【文献】
KOWALCZYK, R. et al.,Asymmetric Henry reaction catalyzed by chiral secondary diamine-copper(II)complexes,Tetrahedron: Asymmetry ,2008年,Vol.19,pp.2310-2315
【文献】
BANDINI, M. et al.,Salen as a chiral activator: anti versus syn switchable diastereoselection in the enantioselective addition of crotyl bromide to aromatic aldehydes,Angewandte Chemie, International Edition,2000年,Vo.39, No.13,pp.2327-2330
【文献】
SCHUBERT, H. et al.,Liquid crystals with hydroaromatic and hydroheterocyclic structures,Journal de Physique, Colloque C1,1975年,Vol.36, No.3,379-86
【文献】
BEENA et al.,Synthesis and antituberculosis activity evaluation of cyclohexane-1,2-diamine derivatives,Chemistry & Biology Interface,2014年,Vol.4, No.1,pp.23-36
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
Aは、1,2−プロピレン、1,3−ペンチレン、2−メチル−1,5−ペンチレン、2,2(4),4−トリメチル−1,6−ヘキサメチレン、1,2−シクロヘキシレン、(1,5,5−トリメチルシクロヘキサン−1−イル)メタン−1,3,4(2)−メチル−1,3−シクロヘキシレン、メチレンジシクロヘキサン−4−イル、メチレンビス(2−メチルシクロヘキサン−4−イル)、(ビシクロ[2.2.1]ヘプタン−2,5(2,6)−ジイル)ジメチレン、(トリシクロ[5.2.1.02,6]デカン−3(4),8(9)−ジイル)ジメチレン、170〜5,000g/モルの範囲の平均分子量を有するα,ω−ポリオキシプロピレン、及び330〜6,000g/モルの範囲の平均分子量を有するトリメチロールプロパントリス(ω−ポリオキシプロピレン)又はグリセロールトリス(ω−ポリオキシプロピレン)からなる群から選択されることを特徴とする、請求項1又は2に記載のポリアルジミン。
前記イソシアネート基のいくつか又はすべては、4,4’−若しくは2,4’−若しくは2,2’−ジフェニルメタンジイソシアネート又はそれらの異性体の任意の混合物に由来することを特徴とする、請求項6に記載の使用。
前記イソシアネート基のいくつか又はすべては、4,4’−若しくは2,4’−若しくは2,2’−ジフェニルメタンジイソシアネート又はこれらの異性体の任意の混合物に由来することを特徴とする、請求項9に記載の組成物。
【発明を実施するための形態】
【0011】
本発明は、式(I)
【化1】
(式中、
nは、2又は3であり、
Zは、アルキル又はアルコキシ基で置換され、かつ合計12〜26個の炭素原子を有するアリールラジカルであり、
Aは、少なくとも1つの第三級若しくは第四級炭素原子を介して結合され、及び/又は二環式若しくは三環式環系を含有する、任意選択的にエーテル酸素を含有しかつ42〜6,000g/モルの範囲の分子量を有するn価の脂肪族又は脂環式ヒドロカルビルラジカルである)
のポリアルジミンを提供する。
【0012】
「第三級炭素原子」は、1個の水素原子と結合しているにすぎない炭素原子を指す。
【0013】
「第四級炭素原子」は、いかなる水素原子とも結合していない炭素原子を指す。
【0014】
式中の点線は、各場合において、置換基と、対応する分子ラジカルとの間の結合を表す。
【0015】
「第一級アミノ基」は、単一の有機ラジカルに結合し、2個の水素原子を有するアミノ基を指し;「第二級アミノ基」は、また一緒に環の部分であってもよい2つの有機ラジカルに結合し、1個の水素原子を有するアミノ基を指し;「第三級アミノ基」は、その2つ又は3つがまた1つ以上の環の部分であってもよい、3つの有機ラジカルに結合し、いかなる水素原子も有さないアミノ基を指す。
【0016】
ポリアミン、ポリオール又はポリイソシアネートなどの「ポリ」で始まる物質名は、形式上、1分子当たりでそれらの名前に現れる2つ以上の官能基を含有する物質を指す。
【0017】
「第一級ポリアミン」は、少なくとも2個の第一級アミノ基を有する化合物を指す。
【0018】
「芳香族イソシアネート」は、イソシアネート基が芳香族炭素原子に直接結合しているイソシアネートを指す。したがって、この種のイソシアネート基は、「芳香族イソシアネート基」と呼ばれる。
【0019】
「分子量」は、分子又は分子残基の(g/モル単位での)モル質量を指す。「平均分子量」は、オリゴマー若しくはポリマー分子又は分子残基の多分散混合物の数平均分子量(M
n)を指す。それは、典型的には、標準としてのポリスチレンに対するゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)を用いて測定される。
【0020】
用語「粘度」は、剪断応力と剪断速度(速度勾配)との間の比で測定され、及びDIN EN ISO 3219に記載されているように測定される動的粘度又は剪断粘度を指す。
【0021】
物質又は組成物は、それが、貯蔵の結果としてその使用にとって適切な程度にその用途又は使用特性の点でいかなる変化もなしに、長期間にわたり、典型的には少なくとも3カ月〜6カ月以下又はそれを超えて好適な容器中室温で貯蔵できる場合に「貯蔵安定性のある」又は「貯蔵できる」と呼ばれる。
【0023】
Zは、好ましくは、式(II)
【化2】
(式中、Rは、6〜20個、好ましくは8〜16個の炭素原子を有する直鎖又は分岐のアルキル又はアルコキシラジカルである)
のラジカルである。
【0024】
Rは、好ましくは、10〜14個の炭素原子を有する直鎖若しくは分岐のアルキルラジカル、又は8〜12個の炭素原子を有する直鎖若しくは分岐のアルコキシラジカルである。
【0025】
Rは、とりわけ、10〜14個の炭素原子を有する直鎖又は分岐のアルキルラジカルである。この種のポリアルジミンは、ポリウレタンでの潜在性硬化剤として特に反応性が高い。
【0026】
Rは、より好ましくは、分岐のアルキルラジカルである。この種のポリアルジミンは、典型的には、液体であり、室温で比較的低い粘度のものであり、それは、その取り扱いにとって非常に有利である。
【0027】
Rは、最も好ましくは、10〜14個の炭素原子を有する分岐のアルキルラジカルである。この種のポリアルジミンは、特に反応性が高く、通常液体であり、室温で比較的低い粘度のものである。
【0028】
好ましくは、Rは、メタ位又はパラ位、とりわけパラ位にある。この種のポリアルジミンは、特に容易に得られる。
【0029】
最も好ましくは、Rは、
【化3】
(式中、R
1及びR
2は、それぞれアルキルラジカルであり、かつ全体で9〜13個の炭素原子を有する)
のラジカルである。好ましくは、R
1及びR
2ラジカルはそれぞれ直鎖である。
【0030】
最も好ましくは、Zは、したがって、式(IIa)
【化4】
(式中、R
1及びR
2は、与えられた定義を有する)
のラジカルである。
【0031】
好ましいZラジカルは、特に容易に得られ、かつとりわけ室温で液体であり、特に低い粘度のものである特に低臭気のポリアルジミンを可能にする。
【0032】
Aは、好ましくは、
− 少なくとも1つの第三級若しくは第四級炭素原子を介して結合され、及び/又は二環式若しくは三環式環系を含有する、42〜500g/モルの範囲の分子量を有するn価の脂肪族又は脂環式ヒドロカルビルラジカル、又は
− 少なくとも1つの第三級炭素原子を介して結合される、170〜6,000g/モル、好ましくは170〜2,000g/モル、とりわけ170〜470g/モルの範囲の分子量を有するn価のポリオキシアルキレンラジカル
のいずれかである。
【0033】
この種のポリアルジミンは特に容易に得られる。
【0034】
より好ましくは、Aは、1,2−プロピレン、1,3−ペンチレン、2−メチル−1,5−ペンチレン、2,2(4),4−トリメチル−1,6−ヘキサメチレン、1,2−シクロヘキシレン、(1,5,5−トリメチルシクロヘキサン−1−イル)メタン−1,3,4(2)−メチル−1,3−シクロヘキシレン、メチレンジシクロヘキサン−4−イル、メチレンビス(2−メチルシクロヘキサン−4−イル)、(ビシクロ[2.2.1]ヘプタン−2,5(2,6)−ジイル)ジメチレン、(トリシクロ[5.2.1.0
2,6]デカン−3(4),8(9)−ジイル)ジメチレン、170〜5,000g/モルの範囲の平均分子量を有するα,ω−ポリオキシプロピレン、及び330〜6,000g/モルの範囲の平均分子量を有するトリメチロールプロパン又はグリセロール出発トリス(ω−ポリオキシプロピレン)からなる群から選択される。
【0035】
好ましいAラジカルは、特に容易に得られる。
【0036】
これらの中で、1,2−シクロヘキシレン、(1,5,5−トリメチルシクロヘキサン−1−イル)メタン−1,3,4(2)−メチル−1,3−シクロヘキシレン、メチレンジシクロヘキサン−4−イル、(ビシクロ[2.2.1]ヘプタン−2,5(2,6)−ジイル)ジメチレン、(トリシクロ[5.2.1.0
2,6]デカン−3(4),8(9)−ジイル)ジメチレン、170〜470g/モルの範囲の平均分子量を有するα,ω−ポリオキシプロピレン、及び330〜450g/モルの範囲の平均分子量を有するトリメチロールプロパン又はグリセロール出発トリス(ω−ポリオキシプロピレン)が好ましい。
【0037】
これらのポリアルジミンは、特に良好な貯蔵安定性及び/又は特に高い強度を有する組成物を可能にする。
【0038】
これらの中で、(1,5,5−トリメチルシクロヘキサン−1−イル)メタン−1,3又は(ビシクロ[2.2.1]ヘプタン−2,5(2,6)−ジイル)ジメチレン又は(トリシクロ[5.2.1.0
2,6]デカン−3(4),8(9)−ジイル)ジメチレンが特に好ましい。式(I)のこれらのポリアルジミンは、特に低い粘度を有し、特に高い強度を有する特に貯蔵安定性のある組成物を可能にする。
【0039】
これらの中で、メチレンジシクロヘキサン−4−イルがさらに特に好ましい。式(I)のこれらのポリアルジミンは、特に高い弾性率を有する特に貯蔵安定性のある組成物を可能にする。
【0040】
これらの中で、170〜250g/モルの範囲の平均分子量を有するα,ω−ポリオキシプロピレンがさらに特に好ましい。式(I)のこれらのポリアルジミンは、特に低い粘度を有し、特に良好な伸展性を有する特に貯蔵安定性のある組成物を可能にする。
【0041】
これらの中で、330〜450g/モルの範囲の平均分子量を有するトリメチロールプロパン出発トリス(ω−ポリオキシプロピレン)がさらに特に好ましい。式(I)のこれらのポリアルジミンは、特に低い粘度を有し、特に高い架橋密度及び耐久性を有する特に貯蔵安定性のある組成物を可能にする。
【0042】
式(I)の好ましいポリアルジミンは、特に容易に得られ、及び/又は特に低い粘度を有し、及び/又はイソシアネートと一緒で特に貯蔵安定性があり、及び/又は特に良好な機械的特性若しくは耐久性をもたらし、したがってポリウレタンをベースとする接着剤、シーラント若しくはコーティングのための潜在性硬化剤として特に好適である。
【0043】
式(I)のポリアルジミンは、好ましくは、水を放出する縮合反応における式(III)の少なくとも1種のアミンと式(IV)の少なくとも1種のアルデヒドとの反応から得られる。
【化5】
【0044】
式(III)及び(IV)中、n、A及びZは、既に与えられた定義を有する。
【0045】
式(IV)のアルデヒドは、ここで、好ましくは、第一級アミノ基に関して化学量論的に又は化学量論的過剰に使用される。このように、反応生成物は、第一級アミノ基をほぼ又は完全に含まない。
【0046】
本発明は、したがって、水を放出する縮合反応における式(III)の少なくとも1種のアミンと式(IV)の少なくとも1種のアルデヒドとの反応から得られる、式(I)の少なくとも1種のポリアルジミンを含む反応生成物であって、アルデヒドが、第一級アミノ基に関して化学量論的に又は化学量論的過剰に存在していた、反応生成物を提供する。
【0047】
この反応は、有利には、任意選択的に溶媒の存在下において15〜120℃、好ましくは20〜100℃の範囲の温度で行われる。縮合水は、好ましくは、任意選択的に減圧下において、好適な溶媒との共沸混合物としてか、又は好ましくは蒸留によって直接的にかのいずれかで反応混合物から除去される。
【0048】
任意選択的に、触媒、とりわけ酸触媒が反応に使用される。
【0049】
溶媒なしで作業すること、及び減圧を適用して縮合水を加熱反応混合物から除去することが特に好ましい。
【0050】
この種の反応生成物は、イソシアネート基を有する組成物のための潜在性硬化剤として、さらなるワークアップなしに使用することができる。
【0051】
好ましくは、式(III)のアミンは、反応混合物を与えるために式(IV)のアルデヒドと組み合わせられ、ここで、アルデヒドは、第一級アミノ基に関して化学量論的に又は化学量論的過剰に存在し、縮合水は、任意選択的に反応混合物を加熱しながら好適な方法によって反応混合物から除去される。
【0052】
式(III)の好適なアミンは、少なくとも1個の第一級アミノ基が第三級若しくは第四級炭素原子に結合しており、及び/又は二環式若しくは三環式環系を含有する、第一級の脂肪族又は脂環式のジ又はトリアミンである。
【0053】
好ましくは、式(III)のアミンは、1,2−プロパンジアミン、1,3−ペンタンジアミン、1,5−ジアミノ−2−メチルペンタン(MPMD)、2,2(4),4−トリメチル−1,6−ヘキサンジアミン(TMD)、1,2−シクロヘキサンジアミン、1,3−シクロヘキサンジアミン、1,4−シクロヘキサンジアミン、1−アミノ−3−アミノメチル−3,5,5−トリメチルシクロヘキサン(イソホロンジアミン又はIPDA)、4(2)−メチル−1,3−シクロヘキサンジアミン、ビス(4−アミノシクロヘキシル)メタン、ビス(4−アミノ−3−メチルシクロヘキシル)メタン、2,5(2,6)−ビス(アミノメチル)ビシクロ[2.2.1]ヘプタン(ノルボルナンジアミン又はNBDA)、3(4),8(9)−ビス(アミノメチル)トリシクロ[5.2.1.0
2,6]デカン(TCDジアミン)、200〜4,000g/モルの範囲の平均分子量を有するα,ω−ポリオキシプロピレンジアミン、とりわけJeffamine(登録商標)製品D−230、D−400、XTJ−582、D−2000、XTJ−578及びD−4000(すべてHuntsman製)、並びに380〜6,000g/モルの範囲の平均分子量を有するトリメチロールプロパン又はグリセロール出発トリス(ω−ポリオキシプロピレンアミン)、とりわけJeffamine(登録商標)製品T−403、T−3000及びT−5000(すべてHuntsman製)からなる群から選択される。
【0054】
これらのアミンは、特に良好な商業的入手可能性を有する。
【0055】
これらの中で、1,2−シクロヘキサンジアミン、1−アミノ−3−アミノメチル−3,5,5−トリメチルシクロヘキサン(イソホロンジアミン又はIPDA)、4(2)−メチル−1,3−シクロヘキサンジアミン、ビス(4−アミノシクロヘキシル)メタン、2,5(2,6)−ビス(アミノメチル)ビシクロ[2.2.1]ヘプタン(ノルボルナンジアミン又はNBDA)、3(4),8(9)−ビス(アミノメチル)トリシクロ[5.2.1.0
2,6]デカン(TCDジアミン)、200〜500g/モルの範囲の平均分子量を有するα,ω−ポリオキシプロピレン、とりわけJeffamine(登録商標)D−230若しくはJeffamine(登録商標)D−400、又は380〜500g/モルの範囲の平均分子量を有するトリメチロールプロパン又はグリセロール出発トリス(ω−ポリオキシプロピレン)、とりわけJeffamine(登録商標)T−403が好ましい。
【0056】
式(IV)の好ましいアルデヒドは、式(IVa)
【化6】
(式中、Rは、既に記載された定義を有する)
のアルデヒドである。
【0057】
式(IV)の特に好ましいアルデヒドは、式(IVb)
【化7】
(式中、R
1及びR
2は、既に記載された定義を有する)
のアルデヒドである。
【0058】
式(IV)のとりわけ好ましいアルデヒドは、アルキルラジカルが直鎖又は分岐、とりわけ分岐である、4−デシルベンズアルデヒド、4−ウンデシルベンズアルデヒド、4−ドデシルベンズアルデヒド、4−トリデシルベンズアルデヒド又は4−テトラデシルベンズアルデヒドである。
【0059】
式(IV)の最も好ましいアルデヒドは、そのアルキルラジカルが主として分岐である、4−デシルベンズアルデヒド、4−ウンデシルベンズアルデヒド、4−ドデシルベンズアルデヒド、4−トリデシルベンズアルデヒド又は4−テトラデシルベンズアルデヒドを含む混合物である。
【0060】
式(IV)のアルデヒドは、酸触媒の作用下の一酸化炭素での少なくとも1種のアルキル及び/又はアルコキシ置換芳香族炭化水素のホルミル化からとりわけ得られる。好適な酸触媒の例はHCl−AlCl
3系であるガッターマン−コッホ反応)。
【0061】
好ましい調製方法では、ホルミル化は、酸触媒としてのHF−BF
3を用いて行われる。これは、このプロセスが特に選択的に進行するために有利であり、式(IV)のアルデヒドは、加水分解工程なしに反応混合物から分離することができ、触媒は再使用することができ、それは、費用のかかるかつ不都合な生成物ワークアップ及び廃棄物の処分が免除されることを意味する。
【0062】
式(I)のポリアルジミンは、より好ましくは、N,N’−ビス(4−アルキルベンジリデン)−1,2−シクロヘキサンジアミン、N,N’−ビス(4−アルキルベンジリデン)−3−アミノメチル−3,5,5−トリメチルシクロヘキシルアミン、N,N’−ビス(4−アルキルベンジリデン)−4(2)−メチル−1,3−シクロヘキサンジアミン、N,N’−ビス(4−アルキルベンジリデン)−ビス(4−アミノシクロヘキシル)メタン、N,N’−ビス(4−アルキルベンジリデン)−2,5(2,6)−ビス(アミノメチル)ビシクロ[2.2.1]ヘプタン、N,N’−ビス(4−アルキルベンジリデン)−3(4),8(9)−ビス(アミノメチル)トリシクロ[5.2.1.0
2,6]デカン、650〜1050g/モルの範囲の平均分子量を有するN,N’−ビス(4−アルキルベンジリデン)ポリオキシプロピレンジアミン、及び1050〜1350g/モルの範囲の平均分子量を有するN,N’,N’’−トリス(4−アルキルベンジリデン)ポリオキシプロピレントリアミンからなる群から選択され、ここで、アルキルは、各場合に直鎖又は特に分岐のデシル、ウンデシル、ドデシル、トリデシル又はテトラデシルラジカルである。
【0063】
式(I)のポリアルジミンは、無臭、pH中性、液体又は低融点であり、室温で比較的低い粘度のものであり、熱及び水分に対して低い感受性を有する。それは、したがって簡単な方法で貯蔵し、輸送し、計量供給し、及び取り扱うことができる。
【0064】
好ましくは、式(I)のポリアルジミンは、式(I)(式中、各Zは、式(II)のラジカルであり、及びRは、6〜20個の炭素原子を有するアルキルラジカルから選択される)のポリアルジミンの混合物である。より好ましくは、Rは、直鎖又は特に分岐のデシル、ウンデシル、ドデシル、トリデシル及びテトラデシルから選択される。
【0065】
本発明は、したがって、式(I)(式中、各Zは、式(II)のラジカルであり、Rは、直鎖若しくは特に分岐のデシル、ウンデシル、ドデシル、トリデシル及びテトラデシルラジカルから選択される)のポリアルジミンの混合物をさらに提供する。
【0066】
この種の混合物は、特に容易に工業的に得られる。
【0067】
本発明は、イソシアネート基を含有する組成物のための潜在性硬化剤としての、式(I)の少なくとも1種のポリアルジミンの使用をさらに提供する。
【0068】
式(I)のポリアルジミンは、記載される使用のための有利な特性を有する。それは、イソシアネート基を有する組成物への優れた混和性を有し、分離のいかなる傾向もほとんど示さない。それは、水又は水分の不在下でイソシアネート基のいかなる架橋反応も開始せず、したがって非常に良好な貯蔵安定性を可能にする。水分の進入時、それは、アルジミン基の加水分解によってイソシアネート基と迅速に及び完全に反応し、この反応は、競合するイソシアネート加水分解なしに、したがって気泡形成なしに非常に大きく進行する。また、最終的に、硬化で放出されたアルデヒドは、非揮発性であり、加水分解安定であり、いかなる悪臭公害も引き起こさず、硬化ポリマーと優れた相溶性を有し、基材中へほとんどブリード又は移行しない。
【0069】
好ましくは、イソシアネート基を含有する組成物は、ジフェニルメタン4,4’−若しくは2,4’−若しくは2,2’−ジイソシアネート又はこれらの異性体の任意の所望の混合物(MDI)、又はトリレン2,4−若しくは2,6−ジイソシアネート又はこれらの異性体の任意の所望の混合物(TDI)にとりわけ由来する芳香族イソシアネート基を含む。
【0070】
芳香族イソシアネート基を有する組成物は、特に安価であり、迅速に硬化し、高い安定性を可能にする。しかし、そのような組成物の貯蔵安定性、オープンタイム及び完璧な硬化は、芳香族イソシアネート基が脂肪族イソシアネート基よりもはるかに反応性が高いため、はるかにより重大である。
【0071】
MDIをベースとする組成物は、接着剤として特に好適である。それらは、特に安価であり、特に反応性が高く、特に高い強度及び耐久性を可能にする。しかし、それらはまた貯蔵安定性、オープンタイム及び気泡形成に関して特に要求が厳しい。意外にも、非常に良好な貯蔵安定性は、長いオープンタイム及びそれにもかかわらず確実に抑えられる気泡形成と相まって、式(I)のポリアルジミンで得られる。式(I)に従わない類似のポリアルジミンは、典型的には、制限された貯蔵安定性及び通常短いオープンタイムを有するMDIベースの一剤組成物をもたらす。
【0072】
TDIをベースとする組成物は、特に安価であり、特に低い粘度のものである。それらは、低い弾性率、したがって特に弾性的な特性を可能にする。それらは、その中での移動が力の低い伝達で抑えられるべきである用途、例えば拡張接合部のためのシーラント又は著しく亀裂架橋特性を有するコーティングに特に好適である。しかし、それらはまた、とりわけ、高い表面粘着性で明らかにされ得る低いレベルに設定された弾性率において、硬化の完全性及び可塑剤移行に関して特に要求が厳しい。意外にも、式(I)のポリアルジミンで、非常に低い表面粘着性と相まって特に低い弾性率が得られ、一方で典型的に明確により高い弾性率が式(I)に従わない類似のポリアルジミンで得られる。
【0073】
イソシアネート基のいくつか又はすべてがジフェニルメタン4,4’−若しくは2,4’−若しくは2,2’−ジイソシアネート又はこれらの異性体の任意の所望の混合物(MDI)に由来する、イソシアネート基を含有する組成物のための潜在性硬化剤としての、式(I)の少なくとも1種のポリアルジミンの使用が特に好ましい。これらの組成物は、特に高い強度及び耐久性を可能にするが、MDIの非常に高い反応性のために貯蔵安定性に関して要求がまた特に厳しい。しかし、意外にも、MDIをベースとするイソシアネート基を含有する組成物において、式(I)のポリアルジミンは、非常に良好な貯蔵安定性を示し、一方で式(III)に従わないアミン、例えばヘキサメチレンジアミン、1,3−ビス(アミノメチル)シクロヘキサン(BAC)又は1,3−ビス(アミノメチル)ベンゼン(MXDA)をベースとする類似のポリアルジミンは、MDI及びその付加体と一緒で貯蔵安定性がない。
【0074】
本発明は、
− 式(I)の少なくとも1種のポリアルジミンと、
− 少なくとも1種のポリイソシアネート及び/又はイソシアネート基を含有する少なくとも1種のポリウレタンポリマーと
を含む組成物をさらに提供する。
【0075】
式(I)の好適なポリアルジミンは、上に記載されたものである。
【0076】
好適なポリイソシアネートは、とりわけ商業的に入手可能なポリイソシアネート、とりわけ次のものである。
− 芳香族ジ又はトリイソシアネート、好ましくはジフェニルメタン4,4’−若しくは2,4’−若しくは2,2’−ジイソシアネート又はこれらの異性体の任意の混合物(MDI)、トリレン2,4−若しくは2,6−ジイソシアネート又はこれらの異性体の任意の混合物(TDI)、MDIとMDI同族体(ポリマーMDI又はPMDI)との混合物、フェニレン1,3−若しくは1,4−ジイソシアネート、2,3,5,6−テトラメチル−1,4−ジイソシアナトベンゼン、ナフタレン1,5−ジイソシアネート(NDI)、3,3’−ジメチル−4,4’−ジイソシアナトジフェニル(TODI)、ジアニシジンジイソシアネート(DADI)、トリス(4−イソシアナトフェニル)メタンまたトリス(4−イソシアナトフェニル)チオホスフェート;好ましくはMDI又はTDI;
− 脂肪族、脂環式又はアリール脂肪族ジ又はトリイソシアネート、好ましくはテトラメチレン1,4−ジイソシアネート、2−メチルペンタメチレン1,5−ジイソシアネート、ヘキサメチレン1,6−ジイソシアネート(HDI)、2,2,4−及び/若しくは2,4,4−トリメチルヘキサメチレン1,6−ジイソシアネート(TMDI)、デカメチレン1,10−ジイソシアネート、ドデカメチレン1,12−ジイソシアネート、リジンジイソシアネート若しくはリジンエステルジイソシアネート、シクロヘキサン1,3−若しくは1,4−ジイソシアネート、1−メチル−2,4−及び/若しくは2,6−ジイソシアナトシクロヘキサン(H
6TDI)、1−イソシアナト−3,3,5−トリメチル−5−イソシアナトメチルシクロヘキサン(IPDI)、ペルヒドロ−2,4’−及び/若しくは4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート(H
12MDI)、1,3−若しくは1,4−ビス(イソシアナトメチル)シクロヘキサン、m−若しくはp−キシリレンジイソシアネート、テトラメチルキシリレン1,3−若しくは1,4−ジイソシアネート、1,3,5−トリス(イソシアナトメチル)ベンゼン、ビス(1−イソシアナト−1−メチルエチル)ナフタレン、特に3,6−ビス(9−イソシアナトノニル)−4,5−ジ−(1−ヘプテニル)シクロヘキセン(ジメリルジイソシアネート)などのダイマー若しくはトリマー脂肪酸イソシアネート;好ましくはH
12MDI又はHDI又はIPDI;
− 述べられたジ又はトリイソシアネートの、とりわけHDI、IPDI、MDI又はTDIに由来するオリゴマー又は誘導体、とりわけウレトジオン、若しくはイソシアヌレート、若しくはイミノオキサジアジンジオン基又はこれらの中の様々な基を含有するオリゴマー;又はエステル、若しくはウレア、若しくはウレタン、若しくはビウレット、若しくはアロファネート、若しくはカルボジイミド、若しくはウレトンイミン、若しくはオキサジアジントリオン基又はこれらの中の様々な基を含有する二官能性又は多官能性誘導体。実際には、この種のポリイソシアネートは、典型的には、異なる程度のオリゴマー化及び/又は化学構造を有する物質の混合物である。それらは、とりわけ2.1〜4.0の平均NCO官能性を有する。
【0077】
特に好ましいポリイソシアネートは、HDI、IPDI、H
12MDI、TDI、MDI又は室温で液体であるMDIの形態である。
【0078】
室温で液体であるMDIの形態は、部分的な化学修飾 − とりわけカルボジイミド化又はウレトンイミン形成又はポリオールとの付加体形成 − によって液体化した4,4’−MDIであるか、又はそれは、ブレンディングによって選択的にもたらされているか若しくは製造プロセスから生じる、4,4’−MDIと他のMDI異性体(2,4’−MDI及び/若しくは2,2’−MDI)との、並びに/又はMDIオリゴマー及び/若しくはMDI同族体(PMDI)との混合物であるかのいずれかである。
【0079】
MDI又はMDIの室温液体形態が最も好ましい。
【0080】
イソシアネート基を含有する好適なポリウレタンポリマーは、とりわけ、少なくとも1種のポリオールと超化学量論量の少なくとも1種のポリイソシアネートとの反応から得られる。この反応は、好ましくは、任意選択的に好適な触媒の存在下において50〜160℃の範囲の温度で水分を排除して行われる。NCO/OH比は、好ましくは、1.3/1〜2.5/1の範囲である。反応混合物中にOH基の転化後に残っているポリイソシアネート、とりわけモノマージイソシアネートは、高いNCO/OH比の場合に好ましい、とりわけ蒸留によって除去することができる。得られたポリウレタンポリマーは、好ましくは、0.5重量%〜10重量%、とりわけ1重量%〜5重量%、より好ましくは1重量%〜3重量%の範囲の遊離イソシアネート基の含有量を有する。ポリウレタンポリマーは、任意選択的に、可塑剤又は溶媒をさらに使用して調製することができ、その場合、使用される可塑剤又は溶媒はイソシアネートに対して反応性の高いいかなる基も含有しない。
【0081】
イソシアネート基を含有するポリウレタンポリマーの調製のための好ましいポリイソシアネートは、既に述べられたポリイソシアネート、とりわけジイソシアネート、とりわけMDI、TDI、IPDI、HDI又はH
12MDIである。MDIが最も好ましい。これは、特に高い強度及び耐久性を与える。
【0082】
好適なポリオールは、市販のポリオール又はそれらの混合物、とりわけ次のものである。
− ポリエーテルポリオール、とりわけポリオキシアルキレンジオール及び/若しくはポリオキシアルキレントリオール、とりわけエチレンオキシド、又は1,2−プロピレンオキシド、又は1,2−若しくは2,3−ブチレンオキシド、又はオキセタン、又はテトラヒドロフラン、又はそれらの混合物の重合生成物。ここで、これらは、2個以上の活性水素原子を有するスターター分子、とりわけ水、アンモニア又は多数のOH若しくはNH基を有する化合物、例えば1,2−エタンジオール、1,2−若しくは1,3−プロパンジオール、ネオペンチルグリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、異性体ジプロピレングリコール若しくはトリプロピレングリコール、異性体ブタンジオール、ペンタンジオール、ヘキサンジオール、ヘプタンジオール、オクタンジオール、ノナンジオール、デカンジオール、ウンデカンジオール、1,3−若しくは1,4−シクロヘキサンジメタノール、ビスフェノールA、水素化ビスフェノールA、1,1,1−トリメチロールエタン、1,1,1−トリメチロールプロパン、グリセロール又はアニリン、又は前述の化合物の混合物などのスターター分子を用いて重合され得る。同様に、ポリマー粒子がその中に分散したポリエーテルポリオール、とりわけスチレン−アクリロニトリル粒子(SAN)、又はポリウレア、又はポリヒドラゾジカルボンアミド粒子(PHD)が分散したものが好適である。
【0083】
好ましいポリエーテルポリオールは、ポリオキシプロピレンジオール若しくはポリオキシプロピレントリオール、又はエチレンオキシド末端(EO−エンドキャップされた)ポリオキシプロピレンジオール若しくはトリオールと呼ばれるものである。後者は、ポリオキシプロピレンジオール又はトリオールが、ポリプロポキシル化反応の終了時にエチレンオキシドでさらにアルコキシル化されることでとりわけ得られ、したがって、最終的に第一級ヒドロキシル基を有する混合ポリオキシエチレン−ポリオキシプロピレンポリオールである。
【0084】
好ましいポリエーテルポリオールは、0.02ミリ当量未満/g、とりわけ0.01ミリ当量未満/gの不飽和度を有する。
− 公知の方法、とりわけヒドロキシカルボン酸若しくはラクトンの重縮合又は脂肪族及び/若しくは芳香族ポリカルボン酸と二価若しくは多価アルコールとの重縮合によって調製され、オリゴエステロールとも呼ばれるポリエステルポリオール。特に1,2−エタンジオール、ジエチレングリコール、1,2−プロパンジオール、ジプロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコール、グリセロール、1,1,1−トリメチロールプロパン又は前述のアルコール混合物などの二価アルコールと、特にコハク酸、グルタル酸、アジピン酸、スベリン酸、セバシン酸、ドデカンジカルボン酸、マレイン酸、フマル酸、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸若しくはヘキサヒドロフタル酸又は前述の酸の混合物との反応からのポリエステルジオール、又は特にε−カプロラクトンなどのラクトンから形成されるポリエステルポリオールが好ましい。アジピン酸又はセバシン酸又はドデカンジカルボン酸と、ヘキサンジオール又はネオペンチルグリコールとから形成されるポリエステルポリオールが特に好ましい。
− 例えば、− ポリエステルポリオールを形成するために使用される − 上述のアルコールと、ジアルキルカーボネート、ジアリールカーボネート又はホスゲンとの反応によって得られるようなポリカーボネートポリオール。
− 少なくとも2個のヒドロキシル基を有し、かつ上記のタイプのポリエーテル、ポリエステル及び/又はポリカーボネート構造を有する少なくとも2つの異なるブロック、とりわけポリエーテルポリエステルポリオールを有するブロックコポリマー。
− ポリアクリレートポリオール及びポリメタクリレートポリオール。
− ポリヒドロキシ官能性脂肪及び油、例えば天然脂肪及び油、とりわけヒマシ油;又は天然脂肪及び油の化学修飾によって得られるポリオール − 油脂化学ポリオールと呼ばれる −、例えば、不飽和油の酸化及びその後のカルボン酸若しくはアルコールでの開環によって得られるエポキシポリエステル又はエポキシポリエーテル、又は不飽和油のヒドロホルミル化及び水素化によって得られるポリオール;又はアルコール分解若しくはオゾン分解などの分解プロセス及びこのようにして得られたその分解生成物若しくは誘導体の、例えばエステル交換若しくは二量化による、その後の化学結合によって天然脂肪及び油から得られるポリオール。天然脂肪及び油の好適な分解生成物は、とりわけ、脂肪酸及び脂肪アルコール、並びにまた脂肪酸エステル、とりわけメチルエステル(FAME)であり、それらは、例えば、ヒドロホルミル化及び水素化によってヒドロキシ脂肪酸エステルに誘導体化することができる。
− オリゴヒドロカーボンオールとも呼ばれる、ポリ炭化水素ポリオール、例えばポリヒドロキシ官能性ポリオレフィン、ポリイソブチレン、ポリイソプレン;例えば、Kraton Polymerによって製造されるようなポリヒドロキシ官能性エチレン−プロピレン、エチレン−ブチレン又はエチレン−プロピレン−ジエンコポリマー;アニオン重合からとりわけまた調製することができる、ジエン、とりわけ1,3−ブタジエンのポリヒドロキシ官能性ポリマー;1,3−ブタジエンなどのジエン若しくはジエン混合物と、スチレン、アクリロニトリル、塩化ビニル、酢酸ビニル、ビニルアルコール、イソブチレン及びイソプレンなどのビニルモノマーとのポリヒドロキシ官能性コポリマー、例えば、エポキシド若しくはアミノアルコールと、カルボキシル末端アクリロニトリル/ブタジエンコポリマーとから、例えば、調製可能なようなポリヒドロキシ官能性アクリロニトリル/ブタジエンコポリマー(Emerald Performance Materialsから、例えば、Hypro(登録商標)CTBN若しくはCTBNX若しくはETBN名で商業的に入手可能な);並びにジエンの水素化ポリヒドロキシ官能性ポリマー若しくはコポリマー。
【0085】
ポリオールの混合物もとりわけ好適である。
【0086】
ポリエーテルポリオール、ポリエステルポリオール、ポリカーボネートポリオール、ポリ(メタ)アクリレートポリオール又はポリブタジエンポリオールが好ましい。
【0087】
ポリエーテルポリオール、ポリエステルポリオール、とりわけ脂肪族ポリエステルポリオール、又はポリカーボネートポリオール、とりわけ脂肪族ポリカーボネートポリオールが特に好ましい。
【0088】
ポリエーテルポリオール、とりわけポリオキシプロピレンジ若しくはトリオール、又はエチレンオキシド−末端ポリオキシプロピレンジ若しくはトリオールが最も好ましい。
【0089】
400〜20,000g/モル、好ましくは1,000〜15,000g/モルの範囲の平均分子量を有するポリオールが好ましい。
【0090】
1.6〜3の範囲の平均OH官能性を有するポリオールが好ましい。
【0091】
室温で液体であるポリオールが好ましい。
【0092】
イソシアネート基を含有するポリウレタンポリマーの調製において、二官能性又は多官能性アルコール、とりわけ1,2−エタンジオール、1,2−プロパンジオール、1,3−プロパンジオール、2−メチル−1,3−プロパンジオール、1,2−ブタンジオール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、1,3−ペンタンジオール、1,5−ペンタンジオール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、ネオペンチルグリコール、ジブロモネオペンチルグリコール、1,2−ヘキサンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,7−ヘプタンジオール、1,2−オクタンジオール、1,8−オクタンジオール、2−エチル−1,3−ヘキサンジオール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ジプロピレングリコール、トリプロピレングリコール、1,3−若しくは1,4−シクロヘキサンジメタノール、エトキシル化ビスフェノールA、プロポキシル化ビスフェノールA、シクロヘキサンジオール、水素化ビスフェノールA、ダイマー脂肪酸アルコール、1,1,1−トリメチロールエタン、1,1,1−トリメチロールプロパン、グリセロール、ペンタエリスリトール、特にキシリトール、ソルビトール及びマンニトールなどの糖アルコール、又は特にサッカロースなどの糖、又は述べられたアルコールのアルコキシル化誘導体若しくは述べられたアルコールの混合物の画分を使用することがまた可能である。
【0093】
イソシアネート基を含有するポリウレタンポリマーは、好ましくは、1,500〜20,000g/モル、とりわけ2,000〜15,000g/モルの平均分子量を有する。
【0094】
それは、好ましくは室温で液体である。
【0095】
組成物は、好ましくは、イソシアネート基を含有する少なくとも1種のポリウレタンポリマーを含む。
【0096】
好ましくは、イソシアネート基を含有するポリウレタンポリマーは、とりわけ、ジフェニルメタン4,4’−若しくは2,4’−若しくは2,2’−ジイソシアネート又はこれらの異性体の任意の所望の混合物(MDI)、又はトリレン2,4−若しくは2,6−ジイソシアネート又はこれらの異性体の任意の所望混合物(TDI)に由来する芳香族イソシアネート基を有する。
【0097】
最も好ましくは、組成物は、イソシアネート基を含有するポリウレタンポリマーを含み、そのイソシアネート基は、部分的に又は完全にジフェニルメタン4,4’−若しくは2,4’−若しくは2,2’−ジイソシアネート又はこれらの異性体の任意の所望の混合物(MDI)に由来する。これは、特に高い強度及び耐久性を達成する。
【0098】
イソシアネート基を含有するポリウレタンポリマーに加えて、組成物は、少なくとも1種のジイソシアネート及び/又はジイソシアネートのオリゴマー若しくはポリマー、とりわけMDIの室温液体形態、あるいはPMDI、又はIPDIイソシアヌレート、又はTDIオリゴマー、又はTDI/HDI若しくはHDIオリゴマーをベースとする混合イソシアヌレートをさらに含んでもよい。
【0099】
好ましくは、組成物は、式(I)の少なくとも1種のポリアルジミン及び少なくとも1種のポリイソシアネートと同様に、触媒、充填材、可塑剤及び溶媒からとりわけ選択される1つ以上のさらなる要素をさらに含む。
【0100】
好適な触媒は、とりわけアルジミノ基の加水分解のための触媒、とりわけ有機酸、とりわけ2−エチルヘキサン酸、ラウリン酸、ステアリン酸、イソステアリン酸、オレイン酸、ネオデカン酸、安息香酸、サリチル酸又は2−ニトロ安息香酸などのカルボン酸、無水フタル酸、ヘキサヒドロフタル酸無水物又はメチルヘキサヒドロフタル酸無水物などの有機カルボン酸無水物、カルボン酸のシリルエステル、メタンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸又は4−ドデシルベンゼンスルホン酸などの有機スルホン酸、スルホン酸エスエル、他の有機若しくは無機酸、又は前述の酸と酸エスエルとの混合物である。カルボン酸、とりわけ、安息香酸、2−ニトロ安息香酸又はとりわけサリチル酸などの芳香族カルボン酸が特に好ましい。
【0101】
好適な触媒は、さらに、イソシアネート基の反応を加速するための触媒、とりわけ、特にジブチルスズジアセテート、ジブチルスズジラウレート、ジブチルスズジクロリド、ジブチルスズジアセチルアセトナート、ジメチルスズジラウレート、ジオクチルスズジアセテート、ジオクチルスズジラウレート又はジオクチルスズジアセチルアセトナートなどの有機スズ(IV)化合物、とりわけ、アルコキシド、カルボキシレ−ト、1,3−ジケトネート、オキシネート、1,3−ケトエステレート及び1,3−ケトアミデートから選択される配位子との、ビスマス(III)又はジルコニウム(IV)の錯体、又は特に2,2’−ジモルホリノジエチルエーテル(DMDEE)などの第三級アミノ基を含有する化合物である。
【0102】
異なる触媒の組み合わせもとりわけ好適である。
【0103】
好適な充填材は、とりわけ、任意選択的に脂肪酸、とりわけステアレートでコートされた、細かくした又は沈澱炭酸カルシウム、又はバライト、石英粉、石英砂、ドロマイト、ウォラストナイト、カオリン、か焼カオリン、雲母若しくはタルクなどの層状シリケート、ゼオライト、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、熱分解法からの細分シリカなどのシリカ、セメント、石膏、フライアッシュ、工業的に生産されるカーボンブラック、黒鉛、例えばアルミニウム、銅、鉄、銀若しくはスチールの金属粉、PVC粉末又は中空ビーズである。
【0104】
好適な可塑剤は、とりわけ、フタレート、とりわけジイソノニルフタレート(DINP)、ジイソデシルフタレート(DIDP)若しくはジ(2−プロピルヘプチル)フタレート(DPHP)、水素化フタレート、とりわけ水素化ジイソノニルフタレート(DINCH)、テレフタレート、とりわけジオクチルテレフタレート、トリメリテート、アジペート、とりわけジオクチルアジペート、アゼレート、セバケート、ベンゾエートなどのカルボン酸エステル、グリコールエーテル、グリコールエステル、有機リン酸若しくはスルホン酸エステル、ポリブテン、ポリイソブテン、又は天然脂肪若しくは油から誘導される可塑剤、とりわけエポキシ化大豆油若しくはアマニ油である。
【0105】
好適な溶媒は、とりわけアセトン、メチルエチルケトン、メチルn−プロピルケトン、ジイソブチルケトン、メチルイソブチルケトン、メチルn−アミルケトン、メチルイソアミルケトン、アセチルアセトン、メシチルオキシド、シクロヘキサノン、メチルシクロヘキサノン、エチルアセテート、プロピルアセテート、ブチルアセテート、n−ブチルプロピオネート、ジエチルマロネート、1−メトキシ−2−プロピルアセテート、エチル3−エトキシプロピオネート、ジイソプロピルエーテル、ジエチルエーテル、ジブチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、エチレングリコールジエチルエーテル、エチレングリコールモノプロピルエーテル、エチレングリコールモノ−2−エチルヘキシルエーテル、トルエン、キシレン、ヘプタン、オクタン、ナフサ、ホワイトスピリット、石油エーテル若しくはベンジン、とりわけSolvesso
TM製品(Exxon製の)、及びまた塩化メチレン、プロピレンカーボネート、ブチロラクトン、N−メチルピロリドン又はN−エチルピロリドンである。
【0106】
組成物は、ポリウレタン組成物のために一般に使用されるさらなる添加剤を含んでもよい。より具体的には、以下の補助剤及び添加剤が存在してもよい:
− 無機若しくは有機顔料、とりわけ二酸化チタン、酸化クロム又は酸化鉄;
− 繊維、とりわけガラス繊維、炭素繊維、金属繊維、セラミック繊維、ポリアミド繊維若しくはポリエチレン繊維などのポリマー繊維、又は羊毛、セルロース、大麻若しくはサイザル麻などの天然繊維;
− 染料;
− 乾燥剤、とりわけモレキュラーシーブ粉末、酸化カルシウム、p−トシルイソシアネート、モノマージイソシアネートなどの高反応性イソシアネート、Incozol(登録商標)2(Incorez製の)などのモノオキサゾリジン又はオルトギ酸エステル;
− 接着促進剤、とりわけオルガノアルコキシシラン、とりわけ、特に3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン若しくは3−グリシドキシプロピルトリエトキシシランなどのエポキシシラン、(メタ)アクリロシラン、アンヒドリドシラン、カルバマトシラン、アルキルシラン若しくはイミノシラン、又はこれらのシランのオリゴマー形態、又はチタネート;
− 潜在性硬化剤又は架橋剤、とりわけケチミン、エナミン、オキサゾリジン又は式(I)に従わないアルジミン;
− イソシアネート基の反応を加速するさらなる触媒、とりわけスズ、亜鉛、ビスマス、鉄、アルミニウム、モリブデン、ジオキソモリブデン、チタン、ジルコニウム若しくはカリウムの塩、石鹸若しくは錯体、とりわけスズ(II)2−エチルヘキサノエート、スズ(II)ネオデカノエート、亜鉛(II)アセテート、亜鉛(II)2−エチルヘキサノエート、亜鉛(II)ラウレート、亜鉛(II)アセチルアセトナート、アルミニウムラクテート、アルミニウムオレエート、ジイソプロポキシチタンビス(エチルアセトアセテート)若しくはカリウムアセテート;第三級アミノ基を含有する化合物、とりわけN−エチルジイソプロピルアミン、N,N,N’,N’−テトラメチルアルキレンジアミン、ペンタメチルアルキレントリアミン及びその高級同族体、ビス(N,N−ジエチルアミノエチル)アジペート、トリス(3−ジメチルアミノプロピル)アミン、1,4−ジアザビシクロ[2.2.2]オクタン(DABCO)、1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデカ−7−エン(DBU)、1,5−ジアザビシクロ[4.3.0]ノナ−5−エン(DBN)、N−アルキルモルホリン、N,N’−ジメチルピペラジン;4−ジメチルアミノピリジン、N−メチルイミダゾール、N−ビニルイミダゾール若しくは1,2−ジメチルイミダゾールなどの芳香族窒素化合物;水酸化ベンジルトリメチルアンモニウムなどの有機アンモニウム化合物又はアルコキシル化第三級アミン;公知の金属若しくはアミン触媒の改質である、「遅延作用」触媒と呼ばれるもの;
− レオロジー調整剤、とりわけ増粘剤、とりわけ、ベントナイトなどの層状シリケート、ヒマシ油の誘導体、水素化ヒマシ油、ポリアミド、ポリアミドワックス、ポリウレタン、ウレア化合物、ヒュームドシリカ、セルロースエーテル又は疎水的に改質されたポリオキシエチレン;
− 天然樹脂、ロジン、セラック、アマニ油、ヒマシ油又は大豆油などの脂肪又は油;
− 非反応性ポリマー、とりわけエチレン、プロピレン、ブチレン、イソブチレン、イソプレン、酢酸ビニル若しくはアルキル(メタ)アクリレートからの、とりわけ、不飽和モノマーのホモポリマー若しくはコポリマー、とりわけポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)、ポリイソブチレン、エチレン−酢酸ビニルコポリマー(EVA)又はアタクチックポリ−α−オレフィン(APAO);
− 難燃性物質、とりわけ既に述べられた水酸化アルミニウム若しくは水酸化マグネシウム、及びまた特に有機リン酸エステル、例えば、特にトリエチルホスフェート、トリクレジルホスフェート、トリフェニルホスフェート、ジフェニルクレジルホスフェート、イソデシルジフェニルホスフェート、トリス(1,3−ジクロロ−2−プロピル)ホスフェート、トリス(2−クロロエチル)ホスフェート、トリス(2−エチルヘキシル)ホスフェート、トリス(クロロイソプロピル)ホスフェート、トリス(クロロプロピル)ホスフェート、イソプロピル化トリフェニルホスフェート、異なる程度のイソプロピル化のモノ、ビス若しくはトリス(イソプロピルフェニル)ホスフェート、レゾルシノールビス(ジフェニルホスフェート)、ビスフェノールAビス(ジフェニルホスフェート)などの有機リン酸エステル、又はアンモニウムポリホスフェート;
− 添加剤、とりわけ湿潤剤、レベリング剤、消泡剤、脱気剤、酸化、熱、光若しくはUV放射線に対する安定剤、又は殺生物剤;
又は水分硬化組成物に習慣的に使用されるさらなる物質。
【0107】
ある種の物質を、それらを組成物に混ぜ入れる前に化学的に又は物理的に乾燥させることが合理的であり得る。
【0108】
より具体的には、組成物は、式(I)のポリアルジミンと同様に、さらなる潜在性硬化剤、とりわけ式(I)に従わないポリアルジミン又はオキサゾリジンを含んでもよい。
【0109】
組成物において、アルジミノ基とイソシアネート基との間の比は、好ましくは0.05〜1.1の範囲、より好ましくは0.1〜1.0の範囲、とりわけ0.2〜0.9の範囲である。
【0110】
組成物は、好ましくは5重量%〜90重量%、とりわけ10重量%〜80重量%の範囲の含有量のポリイソシアネート及びイソシアネート基を含有するポリウレタンポリマーを含有する。
【0111】
組成物は、とりわけ、水分を排除して製造され、防水容器中周囲温度で貯蔵される。好適な防水容器は、とりわけ、任意選択的にコートされた金属及び/又はプラスチックからなり、とりわけバット、容器、ホブボック、バケツ、キャニスター、缶、バッグ、チューブラーバッグ、カートリッジ又はチューブである。
【0112】
組成物は、一剤又は多成分、とりわけ二剤組成物の形態を取ってもよい。
【0113】
「一剤」組成物と呼ばれる組成物は、組成物のすべての要素が同じ容器中にあり、それ自体貯蔵安定性があるものである。
【0114】
「二剤」組成物と呼ばれる組成物は、組成物の要素が2つの異なる成分中にあり、別個の容器中で貯蔵され、組成物の塗布の直前又は塗布中まで互いに混合されないものである。
【0115】
組成物は、好ましくは一剤組成物である。好適なパッケージング及び貯蔵を仮定すると、それは、典型的には1年以下の数カ月又はそれを超えて貯蔵安定性がある。
【0116】
組成物を塗布すると硬化のプロセスが始まる。これは硬化組成物をもたらす。
【0117】
一剤組成物の場合、それは、そのようなものとして塗布され、次に水分又は水の影響下で硬化し始める。硬化の加速のために、水を含有するか若しくは放出する加速剤成分及び/若しくは触媒を塗布時に組成物に混ぜ込むことができるか、又は組成物をその塗布後にそのような加速剤成分と接触させることができる。
【0118】
二剤組成物の場合、それは、2つの成分の混合後に塗布され、内部反応によって硬化し始め、硬化は、外部水分の作用によって完了し得る。二剤は、動的ミキサー又は静的ミキサーを用いて連続的又は回分式に混合することができる。
【0119】
硬化において、イソシアネート基は水分の影響下において、式(I)のポリアルジミンのアルジミン基及び存在する任意のさらなるブロックされたアミノ基と反応する。イソシアネート基、とりわけアルジミノ基に対して過剰のイソシアネート基のいくつかは、水分の影響下で互いに及び/又は組成物中に存在する任意のさらなる反応基、とりわけヒドロキシル基若しくは遊離アミノ基と反応する。組成物の硬化をもたらすイソシアネート基のこれらの反応の全体は架橋とも呼ばれる。
【0120】
一剤組成物の硬化のために必要とされる水分は、好ましくは、空気(空気湿度)からの拡散によって組成物中へ入る。これは、硬化組成物の固体層(「スキン」)を、空気と接触している組成物の表面上に形成する。硬化は、外側から内側に向けて拡散の方向に続き、スキンは次第に厚くなり、最終的に塗布された全体組成物を覆う。水分はまた、組成物が塗布された1つ以上の基材からさらに又は完全に組成物へ入ることができ、及び/又は塗布時に組成物に混ぜ込まれるか若しくは例えば塗装若しくは吹き付けにより、塗布後にそれと接触する加速剤成分に由来することができる。
【0121】
二剤組成物の硬化を完了させるために必要とされる任意の外部湿気は、空気に及び/又は基材に由来する。
【0122】
組成物は、とりわけ約0〜50℃の範囲、好ましくは5〜40℃の範囲の周囲温度で好ましくは塗布される。
【0123】
組成物は、好ましくは同様に周囲温度で硬化される。
【0124】
本組成物は、比較的長いオープンタイムを有する。
【0125】
「オープンタイム」は、硬化プロセスが始まった後に組成物を加工又は再加工することができる期間を指す。
【0126】
スキンの形成までの時間(「スキン時間」)又は粘着性が存在しなくなるまでの時間(「不粘着時間」)は、オープンタイムの尺度である。
【0127】
架橋は、式(IV)のアルデヒドを放出する。それは、実質的に非揮発性であり、無臭であり、大部分が硬化組成物中に残る。それは、その中で可塑剤のように挙動するか又は振る舞う。したがって、それは、原則としてそれ自体移行し、かつ/又は可塑剤の移行に影響を及ぼすことができる。式(IV)のアルデヒドは、硬化組成物と非常に良好な相溶性を有し、それ自体ほとんど移行せず、また可塑剤の移行のいかなる増大も引き起こさない。
【0128】
組成物は、好ましくは、接着剤又はシーラント又はコーティングである。
【0129】
接着剤又はシーラント又はコーティングは、好ましくは弾性がある。
【0130】
組成物は、とりわけ建設業及び製造業において又は動力車建造において、とりわけ寄せ木細工接合、実装可能な構成要素接合、空洞シーリング、組み立て、モジュール接合、シャーシ接合、ガラス接合、接合部シーリング又は固定用に、接合及びシーリング用途向け接着剤及び/又はシーラントとしてとりわけ好適である。
【0131】
動力車建造における弾性接合は、とりわけ、動力車のプラスチックカバー、装飾ストリップ、フランジ、泥よけ、運転室又は他の実装可能な構成要素などの部品の塗装シャーシへの取り付け、又はシャーシへのガラス製ペインの接合であり、ここで、動力車は、とりわけ自動車、トラック、バス、鉄道車両又は船である。
【0132】
組成物は、すべての種類の接合部、とりわけ拡張接合部又は構成要素間の連結接合部などの建設における接合部の継ぎ目又は空洞の弾性シーリングのためのシーラントとしてとりわけ好適である。弾性特性を有するシーラントは、構築構造物における拡張接合部のシーリング用にとりわけ特に好適である。
【0133】
コーティングとして、本組成物は、床又は壁の保護のために、とりわけバルコニー、テラス、オープンスペース、橋、階層式駐車場のコーティングとして、又は屋根、とりわけ平屋根若しくはわずかに傾斜した屋根エリア若しくは屋上庭園のシーリングのために、又は建物の屋内で、例えば湿った小部屋若しくは台所におけるタイル若しくはセラミック板の下での水封のために、又は台所、産業会館若しくは製作空間における床敷物として、又は収集タンク、チャンネル、シャフト若しくは廃水処理場におけるシールとして、又はワニス若しくはシールとして表面の保護、又は空洞シーリングのための埋込みコンパウンドとして、継ぎ目シールとして、若しくは例えばパイプのための保護コーティングとして好適である。
【0134】
それはまた、もはや目的に適っていない例えば雨漏り屋根膜又は床の敷物のシール又はコーティングとして、又はより具体的には高反応性のスプレーシールのための修理コンパウンドとして修理目的のために使用することができる。
【0135】
組成物は、それが構造粘性特性によるペースト稠度を有するように調合することができる。この種の組成物は、本質的に丸形又は三角形の横断面エリアを有してもよい、例えばビーズの形態で、例えば標準的な市販のカートリッジ又はバット又はホブボックから、好適なデバイスを用いて塗布される。
【0136】
組成物はまた、それが流体でありかつ「セルフレベリング」であるか又はごくわずかにチキソトロピックであるように調合することができ、塗布のために注ぎ出すことができる。コーティングとして、それは、その後、例えばローラー、滑り棒、櫛目こて又はパレットナイフを用いて、所望の層厚さに至るまでエリア一面に例えば分配することができる。一操作において、典型的には、0.5〜3mm、とりわけ1.0〜2.5mmの範囲の層厚さが塗布される。
【0137】
組成物で接合又はシール又はコートすることができる好適な基材は、とりわけ、
− ガラス、ガラスセラミック、コンクリート、モルタル、繊維セメント、とりわけ繊維セメント板、煉瓦、タイル、石膏、とりわけ石膏板、又は花崗岩若しくは大理石などの天然石;
− PCC(ポリマー改質セメントモルタル)又はECC(エポキシ樹脂改質セメントモルタル)をベースとする修理又はレベリングコンパウンド;
− 表面仕上げ金属を含む、アルミニウム、銅、鉄、スチール、非鉄金属、又は亜鉛めっき若しくはクロムめっき金属などの合金などの金属又は合金;
− アスファルト又はビチューメン;
− 皮革、織物、紙、木材、フェノール樹脂、メラミン樹脂若しくはエポキシ樹脂などの樹脂で接合された木質系材料、樹脂−織物複合材料又はさらなるポリマー複合材料;
− 各場合に未処理の若しくは例えばプラズマ、コロナ若しくは火炎によって表面処理された、硬質及び軟質PVC、ポリカーボネート、ポリスチレン、ポリエステル、ポリアミド、PMMA、ABS、SAN、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、PUR、POM、TPO、PE、PP、EPM若しくはEPDMなどのプラスチック;
− 炭素繊維強化プラスチック(CFP)、ガラス繊維強化プラスチック(GFP)及びシート成形コンパウンド(SMC)などの繊維強化プラスチック;
− EPS、XPS、PUR、PIR、ロックウール、ガラスウール若しくは発泡ガラスでとりわけできた絶縁発泡体;
− 被覆若しくは塗装基材、とりわけ塗装タイル、被覆コンクリート、粉体塗装した金属若しくは合金又は塗装金属シート;
− ペイント又はワニス、とりわけ自動車トップコート
である。
【0138】
必要に応じて、基材は、とりわけ、物理的及び/若しくは化学的クリーニング法又は活性化剤若しくはプライマーの適用により、塗布前に前処理することができる。
【0139】
2つの同一の又は2つの異なる基材を接合及び/又はシールすることが可能である。
【0140】
組成物の塗布及び硬化は、組成物で接合又はシール又はコートされた物品を提供する。この物品は、構築構造物若しくはその一部、とりわけ地上若しくは地下の土木、橋、屋根、階段若しくはファサードにおける構築構造物であってもよく、又はそれは工業商品若しくは消費者商品、とりわけ窓、パイプ、風力タービンの回転翼の羽根、家庭用電化製品、若しくは特に自動車、バス、トラック、鉄道車両、船、航空機若しくはヘリコプターなどの輸送手段、又はそれらの実装可能な構成要素であってもよい。
【0141】
本発明の組成物は、有利な特性を有する。それは、特にMDIのイソシアネート基などの高反応性の芳香族イソシアネート基の場合でさえも、水分を排除して貯蔵安定性がある。それは、比較的長いオープンタイムを有し、それは、塗布後、長期間にわたって塗布された材料のシームレスレベリング又はそれで接合された物体の位置調整若しくは再調整を可能にし、それは、例えば、大きい面積若しくは長いシーリングストリップにわたるコーティングの場合又は大きい若しくは複雑な物体の接合の場合に重要である。硬化は、気泡及び厄介な臭気侵入なしに迅速に進行し、ブリーディング、基材変色又は基材中の応力亀裂に関連する問題を有する傾向がない、良好な強度、伸展性及び弾性を有する硬化材料を生じさせる。
【実施例】
【0142】
詳細に記載される本発明を解説することを意図する実施例が本明細書で以下に提示される。本発明がこれらの記載される実施例に限定されないことは十分理解されるであろう。
【0143】
使用されるアルデヒド:
【0144】
【表1】
【0145】
アルデヒド−1は、式(IV)のアルデヒドの混合物であり、p−デシルオキシベンズアルデヒドは、式(IV)のアルデヒドであるのに対して、2,2−ジメチル−3−ラウロイルオキシプロパナール、ベンズアルデヒド、p−tert−ブチルベンズアルデヒド及び3−フェノキシベンズアルデヒドは、式(IV)に従わない。
【0146】
使用されるアミン及び省略形:
【0147】
【表2】
【0148】
ポリアルジミンの調製:
アミン価(アルジミノ基を含む)は、(クリスタルバイオレットに対して酢酸中の0.1N HClO
4での)滴定によって測定した。
【0149】
粘度は、恒温Rheotec RC30コーン−プレート粘度計(コーン直径50mm、コーン角1°、コーン先端−プレート距離0.05mm、剪断速度10秒
−1)で測定した。
【0150】
アルジミンA1:
50.00gのアルデヒド−1を窒素雰囲気下の丸底フラスコに最初に装入した。攪拌しながら13.93gのIPDAを添加し、次に揮発性要素を80℃及び10ミリバールの減圧で除去した。21.3Pa・sの20℃での粘度及び150.1mg KOH/gのアミン価を有する、淡黄色、無臭及びpH中性の液体が得られた。
【0151】
アルジミンA2:
50.00gのアルデヒド−1を窒素雰囲気下の丸底フラスコに最初に装入した。攪拌しながら12.62gのNBDAを添加し、次に揮発性要素を80℃及び10ミリバールの減圧で除去した。9.8Pa・sの20℃での粘度及び152.3mg KOH/gのアミン価を有する、淡黄色、無臭及びpH中性の液体が得られた。
【0152】
アルジミンA3:
50.00gのアルデヒド−1を窒素雰囲気下の丸底フラスコに最初に装入した。攪拌しながら15.90gのTCDを添加し、次に揮発性要素を80℃及び10ミリバールの減圧で除去した。19.6Pa・sの20℃での粘度及び144.0mg KOH/gのアミン価を有する、淡黄色、無臭及びpH中性の液体が得られた。
【0153】
アルジミンA4:
50.00gのアルデヒド−1を窒素雰囲気下の丸底フラスコに最初に装入した。攪拌しながら17.21gのH
12MDAを添加し、次に揮発性要素を80℃及び10ミリバールの減圧で除去した。59.6Pa・sの20℃での粘度及び140.2mg KOH/gのアミン価を有する、淡黄色、無臭及びpH中性の液体が得られた。
【0154】
アルジミンA5:
50.00gのアルデヒド−1を窒素雰囲気下の丸底フラスコに最初に装入した。攪拌しながら12.95gのTMDを添加し、次に揮発性要素を80℃及び10ミリバールの減圧で除去した。1.6Pa・sの20℃での粘度及び152.4mg KOH/gのアミン価を有する、淡黄色、無臭及びpH中性の液体が得られた。
【0155】
アルジミンA6:
50.00gのアルデヒド−1を窒素雰囲気下の丸底フラスコに最初に装入した。攪拌しながら9.51gのMPMDを添加し、次に揮発性要素を80℃及び10ミリバールの減圧で除去した。1.2Pa・sの20℃での粘度及び162.0mg KOH/gのアミン価を有する、淡黄色、無臭及びpH中性の液体が得られた。
【0156】
アルジミンA7:
50.00gのアルデヒド−1を窒素雰囲気下の丸底フラスコに最初に装入した。攪拌しながら25.77gのT−403を添加し、次に揮発性要素を80℃及び10ミリバールの減圧で除去した。4.3Pa・sの20℃での粘度及び126.8mg KOH/gのアミン価を有する、橙−黄色、無臭及びpH中性の液体が得られた。
【0157】
アルジミンA8:
5.75gのデシルオキシベンズアルデヒドを窒素雰囲気下の丸底フラスコに最初に装入した。攪拌しながら1.78gのIPDAを添加し、次に揮発性要素を80℃及び10ミリバールの減圧で除去した。163.7mg KOH/gのアミン価、及び52〜59℃の融点、及び82.4Pa・sの80℃での粘度の、20℃でワックス状、無臭及びpH中性である固体が得られた。
【0158】
アルジミンR1:
50.00gのアルデヒド−1を窒素雰囲気下の丸底フラスコに最初に装入した。攪拌しながら13.58gのHDA溶液(水中の70重量%)を添加し、次に揮発性要素を80℃及び10ミリバールの減圧で除去した。1.0Pa・sの20℃での粘度及び161.6mg KOH/gのアミン価を有する、淡黄色、無臭及びpH中性の液体が得られた。
【0159】
アルジミンR2:
50.00gのアルデヒド−1を窒素雰囲気下の丸底フラスコに最初に装入した。攪拌しながら11.14gのMXDAを添加し、次に揮発性要素を80℃及び10ミリバールの減圧で除去した。2.6Pa・sの20℃での粘度及び155.7mg KOH/gのアミン価を有する、淡黄色、無臭及びpH中性の液体が得られた。
【0160】
アルジミンR3:
50.00gのアルデヒド−1を窒素雰囲気下の丸底フラスコに最初に装入した。攪拌しながら8.85gのpPhDAを添加し、次に揮発性要素を80℃及び10ミリバールの減圧で除去した。4.9Pa・sの20℃での粘度及び163.0mg KOH/gのアミン価を有する、橙茶色、無臭及びpH中性の液体が得られた。
【0161】
アルジミンR4:
48.92の2,2−ジメチル−3−ラウロイルオキシプロパナールを窒素雰囲気下の丸底フラスコに最初に装入した。攪拌しながら13.93gのIPDAを添加し、次に揮発性要素を80℃及び10ミリバールの減圧で除去した。153.0mg KOH/gのアミン価を有する、淡黄色、無臭の液体が得られた。
【0162】
アルジミンR5:
48.87gの2,2−ジメチル−3−ラウロイルオキシプロパナールを窒素雰囲気下の丸底フラスコに最初に装入した。攪拌しながら17.21gのH
12MDAを添加し、次に揮発性要素を80℃及び10ミリバールの減圧で除去した。0.6Pa・sの20℃での粘度及び145.4mg KOH/gのアミン価を有する、淡黄色、無臭の液体が得られた。
【0163】
アルジミンR6:
33.43gのベンズアルデヒドを窒素雰囲気下の丸底フラスコに最初に装入した。攪拌しながら25.55gのIPDAを添加し、次に揮発性要素を80℃及び10ミリバールの減圧で除去した。得られたものは、314.1mg KOH/gのアミン価を有する、淡黄色の、強く臭う液体であり、それは数日後に結晶化した。
【0164】
アルジミンR7:
27.87gのp−tert−ブチルベンズアルデヒドを窒素雰囲気下の丸底フラスコに最初に装入した。攪拌しながら13.93gのIPDAを添加し、次に揮発性要素を80℃及び10ミリバールの減圧で除去した。得られたものは、236.2mg KOH/gのアミン価を有する、淡黄色の、強く臭う、高粘性の液体であり、それは数日後に結晶化した。80℃での粘度は23.7Pa・sであった。
【0165】
アルジミンR8:
34.06gの3−フェノキシベンズアルデヒドを窒素雰囲気下の丸底フラスコに最初に装入した。攪拌しながら13.93gのIPDAを添加し、次に揮発性要素を80℃及び10ミリバールの減圧で除去した。得られたものは、低い臭気の、203.8mg KOH/gのアミン価を有する、淡黄色、高粘性の液体であり、それは数日後に結晶化した。80℃での粘度は5.1Pa・sであった。
【0166】
アルジミンA1〜A8は式(I)のポリアルジミンである。アルジミンR1〜R8は比較例である。
【0167】
イソシアネート基を含有するポリマーの調製
ポリマーP1:
4000gのポリオキシプロピレンジオール(Acclaim(登録商標)4200、Covestro製;OH価28.5mg KOH/g)及び520gのジフェニルメタン4,4’−ジイソシアネート(Desmodur(登録商標)44 MC L、Covestro製の)を80℃で公知の方法によって反応させて、室温で液体であり、1.85重量%の遊離イソシアネート基の含有量を有するNCO−末端ポリウレタンポリマーを得た。
【0168】
ポリマーP2:
3080gのポリオキシプロピレンジオール(Acclaim(登録商標)4200、Covestro製;OH価28.5mg KOH/g)、1540gのポリオキシプロピレンポリオキシエチレントリオール(Caradol(登録商標)MD34−02、Shell製;OH価35.0mg KOH/g)及び385gのトリレンジイソシアネート(Desmodur(登録商標)T 80 P、Covestro)を公知の方法によって80℃で反応させて、室温で液体であり、1.50重量%の遊離イソシアネート基の含有量を有するNCO−末端ポリウレタンポリマーを得た。
【0169】
ポリマーP3:
590gのポリオキシプロピレンジオール(Acclaim(登録商標)4200、Covestro製;OH価28.5mg KOH/g)、1180gのポリオキシプロピレンポリオキシエチレントリオール(Caradol(登録商標)MD34−02、Shell製;OH価35.0mg KOH/g)及び230gのイソホロンジイソシアネート(Vestanat(登録商標)IPDI、Degussa)を80℃で公知の方法によって反応させて、室温で液体であり、2.10重量%の遊離イソシアネート基の含有量を有するNCO−末端ポリウレタンポリマーを得た。
【0170】
ポリマーP4:
300.0gのポリオキシプロピレンポリオキシエチレンジオール(Desmophen(登録商標)L300、Covestro製;OH価190.0mg KOH/g)及び228.8gのイソホロンジイソシアネート(Vestanat(登録商標)IPDI、Degussa)を60℃で公知の方法によって反応させて、室温で液体であり、8.35重量%の遊離イソシアネート基の含有量を有するNCO−末端ポリウレタンポリマーを得た。
【0171】
一剤組成物
組成物Z1〜Z15及びRef1〜Ref10
各組成物について、表1〜3に明記される原料を、1分間3000rpmで水分を排除した遠心ミキサー(SpeedMixer
TM DAC 150、FlackTek Inc.)を用いて(重量部単位で)明記される量で混合した。各組成物を次の通り試験した:貯蔵安定性の尺度として、粘度(1d RT)を製造の翌日に、及び粘度(7d 60℃)を、60℃で7日間空気循環オーブンにおける密閉容器中での貯蔵後に測定した。粘度は、各場合に20℃の温度において恒温Rheotec RC30コーン−プレート粘度計(コーン直径50mm、コーン角1°、コーン先端−プレート距離0.05mm、剪断速度10秒
−1)で測定した。貯蔵時の粘度の顕著な上昇は、不十分な貯蔵安定性を示す。
【0172】
オープンタイムの尺度として不粘着時間を測定した。この目的のために、数グラムの組成物を約2mmの層厚さで及び標準気候条件下でボール紙に塗布し、組成物の表面がLDPEピペットによって穏やかに軽くたたかれたときに、残渣がはじめてピペット上にもはや残らなくなるまでの時間を測定した。
【0173】
機械的特性を測定するために、各組成物をPTFE被覆フィルム上へ注いで厚さ2mmのフィルムを得、標準気候条件下で7日間貯蔵し、30mmの棒長さ及び4mmの棒幅である、75mmの長さを有する数個のダンベルをフィルムからパンチで切り取り、これらを引張強度(破断荷重)、破断点伸び、弾性率5%(0.5−5%の伸びでの)及び弾性率50%(0.5−50%伸びでの)について200mm/分の歪み速度でDIN EN 53504に従って試験した。
【0174】
外観は、製造されたフィルムに関して目視により評価した。「良い」は、気泡なしの非粘着性表面の無色透明なフィルムを記載するために用いた。
【0175】
臭気は、新規に製造したフィルムから2cmの距離で鼻により嗅ぐことによって評価した。「なし」は、臭気が感じられなかったことを意味する。
【0176】
結果を表1〜3に報告する。
【0177】
組成物Z1〜Z15は発明実施例である。組成物Ref1〜Ref10は比較例である。
【0178】
【表3】
【0179】
【表4】
【0180】
【表5】
【0181】
【表6】
【0182】
組成物Z16及びRef14
各組成物について、表4に明記される原料を1分間3000rpmにおいて、水分を排除した遠心ミキサー(SpeedMixer
TM DAC 150、FlackTek Inc.)を用いて(重量部単位で)明記される量で混合した。各組成物を次の通り試験した:可塑剤移行の尺度として、各組成物を、それが直径12mm及び20mmの高さの丸いベース領域を有するようにボール紙下層に塗布し、7日間標準気候条件下で貯蔵した。その後、ボール紙上で各組成物の周りに黒い卵形染みが形成された。その寸法(高さ及び幅)を測定し、移行として表4に報告した。
【0183】
組成物Z16は発明実施例である。組成物Ref14は比較例である。
【0184】
【表7】
【0185】
組成物Z17並びにRef15及びRef16
これらの組成物は、表5の数量を用いて組成物Z16について記載されたものと同じ方法で製造した。
【0186】
可塑剤移行の尺度として、各組成物を、それが直径15mm及び4mmの高さの丸いベース領域を有するようにボール紙下層に塗布し、3カ月間標準気候条件下で貯蔵した。黒い卵形染みがボール紙上の各組成物の周りに形成され、その寸法(高さ及び幅)を、標準気候条件下での7日後及び3カ月後に測定し、移行(7日)又は(3カ月)として表5に報告した。
【0187】
プラスチック上での応力亀裂の傾向の尺度として、ストレストシートの中央に30×30×2mmのコーティングを生じさせるように、150×30×2mmの寸法を有するポリカーボネート(Makrolon(登録商標))の透明のプレストレストプラスチックシートに塗布した。標準気候条件下で24h後にコーティング又は組成物を取り除き、シートを亀裂及び他の目に見える変化について調べた。プレストレストプラスチックシートを、各場合において、長い側が木材の丸い小片に対して直角であり、狭い端がボール紙上に固定されるように、ボール紙上に取り付けられた直径12.5mmの木材の丸い小片に固定した。「低い」は、表面的にのみ存在した、シートのエッジ領域に長さ2〜3mmの小さい、わずかに目に見える亀裂の形成を記載するために用いられる。「顕著な」は、シートの全厚さにわたって目に見えた、シートの全幅にわたっての完全な亀裂を記載するために用いられる。加えて、ここで、非常に多くの小さい亀裂がシートのエッジ領域に存在した。
【0188】
組成物Z17は発明実施例である。組成物Ref15〜Ref16は比較例である。
【0189】
【表8】
【0190】
表5の移行結果から、アルジミンA1を含む本発明組成物Z17が、アルジミンなしの組成物Ref16と比べて類似の又はさらにより低い可塑剤移行の傾向を有することが明らかである。対照的に、長鎖置換基を同様に含有し、かつアルジミンA1と類似して高い分子量を有する、アルジミンR4を含む組成物Ref15は、顕著な可塑剤移行を有する。
本明細書に開示される発明は以下の態様を含む:
[1]以下の式(I)のポリアルジミン:
【化8】
(式中、
nは、2又は3であり、
Zは、アルキル及び/又はアルコキシ基で置換され、かつ合計12〜26個の炭素原子を有するアリールラジカルであり、
Aは、少なくとも1つの第三級若しくは第四級炭素原子を介して結合されており、かつ/又は二環式若しくは三環式環系を含み、任意選択的にエーテル酸素を有しかつ42〜6,000g/モルの範囲の分子量を有する、n価の脂肪族又は脂環式ヒドロカルビルラジカルである)。
[2]Zが、式(II)のラジカルであることを特徴とする、上記[1]に記載のポリアルジミン:
【化9】
(式中、Rは、10〜14個の炭素原子を有する直鎖の又は分岐のアルキルラジカルである)。
[3]Rが、分岐していることを特徴とする、上記[2]に記載のポリアルジミン。
[4]Rが、以下の式のラジカルであることを特徴とする、上記[3]に記載のポリアルジミン:
【化10】
(式中、R1及びR2は、それぞれアルキルラジカルであり、かつ全体で9〜13個の炭素原子を有する)。
[5]Aは、1,2−プロピレン、1,3−ペンチレン、2−メチル−1,5−ペンチレン、2,2(4),4−トリメチル−1,6−ヘキサメチレン、1,2−シクロヘキシレン、(1,5,5−トリメチルシクロヘキサン−1−イル)メタン−1,3,4(2)−メチル−1,3−シクロヘキシレン、メチレンジシクロヘキサン−4−イル、メチレンビス(2−メチルシクロヘキサン−4−イル)、(ビシクロ[2.2.1]ヘプタン−2,5(2,6)−ジイル)ジメチレン、(トリシクロ[5.2.1.02,6]デカン−3(4),8(9)−ジイル)ジメチレン、170〜5,000g/モルの範囲の平均分子量を有するα,ω−ポリオキシプロピレン、及び330〜6,000g/モルの範囲の平均分子量を有するトリメチロールプロパン又はグリセロール出発トリス(ω−ポリオキシプロピレン)からなる群から選択されることを特徴とする、上記[1]〜[4]のいずれか一つに記載のポリアルジミン。
[6]水を放出する縮合反応での、式(III)の少なくとも1種のアミンと、式(IV)の少なくとも1種のアルデヒドとの反応であって、前記アルデヒドを、前記第一級アミノ基に対して化学量論的に又は化学量論的過剰に存在させた反応から得られる、上記[1]〜[5]のいずれか一つに記載の少なくとも1種のポリアルジミンを含有する反応生成物:
【化11】
[7]各Zは、式(II)のラジカルであり、及びRは、直鎖の又は分岐のデシル、ウンデシル、ドデシル、トリデシル及びテトラデシルラジカルから選択される、上記[1]〜[6]のいずれか一つに記載のポリアルジミンの混合物。
[8]イソシアネート基を含有する組成物のための潜在性硬化剤としての、上記[1]〜[7]のいずれか一つに記載の少なくとも1種のポリアルジミンの使用。
[9]前記イソシアネート基のいくつか又はすべては、4,4’−若しくは2,4’−若しくは2,2’−ジフェニルメタンジイソシアネート又はそれらの異性体の任意の混合物に由来することを特徴とする、上記[8]に記載の使用。
[10]以下を含む、組成物:
− 上記[1]〜[7]のいずれか一つに記載の少なくとも1種のポリアルジミン、及び
− 少なくとも1種のポリイソシアネート及び/又はイソシアネート基を含有する少なくとも1種のポリウレタンポリマー。
[11]イソシアネート基を含有する少なくとも1種のポリウレタンポリマーを含むことを特徴とする、上記[10]に記載の組成物。
[12]前記イソシアネート基のいくつか又はすべては、4,4’−若しくは2,4’−若しくは2,2’−ジフェニルメタンジイソシアネート又はこれらの異性体の任意の混合物に由来することを特徴とする、上記[11]に記載の組成物。
[13]触媒、充填材、可塑剤及び溶媒から選択される少なくとも1つのさらなる要素をさらに含むことを特徴とする、上記[10]〜[12]のいずれか一つに記載の組成物。
[14]一剤組成物であることを特徴とする、上記[10]〜[13]のいずれか一つに記載の組成物。
[15]接着剤又はシーラント又はコーティングであることを特徴とする、上記[10]〜[14]のいずれか一つに記載の組成物。