【課題を解決するための手段】
【0009】
発明の開示
本発明によれば、独立請求項の構成を有する、単結晶を引き上げるための方法およびプラントが提案される。有利な実施形態は、従属請求項および以下の説明の主題である。
【0010】
本発明の出発点は、多結晶が電磁融解装置によって融解され、その後再結晶化されるFZ法によって単結晶を引き上げる方法である。多結晶、すなわちここで製造されることとなる単結晶に適した材料は、特に、半導体材料、好ましくはシリコンである。材料はある程度の不純物またはドーパントを含んでもよいことが理解される。
【0011】
第1段階では、原則としてたとえば160mmの直径を有するロッドの形態である多結晶が、まず下(ロッド形状多結晶の鉛直方向配置の場合には重量に対して)端から融解装置によって融解される。ここで考えられる融解装置は、特に、インダクタまたは誘導コイルである。この場合、高周波励起によって、電磁エネルギがインダクタの近傍へ向かう多結晶へ結合され得る。
【0012】
前述の第1段階では、任意に浅い下方セクションを有する、原則としてその下端において円錐形である多結晶は、下降されインタクタの中央穴に持ち込まれ得る。多結晶へ結合される電磁エネルギの量を最大化するために、多結晶の下端を穴の縁部まで運ぶことが有用である。多結晶は、その後、下端において融解を開始し、はじめに多結晶から垂下する液体材料の液滴が形成される。
【0013】
その後、第2段階では、特に同様にロッド形状であり、たとえば約4〜7mmの直径を有する単結晶の核が、多結晶の下端、すなわち液体材料の液滴に付着され、その後好ましくは核の上端から融解される。核の融解は、一般的に、核の温度がすでに液体である材料の温度に調節されてはじめて始まる。核は、通常、その長さのある領域にわたって融解される。長さはたとえば5〜20mmの間であり得る。しかしながら、その下端におけるある領域は、このセクションが引上げ装置における固定のために少なくとも部分的に要求されるため、融解されないことが理解される。核の融解のために、核および多結晶は上方向に動かされる。これは、たとえば、核がインダクタの穴の方向に動かされることを意味する。この手順では、多結晶の下端に予備の核が形成される。これに関連する予備の核は、多結晶の下端における、より特定的にはプラグの形態領域であり、その上に核がその後付着する。
【0014】
第3段階では、その後、核の下方セクション(ここには、核がたとえば前述の引上げ装置に保持され得る)と多結晶(すなわち、依然として固体でありまだ融解されていない多結晶の部分)との間に、薄いネックセクションが形成される。薄いネックセクションの直径は核の直径よりも小さい。この薄いネックセクションは、たとえば多結晶上の液体材料への核の付着の結果として形成される転位を除去するために、形成される。ここで、薄いネックセクションの直径は、たとえば、2〜4mmの間であり得る。この薄いネックセクションを形成するために、核および多結晶は、核が所望の通りに融解された後で、再び下方向に動かされ得る。ここで核の下降速度を上げることによって、質量保存により、液体材料またはその後結晶化する材料のゾーンの直径が減少する。
【0015】
薄いネックセクションの後、単結晶の直径は、その後、たとえば約200mmの所望の直径に増加され、その後保持され得る。これらの段階は、後により詳細に取り扱われる。
【0016】
薄いネックセクションの形成に関して、言い換えれば第3段階の間において、融解装置によって固体材料へ結合されることとなる電磁エネルギが、約4mmの材料厚さ以下ではかろうじて材料へ取込みされるにすぎないという問題が生じる。この原因は、誘導電流のための自由経路長が短過ぎることである。
【0017】
これは、同様に、より迅速な結晶化、およびインダクタからの下側相境界の高さおよび/または距離の関連する変化、すなわち直径の変化、したがって取り込まれたエネルギの変化をもたらす。言い換えれば、インダクタからの下側相境界の距離は、制御されない態様で振動する傾向を始める。このほか、取り込まれたエネルギまたはパワーの量は、また、一般的に、核および多結晶の初期寸法などの他のパラメータ、および融解装置またはインダクタの寸法および配向にも依存する。結果として、特定の値または特定のプロファイルが融解装置の動力のために命じられたとき、この状況における所望の薄いネックセクションのターゲットとなる形成はほとんど可能ではない。したがって、上記方法の場合において最初に参照されたような2つの相境界の間の全体高さは、効率的な規制を行うために用いられ得る変数とならない。
【0018】
本発明によれば、その後、第3段階の前、特に第2段階の間における融解装置の動力は、液体材料と核の一部上の固体材料との間の下側相境界の位置に依存して少なくとも一時的に動的に適合される、すなわち動力は好適にはたとえば経時的に、位置に依存して変化または規制される。加えて、第3段階の間に、融解装置の動力は、液体材料と多結晶の一部上の固体材料との間の上側相境界の位置に依存して少なくとも部分的に動的に適合される。
【0019】
これに関して、規制変数としてそれに相関する相対位置または変数を用いること、および融解装置の動力を制御された変数として用いることが有用である。相対位置に相関する変数として適した変数は、好ましくは、特に融解装置上に位置する固定参照点からのそれぞれの相境界の距離である。周方向における相境界は一般に線形ではないため、たとえば捕捉可能な範囲にわたる平均化は、特にここで適している。これに関する参照点は、異なっていてもよいし同一であってもよい。これは、特に全体の動作が1つ以上のカメラによって記録される場合に、それぞれの相境界の位置を捕捉されやすくすることを可能にする。ここで、下側相境界のためには特に融解装置の下方に配置されたカメラが、上側相境界のためには特に融解装置の上方に配置されたカメラが有用である。カメラによって捕捉された画像は、その後、必要な位置または距離をそれぞれ得るために、(自動的に)対応して評価され得る。
【0020】
第2段階における核の融解の間において、材料の直径は十分に大きいため、電磁エネルギは迅速に結合され、結果として上記下側相境界の位置は融解装置の動力を決定するための良好な指標として用いられ得る。したがって、核(および多結晶)がずらされる(特に、核の融解の間に、持ち上げられる)所定速度において、融解装置の動力は、たとえば下側相境界の位置または参照点からのその距離が大部分で一定を維持するまたは予め決められた曲線に沿うように、動的に適合され得る。
【0021】
一方で、薄いネックセクションの形成の間、−述べられたように−小さい直径で、電磁エネルギが不完全にのみ材料へ結合され、結晶化速度が同様に急峻に変化し、それ故に下側相境界の位置が非常に急峻に変動するため、上記下側相境界の位置は、もはや融解装置の動力を決定するための良好な指標ではない。下側相境界の位置が長く融解装置の動力を適合するために用いられるほど、この効果は大きく増大し得る。
【0022】
一方で、上記上方相境界の位置は、薄いネックセクションの形成の間に融解装置の動力を決定するための良好な指標として機能する。これは、その点で、言い換えれば固体結晶の下端において、材料の直径が十分に大きく、電磁エネルギが良好に結合されるためである。言い換えれば、相境界の変化が制御されないということはない。
【0023】
この方法では、したがって、核の融解の間だけでなく、薄いネックセクションの形成の間においても、融解装置の動力の動的適合が可能である。動力の途切れない精密な調整または適合のために、下側相境界の位置に基づく変化が上方相境界の位置に直接的に基づいて行われる場合、有用である。この変化のタイミングとして、核および/または多結晶が鉛直方向に動かされる速度の増加の前の時点が特に適している。しかしながら、代替的には、移行を安定的に維持するために、2つの変数の使用のある一時的な重なりも考えられる。薄いネックセクションが核の融解の後に形成されることとなる場合、核および多結晶の移動方向の反転がまず必要とされる、すなわち二者は下降されなければならない。薄いネックセクションを形成するために、加えて−既に述べられたように−直径を減少させるためには、速度、より特定的には下降速度の上昇が必要である。動力が適合されることに基づく位置の変化が、この速度上昇の前、より特定的にはその直前に行われる場合、電磁エネルギがあまり取り込まれないことによって、動力が誤って適合されるというリスクはなくなる。
【0024】
FZ法のこれに関する第4段階では、円錐セクションが薄いネックセクションと多結晶との間に形成され得る。この種の円錐セクションは、直径を薄いネックセクションの直径から所望の直径まで広げるために役立つ。第4段階の間において、融解装置の動力は、好ましくは、円錐セクションの傾斜角度またはその変化を推測するために用いられ得る固有の変数に基づいて少なくとも一時的に動的に適合される。この種の固有の変数としては、特に、結晶化された材料の円錐セクションの傾斜角度、固体材料、液体材料および境界の間の三重点における円錐セクションの傾斜角度、円錐セクションの直径の変化、または下側相境界における円錐セクション(その点において、単結晶の円錐セクションと液体材料との間にすでに位置する)の直径が考えられ、後者の場合、用いられる規制構造の適合が場合によって必要とされ得る。動力の適合のための基準としてのこれらの変数の各々によって、所望の円錐の形態、言い換えれば、特に、所望の傾斜角度を達成することができる。(すでにその上に結晶化された材料を伴う)核および多結晶の下降速度が直径を増加させるために変化されなければならないということが理解される。特に、下降スピードの減少は、より多くの量の材料が結晶化可能であり、それ故に直径を増加させることを意味する。
【0025】
下側相境界の位置から上側相境界の位置までの場合のように、ここで、同様に、固有の変数に直接的に基づいて上側相境界の位置に基づく変化を行うことが有利である。この方法では、動力の途切れない適合が可能である。しかしながら、また、動力が上側相境界の位置に基づいておよび固有の変数に基づいて適合される間におけるある一時的な重なりが考えられる。
【0026】
この変化のタイミングとして、考えられる時点は、特に、上側相境界の位置の認識が、その後、予め決められた正確性未満でのみ可能であるというものである。円錐セクションの形成において、融解される多結晶の増加する直径は、ますます多くの多結晶の材料が融解される必要があるということを意味する。この場合、上側相境界、すなわち固体と液体シリコンとの間の境界は、急峻に規定されず、したがって、ある時点において、それに基づいて融解装置の動力を適合するために、この境界を決定するのに十分な正確性を有することはもはや不可能である。
【0027】
特に融解装置の下方に配置されるカメラが固有の変数を決定するために用いられる場合、同様に有用である。この目的のために、特に、下側相境界を捕捉するために既に用いられているカメラを用いることが可能である。カメラによって捕捉される画像は、その後、必要な変数を得るために対応して(自動で)評価され得る。
【0028】
本発明のさらなる主題は、本発明の方法を実施するために設置されるプラントである。この目的のためのプラントは、特に、たとえば既に複合的に述べられた種の融解装置と、好適な算術ユニットとを備え得る。算術ユニットは、個々の方法ステップを実施し、たとえばカメラを対応して駆動してそれらの画像を評価するために、対応して設置され得る。
【0029】
繰り返しを避けるため、さらなる実施形態およびプラントの利点に関して、本発明の方法に関する上記の説明が参照される。
【0030】
本発明のさらなる利点および実施形態は、説明および添付の図面から明らかである。
上記に示される構成および本明細書で明らかにされることとなるものは、示唆される特定の組み合わせにおいてのみならず、本発明の範囲から逸脱することなく、他の組み合わせまたはそれら自体において用いられ得ることが理解される。
【0031】
本発明は、例示の実施形態による図面に概略的に示され、図面を参照して以下に説明される。