特許第6876704号(P6876704)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6876704共結晶、その製造方法、及び共結晶を含有する医薬
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6876704
(24)【登録日】2021年4月28日
(45)【発行日】2021年5月26日
(54)【発明の名称】共結晶、その製造方法、及び共結晶を含有する医薬
(51)【国際特許分類】
   C07D 401/14 20060101AFI20210517BHJP
   A61K 31/4725 20060101ALI20210517BHJP
   A61P 43/00 20060101ALI20210517BHJP
【FI】
   C07D401/14CSP
   A61K31/4725
   A61P43/00 111
【請求項の数】7
【全頁数】47
(21)【出願番号】特願2018-532473(P2018-532473)
(86)(22)【出願日】2016年12月22日
(65)【公表番号】特表2019-504025(P2019-504025A)
(43)【公表日】2019年2月14日
(86)【国際出願番号】JP2016089224
(87)【国際公開番号】WO2017111179
(87)【国際公開日】20170629
【審査請求日】2019年12月6日
(31)【優先権主張番号】特願2015-252658(P2015-252658)
(32)【優先日】2015年12月24日
(33)【優先権主張国】JP
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】000002934
【氏名又は名称】武田薬品工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100080791
【弁理士】
【氏名又は名称】高島 一
(74)【代理人】
【識別番号】100136629
【弁理士】
【氏名又は名称】鎌田 光宜
(72)【発明者】
【氏名】木本 香哉
(72)【発明者】
【氏名】山本 光男
(72)【発明者】
【氏名】北山 理乙
(72)【発明者】
【氏名】澤井 泰宏
(72)【発明者】
【氏名】波々伯部 美幸
(72)【発明者】
【氏名】岩田 健太郎
【審査官】 奥谷 暢子
(56)【参考文献】
【文献】 国際公開第2014/164558(WO,A1)
【文献】 Pharm Tech Japan,2009年,Vol. 25, No.12,p.155-66
【文献】 小嶌隆史ほか,In situラマン分光測定法のcocrystalスクリーニングへの応用,製剤機械技術学会誌,2012年,第21巻, 第2号 (通巻77号),第23-28頁,ISSN: 2186-3237
【文献】 Crystal Growth & Design,2009年,Vol.9, No.6,p.2950-67
【文献】 VISHWESHWAR, P. et al.,J. Pharm. Sci.,2006年,Vol.95, No.3,pp.499-516
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C07D 401/14
A61K 31/4725
A61P 43/00
CAplus/REGISTRY(STN)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
(S)−3−(1−((1−アクリロイルピロリジン−3−イル)オキシ)イソキノリン−3−イル)−1H−1,2,4−トリアゾール−5(4H)−オンと、ゲンチジン酸との共結晶であって、(S)−3−(1−((1−アクリロイルピロリジン−3−イル)オキシ)イソキノリン−3−イル)−1H−1,2,4−トリアゾール−5(4H)−オンとゲンチジン酸とのモル比((S)−3−(1−((1−アクリロイルピロリジン−3−イル)オキシ)イソキノリン−3−イル)−1H−1,2,4−トリアゾール−5(4H)−オン:ゲンチジン酸)が1:1であり、且つ13.04±0.2、5.96±0.2、4.67±0.2、3.63±0.2および3.28±0.2オングストロームの格子面間隔(d)に特徴的ピークが現われる粉末X線回折パターンを示す共結晶。
【請求項2】
請求項1に記載の共結晶を含有する医薬。
【請求項3】
(S)−3−(1−((1−アクリロイルピロリジン−3−イル)オキシ)イソキノリン−3−イル)−1H−1,2,4−トリアゾール−5(4H)−オンの強塩基水溶液と、
ゲンチジン酸の溶液と
を混合し、撹拌することを含請求項1に記載の共結晶の製造方法。
【請求項4】
(S)−3−(1−((1−アクリロイルピロリジン−3−イル)オキシ)イソキノリン−3−イル)−1H−1,2,4−トリアゾール−5(4H)−オンの強塩基水溶液とゲンチジン酸の溶液との混合溶液における、ゲンチジン酸の濃度が、0.298〜0.592mol/Lである請求項に記載の製造方法。
【請求項5】
(S)−3−(1−((1−アクリロイルピロリジン−3−イル)オキシ)イソキノリン−3−イル)−1H−1,2,4−トリアゾール−5(4H)−オンの強塩基水溶液とゲンチジン酸の溶液との混合溶液における、ゲンチジン酸の濃度が、0.388〜0.592mol/Lである請求項に記載の製造方法。
【請求項6】
ゲンチジン酸の溶液の溶媒が、
(i)水、
(ii)イソプロピルアルコール、ジメチルスルホキシド、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、メタノール、エタノール、1−プロパノール、テトラヒドロフラン、アセトン、2,2,2−トリフルオロエタノール、アセトニトリル、1−メチル−2−ピロリドン、および酢酸からなる群から選ばれる少なくとも一つの有機溶媒、または
(iii)(ii)に記載された群から選ばれる少なくとも一つの有機溶媒と水との混合溶媒
である請求項に記載の製造方法。
【請求項7】
(S)−3−(1−((1−アクリロイルピロリジン−3−イル)オキシ)イソキノリン−3−イル)−1H−1,2,4−トリアゾール−5(4H)−オンの強塩基水溶液とゲンチジン酸の溶液との混合物に、(S)−3−(1−((1−アクリロイルピロリジン−3−イル)オキシ)イソキノリン−3−イル)−1H−1,2,4−トリアゾール−5(4H)−オンとゲンチジン酸との共結晶を、種晶として添加することを含む請求項に記載の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、(S)−3−(1−((1−アクリロイルピロリジン−3−イル)オキシ)イソキノリン−3−イル)−1H−1,2,4−トリアゾール−5(4H)−オンの共結晶およびその製造方法に関する。
【0002】
(発明の背景)
特許文献1には、ブルトンチロシンキナーゼ(以下「BTK」と略称することがある)の阻害薬であるピリジニルトリアゾロン誘導体または縮合ピリジニルトリアゾロン誘導体として、式1:
【0003】
【化1】
【0004】
(式中の基の定義は特許文献1に記載された通りである。)
で表される化合物(以下「化合物1」と略称することがある)が記載されている。また、特許文献1の実施例5では、化合物1の一例として、下記式:
【0005】
【化2】
【0006】
で表される(S)−3−(1−((1−アクリロイルピロリジン−3−イル)オキシ)イソキノリン−3−イル)−1H−1,2,4−トリアゾール−5(4H)−オン(以下「化合物(A)」と略称することがある)が製造されている。
【0007】
さらに、特許文献1の段落[0083]には、化合物1が共結晶として存在してもよい旨が記載されている。なお、共結晶とは、一般に、該共結晶を構成する多成分がイオン結合以外の結合または相互作用(例えば、水素結合、ファンデル・ワールス力、π―π結合等)で結びついている結晶を意味し、多成分がイオン結合で結びついている塩とは区別される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】国際公開第2014/164558号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明の目的は、化合物(A)の溶出性および経口吸収性を向上させることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明者らが鋭意検討を重ねた結果、化合物(A)と、化合物(A)と共結晶を形成し得る有機酸との共結晶は、化合物(A)に比べて、溶出性が向上することを見出した。この知見に基づく本発明は以下の通りである。
【0011】
[1] (S)−3−(1−((1−アクリロイルピロリジン−3−イル)オキシ)イソキノリン−3−イル)−1H−1,2,4−トリアゾール−5(4H)−オンと、前記化合物と共結晶を形成し得る有機酸との共結晶。
[2] 有機酸が、カルボン酸である前記[1]に記載の共結晶。
[3] カルボン酸が、式(I):
HOOC−R−X (I)
[式中、
Xは、ヒドロキシ基またはカルボキシ基を示し、
は、式(Ia):
*−C(R)=C(R)−** (Ia)
{式中、
およびRは、それぞれ独立に、水素原子、または置換されていてもよいC1−6アルキル基を示すか、或いは互いに結合して、これらが結合している炭素原子と共に、置換されていてもよいC6−14炭化水素環を形成し、
*は、HOOCとの結合位置を示し、
**は、Xとの結合位置を示す。}
で表される2価の基を示すか、または式(Ib):
*−C(R)(R)−** (Ib)
{式中、
およびRは、それぞれ独立に、水素原子、置換されていてもよいC1−6アルキル基、または置換されていてもよいC6−14アリール基を示し、
*は、HOOCとの結合位置を示し、
**は、Xとの結合位置を示す。}
で表される2価の基を示す。]
で表される化合物である前記[2]に記載の共結晶。
[4] 置換されていてもよいC1−6アルキル基が、ヒドロキシ基およびカルボキシ基からなる群から選ばれる少なくとも一つの置換基を有していてもよいC1−6アルキル基である前記[3]に記載の共結晶。
[5] 置換されていてもよいC6−14炭化水素環が、ヒドロキシ基およびカルボキシ基からなる群から選ばれる少なくとも一つの置換基を有していてもよいベンゼン環である前記[3]に記載の共結晶。
[6] 置換されていてもよいC6−14アリール基が、ヒドロキシ基およびカルボキシ基からなる群から選ばれる少なくとも一つの置換基を有していてもよいフェニルである前記[3]に記載の共結晶。
[7] 式(I)で表される化合物が、ゲンチジン酸、サリチル酸、マレイン酸、マロン酸、リンゴ酸、マンデル酸またはクエン酸である前記[3]に記載の共結晶。
[8] 式(I)で表される化合物が、ゲンチジン酸、サリチル酸またはマレイン酸である前記[3]に記載の共結晶。
[9] 式(I)で表される化合物が、ゲンチジン酸である前記[3]に記載の共結晶。
[10] (S)−3−(1−((1−アクリロイルピロリジン−3−イル)オキシ)イソキノリン−3−イル)−1H−1,2,4−トリアゾール−5(4H)−オンとゲンチジン酸とのモル比((S)−3−(1−((1−アクリロイルピロリジン−3−イル)オキシ)イソキノリン−3−イル)−1H−1,2,4−トリアゾール−5(4H)−オン:ゲンチジン酸)が1:0.5〜1:5である前記[9]に記載の共結晶。
[11] 前記[1]〜[10]のいずれか一つに記載の共結晶を含有する医薬。
【0012】
[12] (S)−3−(1−((1−アクリロイルピロリジン−3−イル)オキシ)イソキノリン−3−イル)−1H−1,2,4−トリアゾール−5(4H)−オンの強塩基水溶液と、
式(I):
HOOC−R−X (I)
[式中、
Xは、ヒドロキシ基またはカルボキシ基を示し、
は、式(Ia):
*−C(R)=C(R)−** (Ia)
{式中、
およびRは、それぞれ独立に、水素原子、または置換されていてもよいC1−6アルキル基を示すか、或いは互いに結合して、これらが結合している炭素原子と共に、置換されていてもよいC6−14炭化水素環を形成し、
*は、HOOCとの結合位置を示し、
**は、Xとの結合位置を示す。}
で表される2価の基を示すか、または式(Ib):
*−C(R)(R)−** (Ib)
{式中、
およびRは、それぞれ独立に、水素原子、置換されていてもよいC1−6アルキル基、または置換されていてもよいC6−14アリール基を示し、
*は、HOOCとの結合位置を示し、
**は、Xとの結合位置を示す。}
で表される2価の基を示す。]
で表される化合物の溶液と
を混合し、撹拌することを含む前記[3]に記載の共結晶の製造方法。
[13] (S)−3−(1−((1−アクリロイルピロリジン−3−イル)オキシ)イソキノリン−3−イル)−1H−1,2,4−トリアゾール−5(4H)−オンの強塩基水溶液と式(I)で表される化合物の溶液との混合溶液における、式(I)で表される化合物の濃度が、0.298〜0.592mol/Lである前記[12]に記載の製造方法。
[14] (S)−3−(1−((1−アクリロイルピロリジン−3−イル)オキシ)イソキノリン−3−イル)−1H−1,2,4−トリアゾール−5(4H)−オンの強塩基水溶液と式(I)で表される化合物の溶液との混合溶液における、式(I)で表される化合物の濃度が、0.388〜0.592mol/Lである前記[12]に記載の製造方法。
[15] 式(I)で表される化合物の溶液の溶媒が、
(i)水、
(ii)イソプロピルアルコール、ジメチルスルホキシド、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、メタノール、エタノール、1−プロパノール、テトラヒドロフラン、アセトン、2,2,2−トリフルオロエタノール、アセトニトリル、1−メチル−2−ピロリドン、および酢酸からなる群から選ばれる少なくとも一つの有機溶媒、または
(iii)(ii)に記載された群から選ばれる少なくとも一つの有機溶媒と水との混合溶媒
である前記[12]に記載の製造方法。
[16] (S)−3−(1−((1−アクリロイルピロリジン−3−イル)オキシ)イソキノリン−3−イル)−1H−1,2,4−トリアゾール−5(4H)−オンの強塩基水溶液と式(I)で表される化合物の溶液との混合物に、(S)−3−(1−((1−アクリロイルピロリジン−3−イル)オキシ)イソキノリン−3−イル)−1H−1,2,4−トリアゾール−5(4H)−オンと式(I)で表される化合物との共結晶を、種晶として添加することを含む前記[12]に記載の製造方法。
[17] 式(I)で表される化合物が、ゲンチジン酸、サリチル酸、マレイン酸、マロン酸、リンゴ酸、マンデル酸またはクエン酸である前記[12]〜[16]のいずれか一つに記載の製造方法。
[18] 式(I)で表される化合物が、ゲンチジン酸、サリチル酸またはマレイン酸である前記[12]〜[16]のいずれか一つに記載の製造方法。
[19] 式(I)で表される化合物が、ゲンチジン酸である前記[12]〜[16]のいずれか一つに記載の製造方法。
【発明の効果】
【0013】
化合物(A)を、化合物(A)と、化合物(A)と共結晶を形成し得る有機酸との共結晶に変換することによって、化合物(A)の溶出性および経口吸収性を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1】製造例2で得られた化合物(A)とゲンチジン酸との共結晶の粉末X線回折チャートである。
図2】化合物(A)の粉末X線回折チャートである。
図3】ゲンチジン酸の粉末X線回折チャートである。
図4】製造例15で得られた化合物(A)とゲンチジン酸との共結晶の粉末X線回折チャートである。
図5】製造例16で得られた化合物(A)とゲンチジン酸との共結晶の粉末X線回折チャートである。
図6】試験例4での測定で得られた化合物(A)の血漿中の濃度および時間の曲線を示すグラフである。
図7】試験例5での測定で得られた化合物(A)の血漿中の濃度および時間の曲線を示すグラフである。
【0015】
(発明の詳細な説明)
本発明は、化合物(A)と、化合物(A)と共結晶を形成し得る有機酸との共結晶を提供する。本発明の共結晶は、下記試験例に示すように、化合物(A)に比べて溶出性(溶解度および溶解速度)が優れている。溶出性に優れた本発明の共結晶は、経口吸収性にも優れる。本発明の共結晶は、無水和物でもよく、水和物でもよい。
【0016】
化合物(A)と共結晶を形成し得る有機酸としては、カルボン酸が好ましく、式(I):
HOOC−R−X (I)
[式中、
Xは、ヒドロキシ基またはカルボキシ基を示し、
は、式(Ia):
*−C(R)=C(R)−** (Ia)
{式中、
およびRは、それぞれ独立に、水素原子、または置換されていてもよいC1−6アルキル基を示すか、或いは互いに結合して、これらが結合している炭素原子と共に、置換されていてもよいC6−14炭化水素環を形成し、
*は、HOOCとの結合位置を示し、
**は、Xとの結合位置を示す。}
で表される2価の基を示すか、または式(Ib):
*−C(R)(R)−** (Ib)
{式中、
およびRは、それぞれ独立に、水素原子、置換されていてもよいC1−6アルキル基、または置換されていてもよいC6−14アリール基を示し、
*は、HOOCとの結合位置を示し、
**は、Xとの結合位置を示す。}
で表される2価の基を示す。]
で表される化合物(以下「化合物(I)」と略称することがある)がより好ましい。
【0017】
化合物(I)は、式(I)で表されるようにカルボキシ基(HOOC−)とヒドロキシ基またはカルボキシ基(−X)との組合せを有する。これらの二つの基が、化合物(A)の窒素原子およびカルボニル基と水素結合を形成することによって、化合物(A)と化合物(I)との共結晶の形成に寄与すると考えられる。
【0018】
本明細書中、「C1−6アルキル基」としては、例えば、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、sec−ブチル、tert−ブチル、ペンチル、イソペンチル、ネオペンチル、1−エチルプロピル、ヘキシル、イソヘキシル、1,1−ジメチルブチル、2,2−ジメチルブチル、3,3−ジメチルブチル、2−エチルブチルが挙げられる。
【0019】
本明細書中、「C6−14アリール基」としては、例えば、フェニル、1−ナフチル、2−ナフチル、1−アントリル、2−アントリル、9−アントリルが挙げられる。
【0020】
本明細書中、「C6−14炭化水素環」としては、例えば、C6−14芳香族炭化水素環、C3−10シクロアルカン、C3−10シクロアルケンが挙げられる。
本明細書中、「C6−14芳香族炭化水素環」としては、例えば、ベンゼン、ナフタレンが挙げられる。
本明細書中、「C3−10シクロアルカン」としては、例えば、シクロプロパン、シクロブタン、シクロペンタン、シクロヘキサン、シクロヘプタン、シクロオクタンが挙げられる。
本明細書中、「C3−10シクロアルケン」としては、例えば、シクロプロペン、シクロブテン、シクロペンテン、シクロヘキセン、シクロヘプテン、シクロオクテンが挙げられる。
【0021】
式(I)中の置換されていてもよいC1−6アルキル基、置換されていてもよいC6−14アリール基および置換されていてもよいC6−14炭化水素環が有し得る置換基としては、非塩基性の基が好ましい。化合物(I)が塩基性の基を有する場合、この塩基性の基と、化合物(I)が有するカルボキシ基から解離したプロトンとが結合し、塩が形成されることによって、化合物(I)と化合物(A)との共結晶の形成が阻害されるおそれがある。
【0022】
置換されていてもよいC1−6アルキル基が有し得る置換基としては、例えば、ハロゲン原子(例、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素)、ニトロ基、シアノ基、オキソ基、ヒドロキシ基、ホルミル基、カルボキシ基、スルホ基が挙げられる。置換されていてもよいC1−6アルキル基は、好ましくは、ヒドロキシ基およびカルボキシ基からなる群から選ばれる少なくとも一つの置換基を有していてもよいC1−6アルキル基である。
【0023】
置換されていてもよいC6−14アリール基が有し得る置換基としては、例えば、ハロゲン原子(例、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素)、ニトロ基、シアノ基、オキソ基、ヒドロキシ基、ホルミル基、カルボキシ基、スルホ基、置換されていてもよいC1−6アルキル基が挙げられる。置換されていてもよいC6−14アリール基は、好ましくは、ヒドロキシ基およびカルボキシ基からなる群から選ばれる少なくとも一つの置換基を有していてもよいフェニルである。
【0024】
置換されていてもよいC6−14炭化水素環が有し得る置換基としては、例えば、ハロゲン原子(例、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素)、ニトロ基、シアノ基、オキソ基、ヒドロキシ基、ホルミル基、カルボキシ基、スルホ基、置換されていてもよいC1−6アルキル基が挙げられる。置換されていてもよいC6−14炭化水素環は、好ましくは、ヒドロキシ基およびカルボキシ基からなる群から選ばれる少なくとも一つの置換基を有していてもよいベンゼン環である。
【0025】
化合物(I)は、好ましくは、下記式で表されるゲンチジン酸、サリチル酸、マレイン酸、マロン酸、リンゴ酸、マンデル酸またはクエン酸である。なお、リンゴ酸は、L−リンゴ酸、D−リンゴ酸またはこれらの混合物でもよく、好ましくはL−リンゴ酸である。また、マンデル酸は、L−マンデル酸、D−マンデル酸またはこれらの混合物でもよく、好ましくはDL−マンデル酸(即ち、(+/−)−マンデル酸)である。
【0026】
【化3】
【0027】
化合物(I)は、より好ましくはゲンチジン酸、サリチル酸またはマレイン酸であり、さらに好ましくはゲンチジン酸である。化合物(A)とゲンチジン酸との共結晶は、無水和物でもよく、水和物でもよい。化合物(A)とゲンチジン酸との共結晶は、好ましくは無水和物、1水和物または3水和物であり、より好ましくは無水和物である。
【0028】
化合物(A)とゲンチジン酸との共結晶中のこれらのモル比(化合物(A):ゲンチジン酸)は、好ましくは1:0.5〜1:5、より好ましくは1:0.9〜1:3.1、さらに好ましくは1:1または1:3、特に好ましくは1:1である。
【0029】
化合物(A)とゲンチジン酸との共結晶としては、後述する実施例に記載の条件で粉末X線回折測定を行った場合、好ましくは13.04±0.2、5.96±0.2、4.67±0.2、3.63±0.2および3.28±0.2オングストローム付近の格子面間隔(d)に特徴的ピークが現われる粉末X線回折パターンを示す共結晶、より好ましくは13.04±0.2、10.92±0.2、9.97±0.2、5.96±0.2、4.67±0.2、3.63±0.2および3.28±0.2オングストローム付近の格子面間隔(d)に特徴的ピークが現われる粉末X線回折パターンを示す共結晶、さらに好ましくは13.04±0.2、10.92±0.2、9.97±0.2、6.14±0.2、5.96±0.2、5.28±0.2、4.67±0.2、3.63±0.2および3.28±0.2オングストローム付近の格子面間隔(d)に特徴的ピークが現われる粉末X線回折パターンを示す共結晶が挙げられる。このような粉末X線回折パターンを示す共結晶中の化合物(A)とゲンチジン酸とのモル比(化合物(A):ゲンチジン酸)は1:1である。また、このような粉末X線回折パターンを示す共結晶は、無水和物である。
【0030】
化合物(A)とゲンチジン酸との別の共結晶としては、後述する実施例に記載の条件で粉末X線回折測定を行った場合、好ましくは25.97±0.2、13.06±0.2、6.54±0.2、5.24±0.2および5.02±0.2オングストローム付近の格子面間隔(d)に特徴的ピークが現われる粉末X線回折パターンを示す共結晶、より好ましくは.25.97±0.2、13.06±0.2、7.64±0.2、7.08±0.2、6.54±0.2、5.24±0.2および5.02±0.2オングストローム付近の格子面間隔(d)に特徴的ピークが現われる粉末X線回折パターンを示す共結晶、さらに好ましくは25.97±0.2、13.06±0.2、7.98±0.2、7.64±0.2、7.08±0.2、6.54±0.2、6.01±0.2、5.24±0.2および5.02±0.2オングストローム付近の格子面間隔(d)に特徴的ピークが現われる粉末X線回折パターンを示す共結晶が挙げられる。このような粉末X線回折パターンを示す共結晶中の化合物(A)とゲンチジン酸とのモル比(化合物(A):ゲンチジン酸)は1:3である。また、このような粉末X線回折パターンを示す共結晶は、3水和物である。
【0031】
化合物(A)とゲンチジン酸との別の共結晶としては、後述する実施例に記載の条件で粉末X線回折測定を行った場合、好ましくは25.08±0.2、6.83±0.2、6.25±0.2、5.25±0.2および5.01±0.2オングストローム付近の格子面間隔(d)に特徴的ピークが現われる粉末X線回折パターンを示す共結晶、より好ましくは.25.08±0.2、7.20±0.2、6.83±0.2、6.42±0.2、6.25±0.2、5.25±0.2および5.01±0.2オングストローム付近の格子面間隔(d)に特徴的ピークが現われる粉末X線回折パターンを示す共結晶、さらに好ましくは25.08±0.2、9.02±0.2、7.20±0.2、6.83±0.2、6.42±0.2、6.25±0.2、5.98±0.2、5.25±0.2および5.01±0.2オングストローム付近の格子面間隔(d)に特徴的ピークが現われる粉末X線回折パターンを示す共結晶が挙げられる。このような粉末X線回折パターンを示す共結晶中の化合物(A)とゲンチジン酸とのモル比(化合物(A):ゲンチジン酸)は1:3である。また、このような粉末X線回折パターンを示す共結晶は、1水和物である。
【0032】
本発明は、化合物(A)の共結晶の製造方法も提供する。該共結晶は、化合物(A)と共結晶を形成し得る有機酸(好ましくはカルボン酸、より好ましくは化合物(I))の飽和溶液中に化合物(A)を添加し、それらを撹拌することによって製造することができる。以下、化合物(I)を、化合物(A)と共結晶を形成し得る有機酸の代表例として用いて、この態様の製造方法(以下「製造方法1」と略称することがある)を説明する。
【0033】
化合物(I)の飽和溶液の溶媒としては、例えば、アセトニトリル、ジメチルスルホキシド(DMSO)、ジメチルアセトアミド(DMAc)、メタノール、エタノール、イソプロパノール、テトラヒドロフラン(THF)、アセトン、酢酸エチル、N-メチルピロリドン(NMP)、酢酸および水が挙げられる。溶媒は、1種のみを使用してもよく、2種以上を併用してもよい。これらの中でアセトニトリルが好ましい。
【0034】
製造方法1において、化合物(I)の飽和溶液の使用量は、化合物(A)1gに対して、好ましくは1〜1000mL、より好ましくは10〜100mLである。撹拌速度は、使用機器のスケールによって異なるが、例えば1〜1200rpm、好ましくは20〜600rpmである。撹拌温度は、好ましくは0〜100℃、より好ましくは20〜30℃である。撹拌時間は、好ましくは2時間〜6日、より好ましくは1日〜6日である。
【0035】
化合物(A)の共結晶は、化合物(A)の強塩基水溶液と、化合物(A)と共結晶を形成し得る有機酸(好ましくはカルボン酸、より好ましくは化合物(I))の溶液とを混合し、撹拌することによっても製造することができる。以下、化合物(I)を、化合物(A)と共結晶を形成し得る有機酸の代表例として用いて、この態様の製造方法(以下「製造方法2」と略称することがある)を説明する。
【0036】
強塩基は、1種のみを使用してもよく、2種以上を併用してもよい。強塩基としては、例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化リチウム、水酸化セシウムが挙げられる。これらの中で、水酸化ナトリウム、水酸化カリウムが好ましく、水酸化ナトリウムがより好ましい。
【0037】
強塩基水溶液中の化合物(A)の濃度は、好ましくは0.010〜0.200mol/L、より好ましくは0.100〜0.200mol/L、さらに好ましくは0.150〜0.200mol/Lである。強塩基水溶液中の強塩基の濃度は、好ましくは0.010〜0.200mol/L、より好ましくは0.100〜0.200mol/L、さらに好ましくは0.150〜0.200mol/Lである。
【0038】
製造方法2において、化合物(I)の溶液の溶媒としては、例えば、以下のものが挙げられる:
(i)水、
(ii)イソプロピルアルコール、ジメチルスルホキシド、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、メタノール、エタノール、1−プロパノール、テトラヒドロフラン、アセトン、2,2,2−トリフルオロエタノール、アセトニトリル、1−メチル−2−ピロリドン、および酢酸からなる群から選ばれる少なくとも一つの有機溶媒、または
(iii)(ii)に記載された群から選ばれる少なくとも一つの有機溶媒と水との混合溶媒。
【0039】
化合物(I)の溶液の溶媒としては、上記(iii)の有機溶媒と水との混合溶媒が好ましく、イソプロピルアルコールと水との混合溶媒がより好ましい。混合溶媒中の有機溶媒(特に、イソプロピルアルコール)量は、好ましくは1〜99体積%、より好ましくは30〜70体積%、さらに好ましくは45〜55体積%である。
【0040】
製造方法2において、化合物(A)の強塩基水溶液と化合物(I)の溶液との混合溶液における、化合物(I)の濃度は、好ましくは0.298〜0.592mol/L、より好ましくは0.388〜0.592mol/L、さらに好ましくは0.388〜0.479mol/Lである。
【0041】
製造方法2において、化合物(I)の使用量は、化合物(A)1molに対して、好ましくは2.3〜5.2mol、より好ましくは3.0〜5.2mol、さらに好ましくは3.0〜4.0molである。混合溶液の撹拌速度は、使用機器のスケールによって異なるが、例えば1〜1200rpm、好ましくは20〜600rpmである。撹拌温度は、好ましくは0〜100℃、より好ましくは20〜30℃である。撹拌時間は、好ましくは0.1時間〜10日、より好ましくは0.5日〜3日である。
【0042】
製造方法2において、化合物(A)の強塩基水溶液と化合物(I)の溶液との混合方法に特に限定はないが、化合物(A)の強塩基水溶液に、化合物(I)の溶液を滴下して混合することが好ましい。
【0043】
製造方法2において、化合物(A)の強塩基水溶液と化合物(I)の溶液との混合物の撹拌前、撹拌中または撹拌後に、前記混合物に超音波を照射してもよい。超音波の照射時間は、好ましくは1分〜3日、より好ましくは1〜3時間である。
【0044】
製造方法2において共結晶の析出を促進するために、化合物(A)の強塩基水溶液と化合物(I)の溶液との混合物に、化合物(A)と化合物(I)との共結晶を、種晶として添加することが好ましい。種晶(共結晶)の添加量は、化合物(A)1gに対して、好ましくは0.1〜200mg、より好ましくは0.5〜50mg、さらに好ましくは0.5〜10mgである。種晶としては、製造方法1または2で予め調製した共結晶を使用することができる。種晶の添加時期に特に限定はないが、化合物(A)の強塩基水溶液と化合物(I)の溶液との混合後、撹拌前に種晶を添加することが好ましい。
【0045】
本発明は、本発明の共結晶を含有する医薬(医薬組成物または製剤)も提供する。なお、以下の説明において、特段の記載がない限り、下記定義を用いる。
【0046】
「被験者」は、ヒトなどの哺乳動物を指す。
【0047】
「薬学的に許容される」物質は、被験者への投与に適した物質を指す。
【0048】
「治療すること」は、そのような用語が該当する疾患、障害若しくは病状の進行を逆転、緩和、阻害すること、またはこれらの疾患、障害若しくは病状を予防すること、或いはそのような疾患、障害若しくは病状の1つまたは複数の症状の進行を逆転、緩和、阻害すること、またはそのような障害、疾患若しくは病状の1つまたは複数の症状を予防することを指す。
【0049】
「治療」は、直前に定義されている「治療する」行為を指す。
【0050】
「薬物」、「原薬」、「活性薬剤成分」などは、治療が必要な被験者を治療するのに用いることができる化合物を指す。
【0051】
薬物の「有効量」、薬物の「治療有効量」などは、被験者を治療するために用いることができる薬物の量を指し、この量は、中でも、被験者の体重および年齢、並びに投与経路に応じて変動し得る。
【0052】
「賦形剤」は、薬物の任意の希釈剤またはビヒクルを指す。
【0053】
「医薬組成物」は、1種または複数の原薬と1種または複数の賦形剤の組合せを指す。
【0054】
「製薬」、「医薬剤形」、「剤形」、「最終剤形」などは、治療が必要な被験者を治療するのに適した医薬組成物を指し、一般に、錠剤、カプセル、粉末若しくは顆粒を含有するサッシェ、液剤若しくは懸濁液、パッチ、フィルム剤などの形態であってよい。
【0055】
「BTKに関連する病状」および類似の表現は、BTKの阻害が、治療若しくは予防利益をもたらし得る、被験者における疾患、障害若しくは病状に関する。
【0056】
本発明の共結晶は、単独で、または互いに組み合わせて投与してもよいし、或いは本発明の共結晶とは異なる1種または複数の薬理学的に活性の化合物と併用して投与してもよい。一般に、本発明の共結晶および1種または複数の上記化合物は、1種または複数の薬学的に許容される賦形剤を伴う医薬組成物(製剤)として投与する。賦形剤の選択は、中でも、具体的投与方法、溶解度および安定性への賦形剤の影響、剤形の性質に応じて異なる。有用な医薬組成物およびその調製方法は、例えば、A.R.Gennaro(ed.),Remington:The Science and Practice of Pharmacy(20th ed.,2000)に見出すことができる。
【0057】
本発明の共結晶は、経口投与してもよい。経口投与は、嚥下を伴うものでよく、その場合、化合物(A)は、胃腸管を介して血流に進入する。これに代わり、または加えて、経口投与は、化合物(A)が口腔粘膜を介して血流に進入するような粘膜投与(例えば、口腔、舌下、舌上投与)を伴うものであってもよい。
【0058】
経口投与に好適な製剤としては、固体、半固体および液体系、例えば、錠剤;マルチ粒子またはナノ粒子、液体、若しくは粉末を含有する軟質若しくは硬質カプセル;液体が充填され得るロゼンジ;チュアブル錠(chews);ゲル;速分散性剤形;フィルム剤;オビュール剤(ovules);スプレー剤;および口腔若しくは粘膜付着性パッチが挙げられる。液体製剤としては、懸濁剤、液剤、シロップ剤およびエリキシル剤が挙げられる。このような製剤は、軟質または硬質カプセル(例えば、ゼラチン若しくはヒドロキシプロピルメチルセルロースから製造される)中の充填剤として用いてもよく、典型的には、担体(例えば、水、エタノール、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、メチルセルロース、好適な油)と、1種または複数の乳化剤、懸濁剤またはその両方とを含む。液体製剤は、固体(例えば、サシェから)の再構成によって調製することもできる。
【0059】
本発明の共結晶は、LiangおよびChen,Expert Opinion in Therapeutic Patents(2001)11(6):981−986において記載されているものなどの速溶性および速崩壊性の剤形で使用することもできる。
【0060】
錠剤剤形の場合、用量に応じて、活性薬成分(以下「API」と略称することがある)は、剤形の約1重量%〜約80重量%、より典型的には剤形の約5重量%〜約60重量%を占め得る。APIに加えて、錠剤は、1種または複数の崩壊剤、結合剤、希釈剤、界面活性剤、滑剤、潤滑剤、酸化防止剤、着色料、香味料、防腐剤、および矯味剤を含有し得る。崩壊剤の例としては、デンプングリコール酸ナトリウム、カルボキシメチルセルロースナトリウム、カルボキシメチルセルロースカルシウム、クロスカルメロースナトリウム、クロスポビドン、ポリビニルピロリドン、メチルセルロース、結晶セルロース、C1−6アルキル置換ヒドロキシプロピルセルロース、デンプン、アルファ化デンプン、およびアルギン酸ナトリウムが挙げられる。一般に、崩壊剤は、剤形の約1重量%〜約25重量%、好ましくは約5重量%〜約20重量%を占めることになる。
【0061】
結合剤は、一般に、錠剤製剤に粘着性を付与するために使用される。好適な結合剤としては、結晶セルロース、ゼラチン、糖、ポリエチレングリコール、天然および合成ガム、ポリビニルピロリドン、アルファ化デンプン、ヒドロキシプロピルセルロースおよびヒドロキシプロピルメチルセルロースが挙げられる。錠剤はまた、ラクトース(一水和物、噴霧乾燥した一水和物、無水物等)、マンニトール、キシリトール、デキストロース、スクロース、ソルビトール、結晶セルロース、デンプンおよびリン酸水素カルシウム二水和物などの希釈剤を含有してもよい。
【0062】
錠剤はまた、ラウリル硫酸ナトリウムおよびポリソルベート80などの界面活性剤、並びに、二酸化ケイ素およびタルク等の滑剤を含んでもよい。存在する場合、界面活性剤は、錠剤の約0.2重量%〜5重量%を占め、滑剤は、錠剤の約0.2重量%〜1重量%を占め得る。
【0063】
錠剤はさらに、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸亜鉛、フマル酸ステアリルナトリウム、およびステアリン酸マグネシウムとラウリル硫酸ナトリウムとの混合物等の潤滑剤を含有してもよい。潤滑剤は、錠剤の約0.25重量%〜約10重量%、好ましくは約0.5重量%〜約3重量%を占め得る。
【0064】
錠剤混和物を直接、またはローラ圧縮により圧縮して、錠剤を形成することができる。或いは錠剤混和物または混和物の一部を、湿式、乾式若しくは溶融顆粒化、溶融凝固、または押出した後、錠剤化してもよい。必要に応じて、混和の前に、1種または複数の成分を、スクリーニング若しくはミル粉砕またはその両方により、分粒することもできる。最終剤形は、1つまたは複数の層を含んでよく、コーティングされていても、コーティングされていなくてもよく、或いはカプセル化されていてもよい。例示的な錠剤は、最大約80重量%のAPI、約10重量%〜約90重量%の結合剤、約0重量%〜約85重量%の希釈剤、約2重量%〜約10重量%の崩壊剤、および約0.25重量%〜約10重量%の潤滑剤を含有し得る。混和、顆粒化、ミル粉砕、スクリーニング、錠剤成形、コーティング、並びに別の製薬方法の考察のためには、A.R.Gennaro(ed.),Remington:The Science and Practice of Pharmacy(20th ed.,(2000);H.A.Lieberman et al.(ed.),Pharmaceutical Dosage Forms:Tablets,Vol.1−3(2d ed.,1990);並びにD.K.Parikh&C.K.Parikh,Handbook of Pharmaceutical Granulation Technology,Vol.81(1997)を参照されたい。
【0065】
ヒトまたは動物用の消費可能な経口フィルム剤は、柔軟な水溶性若しくは吸水膨潤性の薄膜剤形であり、これは、速溶性または粘膜付着性であってよい。API以外に、典型的フィルム剤は、1種または複数のフィルム形成ポリマー、結合剤、湿潤剤、可塑剤、安定剤若しくは乳化剤、粘度調節剤、および溶媒を含む。他のフィルム成分としては、酸化防止剤、着色料、香味料および調味料、防腐剤、唾液分泌促進剤、冷却剤、共溶媒(油など)、エモリエント剤、充填剤、消泡剤、界面活性剤、および矯味剤が挙げられる。製剤の成分の中には、2つ以上の機能を果たしてもよい。
【0066】
投薬要件に加えて、フィルム剤中のAPIの量は、その溶解度に応じても変動し得る。水溶性であれば、APIは、典型的に、フィルム剤中の非溶媒成分(溶質)の約1重量%〜約80重量%、好ましくはフィルム剤中の溶質の約20重量%〜約50重量%を占める。溶解度が低いAPIは、組成物のより大きな割合、典型的には、フィルム剤中の溶質の最大約88重量%を占め得る。
【0067】
フィルム形成ポリマーは、天然の多糖、タンパク質、または合成ヒドロコロイドから選択してよく、典型的には、フィルム剤の約0.01重量%〜約99重量%、好ましくは約30重量%〜約80重量%を占める。
【0068】
フィルム剤形は、典型的に、剥離可能な支持体または紙にコーティングした薄い水性膜を蒸発乾燥させることにより調製するが、これは、乾燥オーブン若しくはトンネル乾燥機(例えば、コーティング−乾燥複合器)、凍結乾燥装置、または真空オーブン内で実施してよい。
【0069】
経口投与に有用な固体製剤としては、即時放出製剤および調節放出製剤がある。調節放出製剤としては、遅延放出、持続放出、パルス放出、制御放出、標的放出、およびプログラム放出が挙げられる。好適な調節放出製剤の概説については、米国特許第6,106,864号明細書を参照されたい。高エネルギー分散および浸透性および被覆粒子などの他の有用な放出技術について詳しくは、Verma et al,Pharmaceutical Technology On−line(2001)25(2):1−14を参照されたい。
【0070】
また、本発明の共結晶は、被験者の血流中、筋肉中、または内臓器官中に直接投与してもよい。非経口投与に好適な技術として、静脈内、動脈内、腹腔内、髄腔内、脳室内、尿道内、胸骨内、頭蓋内、筋肉内、滑液嚢内、および皮下投与が挙げられる。非経口投与に好適なデバイスとしては、マイクロニードル注射器を含む針注射器、無針注射器、および注入デバイスが挙げられる。
【0071】
非経口製剤は、典型的には、塩、炭水化物および緩衝剤(例えば、pH3〜9)等の賦形剤を含有し得る水溶液である。しかし、用途によっては、本発明の共結晶は、滅菌非水溶液として、または滅菌パイロジェン除去水などの好適なビヒクルと一緒に使用するための乾燥形態として、製剤化する方が好適な場合もある。滅菌条件下での(例えば、凍結乾燥による)非経口製剤の調製は、標準的な製薬技術を用いて容易に達成することができる。
【0072】
非経口溶液の調製に使用される化合物の溶解度は、溶解度増強剤の添加などの適切な製剤化技術によって増大させることができる。非経口投与用の製剤は、即時または調節放出となるように製剤化することができる。調節放出製剤としては、遅延放出、持続放出、パルス放出、制御放出、標的放出およびプログラム放出が挙げられる。従って、本発明の共結晶は、活性化合物の調節放出をもたらす埋め込みデポー剤としての投与のために、懸濁液、固体、半固体、または揺変性液体として製剤化することができる。そのような製剤の例として、薬物コーティングしたステント、並びに薬物をロードしたポリ(DL−乳酸−コ−グリコール)酸(以下「PGLA」と略称することがある)マイクロスフィアを含む半固体または懸濁液がある。
【0073】
本発明の共結晶はまた、皮膚若しくは粘膜に局所的、皮内、または経皮的に投与することもできる。この目的のための典型的な製剤としては、ゲル、ヒドロゲル、ローション、液剤、クリーム、軟膏、撒布粉、包帯、フォーム剤、フィルム剤、皮膚パッチ、ウエハー、インプラント、スポンジ、繊維、絆創膏およびマイクロ乳剤が挙げられる。リポソームを使用してもよい。典型的な担体としては、アルコール、水、鉱油、流動ワセリン、白色ワセリン、グリセリン、ポリエチレングリコールおよびプロピレングリコールが挙げられる。局所製剤には、浸透促進剤を含有させてもよい。例えば、FinninおよびMorgan,J Pharm.Sci.88(10):955−958(1999)を参照されたい。
【0074】
局所投与の他の手段として、エレクトロポレーション、イオントフォレーシス、フォノフォレーシス、ソノフォレーシス、マイクロニードルまたは無針(例えば、Powderject(商標)およびBioject(商標)等)注射による送達が挙げられる。局所投与用の製剤は、前述したように、即時または調節放出となるように製剤化することができる。
【0075】
さらに、本発明の共結晶は、鼻腔内に、または吸入により、典型的には乾燥粉末、エアゾールスプレー、または点鼻薬の形態で投与してもよい。吸入器を用いて、乾燥粉末を投与してもよく、これは、APIを単独で含むか、APIとラクトースなどの希釈剤との粉末混和物、またはAPIと、ホスファチジルコリンなどのリン脂質とを含有する混合成分粒子を含む。鼻腔内使用のために、粉末は、例えば、キトサンまたはシクロデキストリンなどの生体付着剤を含んでもよい。加圧コンテナ、ポンプ、スプレー、噴霧器、若しくはネブライザーを用いて、APIと、APIの分散、可溶化、若しくはその延長放出のための1種または複数の薬剤(例えば、含水若しくは非含水エタノール)、推進剤の役割を果たす1種または複数の溶媒(例えば、1,1,1,2−テトラフルオロエタン若しくは1,1,1,2,3,3,3−ヘプタフルオロプロパン)、並びにトリオレイン酸ソルビタン、オレイン酸、およびオリゴ乳酸などの任意選択の界面活性剤を含む溶液または懸濁液からエアゾールスプレーを生成することができる。電気流体力学を使用する噴霧器を用いて、霧状ミストを生成することもできる。
【0076】
乾燥粉末または懸濁液製剤に使用する前に、薬物は、通常、吸入による送達に好適なサイズ(典型的には、容量に基づき、粒子の90%が、5ミクロン未満の最大粒度を有する)に微粒化される。これは、スパイラルジェットミル、流動床ジェットミル、超臨界流体処理、高圧均質化および噴霧乾燥などの任意の適切な破砕方法によって達成することができる。
【0077】
吸入器または吹き付け器(insufflator)において使用するための、カプセル剤、ブリスターおよびカートリッジ(例えば、ゼラチンまたはヒドロキシプロピルメチルセルロース製のもの)は、活性化合物、ラクトースおよびデンプンなどの好適な粉末基剤、およびL−ロイシン、マンニトールおよびステアリン酸マグネシウムなどの性能調節剤の粉末混合物を含有するように製剤化することができる。ラクトースは、無水物であってもよいし、一水和物の形態にしてもよい。他の好適な賦形剤としては、デキストラン、グルコース、マルトース、ソルビトール、キシリトール、フルクトース、スクロースおよびトレハロースが挙げられる。
【0078】
電気流体力学を使用して霧状ミストを生成する噴霧器に用いるための好適な液剤製剤は、作動毎に約1μg〜約20mgのAPIを含有してよく、作動容量は、約1μL〜約100μLまで変動し得る。典型的な製剤は、1種または複数の本発明の共結晶、プロピレングリコール、滅菌水、エタノール、およびNaClを含み得る。プロピレングリコールの代わりに使用することができる別の溶媒としては、グリセロールおよびポリエチレングリコールがある。
【0079】
吸入による投与、鼻腔内投与、またはその両方のための製剤は、例えば、PGLAを用いた即時または調節放出となるように製剤化することができる。メントールおよびレボメントールなどの好適な香味料、またはサッカリンおよびサッカリンナトリウムなどの甘味料を、吸入/鼻腔内投与が意図される製剤に添加してもよい。
【0080】
乾燥粉末吸入器およびエアゾールの場合、投薬量単位は、計測量を送達する弁を用いて決定される。単位は、典型的に、約10μg〜1000μgのAPIを含有する計測用量または「パフ(puff)」を投与するように設計される。1日当たりの総用量は、典型的に、約100μg〜約10mgの範囲であり、これは、単回用量で、または、さらに常用的には、1日を通しての複数の分割用量として投与してよい。
【0081】
本発明の共結晶は、直腸または膣内に、例えば、坐剤、ペッサリー、またはかん腸剤の形態で投与することができる。ココアバターが常用的な坐剤基剤であるが、必要に応じて様々な代替物を使用してよい。直腸または膣内投与用の製剤は、前述したように、即時または調節放出となるように製剤化することができる。
【0082】
また、本発明の共結晶は、典型的に、等張のpH調整した滅菌生理食塩水中の微粒化懸濁液または溶液の液滴の形態で、眼または耳に直接投与してもよい。眼および耳内投与に好適な他の製剤としては、軟膏、ゲル、生物分解性インプラント(例えば、吸収性ゲルスポンジ、コラーゲン)、非生物分解性インプラント(例えばシリコーン)、ウエハー、レンズ、微粒子、またはニオソーム若しくはリポソームなどの小胞系が挙げられる。製剤は、1種または複数のポリマーと、塩化ベンザルコニウムなどの防腐剤を含んでもよい。典型的なポリマーとしては、架橋ポリアクリル酸、ポリビニルアルコール、ヒアルロン酸、セルロース性ポリマー(例えば、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、メチルセルロース)、およびヘテロ多糖ポリマー(例えばジェランガム)などが挙げられる。このような製剤は、イオントフォレーシスによって送達することもできる。眼または耳投与用の製剤は、前述したように、即時または調節放出となるように製剤化することができる。
【0083】
溶解度、溶解速度、矯味性、バイオアベイラビリティ、または安定性を改善するために、本発明の共結晶を、シクロデキストリンおよびその誘導体、並びにポリエチレングリコール含有ポリマーなどの可溶性の高分子実体と組み合わせてもよい。例えば、API−シクロデキストリン錯体は、一般に、ほとんどの剤形および投与経路について有用である。包接および非包接錯体の両方を使用することができる。APIとの直接錯体形成に代わるものとして、シクロデキストリンを補助添加物として、すなわち、担体、希釈剤、または可溶化剤として使用してもよい。これらの目的のために、α−、β−およびγ−シクロデキストリンが一般に使用されている。例えば、国際公開第91/11172号パンフレット、国際公開第94/02518号パンフレット、および国際公開第98/55148号パンフレットを参照されたい。
【0084】
前述したように、本発明の共結晶を互いに組み合わせるか、或いは様々な疾患、障害または病状を治療するための1種または複数の他の活性の薬理学的に活性の化合物と併用してもよい。このような場合、活性化合物を併用して、前述のような単一剤形としてもよいし、または組成物の共投与に好適なキットの形態で提供してもよい。キットは、(1)2種以上の異なる医薬組成物(その少なくとも1つは、本発明の共結晶を含有する);および(2)2つの医薬組成物を個別に保持するデバイス、例えば、分割用量のボトルまたは分割用量のホイル小包を含む。こうしたキットの例は、錠剤またはカプセルのパッケージングに用いられる周知のブリスターパックである。上記キットは、様々なタイプの剤形(例えば、経口および非経口)を投与する、または様々な医薬組成物を個別の投与間隔で投与する、或いは様々な医薬組成物を互いに対して滴定するのに好適である。患者コンプライアンスの助けとなるために、キットは、典型的に、投与の注意書きを含み、また、記憶を助ける手段を備えていてもよい。
【0085】
ヒト患者への投与の場合、本発明の共結晶の1日当たりの総用量は、投与経路に応じて、典型的には、約0.1mg〜約3000mgの範囲である。例えば、経口投与は、1日当たり約1mg〜約3000mgの総用量を要すると考えられるが、静脈内用量は、1日当たり約0.1mg〜約300mgの総用量しか必要ないであろう。1日当たりの総用量は、単回または分割用量で投与してよく、医師の判断で、上に記載する典型的な範囲から外れる場合もある。これらの投薬量は、約60kg〜約70kgの体重を有する平均的なヒト被験者に基づくものであるが、医師は、体重がこの範囲外である被験者(例えば、乳児)に適切な用量を決定することができる。本発明の共結晶は、毒性が低く、溶出性および経口吸収性に優れており、医薬(医薬組成物または製剤)の原料として有用であり得る。
【0086】
本発明の共結晶は、BTKの阻害が適応となる疾患、障害、または病状を治療するのに用いることができる。このような疾患、障害、または病状は、一般に、BTKの阻害が治療利益をもたらすような、被験者におけるあらゆる不健全または異常な状態に関する。より具体的には、このような疾患、障害、または病状は、I型過敏性(アレルギー)反応(アレルギー性鼻炎、アレルギー性喘息、およびアトピー性皮膚炎);自己免疫疾患(関節リウマチ、多発性硬化症、全身性紅斑性狼瘡、乾癬、ループス腎炎、免疫性血小板減少性紫斑病、シェーグレン症候群、強直性脊椎炎、およびベーチェット病);炎症性腸疾患;肺の炎症(慢性閉塞性肺疾患)、アテローム硬化症、血栓症、および心筋梗塞を含めて、免疫系および炎症が関与し得る。本発明の共結晶はまた、血液学的悪性疾患、例えば、急性骨髄性白血病、B細胞性慢性リンパ球性白血病、B細胞性リンパ腫(例えば、マントル細胞性リンパ腫)、T細胞性リンパ腫(例えば、末梢T細胞性リンパ腫)、および多発性骨髄腫、さらには上皮癌(すなわち、癌腫)、例えば、肺癌(小細胞肺癌および非小細胞肺癌)、膵臓癌、および結腸癌を含めて、異常細胞成長に関連する疾患、障害、または病状を治療するためにも使用され得る。
【0087】
以上に述べた血液学的悪性疾患および上皮癌に加えて、本発明の共結晶はまた、特に、白血病(慢性骨髄性白血病および慢性リンパ球性白血病);乳癌、泌尿生殖器癌、皮膚癌、骨癌、前立腺癌、および肝臓癌;脳癌;喉頭癌、胆嚢癌、直腸癌、上皮小体癌、甲状腺癌、副腎癌、神経組織癌、膀胱癌、頭部癌、頸部癌、胃癌、気管支癌、および腎臓癌;基底細胞癌、扁平上皮細胞癌、転移皮膚癌、骨肉腫、ユーイング肉腫、細網細胞肉腫、およびカポジ肉腫;骨髄腫、巨細胞腫瘍、島細胞腫瘍、急性および慢性のリンパ球腫瘍および顆粒球腫瘍、有毛細胞腫瘍、腺腫、髄様癌、褐色細胞腫、粘膜神経腫、腸神経節神経腫、過形成角膜神経腫瘍、マルファン症候群様体型腫瘍、ウィルムス腫瘍、精上皮腫、卵巣腫瘍、平滑筋腫瘍、子宮頸部異形成、神経芽腫、網膜芽細胞腫、骨髄異形成症候群、横紋筋肉腫、星状細胞腫、非ホジキンリンパ腫、悪性高カルシウム血症、真性赤血球増加症、腺癌、多形膠芽細胞腫、神経膠腫、リンパ腫、および悪性黒色腫を含めて、他のタイプの癌を治療するためにも使用され得る。
【0088】
癌に加えて、本発明の共結晶はまた、特に、非悪性増殖性疾患、例えば、良性前立腺肥大、再狭窄、過形成、滑膜増殖障害、特発性形質細胞性リンパ節症、網膜症、または他の眼の新生血管障害を含めて、異常細胞成長に関連する他の疾患、障害、または病状を治療するためにも使用され得る。
【0089】
本発明の共結晶はまた、以上に列挙したものに加えて、自己免疫性の疾患、障害、または病状を治療するためにも使用され得る。このような疾患、障害、または病状としては、特に、クローン病、皮膚筋炎、1型糖尿病、グッドパスチャー症候群、グレーブス病、ギラン・バレー症候群、橋本病、混合性結合組織損傷、重症筋無力症、ナルコレプシー、尋常性天疱瘡、悪性貧血、多発性筋炎、原発性胆汁性肝硬変、側頭動脈炎、潰瘍性結腸炎、血管炎、およびウェゲナー肉芽腫症が挙げられる。
【0090】
本発明の共結晶は、喘息、慢性炎症、慢性前立腺炎、糸球体腎炎、過敏症、炎症性腸疾患(クローン病のほかに潰瘍性結腸炎)、骨盤内炎症性疾患、再灌流傷害、移植拒絶、血管炎、および全身性炎症反応症候群を含めて、炎症性の疾患、障害、または病状を治療するために使用され得る。
【0091】
本発明の共結晶はまた、関節炎を含めて、以上に記載の1種または複数の一般的障害に含まれ得る特定の疾患または病状を治療するためにも使用され得る。子供および青年における関節リウマチ、シェーグレン症候群、全身性紅斑性狼瘡、SLEに加えて、本発明の共結晶はまた、特に、強直性脊椎炎、無血管性壊死、ベーチェット病、滑液包炎、ピロリン酸カルシウム二水和物結晶沈着疾患(偽痛風)、手根管症候群、エーラス・ダンロス症候群、線維筋痛症、第五病、巨細胞性動脈炎、痛風、若年性皮膚筋炎、若年性関節リウマチ、若年性脊椎関節症、ライム病、マルファン症候群、筋炎、骨関節炎、骨形成不全症、骨粗鬆症、パジェット病、乾癬性関節炎、レイノー現象、反応性関節炎、反射交感神経ジストロフィー症候群、強皮症、脊柱管狭窄症、スティル病、および腱炎を含めて、他の関節炎疾患を治療するためにも使用され得る。
【0092】
本発明の共結晶は、免疫系、炎症、および異常細胞成長が関与するものを含めて、BTKが指標となる1種または複数の疾患、障害、または病状の治療のための、1種または複数の他の薬理学的に活性の化合物または治療と併用してもよい。例えば、本発明の共結晶は、関節リウマチおよび骨関節炎を含めて、関節炎を治療するための、または血液学的悪性疾患、例えば、急性骨髄性白血病、B細胞性慢性リンパ球性白血病、B細胞性リンパ腫、T細胞性リンパ腫、および多発性骨髄腫、並びに癌腫、例えば、肺癌、膵臓癌、および結腸癌を含めて、癌を治療するための、1種または複数の化合物または治療と併用して、同時、逐次、または個別に投与してもよい。このような併用は、副作用の軽減、医療サービスが不十分な患者集団を治療する能力の向上、または相乗活性を含めて、有意な治療上の利点を提供し得る。
【0093】
例えば、関節炎の治療に使用する場合、本発明の共結晶は、1種または複数の非ステロイド性抗炎症薬(NSAID)、鎮痛薬、コルチコステロイド、生物学的反応修飾薬、およびプロテインA免疫吸着治療と併用され得る。これに代わりまたはこれに加えて、関節リウマチを治療する場合、本発明の共結晶は、1種または複数の疾患修飾性抗リウマチ薬(DMARD)と併用され得る。また、骨関節炎を治療する場合、本発明の共結晶は、1種または複数の骨粗鬆症薬と併用され得る。
【0094】
代表的なNSAIDとしては、アパゾン、アスピリン、セレコキシブ、ジクロフェナク(ミソプロストールとの併用または非併用)、ジフルニサル、エトドラク、フェノプロフェン、フルルビプロフェン、イブプロフェン、インドメタシン、ケトプロフェン、メクロフェナム酸ナトリウム、メフェナム酸、メロキシカム、ナブメトン、ナプロキセン、オキサプロジン、フェニルブタゾン、ピロキシカム、サリチル酸コリンおよびサリチル酸マグネシウム、サルサレート、並びにスリンダクが挙げられる。代表的な鎮痛薬としては、アセトアミノフェンおよび硫酸モルヒネ、さらにはコデイン、ヒドロコドン、オキシコドン、プロポキシフェン、およびトラマドールが挙げられ、これらはすべて、アセトアミノフェンとの併用または非併用である。代表的なコルチコステロイドとしては、ベタメタゾン、酢酸コルチゾン、デキサメタゾン、ヒドロコルチゾン、メチルプレドニゾロン、プレドニゾロン、およびプレドニゾンが挙げられる。代表的な生物学的反応修飾薬としては、TNF−α阻害薬、例えば、アダリムマブ、エタネルセプト、およびインフリキシマブ;選択的B細胞阻害薬、例えば、リツキシマブ;IL−1阻害薬、例えば、アナキンラ;および選択的共刺激調節薬、例えば、アバタセプトが挙げられる。
【0095】
代表的なDMARDとしては、オーラノフィン(経口金剤)、アザチオプリン、クロラムブシル、シクロホスアミド、シクロスポリン、金チオリンゴ酸ナトリウム(噴射可能な金)、ヒドロキシクロロキン、レフルノミド、メトトレキセート、ミノサイクリン、ミコフェノール酸モフェチル、ペニシラミン、スルファサラジン、およびJAK3阻害薬(例えば、トファシチニブ)が挙げられる。代表的な骨粗鬆症薬としては、ビスホスホネート、例えば、アレンドロネート、イバンドロネート、リセドロネート、およびゾレドロン酸;選択的エストロゲン受容体調節薬、例えば、ドロロキシフェン、ラソフォキシフェン、およびラロキシフェン;ホルモン、例えば、カルシトニン、エストロゲン、および上皮小体ホルモン;並びに免疫抑制薬、例えば、アザチオプリン、シクロスポリン、およびラパマイシンが挙げられる。
【0096】
関節リウマチを治療するのに特に有用な併用としては、本発明の共結晶とメトトレキセートとの併用;本発明の共結晶と、レフルノミド、エタネルセプト、アダリムマブ、インフリキシマブなどの1種または複数の生物学的反応修飾薬と、の併用;および本発明の共結晶と、メトトレキセートと、レフルノミド、エタネルセプト、アダリムマブ、インフリキシマブなどの1種または複数の生物学的反応修飾薬と、の併用が挙げられる。
【0097】
血栓および再狭窄を治療するために、本発明の共結晶は、カルシウムチャネル遮断薬、スタチン、フィブレート、β遮断薬、ACE阻害薬、血小板凝集阻害薬などの1種または複数の心臓血管薬と併用され得る。
【0098】
本発明の共結晶はまた、癌を治療するための1種または複数の化合物または治療とも併用され得る。こうしたものとしては、化学治療薬(すなわち、細胞傷害薬または抗新生物薬)、例えば、アルキル化薬、抗生物質、抗代謝薬、植物由来薬、およびトポイソメラーゼ阻害薬、さらには、腫瘍の成長および進行に関与する特異的分子を妨害することにより癌の成長および広がりを遮断する分子標的薬が挙げられる。分子標的薬としては、低分子および生物物質の両方が挙げられる。
【0099】
代表的なアルキル化薬としては、ビスクロロエチルアミン(ナイトロジェンマスタード、例えば、クロラムブシル、シクロホスファミド、イホスファミド、メクロレタミン、メルファラン、およびウラシルマスタード);アジリジン(例えば、チオテパ);アルカンスルホン酸アルキル(例えば、ブスルファン);ニトロソ尿素(例えば、カルムスチン、ロムスチン、およびストレプトゾシン);非古典的アルキル化薬(例えば、アルトレタミン、ダカルバジン、およびプロカルバジン);並びに白金化合物(例えば、カルボプラチン、シスプラチン、ネダプラチン、オキサリプラチン、サトラプラチン、および四硝酸トリプラチン)が挙げられる。
【0100】
代表的な抗生物質薬としては、アントラサイクリン(例えば、アクラルビシン、アムルビシン、ダウノルビシン、ドキソルビシン、エピルビシン、イダルビシン、ピラルビシン、バルルビシン、およびゾルビシン);アントラセンジオン(例えば、ミトキサントロンおよびピキサントロン);並びにストレプトマイセス(例えば、アクチノマイシン、ブレオマイシン、ダクチノマイシン、マイトマイシンC、およびプリカマイシン)が挙げられる。
【0101】
代表的な抗代謝薬としては、ジヒドロ葉酸レダクターゼ阻害薬(例えば、アミノプテリン、メトトレキセート、およびペメトレキセド);チミジル酸シンターゼ阻害薬(例えば、ラルチトレキセドおよびペメトレキセド);フォリン酸(例えば、ロイコボリン);アデノシンデアミナーゼ阻害薬(例えば、ペントスタチン);ハロゲン化/リボヌクレオチドレダクターゼ阻害薬(例えば、クラドリビン、クロファラビン、およびフルダラビン);チオプリン(例えば、チオグアニン、およびメルカプトプリン);チミジル酸シンターゼ阻害薬(例えば、フルオロウラシル、カペシタビン、テガフール、カルモフール、およびフロクスウリジン);DNAポリメラーゼ阻害薬(例えば、シタラビン);リボヌクレオチドレダクターゼ阻害薬(例えば、ゲムシタビン);低メチル化薬(例えば、アザシチジンおよびデシタビン);リボヌクレオチドレダクターゼ阻害薬(例えば、ヒドロキシ尿素);およびアスパラギン枯渇薬(例えば、アスパラギナーゼ)が挙げられる。
【0102】
代表的な植物由来薬としては、ビンカアルカロイド(例えば、ビンクリスチン、ビンブラスチン、ビンデシン、ビンゾリジン、およびビノレルビン)、ポドフィロトキシン(例えば、エトポシド、およびテニポシド)、並びにタキサン(例えば、ドセタキセル、ラロタキセル、オルタタキセル、パクリタキセル、およびテセタキセル)が挙げられる。
【0103】
代表的なI型トポイソメラーゼ阻害薬としては、カンプトテシン、例えば、ベロテカン、イリノテカン、ルビテカン、およびトポテカンが挙げられる。代表的なII型トポイソメラーゼ阻害薬としては、アムサクリン、エトポシド、リン酸エトポシド、およびテニポシドが挙げられ、これらは、エピポドフィロトキシンの誘導体である。
【0104】
分子標的治療薬としては、生物薬、例えば、サイトカインおよび他の免疫調節薬が挙げられる。有用なサイトカインとしては、インターロイキン−2(IL−2、アルデスロイキン)、インターロイキン4(IL−4)、インターロイキン12(IL−12)、およびインターフェロン(23を超える関連サブタイプを含む)が挙げられる。他のサイトカインとしては、顆粒球コロニー刺激因子(CSF)(例えば、フィルグラスチム)および顆粒球マクロファージコロニー刺激因子(GM−CSFまたはCSF2)(例えば、サルグラモスチム、ナミルマブ)が挙げられる。他の免疫調節薬としては、カルメット・ゲラン桿菌、レバミソール、およびオクトレオチド;腫瘍抗原に対するモノクローナル抗体、例えば、トラスツズマブおよびリツキシマブ;並びに腫瘍に対する免疫反応を誘導する癌ワクチンが挙げられる。
【0105】
それに加えて、腫瘍の成長および進行に関与する特異的分子を妨害する分子標的薬としては、表皮成長因子(EGF)、トランスフォーミング成長因子−α(TGFα)、TGFβ、ヘレグリン、インスリン様成長因子(IGF)、線維芽細胞成長因子(FGF)、角化細胞成長因子(KGF)、コロニー刺激因子(CSF)、エリトロポイエチン(EPO)、インターロイキン−2(IL−2)、神経成長因子(NGF)、血小板由来成長因子(PDGF)、肝細胞成長因子(HGF)、血管内皮成長因子(VEGF)、アンギオポイエチン、表皮成長因子受容体(EGFR)、ヒト表皮成長因子受容体2(HER2)、HER4、インスリン様成長因子1受容体(IGF1R)、IGF2R、線維芽細胞成長因子1受容体(FGF1R)、FGF2R、FGF3R、FGF4R、血管内皮成長因子受容体(VEGFR)、免疫グロブリン様および表皮成長因子様ドメイン2(Tie−2)を有するチロシンキナーゼ、血小板由来成長因子受容体(PDGFR)、Abl、Bcr−Abl、Raf、FMS様チロシンキナーゼ3(FLT3)、c−Kit、Src、プロテインキナーゼc(PKC)、トロポミオシン受容体キナーゼ(Trk)、Ret、哺乳動物ラパマイシン標的(mTOR)、オーロラキナーゼ、ポロ様キナーゼ(PLK)、マイトジェン活性化プロテインキナーゼ(MAPK)、間葉上皮転換因子(c−MET)、サイクリン依存性キナーゼ(CDK)、Akt、細胞外シグナル調節キナーゼ(ERK)、ポリ(ADP)リボースポリメラーゼ(PARP)などに対する阻害薬が挙げられる。
【0106】
特異的分子標的薬としては、選択的エストロゲン受容体調節薬、例えば、タモキシフェン、トレミフェン、フルベストラント、およびラロキシフェン;抗アンドロゲン薬、例えば、ビカルタミド、ニルタミド、メゲストロール、およびフルタミド;並びにアロマターゼ阻害薬、例えば、エキセメスタン、アナストロゾール、およびレトロゾールが挙げられる。他の特異的分子標的薬としては、シグナル伝達を阻害する薬剤、例えば、イマチニブ、ダサチニブ、ニロチニブ、トラスツズマブ、ゲフィチニブ、エルロチニブ、セツキシマブ、ラパチニブ、パニツムマブ、およびテムシロリムス;アポトーシスを誘導する薬剤、例えば、ボルテゾミブ;血管形成を遮断する薬剤、例えば、ベバシズマブ、ソラフェニブ、およびスニチニブ;免疫系による癌細胞の破壊を支援する薬剤、例えば、リツキシマブおよびアレムツズマブ;並びに癌細胞に毒性分子を送達するモノクローナル抗体、例えば、ゲムツズマブオゾガマイシン、トシツモマブ、131Iトシツモマブ、およびイブリツモマブチウキセタンが挙げられる。
【0107】
本発明の共結晶は、アレルギー性結膜炎、ブドウ膜炎、眼瞼炎、角膜炎、視神経炎、グレーブス眼症、強膜炎、眼ヒストプラスマ症候群、眼性瘢痕性類天疱瘡、糖尿病性網膜症、癌関連の自己免疫性網膜症を治療するためにも使用され得る。
【実施例】
【0108】
以下、製造例等を挙げて本発明をより具体的に説明するが、本発明は以下の製造例等によって制限を受けるものではなく、上記・下記の趣旨に適合し得る範囲で適当に変更を加えて実施することも勿論可能であり、それらはいずれも本発明の技術的範囲に包含される。
【0109】
以下に記載の「室温」は通常約10℃〜約35℃を示す。
混合溶媒において示した比および%は、特に断らない限り、体積比および体積%を示す。
収率において示した%は、モル%を示す。
溶媒および収率以外の%は、特に断らない限り、重量%を示す。
【0110】
製造例等で使用する略号の意味は以下の通りである。
DMSO:ジメチルスルホキシド
TGA:熱重量分析
DSC:示差走査熱量測定
UPLC:超高速液体クロマトグラフィー
LC:液体クロマトグラフィー
MS/MS:タンデム質量分析
【0111】
融点は以下の条件で測定した。なお、ここでの融点は、測定結果における融解開始側からのベースラインとピークトップに至る融解過程までに示されるDSC曲線の変曲点(最大勾配の点)の接線との交点の温度、即ち融解反応開始点温度(オンセット温度)を意味する。
測定装置:METTLER TOLEDO(TGA/DSC1&DSC1)
測定条件
昇温速度:5°C/分
雰囲気:N
【0112】
粉末X線回折測定は下記条件で行った。
測定装置:RIGAKU Ultima IV
測定条件
管電圧:40kV
管電流:50mA
スキャンスピード:6°/分
走査角(2θ):2〜35°
【0113】
製造例1:化合物(A)とゲンチジン酸との共結晶の製造
ナスフラスコ(100mL)中の化合物(A)(700mg)に、ゲンチジン酸の飽和
アセトニトリル溶液(35mL)を加え、空気雰囲気下、ナスフラスコをガラス栓にて密閉し、マグネチックスターラーを用いて、懸濁液を450rpmで室温にて5日間撹拌した。懸濁液中の結晶をろ取し、アセトニトリルで3回洗浄後、吸引乾燥を行い、オフホワイト色の粉末として目的の共結晶(965mg、収率96.0%)を得た。上記条件で測定した共結晶の融点は226℃であった。また、上記条件で測定した共結晶の粉末X線回折ピークの2θおよびd値を表1に示す。
【0114】
【表1】
【0115】
下記条件のUPLCで測定した共結晶中のゲンチジン酸含有量は、化合物(A)1モルに対して1.007モルであった。
【0116】
システム:Aquity UPLC H−Class(Waters)
検出器:214nm
分離カラム:YMC Triart−C18 1.9μm,2.0×75mm(YMC Co.,Ltd.)
カラム温度:40℃
移動相A:20mmol/L炭酸水素ナトリウム緩衝液(pH2.5)
移動相B:アセトニトリル
流量:0.4mL/分
分析時間:20.0分
注入量:2.5μL
溶媒:水/アセトニトリル(1:1)
【0117】
【表2】
【0118】
なお、Sirius社のSirius T3 滴定装置を用いて化合物(A)の塩基pKaおよびゲンチジン酸の酸pKaを測定した。なお、塩基pKaとは、プロトン付加状態からの酸解離定数を意味し、酸pKaとは、酸そのものの酸解離定数を意味する。
【0119】
その結果、化合物(A)の塩基pKaは2以下(上記滴定装置の測定範囲外)であり、正確な値は測定できなかった。また、ゲンチジン酸の酸pKaは3.23であった。「化合物(A)の塩基pKa−ゲンチジン酸の酸pKa」は0未満であり、化合物(A)とゲンチジン酸との間でプロトン移動は不可能である。同様に他の製造例で使用した他のカルボン酸の酸pKaは3〜5の範囲であると考えられるため、他の製造例でも、化合物(A)と他のカルボン酸との間でプロトン移動は不可能であると考えられる。
【0120】
また、製造例1で得られた共結晶のIRスペクトルにて、共結晶中にゲンチジン酸のカルボキシ基のピークが維持されていることを確認した。この結果からも、共結晶中で化合物(A)とゲンチジン酸との間でプロトンが移動していないことが確認された。
【0121】
また、熱分析において重量減少がみられないことから、製造例1で得られた共結晶は無水和物であると確認された。
【0122】
製造例2:化合物(A)とゲンチジン酸との共結晶の製造
ゲンチジン酸(約4.5g)をアセトニトリル(60mL)中、マグネチックスターラーを用いて室温で1時間未満、懸濁撹拌した後、未溶解結晶をろ別して、飽和溶液を調製した。この飽和溶液(50mL)中、化合物(A)(1.0g)を、マグネチックスターラーを用いて室温で5日間、懸濁撹拌した後、3分間、超音波照射した。室温にて結晶をろ取し、得られた湿結晶を減圧乾燥して、オフホワイト色の粉末として目的の共結晶(0.71g、収率49.3%、化合物(A):ゲンチジン酸のモル比=1:1)を得た。上記条件で測定した共結晶の融点は224℃であった。なお、製造例1および2の共結晶の融点が異なるのは、測定誤差であると考えられる。また、得られた共結晶の粉末X線回折測定を上記条件で行ったところ、12.92、10.86、9.87、6.11、5.94、5.26、4.66、3.62および3.26オングストローム付近の格子面間隔(d)に特徴的ピークが現れる粉末X線回折パターンが得られた。上記条件で測定した共結晶の粉末X線回折ピークの2θおよびd値を表3に示す。また、上記条件で測定して得られた共結晶の粉末X線回折チャートを図1に、化合物(A)の粉末X線回折チャートを図2に、ゲンチジン酸の粉末X線回折チャートを図3に示す。また、熱分析において重量減少がみられないことから、この共結晶は無水和物であると確認された。
【0123】
【表3】
【0124】
製造例3:化合物(A)とゲンチジン酸との共結晶の製造
イソプロピルアルコールと水との混合溶媒(9mL、イソプロピルアルコール量50%)中のゲンチジン酸(2.28g)の溶液(ゲンチジン酸の濃度1.64mol/L)を、化合物(A)(1.0g)の0.25mol/L水酸化ナトリウム水溶液(15mL、化合物(A)の濃度0.190mol/L)に室温で滴下した。滴下後の混合溶液におけるゲンチジン酸の濃度は0.592mol/Lであった。製造例2で得られた共結晶(1mg)を種晶として添加し、マグネチックスターラーを用いて室温で4時間撹拌した。結晶をろ取し、アセトン(5mL)で2回洗浄して、湿結晶を得た。得られた湿結晶を減圧乾燥して、オフホワイト色の粉末として目的の共結晶(1.42g、収率98.7%、化合物(A):ゲンチジン酸のモル比=1:1)を得た。得られた共結晶の粉末X線回折測定を上記条件で行ったところ、13.13、11.01、10.05、6.17、5.98、5.31、4.68、3.62および3.28オングストローム付近の格子面間隔(d)に特徴的ピークが現れる粉末X線回折パターンが得られた。上記条件で測定した共結晶の粉末X線回折ピークの2θおよびd値を表4に示す。また、熱分析において重量減少がみられないことから、この共結晶は無水和物であると確認された。
【0125】
【表4】
【0126】
製造例4:化合物(A)とゲンチジン酸との共結晶の製造
イソプロピルアルコールと水との混合溶媒(161mL、イソプロピルアルコール量50%)中のゲンチジン酸(40.35g)の溶液を除塵ろ過し、使用した容器をイソプロピルアルコールと水との混合溶媒(9mL、イソプロピルアルコール量50%)にて洗浄し、洗浄液をろ過した。ろ液および洗浄液を合わせて、ゲンチジン酸の溶液を得た。また、化合物(A)(23.0g)の0.25mol/L水酸化ナトリウム水溶液(345mL)を除塵ろ過し、使用した容器をイソプロピルアルコールと水との混合溶媒(23mL、イソプロピルアルコール量50%)にて洗浄し、洗浄液をろ過した。ろ液および洗浄液を合わせて、化合物(A)の溶液を得た。上記のようにして得られたゲンチジン酸の溶液を、化合物(A)の溶液に滴下した。ゲンチジン酸の溶液を滴下した後、使用した容器を、イソプロピルアルコールと水との混合溶媒(9mL、イソプロピルアルコール量50%)にて洗浄し、その洗浄液を滴下した。滴下後の混合溶液におけるゲンチジン酸の濃度は0.479mol/Lであった。製造例3で得られた共結晶(23mg)を種晶として添加し、撹拌翼(スリーワンモーター)を用いて、300rpmで室温にて2日間撹拌した。結晶をろ取し、イソプロピルアルコールと水との混合溶媒(115mL、イソプロピルアルコール量20%)にて洗浄して、湿結晶を得た。得られた湿結晶を減圧乾燥して、オフホワイト色の粉末として目的の共結晶(31.9g、収率96.4%、化合物(A):ゲンチジン酸のモル比=1:1)を得た。得られた共結晶の粉末X線回折測定を上記条件で行ったところ、13.09、10.95、9.98、6.15、5.98、5.29、4.68、3.63および3.27オングストローム付近の格子面間隔(d)に特徴的ピークが現れる粉末X線回折パターンが得られた。上記条件で測定した共結晶の粉末X線回折ピークの2θおよびd値を表5に示す。また、熱分析において重量減少がみられないことから、この共結晶は無水和物であると確認された。
【0127】
【表5】
【0128】
製造例5:化合物(A)とゲンチジン酸との共結晶の製造
イソプロピルアルコールと水との混合溶媒(9mL、イソプロピルアルコール量50%)のゲンチジン酸(2.28g)の溶液(ゲンチジン酸の濃度1.64mol/L)を、化合物(A)(1.0g)の0.25mol/L水酸化ナトリウム水溶液(15mL、化合物(A)の濃度0.190mol/L)に室温で滴下した。滴下後の混合溶液におけるゲンチジン酸の濃度は0.592mol/Lであった。製造例3で得られた共結晶(1mg)を種晶として添加し、マグネチックスターラーを用いて室温で2時間撹拌した。結晶をろ取し、イソプロピルアルコールと水との混合溶媒(5mL、イソプロピルアルコール量20%)で洗浄し、次いでアセトン(5mL)で洗浄して、湿結晶を得た。得られた湿結晶を減圧乾燥して、オフホワイト色の粉末として目的の共結晶(1.41g、収率98.0%、化合物(A):ゲンチジン酸のモル比=1:1)を得た。得られた共結晶の粉末X線回折測定を上記条件で行ったところ、13.05、10.92、9.98、6.16、5.96、5.29、4.67、3.64および3.28オングストローム付近の格子面間隔(d)に特徴的ピークが現われる粉末X線回折パターンが得られた。上記条件で測定した共結晶の粉末X線回折ピークの2θおよびd値を表6に示す。また、熱分析において重量減少がみられないことから、この共結晶は無水和物であると確認された。
【0129】
【表6】
【0130】
製造例6:化合物(A)とゲンチジン酸との共結晶の製造
イソプロピルアルコールと水との混合溶媒(7mL、イソプロピルアルコール量50%)中のゲンチジン酸(1.75g)の溶液(ゲンチジン酸の濃度1.63mol/L)を、化合物(A)(1.0g)の0.25mol/L水酸化ナトリウム水溶液(15mL、化合物(A)の濃度0.190mol/L)に室温で滴下した。滴下後の混合溶液におけるゲンチジン酸の濃度は0.495mol/Lであった。製造例3で得られた共結晶(1mg)を種晶として添加し、マグネチックスターラーを用いて室温で2.5時間撹拌した。結晶をろ取し、イソプロピルアルコールと水との混合溶媒(5mL、イソプロピルアルコール量20%)にて洗浄して、湿結晶を得た。得られた湿結晶を減圧乾燥して、オフホワイト色の粉末として目的の共結晶(1.42g、収率98.7%、化合物(A):ゲンチジン酸のモル比=1:1)を得た。得られた共結晶の粉末X線回折測定を上記条件で行ったところ、13.09、10.95、10.01、6.14、5.98、5.29、4.67、3.65および3.28オングストローム付近の格子面間隔(d)に特徴的ピークが現われる粉末X線回折パターンが得られた。上記条件で測定した共結晶の粉末X線回折ピークの2θおよびd値を表7に示す。また、熱分析において重量減少がみられないことから、この共結晶は無水和物であると確認された。
【0131】
【表7】
【0132】
製造例7:化合物(A)とゲンチジン酸との共結晶の製造
イソプロピルアルコールと水との混合溶媒(5mL、イソプロピルアルコール量50%)中のゲンチジン酸(1.32g)の溶液(ゲンチジン酸の濃度1.71mol/L)を、0.25mol/L水酸化ナトリウム水溶液(15mL)並びにイソプロピルアルコールと水との混合溶媒(1mL、イソプロピルアルコール量50%)中の化合物(A)(1.0g)の溶液に室温で滴下した。滴下後、滴下に使用した容器をイソプロピルアルコールと水との混合溶媒(1mL、イソプロピルアルコール量50%)にて洗浄し、その洗浄液を滴下した。滴下後の混合溶液におけるゲンチジン酸の濃度は0.388mol/Lであった。次いで、製造例3で得られた共結晶(1mg)を種晶として添加し、撹拌翼(スリーワンモーター)を用いて室温で1日間撹拌した。結晶をろ取し、イソプロピルアルコールと水との混合溶媒(5mL、イソプロピルアルコール量20%)にて洗浄して、湿結晶を得た。得られた湿結晶を減圧乾燥して、オフホワイト色の粉末として目的の共結晶(1.39g、収率96.9%、化合物(A):ゲンチジン酸のモル比=1:1)を得た。得られた共結晶の粉末X線回折測定を上記条件で行ったところ、12.94、10.85、9.90、6.12、5.94、5.28、4.66、3.63および3.28オングストローム付近の格子面間隔(d)に特徴的ピークが現われる粉末X線回折パターンが得られた。上記条件で測定した共結晶の粉末X線回折ピークの2θおよびd値を表8に示す。また、熱分析において重量減少がみられないことから、この共結晶は無水和物であると確認された。
【0133】
【表8】
【0134】
製造例8:化合物(A)とゲンチジン酸との共結晶(粉砕品)の製造
イソプロピルアルコールと水との混合溶媒(200mL、イソプロピルアルコール量50%)中のゲンチジン酸(52.64g)の溶液を除塵ろ過し、使用した容器をイソプロピルアルコールと水との混合溶媒(16mL、イソプロピルアルコール量50%)にて洗浄し、洗浄液をろ過した。ろ液および洗浄液を合わせて、ゲンチジン酸の溶液を得た。また、化合物(A)(40.0g)の0.25mol/L水酸化ナトリウム水溶液(600mL)を除塵ろ過し、使用した容器をイソプロピルアルコールと水との混合溶媒(40mL、イソプロピルアルコール量50%)にて洗浄し、洗浄液をろ過した。ろ液および洗浄液を合わせて、化合物(A)の溶液を得た。上記のようにして得られたゲンチジン酸の溶液を、化合物(A)の溶液に滴下した。ゲンチジン酸の溶液を滴下した後、使用した容器を、イソプロピルアルコールと水との混合溶媒(16mL、イソプロピルアルコール量50%)にて洗浄し、その洗浄液を滴下した。滴下後の混合溶液におけるゲンチジン酸の濃度は0.392mol/Lであった。製造例3で得られた共結晶(40mg)を種晶として添加し、スリーワンモーターを用いて300rpmで室温にて1日間撹拌した。結晶をろ取し、イソプロピルアルコールと水との混合溶媒(200mL、イソプロピルアルコール量20%)にて洗浄して、湿結晶を得た。得られた湿結晶を減圧乾燥して、オフホワイト色の粉末として目的の共結晶(56.35g、収率97.9%、化合物(A):ゲンチジン酸のモル比=1:1)を得た。得られた粉末(50g)をジェットミル粉砕し、粉砕品(43.26g、収率86.5%)を得た。得られた共結晶(粉砕品)の粉末X線回折測定を上記条件で行ったところ、12.86、10.82、9.89、6.10、5.92、5.26、4.64、3.63および3.27オングストローム付近の格子面間隔(d)に特徴的ピークが現われる粉末X線回折パターンが得られた。上記条件で測定した共結晶(粉砕品)の粉末X線回折ピークの2θおよびd値を表9に示す。また、熱分析において重量減少がみられないことから、この共結晶は無水和物であると確認された。
【0135】
【表9】
【0136】
製造例9:化合物(A)とサリチル酸との共結晶の製造
ナスフラスコ(100mL)中の化合物(A)(620mg)に、サリチル酸の飽和アセトニトリル溶液(30mL)を加え、空気雰囲気下、ナスフラスコをガラス栓にて密閉し、マグネチックスターラーを用いて、懸濁液を約450rpmで室温にて5日間撹拌した。懸濁液中の結晶をろ取し、アセトニトリルで2回洗浄後、真空乾燥を行い、白色粉末として目的の共結晶(735mg、収率85.2%)を得た。上記条件で測定した共結晶の融点は176℃であった。また、上記条件で測定した共結晶の粉末X線回折ピークの2θおよびd値を表10に示す。
【0137】
【表10】
【0138】
下記条件のUPLCで測定した共結晶中のサリチル酸含有量は、化合物(A)1モルに対して1.035モルであった。
【0139】
システム:Aquity UPLC H−Class(Waters)
検出器:214nm
分離カラム:YMC Triart−C18 1.9μm,2.0×75mm(YMC Co.,Ltd.)
カラム温度:40℃
移動相A:20mmol/L炭酸水素ナトリウム緩衝液(pH2.5)
移動相B:アセトニトリル
流量:0.4mL/分
分析時間:20.0分
注入量:2.5μL
溶媒:水/アセトニトリル(1:1)
【0140】
【表11】
【0141】
製造例10:化合物(A)とマレイン酸との共結晶の製造
ナスフラスコ(100mL)中の化合物(A)(680mg)に、マレイン酸の飽和アセトニトリル溶液(35mL)を加え、空気雰囲気下、ナスフラスコをガラス栓にて密閉し、マグネチックスターラーを用いて、懸濁液を約450rpmで室温にて2時間撹拌した後、さらにサリチル酸の飽和アセトニトリル溶液(7mL)を加え、マグネチックスターラーを用いて、約700rpmで室温にて5日間撹拌した。懸濁液中の結晶をろ取し、アセトニトリルで2回洗浄後、吸引乾燥を行い、白色粉末として目的の共結晶(753mg、収率83.0%)を得た。上記条件で測定した共結晶の融点は188℃であった。また、上記条件で測定した共結晶の粉末X線回折ピークの2θおよびd値を表12に示す。
【0142】
【表12】
【0143】
下記条件のイオンクロマトグラフィーで測定した共結晶中のマレイン酸含有量は、化合物(A)1モルに対して1.076モルであった。
【0144】
システム:ICS−1000(サーモフィッシャーサイエンティフィック社)
サプレッサー:ASRS(リサイクルモード/電流値22mA)
検出器:電気伝導検出器
分離カラム:IonPac AS12A(4×200mm、サーモフィッシャーサイエンティフィック社)
ガードカラム:IonPac AG12A(4×50mm、サーモフィッシャーサイエンティフィック社)
カラム温度:30℃
移動相:2.7mmol/L炭酸ナトリウム水溶液/0.3mmol/L炭酸水素ナトリウム水溶液
流量:1.5mL/分
注入量:25μL
溶媒:水/DMSO(1:1)
【0145】
製造例11:化合物(A)とクエン酸との共結晶の製造
ガラスチューブ中の化合物(A)(20mg)に、トリフルオロエタノール(2.5mL)を加え溶解し、窒素で溶媒を除去した。溶媒除去後、クエン酸の飽和アセトニトリル溶液(5mL)を加え、空気雰囲気下、ガラスチューブをプラスチック栓で密閉し、マグネチックスターラーを用いて、懸濁液を約450rpmで室温にて7日間撹拌した。懸濁液中の結晶をろ取し、白色粉末として目的の共結晶を得た。上記条件で測定した共結晶の融点は159℃であった。また、上記条件で測定した共結晶の粉末X線回折ピークの2θおよびd値を表13に示す。
【0146】
【表13】
【0147】
下記条件のイオンクロマトグラフィーで測定した共結晶中のクエン酸含有量は、化合物(A)1モルに対して0.976モルであった。
【0148】
システム:ICS−1000(サーモフィッシャーサイエンティフィック社)
サプレッサー:ASRS(リサイクルモード/電流値22mA)
検出器:電気伝導検出器
分離カラム:IonPac AS14A(4×200mm、サーモフィッシャーサイエンティフィック社)
ガードカラム:IonPac AG14A(4×50mm、サーモフィッシャーサイエンティフィック社)
カラム温度:30℃
移動相:8mmol/L炭酸ナトリウム水溶液/1mmol/L炭酸水素ナトリウム水溶液
流量:0.8mL/分
注入量:25μL
溶媒:水/DMSO(1:1)
【0149】
製造例12:化合物(A)とマロン酸との共結晶の製造
ガラスチューブ中の化合物(A)(20mg)に、トリフルオロエタノール(2.5mL)を加え溶解し、窒素で溶媒を除去した。溶媒除去後、マロン酸の飽和アセトニトリル溶液(5mL)を加え、空気雰囲気下、ガラスチューブをプラスチック栓で密閉し、マグネチックスターラーを用いて、懸濁液を450rpmで室温にて7日間撹拌した。懸濁液中の結晶をろ取し、白色粉末として目的の共結晶を得た。上記条件で測定した共結晶の融点は165℃であった。また、上記条件で測定した共結晶の粉末X線回折ピークの2θおよびd値を表14に示す。
【0150】
【表14】
【0151】
下記条件のイオンクロマトグラフィーで測定した共結晶中のマロン酸含有量は、化合物(A)1モルに対して1.521モルであった。
【0152】
システム:ICS−1000(サーモフィッシャーサイエンティフィック社)
サプレッサー:ASRS(リサイクルモード/電流値22mA)
検出器:電気伝導検出器
分離カラム:IonPac AS12A(4×200mm、サーモフィッシャーサイエンティフィック社)
ガードカラム:IonPac AG12A(4×50mm、サーモフィッシャーサイエンティフィック社)
カラム温度:30℃
移動相:2.7mmol/L炭酸ナトリウム水溶液/0.3mmol/L炭酸水素ナトリウム水溶液
流量:1.5mL/分
注入量:25μL
溶媒:DMSO/水(1:1)
【0153】
製造例13:化合物(A)とリンゴ酸との共結晶の製造
ガラスチューブ中の化合物(A)(20mg)に、トリフルオロエタノール(2.5mL)を加え溶解し、窒素で溶媒を除去した。溶媒除去後、L−リンゴ酸の飽和アセトニトリル溶液(5mL)を加え、空気雰囲気下、ガラスチューブをプラスチック栓で密閉し、マグネチックスターラーを用いて、懸濁液を約450rpmで室温にて7日間撹拌した。懸濁液中の結晶をろ取し、白色粉末として目的の共結晶を得た。上記条件で測定した共結晶の融点は161℃であった。また、上記条件で測定した共結晶の粉末X線回折ピークの2θおよびd値を表15に示す。
【0154】
【表15】
【0155】
下記条件のイオンクロマトグラフィーで測定した共結晶中のリンゴ酸含有量は、化合物(A)1モルに対して0.993モルであった。
【0156】
システム:ICS−1000(サーモフィッシャーサイエンティフィック社)
サプレッサー:ASRS(リサイクルモード/電流値22mA)
検出器:電気伝導検出器
分離カラム:IonPac AS12A(4×200mm、サーモフィッシャーサイエンティフィック社)
ガードカラム:IonPac AG12A(4×50mm、サーモフィッシャーサイエンティフィック社)
カラム温度:30℃
移動相:2.7mmol/L炭酸ナトリウム水溶液/0.3mmol/L炭酸水素ナトリウム水溶液
流量:1.5mL/分
注入量:25μL
溶媒:DMSO/水(1:1)
【0157】
製造例14:化合物(A)とマンデル酸との共結晶の製造
ガラスチューブ中の化合物(A)(20mg)に、トリフルオロエタノール(2.5mL)を加え溶解し、窒素で溶媒を除去した。溶媒除去後、(+/−)−マンデル酸の飽和アセトニトリル溶液(5mL)を加え、空気雰囲気下、ガラスチューブをプラスチック栓で密閉し、マグネチックスターラーを用いて、懸濁液を約450rpmで室温にて7日間撹拌した。懸濁液中の結晶をろ取し、白色粉末として目的の共結晶を得た。上記条件で測定した共結晶の融点は107℃および136℃であった。また、上記条件で測定した共結晶の粉末X線回折ピークの2θおよびd値を表16に示す。
【0158】
【表16】
【0159】
下記条件のイオンクロマトグラフィーで測定した共結晶中のマンデル酸含有量は、化合物(A)1モルに対して1.531モルであった。
【0160】
システム:ICS−1000(サーモフィッシャーサイエンティフィック社)
サプレッサー:ASRS(リサイクルモード/電流値22mA)
検出器:電気伝導検出器
分離カラム:IonPac AS12A(4×200mm、サーモフィッシャーサイエンティフィック社)
ガードカラム:IonPac AG12A(4×50mm、サーモフィッシャーサイエンティフィック社)
カラム温度:30℃
移動相:2.7mmol/L炭酸ナトリウム水溶液/0.3mmol/L炭酸水素ナトリウム水溶液
流量:1.5mL/分
注入量:25μL
溶媒:DMSO/水(1:1)
【0161】
製造例15:化合物(A)とゲンチジン酸との共結晶の製造
ゲンチジン酸(約1g)に蒸留水(約10mL)を加えて、マグネチックスターラーを用いて室温で24時間懸濁撹拌した後、未溶解のゲンチジン酸をろ過で除いて、ゲンチジン酸の飽和水溶液を調製した。この飽和水溶液(10mL)に化合物(A)(約50mg)を加え、マグネチックスターラーを用いて得られた懸濁液を室温で1日間撹拌した後、結晶をろ取して、得られた湿結晶を風乾することにより目的の共結晶を得た。
【0162】
カールフィッシャー水分測定(測定装置:平沼産業社製「AQ−7」、溶解液:アクアライトRS−A、室温:約26℃、相対湿度:約33%)による得られた共結晶の水分量は6.2%であった。この水分量から、得られた共結晶は3水和物であると確認された。得られた共結晶のTGAおよびDSCでは、25℃から約80℃の間で約2.2%以上の重量減少が認められ、続く約80℃から約140℃の間で約1.8%の重量減少とともに、共結晶が融解した。得られた共結晶の粉末X線回折測定を上記条件で行ったところ、格子面間隔(d)で25.97、13.06、7.98、7.64、7.08、6.54、6.01、5.24および5.02オングストローム付近に特徴的ピークが現れる粉末X線回折パターンが得られた。上記条件で測定した共結晶の粉末X線回折ピークの2θおよびd値を表17に示す。また、上記条件で測定して得られた共結晶の粉末X線回折チャートを図4に示す。
【0163】
【表17】
【0164】
下記条件のUPLCで測定した共結晶中のゲンチジン酸の含有量は、化合物(A)1モルに対して3.07モルであった。
【0165】
システム:Aquity UPLC H−Class(Waters)
検出器:214nm
分離カラム:YMC Triart−C18 1.9μm,2.0×75mm(YMC Co.,Ltd.)
カラム温度:40℃
移動相A:20mmol/L炭酸水素ナトリウム緩衝液(pH2.5)
移動相B:アセトニトリル
流量:0.4mL/分
分析時間:20.0分
注入量:2.5μL
溶媒:水/アセトニトリル(1:1)
【0166】
【表18】
【0167】
製造例16:化合物(A)とゲンチジン酸との共結晶の製造
ゲンチジン酸(約1g)に蒸留水(約10mL)を加えて、マグネチックスターラーを用いて室温で24時間懸濁撹拌した後、未溶解のゲンチジン酸をろ過で除いて、ゲンチジン酸の飽和水溶液を調製した。この飽和水溶液(10mL)に化合物(A)(約50mg)を加え、マグネチックスターラーを用いて得られた懸濁液を室温で1日間撹拌した後、結晶をろ取して、得られた湿結晶を風乾したのちに、約25℃で3時間減圧乾燥することにより目的の共結晶を得た。
【0168】
製造例15と同じ条件でのカールフィッシャー水分測定による得られた共結晶の水分量は2.5%であった。この水分量から、得られた共結晶は1水和物であると確認された。得られた共結晶のTGAおよびDSCでは、約80℃から約140℃の間で約2.4%の重量減少とともに、共結晶が融解した。得られた共結晶の粉末X線回折測定を上記条件で行ったところ、格子面間隔(d)で25.08、9.02、7.20、6.83、6.42、6.25、5.98、5.25および5.01オングストローム付近に特徴的ピークが現れる粉末X線回折パターンが得られた。上記条件で測定した共結晶の粉末X線回折ピークの2θおよびd値を表19に示す。また、上記条件で測定して得られた共結晶の粉末X線回折チャートを図5に示す。
【0169】
【表19】
【0170】
下記条件のUPLCで測定した共結晶中のゲンチジン酸の含有量は、化合物(A)1モルに対して3.05モルであった。
【0171】
システム:Aquity UPLC H−Class(Waters)
検出器:214nm
分離カラム:YMC Triart−C18 1.9μm,2.0×75mm(YMC Co.,Ltd.)
カラム温度:40℃
移動相A:20mmol/L炭酸水素ナトリウム緩衝液(pH2.5)
移動相B:アセトニトリル
流量:0.4mL/分
分析時間:20.0分
注入量:2.5μL
溶媒:水/アセトニトリル(1:1)
【0172】
【表20】
【0173】
試験例1:溶解度の測定
Nakashima S., Chem. Pharm. Bull., 61(12) 1228-1238 (2013) の第1229頁の "Thermodynamic Solubility Measurement by the Shake-Flask Method" に記載されている方法に従い、化合物(A)の結晶および共結晶の溶解度を測定した。詳しくは、化合物(A)の結晶または共結晶(0.4mg)に、日本薬局方崩壊試験第1液(JP1)、第2液(JP2)および20mMのグリコケノデオキシコール酸ナトリウムを含んだ第2液(JP2/GCDC)を、それぞれ400μL加え、空気雰囲気下で37℃に加温し、ボルテックスミキサーを用いて、2時間、500rpmで振とうした。振とう後、0.45μmのPVDFフィルターでろ過し、ろ液をHPLCで分析、標準溶液(0.1mg/mL)とのクロマトグラムの比較により、単体の結晶および共結晶の溶解度を算出した。結果を表21に示す。
【0174】
【表21】
【0175】
試験例2:溶解速度の測定
Tsutsumi S., Int. J. Pharm., 421 (2011) 230-236 の第231頁の "2.6. Intrinsic dissolution test" に記載されている方法に従い、化合物(A)の結晶および共結晶の溶解速度を測定した。詳しくは、化合物(A)の結晶または共結晶(20mg)をハンドプレス型打錠機によって、20MPaで10分間加圧し、7mm径のディスクを作製した。作製したディスクを米国薬局方溶出試験第1法の回転軸の中へ貼り付け、200rpmで回転させながら、37℃に加温したコール酸を含む日本薬局方崩壊試験第2液250mLに入れた後、結晶または共結晶を含む第2液を1分間隔で0.5mLずつ採取し、HPLC分析で標準溶液(0.05mg/mL)のクロマトグラムとの比較により、結晶または共結晶の濃度を計算して、それらの溶解速度を算出した。溶解速度の結果を表22に示す。
【0176】
【表22】
【0177】
製造例17:化合物(A)の共結晶を含有する製剤1の製造
製造例8で得られた共結晶(粉砕品、86.4mg)、D−マンニトール(1917.6mg、PEARLITOL 100SD、ロケット社製)、結晶セルロース(240mg、セオラスPH−102、旭化成社製)、クロスカルメロースナトリウム(120mg、Ac−Di−Sol、FMC Corporation社製)、および軽質無水ケイ酸(12mg、AEROSIL 200 Pharma、日本アエロジル社製)を乳鉢に秤りとり、乳棒で混合した物に、ステアリン酸マグネシウム(24mg、太平化学社製)を添加し、混合して、混合末を得た。卓上錠剤成型機(HANDTAB−200、市橋精機社製)を用いて、混合末を打錠圧10kNで打錠し、直径8mmの1錠あたり200mgの製剤1(錠剤)を得た。製剤1の1錠あたりの組成を表23に示す。
【0178】
【表23】
【0179】
製造例18:化合物(A)の共結晶を含有する製剤2の製造
製造例8で得られた共結晶(粉砕品、86.4mg)、D−マンニトール(1845.6mg、PEARLITOL 100SD、ロケット社製)、結晶セルロース(240mg、セオラスPH−102、旭化成社製)、ヒドロキシプロピルセルロース(72mg、グレードL、日本曹達社製)、クロスカルメロースナトリウム(120mg、Ac−Di−Sol、FMC Corporation社製)、軽質無水ケイ酸(12mg、AEROSIL 200 Pharma、日本アエロジル社製)を乳鉢に秤りとり、乳棒で混合した物に、ステアリン酸マグネシウム(24mg、太平化学社製)を添加し、混合して、混合末を得た。卓上錠剤成型機(HANDTAB−200、市橋精機社製)を用いて、混合末を打錠圧10kNで打錠し、直径8mmの1錠あたり200mgの製剤2(錠剤)を得た。この製剤2の1錠あたりの組成を表24に示す。
【0180】
【表24】
【0181】
製造例19:化合物(A)の共結晶を含有する製剤3の製造
製造例8で得られた共結晶(粉砕品、86.4mg)、D−マンニトール(1821.6mg、PEARLITOL 200SD、ロケット社製)、結晶セルロース(240mg、セオラスPH−102、旭化成社製)、ヒドロキシプロピルセルロース(72mg、グレードL、日本曹達社製)、クロスカルメロースナトリウム(120mg、Ac−Di−Sol、FMC Corporation社製)、軽質無水ケイ酸(12mg、AEROSIL 200 Pharma、日本アエロジル社製)を乳鉢に秤りとり、乳棒で混合した物に、ステアリン酸マグネシウム(48mg、太平化学社製)を添加し、混合して、混合末を得た。卓上錠剤成型機(HANDTAB−200、市橋精機社製)を用いて、混合末を打錠圧9kNで打錠し、直径8mmの1錠あたり200mgの製剤3(錠剤)を得た。この製剤3の1錠あたりの組成を表25に示す。
【0182】
【表25】
【0183】
製造例20:化合物(A)の共結晶を含有する製剤4の製造
製造例8で得られた共結晶(粉砕品、86.4mg)、D−マンニトール(1581.6mg、PEARLITOL 200SD、ロケット社製)、結晶セルロース(480mg、セオラスPH−102、旭化成社製)、ヒドロキシプロピルセルロース(72mg、グレードL、日本曹達社製)、クロスカルメロースナトリウム(120mg、Ac−Di−Sol、FMC Corporation社製)、軽質無水ケイ酸(12mg、AEROSIL 200 Pharma、日本アエロジル社製)を乳鉢に秤りとり、乳棒で混合した物に、ステアリン酸マグネシウム(48mg、太平化学社製)を添加し、混合して、混合末を得た。卓上錠剤成型機(HANDTAB−200、市橋精機社製)を用いて、混合末を打錠圧9kNで打錠し、直径8mmの1錠あたり200mgの製剤4(錠剤)を得た。この製剤4の1錠あたりの組成を表26に示す。
【0184】
【表26】
【0185】
製造例21:化合物(A)の共結晶を含有する製剤5の製造
製造例4で得られた共結晶(71.96g)、D−マンニトール(312.04g、PEARLITOL 200SD、ロケット社製)、結晶セルロース(60g、セオラスUF−702、旭化成社製)、ヒドロキシプロピルセルロース(24g、グレードL、日本曹達社製)、低置換ヒドロキシプロピルセルロース(60g、グレードLH−B1、信越化学工業社製)、軽質無水ケイ酸(3g、AEROSIL 200 Pharma、日本アエロジル社製)を秤りとり、混合することにより一次混合末を得た。一次混合末398.3gを秤りとり、結晶セルロース(45g、セオラスKG−802、旭化成社製)およびステアリン酸マグネシウム(6.75g、太平化学社製)を添加し、混合して、二次混合末を得た。得られた二次混合末をロータリー式打錠機(コレクト19K、菊水製作所社製)により、打錠圧6kNで打錠し、直径9mmの1錠あたり300mgの素錠を得た。この素錠150gに、ドリアコーター(DRC−200、パウレック社製)中でOPADRY(日本カラコン社製)の水分散液を1錠あたりのフィルムコーティング量が12mgとなるように噴霧し、製剤5(錠剤)を得た。この製剤5の1錠あたりの組成を表27に示す。
【0186】
【表27】
【0187】
製造例22:化合物(A)の共結晶を含有する製剤6の製造
製造例4で得られた共結晶(79.16g)、D−マンニトール(154.48g、PEARLITOL 50C、ロケット社製)、結晶セルロース(33g、セオラスPH−101、旭化成社製)、低置換ヒドロキシプロピルセルロース(24.75g、グレードLH−B1、信越化学工業社製)を流動層造粒機(LAB−1、パウレック社製)に秤りとり、6(w/w)%ヒドロキシプロピルセルロース(グレードL、日本曹達社製)水溶液を165g噴霧することで造粒し、その後乾燥して造粒末を得た。造粒末を整粒し、得られた整粒末219.1gを秤りとり、低置換ヒドロキシプロピルセルロース(18g、グレードLH−B1、信越化学工業社製)およびステアリン酸マグネシウム(2.88g、太平化学社製)を添加し、混合して、混合末を得た。得られた混合末をロータリー式打錠機(コレクト19K、菊水製作所社製)により、打錠圧6kNで打錠し、直径7mmの1錠あたり150mgの素錠を得た。この素錠150gに、ドリアコーター(DRC−200、パウレック社製)中でOPADRY(日本カラコン社製)の水分散液を1錠あたりのフィルムコーティング量が6mgとなるように噴霧し、製剤6(錠剤)を得た。この製剤6の1錠あたりの組成を表28に示す。
【0188】
【表28】
【0189】
試験例3:製剤の厚さ、硬度および崩壊時間の測定
製造例17〜20で得られた製剤1〜4の厚さ、硬度および崩壊時間を測定した。崩壊試験は日本薬局方崩壊試験法に従い測定した(試験液:水、37℃、ディスクなし)。結果を表29に示す。
【0190】
【表29】
【0191】
試験例4:薬物動態試験1
製造例1、9および10で得られた共結晶を用いて、ビーグル犬への経口投与による化合物(A)の薬物動態試験を実施した。
【0192】
投与用量を化合物(A)として10mgに設定し、製造例1で得られた共結晶14.4mg、製造例9で得られた共結晶14.1mgまたは製造例10で得られた共結晶13.6mg(いずれも化合物(A)として10mg)をゼラチンカプセルに充填して、製剤7〜9(カプセル剤)を得た。得られた製剤7〜9を、1カプセルずつ、以下に記載するようにビーグル犬に経口投与した。
【0193】
得られた各製剤を、絶食状態のビーグル犬(雄、5頭)に経口投与した。各製剤を同じグループの5匹のビーグル犬に投与した。いずれの投与においても、投与15分前にペンタガストリン溶液による投与前処置を実施した。投与後15および30分、並びに1、2、4、6、8、12および24時間に、血液サンプルを採取し、遠心分離して、血漿を得た。化合物(A)の血漿中の濃度を、下記に示す条件でLCおよびMS/MSを使って測定した。
【0194】
LC条件
分析カラム:Kinetex C18, 50 mm x 2.0 mm I.D., 2.6μm (Phenomenex)
カラムオーブン温度:40℃
移動相:精製水/アセトニトリル/ギ酸(600:200:0.1,v/v/v)
流量:0.2mL/min
注入量:20μL
オートサンプラー温度:10℃
リンス液:アセトニトリル/精製水/ギ酸(600:400:0.1,v/v/v)
運転時間:5.0分
2.0〜5.0分の溶出液をバルブ操作によってMS/MSに移した。
【0195】
MS/MS条件
イオン化モード:ターボイオンスプレー
極性:正
スキャンタイプ:選択的反応モニタリング
イオンスプレー電圧:5500V
ターボプローブ温度:600℃
インターフェイスヒーター:オン
カーテンガス圧力:0.28MPa(40psi,N
イオンソースガス1圧力:0.28MPa(40psi,空気)
イオンソースガス2圧力:0.28MPa(40psi,空気)
衝突ガス圧力:8ビット(N
滞留時間:0.8秒(化合物(A)に対して)および0.2秒(内部標準(3個の水素原子が重水素化された化合物(A)である化合物(A)−d)に対して)
継続時間:5.0分
【0196】
【表30】
【0197】
化合物(A)の血漿中の濃度および時間の曲線より、薬物(化合物(A))の最高血中濃度(Cmax)および最高血中濃度到達時間(Tmax)を算出した。また、リニアトラペゾイダル法により、0〜24時間の血中濃度−時間曲線下面積(AUC0−24h)を算出した。結果を表31および図6に示す。なお、表31中のTmax等の値は平均値であり、括弧内の数値は標準偏差(S.D.)を示す。
【0198】
【表31】
【0199】
試験例5:薬物動態試験2
下記に示す2種類の製剤を用いて、ビーグル犬への経口投与による化合物(A)の薬物動態試験を実施した。
【0200】
(1)製剤10(IR錠)
化合物(A)、D―マンニトール、結晶セルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、カルボキシメチルスターチナトリウムに水を添加し、乳鉢にて造粒し、乾燥して、造粒末を得た。造粒末にステアリン酸マグネシウムを添加して、混合末を得た。卓上錠剤成型機(HANDTAB−200、市橋精機株式会社)を用いて、1錠あたり化合物(A)を300mg含む錠剤(錠剤合計:400mg、長径:12mm×短径:7mm)を10kNで打錠し、錠剤を得た。投与量を300mgに設定し、1錠ずつ、ビーグル犬に経口投与した。製剤10の1錠あたりの組成を表32に示す。
【0201】
【表32】
【0202】
(2)製剤11(カプセル剤)
投与量を化合物(A)として100mgに設定し、製造例1で得られた共結晶144mg(化合物(A)として100mg)をゼラチンカプセルに充填して、製剤11(カプセル剤)を得た。得られた製剤11を、1カプセルずつ、ビーグル犬に経口投与した。
【0203】
得られた各製剤を、絶食状態のビーグル犬(雄、5頭)に経口投与した。各製剤を同じグループの5匹のビーグル犬に投与した。いずれの投与においても、投与15分前にペンタガストリン溶液による投与前処置を実施した。投与後15および30分、並びに1、2、4、6、8、12および24時間に、血液サンプルを採取し、遠心分離して、血漿を得た。化合物(A)の血漿中の濃度を、試験例4に示す条件でLCおよびMS/MSを使って測定した。
【0204】
化合物(A)の血漿中の濃度および時間の曲線より、薬物(化合物(A))の最高血中濃度(Cmax)および最高血中濃度到達時間(Tmax)を算出した。また、リニアトラペゾイダル法により、0〜24時間の血中濃度−時間曲線下面積(AUC0−24h)を算出した。結果を表33および図7に示す。なお、表33中のTmax等の値は平均値であり、括弧内の数値は標準偏差(S.D.)を示す。
【0205】
【表33】
【産業上の利用可能性】
【0206】
本発明の共結晶は、溶出性および経口吸収性に優れており、医薬(医薬組成物または製剤)の原料として有用である。
【0207】
本願は、日本で出願された特願2015−252658号を基礎としており、その内容は本願明細書に全て包含される。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7