官能評価試験を行なった。
【0132】
A:容易に水垢及びぬめり汚れが拭き取れた
B:水垢及びぬめり汚れが拭き取れた
C:ほとんど水垢及びぬめり汚れが拭き取れない
D:全く水垢及びぬめり汚れが拭き取れない
【0133】
(4)使用後の感触(評価4)
使用後の感触とは、具体的に、評価3にて実施した水垢及びぬめり汚れに関する試験の後、スポンジを使用して各洗浄剤組成物約2gを汚れとなじませ、こすり洗いをした後、水にて洗い流した後の感触を評価するものである。水洗浄後の(I)べたつき感(べたつき感がないものが5点)、(II)ぬめり感(ぬめり感がないものが5点)、(III)汚れの落ち具合(キュキュっと感)(汚れの落ち具合が良好なものが5点)に関して、各10人に0〜5点の間で点数をつけてもらい、その評価(I)〜(III)の平均点の合計点数を基準に以下A〜Eで評価を行なった。
【0134】
A:合計点数が45〜50点
B:合計点数が40〜44点
C:合計点数が35〜39点
D:合計点数が30〜34点
E:合計点数が29点以下
【0135】
評価結果を以下に示す。全ての評価に関し、B以上を合格とした。
【表9】
【0136】
【表10】
【0137】
結果、本発明品は(1)製品の安定性、(2)スプレーボトルでの使用可能性、(3)洗浄力、(4)使用後の感触全ての項目において良好な台所シンク用洗浄剤組成物であることがわかった。
【0138】
< 洗浄剤組成物の調製と評価iii 浴室用洗浄剤組成物 >
前述した各成分(A)、各成分(B)、各成分(C)及び各成分(D)を用いて浴室用洗浄剤組成物の調製を行った(表11、表12)。表中の単位はgであり、各洗浄剤組成物が100g得られるように調製した。
【0139】
なお、前記洗浄剤組成物の調製は、成分(A)、成分(B)、その他増粘剤(HEC、メセロースMC、カーボポール980)以外の成分を予め約半分量の水に混合した溶液に、成分(A)、成分(B)、その他増粘剤を残りの水と共に加えることによって行った。また更に評価i及びiiと同様、成分(A)及び成分(B)に関しては、先に混合し、成分(A)及び成分(B)の質量比の確認を行ったものを洗浄剤組成物に添加している。表11、12に記載の成分(A)及び成分(B)の配合量は、有効成分としての含有量(g)である。
【0140】
【表11】
【0141】
【表12】
【0142】
上記表11、表12に記載の組成で調製した浴室用洗浄剤組成物に関し、(1)製品の安定性、(2)スプレーボトルでの使用可能性、(3)洗浄力、(4)使用後の感触について評価を行なった。各評価基準は以下の通りである。
【0143】
(1)製品の安定性(評価1)
上記表11、表12に記載の組成で調製した洗浄剤組成物を透明のガラス瓶に50g入れ、室温(25℃)にて一週間静止し、成分の沈降や分離が生じないか、若しくはゲル状は保たれているかに関して目視にて確認した。評価基準は以下の通りである。
【0144】
A:成分の沈降や分離はなく、ゲル状は保たれている
B:一部成分の沈降や分離が見られるが、ゲル状は保たれている
C:成分の沈降や分離が見られ、一部ゲル状が保たれていない(一部液状化している)
D:成分の沈降や分離が見られ、完全に液状化している
【0145】
(2)スプレーボトルでの使用可能性(評価2)
上記評価1によってゲル状が保たれている洗浄剤組成物(評価A〜Cであったもの)についてスプレーボトルでの使用可能性を評価した。洗浄剤組成物約15gを直径2.5センチメートル、深さ6センチメートルの円柱型スプレーボトルに入れ、スプレー操作によって洗浄剤組成物に剪断応力をかけ、スプレーボトルから噴霧可能かを評価した。評価基準は以下の通りである。
【0146】
A:スプレーボトルから容易に噴霧される
B:スプレーボトルから噴霧される
C:スプレーボトルから噴霧はされないが、噴射はされる
D:スプレーボトルから噴射されない
【0147】
(3)浴室の水垢及びぬめり汚れに対する洗浄力(評価3)
上記評価2によって噴霧若しくは噴射された洗浄剤組成物(評価A〜Cであったもの)について洗浄力の試験を実施した。具体的には、浴室の床やバスタブ、鏡面等に日常的に発生する白色の水垢汚れ(硬質化したミネラル等)及びぬめり汚れに対し、各洗浄剤組成物を噴霧若しくは噴射し、15分静止後、布にて汚れをふき取った際の汚れの落ち具合に関して官能評価試験を行なった。
【0148】
A:容易に水垢及びぬめり汚れが拭き取れた
B:水垢及びぬめり汚れが拭き取れた
C:ほとんど水垢及びぬめり汚れが拭き取れない
D:全く水垢及びぬめり汚れが拭き取れない
【0149】
(4)使用後の感触(評価4)
使用後の感触とは、具体的には、評価3にて実施した水垢及びぬめり汚れに関する試験の後、スポンジを使用して各洗浄剤組成物約2gを汚れとなじませ、こすり洗いをした後、水にて洗い流した後の感触を評価するものである。水洗浄後の(I)べたつき感(べたつき感がないものが5点)、(II)ぬめり感(ぬめり感がないものが5点)、(III)汚れの落ち具合(キュキュっと感)(汚れの落ち具合が良好なものが5点)に関して、各10人に0〜5点の間で点数をつけてもらい、その評価(I)〜(III)の平均点の合計点数を基準に以下A〜Eで評価を行なった。
【0150】
A:合計点数が45〜50点
B:合計点数が40〜44点
C:合計点数が35〜39点
D:合計点数が30〜34点
E:合計点数が29点以下
【0151】
評価結果を以下に示す。全ての評価に関し、B以上を合格とした。
【表13】
【0152】
【表14】
【0153】
結果、本発明品は(1)製品の安定性、(2)スプレーボトルでの使用可能性、(3)洗浄力、(4)使用後の感触全ての項目において良好な浴室用洗浄剤組成物であることがわかった。
【0154】
< 洗浄剤組成物の調製と評価iv トイレ用洗浄剤組成物 >
前述した各成分(A)、各成分(B)、各成分(C)及び各成分(D)を用いてトイレ用洗浄剤組成物の調製を行った(表15、表16)。表中の単位はgであり、各洗浄剤組成物が100g得られるように調製した。
【0155】
なお、前記洗浄剤組成物の調製は、成分(A)、成分(B)、その他増粘剤(HEC、メセロースMC、カーボポール980)以外の成分を予め約半分量の水に混合した溶液に、成分(A)、成分(B)、その他増粘剤を残りの水と共に加えることによって行った。また更に評価i、ii及びiiiと同様、成分(A)及び成分(B)に関しては、先に混合し、成分(A)及び成分(B)の質量比の確認を行ったものを洗浄剤組成物に添加している。表15、16に記載の成分(A)及び成分(B)の配合量は、有効成分としての含有量(g)である。
【0156】
【表15】
【0157】
【表16】
【0158】
上記表15、表16に記載の組成で調製したトイレ用洗浄剤組成物に関し、(1)製品の安定性、(2)スプレーボトルでの使用可能性、(3)洗浄力、(4)使用後の感触について評価を行なった。各評価基準は以下の通りである。
【0159】
(1)製品の安定性(評価1)
上記表15、表16に記載の組成で調製した洗浄剤組成物を透明のガラス瓶に50g入れ、室温(25℃)にて一週間静止し、成分の沈降や分離が生じないか、若しくはゲル状は保たれているかに関して目視にて確認した。評価基準は以下の通りである。
【0160】
A:成分の沈降や分離はなく、ゲル状は保たれている
B:一部成分の沈降や分離が見られるが、ゲル状は保たれている
C:成分の沈降や分離が見られ、一部ゲル状が保たれていない(一部液状化している)
D:成分の沈降や分離が見られ、完全に液状化している
【0161】
(2)スプレーボトルでの使用可能性(評価2)
上記評価1によってゲル状が保たれている洗浄剤組成物(評価A〜Cであったもの)についてスプレーボトルでの使用可能性を評価した。洗浄剤組成物約15gを直径2.5センチメートル、深さ6センチメートルの円柱型スプレーボトルに入れ、スプレー操作によって洗浄剤組成物に剪断応力をかけ、スプレーボトルから噴霧可能かを評価した。評価基準は以下の通りである。
【0162】
A:スプレーボトルから容易に噴霧される
B:スプレーボトルから噴霧される
C:スプレーボトルから噴霧はされないが、噴射はされる
D:スプレーボトルから噴射されない
【0163】
(3)トイレの黄ばみ及び黒ずみ汚れに対する洗浄力(評価3)
上記評価2によって噴霧若しくは噴射された洗浄剤組成物(評価A〜Cであったもの)について洗浄力の試験を実施した。具体的には、トイレの便器等に日常的に発生する黄ばみ及び黒ずみ汚れに対し、各洗浄剤組成物を噴霧若しくは噴射し、15分静止後、布にて汚れをふき取った際の汚れの落ち具合に関して官能評価試験を行なった。
【0164】
A:容易に黄ばみ及び黒ずみ汚れが拭き取れた
B:黄ばみ及び黒ずみ汚れが拭き取れた
C:ほとんど黄ばみ及び黒ずみ汚れが拭き取れない
D:全く黄ばみ及び黒ずみ汚れが拭き取れない
【0165】
(4)使用後の感触(評価4)
使用後の感触とは、具体的には、評価3にて実施した黄ばみ及び黒ずみ汚れに関する試験の後、スポンジを使用して各洗浄剤組成物約2gを汚れとなじませ、こすり洗いをした後、水にて洗い流した後の感触を評価するものである。水洗浄後の(I)べたつき感(べたつき感がないものが5点)、(II)ぬめり感(ぬめり感がないものが5点)、(III)汚れの落ち具合(キュキュっと感)(汚れの落ち具合が良好なものが5点)に関して、各10人に0〜5点の間で点数をつけてもらい、その評価(I)〜(III)の平均点の合計点数を基準に以下A〜Eで評価を行なった。
【0166】
A:合計点数が45〜50点
B:合計点数が40〜44点
C:合計点数が35〜39点
D:合計点数が30〜34点
E:合計点数が29点以下
【0167】
評価結果を以下に示す。全ての評価に関し、B以上を合格とした。
【0168】
【表17】
【0169】
【表18】
【0170】
結果、本発明品は(1)製品の安定性、(2)スプレーボトルでの使用可能性、(3)洗浄力、(4)使用後の感触全ての項目において良好なトイレ用洗浄剤組成物であることがわかった。