特許第6879999号(P6879999)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 住友精化株式会社の特許一覧

特許6879999セルロース顆粒およびその製造方法、ならびに該顆粒を含む洗浄組成物
<>
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6879999
(24)【登録日】2021年5月7日
(45)【発行日】2021年6月2日
(54)【発明の名称】セルロース顆粒およびその製造方法、ならびに該顆粒を含む洗浄組成物
(51)【国際特許分類】
   C08L 1/00 20060101AFI20210524BHJP
   C08L 101/14 20060101ALI20210524BHJP
   C08L 29/04 20060101ALI20210524BHJP
   A61K 8/00 20060101ALI20210524BHJP
   A61Q 19/10 20060101ALI20210524BHJP
   C11D 3/14 20060101ALI20210524BHJP
【FI】
   C08L1/00
   C08L101/14
   C08L29/04 B
   A61K8/00
   A61Q19/10
   C11D3/14
【請求項の数】9
【全頁数】14
(21)【出願番号】特願2018-509150(P2018-509150)
(86)(22)【出願日】2017年3月23日
(86)【国際出願番号】JP2017011595
(87)【国際公開番号】WO2017170080
(87)【国際公開日】20171005
【審査請求日】2019年12月19日
(31)【優先権主張番号】特願2016-66389(P2016-66389)
(32)【優先日】2016年3月29日
(33)【優先権主張国】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000195661
【氏名又は名称】住友精化株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000796
【氏名又は名称】特許業務法人三枝国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】船引 裕平
(72)【発明者】
【氏名】西山 大輝
【審査官】 櫛引 智子
(56)【参考文献】
【文献】 特開2008−081496(JP,A)
【文献】 特開2008−081495(JP,A)
【文献】 特開昭61−021201(JP,A)
【文献】 特開2015−017245(JP,A)
【文献】 特開2000−159628(JP,A)
【文献】 特開平02−151693(JP,A)
【文献】 橋本健治 他編,現代化学工学,産業図書株式会社,2001年 4月20日,初版,pp.212-215
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C08L,A61K
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
粉末セルロース及び水溶性高分子を含み、
粉末セルロースが、
1)最大アスペクト比の平均値が1.5〜3
2)平均最大径が80μm以下
の粉末セルロースであり、
水溶性高分子の含有量が粉末セルロース100質量部に対し1〜100質量部であり、
平均粒子径が100〜1400μmであり、
10%変位圧縮強度が1MPa以上であ
セルロース顆粒。
【請求項2】
水溶性高分子がポリビニルアルコール又はその変性物である請求項1に記載のセルロース顆粒。
【請求項3】
ポリビニルアルコール又はその変性物のケン化度が80〜99%である請求項2に記載のセルロース顆粒。
【請求項4】
平均円形度が80〜90である請求項1〜3のいずれか一項に記載のセルロース顆粒。
【請求項5】
さらに薬剤を含有する請求項1〜4のいずれか一項に記載のセルロース顆粒。
【請求項6】
請求項1〜5のいずれか一項に記載のセルロース顆粒の製造方法であって、
(B)粉末セルロースが分散した水溶性高分子水溶液を乾燥させる工程を含む、方法。
【請求項7】
工程(B)の前に、(A)粉末セルロースと水溶性高分子と水とを加熱撹拌して、粉末セルロースが分散した水溶性高分子水溶液を得る工程を含む、請求項6に記載の方法。
【請求項8】
工程(B)が、粉末セルロースが分散した水溶性高分子水溶液を加熱攪拌して水を蒸散させることにより乾燥および造粒させる工程である、請求項6又は7に記載の方法。
【請求項9】
請求項1〜5のいずれか一項に記載のセルロース顆粒を含む洗浄組成物。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、セルロース顆粒及びその製造方法に関する。また、本発明は、当該顆粒を含む組成物にも関する。
【背景技術】
【0002】
近年、老化した角質細胞などを除去し、適度な刺激を皮膚に与えることによって新陳代謝を促進したり、物理的洗浄において通常の皮膚洗浄剤等では落としにくい垢(余分な角質)、毛穴に入り込んだ汚れ等を洗い落とす目的で、洗い流しタイプの洗顔料、ボディーソープ、固形石鹸等の皮膚洗浄料、マッサージクリーム等に粒子を配合した化粧料がスクラブ洗浄剤として提供されている。これらスクラブ洗浄剤は肌を洗っている時に粒子で洗っている適度な使用感(スクラブ感)が得られる為、広く根強い需要がある。
【0003】
このようなスクラブ洗浄剤に含まれる粒子(スクラブ粒子)としては、植物の内果皮又は種子或いは種子核の粉砕物や、ナイロン粉末,ポリエチレン粉末等合成樹脂系高分子からなる50〜1000μm程度の粒子が挙げられる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平10−226621号公報
【特許文献2】特開2002−053459号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
近年、使用後洗い流された合成高分子からなるスクラブ粒子が、河川や海洋に流入した後、分解されず自然界に蓄積することで、環境へ悪影響を与えることが懸念され、改善が求められている。一方で植物の内果皮又は種子或いは種子核の粉砕物は、天然由来品であり環境にやさしいものの、粉砕により得られることから形状が歪であるため、粒子としてのスベリ性が良いとは言えず、またとがった部分が皮膚を傷つける等が懸念されている。
【0006】
したがって、本発明の目的は、使用時には適度なスクラブ感を与え、かつ、洗浄およびすすぎ流された後に河川や海に流入しても環境に悪影響を与えるおそれが小さい顆粒を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明者らはこうした現状に鑑み、使用する粒子の材質、製造方法、特性等を鋭意検討した結果、粉末セルロース及び水溶性高分子を含む粒子が好適であることを見いだし、さらに検討を重ねて本発明に到達した。
【0008】
本発明は、例えば、以下の項に記載の主題を包含する。
項1.
粉末セルロース及び水溶性高分子を含み、
粉末セルロースが、
1)最大アスペクト比の平均値が1.5〜3
2)平均最大径が80μm以下
の粉末セルロースであり、
水溶性高分子の含有量が粉末セルロース100質量部に対し1〜100質量部であり、
平均粒子径が100〜1400μmである
セルロース顆粒。
項2.
水溶性高分子がポリビニルアルコール又はその変性物である項1に記載のセルロース顆粒。
項3.
ポリビニルアルコール又はその変性物のケン化度が80〜99%である項2に記載のセルロース顆粒。
項4.
平均円形度が80〜90である項1〜3のいずれか一項に記載のセルロース顆粒。
項5.
10%変位圧縮強度が1MPa以上である項1〜4のいずれか一項に記載のセルロース顆粒。
項6.
さらに薬剤を含有する項1〜5のいずれか一項に記載のセルロース顆粒。
項7.
項1〜6のいずれか一項に記載のセルロース顆粒の製造方法であって、
(B)粉末セルロースが分散した水溶性高分子(好ましくはポリビニルアルコールあるいはその変性物)水溶液を乾燥させる工程を含む、方法。
項8.
工程(B)の前に、(A)粉末セルロースと水溶性高分子と水とを加熱撹拌して、粉末セルロースが分散した水溶性高分子水溶液を得る工程を含む、項7に記載の方法。
項9.
工程(B)が、粉末セルロースが分散した水溶性高分子水溶液を加熱攪拌して水を蒸散させることにより乾燥および造粒させる工程である、項7又は8に記載の方法。
項10.
項1〜6のいずれか一項に記載のセルロース顆粒を含む洗浄組成物。
【発明の効果】
【0009】
本発明のセルロース顆粒は、使用時には適度なスクラブ感を与えることができ、また、洗浄及びすすぎにより河川や海へ流入しても環境に悪影響を与えるおそれが小さい。さらに、本発明のセルロース顆粒は、好ましくは、水系又は水中油型組成物に配合された場合にも保存安定性が高く、長期にわたって適度なスクラブ感を与える状態が維持される。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本発明のセルロース顆粒は、粉末セルロースと水溶性高分子とを含む顆粒である。
【0011】
[粉末セルロース]
本発明のセルロース顆粒に含まれる粉末セルロースとしては、公知の粉末状のセルロースが使用でき、例えば、リンター、パルプ、再生繊維等の粉末セルロースが使用できる。
【0012】
上記粉末セルロースは、最大アスペクト比の平均値が1.5〜3であり、かつ平均最大径が80μm以下の粉末セルロースである。本発明のセルロース顆粒の原料として上記粉末セルロースを使用することにより、適度な強度と使用感を有する本発明のセルロース顆粒が得られる。最大アスペクト比の平均値が3を超え、又は平均最大径が80μmを超えた粉末セルロースは、セルロース繊維としては比較的長く、または比較的大きなものであるため、このような粉末セルロースを用いて得られたセルロース顆粒は、該顆粒の表面にセルロース繊維がはみ出し、形状が歪になる虞がある。この歪な形状のセルロース顆粒をスクラブ粒子として使用しても、綿状の柔らかい触感(使用感)となり、スクラブ感は得られない。上記粉末セルロースの最大アスペクト比の平均値は、好ましくは1.5〜2.5である。また、上記粉末セルロースの平均最大径は、10〜80μmが好ましく、より好ましくは10〜50μmである。なお、最大アスペクト比の平均値と平均最大径の測定方法については、後述する。
【0013】
上記粉末セルロースの平均粒子径は、10〜60μmが好ましく、より好ましくは10〜50μmである。平均粒子径を60μm以下とすることにより、得られる顆粒粒子表面のセルロース繊維による毛羽立ちが抑えられ、スクラブ粒子としてより良好な粒感、使用感を発現する傾向がある。また、顆粒粒子が緻密な構造となるため、当該顆粒が水系又は水中油型組成物に配合された時にもより長期にわたって適度なスクラブ感が維持される傾向がある。なお、平均粒子径の測定方法については、後述する。
【0014】
上記粉末セルロースの粒子形状は、繊維状や球状の粉末セルロース等が使用できる。上記粉末セルロースの平均円形度は、70〜95が好ましく、より好ましくは80〜95である。平均円形度を70以上とすることにより、長繊維状のセルロース粒子が少なくなり、よって得られる顆粒粒子表面が滑らかになり、使用感の良い顆粒が形成される傾向がある。なお、平均円形度の測定方法については、後述する。
【0015】
なお粉末セルロースは、機械的な分散、粉砕処理を行ったものを用いてもよい。当該処理により、粉末セルロースの最大アスペクト比の平均値、平均最大径、平均粒子径等を整えることができる。
【0016】
上述の分散や粉砕処理を行うための機器としては、例えば、乾式の粉砕機(例えばハンマーミル、ピンミル、ジェットミル等)、あるいは湿式の粉砕機(例えばビーズミル、ディスクミル、高圧ホモジナイザー)が挙げられる。
【0017】
[水溶性高分子]
本発明のセルロース顆粒に含まれる水溶性高分子としては、例えば、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、ポリエチレングリコール、又はこれらの変性物等が挙げられる。水溶性高分子は、1種又は2種以上を組み合わせて用いることができる。中でも、粉末セルロースを強く結合することができ、得られるセルロース顆粒の水溶液中、油水液(水性成分と油性成分の組成物;特に水中油型組成物)中での保存安定性が高くなり、かつ洗浄により流された際の環境負荷も小さいことから、生分解性を有する水溶性高分子が好ましく、ポリビニルアルコール又はその変性物が特に好ましい。
【0018】
上記ポリビニルアルコール又はその変性物の平均重合度は、好ましくは100〜3000、より好ましくは300〜2600である。平均重合度の比較的高いポリビニルアルコール又はその変性物を使用すると、接着強度が高まり、よって得られるセルロース顆粒の機械的強度も高くなり、望ましい。平均重合度の低いポリビニルアルコール又はその変性物は熱溶融性および水溶性が高いことから、得られるセルロース顆粒を水系又は水中油型組成物に配合した場合、安定した粒子強度の維持が難しい。平均重合度が上記範囲であるポリビニルアルコール又はその変性物を用いることにより、長期にわたって適度なスクラブ感を好ましく維持できるセルロース顆粒が得られうる。なお、当該平均重合度は、GPC法で測定された分子量より算出される。
【0019】
上記ポリビニルアルコール又はその変性物のケン化度は、80〜99モル%が好ましく、90〜99モル%がより好ましく、95〜99モル%がさらに好ましい。ケン化度が80モル%未満では、得られるセルロース顆粒をスクラブ粒子として水系又は水中油型組成物内に配合した場合に、水に溶けやすく、粒子形状、強度を維持できず、長期間安定して存在できないおそれがある。ケン化度が上記範囲のポリビニルアルコール又はその変性物を用いることにより、長期にわたって適度なスクラブ感を好ましく維持できるセルロース顆粒が得られうる。
【0020】
ポリビニルアルコール(PVA)変性物としては、例えば、アニオン変性PVA誘導体及びカチオン変性PVA誘導体が挙げられる。アニオン変性PVA誘導体としては、カルボン酸変性PVA、ウンデシレン酸変性PVA、スルホン酸変性PVA等が例示できる。カチオン変性PVA誘導体としては、アンモニウム変性PVA、スルホニウム変性PVA、アミノ基変性PVA等が例示できる。
【0021】
アニオン変性PVA誘導体、例えばカルボン酸変性PVAは、カルボキシ基を有する化合物を、従来公知の方法により、ポリビニルアルコールに導入することにより製造することができる。カルボキシ基を含有する化合物としては、フマル酸、マレイン酸、イタコン酸、無水マレイン酸、無水フタル酸、無水トリメット酸、アクリル酸及びそれらの塩等が挙げられる。また、スルホン酸変性PVAは、スルホン酸基を有する化合物を、従来公知の方法により、ポリビニルアルコールに導入することにより製造することができる。スルホン酸基を有する化合物としては、エチレンスルホン酸、アリルスルホン酸、メタアリルスルホン酸、2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸、p−スルホン酸ベンズアルデヒド及びそれら塩等が挙げられる。
【0022】
本発明のセルロース顆粒における粉末セルロースと水溶性高分子の合計含有量(割合)は、60〜100質量%が好ましく、より好ましくは80〜100質量%である。上記合計量を60質量%以上とすることにより、適度なスクラブ感と優れた環境適合性とが良好なバランスで両立される傾向がある。
【0023】
また、本発明のセルロース顆粒における粉末セルロースと水溶性高分子の含有割合は、粉末セルロース100質量部に対し水溶性高分子1〜100質量部である。粉末セルロース100質量部に対し水溶性高分子2〜80質量部が好ましく、3〜70質量部がより好ましく、4〜60質量部がさらに好ましく、5〜50質量部がよりさらに好ましい。
【0024】
セルロース顆粒は、粉末セルロースどうしが水溶性高分子によって結合された構造を有することが好ましい。
【0025】
本発明のセルロース顆粒を構成する材料としては、粉末セルロースおよび水溶性高分子以外の材料(「他の成分」と称する場合がある)を使用することもできる。他の成分としては、例えば、フィルムコーティング剤(例えば、ヒドロキシプロピルメチルセルロースフタレート、ヒドロキシプロピルメチルセルロースアセテートサクシネート、カルボキシメチルエチルセルロース、エチルセルロース、エチルセルロース水分散液、アミノアルキルメタアクリレートコポリマーE、メタアクリル酸コポリマーL、メタアクリル酸コポリマーS、メタアクリル酸コポリマーLD、アミノアルキルメタアクリレートコポリマーRS、硬化油等)、界面活性剤(例えば、ショ糖脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレングリコール、ポリソルベート、ラウリル硫酸ナトリウム等)、賦形剤(例えば、トウモロコシデンプン、ジャガイモデンプン、コメデンプン、粉糖、乳糖、D−マンニトール、トレハロース、結晶セルロース・カルメロースナトリウム等)、崩壊剤(例えば、低置換度ヒドロキシプロピルセルロース、カルメロースカルシウム、クロスカルメロースナトリウム、部分アルファー化デンプン等)などの製剤に一般的に使用可能な成分等が挙げられる。
【0026】
また、本発明のセルロース顆粒は、薬剤を含有してもよい。この場合、本発明のセルロース顆粒は、薬剤由来の効果を発揮することができる。薬剤としては、例えば、保湿剤、感触向上剤、還元剤、酸化剤、防腐剤、抗菌剤、キレート剤、pH調整剤、紫外線吸収剤、美白剤、ビタミン類及びその誘導体類、消炎剤、抗炎症剤、育毛用薬剤、血行促進剤、刺激剤、ホルモン類、抗しわ剤、抗老化剤、ひきしめ剤、冷感剤、温感剤、創傷治癒促進剤、刺激緩和剤、鎮痛剤、細胞賦活剤、植物・動物・微生物エキス、鎮痒剤、角質剥離・溶解剤、制汗剤、清涼剤、収れん剤、消炎鎮痛剤、抗真菌剤、抗ヒスタミン剤、催眠鎮静剤、精神安定剤、抗高血圧剤、降圧利尿剤、抗生物質、麻酔剤、抗菌性物質、抗てんかん剤、冠血管拡張剤、生薬、湿潤剤、止痒剤、角質軟化剥離剤、紫外線遮断剤、防腐殺菌剤、抗酸化剤等が挙げられる。これら薬剤をセルロース顆粒に含ませる方法は、適当な溶媒(例えば水、アルコールなど)に薬剤を溶解させた薬剤溶液にセルロース顆粒を浸漬する方法、セルロース顆粒に薬剤溶液を塗布(例えば噴霧による塗布)する方法等が例示できる。浸漬又は塗布後にセルロース顆粒を乾燥させてもよい。
【0027】
本発明のセルロース顆粒は、例えば、粉末セルロースが分散した水溶性高分子水溶液(以下「粉末セルロース分散液」ということがある)を乾燥させて製造することができる。
【0028】
粉末セルロース分散液は、例えば、リンター、パルプ、再生繊維等の粉末セルロースとポリビニルアルコールと水とを加熱混合することで製造することができる。これにより、ポリビニルアルコール水にセルロース粒子が分散したスラリー状の分散液が製造される。用いる粉末セルロースは、最大アスペクト比の平均値が1.5〜3、平均最大径が80μm以下の粉末セルロースである。
【0029】
加熱混合は、例えば機械的処理により行うことができる。機械的処理としては公知の方法が利用でき、例えば攪拌機能付き反応容器、バンバリーミキサー、ニーダー、単軸押出機、2軸押出機等を使用して加熱混合を行うことができる。粉末セルロース分散液は、例えば、好ましくは固形分(粉末セルロースおよび水溶性高分子の合計)を5〜50%含み、より好ましくは20〜50%含む。
【0030】
固形分濃度が高いほうが、乾燥工程での蒸発乾固させる際の負荷が小さくて済むが、固形分が高すぎると、分散物の液流動性が無くなり、均一な混合が難しくなるため、流動性を維持する固形分量で分散させるのが望ましい。
【0031】
また乾燥は、セルロース粉末分散液を静置あるいは攪拌下に加熱することで、水を蒸発させて行うことができる。特に攪拌混合下で乾燥を進めると、角が取れ丸みを帯び(すなわち造粒され)、また、緻密で強度が高いセルロース顆粒を製造することができ、好ましい。乾燥工程における撹拌混合は、例えば、ジャケット付きニーダーや、多軸型乾燥機等を用いて行うことができる。乾燥後、セルロース顆粒の含水量は2%以下であることが好ましい。
【0032】
また、得られたセルロース顆粒は、そのまま本発明に用いることもできるし、必要に応じ、粉砕されてもよい。例えば、乾式の粉砕機(例えばハンマーミル、ピンミル、ジェットミル等)を用いた粉砕処理、および分級処理(例えば風力分級、篩分級)により、顆粒破砕粒子(粉砕物)を得ることができる。当該粉砕物も、本発明のセルロース顆粒として好ましく用いることができる。
【0033】
本発明のセルロース顆粒は、平均円形度が80〜90であることが好ましい。平均円形度が80以上であることにより、粒子形状が歪すぎず滑らかな使用感を好ましく得ることができる。
【0034】
本発明のセルロース顆粒は、平均粒子径が100〜1400μmであり、150〜800μmであることが好ましい。平均粒径が100μm未満では、スクラブ剤として使用時に粒感を感じ難い場合がある。また粒子径が1400μmを超えると、使用時に粒感が強く皮膚刺激が大きくなり好まれない可能性がある。
【0035】
本発明のセルロース顆粒の10%変位圧縮強度は、1MPa以上が好ましく、より好ましくは2〜15MPaである。10%変位圧縮強度が1MPa未満であると、粒子強度が弱く、程よい固さの粒感を感じられない傾向がある。
【0036】
なお、粉末セルロースおよびセルロース顆粒の形状係数のうち、平均円形度、平均最大径、平均最小径、及び最大アスペクト比の平均値は、画像解析式粒子径分布測定装置(例えばマイクロトラックベル(株)製マイクロトラックPartAn SI)を使用して測定される。同じ原理(動的画像解析法)により測定可能な他の画像解析式粒子径分布測定装置を用いることもできる。各形状係数を以下に説明する。
【0037】
円形度:投影像がどれだけ円に近いかを示す代表的な指標(円相当径/周囲長径)
円相当径:粒子投影像と同じ面積を持つ円の直径
周囲長径:投影像の周囲長と同じ周囲長を持つ円の直径
最大アスペクト比の平均値: 最小径/最大径で算出される最大アスペクト比の平均値
平均最大径:粒子像をはさむ2本の平行線の距離が最大となる径(最大径)の平均値
平均最小径:粒子像をはさむ2本の平行線の距離が最小となる径(最小径)の平均値
なお、ここでの最大径及び最小径は、それぞれ、最大フェレー径及び最小フェレー径とも呼ばれる。
【0038】
また、セルロース顆粒の平均粒子径は、ロータップ式篩振盪機(例えば(株)平工製作所製、シーブシェーカーA型)によりJIS標準篩(Z8801−1987)を用いて試料30gを15分間篩分することにより粒度分布を測定し、その累積50重量%の粒度を平均粒子径として表す。なお、繰り返し数は3とし、その平均値をとる。
【0039】
また、セルロース顆粒の10%変位圧縮強度は、微小圧縮試験機(例えば島津製作所製微小圧縮試験機MCT−510)を用い、造粒粒子(セルロース顆粒)に対し荷重を掛け、粒子形状に対し10%変位時の圧縮強度として測定した値である。
【0040】
本発明は、本発明のセルロース顆粒を含有する洗浄組成物も包含する。当該洗浄組成物は、皮膚を洗浄するために用いられる組成物(皮膚洗浄組成物)として好適である。より具体的には、例えば洗顔料、ボディソープ、ボディシャンプー、シャワージェル、ハンドソープ、ヘアシャンプー、食器用洗浄剤、液体洗濯洗剤等に好適に用いることができる。また、洗浄組成物は、水系組成物又は水中油型組成物であることが好ましい。
【0041】
当該洗浄組成物は、セルロース顆粒の他、洗浄組成物の用途、目的に応じて、本発明の効果を損なわない範囲で通常使用されている任意の成分(基材、担体、有効成分など)を含有し得る。これらの成分としては、例えば、界面活性剤、油剤、増粘剤、保湿剤、湿潤剤、着色剤、防腐剤、感触向上剤、香料、消炎剤、殺菌剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、収れん剤、美白剤、抗炎症剤等の薬剤、水、アルコール等が挙げられる。
【0042】
当該洗浄組成物におけるセルロース顆粒の含有量は、例えば0.5〜30質量%、1〜20質量%、又は2〜10質量%等が例示できる。
【実施例】
【0043】
以下、実施例により本発明を詳細に説明する。なお、以下、粉末セルロース及びセルロース顆粒の平均円形度、平均最大径、平均最小径、及び最大アスペクト比の平均値は、画像解析式粒子径分布測定装置(マイクロトラックベル(株)製マイクロトラックPartAn SI)を使用して測定した。また、セルロース顆粒の平均粒子径については、ロータップ式篩振盪機((株)平工製作所製、シーブシェーカーA型)によりJIS標準篩(Z8801−1987)を用いて試料30gを15分間篩分することにより粒度分布を測定し、その累積50重量%の粒度を平均粒子径とした。また、セルロース顆粒の10%変位圧縮強度は、島津製作所製微小圧縮試験機MCT−510を用い、セルロース顆粒に対し荷重を掛け、顆粒粒子形状に対し10%変位時の圧縮強度を測定して求めた。
【0044】
〔実施例1〕
粉末セルロース「KCフロック W−400」(日本製紙製、最大アスペクト比の平均値2.1、平均最大径35μm)100質量部とポリビニルアルコール「PVA124」((株)クラレ、ケン化度99%、平均重合度2400)20質量部と水300質量部とを、卓上ニーダー「PBV−06S」((株)入江商会製)に投入し、90℃で1時間攪拌して混合を行い、粉末セルロースが分散したスラリー状分散物を作製した。
【0045】
引き続き、前記卓上ニーダー中でスラリー状分散物を攪拌して分散させながら、98℃にジャケットを加温し、水を蒸発させることで、セルロース顆粒を製造した。
【0046】
得られたセルロース顆粒は、平均粒子径が550μm、平均円形度が87であった。また、得られたセルロース顆粒の10%変位圧縮強度は9.5MPaと高くスクラブ粒子として十分な強度を有していた。
【0047】
また、上記セルロース顆粒の触感を男性パネラー5名により下記の基準で5段階評価したところ、平均5点であり、すべり性が滑らかで程よい刺激を皮膚に与えることができるものであった。なお、以下のセルロース顆粒の触感評価でも、当該評価基準を用いた。
【0048】
<セルロース顆粒の触感の評価基準>
5点:すべり性があり、粒感が強く感じられる。
【0049】
4点:すべり性があり、粒感が感じられる。
【0050】
3点:粒感が感じられるが、やや弱い。
【0051】
2点:粒感が感じられるが、弱い。
【0052】
1点:粒感が感じられない。
【0053】
〔実施例2〕
粉末セルロース「KCフロック W−400」を「KCフロック W−100」(日本製紙製、最大アスペクト比の平均値2.8、平均最大径62μm)に変更したこと以外は実施例1と同様にして、平均粒子径680μmのセルロース顆粒を製造した。当該セルロース顆粒は、平均円形度が82であり、10%変位圧縮強度は5.0MPaと高く、スクラブ粒子として十分な強度を有していた。
【0054】
また、上記セルロース顆粒の触感を男性パネラー5名により5段階評価したところ、平均4点であり、すべり性が滑らかで程よい刺激を皮膚に与えることができるものであった。
【0055】
〔実施例3〕
ポリビニルアルコール「PVA124」((株)クラレ、ケン化度99%、平均重合度2400)の使用量を10質量部としたこと以外は実施例1と同様にして、平均粒子径260μmのセルロース顆粒を製造した。当該セルロース顆粒は、平均円形度が88であり、10%変位圧縮強度は12.6MPaと高く、スクラブ粒子として十分な強度を有していた。また、上記セルロース顆粒の触感を男性パネラー5名により5段階評価したところ、平均5点であり、すべり性が滑らかで程よい刺激を皮膚に与えることができるものであった。
【0056】
〔実施例4〕
スラリー状分散物中の水を卓上ニーダーを用いて蒸発させる代わりに、静置乾燥にて水を蒸発させ、さらに、回収された乾固物をハイスピードミル「ロータースピードミル pulverisette14」(フリッチュ・ジャパン(株)製)を用いて粉砕処理を実施したこと以外は実施例1と同様にして、平均粒子径300μmのセルロース顆粒を製造した。当該セルロース顆粒は、平均円形度が84であり、10%変位圧縮強度は1.4MPaと高く、スクラブ粒子として十分な強度を有していた。
【0057】
また、上記セルロース顆粒の触感を男性パネラー5名により5段階評価したところ、平均4点であり、すべり性が滑らかで程よい刺激を皮膚に与えることができるものであった。
【0058】
〔実施例5〕
ポリビニルアルコール「PVA124」を「AH−26」(日本合成化学工業(株)製、ケン化度97〜99%、平均重合度2600)としたこと以外は実施例1と同様にして、平均粒子径260μmのセルロース顆粒を製造した。当該セルロース顆粒は、平均円形度が88であり、10%圧縮強度は10MPaと高く、スクラブ粒子として十分な強度を有していた。
【0059】
また、上記セルロース顆粒の触感を男性パネラー5名により5段階評価したところ、平均5点であり、すべり性が滑らかで程よい刺激を皮膚に与えることができるものであった。
【0060】
〔実施例6〕
市販の洗浄剤(スクラブ剤無添加)100質量部に対し、実施例1で得られたセルロース顆粒5質量部を配合し、擬似スクラブ洗浄剤を作製した。この擬似スクラブ洗浄剤の使用感を男性パネラー5名により評価したところ、平均5点であり、洗浄剤中で滑らかで良好な粒感を感じられるものであった。
【0061】
また、上記擬似スクラブ洗浄剤を60℃で6ヶ月放置した後の使用感を男性パネラー5名により5段階評価したところ、平均5点であり、違和感なく良好な粒感を感じることができるものであった。なお、以下のスクラブ洗浄剤の使用感評価でも、当該評価基準を用いた。また、以下、用いた市販の洗浄剤(スクラブ剤無添加)は、全て同じものである。
【0062】
<スクラブ洗浄剤の使用感の評価基準>
5点:すべり性があり、粒感が強く感じられる。
4点:すべり性があり、粒感が感じられる。
3点:粒感が感じられるが、やや弱い。
2点:粒感が感じられるが、弱い。
1点:粒感が感じられない。
【0063】
〔実施例7〕
市販の洗浄剤(スクラブ剤無添加)100質量部に対し、実施例2で得られたセルロース顆粒5質量部を配合し、擬似スクラブ洗浄剤を作製した。この擬似スクラブ洗浄剤の使用感を男性パネラー5名で評価したところ、平均4点であり、洗浄剤中で滑らかで良好な粒感を感じられるものであった。
【0064】
また、上記擬似スクラブ洗浄剤を60℃で6ヶ月放置した後の使用感を男性パネラー5名により5段階評価したところ、平均4点であり、違和感なく良好な粒感を感じることができるものであった。
【0065】
〔実施例8〕
市販の洗浄剤(スクラブ剤無添加)100質量部に対し、実施例3で得られたセルロース顆粒5質量部を配合し、擬似スクラブ洗浄剤を作製した。この擬似スクラブ洗浄剤の使用感を男性パネラー5名により評価したところ、平均5点であり、洗浄剤中で滑らかで良好な粒感を感じられるものであった。
【0066】
また、上記擬似スクラブ洗浄剤を60℃で6ヶ月放置した後の使用感を男性パネラー5名により5段階評価したところ、平均5点であり、違和感なく良好な粒感を感じることができるものであった。
【0067】
〔実施例9〕
市販の洗浄剤(スクラブ剤無添加)100質量部に対し、実施例4で得られたセルロース顆粒5質量部を配合し、擬似スクラブ洗浄剤を作製した。この擬似スクラブ洗浄剤の使用感を男性パネラー5名により評価したところ、平均4点であり、洗浄剤中で滑らかで良好な粒感を感じられるものであった。
【0068】
また、上記擬似スクラブ洗浄剤を60℃で6ヶ月放置した後の使用感を男性パネラー5名により5段階評価したところ、平均4点であり、違和感なく良好な粒感を感じることができるものであった。
【0069】
〔実施例10〕
市販の洗浄剤(スクラブ剤無添加)100質量部に対し、実施例5で得られたセルロース顆粒5質量部を配合し、擬似スクラブ洗浄剤を作製した。この擬似スクラブ洗浄剤の使用感を男性パネラー5名により評価したところ、平均5点であり、洗浄剤中で滑らかで良好な粒感を感じられるものであった。
【0070】
また、上記擬似スクラブ洗浄剤を60℃で6ヶ月放置した後の使用感を男性パネラー5名により5段階評価したところ、平均5点であり、違和感なく良好な粒感を感じることができるものであった。
【0071】
〔実施例11〕
ポリビニルアルコール「PVA124」の代わりに「PVA224」((株)クラレ製:ケン化度86〜89%、平均重合度2400)を用いたこと以外は実施例1と同様にして、平均粒子径350μmのセルロース顆粒を製造した。当該セルロース顆粒の平均円形度は84であり、また、10%圧縮強度は4.0MPaと高く、スクラブ粒子として十分な強度を有していた。
【0072】
また、上記セルロース顆粒の触感を男性パネラー5名により5段階評価したところ、平均5点あり、すべり性が滑らかで程よい刺激を皮膚に与えることができるものであった。
【0073】
さらに、上記セルロース顆粒を用いて、実施例6と同様にして洗浄剤を製造した。この擬似スクラブ洗浄剤の使用感を男性パネラー5名により5段階評価したところ、平均5点であり、洗浄剤中で滑らかで良好な粒感を感じられるものであった。
【0074】
また、上記擬似スクラブ洗浄剤を60℃で6ヶ月放置した後の使用感を同様に5段階評価したところ、平均3点であり、洗浄剤中での経時変化が生じたと考えられるものの、粒感が感じられるものであった。
【0075】
〔実施例12〕
ポリビニルアルコール「PVA124」((株)クラレ、ケン化度99%、平均重合度2400)の使用量を100質量部としたこと以外は実施例1と同様にして、平均粒子径700μmのセルロース顆粒を製造した。当該セルロース顆粒は、平均円形度が80であり、10%変位圧縮強度は14.5MPaと高く、スクラブ粒子として十分な強度を有していた。
【0076】
また、上記セルロース顆粒の触感を男性パネラー5名により5段階評価したところ、平均4点であり、すべり性が滑らかで程よい刺激を皮膚に与えることができるものであった。
【0077】
さらに、上記セルロース顆粒を用いて、実施例6と同様にして洗浄剤を製造した。この擬似スクラブ洗浄剤の使用感を男性パネラー5名により5段階評価したところ、平均4点であり、洗浄剤中で滑らかで良好な粒感を感じられるものであった。
【0078】
また、上記擬似スクラブ洗浄剤を60℃で6ヶ月放置した後の使用感を同様に5段階評価したところ、平均4点であり、違和感なく良好な粒感を感じることができるものであった。
【0079】
〔比較例1〕
粉末セルロース「KCフロック W−400」を「KCフロック W−50」(日本製紙製、最大アスペクト比の平均値3.5、平均最大径94μm、平均最小径27μm)に変更したこと以外は実施例1と同様にして、平均粒子径460μmのセルロース顆粒を製造した。当該セルロース顆粒の平均円形度は75であり、セルロース繊維が顆粒粒子表面に突き出て毛羽立っており、すべり性が悪く、10%圧縮強度も0.8MPaと低いものであった。このセルロース顆粒の触感を男性パネラー5名により5段階評価したところ、平均2点であり、スクラブ粒子として粒感を感じられない粒子であった。
【0080】
さらに、上記セルロース顆粒を用いて、実施例6と同様にして洗浄剤を製造した。この擬似スクラブ洗浄剤の使用感を男性パネラー5名により5段階評価したところ、平均2点であり、洗浄剤中で滑らかな粒感を感じられず使用感が不十分なものであった。
【0081】
また、上記擬似スクラブ洗浄剤を60℃で6ヶ月放置した後の使用感を同様に5段階評価したところ、平均2点であり、良好な粒感を感じることができないものであった。
【0082】
〔比較例2〕
粉末セルロース「KCフロック W−400」を「リンターパルプ」(最大アスペクト比の平均値4.0、平均最大径105μm)に変更したこと以外は実施例1と同様にして、平均粒子径250μmのセルロース顆粒を製造した。当該セルロース顆粒の平均円形度は70であり、セルロース繊維が粒子(顆粒)表面に突き出て毛羽立っており、すべり性が悪く、10%圧縮強度も0.6と低いものであった。このセルロース顆粒の触感を男性パネラー5名により5段階評価したところ平均2点であり、スクラブ粒子として粒感を感じられない粒子であった。
【0083】
さらに、上記セルロース顆粒を用いて、実施例6と同様にして洗浄剤を製造した。この擬似スクラブ洗浄剤の使用感を男性パネラー5名により5段階評価したところ、平均2点であり、洗浄剤中で滑らかな粒感を感じられず使用感として不十分なものであった。
【0084】
また、上記擬似スクラブ洗浄剤を60℃で6ヶ月放置した後の使用感を同様に5段階評価したところ、平均2点であり、良好な粒感を感じることができないものであった。
【0085】
〔実施例13〕
ポリビニルアルコール「PVA124」の代わりに「PVA505」((株)クラレ製:ケン化度73〜75%、平均重合度2000)を用いたこと以外は実施例1と同様にして、平均粒子径250μmのセルロース顆粒を製造した。当該セルロース顆粒の平均円形度は85であり、また、10%圧縮強度は2.0MPaであった。得られたセルロース顆粒の触感を男性パネラー5名により5段階評価したところ、平均5点であり、すべり性が滑らかで程よい刺激を皮膚に与えることができるものであった。
【0086】
さらに、上記セルロース顆粒を用いて、実施例6と同様にして洗浄剤を製造した。この擬似スクラブ洗浄剤の使用感を男性パネラー5名により5段階評価したところ、平均5点であり、洗浄剤中で滑らかで良好な粒感を感じられるものであった。
【0087】
ただ、上記擬似スクラブ洗浄剤を60℃で6ヶ月放置した後の使用感を同様に5段階評価したところ、平均1点であり、粒子の形状を維持できていないことが示唆された。
【0088】
このことから、用いるポリビニルアルコールのケン化度がセルロース顆粒の安定性に影響していることが示唆された。
【0089】
〔比較例4〕
粉末セルロース「KCフロック W−400」(日本製紙製、最大アスペクト比の平均値2.1、平均最大径35μm)100質量部とヒドロキシエチルセルロース「HEC」(住友精化 (株)製)30質量部と水300質量部を卓上ニーダー「PBV−06S」((株)入江商会製)に投入し、1時間攪拌して混合を行い、粉末セルロースが分散したスラリー状分散物を作製した。
【0090】
スラリー状分散物中の水を卓上ニーダーを用いて蒸発させる代わりに、静置乾燥にて水を蒸発させ、さらに、回収された乾固物をハイスピードミル「ロータースピードミル pulverisette14」(フリッチュ・ジャパン(株)製)を用いて粉砕処理を実施したこと以外は実施例1と同様にしたが、綿状の塊が得られ、顆粒を取得することはできなかった。
【0091】
〔比較例5〕
粉末セルロース「KCフロック W−400」(日本製紙製、最大アスペクト比の平均値2.1、平均最大径35μm)100質量部とポリビニルアルコール「PVA124」((株)クラレ、ケン化度99%、平均重合度2400)150質量部と水100質量部を、卓上ニーダー「PBV−06S」((株)入江商会製)に投入し、1時間攪拌して混合を行い、粉末セルロースが分散したスラリー状分散物を作製した。
【0092】
引き続き、前記卓上ニーダー中でスラリー状分散物を攪拌して分散させながら、98℃にジャケットを加温し、水を蒸発させることで乾固物を得たが、板状の形状の粒子であり、すべり性が悪く、程よい触感を有していなかった。
【0093】
〔実施例14〕
粉末セルロース「リンターパルプ」(最大アスペクト比の平均値4.0、平均最大径105μm)100質量部を水300質量部に分散したものを高圧分散処理装置(NIRO-SOAVI TYPE NS100IL2K、150MPa)にて1回処理を行って粉末セルロース分散液を取得した。この粉末セルロース分散液における粉末セルロースの最大アスペクト比の平均値は2.5、平均最大径は48μmであった。
【0094】
この粉末セルロース分散液(粉末セルロース換算で100質量部)とポリビニルアルコール「PVA124」((株)クラレ、ケン化度99%、平均重合度2400)20質量部とを用いて、実施例1と同様にして平均粒子径320μmのセルロース顆粒を製造した。
【0095】
当該セルロース顆粒は、平均円形度が81であり、10%変位圧縮強度は11.0MPaと高かった。また、このセルロース顆粒の触感を男性パネラー5名により5段階評価したところ、平均4点であり、すべり性が滑らかで程よい刺激を皮膚に与えることができるものであった。
【0096】
さらに、上記セルロース顆粒を用いて、実施例6と同様にして洗浄剤を製造した。この擬似スクラブ洗浄剤の使用感を男性パネラー5名により5段階評価したところ、平均4点であり、洗浄剤中で滑らかで良好な粒感を感じられるものであった。
【0097】
また、上記擬似スクラブ洗浄剤を60℃で6ヶ月放置した後の使用感を同様に5段階評価したところ、平均4点であり、違和感なく良好な粒感を感じることができるものであった。