【実施例】
【0052】
[実施例1]
ガラス板としては、最小曲率半径1500mm、縦150mm、横150mm、厚さ1mmのソーダライムガラスを用意した。このガラス板は、円筒体の一部で構成され、X方向に垂直な断面視で湾曲しており、Y方向に垂直な断面視で平らであった。このガラス板は、上面と端面の境界および下面と端面の境界のそれぞれに、面取り角度が45°、面取り幅が0.1mmの平面形状の面取り部を有するものであった。ここで、面取り角度とは、上面または下面の延長面と面取り部とのなす角度を意味する。また、面取り幅とは、上面または下面の外縁から、上面または下面の延長面と端面の延長面との交点までの距離とし、面取り部の寸法を意味する。
【0053】
回転ブラシとしては、円柱状の回転芯と、回転芯の外周部に設けられるブラシ毛とで構成されるものを用意した。ブラシ毛は、材料がナイロン66、平均直径が200μm、平均長さが20mmであった。回転ブラシの直径は150mmであった。
【0054】
研磨工程では、回転ブラシの中心線を中心に回転ブラシを900rpmの回転数で回転させながら、ガラス板の上面を回転ブラシにより5μm研磨した。研磨中、ガラス板は、台座に真空吸着させることで、その上面を上に凹の曲面に維持した。研磨中、回転ブラシには、酸化セリウム粒子を含むスラリーを供給した。
【0055】
研磨工程では、X方向に垂直な断面視で、回転ブラシの中心線をガラス板の上面に沿って1mm/secの移動速度で移動させた。移動の間、回転ブラシの中心線とガラス板の上面との距離は、一定の値(回転ブラシの半径よりも6mm短い値)に設定した。
【0056】
研磨工程では、X方向に、台座を揺動させることで、ガラス板を揺動させた。揺動速度の大きさは15mm/sec、揺動振幅は13mmとした。尚、台座の旋回は、行わなかった。以上によりガラス板Aを得た。
【0057】
研磨の後、洗浄や乾燥などを行い、ガラス板の研磨面の算術平均高さ(Sa)および算術平均うねり(Wa)を白色干渉式平坦度計により測定した。測定範囲は、ガラス板の中央部における3.6mm角の範囲とした。
【0058】
ガラス板の算術平均高さ(Sa)は、7nmであった。また、ガラス板の算術平均うねり(Wa)は、最小値(Wa
min)が2.8nm、最大値(Wa
max)が5.1nm、その比(Wa
max/Wa
min)が1.8であった。
【0059】
5μm研磨するために要した時間は25分であった。最大径が7μm以上であり、且つ深さまたは高さが1μm以上である欠点は、ガラス板の研磨面に全く認められなかった。
【0060】
図4は、実施例1により得られる研磨後のガラス板の端部を示す図である。
図4に示す研磨後のガラス板10Bでは、面取り部の形状が平面形状を保っていた。平均直径が200mmのブラシ毛がガラス板の面取り部に加える応力が小さいためと推定される。
【0061】
[比較例1]
比較例1では、ブラシ毛の平均直径を400μmとし、且つ、台座の揺動を行わない以外、実施例1と同様にガラス板の研磨を行い、ガラス板Bを得た。
【0062】
実験の結果、ガラス板の算術平均高さ(Sa)は、70nmであった。また、ガラス板の算術平均うねり(Wa)は、最小値(Wa
min)が4nm、最大値(Wa
max)が100nm、その比(Wa
max/Wa
min)が25であった。
【0063】
5μm研磨するために要した時間は25分であった。最大径が7μm以上であり、且つ深さまたは高さが1μm以上である欠点は、10000mm
2当たり10個、ガラス板の研磨面に認められた。
【0064】
[比較例2]
比較例2では実施例1と同じガラスを用意し、
図5のように研磨パッド120でガラス板110の曲面111を研磨した。研磨ヘッド121は径がφ60mmの円形のSUS304製の台金を用意し、研磨ヘッド121の先端にポリウレタン製の研磨パッド120を取り付けた。研磨パッド120はガラス板110と接する面に10mmピッチで格子状に溝を切ってあるものを使用した。
【0065】
研磨工程では研磨パッド120を150rpmで回転させながら150g/cm
2の圧力でガラス板110に押しつけた。研磨中、ガラス板110は台座130に真空吸着させることで、その上面を上に凹の曲面111に維持した。研磨パッド120には酸化セリウム粒子を含むスラリーを供給した。研磨パッド120はガラス板110の上を60mm/分の速度でX方向及びY方向に動かし、曲面111の全面を5μm研磨した。研磨に要した時間は300分であった。以上よりガラス板Cを得た。
【0066】
実験の結果、ガラス板110の研磨面の算術平均高さ(Sa)は、1.6nmであった。また、ガラス板110の研磨面の算術平均うねり(Wa)は、最小値(Wa
min)が1.5nm、最大値(Wa
max)が2nm、その比(Wa
max/Wa
min)が1.3であった。最大径が7μm以上であり、且つ深さまたは高さが1μm以上である欠点は、ガラス板110の研磨面に認められなかった。
【0067】
図6は、比較例2により得られる研磨後のガラス板の端部を示す図である。
図6に示す研磨後のガラス板110Aでは、面取り部の形状が平面形状を保っておらず、曲面形状になっていた。研磨パッドがガラス板110Aの面取り部に当接する際の応力が大きいためと推定される。
【0068】
以上より得られたガラス板A〜Cを表示装置のカバーガラスとして用いたときの、画像視認性を確認した。ガラス板A〜Cの研磨面の反対面に、OCAテープ(日栄化工社製「MHM−FWD」)を積層し、これらそれぞれのガラス板と表示パネルとしての液晶パネルとを貼合し、バックライト等とも組合せ、表示装置を作製した。ガラス板Aを用いた表示装置では、ガラス板Aを通して液晶パネル上の画像を視認すると、画像に歪み、うねり、ちらつきなど認められなかった。これは算術平均うねりの比Wa
max/Wa
minが1.8と小さいため画像の歪み、うねりが低減されたと考えられる。また算術平均高さSaが7nmと小さいため画像のちらつきが抑制されたと考えられる。ガラス板Bを用いた表示装置では、部分的に画像がうねり、ちらつきによる画像のボケが認められた。これはWa
max/Wa
minが25と大きく画像が歪み、Saが70nmと大きいため画像のちらつきがみられたと考えられる。ガラス板Cを用いた表示装置では、ガラス板Cの中央部ではガラス板Aと同等の視認性であったが、面取り部も研磨されたため、ガラス板Cの周縁部も画像が視認できるが、その画像が歪んで見えた。これはWa
max/Wa
minやSaが小さくなった一方で、周縁部が
図6のように面取り部が曲面形状となり、ガラス板Cの中央部と周縁部とで視認性が異なり、周縁部において画像が歪んで見えるためである。よって、ガラス板Aは表示装置に使用するカバーガラスとして適していることが分かった。
【0069】
以上から本実施形態の研磨方法により、短時間で欠点が少ないガラス板が得られた。
【0070】
<変形例>
以上、ガラス板の製造方法の実施形態などを説明したが、本発明は上記実施形態などに限定されず、特許請求の範囲に記載された本発明の要旨の範囲内において、種々の変形、改良が可能である。
【0071】
ガラス板は、研磨前に、面取り部を外周端部に有していなくてもよいが、面取り部を外周端部に有していることが好ましい。研磨時に、外周端部の欠けを抑制できる。面取り部の形状は、研磨前に、曲面形状であってもよいが、平面形状であることが好ましい。研磨の前後で面取り部の寸法変動が小さい。平面形状の面取り部の面取り角度は、例えば40〜50°である。
また、ガラス板を台座に吸着させる等で外力をかけ、小さな曲率半径のガラス板の曲率半径を大きくさせ、研磨を実施してもよい。
【0072】
また、本実施形態の回転ブラシは、曲率半径が10000mm超である平面をも研磨できる。このため、研磨面に曲面と平面の両者を有するガラス板について、回転ブラシを研磨面に対する相対位置を変化させ同時に研磨できる。また、研磨面に凹面と凸面の両者を有するガラス板についても同様に同時に研磨できる。この際、回転芯の最小半径を研磨面の凹面における最小曲率半径以下とすることが好ましい。また
図1におけるY軸方向だけでなく、X軸方向も曲面となる複曲面についても研磨できる。
本実施形態によれば大型の曲面形状を有するガラス板を研磨できる点で優れている。従来の研磨法によれば、部分ごとに研磨する必要があるため均一性にバラつきがでる。本実施形態によれば回転ブラシなどのサイズを調整するだけで様々なサイズの曲面形状を有するガラス板を均一に研磨できる。
【0073】
本実施形態で得られたガラス板の表面は平滑であることが好ましい。例えば、算術平均粗さRaが視認性・触感等の観点から0.2nm〜50nmであることが好ましい。二乗平均平方根粗さRqがざらつきと指すべり性の観点から0.3〜100nmであることが好ましい。最大高さ粗さRzがざらつきと指すべり性の観点から0.5〜100nmであることが好ましい。最大断面高さ粗さRtがざらつきと指すべり性の観点から1〜500nmであることが好ましい。最大山高さ粗さRpがざらつきと指すべり性の観点から0.3〜500nmであることが好ましい。最大谷深さ粗さRvがざらつきと指すべり性の観点から0.3〜500nmであることが好ましい。平均長さ粗さRsmがざらつきと指すべり性の観点から0.3〜100nmであることが好ましい。クルトシス粗さRkuが触感の観点で1以上3以下が好ましい。スキューネス粗さRskが視認性、触感などの均一性の観点から−1以上1以下が好ましい。
【0074】
本実施形態で得られたガラス板については、研磨前後に様々な処理を実施してもよい。前記の通り、研削砥石や酸を使用した面取り処理は研磨処理前に実施してもよく、研磨後に実施してもよく、前後両方で実施してもよい。また、研磨前後に表面処理を実施し、表面処理層を形成してもよく、具体的には、エッチングや成膜による防眩処理層、反射防止処理層、耐指紋剤などによる防汚処理層、防曇処理層などが挙げられる。表面処理後に研磨処理を実施する場合には、未処理面のみを研磨する。研磨処理後に表面処理を行う場合には、少なくとも一歩の面のみ研磨すればよいが、両面研磨することが好ましい。これにより表面状態が均一となったガラス板が得られ、所望の特性を有する表面処理を実施しやすい。研磨処理前後にガラス板の強化処理を実施してよく、化学強化処理が好ましい。研磨処理後に化学強化を行うことでガラス板面内に均一な強化を入れられる。研磨処理前に化学強化を行うことでガラス板表面にできた強化の傷を除去できる。よって、状況により化学強化処理前後両方で研磨処理を実施してもよい。さらに研磨処理前後に加飾印刷などの印刷処理を実施してよい。これらに限らず、様々な処理を実施でき、処理の順序は適宜決めればよい。
【0075】
ガラス板の組成は、化学強化処理を実施しない場合には例えば、無アルカリガラス、ソーダライムガラスが、化学強化処理を行う場合には、例えば、ソーダライムガラス、ソーダライムシリケートガラス、アルミノシリケートガラス、ボレートガラス、リチウムアルミノシリケートガラス、ホウ珪酸ガラスが挙げられる。厚みが薄くても強化処理によって大きな応力が入りやすく薄くても高強度なガラスが得られ、画像表示装置のカバーガラスとして好適である点から、アルミノシリケートガラスが好ましい。
【0076】
ガラス組成の具体例としては、モル%で表示した組成で、SiO
2を50〜80%、Al
2O
3を0.1〜25%、Li
2O+Na
2O+K
2Oを3〜30%、MgOを0〜25%、CaOを0〜25%およびZrO
2を0〜5%含むガラスが挙げられるが、特に限定されない。より具体的には、以下のガラスの組成が挙げられる。なお、例えば、「MgOを0〜25%含む」とは、MgOは必須ではないが25%まで含んでもよい、の意である。(i)のガラスはソーダライムシリケートガラスに含まれ、(ii)および(iii)のガラスはアルミノシリケートガラスに含まれる。
(i)モル%で表示した組成で、SiO
2を63〜73%、Al
2O
3を0.1〜5.2%、Na
2Oを10〜16%、K
2Oを0〜1.5%、Li
2Oを0〜5.0%、MgOを5〜13%及びCaOを4〜10%を含むガラス。
(ii)モル%で表示した組成が、SiO
2を50〜74%、Al
2O
3を1〜10%、Na
2Oを6〜14%、K
2Oを3〜11%、Li
2Oを0〜5.0%、MgOを2〜15%、CaOを0〜6%およびZrO
2を0〜5%含有し、SiO
2およびAl
2O
3の含有量の合計が75%以下、Na
2OおよびK
2Oの含有量の合計が12〜25%、MgOおよびCaOの含有量の合計が7〜15%であるガラス。
(iii)モル%で表示した組成が、SiO
2を68〜80%、Al
2O
3を4〜10%、Na
2Oを5〜15%、K
2Oを0〜1%、Li
2Oを0〜5.0%、MgOを4〜15%およびZrO
2を0〜1%含有するガラス。
(iv)モル%で表示した組成が、SiO
2を67〜75%、Al
2O
3を0〜4%、Na
2Oを7〜15%、K
2Oを1〜9%、Li
2Oを0〜5.0%、MgOを6〜14%およびZrO
2を0〜1.5%含有し、SiO
2およびAl
2O
3の含有量の合計が71〜75%、Na
2OおよびK
2Oの含有量の合計が12〜20%であり、CaOを含有する場合その含有量が1%未満であるガラス。
【0077】
ガラスは、化学強化処理を適切に行うため、そのガラス組成におけるLi
2OとNa
2Oの含有量の合計が12モル%以上であることが好ましい。さらに、ガラス組成におけるLi
2Oの含有率が増加するにしたがって、ガラス転移点が下がり、成形が容易となるため、Li
2Oの含有率を0.5モル%以上とすることが好ましく、1.0モル%以上とすることがより好ましく、2.0モル%以上とすることがさらに好ましい。さらに、表面圧縮応力(Compressive Stress: CS)および圧縮応力層深さ(Depth of Layer: DOL)を大きくするため、ガラス組成がSiO
2を60モル%以上、Al
2O
3を8モル%以上含有することが好ましい。
化学強化処理したガラスは、CSの最大値が400MPa以上であり、500MPa以上が好ましく、600MPa以上がより好ましい。DOLは10μm以上である。これによりCSおよびDOLを当該範囲とすることにより、ガラス主面に優れた強度と耐擦傷性を付与できる。
【0078】
化学強化処理は、ガラス転移点以下の温度でイオン交換によりガラス表面のイオン半径が小さなアルカリ金属イオン(典型的には、Naイオン)を、イオン半径のより大きなアルカリ金属イオン(典型的には、Kイオン)に交換することで、ガラス表面に圧縮応力層を形成する処理である。化学強化処理は従来公知の方法によって実施でき、一般的には硝酸カリウム溶融塩にガラスを浸漬する。また溶融塩として硝酸カリウムと炭酸カリウムの混合塩を使用でき、混合塩100質量部に対し炭酸カリウムを5〜10質量部含まれていることが好ましい。これによりガラスの表層のクラックなどを除去でき高強度のガラスが得られる。化学強化時に硝酸カリウムに硝酸銀などの銀成分を混合することで、ガラスがイオン交換され銀イオンを表面に有し抗菌性を付与できる。
【0079】
曲面形状を有するガラス板は、平板状のガラス板から所定の形状に成形することが好ましい。例えば平板状のガラス板として板ガラスを選択した場合、使用する成形法としては、自重成形法、真空成形法、プレス成形法から、成形後のガラスによる所望の曲面形状に応じて所望の成形法を選択すればよい。
自重成形法は、成形後の曲面形状に応じた所定の金型上に板ガラスを設置した後、板ガラスを軟化させて、重力により板ガラスを曲げて金型になじませて、所定の形状に成形する方法である。
【0080】
真空成形法は、板ガラスを軟化させた状態で板ガラスの表裏面に差圧を与えて、板ガラスを曲げて金型になじませて、所定の形状に成形する方法である。真空成形法では、成形後の曲面形状に応じた所定の金型上に板ガラスを設置し、板ガラス上にクランプ金型を設置し、板ガラスの周辺をシールした後、金型と板ガラスとの空間をポンプで減圧することにより、板ガラスの表裏面に差圧を与える。この際に、補助的に、板ガラスの上面側を加圧してもよい。
【0081】
プレス成形は、成形後の曲面形状に応じた所定の金型(下型、上型)間に板ガラスを設置し、板ガラスを軟化させた状態で、上下の金型間にプレス荷重を加えて、板ガラスを曲げて金型になじませて、所定の形状に成形する方法である。
これらのうち真空成形法は、曲面形状に成形する方法として優れており、ガラス板の二つの主面のうち、一方の主面は成形型と接触せずに成形できるため、傷、へこみなどの凹凸状欠点を減らせる。
なお、他に、局所加熱成形法、真空成形法と異なる差圧成形法なども使用でき、成形後の曲面形状を有するガラス板に応じて、適切な成形法を選択すればよく、2種以上の成形法を併用してもよい。
成形後のガラス板について再加熱(アニール処理)して残留応力を緩和させる処理を実施してもよい。
また、使用する平板状のガラス板には、エッチング処理層やウェットコートやドライコートによるコーティング層などを有する基材を用いてもよい。
【0082】
本実施形態のガラス板の用途としては、特に限定されない。具体例としては、車両用透明部品(ヘッドライトカバー、サイドミラー、フロント透明基板、サイド透明基板、リア透明基板、インスツルメントパネル表面等。) 、メータ、建築窓、ショーウインドウ、建築用内装部材、建築用外装部材、ディスプレイ(ノート型パソコン、モニタ、LCD、PDP、ELD、CRT、PDA等)、LCDカラーフィルタ、タッチパネル用基板、ピックアップレンズ、光学レンズ、眼鏡レンズ、カメラ部品、ビデオ部品、CCD用カバー基板、光ファイバ端面、プロジェクタ部品、複写機部品、太陽電池用透明基板(カバーガラス等。)、携帯電話窓、バックライトユニット部品(導光板、冷陰極管等。)、バックライトユニット部品液晶輝度向上フィルム(プリズム、半透過フィルム等。)、液晶輝度向上フィルム、有機EL発光素子部品、無機EL発光素子部品、蛍光体発光素子部品、光学フィルタ、光学部品の端面、照明ランプ、照明器具のカバー、増幅レーザ光源、反射防止フィルム、偏光フィルム、農業用フィルム等が挙げられる。
【0083】
本発明の物品は、本実施形態のガラス板を備える。
本発明の物品は、本実施形態のガラス板からなるものでもよく、本実施形態のガラス板以外の他の部材をさらに備えるものでもよい。
本発明の物品の例としては、前記でガラス板の用途として挙げたもの、それらのいずれか1種以上を備える装置、等が挙げられる。
装置としては、例えば画像表示装置、照明装置、太陽電池モジュール等が挙げられる。
本発明の物品は、均一な視認性等の光学特性の点で、画像表示装置であることが好ましい。特に、大型の曲面形状を有するガラス板が求められる、液晶パネルや有機ELパネルなどの表示パネルが貼合された表示装置に適しており、さらに複雑な曲面形状を備える車載用表示装置に適している。これにより複雑な曲面形状を備えているガラス板であっても均一に研磨でき、均一な視認性が確保できる。
【0084】
本出願は、2015年6月12日に日本国特許庁に出願された特願2015−118863号に基づく優先権を主張するものであり、特願2015−118863号の全内容を本出願に援用する。