特許第6885612号(P6885612)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6885612
(24)【登録日】2021年5月17日
(45)【発行日】2021年6月16日
(54)【発明の名称】抵抗測定装置及び抵抗測定方法
(51)【国際特許分類】
   G01R 27/02 20060101AFI20210603BHJP
【FI】
   G01R27/02 R
【請求項の数】6
【全頁数】18
(21)【出願番号】特願2018-554146(P2018-554146)
(86)(22)【出願日】2017年11月28日
(86)【国際出願番号】JP2017042509
(87)【国際公開番号】WO2018101233
(87)【国際公開日】20180607
【審査請求日】2019年5月30日
(31)【優先権主張番号】特願2016-233892(P2016-233892)
(32)【優先日】2016年12月1日
(33)【優先権主張国】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】392019709
【氏名又は名称】日本電産リード株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100074561
【弁理士】
【氏名又は名称】柳野 隆生
(74)【代理人】
【識別番号】100177264
【弁理士】
【氏名又は名称】柳野 嘉秀
(74)【代理人】
【識別番号】100124925
【弁理士】
【氏名又は名称】森岡 則夫
(74)【代理人】
【識別番号】100141874
【弁理士】
【氏名又は名称】関口 久由
(74)【代理人】
【識別番号】100143373
【弁理士】
【氏名又は名称】大西 裕人
(74)【代理人】
【識別番号】100118496
【弁理士】
【氏名又は名称】青山 耕三
(72)【発明者】
【氏名】山下 宗寛
【審査官】 菅藤 政明
(56)【参考文献】
【文献】 特開2013−51355(JP,A)
【文献】 特開2004−101453(JP,A)
【文献】 特開2006−47172(JP,A)
【文献】 中国特許出願公開第102353470(CN,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01R 27/02
G01R 1/06−1/073
H01L 21/66
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
面状に拡がる導電性の面状導体と、前記面状導体と対向する基板面と、前記基板面に設けられた導電部とその導電部を前記面状導体に電気的に接続する接続部との対とを有すると共に当該対を三つ以上備える被測定基板の前記接続部の抵抗を測定するための抵抗測定装置であって、
前記三つ以上の導電部のうちの一つである供給側導電部に予め設定された供給電流を供給するための電流供給部と、
前記各導電部のうちの一つであって前記供給側導電部とは異なる引込側導電部から、予め設定された引込電流を引き込むための電流引込部と、
前記各導電部のうちの前記供給側導電部及び前記引込側導電部とは異なる導電部である電圧測定用導電部と前記供給側導電部との間の電圧である供給側電圧を検出する供給側電圧検出部と、
前記電圧測定用導電部と前記引込側導電部との間の電圧である引込側電圧を検出する引込側電圧検出部と、
前記供給電流と前記供給側電圧とに基づいて前記供給側導電部と対になる接続部の抵抗値を算出し、前記引込電流と前記引込側電圧とに基づいて前記引込側導電部と対になる接続部の抵抗値を算出する抵抗算出部とを備え、
前記電流供給部は、第一及び第二端子を備え、前記第一端子が回路グラウンドに接続され、前記第二端子が前記供給側導電部側に接続され、前記第一端子から前記第二端子へ前記供給電流を供給し、
前記電流引込部は、第三及び第四端子を備え、前記第三端子が前記引込側導電部側に接続され、前記第四端子が前記回路グラウンドに接続され、前記第三端子から前記第四端子へ前記引込電流を引き込み、
前記電流供給部、前記電流引込部、前記供給側電圧検出部、及び前記引込側電圧検出部を含む組を複数組備え、
前記組のそれぞれに対応して、前記供給側導電部、前記引込側導電部、及び前記電圧測定用導電部が設定され、
前記抵抗算出部は、前記各組に対応する前記供給電流及び前記供給側電圧に基づいて、前記各組に対応する前記供給側導電部と対になる接続部の抵抗値を算出し、前記各組に対応する前記引込電流及び前記引込側電圧に基づいて、前記各組に対応する前記引込側導電部と対になる接続部の抵抗値を算出する抵抗測定装置。
【請求項2】
前記各組に対応する前記供給電流の合計と、前記各組に対応する引込電流の合計とが略等しい請求項1記載の抵抗測定装置。
【請求項3】
前記供給電流と前記引込電流とは、互いに略等しい請求項1又は2に記載の抵抗測定装置。
【請求項4】
前記電流供給部による電流供給、前記電流引込部による電流引き込み、前記供給側電圧検出部による電圧検出、及び前記引込側電圧検出部による電圧検出を行うために前記各導電部に接触させるためのプローブを備え、
前記供給電流及び前記引込電流は、前記各導電部の表面に生じる酸化膜を除去するための酸化膜除去電流値以上、かつ前記プローブの定格電流値以下に設定されている請求項1〜3のいずれか1項に記載の抵抗測定装置。
【請求項5】
前記抵抗測定装置は、前記各導電部のうち、前記供給側導電部、前記引込側導電部、及び前記電圧測定用導電部とは異なる接地用導電部を回路グラウンドに接続する接地部を、さらに備える請求項1〜4のいずれか1項に記載の抵抗測定装置。
【請求項6】
請求項1に記載の抵抗測定装置を用いて前記接続部の抵抗を測定するための抵抗測定方法であって、
前記組のそれぞれに対応して、前記供給側導電部、前記引込側導電部、及び前記電圧測定用導電部を設定し、
前記各組に対応する前記供給電流及び前記供給側電圧に基づいて、前記各組に対応する前記供給側導電部と対になる接続部の抵抗値を算出し、前記各組に対応する前記引込電流及び前記引込側電圧に基づいて、前記各組に対応する前記引込側導電部と対になる接続部の抵抗値を算出する抵抗測定方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、基板の抵抗を測定する抵抗測定装置、及び抵抗測定方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、回路基板に形成されたビアのように、回路基板の一方の面から他方の面に亘って貫通するものを測定対象とするときに、当該測定対象に測定電流を流し、当該測定対象に生じた電圧を測定することによって、その電流値と電圧値とから当該測定対象の抵抗値を測定する基板検査装置が知られている(例えば、特許文献1参照。)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2012−117991号公報
【発明の概要】
【0004】
ところで、面状に拡がる導体(以下、面状導体と称する)を内部に備えた基板において、基板表面のパッド、バンプ、配線等の導電部と面状導体とが基板の厚み方向に電気的に接続された構造の基板がある。図7図8は、このような基板の一例を示す概念的な模式図である。
【0005】
図7は、基板内層に面状の内層パターンIPを備えた基板の一例である多層基板WBを示す概念的な模式図である。図7に示す多層基板WBは、その基板面BSにパッドや配線パターン等の導電部PA,PBが形成されている。導電部PA,PBは、ビアや配線パターン等の接続部RA,RBによって内層パターンIPと電気的に接続されている。多層基板WBの例では、内層パターンIPが面状導体に相当する。
【0006】
また、基板の製造方法として、導電性の金属板を土台としてこの金属板の両面にプリント配線基板を積層形成し、形成された基板を土台の金属板から剥離することによって、二枚のプリント配線基板を形成する方法がある。このような基板の製造方法において、土台の金属板から基板を剥離する前の状態の基板(以下、中間基板と称する)は、金属板が二枚の基板に挟まれた態様を有している。
【0007】
図8は、このような中間基板Bの一例を示す概念的な模式図である。図8に示す中間基板Bは、金属板MPの一方の面に基板WB1が形成され、金属板MPの他方の面に基板WB2が形成されている。基板WB1の基板面BS1には、パッドや配線パターン等の導電部PA1,PB1,・・・,PZ1が形成されている。基板WB1の金属板MPとの接触面BS2には、パッドや配線パターン等の導電部PA2,PB2,・・・,PZ2が形成されている。金属板MPは、例えば厚さが1mm〜10mm程度の導電性を有する金属板である。
【0008】
導電部PA1〜PZ1は、ビアや配線パターン等の接続部RA〜RZによって導電部PA2〜PZ2と電気的に接続されている。導電部PA2〜PZ2は、金属板MPと密着、導通しているので、導電部PA1〜PZ1は、接続部RA〜RZによって金属板MPと電気的に接続されている。導電部PA1と接続部RAとが対になり、導電部PB1と接続部RBとが対になり、それぞれ導電部と接続部とが対になっている。基板WB2は、基板WB1と同様に構成されているのでその説明を省略する。中間基板Bの例では、金属板MPが面状導体に相当する。
【0009】
多層基板WBや中間基板B等の検査として、接続部RA〜RZの抵抗値Ra〜Rzを測定する場合がある。
【0010】
図9は、図8に示す中間基板Bの接続部RA,RBの抵抗値Ra,Rbを測定する測定方法を説明するための説明図である。接続部RA,RBの抵抗値Ra,Rbを測定するには、導電部PA1と導電部PB1との間に測定用の電流Iを流し、導電部PA1と導電部PB1との間に生じた電圧Vを測定し、抵抗値をV/Iとして算出することが考えられる。この場合、V/Iによって算出される抵抗値は、Ra+Rbとなる。
【0011】
しかしながら、二カ所の接続部の合計抵抗値ではなく、各接続部の抵抗値を個別に測定したいというニーズがある。
【0012】
本発明の目的は、面状に拡がる導電性の面状導体と、面状導体と対向する基板面と、基板面に設けられた導電部とその導電部を前記面状導体に電気的に接続する接続部との対とを有する被測定基板の各接続部の抵抗を個別に測定することができる抵抗測定装置、及び抵抗測定方法を提供することである。
【0013】
本発明の一局面に従う抵抗測定装置は、面状に拡がる導電性の面状導体と、前記面状導体と対向する基板面と、前記基板面に設けられた導電部とその導電部を前記面状導体に電気的に接続する接続部との対とを有すると共に当該対を三つ以上備える被測定基板の前記接続部の抵抗を測定するための抵抗測定装置であって、前記三つ以上の導電部のうちの一つである供給側導電部に予め設定された供給電流を供給するための電流供給部と、前記各導電部のうちの一つであって前記供給側導電部とは異なる引込側導電部から、予め設定された引込電流を引き込むための電流引込部と、前記各導電部のうちの前記供給側導電部及び前記引込側導電部とは異なる導電部である電圧測定用導電部と前記供給側導電部との間の電圧である供給側電圧を検出する供給側電圧検出部と、前記電圧測定用導電部と前記引込側導電部との間の電圧である引込側電圧を検出する引込側電圧検出部と、前記供給電流と前記供給側電圧とに基づいて前記供給側導電部と対になる接続部の抵抗値を算出し、前記引込電流と前記引込側電圧とに基づいて前記引込側導電部と対になる接続部の抵抗値を算出する抵抗算出部とを備える。
【0014】
また、本発明の一局面に従う抵抗測定方法は、面状に拡がる導電性の面状導体と、前記面状導体と対向する基板面と、前記基板面に設けられた導電部とその導電部を前記面状導体に電気的に接続する接続部との対とを有すると共に当該対を三つ以上備える被測定基板の前記接続部の抵抗を測定するための抵抗測定方法であって、前記三つ以上の導電部のうちの一つである供給側導電部に予め設定された供給電流を供給する電流供給工程と、前記各導電部のうちの一つであって前記供給側導電部とは異なる引込側導電部から、予め設定された引込電流を引き込む電流引込工程と、前記各導電部のうちの前記供給側導電部及び前記引込側導電部とは異なる導電部である電圧測定用導電部と前記供給側導電部との間の電圧である供給側電圧を検出する供給側電圧検出工程と、前記電圧測定用導電部と前記引込側導電部との間の電圧である引込側電圧を検出する引込側電圧検出工程と、前記供給電流と前記供給側電圧とに基づいて前記供給側導電部と対になる接続部の抵抗値を算出し、前記引込電流と前記引込側電圧とに基づいて前記引込側導電部と対になる接続部の抵抗値を算出する抵抗算出工程とを含む。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1】本発明の一実施形態に係る抵抗測定方法を用いる抵抗測定装置の構成を概念的に示す模式図である。
図2図1に示す測定部の電気的構成の一例を示すブロック図である。
図3図1に示す抵抗測定装置の動作の一例を示すフローチャートである。
図4図1に示す抵抗測定装置の動作の一例を示すフローチャートである
図5図1に示す抵抗測定装置の動作を説明するための説明図である。
図6図1に示す抵抗測定装置の動作を説明するための説明図である。
図7】基板内層に面状の内層パターンを備えた基板の一例である多層基板を示す概念的な模式図である。
図8】中間基板の一例を示す概念的な模式図である。
図9図8に示す中間基板の抵抗値を測定する測定方法を説明するための説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本発明に係る実施形態を図面に基づいて説明する。なお、各図において同一の符号を付した構成は、同一の構成であることを示し、その説明を省略する。図1は、本発明の一実施形態に係る抵抗測定方法を用いる抵抗測定装置1の構成を概念的に示す模式図である。図1に示す抵抗測定装置1は、測定対象となる被測定基板の抵抗を測定するための装置である。抵抗測定装置1は、測定された抵抗値に基づき被測定基板の良否を判定する基板検査装置であってもよい。
【0017】
被測定基板は、例えば中間基板や多層基板であり、半導体パッケージ用のパッケージ基板、フィルムキャリア、プリント配線基板、フレキシブル基板、セラミック多層配線基板、液晶ディスプレイやプラズマディスプレイ用の電極板、及びこれらの基板を製造する過程の中間基板であってもよい。図7に示す多層基板WB、及び図8に示す中間基板Bは、被測定基板の一例に相当している。図1では、被測定基板として中間基板Bが抵抗測定装置1に取り付けられた例を示している。導電部PA1,PB1,・・・,PZ1は、任意の個数設けられている。以下、導電部PA1,PB1,・・・,PZ1を総称して、導電部Pと称する。
【0018】
図1に示す抵抗測定装置1は、筐体112を有している。筐体112の内部空間には、基板固定装置110と、測定部121と、測定部122と、測定部移動機構125と、制御部20とが主に設けられている。基板固定装置110は、測定対象の中間基板Bを所定の位置に固定するように構成されている。
【0019】
測定部121は、基板固定装置110に固定された中間基板Bの上方に位置する。測定部122は、基板固定装置110に固定された中間基板Bの下方に位置する。測定部121,122は、中間基板Bに形成された導電部Pにプローブを接触させるための測定治具4U,4Lを備えている。
【0020】
測定治具4U,4Lには、複数のプローブPrが取り付けられている。測定治具4U,4Lは、中間基板Bの表面に形成された測定対象の導電部Pの配置と対応するように複数のプローブPrを配置、保持する。測定部移動機構125は、制御部20からの制御信号に応じて測定部121,122を筐体112内で適宜移動させ、測定治具4U,4LのプローブPrを中間基板Bの各導電部Pに接触させる。
【0021】
なお、抵抗測定装置1は、測定部121,122のうちいずれか一方のみを備えてもよい。そして、抵抗測定装置1は、被測定基板を表裏反転させて、いずれか一方の測定部によって、その両面の測定を順次行うようにしてもよい。
【0022】
制御部20は、例えば、所定の演算処理を実行するCPU(Central Processing Unit)と、データを一時的に記憶するRAM(Random Access Memory)と、所定の制御プログラムを記憶するROM(Read Only Memory)やHDD(Hard Disk Drive)等の記憶部と、これらの周辺回路等とを備えて構成されている。そして、制御部20は、例えば記憶部に記憶された制御プログラムを実行することにより、導電部選択部21及び抵抗算出部22として機能する。
【0023】
図2は、図1に示す測定部121の電気的構成の一例を示すブロック図である。なお、測定部122は、測定部121と同様に構成されているのでその説明を省略する。図2に示す測定部121は、複数の測定ブロックM1〜Mn(nは自然数)、スキャナ部31、及び複数のプローブPrを備えている。測定ブロックM1〜Mnは、組の一例に相当している。測定ブロックM1〜Mnは、それぞれ、電流供給部CS、電流引込部CM、供給側電圧検出部VM1、及び引込側電圧検出部VM2を備えている。
【0024】
スキャナ部31は、例えばトランジスタやリレースイッチ等のスイッチング素子を用いて構成された切り替え回路である。スキャナ部31は、中間基板Bに抵抗測定用の電流Iを供給するための電流端子+F,−Fと、電流Iによって中間基板Bの導電部P間に生じた電圧を検出するための電圧検出端子+S1,−S1,+S2,−S2とをn組、回路グラウンドに接続される接地端子Gを任意の個数備えている。また、スキャナ部31には、複数のプローブPrが電気的に接続されている。スキャナ部31は、制御部20からの制御信号に応じて、電流端子+F,−F、電圧検出端子+S1,−S1,+S2,−S2、及び接地端子Gと、複数のプローブPrとの間の接続関係を切り替える。
【0025】
電流供給部CSは、その出力端子の一端が回路グラウンドに接続され、他端が電流端子+Fに接続されている。電流供給部CSは、制御部20からの制御信号に応じて、予め設定された供給電流Ioを電流端子+Fへ供給する定電流回路である。
【0026】
電流引込部CMは、その一端が電流端子−Fに接続され、他端が回路グラウンドに接続されている。電流引込部CMは、制御部20からの制御信号に応じて、予め設定された引込電流Iiを電流端子−Fから回路グラウンドへ引き込む定電流回路である。
【0027】
各導電部Pの表面には、酸化により酸化膜が生じている場合がある。導電部Pの表面に酸化膜が生じると、プローブPrとの接触抵抗が増大するため抵抗測定の精度が低下する。このような酸化膜は、所定の酸化膜除去電流値以上の電流を流すことによって除去できる。酸化膜除去電流値は、例えば20mAである。プローブPrには、そのプローブを損傷させることなく流すことのできる電流値の上限値として定格電流値が定められている。プローブPrの定格電流値は、例えば40mAに満たない電流値であり、例えば30mAである。
【0028】
引込電流Ii及び供給電流Ioは、例えば20mA以上、かつ30mA以下に設定されている。これにより、プローブPrを損傷させることなく、かつ導電部Pの表面の酸化膜を除去して抵抗測定の精度を向上させるようになっている。
【0029】
測定ブロックM1〜Mnの各電流供給部CSから供給される供給電流Ioの合計と、測定ブロックM1〜Mnの各電流引込部CMによって引き込まれる引込電流Iiの合計とは、略等しいことが好ましい。各供給電流Ioの合計と各引込電流Iiの合計とが略等しければ、n個の電流供給部CSから中間基板Bへ供給された電流の略すべてがn個の電流引込部CMによって中間基板Bから引き出されるので、中間基板Bから外部に漏れ電流が流れることが抑制される。
【0030】
また、各供給電流Ioと各引込電流Iiとが、互いに略等しいことがより好ましい。各供給電流Ioと各引込電流Iiとが互いに略等しいと、中間基板Bの各部で接続部相互間に流れる電流が均等化される結果、金属板MPの電位が安定化される。その結果、抵抗測定精度が向上する。
【0031】
供給側電圧検出部VM1は、その一端が電圧検出端子+S1に接続され、他端が電圧検出端子−S1に接続されている。供給側電圧検出部VM1は、電圧検出端子+S1,−S1間の電圧を測定し、その電圧値を供給側電圧V1として制御部20へ送信する電圧検出回路である。
【0032】
引込側電圧検出部VM2は、その一端が電圧検出端子+S2に接続され、他端が電圧検出端子−S2に接続されている。引込側電圧検出部VM2は、電圧検出端子+S2,−S2間の電圧を測定し、その電圧値を引込側電圧V2として制御部20へ送信する電圧検出回路である。
【0033】
スキャナ部31は、制御部20からの制御信号に応じて、接地端子Gと、測定ブロックM1〜Mnの電流端子+F,−F及び電圧検出端子+S1,−S1,+S2,−S2とを、任意のプローブPrに導通接続可能にされている。これにより、スキャナ部31は、制御部20からの制御信号に応じて、プローブPrが接触している任意の導体部間に電流を流し、任意の導体部間に生じた電圧を供給側電圧検出部VM1及び引込側電圧検出部VM2によって測定させ、任意の導体部を回路グラウンドに接続することが可能にされている。スキャナ部31は、接地部の一例に相当している。
【0034】
導電部選択部21は、プローブPrが接触している導電部Pのうちから、測定ブロックM1〜Mnに対応するn個の供給側導電部と、n個の引込側導電部と、n個(又は2n個)の電圧測定用導電部と、任意の個数の接地用導電部とを選択する。供給側導電部及び引込側導電部として選択された導電部Pと対になる接続部の抵抗値が抵抗算出部22によって算出される。そこで、導電部選択部21は、まだ抵抗値が算出されていない接続部と対になる新たな導電部Pを供給側導電部及び引込側導電部として順次、選択することによって、最終的に抵抗値を測定しようとしている全ての接続部の抵抗値を測定するようになっている。
【0035】
導電部選択部21は、スキャナ部31によって、供給側導電部に接触しているプローブPrと電流供給部CS(電流端子+F)とを接続させ、引込側導電部に接触しているプローブPrと電流引込部CM(電流端子−F)とを接続させ、供給側導電部に接触しているプローブPrと供給側電圧検出部VM1の一端(電圧検出端子+S1)とを接続させ、電圧測定用導電部に接触しているプローブPrと供給側電圧検出部VM1の他端(電圧検出端子−S1)とを接続させ、電圧測定用導電部に接触しているプローブPrと引込側電圧検出部VM2の一端(電圧検出端子+S2)とを接続させ、引込側導電部に接触しているプローブPrと引込側電圧検出部VM2の他端(電圧検出端子−S2)とを接続させる。
【0036】
これによって、導電部選択部21は、電流供給部CS及び電流引込部CMによって供給側導電部と引込側導電部との間に金属板MPを介して電流を流させ、供給側電圧検出部VM1によって供給側導電部と電圧測定用導電部との間の供給側電圧V1を検出させ、引込側電圧検出部VM2によって引込側導電部と電圧測定用導電部との間の引込側電圧V2を検出させる。
【0037】
抵抗算出部22は、測定ブロックM1〜Mnに対応し、各測定ブロックの供給電流Ioと供給側電圧V1とに基づいて、各測定ブロックの供給側導電部と対になる接続部の抵抗値を算出する。また、抵抗算出部22は、測定ブロックM1〜Mnに対応し、各測定ブロックの引込電流Iiと引込側電圧V2とに基づいて、各測定ブロックの引込側導電部と対になる接続部の抵抗値を算出する。
【0038】
次に、上述の抵抗測定装置1の動作について説明する。被測定基板が中間基板Bである場合を例に、測定部121を用いて基板WB1の抵抗測定を行う抵抗測定方法について説明する。測定部122を用いて基板WB2の抵抗測定を行う場合は、測定部121を用いて基板WB1の抵抗測定を行う場合と同様であるのでその説明を省略する。
【0039】
図3図4は、本発明の一実施形態に係る抵抗測定方法を用いる抵抗測定装置1の動作の一例を示すフローチャートである。図5図6は、図1に示す抵抗測定装置1の動作を説明するための説明図である。図5図6に示す説明図は、中間基板Bの測定を行う場合について例示している。図5図6では、説明を簡単にするためスキャナ部31の記載を省略している。
【0040】
まず、制御部20は、測定部移動機構125によって測定部121を移動させ、基板固定装置110に固定された中間基板Bに測定治具4UのプローブPrを接触させる(ステップS1)。図5図6に示す例では、いわゆる四端子測定法によって抵抗測定する場合を例示しており、各導電部Pに、プローブPrが二つずつ接触する。
【0041】
なお、抵抗測定装置1は、四端子測定法によって抵抗測定を行う例に限られず、各導電部にプローブPrを一つずつ接触させ、一つのプローブPrで電流供給と電圧測定とを兼用する構成としてもよい。
【0042】
次に、導電部選択部21は、プローブPrが接触している導電部Pのうちから、接地用導電部を選択し、さらに測定ブロックM1〜Mnに対応するn個の供給側導電部と、n個の引込側導電部と、n個の電圧測定用導電部とを選択する(ステップS2:導電部選択工程)。
【0043】
一つの測定ブロックに対応して二箇所の接続部の抵抗値を測定できるので、測定対象の接続部の数が2n個に満たない場合は、測定対象の接続部の数に応じて供給側導電部、引込側導電部、及び電圧測定用導電部を選択すればよい。接地用導電部は、少なくとも一つ選択すればよく、複数選択してもよい。
【0044】
導電部選択部21は、スキャナ部31によって、選択された供給側導電部、引込側導電部、及び電圧測定用導電部を、測定ブロックM1〜Mnの電流供給部CS、電流引込部CM、供給側電圧検出部VM1、及び引込側電圧検出部VM2に接続させ、接地用導電部と回路グラウンドとを接続させる。
【0045】
図5は、選択された供給側導電部、引込側導電部、電圧測定用導電部、及び接地用導電部と、電流供給部CS、電流引込部CM、供給側電圧検出部VM1、引込側電圧検出部VM2、及び回路グラウンドとの接続関係の一例を示す説明図である。
【0046】
図5に示す例では、測定ブロックM1に対応し、供給側導電部として導電部PA1が選択され、引込側導電部として導電部PC1が選択され、電圧測定用導電部として導電部PB1が選択されている。測定ブロックM2に対応し、供給側導電部として導電部PD1が選択され、引込側導電部として導電部PF1が選択され、電圧測定用導電部として導電部PE1が選択されている。以下、他の導電部Pについても、適宜供給側導電部、引込側導電部、電圧測定用導電部、及び接地用導電部が選択されている。接地用導電部としては、導電部PZ1が選択されている。
【0047】
次に、制御部20は、測定ブロックM1〜Mnの電流供給部CSから、各供給側導電部へ供給電流Ioを供給させる(ステップS3:電流供給工程)。電流供給工程においては、例えば電流供給部CSと直列に電流計を接続し、実際に電流供給部CSから供給側導電部へ供給された電流を供給電流Ioとして測定し、この電流計によって測定された供給電流Ioを後述するステップS7の抵抗算出工程で用いてもよい。
【0048】
次に、制御部20は、測定ブロックM1〜Mnの電流引込部CMによって、各引込側導電部から引込電流Iiを引き込ませる(ステップS4:電流引込工程)。電流引込工程においては、例えば電流引込部CMと直列に電流計を接続し、実際に電流引込部CMによって引込側導電部から引き込まれた電流を引込電流Iiとして測定し、この電流計によって測定された引込電流Iiを後述するステップS7の抵抗算出工程で用いてもよい。
【0049】
次に、測定ブロックM1〜Mnにおいて、供給側電圧検出部VM1によって、供給側導電部と電圧測定用導電部との間の供給側電圧V1が検出される(ステップS5:供給側電圧検出工程)。
【0050】
この場合、図5に破線で示した電流経路から明らかなように、測定ブロックM1〜Mnと対応する電圧測定用導電部である導電部PB1,PE1,・・・,PW1と対になる接続部RB,RE,・・・,RWには電流が流れず、従ってこの箇所では電圧が生じない。その結果、各供給側電圧検出部VM1によって測定された各供給側電圧V1には、接続部RB,RE,・・・,RWで生じた電圧が含まれない。従って、各供給側電圧V1は、測定ブロックM1〜Mnと対応する供給側導電部PA1,PD1,・・・,PV1と対になる接続部RA,RD,・・・,RVに供給電流Ioが流れることによって生じた電圧に略等しい。
【0051】
次に、測定ブロックM1〜Mnにおいて、引込側電圧検出部VM2によって、引込側導電部と電圧測定用導電部との間の引込側電圧V2が検出される(ステップS6:引込側電圧検出工程)。
【0052】
この場合、図5に破線で示した電流経路から明らかなように、測定ブロックM1〜Mnと対応する電圧測定用導電部である導電部PB1,PE1,・・・,PW1と対になる接続部RB,RE,・・・,RWには電流が流れず、従ってこの箇所では電圧が生じない。その結果、各引込側電圧検出部VM2によって測定された各引込側電圧V2には、接続部RB,RE,・・・,RWで生じた電圧が含まれない。従って、各引込側電圧V2は、測定ブロックM1〜Mnと対応する引込側導電部PC1,PF1,・・・,PX1と対になる接続部RC,RF,・・・,RXに引込電流Iiが流れることによって生じた電圧に略等しい。
【0053】
次に、測定ブロックM1〜Mnに対応して検出された供給側電圧V1及び引込側電圧V2と、引込電流Ii及び供給電流Ioとに基づき、抵抗算出部22によって、下記の式(1)、(2)に基づき、測定ブロックM1〜Mnに対応する供給側導電部と対になる接続部の抵抗値Roと、引込側導電部と対になる接続部の抵抗値Riとが算出される(ステップS7:抵抗算出工程)。
供給側導電部と対になる接続部の抵抗値Ro=V1/Io ・・・(1)
引込側導電部と対になる接続部の抵抗値Ri=V2/Ii ・・・(2)
【0054】
図5に示す例では、接続部RA,RD,・・・,RVの抵抗値Ra,Rd,・・・,Rvが抵抗値Roとして算出され、接続部RC,RF,・・・,RXの抵抗値Rc,Rf,・・・,Rxが抵抗値Riとして算出される。
【0055】
これにより、接続部RA,RC,RD,RF,・・・,RV,RXの抵抗値Ra,Rc,Rd,Rf,・・・,Rv,Rxを、個別に測定することができる。この場合、各測定ブロックM1〜Mnで、それぞれ二箇所ずつ電圧検出を行うことができる。従って、測定ブロックの数nの二倍の接続部について、抵抗測定のための電圧検出を並行して行うことができるので、抵抗測定時間を短縮することができる。
【0056】
また、供給電流Io及び引込電流Iiは、酸化膜除去電流値以上、プローブPrの定格電流値以下の電流値とされているので、プローブPrを損傷させることなく、かつ各導電部P表面の酸化膜を除去することができる。その結果、各接続部の抵抗測定精度を向上することができる。
【0057】
図5において、もし仮に、電流引込部CMが設けられておらず、引込側導電部PC1,PF1,・・・,PX1が直接回路グラウンドに接続されていた場合には、測定ブロックM1〜Mnの電流供給部CSは金属板MPに対して並列接続され、引込側導電部PC1,PF1,・・・,PX1もまた金属板MPに対して並列接続される。
【0058】
従って、測定ブロックM1〜Mnの電流供給部CSから供給された電流は、各電流供給部CSから引込側導電部PC1,PF1,・・・,PX1を介して回路グラウンドに至る電流経路の抵抗値に応じて分配され、引込側導電部PC1,PF1,・・・,PX1に流れる電流にバラツキが生じる。
【0059】
その結果、引込側導電部PC1,PF1,・・・,PX1に流れる電流が、プローブPrの定格電流値を超えたり、酸化膜除去電流値に満たなかったりするおそれがある。流れる電流が定格電流値を超えた引込側導電部に接触するプローブPrは損傷し、流れる電流が酸化膜除去電流値に満たない引込側導電部では酸化膜が除去されないためにその引込側導電部と対になる接続部の抵抗値の算出精度は低下してしまう。
【0060】
一方、抵抗測定装置1によれば、引込側導電部PC1,PF1,・・・,PX1に流れる電流は、各電流供給部CSによって、酸化膜除去電流値以上、プローブPrの定格電流値以下とされるので、プローブPrを損傷させることなく各接続部の抵抗測定精度を向上することができる。
【0061】
また、もし仮に、接地用導電部PZ1が回路グラウンドに接続されていなかった場合、金属板MPは、電流供給部CS又は電流引込部CMの内部インピーダンスを介して回路グラウンドに接続されることとなり、金属板MPの電位が不安定になる。金属板MPの電位が不安定になると、供給側電圧検出部VM1及び引込側電圧検出部VM2による電圧測定が不安定になり、供給側電圧V1及び引込側電圧V2の測定精度が低下する結果、各接続部の抵抗値の算出精度が低下するおそれがある。
【0062】
一方、抵抗測定装置1によれば、接地用導電部PZ1がスキャナ部31(接地部)によって回路グラウンドに接続され、低抵抗の接続部RZを介して金属板MPが回路グラウンドに接続されるので、金属板MPの電位が安定化される。その結果、供給側電圧V1及び引込側電圧V2の測定精度が向上し、各接続部の抵抗値の算出精度が向上する。
【0063】
次に、導電部選択部21は、測定対象のすべての接続部RA〜RZの抵抗値が算出済みであるか否かを確認する(ステップS11)。そして、測定対象のすべての接続部RA〜RZの抵抗値が算出済みであれば(ステップS11でYES)、導電部選択部21は、処理を終了する。
【0064】
一方、まだ抵抗値が算出されていない接続部が残っていれば(ステップS11でNO)、導電部選択部21は、プローブPrが接触し、かつ抵抗値が算出されていない接続部と対になる導電部のうちから測定ブロックM1〜Mnに対応するn個の供給側導電部と、n個の引込側導電部とを新たに選択し、さらに新たに選択された導電部以外の導電部のうちから接地用導電部と測定ブロックM1〜Mnに対応するn個の電圧測定用導電部とを新たに選択する(ステップS12)。
【0065】
そして、導電部選択部21は、スキャナ部31によって、新たに選択された供給側導電部、引込側導電部、及び電圧測定用導電部を、測定ブロックM1〜Mnの電流供給部CS、電流引込部CM、供給側電圧検出部VM1、及び引込側電圧検出部VM2に接続させ、新たに選択された接地用導電部を回路グラウンドに接続させ、再びステップS3以降の処理を繰り返す。
【0066】
図6は、新たに選択された供給側導電部、引込側導電部、電圧測定用導電部、及び接地用導電部と、電流供給部CS、電流引込部CM、供給側電圧検出部VM1、引込側電圧検出部VM2、及び回路グラウンドとの接続関係の一例を示す説明図である。
【0067】
図6に示す例では、測定ブロックM1に対応し、供給側導電部として導電部PB1が選択され、引込側導電部として導電部PE1が選択され、電圧測定用導電部として導電部PC1と導電部PD1とが選択されている。このように、複数の導電部が電圧測定用導電部とされてもよい。
【0068】
また、測定ブロックMnに対応し、供給側導電部として導電部PW1が選択され、引込側導電部として導電部PZ1が選択され、電圧測定用導電部として導電部PX1が選択されている。以下、他の導電部Pについても、適宜供給側導電部、引込側導電部、電圧測定用導電部、及び接地用導電部が選択されている。接地用導電部としては、導電部PA1が選択されている。
【0069】
図6に示す例では、ステップS2では電圧測定用導電部又は接地用導電部とされ、抵抗測定されていなかった導電部PB1,PE1,PW1,PZ1が供給側導電部又は引込側導電部とされ、導電部PB1,PE1,PW1,PZ1と対の接続部の抵抗値が測定されるようにされている。
【0070】
以下、ステップS3〜S11の処理が、新たに選択された供給側導電部、引込側導電部、及び電圧測定用導電部に基づいて繰り返され、最終的に測定対象の全ての接続部の抵抗値が測定される。
【0071】
以上、ステップS1〜S12の処理によれば、面状に拡がる導電性の中間基板Bなどの面状導体と、面状導体と対向する基板面BS1と、基板面BS1に設けられた導電部PA1〜PZ1とその導電部PA1〜PZ1を面状導体に電気的に接続する接続部RA〜RZとの対とを有する中間基板Bなどの被測定基板の接続部RA〜RZの抵抗値Ra〜Rzを個別に測定することができる。
【0072】
なお、測定ブロックの数は、一つであってもよい。測定ブロックの数は、一つであっても、その測定ブロックに対応する二箇所の接続部の抵抗を個別に測定することができる。また、接地用導電部を設けなくてもよく、スキャナ部31は接地用導電部を回路グラウンドに接続しなくてもよい。
【0073】
また、複数のプローブPrが、被検査基板の導電部の配置と対応するように配置されている例を示したが、移動式の、いわゆるフライングプローブによって、電流供給部CS、電流引込部CM、供給側電圧検出部VM1、引込側電圧検出部VM2、及び回路グラウンドが導電部と電気的に接続される構成としてもよい。
【0074】
本発明の一局面に従う抵抗測定装置は、面状に拡がる導電性の面状導体と、前記面状導体と対向する基板面と、前記基板面に設けられた導電部とその導電部を前記面状導体に電気的に接続する接続部との対とを有すると共に当該対を三つ以上備える被測定基板の前記接続部の抵抗を測定するための抵抗測定装置であって、前記三つ以上の導電部のうちの一つである供給側導電部に予め設定された供給電流を供給するための電流供給部と、前記各導電部のうちの一つであって前記供給側導電部とは異なる引込側導電部から、予め設定された引込電流を引き込むための電流引込部と、前記各導電部のうちの前記供給側導電部及び前記引込側導電部とは異なる導電部である電圧測定用導電部と前記供給側導電部との間の電圧である供給側電圧を検出する供給側電圧検出部と、前記電圧測定用導電部と前記引込側導電部との間の電圧である引込側電圧を検出する引込側電圧検出部と、前記供給電流と前記供給側電圧とに基づいて前記供給側導電部と対になる接続部の抵抗値を算出し、前記引込電流と前記引込側電圧とに基づいて前記引込側導電部と対になる接続部の抵抗値を算出する抵抗算出部とを備える。
【0075】
この構成によれば、電流供給部によって供給側導電部へ供給電流が供給され、電流引込部によって引込側導電部から引込電流が引き込まれる結果、供給側導電部、供給側導電部と対になる接続部、面状導体、引込側導電部と対になる接続部、及び引込側導電部に電流が流れる。しかしながら、電圧測定用導電部と対になる接続部には電流が流れず、従ってこの接続部では電圧が生じないから、電圧測定用導電部と供給側導電部との間の電圧である供給側電圧には、供給側導電部と対になる接続部で生じた電圧が含まれ、その他の接続部で生じた電圧は含まれない。その結果、抵抗算出部が供給電流と供給側電圧とに基づいて算出した抵抗値は、供給側導電部と対になる接続部の抵抗値と略等しくなる。同様に、電圧測定用導電部と引込側導電部との間の電圧である引込側電圧には、引込側導電部と対になる接続部で生じた電圧が含まれ、その他の接続部で生じた電圧は含まれない。その結果、抵抗算出部が引込電流と引込側電圧とに基づいて算出した抵抗値は、引込側導電部と対になる接続部の抵抗値と略等しくなる。これにより、供給側導電部と対になる接続部の抵抗値と、引込側導電部と対になる接続部の抵抗値とを、個別に測定することができる。
【0076】
また、前記電流供給部、前記電流引込部、前記供給側電圧検出部、及び前記引込側電圧検出部を含む組を複数組備え、前記組のそれぞれに対応して、前記供給側導電部、前記引込側導電部、及び前記電圧測定用導電部が設定され、前記抵抗算出部は、前記各組に対応して検出された前記供給電流及び前記供給側電圧に基づいて、前記各組に対応する前記供給側導電部と対になる接続部の抵抗値を算出し、前記各組に対応して検出された前記引込電流及び前記引込側電圧に基づいて、前記各組に対応する前記引込側導電部と対になる接続部の抵抗値を算出することが好ましい。
【0077】
この構成によれば、各組毎の供給側導電部と対になる接続部の抵抗値測定と引込側導電部と対になる接続部の抵抗値測定とを並行して実行することが可能となるので、抵抗測定時間を短縮することが可能となる。
【0078】
また、前記各組に対応する前記供給電流の合計と、前記各組に対応する引込電流の合計とが略等しいことが好ましい。
【0079】
この構成によれば、各組の電流供給部から被測定基板へ供給された電流の略すべてが各組の電流引込部によって被測定基板から引き出されるので、被測定基板から外部に漏れ電流が流れることが抑制される。
【0080】
また、前記供給電流と前記引込電流とは、互いに略等しいことが好ましい。
【0081】
この構成によれば、被測定基板の各部で接続部相互間に流れる電流が均等化される結果、面状導体の電位が安定化される。その結果、抵抗測定精度が向上する。
【0082】
また、前記電流供給部による電流供給、前記電流引込部による電流引き込み、前記供給側電圧検出部による電圧検出、及び前記引込側電圧検出部による電圧検出を行うために前記各導電部に接触させるためのプローブを備え、前記供給電流及び前記引込電流は、前記各導電部の表面に生じる酸化膜を除去するための酸化膜除去電流値以上、かつ前記プローブの定格電流値以下に設定されていることが好ましい。
【0083】
この構成によれば、各プローブには、酸化膜を除去するための酸化膜除去電流値以上であって、かつプローブの定格電流値以下の電流が流れるので、プローブを損傷させることなく、かつ導電部の表面の酸化膜を除去して抵抗測定の精度を向上させることができる。
【0084】
また、前記各導電部のうち、前記供給側導電部、前記引込側導電部、及び前記電圧測定用導電部とは異なる接地用導電部を、回路グラウンドに接続する接地部をさらに備えることが好ましい。
【0085】
この構成によれば、接地用導電部が接地部によって回路グラウンドに接続され、面状導体が接続部を介して回路グラウンドに接続されるので、面状導体の電位が安定化される。その結果、供給側電圧及び引込側電圧の測定精度が向上し、各接続部の抵抗値の算出精度が向上する。
【0086】
また、本発明の一局面に従う抵抗測定方法は、面状に拡がる導電性の面状導体と、前記面状導体と対向する基板面と、前記基板面に設けられた導電部とその導電部を前記面状導体に電気的に接続する接続部との対とを有すると共に当該対を三つ以上備える被測定基板の前記接続部の抵抗を測定するための抵抗測定方法であって、前記三つ以上の導電部のうちの一つである供給側導電部に予め設定された供給電流を供給する電流供給工程と、前記各導電部のうちの一つであって前記供給側導電部とは異なる引込側導電部から、予め設定された引込電流を引き込む電流引込工程と、前記各導電部のうちの前記供給側導電部及び前記引込側導電部とは異なる導電部である電圧測定用導電部と前記供給側導電部との間の電圧である供給側電圧を検出する供給側電圧検出工程と、前記電圧測定用導電部と前記引込側導電部との間の電圧である引込側電圧を検出する引込側電圧検出工程と、前記供給電流と前記供給側電圧とに基づいて前記供給側導電部と対になる接続部の抵抗値を算出し、前記引込電流と前記引込側電圧とに基づいて前記引込側導電部と対になる接続部の抵抗値を算出する抵抗算出工程とを含む。
【0087】
この構成によれば、電流供給工程において供給側導電部へ供給電流が供給され、電流引込工程において引込側導電部から引込電流が引き込まれる結果、供給側導電部、供給側導電部と対になる接続部、面状導体、引込側導電部と対になる接続部、及び引込側導電部に電流が流れる。しかしながら、電圧測定用導電部と対になる接続部には電流が流れず、従ってこの接続部には電圧が生じないから、電圧測定用導電部と供給側導電部との間の電圧である供給側電圧には、供給側導電部と対になる接続部で生じた電圧が含まれ、その他の接続部で生じた電圧は含まれない。その結果、抵抗算出工程で供給電流と供給側電圧とに基づいて算出された抵抗値は、供給側導電部と対になる接続部の抵抗値と略等しくなる。同様に、電圧測定用導電部と引込側導電部との間の電圧である引込側電圧には、引込側導電部と対になる接続部で生じた電圧が含まれ、その他の接続部で生じた電圧は含まれない。その結果、抵抗算出工程で引込電流と引込側電圧とに基づいて算出された抵抗値は、引込側導電部と対になる接続部の抵抗値と略等しくなる。これにより、供給側導電部と対になる接続部の抵抗値と、引込側導電部と対になる接続部の抵抗値とを、個別に測定することができる。
【0088】
このような構成の抵抗測定装置及び抵抗測定方法は、面状に拡がる導電性の面状導体と、面状導体と対向する基板面と、基板面に設けられた導電部とその導電部を面状導体に電気的に接続する接続部との対とを有する被測定基板の接続部の抵抗を個別に測定することができる。
【0089】
この出願は、2016年12月1日に出願された日本国特許出願特願2016−233892を基礎とするものであり、その内容は、本願に含まれるものである。なお、発明を実施するための形態の項においてなされた具体的な実施態様又は実施例は、あくまでも、本発明の技術内容を明らかにするものであって、本発明は、そのような具体例にのみ限定して狭義に解釈されるべきものではない。
【符号の説明】
【0090】
1 抵抗測定装置
4U,4L 測定治具
20 制御部
21 導電部選択部
22 抵抗算出部
31 スキャナ部
110 基板固定装置
112 筐体
121,122 測定部
125 測定部移動機構
B 中間基板(被測定基板)
BS,BS1 基板面
BS2 接触面
CM 電流引込部
CS 電流供給部
G 接地端子
Ii 引込電流
Io 供給電流
IP 内層パターン(面状導体)
M1〜Mn 測定ブロック(組)
MP 金属板(面状導体)
P,PA1〜PZ1 導電部
Pr プローブ
RA〜RZ 接続部
Ra〜Rz 抵抗値
V1 供給側電圧
V2 引込側電圧
VM1 供給側電圧検出部
VM2 引込側電圧検出部
WB 多層基板(被測定基板)
WB1,WB2 基板
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9