(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記収集モジュールはさらに、一対のピンホールまたはスリットを備え、一対のピンホールまたはスリットは、前記異なる相対高さの2つの表面の高さの予測範囲から反射された焦点が、イメージ空間に関してそのようなピンホールまたはスリットの間、またはそれらのうち一方の上に受け入れられるように配置されている、請求項1に記載のシステム。
前記一対のピンホールまたはスリットは、表面のうち1つが焦点ぼけしている場合に異なる量の光を受光し、そのような表面が合焦している場合に等しい量の光を受光するように配置されている、請求項4に記載のシステム。
前記一対のピンホールまたはスリットは、表面のうち1つが特定分量だけ焦点ぼけしている場合に、第1と第2検出器のうち一方のみがその特定の表面から最大強度を受光するように配置されている、請求項5に記載のシステム。
収集モジュールは3以上の検出器を備え、関数またはモデルはさらに、3以上の検出器によって受光された検出光を表面の位置および縦拡大係数Mに関連付ける、請求項1に記載のシステム。
さらに、照射光を受光して、照射光のソースポイントをソースピンホールを介して試験片に指向させることを含み、第1ピンホールは、それを通って反射光の一部が第1検出器に通される最適焦点の前に配置され、また、第2ピンホールは、それを通って反射光の一部が第2検出器に通される最適焦点の後に配置され、第1検出器と第2検出器はフォトダイオード検出器である、請求項11に記載の方法。
照射光を受光して、照射光のソースラインをソーススリットを介して試験片に指向させることを含み、第1のスリットは、反射光の一部がそれを通って第1検出器に通される最適焦点の前に配置され、また、第2スリットは、反射光の一部がそれを通って第2検出器に通される最適焦点の後に配置され、第1検出器と第2検出器はフォトダイオードアレイである、請求項11に記載の方法。
照射光を受光して、照射光のソースラインをソーススリットを介して試験片に指向させることを含み、第1検出器は最適焦点の前に配置され、第2検出器は最適焦点の後に配置され、第1検出器と第2検出器はフォトダイオードアレイである、請求項11に記載の方法。
照射光を受光して、照射光の複数のソースラインまたはポイントを、複数のソースピンホールまたはスリットを介して試験片に指向させること、及び異なる相対高さの2つの表面の高さの予測範囲から反射された焦点が、イメージ空間に関してそのようなピンホールまたはスリットの間、またはそれらのうち一方の上に受け入れられるように配置されている、一対のピンホールまたはスリットにおいて前記2つの表面からの反射光を受光することを含み、少なくとも2つの検出器は二次元画像センサである、請求項11に記載の方法。
反射光は3以上の検出器によって検出され、関数またはモデルはさらに、3以上の検出器によって受光された検出光を、表面の位置と縦拡大係数Mに関連付ける、請求項11に記載の方法。
3つの検出器は、複数のソースラインまたはポイントに応答して反射された複数の焦点が、少なくとも3つの検出器のうち2つの隣接する検出器の画像空間内のz位置の間に配置されるように位置決めされる、請求項18に記載のシステム。
収集モジュールは、さらに、一対のピンホールまたはスリットを備え、前記一対のピンホールまたはスリットは、前記第1検出器及び前記第2検出器に対し、前記第1検出器が最大予測不足焦点値のための最大光量を受光し、前記第2検出器が最大予測過焦点値のための最大光量を受光するように位置決めされる、請求項1に記載のシステム。
さらに、照射光を受光して、照射光のソースポイントをソースピンホールを介して試験片に指向させることを含み、一対のピンホールまたはスリットは、前記第1検出器及び前記第2検出器に対し、前記第1検出器が最大予測不足焦点値のための最大光量を受光し、前記第2検出器が最大予測過焦点値のための最大光量を受光するように位置決めされる、請求項11に記載の方法。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上記を考慮して、構造の高さを判定する改良された計測装置と技法が必要とされる。
【課題を解決するための手段】
【0007】
以下は、本発明の特定の実施形態の基本的理解を提供するために本発明の簡略化した概要を提示する。この概要は、本発明の広範な概要ではなく、本発明の主要/重要な要素を特定するわけではなく、または、本発明の範囲を定めるものではない。その唯一の目的は、本明細書で開示されるいくつかの概念を、以降に提示される、より詳細な説明の前置きとして略式に提示することである。
【0008】
一実施形態において、半導体構造の高さを判定するためのシステムが開示される。システムは、異なる相対高さに複数の表面を有する試験片の方に1以上のソースラインまたはポイントを指向させる照射モジュールと、表面から反射した光を検出する収集モジュールを含む。収集モジュールは、表面のうち1つから反射した光を受光するように配置された少なくとも2つの検出器を含む。検出器のうち第1検出器は焦点の前の位置からより多くの反射光を受光し、検出器のうち第2検出器は焦点の後の位置からより多くの反射光を受光し、その結果、表面のうち1つが最適焦点にない限り、第1検出器と第2検出器は異なる強度値を有する光を受光する。システムはさらに、高さを、表面のうち2つから、少なくとも2つの検出器によって受光された検出光に基づいて判定するためのプロセッサシステムも含む。
【0009】
1つの特定の実施において、照射モジュールは、照射光を受光して、照射のソースポイントを試験片に指向させるためのピンホールを備え、収集モジュールはさらに、(i)反射光の一部がそれを通って第1検出器に通される焦点の前に配置された第1ピンホールと、(ii)反射光の一部がそれを通って第2検出器に通される焦点の後に配置された第2ピンホールを備える。第1検出器と第2検出器はフォトダイオード検出器である。
【0010】
別の実施形態において、照射モジュールは、照射光を受光して、照射のソースラインを試験片に指向させるためのスリットを備える。収集モジュールはさらに、(i)反射光の一部がそれを通って第1検出器に通される焦点の前に配置された第1のスリットと、(ii)反射光の一部がそれを通って第2検出器に通される焦点の後に配置された第2スリットを備える。第1検出器と第2検出器はフォトダイオードである。
【0011】
一態様において、収集モジュールはさらに、一対のピンホールまたはスリットを備え、一対のピンホールまたはスリットは、合焦または非合焦表面から反射された焦点が、そのようなピンホールまたはスリットの間、またはそれらのうち一方の上に受け入れられるように配置されている。別の態様において、一対のピンホールまたはスリットは、表面のうち1つが焦点ぼけしている場合に異なる量の光を受光し、そのような表面が合焦している場合に等しい量の光を受光するように配置されている。さらに別の態様において、一対のピンホールまたはスリットは、表面のうち1つが特定量だけ焦点ぼけしている場合に、第1と第2検出器のうち一方のみがその特定の表面から最大強度を受光するように配置されている。
【0012】
別の実施形態において、照射モジュールは照射光を受光し、照射のソースラインを試験片に指向させるためのスリットを備える。この実施形態において、第1検出器は焦点の前に配置され、第2検出器は焦点の後に配置される。さらに別の態様において、照射モジュールは、照射光を受光し、その照射の複数のソースラインまたはポイントを試験片に指向させるための複数のスリットまたはピンホールを備え、少なくとも2つの検出器は二次元画像センサである。別の実施形態において、高さは、少なくとも2つの検出器によって受光された検出光を表面の位置に関連付ける関数によって判定される。別の態様において、収集モジュールは3以上の検出器を備え、関数はさらに、3以上の検出器によって受光された検出光を表面の位置および縦拡大係数Mに関連付ける。
【0013】
別の実施形態において、本発明は、高さを判定する方法に関する。1以上のソースラインまたはポイントは、異なる相対高さに複数の表面を有する試料に指向される。表面から反射された光が検出される。反射光は、表面のうち1つから反射した光を受光するように配置された少なくとも2つの検出器によって検出される。検出器のうち第1検出器は、焦点の前の位置からより多くの反射光を受光し、検出器のうち第2検出器は焦点の後の位置からより多くの反射光を受光し、その結果、表面のうちそのような1つが最適焦点にない限り、第1検出器と第2検出器は異なる強度値を有する光を受光する。高さは、2つの表面から少なくとも2つの検出器によって受光された検出光強度に基づいて判定される。
【0014】
一態様において、照射光は受光されて、照射光のソースポイントはソースピンホールを介して試験片に指向される。第1ピンホールは、それを通って反射光の一部が第1検出器に通される焦点の前に配置され、また、第2ピンホールは、それを通って反射光の一部が第2検出器に通される焦点の後に配置され、第1と第2検出器はフォトダイオード検出器である。別の態様では、照射光は受光されて、照射光のソースラインはソーススリットを介して試験片に指向される。第1のスリットは、反射光の一部がそれを通って第1検出器に通される焦点の前に配置され、また、第2スリットは、反射光の一部がそれを通って第2検出器に通される焦点の後に配置され、第1と第2検出器はフォトダイオードアレイである。
【0015】
別の例では、照射光は受光されて、照射光のソースラインはソーススリットを介して試験片に指向され、第1検出器は焦点の前に配置され、第2検出器は焦点の後に配置され、第1と第2検出器はフォトダイオードアレイである。さらに別の例において、照射光は受光されて、照射光の複数のソースラインまたはポイントは、複数のソースピンホールまたはスリットを介して試験片に指向され、少なくとも2つの検出器は二次元画像センサである。
【0016】
一態様において、高さは少なくとも2つの検出器によって受光された検出光を表面の位置に関連付ける関数によって判定され、反射光は3以上の検出器によって検出される。この態様において、関数はさらに、3以上の検出器によって受光された検出光を表面の位置と縦拡大係数Mに関連付ける。
【0017】
別の開示される実施形態において、装置は、ソースラインまたはポイントを、異なる相対高さに複数の表面を有する試験片の方に指向させるための照射モジュールと、表面から反射された光を検出するための収集モジュールを含む。収集モジュールは、高速可変焦点レンズと、検出器と、表面のうち1つから反射された光を検出器に指向させるための収集スリットまたはピンホールを備える。システムはさらに、2つの表面から少なくとも2つの異なる焦点深さで受光された検出光に基づいて、2つの表面間の高さを判定するためのプロセッサシステムを含む。
【0018】
さらに別の実施形態では、システムは、複数のソースラインまたはポイントを、異なる相対高さに複数の表面を有する試験片の方に指向させる照射モジュールを含み、ソースラインまたはポイントは、試験片の方に異なる焦点深さで指向される。システムはさらに、表面から反射された光を検出するための収集モジュールを有し、収集モジュールは、表面から反射された光を受光するように配置された少なくとも2つの検出器を含む。少なくとも2つの検出器は、各検出器が異なる焦点深さの光を受光するように、ソースラインまたはポイントに応答して反射された光を異なる焦点深さで受光するように配置されている。システムはさらに、少なくとも2つの検出器によって表面のうち2つから受光された検出光に基づいて高さを判定するためのプロセッサシステムを有する。別の態様において、照射モジュールはさらに、ソースラインまたはポイントを、試験片上の異なるxy位置に指向させるように構成される。
【0019】
本発明のこれらおよびその他の態様は、図面を参照して以下にさらに説明される。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下の説明において、本発明の完全な理解を提供するために数々の特定の詳細が記載される。本発明は、これら特定の詳細の一部または全てがなくても実施され得る。別の例では、本発明を不要に不明瞭にしないために、よく知られるプロセス操作については詳細に説明していない。本発明は特定の実施形態と合わせて説明されているが、それは本発明をその実施形態に限定する意図はないことを理解されたい。
【0022】
高さを判定するためのいくつかの技法は、(1)三角測量、(2)幾何学的影、(3)種々の共焦点顕微鏡の使用および(4)白色光(または広帯域光)干渉計の使用を含み得る。はじめの2つの方法は、現代のMEOL(ミッドエンドオブライン)またはBEOL(バックエンドオブライン)アプリケーションにおける現行の精度要求に見合わなくなってきている。後ろ2つの方法は典型的に現行のスループット要求を満たしていない。
【0023】
共焦点方法は典型的に、クロマティックな回転ディスク、または走査ツールに対して構成されている。共焦点方法は典型的に、クロマティックおよび走査スキーム両方で低速である。クロマティックレイアウトにおいて、試料上の各ポイントはスペクトルの測定に対応する。走査スキームのためにマルチフレームが取得されなければならない。走査スキームはさらに、有限フィルレシオ、例えばピッチに対するピンホールの割合を克服する必要がある。
【0024】
白色光干渉法は、半導体産業における3D検査および計測のための高分解能方法を提供できる。2つのタイプのそのようなデバイスが市場に存在する:(1)走査白色光干渉計(「SWI」)および(2)顕微鏡白色光干渉計。SWIデバイスでは、試料(例えば、検査対象のウェハ)または検査光学素子のいずれかが、z方向等の、ウェハ表面に対して垂直な方向に沿って、距離に関して走査する。ウェハ表面上の特定のx−y位置に関する高さ測定を判定するために、特定のz値で複数のフレームが取得される。そのようなSWIデバイスは堅牢であるが、一般に、各xy位置に対して複数のz測定を要するため低速である。さらに、この技法は試料が視野まで移動されて測定が行われる前に安定化されることを要し、それが、例えば、ウェハ全体が走査される場合に速度を制限する。同様に、現行の顕微鏡白色光干渉計のスループットもまた、半導体産業の必要を満たすには低調である。
【0025】
半導体検査および計測プロセスにおける光プローブ(OP)に、自動フォーカス機構が用いられてもよい。この技法において、チョッパーは、フーコーテスト等の同様の原理を用いて、焦点が予め設定した位置にあるか、またはその背後またはそれより後であるかを検査するために用いられる。光はチョッパーを介して2分割光検出器に通る。2分割光検出器とチョッパーは、ロックインアンプに電子的に接続されている。光が合焦していると、チョッパーからの基準信号と、2分割光検出器の2つのチャンネルからの信号との間にはゼロ位相シフトがある。光が不足焦点または過焦点である場合、1つのセルの位相はそれぞれ基準信号に対して負または正にシフトされ、もう1つのセルの位相は反対方向にシフトされる。100x対物レンズをもって、この方法は焦点を検出して、20nmより良くサーボループして制御できる。しかしながら、チョッパー技法のスループットには限度がある。
【0026】
要約すると、三角測量と幾何学的影技法は典型的に、ターゲット構造高さが15ミクロン未満まで縮小した場合に、3D検査に要求される精度と確度を提供しない。共焦点および干渉法方法は多くの場合、例えば、MEOLまたはBEOLにおける3D検査に要求されるスループットを提供せず、また高価すぎる。
【0027】
構造高さを判定するための実施形態例
本発明のいくつかの実施形態は、高精度であると同時に高速度である高さ判定に達するための新規の手法を提供する。本発明のいくつかの実施形態は、被検物の高さ情報に対応する焦点シフトを、同じ試験サイトで異なる照射条件またはz位置下での付加的な測定を得ることなく推定するために微分検出器を用いる、半導体ウェハ上の構造高さを測定するための装置および方法を含む。この操作を明確に示すために、2つの例示的実施、すなわちポイント走査とライン走査レイアウトが本明細書において説明される。付加的に、高速合焦微分検出の実施形態も説明される。
【0028】
ポイント走査システムとライン走査システムはそれぞれ一般に、異なる相対高さに複数の表面を有する試験片の方に1以上のソースラインまたはポイントを指向させる照射モジュールを含む。システムはさらに、表面のうち2つから反射した光を検出する収集モジュールを含むことができ、そのような収集モジュールは、その2つの表面から反射した光を受光するように配置された少なくとも2つの検出器を含む。少なくとも第1検出器は焦点の前の位置からより多くの反射光を受光する傾向となり、検出器のうち第2検出器は焦点の後の位置からより多くの反射光を受光する傾向となり、その結果、最適焦点にない限り、第1検出器と第2検出器は異なる強度値を有する光を受光する。さらに、1つ以上のプロセッサは、2つの表面間の高さを、2つの(またはそれ以上の)検出器によって感知された光の強度に基づいて判定するように構成されてもよい。
【0029】
図1Aおよび1Bは、本発明の一実施形態による微分検出器(differential detector)を有するポイント走査システム100の概略図である。図示のように、システム100は、1以上の光ビームを生成するための光源102を含む。光源は、1以上の電磁波形を生成するための任意の形態を取ってもよい。複数の光源が用いられてもよい。1以上の光源は、1つのみの波長を有する光(例えば、単色光)、いくつかの分離した波長を有する光(例えば、多色光)、複数の波長を有する光(例えば、広帯域光)、および/または連続しているか、または波長間でホッピングするかのいずれかの、波長を通して掃引する光(例えば、調整式源または掃引源)を有する光を発してもよい。例えば、被検材の上に入射する光に対して透過性または不透明を達成するために、異なる材料に対して異なる波長が用いられてもよい。光源102にはレーザー光源が用いられてもよく、それは、白色光干渉法やクロマティック共焦点顕微等の顕微鏡手法と比べてより高い輝度を提供できる。ダイオードレーザー等のレーザー光源は、光源の耐用年数、安定性および温度制御を改善する。適切な光源の他の例は、白色光源、紫外線(UV)レーザー、アークランプまたは無電極ランプ、カラーまたは白色光発光ダイオード(LED)、例えば、マサチューセッツ州WoburnのEnergetiq Technology, Incから商業的に入手可能なレーザー維持プラズマ源等のレーザー維持プラズマ(LSP)源、ニュージャージー州MorganvilleのNKT Photonics Inc.から商業的に入手可能なスーパーコンティニューム源等のスーパーコンティニューム源(広帯域レーザー源等)、またはx線源等の短波長源、極端UV源またはそれらの何らかの組み合わせである。光源(複数の場合あり)は、十分な輝度を有する光を提供するように構成されてもよく、その輝度は、場合により、約1W/(nm cm2Sr)を超える輝度であってもよい。計測システムは、その出力と波長を安定化するために、光源への高速フィードバックを含んでよい。光源の出力は、自由空間伝搬を介して供給されても、またはいくつかの場合には光ファイバーまたは任意のタイプの光ガイドを介して供給されてもよい。
【0030】
システム100は1つのソースピンホール104も含んでよく、それを介して、生成された光ビームが第1ビームスプリッタ110に指向されて第1ビームスプリッタ110から反射されて、異なる相対高さに種々の表面または構造を有する半導体ウェハ等の試料101上に、対物レンズ106を介して投影される。対物レンズ106は、テレセントリックタイプなどの高倍率対物レンズであってよい。入射光の一部または全部は対物レンズ106を通って試料101の少なくとも一部分の上にポイントで(例えば、
図1Aの108a)通る。照射ポイントでの入射光のスポットサイズは回折制限されてよい。
【0031】
ウェハ101は、入射光を特定の測定サイトで受光するようにウェハ101を位置決めするように構成されたステージ(図示せず)上に配置されてもよい。ステージは固定されていても、または、x方向、y方向および/またはz方向に走査してもよい。ウェハ101は、一例では、機械式および/または静電締付によってステージに締め付けられてもよい。例えば、ステージは、入射光106の軸に対して垂直な平面(例えば、x−y平面)、またはそのような入射軸に対して平行な方向(例えば、z軸)にウェハ101を並進移動させてもよい。
【0032】
次に光はウェハ101から反射されて散乱され、対物レンズ106を介して収集される。このシステムは、反射光の経路に配置された、反射ビームを2つの出力ビームに分割するための材料から構築された第2ビームスプリッタ112をも含む。ビームスプリッタ110に対するビームスプリッタ112の配向と厚さは、画像の質を維持するように選択される。第1と第2ピンホール117aおよび117bはそれぞれ、分割されたビーム経路各々に配置されている。第1ピンホール117aは焦点の前に配置され、第2ピンホール117bは焦点の後に配置される。システムはさらに2つの検出器120aおよび120b、例えばフォトダイオード検出器(PD1およびPD2)も含み、それらは、分割された出力光を、それらの対応するピンホールからそれぞれ受光して、検出された出力光に対応する出力信号または画像を出力するためのものである。
【0033】
ピンホールのサイズは、光の一部(例えば〜50%)がピンホールによって遮断されるように、ピンホールの位置において実際のビームサイズよりも小さい傾向がある。画像化される構造表面が焦点面(例えば、
図1Aに示す108a)にある場合、光検出器1および2で受光される光強度は等しいまたは「均衡」している。
図1Bを参照すると、被検構造は最適焦点面に位置決めされていない。この例では、実際の構造の頂面から外れた反射ポイント108bはソースピンホール108aの焦点よりも下方にあり、その結果、反射ビーム108cは照射焦点より下で合焦する。そのとき、第1ピンホール117aは、そのような第1ピンホール117aのより大きなスポットにより、より多くの出力光を遮断する。対照的に、第2ピンホール117bは、第1ピンホール117aにおいてビームが焦点により接近しているため、より少ない出力光を遮断する。この場合PD2(120b)はPD1(120a)よりも高い出力強度レベルを受ける。
【0034】
図1Cは、本発明の一実施による、3つの異なる表面からの反射の簡略概略図である。この図は、3つの異なる代替的表面高さS
1−S
3を示している。表面S
3は、S
2よりも高い高さに配置され、S
2はS
1よりも高い高さに配置されている。
図1Cは、合焦、不足焦点、過焦点の表面の光線挙動を示す。この例では、点光源131は、表面S
2(130b)に合焦して示されている。この点光源131はさらに、表面S
3(130c)に対して不足焦点、および表面S
1(130a)に対して過焦点状態で示されている。
【0035】
この例では、2つの検出器D
1およびD
2があり、表面S
2(134b)の焦点が、D
1とD
2の位置の中間である位置に来るように、画像空間に配置されている。この例において、表面S
3(134c)からの不足焦点反射光は検出器D
2の位置で合焦するのに対し、表面S
1(134a)からの過焦点の反射光は検出器D
1の位置で合焦する。
【0036】
1実施の例では、収集ピンホールは、予測範囲の高さから反射された焦点が全て、2つの検出器の間または2つの検出器上に投影されるように配置される。2つの検出器の間の間隔には融通性があってよく、測定範囲(2つの検出器が離れれば離れるほど、z範囲が大きくなる)と測定精度(表面位置が焦点から離れ過ぎると、検出器信号は弱くなり過ぎ、測定される強度がノイズと比べて弱くなる)にはトレードオフがある。典型的に、2つの検出器は、画像空間内でFWHM(半値全幅)焦点深さと同じ長さに配置されてよい。
【0037】
一般に、収集ピンホールは、予測される照射焦点に対する表面位置値の予測範囲に基づいて、互いに対して、また、それらの対応する検出器に対して配置されてもよい。収集ピンホールの配置はさらに、好ましくは、両検出器からの光量間の比較に十分な光の収集を、そのような収集信号レベルより高いノイズレベルを有さない、例えば、信号対雑音(SNR)要求範囲内となるように得るように選択される。例えば、収集ピンホールは、約1より大きい、または約50より大きいSNR値を有するように配置される。
【0038】
図1Dは、z位置の関数として、
図1Cの3つの表面から検出されたz軸強度のグラフである。各曲線は、異なる表面S
1、S
2およびS
3から反射して戻った光の軸上z強度分布であり、それは、zの位置に配置されたピンホール(またはスリット)検出器の出力信号でもある。2つの縦線は、2つの検出器D
1およびD
2の位置と、異なる表面位置の反射光に応答したそれらの対応する出力を標示している。
【0039】
強度のレベルは、試験対象の特定の表面上の焦点ぼけの量と、各検出器の特定の位置に依存する。検出器は、光が不足焦点または過焦点状態である場合に異なる量の強度を検出器が受け取るように配置されている。
図1Dに示すように、検出器D
1は、光が不足焦点状態であり表面S
1から反射された場合に、検出器D
2よりも多くの光を受光する。同様に、検出器D
2は、光が過焦点状態であり表面S
3から反射された場合に、検出器D
1よりも多くの光を受光する。対照的に、両検出器D
1およびD
2は、ソースポイントが表面S
2上に合焦している場合に表面S
2から実質的に等しい反射光を受光する。
【0040】
異なる表面のピークは異なるz位置で発生し、異なる検出器によって捕捉されることにも留意されたい。例えば、S
1からの信号のピークは、位置z1で検出器D
1によって捕捉されるのに対し、信号S
3のピークは、位置z2で検出器D
2によって捕捉される。実際に、異なる表面曲線間の強度値は、構造の表面が照射焦点に合致する、または最適合焦にある場合以外は、広範なz位置において互いと大きく異なっている。言い換えると、検出器は、一方の検出器が最大予測不足焦点値のための最大光量を受光し、他方の検出器が最大予測過焦点値のための最大光量を受光するように、ピンホールに相対して位置決めされてもよい。
【0041】
2つの異なる表面位置間の高さの差はHt=S
a−S
bであり、そのようなHtは、以下の式に基づいて計算され得る。Mは光学素子設計によって知られる縦拡大係数である。しかしながら、倍率は表面特性に依存してもよく、例えば、鏡面Mは、拡散表面またはポイント被写体より2倍大きい。
D=f(z)=f(M
s)
Da=F(s
a)
Db=F(s
b)
【数1】
【0042】
関数Fは、高さを計算するために生成される。関数Fは、良好に補正された光学素子で知られ得る。代替的にまたは付加的に、関数Fは、既知の試料表面を用いて校正されてもよい。最も単純なケースは、正規化された微分信号を取ることによってFがガウス関数であると仮定することであり、それはFのいくつかの共通強度因子を相殺することを可能にする。Mは表面タイプ毎に変わるため、複数の検出器の信号からもMが計算され得るように、2つより多い検出器が用いられてもよい。
【0043】
次に、関数Fは、PD1およびPD2からの強度を、そのような2つの異なる表面からの反射ポイントの2つの表面間の高さに変換するために用いられ得る。複数位置の検出器および複数の表面から検出された微分信号を高さ測定基準に変換するために、任意の適切な関数Fが生成されてよい。例えば、共焦点z応答の一例の関数Fは以下のように表される。
【0045】
但し、NAは対物レンズの開口数であり、λは波長である。
【0046】
別法として、関数は、焦点ぼけの小さな範囲内でガウス関数によって概算されてもよい。
【0048】
但し、wは焦点深さの1/e2幅であり、I
0は基準倍率であり、Δ=z
1−z
2は、2つの検出器間の距離であり、また、Z
0測定対象表面の焦点応答曲線のピーク位置であり、それは、2つの検出器信号の比率から導出され得る。
【0050】
すると表面のz高さは以下によって与えられる。
【0052】
但し、D
1は第1検出器からの強度値であり、D
2は第2検出器からの強度値であり、Mは光学素子の縦倍率でありkは基準倍率である。I
0およびk等の基準倍率は、既知の表面位置(またはz位置)、および既知の焦点位置(最適、不足焦点および過焦点)から判定され得る。Mが未知である、または試料特性によって影響される場合、kは、未知である試料特性に依存することになる。その場合、一対より多い検出器の率を比較することによってkが相殺され得るように、2より多い検出器が、z高さを測定するために用いられてよい。上記の関数Fは、本明細書で説明されるような高さ判定プロセスで用いられ得る異なる波長範囲等の異なる動作条件に関して校正されてもよい。
【0053】
測定された差または比率信号に基づいて、高さを判定するための関数またはモデルが、任意の適切な技法によって生成されてもよい。例えば、種々の高さに複数の構造を有する校正ウェハの高さを測定することによって複数の既知の高さを得てもよい。差または比率検出信号は次に、既知の構造から取得されて、モデルを生成するために用いられてよい。例えば、モデルは、上記で説明した、高さを判定するための式の形態を取ってもよい。定数kは、校正ウェハに基づいて決定され得る。別の例では、複数の既知の高さと差または比率信号は、高さモデルを生成するためにシミュレートされて用いられてもよい。さらに別の実施形態において、レシピセットアップ中に、特定のタイプのアプリケーション用の高さを構築するために、検出された差または比率信号間の関数を生成するために、基準方法が用いられてもよい。
【0054】
ピンホールシステム(例えば、
図1A−1Dで示したような)に関して上記で説明した微分検出原理は、ライン走査スキームにも拡張され得る。
図2Aおよび2Bは、そのような拡張の例示的実施形態を示す。
図2Aに示すように、入射光202をソーススリット204を介して通すことによって、入射光208のラインがウェハ上に照射される。試料にわたり入射光のラインを走査することは当然、より高速の技法をもたらす。この代替的システム200も、
図1Aおよび1Bのシステム100の2つのピンホール117aおよび117bに置き換わる2つのスリット217aおよび217bを含んでもよい。このライン走査システム200はさらに、
図1Aおよび1Bのシステム100の2つのPD120aおよび120bにそれぞれ置き換わる2つの光検出器アレイ(PDA)220aおよび220bを含んでもよい。
【0055】
必須ではないが、システム200はさらに、より高い光効率を達成し、ラインに沿った適切な横方向分解能を提供するために、出力光をさらに、それぞれの対応するPDAに合焦するための、218aおよび218bのような任意の適切なレンズを含んでよい。すなわちラインスキームシステム200はさらに、各スリットのラインに沿った空間分解能をより良く分解するために2つのPDAの前に追加される2つのレンズ218aおよび218bを含んでもよく、その結果、少なくともウェハに合焦している場合に、ウェハ上の各ポイントがラインに沿ってPDA上に鮮明に画像化される。PDAはさらに、ウェハ上の焦点から外れたポイントが、システムの焦点深さ内またはほぼ焦点深さ内にあるように位置決めされてもよい。
【0056】
図2Bは、本発明の別の実施形態によるライン走査スキームの簡略バージョンを示す。この簡略バージョンでは、スリット機能は、PDA230aと230bの有限幅に置き換えられる。したがって、PDAの前の2つのレンズ(
図2Aに示すレンズ218aおよび218b)は省略され得る。
【0057】
検出された信号を高さの値に変換する上記に説明した方法は、ライン走査システムに拡張されてもよい。例えば、ウェハ上の同じポイントに対応するPDA1およびPDA2の画素から検出された強度値は、ラインに沿ってポイント毎のスタイルで、上記に説明したのと同じ方式で処理されてもよい。
【0058】
別の代替的システムは、高速可変焦点レンズ(フランス、パリのParrotのビジネスユニットであるVariOpticによるLiquid Lens等)を実装して、
図2Aまたは2Bの第2ビームスプリッタ212、第2スリット217bおよび第2PDA220bを置き換えてもよい。
図3Aおよび3Bは、本発明の別の実施による高速可変焦点レンズ(またはリキッドレンズ)350を有するラインスキームシステムを示す。この代替実施において、リキッドレンズ350は、
図3Aに示すようにスリット217aの前のポイント352aにおいてソーススリットを合焦するための第1焦点距離に設定される。測定は、この第1の焦点距離で行われる。次にリキッドレンズ350は、
図3Bに示すようにスリット217aの後のポイント352bにおいてソーススリットを合焦するための第2焦点距離に設定される。そしてもう1つの測定が得られる。次に、同じアルゴリズムを用いて、2つの表面からのこれらの2つの測定を高さに変換してもよい。
【0059】
ラインスキームの実施形態はさらに、エリア検出スキームに変えられてもよい。例えば、ソーススリットはストリップライン(
図4A)またはチェッカーボードパターン(
図4B)として拡張されてもよく、また、PDAは、CCD、CMOS等といった二次元画素化された画像センサによって置き換えられる。複数のストリップラインまたはチェッカーボードパターンのラインは、回折光学素子(DOEs)、プリズム等の任意の適切なビーム分光機構によって達成されてよい。いくつかの実施形態では、各検出器の画素は対応する照射構造の画素構造に位置合わせされる。これらのエリアスキームにおいて、二次元検出器からより多くのデータが得られ、それはさらに、システムがどの程度焦点ずれしているかと、より高い信号対雑音比を判定することを可能にする。
【0060】
本明細書で説明されるいずれの実施形態でも、任意の適切な個数の検出器が使用されてよい。2つより多い検出器が使用される場合、好ましくは検出器はz軸に沿って略同じ距離のところに配置される。例えば、2つより多いPDまたはPDAを用いて、2つのPDまたはPDAのみを用いるのと比べてより大量のデータを取得してもよい。異なる検出器は予測焦点または高さ範囲に相対して異なる位置に配置されてよい。検出器の個数を増やすと、表面特性変化が未知である場合の表面高さ判定におけるあいまいさを解決する傾向となる。より多くの検出器はさらに、増加した信号対雑音比率またはウェハ上の構造の拡張した測定高さ範囲をもたらす。
【0061】
2つより多い検出器が用いられた場合、既知の高さまたはよく知られる/シミュレートされた光学素子システムおよび既知のz位置のセットでの複数の既知の測定に対する検出器の相対位置に基づいて関数が生成されてもよい。焦点関数Fは、関数Fを決定するために十分な個数の検出器がある限り、既知である必要はない。高さを判定するための技法はさらに、そのような関数に、2つより多い検出器から検出された信号を使用して、2つの表面間の高さ、ならびに、本明細書で説明したように、M、I
oおよびk等のその他のパラメータを判定することを含んでもよい。
【0062】
適合率へのz範囲として定義され得る測定のダイナミックレンジは、DOF(焦点深さ)が限定されている場合により高いNAに限定され得る。ダイナミックレンジを拡張するために、異なるz高さで合焦した複数の照射ビームが用いられ得る。複数の照射ビームの焦点は、DOF対物レンズ空間とほぼ同じ長さのところで間隔を置いていてよい。複数の検出器は、隣接するビームの焦点間にそれぞれ1つが配置された状態で配置され得る。
図5Aは、本発明の別の実施形態による、異なる焦点深さで複数のライン走査を投影するためのシステム500の線図である。図示のように、システムは、照射ライン504を受光して整形するための1以上のレンズ506を含み、照射ライン504は、複数の照射ラインを生成するために光学素子(回折光学素子またはDOE507等の)の方に指向される。図示の実施形態において、2つの照射ビーム512aおよび512bが、DOE507によって生成されて、ビームスプリッタ510および対物レンズ506を介して2つの異なる焦点深さで試料501に入射する。勿論、例えば、2以上のラインまたはポイントの形式の2つより多い照射ビームが生成されて試料に指向されてもよい。
【0063】
次に、複数の出力ビームが、異なる焦点深さでの複数の入射ビームに応答して試料から反射される。複数の出力ビームは、1以上のレンズ(514等の)によって2つ以上のビームスプリッタ(例えば、516aおよび516b)上に合焦され、ビームスプリッタは次に、異なる出力ビームを、それぞれラインCCD518a,518bおよび518c等の異なる検出器の方に指向させる。CCDは、2つのビーム(512aおよび512b)の2つの反射された焦点が、2つの隣接するCCDの画像空間内のz位置の間に配置されるように位置決めされる(
図5B参照)。したがって、ダイナミックレンジは、単一ビーム構成と比べて二倍拡張される。例えば、518bおよび518cの検出器ペアは、表面高さがCCDペア518aおよび518bの範囲外である場合も依然として測定を生成できる。
【0064】
z方向内で複数の照射ラインまたはポイントを偏位させることに加えて、これらの複数の入射ラインおよびポイントは、xy方向平面においても偏位され得る。この後者の実施形態において、ビームスプリッタは、偏位出力ビームを異なる偏位検出器に反射する単純なミラーまたはプリズムで置き換えられることができ、それは、例としてビームの50%を喪失するビームスプリッタと比べて、各出力ビームのより高いパーセンテージの検出を可能にする。上記に説明した実施形態のいずれも、そのような単純なミラーまたはプリズムを実装してもよい。
【0065】
上記に説明した実施形態は、表面の各ペアの少なくとも2つの強度値を、そのような表面間の高さを判定するために用いる。これらの装置および技法は、強度が波長とともに散開して、各画素が対応する限定された波長帯域幅内で強度を検出する場合に、スペクトル範囲を用いるクロマティック共焦点スキームよりも効率がよい。また、いくつかの実施形態でのウェハ上のポイント毎のデジタル化された操作の数は、スペクトル情報を得るために数百ものデジタル化された数を要するクロマティックスキームよりもかなり少なくてもよい。こうして、本発明のいくつかの装置および技法はかなり高速の傾向となる。さらに、照射でピンホールアレイを用いる共焦点システムは、ピンホール間のギャップを残し、これらの穴を覆う方法を要し、それがさらに動作効率を下げる。
【0066】
測定サイトから取得された2以上の出力信号または光ビームは、ビーム経路内に、偏光制御要素、波長制御要素およびビーム伝搬方向制御要素等の付加的な光状態制御要素を追加することによって、互いから差し引かれるか、または互いに比較され得る任意の信号タイプとして検出されてもよい。信号の例は、限定はしないが、Ψ、Δ、Rs(s偏光の複素反射率)、Rp(p偏光の複素反射率)、Rs(|r
s|
2)、Rp(|r
p|
2)、R(無偏光反射率)、α(分光“アルファ”信号)、β(分光“ベータ”信号)、および、tan(Ψ)、cos(Δ)、((Rs−Rp)/(Rs+Rp))等のこれらのパラメータの関数、ミュラー行列要素(Mij)等を含む任意のタイプの光散乱計測信号、分光法信号、楕円偏光法信号および/または反射光測定信号を含む。信号は、代替的にまたは付加的に、入射角、検出角、偏光、入射の方位角、検出方位角、角度分布、位相または波長、またはこれらのパラメータの1を越える組み合わせの関数として測定され得る。信号は、上記に説明した任意の楕円偏光法および/または反射光測定の複数の信号タイプの平均値等の、信号の組み合わせの特性評価でもあり得る。他の実施形態は、単色またはレーザー光源を用いてもよく、その場合、信号のうち少なくとも1つは、複数の波長の代わりに単一の波長で得られてもよい。照射波長は、例えばX線波長から遠赤外波長までの任意の範囲であり得る。
【0067】
図6は、本発明の一実施形態による、構造の高さを判定するための手順600を示す。操作602で、光は、未知のz位置の表面を有する試料の上に、1以上のピンホールまたはスリットを介して指向される。次に操作604で、焦点に対して異なる位置から受光するように位置決めされた2以上の検出器それぞれから信号が収集され得る。例えば、異なる位置は、焦点の前に収集ピンホール/スリットを有すること、および焦点の後に収集ピンホール/スリットを有することに対応する。
【0068】
測定は、本明細書で説明される例を含む、光散乱計測信号、反射光測定信号または楕円偏光法信号等の任意の適切な放射信号を含み得る。取得される信号のタイプは、注目すべき構造(structure of interest)に対する信号感度に基づいて選択されてよい。例えば、特定の波長と特定の偏光状態は、ある特定の構造寸法または異なる表面粗さまたは成膜された層に対してより感度が高い可能性がある。注目すべき構造は、TSV、バンプ、多層構造/スタック等の任意の3D構造を含み得る。
【0069】
操作602および604は、その間で相対高さが判定される表面のペアを得るために、少なくとももう1つの表面に対して繰り返される。例えば、一方の表面が基板の形式であるのに対し、他方の表面はTSV構造の頂面であってよい。2以上の表面に関する信号が取得された後で、収集された信号は次に操作606で、試料の2つの表面間の高さの差を判定するために比較されてもよい。特定の注目すべき表面それぞれに関して2つのみの信号が収集された場合、次にその信号は単純に減算されて差分信号を得るか、または除算されて信号比率を得ることができ、その結果は次に、そのような微分信号を高さに関連付ける関数に入力される。各表面に対して3以上の検出器によって収集された2つより多い信号がある場合、任意の数の技法が用いられてもよい。例えば、関数は、3以上の信号を高さに関連付けるために生成されてもよい。別のより単純な使用の場合には、雑音を抑制する、または測定精度を高めるために、付加的な測定が、余分な測定として用いられてもよい。
【0070】
検出された信号を処理するための別のアルゴリズムは、3以上の信号を組み合わせて、差または比率信号等の単一の差信号を得ることを含み得る。例えば、一対の信号に対応する最も高い信号差または比率は次に、任意選択的に選択され分析されて高さを判定してもよい。別の例では、差/比率信号は、平均差または比率値等の単一の差/比率値に約分されてもよい。つまり、信号プロセスへの不利益は最小にして、雑音が、余分に測定された信号から減少されるような方式で平均差/比率信号を得るために、異なる検出器ペアに対する差/比率信号の平均が決定され得る。
【0071】
高さが判定されると、操作608で、そのような高さが仕様範囲内かが判断されて報告されてもよい。高さの仕様は、例えば平均差と比較した任意の適切な高さ閾値またはパーセンテージに基づいて定義されてよい。例えば、所定範囲内の高さの値が「良」の品質表示となってもよく、または、所定範囲外の高さの値が「不良」品質表示として報告されてもよい。次にこの手順は終了しても、または、複数のターゲットに対して繰り返されてもよい。
【0072】
本発明のいくつかのモデルレス実施形態は、既知の品質構造(例えば、既知の不良および良好な高さ範囲、および異なる焦点値に対する対応する強度値)のトレーニング技法によって拡張されてもよい。ニューラルネットワーク等の機械学習方法に基づくアルゴリズムが、測定信号を、既知の構造のトレーニングセットに基づいて、TSV構造または銅ピラー高さ等の試験構造の予めプログラムされた変動に関連付けるために用いられてもよい。すなわち、検出された信号をフィーチャまたはプロセス変動に関連付けるためのモデルを決定するために信号を得るために、予め定められたまたは既知の変動を伴うトレーニングセットが測定され得る。機械学習操作が完了した後で、そのようなモデルを用いて、既知の特徴を有する注目すべき構造から得られた信号からフィーチャおよびプロセス関連パラメータが抽出され得る。
【0073】
さらなる実施形態において、特定のプロセスパラメータには変動があり得る。例えば、銅ピラー構造の電気めっき条件またはTSV構造の製造に関するエッチング条件は、DOE(実験計画法、design of experiment)トレーニングセットを作成するための別の方法として用いられてもよく、例えば、異なるウェハが、異なるめっきまたはエッチング条件で処理される。
【0074】
DOEトレーニングセットが作成された後で、異なるプロセス条件を用いて製作されたターゲットは、複数の測定サイトからの2以上の異なる焦点位置における単一の測定サイトからの特定の信号タイプ等の信号を得るために測定されてもよく、それは次にトレーニングアルゴリズムの一部として処理される。トレーニングセットの高さパラメータを決定するために、トレーニングセットからのこれらのターゲットは、例えば断面TEM等の破壊計測であり得る、または、例えば原子間力顕微鏡(AFM)またはCD−SEMによる非破壊計測であり得る基準計測によって特性評価されてもよい。既知のフィーチャパラメータは、特定の計測値というより、単純に不良または良好な品質の標示を含んでよい。
【0075】
上記に説明した技法のうち任意の技法を実施するために、ハードウェアおよび/またはソフトウェアの任意の適切な組み合わせが用いられてもよい。一般例では、計測ツールは、ターゲットを照射する照射モジュールと、照射システムの、ターゲット、デバイスまたはフィーチャとの相互作用(または相互作用の欠如)によって提供された関連情報を捕捉する収集モジュールと、1以上のアルゴリズムを用いて、収集された情報を解析する処理システムを備えてよい。計測ツールは、種々の半導体製造プロセスに関係する構造および材料特性(例えば、材料組成、膜厚および/または構造のクリティカルディメンション、オーバーレイ等の構造および膜の寸法特性)に関する種々の放射信号を測定するために一般的に用いられ得る。これらの測定は、プロセス制御を助長するためおよび/または半導体ダイの製造における効率をもたらすために用いられ得る。
【0076】
計測ツールは、上記に説明した本発明の特定の実施形態と併用されてもよい1以上のハードウェア構成を備えてよい。そのようなハードウェア構成の例は、限定はしないが、ビームプロファイル反射率計(角度分解反射率計)、広帯域反射分光計(分光反射率計)、単波長反射率計、角度分解反射率計、イメージングシステムおよび散乱計(例えば、スペックルアナライザー)を含む。
【0077】
ハードウェア構成は、個別のオペレーショナルシステムに分離され得る。一方で、1以上のハードウェア構成は単一のツールに統合され得る。複数のハードウェア構成の単一のツールへのそのような統合の一例は、あらゆる目的でその全体を参照により本明細書に組み込む、米国特許第7,933,026号にさらに図示され説明されている。システムは、特定のレンズ、コリメータ、ミラー、四分の一波長板、偏光子、検出器、カメラ、開口および/または光源を含み得る。光学システムの波長は約120nmから3ミクロンまで変動があり得る。収集された信号は偏光分解されても、無偏光でもよい。
【0078】
システムは、同じツールに一体化された複数の計測ヘッドを含み得る。しかしながら、多くの場合、試料上の単一のエリアまたは複数のエリアの測定のために、複数の計測ツールが用いられる。複数のツール計測のいくつかの実施形態はさらに、例えば、あらゆる目的でその全体を参照により本明細書に組み込む、Zangooieらによる、「Multiple tool and structure analysis」というタイトルの米国特許第7,478,019号にさらに説明されている。
【0079】
特定のハードウェア構成の照射システムは、1以上の光源を含み得る。すると、1以上の検出器または分光計は、収集光学素子を介して、試験片の表面から反射または散乱された照射を受け取るように構成される。適切なセンサは、電荷結合素子(CCD)、CCDアレイ、時間遅延積分(TDI)センサ、TDIセンサアレイ、光電子増倍管(PMT)およびその他のセンサを含む。測定されたスペクトルまたは検出された信号データ(位置、波長、偏光、方位角等の関数としての)は、解析のため、各検出器からプロセッサシステム(例えば、
図1Aの150)に伝えられてもよい。
【0080】
本開示を通して説明された種々のステップは、単一のプロセッサシステムによって実行されても、また代替的に、複数のプロセッサシステムによって実行されてもよいことを認識すべきである。さらに、上記に説明した光源および/または検出器システムの実施形態等のシステムの異なるサブシステムは、システム状態を制御する、信号を前処理する、または、本明細書で説明されるステップの少なくとも一部を実行するのに適したコンピュータシステムを含み得る。したがって、上記の説明は、本発明への限定としてではなく、単に例証として解釈されるべきである。さらに、1以上のプロセッサシステムは、本明細書で説明される方法の実施形態のうち任意の方法の任意の他のステップ(複数の場合あり)を実行するように構成されてもよい。
【0081】
さらに、プロセッサシステムは、当技術分野で公知の任意の方式で検出器システムに通信可能に結合されてもよい。例えば、1以上のプロセッサシステムは、検出器システムに関係するコンピューティングシステムに結合されてもよい。別の例では、検出器システムは、プロセッサシステムに結合された単一のコンピュータシステムによって直接制御されてもよい。
【0082】
プロセッサシステムは、他のシステムから、ワイヤラインおよび/またはワイヤレス部分を含み得る伝送媒体によって、データまたは情報(例えば、測定信号、差信号、統計結果、基準または校正データ、トレーニングデータ、モデル、抽出された特徴または変換結果、変換されたデータセット、曲線当てはめ、定性的および定量的結果等)を受信および/または取得するように構成されてもよい。このように、伝送媒体は、プロセッサシステムと他システム(例えば、外部メモリ、基準測定源またはその他の外部システム)の間のデータリンクとして働き得る。例えば、プロセッサシステムは、データリンクを介して記憶媒体(例えば、内部または外部メモリ)から測定データを受け取るように構成されてもよい。例えば、検出システムを用いて得られた結果は、永久または半永久メモリデバイス(例えば、内部または外部メモリ)に記憶されてもよい。これに関連して、スペクトル結果は、オンボードメモリから、または外部メモリシステムからインポートされてもよい。さらに、プロセッサシステムは、伝送媒体を介して他システムにデータを送信してもよい。例えば、プロセッサシステムによって決定された定性的および/または定量的結果は、外部メモリに通信されてそこに記憶されてもよい。この意味で、測定結果は別のシステムにエクスポートされてもよい。
【0083】
プロセッサシステムは、限定はしないが、GPUボード、FPGA、プログラマブルロジックアレイ、パーソナルコンピュータシステム、メインフレームコンピュータシステム、ワークステーション、イメージコンピュータまたは当技術分野で公知の任意の他のデバイスを含み得る。一般に、「プロセッサシステム」という用語は、メモリ媒体からの命令を実行する1以上のプロセッサを有する任意のデバイスを包含するように広範に定義されてよい。本明細書で説明されるような方法を実行するプログラム命令は、ワイヤ、ケーブルまたはワイヤレス伝送リンク等の伝送媒体を介して伝送されてもよい。プログラム命令は、コンピュータ可読媒体(例えばメモリ)に記憶されてもよい。例示的コンピュータ可読媒体は、リードオンリーメモリ、フラッシュメモリ、ランダムアクセスメモリ、または磁気もしくは光ディスクを含む。
【0084】
計測ツールは、半導体製造に関連する測定の多くの異なるタイプを製作するために設計されてよい。定性的および/または定量的高さ値を判定するための本発明のいくつかの実施形態は、そのような測定を利用してもよい。特定のターゲット特性を判定するための付加的な計測技法が、上記に説明した高さ判定技法と組み合わされてもよい。例えば、特定の実施形態では、ツールはさらに、信号を測定して、質および欠陥量値、クリティカルディメンション、オーバーレイ、膜厚、プロセス関連パラメータ(例えば、めっき条件)等の、1以上のターゲットのその他の特性を判定してよい。ターゲットは、例えば、チップ間の相互接続用の銅ピラー等の特定の注目すべき領域を含み得る。ターゲットは、フォトレジストまたはパッシベーション層等の複数の層(または膜)を含み得る。
【0085】
収集されたデータは、ニューラルネットワーク、サポートベクターマシン(SVM)等の機械学習アルゴリズム、例えばPCA(主成分分析)、ICA(独立成分解析)、LLE(局所的線形埋め込み)等の次元削減アルゴリズム、カルマンフィルタ、同じまたは異なるツールタイプからのマッチングを促進するアルゴリズムおよびその他を含むいくつかのデータ当てはめおよび最適化技法および技術によって解析され得る。
【0086】
計算アルゴリズムは通常、データ処理速度および精度に関して最適化されており、コンピュータのハードウェア、並列化等の設計および実装等の1以上の手法が用いられている。アルゴリズムの異なる実装は、ファームウェア、ソフトウェア、FPGA、プログラマブルロジックアレイ等で行われ得る。
【0087】
データ解析は、以下の目的:高さの測定値、質、欠陥数、CD、組成、膜、プロセスパラメータの生成(例えば、めっきまたはエッチング設定)および/またはそれらの任意の組み合わせ、のうち1つを追求するために用いられてよい。
【0088】
ここで提示される本発明のいくつかの実施形態は一般に、半導体プロセスおよび品質管理の分野を対象とし、ハードウェア、ソフトウェア/アルゴリズム実装およびアーキテクチャ、ならびに上記に要約した使用ケースに限定されない。
【0089】
前述の発明を、明瞭さと理解のためにいくつかの詳細において説明してきたが、添付の請求項の範囲内でいくつかの変更および修正が実行されてもよいことは明らかであろう。本発明のプロセス、システムおよび装置を実装する多くの代替的方式が存在することに留意すべきである。したがって、本発明は例示的であって限定的ではないと見なされるべきであり、本発明は本明細書に記載された詳細に限定されない。