特許第6881353号(P6881353)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6881353有機基変性有機ケイ素樹脂及びその製造方法、ならびに化粧料
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6881353
(24)【登録日】2021年5月10日
(45)【発行日】2021年6月2日
(54)【発明の名称】有機基変性有機ケイ素樹脂及びその製造方法、ならびに化粧料
(51)【国際特許分類】
   A61K 8/894 20060101AFI20210524BHJP
   C08G 77/04 20060101ALI20210524BHJP
   A61Q 19/00 20060101ALI20210524BHJP
   A61Q 17/04 20060101ALI20210524BHJP
   A61Q 1/12 20060101ALI20210524BHJP
   A61Q 1/06 20060101ALI20210524BHJP
   A61Q 1/08 20060101ALI20210524BHJP
   A61Q 3/00 20060101ALI20210524BHJP
   A61Q 5/00 20060101ALI20210524BHJP
   A61Q 15/00 20060101ALI20210524BHJP
   A61Q 1/10 20060101ALI20210524BHJP
【FI】
   A61K8/894
   C08G77/04
   A61Q19/00
   A61Q17/04
   A61Q1/12
   A61Q1/06
   A61Q1/08
   A61Q3/00
   A61Q5/00
   A61Q15/00
   A61Q1/10
【請求項の数】6
【全頁数】46
(21)【出願番号】特願2018-40303(P2018-40303)
(22)【出願日】2018年3月7日
(65)【公開番号】特開2019-85388(P2019-85388A)
(43)【公開日】2019年6月6日
【審査請求日】2020年1月23日
(31)【優先権主張番号】特願2017-53099(P2017-53099)
(32)【優先日】2017年3月17日
(33)【優先権主張国】JP
(31)【優先権主張番号】特願2017-230439(P2017-230439)
(32)【優先日】2017年11月30日
(33)【優先権主張国】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000002060
【氏名又は名称】信越化学工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002240
【氏名又は名称】特許業務法人英明国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】安部 拓矢
(72)【発明者】
【氏名】小西 将幸
(72)【発明者】
【氏名】早川 知宏
(72)【発明者】
【氏名】亀井 正直
【審査官】 田中 雅之
(56)【参考文献】
【文献】 特表2012−524039(JP,A)
【文献】 特開平08−239475(JP,A)
【文献】 特開平08−319351(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61K 8/00− 8/99
A61Q 1/00−90/00
C08G 77/00−77/62
CAplus/REGISTRY(STN)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
下記平均組成式(1)で表される25℃で固形状又は液状である有機基変性有機ケイ素樹脂。
【化1】
[式中、R1は同一又は異種の炭素数1〜30のアルキル基、アリール基、アラルキル基、又はこれらのハロゲン置換基、アミノ置換基もしくはカルボキシル置換基であり、R2は同一又は異種の下記一般式(2)
【化2】
(式中、R4は非置換もしくは置換1価炭化水素基又は水素原子であり、l、g及びhは、0≦l≦15、0≦g≦200、0≦h≦200、8≦g+h≦200を満たす整数である。)
で表されるポリオキシアルキレン基、又はR1であり、少なくとも1つは上記一般式(2)で表されるポリオキシアルキレン基であり、R3は同一又は異種の下記一般式(3)、一般式(4)、一般式(5)又は一般式(6)
【化3】
(式中、R1は同一又は異種の炭素数1〜30のアルキル基、アリール基、アラルキル基、又はこれらのハロゲン置換基、アミノ置換基もしくはカルボキシル置換基であり、m、i及びj1〜3は、0≦m≦5、0≦i≦500、0≦j1≦2、0≦j2≦2、0≦j3≦2を満たす整数である。)
で表される基、又はR1であり、少なくとも1つは上記一般式(3)、一般式(4)、一般式(5)又は一般式(6)で表される基であり、a、b、c、d、e、fは、0≦a≦400、0<b≦200、0c≦400、0≦d≦320、0≦e≦320、0<f≦1,000、0.5≦(a+b+c)/f≦1.5を満たす数である。]
【請求項2】
重量平均分子量が、1,000〜100,000である請求項1記載の有機基変性有機ケイ素樹脂。
【請求項3】
グリフィン法により算出されたHLBが、0.1〜15である請求項1又は2記載の有機基変性有機ケイ素樹脂。
【請求項4】
上記平均組成式(1)中において、1≦c≦400、0.3≦c/b≦100であり、R3が少なくとも一般式(3)で表される基を含み、上記一般式(3)において、0<i≦500であり、グリフィン法により算出されたHLBが0.1〜5.5である請求項1〜3のいずれか1項記載の有機基変性有機ケイ素樹脂。
【請求項5】
下記平均組成式(7)
【化4】
(式中、R1は同一又は異種の炭素数1〜30のアルキル基、アリール基、アラルキル基、又はこれらのハロゲン置換基、アミノ置換基もしくはカルボキシル置換基であり、a、b、c、d、e、fは、0≦a≦400、0<b≦200、0c≦400、0≦d≦320、0≦e≦320、0<f≦1,000、0.5≦(a+b+c)/f≦1.5を満たす数であり、nは1≦n≦3の整数である。)
で表される、25℃で固形状又は液状であるヒドロシリル基含有有機ケイ素樹脂と、下記一般式(8)、(9)、(10)、(11)及び(12)
【化5】
(式中、R4は非置換又は置換1価炭化水素基又は水素原子であり、l、g及びhは、0≦l≦15、0≦g≦200、0≦h≦200、8≦g+h≦200を満たす整数であり、m、i及びj1〜3は、0≦m≦5、0≦i≦500、0≦j1≦2、0≦j2≦2、0≦j3≦2を満たす整数である。)
で表されるアルケニル基を末端に有する化合物から選ばれ、一般式(8)で表される化合物を含む1種以上の化合物とのヒドロシリル化反応工程を含む、請求項1〜3のいずれか1項記載の有機基変性有機ケイ素樹脂を製造する製造方法。
【請求項6】
請求項1〜4のいずれか1項記載の有機基変性有機ケイ素樹脂を含有する化粧料。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は有機基変性有機ケイ素樹脂に関し、特に新規な有機基変性有機ケイ素樹脂及びそれを含有してなる化粧料に関する。なお、本発明では化粧料用の組成物(化粧料組成物)を単に化粧料と記載することがある。
【背景技術】
【0002】
従来、化粧料においては皮膚の保護効果を持続させる目的で、シリコーン油を配合して撥水性を高くすることが行なわれている。油中水型乳化組成物においては、さっぱりとしてべたつきが少なく、撥水性の良いものを得るために油剤としてシリコーン油が使用されているが、このシリコーン油を含有する油中水型乳化物においては、ポリオキシアルキレン変性オルガノポリシロキサン等の乳化剤を用いて油中水型乳化物を作製する技術(特許文献1:特開昭61−293903号公報)や、シリコーンとの相溶性をさらに高めたシリコーン分岐型ポリエーテル変性シリコーンを用いる技術が知られている(特許文献2:特開2002−179548号公報)。しかし、これら直鎖型のシリコーン活性剤単独では高含水の乳化物を作製することが困難であり、安定化のために高配合した場合はみずみずしい使用感が得られ難い。
【0003】
一方、メイクアップやサンスクリーン化粧料は、日常生活において使用する上で、化粧持ちが良い化粧料の開発が望まれているが、皮膚から分泌される汗や皮脂による化粧崩れやコップ等への二次付着による色移りが課題であった。その課題解決に向けて、耐水性・耐皮脂性・撥水性・皮膜形成性を有する有機ケイ素樹脂が利用されてきた。
【0004】
有機ケイ素樹脂は、Q単位(SiO4/2)やT単位(RSiO3/2)(Rは、例えば一価の有機基である)のケイ素を必須成分とした三次元構造体である。従来、耐候性・耐熱性・撥水性・電気絶縁性といった特徴を示すことから、感圧接着剤・ゴムパウンド・離型剤・コーティング剤等の中間原料として応用されてきた。近年では、一部の有機ケイ素樹脂に皮膜形成性があることから、ファンデーション、口紅、アイシャドウ、クリーム、乳液、頭髪用化粧品等の化粧品用原料としての需要が増加している。例えば、環状シリコーンに溶解した有機ケイ素樹脂を化粧料に配合する技術が知られている(特許文献3:特開平9−143029号公報)。しかし、トリメチルシロキシケイ酸は乳化性能がない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開昭61−293903号公報
【特許文献2】特開2002−179548号公報
【特許文献3】特開平9−143029号公報
【特許文献4】米国特許第5225509号明細書
【特許文献5】特開平7−330907号公報
【特許文献6】国際公開第2000/05588号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は上記事情に鑑みなされたもので、化粧料に配合した場合、使用感が良好で、高内水相で、経時安定性が良好な乳化物の作製が可能な有機基変性有機ケイ素樹脂及びその製造方法、ならびに有機基変性有機ケイ素樹脂を含有する化粧料を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明者らは、上記目的を達成するため鋭意検討した結果、平均組成式(1)で表される有機基変性有機ケイ素樹脂が界面活性能を有しており、乳化剤として化粧料に配合することで、感触・経時安定性が非常に良好な化粧料の作製が可能であることを知見した。また、驚くべきことに上記に挙げた有機基変性有機ケイ素樹脂を油中水型の乳化剤として得られた乳化物は、ポリエーテル変性直鎖オルガノシロキサンのような界面活性剤を用いた場合と比較して、高含水で大きな粒子径のエマルジョンが得られ、瑞々しく軽い感触であり、さらに、乳化物は経時安定性が良好であることを知見し、本発明をなすに至ったものである。
【0008】
従って、本発明は下記発明を提供する。
[1].下記平均組成式(1)で表される25℃で固形状又は液状である有機基変性有機ケイ素樹脂。
【化1】
[式中、R1は同一又は異種の炭素数1〜30のアルキル基、アリール基、アラルキル基、又はこれらのハロゲン置換基、アミノ置換基もしくはカルボキシル置換基であり、R2は同一又は異種の下記一般式(2)
【化2】
(式中、R4は非置換もしくは置換1価炭化水素基又は水素原子であり、l、g及びhは、0≦l≦15、0≦g≦200、0≦h≦200、8≦g+h≦200を満たす整数である。)
で表されるポリオキシアルキレン基、又はR1であり、少なくとも1つは上記一般式(2)で表されるポリオキシアルキレン基であり、R3は同一又は異種の下記一般式(3)、一般式(4)、一般式(5)又は一般式(6)
【化3】
(式中、R1は同一又は異種の炭素数1〜30のアルキル基、アリール基、アラルキル基、又はこれらのハロゲン置換基、アミノ置換基もしくはカルボキシル置換基であり、m、i及びj1〜3は、0≦m≦5、0≦i≦500、0≦j1≦2、0≦j2≦2、0≦j3≦2を満たす整数である。)
で表される基、又はR1であり、少なくとも1つは上記一般式(3)、一般式(4)、一般式(5)又は一般式(6)で表される基であり、a、b、c、d、e、fは、0≦a≦400、0<b≦200、0≦c≦400、0≦d≦320、0≦e≦320、0<f≦1,000、0.5≦(a+b+c)/f≦1.5を満たす数である。]
[2].重量平均分子量が、1,000〜100,000である[1]記載の有機基変性有機ケイ素樹脂。
[3].グリフィン法により算出されたHLBが、0.1〜15である[1]又は[2]記載の有機基変性有機ケイ素樹脂。
[4].上記平均組成式(1)中において、1≦c≦400、0.3≦c/b≦100であり、R3が少なくとも一般式(3)で表される基を含み、上記一般式(3)において、0<i≦500であり、グリフィン法により算出されたHLBが0.1〜5.5である[1]〜[3]のいずれかに記載の有機基変性有機ケイ素樹脂。
[5].下記平均組成式(7)
【化4】
(式中、R1は同一又は異種の炭素数1〜30のアルキル基、アリール基、アラルキル基、又はこれらのハロゲン置換基、アミノ置換基もしくはカルボキシル置換基であり、a、b、c、d、e、fは、0≦a≦400、0<b≦200、0≦c≦400、0≦d≦320、0≦e≦320、0<f≦1,000、0.5≦(a+b+c)/f≦1.5を満たす数であり、nは1≦n≦3の整数である。)
で表される、25℃で固形状又は液状であるヒドロシリル基含有有機ケイ素樹脂と、下記一般式(8)、(9)、(10)、(11)及び(12)
【化5】
(式中、R4は非置換又は置換1価炭化水素基又は水素原子であり、l、g及びhは、0≦l≦15、0≦g≦200、0≦h≦200、8≦g+h≦200を満たす整数であり、m、i及びj1〜3は、0≦m≦5、0≦i≦500、0≦j1≦2、0≦j2≦2、0≦j3≦2を満たす整数である。)
で表されるアルケニル基を末端に有する化合物から選ばれ、一般式(8)で表される化合物を含む1種以上の化合物とのヒドロシリル化反応工程を含む、請求項1〜3のいずれか1項記載の有機基変性有機ケイ素樹脂を製造する製造方法。
[6].[1]〜[4]のいずれかに記載の有機基変性有機ケイ素樹脂を含有する化粧料。
【発明の効果】
【0009】
化粧料に配合した場合、使用感が良好で、高含水で経時安定性が良好な乳化物の作製が可能な有機基変性有機ケイ素樹脂及びその製造方法、ならびに有機基変性有機ケイ素樹脂を含有する化粧料を提供することができる。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明について詳細に説明する。
本発明の有機基変性有機ケイ素樹脂は、下記平均組成式(1)で表される25℃で固形状又は液状であるものである。
【化6】
[式中、R1は同一又は異種の炭素数1〜30のアルキル基、アリール基、アラルキル基、又はこれらのハロゲン置換基、アミノ置換基もしくはカルボキシル基置換基であり、R2は同一又は異種の下記一般式(2)
【化7】
(式中、R4は非置換もしくは置換1価炭化水素基又は水素原子であり、l、g及びhは、0≦l≦15、0≦g≦200、0≦h≦200、8≦g+h≦200を満たす整数である。)
で表されるポリオキシアルキレン基、又はR1であり、少なくとも1つは上記一般式(2)で表されるポリオキシアルキレン基であり、R3は同一又は異種の下記一般式(3)、一般式(4)、一般式(5)又は一般式(6)
【化8】
(式中、R1は上記と同じであり、m、i及びj1〜3は、0≦m≦5、0≦i≦500、0≦j1≦2、0≦j2≦2、0≦j3≦2を満たす整数である。)
で表される基、又はR1であり、少なくとも1つは上記一般式(3)、一般式(4)、一般式(5)又は一般式(6)で表される基であり、a、b、c、d、e、fは、0≦a≦400、0<b≦200、0≦c≦400、0≦d≦320、0≦e≦320、0<f≦1,000、0.5≦(a+b+c)/f≦1.5を満たす数である。]
【0011】
上記式中、R1は同一又は異種の炭素数1〜30のアルキル基、アリール基、アラルキル基、又はこれらのハロゲン置換、アミノ置換もしくはカルボキシル置換基である。中でも、好ましくは炭素数1〜10のアルキル基、アリール基、アラルキル基、フッ素置換アルキル基、クロロ置換アルキル基、アミノ置換アルキル基、カルボキシル置換アルキル基が好ましい。より具体的には、メチル基,エチル基,プロピル基,ブチル基,ペンチル基、シクロペンチル基,シクロヘキシル基,フェニル基、トリル基等、トリフルオロプロピル基,ヘプタデカフルオロデシル基,クロロプロピル基,クロロフェニル基等を挙げることができる。炭素数1〜5のアルキル基、フェニル基又はトリフルオロプロピル基がさらに好ましい。
【0012】
aは0≦a≦400であり、好ましくは1≦a≦100、さらに好ましくは1≦a≦50である。aが400より大きいと親水性に乏しくなるため、安定な乳化物を得ることが難しい。bは0<b≦200であり、1≦b≦100が好ましく、1≦b≦50がさらに好ましい。bが200より大きいと親水性が高くなりすぎるため、安定性に欠ける。cは0≦c≦400であり、1≦c≦100が好ましく、1≦c≦50がさらに好ましい。cが400より大きいと親水性に乏しくなるため、同様に安定性に欠ける。また、cが0の場合、エステル油や炭化水素油を併用するような混合油剤系の場合、乳化力が劣り安定な乳化物を得ることが難しくなるおそれがあるため、0<cが好ましい。dは、0≦d≦320であり、eは、0≦e≦320であり、fは0<f≦1,000であり、0.5≦(a+b+c)/f≦1.5、好ましくは0.7≦(a+b+c)/f≦1.2を満たす数である。
【0013】
2は同一又は異種の下記一般式(2)
【化9】
(式中、R4は非置換又は置換1価炭化水素基又は水素原子であり、l、g及びhは、0≦l≦15、0≦g≦200、0≦h≦200、8≦g+h≦200を満たす整数である。)
で表されるポリオキシアルキレン基、又はR1であり、少なくとも1つは上記一般式(2)で表されるポリオキシアルキレン基である。R1は上記と同じであり、R4は、非置換もしくは置換1価炭化水素基又は水素原子である。lは0≦l≦15であり、0≦l≦2が好ましい。gは0≦g≦200であり、1≦g≦100が好ましく、8≦g≦50がさらに好ましい。gが200より大きいと親水性が高くなりすぎるため、安定性に欠ける。hは0≦h≦200であり、0≦h≦100が好ましく、8≦h≦50がさらに好ましい。hが200より大きいと親水性が高くなりすぎるため、安定性に欠ける。g+hは8≦g+h≦200であり、8≦g+h≦100が好ましく、8≦g+h≦50がさらに好ましい。g+hが8より小さいと、親水性に乏しくなるため乳化性が弱くなり安定性に欠ける。油中水型乳化物を得るために十分な親水性を付与するためには、g/h≧1であることが望ましく、水中油型乳化物を得るために十分な疎水性を付与するためには、g/h≦1であることが望ましい。ポリオキシアルキレン部分がエチレンオキサイド単位とプロピレンオキサイド単位の両方からなる場合には、これら両単位のブロック共重合体あるいはランダム共重合体のいずれでもよい。
【0014】
3は同一又は異種の下記一般式(3)、一般式(4)、一般式(5)又は一般式(6)
【化10】
(式中、R1は同一又は異種の炭素数1〜30のアルキル基、アリール基、アラルキル基、又はこれらのハロゲン置換基、アミノ置換基もしくはカルボキシル置換基であり、m、i及びj1〜3は、0≦m≦5、0≦i≦500、0≦j1≦2、0≦j2≦2、0≦j3≦2を満たす整数である。)
で表される基、又はR1であり、少なくとも1つは上記一般式(3)、一般式(4)、一般式(5)又は一般式(6)で表される基である。これらの一般式中のR1は、例示及び好適な範囲は上記と同じであり、mは0≦m≦5であり、0≦m≦2が好ましく、iは0≦i≦500であり、1≦i≦100が好ましく、1≦i≦50がより好ましい。iが500より大きいと親水性に乏しくなるため安定性に欠ける。
【0015】
ビニル基とハイドロジェンポリシロキサンとの反応の点から、一般式(3)を有するものを合成する場合、mは0であることが好ましい。また、iが500より大きくなると主鎖のハイドロジェンポリシロキサンとの反応性が悪くなる等の問題が起こることがあるため、上記の範囲内であることが好ましい。また、ビニル基とハイドロジェンポリシロキサンとの反応の点から、一般式(4)、(5)、(6)を合成する場合、mは0であることが好ましい。
【0016】
上記一般式(1)中において、0<b≦200、1≦c≦400、0.3≦c/b≦100、上記一般式(2)中において、0≦g≦200、0≦h≦200、8≦g+h≦200、R3が少なくとも一般式(3)で表される基を含み、上記一般式(3)において、0<i≦500、グリフィン法により算出されたHLBが0.1〜5.5のとき、油中水型の乳化剤として利用可能であり、かつシリコーン油への溶解性に特に優れた有機基変性有機ケイ素樹脂を得ることができる。
【0017】
[製造方法]
有機基変性有機ケイ素樹脂は、当技術分野で既知として知られる様々な処方によって合成可能である。例えば、有機ケイ素樹脂の表面シラノール基に対して、R3SiClのようなクロロシランをシリル化することで有機基の導入が可能である。しかし、有機ケイ素樹脂表面のシラノール基量の完全な制御が困難であることから、修飾する有機基の量を精度よく制御するのが難しいという問題点がある。また、シリル化反応時に強酸が発生するため、有機ケイ素樹脂の結合を切断する可能性がある。また、Q単位(SiO4/2)とT単位(RSiO3/2)(Rの一部が有機官能基である)からなる2種類のアルコキシシランを共縮合することで、ワンポットによる有機官能基の導入が可能である。しかし、この2種類のアルコキシシランの加水分解性が異なるため、Q単位とT単位が均一に分散した有機ケイ素樹脂を得ることが難しかった。そのため一般的には、反応活性点であるヒドロシリル基を有する有機ケイ素樹脂とアルケニル基(炭素−炭素不飽和結合)を末端に有する化合物とのヒドロシリル化反応により合成される。
【0018】
本発明の有機基変性有機ケイ素樹脂は、例えば、下記平均組成式(7)
【化11】
(式中、R1は同一又は異種の炭素数1〜30のアルキル基、アリール基、アラルキル基、又はこれらのハロゲン置換基、アミノ置換基もしくはカルボキシル置換基であり、a、b、c、d、e、fは、0≦a≦400、0<b≦200、0≦c≦400、0≦d≦320、0≦e≦320、0<f≦1,000、0.5≦(a+b+c)/f≦1.5を満たす数であり、nは1≦n≦3の整数である。)
で表される、Q単位、M単位及び(Hn13-nSi1/2)を必須とした、25℃で固形状又は液状であるヒドロシリル基含有有機ケイ素樹脂と、下記一般式(8)、(9)、(10)、(11)及び(12)
【化12】
(式中、R4は非置換又は置換1価炭化水素基又は水素原子であり、l、g及びhは、0≦l≦15、0≦g≦200、0≦h≦200、8≦g+h≦200を満たす整数であり、m、i及びj1〜3は、0≦m≦5、0≦i≦500、0≦j1≦2、0≦j2≦2、0≦j3≦2を満たす整数である。)
で表されるアルケニル基を末端に有する化合物から選ばれ、一般式(8)で表される化合物を含む1種以上の化合物とのヒドロシリル化反応工程を含むものである。ヒドロシリル化反応は、例えば、白金触媒又はロジウム触媒の存在下で行われる。なお、R1、b、c、d、e、f、R4、l、g及びh、m、i及びj1〜3の好適範囲等は上記と同じである。
【0019】
上記平均組成式(7)で表されるヒドロシリル基含有有機ケイ素樹脂の形状は25℃で固形状又は液状であり、使用性の観点から有機溶剤により希釈することが好ましい。また、加水分解時の還流温度よりも高い沸点を有する溶剤の使用が好ましい。
【0020】
希釈に用いる有機溶剤の例としては、オクタメチルシクロテトラシロキサン,デカメチルシクロペンタシロキサン,ドデカメチルシクロヘキサシロキサン等の環状オルガノポリシロキサン;トルエン,キシレン等の芳香族炭化水素;アセトン,メチルエチルケトン,ジエチルケトン,メチルイソブチルケトン等のケトン系有機溶剤;ヘキサン,ヘプタン,オクタン,シクロヘキサン等の脂肪族炭化水素;メタノール、エタノール、1−プロパノール、2−プロパノール、1−ブタノール、2−メチル−1−プロパノール、2−ブタノール、2−メチル−2−プロパノール、1−ペンタノール、2−メチルブタノール、2−ペンタノール、1−ヘキサノール、2−メチルペンタノール、1−ヘプタノール、1−オクタノール、1−ノナノール、1−デカノール、フェノール、ベンジルアルコール、エチレングリコール、1,2−プロピレングリコール等の脂肪族アルコールが挙げられる。特に保存安定性、不揮発性の観点からオクタメチルシクロテトラシロキサン,デカメチルシクロペンタシロキサンが好ましい。
【0021】
上記一般式(7)で表されるヒドロシリル基含有有機ケイ素樹脂は、下記一般式(13)及び下記一般式(14)で表される有機ケイ素化合物のうち1種又は2種以上と、下記一般式(15)及び(16)で表されるヒドロシリル基含有有機ケイ素化合物のうち1種又は2種以上と、下記一般式(17)で表される加水分解性シラン、該加水分解性シランの部分加水分解縮合物又は前記加水分解性シランの金属塩のいずれか1種以上、との混合物を酸触媒下で加水分解後、前記酸触媒のモル当量より多い塩基触媒を添加することで中和し、その後、縮合することにより調製される。
13SiOSiR13 (13)
13SiX1 (14)
n1(3-n)SiOSiR1(3-n)n (15)
n1(3-n)SiX2 (16)
(式中、R1は同一又は異種の炭素数1〜30のアルキル基、アリール基、アラルキル基、又はこれらのハロゲン置換基、アミノ置換基もしくはカルボキシル置換基であり、X1,X2は加水分解性を有する官能基を示す。1≦n≦3である。)
SiX34 (17)
(式中、X3は加水分解性を有する官能基を示す。)
【0022】
上記一般式(13)、(14)、(15)及び(16)において、R1の例示、好ましい範囲等は上記と同じである。
上記一般式(14)において、X1はケイ素原子に直接結合した加水分解性を有する官能基であり、塩素原子、臭素原子等のハロゲン原子;メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、ブトキシ基等のアルコキシ基;アルケノキシ基;アシロキシ基;アミド基;オキシム基等が挙げられる。その中でも、入手の容易さ、加水分解速度の観点から特にメトキシ基、エトキシ基及び塩素原子が好ましい。
【0023】
上記一般式(16)において、X2はケイ素原子に直接結合した加水分解性を有する官能基であり、塩素原子、臭素原子等のハロゲン原子;メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、ブトキシ基等のアルコキシ基;アルケノキシ基;アシロキシ基;アミド基;オキシム基等が挙げられる。その中でも、入手の容易さ、加水分解速度の観点から特にメトキシ基、エトキシ基及び塩素原子が好ましい。
【0024】
上記一般式(17)において、X3はケイ素原子に直接結合した加水分解性を有する官能基であり、塩素原子、臭素原子等のハロゲン原子;メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、ブトキシ基等のアルコキシ基;アルケノキシ基;アシロキシ基;アミド基;オキシム基等が挙げられる。その中でもアルコキシ基が好ましく、入手の容易さ、加水分解速度の観点から特にメトキシ基やエトキシ基が好ましい。また、1分子中の加水分解性基X3は同一種や異種を問わない。
【0025】
上記一般式(13)で表される有機ケイ素化合物の例としては、1,1,1,3,3,3−ヘキサメチルジシロキサン、1,1,1,3,3,3−ヘキサフェニルジシロキサン、1,1,3,3−テトラメチル−1,3−ジビニルジシロキサン、1,1,1,3,3,3−ヘキサエチルジシロキサン、1,1,1,3,3,3−ヘキサビニルジシロキサン、1,1,1,3,3−ペンタビニルメチルジシロキサン、1,1,1,3,3−n−オクチルペンタメチルジシロキサン、1,1,1,3,3−クロロメチルペンタメチルジシロキサン、1,1,3,3−テトラメチル−1,3−ジアリルジシロキサン、1,3−ジメチル−1,1,3,3−テトラビニルジシロキサン等が挙げられる。特に1,1,1,3,3,3−ヘキサメチルジシロキサン、1,1,1,3,3,3−ヘキサフェニルジシロキサンが好ましい。
【0026】
上記一般式(14)で表される有機ケイ素化合物の例としては、トリメチルクロロシラン、トリエチルクロロシラン、エチルジメチルクロロシラン、トリビニルクロロシラン、ジメチルビニルクロロシラン、トリフェニルクロロシラン、ジメチルフェニルクロロシラン、メチルジフェニルクロロシラン、トリメチルメトキシシラン、トリメチルエトキシシラン、トリエチルメトキシシラン、トリエチルエトキシシラン、トリフェニルメトキシシラン、トリフェニルエトキシシラン等が挙げられる。特にトリメチルクロロシラン、トリメチルエトキシシランが好ましい。
【0027】
上記一般式(15)で表されるヒドロシリル基含有有機ケイ素化合物の例としては、1,1,3,3−テトラメチルジシロキサン、1,1,1,3,3−ペンタメチルジシロキサン等が挙げられる。特に1,1,3,3−テトラメチルジシロキサンが好ましい。尚、一般式(15)、(16)中、nは1≦n≦3であるが、一般式(15)中においては、1つのシリコン原子に結合するH、R1に係るnは、もう片方のシリコン原子に結合するH、R1に係るnと、同一でも異なっていてもよい。
【0028】
上記一般式(16)で表されるヒドロシリル基含有有機ケイ素化合物の例としては、ジメチルクロロシラン、ジフェニルクロロシラン、ジメチルメトキシシラン、ジメチルエトキシシラン等が挙げられる。特にジメチルクロロシラン、ジメチルメトキシシランが好ましい。
【0029】
上記一般式(17)加水分解性シランの例としては、テトラクロロシラン、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン等が挙げられる。また、該加水分解性シランの部分加水分解縮合物としては、テトラメトキシシラン縮合物、テトラエトキシシラン縮合物等が挙げられる。また、該加水分解性シランの金属塩としては、水ガラス、ケイ酸ナトリウム、ケイ酸カリウム等が挙げられる。特にテトラエトキシシラン、テトラエトキシシラン縮合物が好ましい。
【0030】
また、本発明においては、上記一般式(13)及び(14)で表される有機ケイ素化合物から選ばれる1種又は2種以上と、上記一般式(15)及び(16)で表されるヒドロシリル基含有有機ケイ素化合物から選ばれる1種又は2種以上と、上記一般式(17)で表される加水分解性シラン、該加水分解性シランの部分加水分解縮合物及び前記加水分解性シランの金属塩から選ばれる1種又は2種以上との混合物を酸触媒下で加水分解前、又は該加水分解後で再度の加水分解前に、下記一般式(18)又は(19)
1SiX43 (18)
12SiX52 (19)
(式中、R1は同一又は異種の炭素数1〜30のアルキル基、アリール基、アラルキル基、又はこれらのハロゲン置換基、アミノ置換基もしくはカルボキシル置換基であり、X4、X5は加水分解性を有する官能基を示す。)
で示される有機ケイ素化合物から選ばれる1種又は2種以上の混合物をさらに添加することもできる。
【0031】
上記一般式(18)、(19)において、R1の例示、好ましい範囲等は上記と同じである。
一般式(18)において、X4はケイ素原子に直接結合した加水分解性を有する官能基であり、塩素原子、臭素原子等のハロゲン原子;メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、ブトキシ基等のアルコキシ基;アルケノキシ基;アシロキシ基;アミド基;オキシム基等が挙げられる。その中でも、入手の容易さ、加水分解速度の観点から特にメトキシ基、エトキシ基及び塩素原子が好ましい。また、1分子中の加水分解性基X4は同一種や異種を問わない。
【0032】
一般式(19)において、X5はケイ素原子に直接結合した加水分解性を有する官能基であり、塩素原子、臭素原子等のハロゲン原子;メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、ブトキシ基等のアルコキシ基;アルケノキシ基;アシロキシ基;アミド基;オキシム基等が挙げられる。その中でも、入手の容易さ、加水分解速度の観点から特にメトキシ基、エトキシ基及び塩素原子が好ましい。また、1分子中の加水分解性基X5は同一種や異種を問わない。
【0033】
一般式(18)で表されるケイ素化合物の例としては、メチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、エチルトリメトキシシラン、ペンチルトリエトキシシラン、フェニルトリエトキシシラン、ベンジルトリエトキシシラン、クロロプロピルトリエトキシシラン、ブロモプロピルトリエトキシシラン、シクロヘキシルトリメトキシシラン、トリフルオロプロピルトリメトキシシラン、メチルトリクロロシラン等が挙げられる。特に、メチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、メチルトリクロロシランが好ましい。
【0034】
一般式(19)で表されるケイ素化合物の例としては、ジメチルジメトキシシラン、ジメチルジエトキシシラン、ジエチルジメトキシシラン、ジペンチルジエトキシシラン、ジフェニルジエトキシシラン、ジベンジルジエトキシシラン、ジクロロプロピルジエトキシシラン、ジブロモプロピルジエトキシシラン、ジシクロヘキシルジメトキシシラン、ジフルオロプロピルジメトキシシラン、ジメチルジクロロシラン等が挙げられる。特に、ジメチルジメトキシシラン、ジメチルジエトキシシラン、ジメチルジクロロシランが好ましい。
【0035】
本発明における、原料であるヒドロシリル基含有有機ケイ素樹脂の製造方法の具体的な一例を以下に示す。溶剤(特には、有機溶剤)及び加水分解原料(上記一般式(13)及び(14)で表される有機ケイ素化合物から選ばれる1種又は2種以上と、上記一般式(15)及び(16)で表されるヒドロシリル基含有有機ケイ素化合物から選ばれる1種又は2種以上と、上記一般式(17)で表される加水分解性シラン、該加水分解性シランの部分加水分解縮合物及び前記加水分解性シランの金属塩から選ばれる1種又は2種以上との混合物)を反応器に仕込み、触媒である酸を添加し、撹拌しつつ水を滴下する。この場合、有機溶剤は水の滴下終了後に加えるようにしてもよい。なお、加水分解は酸性条件で行うことが好ましいことから、酸触媒の添加が必須である。
【0036】
なお、水を滴下するときの温度は0〜80℃、特に0〜50℃が好ましく、上記温度範囲内に収めることにより、系中の加水分解原料の加水分解反応に由来する反応熱を抑制できる。滴下する水の量は、加水分解性を有する官能基(アルコキシ基等)に対してモル比で0.6〜2、好ましくは1.0〜1.8の範囲である。上記範囲内に収めることにより、さらにヒドロシリル基の失活を抑制することが可能となる。
【0037】
加水分解反応に用いる溶媒としては、加水分解反応中の均一な反応系の保持・粘性増加による反応速度の低下の抑制のために、有機溶剤の使用が好ましい。また、加水分解時の還流温度よりも高い沸点を有する溶剤の使用が望ましい。
【0038】
有機溶剤の例としては、オクタメチルシクロテトラシロキサン,デカメチルシクロペンタシロキサン,ドデカメチルシクロヘキサシロキサン等の環状オルガノポリシロキサン;トルエン,キシレン等の芳香族炭化水素;アセトン,メチルエチルケトン,ジエチルケトン,メチルイソブチルケトン等のケトン系有機溶剤;ヘキサン,ヘプタン,オクタン,シクロヘキサン等の脂肪族炭化水素等が挙げられる。
【0039】
また、場合により炭素数1〜10のアルコール溶媒を併用することもできる。例としては、メタノール、エタノール、1−プロパノール、2−プロパノール、1−ブタノール、2−メチル−1−プロパノール、2−ブタノール、2−メチル−2−プロパノール、1−ペンタノール、2−メチルブタノール、2−ペンタノール、1−ヘキサノール、2−メチルペンタノール、1−ヘプタノール、1−オクタノール、1−ノナノール、1−デカノール、フェノール、ベンジルアルコール、エチレングリコール、1,2−プロピレングリコール等が挙げられる。アルコール溶媒は、アルコキシ基のような加水分解基とアルコール交換反応をするため、長鎖アルコール溶媒の利用は加水分解反応の律速に繋がる。そのため、特にメタノール、エタノール、1−プロパノール、2−プロパノールが好ましい。
【0040】
用いる溶媒の使用量は、系全体の1〜80%(質量%、以下同じ)、特に5〜50%とすることが好ましい。上記範囲内にすると、反応系中が均一に保持され、反応が効率よく進行する。
【0041】
酸触媒の例としては、塩酸、硫酸、亜硫酸、発煙硫酸、シュウ酸、p−トルエンスルホン酸、メタンスルホン酸、トリフルオロメタンスルホン酸、燐酸、ギ酸、酢酸、プロピオン酸、安息香酸、クエン酸等が挙げられる。酸触媒の使用量は少量で良く、系全体の0.001〜10%の範囲であることが好ましい。
【0042】
上記のように水を滴下した後は、例えば温度50〜150℃、より好ましくは80〜120℃で2〜8時間程度加熱して、加水分解反応を行う。この際、使用するヒドロシリル基含有有機化合物の沸点未満で行うことで、ヒドロシリル基の失活をさらに抑制することができる。
【0043】
このようにして上記加水分解原料を酸触媒下で加水分解を行った後は、10〜100℃、好ましくは10〜60℃、より好ましくは10〜30℃で、さらに好ましくは25℃まで冷却する。
【0044】
上記の加水分解後は、10〜40℃でアルカリ金属炭酸塩,アルカリ金属炭酸水素塩、アルカリ金属水酸化物等の塩基触媒により中和する。このとき、強塩基触媒と弱塩基触媒を併用すると、ヒドロシリル基の失活抑制及び、有機ケイ素樹脂の縮合反応がさらに促進される。この強塩基触媒の例としては、水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化カルシウム、水酸化バリウム等が挙げられる。また、弱塩基触媒の例としては、炭酸ナトリウム、炭酸カルシウム、炭酸水素ナトリウム等が挙げられる。特に強塩基触媒と弱塩基触媒の組み合わせとして、高分子量化のしやすさから水酸化ナトリウムと炭酸カルシウムの組み合わせが望ましく、この組み合わせだと、分子量が十分に増加し、より確実に高分子量のヒドロシリル基含有有機ケイ素樹脂を得ることが可能となる。
【0045】
塩基触媒の使用量は、酸触媒のモル当量よりも多い量が必要であり、酸触媒の当量より多い塩基触媒で中和することで、有機ケイ素樹脂の縮合反応が優先し、その結果として分子量が上がり、高分子量であるヒドロシリル基含有有機ケイ素樹脂を得ることができる。特には、塩基触媒の使用量が、酸触媒の1.1〜3.0モル当量の範囲であることが好ましい。添加量を上記範囲内にすることで、ヒドロシリル基含有有機ケイ素樹脂の縮合反応が優先し、その結果として目的の分子量の樹脂を得ることができる。
【0046】
中和後、生成したアルコール類、溶媒と過剰の水を常圧又は減圧下、95〜120℃で加熱して除去してもよい。そして、生成したアルコール類、溶媒と過剰の水の除去を確認後、例えば、120〜150℃で2〜5時間程度加熱することにより、縮合反応を行う。これより、ヒドロシリル基含有有機ケイ素樹脂が得られる。
【0047】
また、上記に示すヒドロシリル基含有有機ケイ素樹脂の製造方法においては、上記一般式(13)、(14)、(15)及び(16)の化合物の総物質量と一般式(17)の化合物中のSiO4/2単位の物質量との使用割合は、モル比(((13)+(14)+(15)+(16)):(17))として0.3:1〜2:1が好ましく、0.6:1〜1.3:1がより好ましい。さらに、式(13)、(14)の化合物の総物質量と式(15)、(16)の化合物の総物質量の使用割合はモル比(((13)+(14)):((15)+(16)))として0.3:1.0〜2.0:1.0が好ましく、0.6:1.0〜1.3:1.0がより好ましい。上記範囲内とすることで、ヒドロシリル基含有有機ケイ素樹脂中に含まれるヒドロシリル基量をより正確に定量的に変化させることができる。このように、本発明は、一般式(15)及び式(16)で表される化合物の仕込み量を変えることで、有機ケイ素樹脂中に含まれるヒドロシリル基量を定量的に変化させることができる。
【0048】
また、上記に示すヒドロシリル基含有有機ケイ素樹脂の製造方法において、上記一般式(13)及び(14)で表される有機ケイ素化合物から選ばれる1種又は2種以上と、上記一般式(17)で表される加水分解性シラン、該加水分解性シランの部分加水分解縮合物及び前記加水分解性シランの金属塩から選ばれる1種又は2種以上との混合物を、酸触媒下で加水分解を行った後に、上記一般式(15)及び(16)で表されるヒドロシリル基含有有機ケイ素化合物から選ばれる1種又は2種以上を徐々に滴下して添加することも可能である。
【0049】
その後、再度加水分解を行うが、この際、使用するヒドロシリル基含有有機化合物の沸点未満、例えば、温度40〜150℃、より好ましくは40〜120℃で2〜8時間程度加熱して、再度加水分解反応を行うことが好ましい。上記温度範囲内で反応を行うと、ヒドロシリル基の失活をさらに抑制することができる。
【0050】
ヒドロシリル基含有有機ケイ素樹脂の製造方法において、一部のヒドロシリル基が失活する反応式(20)が起こる可能性がある。
SiO1/2n'3-n'(M単位)+〜Si−OH→〜Si−O−SiO1/2n'-13-n'(D単位)・・・(20)
(式(20)中、Rは炭素数1〜10の1価炭化水素基、n’は1〜3の整数である。)
【0051】
しかしながら、原料の添加順序、即ち、上記一般式(13)及び/又は上記一般式(14)で表される有機ケイ素化合物と、上記一般式(17)で表される加水分解性シラン等との混合物の加水分解後に、上記一般式(15)及び/又は上記一般式(16)で表されるヒドロシリル基含有有機ケイ素化合物を添加し再度加水分解を行うことで、上記反応(20)を極僅かになるように抑制することができ、原料の添加量、触媒の種類を工夫することによりこの反応をさらに抑えることができる。
【0052】
上記で得られたヒドロシリル基含有有機ケイ素樹脂は、ヒドロシリル基含有有機ケイ素化合物の仕込み量を変えることで、有機ケイ素樹脂中に含有されたヒドロシリル基量が容易に調整可能であり、多量な導入も可能となる。さらに、加水分解原料の配合量、酸触媒の種類、添加量、反応温度、反応時間、溶媒の添加量、添加方法を変化させることにより、有機ケイ素樹脂の分子量分布や形状等を調整することができ、使用用途に応じたヒドロシリル基含有有機ケイ素樹脂を製造することができる。
【0053】
上記で得られたヒドロシリル基含有有機ケイ素樹脂は、上記平均組成式(7)で表される、Q単位(SiO4/2),M単位((R13SiO1/2)及び(Hn13-nSiO1/2))を必須成分とし、D単位(R12SiO2/2),T単位(R1SiO3/2)を任意成分とする構成成分からなる溶剤の無い状態では、室温での形態が固形状もしくは液状であるヒドロシリル基含有有機ケイ素樹脂である。たとえば、MQレジン、MTQレジン、MDQレジン、MDTQレジンが挙げられる。その重量平均分子量は、2,000〜30,000の範囲が好ましく、3,000〜15,000の範囲が性能及びろ過等の作業性の点でより好ましい。なお、重量平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィ(GPC)分析におけるポリスチレン換算の重量平均分子量として求めることができる。
【0054】
[有機基変性有機ケイ素樹脂の具体的製造方法]
本発明における有機基変性有機ケイ素樹脂の製造方法の具体的な一例を以下に示す。
上述したように、本発明の有機基変性有機ケイ素樹脂は、例えば、下記平均組成式(7)
【化13】
(式中、R1は同一又は異種の炭素数1〜30のアルキル基、アリール基、アラルキル基、又はこれらのハロゲン置換基、アミノ置換基もしくはカルボキシル置換基であり、a、b、c、d、e、fは、0≦a≦400、0<b≦200、0≦c≦400、0≦d≦320、0≦e≦320、0<f≦1,000、0.5≦(a+b+c)/f≦1.5を満たす数であり、nは1≦n≦3の整数である。)
で表される、25℃で固形状又は液状であるヒドロシリル基含有有機ケイ素樹脂と、下記一般式(8)、(9)、(10)、(11)及び(12)
【化14】
(式中、R4は非置換又は置換1価炭化水素基又は水素原子であり、l、g及びhは、0≦l≦15、0≦g≦200、0≦h≦200、8≦g+h≦200を満たす整数であり、m、i及びj1〜3は、0≦m≦5、0≦i≦500、0≦j1≦2、0≦j2≦2、0≦j3≦2を満たす整数である。)
で表されるアルケニル基を末端に有する化合物から選ばれ、一般式(8)で表される化合物を含む1種以上の化合物とのヒドロシリル化反応工程によって、得ることができる。一般式(8)で表される化合物は必須である。平均組成式(7)で表されるヒドロシリル基を有する有機ケイ素樹脂と、一般式(8)で示されるポリオキシアルキレン化合物、一般式(9)、(10)、(11)又は(12)で示されるオルガノポリシロキサンとの合計の混合割合は、ヒドロシリル基と末端不飽和基(ヒドロシリル基/末端不飽和基)のモル比で0.5〜2.0が好ましく、0.8〜1.2がより好ましい。
【0055】
上記付加反応は、白金触媒又はロジウム触媒の存在下で行うことが好ましく、具体的には塩化白金酸、アルコール変性塩化白金酸、塩化白金酸−ビニルシロキサン錯体等が好ましい。また、触媒の使用量は過剰に含むと試料が着色することから、白金又はロジウム量で50ppm以下であることが好ましく、特に20ppm以下であることが好ましい。
【0056】
さらに、上記付加反応は、必要に応じて有機溶媒の存在下で行ってもよい。有機溶媒としては、オクタメチルシクロテトラシロキサン,デカメチルシクロペンタシロキサン,ドデカメチルシクロヘキサシロキサン等の環状オルガノポリシロキサン;トルエン,キシレン等の芳香族炭化水素;アセトン,メチルエチルケトン,ジエチルケトン,メチルイソブチルケトン等のケトン系有機溶剤;ヘキサン,ヘプタン,オクタン,シクロヘキサン等の脂肪族炭化水素;メタノール、エタノール、1−プロパノール、2−プロパノール、1−ブタノール、2−メチル−1−プロパノール、2−ブタノール、2−メチル−2−プロパノール、1−ペンタノール、2−メチルブタノール、2−ペンタノール、1−ヘキサノール、2−メチルペンタノール、1−ヘプタノール、1−オクタノール、1−ノナノール、1−デカノール、フェノール、ベンジルアルコール、エチレングリコール、1,2−プロピレングリコール等の脂肪族アルコールが挙げられる。特に反応性の観点からエタノール、1−プロパノール、2−プロパノールが好ましい。
【0057】
用いる溶媒の使用量は、反応液(系)全体の1〜80%が好ましく、5〜50%がより好ましい。上記範囲内にすると、反応系中が均一に保持され、反応が効率よく進行する。
【0058】
付加反応条件は特に限定されるものではないが、還流下において温度50〜150℃、より好ましくは80〜120℃で1〜10時間程度加熱することが好ましい。
【0059】
付加反応後、用いたロジウム触媒又は白金触媒を活性炭により除去する工程を含むことも可能である。活性炭の使用量は、系全体の0.001〜5.0%、特に0.01〜1.0%とすることが好ましい。上記範囲内にすると、試料への着色をより抑制可能である。
【0060】
付加反応後、必要に応じて残存するヒドロシリル基を除去する工程を含むことが可能である。特に化粧料等の用途で利用する場合、経時でヒドロシリル基が脱水素反応により失活する可能性があり、安全性という観点で問題なため、ヒドロシリル基を除去する工程を含むことが好ましい。
【0061】
ヒドロシリル基を除去する工程としては、アルカリ金属炭酸塩,アルカリ金属炭酸水素塩、アルカリ金属水酸化物等の塩基性触媒を添加して未反応のヒドロシリル基を加水分解した後、塩基触媒のモル当量と等量の酸性触媒を添加して中和するという処方が挙げられる。塩基触媒の具体例としては、強塩基触媒の例として、水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化カルシウム、水酸化バリウム、弱塩基触媒の例として、炭酸ナトリウム、炭酸カルシウム、炭酸水素ナトリウム等が挙げられる。脱水素反応を促すという点で、特に強塩基触媒を用いることが好ましく、具体的には水酸化ナトリウムが好ましい。酸性触媒の具体例として、塩酸、硫酸、亜硫酸、発煙硫酸、シュウ酸、p−トルエンスルホン酸、メタンスルホン酸、トリフルオロ酢酸、トリフルオロメタンスルホン酸、燐酸、ギ酸、酢酸、プロピオン酸、安息香酸、クエン酸等が挙げられる。また一般には、酸や塩基を単独で使用するより、水と併用して、水の沸点以下の温度で加熱することが好ましい。
【0062】
付加反応後、必要に応じて臭いを低減する脱臭処理工程を含むことが可能である。特に化粧料等の用途で利用する場合、経時によって着臭することから脱臭処理工程を含むことが好ましい。一般的なポリエーテル変性シリコーンの着臭機構は次のように説明される。アリルエーテル化ポリエーテルとハイドロジェンポリオルガノシロキサンと白金触媒存在下で付加反応を行う際、副反応としてアリル基が内部転移することでプロぺニルエーテル化ポリエーテルを生ずる。このプロぺニルエーテル化ポリエーテルはハイドロジェンポリオルガノシロキサンに対する反応性はないことから不純物として系中に残存することになる。このプロぺニルエーテル化ポリエーテルに対して水が作用すると、プロぺニルエーテルが加水分解されることで、悪臭の原因であるプロピオンアルデヒドを発生すると考えられる。また上記の加水分解反応は酸触媒の存在化でより促進されることが知られており、水系の化粧料にポリエーテル変性シリコーンを用いた場合、ポリエーテルの酸化劣化により経時で液性が酸性に傾くことから、上記に挙げた加水分解反応が促進し異臭化の原因となる。
【0063】
脱臭処理工程の代表例として、2通りの処方が挙げられる。1つ目の処方は、付加反応後の溶液に対して酸性触媒を添加することで、系中に残存するプロぺニルエーテルをすべて加水分解し、生成したプロピオンアルデヒドをストリップ精製により除去するという処方である(特許第2137062号公報)。
【0064】
1つ目の処方に用いる酸性触媒の具体例として、塩酸、硫酸、亜硫酸、発煙硫酸、シュウ酸、p−トルエンスルホン酸、メタンスルホン酸、トリフルオロ酢酸、トリフルオロメタンスルホン酸、燐酸、ギ酸、酢酸、プロピオン酸、安息香酸、クエン酸等が挙げられる。これらの酸は、水との併用系で使用されるが、使用した酸を除去する必要があるときは、塩酸、ギ酸、酢酸、トリフルオロ酢酸等のような沸点が低いものを使用することが好ましい。また、処理効率の観点から強酸である塩酸やトリフルオロ酢酸等を用いることが好ましい。
【0065】
処理温度は、親水性基が酸化することを防ぐために80℃以下とすることが好ましい。酸性水溶液の添加量は有機基変性有機ケイ素樹脂に対して0.1〜100%とすることが好ましく、5〜30%使用することがより好ましい。
【0066】
生産性の観点からは、反応後の溶液にpH7以下になるように水溶液を添加し、加熱攪拌後にストリップ精製する方法が好ましい。上記のストリップ精製は常圧下で行っても減圧下で行ってもよいが、温度条件は120℃以下とすることが好ましく、この温度条件で効率よくストリップ精製するためには、減圧で行う、もしくは常圧の場合には窒素やアルゴン等のような不活性ガスの通気下で行うことが好ましい。
【0067】
2つ目の処方は、付加反応後の溶液に対して、水素を添加することで不飽和二重結合をアルキル化し(いわゆる水素添加反応)、プロピオンアルデヒドの経時での発生を安定に制御するという処方である(米国特許第5225509号明細書,特開平7−330907号公報)。
【0068】
水素添加反応は、水素による方法と金属水素化物による方法とがあり、さらに均一反応と不均一反応が挙げられる。これらは単独で行うことも出来るが、それらを組み合わせることも可能である。しかし、使用した触媒が製品に残存しないという利点を考慮すると、固体触媒を用いた不均一接触水素添加反応が最も好ましい。
【0069】
固体触媒としては、例えば、ニッケル・パラジウム・白金・ロジウム・コバルト・クロム・銅・鉄等の単体又は化合物がある。この場合、触媒担体はなくてもよいが、用いる場合には、活性炭・シリカ・シリカアルミナ・アルミナ・ゼオライト等が用いられる。これらの触媒は単独で用いることもできるが、それらを組み合わせて用いることも可能である。最も好ましい触媒は、経済的に優位であるラネーニッケルである。ラネーニッケルは通常アルカリにて展開して用いるので、特に反応溶液のpHを注意深く測定する必要がある。また、反応系内が弱アルカリ性になるので、特に酸性水溶液による加水分解反応が脱臭に対して有効となる。
【0070】
水素添加反応は、一般的に1〜100MPa、50〜200℃で行うことが好ましい。水素添加反応は回文式でも連続式でもよい。回文式の場合、反応時間は触媒量及び温度等依存するが、概ね3〜12時間である。水素圧は適宜一定圧力に調製することが出来るが、水素添加反応の終点は水素圧が変化しなくなった点であるため、圧力ゲージを注意深く観測することによって判断できる。
【0071】
このような酸処理や水素添加反応による処理により精製された有機基変性有機ケイ素樹脂に含まれるアルデヒド量は、70ppm以下、20ppm以下、さらに10ppm以下とすることができる。
【0072】
さらに上記に挙げた2種類の脱臭処理工程を組み合わせることも可能である。酸処理による処方は、アルデヒド化合物の分解除去は可能だが、不飽和二重結合を完全に除去することは限界があるため、それに起因する臭気の原因であるアルデヒドの発生を完全に抑制することはできない。また、水素添加反応による処方は、不飽和二重結合をなくすことで、それに起因して発生するアルデヒド化合物量の減少が可能だが、アルデヒドの一部が縮合して生成するアルデヒド縮合物は上記処理を施しても系内に残留し、ストリップ精製による除去も難しい。そのため、付加反応後の溶液に水素添加反応を施して残存する不飽和二重結合をアルキル化した後に、酸触媒を添加することで系中のアルデヒド縮合物を分解することで、完全な無臭化が可能である(国際公開第2000/05588号)。
【0073】
[有機基変性有機ケイ素樹脂の物性]
平均組成式(1)で表される有機基変性有機ケイ素樹脂は、25℃で固形状又は液状であり、その重量平均分子量は1,000〜100,000の範囲が好ましく、3,000〜50,000の範囲が性能及びろ過等の作業性の点でより好ましい。なお、重量平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィ(GPC)分析におけるポリスチレン換算の重量平均分子量として求めることができる。
【0074】
有機基変性有機ケイ素樹脂は、グリフィン法によるHLBが0.1〜15のとき、乳化性を示し、油中水型乳化物又は水中油型乳化物の乳化剤として利用可能である。中でも、HLBが0.1〜5.5のとき、油中水型の乳化剤として利用可能である。グリフィン法は、HLB値=20×(親水部の分子量の総和/全体の分子量)で定義される。また、HLB値とは、界面活性剤の水と油剤に対する親和性を表す数値である。
【0075】
有機基変性有機ケイ素樹脂を油中水型の乳化剤として用いた場合、従来のポリエーテル変性直鎖オルガノシロキサンのような界面活性剤を用いた場合と比較して、高含水で大きな粒子径のエマルジョンが得られる。通常、粒径が大きいエマルジョンは合一しやすく、不安定であることが知られているが、上記で得られた乳化物は比較的安定に存在することが可能である。また肌に塗布した際に瑞々しく軽い感触を得ることができ、ウォーターブレイクタイプの化粧料を容易に調製することが出来ることが特徴的である。
【0076】
有機基変性有機ケイ素樹脂を乳化剤としてではなく、添加剤として利用することも可能である。例えば、粉体の分散性向上、損傷毛への吸着等が挙げられる。
【0077】
[化粧料]
本発明の有機基変性有機ケイ素樹脂(A)は、各種用途に使用することができるが、特に皮膚や毛髪に外用されるすべての化粧料の原料として適用可能である。この場合、有機基変性有機ケイ素樹脂の配合量は、化粧料全体の0.1〜40%の範囲が好ましく、乳化物作製時等の乳化剤としては、化粧料全体の0.1〜5%がさらに好ましく、スラリー作製時等粉体の分散剤としては0.1〜15%がさらに好ましい。
【0078】
[その他の成分]
本発明の化粧料には、その他の成分として、通常の化粧料に使用される種々の成分を配合することができる。その他の成分としては、例えば(B)油剤、(C)粉体、(D)界面活性剤、(E)架橋型オルガノポリシロキサン、(F)皮膜剤、(G)水性成分、(H)ワックス、(I)その他の添加剤を含んでよい。これらは1種単独で又は2種以上を適宜組み合わせて用いることができる。これらの成分は、化粧料の種類等に応じて適宜選択使用され、またその配合量も化粧料の種類等に応じた公知の配合量とすることができる。
【0079】
(B)油剤
油剤は、室温で固体、半固体、液状、いずれであってもよく、例えば、シリコーンオイル、天然動植物油脂類及び半合成油脂、炭化水素油、高級アルコール、脂肪酸、エステル油、及びフッ素系油剤等が挙げられる。油剤を配合する場合、油剤の配合量は、特に限定されないが、化粧料全体の1〜85%が好ましく、15〜40%がより好ましい。
【0080】
・シリコーンオイル
シリコーンオイルとしては、通常化粧料に配合できる原料であれば特に限定されないが、具体的には、ジメチルポリシロキサン、デカメチルシクロペンタシロキサン、ドデカメチルシクロヘキサシロキサン、ジシロキサン、トリシロキサン、メチルトリメチコン、カプリリルメチコン、メチルフェニルポリシロキサン、メチルヘキシルポリシロキサン、メチルハイドロジェンポリシロキサン、ジメチルシロキサン・メチルフェニルシロキサン共重合体等の低粘度から高粘度の直鎖又は分岐状のオルガノポリシロキサン、アミノ変性オルガノポリシロキサン、ピロリドン変性オルガノポリシロキサン、ピロリドンカルボン酸変性オルガノポリシロキサン、高重合度のガム状ジメチルポリシロキサン、ガム状アミノ変性オルガノポリシロキサン、ガム状のジメチルシロキサン・メチルフェニルシロキサン共重合体等のシリコーンゴム、及びシリコーンガムやゴムの環状オルガノポリシロキサン溶液、トリメチルシロキシケイ酸、トリメチルシロキシケイ酸の環状シロキサン溶液、ステアロキシシリコーン等の高級アルコキシ変性シリコーン、高級脂肪酸変性シリコーン、アルキル変性シリコーン、長鎖アルキル変性シリコーン、アミノ酸変性シリコーン、フッ素変性シリコーン、シリコーン樹脂及びシリコーンレジンの溶解物等が挙げられる。これらの中でも特に、さっぱりした使用感が得られる揮発性シリコーンや低粘度シリコーン〔市販品としては信越化学工業(株)製:TMF−1.5、KF−995、KF−96A−2cs、KF−96A−6cs等〕、他の油剤との相溶性向上や艶出しの目的で使われるフェニルシリコーン〔市販品としては信越化学工業(株)製:KF−56A、54HV等〕や艶出しや使用感調整の目的で使われるシリコーンワックス〔市販品としては信越化学工業(株)製:KP−561P,562P,KF−7020S等〕が好ましく利用される。これらのシリコーンオイルは1種又は2種以上を用いることができる。
【0081】
(C)粉体
粉体は通常化粧料に配合できる原料であれば、特に限定されないが、例えば、顔料、シリコーン球状粉体等が挙げられる。粉体を配合する場合、粉体の配合量は特に限定されないが、化粧料全体の0.1〜90%配合することが望ましく、1〜35%がさらに好ましい。
【0082】
・顔料
顔料としては、一般にメーキャップ化粧料に用いられるものであれば特に制限されない。例えばタルク、マイカ、カオリン、シリカ、炭酸カルシウム、酸化亜鉛、二酸化チタン、赤酸化鉄、黄酸化鉄、黒酸化鉄、群青、紺青、カーボンブラック、低次酸化チタン、コバルトバイオレット、酸化クロム、水酸化クロム、チタン酸コバルト、オキシ塩化ビスマス、チタン−マイカ系パール顔料等の無機顔料;赤色201号、赤色202号、赤色204号、赤色205号、赤色220号、赤色226号、赤色228号、赤色405号、橙色203号、黄色205号、黄色4号、黄色5号、青色1号、青色404号、緑色3号等のジルコニウム、バリウム又はアルミニウムレーキ等の有機顔料;クロロフィル、β−カロチン等の天然色素;染料等が挙げられる。また、シリコーン、エステル、アミノ酸やフッ素等で疎水化したものも用いることができる。疎水化処理された無機粉体の具体例としては、疎水化処理二酸化チタンや疎水化処理酸化鉄〔市販品としては信越化学工業(株)製:KTP−09W,09Y,09R,09B等〕、疎水化処理微粒子二酸化チタンあるいは疎水化処理微粒子酸化亜鉛を含有する分散体〔市販品としては信越化学工業(株)製:SPD−T5、T6、T5L、Z5、Z6、Z5L等〕等が挙げられる。
【0083】
・シリコーン球状粉体
シリコーン球状粉体としては架橋型シリコーン粉末(即ち、ジオルガノシロキサン単位の繰返し連鎖が架橋した構造を有するオルガノポリシロキサンからなる、いわゆるシリコーンゴムパウダー)、シリコーン樹脂粒子(三次元網状構造のポリオルガノシルセスキオキサン樹脂粒子)等が挙げられ、具体例としては、(ジメチコン/ビニルジメチコン)クロスポリマー、ポリメチルシルセスキオキサン等の名称で知られている。これらは粉体として、或いは、シリコーンオイルを含む膨潤物として市販され、例えば、KMP−598,590,591,KSG−016F等(何れも信越化学工業(株)製)の商品名で市販されている。これらの粉体は1種又は2種以上を用いることができる。
【0084】
特にシリコーン樹脂被覆シリコーンゴム粉末は、べたつきの防止等の感触の向上効果や、しわ・毛穴等の形態補正効果等から、サンスクリーン、メイクアップ、コンシーラー等に応用される。シリコーン樹脂被覆シリコーンゴム粉末の具体例としては、化粧品表示名称で定義される、(ビニルジメチコン/メチコンシルセスキオキサン)クロスポリマー、(ジフェニルジメチコン/ビニルジフェニルジメチコン/シルセスキオキサン)クロスポリマー、ポリシリコーン−22、ポリシリコーン−1クロスポリマー等の名称で知られている。これらは、KSP−100,101,102,105,300,411,441等(何れも信越化学工業(株)製)の商品名で市販されている。これらの粉体は1種又は2種以上を用いることができる。
【0085】
(D)界面活性剤
界面活性剤としては、非イオン性、アニオン性、カチオン性及び両性の活性剤が挙げられ、特に制限されるものではなく、通常の化粧料に使用されるものであれば、いずれのものも使用することができ、1種単独で又は2種以上を適宜組み合わせて用いることができる。これらの界面活性剤の中でも、部分架橋型ポリエーテル変性シリコーン、部分架橋型ポリグリセリン変性シリコーン、直鎖又は分岐状ポリオキシエチレン変性オルガノポリシロキサン、直鎖又は分岐状ポリオキシエチレンポリオキシプロピレン変性オルガノポリシロキサン、直鎖又は分岐状ポリオキシエチレン・アルキル共変性オルガノポリシロキサン、直鎖又は分岐状ポリオキシエチレンポリオキシプロピレン・アルキル共変性オルガノポリシロキサン、直鎖又は分岐状ポリグリセリン変性オルガノポリシロキサン、直鎖又は分岐状ポリグリセリン・アルキル共変性オルガノポリシロキサンであることが好ましい。これらの界面活性剤において、親水性のポリオキシエチレン基、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレン基又はポリグリセリン残基の含有量が、分子中の10〜70%を占めることが好ましい。具体例としては、信越化学工業(株)製のKSG−210,240,310,320,330,340,320Z,350Z,710,810,820,830,840,820Z,850Z、KF−6011,6013,6017,6043,6028,6038,6048,6100,6104,6105,6106、KP−578等が挙げられる。この成分を配合する場合の配合量は、化粧料中0.01〜15%が好ましい。
【0086】
(E)架橋型オルガノポリシロキサン
架橋型オルガノポリシロキサンとしては、通常化粧品に使用されるものであれば特に限定されず、1種単独で又は2種以上を適宜組み合わせて用いることができる。この架橋型オルガノポリシロキサンは、上記の(C)で説明したシリコーン粉体や、上記の(D)界面活性剤とは異なり、分子構造中、ポリエーテル又はポリグリセリン構造を有しない化合物であり、油剤を膨潤することにより、構造粘性を有するエラストマーである。例えば、(ジメチコン/ビニルジメチコン)クロスポリマー、(ジメチコン/フェニルビニルジメチコン)クロスポリマー、(ビニルジメチコン/ラウリルジメチコン)クロスポリマー、(ラウリルポリジメチルシロキシエチルジメチコン/ビスビニルジメチコン)クロスポリマー等が挙げられる。これらは室温で液状のオイルを含む膨潤物として市販され、具体例としては、信越化学工業(株)製のKSG−15,1510,16,1610,18A,19,41A,42A,43,44,042Z,045Z,048Z等が挙げられる。この成分を配合する場合の配合量は、化粧料中0.01〜30%が好ましい。
【0087】
(F)皮膜剤
皮膜剤としては、通常化粧料に配合できる原料であれば特に限定されないが、具体的には、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、ポリ酢酸ビニル、ポリアクリル酸アルキル等のラテックス類、デキストリン、アルキルセルロースやニトロセルロース等のセルロース誘導体、トリ(トリメチルシロキシ)シリルプロピルカルバミド酸プルラン等のシリコーン化多糖化合物、(アクリル酸アルキル/ジメチコン)コポリマー等のアクリル−シリコーン系グラフト共重合体、トリメチルシロキシケイ酸等のシリコーン樹脂、シリコーン変性ポリノルボルネン、フッ素変性シリコーン樹脂等のシリコーン系樹脂、フッ素樹脂、芳香族系炭化水素樹脂、ポリマーエマルジョン樹脂、テルペン系樹脂、ポリブテン、ポリイソプレン、アルキド樹脂、ポリビニルピロリドン変性ポリマー、ロジン変性樹脂、ポリウレタン等が用いられる。
【0088】
これらの中でも特に、シリコーン系の皮膜剤が好ましく、中でもトリ(トリメチルシロキシ)シリルプロピルカルバミド酸プルラン〔市販品としては、溶剤に溶解したものとして、信越化学工業(株)製:TSPL−30−D5,ID〕や、(アクリル酸アルキル/ジメチコン)コポリマー〔市販品としては、溶剤に溶解したものとして、信越化学工業(株)製:KP−543,545,549,550,545L等〕や、トリメチルシロキシケイ酸〔市販品としては、溶剤に溶解したものとして、信越化学工業(株)製:KF−7312J,X−21−5250等〕やシリコーン変性ポリノルボルネン〔市販品としては、溶剤に溶解したものとして、信越化学工業(株)製:NBN−30−ID等〕、オルガノポリビニルアルコール系重合体を用いることができるが、これらに限定されるものではない。皮膜剤としては1種又は2種以上を用いることができる。この成分を配合する場合の配合量は、化粧料中0.1〜20%が好ましい。
【0089】
(G)水性成分
水性成分は、通常化粧料に配合できる水性成分であれば、特に限定されない。具体的には、水、保湿剤等が挙げられ、1種単独で又は2種以上を適宜組み合わせて用いることができる。この成分を配合する場合の配合量は、化粧料中0.1〜90%が好ましい。
【0090】
・水
水としては、化粧料に一般的に使用される精製水の他、果実や植物の蒸留水や、化粧品表示名称で定義される海水、温泉水、泥炭水等が挙げられる。
【0091】
・保湿剤
保湿剤としては、エタノール、イソプロパノール等の低級アルコール;ソルビトール、マルトース、キシリトール等の糖アルコール、ブチレングリコール、ジブチレングリコール、プロピレングリコール、ジブチレングリコール、ペンチレングリコール、デカンジオール、オクタンジオール、ヘキサンジオール、エリスリトール、グリセリン、ジグリセリン、ポリエチレングリコール等の多価アルコール;グルコース、グリセリルグルコシド、ベタイン、ヒアルロン酸、コンドロイチン硫酸塩、ピロリドンカルボン酸塩、ポリオキシエチレンメチルグルコシド、ポリオキシプロピレンメチルグルコシド等が挙げられる。
【0092】
(H)ワックス
本発明に用いられるワックスは、通常化粧料に配合できる原料であれば、特に限定されない。具体的には、セレシン、オゾケライト、パラフィン、合成ワックス、マイクロクリスタリンワックス、ポリエチレンワックス等の炭化水素ワックス、カルナウバロウ、ライスワックス、コメヌカロウ、ホホバワックス(極度に水添したホホバ油を含む)、キャンデリラロウ等の植物由来のワックス、鯨ロウ、ミツロウ、雪ロウ等の動物由来のワックス等が挙げられ、これらワックスはその1種又は2種以上を用いることができる。ワックスを配合する場合の配合量は、化粧料中0.1〜10%が好ましい。
【0093】
(I)その他の添加剤
その他の添加剤としては、油溶性ゲル化剤、制汗剤、紫外線吸収剤、防腐剤・殺菌剤、香料、塩類、酸化防止剤、pH調整剤、キレート剤、清涼剤、抗炎症剤、美肌用成分(美白剤、細胞賦活剤、肌荒れ改善剤、血行促進剤、皮膚収斂剤、抗脂漏剤等)、ビタミン類、アミノ酸類、水溶性高分子化合物、繊維、包接化合物等が挙げられる。
【0094】
・油溶性ゲル化剤
油溶性ゲル化剤としては、アルミニウムステアレート、マグネシウムステアレート、ジンクミリステート等の金属セッケン;N−ラウロイル−L−グルタミン酸、α,γ−ジ−n−ブチルアミン等のアミノ酸誘導体;デキストリンパルミチン酸エステル、デキストリンステアリン酸エステル、デキストリン2−エチルヘキサン酸パルミチン酸エステル等のデキストリン脂肪酸エステル;ショ糖パルミチン酸エステル、ショ糖ステアリン酸エステル等のショ糖脂肪酸エステル;フラクトオリゴ糖ステアリン酸エステル、フラクトオリゴ糖2−エチルヘキサン酸エステル等のフラクトオリゴ糖脂肪酸エステル;モノベンジリデンソルビトール、ジベンジリデンソルビトール等のソルビトールのベンジリデン誘導体;ジステアルジモニウムヘクトライト、ステアラルコニウムクトライト、ヘクトライトの有機変性粘土鉱物等が挙げられる。
【0095】
・紫外線吸収剤
紫外線吸収剤としては、サリチル酸ホモメンチル、オクトクリレン、4−tert−ブチル−4’−メトキシジベンゾイルメタン、4−(2−β−グルコピラノシロキシ)プロポキシ−2−ヒドロキシベンゾフェノン、サリチル酸オクチル、2−[4−(ジエチルアミノ)−2−ヒドロキシベンゾイル]安息香酸ヘキシルエステル、ジヒドロキシジメトキシベンゾフェノン、ジヒドロキシジメトキシベンゾフェノンジスルホン酸ナトリウム、ジヒドロキシベンゾフェノン、ジメチコジエチルベンザルマロネート、1−(3,4−ジメトキシフェニル)−4,4−ジメチル−1,3−ペンタンジオン、ジメトキシベンジリデンジオキソイミダゾリジンプロピオン酸2−エチルヘキシル、テトラヒドロキシベンゾフェノン、テレフタリリデンジカンフルスルホン酸、2,4,6−トリス[4−(2−エチルヘキシルオキシカルボニル)アニリノ]−1,3,5−トリアジン、トリメトキシケイ皮酸メチルビス(トリメチルシロキシ)シリルイソペンチル、ドロメトリゾールトリシロキサン、パラジメチルアミノ安息香酸2−エチルヘキシル、パラメトキシケイ皮酸イソプロピル、パラメトキシケイ皮酸2−エチルヘキシル、2,4−ビス−[{4−(2−エチルヘキシルオキシ)−2−ヒドロキシ}−フェニル]−6−(4−メトキシフェニル)−1,3,5−トリアジン、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、ヒドロキシメトキシベンゾフェノンスルホン酸及びその三水塩、ヒドロキシメトキシベンゾフェノンスルホン酸ナトリウム、フェニルベンズイミダゾールスルホン酸、2,2’−メチレンビス(6−(2Hベンゾトリアゾール−2−イル)−4−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)フェノール)が挙げられる。また、UVA吸収剤(例えば、ジエチルアミノヒドロキシベンゾイル安息香酸ヘキシル等)と、UVB吸収剤(例えば、メトキシケイヒ酸エチルヘキシル等)を併用することが可能であり、それぞれを任意に組み合わせることも可能である。
【0096】
・防腐剤・殺菌剤
防腐剤・殺菌剤としては、パラオキシ安息香酸アルキルエステル、安息香酸、安息香酸ナトリウム、ソルビン酸、ソルビン酸カリウム、フェノキシエタノール、イミダゾリジニルウレア、サリチル酸、イソプロピルメチルフェノール、石炭酸、パラクロルメタクレゾール、ヘキサクロロフェン、塩化ベンザルコニウム、塩化クロルヘキシジン、トリクロロカルバニリド、ブチルカルバミン酸ヨウ化プロピニル、ポリリジン、感光素、銀、植物エキス等が挙げられる。
【0097】
上記した化粧料の形態は、乳化系、非水系のどちらでもよい。みずみずしい使用感を付与したいときは乳化形態を選択し、乳化形態としては、O/W型エマルジョン、W/O型エマルジョン、O/W/O型エマルジョン、W/O/W型エマルジョンのいずれの形態でもよく、油性感や耐水性を得たいときは非水系組成物を選択でき、いずれの場合でも良好な化粧料が得られる。なお、本発明において「非水系組成物」とは、水を実質的に配合しない組成物をいう。これらの中でもW/O型エマルジョンの場合、油相と水相の合計の含有量に対する水相の含有量の質量比は0.6以上が好ましく、0.7以上がさらに好ましく、0.75以上が最も好ましい。
【0098】
本発明における化粧料は、必須成分を含有する化粧料であれば、特に限定されるものではないが、例えば、美容液、乳液、クリーム、ヘアケア、ファンデーション、化粧下地、日焼け止め、コンシーラー、チークカラー、口紅、グロス、バーム、マスカラ、アイシャドー、アイライナー、ボディーメーキャップ、デオドラント剤、爪用化粧料等、種々の製品に応用することが可能である。本発明の化粧料の性状としては、液状、クリーム状、固形状、ペースト状、ゲル状、ムース状、スフレ状、粘土状、パウダー状、スティック状等の種々の性状を選択することができる。
【実施例】
【0099】
以下、製造例、実施例及び比較例により本発明を具体的に説明するが、本発明は下記製造例及び実施例に制限されるものではない。組成の「%」は特に説明がない場合は質量%である。なお、有機基変性有機ケイ素樹脂を製造例とし、化粧料の例を実施例、比較例とした。
【0100】
[製造例1]有機基変性有機ケイ素樹脂の製造方法
平均組成式(E1)で表される粉末状のヒドロシリル基含有有機ケイ素樹脂(重量平均分子量5,500,水素ガス発生量:65.1mL/g)の50%デカメチルシクロペンタシロキサン溶液1,000g、式(E2)で表されるオルガノポリシロキサン205g、2−プロパノール1,000g、塩化白金酸0.5%の2−プロパノール溶液1.3gを反応器に仕込み、80℃で6時間加熱することで反応を行った。その後、式(E3)で表されるポリオキシアルキレンを577g添加して、80℃で6時間加熱することで反応を継続した後、さらに減圧下で加熱することで溶剤を留去した。その後、エタノールを250g添加した後、5%水酸化ナトリウム水溶液5gを添加することで、未反応のヒドロシリル基を加水分解し、さらに濃塩酸0.63gを添加し中和を行った。中和後、0.01N塩酸水溶液を150g添加して未反応ポリオキシアルキレンのアリルエーテル基を加水分解し、5%重槽水2.6gで中和した。反応物を減圧下で加熱して溶剤を留去し、濾過を行うことで、平均組成式(E4)で表される有機基変性有機ケイ素樹脂のデカメチルシクロペンタシロキサン溶液を得た。得られた有機基変性有機ケイ素樹脂のデカメチルシクロペンタシロキサン溶液を減圧下で120〜130℃に加熱し、デカメチルシクロペンタシロキサンを除去することで無色透明な液体である有機基変性有機ケイ素樹脂を得た。また生成物のHLB値は9.0であった。
平均組成式(E1):(Me3SiO1/222.7(HMe2SiO1/216.1(SiO243.9
式(E2):CH2=CH−(SiO(CH328−Si(CH33
式(E3):CH2=CH−CH2−O−(C24O)10−CH3
平均組成式(E4):(Me3SiO1/222.7(R2Me2SiO1/23.2(R3Me2SiO1/212.8(SiO4/243.5
2=−CH2−CH2−CH2−O−(C24O)10−CH3
3=−CH2−CH2−(SiO(CH328−Si(CH33
(Meはメチル基を示す。以下同様)
【0101】
[製造例2]有機基変性有機ケイ素樹脂(重合体(I))の製造方法
平均組成式(E5)で表される粉末状のヒドロシリル基含有有機ケイ素樹脂(重量平均分子量7,980,水素ガス発生量:52.4mL/g)の50%デカメチルシクロペンタシロキサン溶液1,300g、式(E6)で表されるオルガノポリシロキサン716g、2−プロパノール1,300g、塩化白金酸0.5%の2−プロパノール溶液1.7gを反応器に仕込み、100℃で6時間加熱することで反応を行った。その後、式(E7)で表されるポリオキシアルキレンを62g添加して、100℃で6時間加熱することで反応を継続した後、さらに減圧下で加熱することで溶剤を留去した。その後、エタノールを325g添加した後、5%水酸化ナトリウム水溶液6.5gを添加することで、未反応のヒドロシリル基を加水分解し、さらに濃塩酸0.8gを添加し中和を行った。中和後、0.01N塩酸水溶液を195g添加して未反応ポリオキシアルキレンのアリルエーテル基を加水分解し、5%重槽水3.3gで中和した。反応物を減圧下で加熱して溶剤を留去し、濾過を行うことで、平均組成式(E8)で表される有機基変性有機ケイ素樹脂のデカメチルシクロペンタシロキサン溶液を得た。得られた有機基変性有機ケイ素樹脂のデカメチルシクロペンタシロキサン溶液を減圧下で120〜130℃に加熱し、デカメチルシクロペンタシロキサンを除去することで無色透明な液体である有機基変性有機ケイ素樹脂を得た。また生成物のHLB値は1.0であった。
平均組成式(E5):(Me3SiO1/232.9(HMe2SiO1/217.5(Me2SiO)2.4(SiO266.1
式(E6):CH2=CH−(SiO(CH326−Si(CH33
式(E7):CH2=CH−CH2−O−(C24O)9−H
平均組成式(E8):(Me3SiO1/232.9(R2Me2SiO1/21.8(R3Me2SiO1/215.7(Me2SiO2/22.4(SiO4/266.1
2=−CH2−CH2−CH2−O−(C24O)9−H
3=−CH2−CH2−(SiO(CH326−Si(CH33
【0102】
[製造例3]有機基変性有機ケイ素樹脂の製造方法
平均組成式(E9)で表される粉末状のヒドロシリル基含有有機ケイ素樹脂(重量平均分子量16,200,水素ガス発生量:76.5mL/g)の50%デカメチルシクロペンタシロキサン溶液800g、式(E10)で表されるオルガノポリシロキサン184g、エタノール800g、塩化白金酸0.5%の2−プロパノール溶液1.2gを反応器に仕込み、80℃で6時間加熱することで反応を行った。その後、式(E11)で表されるポリオキシアルキレン587g添加して、100℃で6時間加熱することで反応を継続した後、さらに減圧下で加熱することで溶剤を留去した。その後、エタノールを200g添加した後、5%水酸化ナトリウム水溶液4.0gを添加することで、未反応のヒドロシリル基を加水分解し、さらに濃塩酸0.5gを添加し中和を行った。中和後、0.01N塩酸水溶液を120g添加して未反応ポリオキシアルキレンのアリルエーテル基を加水分解し、5%重槽水2.0gで中和した。反応物を減圧下で加熱して溶剤を留去し、濾過を行うことで、平均組成式(E12)で表される有機基変性有機ケイ素樹脂のデカメチルシクロペンタシロキサン溶液を得た。得られた有機基変性有機ケイ素樹脂のデカメチルシクロペンタシロキサン溶液を減圧下で120〜130℃に加熱し、デカメチルシクロペンタシロキサンを除去することで無色透明な液体である有機基変性有機ケイ素樹脂を得た。また生成物のHLB値は10.0であった。
平均組成式(E9):(Me3SiO1/251.9(HMe2SiO1/255.3(SiO2138.2
式(E10):CH2=CH−Si(OSi(CH333
式(E11):CH2=CH−CH2−O−(C24O)15−CH3
平均組成式(E12):(Me3SiO1/251.9(R2Me2SiO1/233.2(R3Me2SiO1/222.1(SiO4/2138.2
2=−CH2−CH2−CH2−O−(C24O)15−CH3
3=−CH2−CH2−Si(OSi(CH333
【0103】
[製造例4]有機基変性有機ケイ素樹脂(重合体(II))の製造方法
平均組成式(E13)で表される粉末状のヒドロシリル基含有有機ケイ素樹脂(重量平均分子量5,350,水素ガス発生量:57.0mL/g)の50%デカメチルシクロペンタシロキサン溶液900g、式(E14)で表されるオルガノポリシロキサン575g、2−プロパノール900g、塩化白金酸0.5%の2−プロパノール溶液1.1gを反応器に仕込み、95℃で6時間加熱することで反応を行った。その後、式(E15)で表されるポリオキシアルキレンを50.1g添加して、100℃で6時間加熱することで反応を継続した後、さらに減圧下で加熱することで溶剤を留去した。その後、エタノールを225g添加した後、5%水酸化ナトリウム水溶液4.5gを添加することで、未反応のヒドロシリル基を加水分解し、さらに濃塩酸0.6gを添加し中和を行った。中和後、0.01N塩酸水溶液を135g添加して未反応ポリオキシアルキレンのアリルエーテル基を加水分解し、5%重槽水2.3gで中和した。さらに反応液をオートクレープに移した後、ラネーニッケル50gを添加して、1MPaの水素圧で水素を流しながら100℃で3時間反応を行った。その後、反応物を減圧下で加熱して溶剤を留去し、濾過を行うことで、平均組成式(E16)で表される有機基変性有機ケイ素樹脂のデカメチルシクロペンタシロキサン溶液を得た。得られた有機基変性有機ケイ素樹脂のデカメチルシクロペンタシロキサン溶液を減圧下で120〜130℃に加熱し、デカメチルシクロペンタシロキサンを除去することで無色透明な液体である有機基変性有機ケイ素樹脂を得た。また生成物のHLB値は1.0であった。
平均平均組成式(E13):(Me3SiO1/221.9(HMe2SiO1/213.6(SiO244.4
式(E14):CH2=CH−(SiO(CH326−Si(CH33
式(E15):CH2=CH−CH2−O−(C24O)9−H
平均組成式(E16):(Me3SiO1/221.9(R2Me2SiO1/21.4(R3Me2SiO1/212.2(SiO4/244.4
2=−CH2−CH2−CH2−O−(C24O)9−CH3
3=−CH2−CH2−(SiO(CH326−Si(CH33
【0104】
[製造例5]有機基変性有機ケイ素樹脂/デカメチルシクロペンタシロキサン60%溶液の製造方法
平均組成式(E17)で表される固形状のヒドロシリル基含有有機ケイ素樹脂(重量平均分子量1,600,水素ガス発生量:43.0mL/g)の50%デカメチルシクロペンタシロキサン溶液1,100g、式(E18)で表されるオルガノポリシロキサン235g、2−プロパノール1,100g、塩化白金酸0.5%の2−プロパノール溶液1.2gを反応器に仕込み、85℃で6時間加熱することで反応を行った。その後、式(E19)で表されるポリオキシアルキレンを403g添加して、85℃で6時間加熱することで反応を継続した後、さらに減圧下で加熱することで溶剤を留去した。その後、エタノールを275g添加した後、5%水酸化ナトリウム水溶液5.5gを添加することで、未反応のヒドロシリル基を加水分解し、さらに濃塩酸0.7gを添加し中和を行った。中和後、0.01N塩酸水溶液を165g添加して未反応ポリオキシアルキレンのアリルエーテル基を加水分解し、5%重槽水2.8gで中和した。反応物を減圧下で加熱して溶剤を留去し、濾過を行い、有機基変性有機ケイ素樹脂の重量比率が60%になるようにデカメチルシクロペンタシロキサンで希釈することで、平均組成式(E20)で表される有機基変性有機ケイ素樹脂の60%デカメチルシクロペンタシロキサン溶液を得た。
得られた有機基変性有機ケイ素樹脂のデカメチルシクロペンタシロキサン溶液を減圧下で120〜130℃に加熱し、デカメチルシクロペンタシロキサンを除去して得られた生成物は固形状の粉末であった。また生成物のHLB値は6.8であった。
平均組成式(E17):(Me3SiO1/27.7(HMe2SiO1/23.0(SiO212.9
式(E18):CH2=CH−(SiO(CH326−Si(CH33
式(E19):CH2=CH−CH2−O−(C36O)10−CH3
平均組成式(E20):(Me3SiO1/27.7(R2Me2SiO1/21.8(R3Me2SiO1/21.2(SiO4/212.9
2=−CH2−CH2−CH2−O−(C36O)10−CH3
3=−CH2−CH2−(SiO(CH326−Si(CH33
【0105】
[製造例6]有機基変性有機ケイ素樹脂の製造方法
平均組成式(E21)で表される粉末状のヒドロシリル基含有有機ケイ素樹脂(重量平均分子量6,400,水素ガス発生量:18.9mL/g)の50%オクタメチルシクロテトラシロキサン溶液800g、式(E22)で表されるオルガノポリシロキサン72g、2−プロパノール800g、塩化白金酸0.5%の2−プロパノール溶液0.6gを反応器に仕込み、105℃で6時間加熱することで反応を行った。その後、式(E23)で表されるポリオキシアルキレンを149g添加して、105℃で6時間加熱することで反応を継続した後、さらに減圧下で加熱することで溶剤を留去した。その後、エタノールを200g添加した後、5%水酸化ナトリウム水溶液4.0gを添加することで、未反応のヒドロシリル基を加水分解し、さらに濃塩酸0.5gを添加し中和を行った。中和後、0.01N塩酸水溶液を120g添加して未反応ポリオキシアルキレンのアリルエーテル基を加水分解し、5%重槽水2.0gで中和した。反応物を減圧下で加熱して溶剤を留去し、濾過を行うことで、平均組成式(E24)で表される有機基変性有機ケイ素樹脂のオクタメチルシクロテトラシロキサン溶液を得た。得られた有機基変性有機ケイ素樹脂のオクタメチルシクロテトラシロキサン溶液を減圧下で120〜130℃に加熱し、オクタメチルシクロテトラシロキサンを除去することで無色透明な液体である有機基変性有機ケイ素樹脂を得た。また生成物のHLB値は4.8であった。
平均組成式(E21):(Me3SiO1/229.2(HMe2SiO1/25.4(MeSiO3/216.2(SiO243.2
式(E22):CH2=CH−(SiO(CH3210−Si(CH33
式(E23):CH2=CH−CH2−O−(C24O)12−H
平均組成式(E24):(Me3SiO1/229.2(R2Me2SiO1/24.0(R3Me2SiO1/21.3(MeSiO3/216.2(SiO4/243.2
2=−CH2−CH2−CH2−O−(C24O)12−CH3
3=−CH2−CH2−(SiO(CH3210−Si(CH33
【0106】
[製造例7]有機基変性有機ケイ素樹脂の製造方法
平均組成式(E25)で表される粉末状のヒドロシリル基含有有機ケイ素樹脂(重量平均分子量10,800,水素ガス発生量:39.8mL/g)の50%デカメチルシクロペンタシロキサン溶液500g、式(E26)で表されるオルガノポリシロキサン59.8g、エタノール1,000g、塩化白金酸0.5%の2−プロパノール溶液1.1gを反応器に仕込み、80℃で6時間加熱することで反応を行った。その後、式(E27)で表されるポリオキシアルキレンを559g添加して、80℃で6時間加熱することで反応を継続した後、さらに減圧下で加熱することで溶剤を留去した。その後、エタノールを250g添加した後、5%水酸化ナトリウム水溶液5.0gを添加することで、未反応のヒドロシリル基を加水分解し、さらに濃塩酸0.6gを添加し中和を行った。中和後、0.01N塩酸水溶液を150g添加して未反応ポリオキシアルキレンのアリルエーテル基を加水分解し、5%重槽水2.6gで中和した。さらに反応液をオートクレープに移した後、ラネーニッケル50gを添加して、1MPaの水素圧で水素を流しながら100℃で3時間反応を行った。その後、反応物を減圧下で加熱して溶剤を留去し、濾過を行うことで、平均組成式(E28)で表される有機基変性有機ケイ素樹脂のデカメチルシクロペンタシロキサン溶液を得た。得られた有機基変性有機ケイ素樹脂のデカメチルシクロペンタシロキサン溶液を減圧下で120〜130℃に加熱し、デカメチルシクロペンタシロキサンを除去することで無色透明な液体である有機基変性有機ケイ素樹脂を得た。また生成物のHLB値は10.0であった。
平均組成式(E25):(Me3SiO1/235.1(HMe2SiO1/219.2(Me2SiO)29.2(SiO275.2
式(E26):CH2=CH−(SiO(CH323−Si(CH33
式(E27):CH2=CH−CH2−O−(C24O)10(C36O)5−H
平均組成式(E28):(Me3SiO1/235.1(R2Me2SiO1/215.4(R3Me2SiO1/23.8(Me2SiO)29.2(SiO4/275.2
2=−CH2−CH2−CH2−O−(C24O)10(C36O)5−CH3
3=−CH2−CH2−(SiO(CH323−Si(CH33
【0107】
[製造例8]有機基変性有機ケイ素樹脂/イソドデカン60%溶液の製造方法
平均組成式(E29)で表される粉末状のヒドロシリル基含有有機ケイ素樹脂(重量平均分子量8,600,水素ガス発生量:10.5mL/g)の50%イソドデカン溶液1600g、式(E30)で表されるオルガノポリシロキサン72.4g、2−プロパノール1,600g、塩化白金酸0.5%の2−プロパノール溶液1.0gを反応器に仕込み、90℃で6時間加熱することで反応を行った。その後、式(E31)で表されるポリオキシアルキレンを111g添加して、90℃で6時間加熱することで反応を継続した後、さらに減圧下で加熱することで溶剤を留去した。その後、エタノールを400g添加した後、5%水酸化ナトリウム水溶液8.0gを添加することで、未反応のヒドロシリル基を加水分解し、さらに濃塩酸1.0gを添加し中和を行った。中和後、0.01N塩酸水溶液を240g添加して未反応ポリオキシアルキレンのアリルエーテル基を加水分解し、5%重槽水4.1gで中和した。さらに反応液をオートクレープに移した後、ラネーニッケル50gを添加して、1MPaの水素圧で水素を流しながら100℃で3時間反応を行った。その後、反応物を減圧下で加熱して溶剤を留去し、濾過を行い、有機基変性有機ケイ素樹脂の重量比率が60%になるようにイソドデカンで希釈することで、平均組成式(E32)で表される有機基変性有機ケイ素樹脂の60%イソドデカン溶液を得た。
得られた有機基変性有機ケイ素樹脂のイソドデカン溶液を減圧下で120〜130℃に加熱し、イソドデカンを除去して得られた生成物は固形状の粉末であった。また生成物のHLB値は2.3あった。
平均組成式(E29):(Me3SiO1/252.2(HMe2SiO1/24.0(SiO268.3
式(E30):CH2=CH−(SiO(CH325−Si(CH33
式(E31):CH2=CH−CH2−O−(C24O)10−CH3
平均組成式(E32):(Me3SiO1/252.2(R2Me2SiO1/22.4(R3Me2SiO1/21.6(SiO4/268.3
2=−CH2−CH2−CH2−O−(C24O)10−CH3
3=−CH2−CH2−(SiO(CH325−Si(CH33
【0108】
[製造例9]有機基変性有機ケイ素樹脂の製造方法
平均組成式(E33)で表される粉末状のヒドロシリル基含有有機ケイ素樹脂(重量平均分子量5,800,水素ガス発生量:25.0mL/g)の50%デカメチルシクロペンタシロキサン溶液1,300g、式(E34)で表されるオルガノポリシロキサン48.8g、エタノール1,300g、塩化白金酸0.5%の2−プロパノール溶液1.2gを反応器に仕込み、90℃で6時間加熱することで反応を行った。その後、式(E35)で表されるポリオキシアルキレンを799g添加して、90℃で6時間加熱することで反応を継続した後、さらに減圧下で加熱することで溶剤を留去した。その後、エタノールを325g添加した後、5%水酸化ナトリウム水溶液6.5gを添加することで、未反応のヒドロシリル基を加水分解し、さらに濃塩酸0.8gを添加し中和を行った。中和後、0.01N塩酸水溶液を195g添加して未反応ポリオキシアルキレンのアリルエーテル基を加水分解し、5%重槽水3.3gで中和した。反応物を減圧下で加熱して溶剤を留去し、濾過を行うことで、平均組成式(E36)で表される有機基変性有機ケイ素樹脂のデカメチルシクロペンタシロキサン溶液を得た。得られた有機基変性有機ケイ素樹脂のデカメチルシクロペンタシロキサン溶液を減圧下で120〜130℃に加熱し、デカメチルシクロペンタシロキサンを除去することで無色透明な液体である有機基変性有機ケイ素樹脂を得た。また生成物のHLB値は10.7であった。
平均組成式(E33):(Me3SiO1/231.1(HMe2SiO1/26.5(SiO247.5
式(E34):CH2=CH−(SiO(CH323−Si(CH33
式(E35):CH2=CH−CH2−O−(C24O)30−CH3
平均組成式(E36):(Me3SiO1/231.1(R2Me2SiO1/25.2(R3Me2SiO1/21.3(SiO4/247.5
2=−CH2−CH2−CH2−O−(C24O)30−CH3
3=−CH2−CH2−(SiO(CH323−Si(CH33
【0109】
[製造例10]有機基変性有機ケイ素樹脂の製造方法
平均組成式(E37)で表される粉末状のヒドロシリル基含有有機ケイ素樹脂(重量平均分子量7,600,水素ガス発生量:39.7mL/g)の50%デカメチルシクロペンタシロキサン溶液1,000g、式(E38)で表されるポリオキシアルキレン518g、2−プロパノール1,000g、塩化白金酸0.5%の2−プロパノール溶液1.0gを反応器に仕込み、80℃で6時間加熱することで反応を行った。その後、減圧下で加熱することで溶剤を留去した。その後、エタノールを250g添加した後、5%水酸化ナトリウム水溶液5.0gを添加することで、未反応のヒドロシリル基を加水分解し、さらに濃塩酸0.6gを添加し中和を行った。中和後、0.01N塩酸水溶液を150g添加して未反応ポリオキシアルキレンのアリルエーテル基を加水分解し、5%重槽水2.6gで中和した。反応物を減圧下で加熱して溶剤を留去し、濾過を行うことで、平均組成式(E39)で表される有機基変性有機ケイ素樹脂の60%デカメチルシクロペンタシロキサン溶液を得た。得られた有機基変性有機ケイ素樹脂のデカメチルシクロペンタシロキサン溶液を減圧下で120〜130℃に加熱し、デカメチルシクロペンタシロキサンを除去することで無色透明な液体である有機基変性有機ケイ素樹脂を得た。また生成物のHLB値は10.2であった。
平均組成式(E37):(Me3SiO1/238.8(HMe2SiO1/213.5(SiO259.3
式(E38):CH2=CH−CH2−O−(C24O)12−CH3
平均組成式(E39):(Me3SiO1/238.8(R2Me2SiO1/213.5(SiO4/259.3
2=−CH2−CH2−CH2−O−(C24O)12−CH3
【0110】
上記で得られた有機基変性有機ケイ素樹脂について、D5(デカメチルシクロペンタシロキサン)溶解性、乳化性能について評価し、形状を記載した。結果を下記表に示す。
【0111】
【表1】

(※1)D5溶解性;成分50%、D550%で溶解可能かどうか。
(※2)乳化性能;成分:2%とD5:20%の油相に水:78%で乳化が可能かどうか。
(※3)成分100%の25℃における形状
(注1)トリメチルシロキシケイ酸溶液;KF−7312J(信越化学工業(株)製)
【0112】
[製造例11]重合体(I)のデカメチルシクロペンタシロキサン(D5)溶解品(60%)の調製
重合体(I)とD5を窒素置換させたセパラブルフラスコへ入れ、80℃でガラス攪拌装置によって均一に溶解させ、60%溶液を調製した。
【0113】
[製造例12]重合体(I)のジメチコン(6cs)溶解品(60%)の調製
重合体(I)とジメチコン(6cs)を窒素置換させたセパラブルフラスコへ入れ、80℃でガラス攪拌装置によって均一に溶解させ、60%溶液を調製した。
【0114】
[製造例13]重合体(II)のD5溶解品(80%)の調製
重合体(II)とD5を窒素置換させたセパラブルフラスコへ入れ、80℃でガラス攪拌装置によって均一に溶解させ、80%溶液を調製した。
【0115】
[製造例14]重合体(II)のイソドデカン溶解品(80%)の調製
重合体(II)とイソドデカンを窒素置換させたセパラブルフラスコへ入れ、80℃でガラス攪拌装置によって均一に溶解させ、80%溶液を調製した。
【0116】
なお、得られた重合体は、D5やジメチコン(6cs)やイソドデカン以外にも、ジメチコン(2cs)、メチルトリメチコン等の化粧品に用いられる揮発性溶剤やトリエチルヘキサノインやイソノナン酸イソトリデシル等の不揮発性溶剤にも溶解させることができる。また、これらの溶液の粘度は、重合体の組成や分子量によって変化させることができる。
【0117】
(1)特性評価
下記実施例1及び比較例1の化粧料について、化粧料の使用感(べたつきのなさ)、さっぱり感(みずみずしさ)及び経時安定性(50℃・1ヶ月保存後の状態)について、表2に示される評価基準により評価した。結果を10名の平均値に基づき、下記判断基準に従って判定した。結果を表3,4に併記する。
【0118】
【表2】
【0119】
判定基準
◎:平均点が4.5点以上
○:平均点が3.5点以上4.5点未満
△:平均点が2.5点以上3.5点未満
×:平均点が1.5点以上2.5点未満
××:平均点が1.5点未満
【0120】
[実施例1、比較例1]
表3に示す処方を作製し、その評価を併記した。
【0121】
【表3】

(注1)ポリエーテル変性シリコーン;KF−6017(信越化学工業(株)製)
なお、配合量は、記載の配合製品の配合量(以下同様)。
【0122】
<化粧料の調製>
A:成分(1)を均一に混合した。
B:成分(2)を均一に混合した。
C:BをAに添加して乳化し、W/O乳液を得た。
【0123】
上記表3の結果より、本発明のW/O乳液は使用感(べたつきのなさ)、さっぱり感(みずみずしさ)、経時安定性(50℃・1ヶ月保存時の状態)が良好であることが分かった。
【0124】
[実施例2、比較例2]
表4に示す処方を作製し、その評価を併記した。
【0125】
【表4】

(注1)部分架橋型ジメチルポリシロキサン組成物;KSG−15〈架橋物:4〜10%、D5:90〜96%〉(信越化学工業(株)製)
(注2)シリコーン分岐型ポリエーテル変性シリコーン;KF−6028(信越化学工業(株)製)
【0126】
<化粧料の調製>
A:成分(1)を均一に混合した。
B:成分(2)を均一に混合した。
C:BをAに添加して乳化し、W/Oクリームを得た。
【0127】
上記表4の結果より、本発明のW/Oクリームは使用感(べたつきのなさ)、さっぱり感(みずみずしさ)及び経時安定性(50℃・1か月保存時の状態)が良好であり、ウォーターブレイクタイプの化粧料を容易に調整することが可能であることが分かった。
【0128】
[実施例3]
W/Oサンスクリーンクリーム
<化粧料の調製>
A:成分7〜9をロールミルにて分散した。
B:成分1〜6を均一に混合した。
C:成分10〜15を均一に混合した。
D:CをBに添加して乳化し、Aを添加して、W/Oサンスクリーンクリームを得た。
成分
(%)
1.部分架橋型ポリエーテル変性シリコーン組成物(注1) 3
2.部分架橋型ジメチルポリシロキサン組成物(注2) 10
3.シリコーン分岐型ポリエーテル変性シリコーン(注3) 2.8
4.ジステアルジモニウムヘクトライト 0.8
5.デカメチルシクロペンタシロキサン 16
6.ジメチルポリシロキサン(6cs) 7
7.重合体(II)のD5溶解品(80%) 2.5
8.デカメチルシクロペンタシロキサン 9.5
9.金属石鹸処理微粒子酸化チタン 8
10.ジプロピレングリコール 5
11.クエン酸ナトリウム 0.2
12.塩化ナトリウム 0.5
13.エチルヘキシルグリセリン 0.05
14.グリチルリチン酸2カリウム 0.05
15.精製水 残量
100
(注1)部分架橋型ポリエーテル変性シリコーン組成物;KSG−210<架橋物:20〜30%、ジメチルポリシロキサン(6cs):70〜80%>(信越化学工業(株)製)
(注2)部分架橋型ジメチルポリシロキサン組成物;KSG−15<架橋物:4〜10%、D5:90〜96%>(信越化学工業(株)製)
(注3)シリコーン分岐型ポリエーテル変性シリコーン;KF−6028(信越化学工業(株)製)
得られたW/Oサンスクリーンクリームは、軋み感がなくのび広がりが軽く、粉っぽさがなくてさっぱりとした使用感を与えると共に、本発明の有機基変性有機ケイ素樹脂を粉体の分散剤として使用する場合、スラリーの粘度を下げ低粘度な乳化物を作製できることがわかった。
【0129】
[実施例4]
W/Oサンスクリーンミルク
<化粧料の調製>
A:成分1〜10を均一に混合した。
B:成分13〜17を均一に混合した。
C:BをAに添加して乳化し、11,12を加え均一に混合し、W/Oサンスクリーンミルクを得た。
成分
(%)
1.重合体(I)のD5溶解品(60%) 1
2.フェニル変性部分架橋型ジメチルポリシロキサン組成物(注1)

3.アルキル・シリコーン分岐型ポリエーテル変性シリコーン(注2)

4.デカメチルシクロペンタシロキサン 20
5.ジフェニルシロキシフェニルトリメチコン(注3) 8
6.トリエチルヘキサノイン 2
7.パラメトキシケイ皮酸2−エチルヘキシル 7.5
8.オクトクリレン 2.5
9.2−[4−(ジエチルアミノ)−2−ヒドロキシベンゾイル]安息香酸ヘキシルエステル 1
10.ハイブリッドシリコーン複合粉体(注4) 0.5
11.微粒子酸化チタン分散体(注5) 5
12.微粒子酸化亜鉛分散体(注6) 10
13.1,3−ブチレングリコール 3
14.エタノール 6
15.クエン酸ナトリウム 0.2
16.塩化ナトリウム 0.5
17.精製水 残量
100
(注1)フェニル変性部分架橋型ジメチルポリシロキサン組成物;KSG−18A<架橋物:10〜20%、ジフェニルシロキシフェニルトリメチコン:80〜90%>(信越化学工業(株)製)
(注2)アルキル・シリコーン分岐型ポリエーテル変性シリコーン;KF−6038(信越化学工業(株)製))
(注3)ジフェニルシロキシフェニルトリメチコン;KF−56A(信越化学工業(株)製)
(注4)ハイブリッドシリコーン複合粉体;KSP−100(信越化学工業(株)製)
(注5)微粒子酸化チタン分散体;SPD−T5(信越化学工業(株)製)
(注6)微粒子酸化亜鉛分散体;SPD−Z5(信越化学工業(株)製)
得られたW/Oサンスクリーンミルクは、軋み感がなくのび広がりが軽く、粉っぽさがなくてさっぱりとした使用感を与えると共に、耐水性や化粧持ちも良好であった。
【0130】
[実施例5]
W/Oサンスクリーンミルク
<化粧料の調製>
A:成分1〜7を均一に混合した。
B:成分10〜13を均一に混合した。
C:BをAに添加して乳化し、8,9を添加して均一に混合し、W/Oサンスクリーンミルクを得た。
成分
(%)
1.重合体(II)のD5溶解品(80%) 1
2.部分架橋型ポリエーテル変性シリコーン組成物(注1) 2
3.分架橋型ジメチルポリシロキサン組成物(注2) 2
4.シリコーン分岐型ポリエーテル変性シリコーン(注3) 1
5.ジメチルポリシロキサン(6cs) 5
6.デカメチルシクロペンタシロキサン 3
7.イソノナン酸イソトリデシル 4
8.微粒子酸化チタン分散体(注4) 25
9.微粒子酸化亜鉛分散体(注5) 35
10.ジプロピレングリコール 2
11.クエン酸ナトリウム 0.2
12.塩化ナトリウム 1
13.精製水 残量
100
(注1)部分架橋型ポリエーテル変性シリコーン組成物;KSG−210<架橋物:2〜30%、ジメチルポリシロキサン(6cs):70〜80%>(信越化学工業(株)製)
(注2)部分架橋型ジメチルポリシロキサン組成物;KSG−15<架橋物:4〜10%、デカメチルシクロペンタシロキサン:90〜96%>(信越化学工業(株)製)
(注3)シリコーン分岐型ポリエーテル変性シリコーン;KF−6028(信越化学工業(株)製))
(注4)微粒子酸化チタン分散体;SPD−T5(信越化学工業(株)製)
(注5)微粒子酸化亜鉛分散体;SPD−Z5(信越化学工業(株)製)
得られたW/Oサンスクリーンミルクは、軋み感がなくのび広がりが軽く、粉っぽさがなくてさっぱりとした使用感を与えると共に、耐水性や化粧持ちも良好であった。
【0131】
[実施例6]
W/Oクリームファンデーション
<化粧料の調製>
A:成分9〜14をロールミルにて分散した。
B:成分1〜8を均一に混合した。
C:成分15〜19を均一に混合した。
D:CをBに添加して乳化し、Aを添加して、W/Oクリームファンデーションを得た。
成分
(%)
1.アルキル変性・部分架橋型ポリエーテル変性シリコーン組成物(注1)
3.5
2.アルキル変性・部分架橋型ジメチルポリシロキサン組成物(注2)

3.アルキル分岐型ポリエーテル変性シリコーン(注3) 3
4.有機変性粘土鉱物 1.3
5.デカメチルシクロペンタシロキサン 20
6.パラメトキシケイ皮酸2−エチルヘキシル 7.5
7.重合体(I)のD5溶解品(60%) 1
8.ハイブリッドシリコーン複合粉体(注4) 2
9.トリエチルヘキサノイン 7
10.アクリル−シリコーン系グラフト共重合体(注5) 0.2
11.シリコーン処理酸化チタン(注6) 8.5
12.シリコーン処理黄酸化鉄(注6) 適量
13.シリコーン処理赤酸化鉄(注6) 適量
14.シリコーン処理黒酸化鉄(注6) 適量
15.1,3−ブチレングリコール 5
16.パラオキシ安息香酸メチル 0.15
17.クエン酸ナトリウム 0.2
18.塩化ナトリウム 0.5
19.精製水 残量
100
(注1)アルキル変性・部分架橋型ポリエーテル変性シリコーン組成物(KSG−330<架橋物:15〜25%、トリエチルヘキサノイン:75〜85%>:信越化学工業(株)製)
(注2)アルキル変性・部分架橋型ジメチルポリシロキサン組成物;KSG−43<架橋物:25〜35%、トリエチルヘキサノイン:65〜75%>(信越化学工業(株)製)
(注3)アルキル分岐型ポリエーテル変性シリコーン;KF−6048(信越化学工業(株)製))
(注4)ハイブリッドシリコーン複合粉体;KSP−100(信越化学工業(株)製)
(注5)アクリル−シリコーン系グラフト共重合体;KP−578(信越化学工業(株)製)
(注6)シリコーン処理粉体;KF−9909(信越化学工業(株)製)を用い、粉体を其々に疎水化表面処理されたシリコーン処理粉体
得られたW/Oクリームファンデーションは、軋み感がなく、軽く延び、化粧持ちに優れ、2次付着もなかった。
【0132】
[実施例7]
W/Oリキッドファンデーション
<化粧料の調製>
A:成分8〜13をロールミルにて分散した。
B:成分1〜7を均一に混合した。
C:成分14〜19を均一に混合した。
D:CをBに添加して乳化し、Aを添加して、W/Oリキッドファンデーションを得た。
成分
(%)
1.部分架橋型ポリエーテル変性シリコーン組成物(注1) 3.5
2.アルキル分岐型ポリエーテル変性シリコーン(注2) 3
3.フェニル変性・部分架橋型ジメチルポリシロキサン組成物(注3)

4.有機変性粘土鉱物 1.5
5.ジフェニルシロキシフェニルトリメチコン(注4) 6
6.デカメチルシクロペンタシロキサン 18
7.イソノナン酸イソトリデシル 7.5
8.重合体(I)のジメチコン(6cs)溶解品(60%) 1
9.金属石鹸処理微粒子酸化チタン(平均一次粒子径:20nm)5
10.シリコーン処理酸化チタン(注5) 6.5
11.シリコーン処理黄酸化鉄(注5) 適量
12.シリコーン処理赤酸化鉄(注5) 適量
13.シリコーン処理黒酸化鉄(注5) 適量
14.グリセリン 2
15.ジプロピレングリコール 3
16.フェノキシエタノール 0.2
17.クエン酸ナトリウム 0.2
18.塩化ナトリウム 0.5
19.精製水 残量
100
(注1)部分架橋型ポリエーテル変性シリコーン組成物;KSG−210<架橋物:20〜30%、ジメチルポリシロキサン(6cs):70〜80%>(信越化学工業(株)製)
(注2)アルキル分岐型ポリエーテル変性シリコーン;KF−6048(信越化学工業(株)製)
(注3)フェニル変性・部分架橋型ジメチルポリシロキサン組成物;KSG−18A<架橋物:10〜20%、ジフェニルシロキシフェニルトリメチコン:80〜90%>(信越化学工業(株)製)
(注4)ジフェニルシロキシフェニルトリメチコン;KF−56A(信越化学工業(株)製)
(注5)シリコーン処理粉体;KF−9909(信越化学工業(株)製)を用い、粉体が其々に疎水化表面処理されたシリコーン処理粉体
得られたW/Oリキッドファンデーションンは、軋み感がなく、軽く延び、化粧持ちに優れ、2次付着もなかった。
【0133】
[実施例8]
W/Oスティックファンデーション
<化粧料の調製>
A:成分10〜14をロールミルにて分散した。
B:成分1〜9を95℃まで加熱し、均一に混合した。
C:A、成分15〜17を均一に混合し、85℃まで加熱した。
D:CをBに添加して乳化し、スティック容器に充填後、徐冷し、W/Oスティックファンデーションを得た。
成分
(%)
1.部分架橋型ポリグリセリン変性シリコーン組成物(注1) 4
2.重合体(I)のジメチコン(6cs)溶解品(60%) 1
3.アルキル・シリコーン分岐型ポリエーテル変性シリコーン(注2)
1.5
4.ステアリン酸イヌリン(注3) 2
5.セレシン 6
6.ジエチルヘキサン酸ネオペンチルグリコール 8
7.トリエチルヘキサノイン 8
8.ジメチルポリシロキサン(6cs) 7
9.ポリメチルシルセスキオキサン(注4) 1.5
10.シリコーン処理酸化チタン(注5) 6.5
11.シリコーン処理黄酸化鉄(注5) 適量
12.シリコーン処理赤酸化鉄(注5) 適量
13.シリコーン処理黒酸化鉄(注5) 適量
14.モノオレイン酸ポリオキシエチレンソルビタン(20E.O.)
0.3
15.ジプロピレングリコール 5
16.パラオキシ安息香酸メチル 0.1
17.精製水 残量
100
(注1)部分架橋型ポリグリセリン変性シリコーン組成物;KSG−710<架橋物:20〜30%、ジメチルポリシロキサン(6cs):70〜80%>(信越化学工業(株)製)
(注2)アルキル・シリコーン分岐型ポリエーテル変性シリコーン;KF−6038(信越化学工業(株)製)
(注3)ステアリン酸イヌリン;レオパールISK2(千葉製粉社製)
(注4)ポリメチルシルセスキオキサン;KMP−590(信越化学工業(株)製)
(注5)シリコーン処理粉体;KF−9909(信越化学工業(株)製)を用い、粉体を其々に疎水化表面処理されたシリコーン処理粉体
得られたW/Oスティックファンデーションは、軋み感がなく、軽く延び、化粧持ちに優れ、2次付着もなかった。
【0134】
[実施例9]
リップスティック
<化粧料の調製>
A:成分9〜16をロールミルにて分散した。
B:成分1〜8を95℃まで加熱し、均一に混合した。
C:A、B、成分17〜18を均一に混合し、85℃まで加熱した。
D:Cをスティック容器に充填しリップスティックを得た。
成分
(%)
1.ポリエチレン 7
2.マイクロクリスタリンワックス 3
3.シリコーンワックス(注1) 10.5
4.トリエチルヘキサノイン 14
5.ジエチルヘキサンン酸ネオペンチルグリコール 14
6.ジカプリン酸ネオペンチルグリコール 8
7.水添ポリイソブテン 残量
8.ジフェニルジメチコン(注2) 7.5
9.セリサイト 0.7
10.赤色201号 適量
11.赤色202号 適量
12.黄色4号 適量
13.シリコーン処理酸化チタン(注3) 2.7
14.シリコーン処理黒酸化鉄(注3) 適量
15.シリコーン処理赤酸化鉄(注3) 適量
16.トリイソステアリン酸ポリグリセリル 24
17.マイカ 6
18.重合体(I)のD5溶解品(60%) 1
100
(注1)シリコーンワックス;KP−561P(信越化学工業(株)製))
(注2)ジフェニルジメチコン;KF−54HV(信越化学工業(株)製)
(注3)シリコーン処理粉体;KF−574(信越化学工業(株)製)を用い、粉体を其々に疎水化表面処理されたシリコーン処理粉体
得られたリップスティックは、軋み感や油っぽさがなく、にじみ、二次付着等もなく、化粧持ちも良いことが確認された。
【0135】
[実施例10]
アイクリーム
<化粧料の調製>
A:成分1〜7を均一に混合した。
B:成分8〜12を均一に混合した。
C:BをAに添加して乳化し、アイクリームを得た。
成分
(%)
1.シリコーン・アルキル変性・部分架橋型ポリエーテル変性シリコーン組成物(注1) 4
2.シリコーン・アルキル変性・部分架橋型ジメチルポリシロキサン組成物(注2)

3.シリコーン・アルキル分岐型ポリエーテル変性シリコーン(注3)
0.5
4.スクワラン 15
5.ホホバ油 3
6.重合体(I)のD5溶解品(60%) 2
7.アルキル変性ハイブリッドシリコーン複合粉体(注4) 1.5
8.1,3−ブチレングリコール 7
9.フェノキシエタノール 0.25
10.クエン酸ナトリウム 0.2
11.塩化ナトリウム 0.5
12.精製水 残量
100
(注1)シリコーン・アルキル変性・部分架橋型ポリエーテル変性シリコーン組成物;KSG−350Z<架橋物:20〜30%、シクロペンタシロキサン:70〜80%>:(信越化学工業(株)製)
(注2)シリコーン・アルキル変性・部分架橋型ジメチルポリシロキサン組成物;KSG−045Z<架橋物:15〜25%、シクロペンタシロキサン:75〜85%>(信越化学工業(株)製)
(注3)シリコーン・アルキル分岐型ポリエーテル変性シリコーン;KF−6038(信越化学工業(株)製)
(注4)アルキル変性ハイブリッドシリコーン複合粉体;KSP−441(信越化学工業(株)製)
得られたアイクリームは、軋み感や油っぽさがなくサラッとしており、のび広がりが軽く、ハリ感を持続できることが確認された。
【0136】
[実施例11]
リンクルコンシーラー
<化粧料の調製>
A:成分1〜6を均一に混合した。
B:成分7をAに添加して混合し、リンクルコンシーラーを得た。
成分
(%)
1.部分架橋型ポリエーテル変性シリコーン組成物(注1) 3
2.部分架橋型ジメチルポリシロキサン組成物(注2) 55
3.部分架橋型ジメチルポリシロキサン組成物(注3) 15
4.デカメチルシクロペンタシロキサン 残量
5.高重合ジメチルポリシロキサン/D5混合溶液(注4) 5
6.重合体(II)のD5溶解品(80%) 2
7.ハイブリッドシリコーン複合粉体(注5) 12
100
(注1)部分架橋型ポリエーテル変性シリコーン組成物;KSG−210<架橋物:20〜30%、ジメチルポリシロキサン(6cs):70〜80%>(信越化学工業(株)製)
(注2)部分架橋型ジメチルポリシロキサン組成物;KSG−15<架橋物:4〜10%、デカメチルシクロペンタシロキサン:90〜96%>(信越化学工業(株)製)
(注3)部分架橋型ジメチルポリシロキサン組成物;KSG−16<架橋物:20〜30%、ジメチルポリシロキサン(6CS):70〜80%>(信越化学工業(株)製)
(注4)高重合ジメチルポリシロキサン/D5混合溶液;KF−9028(信越化学工業(株)製)
(注5)ハイブリッドシリコーン複合粉体;KSP−101(信越化学工業(株)製)
得られたリンクルコンシーラーは、軋み感や油っぽさがなくサラッとしており、のび広がりが軽く、シーリング効果を持続できることが確認された。
【0137】
[実施例12]
W/Oサンスクリーンクリーム
<化粧料の調製>
A:成分1〜8を均一に混合した。
B:成分9〜15を均一に混合した。
C:BをAに添加して乳化し、サンスクリーンを得た。
成分
(%)
1.アルキル変性・部分架橋型ポリグリセリン変性シリコーン組成物(注1)

2.アルキル変性・部分架橋型ジメチルポリシロキサン組成物(注2)

3.シリコーン・アルキル分岐型ポリグリセリン変性シリコーン(注3)
1.5
4.ジフェニルシロキシフェニルトリメチコン(注4) 12
5.パラメトキシケイ皮酸2−エチルヘキシル 6
6.サリチル酸オクチル 1
7.ハイブリッドシリコーン複合粉体(注5) 3
8.重合体(I)のD5溶解品(60%) 2
9.キサンタンガム 0.3
10.ジプロピレングリコール 5
11.グリセリン 3
12.パラオキシ安息香酸メチル 0.1
13.クエン酸ナトリウム 0.2
14.塩化ナトリウム 0.5
15.精製水 残量
100
(注1)アルキル変性・部分架橋型ポリグリセリン変性シリコーン組成物;KSG−840<架橋物:25〜35%、スクワラン:65〜75%>(信越化学工業(株)製)
(注2)アルキル変性・部分架橋型ジメチルポリシロキサン組成物;KSG−43<架橋物:25〜35%、トリエチルヘキサノイン:65〜75%>(信越化学工業(株)製)
(注3)シリコーン・アルキル分岐型ポリグリセリン変性シリコーン;KF−6105(信越化学工業(株)製)
(注4)ジフェニルシロキシフェニルトリメチコン;KF−56A(信越化学工業(株)製)
(注5)ハイブリッドシリコーン複合粉体;KSP−105(信越化学工業(株)製)
得られたW/Oサンスクリーンクリームは、軋み感がなくのび広がりが軽く、油っぽさがなくてさっぱりとした使用感を与えると共に、耐水性や化粧持ちも良好であった。
【0138】
[実施例13]
O/Wサンスクリーンクリーム
<化粧料の調製>
A:成分1〜5を80℃まで加熱し、均一に混合した。
B:成分6〜13を80℃まで加熱し、均一に混合した。
C:BをAに添加して乳化後徐冷し、成分14を添加して均一に混合しサンスクリーンを得た。
成分
(%)
1.キサンタンガム 0.2
2.1,3−ブチレングリコール 8
3.パラオキシ安息香酸メチル 0.1
4.アクリル酸ナトリウム・アクリロイルジメチルタウリン酸ナトリウム共重合体組成物(注1) 2
5.精製水 残量
6.重合体(I)のD5溶解品(60%) 0.3
7.ジフェニルシロキシフェニルトリメチコン(注2) 3
8.部分架橋型ジメチルポリシロキサン組成物(注3) 1.5
9.セタノール 2
10.パラメトキシケイ皮酸2−エチルヘキシル 5
11.2,4−ビス−[{4−(2−エチルヘキシルオキシ)−2−ヒドロキシ}−フェニル]−6−(4−メトキシフェニル)−1,3,5−トリアジン

12.ポリオキシエチレン(60)硬化ヒマシ油 1
13.ポリエーテル変性シリコーン(注4) 0.5
14.エタノール 10
100
(注1)アクリル酸ナトリウム・アクリロイルジメチルタウリン酸ナトリウム共重合体組成物;SIMULGEL EG<架橋物35〜40%>(SEPPIC社製)
(注2)ジフェニルシロキシフェニルトリメチコン;KF−56A(信越化学工業(株)製)
(注3)部分架橋型ジメチルポリシロキサン組成物;KSG−016F<架橋物:20〜30%、ジメチルポリシロキサン(6cs):70〜80%>(信越化学工業(株)製)
(注4)ポリエーテル変性シリコーン;KF−6011(信越化学工業(株)製)
得られたO/Wサンスクリーンクリームは、軋み感がなくのび広がりが軽く、油っぽさがなくてさっぱりとした使用感を与えると共に、耐水性や化粧持ちも良好であった。
【0139】
[実施例14]
ムースチーク
<化粧料の調製>
A:成分1〜6を80℃まで加熱し、均一に混合した。
B:成分7〜12をヘンシェルにて均一に混合した。
C:BをAに添加して徐冷し、ムースチークを得た。
成分
(%)
1.部分架橋型ジメチルポリシロキサン組成物(注1) 28
2.デカメチルシクロペンタシロキサン 残量
3.ジイソステアリン酸ネオペンチルグリコール 4
4.ステアリン酸イヌリン(注2) 10
5.不定形無水珪酸(注3) 0.5
6.重合体(I)のD5溶解品(60%) 5
7.シリコーン処理酸化チタン(注4) 0.2
8.赤色202号 適量
9.シリコーン処理黄酸化鉄(注4) 適量
10.シリコーン処理黒酸化鉄(注4) 適量
11.シリコーン処理マイカ(注4) 5.4
12.シリコーン処理セリサイト(注4) 14
100
(注1)部分架橋型ジメチルポリシロキサン組成物;KSG−16<架橋物:20〜30%、ジメチルポリシロキサン(6cs):70〜80%>(信越化学工業(株)製)
(注2)ステアリン酸イヌリン;レオパールKL2(千葉製粉社製)
(注3)不定形無水珪酸;AEROSIL200(日本アエロジル社製)
(注4)シリコーン処理粉体;KF−9901(信越化学工業(株)製)を用い、粉体を其々に疎水化表面処理されたシリコーン処理粉体
得られたムースチークは、軋み感や油っぽさがなく、のび広がりが軽く、密着性に優れ、化粧持ちも良かった。
【0140】
[実施例15]
ジェルアイカラー
<化粧料の調製>
A:成分1〜5を80℃まで加熱し、均一に混合した。
B:Aに成分6〜9を添加して90℃まで加熱し、均一に混合した。
C:容器に流し込んで、ジェルアイカラーを得た。
成分
(%)
1.部分架橋型ジメチルポリシロキサン組成物(注1) 9
2.スクワラン 15
3.パルミチン酸デキストリン(注2) 9
4.イソノナン酸イソトリデシル 残量
5.重合体(I)のD5溶解品(60%) 2
6.不定形無水珪酸(注3) 0.1
7.ハイブリッドシリコーン複合粉体(注4) 5
8.硫酸バリウム 10
9.シリコーン処理マイカ(注5) 30
100
(注1)部分架橋型ジメチルポリシロキサン組成物;KSG−16<架橋物:20〜30%、ジメチルポリシロキサン(6cs):70〜80%>(信越化学工業(株)製)
(注2)パルミチン酸デキストリン;レオパールKL2(千葉製粉社製)
(注3)不定形無水珪酸;AEROSIL972(日本アエロジル社製)
(注4)ハイブリッドシリコーン複合粉体;KSP−102(信越化学工業(株)製)
(注5)シリコーン処理粉体;KP−574(信越化学工業(株)製)を用い、粉体を其々に疎水化表面処理されたシリコーン処理粉体
得られたジェルアイカラーは、のび広がりが軽くて油っぽさや粉っぽさがなく、化粧持ちも良かった。
【0141】
[実施例16]
パウダーファンデーション
<化粧料の調製>
A:成分1〜4を均一に混合した。
B:成分5〜13を均一に混合した。
C:AをBに添加し、ヘンシェルミキサーにて均一に混合した。得られた粉末を、メッシュを通した後、金型を用いて金皿に打型してパウダーファンデーションを得た。
成分
(%)
1.パラメトキシケイ皮酸2−エチルヘキシル 4
2.ジフェニルシロキシフェニルトリメチコン(注1) 4.5
3.トリエチルヘキサノイン 1.5
4.重合体(I)のD5溶解品(60%) 1
5.硫酸バリウム 10
6.フェニル変性ハイブリッドシリコーン複合粉体(注2) 5
7.ポリメチルシルセスキオキサン(注3) 4
8.シリコーン処理マイカ(注4) 30
9.シリコーン処理タルク(注4) 残量
10.シリコーン処理酸化チタン(注4) 6
11.シリコーン処理黄酸化鉄(注4) 適量
12.シリコーン処理赤酸化鉄(注4) 適量
13.シリコーン処理黒酸化鉄(注4) 適量
100
(注1)ジフェニルシロキシフェニルトリメチコン;KF−56A(信越化学工業(株)製)
(注2)フェニル変性ハイブリッドシリコーン複合粉体;KSP−300(信越化学工業(株)製)
(注3)ポリメチルシルセスキオキサン;KMP−590(信越化学工業(株)製)
(注4)シリコーン処理粉体;KP−574(信越化学工業(株)製)を用い、粉体を其々に疎水化表面処理されたシリコーン処理粉体
得られたパウダーファンデーションは、軽く延び、化粧持ちが良く、2次付着もなかった。
【0142】
[実施例17]
アウトバスヘアトリートメント
<化粧料の調製>
A:成分1〜4を均一に混合した。
B:成分6〜11を均一に混合した。
C:BをAに添加して乳化し、成分5を添加してアウトバストリートメントを得た。
成分
(%)
1.重合体(I)のジメチコン(6cs)溶解品(60%) 3
2.部分架橋型ジメチルポリシロキサン組成物(注1) 1
3.分岐型ポリエーテル変性シリコーン(注2) 0.2
4.ジメチルポリシロキサン(6cs) 8.5
5.香料 適量
6.ジプロピレングリコール 8
7.エタノール 5
8.パラオキシ安息香酸メチル 0.1
9.クエン酸ナトリウム 0.2
10.塩化ナトリウム 0.5
11.精製水 残量
100
(注1)部分架橋型ジメチルポリシロキサン組成物;KSG−19<架橋物:10〜20%、ジメチルポリシロキサン(6cs)80〜90%>(信越化学工業(株)製)
(注2)分岐型ポリエーテル変性シリコーン;KF−6017(信越化学工業(株)製))
得られたアウトバスヘアトリートメントは、のび広がりが軽く、毛髪に光沢と滑らかさを与えることが確認された。
【0143】
[実施例18]
ヘアトリートメント
<化粧料の調製>
A:成分1〜6を70℃まで加熱し、均一に混合した。
B:成分7〜9を70℃まで加熱し、均一に混合した。
C:BをAに添加して乳化し、徐冷後成分10,11を添加してトリートメントを得た。
成分
(%)
1.重合体(I)のジメチコン(6cs)溶解品(60%) 0.4
2.セタノール 2
3.オクタン酸セチル 2.5
4.ベヘントリモニウムクロリド 1
5.パラオキシ安息香酸ブチル 0.1
6.ジフェニルシロキシフェニルトリメチコン(注1) 1.5
7.プロピレングリコール 5
8.ヒドロキシエチルセルロース 0.1
9.精製水 残量
10.アミノ変性シリコーンエマルジョン(注2) 4
11.香料 適量
100
(注1)ジフェニルシロキシフェニルトリメチコン;(信越化学工業(株)製)
(注2)アミノ変性シリコーンエマルジョン;X−52−2328(信越化学工業(株)製)
得られたヘアトリートメントは、のび広がりが軽く、毛髪に光沢と滑らかさを与えることが確認された。また、重合体(I)のジメチコン(6cs)溶解品(60%)を上記成分(10)と同様に予め油中水系のエマルジョンとして準備することにより、容易かつ安定に配合することも可能となる。
【0144】
[実施例19]
ヘアオイル
<化粧料の調製>
A:成分1〜7を均一に混合し、ヘアオイルを得た。
成分
(%)
1.重合体(I)のジメチコン(6CS)溶解品(60%) 2
2.ジフェニルシロキシフェニルトリメチコン(注1) 12
3.コハク酸ジエチルヘキシル 8
4.高重合ジメチルポリシロキサン混合溶液(注2) 2
5.トコフェロール 0.1
6.香料 0.1
7.水添ポリイソブテン 残量
100
(注1)ジフェニルシロキシフェニルトリメチコン;KF−56A(信越化学工業(株)製)
(注2)高重合ジメチルポリシロキサン混合溶液;KF−9030(信越化学工業(株)製)
得られたヘアオイルは、のび広がりが軽く、毛髪に光沢と滑らかさを与えることが確認された。
【0145】
[実施例20]
ヘアワックス
<化粧料の調製>
A:成分10〜16を80℃まで加熱し、均一に混合した。
B:成分1〜9を90℃まで加熱し、均一に混合した。
C:BをAに添加して乳化し、その後室温まで冷却した。
D:成分17,18をC添加して均一に混合し、ヘアワックスを得た。
成分
(%)
1.重合体(II)のイソドデカン溶解品(80%) 1
2.メチルトリメチコン(注1) 10
3.キャンデリラロウ 13
4.マイクロクリスタリンワックス 8
5.イソステアリン酸POEグリセリル 2
6.モノステアリン酸グリセリン 3
7.ポリエーテル変性シリコーン(注2) 2
8.ステアリン酸 2
9.パラメトキシケイ皮酸2−エチルヘキシル 0.1
10.プロピレングリコール 6
11.1,3−ブチレングリコール 6
12.カルボキシビニルポリマー 0.3
13.パラオキシ安息香酸メチル 0.2
14.フェノキシエタノール 0.3
15.エデト酸3ナトリウム 適量
16.精製水 残量
17.水酸化カリウム(10%溶液) 適量
18.香料 適量
100
(注1)メチルトリメチコン;TMF−1.5(信越化学工業(株)製)
(注2)ポリエーテル変性シリコーン;KF−6011(信越化学工業(株)製)
得られたヘアワックスは、軋み感が少なく、保持力、整髪の持ちが良いことが確認された。
【0146】
[実施例21]
油性マスカラ
<化粧料の調製>
A:成分1〜6を95℃まで加熱し、均一に混合した。
B:Aに成分7〜14を加え、90℃まで加熱し、均一に混合した。
C:Bを徐冷し、油性マスカラを得た。
成分
(%)
1.重合体(II)のイソドデカン溶解品(80%) 8
2.トリメチルシロキシケイ酸のイソドデカン溶解品(注1) 12
3.パルミチン酸デキストリン(注2) 2
4.パラフィンワックス 6
5.マイクロクリスタリンワックス 7
6.イソドデカン 30
7.有機変性粘土鉱物 5.5
8.シリコーン処理黒酸化鉄(注3) 5
9.シリコーン処理タルク(注3) 5
10.ハイブリッドシリコーン複合粉体(注4) 5
11.ポリエーテル変性シリコーン(注5) 1.2
12.炭酸プロピレン 1.6
13.パラオキシ安息香酸メチル 0.1
14.イソドデカン 残量
100
(注1)トリメチルシロキシケイ酸のイソドデカン溶解品;X−21−5595(信越化学工業(株)製)
(注2)パルミチン酸デキストリン;レオパールTL2(千葉製粉社製)
(注3)シリコーン処理粉体;KF−9909(信越化学工業(株)製)を用い、粉体を其々に疎水化表面処理されたシリコーン処理粉体
(注4)ハイブリッドシリコーン複合粉体;KSP−105(信越化学工業(株)製)
(注5)ポリエーテル変性シリコーン;KF−6017(信越化学工業(株)製)
得られた油性マスカラは、仕上がり、化粧持ち、保持力が良いことが確認された。また、トリメチルシロキシケイ酸のような固くてもろい皮膜を併用することにより、各皮膜性能や仕上がり等の使用感を調整することが可能である。
【0147】
[実施例22]
W/Oマスカラ
<化粧料の調製>
A:成分1〜8を95℃まで加熱し、均一に混合した。
B:Aに成分9〜14を85℃まで加熱し、均一に混合した。
C:成分15〜17を85℃まで加熱し、均一に混合した。
D:BにCを添加して乳化後徐冷し、W/O油性マスカラを得た。
成分
(%)
1.重合体(II)のイソドデカン溶解品(80%) 6
2.アクリル−シリコーン系グラフト共重合体のイソドデカン溶解品(注1)
10
3.(パルミチン酸/エチルヘキサン酸)デキストリン(注2) 3
4.シリコーンワックス(注3) 2
5.セレシン 2.5
6.マイクロクリスタリンワックス 4.5
7.ジフェニルシロキシフェニルトリメチコン(注4) 3
8.イソドデカン 残量
9.有機変性粘土鉱物 4
10.シリコーン処理黒酸化鉄(注5) 5
11.シリコーン処理タルク(注5) 4.5
12.不定形無水珪酸(注6) 2.7
13.シリコーン分岐型ポリエーテル変性シリコーン(注7) 1
14.炭酸プロピレン 1.3
15.フェノキシエタノール 0.2
16.1,3−ブチレングリコール 1
17.精製水 12.8
合計 100
(注1)アクリル−シリコーン系グラフト共重合体のイソドデカン溶解品;KP−550(信越化学工業(株)製)
(注2)(パルミチン酸/エチルヘキサン酸)デキストリン;レオパールTT2(千葉製粉社製)
(注3)シリコーンワックス;KP−562P(信越化学工業(株)製)
(注4)ジフェニルシロキシフェニルトリメチコン;KF−56A(信越化学工業(株)製)
(注5)シリコーン処理粉体;KF−9901(信越化学工業(株)製)を用い、粉体を其々に疎水化表面処理されたシリコーン処理粉体
(注6)不定形無水珪酸;AEROSIL972(日本アエロジル社製)
(注7)シリコーン分岐型ポリエーテル変性シリコーン;KF−6028(信越化学工業(株)製)
得られたW/Oマスカラは、仕上がり、化粧持ち、保持力が良いことが確認された。また、トリメチルシロキシケイ酸のような固くてもろい皮膜や、シリコーン変性アクリルポリマーのような柔軟性のある皮膜等を併用することにより、各皮膜性能や仕上がり等の使用感を調整することが可能である。