(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記非イオン性ポリマー(A)がポリプロピレンオキシド(PPO)、ポリプロピレングリコール、ポリエチレンオキシド(PEO)、およびポリエチレングリコール(PEG)からなる群から選択されることを特徴とする請求項1または2に記載の組成物。
前記ポリマー(B)が、質量平均分子量(Mw)が10,000g/molまでのアクリル酸−マレイン酸コポリマーである、請求項1から3のいずれか一項に記載の組成物。
半導体基板の表面を請求項1から12のいずれか一項に記載の組成物に少なくとも1回接触させることによって、前記半導体基板の表面から残留物および汚染物質を除去する工程を含み、前記表面がコバルトまたはコバルト合金を含む表面である、半導体基板から半導体デバイスを製造する方法。
【背景技術】
【0002】
電子材料およびデバイスの製作、特に半導体集積回路(IC)、液晶パネル、有機エレクトロルミネセンスパネル、プリント回路基板、マイクロマシン、DNAチップ、マイクロプラントおよび磁気ヘッド、好ましくはLSI(大規模集積)またはVLSI(超大規模集積)を有するIC、ならびに光学デバイス、特にフォトマスク、レンズおよびプリズムなどの光学ガラス、酸化インジウムスズ(ITO)などの無機導電性フィルム、光集積回路、光スイッチング素子、光導波路、光ファイバの端面およびシンチレータなどの光学単結晶、固体レーザー単結晶、青色レーザーLEDのサファイア基板、半導体単結晶、および磁気ディスクのガラス基板の製作には、高純度洗浄組成物を使用する、とりわけ表面前処理、めっき前洗浄、エッチング後洗浄および/または化学機械研磨後の洗浄の各工程を伴う高精度な方法が求められる。
【0003】
LSIまたはVLSIを有するICの製作では、特別な注意が払われなければならない。この目的のために使用される半導体ウエーハは、シリコンなどの半導体基板を含み、その各領域は電気的な絶縁、伝導、または半導特性を有する異なる材料の堆積のためにパターニングされる。
【0004】
正確なパターニングを得るために、基板上に様々な層を製造するのに使用された過剰な材料は除去されなければならない。さらに、機能的かつ信頼できるICを製作するために、平坦なまたは平面状の半導体ウエーハ表面を有することが重要である。従って、ICの製作の間、次のプロセス工程を実行する前に半導体ウエーハの特定の表面を除去および/または研磨することが必要である。
【0005】
半導体産業では、化学機械研磨(CMPと略す)は電子材料およびデバイスを製作するための半導体ウエーハの処理に適用される周知の技術である。
【0006】
半導体産業で使用される材料およびデバイスの製作の間、金属および/または酸化物の表面を平面化するためにCMPが用いられる。CMPは研磨する表面の平面性を達成するために化学的および機械的作用の相互作用を利用する。CMPプロセス自体は典型的には、制御された圧力および温度下でCMPスラリーの存在下に半導体デバイスの薄く平坦な(例えばパターニングされた)基板を湿潤した研磨パッドに対して保持し、回転させることを伴う。CMPスラリーは、研磨材、および特定のCMPプロセスおよび要求事項に適切な様々な化学添加剤を含有する。CMPプロセスの終わりでは、CMPスラリー由来の粒子、添加化学物質、および反応副生成物を含む汚染物質および残留物が研磨された基板表面に残留する。CMP処理後に基板の上に残るこれらの汚染物質および残留物は、ベンゾトリアゾール(BTA)などの腐食抑制剤も含み得るが、これらは、例えばCMPの間に金属イオン濃度が金属−抑制剤錯体の最大溶解度を超えた場合、溶液から沈殿し、凝集することにより、凝集した腐食抑制剤の表面残留物が形成される可能性がある。
【0007】
ウエーハ処理および製作の最近の改善は、特に金属および合金などの新規の材料のマイクロエレクトロニクスデバイスの製作における使用をもたらした。例えば、集積回路中の従来のバリア層材料は、集積回路の層の厚さおよびサイズを低減するためにコバルト(Co)およびコバルト合金に置き換えられた。別のアプローチは、集積回路における新規のプラグ材料としてのコバルトの使用である。コバルト含有物またはコバルト合金のこれらの新規の層およびプラグが導入されるので、産業界ではCMP後の残留物および汚染物質(前述の沈殿した腐食抑制剤を含む)を、該新規のコバルト層材料に有害な影響を与えずに、除去することが可能なCMP後除去組成物に対する需要がある。
【0008】
マイクロエレクトロニクスデバイス製造の間のデバイスの信頼性低下およびデバイスへの欠陥の導入を避けるために、マイクロエレクトロニクスデバイスの製作プロセス中の任意のさらなる工程の前にすべての残留物および汚染物質を除去することが重要である。
【0009】
現状技術では、(CMP後)洗浄組成物は公知であり、例えば以下の参考文献に記載されている。
【0010】
US7,851,426B1は、ポリカルボン酸、分子中に芳香環構造を有するアニオン性界面活性剤、側鎖上に酸性基を有するポリマー化合物、およびポリエチレングリコールを含む、半導体デバイスのCMP後の洗浄工程で使用される洗浄液であって、5以下のpHを有する洗浄液を開示している。
【0011】
US2009/0056744A1は、研磨プロセスから生じる有機堆積物を半導体ウエーハから洗浄して除去する方法であって、半導体ウエーハの疎水性表面を実質的にアンモニアを含有せず、酸化剤および少なくとも1種のポリカルボキシレート界面活性剤を含む洗浄溶液に曝すことを含む方法を開示している
【0012】
WO2013/123317A1は、残留物および汚染物質を表面から洗浄して除去するための組成物であって、少なくとも1種の酸化剤、少なくとも1種の錯化剤、少なくとも1種の塩基性化合物、少なくとも1種の緩衝剤、および水を含む組成物を開示している。
【0013】
JP2009−069505Aは、水酸化ナトリウムなどの塩基性物質、塩化カルシウムなどのアルカリ土類金属塩、ポリアクリル酸、および水を含む成分の組み合わせを含むアルミニウム含有基板の洗浄のための洗浄溶液を開示している。
【発明を実施するための形態】
【0022】
本発明による組成物は、pHが7.5から10の範囲内、好ましくは7.5から9.5の範囲内、より好ましくは7.5から9.0の範囲内、より好ましくは8.0から9.5の範囲内、より好ましくは8.0から9.0の範囲内である組成物が好ましい。
【0023】
本発明の組成物のpHが洗浄性能に重要な特徴であることが明らかになっており、上記に明記したpH範囲でコバルトまたはコバルト合金を含有するまたはそれらからなる基板の特に良好な洗浄結果が達成されることを認めることができる。
【0024】
本発明による組成物は、前述の非イオン性ポリマー(A)がポリプロピレンオキシド(PPO)、ポリプロピレングリコール、ポリエチレンオキシド(PEO)、およびポリエチレングリコール(PEG)からなる群から選択され、好ましくは前述の非イオン性ポリマー(A)がポリエチレングリコール(PEG)である組成物が好ましい。
【0025】
本発明による組成物は、前述の非イオン性ポリマー(A)が400から8,000g/molの範囲内、好ましくは600から4,000g/molの範囲内、より好ましくは600から2,000g/molの範囲内、より好ましくは600から1,500g/molの範囲内の質量平均分子量(Mw)を有する組成物が好ましい。式(I)の整数nの値は非イオン性ポリマー(A)の質量平均分子量(Mw)に対応する。
【0026】
本発明による組成物は、前述の非イオン性ポリマー(A)が400から8,000g/molの範囲内、好ましくは600から4,000g/molの範囲内、より好ましくは600から2,000g/molの範囲内、より好ましくは600から1,500g/molの範囲内の質量平均分子量(Mw)を有するポリエチレングリコール(PEG)である組成物が好ましい。
【0027】
本発明による組成物は、前述の(成分(A)として使用される)ポリエチレングリコール(PEG)が以下の特性:
− 99℃で30mPas未満、好ましくは28.5mPas未満の動的粘度(DIN EN 12092に従って、好ましくはDIN EN 12092:2002−02に従って測定)
および/または
− PEGが水中に溶解または分散した7.0のpHの5wt%の水溶液または分散体
のうち1つまたは複数、好ましくはすべてを有することが好ましい。
【0028】
好ましいポリエチレングリコール(PEG)の上記に列挙した特性は、組成物中に使用する前に個別の成分としてポリマーが示す特徴である。
【0029】
本発明による組成物は、前述のアニオン性ポリマー(B)が10,000g/molまで、好ましくは7,000g/molまで、より好ましくは4,000g/molまでの質量平均分子量(Mw)を有するアクリル酸−マレイン酸コポリマーである組成物が好ましい。
【0030】
驚くべきことに、上記に明記したアニオン性ポリマー(B)を有する洗浄組成物は、電子材料およびデバイスに有害な影響を与えずにコバルトまたはコバルト合金を含むまたはそれらからなる基板からCMP後の残留物および汚染物質を効率的に除去するのに特に好適であることが見出された。
【0031】
本発明による組成物は前述の成分(B)のアニオン性ポリマーが以下の特性:
− 23℃で45mPas未満、好ましくは35mPas未満の動的粘度(DIN EN ISO 2555に従って、好ましくはDIN EN ISO 2555:2000−01に従って測定)、
および/または
− アクリル酸−マレイン酸コポリマーが水中に溶解または分散した1.3から1.7の間、好ましくは1.5のpHの5wt%の水溶液または分散体、
および/または
− 2,500g/molから3,500g/molの範囲内、好ましくは2,800g/molから3,200g/molの範囲内の質量平均分子量(Mw)、
および/または
− 1.15g/cm
3から1.3g/cm
3までの範囲内、好ましくは1.23g/cm
3の密度
のうち1つまたは複数、好ましくはすべてを有するアクリル酸−マレイン酸コポリマーである組成物が好ましい。
【0032】
好ましいアクリル酸−マレイン酸コポリマーの上記に列挙した特性は、組成物中での使用前に個別の成分としてポリマーが示す特徴であり、これは特にpH、動的粘度、および密度について当てはまる。
【0033】
本発明による組成物としては、
(D) 1種または2種以上の腐食抑制剤
をさらに(すなわち追加的に)含む組成物が特に好ましい。
【0034】
本発明による組成物としては、前述の腐食抑制剤(D)の総量が、組成物の総質量に対して0.001wt%から3wt%の範囲内、好ましくは0.001wt%から1.5wt%の範囲内、より好ましくは0.001wt%から0.5wt%の範囲内、最も好ましくは0.001wt%から0.1wt%の範囲内である組成物が特に好ましい。
【0035】
腐食抑制剤は基板を酸化および腐食から保護する。腐食抑制剤は好ましくは半導体被加工物の金属上にフィルムを形成するのに効果的なフィルム形成性腐食抑制剤であり、洗浄工程の間および後に金属を化学的、ガルバニ電池による、および/または光で誘起される酸化から保護する。
【0036】
好ましい腐食抑制剤(D)はアセチルシステイン、N−アシル−サルコシン、好ましくはN−オレオイルサルコシンまたはN−ドデカノイル−N−メチルグリシン、アルキルスルホン酸(例えば炭素原子10個未満の鎖長を有する)、アルキル−アリールスルホン酸、好ましくはドデシルベンゼンスルホン酸、イソフタル酸、アルキルホスフェート、ポリアスパラギン酸、イミダゾールおよびその誘導体、好ましくはイミダゾール、200から2,000g/molの範囲内の質量平均分子量(Mw)を有するポリエチレンイミン、トリアゾールの誘導体、好ましくはベンゾトリアゾール誘導体、より好ましくはベンゾトリアゾールおよび2,2’−(((5−メチル−1H−ベンゾトリアゾール−1−イル)メチル)イミノ)ビスエタノール、ならびにエチレンジアミンの誘導体、好ましくはN,N,N’,N’−テトラキス(2−ヒドロキシプロピル)エチレンジアミンからなる群から選択される。
【0037】
本発明による組成物としては、
(E) 1種または2種以上の消泡剤
をさらに(すなわち追加的に)含む組成物が特に好ましい。
【0038】
本発明による組成物としては、前述の消泡剤(E)の総量が組成物の総質量に対して0.01wt%から0.5wt%の範囲内である組成物が特に好ましい。
【0039】
本発明による組成物は、消泡剤(E)がN−オクチルピロリドン、脂肪酸のモノグリセリド、脂肪酸のジグリセリド、トリ−n−ブチルホスフェート、トリ−イソ−ブチルホスフェート、メタノールおよび2個から12個の炭素原子を有する一級、二級または三級アルコール(好ましくは脂肪族アルコール)、好ましくはヘキサノールからなる群から選択される組成物が好ましい。アルコール、好ましくは2個から12個の炭素原子を有する脂肪族アルコール、好ましくはヘキサノールは、本発明による組成物中に特に好ましい。
【0040】
本発明による組成物としては、
(F) 塩基
をさらに(すなわち追加的に)含み、該塩基(F)が好ましくは
a) 水酸化カリウム
または
b) 水酸化テトラメチルアンモニウム(TMAH)および水酸化テトラエチルアンモニウム(TEAH)を含有しない、好ましくは四級アンモニウムカチオンを含有しない、
組成物が特に好ましい。
【0041】
本発明による組成物が式NR
1R
2R
3R
4OHの任意の化合物を含まない(式中、R
1、R
2、R
3およびR
4は、互いに同一または異なり、水素、直鎖状または分枝状C1〜C6アルキル(例えば、メチル、エチル、プロピル、ブチル、ペンチル、およびヘキシル)、および置換または非置換C5〜C10アリール、例えば、ベンジルからなる群から選択される)場合が特に好ましい。本発明による組成物が水酸化テトラメチルアンモニウム、水酸化テトラプロピルアンモニウム、水酸化テトラブチルアンモニウム、水酸化テトラエチルアンモニウム、水酸化ベンジルトリエチルアンモニウム、水酸化ベンジルトリメチルアンモニウム、水酸化トリブチルメチルアンモニウム、水酸化コリン、水酸化アンモニウム、(2−ヒドロキシエチル)トリメチルアンモニウムヒドロキシド、(2−ヒドロキシエチル)トリエチルアンモニウムヒドロキシド、(2−ヒドロキシエチル)トリプロピルアンモニウムヒドロキシド、(1−ヒドロキシプロピル)トリメチルアンモニウムヒドロキシド、水酸化エチルトリメチルアンモニウム、および水酸化ジエチルジメチルアンモニウムからなる群から選択される任意の化合物を含まない場合が特に好ましい。
【0042】
驚くべきことに、四級アンモニウムカチオンまたは上記に明記した式NR
1R
2R
3R
4OHの化合物を含まない本発明による洗浄組成物は特に環境に優しいことが見出された。
【0043】
本発明による組成物は洗浄組成物のすべての成分が液相中に存在し、好ましくは洗浄組成物のすべての成分が同一の液相中に存在する組成物が好ましい。
【0044】
驚くべきことに、洗浄組成物のすべての成分がすでに同一の液相中に存在する洗浄組成物は特に容易に使用できることが見出されたが、これは特に使用前に固体の粒子を溶解する必要がないためである。洗浄組成物のすべての成分がすでに同一の液相中に存在する組成物は、保存タンクから取り出して直接使用することができる。
【0045】
本発明による組成物は500ppm未満、好ましくは100ppm未満のナトリウムカチオン濃度を有する組成物が好ましい。
【0046】
本明細書で使用する場合、「汚染物質」は金属酸化物、金属イオンおよびそれらの錯体、有機残留物、無機粒子、シリカ含有粒子、炭素に富む粒子、研磨パッド粒子、ならびにCMPプロセスの副生成物である任意の他の材料など、CMPスラリー中に存在する化学物質または材料、研磨スラリーの反応副生成物、CMPプロセスの副生成物である任意の他の材料に対応する。
【0047】
本明細書で使用する場合、「残留物」はプラズマエッチング、アッシング、ウエットエッチング、およびそれらの組み合わせを含むがそれらに限定されないCMPプロセス前のマイクロエレクトロニクスデバイスの製造の間に発生または添加した材料、粒子、化学物質、および反応副生成物に対応する。
【0048】
用語「基板」は、半導体材料および/または半導体材料上の金属層、特に半導体材料上のコバルトまたはコバルト合金層を含む任意の構造体を指し、半導体ウエーハなどのバルク半導体材(単独またはコバルトまたはコバルト合金および/またはそれらの上の他の材料を含むアセンブリで)、ならびに半導体材料層(単独またはコバルトまたはコバルト合金および/またはそれらの上の他の材料を含むアセンブリで)を含むがそれらに限定されない。
【0049】
本発明による組成物は好ましくは、半導体デバイスの洗浄、特にコバルトまたはコバルト合金を含む半導体デバイスの洗浄に好適である。
【0050】
本明細書で使用する場合、「半導体デバイス」は電子デバイスまたは材料に対応し、特に半導体集積回路(IC)、液晶パネル、有機エレクトロルミネセンスパネル、プリント回路基板、マイクロマシン、DNAチップ、マイクロプラントおよび磁気ヘッド、より好ましくはLSI(大規模集積)またはVLSI(超大規模集積)を有するIC、ならびに光学デバイス、特にフォトマスク、レンズおよびプリズムなどの光学ガラス、酸化インジウムスズ(ITO)などの無機導電性フィルム、光集積回路、光スイッチング素子、光導波路、光ファイバの端面およびシンチレータなどの光学単結晶、固体レーザー単結晶、青色レーザーLEDのサファイア基板、半導体単結晶、および磁気ディスクのガラス基板である。
【0051】
本発明による化学機械研磨後(CMP後)の洗浄組成物は、
(A) ポリアクリルアミド、ポリヒドロキシエチルメタクリレート(PHEMA)、ポリビニルピロリドン(PVP)、ポリビニルアルコール(PVA)、ポリプロピレンオキシド(PPO)、ポリプロピレングリコール、ポリエチレンオキシド(PEO)、ポリエチレングリコール(PEG)、およびこれらの混合物からなる群から選択される1種または複数種の非イオン性ポリマー、好ましくは該非イオン性ポリマー(A)がポリエチレングリコール(PEG)である非イオン性ポリマー、
(B) 質量平均分子量(Mw)が10,000g/molまでのポリ(アクリル酸)(PAA)またはアクリル酸−マレイン酸コポリマー、
(C) 水、
(D) 任意に、アセチルシステイン、N−アシル−サルコシン、好ましくはN−オレオイルサルコシンまたはN−ドデカノイル−N−メチルグリシン、アルキルスルホン酸、アルキル−アリールスルホン酸、好ましくはドデシルベンゼンスルホン酸、イソフタル酸、アルキルホスフェート、ポリアスパラギン酸、イミダゾールおよびその誘導体(好ましくはイミダゾール)、200から2,000g/molの範囲内の質量平均分子量(Mw)を有するポリエチレンイミン、トリアゾールの誘導体、好ましくはベンゾトリアゾール誘導体、より好ましくはベンゾトリアゾールおよび2,2’−(((5−メチル−1H−ベンゾトリアゾール−1−イル)メチル)イミノ)ビスエタノール、ならびにエチレンジアミンの誘導体、好ましくはN,N,N’,N’−テトラキス(2−ヒドロキシプロピル)エチレンジアミンからなる群から選択されることが好ましい、1種または2種以上の腐食抑制剤、
(E) 任意に、N−オクチルピロリドン、脂肪酸のモノグリセリド、脂肪酸のジグリセリド、トリ−n−ブチルホスフェート、トリ−イソ−ブチルホスフェート、および2個から12個の炭素原子を有する一級、二級または三級アルコール、好ましくはヘキサノールからなる群から選択されることが好ましい1種または2種以上の消泡剤、ならびに
(F) 任意に塩基好ましくは水酸化カリウム、
からなり、
pHが7.0から10.5の範囲内である組成物が好ましい。
【0052】
本発明による化学機械研磨後(CMP後)の洗浄組成物は、
(A) 質量平均分子量(Mw)が400から8,000g/molの範囲内、好ましくは600から4,000g/molの範囲内、より好ましくは600から2,000g/molの範囲内、より好ましくは600から1,500g/molの範囲内であるポリエチレングリコール(PEG)、
(B) 質量平均分子量(Mw)が10,000g/molまでのアクリル酸−マレイン酸コポリマー、
(C) 水、
(D) 任意に、アセチルシステイン、N−アシル−サルコシン、好ましくはN−オレオイルサルコシンまたはN−ドデカノイル−N−メチルグリシン、アルキルスルホン酸、アルキル−アリールスルホン酸、好ましくはドデシルベンゼンスルホン酸、イソフタル酸、アルキルホスフェート、ポリアスパラギン酸、イミダゾールおよびその誘導体、(好ましくはイミダゾール)、200から2,000g/molの範囲内の質量平均分子量(Mw)を有するポリエチレンイミン、トリアゾールの誘導体、好ましくはベンゾトリアゾール誘導体、より好ましくはベンゾトリアゾールおよび2,2’−(((5−メチル−1H−ベンゾトリアゾール−1−イル)メチル)イミノ)ビスエタノール、ならびにエチレンジアミンの誘導体、好ましくはN,N,N’,N’−テトラキス(2−ヒドロキシプロピル)エチレンジアミンからなる群から選択されることが好ましい、1種または2種以上の腐食抑制剤、
(E) 任意に、N−オクチルピロリドン、脂肪酸のモノグリセリド、脂肪酸のジグリセリド、トリ−n−ブチルホスフェート、トリ−イソ−ブチルホスフェート、および2個から12個の炭素原子を有する一級、二級または三級アルコール、好ましくはヘキサノールからなる群から選択されることが好ましい1種または2種以上の消泡剤、ならびに
(F) 任意に塩基好ましくは水酸化カリウム、
からなり、pHが7.0から10.5の範囲内、好ましくは7.5から9.5の範囲内、より好ましくは7.5から9.0の範囲内、より好ましくは8.0から9.5の範囲内、より好ましくは8.0から9.0の範囲内である組成物が好ましい。
【0053】
本発明による化学機械研磨後(CMP後)の洗浄組成物は、
(A) 質量平均分子量(Mw)が400から8,000g/molの範囲内、好ましくは600から4,000g/molの範囲内、より好ましくは600から2,000g/molの範囲内、より好ましくは600から1,500g/molの範囲内であるポリエチレングリコール(PEG)、
(B) 質量平均分子量(Mw)が10,000g/molまでのアクリル酸−マレイン酸コポリマー、
(C) 水、
(D) 任意に、アセチルシステイン、N−アシル−サルコシン、好ましくはN−オレオイルサルコシンまたはN−ドデカノイル−N−メチルグリシン、アルキルスルホン酸、アルキル−アリールスルホン酸、好ましくはドデシルベンゼンスルホン酸、イソフタル酸、アルキルホスフェート、ポリアスパラギン酸、イミダゾールおよびその誘導体、(好ましくはイミダゾール)、200から2,000g/molの範囲内の質量平均分子量(Mw)を有するポリエチレンイミン、トリアゾールの誘導体、好ましくはベンゾトリアゾール誘導体、より好ましくはベンゾトリアゾールおよび2,2’−(((5−メチル−1H−ベンゾトリアゾール−1−イル)メチル)イミノ)ビスエタノール、ならびにエチレンジアミンの誘導体、好ましくはN,N,N’,N’−テトラキス(2−ヒドロキシプロピル)エチレンジアミンからなる群から選択されることが好ましい、1種または2種以上の腐食抑制剤、
(E) 任意に、N−オクチルピロリドン、脂肪酸のモノグリセリド、脂肪酸のジグリセリド、トリ−n−ブチルホスフェート、トリ−イソ−ブチルホスフェート、および2個から12個の炭素原子を有する一級、二級または三級アルコール、好ましくはヘキサノールからなる群から選択されることが好ましい1種または2種以上の消泡剤、ならびに
(F) 任意に、塩基好ましくは水酸化カリウム、
からなり、pHが7.0から10.5の範囲内、好ましくは7.5から9.5の範囲内、より好ましくは7.5から9.0の範囲内、より好ましくは8.0から9.5の範囲内、より好ましくは8.0から9.0の範囲内である組成物が好ましい。
【0054】
本発明によるCMP後洗浄組成物としては、上記に定義した好ましい特徴のうち2つ以上が組み合わさった組成物が特に好ましい。さらに好ましくは、本発明によるCMP後洗浄組成物の成分(A)から(F)のうち1つ、2つ、3つまたはそれぞれが前述の成分の好ましい実施形態のうち1つの形態および/または前述の成分の好ましい濃度範囲内で存在する。
【0055】
特定の用途では、本発明による組成物は、
(A) 組成物の総質量に対して0.001wt%から0.125wt%の範囲内、好ましくは0.001から0.09wt%の範囲内にある、1種または複数種の非イオン性ポリマーの総量
および
(B) 組成物の総質量に対して0.001wt%から0.125wt%の範囲内、好ましくは0.001から0.09wt%の範囲内にある、ポリ(アクリル酸)(PAA)およびアクリル酸−マレイン酸コポリマーの総量
を含む、すぐに使用できる化学機械研磨後(CMP後)の洗浄組成物である組成物が好ましい。
【0056】
特定の用途では、本発明による組成物は、
(A) 組成物の総質量に対して0.1wt%から7.5wt%の範囲内、好ましくは0.1から5wt%の範囲内、より好ましくは0.1から3wt%の範囲内にある、1種または複数種の非イオン性ポリマーの総量
および
(B) 組成物の総質量に対して0.1wt%から7.5wt%の範囲内、好ましくは0.1から5wt%の範囲内、より好ましくは0.1から3wt%の範囲内にある、ポリ(アクリル酸)(PAA)およびアクリル酸−マレイン酸コポリマーの総量
を含む化学機械研磨後(CMP後)の洗浄組成物濃縮液である組成物が好ましい。
【0057】
本発明による組成物は、成分(A)および成分(B)の質量比が1:50から50:1、好ましくは1:30から30:1、より好ましくは1:5から5:1の範囲内のものが好ましい。
【0058】
本発明による化学機械研磨後(CMP後)の洗浄組成物濃縮液は、組成物が、
(A) 組成物の総質量に対して、0.1から7.5wt%の範囲内、好ましくは0.1から5wt%の範囲内、より好ましくは0.1から3wt%の範囲内にある、1種または複数種の非イオン性ポリマーの総量、
(B) 組成物の総質量に対して0.1から7.5wt%の範囲内、好ましくは0.1から5wt%の範囲内、より好ましくは0.1から3wt%の範囲内にある、ポリ(アクリル酸)(PAA)およびアクリル酸−マレイン酸の総量、
(C) 水の総量が組成物の総質量に対して99.8から75wt%の範囲内であること、
(D) 任意に、アセチルシステイン、N−アシル−サルコシン、好ましくはN−オレオイルサルコシンまたはN−ドデカノイル−N−メチルグリシン、アルキルスルホン酸、アルキル−アリールスルホン酸、好ましくはドデシルベンゼンスルホン酸、イソフタル酸、アルキルホスフェート、ポリアスパラギン酸、イミダゾールおよびその誘導体、(好ましくはイミダゾール)、200から2,000g/molの範囲内の質量平均分子量(Mw)を有するポリエチレンイミン、トリアゾールの誘導体、好ましくはベンゾトリアゾール誘導体、より好ましくはベンゾトリアゾールおよび2,2’−(((5−メチル−1H−ベンゾトリアゾール−1−イル)メチル)イミノ)ビスエタノール、ならびにエチレンジアミンの誘導体、好ましくはN,N,N’,N’−テトラキス(2−ヒドロキシプロピル)エチレンジアミンからなる群から選択されることが好ましい、1種または2種以上の腐食抑制剤の総量が、組成物の総質量に対して0.001wt%から3wt%、好ましくは0.001wt%から1.5wt%の範囲内、より好ましくは0.001wt%から0.5wt%の範囲内、最も好ましくは0.001wt%から0.1wt%の範囲内であること、
(E) 任意に、N−オクチルピロリドン、脂肪酸のモノグリセリド、脂肪酸のジグリセリド、トリ−n−ブチルホスフェート、トリ−イソ−ブチルホスフェート、および2個から12個の炭素原子を有する一級、二級または三級アルコール、好ましくはヘキサノールからなる群から選択されることが好ましい1種または2種以上の消泡剤の総量が、組成物の総質量に対して0.01wt%から0.5wt%の範囲内であること、ならびに
(F) 任意に、塩基好ましくは水酸化カリウムの総量が組成物の総質量に対して0から6.5wt%の範囲内であること、
からなり、pHが7.0から10.5の範囲内、好ましくは7.5から9.5の範囲内、より好ましくは7.5から9.0の範囲内、より好ましくは8.0から9.5の範囲内、より好ましくは8.0から9.0の範囲内である濃縮液が好ましい。
【0059】
本発明によるすぐに使用できる化学機械研磨後(CMP後)の洗浄組成物は、
(A) 400から8,000g/molの範囲内、好ましくは600から4,000g/molの範囲内、より好ましくは600から2,000g/molの範囲内、より好ましくは600から1,500g/molの範囲内の質量平均分子量(Mw)を有するポリエチレングリコールの(PEG)の総量が、組成物の総質量に対して、0.001から0.15wt%、好ましくは0.001から0.09wt%の範囲内であること、
(B) 組成物の総質量に対して0.001から0.15wt%の範囲内、好ましくは0.001から0.09wt%の範囲内にある、10,000g/molまでの質量平均分子量(Mw)を有するポリ(アクリル酸)(PAA)およびアクリル酸−マレイン酸コポリマーの総量、
(C) 水の総量が組成物の総質量に対して99.998から99.5wt%の範囲内であること、
(D) 任意に、アセチルシステイン、N−アシル−サルコシン、好ましくはN−オレオイルサルコシンまたはN−ドデカノイル−N−メチルグリシン、アルキルスルホン酸、アルキル−アリールスルホン酸、好ましくはドデシルベンゼンスルホン酸、イソフタル酸、アルキルホスフェート、ポリアスパラギン酸、イミダゾールおよびその誘導体、(好ましくはイミダゾール)、200から2,000g/molの範囲内の質量平均分子量(Mw)を有するポリエチレンイミン、トリアゾールの誘導体、好ましくはベンゾトリアゾール誘導体、より好ましくはベンゾトリアゾールおよび2,2’−(((5−メチル−1H−ベンゾトリアゾール−1−イル)メチル)イミノ)ビスエタノール、ならびにエチレンジアミンの誘導体、好ましくはN,N,N’,N’−テトラキス(2−ヒドロキシプロピル)エチレンジアミンからなる群から選択されることが好ましい、1種または2種以上の腐食抑制剤の総量が、組成物の総質量に対して0.00001wt%から0.075wt%、好ましくは0.00001wt%から0.0375wt%の範囲内、より好ましくは0.00001wt%から0.0125wt%の範囲内、最も好ましくは0.00001wt%から0.0025wt%の範囲内であること、
(E) 任意に、N−オクチルピロリドン、脂肪酸のモノグリセリド、脂肪酸のジグリセリド、トリ−n−ブチルホスフェート、トリ−イソ−ブチルホスフェート、および2個から12個の炭素原子を有する一級、二級または三級アルコール、好ましくはヘキサノールからなる群から選択されることが好ましい1種または2種以上の消泡剤の総量が、組成物の総質量に対して0.0001wt%から0.0125wt%の範囲内であること、ならびに
(F) 任意に、塩基好ましくは水酸化カリウムの総量が組成物の総質量に対して0から0.1625wt%の範囲内であること、
からなり、pHが7.0から10.5の範囲内、好ましくは7.5から9.5の範囲内、より好ましくは7.5から9.0の範囲内、より好ましくは8.0から9.5の範囲内、より好ましくは8.0から9.0の範囲内である組成物が好ましい。
【0060】
本発明による組成物は基板、好ましくは金属含有基板、より好ましくはコバルトまたはコバルト合金を含有するまたはそれらからなる基板から残留物および汚染物質を除去することに対して好ましくは好適である。
【0061】
CMP後洗浄組成物が濃縮された形態で生産、流通、および保存され、好ましくは水による希釈によって使用前に希釈され、すぐに使用できるCMP後洗浄組成物を得ることが好ましい。このことにより、1質量部のCMP後洗浄組成物濃縮液が50質量部以上、好ましくは75質量部以上、より好ましくは100質量部以上の希釈剤によって希釈されることが好ましい。最も好ましくは希釈剤は25℃で18MΩを超える電気抵抗率および/または10ppb未満の全有機炭素(TOC)量を有する水である。
【0062】
本発明によるCMP後洗浄組成物の様々な成分の定義に、構造上同時に当てはまる物質は、定量的考察のために各場合についてそれらの成分すべてに割り当てられなければならない。例えば、本発明による組成物が成分(F)中にまたは成分(F)として1種または複数種の塩基を含有し、その塩基が同時に本明細書に定義した他のいずれかの成分の定義に当てはまる場合、定量的考察のために、これらの塩基は成分(F)に加え、前述の他の成分にも割り当てられなければならない。
【0063】
本発明のさらなる態様は、本発明による組成物(上記で定義した、好ましくは上記で好ましいとして指定した)を、
コバルトの化学機械研磨後の洗浄剤として、
および/または
コバルトを含む基板を好ましくは化学機械研磨後に洗浄するために、
および/または
コバルトまたはコバルト合金を含む半導体基板の表面から残留物および汚染物質を除去するために、
使用する方法である。
【0064】
さらなる態様では、本発明は半導体基板の表面を本発明による洗浄組成物に少なくとも1回接触させることで半導体基板の表面から残留物および汚染物質を除去する工程を含む、半導体基板から半導体デバイスを製造する方法に関する。
【0065】
本発明による方法は、表面がコバルトまたはコバルト合金を含む表面である場合に好ましい。
【0066】
本発明による好ましい方法は、残留物および汚染物質を除去する工程が好ましくは化学機械研磨(CMP)後に実行される、化学機械研磨(CMP)の工程をさらに含む。
【0067】
本発明による好ましい方法では、半導体基板は好ましくは化学機械研磨(CMP)工程の後に本発明による洗浄組成物で1回、2回または3回以上すすがれる。すすぎの条件は、一般に20から40℃の範囲内の温度で10秒から5分のすすぎ、好ましくは20から40℃の範囲内の温度で30秒から2分のすすぎである。
【0068】
本発明による別の好ましい方法では、半導体基板は本発明による洗浄組成物中に浸されるまたは浸漬され、その基板は好ましくは洗浄組成物と接触させながら、メガソニックもしくは超音波またはマランゴニ法によって洗浄される。
【0069】
CMP工程の後、半導体ウエーハの表面は基板表面から好ましくない汚染物質および残留物を除去するのに十分な時間および温度で本発明による組成物に接触させられる。任意に、次いで基板をすすいで本発明による組成物ならびに汚染物質および残留物を除去し、乾燥して、溶媒またはすすぎ剤のようなあらゆる余分な液体を除去する。
【0070】
本発明による方法では、好ましくは化学機械研磨(CMP)工程の後に、基板を本発明による洗浄組成物に曝す浴またはスプレー塗布を使用することが好ましい。浴またはスプレー洗浄の時間は一般に、1分から30分、好ましくは5分から20分である。浴またはスプレー洗浄の温度は一般に、10℃から90℃の範囲内で、好ましくは20℃から50℃の範囲内で実行される。しかし、メガソニックおよび超音波洗浄、好ましくはメガソニック洗浄法もまた適用可能である。
【0071】
必要であれば、基板の乾燥は空気蒸発、熱、回転または加圧ガスの任意の組み合わせを使用して達成可能である。好ましい乾燥技術は濾過した窒素などの不活性ガス流下で基板が乾燥するまで回転させることである。
【0072】
本発明による組成物中に使用されるポリマーの分子量、特に質量平均分子量(Mw)は、ゲル透過クロマトグラフィーによって決定される。
【0073】
実施例および比較実施例:
本発明は以下において実施例および比較実施例を用いてさらに例示される。
【0074】
実施例1〜12:
実施例1
20,000gのCMP後洗浄組成物濃縮液の製造のため、25℃で18MΩを超える電気抵抗率および10ppb未満の全有機炭素(TOC)量を有する14,000gの純水を用意した。水を撹拌し、1,500g/mol(Pluriol 1500)の質量平均分子量(Mw)を有する500gのポリエチレングリコール(PEG)を添加し、ポリエチレングリコール(PEG)が溶解するまで少なくとも20分間にわたり溶液を撹拌した。その後に、2,000gのアクリル酸−マレイン酸コポリマー(Planapur 12 SEG)水溶液(25wt%)を溶液に添加し、溶液をさらに20分間にわたり撹拌した。溶液のpH値は、水酸化カリウム水溶液(48wt%)を添加することによって所望の値である7.5に調整した。生成した溶液に純水を満たし、総質量を20,000gにした。
【0075】
実施例2〜12
実施例2から12のCMP後洗浄組成物濃縮液を実施例1と同様にしてそれらの原料を混合することによって製造した。表1はそれらの組成についてまとめている。
【0077】
比較実施例1〜4
比較実施例1から4の組成物は実施例1と同様にしてそれらの原料を混合することによって製造された。表2はそれらの組成についてまとめている。
【0079】
原子間力顕微鏡法(AFM)測定:
原子間力顕微鏡法(AFM)によって洗浄効率を決定するため、BTAおよびコロイド状シリカ含有バリアCMPスラリーで研磨した(シリコン上に化学蒸着プロセスによって堆積させた)2.5×2.5cmのCoウエーハ試験片を超高純度水で10秒間にわたりすすぎ、その後に上記に言及した洗浄溶液の入ったビーカー中に30秒間にわたり浸漬し、マグネチックスターラーで30秒間にわたり撹拌した(300rpm)。10秒間にわたる超高純度水による最終すすぎ工程の後、試験片は窒素流で乾燥させ、AFM装置(Bruker ICON、ドイツ)でタッピングモードおよび5×5μm領域を使用して適切な解像度で観察した。AFM測定の結果を評価し、その結果を良い(ごくわずかな粒子)、普通(数個の粒子)、および悪い(多数の粒子)というカテゴリーに分類した。結果は表1および2に示されている。
【0080】
組成物のエッチング速度:
実施例1から8および比較実施例1から4の組成物のエッチング速度を測定した。以下に言及するように4探針プローブ装置を使用してCo層の厚さを評価する前にすべての試験片を測定した。上記に言及したコバルト試験片を3%のクエン酸溶液で5分間にわたり前処理し、自然酸化物を除去した。超高純度水ですすいだ後、マグネチックスターラー(300rpm)による撹拌を使用して試験片を上述のPCC溶液中に5分間にわたり浸漬した。エッチング浴から除去した後、試験片を脱イオン水ですすぎ、ナプソン株式会社、日本によって供給された4探針プローブ装置(RG2000)で厚さを測定した。エッチング速度(オングストローム毎分で示す)を算出した。結果は表1および2に示されている。