(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
基板へのリソグラフィプロセスに関係するプロセスパラメータに対する補正を決定する方法であって、前記リソグラフィプロセスが、各実行中に1つ又は複数の基板にパターンが施される複数の実行を含み、前記方法が、
前記基板の特性に関する露光前パラメータデータを得ることと、
前記リソグラフィプロセスの1つ又は複数の以前に露光された基板に対して同等のリソグラフィプロセスにより行われた前記プロセスパラメータの1つ又は複数の測定を含む露光後計測データを得ることと、
前記露光前パラメータデータに基づいて、1つ又は複数の群からの群帰属ステータスを前記基板に割り当てることであって、前記1つ又は複数の群は、前記1つ又は複数の以前に露光された基板に関連する露光前計測データを、それに対応する露光後計測データの特徴に従ってカテゴリ分けするために訓練された分類器を用いて決定されていることと、
前記群帰属ステータス及び前記露光後計測データに基づいて前記プロセスパラメータに対する前記補正を決定することと、を含み、
前記露光前パラメータデータは、現在の層の露光に先立って行われた測定からのデータを含み、
前記1つ又は複数の群からの各群は、関連するプロセス補正を有する、方法。
前記プロセスパラメータに対する前記補正を決定する前記ステップが、前記1つ又は複数の群への前記基板の前記帰属度に基づいて1つ又は複数の群に関連付けられた補正の重み付けに基づく、請求項7に記載の方法。
前記初期訓練ステージが、履歴データに基づいて基板を前記1つ又は複数の群に割り当て、前記露光後計測データへの影響をシミュレートすることを含む検証ステップを含む、請求項11に記載の方法。
処理デバイス又は処理デバイスのシステムに請求項15に記載の制御システムを実施させるための機械可読命令の1つ又は複数のシーケンスを含む、コンピュータプログラム製品。
【発明を実施するための形態】
【0018】
[0017] 本発明の実施形態を詳細に説明する前に、本発明の実施形態が実施され得る例示の環境を提示することが有益である。
【0019】
[0018]
図1は、リソグラフィ装置LAを概略的に表す。装置は、放射ビームB(例えばUV放射又はDUV放射)を調整するように構成された照明システム(イルミネータ)ILと、パターニングデバイス(例えばマスク)MAを支持するように構成された、且つ或るパラメータに従ってパターニングデバイスを正確に位置決めするように構成された第1のポジショナPMに接続されたパターニングデバイスサポート又はサポート構造(例えばマスクテーブル)MTと、基板(例えばレジストコートウェーハ)Wを保持するようにそれぞれ構成された、且つ或るパラメータに従って基板を正確に位置決めするように構成された第2のポジショナPWにそれぞれ接続された2つの基板テーブル(例えばウェーハテーブル)WTa及びWTbと、パターニングデバイスMAによって放射ビームBに与えられたパターンを基板Wのターゲット部分C(例えば1つ又は複数のダイを含む)上に投影するように構成された投影システム(例えば屈折投影レンズシステム)PSと、を含む。基準フレームRFは、様々なコンポーネントを接続し、且つパターニングデバイス及び基板並びにそれらの上のフィーチャの位置を設定し測定するための基準として働く。
【0020】
[0019] 照明システムは、放射を誘導、成形又は制御するための、屈折、反射、磁気、電磁気、静電気若しくは他のタイプの光学コンポーネント、又はそれらの何れかの組み合わせなど、様々なタイプの光学コンポーネントを含んでもよい。例えば、極端紫外線(EUV)放射を使用する装置では、通常、反射光学コンポーネントが使用される。
【0021】
[0020] パターニングデバイスサポートは、パターニングデバイスの向き、リソグラフィ装置の設計、及び例えばパターニングデバイスが真空環境に保持されるか否かなどの他の条件に依存する方法で、パターニングデバイスを保持する。パターニングデバイスサポートは、パターニングデバイスを保持するために、機械、真空、静電気、又は他のクランプ技術を用いることができる。パターニングデバイスサポートMTは、例えば必要に応じて固定されるか又は移動可能にし得るフレーム又はテーブルであってもよい。パターニングデバイスサポートは、パターニングデバイスが、例えば投影システムに対して所望の位置にあることを保証してもよい。
【0022】
[0021] 本明細書で用いられる用語「パターニングデバイス」は、基板の目標部分にパターンを作成するためなど、放射ビームの断面におけるパターンを放射ビームを与えるために用いることができる何れかのデバイスを指すように広く解釈されるべきである。例えばパターンが、位相シフトフィーチャ又はいわゆるアシストフィーチャを含む場合に、放射ビームに与えられたパターンが、基板のターゲット部分における所望のパターンに必ずしも対応しなくてもよいことに留意されたい。一般に、放射ビームに与えられるパターンは、集積回路など、ターゲット部分に作成されるデバイスにおける特定の機能層に対応する。
【0023】
[0022] 本明細書で表現されるように、装置は、透過型(例えば、透過パターニングデバイスを用いる)である。代替として、装置は、反射型(例えば、上記で触れたようなタイプのプログラマブルミラーアレイを用いるか、又は反射マスクを用いる)であってもよい。パターニングデバイスの例には、マスク、プログラマブルミラーアレイ、及びプログラマブルLCDパネルが含まれる。本明細書において用語「レチクル」又は「マスク」何れの使用も、より一般的な用語「パターニングデバイス」と同義であると考えられてもよい。用語「パターニングデバイス」はまた、かかるプログラマブルパターニングデバイスを制御する際に使用するためのパターン情報をデジタル形式で格納するデバイスを指すと解釈することができる。
【0024】
[0023] 本明細書で用いられる用語「投影システム」は、用いられている露光放射用に、又は液浸液の使用又は真空の使用などの他の要因用に適切なように、屈折、反射、屈折作用、磁気、電磁気及び静電気光学系又はそれらの組み合わせを含む何れかのタイプの投影システムを包含すると広く解釈されるべきである。本明細書における用語「投影レンズ」の何れの使用も、より一般的な用語「投影システム」と同義なものとして考えられてもよい。
【0025】
[0024] リソグラフィ装置はまた、基板の少なくとも一部が、投影システムと基板との間の空間を満たすために、比較的高屈折率を有する液体、例えば水によって覆われ得るタイプであってもよい。液浸液もまた、リソグラフィ装置における他の空間、例えばマスクと投影システムとの間に適用されてもよい。液浸技術は、投影システムの開口数を増加させるための技術分野においてよく知られている。
【0026】
[0025] 動作において、イルミネータILは、放射源SOから放射ビームを受信する。放射源及びリソグラフィ装置は、例えば放射源が、エキシマレーザである場合に、別個のエンティティであってもよい。かかる場合に、放射源は、リソグラフィ装置の一部を形成するとは見なされず、放射ビームは、例えば適切な誘導ミラー及び/又はビームエキスパンダを含むビームデリバリシステムBDの支援で、放射源SOからイルミネータILへと通過される。他の場合に、例えば放射源が、水銀ランプである場合に、放射源は、例えばリソグラフィ装置の不可欠な部分であってもよい。放射源SO及びイルミネータILは、必要に応じてビームデリバリシステムBDと一緒に、放射システムと呼ばれてもよい。
【0027】
[0026] イルミネータILは、例えば、放射ビームの角度強度分布を調整するためのアジャスタADと、積分器INと、コンデンサCOと、を含んでもよい。イルミネータは、放射ビームの断面において所望の均一性及び強度分布を有するように放射ビームを調整するために用いられてもよい。
【0028】
[0027] 放射ビームBは、パターニングデバイスサポートMT上で保持されるパターニングデバイスMAに入射し、且つパターニングデバイスによってパターン化される。パターニングデバイス(例えばマスク)MAを横断すると、放射ビームBは、投影システムPSを通過し、投影システムPSは、基板Wのターゲット部分C上にビームを合焦させる。第2のポジショナPW及び位置センサIF(例えば干渉デバイス、リニアエンコーダ、2Dエンコーダ又は容量センサ)の支援で、基板テーブルWTa又はWTbは、放射ビームBの経路に相異なるターゲット部分Cを位置決めするために、正確に移動させることができる。同様に、第1のポジショナPM及び別の位置センサ(
図1には明示的に表現されていない)は、例えばマスクライブラリからの機械検索後に又は走査中に、放射ビームBの経路に対してパターニングデバイス(例えばマスク)MAを正確に位置決めするために用いることができる。
【0029】
[0028] パターニングデバイス(例えばマスク)MA及び基板Wは、マスクアライメントマークM1、M2及び基板アライメントマークP1、P2を用いて整列されてもよい。基板アライメントマークは、図示のように、専用ターゲット部分を占めるが、それらは、ターゲット部分間の空間に位置してもよい(これらは、スクライブラインアライメントマークとして知られている)。同様に、1つを超えるダイが、パターニングデバイス(例えばマスク)MA上に提供される状況において、マスクアライメントマークは、ダイ間に位置してもよい。小さなアライメントマークもまた、デバイスフィーチャの間でダイ内に含まれてもよく、その場合に、マーカーが、できるだけ小さく、且つ隣接するフィーチャと相異なるどんな結像もプロセス条件も要求しないことが望ましい。アライメント装置は、アライメントマーカーを検出するが、以下で更に説明される。
【0030】
[0029] 表現されている装置は、様々なモードで用いることが可能である。走査モードにおいて、パターニングデバイスサポート(例えばマスクテーブル)MT及び基板テーブルWTは、放射ビームに与えられるパターンが、ターゲット部分C上に投影されている間に、同期して走査される(即ち単一動的露光)。パターニングデバイスサポート(例えばマスクテーブル)MTに対する基板テーブルWTの速度及び方向は、投影システムPSの拡大、縮小及び像反転特性によって決定されてもよい。走査モードにおいて、露光フィールドの最大サイズが、単一動的露光におけるターゲット部分の(非走査方向における)幅を制限するのに対して、走査運動の長さは、ターゲット部分の(走査方向における)高さを決定する。他のタイプのリソグラフィ装置及び動作モードが、当該技術分野においてよく知られている通り可能である。例えば、ステップモードが知られている。いわゆる「マスクレス」リソグラフィにおいて、プログラマブルパターニングデバイスは、静止状態だが、しかしパターンの変化を伴って保持され、基板テーブルWTは、移動又は走査される。
【0031】
[0030] 上記の使用モード又は完全に相異なる使用モードの組み合わせ及び/又は変形もまた、用いられてもよい。
【0032】
[0031] リソグラフィ装置LAは、2つの基板テーブルWTa、WTb、及び2つのステーション−露光ステーションEXP及び測定ステーションMEA−を有するいわゆるデュアルステージタイプであり、2つのステーション間で基板テーブルは、交換することができる。1つの基板テーブル上の1つの基板が、露光ステーションで露光されている間に、別の基板は、測定ステーションにおいてもう一方の基板テーブルに載せることができ、様々な準備ステップが、実行され得る。これは、装置のスループットにおける実質的な増加を可能にする。単一ステージ装置では、各基板に対して、準備ステップ及び露光ステップを単一ステージにおいて順次行う必要がある。準備ステップは、レベルセンサLSを用いて、基板の表面高さ輪郭をマッピングすること、及びアライメントセンサASを用いて、基板上のアライメントマーカーの位置を測定することを含んでもよい。基板テーブルが、露光ステーションと同様に測定ステーションにある間に、位置センサIFが、基板テーブルの位置を測定できない場合に、第2の位置センサが、基準フレームRFに対して、両方のステーションにおいて基板テーブルの位置を追跡できるようにするために設けられてもよい。図示されているデュアルステージ配置の代わりに、他の配置が、周知であり使用可能である。例えば、基板テーブル及び測定テーブルが設けられる他のリソグラフィ装置が周知である。これらは、予備測定を実行する場合に、一緒に連結され、次に基板テーブルが露光を経験している間に連結を解かれる。
【0033】
[0032]
図2に示されているように、リソグラフィ装置LAは、時にはリソセル又はクラスタとも呼ばれるリソグラフィセルLCの一部を形成し、リソグラフィセルLCはまた、基板上で露光前及び露光後プロセスを実行する装置を含む。従来的に、これらは、レジスト層を堆積するためのスピンコータSC、露光されたレジストを現像するデベロッパDE、冷却プレートCH、及びベークプレートBKを含む。基板ハンドラ又はロボットROは、入力/出力ポートI/O1、I/O2から基板を拾い上げて、相異なるプロセス装置間でそれらの基板を移動させ、且つリソグラフィ装置のローディングベイLBにそれらの基板を送出する。これらのデバイスは、しばしば集合的にトラックと呼ばれるが、トラック制御ユニットTCUの制御下にあり、トラック制御ユニットTCUは、それ自体、監視制御システムSCSによって制御され、監視制御システムSCSはまた、リソグラフィ制御ユニットLACUを介してリソグラフィ装置を制御する。従って、相異なる装置は、スループット及び処理効率を最大限にするように操作することができる。
【0034】
[0033] リソグラフィ装置によって露光される基板が、正確に一貫して露光されるように、後続の層間のオーバーレイ誤差、ライン厚さ、クリティカルディメンジョン(CD)などの特性を測定するために、露光された基板を検査することが望ましい。従って、リソセルLCが位置する製造設備もまた、リソセルにおいて処理された基板Wの幾つか又は全てを受け入れる計測システムMETを含む。計測結果は、監視制御システムSCSに直接又は間接的に提供される。誤差が検出された場合には、後続の基板の露光に対して調整がなされてもよい。
【0035】
[0034] 計測システムMET内において、基板の特性、及び特に相異なる基板の特性又は同じ基板の相異なる層の特性が、層から層へとどのように変化するかを決定するために、インスペクション装置が用いられる。インスペクション装置は、リソグラフィ装置LA若しくはリソセルLCに統合されてもよく、又はスタンドアロンデバイスであってもよい。最も高速な計測を可能にするために、インスペクション装置が、露光されたレジスト層における特性を露光直後に測定することが望ましい場合がある。しかしながら、全てのインスペクション装置が、潜像の有用な測定を行うための十分な感度を有するわけではない。従って、測定は、通例、露光された基板に実行される第1のステップである、且つレジストの露光及び非露光部分間のコントラストを向上させる露光後ベークステップ(PEB)後に行われてもよい。このステージにおいて、レジストにおける画像は、半潜像的と呼ばれてもよい。現像されたレジスト画像の測定を行うことがまた可能であり−その時点では、レジストの露光又は非露光部分の何れかが除去されている。また、既に露光された基板は、歩留まりを向上させるために取り出されて再加工されるか、又は廃棄され、それにより、欠陥があると思われる基板に更なる処理を行うことを回避するようにしてもよい。基板の幾つかのターゲット部分にのみ欠陥がある場合には、良好なターゲット部分にのみ更なる露光を行うことができる。
【0036】
[0035] 計測システムMETを用いた計測ステップはまた、レジストパターンが製品層にエッチングされた後に行うこともできる。後者の可能性は、欠陥のある基板の再加工の可能性を制限するが、製造プロセス全体の性能に関する追加の情報を提供し得る。
【0037】
[0036]
図3は、
図1のデュアルステージ装置内の基板W上のターゲット部分(例えばダイ)を露光するステップを図示する。まず、従来の慣行に従ったプロセスについて説明する。本開示は、図示のタイプのデュアルステージ装置に決して限定されるものではない。当業者であれば、同様の動作が、他のタイプのリソグラフィ装置、例えば単一の基板ステージとドッキング計測ステージとを有するリソグラフィ装置において行われることを認識するであろう。
【0038】
[0037] 左側の点線枠内は測定ステーションMEAで行われるステップであり、その一方で、右側は露光ステーションEXPで行われるステップを示す。上で説明したように、場合に応じて、基板テーブルWTa、WTbの一方が露光ステーションにあり、他方が測定ステーションにある。本説明の目的で、基板Wは既に露光ステーション内に装填されているものと仮定する。ステップ200では、図示しない機構により新たな基板W’が装置に装填される。これらの2つの基板は、リソグラフィ装置のスループットを高めるために、並行して処理される。
【0039】
[0038] まず新たに装填された基板W’を参照すると、これは、装置内での最初の露光のために新たなフォトレジストを用いて準備された、未処理の基板であってもよい。しかしながら、概して、説明するリソグラフィプロセスは、一連の露光及び処理ステップの1つのステップに過ぎないので、基板W’は、この装置及び/又は他のリソグラフィ装置を既に数回通過しており、経るべき後続のプロセスも有し得る。特にオーバーレイ性能の向上の問題について、課題は、既にパターニング及び処理の1又は複数のサイクルを経た基板上の正しい位置に新たなパターンが正確に施されることを確実にすることである。各パターニングステップは、満足できるオーバーレイ性能を達成するために、後続の処理ステップが、基板及び/又は測定し補正しなければならない基板に施されたパターンに徐々に歪みもたらす一方で、施されたパターンの位置ずれをもたらすことができる。
【0040】
[0039] 前述のように、以前の及び/又は後続のパターニングステップは、他のリソグラフィ装置で行われてもよく、更には、異なるタイプのリソグラフィ装置で行われてもよい。例えば、解像度及びオーバーレイなどのパラメータにおいて要求が非常に多いデバイス製造プロセスにおける幾つかの層は、要求の少ない他の層よりも高度なリソグラフィツールで行われてもよい。それゆえ、幾つかの層は液浸タイプのリソグラフィツールで露光されてもよく、その一方で、その他は「ドライ」ツールで露光される。幾つかの層はDUV波長で動作するツールで露光されてもよく、その一方で、その他はEUV波長放射を使用して露光される。幾つかの層は、図示のリソグラフィ装置内での露光の代替又は補足であるステップによりパターニングされてもよい。そのような代替的且つ補足的な技術は、例えば、インプリントリソグラフィ、自己整合多重パターニング、及び誘導自己組織化を含む。同様に、層毎に行われる他の処理ステップ(例えば、CMP及びエッチング)は、異なる装置において層毎に行われてもよい。
【0041】
[0040] 202では、基板テーブルWTa/WTbに対する基板のアライメントを測定して記録するために、基板マークP1(
図1)など及びイメージセンサ(図示せず)を使用するアライメント測定が用いられる。加えて、基板W’にわたる幾つかのアライメントマークは、アライメントセンサASを使用して測定される。これらの測定は、公称矩形グリッドに対する任意の歪みを含む、基板にわたるマークの分布を非常に正確にマッピングする、基板モデル(「ウェーハグリッド」と呼ばれることもある)を確立するために、一実施形態において使用される。
【0042】
[0041] ステップ204では、X−Y位置に対するウェーハ高さ(Z)のマップがレベルセンサLSも使用して測定される。高さマップは、主として、露光されるパターンの正確な合焦を達成するためにのみ使用される。加えて、高さマップは他の目的に使用されてもよい。
【0043】
[0042] 基板W’が装填されたときに、行うべき露光と、更にはウェーハの特性と、基板W’上に以前に作成されたパターンと、基板W’上に作成すべきパターンとを規定するレシピデータ206が受信される。基板上のアライメントマークの選択がある場合、及びアライメントセンサの設定の選択がある場合に、これらの選択は、レシピデータ206のうちのアライメントレシピで規定される。それゆえ、アライメントレシピは、どのマークかだけでなく、アライメントマークの位置をどのように測定すべきかを規定する。
【0044】
[0043] 210では、ウェーハW’とWがスワップされるため、測定された基板W’が、露光ステーションEXPに入る基板Wになる。
図1の例示の装置において、このスワッピングは、装置内での支持体WTaとWTbとの交換により行われ、その結果、基板テーブルと基板自体との相対的なアライメントを保持するために、基板W、W’がそれらの支持体上で正確にクランプされ位置決めされたままとなる。よって、テーブルがスワップされた時点で、投影システムPSと基板テーブルWTb(以前はWTa)との相対位置を決定することが、露光ステップを制御する際に基板W(以前はW’)についての測定情報202、204を使用するために必要なことの全てである。ステップ212では、マスクアライメントマークM1、M2を使用してレチクルアライメントが行われる。ステップ214、216、218では、多数のパターンの露光を完了するために、スキャン動作と放射パルスとが基板Wにわたる連続的なターゲット位置に適用される。露光ステップを行う際に測定ステーションで得られたアライメントデータ及び高さマップを使用することにより、これらのパターンが、所望の位置に対して、特に同じ基板上に先に置かれたフィーチャに対して正確に整合される。ここでW”とラベル付けされた、露光された基板は、露光されたパターンに従って、エッチング又は他のプロセスを受けるために、ステップ220において装置から取り外される。
【0045】
[0044]性能データを使用する高度プロセス制御
最高の性能のために、現在の基板がリソグラフィ装置内に装填されたときになされる測定に加えて、リソグラフィプロセスに関する履歴性能データが一般に使用される。この目的で、性能の測定が、計測システムMET(
図2)を用いて行われる。異なる形態の高度プロセス制御を実施することができる。
図4は、既知の安定性制御方法を実施する、ほんの一例を図示している。
【0046】
[0045]
図4は安定性モジュール300を描いている。このモジュールは、例えば
図2の制御ユニットLACU又は監視制御システムSCS内の、例えばプロセッサで実行中のアプリケーションである。1、2、3とラベル付けされた、3つの主要なプロセス制御ループが示されている。第一ループは、安定性モジュール300とモニタウェーハとを使用してリソグラフィ装置の局所的制御を行う。モニタウェーハ302は、例えば
図2のリソセルLCであり得る、リソグラフィセル304から渡されて示されている。モニタウェーハ304は、焦点及びオーバーレイの「ベースライン」パラメータを設定するための較正パターンで露光されている。後に、計測ツール306が、これらのベースラインパラメータを読み取り、次いで、ベースラインパラメータが、このリソセルに特有の安定性補正308を算出するために安定性モジュール300により解釈される。この性能データを、リソグラフィセル304にフィードバックして、更なる露光を行うときに使用することができる。モニタウェーハの露光は、基準マークの上にマークのパターンを印刷することを含んでもよい。頂部マークと底部マークとの間のオーバーレイ誤差を測定することにより、ウェーハが装置から取り外され計測ツール内に配置されているときでさえ、リソグラフィ装置の性能のずれを測定することができる。
【0047】
[0046] 第二(APC)制御ループは、焦点、ドーズ量、及び実際の製品ウェーハ上のオーバーレイなどの性能パラメータの測定に基づく。露光された製品ウェーハ320は、第一制御ループ内の計測ツール306と同じか又は異なり得る、計測ツール322に渡される。322では、例えば、クリティカルディメンジョン、側壁角度、及びオーバーレイなどのパラメータに関する情報が決定されて高度プロセス制御(APC)モジュール324に渡される。このデータもまた、安定性モジュール300に渡される。プロセス補正326は、安定性モジュール300と通信して、リソセル304の制御を行う、監視制御システム(SCS)328により算出されて使用される。
【0048】
[0047] 第三制御ループは、例えばダブルパターニング用途において、第二(APC)制御ループへの計測統合を可能にするものである。エッチングされたウェーハ330は、この場合も第一及び/又は第二制御ループにおいて使用される計測ツール306、322と同じか又は異なり得る、計測ユニット332に渡される。計測ツール332は、ウェーハから読み取られる、クリティカルディメンジョン、側壁角度及びオーバーレイなどの性能パラメータを測定する。これらのパラメータは、高度プロセス制御(APC)モジュール324に渡される。ループは、第二ループと同様に継続する。
【0049】
[0048] 大量製造(HVM)環境での現在のプロセス補正戦略は、典型的には、チャック毎及びロット毎に行われる。しかしながら、ごく最近では、基板毎の補正が考慮されている。そして、ロット毎ではなく、基板毎にプロセス補正を規定することが可能になる。基板毎のレベルでのプロセス制御(本明細書ではウェーハレベル制御又はWLCと呼ばれる)のために基板毎の補正を利用する実用的な戦略を考案する必要がある。処理された各基板に対してオーバーレイ計測を行うことは(特に時間及びスループットの点で)コストがかかる。その代わりに、「プロセスフィンガープリント」の基板毎の予測を行うことができる。プロセスフィンガープリント(又はシグネチャ)は、特定のプロセスステップ及び/又はプロセスツールにより基板に付与された歪み又は他の変形を表す。そのような予測は、露光シーケンス(予め分かっている)又はコンテキスト/処理履歴に基づくことができる。しかしながら、これは幾つかの欠点を有する。第一に、全ての処理ステップ履歴を追跡して管理することは、特により高いところにある層では、多大な労力を必要とする。第二に、プロセスツールとオーバーレイへの影響との間に明確な関係を確立することが困難である場合がある。
【0050】
[0049] 概してより定期的に生成される計測データ、例えば基板毎に生成されるアライメントデータ又はレベリングデータを使用することが、基板間のばらつきを低減する代替案である。しかしながら、特にアライメントデータの例を具体的に考慮すると、補正能力が制限され、スループットペナルティを回避するために、限られた数のアライメントマークしか測定できず、アライメントモデルが大域(フィールド間)モデルに限定されることが多く、且つ多くの場合、アライメントマークがプロセス誘起マーク損傷を受け、結果として、測定の信頼性が低くなる。
【0051】
[0050] 実行間ウェーハレベル制御戦略において、基板をまとめて群化して、基板群に基づいて補正を決定することが提案される。HVM環境において、クラスタ割り当ては、基板のコンテキスト履歴に従って行うことができる。しかしながら、既に説明したように、コンテキスト履歴を追跡することは不必要に面倒である。代わりに、制御される露光後性能パラメータ(例えば、オーバーレイ)と相関する露光前パラメータデータ(例えば、露光前計測データ)に従って基板を群化することが提案される。このように基板を群化することにより、群毎に基板にわたる比較的大きな平均化から利益を得る一方で、「基板毎」の高精度をほぼ達成することが可能である。
【0052】
[0051] この文脈において、露光前計測データは、性能パラメータが制御されている層の露光に先立って行われた測定からの計測データを含み、つまり、「露光前」という用語は、次の層の露光に対する用語である。そのようなものとして、露光前計測データは、基板上の更なる層の露光の制御のために、前の層が露光された基板に対して行われた測定を含んでもよい。
【0053】
[0052] 露光前データは、現在の層の露光のためのリソグラフィ装置(スキャナ)への装填に先立って、又は現在の層の露光のためのリソグラフィ装置(スキャナ)への装填に続いて行われた測定からのデータを含んでもよい。後者の例において、露光前データは、その層の露光のための事前計測を含んでもよい。実施形態において、露光前計測データは、アライメントデータを含んでもよい。アライメントデータは、基板の装填に続く現在の層の露光に備えて行われた測定を含んでもよい。代替的に又は組み合わせて、アライメントデータは、前の層の露光に備えて、すなわち、現在の層の測定及び露光のための基板の装填に先立って行われた測定を含んでもよい。代替的に又は組み合わせて、露光前計測データは、基板の形状を記述したレベリングデータを含んでもよい。アライメントデータと同様に、レベリングデータは、現在の層の、又は前の層の露光に備えて行われた測定からのデータであってもよい。代替的に又は組み合わせて、露光前計測データは、ウェーハジオメトリデータ及び/又は面内歪みデータを含んでもよい。
【0054】
[0053] アライメントデータを含む露光前計測データの例を考慮すると、このアライメントデータは、リソグラフィツールの測定ステーションにおいて基板にわたって測定されてもよい。アライメントデータは、基板にわたる複数のベクトルを含んでもよく、各ベクトルは、基板上の特定のマークについての、アライメントセンサASにより測定されたマーク位置の公称位置に対する位置及び変位(例えば、位置ずれ)を表す。全ての基板がマークの同じ空間分布及び測定値を有し得るが、実際のずれは概して各基板に特有のものである。基板群にわたる露光前計測データ(アライメント測定値)の分析は、データに隠され得る種々の「フィンガープリント」を明らかにするために行うことができる。同様に、フィンガープリントは、例えばレベルセンサLSを使用して測定された基板トポグラフィ測定値又は基板形状測定値から得ることができる。処理された基板の生産における異なるステップの何れかにより、基板自体のフィンガープリントが基板にわたる位置誤差の分布に寄与し得ることが知られている。異なる装置及び異なるタイプの装置でのパターニング及び処理の多くのサイクルを含む、数十のプロセスステップを実製品が経てきた可能性があることを踏まえると、個々のどの装置かは言うまでもなく、どのタイプの装置が、最終製品に存在する誤差の一因になったのかを知ることは非常に困難になる。
【0055】
[0054] 提案する方法は、2つの段階を含んでもよい。1セットの基板を複数の群にカテゴリ分けするために、初期設定段階又は訓練段階が行われる。この設定段階は、性能パラメータ(出力)の特徴に従って(例えば、特性によりラベル付けされた)露光前計測データ(入力オブジェクト)をカテゴリ分けするために分類器を訓練することを含んでもよい。データのハード又はソフト分類のための任意の好適な(例えば、教師付き、半教師付き又は教師なしの)機械学習技術、例えば、線形判別分析、ロジスティック回帰、サポートベクトル分類器又は主成分分析(PCA)が使用され得る。他の好適な分類方法は、参照により本明細書に組み込まれる、国際公開第2015/049087号で説明されている。この特許文献は、各ウェーハにわたって空間的に分布した点において測定された位置ずれ又は他のパラメータを表すオブジェクトデータを得るために、リソグラフィプロセスの実行中のステージにおいてアライメントデータの測定又は他の測定が行われる方法を説明している。このオブジェクトデータは、上記多次元空間内のウェーハを表す上記ベクトルのセットを1つ又は複数の成分ベクトルに分解するために多変量解析を行うことにより診断情報を得るために使用される。工業プロセスに関する診断情報は、成分ベクトルを使用して抽出される。後続の製品ユニットに対するリソグラフィプロセスの実行は、抽出された診断情報に基づいて制御することができる。
【0056】
[0055] 訓練段階は、露光前計測データ及び露光後計測データ(性能パラメータの測定値)が利用可能である複数の基板からの履歴データに対して行われてもよい。既に述べた具体例について、(基板平面内の基板グリッド歪みを表す)アライメントフィンガープリント又は(基板平面に垂直な方向における基板歪みを表す)基板形状若しくはトポグラフィは、対応するオーバーレイ測定値の特徴(例えば、オーバーレイフィンガープリント特徴)に従って分類される。この訓練段階の結果は、各基板群が共通のフィンガープリント又はトポグラフィ特徴及び対応する係数によりラベル付けされる、複数の基板群を含んでもよい。各性能パラメータ特徴は、関連するプロセス補正(例えば、最適補正レシピ)を有する。実施形態において、設定段階は、通常の生産(ロットベースのプロセス補正に基づく、制御段階)と一致してもよい。
【0057】
[0056]
図5は、予測基板分類のための訓練段階の具体例を説明するフローチャートである。設定段階は、多数の基板の性能パラメータを記述した露光後計測データによりラベル付けされたそれらの基板の露光前計測データを含む(例えば、履歴)訓練データ400に対して教師付き学習アルゴリズムを使用することを含んでもよい。典型的には、露光後計測データよりも更に多くの露光前計測データを利用できるので、設定段階は、僅かな数の基板(露光後に測定された基板)がラベル付けされ、その一方で、露光前にのみ測定された基板はラベル付けされない、半教師付き学習アルゴリズムを使用することを含んでもよい。そのような半教師付き分類は、例えば、ラベル拡散方法を使用してもよい。具体例では、露光前計測データは、アライメントフィンガープリント又は基板トポグラフィを含んでもよく、且つ露光後計測データは、オーバーレイ、クリティカルディメンジョン、又はフォーカスフィンガープリントを含んでもよい。第一に、ロット毎のクラスタ/群を特定するために、ロット内クラスタ化ステップ410が行われる。この後に、ロット間の類似のフィンガープリント/トポロジーを特定するために、ロット内クラスタ化ステップ420が行われる。次いで、分類ステップ430が行われ、訓練データを使用して分類器を訓練する。このステップ中に、露光前計測データ群(すなわち、基板群)が規定される。次いで、検証ステップ440が行われる。この検証ステップ440では、基板が履歴データに基づいて基板群に割り当てられる。次いで、性能パラメータ利益のシャドウモードシミュレーションが、プロセス補正スレッド毎に行われる。
【0058】
[0057] 第二段階又は制御段階では、基板の露光前計測データが、例えば基板に対してアライメント及び/又はレベリング計測を行うことにより得られる。この計測は、例えば、上で説明した方法により
図1のアライメントセンサAS及びレベルセンサLSをそれぞれ使用して、アライメント及び基板測定プロセスの一部としてリソグラフィ装置内で行われてもよい。この露光前計測データに基づいて、群帰属ステータスが基板に割り当てられる。群帰属ステータスは、単一の群の帰属関係(ハード分類)又は幾つか若しくは全ての群の部分的帰属関係(ソフト分類、例えば、ソフトマックス関数を使用する)が基板の各々に割り当てられることを含んでもよい。何れの場合も、群は、設定段階中に決定された(又は後に説明するように場合によりこの制御段階中に決定された)基板群の1つである。露光前計測データは、基板プロセスのばらつきに対して敏感である、全ての基板の任意の共通の物理的特性の測定値(例えば、アライメントフィンガープリント又は基板トポグラフィ又は平坦度の測定値)を含んでもよい。群帰属ステータスに基づいて、関連するプロセス補正が特定される。次いで、この関連するプロセス補正は、層が露光される露光中に使用されてもよい。
【0059】
[0058] 実施形態において、基板の露光前計測及び基板の後続のカテゴリ分け、関連する補正の特定、及び補正を使用した層の露光は全て、リソグラフィ装置により行われる。このことは、補正ループが短くなる(後続の露光ステップにおいて露光前計測データが直接使用される)ことを意味する。基板を測定するための追加のツールは必要でない。
【0060】
[0059]
図1に図示するようにリソグラフィ装置が2つ以上の支持体(2つ以上のチャック)を備える、実施形態では、基板のカテゴリ分けに基づいて補正を特定するときにチャック割り当てが考慮されてもよい。そのようなものとして、補正は、チャック毎に特定の基板群に関連付けられてもよい。
【0061】
[0060] 露光後に基板の幾つか又は全てについて性能パラメータ(例えば、オーバーレイ)が測定される。次いで、得られた計測データをモデル化することができ、且つパラメータを、測定された基板に当てはまる基板群に関連付けられたプロセス補正を更新又は置換するために使用することができる。プロセス補正更新は、時間フィルタを用いて実施されてもよく、及び/又は(例えば、移動平均を使用して)平均化されてもよい。モデル化は、全ての基板群に対して一度に行われてもよい。代替的に、モデル化は、クラス特有のパラメータと共有パラメータの両方を使用して全てのパラメータを一度にモデル化することを含んでもよい。
【0062】
[0061] 実施形態では、制御段階中に、特定の基板の露光前計測データが、測定基準に従って、訓練段階において特定された基板群の何れにも適切に属さないと判断されてもよい。例えば、測定基準は距離測定基準であってもよく、且つ特定の基板は、最も近い基板群に対する距離測定基準が閾値を上回る場合に任意の基板群に適切に属さないとみなされてもよい。具体例では、距離測定基準が、基板の測定されたアライメントフィンガープリント(又は他の露光前計測データ)と、最も近い群を規定する計測フィンガープリントとの間の距離を指す場合がある。このような実施形態において、方法は、基板群の1つがその基板の露光前計測データの特徴を包含するように基板群の1つ又は複数を特徴付ける対応する特徴を更新することにより基板群を更新することを含んでもよい。このように、群の数の一貫性を維持したまま、各基板群の特徴を更新することができる。代替案として、実施形態は、カテゴリ分けされていない基板の露光前計測データの特徴に対応する新たな群を追加することを含んでもよい。次いで、この基板の性能パラメータ(例えば、オーバーレイ)が、露光後に測定されて、カテゴリ分けされていない基板の露光前計測データをラベル付けするために使用される。また、(例えば、モデル化により)対応する補正が新たな基板群に対して決定されるべきであり、次いで、対応する補正をこの群にカテゴリ分けされる後続の基板を補正するために使用することができる。代替案として、どの群にも当てはまらない基板は、再加工され確保されてもよい。
【0063】
[0062] 露光後測定のための基板の選択は、制御段階中に最適化されてもよい。この最適化は、対応する基板群を最も代表するとみなされる基板を選択することを含んでもよい。この最適化は、基板のカテゴリ分けに使用される基板に関連する距離測定基準が群内の他の基板の距離測定基準よりも小さい基板を選択することを含んでもよい。しかしながら、代表性のみに基づく基板選択により、幾つかの群が他の群よりも頻繁に更新されてもよい。それゆえ、別の実施形態において、基板は、代表性の組み合わせと、設定された対応する補正セットがどの程度最近最後に更新されたかとに基づいて選択されてもよい。
【0064】
[0063] 既に説明したように、少なくともハード分類では、基板は、予め規定された群で「ビニング」され、次いで、群に基づく補正が群の各帰属要素に対して一律に適用される。そのような実施形態において、分類/クラスタ化は、スキャナ又は他の計測ツールからのインラインデータ又はオフラインデータを使用して主成分分析(PCA)などの統計的ツールにより行うことができる。しかしながら、実際に、群と群との区別は、多くの場合、些細なことではないことではないので、ビニングは好ましくない。このことは、
図6の例示のグラフに図示されている。
図6は、特定の固有ウェーハ(固有フィンガープリント又は主成分)に関する25枚の基板のロットについての基板(x軸)に対するy軸上のPCAスコア値のプロットである。プロットを得るために、PCAがロット(25枚の基板)の基板アライメントデータ(露光前計測データ)に対して行われた。次いで、最も支配的なフィンガープリント(第一固有ウェーハ又は第一固有フィンガープリント)が特定され、グラフは、この固有ウェーハのスコア値(すなわち、各基板における固有フィンガープリントの存在の測度)を測定された基板毎にプロットしている。基板が明確にクラスタ化されておらず、つまり、基板の分布がこれよりも連続的であることが
図6から分かる。これは、幾つかの基板の本質的に任意の分類をもたらし得る。
【0065】
[0064] それゆえ、この実施形態では、分類スコアに基づく重み付け分類を使用して補正を改善することが提案される。重み付け分類は、PCAにより見出された基板のスコア値を使用して各補正を重み付けすることにより基板毎の補正を改善する。そのような実施形態において、特定された各固有ウェーハは、分類において異なる群を表してもよい。実施形態において、特定された全ての固有ウェーハが別個の群を規定するわけではない。例えば、群を規定するときに、最も支配的でない固有ウェーハ(固有フィンガープリント/主成分)の1つ又は複数が無視されてもよい。設定段階は、既に説明しているが、具体的には分類手法を主に使用しており、分類手法の一例はPCAであり、PCAは、群(固有ウェーハ)に関して各基板にスコア、例えば、その群内での帰属度の測度(プラス及びマイナスとすることができる)を与える。重み又はスコアを群の帰属要素に割り当てる適切な統計的分類法の他の例としては、ランダムフォレスト、ベイジアンネットワーク、ニューラルネットワーク、線形判別分析が挙げられる。露光前計測データ及び露光後計測データは、他の実施形態で既に説明したデータを含んでもよい。実施形態では、重み付け補正を行うために、スコア値に基づく、重み付けがオーバーレイ(又は他のプロセスパラメータ)フィンガープリント補正に適用(例えば、乗算)されてもよい。
【0066】
[0065] 測定されたアライメントフィンガープリントなどの露光前計測データ(x軸)に対する測定されたオーバーレイフィンガープリントなどの露光後計測データ(y軸)に起因するスコアの、特定の群又は固有ウェーハについての、グラフである。各点は、数多くの(25枚の)基板のうちの異なる基板を表す。明らかなことは、露光後計測データのスコア値と露光前計測データのスコア値とに相関関係があるということである。この相関関係は、ウェーハレベル制御のための最適な補正を決定するために露光前計測データ(例えば、アライメントデータ)に起因するスコアを使用できることを示している。この相関関係が良好になるほど、予測されるオーバーレイ補正が良好になることに留意されたい。
【0067】
[0066] そのような実施形態では、群を1つだけ規定する必要があることに留意すべきである。厳密に言えば、これはハード分類に当てはまり得るが、その結果は、各基板をその単一の群に割り当てることしかできず、それゆえ、区別できないので、本質的に無意味である。しかしながら、この実施形態において、スコア値に基づく重み付けは、1つの群(例えば、単一の、最も支配的な、固有ウェーハ)のみか又は2つ以上の群が規定されているかどうかにかかわらず、異なる補正が露光前計測データに基づいて適用され得ることを意味する。2つ以上の群が規定される場合に、基板に適用される補正は、基板が割り当てられる群に適用可能な補正であって、基板の群との関連で基板のスコアに従って重み付けされた補正であってもよい。実施形態において、実際の分類は、各基板が単一の群に割り当てられ、対応する補正スコアがその群内のそのスコア(例えば、その帰属度)に従って重み付けされた、ハード分類であってもよい。代替的な実施形態では、各基板には、群と群との間の補正の重み付けに使用されるスコア値を用いて、多数の群の部分的帰属関係が任意選択的に割り当てられてもよい。後者の例では、スコア値が単一の群について特に(絶対的に)高い場合に、幾つかの基板がその群のみに分類されてもよい。
【0068】
[0067]
図8は、具体的な実施形態による方法を概念的に説明するフローチャートを示している。設定段階700は、複数の基板705の履歴訓練データを得ることと、複数の基板群715を得るためにクラスタ化及び分類ステップ710を行うこととを含む。リソグラフィ装置720内において、露光前計測725が行われる。結果として得られる露光前計測データは、各基板を基板群740に割り当てる(必要に応じて、基板を2つ以上の基板群に部分的に割り当てることを含み得る)ために、プロセッサ735内で処理される730。このステップはまた、任意選択的に、基板がその割り当てられた1つの群に属する度合いを表す各基板に関連付けられた1つのスコアを記憶することを含んでもよい。次いで、プロセッサ735は、割り当てられたクラス及び/又はスコアに従って各基板748にプロセス補正750を割り当てる745。プロセッサ735は、リソグラフィ装置720と一体化され(例えば、リソグラフィ装置720の一部を形成し)てもよく、又は独立型処理モジュールであってもよい。ステップ760では、その基板上の次の層を露光するときに、割り当てられた各プロセス補正750がウェーハレベル制御のために使用される。計測装置(スキャトロメータなど)765内で、1つ又は複数の既にカテゴリ分けされた基板770(例えば、複数の基板705がリソグラフィ装置720に導入されるのに先立って露光された基板)が露光後775に測定される。各基板群については、補正更新780a、780b、780が決定され、アルゴリズムがプロセス補正745を割り当てるときに使用されるようにプロセッサ735に供給される。補正更新は、特にソフト割り当て方法(例えば、ソフトマックス法)が使用される場合に、各基板の群帰属ステータスに基づく重み付け補正更新であってもよい。方法は、ステップ745においてプロセス補正を割り当てるときに(クラス毎に1つの事前に最適化された補正)から事前に最適化されたプロセス補正が選択されるように、更新されたプロセス補正750を最適化する最適化ステップ(図示せず)を更に含んでもよい。
【0069】
[0068] このように、追跡すべき履歴情報を処理することも、行うべきオフライン測定も必要なしに、リソグラフィプロセスの実行間ウェーハレベル制御のための自動化された解決策において露光前計測データ使用することができる。
【0070】
[0069] 本明細書で説明する方法のクラスタ化/分類の評価を行うことが望ましい場合がある。特に、基板が基板のある特定の群にどの程度関係するか、及び、例えば、基板の初期クラスタ化のための基礎としての役割を果たすように露光前計測データが代表的/有用であるかどうか(例えば、基板に関連付けられた露光後計測データと露光前計測データがどの程度相関するか)を評価することが有用であり得る。
【0071】
[0070] この評価は、訓練段階、例えば設定段階700、より具体的にはクラスタ化及び分類ステップ710及び/又はクラスタ化ステップ410、420及び/又は分類ステップ430の一部として行うことができる。評価は、露光後計測データに基づいてk群の基板を決定するために、且つ露光前計測データに基づいてj群の基板を、別個に、決定するために、クラスタ化アルゴリズム(例えば、k平均法、ガウス混合モデルなど)を適用することを含んでもよい。
【0072】
[0071] 実施形態において、最適数k及びjは、ベイジアン情報量規準又は同様のモデル選択手法を使用することにより自動的に決定することができる。そのような実施形態において、最適数は、以下の形式をとり得る、ベイジアン情報量規準BICの最小値を見出すことを含んでもよく、
【数1】
ここで、
【数2】
は使用するクラスタ化モデルの尤度関数の最大値であり、kはモデルパラメータの数であり、nはサンプルの数である。
【0073】
[0072] 具体例では、露光前計測データ及び露光後計測データで使用されるクラスタ化モデルは、ガウス混合モデル、例えば事前確率を乗じたガウス分布の重み付けされた和であってもよい。具体的な実施形態において、このモデルp(x)は、以下を含んでもよく、
【数3】
ここで、
【数4】
であり、xはクラスタ化されたデータであり、kはコンポーネント(クラスタ)の数であり、μ
iは平均値であり、Σ
iはコンポーネントiの共分散である。
【0074】
[0073] 露光後計測データ内のk個の群を露光前計測データ内のj個の群にマッチングさせるためにマッチングアルゴリズムを適用することが提案される。これは、1つ又は複数のマッチング測定基準又は主要な性能指標(KPI)を最適化することを含んでもよい。可能なKPIは、例えば、マッチング精度又は純度を含んでもよい。マッチング精度を評価することは、異なる弁別閾値についての偽陽性率に対する真陽性率のプロットにおける受信者動作特性(ROC)曲線から相関関係及び/又は曲線下面積を決定することを含んでもよい。純度は、(例えば、分類後のそれらのラベルに関しての)群内のサンプルの類似性の測度である。より具体的には、群のセットΩ={ω
1,ω
2,...,ω
k}及びラベルのセット
【数5】
については、純度
【数6】
は、
【数7】
と規定することができ、そのようなものとして、露光前計測データ群の純度は、1つ又は複数のマッチングされた露光後計測データクラスタ(複数可)に対する各クラスタ内の露光前計測データ(例えば、露光前クラスタにマッチングされた露光後クラスタ(複数可)のみからの露光前クラスタの全部又は大部分のメンバーであり且つその逆も同様である)の均一性を含んでもよい。
【0075】
[0074] 露光後計測データ内のk個の群と露光後計測データ内のj個の群の数が同じになることが予期され得る。つまり、j=kである。このことは、露光前計測データが露光後計測データと同じ群を導くことを暗に示す。しかしながら、これが当てはまらずに実際にはj≠kである理由が多数ある。説明する実施形態において、マッチングアルゴリズムは、j≠kである場合でも群をマッチングさせる。
【0076】
[0075]
図9は、クラスタ化により4つの露光前計測データ群G
a1〜G
a4及び3つの露光後計測データ群G
b1〜G
b3が明らかにされた例を示している。
図9はまた、露光前計測データの群G
a1及びG
a2と露光後計測データの群G
b1との、露光前計測データの群G
a3と露光後計測データの群G
b2との、露光前計測データの群G
a4と露光後計測データの群G
b3とのマッチングを示している。
【0077】
[0076] 実施形態において、不確実な群帰属関係を有するサンプル(例えば、外れ値及び/又は群境界若しくは決定境界付近のサンプル)は、群化から除外されてもよい。例えば、決定境界から一定の距離(マージン)の範囲内にある任意のサンプルが除外されてもよい。具体例では、wが決定境界に直交するベクトルであり且つbがスカラーオフセット項である場合に、決定境界は、以下のように書くことができ、
w
Tx+b=0
マージンは、以下の範囲内の任意の場所として規定することができ、
(w
Tx
i+b)y
i>c
ここで、cは、決定境界の何れかの側のマージンの大きさを決定する。重み付け分類が(既に説明したように)使用される、別の実施形態では、基板に割り当てられる重み付けを使用して、不確実な群帰属関係を決定し、ひいては、特定の基板が除外され得るかどうかを判断してもよい。
図9は、不確実な群ステータスを有する2つの基板W23、W15が含まれている例を示している。群ステータスにおける不確実性のため、W23、W15が、正しくない露光後計測群に不正確に割り当てられている。つまり、基板W23がG
b3ではなく群G
b2に割り当てられ、且つ基板W15がG
b2ではなく群G
b3に割り当てられている。これらの基板が完全に除外され得るか又はこれらの基板にこれらの不確実なステータスに基づいてより小さい重み付けが与えられ得ることが提案される。
【0078】
[0077] 実施形態では、無関係の又はあまり関係のないフィーチャを除去する初期ステップが行われ、その結果、露光後計測ばらつきに関係する露光前フィーチャに対してのみクラスタ化が行われる。無関係のフィーチャは、必要な群の数を増加させ、且つランダムよりも有意に良好でない低いマッチング品質をもたらす。実施形態において、露光前計測データの次元数は、2に制限されてもよい。例えば、2次元データのみを有することは、典型的には、必要とされる群がかなり少なくなることを意味する。具体例として、もう1次元追加するには8つの群が必要となる一方で、2次元データには3つの群しか必要でないことが試験データセットにおいて示された。何れの場合も必要な群の実数がデータセットによって決まることが認識されるべきである。
【0079】
[0078] 検証段階中に、マッチング品質を記述したKPIが決定されてもよい。これは、群化性能の統計的有意性を決定することを含んでもよい。例えば、群マッチングの品質が、ランダムよりも有意に良好である(例えば、閾値マージンだけ良好である)かどうかを表す、p値が算出されてもよい。群マッチング品質がランダムよりも有意に良好でないと判断された場合、これは、露光後計測データにおいて観察された基板間ばらつきを露光前計測データが十分に説明していないことを表している可能性がある。この場合には、異なるタイプの露光前計測データ又は異なるタイプの露光前パラメータデータ(例えば、アライメント、レベリング、プロセス履歴など)を使用して、前述のステップが繰り返されてもよい。群マッチング品質がランダムよりも有意に良好でない別の理由は、クラスタ化アルゴリズムがデータセットに対して有効に機能していない可能性があることである。利用可能なクラスタ化アルゴリズム又は露光前測度の何れも統計的に有意な群マッチング性能をもたらさない場合には、現在の基板製造シナリオではクラスタに基づく制御を使用すべきではないと推論され得る。その一方で、KPIが良好で統計的に有意な群化性能を表す場合には、クラスタに基づく制御戦略が生産において有効にされ得る。
【0080】
[0079] 別の実施形態において、本明細書で説明する概念は、LELE(リソグラフィ−エッチング−リソグラフィ−エッチング)プロセスなどの多重パターニングプロセスのパターニングステップ間の補正のために使用することができる。そのような実施形態において、露光前パラメータデータは、使用される処理コンテキストに関するコンテキストデータを含んでもよい。
【0081】
[0080] 実用的な意味では、非常に多くの異なるコンテキスト変数(コンテキストパラメータ)が含まれる。各処理ツール、処理チャンバ、及び処理レシピは、例えば、別個のコンテキストとみなすことができる。そのようなものとして、コンテキストの組み合わせの数は、極めて多くてもよい。それぞれの特有のコンテキストの組み合わせを監視するロジスティクスは、必ずしも実用的ではない。
【0082】
[0081] それゆえ、具体的な実施形態では、制御が基づくコンテキストデータが、以前のリソグラフィステップの直前のエッチングステップで使用されたエッチングチャンバに限定されることが提案される。エッチングツールは、複数の(典型的には最大で4つの)チャンバを有することができ、(エッチングチャンバの数に対応する)限られたセットの特有のコンテキスト値をもたらす。各基板を処理するためにどのエッチングチャンバが使用されるかを追跡することにより、各ロットの基板を(例えば4つの)群に分類することができる。次いで、各群に対して、別個のWLC制御を決定することができる。これらのWLC補正は、ロット間制御において適用される「通常の」(APC)補正に追加されてもよい。概して多重パターニング用途では、典型的には、各パターニング(リソエッチング)ステップに対して同じ補正を使用することが推奨される。この実施形態において説明する提案は、両層の層位置間の差に対するコンテキストベースのウェーハレベル制御を提案することにより、(層の各リソグラフィステップ間の)層間の「オーバーレイ」を改善する。
【0083】
[0082]
図10は、そのような実施形態を例示するフローダイヤグラムである。ここでの例は、各層が2つの別個のリソグラフィ−エッチングステップで露光される、ダブルパターニングLELEプロセスを示している。実施形態は、より一般には、多重パターニングプロセスに適用可能であるが、3つ以上の別個のリソグラフィ−エッチングステップを伴うものを含む。初期ロット、ロットNにおいて、第一パターニングステップL1
Nが行われる。第一パターニングステップL1
Nは、既に説明したように、1つ又は複数の以前のロットの測定値に基づいて、APC制御ループを使用して決定された補正を用いて行われてもよい。第一パターニングステップの後に、第一エッチングステップE1
Nが行われる。この第一エッチングステップE1
Nにおいて、各基板は、(例えば)4つのエッチングチャンバEC
a〜EC
dの1つ内でエッチングされる。各基板をエッチングするために使用されたエッチングチャンバが(関連のコンテキストとして)記録され、各基板が、使用されたエッチングチャンバに対応する群に割り当てられる。追加的に、パターニングステップL1
Nの後のパターン形成された基板の1つ又は複数は、計測デバイスを使用して第一測定ステップMET1において測定される。具体的な実施形態では、チャック毎の測定値を得るために、チャック毎に1つ、少なくとも2つが測定される。第一測定ステップは、例えば、第一オーバーレイフィンガープリントOV1の測定を含んでもよい。第一パターニングステップL1
N及び第一エッチングステップE1
Nの後に、第二パターニングステップL2
Nが、第一パターニングステップL1
Nに対して行われたのと同じAPC補正で行われる。第二パターニングステップL2
Nの後に、計測デバイスを使用して第二測定ステップMET2が行われる。第二計測ステップMET2では、群毎に少なくとも1つの基板が測定される(また、任意選択的に、チャック毎に少なくとも1つの基板が測定される)。第二測定ステップは、例えば、群(又はクラス/チャックの組み合わせ)毎の第二オーバーレイフィンガープリントOV2の測定を含んでもよい。次いで、第二オーバーレイフィンガープリントOV2と第一オーバーレイフィンガープリントOV1との差が算出されて、各基板群(第二補正)に対する層内補正cor
a−cor
dを決定するために使用される。層内補正cor
a−cor
dは、これらの用途が第二オーバーレイフィンガープリントOV2と第一オーバーレイフィンガープリントOV1との差を最小限に抑えるようなものであってもよい。
【0084】
[0083] ロットN+1などの、後続のロットでは、第一パターニングステップL1
N+1及び第一エッチングステップE1
N+1が、「標準的な」APC補正、必要に応じて(第一補正)、を使用して、ロットNに対して行われたのと同様の方式で行われる。これは、以前の測定値の指数重み付け移動平均EWMAを含んでもよい。前述同様に、エッチングステップE1
N+1で使用されたエッチングチャンバ(コンテキスト)が追跡される。このコンテキストに基づいて、そのコンテキストに対応する群に対する補正cor
a〜cor
dのうちの適切な1つが選択される。この(第二)補正は、第二パターニングステップL2
N+1を行うときにAPC(第一)補正と共に使用され、第二パターニングステップL2
N+1の後に、第二エッチングステップ(図示せず)が行われる。このように、最終的にダブルパターニングされた(LELE)層は、オーバーレイの観点からすると、単一露光のように見える。
【0085】
[0084] 原則として、この概念を、図示したもの(エッチングチャンバ)よりも複雑なコンテキストスレッドに且つオーバーレイ以外のパラメータ(例えばCD又はエッジ配置誤差(EPE))に拡張できることが認識されるであろう。
【0086】
[0085] 本発明の更なる実施形態が、以下の番号付きの実施形態のリストにおいて開示される。
【0087】
1.
基板へのリソグラフィプロセスに関係するプロセスパラメータに対する補正を決定する方法であって、上記リソグラフィプロセスが、各実行中に1つ又は複数の基板にパターンが施される複数の実行を含み、上記方法が、
上記基板の特性に関する露光前パラメータデータを得ることと、
上記リソグラフィプロセスの1つ又は複数の以前に露光された基板に対して同等のリソグラフィプロセスにより行われたプロセスパラメータの1つ又は複数の測定を含む露光後計測データを得ることと、
上記露光前パラメータデータに基づいて、1つ又は複数の群からの群帰属ステータスを上記基板に割り当てることと、
上記群帰属ステータス及び上記露光後計測データに基づいて上記プロセスパラメータに対する上記補正を決定することと、
を含む、方法。
【0088】
2.
上記補正を使用して上記基板に対して上記リソグラフィプロセスを行うことを含む、実施形態1に記載の方法。
【0089】
3.
上記露光前パラメータデータが露光前計測データを含む、実施形態1又は2に記載の方法。
【0090】
4.
上記露光前計測データを得るために上記基板に対して露光前計測ステップを行うことを含む、実施形態3に記載の方法。
【0091】
5.
上記露光前計測ステップ、及び上記補正を使用して上記基板に対して上記リソグラフィプロセスを行う後続のステップが、同じリソグラフィ装置により行われる、実施形態4に記載の方法。
【0092】
6.
群帰属ステータスを割り当てるステップ及び上記プロセスパラメータに対する上記補正を決定するステップもまた、上記同じリソグラフィ装置により行われる、実施形態5に記載の方法。
【0093】
7.
上記露光前計測データが、上記基板平面内の基板にわたるグリッド歪みを記述したアライメントデータを含む、実施形態3〜6の何れか1つに記載の方法。
【0094】
8.
上記露光前計測データが、上記基板平面に直交する方向における上記基板の形状を記述したデータを含む、実施形態3又は7の何れか1つに記載の方法。
【0095】
9.
上記露光前計測データがレベリングデータを含む、実施形態3〜8の何れか1つに記載の方法。
【0096】
10.
特定の群に対して、上記群を最も代表する基板を特定するステップを含む、実施形態3〜9の何れか1つに記載の方法。
【0097】
11.
上記群を最も代表する上記基板を測定することと、
上記測定に基づいて上記群に対応する上記プロセスパラメータに対する補正を更新することと、
を含む、実施形態10に記載の方法。
【0098】
12.
上記群帰属ステータスが、各基板に上記群の1つ又は複数への帰属度が割り当てられ得るものである、実施形態3〜11の何れか1つに記載の方法。
【0099】
13.
上記プロセスパラメータに対する上記補正を決定するステップが、上記1つ又は複数の群への上記基板の上記帰属度に基づいて1つ又は複数の群に関連付けられた補正の重み付けに基づく、実施形態12に記載の方法。
【0100】
14.
群への上記帰属度が、上記露光前計測データ内のその群を規定するフィンガープリントの存在の測度を表す分類スコアに基づく、実施形態13に記載の方法。
【0101】
15.
上記割り当てるステップが、上記露光前計測データ内の1つ又は複数の固有フィンガープリントの存在と上記露光前計測データ内の対応する固有フィンガープリント(複数可)の存在の測度を表す上記分類スコアとを特定するために上記露光前計測データに対して主成分分析を行うことを含む、実施形態14に記載の方法。
【0102】
16.
上記1つ又は複数の群が、上記露光前計測データに対して行われた主成分分析から決定され、各群が、上記主成分分析から決定された固有フィンガープリントにより規定される、初期訓練ステージを含む、実施形態14又は15に記載の方法。
【0103】
17.
上記1つ又は複数の群が決定される初期訓練ステージを含む、実施形態3〜14の何れか1つに記載の方法。
【0104】
18.
上記1つ又は複数の群が、上記露光前計測データのラベル付けされた複数のセットから決定され、ラベル付けされた各セットが、複数の基板の異なる基板に関するものであり、且つ上記基板に関する露光後計測データによりラベル付けされる、実施形態17に記載の方法。
【0105】
19.
上記初期訓練ステージが、上記1つ又は複数の群を規定するために露光前計測データの少なくとも上記ラベル付けされたセットについて分類器を訓練する教師付き又は半教師付き分類アルゴリズムを行うことを含む、実施形態18に記載の方法。
【0106】
20.
上記初期訓練ステージが、上記露光前計測データ内の露光前群を特定するステップを含む、実施形態17〜19の何れか1つに記載の方法。
【0107】
21.
露光前群を特定する上記ステップが、ロット内群を特定することと、ロット間群を特定することと、を含む、実施形態20に記載の方法。
【0108】
22.
上記初期訓練ステージが、上記露光後計測データ内の露光後群を特定するステップを含む、実施形態20又は21に記載の方法。
【0109】
23.
上記マッチングの品質に関係する少なくとも1つのマッチング測定基準を最適化することにより上記露光後群を上記露光前群にマッチングさせるステップを含む、実施形態22に記載の方法。
【0110】
24.
上記マッチング測定基準が、
各群にわたる均一性の点における露光前群及び/又は露光後群の純度、並びに
異なる弁別閾値についての上記群を表す受信者動作特性曲線から決定される相関関係及び/又は曲線下面積
のうちの1つ又は複数を含む、実施形態23に記載の方法。
【0111】
25.
上記マッチング測定基準により表されるマッチングされた群の統計的有意性がランダムよりも有意に大きいかどうかが判断される、実施形態23又は24に記載の方法。
【0112】
26.
上記マッチング測定基準により表される上記マッチングされた群の上記統計的有意性がランダムよりも有意に大きくないと判断された場合に、異なるタイプの露光前計測データを使用して上記訓練ステージを繰り返す、実施形態25に記載の方法。
【0113】
27.
不確実な群帰属ステータスを有する基板は、上記マッチングステップから除外されるか、又は上記マッチングステップにおいてより小さい重み付けが与えられる、実施形態23〜26の何れか1つに記載の方法。
【0114】
28.
上記マッチングステップが、露光後計測ばらつきに関係する上記露光前データ内の露光前フィーチャに対してのみ行われる、実施形態23〜27の何れか1つに記載の方法。
【0115】
29.
露光前群の数と露光後群の数とを別個に最適化することを含む、実施形態22〜28の何れか1つに記載の方法。
【0116】
30.
上記初期訓練ステージが、履歴データに基づいて基板を上記1つ又は複数の群に割り当てて上記露光後計測データへの影響をシミュレートすることを含む検証ステップを含む、実施形態17〜29の何れか1つに記載の方法。
【0117】
31.
上記露光後計測データがオーバーレイデータを含む、実施形態17〜30の何れか1つに記載の方法。
【0118】
32.
上記群帰属ステータスは、各基板が常に単一の群に割り当てられるかさもなければ未分類となるものである、実施形態1〜11の何れか1つに記載の方法。
【0119】
33.
露光前計測データが、以前に露光された上記基板上の層に関するデータを含む、実施形態1〜32の何れか1つに記載の方法。
【0120】
34.
露光前計測データが、上記リソグラフィプロセスの後続のステップにおいて露光すべき上記基板上の層に関するデータを含む、実施形態1〜32の何れか1つに記載の方法。
【0121】
35.
上記露光前パラメータデータが、特定の処理ステップに関するコンテキストデータを含む、実施形態1又は2に記載の方法。
【0122】
36.
上記コンテキストデータが、上記基板を処理するための処理ステップで使用されたツールに関するものである、実施形態35に記載の方法。
【0123】
37.
上記コンテキストデータが、エッチングステップ中に使用された特定のエッチングチャンバに関するものであり、且つ各群が上記エッチングチャンバの1つに対応する、実施形態36に記載の方法。
【0124】
38.
上記リソグラフィプロセスが、層毎に第一パターニング及びエッチングステップと第二パターニング及びエッチングステップとを少なくとも有する多重パターニングプロセスを含む、実施形態35〜37の何れか1つに記載の方法。
【0125】
39.
上記補正が第一補正に対する第二補正を含み、
上記方法が、
上記第一補正を用いて第一パターニング及びエッチングステップを行うステップと、
上記第一パターニング及びエッチングステップに適用可能な上記コンテキストを決定するステップと、
上記コンテキストの決定に基づいて上記群帰属ステータスを上記基板に割り当てるステップと、
上記群帰属ステータス及び上記第一補正に基づいて上記第二パターニング及びエッチングステップに対する上記第二補正を決定するステップと、
を含む、実施形態38に記載の方法。
【0126】
40.
上記第一パターニング及びエッチングステップと上記第二パターニング及びエッチングステップとの間で上記プロセスパラメータの第一測定に関する第一プロセスパラメータを得る初期ステップと、
上記第二パターニング及びエッチングステップに続いて上記プロセスパラメータの第二測定に関する第二プロセスパラメータデータを得る初期ステップと、
上記第一プロセスパラメータデータと上記第二プロセスパラメータデータとの差に基づいて上記第二補正を算出する初期ステップと、
を各群に対して行うことを含む、実施形態39に記載の方法。
【0127】
41.
上記第二補正が、各群に対する上記第一プロセスパラメータデータと上記第二プロセスパラメータデータとの差を最小限に抑えるように算出される、実施形態40に記載の方法。
【0128】
42.
上記プロセスパラメータがオーバーレイを含む、実施形態1〜41の何れか1つに記載の方法。
【0129】
43.
上記プロセスパラメータが、クリティカルディメンジョン及びエッジ配置誤差の一方を含む、実施形態1〜41の何れか1つに記載の方法。
【0130】
44.
上記群帰属ステータスに基づいて上記プロセスパラメータに対する上記補正を決定する上記ステップがまた、上記リソグラフィプロセス中に上記基板がどのチャックに装着されるかに基づいて上記プロセスパラメータに対する上記補正を決定する、1〜43の何れか1つに記載の方法。
【0131】
45.
上記基板の露光後測定値を得るために上記基板を露光後に測定することと、
上記基板に割り当てられた上記群帰属ステータスに対応する上記プロセスパラメータに対する上記補正(複数可)を更新するために、上記基板の上記露光後測定値を使用することと、
を含む、実施形態1〜44の何れか1つに記載の方法。
【0132】
46.
測定基準に従って上記露光前計測データが上記1つ又は複数の群の何れにも不適合であると判断された場合に、上記方法が、上記露光前計測データを分類できるように上記1つ又は複数の群を更新することを含む、実施形態1〜45の何れか1つに記載の方法。
【0133】
47.
上記1つ又は複数の群を更新する上記ステップが、同数の群を維持することと、上記測定基準に従って上記基板の上記露光前計測データが上記群の少なくとも1つに十分に適合するように、上記群の1つ又は複数を規定するデータ特徴を更新することと、を含む、実施形態46に記載の方法。
【0134】
48.
上記1つ又は複数の群を更新する上記ステップが、他の群と比較して上記基板への改善された適合を有するデータ特徴により規定された新たな群を追加することを含む、実施形態46に記載の方法。
【0135】
49.
実行の各基板に対して上記方法を行うことを含む、実施形態1〜48の何れか1つに記載の方法。
【0136】
50.
上記露光後計測データが、上記リソグラフィプロセスの同じ実行の1つ又は複数の以前に露光された基板に対して同等のリソグラフィプロセスにより行われた上記プロセスパラメータの1つ又は複数の測定を含む、実施形態49に記載の方法。
【0137】
51.
上記露光後計測データが、上記リソグラフィプロセスの以前の実行の1つ又は複数の以前に露光された基板に対して同等のリソグラフィプロセスにより行われた上記プロセスパラメータの1つ又は複数の測定を含む、実施形態49に記載の方法。
【0138】
52.
デバイスフィーチャがパターニングプロセスにより一連の基板上に形成されるデバイスを製造する方法であって、上記パターニングプロセスのプロセスパラメータに対する補正が、実施形態1〜51及び56〜64の何れか1つに記載の方法を行うことにより決定される、方法。
【0139】
53.
リソグラフィ装置のための制御システムであって、
基板の特性に関する露光前パラメータデータと、1つ又は複数の以前の基板に対して行われたプロセスパラメータの1つ又は複数の測定を含む露光後計測データと、を受信するための記憶部と、
上記露光前パラメータデータに基づいて、1つ又は複数の群からの群帰属ステータスを上記基板に割り当て、
上記群帰属ステータス及び上記露光後計測データに基づいてプロセスパラメータに対する補正を決定する、
ように動作可能なプロセッサと、
を備える、制御システム。
【0140】
54.
上記露光前パラメータデータが露光前計測データを含む、実施形態53に記載の制御システム。
【0141】
55.
上記露光前計測データが、上記基板平面内の基板にわたるグリッド歪みを記述したアライメントデータを含む、実施形態54に記載の制御システム。
【0142】
56.
上記露光前計測データが、上記基板平面に直交する方向における上記基板の形状を記述したデータを含む、実施形態54又は55に記載の制御システム。
【0143】
57.
上記露光前計測データがレベリングデータを含む、実施形態54〜56の何れか1つに記載の制御システム。
【0144】
58.
上記プロセッサが、各基板に上記群の1つ又は複数への帰属度が割り当てられ得るように上記群帰属ステータスを割り当てるように動作可能である、実施形態54〜57の何れか1つに記載の制御システム。
【0145】
59.
上記補正が、上記1つ又は複数の群への上記基板の上記帰属度に基づいて1つ又は複数の群に関連付けられた補正の重み付けに基づいて上記プロセスパラメータに対して決定される、実施形態58に記載の制御システム。
【0146】
60.
群への上記帰属度が、上記露光前計測データ内のその群を規定するフィンガープリントの存在の測度を表す分類スコアに基づく、実施形態59に記載の制御システム。
【0147】
61.
上記プロセスが、上記露光前計測データ内の1つ又は複数の固有フィンガープリントの存在と上記露光前計測データ内の対応する固有フィンガープリント(複数可)の存在の測度を表す上記分類スコアとを特定するために上記露光前計測データに対して主成分分析を行うように動作可能である、実施形態60に記載の制御システム。
【0148】
62.
上記プロセッサが、特定の群に対して、上記群を最も代表する基板を決定するように動作可能である、実施形態54〜61の何れか1つに記載の制御システム。
【0149】
63.
上記プロセッサが、上記群を最も代表する上記基板の測定に基づいて上記群に対応する上記プロセスパラメータに対する補正を更新するように動作可能である、実施形態62に記載の制御システム。
【0150】
64.
上記プロセッサは、各基板が常に単一の群に割り当てられるかさもなければ未分類となるように上記群帰属ステータスを割り当てるように動作可能である、実施形態53〜57の何れか1つに記載の制御システム。
【0151】
65.
露光前計測データが、以前に露光された上記基板上の層に関するデータを含む、実施形態53〜64の何れか1つに記載の制御システム。
【0152】
66.
露光前計測データが、露光すべき層に関するデータを含む、実施形態53〜64の何れか1つに記載の制御システム。
【0153】
67.
上記露光前パラメータデータが、特定の処理ステップに関するコンテキストデータを含む、実施形態53に記載の制御システム。
【0154】
68.
上記コンテキストデータが、上記基板を処理するときに使用されたツールに関するものである、実施形態67に記載の制御システム。
【0155】
69.
第一パターニングステップと第二パターニングステップとを少なくとも有する多重パターニングプロセスを層毎に行うように上記リソグラフィ装置を制御するように動作可能である、実施形態67又は68に記載の制御システム。
【0156】
70.
上記コンテキストデータが、上記第一パターニングステップと上記第二パターニングステップとの間で上記基板をエッチングするために使用された特定のエッチングチャンバに関し、且つ各群が上記エッチングチャンバの1つに対応する、実施形態69に記載の制御システム。
【0157】
71.
上記補正が第一補正に対する第二補正を含み、
上記制御システムが、
第一補正を用いて第一パターニングステップを行い、
上記第一パターニングステップに適用可能な上記コンテキストを決定し、
上記コンテキストの決定に基づいて上記群帰属ステータスを上記基板に割り当て、且つ
上記群帰属ステータス及び上記第一補正に基づいて上記第二パターニングステップに対する上記第二補正を決定する、
ように上記リソグラフィ装置を制御するように動作可能である、実施形態70に記載の制御システム。
【0158】
72.
上記制御システムが、
上記第一パターニングステップと上記第二パターニングステップとの間で上記プロセスパラメータの第一測定に関する第一プロセスパラメータデータを得て、
上記第二パターニングステップに続いて上記プロセスパラメータの第二測定に関する第二プロセスパラメータデータを得て、且つ
上記第一プロセスパラメータデータと上記第二プロセスパラメータデータとの差に基づいて上記第二補正を算出する
ように上記リソグラフィ装置を各クラスに対して制御するように動作可能である、実施形態71に記載の制御システム。
【0159】
73.
各群に対する上記第一プロセスパラメータデータと上記第二プロセスパラメータデータとの上記差を最小限に抑えるように上記第二補正が算出されるように動作可能である、実施形態72に記載の制御システム。
【0160】
74.
上記プロセスパラメータがオーバーレイを含む、実施形態53〜73の何れか1つに記載の制御システム。
【0161】
75.
上記プロセスパラメータが、クリティカルディメンジョン及びエッジ配置誤差の一方を含む、実施形態53〜74の何れか1つに記載の制御システム。
【0162】
76.
上記群帰属ステータスに基づいて上記プロセスパラメータに対して決定された上記補正が、上記リソグラフィプロセス中に上記基板がどのチャックに装着されるかにも基づく、実施形態53〜75の何れか1つに記載の制御システム。
【0163】
77.
上記プロセッサが、上記基板に割り当てられた上記群帰属ステータスに対応する上記プロセスパラメータに対する上記補正(複数可)を更新するために、上記基板の露光後測定値を使用するように動作可能である、実施形態53〜76の何れか1つに記載の制御システム。
【0164】
78.
測定基準に従って上記露光前計測データが上記1つ又は複数の群の何れにも不適合であると判断された場合に、上記プロセッサが、上記露光前計測データを分類できるように上記1つ又は複数の群を更新するように動作可能である、実施形態53〜77の何れか1つに記載の制御システム。
【0165】
79.
上記1つ又は複数の群の更新が、同数の群を維持することと、上記測定基準に従って上記基板の上記露光前計測データが上記群の少なくとも1つに十分に適合するように、上記群の1つ又は複数を規定するデータ特徴を更新することと、を含む、実施形態78に記載の制御システム。
【0166】
80.
上記1つ又は複数の群の上記更新が、他の群と比較して上記基板への改善された適合を有するデータ特徴により規定された新たな群を追加することを含む、実施形態78に記載の方法。
【0167】
81.
実施形態1〜52及び86〜94の何れかの1つに記載の方法を行うために好適な装置を制御するように動作可能な、制御システム。
【0168】
82.
実施形態43〜81の何れか1つに記載の制御システムを備える、リソグラフィ装置。
【0169】
83.
測定システムと、パターニングシステムと、制御システムと、を備え、
上記測定システムが、上記露光前計測データを得るために上記基板に対して露光前計測を行うように動作可能であり、且つ、上記パターニングシステムが、パターニングプロセスのプロセスパラメータに対する上記補正を使用して上記パターニングプロセスにおいてデバイスフィーチャを上記基板上に形成するように動作可能である、実施形態82に記載のリソグラフィ装置。
【0170】
84.
実施形態1〜52及び86〜94の何れか1つに記載の方法の上記ステップを実施するための機械可読命令の1つ又は複数のシーケンスを含む、コンピュータプログラム製品。
【0171】
85.
処理デバイス又は処理デバイスのシステムに実施形態53〜81の何れか1つに記載の制御システムを実施させるための機械可読命令の1つ又は複数のシーケンスを含む、コンピュータプログラム製品。
【0172】
86.
基板へのリソグラフィプロセスに関係するプロセスパラメータに対する1つ又は複数の群及び/又は補正を動的に更新する方法であって、
複数の補正のうちの1つの補正が、上記基板に割り当てられた群帰属ステータスに基づいて各群の上記プロセスパラメータに適用され、上記方法が、
上記基板の性能パラメータを記述した露光後計測データを得ることと、
上記露光後計測データに基づいて上記1つ又は複数の上記群及び/又は複数の補正を動的に更新することと、
を含む、方法。
【0173】
87.
上記露光後計測データがオーバーレイデータを含む、実施形態86に記載の方法。
【0174】
88.
上記動的に更新するステップが、群を最も代表すると判断された基板の測定に基づいて上記群に対応するプロセスパラメータに対する補正を動的に更新することを含む、実施形態86又は87に記載の方法。
【0175】
89.
上記動的に更新するステップが、上記基板の上記群帰属ステータスに対応する上記複数の補正のうちの1つ又は複数の補正を更新することを含む、実施形態86〜88の何れか1つに記載の方法。
【0176】
90.
上記動的に更新するステップが、上記基板の上記群帰属ステータスに基づいて上記複数の補正に重み付け更新を適用することを含む、実施形態86〜89の何れか1つに記載の方法。
【0177】
91.
各基板の特性を記述した露光前計測データを得るステップと、
上記露光前計測データに基づいて、1つ又は複数の群からの群帰属ステータスを上記基板に割り当てるステップと、
上記群帰属ステータスに基づいて上記プロセスパラメータに対する上記補正を決定するステップと、
を含む、実施形態86〜90の何れか1つに記載の方法。
【0178】
92.
測定基準に従って上記露光前計測データが上記1つ又は複数の群の何れにも不適合であると判断された場合に、上記動的に更新するステップが、上記露光前計測データを分類できるように上記1つ又は複数の群を動的に更新することを含む、実施形態91に記載の方法。
【0179】
93.
上記1つ又は複数の群を動的に更新する上記ステップが、同数の群を維持することと、上記測定基準に従って上記基板の上記露光前計測データが上記群の少なくとも1つに十分に適合するように、上記群の1つ又は複数を規定するデータ特徴を更新することと、を含む、実施形態92に記載の方法。
【0180】
94.
上記1つ又は複数の群を動的に更新する上記ステップが、他の群と比較して上記基板への改善された適合を有するデータ特徴により規定された新たな群を追加することを含む、実施形態92に記載の方法。
【0181】
[0086] リソグラフィ装置及びリソセルLCのハードウェアに関連して、実施形態は、上で説明したようにリソグラフィ製造システムのプロセッサにモデルマッピング及び制御の方法を実施させるための機械可読命令の1つ又は複数のシーケンスを含むコンピュータプログラムを含んでもよい。このコンピュータプログラムは、例えば、像算出/制御プロセスのために用いられる別個のコンピュータシステムにおいて実行されてもよい。代替的に、算出ステップは、プロセッサ、計測ツール、及び/又は
図1及び
図2の制御ユニットLACU及び/又は監視制御システムSCSにおいて全体的又は部分的に行われてもよい。そのようなコンピュータプログラムが非一時的形式で内部に記憶されたデータ記憶媒体(例えば、半導体メモリ、磁気ディスク又は光ディスク)が提供されてもよい。
【0182】
[0087] 光リソグラフィのコンテキストでの本発明の実施形態の使用についての具体的な言及が上でなされているが、本発明が他のパターニング用途、例えばインプリントリソグラフィに使用され得ることが認識されるであろう。インプリントリソグラフィでは、パターニングデバイスにおけるトポグラフィが基板上に生成されるパターンを規定する。パターニングデバイスのトポグラフィが、基板に供給されたレジスト層に押し付けられてもよく、その後に、電磁放射、熱、圧力、又はこれらの組み合わせを与えることによりレジストが硬化される。パターニングデバイスが、レジストから取り除かれ、レジストを硬化させた後にレジスト内にパターンが残される。
【0183】
[0088] 具体的な実施形態の前述の説明は、他者が、当該技術分野の知識を適用することにより、過度の実験なしに、本発明の一般的な概念から逸脱することなく、そのような具体的な実施形態を種々の用途に合わせて容易に修正し及び/又は適応させることができる程度に、十分に本発明の一般的な性質を明らかにする。それゆえ、そのような応用及び修正は、本明細書に提示した教示及び指示に基づいて、開示の実施形態の均等物の意味及び範囲に包含されるように意図されている。教示及び指示を踏まえて本明細書の用語又は言い回しが当業者により解釈されるように、本明細書の言い回し又は用語が、限定ではなく、例による説明の目的のためのものであることを理解されたい。本発明の広さ及び範囲は、上で説明した例示的な実施形態の何れにも制限されるべきではなく、以下の添付の特許請求の範囲及びそれらの均等物によってのみ規定されるべきである。