(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6877436
(24)【登録日】2021年4月30日
(45)【発行日】2021年5月26日
(54)【発明の名称】気体を加熱するための熱交換器およびその使用
(51)【国際特許分類】
C23C 2/06 20060101AFI20210517BHJP
C23C 2/28 20060101ALI20210517BHJP
F28F 19/06 20060101ALI20210517BHJP
F28F 21/08 20060101ALI20210517BHJP
F28D 9/00 20060101ALI20210517BHJP
F28D 7/02 20060101ALI20210517BHJP
F28D 7/04 20060101ALI20210517BHJP
【FI】
C23C2/06
C23C2/28
F28F19/06 Z
F28F21/08 F
F28D9/00
F28D7/02
F28D7/04
【請求項の数】10
【全頁数】7
(21)【出願番号】特願2018-533056(P2018-533056)
(86)(22)【出願日】2016年12月21日
(65)【公表番号】特表2019-505673(P2019-505673A)
(43)【公表日】2019年2月28日
(86)【国際出願番号】EP2016082073
(87)【国際公開番号】WO2017108888
(87)【国際公開日】20170629
【審査請求日】2019年12月18日
(31)【優先権主張番号】15202312.3
(32)【優先日】2015年12月23日
(33)【優先権主張国】EP
(73)【特許権者】
【識別番号】508020155
【氏名又は名称】ビーエイエスエフ・ソシエタス・エウロパエア
【氏名又は名称原語表記】BASF SE
(74)【代理人】
【識別番号】100114890
【弁理士】
【氏名又は名称】アインゼル・フェリックス=ラインハルト
(74)【代理人】
【識別番号】100098501
【弁理士】
【氏名又は名称】森田 拓
(74)【代理人】
【識別番号】100116403
【弁理士】
【氏名又は名称】前川 純一
(74)【代理人】
【識別番号】100135633
【弁理士】
【氏名又は名称】二宮 浩康
(74)【代理人】
【識別番号】100162880
【弁理士】
【氏名又は名称】上島 類
(72)【発明者】
【氏名】オスカー シュテファン
(72)【発明者】
【氏名】カール−フリードリヒ シュナイダー
(72)【発明者】
【氏名】マティアス ヴァイスマンテル
【審査官】
大塚 美咲
(56)【参考文献】
【文献】
特開昭50−016627(JP,A)
【文献】
独国実用新案第202015101101(DE,U1)
【文献】
特表2013−522431(JP,A)
【文献】
特表2012−528909(JP,A)
【文献】
中国特許出願公開第101702333(CN,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C23C 2/06
C23C 2/28
F28D 7/02
F28D 7/04
F28D 9/00
F28F 19/06
F28F 21/08
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
超吸収体粒子を乾燥させるために150〜400℃の範囲にある温度に気体を加熱するための熱交換器を製造する方法であって、前記気体は、間接的な熱伝導により加熱され、前記気体と接触する前記熱交換器の壁の表面全体が、溶融亜鉛めっきされており、かつ前記気体と接触する前記表面が、溶融亜鉛めっきが空気下で冷却され、亜鉛/鉄の拡散層および純粋な亜鉛層が前記壁の表面に形成された後に、400〜750℃の範囲にある温度で熱処理されている、前記熱交換器を製造する方法。
【請求項2】
前記熱処理が1〜5分の時間にわたり実施される、請求項1記載の方法。
【請求項3】
前記熱交換器の前記壁が鋼板から作製されている、請求項1または2記載の方法。
【請求項4】
前記熱交換器が、プレート型熱交換器、シェルアンドチューブ型熱交換器またはスパイラル型熱交換器である、請求項1から3までのいずれか1項記載の方法。
【請求項5】
前記気体と接触する前記壁がフィンを有する、請求項1から4までのいずれか1項記載の方法。
【請求項6】
バンド乾燥機内で前記超吸収体粒子を乾燥させるための、請求項1から5までのいずれか1項記載の方法。
【請求項7】
熱交換器が、前記バンド乾燥機の乾燥バンドの下方に配置されている、請求項6記載の方法。
【請求項8】
前記超吸収体粒子を製造するために噴霧塔に供給される乾燥ガスを加熱するための、請求項1から5までのいずれか1項記載の方法。
【請求項9】
前記乾燥ガスを循環式で送る、請求項8記載の方法。
【請求項10】
熱伝導媒体として、熱媒油、イオン液体、塩溶融物または蒸気を使用する、請求項1から9までのいずれか1項記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、150〜400℃の範囲にある温度に気体を加熱するための熱交換器(熱伝導体または熱交換体)に関するものであり、前記気体は、間接的な熱伝導により加熱される。
【背景技術】
【0002】
気体を乾燥ガスとして使用する場合、例えば、150℃を超える温度に気体を加熱する必要がある。このような用途は、例えば、超吸収体の製造における乾燥機である。超吸収体の製造については、2つの異なる方法が知られている。一つは、混練機内での製造であり、この場合は、そのように製造された超吸収体は、後の工程においてバンド乾燥機内で乾燥させられる。またもう一つは、噴霧塔内での製造であり、この場合は、モノマー溶液は、乾燥ガスに対して向流式で噴霧により導入され、噴霧塔内で落下する間に重合して超吸収体粒子になると同時に乾燥させられる。
【0003】
一般的な熱交換器は、殊に超吸収体の製造において使用される場合、腐食する傾向にある。よって、熱交換器の表面を腐食から保護する必要がある。そのために、熱交換器をステンレス鋼から作製することができる。ただし、これには、ステンレス鋼の伝熱性がより乏しいために、著しくより大きな熱交換器が必要となるという欠点がある。さらなる可能性としては、アルミニウムからの熱交換器の製造があり得る。しかしながら、超吸収体の製造において、これには、殊に気体を循環式で送る場合に、超吸収体粒子がなおも気体中に含有されている可能性があり、超吸収体が、殊に鋼に比べて柔らかいアルミニウムに対して摩耗作用を及ぼすという欠点がある。代替的には、気体と接触する表面に、適切な被覆を備えることも可能である。そのために、表面に、例えば溶融亜鉛めっきにより亜鉛被覆を備えることができる。
【0004】
しかしながら、熱交換器内で生じる温度が200℃を超える場合、亜鉛被覆は層間剥離を起こす傾向にある。この効果はカーケンドール効果としても知られている。これにより、亜鉛粒子が剥離し、超吸収体が汚染される可能性がある。また一方で、これにより超吸収体の不所望な品質低下がもたらされる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
よって、本発明の課題は、従来技術から公知の欠点を有しない熱交換器(熱伝導体または熱交換体)を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本課題は、150〜400℃の範囲にある温度に気体を加熱するための熱交換器であって、この際に気体は、間接的な熱伝導により加熱される、当該熱交換器により解決され、ここで、気体と接触する熱交換器の壁の表面全体が、溶融亜鉛めっきされており、かつ気体と接触する表面が、溶融亜鉛めっきされた後に、400〜750℃の範囲にある温度で熱処理されている。
【0007】
驚くべきことに、溶融亜鉛めっきに引き続く熱処理により、亜鉛被覆が安定したままであること、150〜400℃の範囲にある温度に気体を加熱してもカーケンドール効果が生じないこと、および被覆が無傷のままであることが判明した。これにより、殊に超吸収体の製造において熱交換器を使用する場合に、剥離する亜鉛層によって超吸収体粒子が汚染されることが防止される。
【発明を実施するための形態】
【0008】
亜鉛めっきされた表面を製造するためには、亜鉛めっきすべき熱交換器部材を、適切な前処理の後に、溶融亜鉛の浴にまず浸漬する。ここで亜鉛は、熱交換器の表面に堆積し、表面と結合する。安定した結合を得て、かつ溶融亜鉛めっきを実施可能にするには、熱交換器を作製する材料が溶融亜鉛めっきの温度に対して安定である必要がある。それに加えて、良好な熱伝導が可能である必要があり、そのために、この材料はできるだけ低い熱伝導係数を有するべきである。よって殊に、適切な材料は金属である。特に好ましい実施形態では、熱交換器の壁を鋼板から作製する。
【0009】
亜鉛めっきすべき熱交換器部材を溶融亜鉛浴中に浸漬しおよび保持した後に、これらの部材を亜鉛浴から取り出し、空気により冷却する。これにより、亜鉛/鉄の拡散層および純粋な亜鉛層が熱交換器の壁の表面に形成される。その際、溶融亜鉛めっきは、当業者に公知の一般的な手法により実施される。
【0010】
本発明によれば、溶融亜鉛めっきにより製造された亜鉛からの被覆を冷却して凝固させた後に、熱交換器を、400〜750℃の範囲、好ましくは525〜575℃の範囲にある温度、例えば550℃の平均部材温度で熱処理にかける。525℃を超える温度での熱処理の時間は、好適には1〜5分の範囲、殊に2〜3分の範囲にある。
【0011】
熱処理を400〜450℃の範囲にある温度で実施する場合、熱処理の時間は、90分にまで延長される。450℃〜525℃の間の温度の場合、必要とされる熱処理の時間は相応して調節され、温度が上昇するほど減少する。
【0012】
ここで、当業者に公知のあらゆる任意の炉内で熱処理を実施することができる。適切な炉は、例えば連続炉である。
【0013】
熱交換器は、間接的な熱伝導が行われる熱交換器について当業者に公知のあらゆる任意の構造を有することができる。ここで気体の加熱を、並流式、向流式、十字流(交差流)式またはこれらの任意のあらゆる組み合わせで行うことができる。一般的な変法は、例えば十字向流式または十字並流式である。適切な熱交換器は、例えばプレート型熱交換器、シェルアンドチューブ(管束)型熱交換器またはスパイラル型熱交換器である。ここで間接的な熱伝導とは、高温流体の熱がそれより温度の低い流体に伝導し、ここで高温流体およびそれより温度の低い流体は壁により互いに分離されていることと理解される。これにより、熱伝導は熱交換器の壁を通して行われることになる。150〜400℃の範囲にある温度に気体を加熱するためには、気体はそれより温度の低い流体である。高温流体としては、気体を加熱すべき温度よりも高温の適切な熱伝導媒体を使用する。熱伝導媒体としては、例えば過熱蒸気、この温度に適した熱媒油、イオン液体または塩溶融物が適している。熱伝導媒体としては、過熱蒸気が好ましい。
【0014】
良好な熱伝導(熱移動)を得るためには、加熱すべき気体と接触する表面ができるだけ大きいことが好ましい。そのために、気体と接触する壁にフィン(羽根)を備えることができる。壁を作製する材料の熱伝達が良好であるため、壁に取り付けられているフィンも加熱される。ここで、フィンと壁との結合部は、良好な熱伝達性を有する必要がある。そのために、フィンを、好適には壁にろう付けするか、または壁と溶接する。基本的に、フィンと壁との接着は、あまり有利ではない。なぜならば、第一に、一般的なポリマー系接着剤はこれらの温度に耐性がなく、第二に、ポリマーは熱伝達が金属よりも乏しいため、接着の場合、フィンにより広げられた熱伝導面の効果が非常に少なくなってしまうからである。また、ねじまたはリベットによるフィンの結合も有利ではない。というのも、この場合、フィンが壁に完全に接していることを保証できないからである。壁とフィンとの間に隙間が生じると、この隙間に加熱すべき気体が貫流し、ここで加熱すべき気体は、金属よりかなり乏しい熱伝達性を有するため、フィンはこれらの領域において壁の表面温度を受容することができず、よって同様に、フィンによる効果は生じない。基本的に、亜鉛めっきの場合、亜鉛もフィンと壁との間に生じ得る隙間に流れるが、しかしながら、これによっては、隙間が亜鉛めっきにより埋められることを保証することはできない。
【0015】
さらに、本発明はこのような熱交換器の使用に関する。有利には、超吸収体粒子を乾燥させるために、この熱交換器を使用する。
【0016】
超吸収体は、その質量の何倍もの液体を吸収し貯蔵することができる材料である。一般的に、超吸収体は、ポリアクリレートまたはポリメタクリレート(以下、ポリ(メタ)アクリレートとも称する)系のポリマーである。通常、超吸収体は、アクリル酸またはメタクリル酸のエステルと、当業者に公知の適切な架橋剤とから製造される。ポリ(メタ)アクリレートを製造するために使用される出発物質および混練機内でのその反応は、例えば国際公開第2006/034853 A1号に記載されている。
【0017】
本発明の一実施形態において、熱交換器は、バンド乾燥機(ベルト式乾燥機)内で超吸収体粒子を乾燥させるために使用される。この場合、超吸収体を、反応器内で製造し、この反応器から取り出し、引き続き、バンド乾燥機内で乾燥させる。この場合、反応器としては、一般的に混練機を使用する。この混練機に、超吸収体を製造するための出発物質を添加する。混練機内で出発物質を反応させて超吸収体にすると、その際に高粘度の塊が形成される。この塊を適切な混練棒により混練機内でほぐす。粗粒子状の材料が生成物として生じる。
【0018】
この粗粒子材料をバンド乾燥機に供給する。そのために、超吸収体材料をバンド乾燥機の乾燥バンド上に分配し、好適には少なくとも50℃、特に好ましくは少なくとも100℃、極めて特に好ましくは少なくとも150℃、好適には250℃まで、特に好ましくは220℃まで、極めて特に好ましくは200℃までの温度を有する気体を過剰に流す。気体としては例えば、空気を使用するか、または超吸収体材料に対して不活性の気体、例えば窒素を使用することができる。しかしながら、空気を乾燥ガスとして使用することが好ましい。
【0019】
乾燥ガスは、本発明による熱交換器内で、乾燥に必要とされる温度に加熱される。その際、熱交換器は、バンド乾燥機内、例えば乾燥バンドの下方に配置されていてよい。あるいは、熱交換器をバンド乾燥機の外に置き、熱交換器内で加熱された気体を片側でバンド乾燥機に供給し、この気体を別の位置において再びバンド乾燥機から取り出し、熱交換器に再度供給することも可能である。ここで、乾燥ガスは循環式で送られる。熱交換器がバンド乾燥機の外に配置されている場合、これには、適切な粒子分離装置をバンド乾燥機と熱交換器との間に置いて、飛沫同伴した超吸収体粒子を気体流から除去することができるという利点がある。適切な粒子分離装置は、例えばサイクロンまたはフィルターである。
【0020】
熱交換器を乾燥バンドの下方に置く場合、加熱された乾燥ガスは上昇し、よって、下から超吸収体粒子の周りを流れる。その際、気体は冷却されて、再び下に流れるため、バンド乾燥機内に気体の流れが生じる。これには、乾燥機の外に熱交換器が配置されている場合に比べて、自然対流が生じるため、大きな気体流を適切なブロワーにより循環させて熱交換器に通す必要がないという利点がある。しかしながら、熱交換器を貫流してその内部で加熱される気体から超吸収体粒子を分離できないことが欠点である。
【0021】
しかしながら、どちらの変法においても、気体の一部をプロセスから取り出して、乾燥時に吸収された水を除去する必要がある。気体をすべて循環式で送る場合、乾燥時に放出される水が気体中に濃縮して、水の濃度が上昇していくと、効果的な乾燥がもはや可能ではなくなる。
【0022】
バンド乾燥機に引き続き、超吸収体粒子を粉砕して、後架橋および乾燥に送る。最後に、超吸収体粒子を大きさに応じて分級し、ここで一般的には、分級のために、複数のふるいデッキを有するふるい機を使用する。小さすぎる超吸収体粒子は混練機に再度導入される。そのため、この小さすぎる超吸収体粒子は、生成する超吸収体の塊と混合され、よって、十分に大きな粒子が生成され得る。大きすぎる超吸収体粒子は粉砕機に返送され、もう一度粉砕プロセスにかけられて、さらに細かくされる。
【0023】
代替的な実施形態において、超吸収体粒子は噴霧塔内で製造される。そのために、まず超吸収体を製造するために使用される出発物質を混合し、それから、これを噴霧塔内で液滴化し、ここで、噴霧塔内で出発物質の反応により液滴から生成する超吸収体粒子が所望の仕様に相応するようにサイズ選択された液滴ができあがる。
【0024】
噴霧塔内では、同時に乾燥ガスを供給しながら、液滴が上から下に落ちる。その際、乾燥ガスは、超吸収体の製造およびその引き続く乾燥のために必要とされる温度に加熱してある。その際、乾燥ガスの添加を並流式または向流式で行うことができる。通常、乾燥ガスは、出発物質の供給箇所の上にある噴霧塔の頂部において供給される。落下の間に、液滴における液体状の出発物質を反応させて、超吸収体ポリマーにする。ここで、サイズが実質的に液滴のサイズに相応する超吸収体粒子が生成する。液滴は、乾燥ガスを下から供給する噴霧塔の下部領域にある流動床へと落下する。流動床において後重合が行われる。乾燥ガスは上からも下からも供給されるため、流動床の上には、気体抜き取り箇所が存在し、この気体抜き取り箇所において、乾燥ガスが噴霧塔から排出される。乾燥ガス中には飛沫同伴した超吸収体粒子が含有されているため、この乾燥ガスから、乾燥ガス中に含有されている固体を除去する。そのために、例えばサイクロンおよび/またはフィルターを使用することができる。
【0025】
一般的に、乾燥ガスを循環式で送り、ここで乾燥ガスの一部を取り出して、乾燥ガス中の水含量を一定に保つ必要がある。あるいは、乾燥ガスからの湿分をまず完全に濃縮し、引き続き、乾燥ガスを再び加熱することも可能である。しかしながら、これは多くのエネルギーを必要とするため、空気とは異なる気体、例えば窒素を乾燥ガスとして使用する場合にのみ合理的である。空気を乾燥ガスとして使用する場合、一部を排ガスとしてプロセスから除去し、かつ同時に、排出された量を新しい空気と取り替えることができる。
【0026】
乾燥ガスを頂部または流動層のどちらかにおいて噴霧塔に供給する前に、この乾燥ガスを、必要とされる温度に加熱する必要がある。そのために、先に記載した熱交換器を使用する。乾燥ガスによって飛沫同伴する超吸収体粒子を理由とした摩耗による損傷を回避するために、熱交換器は、好適には乾燥ガス循環において固体除去部より後ろに位置している。
【0027】
バンド乾燥機または噴霧乾燥機のための乾燥ガスの加熱は、熱伝導媒体から熱交換器内の乾燥ガスへと熱が伝導することにより行われる。熱伝導媒体としては、例えば熱媒油、イオン液体、塩溶融物または蒸気が適している。熱伝導媒体としては、蒸気が特に好ましく、ここで飽和蒸気および過熱蒸気のどちらも使用することができる。
【0028】
超吸収体の製造において使用される乾燥ガスを加熱するための使用だけでなく、本発明による熱交換器は、150℃を超える温度に気体を加熱する必要がある任意の別の方法においても使用可能であり、ここで気体は、熱交換器のために一般的に使用される原料に対して腐食性または摩耗性の成分を含有する。亜鉛による被覆によって、気体中に存在する成分によって攻撃されない表面が生み出され、そのため、一方では、熱交換器から剥がれた材料による不純物が気体に導入されず、他方では、熱交換器の腐食が防止され、これにより、熱交換器の寿命がのびる。