特許第6885404号(P6885404)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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  • 特許6885404-合わせガラス 図000003
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6885404
(24)【登録日】2021年5月17日
(45)【発行日】2021年6月16日
(54)【発明の名称】合わせガラス
(51)【国際特許分類】
   C03C 27/12 20060101AFI20210603BHJP
   B60J 1/00 20060101ALI20210603BHJP
【FI】
   C03C27/12 L
   B60J1/00 H
【請求項の数】6
【全頁数】18
(21)【出願番号】特願2018-531905(P2018-531905)
(86)(22)【出願日】2017年8月1日
(86)【国際出願番号】JP2017027803
(87)【国際公開番号】WO2018025834
(87)【国際公開日】20180208
【審査請求日】2020年2月6日
(31)【優先権主張番号】特願2016-154407(P2016-154407)
(32)【優先日】2016年8月5日
(33)【優先権主張国】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000000044
【氏名又は名称】AGC株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(72)【発明者】
【氏名】中村 篤史
【審査官】 永田 史泰
(56)【参考文献】
【文献】 特開2002−173346(JP,A)
【文献】 特開2005−139046(JP,A)
【文献】 特開2007−290923(JP,A)
【文献】 国際公開第2005/087680(WO,A1)
【文献】 国際公開第2011/019062(WO,A1)
【文献】 国際公開第2011/024788(WO,A1)
【文献】 国際公開第2012/115198(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C03C27/12
B32B7/02
B32B17/06−17/10
B32B27/18,27/30
B60J1/00
C08K3/22
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
1対のガラス板と、
前記1対のガラス板に狭持された中間膜と、を有する合わせガラスであって、
前記1対のガラス板と前記中間膜とを合わせた厚さが3.6mm以下、
前記1対のガラス板の板厚を各々2.0mmとしたとき、その1対のガラス板の波長1500nmにおける吸光度(A)と前記中間膜の波長1500nmにおける吸光度(A)との比(A/A)が2.0以上、
前記合わせガラスのISO13837(2008年)により定められる日射透過率(Tts)が60%以下、
であることを特徴とする合わせガラス。
【請求項2】
前記吸光度(A)が0.40以下であることを特徴とする請求項1記載の合わせガラス。
【請求項3】
前記吸光度(A)が0.80以上であることを特徴とする請求項1または2記載の合わせガラス。
【請求項4】
前記1対のガラス板の板厚を各々2.0mmとしたとき、その1対のガラス板の波長570nmにおける吸光度(A)と前記中間膜の波長570nmにおける吸光度(A)との比(A/A)が0.5以上であることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項記載の合わせガラス。
【請求項5】
前記比(A/A)と前記比(A/A)との積((A/A)×(A/A))の値が1.0以上であることを特徴とする請求項4記載の合わせガラス。
【請求項6】
JIS R3106(1998年)により定められる可視光透過率(Tv)が70%以上であることを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項記載の合わせガラス。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、合わせガラスに係り、特に、ガラス板の厚さが変更されても中間膜を変更する必要の少ない遮熱性の合わせガラスに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、1対のガラス板に中間膜が挟持された構造の合わせガラスが用いられている。このような合わせガラスにおいては、1対のガラス板が中間膜により接着されるとともに、中間膜が損傷しにくいことから、割れたときにガラスの破片が飛散しにくく安全性に優れている。このため、自動車等の車両、建築物等の窓ガラスとして広く用いられている。
【0003】
近年、安全性に加えて、種々の機能が付与された合わせガラスが用いられている。例えば、赤外線の照射による温度上昇を抑制するために遮熱性の合わせガラスが用いられている(例えば、特許文献1参照。)。多くの場合、遮熱性の合わせガラスにおいては、遮熱性を効率的に向上させる観点から、1対のガラス板と中間膜との双方の部材が遮熱材料により構成されている。
【0004】
ところで、合わせガラスにおいては、自動車の燃費向上等を目的とした軽量化が検討されている。一般に、中間膜に比べてガラス板の密度が高く、かつ合わせガラスの大部分をガラス板が占めることから、軽量化の方法としてガラス板の厚さを薄くする方法が採用される。
【0005】
しかしながら、従来の遮熱性の合わせガラスにおいては、1対のガラス板と中間膜との双方の部材が遮熱材料により構成されていることから、軽量化の方法としてガラス板の厚さを薄くすることにより、合わせガラスの遮熱性が低下する。遮熱性を維持するには、ガラス板の厚さに応じた遮熱性を有する中間膜を用意しなければならず、中間膜の開発、生産、管理等の費用が増加する。
【0006】
このように、従来の遮熱性の合わせガラスにおいては、遮熱性を維持するためにガラス板の厚さに応じて中間膜を変更しなければならない。このため、ガラス板の厚さが変更されても中間膜を変更する必要の少ない遮熱性の合わせガラスが求められている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2001−302289号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであって、ガラス板の厚さが変更されても中間膜を変更する必要の少ない遮熱性の合わせガラスを提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0009】
実施形態の合わせガラスは、1対のガラス板と、この1対のガラス板に狭持された中間膜と、を有する。1対のガラス板と中間膜とを合わせた厚さは3.6mm以下である。また、1対のガラス板の板厚を各々2.0mmとしたとき、その一対のガラス板の波長1500nmにおける吸光度(A)と中間膜の波長1500nmにおける吸光度(A)との比(A/A)は2.0以上である。また、合わせガラスのISO13837(2008年)により定められる日射透過率(Tts)が60%以下である。
【発明の効果】
【0010】
実施形態の合わせガラスは、1対のガラス板の板厚が各々2.0mmとしたとき、その1対のガラス板の波長1500nmにおける吸光度(A)と中間膜の波長1500nmにおける吸光度(A)との比(A/A)が2.0以上である。これにより、合わせガラスの遮熱性が主として中間膜により確保され、ガラス板の厚さが変更されても中間膜を変更する必要が少なくなる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】一実施形態の合わせガラスを示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明を実施するための形態を参照しながら説明する。ただし、以下実施形態によって制限されるものではなく、本発明の主旨を逸脱しない範囲内で変形等は可能である。
図1は、本発明の一実施形態の合わせガラスを示す断面図である。
【0013】
図1に示したように、合わせガラス10は、1対のガラス板11、12と、この1対のガラス板11、12に挟持された中間膜13とを有する。中間膜13は、例えば、1対のガラス板11、12と同形、同寸に形成されている。なお、中間膜13は、例えば、合わせガラス10がヘッドアップディスプレイガラスとして使用される場合には、断面が略楔形状を有していてもよい。
【0014】
1対のガラス板11、12と中間膜13とを合わせた厚さは3.6mm以下である。また、1対のガラス板11、12の板厚を各々2.0mmとしたとき、その1対のガラス板の波長1500nmにおける吸光度(A)と中間膜13の波長1500nmにおける吸光度(A)との比(A/A)は2.0以上である。また、ISO13837(2008年)により定められる日射透過率(Tts)が60%以下である。なお、本実施形態における各波長における吸光度(A)は、1対のガラス板11、12の場合、当該波長における1対のガラス板11、12の板厚を各々2.0mmとし、これらガラス板11,12における各吸光度を合計した吸光度であり、中間膜13の場合、合わせガラス10に使用されている中間膜13単独の吸光度である。また、各部の吸光度(A)は、A=−log10Tにより求められる。ここで、Tは入射光強度Iと透過光強度Iの比を表す。
【0015】
以下、合わせガラス10の各構成要素について説明する。
【0016】
[ガラス板]
ガラス板11、12の厚みは、その組成、中間膜の組成、合わせガラス10の用途によっても異なるが、0.1〜10mmが好ましく、0.3〜2.5mmがより好ましい。
【0017】
ガラス板11、12の厚みは、互いに同じでもよいし異なってもよい。厚みが異なる場合、外側、例えば、自動車の窓ガラスであれば車外側、建築物の窓ガラスであれば屋外側となるガラス板が内側となるガラス板よりも厚いことが好ましい。外側となるガラス板が厚いことにより、小石等の衝突による損傷が抑制され、耐飛石衝撃性が向上する。また、内側となるガラス板が薄いことにより、軽量化を図ることができる。
【0018】
外側となるガラス板の厚みは、耐飛石衝撃性の観点から、1.0mm以上が好ましく、1.5mm以上がより好ましい。内側となるガラス板の厚みは、軽量化等の観点から、1.0mm以下が好ましく、0.7mm以下がより好ましい。
【0019】
ガラス板11、12を構成するガラスは、無機ガラス、有機ガラスのいずれでもよい。なお、ガラス板11、12は、それぞれ、2層以上が積層されたものでもよい。
【0020】
無機ガラスとして、ソーダライムガラス(ソーダライムシリケートガラスともいう)、アルミノシリケートガラス、ホウ珪酸ガラス、無アルカリガラス、石英ガラス等が挙げられる。これらのなかでもソーダライムガラスが好ましい。無機ガラスとしては、フロート法等により成形されたフロート板ガラスであってもよい。また、無機ガラスとしては、風冷強化、化学強化等の強化処理が施されたものであってもよい。
【0021】
有機ガラスとして、ポリカーボネート樹脂、ポリスチレン樹脂、芳香族ポリエステル樹脂、アクリル樹脂、ポリエステル樹脂、ポリアリレート樹脂、ハロゲン化ビスフェノールAとエチレングリコールとの重縮合物、アクリルウレタン樹脂、ハロゲン化アリール基含有アクリル樹脂等が挙げられる。これらのなかでも、芳香族系ポリカーボネート樹脂等のポリカーボネート樹脂、ポリメチルメタクリレート系アクリル樹脂等のアクリル樹脂が好ましく、ポリカーボネート樹脂がより好ましい。さらに、ポリカーボネート樹脂のなかでも、ビスフェノールA系ポリカーボネート樹脂が好ましい。なお、上記樹脂は、2種以上が併用されてもよい。
【0022】
無機ガラス、有機ガラスは、いずれも、透明性を有するものであればよく、無色でも有色でもよい。また、無機ガラス、有機ガラスは、赤外線遮蔽材料、紫外線遮蔽材料等を含有することができる。
【0023】
無機ガラス、有機ガラスのなかでは、耐久性等の観点から、無機ガラスが好ましい。無機ガラスとしては、合わせガラス10としたときに比(A/A)が2.0以上となるものであれば、グリーンガラス、紫外線吸収(UV)グリーンガラス等を用いることもできる。
【0024】
ここで、UVグリーンガラスは、SiOを68〜74質量%、Feを0.3〜1.0質量%、FeOを0.05〜0.5質量%含有し、波長350nmの紫外線透過率が1.5%以下、波長550〜1700nmの領域に透過率の極小値を有する。
【0025】
1対のガラス板11、12は、板厚を各々2.0mmとしたときの波長1500nmにおける吸光度(A)が0.40以下であることが好ましい。0.40以下である場合、比(A/A)が2.0以上になりやすい。比(A/A)が2.0以上になる場合、合わせガラス10の遮熱性が主として中間膜13により確保され、ガラス板11、12の厚さが変更されても中間膜13を変更する必要が少なくなる。吸光度(A)は、合わせガラス10の遮熱性を中間膜13により確保する観点から、0.35以下が好ましく、0.30以下がより好ましく、0.25以下がさらに好ましく、0.23以下が特に好ましい。通常、吸光度(A)は、0.10以上である。
【0026】
吸光度(A)は、ガラスに含有される赤外線遮蔽材料の含有量により調整することができる。具体的には、ガラスに含有される赤外線遮蔽材料の含有量を少なくすることにより、吸光度(A)を低くすることができる。例えば、1対のガラス板11、12が無機ガラスからなる場合、赤外線遮蔽材料として、酸化鉄(Fe)等の着色成分となる金属酸化物が挙げられる。吸光度(A)の観点から、酸化鉄(Fe)は、無機ガラス中、2質量%以下が好ましく、1質量%以下がより好ましい。
【0027】
ガラス板11、12は、異なる材質からなるものでもよいが、同一の材質からなることが好ましい。ガラス板11、12は、平板状でもよいし、全面または一部が湾曲したものでもよい。また、ガラス板11、12の表面には、各種のコーティングが施されてもよい。例えば、ガラス板11、12の中間膜13側の表面には、低放射性コーティング、赤外線遮蔽コーティング、導電性コーティング等が施されてもよい。また、ガラス板11、12の中間膜13とは反対側の表面には、撥水機能、親水機能、防曇機能等を付与するコーティングが施されてもよい。ガラス板11、12にコーティングが施される場合、吸光度(A)はコーティングが施されたものについて求められる。
【0028】
[中間膜]
中間膜13は、ガラス板11、12を接着する。中間膜13は、通常、熱可塑性樹脂を含む。熱可塑性樹脂の種類は特に制限されず、公知の中間膜を構成する熱可塑性樹脂の中から適宜選択することができる。なお、中間膜13は、単層構造でもよいし、2以上の層が積層された積層構造でもよい。
【0029】
熱可塑性樹脂として、ポリビニルアセタール系樹脂、ポリ塩化ビニル系樹脂、飽和ポリエステル系樹脂、ポリウレタン系樹脂、エチレン−酢酸ビニル共重合体系樹脂、エチレン−エチルアクリレート共重合体系樹脂等が挙げられる。これらの熱可塑性樹脂は、単独で用いられてもよいし、2種以上が併用されてもよい。
【0030】
これらのなかでも、透明性、耐候性、強度、接着力、耐貫通性、衝撃エネルギー吸収性、耐湿性、遮熱性、遮音性等の諸性能のバランスから、ポリビニルアセタール系樹脂が好適に用いられる。
【0031】
ポリビニルアセタール系樹脂として、ポリビニルアルコール(以下、必要に応じて「PVA」と言うこともある)とホルムアルデヒドとを反応させて得られるポリビニルホルマール樹脂、PVAとアセトアルデヒドとを反応させて得られる狭義のポリビニルアセタール樹脂、PVAとn−ブチルアルデヒドとを反応させて得られるポリビニルブチラール樹脂(以下、必要に応じて「PVB」と言うこともある)等が挙げられる。これらのポリビニルアセタール系樹脂は、単独で用いられてもよいし、2種以上が併用されてもよい。これらのなかでも、透明性、耐候性、強度、接着力、耐貫通性、衝撃エネルギー吸収性、耐湿性、遮熱性、遮音性等の諸性能のバランスに優れることから、PVBが好適に用いられる。
【0032】
ポリビニルアセタール系樹脂の合成に用いられるPVAの平均重合度は、200〜5000が好ましく、500〜3000がより好ましい。また、ポリビニルアセタール系樹脂のアセタール化度は、40〜85モル%が好ましく、50〜75モル%がより好ましい。また、ポリビニルアセタール系樹脂の残存アセチル基量は、30モル% 以下が好ましく、0.5〜24モル%がより好ましい。
【0033】
中間膜13は、可塑剤を含有することが好ましい。可塑剤として、一価カルボン酸エステル系、多価カルボン酸エステル系等のカルボン酸エステル系可塑剤、リン酸エステル系可塑剤、有機亜リン酸エステル系可塑剤、カルボン酸ポリエステル系、炭酸ポリエステル系、ポリアルキレングリコール系等の高分子可塑剤、ひまし油等のヒドロキシカルボン酸と多価アルコールのエステル化合物、ヒドロキシカルボン酸と一価アルコールのエステル化合物等のヒドロキシカルボン酸エステル系可塑剤等が挙げられる。
【0034】
一価カルボン酸エステル系可塑剤として、ブタン酸、イソブタン酸、へキサン酸、2−エチルブタン酸、へプタン酸、オクチル酸、2−エチルヘキサン酸、ラウリル酸等の一価カルボン酸と、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、グリセリン等の多価アルコールとの縮合反応により得られる化合物が挙げられる。具体的には、トリエチレングリコールジ2−エチルブタノエート、トリエチレングリコールジヘプタノエート、トリエチレングリコールジ2−エチルヘキサノエート、トリエチレングリコールジオクタノエート、テトラエチレングリコールジ2−エチルブタノエート、テトラエチレングリコールジヘプタノエート、テトラエチレングリコールジ2−エチルヘキサノエート、テトラエチレングリコールジオクタノエート、ジエチレングリコールジ2−エチルヘキサノエート、PEG#400ジ2−エチルヘキサノエート、トリエチレングリコールモノ2−エチルヘキサノエート、グリセリンまたはジグリセリンの2−エチルヘキサン酸との完全または部分エステル化物等が挙げられる。ここでPEG#400とは、平均分子量が350〜450であるポリエチレングリコールを表す。
【0035】
多価カルボン酸エステル系可塑剤として、アジピン酸、コハク酸、アゼライン酸、セバシン酸、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、トリメリット酸等の多価カルボン酸と、メタノール、エタノール、ブタノール、ヘキサノール、2−エチルブタノール、ヘプタノール、オクタノール、2−エチルヘキサノール、デカノール、ドデカノール、ブトキシエタノール、ブトキシエトキシエタノール、ベンジルアルコール等の炭素数1〜12のアルコールとの縮合反応により得られる化合物が挙げられる。具体的には、アジピン酸ジヘキシル、アジピン酸ジ−2−エチルブチル、アジピン酸ジヘプチル、アジピン酸ジオクチル、アジピン酸ジ2−エチルヘキシル、アジピン酸ジ(ブトキシエチル)、アジピン酸ジ(ブトキシエトキシエチル)、アジピン酸モノ(2−エチルヘキシル)、セバシン酸ジブチル、セバシン酸ジヘキシル、セバシン酸ジ2−エチルブチル、フタル酸ジブチル、フタル酸ジヘキシル、フタル酸ジ(2−エチルブチル)、フタル酸ジオクチル、フタル酸ジ(2−エチルヘキシル)、フタル酸ベンジルブチル、フタル酸ジドデシル等が挙げられる。
【0036】
リン酸エステル系可塑剤、または、有機亜リン酸エステル系可塑剤として、リン酸または亜リン酸と、メタノール、エタノール、ブタノール、ヘキサノール、2−エチルブタノール、ヘプタノール、オクタノール、2−エチルヘキサノール、デカノール、ドデカノール、ブトキシエタノール、ブトキシエトキシエタノール、またはベンジルアルコール等の炭素数1〜12のアルコールとの縮合反応により得られる化合物が挙げられる。具体的には、リン酸トリメチル、リン酸トリエチル、リン酸トリプロピル、リン酸トリブチル、リン酸トリ(2−エチルヘキシル)、リン酸トリ(ブトキシエチル)、亜リン酸トリ(2−エチルヘキシル)等が挙げられる。
【0037】
カルボン酸ポリエステル系可塑剤として、シュウ酸、マロン酸、コハク酸、アジピン酸、スベリン酸、セバシン酸、ドデカン二酸、1,2−シクロヘキサンジカルボン酸、1,3−シクロヘキサンジカルボン酸、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸等の多価カルボン酸と、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、1,2−プロピレングリコール、1,3−プロピレングリコール、1,2−ブチレングリコール、1,3−ブチレングリコール、1,4−ブチレングリコール、1,2−ペンタンジオール、1,5−ペンタンジオール、2,4−ペンタンジオール、1,2−ヘキサンジオール、1,6−ヘキサンジオール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、3−メチル−2,4−ペンタンジオール、1,2−ヘプタンジオール、1,7−ヘプタンジオール、1,2−オクタンジオール、1,8−オクタンジオール、1,2−ノナンジオール、1,9−ノナンジオール、2−メチル−1,8−オクタンジオール、1,2−デカンジオール、1,10−デカンジオール、1,2−ドデカンジオール、1,12−ドデカンジオール、1,2−シクロヘキサンジオール、1,3−シクロヘキサンジオール、1,4−シクロヘキサンジオール、1,2−ビス(ヒドロキシメチル)シクロヘキサン、1,3−ビス(ヒドロキシメチル)シクロヘキサン、1,4−ビス(ヒドロキシメチル)シクロヘキサン等の多価アルコールを交互共重合して得られるカルボン酸ポリエステル、脂肪族ヒドロキシカルボン酸、グリコール酸、乳酸、2−ヒドロキシ酪酸、3−ヒドロキシ酪酸、4−ヒドロキシ酪酸、6−ヒドロキシへキサン酸、8−ヒドロキシへキサン酸、10−ヒドロキシデカン酸、12−ヒドロキシドデカン酸、芳香環を有するヒドロキシカルボン酸、4−ヒドロキシ安息香酸、4−(2−ヒドロキシエチル)安息香酸等のヒドロキシカルボン酸の重合体(ヒドロキシカルボン酸ポリエステル)、脂肪族ラクトン化合物、γ−ブチロラクトン、γ−バレロラクトン、δ−バレロラクトン、β−メチル−δ−バレロラクトン、δ−ヘキサノラクトン、ε−カプロラクトン、ラクチド等、芳香環を有するラクトン化合物、フタリド等のラクトン化合物を開環重合して得られるカルボン酸ポリエステルが挙げられる。これらカルボン酸ポリエステルの末端構造は特に限定されず、水酸基やカルボキシル基でもよいし、末端水酸基や末端カルボキシル基を1価カルボン酸または1価アルコールと反応させてエステル結合としたものでもよい。
【0038】
炭酸ポリエステル系可塑剤として、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、1,2−プロピレングリコール、1,3−プロピレングリコール、1,2−ブチレングリコール、1,3−ブチレングリコール、1,4−ブチレングリコール、1,2−ペンタンジオール、1,5−ペンタンジオール、2,4−ペンタンジオール、1,2−ヘキサンジオール、1,6−ヘキサンジオール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、3−メチル2,4−ペンタンジオール、1,2−ヘプタンジオール、1,7−ヘプタンジオール、1,2−オクタンジオール、1,8−オクタンジオール、1,2−ノナンジオール、1,9−ノナンジオール、2−メチル−1,8−オクタンジオール、1,2−デカンジオール、1,10−デカンジオール、1,2−ドデカンジオール、1,12−ドデカンジオール、1,2−シクロヘキサンジオール、1,3−シクロヘキサンジオール、1,4−シクロヘキサンジオール、1,2−ビス(ヒドロキシメチル)シクロヘキサン、1,3−ビス(ヒドロキシメチル)シクロヘキサン、1,4−ビス(ヒドロキシメチル)シクロヘキサン等の多価アルコールと、炭酸ジメチル、炭酸ジエチル等の炭酸エステルをエステル交換反応により交互共重合して得られる炭酸ポリエステルが挙げられる。これら炭酸ポリエステル化合物の末端構造は特に限定されないが、炭酸エステル基、または水酸基等であるとよい。
【0039】
ポリアルキレングリコール系可塑剤として、エチレンオキシド、プロピレンオキシド、ブチレンオキシド、オキセタン等のアルキレンオキシドを、一価アルコール、多価アルコール、一価カルボン酸および多価カルボン酸を開始剤として開環重合させて得られる重合体が挙げられる。
【0040】
ヒドロキシカルボン酸エステル系可塑剤として、ヒドロキシカルボン酸の1価アルコールエステル、リシノール酸メチル、リシノール酸エチル、リシノール酸ブチル、6−ヒドロキシヘキサン酸メチル、6−ヒドロキシヘキサン酸エチル、6−ヒドロキシヘキサン酸ブチル、ヒドロキシカルボン酸の多価アルコールエステル、エチレングリコールジ(6−ヒドロキシヘキサン酸)エステル、ジエチレングリコールジ(6−ヒドロキシヘキサン酸)エステル、トリエチレングリコールジ(6−ヒドロキシヘキサン酸)エステル、3−メチル−1,5−ペンタンジオールジ(6−ヒドロキシヘキサン酸)エステル、3−メチル−1,5−ペンタンジオールジ(2−ヒドロキシ酪酸)エステル、3−メチル−1,5−ペンタンジオールジ(3−ヒドロキシ酪酸)エステル、3−メチル−1,5−ペンタンジオールジ(4−ヒドロキシ酪酸)エステル、トリエチレングリコールジ(2−ヒドロキシ酪酸)エステル、グリセリントリ(リシノール酸)エステル、L−酒石酸ジ(1−(2−エチルヘキシル))、ひまし油の他、ヒドロキシカルボン酸の多価アルコールエステルのヒドロキシカルボン酸由来の基を、水酸基を含まないカルボン酸由来の基または水素原子に置き換えた化合物も使用でき、これらヒドロキシカルボン酸エステルは従来公知の方法で得られるものを使用することができる。
【0041】
中間膜13は、比(A/A)を2.0以上にする観点から、赤外線遮蔽材料を含むことが好ましい。赤外線遮蔽材料は、赤外線を遮蔽することができればよく、公知の赤外線遮蔽材料を用いることができる。また、公知の赤外線遮蔽材料としては、無機系、有機系のいずれの赤外線遮蔽材料も用いることができ、これらを併用することもできる。
【0042】
無機系赤外線遮蔽材料として、色素、微粒子等が挙げられる。色素として、コバルト系、鉄系、クロム系、チタン系、バナジウム系、ジルコニウム系、モリブデン系、ルテニウム系、白金系等が挙げられる。微粒子として、錫ドープ酸化インジウム(ITO)、アンチモンドープ酸化錫(ATO)、複合タングステン酸化物等の微粒子が挙げられる。
【0043】
有機系赤外線遮蔽材料として、ジイモニウム系、アンスラキノン系、アミニウム系、シアニン系、メロシアニン系、クロコニウム系、スクアリウム系、アズレニウム系、ポリメチン系、ナフトキノン系、ピリリウム系、フタロシアニン系、ナフタロシアニン系、ナフトラクタム系、アゾ系、縮合アゾ系、インジゴ系、ペリノン系、ペリレン系、ジオキサジン系、キナクリドン系、イソインドリノン系、キノフタロン系、ピロール系、チオインジゴ系、金属錯体系、ジチオール系金属錯体系、インドールフェノール系、トリアリルメタン系等の色素が挙げられる。
【0044】
これらのなかでも、経済性、可視光線領域に対する赤外線領域の遮蔽性の高さの観点から、ITO微粒子、ATO微粒子、複合タングステン酸化物微粒子、フタロシアニン系色素が好ましい。これらは、単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
【0045】
ITO微粒子、ATO微粒子は、赤外線遮蔽性の高い立方晶に限られず、六方晶でもよい。ITO微粒子、ATO微粒子は、公知の製造方法により製造することができる。製造方法として、メカノケミカル法、CVD法、蒸着法、スパッタ法、熱プラズマ法、レーザー法、熱分解法、化学還元法、電気分解法、超音波法、レーザーアブレーション法、超臨界流体法、マイクロ波合成法等が挙げられる。
【0046】
複合タングステン酸化物微粒子として、一般式:M(但し、Mは、Cs、Rb、K、Tl、In、Ba、Li、Ca、Sr、Fe、Snから選ばれる少なくとも1種の元素、Wはタングステン、Oは酸素を表し、x、y、zは、0.001≦x/y≦1.0、2.2≦z/y≦3.0を満たす)で示される複合タングステン酸化物からなる微粒子が挙げられる。
【0047】
複合タングステン酸化物微粒子は、十分な量の自由電子が生成されるために赤外線遮蔽性能に優れる。複合タングステン酸化物微粒子は、耐久性に優れることから、六方晶、正方晶、立方晶から選ばれる1つ以上の結晶構造を含むことが好ましい。
【0048】
モル比(x/y)は、0.33程度が好ましい。六方晶の結晶構造から理論的に算出されるモル比(x/y)は0.33であり、これに近い値となるときに光学特性が好ましいものとなる。このようなものとして、Cs0.33WO、Rb0.33WO、K0.33WO、Ba0.33WO等が挙げられる。
【0049】
複合タングステン酸化物微粒子は、公知の方法により製造できる。例えば、タングステン酸アンモニウム水溶液、6塩化タングステン溶液等のタングステンを含有する溶液と、Mで表される元素の塩化物塩、硝酸塩、硫酸塩、シュウ酸塩、酸化物等の溶液とを所定の割合で混合して原料混合物とする。この原料混合物を不活性ガス雰囲気または還元性ガス雰囲気中で熱処理することにより、複合タングステン酸化物微粒子を得ることができる。
【0050】
複合タングステン酸化物微粒子は、耐候性の観点から、Si、Ti、Zr、Al等から選ばれる金属の酸化物により表面が被覆されていることが好ましい。被覆は、例えば、複合タングステン酸化物微粒子が分散された溶液中に上記金属のアルコキシドを添加することにより行うことができる。
【0051】
ITO微粒子、ATO微粒子、複合タングステン酸化物微粒子の平均一次粒子径は100nm以下が好ましい。100nm以下であると、光の散乱による曇りが抑制され、透明性に優れたものとなる。平均一次粒子径は、50nm以下がより好ましく、30nm以下がさらに好ましい。平均一次粒子径の下限については特に限定されないが、現在の技術によれば2nm程度のものも製造することができる。ここで、微粒子の平均一次粒子径は、透過型電子顕微鏡による観察像から測定されるものをいう。
【0052】
フタロシアニン系色素は、近赤外線波長領域に急峻な吸収を示す。このため、例えば、ITO微粒子、ATO微粒子、複合タングステン酸化物微粒子等との併用により、広範囲の赤外線遮蔽性を得ることができる。
【0053】
赤外線遮蔽材料は、中間膜13中、0.01質量%以上が好ましい。0.01質量%以上になると、赤外線遮蔽性が効果的に向上する。赤外線遮蔽材料は、0.05質量%以上がより好ましく、0.07質量%以上がさらに好ましい。一方、2.0質量%以下になると、可視光透過率(Tv)を確保しやすくなる。赤外線遮蔽材料は、1.5質量%以下がより好ましく、1.3質量%以下がさらに好ましい。
【0054】
中間膜13は、紫外線遮蔽材料を含有することができる。紫外線遮蔽材料として、ベンゾトリアゾール系、ヒンダードアミン系、ベンゾエート系、トリアジン系、ベンゾフェノン系、マロン酸エステル系、シュウ酸アニリド系等が挙げられる。
【0055】
ベンゾトリアゾール系紫外線遮蔽材料として、2−(5−クロロ−2−ベンゾトリアゾリル)−6−tert−ブチル−p−クレゾール、2−(5−メチル−2−ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾール、2−[2−ヒドロキシ−3,5−ビス(α,α’−ジメチルベンジル)フェニル]−2H−ベンゾトリアゾール、2−(3,5−ジ−t−ブチル−2−ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(3−t−ブチル−5−メチル−2−ヒドロキシフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、2−(3,5−ジ−t−ブチル−5−メチル−2−ヒドロキシフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、2−(3,5−ジ−t−アミル−2−ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾール又は2−(2’−ヒドロキシ−5’−t−オクチルフェニル)ベンゾトリアゾール等が挙げられる。
【0056】
ヒンダードアミン系紫外線遮蔽材料として、2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジルベンゾエート、ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)セバケート、ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)−2−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)−2−n−ブチルマロネート、又は4−(3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオニルオキシ)−1−(2−(3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオニルオキシ)エチル)−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン等が挙げられる。
【0057】
ベンゾエート系紫外線遮蔽材料として、2,4−ジ−t−ブチルフェニル−3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンゾエート、又はヘキサデシル−3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンゾエート等が挙げられる。
【0058】
トリアジン系紫外線遮蔽材料として、6−(4−ヒドロキシ−3,5−ジ−t−ブチルアニリノ)−2,4−ビス−オクチルチオ−1,3,5−トリアジン、6−(4−ヒドロキシ−3,5−ジメチルアニリノ)−2,4−ビス−オクチルチオ−1,3,5−トリアジン、6−(4−ヒドロキシ−3−メチル−5−t−ブチルアニリノ)−2,4−ビス−オクチルチオ−1,3,5−トリアジン、または2−オクチルチオ−4,6−ビス−(3,5−ジ−t−ブチル−4−オキシアニリノ)−1,3,5−トリアジン等が挙げられる。
【0059】
ベンゾフェノン系紫外線遮蔽材料として、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、2,2’−ジヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシ−2−カルボキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−n−オクトキシベンゾフェノン等が挙げられる。
【0060】
マロン酸エステル系紫外線遮蔽材料として、2−(p−メトキシベンジリデン)マロン酸ジメチル、テトラエチル−2,2−(1,4−フェニレンジメチリデン)ビスマロネート、2−(p−メトキシベンジリデン)−ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル4−ピペリジニル)マロネート等が挙げられる。
【0061】
シュウ酸アニリド系紫外線遮蔽材料として、N−(2−エチルフェニル)−N’−(2−エトキシ−5−t−ブチルフェニル)シュウ酸ジアミド、N−(2−エチルフェニル)−N’−(2−エトキシ−フェニル)シュウ酸ジアミド、2−エチル−2’−エトキシ−オキシアニリド等の窒素原子上に置換されたアリール基等を有するシュウ酸ジアミド類等が挙げられる。
【0062】
中間膜13は、さらに、接着性調整剤、酸化防止剤、カップリング剤、界面活性剤、熱安定剤、光安定剤、脱水剤、消泡剤、帯電防止剤、難燃剤等を含有することができる。
【0063】
接着性調整剤として、アルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩が挙げられる。具体的には、カリウム、ナトリウム、マグネシウム等の塩が挙げられる。上記塩として、オクタン酸、ヘキサン酸、酪酸、酢酸、蟻酸等のカルボン酸等の有機酸、塩酸、硝酸等の無機酸の塩等が挙げられる。
【0064】
酸化防止剤として、フェノール系、リン系、硫黄系等の酸化防止剤が挙げられる。
【0065】
フェノール系酸化防止剤として、2−t−ブチル−6−(3−t−ブチル−2−ヒドロキシ−5−メチルベンジル)−4−メチルフェニルアクリレート、2,4−ジ−t−アミル−6−(1−(3,5−ジ−t−アミル−2−ヒドロキシフェニル)エチル)フェニルアクリレート等のアクリレート系化合物、2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェノール、2,6−ジ−t−ブチル−4−エチルフェノール、オクタデシル−3−(3,5−)ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート、2,2’−メチレン−ビス(4−メチル−6−t−ブチルフェノール)、4,4’−ブチリデン−ビス(4−メチル−6−t−ブチルフェノール)、4,4’−ブチリデン−ビス(6−t−ブチル−m−クレゾール)、4,4’−チオビス(3−メチル−6−t−ブチルフェノール)、ビス(3−シクロヘキシル−2−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)メタン、3,9−ビス(2−(3−(3−t−ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)プロピオニルオキシ)−1,1−ジメチルエチル)−2,4,8,10−テトラオキサスピロ[5.5]ウンデカン、1,1,3−トリス(2−メチル−4−ヒドロキシ−5−t−ブチルフェニル)ブタン、1,3,5−トリス(4−tert−ブチル−3−ヒドロキシ−2,6−ジメチルベンジル)−1,3,5−トリアジン−2,4,6−(1H,3H,5H)−トリオン、1,3,5−トリメチル−2,4,6−トリス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)ベンゼン、テトラキス(メチレン−3−(3’,5’−ジ−t−ブチル−4’−ヒドロキシフェニル)プロピオネート)メタン、またはトリエチレングリコールビス(3−(3−t−ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)プロピオネート)等のアルキル置換フェノール系化合物等が挙げられる。
【0066】
リン系酸化防止剤として、トリス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)ホスファイト、トリフェニルホスファイト、ジフェニルイソデシルホスファイト、フェニルジイソデシルホスファイト、トリス(ノニルフェニル)ホスファイト、トリス(ジノニルフェニル)ホスファイト、トリス(2−t−ブチル−4−メチルフェニル)ホスファイト、トリス(シクロヘキシルフェニル)ホスファイト、2,2−メチレンビス(4,6−ジ−t−ブチルフェニル)オクチルホスファイト、9,10−ジヒドロ−9−オキサ−10−ホスファフェナントレン−10−オキサイド、10−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)−9,10−ジヒドロ−9−オキサ−10−ホスファフェナントレン−10−オキサイド、または10−デシロキシ−9,10−ジヒドロ−9−オキサ−10−ホスファフェナントレン等のモノホスファイト系化合物、4,4’−ブチリデン−ビス(3−メチル−6−t−ブチルフェニル−ジ−トリデシルホスファイト)、4,4’−イソプロピリデン−ビス(フェニル−ジ−アルキル(炭素数12以上15以下)ホスファイト)4,4’−イソプロピリデン−ビス(ジフェニルモノアルキル(炭素数12以上15以下)ホスファイト)、1,1,3−トリス(2−メチル−4−ジ−トリデシルホスファイト−5−t−ブチルフェニル)ブタン、またはテトラキス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)−4,4’−ビフェニレンホスファイト等のジホスファイト系化合物等が挙げられる。
【0067】
硫黄系酸化防止剤として、ジラウリル3,3’−チオジプロピオネート、ジステアリル3,3−チオジプロピオネート、ラウリルステアリル3,3’−チオジプロピオネート、ペンタエリスリトール−テトラキス−(β−ラウリル−チオプロピオネート)、3,9−ビス(2−ドデシルチオエチル)−2,4,8,10−テトラオキサスピロ[5.5]ウンデカン等が挙げられる。
【0068】
中間膜13の厚みは、100μm以上が好ましい。100μm以上になると、耐貫通性、遮音性等が良好になる。中間膜13の厚みは、200μm以上がより好ましく、300μm以上がさらに好ましい。また、合わせガラス10の厚さを薄くする観点から、2000μm以下が好ましく、1900μm以下がより好ましく、1800μm以下がさらに好ましい。
【0069】
中間膜13は、周波数1Hz、温度20℃における貯蔵弾性率G’が5.0×10Pa以上であることが好ましい。貯蔵弾性率G’は剛性を示す指標であり、5.0×10Pa以上であると剛性を確保しやすい。貯蔵弾性率G’は、1.0×10Pa以上がより好ましい。
【0070】
貯蔵弾性率G’の上限は、必ずしも制限されない。但し、貯蔵弾性率G’が高くなると、切断等の加工に特殊な機器が必要となるとともに、脆くなることから耐貫通性が低下する。このような観点から、貯蔵弾性率G’は、1.0×10Pa以下が好ましい。
【0071】
なお、本明細書における貯蔵弾性率G’は、周波数1Hz、温度20℃、動的せん断歪み0.015%の条件下、せん断法、例えば、アントンパール社製レオメーターMCR301により測定される動的粘弾性試験における貯蔵弾性率である。
【0072】
中間膜13は、波長1500nmにおける吸光度(A)が0.80以上であることが好ましい。0.80以上の場合、比(A/A)が2.0以上になりやすい。比(A/A)が2.0以上になる場合、合わせガラス10の遮熱性が主として中間膜13により確保され、ガラス板11、12の厚さが変更されても中間膜13を変更する必要が少なくなる。吸光度(A)は、合わせガラス10の遮熱性を中間膜13により確保する観点から、0.6以上がより好ましく、0.7以上がさらに好ましく、0.8以上が特に好ましく、0.9以上が最も好ましい。通常、吸光度(A)は、1.50以下である。
【0073】
吸光度(A)は、中間膜13に含有される赤外線遮蔽材料の含有量により調整することができる。例えば、赤外線遮蔽材料の含有量を増加させることにより、吸光度(A)を高くすることができる。
【0074】
1対のガラス板11、12と中間膜13とを合わせた厚さは3.6mm以下である。3.6mm以下である場合、軽量化を図ることができる。厚さは、3.3mm以下が好ましく、3.0mm以下がより好ましい。
【0075】
1対のガラス板11、12の板厚を各々2.0mmとしたときの波長1500nmにおける吸光度(A)と中間膜13の波長1500nmにおける吸光度(A)との比(A/A)は2.0以上である。比(A/A)が2.0以上となる場合、合わせガラス10の遮熱性が主として中間膜13により確保され、ガラス板11、12の厚さが変更されても中間膜13を変更する必要が少なくなる。比(A/A)は、合わせガラス10の遮熱性を中間膜13により確保する観点から、2.5以上が好ましく、3.0以上がより好ましく、3.5以上がさらに好ましく、4.0以上が特に好ましい。通常、比(A/A)は、10.0以下が好ましい。
【0076】
比(A/A)は、吸光度(A)、吸光度(A)により調整することができる。例えば、従来の合わせガラスに対して吸光度(A)を低くするとともに、吸光度(A)を高くすることにより、比(A/A)を2.0以上とすることができる。
【0077】
吸光度(A)は、既に説明したように、ガラスに含有される赤外線遮蔽材料の含有量により調整することができる。また、吸光度(A)は、既に説明したように、中間膜13に含有される赤外線遮蔽材料の含有量により調整することができる。
【0078】
また、合わせガラス10は、ISO13837(2008年)により定められる日射透過率(Tts)が60%以下である。日射透過率(Tts)が60%以下になると、建築用窓ガラス、自動車用窓ガラス等に適したものとなる。日射透過率(Tts)は、59%以下がより好ましく、58%以下がより好ましく、57%以下がさらに好ましい。日射透過率(Tts)は、通常、50%以上が好ましい。
【0079】
合わせガラス10は、さらに以下のような特性を有することが好ましい。
【0080】
JIS R3106(1998年)により定められる可視光透過率(Tv)が70%以上であることが好ましい。可視光透過率(Tv)が70%以上になると、建築用窓ガラス、自動車用窓ガラス等に適したものとなる。可視光透過率(Tv)は、71%以上がより好ましく、72%以上がさらに好ましく、73%以上がさらに好ましい。可視光透過率(Tv)は、通常、90%もあれば十分である。
【0081】
1対のガラス板11、12の板厚を各々2.0mmとしたときの、1対のガラス板の波長570nmにおける吸光度(A)と中間膜13の570nmにおける吸光度(A)との比(A/A)は0.5以上であることが好ましい。比(A/A)が0.5以上となる場合、ガラス板11、12の厚さが変更されても、可視光透過率(Tv)が大きく変わらないため、中間膜13を変更する必要が少なくなる。比(A/A)は、0.6以上が好ましく、0.65以上がより好ましい。
【0082】
また、1対のガラス板11、12の板厚を各々2.0mmとしたとき、1対のガラス板の波長1500nmにおける吸光度(A)と中間膜13の1500nmにおける吸光度(A)との比(A/A)と、1対のガラス板11、12の板厚を各々2.0mmとしたとき、1対のガラス板の波長570nmにおける吸光度(A)と中間膜13の570nmにおける吸光度(A)との比(A/A)との積の値が1.0以上であることが好ましい。当該積の値が1.0以上となる場合、ガラス板11、12の厚さが変更されても、遮熱性および可視光透過率(Tv)が大きく変わらないため、中間膜13を変更する必要が少なくなる。比(A/A)と比(A/A)との積((A/A)×(A/A))の値は2.0以上がより好ましく、3.0以上がさらに好ましい。
【0083】
合わせガラス10は、その面密度が13.5kg/m以下であることが好ましい。面密度が13.5kg/m以下になると、合わせガラス10が軽量化されたものとなる。面密度は、12kg/m以下がより好ましく、11kg/m以下がさらに好ましい。また、強度を維持する観点から、8kg/m以上が好ましく、9kg/m以上がより好ましい。
【0084】
合わせガラス10は、その三点曲げ剛性が100N/mm以上であることが好ましい。三点曲げ剛性は、三点曲げ試験により得られる剛性であり、例えば、圧縮引張試験機により測定できる。三点曲げ剛性は、120N/mm以上が特に好ましい。三点曲げ剛性が100N/mm以上であれば、建築用窓ガラス、自動車用窓ガラス等に適したものとなる。
【0085】
合わせガラス10は、公知の方法により製造することができる。すなわち、1対のガラス板11、12の間に中間膜13を配置して前駆体を製造する。この前駆体をゴムバッグのような真空バッグの中に挿入した後、真空バッグ内の圧力が約−65〜−100kPaの減圧度(絶対圧力約36〜1kPa)となるように減圧吸引(脱気)しながら約70〜110℃の温度で予備圧着を行う。さらに、この予備圧着が行われた前駆体をオートクレーブに入れ、約120〜150℃の温度、約0.98〜1.47MPaの圧力で本圧着を行う。これにより、1対のガラス板11、12が中間膜13により接着された合わせガラス10を得ることができる。
【0086】
なお、図示しないが、合わせガラス10には、必要に応じて外縁部に帯状のセラミックス遮蔽層を設けることができる。セラミックス遮蔽層は、例えば、自動車用窓ガラスとして用いられるときに、車内に配置される部品が紫外線の照射により劣化しないように、また車内に配置される部品を見えなくして意匠性を向上させるために設けられる。
【0087】
セラミックス遮蔽層は、通常、1対のガラス板11、12から選ばれる一方のガラス板に設けられる。セラミックス遮蔽層は、例えば、低融点ガラス粉末、顔料粉末、樹脂、溶剤等を混合してペーストとした後、これを印刷等によりガラス板に塗布し、焼き付けることにより形成することができる。
【実施例】
【0088】
以下に、本発明を実施例によりさらに詳細に説明する。
なお、本発明は、以下に説明される実施例に限定されない。
【0089】
[参考例1]
第1のガラス板(厚さ2.0mm)と第2のガラス板(厚さ0.5mm)との間に中間膜(厚さ760μm)が配置された合わせガラスを製造した(合わせガラスR1)。
【0090】
第1のガラス板、第2のガラス板は、それぞれ、赤外線遮蔽材料として酸化鉄(Fe)を含有する無機ガラスからなるものとした。赤外線遮蔽材料の濃度は、無機ガラス中、0.5質量%とした。
【0091】
中間膜は、熱可塑性樹脂、可塑剤、および赤外線遮蔽材料からなるものとした。赤外線遮蔽材料は、CWO(タングステン酸セシウム)とした。また、赤外線遮蔽材料の濃度は、中間膜中、0.075質量%とした。
【0092】
別途、赤外線遮蔽材料の濃度を変更せずに第2のガラス板の厚さを2.0mmに変更し、また、第1のガラス板、第2のガラス板および中間膜の各材料が単層となるように、合わせたときにそれぞれ異なる一部分が切り欠いたものとしたことを除いて、合わせガラスR1と同様にして合わせガラスを製造した(評価用ガラスR1)。この評価用ガラスR1は、合わせガラスR1の特性を評価するためのものである。
【0093】
表1に、評価用ガラスR1における各部の吸光度を示す。
【0094】
ここで、吸光度(A)は、第1のガラス板および第2のガラス板の波長1500nmにおける吸光度の和、吸光度(A)は、中間膜の波長1500nmにおける吸光度の和、比(A/A)は、吸光度(A)と吸光度(A)との比である。
【0095】
また、吸光度(A)は、第1のガラス板および第2のガラス板の波長570nmにおける吸光度の和、吸光度(A)は、中間膜の波長570nmにおける吸光度の和、比(A/A)は、吸光度(A)と吸光度(A)との比である。
【0096】
[参考例2]
表1に示すように、第1のガラス板および第2のガラス板における赤外線遮蔽材料の濃度を参考例1における赤外線遮蔽材料の濃度に対して1.2倍に変更したことを除いて、参考例1の合わせガラスR1と同様にして合わせガラスを製造した(合わせガラスR2)。
【0097】
別途、赤外線遮蔽材料の濃度を変更せずに第2のガラス板の厚さを2.0mmに変更し、また、第1のガラス板、第2のガラス板および中間膜の各材料が単層となるように、合わせたときにそれぞれ異なる一部分を切り欠いたものとしたことを除いて、合わせガラスR2と同様にして合わせガラスを製造した(評価用ガラスR2)。この評価用ガラスR2は、合わせガラスR2の特性を評価するためのものである。
表1に、評価用ガラスR2における各部の吸光度を示す。
【0098】
[実施例1]
表1に示すように、第1のガラス板および第2のガラス板における赤外線遮蔽材料の濃度を参考例1における赤外線遮蔽材料の濃度に対して0.9倍に変更するとともに、中間膜における赤外線遮蔽材料の濃度を参考例1における赤外線遮蔽材料の濃度に対して1.4倍に変更したことを除いて、参考例1の合わせガラスR1と同様にして合わせガラスを製造した(合わせガラス1)。
【0099】
別途、赤外線遮蔽材料の濃度を変更せずに第2のガラス板の厚さを2.0mmに変更し、また、第1のガラス板、第2のガラス板および中間膜の各材料が単層となるように、合わせたときにそれぞれ異なる一部分を切り欠いたものとしたことを除いて、合わせガラス1と同様にして合わせガラスを製造した(評価用ガラス1)。なお、この評価用ガラス1は、吸光度や後述する可視光透過率差(Tv−Tv)や日射透過率差(Tts−Tts)を求めるための合わせガラスである。
表1に、評価用ガラス1における各部の吸光度を示す。
【0100】
[実施例2]
表1に示すように、第1のガラス板および第2のガラス板における赤外線遮蔽材料の濃度を参考例1における赤外線遮蔽材料の濃度に対して0.5倍に変更するとともに、中間膜における赤外線遮蔽材料の濃度を参考例1における赤外線遮蔽材料の濃度に対して2倍に変更したことを除いて、参考例1の合わせガラスR1と同様にして合わせガラスを製造した(合わせガラス2)。
【0101】
別途、赤外線遮蔽材料の濃度を変更せずに第2のガラス板の厚さを2.0mmに変更し、また、第1のガラス板、第2のガラス板および中間膜の各材料が単層となるように、合わせたときにそれぞれ異なる一部分を切り欠いたものとしたことを除いて、合わせガラス2と同様にして合わせガラスを製造した(評価用ガラス2)。なお、この評価用ガラス2は、吸光度や後述する可視光透過率差(Tv−Tv)や日射透過率差(Tts−Tts)を求めるための合わせガラスである。
表1に、評価用ガラス2における各部の吸光度を示す。
【0102】
[実施例3]
表1に示すように、第1のガラス板および第2のガラス板における赤外線遮蔽材料の濃度を比較例1における赤外線遮蔽材料の濃度に対して0.75倍に変更したことを除いて、実施例1の合わせガラス1と同様にして合わせガラスを製造した(合わせガラス3)。
【0103】
別途、赤外線遮蔽材料の濃度を変更せずに第2のガラス板の厚さを2.0mmに変更し、また、第1のガラス板、第2のガラス板および中間膜の各材料が単層となるように、合わせたときにそれぞれ異なる一部分を切り欠いたものとしたことを除いて、合わせガラス3と同様にして合わせガラスを製造した(評価用ガラス3)。なお、この評価用ガラス3は、後述する吸光度や可視光透過率差(Tv−Tv)や日射透過率差(Tts−Tts)を求めるための合わせガラスである。
表1に、評価用ガラス3における各部の吸光度を示す。
【0104】
次に、実施例1〜3、参考例1、2の合わせガラス1〜3、R1〜R2について、JIS R3106(1998年)により定められる可視光透過率(Tv)、ISO13837(2008年)により定められる日射透過率(Tts)を求めた。
【0105】
また、実施例1〜3、参考例1、2の評価用ガラス1〜3、R1〜R2について、JIS R3106(1998年)により定められる可視光透過率(Tv)、ISO13837(2008年)により定められる日射透過率(Tts)を求めた。
【0106】
そして、可視光透過率(Tv)と可視光透過率(Tv)とから可視光透過率差(Tv−Tv)を求めるとともに、日射透過率(Tts)と日射透過率(Tts)とから日射透過率差(Tts−Tts)を求めた。
【0107】
表1に、可視光透過率(Tv)日射透過率(Tts)、可視光透過率(Tv)日射透過率(Tts)、可視光透過率差(Tv−Tv)、日射透過率差(Tts−Tts)を示す。また、判定として、可視光透過率差(Tv−Tv)が3%以下かつ日射透過率差(Tts−Tts)が3%以下であるものを「AA」、日射透過率差(Tts−Tts)が3%以下であるものを「A」、これ以外のものを「B」で示した。
【0108】
【表1】
【0109】
実施例1〜3の評価用ガラス1〜3のように比(A/A)が2.0以上である場合、第2のガラス板の厚さが薄くても日射透過率差(Tts−Tts)が3%以下となり、日射透過率(Tts)の増加が抑制される。また、A/Aが所定値以上の場合は、可視光透過率(Tv)も確保することができる。
【0110】
一方、参考例1、2のように比(A/A)が2.0未満である場合、第2のガラス板の厚さが薄くなると日射透過率差(Tts−Tts)が3%を超え、日射透過率(Tts)が大幅に増加する。
【0111】
以上説明したように、比(A/A)が2.0以上である場合、ガラス板の厚さが日射透過率(Tts)に与える影響が少なくなる。これにより、ガラス板の厚さが変更されたたときの中間膜の変更の必要が少なくなり、中間膜の開発、生産、管理等の費用の増加を抑えることができる。
【符号の説明】
【0112】
10…合わせガラス、11,12…ガラス板、13…中間膜。
図1